JPH11116499A - 生理活性ペプチドを含有した経口投与用ナノスフェア - Google Patents
生理活性ペプチドを含有した経口投与用ナノスフェアInfo
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- JPH11116499A JPH11116499A JP9283473A JP28347397A JPH11116499A JP H11116499 A JPH11116499 A JP H11116499A JP 9283473 A JP9283473 A JP 9283473A JP 28347397 A JP28347397 A JP 28347397A JP H11116499 A JPH11116499 A JP H11116499A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 経口投与用ナノスフェアであり、生理活性ペ
プチドの吸収性の改善および吸収の持続化により、医療
上有用な効果を有する生理活性ペプチド含有経口投与用
ナノスフェアを提供する。 【解決手段】 生理活性ペプチドを含有した生体内分解
性ポリマーの核部分を消化管粘膜付着性高分子、必要に
応じてポリビニルアルコールとともに被覆した経口投与
用ナノスフェア。 【効果】 生理活性ペプチドの良好な吸収率と吸収の持
続性を持った生理活性ペプチドの経口投与用製剤が提供
でき、このことにより、これまで注射などでしか投与で
きなかった生理活性ペプチドが経口でも投与可能とな
り、患者のQOLの改善につながる。
プチドの吸収性の改善および吸収の持続化により、医療
上有用な効果を有する生理活性ペプチド含有経口投与用
ナノスフェアを提供する。 【解決手段】 生理活性ペプチドを含有した生体内分解
性ポリマーの核部分を消化管粘膜付着性高分子、必要に
応じてポリビニルアルコールとともに被覆した経口投与
用ナノスフェア。 【効果】 生理活性ペプチドの良好な吸収率と吸収の持
続性を持った生理活性ペプチドの経口投与用製剤が提供
でき、このことにより、これまで注射などでしか投与で
きなかった生理活性ペプチドが経口でも投与可能とな
り、患者のQOLの改善につながる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性ペプチド
を含有した生体内分解性ポリマーの核部分を消化管粘膜
付着性の高分子で被覆した、経口投与用ナノスフェアに
関するものであり、生理活性ペプチドの吸収性の改善お
よび吸収の持続化により、医療上有用な効果を有する生
理活性ペプチド含有経口投与用ナノスフェアを提供する
技術に関する。
を含有した生体内分解性ポリマーの核部分を消化管粘膜
付着性の高分子で被覆した、経口投与用ナノスフェアに
関するものであり、生理活性ペプチドの吸収性の改善お
よび吸収の持続化により、医療上有用な効果を有する生
理活性ペプチド含有経口投与用ナノスフェアを提供する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬の研究の進歩、また遺伝子工学の進
歩により、カルシトニン類やインスリンをはじめとする
生理活性ペプチドの医薬品としての有用性が示され、ま
た、医療の場での使用頻度が高まって来ている。しかし
ながら、一般にペプチドは水溶性が高く、分子量が大き
いため消化管からの吸収がきわめて低く、また、消化管
内での酵素による加水分解を受けやすいために、経口投
与によるバイオアベイラビリティーはきわめて低い。
歩により、カルシトニン類やインスリンをはじめとする
生理活性ペプチドの医薬品としての有用性が示され、ま
た、医療の場での使用頻度が高まって来ている。しかし
ながら、一般にペプチドは水溶性が高く、分子量が大き
いため消化管からの吸収がきわめて低く、また、消化管
内での酵素による加水分解を受けやすいために、経口投
与によるバイオアベイラビリティーはきわめて低い。
【0003】このため、カルシトニン類やインスリンを
はじめとするペプチド性医薬品は、現在臨床ではほとん
どの場合、注射剤として使用されている。しかし、注射
は投与時に疼痛が伴い、また、これらペプチド性医薬品
は一般に血中半減期が短いために頻回投与が必要である
こと、さらには、多くの場合入院や通院が必要であるこ
とが、患者のQOL(生活の質)を低下させている。こ
のため、ペプチド性医薬品の投与経路の変更として、経
口投与製剤、経鼻投与製剤、坐剤、経腟剤、経肺投与製
剤、点眼剤、およびイオントフォレーシスなどの経皮投
与製剤、などを目指した研究が数多くなされている。
はじめとするペプチド性医薬品は、現在臨床ではほとん
どの場合、注射剤として使用されている。しかし、注射
は投与時に疼痛が伴い、また、これらペプチド性医薬品
は一般に血中半減期が短いために頻回投与が必要である
こと、さらには、多くの場合入院や通院が必要であるこ
とが、患者のQOL(生活の質)を低下させている。こ
のため、ペプチド性医薬品の投与経路の変更として、経
口投与製剤、経鼻投与製剤、坐剤、経腟剤、経肺投与製
剤、点眼剤、およびイオントフォレーシスなどの経皮投
与製剤、などを目指した研究が数多くなされている。
【0004】特に、投薬がもっとも簡便で一般的な、経
口投与製剤化を目指し、多くの研究がなされている。
〔Int.J.Pharm.,vol.86,239−
246,(1992))、Pharm.Res.,vo
l.13,No.12,1838−1845,(199
6)〕。しかしながら、経口投与においては何れも十分
な吸収性を得られるには至っておらず、また、持続化も
なされていない。
口投与製剤化を目指し、多くの研究がなされている。
〔Int.J.Pharm.,vol.86,239−
246,(1992))、Pharm.Res.,vo
l.13,No.12,1838−1845,(199
6)〕。しかしながら、経口投与においては何れも十分
な吸収性を得られるには至っておらず、また、持続化も
なされていない。
【0005】また、近年医薬品の製剤技術に関する研究
領域において、生体内分解性高分子を基剤としたコント
ロールリリース製剤などの研究が数多くなされている。
そのうち、すでにかなりの技術が積み重ねられているも
のに、マイクロカプセル、マイクロスフェアと称される
ものがあり、注射剤や経口剤などでの利用が試みられて
いる。
領域において、生体内分解性高分子を基剤としたコント
ロールリリース製剤などの研究が数多くなされている。
そのうち、すでにかなりの技術が積み重ねられているも
のに、マイクロカプセル、マイクロスフェアと称される
ものがあり、注射剤や経口剤などでの利用が試みられて
いる。
【0006】これらのなかには、薬物として、黄体形成
ホルモン放出ホルモン(LH−RH)の誘導体である酢
酸リュープロレリンを含み、高分子として乳酸・グリコ
ール酸共重合体を用いたもので〔Chem.Phar
m.Bull.,vol.36,1095−1103,
(1988)〕、既に医薬品として利用されているもの
もある。また最近、ナノカプセル、ナノスフェアと称さ
れるものについての研究も進められている。通常のマイ
クロカプセル、マイクロスフェアの粒径は、約5〜50
0マイクロメートルであるのに対し、ナノカプセル、ナ
ノスフェアは粒径が、通常約1000ナノメートル以下
のものであり、下限としては50ナノメートル程度であ
るが特に下限を限定するものではない。
ホルモン放出ホルモン(LH−RH)の誘導体である酢
酸リュープロレリンを含み、高分子として乳酸・グリコ
ール酸共重合体を用いたもので〔Chem.Phar
m.Bull.,vol.36,1095−1103,
(1988)〕、既に医薬品として利用されているもの
もある。また最近、ナノカプセル、ナノスフェアと称さ
れるものについての研究も進められている。通常のマイ
クロカプセル、マイクロスフェアの粒径は、約5〜50
0マイクロメートルであるのに対し、ナノカプセル、ナ
ノスフェアは粒径が、通常約1000ナノメートル以下
のものであり、下限としては50ナノメートル程度であ
るが特に下限を限定するものではない。
【0007】各種のマイクロカプセル、マイクロスフェ
アの製造法については、すでに数多くの開示があり〔特
開平1−216918号公報〕、また、ナノスフェア、
ナノカプセルの製造法についても、既にいくつかの技術
が開示されている〔特開平5−58882号公報〕。一
方、天然の高分子であるキチンや、その脱エステル化体
であるキトサンについて、近年幅広い分野でその利用に
ついての検討がなされており、医薬の分野においても、
創傷の治癒に関する効果や、製剤の基剤としての利用に
ついて、研究がなされている。
アの製造法については、すでに数多くの開示があり〔特
開平1−216918号公報〕、また、ナノスフェア、
ナノカプセルの製造法についても、既にいくつかの技術
が開示されている〔特開平5−58882号公報〕。一
方、天然の高分子であるキチンや、その脱エステル化体
であるキトサンについて、近年幅広い分野でその利用に
ついての検討がなされており、医薬の分野においても、
創傷の治癒に関する効果や、製剤の基剤としての利用に
ついて、研究がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は生理活性ペプ
