JP4073478B2 - 生物分解性制御放出型微細球およびその製法 - Google Patents

生物分解性制御放出型微細球およびその製法 Download PDF

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Description

本発明は、親水性薬学的活性の化合物をベースとし、採用される投与経路のいかんに係わらず(例えば注射による投与)前記活性物質の制御された持続的放出を可能とする生物分解性微細球の製造に関するものである。
生物分解性および生物相容性ポリマーまたはコポリマーをベースとする多数の剤形がすでに先行技術において記載されている。これらの種々の剤形は、
−その所望の投与経路(剤形の粒径、形状)、
−カブセル包蔵された活性分子の物理化学的特性、特にその溶解性、その熱安定性およびその融点、および
−この活性分子の薬理学的特性および薬力学的特性に常に密接に関連した特異性を示す種々の方法によって得られる。
多くの用途、特に眼球経路、皮膚経路、耳介経路および口腔経路において、小粒径の剤形を開発する必要はない。従って、溶融押出法、噴霧法、流動化法、および通常の錠剤機による錠剤製法さえ非常に広く記載され利用されている。
移植可能の剤形に関しては、多数の製造法がある。内移植は非常に大きな粒径の滴を必要とせず、従って前記の方法が利用されるからである。
これに対して、非経口投与のための剤形については、その製造法が下記の条件によって強く制約される。
−一方においては、剤形の粒径を適当な注射器(18−22ゲージ)によって注射懸濁液の形で投与できるようにしなければならない。従ってこの条件を考慮して、粒径150μm以下のマイクロカプセルまたは微細球を得なければならない。
−他方において、活性分子の物理化学的安定性とその可溶性(水溶性、脂肪溶解性)。これは、液状媒質法の場合には、単式乳濁液または複式乳濁液の選択を条件づける。
−最後に、前記剤形の最適薬動力学的プロフィル。これは同時に製剤活性の持続時間を条件づける。
場合によっては非常に解決困難なこれらの条件にも関わらず、各種のマイクロカプセル化法が存在し、その一部を下記に列挙する。
−溶剤のエマルジョン蒸発、
−溶剤のエマルジョン抽出、
−相分離、
−噴霧または噴霧乾燥、
−押出し、および
−空気流動化床の中での処理。
本発明の目的は、溶剤型の複式エマルジョン−蒸発法によって親水性分子をベースとする微細球を製造するにある。
一般的に言って、W/O/W複式エマルジョンと溶剤の蒸発とを伴なうこの型の方法においては、まず水溶性活性成分が第1W/Oエマルジョンの内部相の中に溶解され、第2段階において、この第1エマルジョンが外部水相の中に乳濁される。
この技術は、高いカプセル化効率を与える非常に水溶性の活性成分を形成するために特に有利である。
水溶性活性成分のカプセル化のための複式エマルジョンの物性が例えばUS−A−3,523,906に記載されている。
本発明は、少なくとも1つの水溶性活性成分の制御された放出を生じる微細球の形の薬剤組成物の製法において、
−適当量の水の中に活性成分を溶解する段階と、
−低分子量ポリラクチドから成る放出調節剤を追加的に含む、dl−ラクチド−コグリコリド型の少なくとも1つのマトリックスコポリマーの塩素化炭化水素中の溶液をもって、前記のようにして得られた活性成分の水溶液を乳化して、第1超微細均質エマルジョンを得る段階と、
−界面活性剤を含む外部水相の中で前記の第1エマルジョンを乳化する段階と、
−溶剤を抽出−蒸発させて微細球を生じ、この微細球を濾過、洗浄および乾燥後に回収する段階とを含む方法に関するものである。
その他の特徴および利点は、二、三の実施例を含む下記の説明から明かとなろう。
本発明は、W/O/W複式エマルジョンと溶剤の蒸発とを伴なう型の方法によって水溶液活性成分の制御された持続的放出を生じるための微細球型の薬剤組成物を生じる方法において、本発明の特徴によれば特定長さの傾斜から成る連続蒸発システムを使用し、この傾斜上を微細球の懸濁液が薄層を成して流れ、所要時間長の短縮が得られるようにした方法を提供する。
本発明の方法の文脈において使用できる水溶性活性成分(I)は、ペプチド、気管支拡張剤、抗生物質、抗うつ剤、鎮痛剤、抗炎症剤、ワクチンなどの薬理活性を有する天然または合成物質を含む。特に下記の活性成分が挙げられる:
カルシトニン、バソプレシン、ソマトスタチン、成長ホルモン、プロラクチン、黄体刺激ホルモン、オキシトシン、セクレチン、サルブタモール、ゲンタミシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、アミカシン、サリチル酸ナトリウム、ジクロフェナック・ナトリウム、アモキシシリン、アンピシリン、ナプロキセン・ナトリウム、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンデシン、メトトレキサート、シスプラチン、カルムスチン、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、イフォスファミドおよびその誘導体。活性成分のこのリストは本発明の方法によってカプセル化する事のできる製剤の例であって、他の製剤を排除するものではない。
