JP5429471B2 - プロジェクター - Google Patents

プロジェクター Download PDF

Info

Publication number
JP5429471B2
JP5429471B2 JP2009217192A JP2009217192A JP5429471B2 JP 5429471 B2 JP5429471 B2 JP 5429471B2 JP 2009217192 A JP2009217192 A JP 2009217192A JP 2009217192 A JP2009217192 A JP 2009217192A JP 5429471 B2 JP5429471 B2 JP 5429471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
cladding layer
gain region
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009217192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011065050A (ja
Inventor
人司 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009217192A priority Critical patent/JP5429471B2/ja
Publication of JP2011065050A publication Critical patent/JP2011065050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5429471B2 publication Critical patent/JP5429471B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Led Devices (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
光通信等で用いられる半導体発光デバイスにおいては、一般的に、装置の外部に半透過ミラーや回折素子を配置して出射した光の一部を取り出し、その光を受光素子によって検出することで、光量の調整等を行っている。
例えば、特許文献1では、レーザーダイオードからの光を分光プリズム等で分岐させ、その分岐させた光を検出するモニター用フォトダイオードを有する光ピックアップ装置が提案されている。
特開平10−3691号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法では、発光素子と受光素子が個々に設けられているため、別途分光プリズム等の光学素子が必要となり、部品点数が多くなる、小型化が難しいといった問題がある。また、プロジェクターなどの表示装置に用いるためには、複数のレーザーダイオードの光量を個々に検出する必要があるが、個別に受光素子を設けるのは困難であるといった問題がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、発光素子および受光素子がモノリシックに集積された受発光素子を備え、電流経路となる利得領域ごとに光量検出を行うことが可能なプロジェクターを提供することにある。
本発明に係るプロジェクターは、
受発光素子を有する受発光装置と、
前記受発光装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含み、
前記受発光素子は、
第1クラッド層と第2クラッド層とに挟まれた活性層と、
前記第1クラッド層の前記活性層側の面とは反対の面側に形成された光吸収層と、を備える積層構造体を有し、
前記活性層のうちの少なくとも一部は、前記活性層の電流経路となる利得領域を構成し、
前記積層構造体において、前記活性層の露出する面のうちの第1面と第2面とは、互いに対向する位置関係であり、
前記利得領域は、前記第1面側の端面から、前記第2面側の端面まで、直線状に設けられ、
前記第1面側の端面および前記第2面側の端面の少なくとも一方は、前記利得領域に生じる光を出射する出射面であり、
前記利得領域に生じる光の一部は、前記第1クラッド層内を通過して、前記光吸収層に至り、受光される。
このようなプロジェクターによれば、発光素子および受光素子がモノリシックに集積された前記受発光素子を備え、電流経路となる前記利得領域ごとに光量検出を行うことができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記光吸収層に至る光は、前記利得領域に生じる光のうち、前記第1面側の端面および前記第2面側の端面における、前記活性層と大気との屈折率差によって、前記利得領域の伝播モードとは異なるモードを有する光であることができる。
このようなプロジェクターによれば、発光素子および受光素子がモノリシックに集積された前記受発光素子を備え、電流経路となる前記利得領域ごとに光量検出を行うことができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記第1クラッド層の屈折率は、前記第2クラッド層の屈折率より大きいことができる。
このようなプロジェクターによれば、前記利得領域に生じる光の一部は、前記第1クラッド層内を通過し易くなり、受光される光の光量を制御することができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記第1クラッド層および前記第2クラッド層は、Alを含む層であり、
前記第1クラッド層のAl組成比は、前記第2クラッド層のAl組成比より小さいことができる。
このようなプロジェクターによれば、前記第1クラッド層のAl組成比によって前記第1クラッド層の屈折率を調整し、受光される光の光量を制御することができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記受発光素子は、前記光吸収層の前記第1クラッド層側とは反対の面側に形成された第3クラッド層を有することができる。
このようなプロジェクターによれば、前記第1クラッド層および前記第3クラッド層は、前記光吸収層を挟んで、光を閉じ込めることができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記利得領域は、複数配列され、
隣り合う前記利得領域の間には、分離溝が形成され、
前記分離溝は、前記第2クラッド層、前記活性層、前記第1クラッド層および前記光吸収層を貫通していることができる。
このようなプロジェクターによれば、発光の高出力化を図ることができ、また、複数の前記利得領域の各々に対して、個別に光量検出を行うことができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記利得領域に生じる光の波長帯において、前記第1面の反射率は、前記第2面の反射率よりも高く、
前記利得領域は、複数設けられ、
複数の前記利得領域のうちの第1利得領域は、前記活性層の積層方向から平面視して、前記第1面の垂線に対して時計回り方向に傾いており、
複数の前記利得領域のうちの第2利得領域は、前記活性層の積層方向から平面視して、前記第1面の垂線に対して反時計回り方向に傾いており、
前記第1利得領域および前記第2利得領域は、前記第1利得領域の前記第1面側の端面と、前記第2利得領域の前記第1面側の端面と、が前記第1面で重なるV型利得領域を構成していることができる。