チドの経口投与用製剤として消化管からの吸収性が良
く、また持続性を付与した、有用な生理活性ペプチドの
経口投与用ナノスフェアを提供しようとするものであ
る。
チドの経口投与用製剤として消化管からの吸収性が良
く、また持続性を付与した、有用な生理活性ペプチドの
経口投与用ナノスフェアを提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれまで、
生体内分解性ポリマーである乳酸・グリコール酸共重合
体やポリ乳酸などを用いたナノスフェアについて、その
製造法や医薬品としての有用性について研究を重ねてき
ている。また一方で、天然の高分子であり、いくつかの
興味深い性質を有するキトサンについて、製剤分野での
利用について、種々検討を重ねてきている。
生体内分解性ポリマーである乳酸・グリコール酸共重合
体やポリ乳酸などを用いたナノスフェアについて、その
製造法や医薬品としての有用性について研究を重ねてき
ている。また一方で、天然の高分子であり、いくつかの
興味深い性質を有するキトサンについて、製剤分野での
利用について、種々検討を重ねてきている。
【0010】今回、生理活性ペプチドであるエルカトニ
ンを含有し、生体内分解性ポリマーである乳酸・グリコ
ール酸共重合体からなるナノスフェアを核部分とし、こ
れに消化管粘膜付着性高分子の一つであるキトサンで被
覆することにより、経口投与時の消化管からの吸収が向
上し、また持続化した経口投与用ナノスフェアが得られ
ることを見いだし、さらに消化管粘膜付着性高分子とと
もにポリビニルアルコールで被覆することにより好適な
経口投与用ナノスフェアが得られることを見いだした。
ンを含有し、生体内分解性ポリマーである乳酸・グリコ
ール酸共重合体からなるナノスフェアを核部分とし、こ
れに消化管粘膜付着性高分子の一つであるキトサンで被
覆することにより、経口投与時の消化管からの吸収が向
上し、また持続化した経口投与用ナノスフェアが得られ
ることを見いだし、さらに消化管粘膜付着性高分子とと
もにポリビニルアルコールで被覆することにより好適な
経口投与用ナノスフェアが得られることを見いだした。
【0011】本発明は上記の知見に基づいて完成された
もので、生理活性ペプチドを含有した生体内分解性ポリ
マーの核部分を消化管粘膜付着性高分子で被覆した経口
投与用ナノスフェア、生理活性ペプチドを含有した生体
内分解性ポリマーの核部分を消化管粘膜付着性高分子及
びポリビニルアルコールで被覆した経口投与用ナノスフ
ェアを提供するものである。
もので、生理活性ペプチドを含有した生体内分解性ポリ
マーの核部分を消化管粘膜付着性高分子で被覆した経口
投与用ナノスフェア、生理活性ペプチドを含有した生体
内分解性ポリマーの核部分を消化管粘膜付着性高分子及
びポリビニルアルコールで被覆した経口投与用ナノスフ
ェアを提供するものである。
【0012】本発明に用いられる生体内分解性ポリマー
とは、生体内で分解・消失する性質を有する高分子であ
り、生理活性を持たないポリマーであればどのようなも
のであってもよい。このようなポリマーとしては、例え
ば、乳酸、リンゴ酸、ヒドロキシ酢酸、グリコール酸な
どのホモポリマー(重合体)、並びにこれらのコポリマ
ー(共重合体)が挙げられる。好ましくは、ポリ乳酸、
ポリグリコール酸、乳酸・グリコール酸共重合体であ
り、さらに好ましくは、乳酸・グリコール酸共重合体で
ある。
とは、生体内で分解・消失する性質を有する高分子であ
り、生理活性を持たないポリマーであればどのようなも
のであってもよい。このようなポリマーとしては、例え
ば、乳酸、リンゴ酸、ヒドロキシ酢酸、グリコール酸な
どのホモポリマー(重合体)、並びにこれらのコポリマ
ー(共重合体)が挙げられる。好ましくは、ポリ乳酸、
ポリグリコール酸、乳酸・グリコール酸共重合体であ
り、さらに好ましくは、乳酸・グリコール酸共重合体で
ある。
【0013】ポリ乳酸としては、分子量約2000〜2
00000、好ましくは2000〜100000、さら
に好ましくは5000〜50000のものが挙げられ
る。ポリグリコール酸としては、分子量約2000〜2
00000、好ましくは10000〜150000、さ
らに好ましくは30000〜100000のものが挙げ
られる。乳酸・グリコール酸共重合体としては、乳酸と
グリコール酸を約0.01:1〜1:0.01、好まし
くは1:5〜10:1、さらに好ましくは1:1〜6:
1の比率で含む、分子量約2000〜200000、好
ましくは5000〜150000、さらに好ましくは1
0000〜100000の共重合体である。これらはた
とえば、乳酸とグリコール酸をイオン交換樹脂を触媒と
して弱い減圧下に加熱し、縮合重合させることにより製
造される。また適当な市販品も存在する。本発明におい
ては、これらを単独で用いてもよく、また、数種類を混
合して用いてもよい。
00000、好ましくは2000〜100000、さら
に好ましくは5000〜50000のものが挙げられ
る。ポリグリコール酸としては、分子量約2000〜2
00000、好ましくは10000〜150000、さ
らに好ましくは30000〜100000のものが挙げ
られる。乳酸・グリコール酸共重合体としては、乳酸と
グリコール酸を約0.01:1〜1:0.01、好まし
くは1:5〜10:1、さらに好ましくは1:1〜6:
1の比率で含む、分子量約2000〜200000、好
ましくは5000〜150000、さらに好ましくは1
0000〜100000の共重合体である。これらはた
とえば、乳酸とグリコール酸をイオン交換樹脂を触媒と
して弱い減圧下に加熱し、縮合重合させることにより製
造される。また適当な市販品も存在する。本発明におい
ては、これらを単独で用いてもよく、また、数種類を混
合して用いてもよい。
【0014】本発明にいう消化管粘膜付着性高分子と
は、ヒトを含む哺乳動物の胃、小腸、大腸などの消化管
のいずれかの部分の内腔側の粘膜に付着する性質を有す
る高分子であればよく、この付着性は、例えばラットの
腸管を用いた実験などにより容易に確認することがで
き、例えばキトサン、ポリアクリル酸およびキトサン誘
導体からなる群より選ばれた1種または2種以上のもの
が挙げられる。好ましくは、キトサンまたはポリアクリ
ル酸であり、さらに好ましくはキトサンである。
は、ヒトを含む哺乳動物の胃、小腸、大腸などの消化管
のいずれかの部分の内腔側の粘膜に付着する性質を有す
る高分子であればよく、この付着性は、例えばラットの
腸管を用いた実験などにより容易に確認することがで
き、例えばキトサン、ポリアクリル酸およびキトサン誘
導体からなる群より選ばれた1種または2種以上のもの
が挙げられる。好ましくは、キトサンまたはポリアクリ
ル酸であり、さらに好ましくはキトサンである。
【0015】キトサンは、生体適合性に優れ、生体内分
解性を有する天然高分子であり、その面からも好適であ
る。ここでいうキトサンとは、完全に脱エステル化され
たキチンを示すものではなく、一部もしくは全てが脱エ
ステル化されたキチンを示す。本発明に用いられるポリ
アクリル酸としては、分子量約1000〜10000の
ものが挙げられ、好ましくは2000〜5000であ
る。
解性を有する天然高分子であり、その面からも好適であ
る。ここでいうキトサンとは、完全に脱エステル化され
たキチンを示すものではなく、一部もしくは全てが脱エ
ステル化されたキチンを示す。本発明に用いられるポリ
アクリル酸としては、分子量約1000〜10000の
ものが挙げられ、好ましくは2000〜5000であ
る。
【0016】本発明に用いられるキトサンとしては、分
子量約5000〜200000のものが挙げられ、20
000〜100000が好ましく、30000〜700
00がさらに好ましい。また、その脱エステル化度は約
50〜100%のものが挙げられ、70〜100%が好
ましく、80%〜100%がさらに好ましい。キトサン
は、通常、精製キチンを原料として、30〜60%の強
アルカリ溶液中で、加熱加水分解することによって調製
することができる。また既に適当な市販品も存在する。
子量約5000〜200000のものが挙げられ、20
000〜100000が好ましく、30000〜700
00がさらに好ましい。また、その脱エステル化度は約
50〜100%のものが挙げられ、70〜100%が好
ましく、80%〜100%がさらに好ましい。キトサン
は、通常、精製キチンを原料として、30〜60%の強
アルカリ溶液中で、加熱加水分解することによって調製
することができる。また既に適当な市販品も存在する。
【0017】キトサンの誘導体としては、カルボキシメ
チル化キトサン、カルボキシエチル化キトサン、ヒドロ
キシエチル化キトサン、ジヒドロキシプロピル化キトサ
ンなどが挙げられる。また、本発明に用いられるポリビ
ニルアルコールとしては、重合度約100〜5000の
ものが挙げられ、好ましくは100〜3000、さらに
好ましくは200〜2000のものが挙げられる。ま
た、そのけん化度は、約70〜100のものが挙げら
れ、好ましくは75〜95、さらに好ましくは75〜9
0のものが挙げられる。このようなポリビニルアルコー
ルは、ポリ酢酸ビニルの部分もしくは完全加水分解によ
り製造することもできるが、適当な市販品も存在する。
