JPWO2007102611A1 - 補間関数生成回路 - Google Patents
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Abstract
“−α,α,β,β,α,−α”(αは強調係数、βは固定値)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第1のFIRフィルタ10と、タップ長が偶数個の場合は“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”、奇数個の場合は“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”(m,nはオーバーサンプリングの倍率)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第2のFIRフィルタ20とを縦続接続することによって補間関数生成回路を構成し、2個のFIRフィルタ10,20だけで可変強調付きの補間関数を簡単に実現することができるようにする。
Description
本発明は補間関数生成回路に関し、特に、FIRデジタルフィルタを利用した補間関数生成回路に用いて好適なものである。
従来、あらかじめ与えられた離散的なデータ間の値を求めるデータ補間方法として、様々な方法が提案されている。最も簡単な方法は、直線補間である。また、所定の補間関数を用いてデータ補間を行う方法も知られている。補間関数としてよく知られているのはsinc関数であるが、これは±∞で0に収束する関数である。そのため、このsinc関数を利用した補間演算によって得られる補間値には打ち切り誤差が含まれ、正確な補間値が得られないという問題があった。
これに対して、sinc関数に代わる有限台の関数を利用してデータ補間を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。有限台の関数とは、関数の全域において1回微分可能であって、局所的な領域内でのみ0以外の有限な値を有し、それ以外の領域では値が全て0となる関数である。このような有限台の補間関数を用いて補間処理を行えば、ある1つの補間値を求める際には、限られた数のデータ値のみを考慮すればよいことになり、処理量を大幅に削減することができる。しかも、打ち切り誤差の発生を防止することもできる。
特開2002−271204号公報
特開2002−366539号公報
WO00/79686号公報
これに対して、sinc関数に代わる有限台の関数を利用してデータ補間を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。有限台の関数とは、関数の全域において1回微分可能であって、局所的な領域内でのみ0以外の有限な値を有し、それ以外の領域では値が全て0となる関数である。このような有限台の補間関数を用いて補間処理を行えば、ある1つの補間値を求める際には、限られた数のデータ値のみを考慮すればよいことになり、処理量を大幅に削減することができる。しかも、打ち切り誤差の発生を防止することもできる。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術では、補間関数の強調度を外部入力により可変とすることができないという問題があった。
なお、補間関数によって画像の拡大/縮小を行うアルゴリズムの1つに、キュービック・コンボリューション補間法と呼ばれるものがある。キュービック・コンボリューション補間法において、補間関数h(t)は、次の3次の区分多項式で表されるインパルス応答を有する。
h(t)=(a+2)|t|3−(a+3)|t|2+1 0≦|t|<1
h(t)=a|t|3−5a|t|2+8a|t|−4a 1≦|t|<2
h(t)=0 2≦|t|
上記の式に示されるように、キュービック・コンボリューション補間法では定数aを用いている。この定数aの値を可変とすることによって、補間関数の強調度を可変とすることができ、これをDSP(Digital Signal Processor)によって実現することは可能である。しかしながら、回路規模が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、全域において1回以上微分可能な有限台の可変強調付き補間関数を簡単な構成にて生成できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の補間関数生成回路は、“−α,α,β,β,α,−α”(α,βは0以上の任意の係数)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第1のFIRフィルタと、“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”(mは2以上の任意の偶数)または“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”(nは3以上の任意の奇数)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第2のFIRフィルタとを縦続接続することによって構成している。
本発明の他の態様では、第1のFIRフィルタは、“−1,1,β,β,1,−1”の比率から成る数値列のフィルタ係数に対して、入力された強調係数αに基づいて“−α,α,β,β,α,−α”という関係の強調演算を行う強調演算部を備えている。また、第2のFIRフィルタは、入力データをm倍またはn倍にオーバーサンプルするオーバーサンプリング回路を入力段に備えている。
上記のように構成した本発明によれば、縦続接続された2個のFIRフィルタによって、全域において1回以上微分可能な有限台の可変強調付き補間関数を簡単に実現することができる。
なお、補間関数によって画像の拡大/縮小を行うアルゴリズムの1つに、キュービック・コンボリューション補間法と呼ばれるものがある。キュービック・コンボリューション補間法において、補間関数h(t)は、次の3次の区分多項式で表されるインパルス応答を有する。
h(t)=(a+2)|t|3−(a+3)|t|2+1 0≦|t|<1