このようなプロジェクターによれば、前記第1利得領域に生じる光の一部は、重なり面(前記第1利得領域の前記第1面側の端面と、前記第2利得領域の前記第1面側の端面と、の重なり面)において反射して、前記第2利得領域内においても、利得を受けながら進行することができる。また、前記第2利得領域に生じる光の一部に関しても同様である。したがって、例えば、重なり面において積極的に反射させないような場合に比べ、光強度の増幅距離が長くなるため、高い光出力を得ることができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記V型利得領域は、複数配列され、
隣り合う前記V型利得領域の間には、分離溝が形成され、
前記分離溝は、前記第2クラッド層、前記活性層、前記第1クラッド層および前記光吸収層を貫通していることができる。
このようなプロジェクターによれば、発光の高出力化を図ることができ、また、複数の前記利得領域の各々に対して、個別に光量検出を行うことができる。
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記受発光装置は、
前記利得領域の前記第1面側の端面から出射される光を、反射させる第1ミラーと、
前記利得領域の前記第2面側の端面から出射される光を、反射させる第2ミラーと、
を有し、
前記第1ミラーで反射された光の進む方向と、前記第2ミラーで反射された光の進む方向とは、同じ方向であることができる。
このようなプロジェクターによれば、発光の高密度化を図ることができる。
本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第1変形例の受発光素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第2変形例の受発光素子を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第2変形例の受発光素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第3変形例の受発光素子を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第3変形例の受発光素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第4変形例の受発光素子を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる第4変形例の受発光素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光装置を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光装置を模式的に示す断面図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. プロジェクター
まず、本実施形態に係るプロジェクター1000について、図面を参照しながら説明する。図1は、プロジェクター1000を模式的に示す図である。なお、図1では、便宜上、プロジェクター1000を構成する筐体は省略している。プロジェクター1000は、本発明に係る受発光素子を有する受発光装置を含む。以下では、本発明に係る受発光装置として、受発光装置600を用いた例について説明する。
プロジェクター1000において、赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源(受発光装置)600R,緑色光源(受発光装置)600G、青色光源(受発光装置)600Bは、上述した受発光装置600である。
プロジェクター1000は、光源600R,600G,600Bから出射された光をそれぞれ画像情報に応じて変調する透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)1004R,1004G,1004Bと、液晶ライトバルブ1004R,1004G,1004Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)1010に投射する投射レンズ(投射装置)1008と、を備えている。また、プロジェクター1000は、液晶ライトバルブ1004R,1004G,1004Bから出射された光を合成して投写レンズ1008に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)1006を備えていることができる。
さらに、プロジェクター1000は、光源600R,600G,600Bから出射された光の照度分布を均一化させるため、各光源600R,600G,600Bよりも光路下流側に、均一化光学系1002R,1002G,1002Bを設けており、これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ1004R,1004G,1004Bを照明している。均一化光学系1002R,1002G、1002Bは、例えば、ホログラム1002aおよびフィールドレンズ1002bによって構成される。
各液晶ライトバルブ1004R,1004G,1004Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム1006に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投写光学系である投射レンズ1006によりスクリーン1010上に投写され、拡大された画像が表示される。
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
また、受発光装置600を、受発光装置600からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の受発光装置(光源装置)にも適用することが可能である。
プロジェクター1000によれば、光源として、本発明に係る受発光装置(受発光素子)を用いることができるため、電流経路となる利得領域ごとに光量検出を行うことができる。プロジェクター1000に用いる受発光素子および受発光装置の構成等については、以下に説明する。
2. 受発光素子
次に、本実施形態に係るプロジェクター1000に用いる受発光素子100について、図面を参照しながら説明する。図2は、受発光素子100を模式的に示す平面図である。図3は、受発光素子100を模式的に示す図2のIII−III線断面図である。図4は、受発光素子100を模式的に示す図2のIV−IV線断面図である。なお、図2では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
以下では、受発光素子100の構成、発光の動作原理、受光の動作原理の順に説明する。
(1)構成
受発光素子100は、図2〜図4に示すように、積層構造体120と、第1電極112と、第2電極114と、第3電極115と、絶縁部116と、を含むことができる。積層構造体120は、基板101と、第3クラッド層102と、光吸収層103と、第1クラッド層104と、活性層106と、第2クラッド層108と、コンタクト層110と、を含むことができる。
基板101としては、例えば、第1導電型(例えばp型)のGaAs基板などを用いることができる。
第3クラッド層102は、基板101上に形成されている。第3クラッド層102としては、例えば、p型のAlGaInP層などを用いることができる。
光吸収層103は、第3クラッド層102上に形成されている。光吸収層103としては、例えば、InGaP吸収層などを用いることができる。光吸収層103は、後述するように、利得領域160に生じる光の一部を、吸収することができる。
第1クラッド層104は、第3クラッド層103上に形成されている。第1クラッド層104としては、例えば、第2導電型(例えばn型)のAlGaInP層などを用いることができる。第1クラッド層104は、図4に示すように、窪み部104aを有することができ、窪み部104aの底面には、第1電極112が形成されることができる。