チル化キトサン、カルボキシエチル化キトサン、ヒドロ
キシエチル化キトサン、ジヒドロキシプロピル化キトサ
ンなどが挙げられる。また、本発明に用いられるポリビ
ニルアルコールとしては、重合度約100〜5000の
ものが挙げられ、好ましくは100〜3000、さらに
好ましくは200〜2000のものが挙げられる。ま
た、そのけん化度は、約70〜100のものが挙げら
れ、好ましくは75〜95、さらに好ましくは75〜9
0のものが挙げられる。このようなポリビニルアルコー
ルは、ポリ酢酸ビニルの部分もしくは完全加水分解によ
り製造することもできるが、適当な市販品も存在する。
【0018】さらに、本発明に用いられる生理活性ペプ
チドとしては、3個以上のアミノ酸から構成される生理
活性を持つペプチドが用いられる。その分子量としては
約300〜10000のものが好ましい対象として挙げ
られる。例えば、カルシトニン類、インスリン、副甲状
腺ホルモン(PTH)類、カルシトニン遺伝子関連ペプ
チド(CGRP)、アンギオテンシンII、バソプレシ
ン、酢酸デスモプレシン、酢酸ブセレリン、酢酸ゴセレ
リン、酢酸ナファレリン、酢酸リュープロレリン、ソマ
トスタチン、グルカゴン、オキシトシン、セクレチン、
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、副腎皮
質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺ホルモン放出ホル
モン(TRH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、心房
ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびこれらの合成
品および半合成品を含む誘導体などが挙げられる。この
うち、カルシトニン類としては、ウナギカルシトニン、
サケカルシトニン、ヒトカルシトニン、ブタカルシトニ
ン、ニワトリカルシトニンなどの天然型カルシトニンお
よびASU1-7 ウナギカルシトニン(エルカトニン)、
ASU1-7 ニワトリカルシトニンなどの半合成カルシト
ニンが挙げられる。また、インスリンとしては、ヒトイ
ンスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、およびこ
れらの誘導体が挙げられる。さらに、副甲状腺ホルモン
(PTH)類としては、ヒトPTH(1−84)、ヒト
PTH(1−38)、ヒトPHT(1−34)およびこ
れらの誘導体などが挙げられる。好ましくは、カルシト
ニン類、インスリン及び副甲状腺ホルモン類であり、さ
らに好ましくはカルシトニン類であり、特に好ましくは
エルカトニンである。
チドとしては、3個以上のアミノ酸から構成される生理
活性を持つペプチドが用いられる。その分子量としては
約300〜10000のものが好ましい対象として挙げ
られる。例えば、カルシトニン類、インスリン、副甲状
腺ホルモン(PTH)類、カルシトニン遺伝子関連ペプ
チド(CGRP)、アンギオテンシンII、バソプレシ
ン、酢酸デスモプレシン、酢酸ブセレリン、酢酸ゴセレ
リン、酢酸ナファレリン、酢酸リュープロレリン、ソマ
トスタチン、グルカゴン、オキシトシン、セクレチン、
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、副腎皮
質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺ホルモン放出ホル
モン(TRH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、心房
ナトリウム利尿ペプチド(ANP)およびこれらの合成
品および半合成品を含む誘導体などが挙げられる。この
うち、カルシトニン類としては、ウナギカルシトニン、
サケカルシトニン、ヒトカルシトニン、ブタカルシトニ
ン、ニワトリカルシトニンなどの天然型カルシトニンお
よびASU1-7 ウナギカルシトニン(エルカトニン)、
ASU1-7 ニワトリカルシトニンなどの半合成カルシト
ニンが挙げられる。また、インスリンとしては、ヒトイ
ンスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、およびこ
れらの誘導体が挙げられる。さらに、副甲状腺ホルモン
(PTH)類としては、ヒトPTH(1−84)、ヒト
PTH(1−38)、ヒトPHT(1−34)およびこ
れらの誘導体などが挙げられる。好ましくは、カルシト
ニン類、インスリン及び副甲状腺ホルモン類であり、さ
らに好ましくはカルシトニン類であり、特に好ましくは
エルカトニンである。
【0019】本発明で用いられるナノスフェアの大きさ
は、平均粒子径として、2000ナノメートル以下であ
り、好ましくは1000ナノメートル以下であり、さら
に好ましくは800ナノメートル以下であり、下限とし
ては50ナノメートル程度であるが、特に下限は限定さ
れるものではない。消化管粘膜付着性高分子のコーティ
ング量は、ナノスフェア全量の0.001〜20%(W
/W)であり、好ましくは0.005〜5%(W/W)
である。また、ポリビニルアルコールのコーティング量
は、ナノスフェア全量の0.01〜20%(W/W)で
あり、好ましくは0.1〜10%(W/W)である。
は、平均粒子径として、2000ナノメートル以下であ
り、好ましくは1000ナノメートル以下であり、さら
に好ましくは800ナノメートル以下であり、下限とし
ては50ナノメートル程度であるが、特に下限は限定さ
れるものではない。消化管粘膜付着性高分子のコーティ
ング量は、ナノスフェア全量の0.001〜20%(W
/W)であり、好ましくは0.005〜5%(W/W)
である。また、ポリビニルアルコールのコーティング量
は、ナノスフェア全量の0.01〜20%(W/W)で
あり、好ましくは0.1〜10%(W/W)である。
【0020】本発明のナノスフェアは、生理活性ペプチ
ドを含有する生体内分解性ポリマーのナノスフェアの核
部分を公知の方法により調製し、これに消化管粘膜付着
性高分子をコーティングしてもよく、核部分のナノスフ
ェアの調製時に、同時に消化管粘膜付着性高分子でコー
ティングされるような方法により調製してもよい。本発
明のナノスフェアの製造工程のうち、消化管粘膜付着性
高分子によるコーティングを行う工程においては、凍結
乾燥時のナノスフェアの凝集を抑制し、また凍結乾燥後
の再分散性の優れたナノスフェアを得る目的から必要に
応じポリビニルアルコールなどの高分子を併用してもよ
く、好ましくは消化管粘膜付着性高分子とポリビニルア
ルコールを併用して同時にコーティングした方がよい。
ドを含有する生体内分解性ポリマーのナノスフェアの核
部分を公知の方法により調製し、これに消化管粘膜付着
性高分子をコーティングしてもよく、核部分のナノスフ
ェアの調製時に、同時に消化管粘膜付着性高分子でコー
ティングされるような方法により調製してもよい。本発
明のナノスフェアの製造工程のうち、消化管粘膜付着性
高分子によるコーティングを行う工程においては、凍結
乾燥時のナノスフェアの凝集を抑制し、また凍結乾燥後
の再分散性の優れたナノスフェアを得る目的から必要に
応じポリビニルアルコールなどの高分子を併用してもよ
く、好ましくは消化管粘膜付着性高分子とポリビニルア
ルコールを併用して同時にコーティングした方がよい。
【0021】本発明のナノスフェアの基本的な調製法の
例として、「油中溶媒拡散法」と「水中溶媒拡散法」の
概略を以下に示すが、本発明はナノスフェアーの調製法
として、この2つの方法のみにとらわれるものではな
い。「油中溶媒拡散法」では、まず、脂肪酸グリセリド
などの脂質、n−ヘキサンなどの第1の有機溶媒、及び
第1の乳化剤を混合し、溶解した外相<A>を調製す
る。一方、生体内分解性ポリマー、生理活性ペプチド、
及び第2の乳化剤を第2の有機溶媒に溶解した内相<B
>を調製する。外相<A>中に攪拌下、内相<B>をペ
リスターポンプなどを用いて、ゆっくりと滴下する。次
に、加温減圧下、数時間にわたり攪拌を続け、ナノスフ
ェアを生成させる。得られたナノスフェアの懸濁液につ
いて、必要に応じ第1の有機溶媒を加えたのち、遠心分
離を行い、上澄み液を除去する。さらに必要に応じ、粒
子表面の脂質を除去するために第1の有機溶媒を加えて
再懸濁し、遠心分離後、上澄み液を除去する操作を繰り
返す。
例として、「油中溶媒拡散法」と「水中溶媒拡散法」の
概略を以下に示すが、本発明はナノスフェアーの調製法
として、この2つの方法のみにとらわれるものではな
い。「油中溶媒拡散法」では、まず、脂肪酸グリセリド
などの脂質、n−ヘキサンなどの第1の有機溶媒、及び
第1の乳化剤を混合し、溶解した外相<A>を調製す
る。一方、生体内分解性ポリマー、生理活性ペプチド、
及び第2の乳化剤を第2の有機溶媒に溶解した内相<B
>を調製する。外相<A>中に攪拌下、内相<B>をペ
リスターポンプなどを用いて、ゆっくりと滴下する。次
に、加温減圧下、数時間にわたり攪拌を続け、ナノスフ
ェアを生成させる。得られたナノスフェアの懸濁液につ
いて、必要に応じ第1の有機溶媒を加えたのち、遠心分
離を行い、上澄み液を除去する。さらに必要に応じ、粒
