JP4267293B2 - フィルタ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハード規模を縮小することができ、結果として、コストを抑えると共に信頼性を向上することのできるフィルタ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から広く用いられているフィルタ処理装置の構成を図7に示す。同図に示すように、従来のフィルタ処理装置は、実数出力用実数フィルタ係数乗算器103と、実数出力用虚数フィルタ係数乗算器104と、実数出力用加算器105と、虚数出力用虚数フィルタ係数乗算器108と、虚数出力用実数フィルタ係数乗算器109と、虚数出力用加算器110とを備えて構成されている。なお、実数出力用実数フィルタ係数乗算器103および虚数出力用実数フィルタ係数乗算器109のフィルタ乗算係数は共にFiであり、実数出力用虚数フィルタ係数乗算器104および虚数出力用虚数フィルタ係数乗算器108のフィルタ乗算係数は共にFqである。
【0003】
当該従来のフィルタ処理装置に入力された実数入力データ列1は、実数出力用実数フィルタ係数乗算器103および虚数出力用虚数フィルタ係数乗算器108に入力され、それぞれフィルタ乗算係数Fi、Fqが乗算される。また、虚数入力データ列2は、実数出力用虚数フィルタ係数乗算器104および虚数出力用実数フィルタ係数乗算器109に入力され、それぞれフィルタ乗算係数Fq、Fiが乗算される。次に、実数出力用加算器105は、実数出力用実数フィルタ係数乗算器103の出力と実数出力用虚数フィルタ係数乗算器104の出力とを加算することによって合成し、実数出力データ列15を出力する。また、虚数出力用加算器110は、虚数出力用虚数フィルタ係数乗算器108の出力と虚数出力用実数フィルタ係数乗算器109の出力とを加算することによって合成し、虚数出力データ列16を出力する。
【0004】
【特許文献1】
特表平10−505964号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフィルタ処理装置にあっては、入力された実数入力データ列1および虚数入力データ列2をフィルタ処理するために、図7に示すように、4系統(103,104,108,109)のフィルタ係数乗算器を構成する必要があった。更に、これら4系統のフィルタ係数乗算器の出力から、実数成分と虚数成分を合成して出力するために2系統(105,110)の加算器も必要であった。したがって、従来のフィルタ処理装置をハードウェアで構成する場合、4系統のフィルタ係数乗算器および2系統の加算器を必要とするために各素子のレイアウトや回路配線が複雑となる結果、ハード規模が増大してしまう。当該装置において、ハード規模の増大は、コスト高や信頼性の低下を招く恐れがあるといった点で好ましくはない。
【0006】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、ハード規模の小さなフィルタ処理装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るフィルタ処理装置は、並列に入力された実数入力データ列および虚数入力データ列に対して所定のフィルタ処理を行うフィルタ処理装置であって、前記並列に入力された実数入力データ列および虚数入力データ列をパラレル/シリアル変換 して、実数入力データおよび虚数入力データが交互に並んだ直列入力データ列を出力する入力データ変換手段と、所定の複素フィルタ乗算係数に基づいて、実数入力データ用のフィルタ乗算係数および虚数入力データ用のフィルタ乗算係数をそれぞれ決定するフィルタ乗算係数決定手段と、前記実数入力データ用のフィルタ乗算係数または前記虚数入力データ用のフィルタ乗算係数に基づいて、前記直列入力データ列に対しそれぞれ所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理によって得られた直列出力データ列を出力するフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理手段に前記直列入力データ列の実数入力データが入力されるときは、前記実数データ用のフィルタ乗算係数を前記フィルタ処理手段に書き込み、前記フィルタ処理手段に前記直列入力データ列の虚数入力データが入力されるときは、前記虚数データ用のフィルタ乗算係数を前記フィルタ処理手段に書き込むフィルタ乗算係数書込み手段と、前記フィルタ処理手段から出力された前記直列出力データ列をシリアル/パラレル変換して、実数出力データ列および虚数出力データ列を並列に出力する出力データ変換手段と、所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数を決定し、当該決定された複素フィルタ乗算係数を前記フィルタ乗算係数決定手段に通知する複素フィルタ乗算係数決定手段と、を備え、前記複素フィルタ乗算係数決定手段は、特性が異なる複数のフィルタの各々に異なる複素フィルタ乗算係数がそれぞれ対応した複素フィルタ乗算係数テーブルを保持する複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段と、前記複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段に保持されている複素フィルタ乗算係数テーブルから、所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数を読み出し、当該読み出された複素フィルタ乗算係数を前記フィルタ乗算係数決定手段に通知する複素フィルタ乗算係数読出手段と、を有するものである。