活性層106は、第1クラッド層104上に形成されている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有する。活性層106の形状は、例えば直方体(立方体である場合を含む)などである。活性層106は、図2に示すように、第1面105および第2面107を有する。第1面105および第2面107は、活性層106の面のうち第1クラッド層104または第2クラッド層108に接していない面であり、層構造体120において、露出している面である。第1面105および第2面107は、活性層106の側面ともいえる。第1面105および第2面107は、互いに対向しており、図示の例では平行である。
活性層106の一部は、活性層106の電流経路となる利得領域160を構成している。利得領域160は、図2および図3に示すように、第1面105に設けられた第1端面170と、第2面107に設けられた第2端面172と、を有する。利得領域160の平面形状は、例えば図2に示すような平行四辺形などである。図示の例では、利得領域160は、第1端面170から第2端面172まで、直線状に、第1面105の垂線Pに対して傾いた方向に向かって設けられている。これにより、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。すなわち、発光素子100は、スーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode、以下「SLD」ともいう)であることができる。SLDは、半導体レーザーと異なり、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができる。そのため、スペックルノイズを低減することができる。
なお、図示はしないが、利得領域160は、第1端面170から第2端面172まで、直線状に、第1面105の垂線Pと平行となる方向に向かって設けられていてもよい。すなわち、活性層106を第1面105側から平面的にみたときに、第1端面170と第2端面172とは、完全に重なっていてもよい。この場合には、共振器が構成され、受発光素子100は、レーザー光を発することができる。
第2クラッド層108は、図3および図4に示すように、活性層106上に形成されている。第2クラッド層108としては、例えば、p型のAlGaInP層などを用いることができる。第1クラッド層104および第2クラッド層108としてAlGaInP層を用いた場合、第1クラッド層108のAl(アルミニウム)組成比は、第2クラッド層のAl組成比より小さいことができる。これにより、第1クラッド層104の屈折率を、第2クラッド108の屈折率より大きくすることができる。すなわち、第1クラッド層104と活性層106との屈折率の差を、第2クラッド層108と活性層106との屈折率の差に比べて小さくすることができる。
なお、活性層106は、第1クラッド層104と第2クラッド層108とに挟まれているともいえる。光吸収層103は、第1クラッド層104の活性層106側の面とは反対の面側に形成されているともいえる。第3クラッド層102は、光吸収層103の第1クラッド層104側とは反対の面側に形成されているともいえる。光吸収層103は、第1クラッド層104と第3クラッド層102とに挟まれているともいえる。
コンタクト層110は、図3および図4に示すように、第2クラッド層108上に形成されている。コンタクト層110としては、第2電極114とオーミックコンタクトする層を用いることができる。コンタクト層110としては、例えば、p型のGaAs層などを用いることができる。コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部とは、図4に示すように、柱状部111を構成することができる。柱状部111の平面形状は、例えば図2に示すように、利得領域160と同じである。すなわち、例えば、柱状部111の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定される。なお、図示はしないが、柱状部111は、例えば、コンタクト層110、第2クラッド層108、および活性層106から構成されていてもよいし、さらに、第1クラッド層104をも含んで構成されていてもよい。また、柱状部111の側面を傾斜させることもできる。
絶縁部116は、図4に示すように、第2クラッド層108上であって、柱状部111の側方に形成されている。絶縁部116は、柱状部111の側面に接していることができる。絶縁部116の上面は、例えば、コンタクト層110の上面と連続している。絶縁部116としては、例えば、SiN層、SiO層、ポリイミド層などを用いることができる。絶縁部116としてこれらの材料を用いた場合、電極112,114間の電流は、絶縁部116を避けて、該絶縁部116に挟まれた柱状部111を流れることができる。絶縁部116は、活性層106の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。この場合、絶縁部116を形成した部分の垂直断面の有効屈折率は、絶縁部116を形成しない部分、すなわち、柱状部116が形成された部分の垂直断面の有効屈折率よりも小さくなる。これにより、平面方向において、利得領域160内に効率良く光を閉じ込めることができる。なお、図示はしないが、絶縁部116を設けず、絶縁部116が空気であると解釈してもよい。
第1電極112は、第1クラッド層104上に形成されている。より具体的には、第1電極112は、第1クラッド層104の窪み部104aの底面上に形成されている。第1電極112は、第1クラッド層104と電気的に接続されている。第1電極112は、利得領域160に光を生じさせるための一方の電極であり、かつ、利得領域160に生じる光の一部を受光するための一方の電極でもある。すなわち、第1電極112は、発光用電極としての機能と、受光用電極としての機能と、を有することができる。第1電極112としては、例えば、第1クラッド層104側からCr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
第2電極114は、コンタクト層110(柱状部111)上および絶縁部116上に形成されている。第2電極114とコンタクト層110との接触面は、利得領域160と同じの平面形状を有している。図示はしないが、第2電極114は、コンタクト層110上にのみ形成されていてもよい。第2電極114は、コンタクト層110を介して、第2クラッド層108と電気的に接続されている。第2電極114は、利得領域160に光を生じさせるための他方の電極(発光用電極)である。第2電極114としては、例えば、コンタクト層110側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
第3電極115は、基板101の下の全面に形成されている。第3電極115は、該第3電極115とオーミックコンタクトする層(図示の例では基板101)と接していることができる。第3電極115は、基板101を介して、第3クラッド層102と電気的に接続されている。第3電極115は、利得領域160に生じる光の一部を受光するための他方の電極(受光用電極)である。第3電極115としては、例えば、基板101側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
(2)発光の動作原理
p型の第2クラッド層108、不純物がドーピングされていない活性層106、およびn型の第1クラッド層104により、pinダイオードが構成されることができる。第1クラッド層104および第2クラッド層108の各々は、活性層106よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。活性層106は、光を増幅する機能を有する。第1クラッド層104および第2クラッド層108は、活性層106を挟んで、注入キャリア(電子および正孔)並びに光を閉じ込める機能を有する。