子表面の脂質を除去するために第1の有機溶媒を加えて
再懸濁し、遠心分離後、上澄み液を除去する操作を繰り
返す。
【0022】得られたペレットを乾燥し、これを消化管
粘膜付着性高分子、および必要に応じポリビニルアルコ
ールを併せて溶解した水系溶液(水溶液、各種の緩衝液
溶液)中に分散させる。その後、遠心分離、上澄み液を
除去後、ペレットを水に再懸濁する。得られた懸濁液を
凍結乾燥することにより、生理活性ペプチドを封入し、
かつ消化管粘膜付着性高分子で、または消化管粘膜付着
性高分子とポリビニルアルコールでコーティングしたナ
ノスフェアを得ることができる。
粘膜付着性高分子、および必要に応じポリビニルアルコ
ールを併せて溶解した水系溶液(水溶液、各種の緩衝液
溶液)中に分散させる。その後、遠心分離、上澄み液を
除去後、ペレットを水に再懸濁する。得られた懸濁液を
凍結乾燥することにより、生理活性ペプチドを封入し、
かつ消化管粘膜付着性高分子で、または消化管粘膜付着
性高分子とポリビニルアルコールでコーティングしたナ
ノスフェアを得ることができる。
【0023】外相<A>に用いる脂質とは、生体内分解
性ポリマー及び生理活性ペプチドを溶かしにくい性質を
持つ単純脂質であり、例としては、大豆油、ゴマ油、ヒ
マシ油、コーン油、綿実油などの植物油、脂肪酸グリセ
リドなどが挙げられ、これらの2種以上を混合して用い
てもよい。また、これらの脂質の代わりに、流動パラフ
ィンやシリコーンオイルを用いてもよい。
性ポリマー及び生理活性ペプチドを溶かしにくい性質を
持つ単純脂質であり、例としては、大豆油、ゴマ油、ヒ
マシ油、コーン油、綿実油などの植物油、脂肪酸グリセ
リドなどが挙げられ、これらの2種以上を混合して用い
てもよい。また、これらの脂質の代わりに、流動パラフ
ィンやシリコーンオイルを用いてもよい。
【0024】第1の有機溶媒は、用いる脂質を溶かしや
すく、且つ生体内分解性ポリマー及び生理活性ペプチド
を溶かしにくい溶媒であり、例えばn−ヘキサン、n−
ヘプタンなどである。外相<A>は、上記の脂質または
第1の有機溶媒を単独で用いてもよいが、好ましくは、
脂質と第1の有機溶媒を混合して用いた方がよく、さら
に好ましくは、中鎖脂肪酸トリグリセリドとn−ヘキサ
ンなどを混合して用いるのがよい。
すく、且つ生体内分解性ポリマー及び生理活性ペプチド
を溶かしにくい溶媒であり、例えばn−ヘキサン、n−
ヘプタンなどである。外相<A>は、上記の脂質または
第1の有機溶媒を単独で用いてもよいが、好ましくは、
脂質と第1の有機溶媒を混合して用いた方がよく、さら
に好ましくは、中鎖脂肪酸トリグリセリドとn−ヘキサ
ンなどを混合して用いるのがよい。
【0025】内相<B>に用いる第2の有機溶媒は、生
体内分解性ポリマーおよび生理活性ペプチドを溶かしや
すく、第1の有機溶媒に溶け込む性質を持ち、且つ第1
の有機溶媒より低沸点の有機溶媒である。溶媒の沸点と
しては、約120℃以下、好ましくは100℃以下、さ
らに好ましくは約30〜80℃である。例としては、ア
セトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、アセチルアセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等であり、またこれらの2種以上の混合
溶媒であってもよい。
体内分解性ポリマーおよび生理活性ペプチドを溶かしや
すく、第1の有機溶媒に溶け込む性質を持ち、且つ第1
の有機溶媒より低沸点の有機溶媒である。溶媒の沸点と
しては、約120℃以下、好ましくは100℃以下、さ
らに好ましくは約30〜80℃である。例としては、ア
セトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、アセチルアセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等であり、またこれらの2種以上の混合
溶媒であってもよい。
【0026】第1及び第2の乳化剤は、それぞれの溶媒
に溶解するものの中から、適当なものを選ぶことができ
る。第1の乳化剤は、条件によっては無くてもよい。乳
化剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン性界面活性
剤、レシチンなどが挙げられる。これらの乳化剤は2種
以上を混合して用いてもよい。好ましくは、それぞれ非
イオン性界面活性剤を用いるのがよい。
に溶解するものの中から、適当なものを選ぶことができ
る。第1の乳化剤は、条件によっては無くてもよい。乳
化剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン性界面活性
剤、レシチンなどが挙げられる。これらの乳化剤は2種
以上を混合して用いてもよい。好ましくは、それぞれ非
イオン性界面活性剤を用いるのがよい。
【0027】外相<A>と内相<B>の混合比率は、内
相<B>1重量部当たり、外相<A>0.5〜1000
重量部、好ましくは1〜100重量部である。また、生
体内分解性ポリマーの内相<B>中の濃度は、ポリマー
の種類や分子量、第2の有機溶媒の種類によって異なる
が、通常0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.
1〜20%(w/w)である。また、生理活性ペプチド
の生体内分解性ポリマーに対する割合は、ペプチドの種
類や目的とする吸収量及び持続時間により異なるが、例
えば、0.0005〜50%(w/w)、好ましくは
0.05〜20%(w/w)である。また、消化管粘膜
付着性高分子の水系溶液中の濃度は、高分子の種類や分
子量によっても異なるが、通常0.005〜1%(w/
w)であり、キトサンの場合、好ましくは0.01〜
0.5%(w/w)であり、さらに好ましくは0.02
〜0.1%(w/w)である。また、ポリビニルアルコ
ールの水系溶液中の濃度は、通常0.05〜5%(w/
w)であり、好ましくは0.3〜3%(w/w)であ
る。また、乳化剤の使用の際の濃度は、通常0.01〜
20%(w/w)であり、好ましくは0.05〜10%
(w/w)である。
相<B>1重量部当たり、外相<A>0.5〜1000
重量部、好ましくは1〜100重量部である。また、生
体内分解性ポリマーの内相<B>中の濃度は、ポリマー
の種類や分子量、第2の有機溶媒の種類によって異なる
が、通常0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.
1〜20%(w/w)である。また、生理活性ペプチド
の生体内分解性ポリマーに対する割合は、ペプチドの種
類や目的とする吸収量及び持続時間により異なるが、例
えば、0.0005〜50%(w/w)、好ましくは
0.05〜20%(w/w)である。また、消化管粘膜
付着性高分子の水系溶液中の濃度は、高分子の種類や分
子量によっても異なるが、通常0.005〜1%(w/
w)であり、キトサンの場合、好ましくは0.01〜
0.5%(w/w)であり、さらに好ましくは0.02
〜0.1%(w/w)である。また、ポリビニルアルコ
ールの水系溶液中の濃度は、通常0.05〜5%(w/
w)であり、好ましくは0.3〜3%(w/w)であ
る。また、乳化剤の使用の際の濃度は、通常0.01〜
20%(w/w)であり、好ましくは0.05〜10%
(w/w)である。
【0028】攪拌は、通常マグネティックスターラーな
ど緩和な条件で行うが、必要ならば高速ホモジナイザー
などを用いてもよい。また、調製したナノスフェアの単
離は、上記に示したような凍結乾燥の他、超遠心分離や
透析などにより行うことができる。また、上記に示した
内相<B>に代えて、例えばW/O型エマルジョンを内
相<B>として用いてナノスフェアを調製してもよい。
即ち、生体内分解性ポリマーと乳化剤をクロロホルム、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタンな
どの揮発性有機溶媒に溶解し、これに、生理活性ペプチ
ドを、例えば水溶液、各種緩衝液などの水系溶媒に溶解
したものを加え、ホモジナイザーなどを用いてW/O型
エマルジョンを調製し、これを上記の内相<B>として
用いてもよい。
ど緩和な条件で行うが、必要ならば高速ホモジナイザー
などを用いてもよい。また、調製したナノスフェアの単
離は、上記に示したような凍結乾燥の他、超遠心分離や
透析などにより行うことができる。また、上記に示した
内相<B>に代えて、例えばW/O型エマルジョンを内
相<B>として用いてナノスフェアを調製してもよい。
即ち、生体内分解性ポリマーと乳化剤をクロロホルム、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタンな
どの揮発性有機溶媒に溶解し、これに、生理活性ペプチ
ドを、例えば水溶液、各種緩衝液などの水系溶媒に溶解
したものを加え、ホモジナイザーなどを用いてW/O型
エマルジョンを調製し、これを上記の内相<B>として
用いてもよい。
【0029】「水中溶媒拡散法」では、消化管粘膜付着
性高分子、および必要に応じポリビニルアルコールを併
せて溶解した水系溶液(水溶液、各種の緩衝液溶液)を
外相<C>として調製する。一方、生体内分解性ポリマ
