JPWO2007099732A1 - 磁気記録媒体用基板、その製造方法、及び磁気記録媒体用基板の金型 - Google Patents

磁気記録媒体用基板、その製造方法、及び磁気記録媒体用基板の金型 Download PDF

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義治 正木
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秀樹 河合
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Abstract

表面からのばりの突出を防止し、平滑性が良好な磁気記録媒体用基板を提供する。前記磁気記録媒体用基板は円盤状の形状を有する樹脂製基板であり、その外周端部に、外側に向かって徐々に薄くなるテーパ部が形成され、さらに、前記テーパ部の外側に、平坦であって他の部分よりも薄い平坦部が形成されている。この形状を有することにより、前記磁気記録媒体用基板の製造時に前記平坦部でばりが発生しても、そのばりが表面(データ面)から突出することがないため、平滑性が良好な基板が得られる。

Description

本発明は、磁気ディスク記録装置の基板に用いられ、特に樹脂により構成される磁気記録媒体用基板、その製造方法、及び磁気記録媒体用基板の金型に関する。
コンピュータなどに用いられる磁気ディスク記録装置には、従来からアルミニウム基板又はガラス基板が用いられている。そして、この基板上に金属磁気薄膜が形成され、金属磁気薄膜を磁気ヘッドで磁化することにより情報が記録される。
例えばアルミニウム基板を用いる場合、アルミニウム板をプレス成形して円盤状にした後、表面に対して高精度の研削・研磨加工及び洗浄工程を施すことにより、表面を平滑化し、続いて、めっき処理を施すことによりニッケル−リン(Ni−P)合金を基板の表面に形成する。その後、研磨加工、テクスチャー加工を施し、さらにスパッタリングによりCo系合金の磁性層を形成することで磁気記録媒体を製造している。
また、ガラス基板を用いる場合、ガラス素材を溶融し、溶融したガラスをプレス成形し、円盤状のガラス基板を作製する。そして、ガラス基板の表面に対して高精度の研削・研磨加工及び洗浄工程を施すことにより、表面を平滑化した後、アルカリの溶融塩によるイオン交換によって表面を化学強化処理し、精密洗浄工程を経た後、テクスチャー加工を施し、さらにスパッタリングにより磁性層を形成することで磁気記録媒体を製造している。
磁気記録媒体に記憶された磁気記録情報を読み取るための磁気ヘッドは、磁気記録媒体に対してその表面から浮上した状態で移動するように構成されている。磁気記録媒体の表面に凹凸が存在すると、磁気ヘッドが移動するときにこれらの凹凸と磁気ヘッドとが衝突し、磁気ヘッドの損傷、磁気記録媒体の傷つき等の不具合が生じるおそれがあるため、基板表面には高い平滑性が要求される。
ところで、磁気記録媒体用基板としてプラスチック基板などの樹脂製基板を採用し、その樹脂製基板に磁性層を形成することで磁気記録媒体を製造する試みがなされている。
金型を用いて樹脂製基板を製造する場合、金型から樹脂がはみ出して固まることによりばりが発生する場合がある。基板の表面又は裏面に直交する方向にばりが突出していると、磁気ヘッドの走行を阻害するおそれがあるため、表面又は裏面に平行な方向にばりを発生させる必要がある。
また、磁気記録媒体には磁気ヘッドの追従性が要求され、磁気記録媒体用基板には高い平滑性が要求される。そのため、磁気記録媒体に用いられる樹脂製基板の製造方法として、プレス成形と称される成形方法が採用されている(例えば特許文献1)。この方法について図5を参照して説明する。図5は、従来技術に係る樹脂製基板の製造方法を説明するための図であり、図5(a)は樹脂製基板を製造するための金型の断面図であり、図5(b)はその金型によって製造された樹脂製基板の断面図である。
図5(a)に示すように、樹脂製基板を成形するためのディスク成形金型は、固定金型100と可動金型101とを備え、型締装置によって可動金型101を固定金型100に対して接離させることにより、型閉じ、型締め及び型開きを行うようになっている。なお、説明を簡便に行うために、図5(a)には固定金型100などの金型の片側を示している。キャビリング102は、充填時にキャビティ空間103に樹脂が充填されるのに伴って、キャビティ空間103内の樹脂が漏れるのを防止し、さらに、樹脂製基板の外周を形成する。そして、型締状態において、図示しない射出ノズルから射出された樹脂は、スプルー104を通って、固定金型100と可動金型101との間に形成されたキャビティ空間103に充填され、基板の原型が形成される。続いて、基板原型に対して穴空け工程が施され、図5(b)に示す樹脂製基板105が作製される。なお、説明を簡便に行うために、図5(b)には、中央Oを境にして樹脂製基板105の片側を示している。
しかしながら、上記特許文献1に記載のディスク成形金型によると、成形された樹脂製基板の表面又は裏面にばりが発生し、そのばりが表面又は裏面から突出する場合がある。例えば、可動金型101とキャビリング102との間に樹脂がはみ出して固まることにより、図5(b)に示すように、表面106に直交する方向(図中、ばり発生方向A)に伸びるばり107が発生し、表面106からばり107が突出する場合がある。また、固定金型100とキャビリング102との間に樹脂がはみ出して固まることにより、裏面108に平行な方向(図中、ばり発生方向B)にばり109が発生し、樹脂製基板105の端面からばり109が突出する場合がある。
そして、ばり107が突出している表面106をデータ面とした場合、その表面106に直交する方向にばり107が突出しているため、高い平滑性が得られず、磁気ヘッドの走行を阻害するおそれがある。