受発光素子100では、第1電極112と第2電極114との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、活性層106の利得領域160において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この生じた光を起点として、連鎖的に誘導放出が起こり、利得領域160内で光の強度が増幅される。例えば、図2および図3に示すように、利得領域160に生じる光のうち、第1端面170に向かう光10は、利得領域160内で増幅された後、第1端面170から光20として出射されることができる。同様に、利得領域160に生じる光のうち、第2端面172に向かう光12は、利得領域160内で増幅された後、第2端面172から光22として出射されることができる。すなわち、第1端面170および第2端面172は、出射面となることができる。
以上のとおり、受発光素子100は、発光のためのpinダイオードを構成することができる。すなわち、受発光素子100は、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、第1電極112および第2電極114によって、発光素子を構成することができる。
(3)受光の動作原理
p型の第3クラッド層102、不純物がドーピングされていない光吸収層103、およびn型の第1クラッド層104により、pinダイオードが構成されることができる。第1クラッド層104および第3クラッド層102の各々は、光吸収層103よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。光吸収層103は、光を吸収する機能を有する。第1クラッド層104および第3クラッド層102は、光吸収層103を挟んで、光を閉じ込める機能を有する。
ここで、活性層106と、受発光装置100の外部(例えば、大気、空気)と、の境界となる第1端面170および第2端面172においては、屈折率の差(活性層106と大気(空気)との屈折率の差)が生じる。このような屈折率の不連続な部分においては、一般的に、導波路(利得領域)の伝播モードから自由空間の伝播モードへのモード変換が起こる。その際に、導波路の伝播モード以外の成分が生じ、それらの成分は、例えば上下方向に漏れ出す。そのため、例えば、第1端面170に向かう光10は、上記屈折率差によって、利得領域160の伝播モードとは異なるモードを有し、第1端面170に近づくにつれて、発散する。そして、例えば、図3に示すように、活性層106の厚み方向に発散した光の一部は、第1クラッド層104内を通過して(第1クラッド層104内に漏れて)、光吸収層103に至る。すなわち、光10は、第1端面170から光20として出射されるが、光10の一部は、第1面105近傍において、光30として第1クラッド層104内を通過して光吸収層103に至る。同様に、例えば、第2端面172に向かう光12は、第2端面172から光22として出射されるが、光12の一部は、第2面107近傍において、光32として第1クラッド層104内を通過して光吸収層103に至る。光30,32の光量は、第1クラッド層104の屈折率によって、制御することができる。例えば、第1クラッド層104の屈折率を大きくすることによって、第1クラッド層104と活性層106との屈折率の差を小さくし、光30,32の光量を大きくすることができる。より具体的には、上述のとおり、第1クラッド層104してAlGaInP層を用いた場合は、Al組成比を小さくすることにより、第1クラッド層104の屈折率を大きくすることができる。
受発光素子100では、第1電極112と第3電極115との間に、pinダイオードの逆バイアス電圧を印加すると、光30,32によって光吸収層103に生成された電子−正孔対が加速され電流として取り出すことができる。さらに、第1クラッド層104および第3クラッド層102によって、光吸収層103から光が漏れることを抑制または防止することができる。
以上のとおり、受発光素子100は、受光のためのpinフォトダイオードを構成することができる。すなわち、受発光素子100は、第1クラッド層104、第3クラッド層102、光吸収層103、第1電極112および第3電極115によって、受光素子を構成することができる。
受発光素子100の一例として、InGaAlP系の場合について説明したが、受発光素子100は、発光利得領域が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。半導体材料であれば、例えば、GaAs系、AlGaN系、InGaN系、InGaAs系、GaInNAs系、ZnCdSe系などの半導体材料を用いることができる。
受発光素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
受発光素子100では、受光素子を構成する光吸収層103の上方に、発光素子を構成する活性層106を形成することができる。そして、活性層106の利得領域160に生じる光の一部は、第1クラッド層104内を通過して、光吸収層103に至り、受光されることができる。すなわち、受発光素子100では、発光素子および受光素子をモノリシックに集積することができる。これにより、例えば、別途、受光素子を設置する場合と比較して、部品点数の削減および製造コストの削減が可能となる。
受発光素子100では、利得領域160に生じる光の一部を受光することによって、利得領域160ごとの光出力をモニターすることができる。したがって、モニターされた光出力に基づいて、第1電極112および第2電極114に印加する電圧値を調整することができる。これにより、受発光素子100では、輝度むらを低減し、また、明るさを自動調整することができる。なお、利得領域160の光出力を、印加する電圧値にフィードバックする制御は、例えば、外部電子回路(図示しない)を用いて行うことができる。
受発光素子100では、第1クラッド層104の屈折率は、第2クラッド層108の屈折率より大きいことができる。より具体的には、例えば、第1クラッド層104および第2クラッド層108としてAlGaInP層を用いる場合、第1クラッド層104のAl組成比は、第2クラッド層108のAl組成比より小さいことができる。これにより、第1クラッド層104と活性層106との屈折率差は、第2クラッド層108と活性層106との屈折率差よりも小さくなり、利得領域160に生じる光の一部は、第1クラッド層104内を通過し易くなる。すなわち、第1クラッド層104のAl組成比によって第1クラッド層104の屈折率を調整し、受光される光の光量を制御することができる。
3. 受発光素子の製造方法
次に、本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5〜図13は、受発光素子100の製造工程を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、基板101上に、第3クラッド層102、光吸収層103、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、およびコンタクト層110を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。
図6に示すように、コンタクト層110および第2クラッド層108をパターニングする。パターニングは、活性層106の上面を露出しないように行う。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術などを用いて行われる。本工程により、柱状部111を形成することができる。