ー及び生理活性ペプチドを有機溶媒に溶解した内相<D
>を調製する。なお、内相<D>には、必要に応じて、
適当な乳化剤を添加してもよい。外相<C>中に攪拌
下、内相<D>をペリスターポンプなどを用いて、ゆっ
くりと滴下する。必要に応じ、加温減圧下、数時間にわ
たり攪拌を続け、ナノスフェアを生成させる。得られた
ナノスフェアの懸濁液を遠心分離し、上澄み液を除去、
さらに必要に応じ洗浄操作を加えた後、得られたペレッ
トを水に再懸濁させ、これを凍結乾燥することにより、
生理活性ペプチドを封入し、かつ消化管粘膜付着性高分
子で、または消化管粘膜付着性高分子とポリビニルアル
コールでコーティングした、ナノスフェアを得ることが
できる。
性高分子、および必要に応じポリビニルアルコールを併
せて溶解した水系溶液(水溶液、各種の緩衝液溶液)を
外相<C>として調製する。一方、生体内分解性ポリマ
ー及び生理活性ペプチドを有機溶媒に溶解した内相<D
>を調製する。なお、内相<D>には、必要に応じて、
適当な乳化剤を添加してもよい。外相<C>中に攪拌
下、内相<D>をペリスターポンプなどを用いて、ゆっ
くりと滴下する。必要に応じ、加温減圧下、数時間にわ
たり攪拌を続け、ナノスフェアを生成させる。得られた
ナノスフェアの懸濁液を遠心分離し、上澄み液を除去、
さらに必要に応じ洗浄操作を加えた後、得られたペレッ
トを水に再懸濁させ、これを凍結乾燥することにより、
生理活性ペプチドを封入し、かつ消化管粘膜付着性高分
子で、または消化管粘膜付着性高分子とポリビニルアル
コールでコーティングした、ナノスフェアを得ることが
できる。
【0030】内相<D>に用いる有機溶媒は、生体内分
解性ポリマーおよび生理活性ペプチドを溶かしやすく、
揮発性かつ水混和性の有機溶媒である。水に対する溶解
度は約80%以上であり、90%以上が好ましく、完全
混和性のものがさらに好ましい。溶媒の沸点は、約12
0℃以下であり、100℃以下が好ましく、約30〜8
0℃がさらに好ましい。例としては、アセトン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
であり、またこれらの2種以上の混合溶媒であってもよ
い。
解性ポリマーおよび生理活性ペプチドを溶かしやすく、
揮発性かつ水混和性の有機溶媒である。水に対する溶解
度は約80%以上であり、90%以上が好ましく、完全
混和性のものがさらに好ましい。溶媒の沸点は、約12
0℃以下であり、100℃以下が好ましく、約30〜8
0℃がさらに好ましい。例としては、アセトン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
であり、またこれらの2種以上の混合溶媒であってもよ
い。
【0031】外相<C>と内相<D>の混合比率は、内
相<D>1重量部当たり、外相<C>0.5〜1000
重量部、好ましくは1〜100重量部である。また、生
体内分解性ポリマーの内相<D>中の濃度は、ポリマー
の種類や分子量、有機溶媒の種類によって異なるが、通
常0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.1〜2
0%(w/w)である。また、生理活性ペプチドの生体
内分解性ポリマーに対する割合は、ペプチドの種類や目
的とする吸収量及び持続時間により異なるが、例えば、
0.0005〜50%(w/w)、好ましくは0.05
〜20%(w/w)である。また、消化管粘膜付着性高
分子の外相<C>中の濃度は、高分子の種類や分子量に
よっても異なるが、通常0.1〜5%(w/w)であ
り、キトサンの場合、好ましくは0.1〜2%(w/
w)であり、さらに好ましくは0.2〜0.6%(w/
w)である。また、ポリビニルアルコールの外相<C>
中の濃度は、通常0.5〜5%(w/w)であり、好ま
しくは1〜3%(w/w)である。
相<D>1重量部当たり、外相<C>0.5〜1000
重量部、好ましくは1〜100重量部である。また、生
体内分解性ポリマーの内相<D>中の濃度は、ポリマー
の種類や分子量、有機溶媒の種類によって異なるが、通
常0.01〜50%(w/w)、好ましくは0.1〜2
0%(w/w)である。また、生理活性ペプチドの生体
内分解性ポリマーに対する割合は、ペプチドの種類や目
的とする吸収量及び持続時間により異なるが、例えば、
0.0005〜50%(w/w)、好ましくは0.05
〜20%(w/w)である。また、消化管粘膜付着性高
分子の外相<C>中の濃度は、高分子の種類や分子量に
よっても異なるが、通常0.1〜5%(w/w)であ
り、キトサンの場合、好ましくは0.1〜2%(w/
w)であり、さらに好ましくは0.2〜0.6%(w/
w)である。また、ポリビニルアルコールの外相<C>
中の濃度は、通常0.5〜5%(w/w)であり、好ま
しくは1〜3%(w/w)である。
【0032】内相<D>に必要に応じて添加してもよい
乳化剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン性界面活性
剤、レシチンなどが挙げられる。これらの乳化剤は2種
以上を混合して用いてもよい。好ましくは、非イオン性
界面活性剤を用いるのがよい。また、乳化剤の使用の際
の濃度は、通常0.01〜20%(w/w)であり、
0.05〜10%(w/w)が好ましい。
乳化剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン性界面活性
剤、レシチンなどが挙げられる。これらの乳化剤は2種
以上を混合して用いてもよい。好ましくは、非イオン性
界面活性剤を用いるのがよい。また、乳化剤の使用の際
の濃度は、通常0.01〜20%(w/w)であり、
0.05〜10%(w/w)が好ましい。
【0033】攪拌は、通常マグネティックスターラーな
ど緩和な条件で行うが、必要ならば高速ホモジナイザー
などを用いてもよい。また、調製したナノスフェアの単
離は、上記に示したような凍結乾燥の他、超遠心分離や
透析などにより行うことができる。本発明のナノスフェ
アは、その含有する生理活性ペプチドを薬効成分とした
経口投与型の医薬品として利用できる。その際、本発明
のナノスフェアのみで散剤として用いることもできる
が、一般的に医薬品の製造に用いられている各種の添加
剤を加えて、散剤、顆粒剤、カプセル剤、軟カプセル
剤、錠剤、懸濁型のシロップ剤やドライシロップ剤、な
どに製剤化して用いてもよい。添加剤としては、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤、pH調整剤な
どを必要に応じて用いることができ、また必要によって
は腸溶性などのコーティング剤や徐放化剤を用いてもよ
い。
ど緩和な条件で行うが、必要ならば高速ホモジナイザー
などを用いてもよい。また、調製したナノスフェアの単
離は、上記に示したような凍結乾燥の他、超遠心分離や
透析などにより行うことができる。本発明のナノスフェ
アは、その含有する生理活性ペプチドを薬効成分とした
経口投与型の医薬品として利用できる。その際、本発明
のナノスフェアのみで散剤として用いることもできる
が、一般的に医薬品の製造に用いられている各種の添加
剤を加えて、散剤、顆粒剤、カプセル剤、軟カプセル
剤、錠剤、懸濁型のシロップ剤やドライシロップ剤、な
どに製剤化して用いてもよい。添加剤としては、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤、pH調整剤な
どを必要に応じて用いることができ、また必要によって
は腸溶性などのコーティング剤や徐放化剤を用いてもよ
い。
【0034】本発明によるナノスフェアの経口投与にお
ける、生理活性ペプチドの消化管からの吸収改善、及び
または、吸収の持続化のメカニズムは以下のように推測
される。但し本発明は、下記に示すメカニズムによって
限定されるものではない。キトサンなどの消化管粘膜付
着性高分子でナノスフェアをコーティングすることによ
り、ナノスフェアが消化管粘膜に付着しやすくなる。こ
のため、ナノスフェアから溶出する生理活性ペプチド
が、その吸収部位である消化管上皮細胞のごく近傍に高
濃度で、かつ長時間にわたり存在することになり、吸収
量が増大し、また吸収が持続化する。さらに別の要因と
しては、溶出した生理活性ペプチドの近傍にキトサンな
どが存在し、これが生理活性ペプチドの、消化管内に存
在するペプチド分解酵素による分解を阻害しているとい
う可能性もある。
ける、生理活性ペプチドの消化管からの吸収改善、及び
または、吸収の持続化のメカニズムは以下のように推測
される。但し本発明は、下記に示すメカニズムによって
限定されるものではない。キトサンなどの消化管粘膜付
着性高分子でナノスフェアをコーティングすることによ
り、ナノスフェアが消化管粘膜に付着しやすくなる。こ
のため、ナノスフェアから溶出する生理活性ペプチド
が、その吸収部位である消化管上皮細胞のごく近傍に高
濃度で、かつ長時間にわたり存在することになり、吸収
量が増大し、また吸収が持続化する。さらに別の要因と
しては、溶出した生理活性ペプチドの近傍にキトサンな
どが存在し、これが生理活性ペプチドの、消化管内に存
在するペプチド分解酵素による分解を阻害しているとい