h(t)=a|t|3−5a|t|2+8a|t|−4a 1≦|t|<2
h(t)=0 2≦|t|
上記の式に示されるように、キュービック・コンボリューション補間法では定数aを用いている。この定数aの値を可変とすることによって、補間関数の強調度を可変とすることができ、これをDSP(Digital Signal Processor)によって実現することは可能である。しかしながら、回路規模が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、全域において1回以上微分可能な有限台の可変強調付き補間関数を簡単な構成にて生成できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の補間関数生成回路は、“−α,α,β,β,α,−α”(α,βは0以上の任意の係数)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第1のFIRフィルタと、“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”(mは2以上の任意の偶数)または“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”(nは3以上の任意の奇数)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第2のFIRフィルタとを縦続接続することによって構成している。
本発明の他の態様では、第1のFIRフィルタは、“−1,1,β,β,1,−1”の比率から成る数値列のフィルタ係数に対して、入力された強調係数αに基づいて“−α,α,β,β,α,−α”という関係の強調演算を行う強調演算部を備えている。また、第2のFIRフィルタは、入力データをm倍またはn倍にオーバーサンプルするオーバーサンプリング回路を入力段に備えている。
上記のように構成した本発明によれば、縦続接続された2個のFIRフィルタによって、全域において1回以上微分可能な有限台の可変強調付き補間関数を簡単に実現することができる。
図1は、本実施形態による補間関数生成回路の一構成例を示す図である。
図2は、本実施形態による第1のFIRフィルタの構成例を示す図である。
図3は、本実施形態による第1のFIRフィルタの周波数特性例を示す図である。
図4は、本実施形態による第2のFIRフィルタの構成例を示す図である。
図5は、本実施形態の補間関数生成回路によって生成される補間関数を示す図である。
図6は、タップ長が偶数個の場合に補間関数を求める従来の演算内容を説明するための図である。
図7は、タップ長が偶数個の場合に補間関数を求める本実施形態の演算内容を説明するための図である。
図8は、タップ長が奇数個の場合に補間関数を求める従来の演算内容を説明するための図である。
図9は、タップ長が奇数個の場合に補間関数を求める本実施形態の演算内容を説明するための図である。
図2は、本実施形態による第1のFIRフィルタの構成例を示す図である。
図3は、本実施形態による第1のFIRフィルタの周波数特性例を示す図である。
図4は、本実施形態による第2のFIRフィルタの構成例を示す図である。
図5は、本実施形態の補間関数生成回路によって生成される補間関数を示す図である。
図6は、タップ長が偶数個の場合に補間関数を求める従来の演算内容を説明するための図である。
図7は、タップ長が偶数個の場合に補間関数を求める本実施形態の演算内容を説明するための図である。
図8は、タップ長が奇数個の場合に補間関数を求める従来の演算内容を説明するための図である。
図9は、タップ長が奇数個の場合に補間関数を求める本実施形態の演算内容を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による補間関数生成回路の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の補間関数生成回路は、第1のFIRフィルタ10の後段に第2のFIRフィルタ20を縦続接続することによって構成されている。
図2は、第1のFIRフィルタ10の構成例を示す図である。第1のFIRフィルタ10では、6個のD型フリップフロップ11a〜11fから成るタップ付き遅延線11により入力データを順次遅延させ、各D型フリップフロップ11a〜11fの出力タップから出力される6個のデータに対して“−α,α,β,β,α,−α”(α,βは0以上の任意の係数で、例えばβ=8)の数値列から成るフィルタ係数を乗算し、それらの乗算結果を加算して出力する。
すなわち、第1のFIRフィルタ10は、縦続接続された6個のD型フリップフロップ11a〜11fから成るタップ付き遅延線11と、1個の係数器12と、4個の加算器13a〜13dと、1個の減算器14と、1個の乗算器15と、1個の振幅調整器16とにより構成されている。
6個のD型フリップフロップ11a〜11fは、基準周波数のクロックck0に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるものとして機能する。1個の係数器12、4個の加算器13a〜13dおよび1個の減算器14は、各D型フリップフロップ11a〜11fの出力タップから出力される6個のデータに対して“−1,1,8,8,1,−1”の数値列から成るフィルタ係数を乗算し、その乗算結果を全て加算するものとして機能する。
また、1個の乗算器15は、外部より入力された強調係数αを、上述した数値列中の“−1,1,”および“1,−1”の部分に対して乗算するものとして機能する。すなわち、乗算器15は、“−1,1,8,8,1,−1”の数値列から成るフィルタ係数に対して、強調係数αに基づいて“−α,α,8,8,α,−α”という関係の強調演算を行う強調演算部に相当する。
各D型フリップフロップ11a〜11fの出力タップから出力される6個のデータに対して以上のようなフィルタ係数の乗加算を行うと、入力データの振幅が16倍(=(−α)+α+8+8+α+(−α))される。第1のFIRフィルタ10の出力段に設けられた1個の振幅調整器16は、16倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。なお、フィルタ係数が{−α,α,β,β,α,−α}のときは、入力データの振幅はフィルタ係数の乗加算によって2β倍となる。この場合に振幅調整器16は、2β倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。