図7に示すように、柱状部111の側面を覆うように絶縁部116を形成する。具体的には、まず、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、塗布法などにより、第2クラッド層108の上方(コンタクト層110上を含む)に絶縁層(図示せず)を成膜する。次に、例えば、エッチング技術などを用いて、コンタクト層110の上面を露出させる。以上の工程により、絶縁部116を形成することができる。
図8に示すように、絶縁部116をパターニングする。より具体的には、絶縁部116の一部をエッチングして、第2クラッド層108の上面を露出させる。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術などを用いて行われる。
図9に示すように、全面に導電層114aを形成する。コンタクト層110および絶縁部116上の導電層114aは、第2電極114となる。導電層114aは、例えば、真空蒸着法により形成される。
図10に示すように、第2電極114上にレジストRを形成する。レジストRは、公知の方法により形成される。
図11に示すように、レジストRをマスクとして、第2クラッド層108上の導電層114a、第2クラッド層108、活性層106、および第1クラッド層104の一部をエッチングする。エッチングは、光吸収層103の上面が露出しないように行う。これにより、第1クラッド層104に窪み部104aを形成することができる。
図12に示すように、全面に導電層112aを形成する。第1クラッド層104(窪み部104aの底面)上の導電層112aは、第1電極112となる。導電層112aは、例えば、真空蒸着法により形成される。
図13に示すように、レジストRを除去することにより、レジストR上の導電層112aをリフトオフする。リフトオフは、公知の方法により行われる。
図4に示すように、基板101の下面下に第3電極115を形成する。第3電極115は、例えば、真空蒸着法により形成される。
以上の工程により、受発光素子100を製造することができる。
受発光素子100の製造方法によれば、発光素子および受光素子をモノリシックに集積することができる受発光素子100を形成することができる。
4. 受発光素子の変形例
次に、本実施形態に係るプロジェクターに用いる受発光素子の変形例について説明する。以下、変形例に係る受発光素子200,300,400,500において、受発光素子100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(1)第1変形例に係る受発光素子
まず、第1変形例に係る受発光素子200について、図面を参照しながら説明する。図14は、発光素子200を模式的に示す断面図である。
受発光素子100の例では、図4に示すように、絶縁部116と、絶縁部116とが形成されていない領域、すなわち柱状部111を形成している領域に屈折率差を設けて、光を閉じ込める屈折率導波型について説明した。これに対し、受発光素子200は、柱状部111を形成することによって屈折率差を設けず、利得領域160がそのまま導波領域となる、利得導波型であることができる。
すなわち、受発光素子200では、図14に示すように、コンタクト層110および第2クラッド層108は、柱状部を構成せず、その側方に絶縁部116は形成されない。絶縁部116は、利得領域160の上方以外のコンタクト層110上に形成されている。つまり、絶縁部116は利得領域160の上方に開口を有し、該開口ではコンタクト層110の上面が露出している。第2電極114は、その露出しているコンタクト層110上および絶縁部116上に形成されている。第2電極114とコンタクト層110の接触面は、利得領域160と同じ平面形状を有している。図示の例では、第2電極114とコンタクト層110との接触面の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定されることができる。図示の例では、第2電極114の上面も、利得領域160と同じ平面形状を有している。なお図示はしないが、第2電極114は、利得領域160の上方のコンタクト層110上にのみ形成されていてもよい。
受発光素子200によれば、受発光素子100と同様に、発光素子および受光素子をモノリシックに集積することができる。
(2)第2変形例に係る受発光素子
次に、第2変形例に係る受発光素子300について、図面を参照しながら説明する。図15は、受発光素子300を模式的に示す平面図である。図16は、受発光素子300を模式的に示す図15のXVI−XVI線断面図である。なお、図15では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
受発光素子300では、図15および図16に示すように、複数の利得領域160が配列されている。各利得領域160に対応して、第1電極112が設けられている。隣り合う利得領域160の間には、分離溝380が形成されている。分離溝380は、隣り合う第1電極112の間に形成されているともいえる。図16に示すように、分離溝380の底面は、光吸収層103の下面より下方に位置している。図示の例では、分離溝380の底面は、第3クラッド層102の上面と下面との間に位置している。すなわち、分離溝380は、第2クラッド層108、活性層106、第1クラッド層104および光吸収層103を貫通し、第3クラッド層102まで到達している。なお、溝部380は、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術などにより形成される。
受発光素子300によれば、受発光素子100の場合に比べて、発光の高出力化を図ることができる。
また、受発光素子300によれば、複数の利得領域160、および光吸収層103は、分離溝380によって電気的に分離されている。そのため、複数の利得領域160の各々の光出力をモニターすることができる。すなわち、複数の利得領域160の各々に対して、個別に光量検出を行うことができる。
(3)第3変形例に係る受発光素子
次に、第3変形例に係る受発光素子400について、図面を参照しながら説明する。図17は、受発光素子400を模式的に示す平面図である。図18は、受発光素子400を模式的に示す図17のXVIII−XVIII線断面図である。なお、図17では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
受発光素子400では、図17に示すように、複数の利得領域160(第1利得領域160aおよび第2利得領域160b)を有し、これらがV型利得領域462を構成している。第1利得領域160aは、第1面105に設けられた第1端面170aと、第2面107に設けられた第2端面172aと、を有する。第2利得領域160bは、第1面105に設けられた第1端面170bと、第2面107に設けられた第2端面172bと、を有する。第1利得領域160aと第2利得領域160bとは、異なる方向に向かって設けられている。図示の例では、第1利得領域160aは、第1面105の垂線Pに対して一方の側に傾いており、角度θの傾きを有する一の方向に向かって設けられている。また、第2利得領域160bは、垂線Pに対して他方の側(上記一方の側の反対側)に傾いており、角度θの傾きを有する他の方向に向かって設けられている。言い換えると、第1利得領域160aは、活性層106の積層方向から平面視して(活性層106の厚み方向から平面視して)、第1面105の垂線Pに対して時計回り方向に傾いて設けられている。また、第2利得領域160bは、活性層106の積層方向から平面視して(活性層106の厚み方向から平面視して)、第1面105の垂線Pに対して反時計回り方向に傾いて設けられている。図示の例では、第1利得領域160aの第1端面170aと、第2利得領域160bの第1端面170bとは、第1面105に設けられた重なり面474において完全に重なっている。第1利得領域160aと第2利得領域160bとは、例えば図17に示すように平面視において、重なり面474の中心を通る垂線Pに対して、線対称の関係にある。