発生したばりを成形後に機械的な加工方法によって除去することは可能であるが、機械的なダメージによってばり周辺のデータ面に損傷を与え、基板特性の劣化が発生するおそれがある。さらに、ばりそのものから発生される発塵によって基板表面の清浄性を損なうことも考えられる。
また、最外周の端部をテーパ状にした樹脂製基板が知られているが(例えば特許文献2)、この形状の樹脂製基板では、プレス成型をする場合に金型から樹脂が漏れてしまうおそれがある。
特開2001−30304号公報 特開平5−4231号公報
この発明は上記の問題に解決するものであり、表面から突出するばりの発生を防止し、平滑性が良好な磁気記録媒体用基板、その製造方法、及び磁気記録媒体用基板の金型を提供することを目的とする。
この発明の第1の形態は、円盤状の形状を有する樹脂製基板の外周端部に、外側に向かって徐々に薄くなる第1のテーパ部が形成され、第1のテーパ部の終端から前記樹脂製基板の外周端まで平坦であって他の部分よりも薄い平坦部が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板である。ここで情報を記録するデータ面と第1のテーパ部とは連続する曲面で結ばれても良い。
この発明の第2の形態は、第1の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、第1のテーパ部と平坦部は、樹脂製基板の一方の面に形成されていることを特徴とするものである。
この発明の第3の形態は、第1の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、第1のテーパ部が形成されている反対側の面に、樹脂製基板の外周端まで徐々に薄くなる第2のテーパ部が形成され、平坦部は少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とするものである。ここで第1のテーパ部と平坦部および平坦部と第2のテーパ部とは連続する曲面で結ばれても良い。
この発明の第4の形態は、平坦な面を有する第1の金型と、第1の金型の平坦な面に対向して配置され、第1の金型との間隔が狭まる方向に傾斜する第3のテーパ部が端部に形成され、第3のテーパ部の終端から端まで平坦な面を有する平担部が形成された第2の金型と、によって囲まれるキャビティ空間に樹脂を充填することにより磁気記録媒体用基板を製造し、その後、第2の金型を前記第1の金型から離れる方向に移動させることで磁気記録媒体用基板を取り出すことを特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法である。
この発明の第5の形態は、第4の形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法であって、第1の金型は、第2の金型との間隔が狭まる方向に端まで傾斜する第4のテーパ部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明の第6の形態は、平坦な面を有する第1の金型と、第1の金型の平坦な面に対向して配置された第2の金型と、を有し、第1の金型と第2の金型とで囲まれるキャビティ空間に樹脂が充填される磁気記録媒体用基板の金型であって、第2の金型は、第1の金型との間隔が狭まる方向に傾斜する第3のテーパ部が端部に形成され、第3のテーパ部の終端から端まで平坦な面を有する平坦部が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板の金型である。
この発明の第7の形態は、第6の形態に係る磁気記録媒体用基板の金型であって、第1の金型は、第2の金型との間隔が狭まる方向に端まで傾斜する第4のテーパ部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によると、表面から突出するばりの発生を防止することができるため、平滑性が良好な磁気記録媒体用基板を提供することが可能となる。
この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の断面図である。 この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図であり、図2(a)は金型の断面図、図2(b)は磁気記録媒体用基板の断面図である。 この発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の断面図である。 この発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図であり、図4(a)は金型の断面図、図4(b)は磁気記録媒体用基板の断面図である。 従来技術に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図であり、図5(a)は金型の断面図、図5(b)は磁気記録媒体用基板の断面図である。
符号の説明
1、20 磁気記録媒体用基板
2、21 表面
3、22、25 テーパ部
4、23 平担部
5、24 裏面
6、26 孔
7、27、28 ばり
10、30 固定金型
11、31 可動金型
11A、30A、31A テーパ部
11B、31B 平担部
12、32 キャビリング
13、33 キャビティ空間
14、34 スプルー
[第1の実施の形態]
この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板について図1及び図2を参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の断面図である。図2は、この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図であり、図2(a)は金型の断面図、図2(b)は磁気記録媒体用基板の断面図である。