本発明の文脈において内部水相の中に使用される活性成分濃度は、活性成分の水中溶解度、前記活性成分の特性、および得ようとする持続的放出に依存する。一例として、0.01%乃至95%、好ましくは0.05%乃至50%、さらに好ましくは0.05%乃至2.5%の範囲内の濃度が挙げられる。
W/O/Wによって微細球を製造するために使用する事のできるマトリックスポリマー(II)は、一方においては適当な揮発性溶剤(III)の中に可溶でなければならない。このような溶剤(III)の例としては、塩化メチレン、クロロフォルム、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、および四塩化炭素などのハロゲン化アルカン、酢酸エチルなどを挙げる事ができる。他方において、前記ポリマー(II)は水非混和性で、最後に生物分解性で身体に対して相容性でなければならない。ポリラクチド−コ−グリコリドコポリマーに関する広範なテスト結果は、これらのコポリマーが身体によって十分に耐えられ、最小限の炎症応答を示し、生体器官中に蓄積される事なく吸収され、最終的に完全に除去される事を示す。従って選ばれたポリマーは85:15乃至40:60、好ましくは75:25乃至50:50の範囲内のラクチド/グリコリド比のポリラクチド−コ−グリコリド、特にdl−ラクチド−コ−グリコリドである。実際にこれらのコポリマーは急速な加水分解速度を生じて、活性成分の放出後の投与部位における析出を防止する。放出調節剤(IV)は低分子量のポリラクチド、特にジラクチドであって、これがポリラクチド−コ−グリコリドコポリマーに対して任意割合で添加される。
本発明の目的を成す方法においては、コポリマーの分子量は10,000乃至500,000の範囲内、好ましくは10,000乃至250,000、さらに好ましくは12,000乃至34,000の範囲内になければならないが、放出調節剤の分子量は1000乃至10,000の範囲内、好ましくは2000の区域になければならない。
使用されるポリマーの濃度と分子量は活性成分および所望の放出速度に依存する。本発明の目的を成す方法によれば、有機相中に存在するポリマーの適当濃度は5%乃至50%の範囲内である。
外部水相(V)は、ポリビニル アルコール、ポリビニル ピロリドン、ポリオキシエチレンソルビタン モノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン モノラウレート、ポロクサマー、カルボキシメチルセルローズナトリウムまたはそれらの混合物などの界面活性剤(VI)を含有する。使用される濃度範囲は0.05乃至25%である。本発明の方法において好ましい界面活性剤は、ポリビニルピロリドンとポリオキシエチレンソルビタン モノオレエートの混合物である。
さらに詳細に考察すれば、本発明による方法は下記段階から成る。
精製された水1体積中に溶解された一定量の活性成分(I)を調製する。ポリラクチド−コ−グリコリドコポリマー(II)および放出調節剤(IV)、すなわち低分子量ポリラクチドを含有する1体積の塩化メチレン(III)の中で、前記溶液を例えば超音波処理器を使用して乳化する。この第1エマルジョンは超微細で均質であらねばならず、活性成分をポリマーマトリックス中に分布させ、界面活性剤またはその他の添加剤を使用する事なく各バッチの再現性を保証する。第1エマルジョンが形成された時、このエマルジョンを、ポリビニルピロリドンとポリオキシエチレンソルビタン モノオレエートとを含有する水溶液(VI)から成る外部相(V)の中で、短時間撹拌して乳化する。その後、精製された水で調剤を希釈し、懸濁液を連続蒸発システムに転送する。このシステムは適当長の傾斜面から成り、この傾斜面上を微細球の懸濁液が薄層を成して流れて、溶剤の抽出蒸発を改良し、処理時間を短縮させる。微細球は濾過によって回収され、生成した水で洗浄され、次に凍結乾燥によって乾燥される。
この方法は実施簡単で再現性であり、投与に適した粒径の微細球の生産を可能とする。
本発明の重要な特徴は、ポリラクチド−コ−グリコリドコポリマーに対する低分子量ポリラクチドの添加が活性成分の放出を調節させる事ができるにある。低分子量ポリラクチドの割合を増大する事により、微細球(実施例7参照)内部の小貯蔵部分の中に存在するカプセル包蔵生成物(実施例1および2参照)の放出速度を増大できる事が発見された。
本発明の追加的特徴によれば、コポリマーと調節剤との比率は10:90乃至90:10の範囲内、好ましくは50:50乃至90:10の範囲内である。
一般的に言って、本発明の方法によって得られる微細球の粒径は常に約250μm以下、好ましくは約100μm以下、特に好ましくは3乃至40μmの範囲内にある。
小粒径を得る事が望ましい場合、第2エマルジョンの形成段階はカプセル化効率の観点から本発明の最も重要な段階である。
本発明の方法の新規性の故に、この方法の全実施時間を短縮させ、ポリマーマトリックスの早期安定を可能とし、カプセル化調剤の損失を防止する事ができる。微細球の硬化速度が高いので、ポリマー溶液に低分子量ポリラクチドを加える際に高いカプセル効率が得られ、第1エマルジョンの中に添加剤を加える必要がない。さらにこの方法は常温、大気圧で実施されるので、その結果、抽出蒸発段階で減圧を使用する場合のような非耐熱性生成物の劣化または微細球の破断などの問題が避けられる。
本発明の他の特徴によれば、第1エマルジョンの各相間の比率が1:100乃至25:100の範囲内にある。