利得領域160a,160bに生じる光の波長帯において、第1面105の反射率は、第2面107の反射率よりも高い。例えば、図17および図18に示すように、第1面105を反射部430によって覆うことにより、高い反射率を得ることができる。反射部430は、例えば誘電体多層膜ミラーなどである。具体的には、反射部430としては、例えば、第1面105側からSiO層、Ta層の順序で10ペア積層したミラーなどを用いることができる。第1面105の反射率は、100%、あるいはそれに近いことが望ましい。これに対し、第2面107の反射率は、0%、あるいはそれに近いことが望ましい。すなわち、受発光素子400では、第1端面170a,170bは反射面となり、第2端面172a,172bは出射面となる。なお、反射部430としては、上述した例に限定されるわけではなく、例えば、Al層、TiO層、SiN層や、これらの多層膜などを用いることができる。反射部430は、例えば、CVD法、スパッタ法、イオンアシスト蒸着(Ion Assisted Deposition)法などにより形成されることができる。
図17に示すように、例えば、第1利得領域160aに生じる光の一部10は、第1利得領域160a内で増幅された後、重なり面474において反射して、第2利得領域160bの第2端面172bから出射光22として出射されるが、反射後の第2利得領域160b内においても光強度が増幅される。同様に、第2利得領域160bに生じる光の一部は、第2利得領域160b内で増幅された後、重なり面474において反射して、第1利得領域160aの第2端面172aから出射光22として出射されるが、反射後の第1利得領域160a内においても光強度が増幅される。なお、第1利得領域160aに生じる光には、直接、第1利得領域160aの第2端面172aから出射光22として出射されるものもある。同様に、第2利得領域160bに生じる光には、直接、第2利得領域160bの第2端面172bから出射光22として出射されるものもある。これらの光も同様に各利得領域160a,160b内において増幅される。
図18に示すように、第1利得領域160aに生じた第1端面170aに向かう光10は、活性層106と反射部430との屈折率の差によって、第1利得領域160aの伝播モードとは異なるモードを有し、第1端面170aに近づくにつれて、発散する。特に、第1利得領域160aに生じた光10は、第1利得領域160aと第2利得領域160bとの間の距離が小さくなる折り返し部分において、第2利得領域160b内を進行する光の影響を受け、伝播モードが変化しやすい。そして、例えば、活性層106の厚み方向に発散した光の一部(光30)は、第1クラッド層104内を通過して(第1クラッド層104内に漏れて)、光吸収層103に至る。すなわち、光10は、重なり面474において反射して第2利得領域160b内を進行するが、光10の一部は、第1面105近傍において、光30として第1クラッド層104内を通過して光吸収層103に至る。このことは、第2利得領域160bに生じた第1端面170bに向かう光についても同様である。
受発光装置400によれば、上述のとおり、第1利得領域160aに生じる光の一部10は、重なり面474において反射して、第2利得領域160b内においても、利得を受けながら進行することができる。また、第2利得領域160bに生じる光の一部に関しても同様である。したがって、受発光装置400では、例えば、重なり面474において積極的に反射させないような場合に比べ、光強度の増幅距離が長くなるため、高い光出力を得ることができる。
(4)第4変形例に係る受発光素子
次に、第4変形例に係る受発光素子500について、図面を参照しながら説明する。図19は、受発光素子500を模式的に示す平面図である。図20は、受発光素子500を模式的に示す図19のXX−XX線断面図である。なお、図19では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
受発光素子500では、図19に示すように、複数のV型利得領域462が配列されている。各V型利得領域462に対応して、第1電極112が設けられている。隣り合うV型利得領域462の間には、分離溝580が形成されている。分離溝580は、隣り合う第1電極112の間に形成されているともいえる。図20に示すように、分離溝580の底面は、光吸収層103の下面より下方に位置している。図示の例では、分離溝580の底面は、第3クラッド層102の上面と下面との間に位置している。すなわち、分離溝580は、第2クラッド層108、活性層106、第1クラッド層104および光吸収層103を貫通し、第3クラッド層102まで到達している。なお、溝部580は、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術などにより形成される。
受発光素子500によれば、受発光素子400の場合に比べて、発光の高出力化を図ることができる。
また、受発光素子500によれば、複数のV型利得領域462、および光吸収層103は、分離溝580によって電気的に分離されている。そのため、複数のV型利得領域462の各々の光出力をモニターすることができる。すなわち、複数のV型利得領域462の各々に対して、個別に光量検出を行うことができる。
5. 受発光装置
次に、本実施形態に係るプロジェクター1000に用いる受発光装置600について、図面を参照しながら説明する。図21は、受発光装置600を模式的に示す平面図である。図22は、受発光装置600を模式的に示す図21のXXII−XXII線断面図である。なお、図21では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
受発光装置600は、図21および図22に示すように、本発明に係る受発光素子(例えば、受発光素子100)と、ベース610と、サブマウント620と、第1光軸変換素子630と、第2光軸変換素子640と、を有することができる。
ベース610は、例えば、サブマウント620を介して、間接的に受発光素子100を支持することができる。ベース610としては、例えば、板状(直方体形状)の部材を用いることができる。ベース610の材質としては、例えば、Cu、Alなどを列挙することができる。受発光素子100は、図示はしないが、例えば、ワイヤーボンディングにより、サブマウント620上の電極と電気的に接続されていてもよい。
サブマウント620は、例えば、直接的に受発光素子100を支持することができる。サブマウント620は、ベース610上に形成されている。サブマウント620上には、受発光素子100が形成されている。サブマウント620としては、例えば、板状の部材を用いることができる。なお、例えば、サブマウント620を設けずに、ベース610が直接的に受発光素子100を支持することもできる。サブマウント620としては、例えば、BeO,AlN等を用いることができる。
ベース610およびサブマウント620の熱伝導率は、例えば、受発光素子100の熱伝導率よりも高い。これにより、ベース610およびサブマウント620は、ヒートシンクとして機能することができる。