本発明に係るフィルタ処理装置によれば、複素フィルタ乗算係数を算出するための演算を行う必要がないため、当該装置における演算負荷を軽減することができる。さらに、所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数を容易に決定することができ、複素フィルタ乗算係数テーブルを書き換えることによって、選択可能なフィルタ特性を容易に変更することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るフィルタ処理装置の実施の形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
なお、本発明に係るフィルタ処理装置は、例えば、トランスバーサル型等価器、判定帰還型等価器、アダプティブアレーアンテナ等のように、音声データや画像データ等をフィルタ処理する装置にも適用できる。
【0012】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るフィルタ処理装置を示す構成図である。同図に示すように、本実施形態のフィルタ処理装置は、特許請求の範囲の入力データ変換手段に該当する入力データ多重手段8と、フィルタ乗算係数決定手段11と、フィルタ処理手段に該当する適応型デジタルフィルタ処理手段10と、フィルタ乗算係数書込み手段12と、出力データ変換手段14とを備えて構成されている。
【0013】
以下、本実施形態のフィルタ処理装置が有する各構成要素について説明する。
入力データ多重手段8は、複素入力データ列の実数成分である実数入力データ列1(I0,I1,I2,・・・)と虚数成分である虚数入力データ列2(Q0,Q1,Q2,・・・)とが並列に入力されると、実数入力データ列1および虚数入力データ列2を多重化することによって、パラレル/シリアル変換を行うものであり、実数入力データ(I)および虚数入力データ(Q)が交互に直列に並んだ多重入力データ列9を出力する。つまり、入力データ多重手段8から出力される多重入力データ列9は、I0,Q0,I1,Q1,I2,Q2,・・・となる。
【0014】
フィルタ乗算係数決定手段11は、予め決定されている複素フィルタ乗算係数Fkに下記に示した〔式1〕または〔式2〕を適用することによってフィルタ乗算係数Cnを決定し、決定したフィルタ乗算係数Cnをフィルタ乗算係数書込み手段12に通知するものである。なお、フィルタ乗算係数決定手段11は、〔式1〕に基づいて実数入力データ(I)用のフィルタ乗算係数(以下「実数成分用乗算係数」という。)Cniを決定し、〔式2〕に基づいて虚数入力データ(Q)用のフィルタ乗算係数(以下「虚数成分用乗算係数」という。)Cnqを決定する。以下、本明細書では、実数成分用乗算係数Cniと虚数成分用乗算係数Cnqをまとめてフィルタ乗算係数Cnという。
【0015】
〔式1〕
C0=0,C2N-1=0
C2k+1=Re[Fk] (k=0,1,2,・・・,N−2)
C2k+2=Im[Fk] (k=0,1,2,・・・,N−2)
【0016】
〔式2〕
C2N-1=0,C2N-2=0
C2k=−Im[Fk] (k=0,1,2,・・・,N−2)
C2k+1=Re[Fk] (k=0,1,2,・・・,N−2)
【0017】
但し、上記〔式1〕および〔式2〕において、Fkはフィルタ乗算係数決定手段11に記憶されている複素フィルタ乗算係数である。
【0018】
フィルタ乗算係数書込み手段12は、フィルタ乗算係数決定手段11から通知されたフィルタ乗算係数Cn(実数成分用乗算係数Cniおよび虚数成分用乗算係数Cnq)を記憶して、当該フィルタ乗算係数Cnを適応型デジタルフィルタ処理手段10に書き込むものである。但し、適応型デジタルフィルタ処理手段10には、実数入力データ(I)および虚数入力データ(Q)が交互かつ直列に並んだ多重入力データ列9が入力されるため、実数入力データ(I)または虚数入力データ(Q)の入力タイミングに合わせてフィルタ乗算係数Cnを書き込む。すなわち、実数入力データ(I)が入力されるときは実数成分用乗算係数Cniを書き込み、虚数入力データ(Q)が入力されるときは虚数成分用乗算係数Cnqを書き込む。
【0019】
適応型デジタルフィルタ処理手段10は、入力データ多重手段8から入力された多重入力データ列9に対してデジタルフィルタ処理を行うものであり、当該デジタルフィルタ処理によって得られた多重出力データ列13を出力する。より具体的には、適応型デジタルフィルタ処理手段10は、実数入力データ(I)に対しては実数成分用乗算係数Cniを用いてフィルタ処理し、虚数入力データ(Q)に対しては虚数成分用乗算係数Cnqを用いてフィルタ処理する。なお、適応型デジタルフィルタ処理手段10から出力される多重出力データ列13は、フィルタ処理した結果得られた実数出力データと虚数出力データとが交互に直列に並んだデータ列である。
【0020】
以下、適応型デジタルフィルタ処理手段10の内部構成について図2を参照して説明する。図2は、転置型FIRデジタルフィルタを適用した場合の適応型デジタルフィルタ処理手段10の回路構成を示す図である。同図に示すように、当該回路は、乗算器18と、遅延器19と、加算器20とを有している。タップ数2N=8の場合、つまり乗算器18の数が8の場合について説明する。
【0021】
乗算器18は、入力されたデータにフィルタ乗算係数を乗算した結果を出力するものである。適応型デジタルフィルタ処理手段10に実数入力データ(I)が入力されると、乗算器18は、当該実数入力データ(I)に実数成分用乗算係数Cniを乗算して出力する。なお、実数入力データ(I)が入力される場合、各乗算器には実数成分用乗算係数C0i=0,C1i=Re[F0],C2i=Im[F0],C3i=Re[F1],C4i=Im[F1],C5i=Re[F2],C6i=Im[F3],C7i=0がそれぞれ書き込まれる。また、適応型デジタルフィルタ処理手段10に虚数入力データ(Q)が入力されると、乗算器18は、当該虚数入力データ(Q)に虚数成分用乗算係数Cnqを乗算して出力する。なお、虚数入力データ(Q)が入力される場合、各乗算器には虚数成分用乗算係数C0q=−Im[F0],C1q=Re[F0],C2q=−Im[F1],C3q=Re[F1],C4q=−Im[F2],C5q=Re[F2],C6q=0,C7q=0がそれぞれ書き込まれる。
【0022】
遅延器19は、乗算器18の出力または加算器20の出力を一定時間遅延させて出力するものである。加算器20は、乗算器18の出力と遅延器19の出力を加算して出力するものである。
【0023】
次に、転置型FIRデジタルフィルタを適用した場合の適応型デジタルフィルタ処理手段10の動作を説明する。
まず、適応型デジタルフィルタ処理手段10に実数入力データIが入力されると、乗算器18は、当該実数入力データIに実数成分用入力乗算係数Cniをそれぞれ乗算して出力する。乗算器18の出力は加算器20に入力され、遅延器19の出力と加算されて出力される。ただし、実数成分用乗算係数C7iが書き込まれた乗算器の出力は、遅延器19に入力される。
【0024】
次に、虚数入力データQが入力されると、乗算器18は、当該虚数入力データQに虚数成分用入力乗算係数Cnqをそれぞれ乗算して出力する。乗算器18の出力は加算器20に入力され、遅延器19の出力と加算されて出力される。ただし、虚数成分用乗算係数C7qが書き込まれた乗算器の出力は遅延器19に入力される。
【0025】
多重入力データ列9が適応型デジタルフィルタ処理手段10に入力される度に上述した動作を繰り返すことによって、適応型デジタルフィルタ処理手段10はデジタルフィルタ処理を行い、多重出力データ列13を出力する。
【0026】
なお、以上の説明では、転置型FIRデジタルフィルタを適用した場合の適応型デジタルフィルタ処理手段10について説明したが、図3に示すように、直接型FIRデジタルフィルタを適用してもよい。なお、図3に示す直接型FIRデジタルフィルタは、入力データを一定時間遅延させて出力する遅延器39と、遅延器39の出力と当該入力データに対応するフィルタ乗算係数とを乗算する乗算器38と、全ての乗算器38の出力を加算する加算器26とを有している。
【0027】
出力データ変換手段14は、適応型デジタルフィルタ処理手段10から出力された多重出力データ列13をシリアル/パラレル変換するものであり、実数出力データ列15と虚数出力データ列16とが並列に出力される。
【0028】
次に、本実施形態のフィルタ処理装置の動作について、図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態のフィルタ処理装置の動作を示すフローチャートである。
まず、フィルタ乗算係数決定手段11は、予め決定されている複素フィルタ乗算係数Fkに基づいて、フィルタ乗算係数Cn(実数成分乗算係数Cniおよび虚数成分乗算係数Cnq)を決定する(ステップS0)。次に、フィルタ乗算係数決定手段11は、ステップS0で決定されたフィルタ乗算係数Cnをフィルタ乗算係数書込み手段12に通知する(ステップS2)。このとき、フィルタ乗算係数書込み手段12は、通知されたフィルタ乗算係数Cnを記憶する。
【0029】
一方、入力データ多重手段8は、入力された実数入力データ列1と虚数入力データ列2とを多重化して、多重入力データ列9を順次出力する(ステップS4)。フィルタ乗算係数書込み手段12は、ステップS4で出力され適応型デジタルフィルタ処理手段10に入力される多重入力データ列9が実数入力データ(I)か虚数入力データ(Q)かによって、それぞれフィルタ乗算係数Cnを適応型デジタルフィルタ処理手段10に書き込む(ステップS6)。すなわち、実数入力データ(I)が入力されるときには実数成分乗算係数Cniを書き込み、虚数入力データ(Q)が入力されるときには虚数成分乗算係数Cnqを書き込む。次に、適応型デジタルフィルタ処理手段10は、ステップS6で書き込まれたフィルタ乗算係数Cnを使用して、多重入力データ列9をフィルタ処理する(ステップS8)。
【0030】
次に、ステップS8でのフィルタ処理によって得られた多重出力データ列13は出力データ変換手段14に入力され、出力データ変換手段14が多重出力データ列13を実数出力データ列15および虚数出力データ列16にシリアル/パラレル変換する(ステップS10)。次に、入力データ多重手段8から適応型デジタルフィルタ処理手段10に入力される多重入力データ列9があるかを判断し(ステップS12)、入力される多重入力データ列9があればステップS4に戻り、なければ一連の処理を終了する。
【0031】
このように、多重入力データ列9が適応型デジタルフィルタ処理手段10に入力される度に当該処理を繰り返すことによって、本実施形態のフィルタ処理装置はデジタルフィルタ処理を行う。
【0032】
以上説明したように、本実施形態のフィルタ処理装置によれば、並列に入力された実数入力データ列1および虚数入力データ列2を多重入力データ列9にパラレル/シリアル変換し、適応型デジタルフィルタ処理手段10に入力される多重入力データ列9が実数入力データ(I)か虚数入力データ(Q)かによって適応型デジタルフィルタ処理手段10のフィルタ乗算係数Cnを書き換えている。したがって、実数入力データ(I)に対しても虚数入力データ(Q)に対しても同一の適応型デジタルフィルタ処理手段10でフィルタ処理することができるため、本実施形態のフィルタ処理装置のハード規模を縮小することができる。この結果、コストの削減や信頼性の向上、開発期間の短縮を実現できる。
【0033】
〔第2の実施形態〕
図5は、本発明の第2の実施形態に係るフィルタ処理装置を示す構成図である。図5において、図1(第1の実施形態)と重複する部分には同一の符号を附して説明を省略する。図5に示すように、第2の実施形態のフィルタ処理装置は、第1の実施形態のフィルタ処理装置が有する構成要素に加えて、複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段29と、複素フィルタ乗算係数読出手段27とを備えて構成されている。なお、特許請求の範囲の複素フィルタ乗算係数決定手段は複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段29及び複素フィルタ乗算係数読出手段27に該当する。
【0034】
複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段29は、ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(HPF)、バンドパスフィルタ(BPF)等、特性が異なる複数のフィルタの各々に異なる複素フィルタ乗算係数がそれぞれ対応したテーブル(以下「複素フィルタ乗算係数テーブル」という。)を保持するものである。また、複素フィルタ乗算係数読出手段27は、フィルタ特性変更の指示を受けると、複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段29に保持されている複素フィルタ乗算係数テーブルから、当該指示に応じた複素フィルタ乗算係数Fkを読み出すものであり、当該読み出された複素フィルタ乗算係数Fkをフィルタ乗算係数決定手段11に通知する。
【0035】
次に、本実施形態のフィルタ処理装置の動作について、図6を参照して説明する。図6は、第2の実施形態のフィルタ処理装置の動作を示すフローチャートである。なお、同図に示すステップS0〜S10は第1の実施形態で説明した図4に示すステップS0〜S10と同様であるため、説明を省略する。
【0036】
ステップS10において、出力データ変換手段14が多重出力データ列13を実数出力データ列15および虚数出力データ列16にシリアル/パラレル変換した後、入力データ多重手段8から適応型デジタルフィルタ処理手段10に入力される多重入力データ列9があるかを判断し(ステップS12)、入力される多重入力データ列9があれば次のステップS14に進み、なければ一連の処理を終了する。
【0037】
ステップS14では、フィルタ特性変更の指示があるか判断し、当該指示があればステップS16に進み、なければステップS4に戻る。ステップS16では、複素フィルタ乗算係数読出手段27が、複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段29に保持されている複素フィルタ乗算係数テーブルを参照する。次に、複素フィルタ乗算係数読出手段27は、フィルタ特性変更指示に基づいて、所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数Fkを読み出し、当該読み出された複素フィルタ乗算係数Fkをフィルタ乗算係数決定手段11に通知する(ステップS18)。その後、ステップS0に戻り、上述の動作を繰り返す。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のフィルタ処理装置によれば、複素フィルタ乗算係数Fkを決定する際、複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段29によって保持されている複素フィルタ乗算係数テーブルを参照すれば複素フィルタ乗算係数Fkを決定することができる。このため、複素フィルタ乗算係数Fkを算出するための演算を行う必要がないため、当該装置における演算負荷を軽減することができる。さらに、当該複素フィルタ乗算係数テーブルには、異なる特性を持つ複数のフィルタにそれぞれ対応した複素フィルタ乗算係数が設定されているため、所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数を容易に決定することができ、複素フィルタ乗算係数テーブルを書き換えることによって、選択可能なフィルタ特性を容易に変更することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るフィルタ処理装置によれば、ハード規模を縮小することができ、結果として、コストを抑えると共に信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るフィルタ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のフィルタ処理装置に転置型FIRデジタルフィルタを適用した場合の適応型デジタルフィルタ処理手段10の回路構成を示す図である。
【図3】本発明のフィルタ処理装置に直接型FIRデジタルフィルタを適用した場合の適応型デジタルフィルタ処理手段10の回路構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るフィルタ処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るフィルタ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係るフィルタ処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】従来のフィルタ処理装置の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
8 入力データ多重手段
10 適応型デジタルフィルタ処理手段
11 フィルタ乗算係数決定手段
12 フィルタ乗算係数書込み手段
14 出力データ変換手段
18,38 乗算器
19,39 遅延器
20,26 加算器
27 複素フィルタ乗算係数読出手段
29 複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段
Claims (1)
- 並列に入力された実数入力データ列および虚数入力データ列に対して所定のフィルタ処理を行うフィルタ処理装置であって、
前記並列に入力された実数入力データ列および虚数入力データ列をパラレル/シリアル変換して、実数入力データおよび虚数入力データが交互に並んだ直列入力データ列を出力する入力データ変換手段と、
所定の複素フィルタ乗算係数に基づいて、実数入力データ用のフィルタ乗算係数および虚数入力データ用のフィルタ乗算係数をそれぞれ決定するフィルタ乗算係数決定手段と、
前記実数入力データ用のフィルタ乗算係数または前記虚数入力データ用のフィルタ乗算係数に基づいて、前記直列入力データ列に対しそれぞれ所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理によって得られた直列出力データ列を出力するフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理手段に前記直列入力データ列の実数入力データが入力されるときは、前記実数データ用のフィルタ乗算係数を前記フィルタ処理手段に書き込み、前記フィルタ処理手段に前記直列入力データ列の虚数入力データが入力されるときは、前記虚数データ用のフィルタ乗算係数を前記フィルタ処理手段に書き込むフィルタ乗算係数書込み手段と、
前記フィルタ処理手段から出力された前記直列出力データ列をシリアル/パラレル変換して、実数出力データ列および虚数出力データ列を並列に出力する出力データ変換手段と、
所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数を決定し、当該決定された複素フィルタ乗算係数を前記フィルタ乗算係数決定手段に通知する複素フィルタ乗算係数決定手段と、を備え、
前記複素フィルタ乗算係数決定手段は、
特性が異なる複数のフィルタの各々に異なる複素フィルタ乗算係数がそれぞれ対応した複素フィルタ乗算係数テーブルを保持する複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段と、
前記複素フィルタ乗算係数テーブル保持手段に保持されている複素フィルタ乗算係数テーブルから、所望のフィルタ特性に応じた複素フィルタ乗算係数を読み出し、当該読み出された複素フィルタ乗算係数を前記フィルタ乗算係数決定手段に通知する複素フィルタ乗算係数読出手段と、
を有することを特徴とするフィルタ処理装置。
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