う可能性もある。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、実施例、参考例を挙げて
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。更に実験例を挙げて、本発明製
剤の効果を具体的に示す。なお、以下の実施例におい
て、乳酸・グリコール酸共重合体はPLGAと略す。ま
た、ポリ乳酸はPLAと略す。
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。更に実験例を挙げて、本発明製
剤の効果を具体的に示す。なお、以下の実施例におい
て、乳酸・グリコール酸共重合体はPLGAと略す。ま
た、ポリ乳酸はPLAと略す。
【0036】
【実施例1】 (キトサンでコーティングしたエルカトニン封入PLG
A(75:25)ナノスフェアの調製)ポリリシノール
酸ヘキサグリセリル(Hexaglyn PR−15;
日光ケミカルズ社製)を2%含有するトリ(カプリル・
カプリン酸)グリセリル(トリエスターF810;日光
ケミカルズ社製)60mlを調製し、さらにn−ヘキサ
ン40mlを混合溶解し外相を調製した。次に、ソルビ
タンモノオレート(Span80:キシダ化学社製)1
00mg、PLGA(平均分子量20000、乳酸:グ
リコール酸重合比=75:25、和光純薬工業社製)1
00mg、エルカトニン(旭化成工業社製)2mgをア
セトン3mlとメタノール2mlの混合溶媒中に溶解し
た溶液を外相溶液の撹拌下、ペリスターポンプを用いて
2ml/minの速度で滴下した。
A(75:25)ナノスフェアの調製)ポリリシノール
酸ヘキサグリセリル(Hexaglyn PR−15;
日光ケミカルズ社製)を2%含有するトリ(カプリル・
カプリン酸)グリセリル(トリエスターF810;日光
ケミカルズ社製)60mlを調製し、さらにn−ヘキサ
ン40mlを混合溶解し外相を調製した。次に、ソルビ
タンモノオレート(Span80:キシダ化学社製)1
00mg、PLGA(平均分子量20000、乳酸:グ
リコール酸重合比=75:25、和光純薬工業社製)1
00mg、エルカトニン(旭化成工業社製)2mgをア
セトン3mlとメタノール2mlの混合溶媒中に溶解し
た溶液を外相溶液の撹拌下、ペリスターポンプを用いて
2ml/minの速度で滴下した。
【0037】ついで35℃にて減圧下3時間撹拌を続
け、得られた懸濁液にn−ヘキサン 20 mlを加え、遠
心操作(20000rpm、4℃、10分間)を行っ
た。遠心操作後、上清を除去し、n−ヘキサンを加えて
再懸濁させ、再度遠心操作を行った。遠心操作後、上清
を除去し、沈殿物を乾燥し、これを1%ポリビニルアル
コール(PVAー403、クラレ社製)の水溶液20m
lと1%キトサン(平均分子量50000、板角社製)
溶液(溶媒:0.05M酢酸緩衝液、pH4.4)1m
lを混合した溶液中に分散させた。分散後、遠心操作を
行い、上清を除去した後、沈殿物を精製水に再懸濁させ
た。得られた懸濁液を凍結乾燥し、キトサンでコーティ
ングしたエルカトニン封入PLGA(75:25)ナノ
スフェア粉末89.9mg(エルカトニン含有量1.4
6mg)を得た。
け、得られた懸濁液にn−ヘキサン 20 mlを加え、遠
心操作(20000rpm、4℃、10分間)を行っ
た。遠心操作後、上清を除去し、n−ヘキサンを加えて
再懸濁させ、再度遠心操作を行った。遠心操作後、上清
を除去し、沈殿物を乾燥し、これを1%ポリビニルアル
コール(PVAー403、クラレ社製)の水溶液20m
lと1%キトサン(平均分子量50000、板角社製)
溶液(溶媒:0.05M酢酸緩衝液、pH4.4)1m
lを混合した溶液中に分散させた。分散後、遠心操作を
行い、上清を除去した後、沈殿物を精製水に再懸濁させ
た。得られた懸濁液を凍結乾燥し、キトサンでコーティ
ングしたエルカトニン封入PLGA(75:25)ナノ
スフェア粉末89.9mg(エルカトニン含有量1.4
6mg)を得た。
【0038】
【実施例2】 (キトサンでコーティングしたエルカトニン封入PLG
A(50:50)ナノスフェアの調製)実施例1におい
て、PLGA(平均分子量20000、乳酸:グリコー
ル酸重合比=75:25、和光純薬工業社製)の代わり
にPLGA(平均分子量20000、乳酸:グリコール
酸重合比=50:50、和光純薬工業社製)を用いた以
外は同様にして、キトサンでコーティングしたエルカト
ニン封入PLGA(50:50)ナノスフェア粉末9
0.1mg(エルカトニン含有量1.52mg)を得
た。
A(50:50)ナノスフェアの調製)実施例1におい
て、PLGA(平均分子量20000、乳酸:グリコー
ル酸重合比=75:25、和光純薬工業社製)の代わり
にPLGA(平均分子量20000、乳酸:グリコール
酸重合比=50:50、和光純薬工業社製)を用いた以
外は同様にして、キトサンでコーティングしたエルカト
ニン封入PLGA(50:50)ナノスフェア粉末9
0.1mg(エルカトニン含有量1.52mg)を得
た。
【0039】
【実施例3】 (キトサンでコーティングしたエルカトニン封入PLA
ナノスフェアの調製)実施例1において、PLGA(平
均分子量20000、乳酸:グリコール酸重合比=7
5:25、和光純薬工業社製)の代わりにPLA(平均
分子量20000、和光純薬工業社製)を用いた以外は
同様にして、キトサンでコーティングしたエルカトニン
封入PLAナノスフェア粉末88.3mg(エルカトニ
ン含有量1.07mg)を得た。
ナノスフェアの調製)実施例1において、PLGA(平
均分子量20000、乳酸:グリコール酸重合比=7
5:25、和光純薬工業社製)の代わりにPLA(平均
分子量20000、和光純薬工業社製)を用いた以外は
同様にして、キトサンでコーティングしたエルカトニン
封入PLAナノスフェア粉末88.3mg(エルカトニ
ン含有量1.07mg)を得た。
【0040】
【実施例4】 (キトサンでコーティングしたインスリン封入PLGA
(75:25)ナノスフェアの調製)ウシインスリン
(Sigma社製)1mgを0.01M塩酸0.1ml
と0.01M酢酸緩衝液(pH4.4)0.1mlを混
合した溶液に溶解し、これをPLGA(平均分子量20
000、乳酸:グリコール酸重合比=75:25、和光
純薬工業社製)100mgとソルビタンモノオレート
(Span80:キシダ化学社製)100mgを溶解し
たジクロロメタン溶液15ml中に加え、ホモジナイザ
ーで3分間攪拌し、内相溶液となるエマルジョンを調製
した。
(75:25)ナノスフェアの調製)ウシインスリン
(Sigma社製)1mgを0.01M塩酸0.1ml
と0.01M酢酸緩衝液(pH4.4)0.1mlを混
合した溶液に溶解し、これをPLGA(平均分子量20
000、乳酸:グリコール酸重合比=75:25、和光
純薬工業社製)100mgとソルビタンモノオレート
(Span80:キシダ化学社製)100mgを溶解し
たジクロロメタン溶液15ml中に加え、ホモジナイザ
ーで3分間攪拌し、内相溶液となるエマルジョンを調製
した。
【0041】一方、ポリリシノール酸ヘキサグリセリル
(Hexaglyn PR−15;日光ケミカルズ社
製)を2%含有するトリ(カプリル・カプリン酸)グリ
セリル(トリエスターF810;日光ケミカルズ社製)
30mlを調製し、さらにn−ヘキサン20mlを混合
溶解し外相溶液を調製した。上記の内相溶液を外相溶液
に攪拌下、ペリスターポンプを用いて4ml/minの
速度で滴下した。ついで35℃にて減圧下3時間撹拌を
続け、得られた懸濁液にn−ヘキサン20mlを加え、
遠心操作(20000rpm、4℃、10分間)を行っ
た。遠心操作後、上清を除去し、n−ヘキサンを加えて
再懸濁させ、再度遠心操作を行った。遠心操作後、上清
を除去し、沈殿物を乾燥し、これを1%ポリビニルアル
コール(PVAー403、クラレ社製)の水溶液20m
lと1%キトサン(平均分子量50000、板角社製)
溶液(溶媒:0.05M酢酸緩衝液、pH4.4)1m
lを混合した溶液中に分散させた。分散後、遠心操作を
行い、上清を除去した後、沈殿物を精製水に再懸濁させ
た。得られた懸濁液を凍結乾燥し、キトサンでコーティ
ングしたインスリン封入PLGA(75:25)ナノス
フェア粉末77.5mg(インスリン含有量0.415
mg)を得た。
(Hexaglyn PR−15;日光ケミカルズ社
製)を2%含有するトリ(カプリル・カプリン酸)グリ
セリル(トリエスターF810;日光ケミカルズ社製)
30mlを調製し、さらにn−ヘキサン20mlを混合
溶解し外相溶液を調製した。上記の内相溶液を外相溶液
に攪拌下、ペリスターポンプを用いて4ml/minの
速度で滴下した。ついで35℃にて減圧下3時間撹拌を
続け、得られた懸濁液にn−ヘキサン20mlを加え、
遠心操作(20000rpm、4℃、10分間)を行っ
た。遠心操作後、上清を除去し、n−ヘキサンを加えて
再懸濁させ、再度遠心操作を行った。遠心操作後、上清
を除去し、沈殿物を乾燥し、これを1%ポリビニルアル
コール(PVAー403、クラレ社製)の水溶液20m
lと1%キトサン(平均分子量50000、板角社製)
溶液(溶媒:0.05M酢酸緩衝液、pH4.4)1m
lを混合した溶液中に分散させた。分散後、遠心操作を
行い、上清を除去した後、沈殿物を精製水に再懸濁させ