第1光軸変換素子630および第2光軸変換素子640は、例えば、ベース610上に形成される。第1光軸変換素子630は、第1ミラー632を有している。第2光軸変換素子640は、第2ミラー642を有している。ミラー632,642は、図22に示すように、活性層106の上面に対して、例えば45度傾斜している。第1ミラー632は、図21に示すように平面的にみて、第1端面170から出射される光20の進行方向と直交するように配置されている。また、第2ミラー642は、第2端面172から出射される光22の進行方向と直交するように配置されている。光軸変換素子630,640の材質としては、例えば、Al、Ag、Auなどを列挙することができる。例えば、光軸変換素子630,640のミラー632,642の部分のみを、上記列挙した材料としてもよい。
第1ミラー632は、第1端面170から出射される光20を反射させることができる。具体的には、図22に示すように、例えば水平方向(活性層106の厚み方向と直交する方向)に進んできた光20を、例えば垂直方向(活性層106の厚み方向)に反射させることができる。同様に、第2ミラー642は、第2端面172から出射される光22を反射させることができる。具体的には、図22に示すように、例えば水平方向(活性層106の厚み方向と直交する方向)に進んできた光22を、例えば垂直方向(活性層106の厚み方向)に反射させることができる。これにより、光20,22を同一の方向に反射させることができる。
発光装置600によれば、出射光20,22を同一の方向に進行させることができるので、発光の高密度化を図ることができる。
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
10 光、12 光、20 光、22 光、30 光、32 光、100 受発光素子、
101 基板、102 第3クラッド層、103 光吸収層、104 第1クラッド層、
105 第1面、106 活性層、107 第2面、108 第2クラッド層、
110 コンタクト層、111 柱状部、112 第1電極、114 第2電極、
115 第3電極、116 絶縁部、160 利得領域、170 第1端面、
172 第2端面、200 受発光素子、300 受発光素子、380 分離溝、
400 受発光素子、430 反射部、462 V型利得領域、474 重なり面、
500 受発光素子、580 分離溝、600 受発光装置、610 ベース、
620 サブマウント、630 第1光軸変換素子、632 第1ミラー、
640 第2光軸変換素子、642 第2ミラー、1000 プロジェクター、
1002 均一化光学系、1002a ホログラム、1002b フィールドレンズ、
1004 液晶ライトバルブ、1006 クロスダイクロイックプリズム、
1008 投写レンズ、1010 スクリーン

Claims (8)

  1. 受発光素子を有する受発光装置と、
    前記受発光装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
    前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
    を含み、
    前記受発光素子は、
    第1クラッド層と第2クラッド層とに挟まれた活性層と、
    前記第1クラッド層の前記活性層側の面とは反対の面側に形成された光吸収層と、を備える積層構造体を有し、
    前記活性層のうちの少なくとも一部は、前記活性層の電流経路となる利得領域を構成し、
    前記積層構造体において、前記活性層の露出する面のうちの第1面と第2面とは、互いに対向する位置関係であり、
    前記利得領域は、前記第1面側の端面から、前記第2面側の端面まで、直線状に設けられ、
    前記第1面側の端面および前記第2面側の端面の少なくとも一方は、前記利得領域に生じる光を出射する出射面であり、
    前記利得領域に生じる光の一部は、前記第1クラッド層内を通過して、前記光吸収層に至り、受光され、
    前記利得領域は、複数配列され、
    隣り合う前記利得領域の間には、分離溝が形成され、
    前記分離溝は、前記第2クラッド層、前記活性層、前記第1クラッド層および前記光吸収層を貫通している、プロジェクター。
  2. 受発光素子を有する受発光装置と、
    前記受発光装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
    前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
    を含み、
    前記受発光素子は、
    第1クラッド層と第2クラッド層とに挟まれた活性層と、
    前記第1クラッド層の前記活性層側の面とは反対の面側に形成された光吸収層と、を備える積層構造体を有し、
    前記活性層のうちの少なくとも一部は、前記活性層の電流経路となる利得領域を構成し、
    前記積層構造体において、前記活性層の露出する面のうちの第1面と第2面とは、互いに対向する位置関係であり、
    前記利得領域は、前記第1面側の端面から、前記第2面側の端面まで、直線状に設けられ、
    前記第1面側の端面および前記第2面側の端面の少なくとも一方は、前記利得領域に生じる光を出射する出射面であり、
    前記利得領域に生じる光の一部は、前記第1クラッド層内を通過して、前記光吸収層に至り、受光され、
    前記利得領域に生じる光の波長帯において、前記第1面の反射率は、前記第2面の反射率よりも高く、
    前記利得領域は、複数設けられ、
    複数の前記利得領域のうちの第1利得領域は、前記活性層の積層方向から平面視して、前記第1面の垂線に対して時計回り方向に傾いており、
    複数の前記利得領域のうちの第2利得領域は、前記活性層の積層方向から平面視して、前記第1面の垂線に対して反時計回り方向に傾いており、
    前記第1利得領域および前記第2利得領域は、前記第1利得領域の前記第1面側の端面と、前記第2利得領域の前記第1面側の端面と、が前記第1面で重なるV型利得領域を構成している、プロジェクター。
  3. 請求項において、
    前記V型利得領域は、複数配列され、
    隣り合う前記V型利得領域の間には、分離溝が形成され、
    前記分離溝は、前記第2クラッド層、前記活性層、前記第1クラッド層および前記光吸収層を貫通している、プロジェクター。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記光吸収層に至る光は、前記利得領域に生じる光のうち、前記第1面側の端面および前記第2面側の端面における、前記活性層と大気との屈折率差によって、前記利得領域の伝播モードとは異なるモードを有する光である、プロジェクター。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記第1クラッド層の屈折率は、前記第2クラッド層の屈折率より大きい、プロジェクター。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記第1クラッド層および前記第2クラッド層は、Alを含む層であり、
    前記第1クラッド層のAl組成比は、前記第2クラッド層のAl組成比より小さい、プロジェクター。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記受発光素子は、前記光吸収層の前記第1クラッド層側とは反対の面側に形成された第3クラッド層を有する、プロジェクター。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記受発光装置は、
    前記利得領域の前記第1面側の端面から出射される光を、反射させる第1ミラーと、
    前記利得領域の前記第2面側の端面から出射される光を、反射させる第2ミラーと、
    を有し、
    前記第1ミラーで反射された光の進む方向と、前記第2ミラーで反射された光の進む方向とは、同じ方向である、プロジェクター。