上記図2のように構成した第1のFIRフィルタ10はローパスフィルタであり、その周波数特性は図3のようになる。なお、図3は、強調係数αの値が1の場合の周波数特性を示している。ローパスフィルタの通過域は、強調係数αの値が0のときに平坦(オーバーシュートもアンダーシュートも殆ど存在しない状態)となり、強調係数αの値が大きくなるにつれて、通過域端の振幅値が大きくなり、オーバーシュートが生じる。
図4は、第2のFIRフィルタ20の構成例を示す図である。第2のFIRフィルタ20も第1のFIRフィルタ10と同様、入力データを複数のD型フリップフロップから成るタップ付き遅延線により順次遅延させ、各D型フリップフロップの出力タップから出力される複数のデータに対して所定のフィルタ係数を乗算し、それらの乗算結果を加算して出力する。
第2のFIRフィルタ20はオーバーサンプル平滑化フィルタであり、オーバーサンプリングの倍率と、インパルス応答の個数(タップ長)を偶数にするか奇数にするかとに応じて、使用するフィルタ係数が異なる。図4(a)はインパルス応答の個数を偶数とする場合の構成例を示し、図4(b)はインパルス応答の個数を奇数とする場合の構成例を示している。
インパルス応答の個数(オーバーサンプリングの倍率m)を偶数とし、例えばm=8とした場合、第2のFIRフィルタ20は、図4(a)に示すように、縦続接続された8個のD型フリップフロップ21a〜21hから成るタップ付き遅延線21と、3個の係数器22a〜22cと、7個の加算器23a〜23gと、1個の振幅調整器24とにより構成される。
8個のD型フリップフロップ21a〜21hは、m倍(ここでは8倍)周波数のクロックck1(=8*ck0)に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるものとして機能する。8倍周波数のクロックck1に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるのは、入力データを8倍にオーバーサンプリングすることを意味する。すなわち、入力段に設けられたタップ付き遅延線21は、入力データを8倍にオーバーサンプルするオーバーサンプリング回路として機能する。入力データが“1”の場合、タップ付き遅延線21によって4倍のオーバーサンプリングが行われると、タップ付き遅延線21の出力データは“1,1,1,1,1,1,1,1”となる。
3個の係数器22a〜22cおよび7個の加算器23a〜23gは、各D型フリップフロップ21a〜21hの出力タップから出力される8個のデータに対して“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”の数値列(ここでは“1,3,5,7,7,5,3,1”)から成るフィルタ係数を乗算して、その乗算結果を全て加算するものとして機能する。この数値列の意味については後述する。
各D型フリップフロップ21a〜21hの出力タップから出力される8個のデータに対して以上のようなフィルタ係数の乗加算を行うと、入力データの振幅が32倍(=(7+5+3+1)*2)される。また、オーバーサンプルにより振幅は更にm倍(8倍)となるので、オーバーサンプルを含めたこの第2のFIRフィルタ20での振幅の倍率は256倍となる。第2のFIRフィルタ20の出力段に設けられた1個の振幅調整器24は、256倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。
一方、インパルス応答の個数(オーバーサンプリングの倍率n)を奇数とし、例えばn=7とした場合、第2のFIRフィルタ20は、図4(b)に示すように、縦続接続された7個のD型フリップフロップ21a〜21gから成るタップ付き遅延線21と、3個の係数器22a〜22cと、6個の加算器23a〜23fと、1個の振幅調整器24とにより構成される。
7個のD型フリップフロップ21a〜21gは、7倍周波数のクロックck2に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるものとして機能する。3個の係数器22a〜22cおよび6個の加算器23a〜23fは、各D型フリップフロップ21a〜21gの出力タップから出力される7個のデータに対して“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”の数値列(ここでは“1,3,5,6,5,3,1”)から成るフィルタ係数を乗算して、その乗算結果を全て加算するものとして機能する。この数値列の意味についても後述する。
各D型フリップフロップ21a〜21gの出力タップから出力される7個のデータに対して以上のようなフィルタ係数の乗加算を行うと、入力データの振幅が24倍(=6+(5+3+1)*2)される。また、オーバーサンプルにより振幅は更にn倍(7倍)となるので、オーバーサンプルを含めたこの第2のFIRフィルタ20での振幅の倍率は168倍となる。第2のFIRフィルタ20の出力段に設けられた1個の振幅調整器24は、168倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。
図5は、図2に示す第1のFIRフィルタ10と図4(b)に示す第2のFIRフィルタ20とを縦続接続して構成した補間関数生成回路に対して、入力データとして振幅1のユニットパルスを入力した場合における出力波形を示す図である。ここでは、強調係数αをパラメータとして変えた場合の数種類の応答特性を示している。
図5に示す出力波形は、強調係数αの値を変えても、何れも有限台の関数となっている。すなわち、図5の出力波形は、全域において1回以上微分可能であって、ck0≦0、ck0=0.5、ck0=1.5、ck0≧2の位置では強調係数αによらず振幅値が常に0で、ck0=1の位置では強調係数αによらず振幅値が常に1となっている。また、0<ck0<2の局所的な領域内でのみ0以外の有限な振幅値を有しており、その間は滑らかな曲線となっている。したがって、この出力波形は補間関数として使用することができる。この図5に示すように、強調係数αを変えることによって、基準クロックck0=0、0.5、1.5、2の位置でのインパルス応答の振幅値を0に固定したまま、補間関数の強調度を連続的に変化させることができる。