本発明の本質的目的の1つは、微細球の製造のため低分子量ポリラクチドとポリラクチド−コ−グリコリドとの比率を調整する事により活性成分の放出を調節するにある。この調節方式は再現容易である。
放出の再現性を保証するためには(実施例3参照)、ポリマーマトリックス中においてコポリマーと調節剤との割合が保持される事が重要である。NMRテストにより、含有される低分子量ポリラクチドの理論パーセントと発見された実際パーセントとの間に線形関係の存在する事が発見された。低分子量ポリラクチドの各レベル(10%乃至90%)について得られた結果は再現可能である(実施例4参照)。
実施例 1
1mlの精製された水の中に20mgのタートラジンを溶解する。この溶液を、超音波処理装置の中で、CHCl3中の約0.4dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマーと、増大量の放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)との混合物15%を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。第1エマルジョンが形成された時、4%のポリビニルピロリドンと0.25%のポリオキシエチレンソルビタン モノオレエートとを含む1000mlの水溶液の中で、90秒間プロペラ型パドルを使用して撹拌する事により順に前記の第1エマルジョンを乳化する。その後、懸濁液を連続蒸発システム中を通過させる。この蒸発システムは適当長の傾斜を有し、この傾斜上を微細球の懸濁液が薄層を成して流れる。この微細球を濾過によって回収し、精製された水で洗浄し、凍結乾燥によって乾燥する。
この方法において微細球は下記の割合の低分子量ポリラクチドを使用して製造された。
Figure 0004073478
pH7.4、温度37℃のリン酸塩緩衝液中に微細球から放出されたタートラジンのパーセント(2または2以上の値の平均)は下記である。
Figure 0004073478
実施例 2
1mlの精製された水の中に20mgのタートラジンを溶解する。この溶液を、超音波処理装置の中で、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマーと、増大量の放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)との混合物20%を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。
この方法において微細球は下記の割合の低分子量ポリラクチドを使用して製造された。
Figure 0004073478
pH7.4、温度37℃のリン酸塩緩衝液中に微細球から放出されたタートラジンのパーセント(2または2以上の値の平均)は下記である。
Figure 0004073478
実施例 3
実施例1と実施例2の3配合物の試験管中放出の再現性テスト。
pH7.4、温度37℃のリン酸塩緩衝液中に微細球から放出されたタートラジンのパーセント(2または2以上の値の平均)は下記である。
Figure 0004073478
実施例 4
実施例1と実施例2に記載の方法によって製造された微細球マトリックスから成るポリマー混合物の再現性のNMRテスト。
Figure 0004073478
理論PLA%の関数としての実際PLA%の統計的関連値の変動を第1図のダイヤグラムに示す。
実施例 5
サケ・カルシトニンを活性成分として使用する実施例1の方法による微細球の製造。
実施例5.1
7.5mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.4dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー1500mgを含有する10mlの塩化メチレンの中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。
レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は16.8μmである。効率は92.5%である。
実施例5.2
7.5mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.4dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー1050mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)450mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は22.9μmである。効率は102.5%である。クリオフラクチャーによって選択された微細球の走査電子顕微鏡による写真を第2図に示す。
実施例5.3
7.5mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.4dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー900mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)600mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は17.6μmである。効率は98.5%である。