図1に示すように、磁気記録媒体用基板1は円盤状の形状を有し、基板の中央Oに孔6が形成されている。この磁気記録媒体用基板1は非磁性材料により構成されており、この実施形態では、非磁性材料の1例として樹脂を用いた場合について説明する。なお、説明を簡便に行うために、図1には、中央Oを境にして磁気記録媒体用基板1の片側を示している。
磁気記録媒体用基板1は、磁性層が形成される表面2の外周端部に、外側に向かって傾斜することで基板の厚さが徐々に薄くなるテーパ部3が形成され、そのテーパ部3の終端から基板の外周端まで平坦であって、厚さが他の部分よりも薄い平坦部4が形成されている。このテーパ部3がこの発明の「第1のテーパ部」に相当する。この実施形態では、表面2がデータ面となり、テーパ部3が形成されている部分よりも内側の領域が記録領域となる。このように、データ面(表面2)の端部にテーパ部3と平坦部4が形成されることにより、データ面(表面2)の端部には窪みが形成されることになる。その窪みにより、磁気記録媒体用基板1の製造時において基板の端部にばりが発生しても、そのばりはデータ面(表面2)から突出することがないため、磁気記録媒体用基板1の平滑性を良好にすることが可能となる。なお、テーパ部3は、直線状に形成されていても良く、曲線状に形成されていても良い。
次に、磁気記録媒体用基板1の材料について説明する。磁気記録媒体用基板1には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性線硬化性樹脂の他、様々な樹脂を用いることができる。
例えば、磁気記録媒体用基板1には、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリカーボネイト、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)、環状ポリオレフィン樹脂、メタクリルスチレン樹脂(MS樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)、ABS樹脂、ポリエステル樹脂(PET樹脂、PBT樹脂など)、ポリオレフィン樹脂(PE樹脂、PP樹脂など)、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、又は、アクリル樹脂などを用いることができる。また、熱硬化性樹脂として、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂(BMC樹脂など)、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又は、ポリベンゾイミダゾール樹脂などを用いることができる。その他、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)などを用いることができる。
活性線硬化性樹脂として、例えば、紫外線硬化性樹脂が用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、紫外線硬化シリコン系樹脂、又は、紫外線硬化アクリル樹脂などを挙げることができる。
また、塗説された硬化前の層に活性線を照射することによって硬化するときに、光開始剤を用いて硬化反応を促進させることが好ましい。このとき光増感剤を併用しても良い。
また、空気中の酸素が上記硬化反応を抑制する場合は、酸素濃度を低下させる、または除去するために、例えば不活性ガス雰囲気下で活性線を照射することもできる。活性線としては、赤外線、可視光、紫外線などを適宜選択することができるが、特に紫外線を選択することが好ましいが、特に限定されるものではない。また、活性線の照射中、または前後に加熱によって硬化反応を強化させても良い。
さらに、磁気記録媒体用基板1には、液晶ポリマー、有機/無機ハイブリッド樹脂(例えば、高分子成分にシリコンを骨格として取り込んだもの)などを用いても良い。なお、上記に挙げた磁気記録媒体用基板1に用いられる樹脂の一例であり、この発明に係る基板がこれらの樹脂に限定されることはない。2種以上の樹脂を混合して樹脂製の基板としても良く、また、別々の層として異なる成分を隣接させて基板としても良い。
磁気記録媒体用基板1の製造方法は、磁気記録媒体用基板1の形状に対応した形状を有する金型を用いて、射出成形法、注型成形法、シート成形法、射出圧縮成形法、又は圧縮成形法などの成形法によって作製することができる。さらに、必要に応じて、成形した基板をカッティングし、打ち抜き、又はプレス成形を行って磁気記録媒体用基板1を製造しても良い。
ここで、磁気記録媒体用基板1の製造方法の1例について図2を参照して説明する。図2(a)に示すように、磁気記録媒体用基板1を成形するためのディスク成形金型は、固定金型10と可動金型11とを備え、型締装置によって可動金型11を固定金型10に対して接離させることにより、型閉じ、型締め及び型開きを行うようになっている。固定金型10が、この発明の「第1の金型」に相当し、可動金型11が、この発明の「第2の金型」に相当する。なお、説明を簡便に行うために、図2(a)には固定金型10などの金型の片側を示している。キャビリング12は、充填時にキャビティ空間13に樹脂が充填されるのに伴って、キャビティ空間13内の樹脂が漏れるのを防止し、さらに、樹脂製基板の外周を形成する。
可動金型11には、最外周の端部にテーパ部11Aと平坦部11Bとが形成されている。テーパ部11Aは、固定金型10との間隔が狭まる方向に傾斜している。そのテーパ部11Aの終端から端まで平坦な面を有する平坦部11Bが形成されている。なお、このテーパ部11Aがこの発明の「第3のテーパ部」に相当する。テーパ部11Aが形成されている部分においては、固定金型10と可動金型11との間のキャビティ空間13が外側に向かって徐々に狭くなっている。平坦部11Bが形成されている部分においては、固定金型10と可動金型11との間のキャビティ空間13の幅は一定だが、他の部分と比べて、キャビティ空間13は狭くなっている。テーパ部11Aと平担部11Bの形状は、成形によって形成すべき磁気記録媒体用基板1の最外周端部の形状に対応している。