ここで、“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”(mは2以上の偶数)という数値列の技術的意味について説明する。上述した特許文献3では、数値列に対してオーバーサンプリングを行い、その結果得られた数値列に対して移動平均演算を繰り返し行うことによって補間関数を求めている。図6は、この特許文献3に記載の手法により補間関数を求める演算の一例を示す図である。
特許文献3の手法では、まず図6(a)に示す1段目の処理において、振幅が“1”のユニットパルスを8倍(偶数倍)にオーバーサンプルし、得られた数値列“1,1,1,1,1,1,1,1”を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる(図6では上から下の方向にクロックが1つずつ進むことを表している)。そして、各クロック位置における4つの数値(図6(a)の横方向に並んだ同じ行にある4つの数値)を合計することによって、Σ1という数値列“1,2,3,4,4,4,4,4,3,2,1”を得る。
次に、図6(b)に示す2段目の処理において、以上のようにして得た数値列Σ1を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる。そして、各クロック位置における4つの数値を合計することによって、Σ2という数値列を得る。さらに、この数値列Σ2を1クロック遅延させ、各クロック位置における2つの数値を合計することによって、Σ3という数値列を得る。この数値列Σ3が有限台の補間関数となっている。
これに対して、本実施形態の手法により補間関数を求める演算の一例を図7に示す。なお、本実施形態の場合、第1のFIRフィルタ10が有するフィルタ係数は“−α,α,β,β,α,−α”であるが、図6に示した従来例と比較しやすいように、ここではフィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1,1”であるものとして説明する。上述したように、第2のFIRフィルタ20のインパルス応答の個数(タップ長)が8個の場合、第2のFIRフィルタ20が有するフィルタ係数は“1,3,5,7,7,5,3,1”である。
フィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1,1”に設定された第1のFIRフィルタ10と、フィルタ係数が“1,3,5,7,7,5,3,1”に設定された第2のFIRフィルタ20とを縦続接続した場合、第1のFIRフィルタ10に振幅“1”のユニットパルスを入力すると、第2のFIRフィルタ20から出力される数値列は、図7に示すように、図6に示した数値列Σ3と同じになる。すなわち、“1,1,1,1,1,1,1,1”という数値列と“1,3,5,7,7,5,3,1”という数値列との間で所定の積和演算が行われることにより、図6に示した数値列Σ3と同じ数値列が出力される。
ここで行う積和演算は、具体的には以下のようなものである。すなわち、第2のFIRフィルタ20のフィルタ係数“1,3,5,7,7,5,3,1”については、この8個の数値を常に固定的に乗加算の対象とする。一方、第2のFIRフィルタ20への入力データ(第1のFIRフィルタ10のフィルタ係数“1,1,1,1,1,1,1,1”)については、この数値列の前後に“0”の数値列があるものと仮定し、この0値も含めて8個の数値列を積和演算の対象とする。第2のFIRフィルタ20の出力データのi番目(i=1,2,3,・・・,15)の数値を求める際には、入力データのi番目の数値を含めてそれより前にある8個の数値列を乗加算の対象とする。
例えば、第2のFIRフィルタ20の出力データの1番目の数値を求める際は、第2のFIRフィルタ20の8個のフィルタ係数“1,3,5,7,7,5,3,1”と、入力データの1番目の数値を含めてそれより前にある8個の数値列“0,0,0,0,0,0,0,1”とを対象として、配列の対応する要素の積を合計する演算を行う。すなわち、この場合の演算結果は(1×1=1)となる。
また、第2のFIRフィルタ20の出力データの2番目の数値を求める際には、第2のFIRフィルタ20の8個のフィルタ係数“1,3,5,7,7,5,3,1”と、入力データの2番目の数値を含めてそれより前にある8個の数値列{0,0,0,0,0,0,0,1,1}とを対象として、配列の対応する要素の積を合計する演算を行う。すなわち、この場合の演算結果は(1×1+1×3=4)となる。
他の3番目から15番目の数値も同様に計算すると、図7の最右列のような数値列が得られる。
以上のように、本実施形態によれば、従来は図6のような移動平均演算で求めていた数値列Σ3を、第1のFIRフィルタ10と第2のFIRフィルタ20との縦続接続だけで簡単に求めることができる。実際には、第2のFIRフィルタ20への入力データは“1,1,1,1,1,1,1”ではなく、第1のFIRフィルタ10が有する“−α,α,β,β,α,−α”のフィルタ係数によって振幅が加工された数値列である。このような入力データを用いることによって、離散データ間をより滑らかに補間するような補間関数の数値列を得ることができ、かつ、強調係数αによって補間関数を可変強調することができる。
次に、インパルス応答の個数が奇数の場合に用いる数値列“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”(nは3以上の奇数)の技術的意味について説明する。図8は、特許文献3に記載の手法により補間関数を求める演算の一例を示す図である。
特許文献3の手法では、まず図8(a)に示す1段目の処理において、振幅が“1”のユニットパルスを7倍(奇数倍)にオーバーサンプルし、得られた数値列“1,1,1,1,1,1,1”を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる。そして、各クロック位置における4つの数値を合計することによって、Σ1’という数値列“1,2,3,4,4,4,4,3,2,1”を得る。
