JPWO2007102447A1 - 付着型マイクロカプセル - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、抗生物質を含有し、徐放性、生分解性、付着性に優れたマイクロカプセルおよびその製造方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、該マイクロカプセルを含有する安定なペースト状の組成物を提供することにある。本発明は、抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面に被覆された付着性物質の層からなる付着型マイクロカプセルおよびその製造方法である。また本発明は、該マイクロカプセルを含有する組成物である。

Description

本発明は、生体の粘膜に付着する機能を有するマイクロカプセルおよびその製造方法に関する。また本発明は該マイクロカプセルを分散してなるペースト状の組成物に関する。
局所における疾患の治療の場合、その疾患部位に薬物を投与するのが一般的である。しかし、多くの薬物は、投与部位からの消失が速く、有効性を得るには頻回投与が要求される。皮膚疾患などのように自己投与ができる場合は、貼付剤などを用いて頻回投与することが可能であるが自己投与が困難な場合はそのような治療は難しい。このような場合、1回の投与で数日間にわたり薬物を徐放するマイクロカプセルが好ましい。また、薬物の有効性を確実に得るためには、マイクロカプセルが投与部位に付着し、滞留することが好ましい。さらに、マイクロカプセルの素材としては、生体内で分解する生分解性高分子が好ましい。
そのためマイクロカプセルについて、徐放性、付着性、生分解性などに着目した種々の提案がなされている。例えば、非特許文献1には、生分解性高分子を用いた徐放性マイクロカプセルが開示されている。また、抗生物質を含有する生分解性マイクロカプセルとして、オラファーマ・インコーポレーテッド社製のアレスチン(登録商標)が知られている。
また、特許文献1には、ポリアニオン性物質とポリカチオン性物質とを主成分とし、消化管粘膜への付着性に優れたマイクロスフェアーが開示されている。また、特許文献2には、マトリックス粒子の表面近傍に、アクリル酸系重合体およびセルロースエーテルからなる群より選ばれる水で高い粘性を生じる物質が分散された付着性の固体マトリックスが開示されている。さらに、非特許文献2には、付着性物質として架橋アクリル酸重合体を用いた粒子が開示され、付着性物質を粒子内に分散した場合は良好な付着性を示した例および付着性物質を粒子にコーティングした場合には付着性が弱い例が紹介されている。加えて非特許文献3および4には、ポリ乳酸/グリコール酸(PLGA)のナノ粒子に、キトサンなどの付着性物質をコーティングする方法が開示されている。
特開2005−104840号公報 特開2001−354550号公報 Y.Ogawa,J.Biomaterial Science Polymer Edition,8:391−409(1997) Y.Akiyama et al,Pharmaceutical Research,Vol.12,No.3,397−405(1995) H.Takeuchi et al,Advanced Drug Delivery Reviews 47:39−54(2001) H.Yamamoto et al,Journal of Controlled Release,102:373−381(2005)
本発明の目的は、抗生物質を含有する徐放性のマイクロカプセルを提供することにある。また本発明の目的は、生分解性のマイクロカプセルを提供することにある。さらに本発明の目的は、付着性に優れたマイクロカプセルを提供することにある。加えて本発明の目的は、該マイクロカプセルの製造方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、該マイクロカプセルを含有する安定なペースト状の組成物を提供することにある。加えて本発明の目的は、該マイクロカプセルを用いた疾患の治療方法を提供することにある。
本発明者は、生分解性のマイクロカプセル粒子に付着性物質を被覆する方法について検討した。その結果、マイクロカプセルの粒子と付着性物質の粉末とを、溶媒等を使用することなく乾式で混練することにより付着性に優れたマイクロカプセルが得られることを見出し、本発明を完成した。
また本発明者は、マイクロカプセルを局所部位に容易に投与できる組成物について検討した。その結果、マイクロカプセルをペースト状に分散させる分散媒としてグリセリンが好ましいことを見出し、本発明を完成した。
さらに、本発明者は、抗生物質をマイクロカプセルに封入する際に、酸化亜鉛等の2価の金属化合物を共存させると、封入率が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面に被覆された付着性物質からなる付着型マイクロカプセルである。
また、本発明は、抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面に被覆された付着性物質からなる付着型マイクロカプセル(i)並びにグリセリン(ii)からなる組成物である。
さらに本発明は、(i)生分解性高分子および抗生物質を溶剤に添加しO相を調製する工程、
(ii)分散剤を水に添加しW相を調製する工程、
(iii)W相にO相を混合してO/Wエマルションを調製する工程、
(iv)エマルションから溶剤を揮発させた後、凍結乾燥し、粒子を得る工程、
および
(v) 粒子と付着性物質とを混練する工程、
からなる付着型マイクロカプセルの製造方法である。
本発明は、該マイクロカプセルまたは該組成物を投与することからなる疾患の治療方法を包含する。
(付着型マイクロカプセル)
本発明の付着型マイクロカプセルは、抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面に被覆された付着性物質からなる。
(生分解性高分子)
生分解性高分子としては、乳酸重合体(PLA)および乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)が挙げられる。これらの高分子のうち抗生物質を徐放させるマイクロカプセルの素材としてはPLGAが好ましい。共重合体の乳酸(L成分)とグリコール酸(G成分)とのモル比(L/G)は、好ましくは95/5〜40/60、より好ましくは75/25〜50/50である。PLGAの重量平均分子量は、好ましくは3,000〜25,000、より好ましくは3,000〜15,000、さらに好ましくは5,000〜12,000である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法で測定することができる。
よって生分解性高分子は、乳酸(L成分)とグリコール酸(G成分)からなり、L成分とG成分とのモル比(L/G)が95/5〜40/60で、重量平均分子量が3,000〜25,000の共重合体であることが好ましい。
(抗生物質)
抗生物質としては、水の存在下で安定なものがよい。テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配糖体系、ピリドンカルボン酸系、ニューキノロン系、クロロマイセチン誘導体などが好ましい。テトラサイクリン系として、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸デメチルクロルテトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸ミノマイシンおよびそれらの遊離塩基体などが挙げられる。マクロライド系として、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシン、ジョサマイシン、キタサマイシン、アセチルスピラマイシンなどが挙げられる。アミノ配糖体系として、硫酸ゲンタマイシン、トブラマイシン、パニマイシン、硫酸アミカシン、硫酸シソマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸ミクロノマイシン、硫酸イセパマイシン、硫酸ベカナマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸リボスタマイシン、硫酸アストロマイシン、塩酸スペクチノマイシン、硫酸アルベカシンおよびそれらの遊離塩基体などが挙げられる。ピリドンカルボン酸系として、ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸などが挙げられる。ニューキノロン系として、レボフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、メシル酸パズフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、トシル酸トスフロキサシン、フレロキサシン、スパルフロキサシン、ガチフロキサシン、プルリフロキサシン、塩酸モキシフロキサシンおよびそれらの遊離塩基体などが挙げられる。クロラムフェニコール誘導体として、クロラムフェニコール、コハク酸クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコールなどが挙げられる。
就中、テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配糖体系およびニューキノロン系からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。特にテトラサイクリン系が好ましい。抗生物質の含量は、生分解性高分子100重量部に対し、好ましくは3〜20重量部、より好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは10〜20重量部である。疾患局所への投与の場合、多量の投与が困難のために抗生物質の含量が高いほどマイクロカプセル全体の投与量が少ないために好ましい。
(付着性物質)
本発明の付着型マイクロカプセルは、粒子の表面に被覆された付着性物質を有する。この付着性物質によりマイクロカプセルに付着性機能を持たせることが出来る。付着性物質としては、アクリル酸重合体、キトサンが挙げられる。このうちアクリル酸重合体が好ましく用いられる。なかでも架橋アクリル酸重合体が好ましい。架橋アクリル酸重合体は、一般名カルボキシビニルポリマーの名称ですでに医薬品添加物として利用されている。商品名としては、カーボポール、ハイビスワコーがよく知られている。
付着性物質の被覆量は、粒子100重量部に対し、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。本発明の付着型マイクロカプセルを構成する粒子の平均粒子径は、好ましくは5〜80μm、より好ましくは10〜50μmである。平均粒子径は顕微鏡またはコールターカウンターで測定することができる。付着性物質の層の厚みは、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは1〜10μmである。
本発明の付着型マイクロカプセルは、2価の金属化合物を含有することが好ましい。2価金属化合物としては、塩化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化カルシウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。なかでも酸化亜鉛が特に好ましい。2価の金属化合物の含有量は、生分解性高分子100重量部に対し、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.3〜1重量部である。
<付着型マイクロカプセルの製造方法>
本発明の付着型マイクロカプセルの製造方法は、
(i)生分解性高分子および抗生物質を溶剤に添加しO相を調製する工程、
(ii)分散剤を水に添加しW相を調製する工程、
(iii)W相にO相を混合してO/Wエマルションを調製する工程、
(iv)エマルションから溶剤を揮発させた後、凍結乾燥し粒子を得る工程、および
(v) 粒子と付着性物質とを混練する工程、
からなる。
(O相の調製)
O相は、生分解性高分子および抗生物質を溶剤に添加し、溶解または分散させて調製する。生分解性高分子および抗生物質は、付着型マイクロカプセルの項で説明した通りである。溶剤として、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられる。溶剤の量は、生分解性高分子100重量部に対し、好ましくは100〜1,000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。また、O相中に、さらに2価の金属化合物を添加することが好ましい。2価の金属化合物は、付着型マイクロカプセルの項で説明した通りである。O相中に2価の金属化合物を添加すると、抗生物質を高い封入率でマイクロカプセル内に封入することができる。
(W相の調製)
W相は、分散剤を水に添加し、溶解させ調製する。分散剤として、ポリビニルアルコール、ポリソルベート80などが挙げられる。分散剤の量は、水100重量部に対し、好ましくは0.05〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。さらに、安定化剤、糖などを添加してもよい。
(O/Wエマルションの調製)
O/Wエマルションは、W相にO相を混合して調製する。O相とW相との重量比(O/W)は、好ましくは1/1〜1/100、より好ましくは1/1〜1/50である。
(溶剤の揮発、凍結乾燥)
O/WエマルションをO/Wの10〜100倍量のW相中に投入し、ゆっくり攪拌しながらO相中の溶媒を揮散し、乾燥する(水中乾燥)ことにより行う。遠心分離によりマイクロカプセルを集め水に再分散したのち、これを凍結乾燥し粒子が得られる。再分散する水には必要に応じて糖等を添加する。
(混練)
粒子と付着性物質とを混練することにより、粒子表面に付着性物質が被覆されたマイクロカプセルを得ることができる。混練は、メカノミル、ボールミル、高速攪拌造粒機、自転公転型ミキサーなどを用いて行うことができる。混練に用いる付着性物質の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。大きい粒子はあらかじめ分別しておく方が有効に被覆できる。付着性物質を被覆したマイクロカプセルは、付着性物質を内封したマイクロカプセルよりも優れた付着性を示す。
粒子と付着性物質との混練は、溶媒などを用いずに、乾式で行うことが好ましい。付着性物質を水などに溶解した後、凍結乾燥すると、粒子同士が凝集し、実用に適さない。また、剪断力の弱い方法で混錬するとより付着性に優れたマイクロカプセルが得られる。剪断力の弱い混錬方法として自転公転ミキサーを利用して行う方法などがある。
<組成物>
本発明の組成物は、抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面を被覆する付着性物質からなる付着型マイクロカプセル(i)並びにグリセリン(ii)からなる。付着型マイクロカプセル(i)は、前項で説明した通りである。マイクロカプセル(i)とグリセリン(ii)との重量比{(i)/(ii)}は、好ましくは1/5〜1/0.5、より好ましくは、1/2〜1/1である。付着型マイクロカプセルをグリセリンに分散させると、付着機能は損なわれず、安定に分散させることができる。
<治療方法>
本発明のマイクロカプセルまたは組成物は、疾患の治療方法に用いることができる。マイクロカプセルは局所患部に塗布または散布する方法などにより投与することができる。組成物は、患部に塗布することにより投与することができる。疾患として外耳炎、中耳炎、内耳炎、副鼻腔炎、歯周病、歯周組織炎、歯冠周囲炎、感染性口内炎、抜歯創・口腔手術創の二次感染、外陰炎、子宮内感染、子宮頸管炎、クラミジア炎、菌感染症、角膜炎、表在性皮膚感染症、外傷・熱傷および手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などが挙げられる。
以下に実施例で本発明を具体的に説明する。粘膜への付着率は次の2つの方法で評価した。
評価方法(1)
プラスチック製秤量皿(5×5cm)に抗生物質を内封した付着型マイクロカプセル10mgを量りとり、ラット反転腸管(長さ8cm)を加えてマイクロカプセルを反転腸管上にまぶす。これを37℃の恒温槽に保持した後、生理食塩水を加えて37℃で3時間振とうする。その後、反転腸管を生理食塩水中で洗浄し、反転腸管に付着したマイクロカプセル中の抗生物質を抽出測定する。
評価方法(2)
30mLの遠沈管に組成物20mgを量りとり、これに生理食塩水10mLを加えて、軟膏が均一に分散するよう振とうする。同時に、ラット反転腸管(長さ8cm)を加え、37℃温浴中で10分間振とう(100rpm)する。その後、反転腸管を生理食塩水中で洗浄し、反転腸管に付着した薬物量を抽出測定する。
実施例1
(マイクロカプセルの調製)
乳酸(L)とグリコール酸(G)との比率(モル比)が50/50で、重量平均分子量が8,000の乳酸とグリコール酸とのランダム共重合体(PLGA)1,500mgと、酸化亜鉛10mgとをそれぞれ秤量し、2mLのジクロロメタンに溶解した。酸化亜鉛は1夜放置すると溶解した。この液にテトラサイクリン系抗生物質であるミノサイクリン塩酸塩(MC)を150mg添加し攪拌しO相とした。他方、1重量%ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液6mLを調製しW相とした。攪拌下、W相にO相を添加し、O/Wエマルションを調製した。その後、ジクロロメタンを揮散させた後、凍結乾燥に付し、粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は50μmであった。
(被覆層の形成)
次に、得られた粒子500mgと、粉末状のカルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー104)5mgとを、乳鉢中で軽く混練しマイクロカプセル(1)を得た。マイクロカプセル(1)の付着性を評価方法(1)で評価した。その結果を表1に示す。
実施例2
ハイビスワコー104を15mg用いる以外は、実施例1と同じ操作を行い、マイクロカプセル(2)を得た。マイクロカプセル(2)の付着性の評価結果を表1に示す。
実施例3
ハイビスワコー104を25mg用いる以外は、実施例1と同じ操作を行い、マイクロカプセル(3)を得た。マイクロカプセル(3)の付着性の評価結果を表1に示す。
比較例1
ハイビスワコー104を用いない以外は、実施例1と同じ操作を行い、マイクロカプセル(CE1)を得た。マイクロカプセル(CE1)の付着性の評価結果を表1に示す。
Figure 2007102447
表1から明らかなようにハイビスワコー104で被覆するとラット反転腸管への付着性が高まった。
実施例4
MC100mgを使用した以外は、実施例1と同じ操作を行い、マイクロカプセル(4)を得た。マイクロカプセル(4)の付着性の評価結果を表2に示す。
実施例5
MC100mgを使用した以外は実施例1と同じ操作を行い、O/Wエマルションを調製した。その後、ジクロロメタンを揮散させた。その後、30mg(1.8%相当)のハイビスワコー104を水に溶解して加え凍結乾燥し、マイクロカプセル(5)を得た。マイクロカプセル(5)の付着性の評価結果を表2に示す。
比較例2
100mgのMCと30mgのハイビスワコー104を添加してO相を調製する以外は、実施例1と同じ操作を行い、ハイビスワコー104を内部に含有するマイクロカプセル(CE2)を製造した。マイクロカプセル(CE2)の付着性の評価結果を表2に示す。
Figure 2007102447
表2から明らかなように粒子調製後、カルボキシビニルポリマー粉末と乾式混練すると(実施例4)、強い付着性を示した。また、粒子に溶液状のカルボキシビニルポリマーを被覆すると、粒子同士が凝集した。このため付着性の評価には解砕して用いた。
実施例6〜9
ミノサイクリン塩酸塩(MC)を、それぞれ50mg、100mg、200mg、300mg、添加する以外は、実施例1と同じ操作を行いマイクロカプセル(6)〜(9)を得た。
実施例10〜13
酸化亜鉛を添加しない以外は、実施例6〜9と同じ操作を行い、マイクロカプセルを調製した。その封入効率を表3に示す。
Figure 2007102447
表3から明らかなように酸化亜鉛を添加するとMC封入率が高かった。MC封入率(%)は、仕込み量からの計算値分のHPLCによる測定値で算出した。
実施例14
MC100mgを使用した以外は、実施例1と同じ操作を行い、粒子を調製した。3,200mgの粒子と33mgの粉末ハイビスワコー104を、ボールミルを用いて混練しマイクロカプセル(14)を得た。次に、マイクロカプセル(14)と同重量のグリセリンとをスパーテルで混練してペースト状の組成物(1)を得た。組成物(14)について付着性を評価方法(2)で評価した。その結果を表4に示す。
実施例15
ハイビスワコー104の使用量を66mgとする以外は、実施例14と同じ操作を行いペースト状の組成物(15)を得た。組成物(15)について付着性を評価方法(2)で評価した。その結果を表4に示す。
実施例16
ハイビスワコー104の使用量を100mgとする以外は、実施例14と同じ操作を行いペースト状の組成物(16)を得た。組成物(16)について付着性を評価方法(2)で評価した。その結果を表4に示す。
比較例3
ハイビスワコー104を使用しない以外は、実施例14と同じ操作を行いペースト状の組成物(CE3)を得た。組成物(CE3)について付着性を評価方法(2)で評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2007102447
表4から明らかなようにグリセリンとのペースト状の組成物としても付着性の効果は対照物に比べて高かった。
実施例17
実施例8で得られたMC200mgを含有するマイクロカプセル(8)5mgを、0.1M/Lのリン酸緩衝液(pH=5.0)10mL中に分散した。37℃に保持し、ローテイティングボトル法でMCの溶出を測定した。MCの定量は、HPLCで行った。結果を表5に示す。
Figure 2007102447
表5から明らかなようにMCはマイクロカプセルから長時間にわたり徐々に放出された。
実施例18
MCの代わりにその遊離塩基体150mgを用いて実施例1と同じ操作を行い、マイクロカプセル(18)を得た。得られた粒子の平均粒子径は80μmであった。
実施例19
酸化亜鉛を加えない以外は、実施例18と同じ操作をおこない、マイクロカプセル(19)を得た。得られた粒子の平均粒子径は80μmであった。
実施例20
MCの代わりにマクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシン(CM)200mgを用いて実施例1と同じ操作を行い、マイクロカプセル(20)を得た。得られた粒子の平均粒子径は50μmであった。
実施例21〜24
酸化亜鉛を添加しない以外は、実施例20と同じ操作を行い、マイクロカプセルを調製した。その封入効率を表6に示す。
Figure 2007102447
表6から明らかなように酸化亜鉛を添加するとCM封入率が高かった。CM封入率(%)は、仕込み量からの計算値分のHPLCによる測定値で算出した。
発明の効果
本発明のマイクロカプセルは、優れた徐放性、生分解性、付着性を有する。本発明の組成物は安定性に優れる。また本発明の組成物によれば、マイクロカプセルを局所部位に容易に投与できる。本発明のマイクロカプセルの製造方法によれば、優れた付着性を有するマイクロカプセルを容易に製造することができる。また該製造方法によれば、抗生物質を効率よくマイクロカプセルに封入することができる。また本発明者のマイクロカプセルは患部への付着性に優れかつ長時間にわたって薬剤を放出するため優れた治療効果を奏することができる。
本発明のマイクロカプセルは、抗生物質を徐放させることが有効な局所疾患の治療薬に利用することができる。

Claims (14)

  1. 抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面に被覆された付着性物質からなる付着型マイクロカプセル。
  2. 生分解性高分子が、乳酸(L成分)とグリコール酸(G成分)からなり、L成分とG成分とのモル比(L/G)が95/5〜40/60で、重量平均分子量が3,000〜25,000の共重合体である請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. 付着性物質が、カルボキシビニルポリマーからなる請求項1記載のマイクロカプセル。
  4. 付着性物質の被覆量が、粒子100重量部に対し、0.5〜10重量部である請求項1記載のマイクロカプセル。
  5. 抗生物質が、テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配当体系およびニューキノロン系からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のマイクロカプセル。
  6. 抗生物質の含有量が、生分解性高分子100重量部に対し、3〜20重量部である請求項1記載のマイクロカプセル。
  7. 2価の金属化合物を、生分解性高分子100重量部に対し、0.1〜2重量部含有する請求項1記載のマイクロカプセル。
  8. 抗生物質を含有する生分解性高分子からなる粒子およびその表面に被覆された付着性物質からなる付着型マイクロカプセル(i)並びにグリセリン(ii)からなる組成物。
  9. マイクロカプセル(i)とグリセリン(ii)との重量比{(i)/(ii)}が、1/5〜1/0.5である請求項8記載の組成物。
  10. (i)生分解性高分子および抗生物質を溶剤に添加しO相を調製する工程、
    (ii)分散剤を水に添加しW相を調製する工程、
    (iii)W相にO相を混合してO/Wエマルションを調製する工程、
    (iv)エマルションから溶剤を揮発させた後、凍結乾燥し、粒子を得る工程、
    および
    (v) 粒子と付着性物質とを混練する工程、
    からなる付着型マイクロカプセルの製造方法。
  11. 粒子と付着性物質との混練を、乾式で行う請求項10記載の製造方法。
  12. O相中に、さらに2価の金属化合物を添加する請求項10記載の製造方法。
  13. 請求項1記載のマイクロカプセルを投与することからなる疾患の治療方法。
  14. 請求項8記載の組成物を投与することからなる疾患の治療方法。
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