そして、型締状態において、図示しない射出ノズルから射出された樹脂は、スプルー14を通って、固定金型10と可動金型11との間に形成されたキャビティ空間13に充填され、基板の原型が形成される。続いて、基板原型に対して穴空け工程が施され、図2(b)に示す磁気記録媒体用基板1が作製される。なお、説明を簡便に行うために、図2(b)には、中央Oを境にして磁気記録媒体用基板1の片側を示している。
以上のように、最外周端部にテーパ部11Aと平坦部11Bとが形成された可動金型11を用いることで、最外周端部にテーパ部3と平坦部4が形成された磁気記録媒体用基板1が作製されることになる。
成形後の磁気記録媒体用基板1には、図2(b)に示すように、平坦部4にばり7が発生する場合がある。このばり7は、表面2に直交する方向(ばり発生方向A)に伸びている。しかしながら、平坦部4は他の部分と比べて薄くなっているため、ばり7は表面2から突出することがない。つまり、ばり7は、表面2に形成された窪みの幅(d3+d4)よりも狭い範囲内に発生し、そのばり7の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり7は表面2から突出することがない。換言すれば、窪みの幅(d3+d4)を、ばり7が発生する範囲よりも広くし、窪みの深さ(d1−d2)を、ばり7の高さよりも深くすることで、表面2からのばり7の突出を防止することができる。従って、表面2をデータ面としても、ばり7が表面2から突出していないため、表面2を平滑面に維持することができ、磁気ヘッドの追従性が損なわれない磁気記録媒体用基板1を製造することが可能となる。
また、上記射出成形法などにより磁気記録媒体用基板1を成形することで、磁気記録媒体用基板1の内径の寸法、外径の寸法、内周端部の形状、又は外周端部の形状の少なくとも1つを同時に形成することができる。つまり、磁気記録媒体用基板1の内径の寸法や外径の寸法に合わせて、射出成形法などに用いられる金型を作製し、その金型を用いることで、内径寸法や外径寸法が樹脂成形時に完成されることになる。また、磁気記録媒体用基板1の内周端部の形状や外周端部の形状に合わせて、金型を作製し、その金型を用いることで、内周端部の形状や外周端部の形状が樹脂成形時に形成されることになる。
この磁気記録媒体用基板1を用いて磁気記録媒体を作製する場合、磁気記録媒体用基板1の表面上にスパッタリングなどによりCo系合金などの磁性層を形成して磁気記録媒体とする。また、磁気記録媒体用基板1の表面上に被覆層を形成し、その被覆層の上に磁性層を形成しても良い。
被覆層には、金属層、セラミック層、磁性層、ガラス層、又は、無機層と有機層との複合層(ハイブリッド層)が用いられる。被覆層の具体的な成分として、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Ti(チタン)、P(リン)、Co(コバルト)、Si(シリコン)、Sn(錫)又はPd(パラジウム)などが含まれる。
被覆層は、電気めっき又は化学めっきなどのめっき法によって基板表面上に形成することが可能である。その他、スパッタリング、真空蒸着、又はCVD法などによっても形成することが可能である。また、バーコート法、ディップコート(浸漬引き上げ)法、スピンコート法、スプレー法、又は印刷法などの塗布法も用いることができる。
また、母材としての樹脂は、極力、耐熱温度又はガラス転移温度Tgが高い方が望ましい。磁気記録媒体用基板1にはスパッタリングにより磁性層が形成されるため、耐熱温度又はガラス転移温度Tgは、そのスパッタリングにおける温度以上であることが望ましい。例えば、耐熱温度又はガラス転移温度Tgが150℃以上である樹脂を用いることが望ましく、さらに耐熱温度又はガラス転移温度Tgが200℃以上である樹脂を用いることがより望ましい。
ガラス転移温度Tgが200℃以上の代表的な樹脂として、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、BMC樹脂、又は、液晶ポリマーなどが挙げられる。より具体的には、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)として、ユーデル(ソルベイアデバンストポリマーズ)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)として、ウルテム(日本GEプラスチック)、ポリアミドイミド樹脂として、トーロン(ソルベイアデバンストポリマーズ)、ポリイミド樹脂(熱可塑性)として、オーラム(三井化学)、ポリイミド(熱硬化性)として、ユーピレックス(宇部興産)、又は、ポリベンゾイミダゾール樹脂として、PBI/Celazole(クラリアントジャパン)が挙げられる。また、液晶ポリマーとして、スミカスーパーLCP(住友化学)、ポリエーテルエーテルケトンとして、ビクトレックス(ビクトレックスMC)が挙げられる。なお、樹脂材料は必要に応じて、カーボン、ガラス、セラミックス等のフィラー剤を添加して使用しても良く、また2種類以上の樹脂を混合し複合化して使用しても良い。
また、磁気記録媒体用基板1として、吸湿による基板の寸法変化による磁気ヘッドとの位置ずれを防ぐために、吸湿性が少ない樹脂を用いることが望ましい。吸湿性の少ない樹脂の代表としては、ポリカーボネイトや環状ポリオレフィン樹脂がある。
なお、基板は単一の樹脂で構成されている方が、製造工程をより簡略化できるという効果があるため、好ましい。
[第2の実施の形態]
この発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板について図3及び図4を参照して説明する。図3は、この発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の断面図である。図4は、この発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図であり、図4(a)は金型の断面図、図4(b)は磁気記録媒体用基板の断面図である。
磁気記録媒体用基板20は、表面21の外周端部に、外側に向かって傾斜することで基板の厚さが徐々に薄くなるテーパ部22が形成され、そのテーパ部22の終端から基板の外周端まで平坦な平坦部23が形成されている。さらに、裏面24の外周端部に、外周端まで傾斜することで基板の厚さが徐々に薄くなるテーパ部25が形成されている。表面21に平坦部23が形成され、裏面にテーパ部25が形成されていることで、外側に向かって徐々に基板の厚さが薄くなっている。なお、テーパ部22がこの発明の「第1のテーパ部」に相当し、テーパ部25がこの発明の「第2のテーパ部」に相当する。
この実施形態では、表面21と裏面24の両面をデータ面とすることができる。表面21については、テーパ部22が形成されている部分よりも内側の領域が記録領域となり、裏面24については、テーパ部25が形成されている部分よりも内側の領域が記録領域となる。このように、表面21の端部にテーパ部22と平坦部23が形成されることにより、表面21の端部には窪みが形成されることになる。その窪みにより、磁気記録媒体用基板20の製造時において基板の端部にばりが発生しても、そのばりはデータ面(表面21)から突出することがないため、磁気記録媒体用基板20の平滑性を良好にすることが可能となる。なお、テーパ部22は、直線状に形成されていても良く、曲線状に形成されていても良い。
また、裏面24の端部にテーパ部25が形成されることにより、裏面24の端部には窪みが形成されることになる。その窪みにより、磁気記録媒体用基板20の製造時において基板の端部にばりが発生しても、そのばりは基板の端面から突出することがない。なお、テーパ部25は、直線状に形成されていても良く、曲線状に形成されていても良い。
また、この第2の実施形態では、裏面24には外周端まで傾斜するテーパ部25が形成されているが、裏面24についても、表面21と同様に、端部にテーパ部を形成し、そのテーパ部の終端から基板の外終端まで平坦な平坦部を形成しても良い。
なお、磁気記録媒体用基板20の材料は、第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板1と同様に樹脂が用いられる。
次に、磁気記録媒体用基板20の製造方法について図4を参照して説明する。図4(a)に示すように、磁気記録媒体用基板20を成形するためのディスク成形金型は、固定金型30と可動金型31とを備え、型締装置によって可動金型31を固定金型30に対して接離させることにより、型閉じ、型締め及び型開きを行うようになっている。固定金型30が、この発明の「第1の金型」に相当し、可動金型31が、この発明の「第2の金型」に相当する。なお、説明を簡便に行うために、図4(a)には固定金型30などの金型の片側を示している。キャビリング32は、充填時にキャビティ空間33に樹脂が充填されるのに伴って、キャビティ空間33内の樹脂が漏れるのを防止し、さらに、樹脂製基板の外周を形成する。
可動金型31には、最外周の端部にテーパ部31Aと平坦部31Bとが形成されている。テーパ部31Aは、固定金型10との間隔が狭まる方向に傾斜している。そのテーパ部31Aの終端から端まで平坦な面を有する平坦部11Bが形成されている。なお、このテーパ部31Aがこの発明の「第3のテーパ部」に相当する。テーパ部31Aが形成されている部分においては、固定金型30と可動金型31との間のキャビティ空間33が外側に向かって徐々に狭くなっている。また、固定金型30には、最外周の端部にテーパ部30Aが形成されている。テーパ部30Aは、移動金型31との間隔が狭まる方向に端まで傾斜している。なお、テーパ部30Aがこの発明の「第4のテーパ部」に相当する。平坦部31Bとテーパ部30Aが形成されている部分においては、固定金型30と可動金型31との間のキャビティ空間33が外側に向かって徐々に狭くなっている。テーパ部30A、テーパ部31A、平坦部31Bの形状は、成形によって形成すべき磁気記録媒体用基板20の最外周端部の形状に対応している。
そして、型締状態において、図示しない射出ノズルから射出された樹脂は、スプルー34を通って、固定金型30と可動金型31との間に形成されたキャビティ空間33に充填され、基板の原型が形成される。続いて、基板原型に対して穴空け工程が施され、図4(b)に示す磁気記録媒体用基板20が作製される。なお、説明を簡便に行うため、図4(b)には、中央Oを境にして磁気記録媒体用基板20の片側を示している。
以上のように、最外周端部にテーパ部31Aと平坦部31Bとが形成された可動金型31を用いることで、表面21の最外周端部にテーパ部22と平坦部23を形成することができる。また、最外周端部にテーパ部25が形成された固定金型30を用いることで、裏面24の最外周端部にテーパ部25を形成することができる。
成形後の磁気記録媒体用基板20には、図4(b)に示すように、平坦部23にばり27が発生する場合がある。このばり27は、表面21に直交する方向(ばり発生方向A)に伸びている。しかしながら、平坦部23は他の部分と比べて薄くなっているため、ばり27は表面21から突出することがない。つまり、ばり27は、表面21に形成された窪みの幅(d3+d4)よりも狭い範囲内に発生し、そのばり27の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり27は表面21から突出することがない。換言すれば、窪みの幅(d3+d4)を、ばり27が発生する範囲よりも広くし、窪みの深さ(d1−d2)を、ばり27の高さよりも深くすることで、表面21からのばり27の突出を防止することができる。このように、表面21をデータ面としても、ばり27が表面2から突出していないため、表面21を平滑面に維持することができ、磁気ヘッドの追従性が損なわれない磁気記録媒体用基板20を製造することが可能となる。
また、成形後の磁気記録媒体用基板20には、図4(b)に示すように、テーパ部25にばり28が発生する場合がある。このばり28は、裏面24に平行な方向(ばり発生方向B)に伸びている。しかしながら、裏面24にテーパ部25が形成されているため、ばり28は基板の端面から突出することがない。つまり、ばり28の高さは、裏面に形成されたテーパ部25の幅d3よりも低いため、ばり28は基板の端面から突出することがない。換言すれば、テーパ部25の幅d3を、ばり28の高さよりも広くすることで、端面からのばり28の突出を防止することができる。
[実施例]
次に、この発明の実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
この実施例1では、上記第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板1の具体例について説明する。この実施例1では、図2に示す金型を用いて磁気記録媒体用基板1を製造し、その磁気記録媒体用基板1に発生するばりを観察した。
(磁気記録媒体用基板1の成形)
基板の材料としてポリイミドを用い、図2に示す金型を用いて磁気記録媒体基板1を製造した。ポリイミドとして、オーラム(三井化学社製)を用いた。金型の温度は190℃で成形した。磁気記録媒体用基板1の寸法を以下に示す。
外径:27.4[mm]
厚さd1:0.5[mm]
平坦部4の厚さd2:0.4[mm]
平坦部4の幅d3:0.5[mm]
テーパ部3の幅d4:0.5[mm]
表面2に形成された窪みの深さ(d1−d2):0.1[mm]
表面2に形成された窪みの幅(d3+d4):1.0[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の磁気記録媒体用基板1に発生したばり7を観察し、ばり7が表面2から突出しているか否かを確認した。平坦部4に0.01〜0.03[mm]のばり7が発生したが、そのばり7は表面2から突出することなく、窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり7の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり7は表面2から突出しなかったことになる。
なお、この実施例1では樹脂製の基板2の材料としてポリイミドを用いたが、上記実施形態で挙げた他の樹脂を用いても同様の効果を奏することができる。
(実施例2)
この実施例2では、実施例1と同様に第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板1の具体例について説明する。この実施例2では、図2に示す金型を用いて磁気記録媒体用基板1を製造し、その磁気記録媒体用基板1に発生するばりを観察した。なお、この実施例2に係る磁気記録媒体用基板1の材料には、実施例1と同じ樹脂(ポリイミド)を用いた。金型の温度は190℃で成形した。
(磁気記録媒体用基板1の寸法)
外径:21.6[mm]
厚さd1:0.4[mm]
平坦部4の厚さd2:0.2[mm]
平坦部4の幅d3:0.2[mm]
テーパ部3の幅d4:0.1[mm]
表面2に形成された窪みの深さ(d1−d2):0.2[mm]
表面2に形成された窪みの幅(d3+d4):0.3[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の磁気記録媒体用基板1に発生したばり7を観察し、ばり7が表面2から突出しているか否かを確認した。平坦部4に0.01〜0.03[mm]のばり7が発生したが、そのばり7は表面2から突出することなく、窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり7の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり7は表面から突出しなかったことになる。
(実施例3)
この実施例3では、実施例1と同様に第1の実施形態に係る磁気記録媒体用基板1の具体例について説明する。この実施例3では、図2に示す金型を用いて磁気記録媒体用基板1を製造し、その磁気記録媒体用基板1に発生するばりを観察した。なお、この実施例3に係る磁気記録媒体用基板1には、実施例1と同じ樹脂(ポリイミド)を用いた。金型の温度は190℃で成形した。
(磁気記録媒体用基板1の寸法)
外径:25.0[mm]
厚さd1:0.6[mm]
平坦部4の厚さd2:0.4[mm]
平坦部4の幅d3:0.2[mm]
テーパ部3の幅d4:0.2[mm]
表面2に形成された窪みの深さ(d1−d2):0.2[mm]
表面2に形成された窪みの幅(d3+d4):0.4[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の磁気記録媒体用基板1に発生したばり7を観察し、ばり7が表面2から突出しているか否かを確認した。平坦部4に0.01〜0.03[mm]のばり7が発生したが、そのばり7は表面2から突出することなく、窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり7の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり7は表面2から突出しなかったことになる。
(比較例)
次に、実施例1から実施例3に対する比較例について説明する。この比較例では、図5に示す金型を用いて樹脂製基板105を製造し、その樹脂製基板105に発生するばりを観察した。なお、この比較例1に係る樹脂製基板105には、実施例1と同じ樹脂(ポリイミド)を用いた。
(樹脂製基板105の寸法)
外径:25.4[mm]
厚さ:0.4[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の樹脂製基板105に発生したばり107を観察した。この比較例1においては、図5(b)に示すように、表面106の端部にばり107が発生し、そのばり107は表面106から突出していることが確認された。このように、ばり107が表面106(データ面)から突出することで、高い平滑性が得られず、その結果、磁気ヘッドの走行を阻害することになる。
以上のように、実施例1から実施例3に係る磁気記録媒体用基板1によると、ばり7が表面2から突出することを防止することが可能となるため、平滑性が良好な磁気記録媒体用基板を提供することが可能となる。
また、上記結果から、表面2に形成された窪みの深さ(d1−d2)は、ばりの長さから安全性を考慮して、0.05〜(1/2)d1[mm]とし、平坦部4の厚さd2は金型強度を考慮して、0.2〜(d1−0.05)[mm]とすることが好ましい。ここでは窪みの深さ(d1−d2)を0.1〜0.3[mm]としている。
また、テーパ部3と平坦部4とによって形成される窪みの幅(d3+d4)は、記録領域が広く取れるため、なるべく短いことが好ましいが、金型強度を考慮すると、(3/2)×(d1−d2)[mm]以上とすることが好ましい。ここでは、0.3〜1.0[mm]としている。
(実施例4)
この実施例4では、上記第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板20の具体例について説明する。この実施例4では、図4に示す金型を用いて磁気記録媒体用基板20を製造し、その磁気記録媒体用基板20に発生するばりを観察した。なお、この実施例4に係る磁気記録媒体用基板20の材料には、耐熱ポリカーボネイトを用いた。金型の温度は170℃で成形した。
(磁気記録媒体用基板20の寸法)
外径:30.0[mm]
厚さd1:0.8[mm]
平担部23の厚さd2:0.6[mm]
平担部23の厚さd5:0.4[mm]
平坦部23の幅d3(テーパ部25の幅):0.4[mm]
テーパ部22の幅d4:0.2[mm]
表面21に形成された窪みの深さ(d1−d2):0.2[mm]
表面21に形成された窪みの幅(d3+d4):0.6[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の磁気記録媒体用基板20に発生したばり27、28を観察し、ばり27が表面21から突出しているか否かを確認した。また、この実施例4では、ばり28が磁気記録媒体用基板20の端面から突出しているか否かを確認した。平坦部23に0.01〜0.03[mm]のばり27が発生したが、そのばり27は表面21から突出することなく、窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり27は、そのばり27の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり27は表面21から突出しなかったことになる。さらに、テーパ部25に、ばり発生方向Bに向かって伸びる0.01〜0.03[mm]のばり28が発生したが、そのばり28は基板の端面から突出することなく、テーパ部25によって形成された窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり28は裏面24に形成された窪み内に形成され、そのばり28の高さは窪みの幅d3よりも低いため、ばり28は基板の端面から突出しなかったことになる。
(実施例5)
この実施例5では、上記第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板20の具体例について説明する。この実施例5では、図4に示す金型を用いて磁気記録媒体用基板20を製造し、その磁気記録媒体用基板20に発生するばりを観察した。なお、この実施例5に係る磁気記録媒体用基板20の材料には、耐熱ポリカーボネイトを用いた。金型の温度は170℃で成形した。
(磁気記録媒体用基板20の寸法)
外径:20.0[mm]
厚さd1:0.3[mm]
平坦部23の厚さd2:0.2[mm]
平坦部23の厚さd5:0.15[mm]
平坦部23の幅d3(テーパ部25の幅):0.1[mm]
テーパ部22の幅d4:0.25[mm]
表面21に形成された窪みの深さ(d1−d2):0.1[mm]
表面21に形成された窪みの幅(d3+d4):0.35[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の磁気記録媒体用基板20に発生したばり27、28を観察し、ばり27が表面21から突出しているか否かを確認した。また、この実施例5では、ばり28が磁気記録媒体用基板20の端面から突出しているか否かを確認した。平坦部23に0.01〜0.03[mm]のばり27が発生したが、そのばり27は表面21から突出することなく、窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり27は、そのばり27の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり27は表面21から突出しなかったことに
なる。さらに、テーパ部25に、ばり発生方向Bに向かって伸びる0.01〜0.03[mm]のばり28が発生したが、そのばり28は基板の端面から突出することなく、テーパ部25によって形成された窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり28は裏面24に形成された窪み内に形成され、そのばり28の高さは窪みの幅d3よりも低いため、ばり28は基板の端面から突出しなかったことになる。
(実施例6)
この実施例6では、上記第2の実施形態に係る磁気記録媒体用基板20の具体例について説明する。この実施例6では、図4に示す金型を用いて磁気記録媒体用基板20を製造し、その磁気記録媒体用基板20に発生するばりを観察した。なお、この実施例6に係る磁気記録媒体用基板20の材料には、実施例5と同じ樹脂(耐熱ポリカーボネイト)を用いた。金型の温度は170℃で成形した。
(磁気記録媒体用基盤20の寸法)
外径:25.4[mm]
厚さd1:0.4[mm]
平坦部23の厚さd2:0.35[mm]
平坦部23の厚さd5:0.25[mm]
平坦部23の幅d3(テーパ部25の幅):0.15[mm]
テーパ部22の幅d4:0.05[mm]
表面21に形成された窪みの深さ(d1−d2):0.05[mm]
表面21に形成されたくぼみの幅(d3+d4):0.20[mm]
評価枚数:10枚
(評価)
10枚の磁気記録媒体用基板20に発生したばり27、28を観察し、ばり27が表面21から突出しているか否かを確認した。また、この実施例6では、ばり28が磁気記録媒体用基板20の端面から突出しているか否かを確認した。平坦部23に0.01〜0.03[mm]のばり27が発生したが、そのばり27は表面21から突出することなく、窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり27は、そのばり27の高さが窪みの深さ(d1−d2)よりも低いため、ばり27は表面21から突出しなかったことになる。さらに、テーパ部25に、ばり発生方向Bに向かって伸びる0.01〜0.03[mm]のばり28が発生したが、そのばり28は基板の端面から突出することなく、テーパ部25によって形成された窪み内に収まっていることが確認された。つまり、ばり28は裏面24に形成された窪み内に形成され、そのばり28の高さは窪みの幅d3よりも低いため、ばり28は基板の端面から突出しなかったことになる。
以上のように、実施例4から実施例6に係る磁気記録媒体用基板20によると、ばり27が表面21から突出することを防止することが可能となるため、平滑性が良好な磁気記録媒体用基板を提供することが可能となる。また、テーパ部25を裏面24に形成することで、ばり28が基板の端面から突出することを防止することが可能となる。
また、上記結果から、表面21に形成された窪みの深さ(d1−d2)は、ばりの長さから安全性を考慮して、0.05〜(1/2)d1[mm]とし、平坦部23の厚さd2は金型強度を考慮して、0.2〜(d1−0.05)[mm]とすることが好ましい。ここではその窪みの深さ(d1−d2)を0.05〜0.2[mm]としている。
また、テーパ部22と平坦部23とによって形成される窪みの幅(d3+d4)は、記録領域が広く取れるため、なるべく短いことが好ましいが、金型強度を考慮すると、(3/2)×(d1−d2)[mm]以上とすることが好ましい。ここでは、0.2〜0.6[mm]としている。
なお、ここでは平坦部23の幅とテーパ部25の幅を同じとしたが、テーパ部25の幅は特に平坦部23の幅と同じにする必要はなく、ばりの長さを考慮すると、0.05〜(d3+d4)[mm]にすることが好ましい。
なお、実施例1から実施例6で説明した条件以外の磁気記録媒体用基板であっても、基板の外周端部にテーパ部と平担部を形成することで、表面や端面から突出するばりの発生を抑えることが可能となる。

Claims (7)

  1. 円盤状の形状を有する樹脂製基板の外周端部に、外側に向かって徐々に薄くなる第1のテーパ部が形成され、前記第1のテーパ部の終端から前記樹脂製基板の外周端まで平坦であって他の部分よりも薄い平坦部が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  2. 前記第1のテーパ部と前記平坦部は、前記樹脂製基板の一方の面に形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒体用基板。
  3. 前記第1のテーパ部が形成されている反対側の面に、前記樹脂製基板の外周端まで徐々に薄くなる第2のテーパ部が形成され、前記平坦部は少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒体用基板。
  4. 平坦な面を有する第1の金型と、
    前記第1の金型の平坦な面に対向して配置され、前記第1の金型との間隔が狭まる方向に傾斜する第3のテーパ部が端部に形成され、前記第3のテーパ部の終端から端まで平坦な面を有する平担部が形成された第2の金型と、
    によって囲まれるキャビティ空間に樹脂を充填することにより磁気記録媒体用基板を製造し、その後、前記第2の金型を前記第1の金型から離れる方向に移動させることで前記磁気記録媒体用基板を取り出すことを特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法。
  5. 前記第1の金型は、前記第2の金型との間隔が狭まる方向に端まで傾斜する第4のテーパ部が形成されていることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  6. 平坦な面を有する第1の金型と、
    前記第1の金型の平坦な面に対向して配置された第2の金型と、
    を有し、
    前記第1の金型と前記第2の金型とで囲まれるキャビティ空間に樹脂が充填される磁気記録媒体用基板の金型であって、
    前記第2の金型は、前記第1の金型との間隔が狭まる方向に傾斜する第3のテーパ部が端部に形成され、前記第3のテーパ部の終端から端まで平坦な面を有する平坦部が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板の金型。
  7. 前記第1の金型は、前記第2の金型との間隔が狭まる方向に端まで傾斜する第4のテーパ部が形成されていることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の磁気記録媒体用基板の金型。
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