次に、図8(b)に示す2段目の処理において、以上のようにして得た数値列Σ1’を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる。そして、各クロック位置における4つの数値を合計することによって、Σ2’という数値列を得る。さらに、この数値列Σ2’を1クロック遅延させ、各クロック位置における2つの数値を合計することによって、Σ3’という数値列を得る。この数値列Σ3’が有限台の補間関数となっている。
これに対して、本実施形態の手法により補間関数を求める演算の一例を図9に示す。なお、本実施形態の場合、第1のFIRフィルタ10が有するフィルタ係数は“−α,α,β,β,α,−α”であるが、図8に示した従来例と比較しやすいように、ここではフィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1”であるものとして説明する。上述したように、第2のFIRフィルタ20のインパルス応答の個数が7個の場合、第2のFIRフィルタ20が有するフィルタ係数は“1,3,5,6,5,3,1”である。
フィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1”に設定された第1のFIRフィルタ10と、フィルタ係数が“1,3,5,6,5,3,1”に設定された第2のFIRフィルタ20とを縦続接続した場合、第1のFIRフィルタ10に振幅“1”のユニットパルスを入力すると、第2のFIRフィルタ20から出力される数値列は、図9に示すように、図8に示した数値列Σ3’と同じになる。すなわち、“1,1,1,1,1,1,1”という数値列と“1,3,5,6,5,3,1”という数値列との間で上述の積和演算が行われることにより、図8に示した数値列Σ3’と同じ数値列が出力される。
以上のように、本実施形態によれば、従来は図8のような移動平均演算で求めていた数値列Σ3’を、第1のFIRフィルタ10と第2のFIRフィルタ20との縦続接続だけで簡単に求めることができる。実際には、第2のFIRフィルタ20への入力データは“1,1,1,1,1,1,1”ではなく、第1のFIRフィルタ10が有する“−α,α,β,β,α,−α”のフィルタ係数によって振幅が加工された数値列である。このような入力データを用いることによって、離散データ間をより滑らかに補間するような補間関数の数値列を得ることができ、かつ、強調係数αによって補間関数を可変強調することができる。
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、図1のように縦続接続した2個のFIRフィルタ10,20によって、全域において1回以上微分可能な有限台の可変強調付き補間関数を簡単に実現することができる。これにより、特許文献1〜3やキュービック・コンボリューション補間法を応用した補間関数生成回路に比べて、回路構成を大幅に簡素化することができる。また、単純なFIR演算を行うだけなので、補間処理にかかる時間を短くすることもできる。
なお、上記実施形態では、第2のFIRフィルタ20のタップ長m,nに合わせて入力データをm倍またはn倍にオーバーサンプルして補間する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
また、上記実施形態では、“−1,1,β,β,1,−1”の数値列から成るフィルタ係数に対して、強調係数αに基づいて“−α,α,β,β,α,−α”という関係の強調演算を行う例について説明したが、強調演算はこれに限定されない。数値列の合計値(=2β)が強調の有無によらず不変となるようにすれば、どのような強調演算を行っても良い。ただし、数値列の真中の係数値“β,β”は、強調の有無によらず常に固定としておくのが好ましい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
図2は、第1のFIRフィルタ10の構成例を示す図である。第1のFIRフィルタ10では、6個のD型フリップフロップ11a〜11fから成るタップ付き遅延線11により入力データを順次遅延させ、各D型フリップフロップ11a〜11fの出力タップから出力される6個のデータに対して“−α,α,β,β,α,−α”(α,βは0以上の任意の係数で、例えばβ=8)の数値列から成るフィルタ係数を乗算し、それらの乗算結果を加算して出力する。
すなわち、第1のFIRフィルタ10は、縦続接続された6個のD型フリップフロップ11a〜11fから成るタップ付き遅延線11と、1個の係数器12と、4個の加算器13a〜13dと、1個の減算器14と、1個の乗算器15と、1個の振幅調整器16とにより構成されている。
6個のD型フリップフロップ11a〜11fは、基準周波数のクロックck0に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるものとして機能する。1個の係数器12、4個の加算器13a〜13dおよび1個の減算器14は、各D型フリップフロップ11a〜11fの出力タップから出力される6個のデータに対して“−1,1,8,8,1,−1”の数値列から成るフィルタ係数を乗算し、その乗算結果を全て加算するものとして機能する。
また、1個の乗算器15は、外部より入力された強調係数αを、上述した数値列中の“−1,1,”および“1,−1”の部分に対して乗算するものとして機能する。すなわち、乗算器15は、“−1,1,8,8,1,−1”の数値列から成るフィルタ係数に対して、強調係数αに基づいて“−α,α,8,8,α,−α”という関係の強調演算を行う強調演算部に相当する。
各D型フリップフロップ11a〜11fの出力タップから出力される6個のデータに対して以上のようなフィルタ係数の乗加算を行うと、入力データの振幅が16倍(=(−α)+α+8+8+α+(−α))される。第1のFIRフィルタ10の出力段に設けられた1個の振幅調整器16は、16倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。なお、フィルタ係数が{−α,α,β,β,α,−α}のときは、入力データの振幅はフィルタ係数の乗加算によって2β倍となる。この場合に振幅調整器16は、2β倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。
上記図2のように構成した第1のFIRフィルタ10はローパスフィルタであり、その周波数特性は図3のようになる。なお、図3は、強調係数αの値が1の場合の周波数特性を示している。ローパスフィルタの通過域は、強調係数αの値が0のときに平坦(オーバーシュートもアンダーシュートも殆ど存在しない状態)となり、強調係数αの値が大きくなるにつれて、通過域端の振幅値が大きくなり、オーバーシュートが生じる。
図4は、第2のFIRフィルタ20の構成例を示す図である。第2のFIRフィルタ20も第1のFIRフィルタ10と同様、入力データを複数のD型フリップフロップから成るタップ付き遅延線により順次遅延させ、各D型フリップフロップの出力タップから出力される複数のデータに対して所定のフィルタ係数を乗算し、それらの乗算結果を加算して出力する。
第2のFIRフィルタ20はオーバーサンプル平滑化フィルタであり、オーバーサンプリングの倍率と、インパルス応答の個数(タップ長)を偶数にするか奇数にするかとに応じて、使用するフィルタ係数が異なる。図4(a)はインパルス応答の個数を偶数とする場合の構成例を示し、図4(b)はインパルス応答の個数を奇数とする場合の構成例を示している。
インパルス応答の個数(オーバーサンプリングの倍率m)を偶数とし、例えばm=8とした場合、第2のFIRフィルタ20は、図4(a)に示すように、縦続接続された8個のD型フリップフロップ21a〜21hから成るタップ付き遅延線21と、3個の係数器22a〜22cと、7個の加算器23a〜23gと、1個の振幅調整器24とにより構成される。
8個のD型フリップフロップ21a〜21hは、m倍(ここでは8倍)周波数のクロックck1(=8*ck0)に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるものとして機能する。8倍周波数のクロックck1に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるのは、入力データを8倍にオーバーサンプリングすることを意味する。すなわち、入力段に設けられたタップ付き遅延線21は、入力データを8倍にオーバーサンプルするオーバーサンプリング回路として機能する。入力データが“1”の場合、タップ付き遅延線21によって4倍のオーバーサンプリングが行われると、タップ付き遅延線21の出力データは“1,1,1,1,1,1,1,1”となる。
3個の係数器22a〜22cおよび7個の加算器23a〜23gは、各D型フリップフロップ21a〜21hの出力タップから出力される8個のデータに対して“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”の数値列(ここでは“1,3,5,7,7,5,3,1”)から成るフィルタ係数を乗算して、その乗算結果を全て加算するものとして機能する。この数値列の意味については後述する。
各D型フリップフロップ21a〜21hの出力タップから出力される8個のデータに対して以上のようなフィルタ係数の乗加算を行うと、入力データの振幅が32倍(=(7+5+3+1)*2)される。また、オーバーサンプルにより振幅は更にm倍(8倍)となるので、オーバーサンプルを含めたこの第2のFIRフィルタ20での振幅の倍率は256倍となる。第2のFIRフィルタ20の出力段に設けられた1個の振幅調整器24は、256倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。
一方、インパルス応答の個数(オーバーサンプリングの倍率n)を奇数とし、例えばn=7とした場合、第2のFIRフィルタ20は、図4(b)に示すように、縦続接続された7個のD型フリップフロップ21a〜21gから成るタップ付き遅延線21と、3個の係数器22a〜22cと、6個の加算器23a〜23fと、1個の振幅調整器24とにより構成される。
7個のD型フリップフロップ21a〜21gは、7倍周波数のクロックck2に従って入力データを1クロックずつ順次遅延させるものとして機能する。3個の係数器22a〜22cおよび6個の加算器23a〜23fは、各D型フリップフロップ21a〜21gの出力タップから出力される7個のデータに対して“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”の数値列(ここでは“1,3,5,6,5,3,1”)から成るフィルタ係数を乗算して、その乗算結果を全て加算するものとして機能する。この数値列の意味についても後述する。
各D型フリップフロップ21a〜21gの出力タップから出力される7個のデータに対して以上のようなフィルタ係数の乗加算を行うと、入力データの振幅が24倍(=6+(5+3+1)*2)される。また、オーバーサンプルにより振幅は更にn倍(7倍)となるので、オーバーサンプルを含めたこの第2のFIRフィルタ20での振幅の倍率は168倍となる。第2のFIRフィルタ20の出力段に設けられた1個の振幅調整器24は、168倍された振幅を元の振幅に戻すものとして機能する。
図5は、図2に示す第1のFIRフィルタ10と図4(b)に示す第2のFIRフィルタ20とを縦続接続して構成した補間関数生成回路に対して、入力データとして振幅1のユニットパルスを入力した場合における出力波形を示す図である。ここでは、強調係数αをパラメータとして変えた場合の数種類の応答特性を示している。
図5に示す出力波形は、強調係数αの値を変えても、何れも有限台の関数となっている。すなわち、図5の出力波形は、全域において1回以上微分可能であって、ck0≦0、ck0=0.5、ck0=1.5、ck0≧2の位置では強調係数αによらず振幅値が常に0で、ck0=1の位置では強調係数αによらず振幅値が常に1となっている。また、0<ck0<2の局所的な領域内でのみ0以外の有限な振幅値を有しており、その間は滑らかな曲線となっている。したがって、この出力波形は補間関数として使用することができる。この図5に示すように、強調係数αを変えることによって、基準クロックck0=0、0.5、1.5、2の位置でのインパルス応答の振幅値を0に固定したまま、補間関数の強調度を連続的に変化させることができる。