実施例5.4
10mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー2000mgを含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は30.4μmである。効率は92.6%である。
実施例5.5
10mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー1400mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)600mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は36.2μmである。効率は106.5%である。
実施例5.6
10mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー1200mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)800mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は39.8μmである。効率は86.4%である。
実施例5.7
51mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー1200mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)800mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレンの中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は32.2μmである。効率は109.4%である。
実施例5.8
サケ・カルシトニンの12.5%の濃度の10μlの溶液を、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー2250mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)250mgとを含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で超音波処理装置によって乳化する。第1エマルジョンが形成された時、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから成る300mlの水溶液の中で、3分間、ウルトラタラックス・ホモジナイザーを使用して前記の第1エマルジョンを乳化する。その後、懸濁液を連続蒸発システム中を通過させる。この蒸発システムは適当長の傾斜を有し、この傾斜上を微細球の懸濁液が薄層を成して流れ、この微細球を凍結乾燥によって乾燥する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は8μmである。効率は72.4%である。
実施例5.9
7.5mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.4dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー150mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)1350mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は19.7μmである。効率は95.3%である。
実施例5.10
10mgのサケ・カルシトニンを1mlの精製された水の中に溶解し、CHCl3中の約0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50コポリマー200mgと、放出調節剤、分子量2000のポリ(dl−ラクチド)1800mgとの混合物を含有する10mlの塩化メチレン溶液の中で乳化する。微細球の製造のために実施例1と同様の手順を実施する。レーザ光散乱によって得られた面積あたりの平均粒径は133.1μmである。効率は98.5%である。
実施例 6
CHCl3中の0.4dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50のコポリマーマトリックスの中に含まれる分子量2000のポリ(dl−ラクチド)の量の増大がサケ・カルシトニン試験管内放出に与える効果。
pH7.4、温度37℃のリン酸塩緩衝液中に微細球から放出されたタートラジンのパーセント
Figure 0004073478
CHCl3中の0.2dl/gの固有粘度を有するポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)50:50のコポリマーマトリックスの中に含まれる分子量2000のポリ(dl−ラクチド)の量の増大がサケ・カルシトニン試験管内放出に与える効果。
pH7.4、温度37℃のリン酸塩緩衝液中に微細球から放出されたタートラジンのパーセント
Figure 0004073478