JP2009217192A 2009-09-18 2009-09-18 プロジェクター Expired - Fee Related JP5429471B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009217192A JP5429471B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 プロジェクター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009217192A JP5429471B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 プロジェクター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011065050A JP2011065050A (ja) 2011-03-31
JP5429471B2 true JP5429471B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=43951331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009217192A Expired - Fee Related JP5429471B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 プロジェクター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5429471B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014132302A (ja) * 2013-01-07 2014-07-17 Seiko Epson Corp 照明装置およびプロジェクター
JP6040790B2 (ja) 2013-02-01 2016-12-07 セイコーエプソン株式会社 発光装置、スーパールミネッセントダイオード、およびプロジェクター
JP6103202B2 (ja) * 2013-02-27 2017-03-29 セイコーエプソン株式会社 半導体発光装置、スーパールミネッセントダイオード、およびプロジェクター
JP6421928B2 (ja) * 2014-12-24 2018-11-14 セイコーエプソン株式会社 発光装置およびプロジェクター
JP6588837B2 (ja) * 2016-01-22 2019-10-09 日本電信電話株式会社 半導体光デバイス

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63114288A (ja) * 1986-10-31 1988-05-19 Fujitsu Ltd 半導体発光素子
JPH04144182A (ja) * 1990-10-04 1992-05-18 Nec Corp 光半導体装置アレイ
JPH06112588A (ja) * 1992-09-24 1994-04-22 Olympus Optical Co Ltd 光半導体素子
JPH077230A (ja) * 1993-04-21 1995-01-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 屈折率反導波型半導体レーザ
JP3477744B2 (ja) * 1993-06-23 2003-12-10 ソニー株式会社 発光装置及びこれを用いた立体視覚装置及びその視覚方法及びその駆動方法
JPH0974245A (ja) * 1995-09-06 1997-03-18 Mitsubishi Electric Corp 半導体光増幅器
JPH1127217A (ja) * 1997-07-03 1999-01-29 Sony Corp 光通信装置および光通信方法
JP2003023179A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Ricoh Co Ltd p型III族窒化物半導体およびその作製方法および半導体装置およびその作製方法
JP2005217147A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Seiko Epson Corp 受発光素子アレイ、光モジュール、および光伝達装置
JP2006135221A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Mitsubishi Electric Corp 半導体発光素子
JP2006310721A (ja) * 2005-03-28 2006-11-09 Yokohama National Univ 自発光デバイス
JP2008177049A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Sharp Corp 点灯装置及びプロジェクタ
JP5287151B2 (ja) * 2008-01-30 2013-09-11 セイコーエプソン株式会社 リフレクタ、光源装置及びプロジェクタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011065050A (ja) 2011-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5681002B2 (ja) 発光装置およびプロジェクター
JP6103202B2 (ja) 半導体発光装置、スーパールミネッセントダイオード、およびプロジェクター
JP5679117B2 (ja) 発光装置、照射装置、およびプロジェクター
US8955987B2 (en) Light emitting device, super-luminescent diode, and projector
JP5429471B2 (ja) プロジェクター
JP6040790B2 (ja) 発光装置、スーパールミネッセントダイオード、およびプロジェクター
JP2011061075A (ja) プロジェクター
JP2014139966A (ja) 発光装置、スーパールミネッセントダイオード、およびプロジェクター
JP2011066138A (ja) プロジェクター
JP5311049B2 (ja) プロジェクター
JP5429479B2 (ja) 発光装置、およびプロジェクター
JP5359817B2 (ja) 発光装置、およびプロジェクター
JP5447799B2 (ja) 発光装置およびその駆動方法、並びに、プロジェクター
JP2011124307A (ja) 発光装置およびプロジェクター
JP5304540B2 (ja) 発光装置およびプロジェクター
JP2011108740A (ja) 発光素子およびその製造方法、並びに、プロジェクター
JP5344173B2 (ja) 発光装置およびプロジェクター
JP5305030B2 (ja) 発光素子、発光装置、およびプロジェクター
JP5936017B2 (ja) 発光装置およびプロジェクター
JP5471238B2 (ja) 発光素子、発光装置、およびプロジェクター
JP2012244028A (ja) 発光装置及びプロジェクター
JP2011014819A (ja) 発光装置およびプロジェクター
JP2011014580A (ja) 受発光装置、およびプロジェクター
JP2013074120A (ja) 発光装置、およびプロジェクター
JP2011086867A (ja) 発光素子、およびプロジェクター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees