JPH11328664A - 成形用金型、記録媒体及びその成形用金型を用いた記録媒体の製造方法 - Google Patents

成形用金型、記録媒体及びその成形用金型を用いた記録媒体の製造方法

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JPH11328664A
JPH11328664A JP13576598A JP13576598A JPH11328664A JP H11328664 A JPH11328664 A JP H11328664A JP 13576598 A JP13576598 A JP 13576598A JP 13576598 A JP13576598 A JP 13576598A JP H11328664 A JPH11328664 A JP H11328664A
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mold
substrate
outer peripheral
molded product
recording medium
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JP13576598A
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Inventor
Toshihiko Takegawa
俊彦 竹川
Hideki Oyanagi
英樹 大柳
Takeshi Sasa
剛 佐々
Hidenobu Takahashi
秀宜 高橋
Morikatsu Kaneko
守克 金子
Yasuyuki Imai
康之 今井
Makoto Aoki
誠 青木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録再生特性に影響するバリを極力減らすこ
とができる成形用金型、それを用いた記録媒体の製造方
法及び記録媒体を提供する。 【解決手段】 成形用金型1は、可動金型2と、固定金
型3と、可動金型2及び固定金型3と共にキャビティ5
を構成する外周金型4とを備える。この外周金型4が、
分割された可動外周リング部4aと固定外周リング部4
bとからなり、可動外周リング部4aが可動金型2に接
合され、固定外周リング部4bが固定金型3二接合され
る。そして、この外周金型4には、キャビティ5を構成
した場合に成形時に生じるガスをキャビティ外へ排気さ
せるガス抜き口6が可動外周リング部4aと固定外周リ
ング部4bとの対向面同士の間に設けられている。この
成形用金型1により成形された基板15は、側面におけ
る厚さの略中央部となる位置にバリ15aが形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック製の
基板を成形する成形用金型と、その成形用金型を用いて
製造された記録媒体と、その成形用金型を用いた記録媒
体の製造方法に関するものである。詳しくは、成形用金
型の構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】円盤型記録媒体としては、例えば、磁気的
に情報信号が書き込まれる磁気ディスクや、エンボスピ
ットによって情報信号が予め書き込まれる光ディスク
や、記録膜の相変化を利用して情報信号が書き込まれる
相変化型光ディスクや、記録膜の磁気光学効果を利用し
て情報信号が書き込まれる光磁気ディスク等がある。こ
れら記録媒体は、円盤状の基板上に記録膜が形成されて
なるものである。
【0003】特に、このような記録媒体における上記基
板は、例えば、磁気ディスクに用いられる基板の場合、
ガラスやアルミニウムからなる基板の表面を研磨して作
製されたり、光ディスクに用いられる基板の場合、ニッ
ケルからなる薄板状スタンパを配した金型内に溶融させ
たプラスチックを射出した後冷却して取り出す射出成形
法により作製される。
【0004】中でも、射出成形法により作製されるプラ
スチック製の基板は、上述のガラスやアルミニウム等か
らなる基板のような研磨工程を用いずに製造されるた
め、製造コストの点で有利であり、しかも、成形性や加
工性に優れている。そのため、上記光ディスクや光磁気
ディスク等に限らず、磁気ディスクにおいても、射出成
形法により成形したプラスチック製の基板を用いたもの
が提案されている。
【0005】このような磁気ディスクとしては、基板材
料であるプラスチックが安価で成形性や加工性に優れて
いることから、例えば、サーボ信号等の信号が基板の凹
凸形状によりプリフォームされており、この凹凸パター
ンが形成された基板上に磁性層が形成されてなるものが
挙げられる。
【0006】ところで、このプラスチック製の基板は、
上述したように、成形用金型を用いて射出成形により作
製されることがコスト及び精度の点から有利であり、一
般的である。図26に、従来の成形用金型が配された射
出成形装置100の要部を示す。
【0007】具体的には、プラスチック製の基板は、図
26に示すような従来の成形用金型が配された射出成形
装置100により射出成形される。従来の成形用金型
は、射出成形装置100に固定設置される固定金型10
1と、固定金型101に対して対向配置され固定金型1
01に対して接離動作する可動金型102と、外周部を
ふさぐ外周金型103とを備える。ここで、固定金型1
01、可動金型102及び外周金型103は、成形物が
成形される空間であるキャビティ104を構成する。こ
こで、固定金型101は、成形物の主面のうちの一方の
主面を形成し、可動金型102は、成形物の主面のうち
の他方の主面を形成し、外周金型103は、成形物の側
面を形成するものである。そして、射出成形装置100
においては、この固定金型101側に、キャビティ10
4の中心に位置して溶融されたプラスチックをキャビテ
ィ104内に射出充填させるノズル105が設けられて
いる。
【0008】このような構成からなる従来の射出成形装
置100では、先ず、固定金型101側に設けられたノ
ズル105からキャビティ104内に融解したプラスチ
ックを流し込む。その後、このプラスチックをキャビテ
ィ104内で冷却固化させてから、円盤中心をパンチ1
06により所定の内径に打ち抜き、最終的に、可動金型
102及び外周金型103を連動させて固定金型101
に対して接離動作させ、所定の形状となった基板を取り
出す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