た。得られた懸濁液を凍結乾燥し、キトサンでコーティ
ングしたインスリン封入PLGA(75:25)ナノス
フェア粉末77.5mg(インスリン含有量0.415
mg)を得た。
【0042】
【参考例1】 (エルカトニンを封入したPLGA(75:25)ナノ
スフェアの調製)実施例1において、キトサンを除いた
以外同様にして、エルカトニン封入PLGA(75:2
5)ナノスフェア粉末79.9mg(エルカトニン含有
量1.38mg)を得た。
スフェアの調製)実施例1において、キトサンを除いた
以外同様にして、エルカトニン封入PLGA(75:2
5)ナノスフェア粉末79.9mg(エルカトニン含有
量1.38mg)を得た。
【0043】
【参考例2】 (FITC−PLGA(75:25)ナノスフェアの調
製)PLGA(平均分子量20000、乳酸:グリコー
ル酸重合比=75:25、和光純薬工業社製)にフルオ
レセインイソチオシアネート(以下FITCと略す)を
結合させたFITC−PLGAを次の方法により合成し
た。PLGA800mgとFITC0.8mgをアセト
ン8mlに溶解した溶液を還流下3時間反応させた。そ
の後、エタノール30mlを加え、20000rpm、
10分間遠心分離した。上澄みを除去し、沈澱物を3m
lのアセトンで溶解し、30mlのエタノールを加えて
FITC−PLGAを析出させ、20000rpm、1
0分間遠心分離した。この操作を4回繰り返し、最終的
に得られた沈澱物を6mlのアセトンで溶解した後20
mlの精製水を加え、減圧下35℃で2時間攪拌した。
この懸濁液を凍結乾燥してFITC−PLGAを得た。
製)PLGA(平均分子量20000、乳酸:グリコー
ル酸重合比=75:25、和光純薬工業社製)にフルオ
レセインイソチオシアネート(以下FITCと略す)を
結合させたFITC−PLGAを次の方法により合成し
た。PLGA800mgとFITC0.8mgをアセト
ン8mlに溶解した溶液を還流下3時間反応させた。そ
の後、エタノール30mlを加え、20000rpm、
10分間遠心分離した。上澄みを除去し、沈澱物を3m
lのアセトンで溶解し、30mlのエタノールを加えて
FITC−PLGAを析出させ、20000rpm、1
0分間遠心分離した。この操作を4回繰り返し、最終的
に得られた沈澱物を6mlのアセトンで溶解した後20
mlの精製水を加え、減圧下35℃で2時間攪拌した。
この懸濁液を凍結乾燥してFITC−PLGAを得た。
【0044】ポリマーとしてポリビニルアルコール(P
VAー403、クラレ社製)1gを使用し、蒸留水50
mlに溶解した溶液を外相とし、この外相を400rp
mで撹拌下、FITC−PLGA200mgをアセトン
3mlとメタノール2mlの混合溶媒中に溶解した溶液
をペリスターポンプを用いて2ml/minの速度で滴
下した。得られた懸濁液中のポリマーを取り除く操作と
して、懸濁液を遠心(20000rpm、10min)
し、沈殿物を精製水により洗浄した。さらに、ポリマー
を取り除く操作を2回繰り返した。最終的に得られた懸
濁液を凍結乾燥し、FITC−PLGA(75:25)
ナノスフェア粉末183.8mgを得た。
VAー403、クラレ社製)1gを使用し、蒸留水50
mlに溶解した溶液を外相とし、この外相を400rp
mで撹拌下、FITC−PLGA200mgをアセトン
3mlとメタノール2mlの混合溶媒中に溶解した溶液
をペリスターポンプを用いて2ml/minの速度で滴
下した。得られた懸濁液中のポリマーを取り除く操作と
して、懸濁液を遠心(20000rpm、10min)
し、沈殿物を精製水により洗浄した。さらに、ポリマー
を取り除く操作を2回繰り返した。最終的に得られた懸
濁液を凍結乾燥し、FITC−PLGA(75:25)
ナノスフェア粉末183.8mgを得た。
【0045】
【参考例3】 (キトサンでコーティングしたFITC−PLGA(7
5:25)ナノスフェアの調製)参考例2の外相中のポ
リマーとして、ポリビニルアルコール(PVAー40
3、クラレ社製)1gとキトサン(平均分子量5000
0、板角社製)0.5gを併せて用い、それらの溶解液
として精製水の代わりに0.05M酢酸緩衝液(pH
4.4)を用いた以外、同様にして、キトサンでコーテ
ィングしたFITC−PLGA(75:25)ナノスフ
ェア粉末167.0mgを得た。
5:25)ナノスフェアの調製)参考例2の外相中のポ
リマーとして、ポリビニルアルコール(PVAー40
3、クラレ社製)1gとキトサン(平均分子量5000
0、板角社製)0.5gを併せて用い、それらの溶解液
として精製水の代わりに0.05M酢酸緩衝液(pH
4.4)を用いた以外、同様にして、キトサンでコーテ
ィングしたFITC−PLGA(75:25)ナノスフ
ェア粉末167.0mgを得た。
【0046】
【参考例4】 (ポリアクリル酸でコーティングしたFITC−PLG
A(75:25)ナノスフェアの調製)参考例2の外相
中のポリマーとしてポリビニルアルコール(PVAー4
03、クラレ社製)1gとポリアクリル酸(平均分子量
2000、Aldrich 社製)0.5gを併せて用いた以
外、同様にして、ポリアクリル酸でコーティングしたF
ITC−PLGA(75:25)ナノスフェア粉末18
1.2mgを得た。
A(75:25)ナノスフェアの調製)参考例2の外相
中のポリマーとしてポリビニルアルコール(PVAー4
03、クラレ社製)1gとポリアクリル酸(平均分子量
2000、Aldrich 社製)0.5gを併せて用いた以
外、同様にして、ポリアクリル酸でコーティングしたF
ITC−PLGA(75:25)ナノスフェア粉末18
1.2mgを得た。
【0047】
【参考例5】 (アルギン酸ナトリウムでコーティングしたFITC−
PLGA(75:25)ナノスフェアの調製)参考例2
の外相中のポリマーとしてポリビニルアルコール(PV
Aー403、クラレ社製)1gとポリアルギン酸ナトリ
ウム(平均分子量228000、紀文フードケミファ社
製)0.25gを併せて用いた以外、同様にして、アル
ギン酸ナトリウムでコーティングしたFITC−PLG
A(75:25)ナノスフェア粉末138mgを得た。
PLGA(75:25)ナノスフェアの調製)参考例2
の外相中のポリマーとしてポリビニルアルコール(PV
Aー403、クラレ社製)1gとポリアルギン酸ナトリ
ウム(平均分子量228000、紀文フードケミファ社
製)0.25gを併せて用いた以外、同様にして、アル
ギン酸ナトリウムでコーティングしたFITC−PLG
A(75:25)ナノスフェア粉末138mgを得た。
【0048】
【試験例1】 (ナノスフェアの粒子径の測定)実施例1、実施例2、
実施例3及び参考例1で調製したナノスフェア粉末を精
製水中に再懸濁させて、動的光散乱法(LPA310
0、大塚電子社製)により粒子径を測定した。また、実
施例1で調製したナノスフェアを走査型電子顕微鏡によ
り観察した。
実施例3及び参考例1で調製したナノスフェア粉末を精
製水中に再懸濁させて、動的光散乱法(LPA310
0、大塚電子社製)により粒子径を測定した。また、実
施例1で調製したナノスフェアを走査型電子顕微鏡によ
り観察した。
【0049】動的光散乱法により測定した重量平均粒子
径を下記表1に示た。表1に結果を示した通り、実施例
1、実施例2、実施例3及び参考例1で調製したナノス
フェアの重量平均粒子径は、500nm〜700nmで
あった。また、電子顕微鏡で観察したところ、実施例1
のナノスフェアは、球状であり、1000nm以下の粒
子径であった。
径を下記表1に示た。表1に結果を示した通り、実施例
1、実施例2、実施例3及び参考例1で調製したナノス
フェアの重量平均粒子径は、500nm〜700nmで
あった。また、電子顕微鏡で観察したところ、実施例1
のナノスフェアは、球状であり、1000nm以下の粒
子径であった。
【0050】表1 動的光散乱法により測定したナノス
フェアの重量平均粒子径
フェアの重量平均粒子径
【0051】
【表1】
【0052】
【試験例2】 (ナノスフェアのゼータ電位の測定)実施例1及び参考
例1で調製したナノスフェアを蒸留水に懸濁させた後、
溶媒(0.1Mの塩酸と0.1Mの水酸化カリウム水溶
液を混合して調整した各pHの溶液)に分散させ、ナノ
スフェア粒子表面のゼータ電位をゼータ電位計(Zetama
ster、Malvern Instruments 社製)により測定した。
例1で調製したナノスフェアを蒸留水に懸濁させた後、
溶媒(0.1Mの塩酸と0.1Mの水酸化カリウム水溶
液を混合して調整した各pHの溶液)に分散させ、ナノ
スフェア粒子表面のゼータ電位をゼータ電位計(Zetama
ster、Malvern Instruments 社製)により測定した。
【0053】結果は図1に示した通り、参考例1のナノ
スフェアに比較して、実施例1のナノスフェアは、ゼー
タ電位が酸性領域で正の値を示した。このことは実施例
1のナノスフェア表面が酸性領域で正の電荷を持つキト
サンによってコーティングされていることを示してい
る。
スフェアに比較して、実施例1のナノスフェアは、ゼー
タ電位が酸性領域で正の値を示した。このことは実施例
1のナノスフェア表面が酸性領域で正の電荷を持つキト
サンによってコーティングされていることを示してい
る。