ここで、“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”(mは2以上の偶数)という数値列の技術的意味について説明する。上述した特許文献3では、数値列に対してオーバーサンプリングを行い、その結果得られた数値列に対して移動平均演算を繰り返し行うことによって補間関数を求めている。図6は、この特許文献3に記載の手法により補間関数を求める演算の一例を示す図である。
特許文献3の手法では、まず図6(a)に示す1段目の処理において、振幅が“1”のユニットパルスを8倍(偶数倍)にオーバーサンプルし、得られた数値列“1,1,1,1,1,1,1,1”を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる(図6では上から下の方向にクロックが1つずつ進むことを表している)。そして、各クロック位置における4つの数値(図6(a)の横方向に並んだ同じ行にある4つの数値)を合計することによって、Σ1という数値列“1,2,3,4,4,4,4,4,3,2,1”を得る。
次に、図6(b)に示す2段目の処理において、以上のようにして得た数値列Σ1を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる。そして、各クロック位置における4つの数値を合計することによって、Σ2という数値列を得る。さらに、この数値列Σ2を1クロック遅延させ、各クロック位置における2つの数値を合計することによって、Σ3という数値列を得る。この数値列Σ3が有限台の補間関数となっている。
これに対して、本実施形態の手法により補間関数を求める演算の一例を図7に示す。なお、本実施形態の場合、第1のFIRフィルタ10が有するフィルタ係数は“−α,α,β,β,α,−α”であるが、図6に示した従来例と比較しやすいように、ここではフィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1,1”であるものとして説明する。上述したように、第2のFIRフィルタ20のインパルス応答の個数(タップ長)が8個の場合、第2のFIRフィルタ20が有するフィルタ係数は“1,3,5,7,7,5,3,1”である。
フィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1,1”に設定された第1のFIRフィルタ10と、フィルタ係数が“1,3,5,7,7,5,3,1”に設定された第2のFIRフィルタ20とを縦続接続した場合、第1のFIRフィルタ10に振幅“1”のユニットパルスを入力すると、第2のFIRフィルタ20から出力される数値列は、図7に示すように、図6に示した数値列Σ3と同じになる。すなわち、“1,1,1,1,1,1,1,1”という数値列と“1,3,5,7,7,5,3,1”という数値列との間で所定の積和演算が行われることにより、図6に示した数値列Σ3と同じ数値列が出力される。
ここで行う積和演算は、具体的には以下のようなものである。すなわち、第2のFIRフィルタ20のフィルタ係数“1,3,5,7,7,5,3,1”については、この8個の数値を常に固定的に乗加算の対象とする。一方、第2のFIRフィルタ20への入力データ(第1のFIRフィルタ10のフィルタ係数“1,1,1,1,1,1,1,1”)については、この数値列の前後に“0”の数値列があるものと仮定し、この0値も含めて8個の数値列を積和演算の対象とする。第2のFIRフィルタ20の出力データのi番目(i=1,2,3,・・・,15)の数値を求める際には、入力データのi番目の数値を含めてそれより前にある8個の数値列を乗加算の対象とする。
例えば、第2のFIRフィルタ20の出力データの1番目の数値を求める際は、第2のFIRフィルタ20の8個のフィルタ係数“1,3,5,7,7,5,3,1”と、入力データの1番目の数値を含めてそれより前にある8個の数値列“0,0,0,0,0,0,0,1”とを対象として、配列の対応する要素の積を合計する演算を行う。すなわち、この場合の演算結果は(1×1=1)となる。
また、第2のFIRフィルタ20の出力データの2番目の数値を求める際には、第2のFIRフィルタ20の8個のフィルタ係数“1,3,5,7,7,5,3,1”と、入力データの2番目の数値を含めてそれより前にある8個の数値列{0,0,0,0,0,0,0,1,1}とを対象として、配列の対応する要素の積を合計する演算を行う。すなわち、この場合の演算結果は(1×1+1×3=4)となる。
他の3番目から15番目の数値も同様に計算すると、図7の最右列のような数値列が得られる。
以上のように、本実施形態によれば、従来は図6のような移動平均演算で求めていた数値列Σ3を、第1のFIRフィルタ10と第2のFIRフィルタ20との縦続接続だけで簡単に求めることができる。実際には、第2のFIRフィルタ20への入力データは“1,1,1,1,1,1,1”ではなく、第1のFIRフィルタ10が有する“−α,α,β,β,α,−α”のフィルタ係数によって振幅が加工された数値列である。このような入力データを用いることによって、離散データ間をより滑らかに補間するような補間関数の数値列を得ることができ、かつ、強調係数αによって補間関数を可変強調することができる。
次に、インパルス応答の個数が奇数の場合に用いる数値列“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”(nは3以上の奇数)の技術的意味について説明する。図8は、特許文献3に記載の手法により補間関数を求める演算の一例を示す図である。
特許文献3の手法では、まず図8(a)に示す1段目の処理において、振幅が“1”のユニットパルスを7倍(奇数倍)にオーバーサンプルし、得られた数値列“1,1,1,1,1,1,1”を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる。そして、各クロック位置における4つの数値を合計することによって、Σ1’という数値列“1,2,3,4,4,4,4,3,2,1”を得る。