最後に、追加例として、本発明による方法によって製造された微細球の中に含まれて下表の放出時間を示す二、三の活性成分を下表に示す。
Figure 0004073478

Claims (18)

  1. 少なくとも1つの水溶性活性成分の制御された放出を生じる微細球の形の薬剤組成物の製法において、
    −適当量の水の中に活性成分を溶解する段階と、
    分子量が1000乃至10,000の範囲内にある低分子量ポリラクチドから成る放出調節剤を追加的に含むdl−ラクチド−コ−グリコリド型の少なくとも1つのマトリックスコポリマーの塩素化炭化水素中の溶液をもって、前記のようにして得られた活性成分の水溶液を乳化して、第1超微細均質エマルジョンを得る段階と、
    −界面活性剤を含む外部水相の中で前記の第1エマルジョンを乳化する段階と、
    −溶剤を抽出−蒸発させて微細球を生じ、この微細球を濾過、洗浄および乾燥後に回収する段階とを含む方法。
  2. 前記活性成分が下記物質:カルシトニン、バソプレシン、ソマトスタチン、成長ホルモン、プロラクチン、黄体刺激ホルモン、オキシトシン、セクレチン、サルブタモール、ゲンタミシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、アミカシン、サリチル酸ナトリウム、ジクロフェナック・ナトリウム、アモキシシリン、アンピシリン、ナプロキセン・ナトリウム、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンデシン、メトトレキサート、シスプラチン、カルムスチン、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、イフォスファミドおよびその誘導体から選定される事を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記マトリックスコポリマーの中において、ラクチド/グリコリド比が75:25乃至50:50の範囲内にある事を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. マトリックスコポリマーの分子量が10,000乃至250,000の範囲内にある事を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. マトリックスコポリマーの分子量が12,000乃至34,000の範囲内にある事を特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 調節ポリラクチドの分子量が2000ある事を特徴とする請求項に記載の方法。
  7. マトリックスコポリマーと調節ポリラクチドとの比率が10:90乃至90:10の範囲内にある事を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  8. マトリックスコポリマーと調節ポリラクチドとの比率が50:50乃至90:10の範囲内にある事を特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 活性成分を保持するための任意物質またはエマルジョンを安定化する任意試剤を添加する事なく、または粘度を増大するためのなんらかの操作を実施する事なく、水溶性活性成分を水中に溶解して内部水相を形成する段階と、前記コポリマーと、ポリラクチドの低分子量ホモポリマーから成る前記放出調節剤と、前記塩素化炭化水素とを含む有機相の中で前記内部水相を乳化して、第1(W/O)エマルジョンを形成する段階と、界面活性剤を含有する第3水相に対して前記第1エマルジョンを添加して第2(W/O/W)エマルジョンを形成する段階と、溶剤を常温大気圧で急速に除去して微細球を形成する段階とを含む事を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  10. 前記第1エマルジョンは超微細で均質である事を特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 第1エマルジョンの水相と有機相との比率が1:100乃至25:100の範囲内にある事を特徴とする請求項に記載の方法。
  12. 前記溶剤は、微細球の懸濁液が薄層を成して流れように成された特定長さの傾斜から成る連続蒸発システムを使用して常温大気圧で急速除去される事を特徴とする請求項に記載の方法。
  13. 前記塩素化炭化水素は塩化メチレンである事を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記界面活性剤はポリビニルピロリドンとポリオキシエチレンソルビタン モノオレエートとの混合物である事を特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の方法を実施する事によって得られた微細球。
  16. 250μmまたはこれ以下の粒径を有する事を特徴とする請求項15に記載の微細球。
  17. 125μmまたはこれ以下の粒径を有する事を特徴とする請求項16に記載の微細球。
  18. 50μmまたはこれ以下の粒径を有する事を特徴とする請求項16に記載の微細球。
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