【0054】
【試験例3】 (ナノスフェアの粘膜付着性評価)参考例2、参考例
3、参考例4及び参考例5で調製したFITC−PLG
Aナノスフェアを生理食塩水中に分散させて、常法によ
り摘出したラット反転腸管(十二指腸、空腸、回腸)に
一定時間浸した。その後、腸管に付着したFITC−P
LGAナノスフェアを抽出し、ナノスフェアの粘膜への
付着量を蛍光光度計を用いて測定した。ナノスフェア付
着量と仕込んだナノスフェア量から付着率を求め、粘膜
付着性の指標とした。
3、参考例4及び参考例5で調製したFITC−PLG
Aナノスフェアを生理食塩水中に分散させて、常法によ
り摘出したラット反転腸管(十二指腸、空腸、回腸)に
一定時間浸した。その後、腸管に付着したFITC−P
LGAナノスフェアを抽出し、ナノスフェアの粘膜への
付着量を蛍光光度計を用いて測定した。ナノスフェア付
着量と仕込んだナノスフェア量から付着率を求め、粘膜
付着性の指標とした。
【0055】結果は図2に示した通り、参考例2に比較
して、参考例5のアルギン酸ナトリウムをコーティング
したナノスフェアは、腸管粘膜との付着性に大きな違い
は認められなかった。一方、参考例3及び参考例4のキ
トサン及びポリアクリル酸でコーティングしたナノスフ
ェアは、参考例2に比較して、粘膜付着性が増加した。
特に、参考例3のキトサンでコーティングしたナノスフ
ェアは、最も高い粘膜付着性を示した。キトサンをコー
ティングしたナノスフェアが強い粘膜付着性を示した理
由は、ナノスフェアの表面電位がキトサンの持つアミノ
基により正に荷電しており、負に荷電している腸管粘膜
との間に電気的相互作用が働くためではないかと推察す
るが、それ以外の要因として粘膜成分との絡み合いなど
も考えられる。実際に、参考例3のキトサンの代わりに
分子量1500のキトサンオリゴ糖を用いたナノスフェ
アでは、参考例3で調製したナノスフェアが示すような
粘膜付着性は得られない。
して、参考例5のアルギン酸ナトリウムをコーティング
したナノスフェアは、腸管粘膜との付着性に大きな違い
は認められなかった。一方、参考例3及び参考例4のキ
トサン及びポリアクリル酸でコーティングしたナノスフ
ェアは、参考例2に比較して、粘膜付着性が増加した。
特に、参考例3のキトサンでコーティングしたナノスフ
ェアは、最も高い粘膜付着性を示した。キトサンをコー
ティングしたナノスフェアが強い粘膜付着性を示した理
由は、ナノスフェアの表面電位がキトサンの持つアミノ
基により正に荷電しており、負に荷電している腸管粘膜
との間に電気的相互作用が働くためではないかと推察す
るが、それ以外の要因として粘膜成分との絡み合いなど
も考えられる。実際に、参考例3のキトサンの代わりに
分子量1500のキトサンオリゴ糖を用いたナノスフェ
アでは、参考例3で調製したナノスフェアが示すような
粘膜付着性は得られない。
【0056】
【試験例4】 (エルカトニン封入ナノスフェアの経口吸収性試験)Wi
star系雄性ラット(9週令、180〜210g)を使用
し、実施例1及び参考例1で調製したナノスフェアを生
理食塩水で溶解した溶液、また、対照としてエルカトニ
ンを生理食塩水で溶解した溶液を500IU/Kgの投
与量で各3匹に経口投与した。投与後、経時的にラット
頚静脈から採血し、カルシウムC−テストワコー(和光
純薬工業社製)にて血漿中カルシウム濃度を測定した。
投与5分前の血漿中カシウム濃度を100としてカルシウ
ム低下率を算出した。
star系雄性ラット(9週令、180〜210g)を使用
し、実施例1及び参考例1で調製したナノスフェアを生
理食塩水で溶解した溶液、また、対照としてエルカトニ
ンを生理食塩水で溶解した溶液を500IU/Kgの投
与量で各3匹に経口投与した。投与後、経時的にラット
頚静脈から採血し、カルシウムC−テストワコー(和光
純薬工業社製)にて血漿中カルシウム濃度を測定した。
投与5分前の血漿中カシウム濃度を100としてカルシウ
ム低下率を算出した。
【0057】結果は図3に示した通りである。エルカト
ニン溶液投与群及び参考例1投与群に比較して、実施例
1投与群は、投与8時間後76%までカルシウム濃度が
低下し、強い血漿中カルシウム低下作用を示した。ま
た、投与後36時間においても有意に血漿中カルシウム
低下作用が持続した。すなわち、キトサンをコーティン
グしたナノスフェアが消化管粘膜上に付着し、消化管内
移動速度が遅延したためと推測された。これらの結果か
ら、本発明のキトサンをコーティングしたエルカトニン
含有ナノスフェア製剤は、経口投与で消化管からエルカ
トニンの吸収性が改善され、かつ、持続性を有すること
を示している。
ニン溶液投与群及び参考例1投与群に比較して、実施例
1投与群は、投与8時間後76%までカルシウム濃度が
低下し、強い血漿中カルシウム低下作用を示した。ま
た、投与後36時間においても有意に血漿中カルシウム
低下作用が持続した。すなわち、キトサンをコーティン
グしたナノスフェアが消化管粘膜上に付着し、消化管内
移動速度が遅延したためと推測された。これらの結果か
ら、本発明のキトサンをコーティングしたエルカトニン
含有ナノスフェア製剤は、経口投与で消化管からエルカ
トニンの吸収性が改善され、かつ、持続性を有すること
を示している。
【0058】
【発明の効果】本発明により、生理活性ペプチドの良好
な吸収率と吸収の持続性を持った、生理活性ペプチド含
有ナノスフェアが提供でき、さらには生理活性ペプチド
の経口投与用製剤が提供できる。このことにより、これ
まで注射などでしか投与できなかった生理活性ペプチド
が経口でも投与可能となり、患者のQOLの改善につな
がる。
な吸収率と吸収の持続性を持った、生理活性ペプチド含
有ナノスフェアが提供でき、さらには生理活性ペプチド
の経口投与用製剤が提供できる。このことにより、これ
まで注射などでしか投与できなかった生理活性ペプチド
が経口でも投与可能となり、患者のQOLの改善につな
がる。
【図1】図1は、ナノスフェアのゼータ電位のpHプロ
ファイルを示すものである。
ファイルを示すものである。
【図2】図2は、各種ポリマーでコーティングしたナノ
スフェアの腸管粘膜付着性を示すものである。
スフェアの腸管粘膜付着性を示すものである。
【図3】図3は、エルカトニン封入ナノスフェアの経口
投与後の血漿中カルシウム低下のプロファイルを示すも
のである。
投与後の血漿中カルシウム低下のプロファイルを示すも
のである。
Claims (8)
- 【請求項1】 生理活性ペプチドを含有した生体内分解
性ポリマーの核部分を消化管粘膜付着性高分子で被覆し
た経口投与用ナノスフェア。 - 【請求項2】 消化管粘膜付着性高分子が、キトサン、
ポリアクリル酸およびキトサン誘導体からなる群より選
ばれた1種または2種以上である請求項1記載の経口投
与用ナノスフェア。 - 【請求項3】 生理活性ペプチドが、カルシトニン類ま
たはインスリンである請求項1記載の経口投与用ナノス
フェア。 - 【請求項4】 生体内分解性ポリマーが、乳酸・グリコ
ール酸共重合体またはポリ乳酸である請求項1記載の経
口投与用ナノスフェア。 - 【請求項5】 生理活性ペプチドを含有した生体内分解
性ポリマーの核部分を消化管粘膜付着性高分子及びポリ
ビニルアルコールで被覆した経口投与用ナノスフェア。 - 【請求項6】 消化管粘膜付着性高分子が、キトサン、
ポリアクリル酸およびキトサン誘導体からなる群より選
ばれた1種または2種以上である請求項5記載の経口投
与用ナノスフェア。 - 【請求項7】 生理活性ペプチドが、カルシトニン類ま
たはインスリンである請求項5記載の経口投与用ナノス
フェア。 - 【請求項8】 生体内分解性ポリマーが、乳酸・グリコ
ール酸共重合体またはポリ乳酸である請求項5記載の経
口投与用ナノスフェア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9283473A JPH11116499A (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | 生理活性ペプチドを含有した経口投与用ナノスフェア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9283473A JPH11116499A (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | 生理活性ペプチドを含有した経口投与用ナノスフェア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11116499A true JPH11116499A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17666010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9283473A Withdrawn JPH11116499A (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | 生理活性ペプチドを含有した経口投与用ナノスフェア |
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