次に、図8(b)に示す2段目の処理において、以上のようにして得た数値列Σ1’を3段にわたり1クロックずつ順次遅延させる。そして、各クロック位置における4つの数値を合計することによって、Σ2’という数値列を得る。さらに、この数値列Σ2’を1クロック遅延させ、各クロック位置における2つの数値を合計することによって、Σ3’という数値列を得る。この数値列Σ3’が有限台の補間関数となっている。
これに対して、本実施形態の手法により補間関数を求める演算の一例を図9に示す。なお、本実施形態の場合、第1のFIRフィルタ10が有するフィルタ係数は“−α,α,β,β,α,−α”であるが、図8に示した従来例と比較しやすいように、ここではフィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1”であるものとして説明する。上述したように、第2のFIRフィルタ20のインパルス応答の個数が7個の場合、第2のFIRフィルタ20が有するフィルタ係数は“1,3,5,6,5,3,1”である。
フィルタ係数が“1,1,1,1,1,1,1”に設定された第1のFIRフィルタ10と、フィルタ係数が“1,3,5,6,5,3,1”に設定された第2のFIRフィルタ20とを縦続接続した場合、第1のFIRフィルタ10に振幅“1”のユニットパルスを入力すると、第2のFIRフィルタ20から出力される数値列は、図9に示すように、図8に示した数値列Σ3’と同じになる。すなわち、“1,1,1,1,1,1,1”という数値列と“1,3,5,6,5,3,1”という数値列との間で上述の積和演算が行われることにより、図8に示した数値列Σ3’と同じ数値列が出力される。
以上のように、本実施形態によれば、従来は図8のような移動平均演算で求めていた数値列Σ3’を、第1のFIRフィルタ10と第2のFIRフィルタ20との縦続接続だけで簡単に求めることができる。実際には、第2のFIRフィルタ20への入力データは“1,1,1,1,1,1,1”ではなく、第1のFIRフィルタ10が有する“−α,α,β,β,α,−α”のフィルタ係数によって振幅が加工された数値列である。このような入力データを用いることによって、離散データ間をより滑らかに補間するような補間関数の数値列を得ることができ、かつ、強調係数αによって補間関数を可変強調することができる。
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、図1のように縦続接続した2個のFIRフィルタ10,20によって、全域において1回以上微分可能な有限台の可変強調付き補間関数を簡単に実現することができる。これにより、特許文献1〜3やキュービック・コンボリューション補間法を応用した補間関数生成回路に比べて、回路構成を大幅に簡素化することができる。また、単純なFIR演算を行うだけなので、補間処理にかかる時間を短くすることもできる。
なお、上記実施形態では、第2のFIRフィルタ20のタップ長m,nに合わせて入力データをm倍またはn倍にオーバーサンプルして補間する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
また、上記実施形態では、“−1,1,β,β,1,−1”の数値列から成るフィルタ係数に対して、強調係数αに基づいて“−α,α,β,β,α,−α”という関係の強調演算を行う例について説明したが、強調演算はこれに限定されない。数値列の合計値(=2β)が強調の有無によらず不変となるようにすれば、どのような強調演算を行っても良い。ただし、数値列の真中の係数値“β,β”は、強調の有無によらず常に固定としておくのが好ましい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、FIRフィルタを利用した補間関数生成回路に有用である。本発明の補間関数生成回路は、データ補間を必要とする回路や装置にはすべて適用することが可能である。例えば、画像の品質を向上させるための画像高精細化回路として本実施形態の補間関数生成回路を応用することが可能である。また、画像の拡大・縮小処理を行う回路にも利用することが可能である。その他、音声信号の品質を向上させるための回路や、圧縮されたデータを伸長するための回路などにも応用することが可能である。
Claims (5)
- “−α,α,β,β,α,−α”(α,βは0以上の任意の係数)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第1のFIRフィルタと、
“1,3,5,・・・,m−1,m−1,・・・5,3,1”(mは2以上の任意の偶数)または“1,3,5,・・・,n−2,n−1,n−2,・・・5,3,1”(nは3以上の任意の奇数)の比率から成る数値列をフィルタ係数として有する第2のFIRフィルタとを備え、
上記第1のFIRフィルタの後段に上記第2のFIRフィルタを縦続接続して成ることを特徴とする補間関数生成回路。 - 上記第1のFIRフィルタは、“−1,1,β,β,1,−1”の比率から成る数値列のフィルタ係数に対して、入力された強調係数αに基づいて“−α,α,β,β,α,−α”という関係の強調演算を行う強調演算部を備えて成ることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の補間関数生成回路。
- 上記第1のFIRフィルタにおいて、上記強調係数αを可変としたことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の補間関数生成回路。
- 上記第2のFIRフィルタは、入力データをm倍またはn倍にオーバーサンプルするオーバーサンプリング回路を入力段に備えて成ることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の補間関数生成回路。
- 上記第2のFIRフィルタは、動作クロックの周波数が上記第1のFIRフィルタの動作クロックの周波数のm倍またはn倍に設定されたオーバーサンプル平滑化回路を備えて成ることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の補間関数生成回路。
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