射出成形で成形されたプラスチック製の基板110は、
図27及び図28に示すように、外周端面にバリ110
aが発生することがある。このバリ110aの発生は、
射出成形装置100内の成形用金型の構造が原因の一つ
として挙げられる。
【0010】詳しくは、バリ110aは、次に示すよう
な射出成形装置100内の成形用金型の構造が起因して
生じるものである。すなわち、キャビティ104内に高
温のプラスチックが流し込まれた際には、キャビティ1
04内が高温高圧となり、キャビティ104内に多量の
ガスが発生する。そのため、キャビティ104内に発生
したガスをキャビティ104外へ拡散させるガス抜き用
スペースが必要となる。
【0011】そこで、従来、設計上の点から簡略で且つ
正確に設計可能なキャビティ104内のガス抜き用スペ
ースとして、図29に示すように、固定金型101と外
周金型103との間、及び可動金型102と外周金型1
03との間にそれぞれ微小なすき間であるガス抜き口1
07,108が設けられていた。つまり、ガス抜き口1
07,108が成形物の主面を形成する成形面101
a,102aの外周端部に設けられていた。
【0012】しかしながら、このガス抜き口107,1
08は、キャビティ104内のガスをキャビティ104
外へ拡散させてキャビティ104内を低圧にするととも
に、ガス抜き時にキャビティ104内に充填されたプラ
スチックを若干吸引してしまう場合がある。その場合、
このガス抜き口107,108が成形面101a,10
2aの外周端部に設けられていることから、この成形用
金型100を用いて成形された基板110には、主面上
の外周端部に図28に示すようなバリ110aが発生す
る。
【0013】そして、図28に示すようなバリ110a
は、基板110の成形後から磁気ディスクを磁気記録装
置に組み込むまでの工程や磁気ディスクの使用中のハン
ドリングによって、又は磁気記録装置における回転や振
動の影響によって、自然と剥離されて塵となる。そし
て、この塵は、ディスク面上に付着して磁気ディスク面
上に突起を形成する場合がある。特に、このような突起
がディスク面内の情報記録エリア上に形成された場合、
正常な記録再生の障害となる。
【0014】しかも、この突起の高さがディスク面上を
浮上する浮上スライダの浮上量と同じ程度或いはそれ以
上である場合、突起がヘッドと衝突をおこし、記録再生
の障害となるばかりか、ヘッドの破壊や情報記録エリア
上の傷の発生といった致命的な障害をも引き起こしてし
まう。
【0015】具体的には、磁気ディスクや光ディスク等
の記録媒体に対して情報信号を記録再生する際に、ヘッ
ドを搭載して浮上する浮上スライダは、スペーシング損
失を抑えるために極力小さな浮上量でディスク面上を浮
上しなければならない。例えば、磁気ディスク装置にお
いて、このヘッドの浮上量は、数100nm〜最小50
nm程度である。そして、このときの浮上スライダの浮
上変動量も小さくなければならない。しかも、磁気ディ
スクや光ディスクでは、高い周波数の信号を記録ヘッド
を用いて記録し、その信号を再生ヘッドにより正確に読
み取る必要がある。
【0016】そのため、これらの要件を満たすために
は、ディスク面上に突起を形成するような数10nm以
上の高さの微小な塵が存在してはならず、このような塵
を排除する必要がある。
【0017】さらに、磁性層形成前に基板上にこの塵が
付着した場合、この塵が磁性層成膜中或いは磁性層成膜
後に剥離することがあり、その場合、塵が剥離した部分
には正常な磁性層が形成されない。よって、この塵が剥
離した部分には、正常な記録再生を行うことができず、
エラーレートの悪化を引き起こしてしまうという問題が
ある。
【0018】このように、図28に示すようなバリ11
0aは、ハンドリングや磁気記録装置の動作の影響によ
って、自然と剥離されて塵となり、この塵がディスク面
に付着して突起を形成し、上述したように記録再生特性
に支障をきたしたり、磁性層成膜前にこの塵が剥離して
均一な磁性層形成が困難になる等の不都合を生じさせ
る。つまり、何れの場合においても、バリ110aの存
在が問題となる。
【0019】よって、このようなバリ110aの発生を
問題ないレベルに抑える、又はバリ110aを削り取
る、つぶす、或いは熱等で丸めるような手段が必要であ
る。すなわち、記録再生特性に影響を及ぼすバリ110
aを減らす手段が必要である。なお、機械的にバリを削
り取る方法やつぶす方法が提案されているが、この方法
では、塵が発生してしまうため好ましくない。
【0020】そこで、図30に示すように、レーザ光1
11を基板上のバリ110aにスポット的に照射して、
このバリを加熱溶解させてバリを丸める方法が開発され
ている。この方法によれば、塵が発生する問題はない。
【0021】ところが、この方法では、レーザ光をバリ
110aに照射してこのバリ110aを丸めると、図3
1に示すように、磁気ディスク110の記録面の外周部
に盛り上がり部110bが生じてしまう。そのため、こ
の盛り上がり部110bが大きすぎると、盛り上がり部
110bが磁気ヘッドや磁気ヘッドを搭載した浮上スラ
イダと接触してしまう場合がある。その結果、記録再生
特性に支障をきたしてしまう。
【0022】さらに、この盛り上がり部110bの高さ
がいくら以下であれば良いかは、盛り上がり部110b
の発生位置、プラスチック製基板のそり量、磁気記録装
置内への磁気ディスクの組み込み精度、浮上スライダの
取付精度や寸法誤差等の様々な要因に左右され、一概に
は決まらない。そのため、この盛り上がり部110bの
高さを制御することは、レーザ光の照射方向やその精度
及びレーザパワー等の検討を行ったとしても限界があ
り、非常に困難であるのが現状である。
【0023】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであって、記録再生特性に影響するバ
リを極力減らすことができる成形用金型、それを用いた
記録媒体の製造方法及び記録媒体を提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明に係る成形用金型は、成形物の主面のうちの一方
の主面を形成する第1の金型と、上記第1の金型に対向
配置され成形物の主面のうちの他方の主面を形成する第
2の金型と、上記第1の金型及び第2の金型にそれぞれ
接合されて上記第1の金型及び第2の金型と共にキャビ
ティを構成し成形物の側面を形成する外周金型とを備え
るものである。
【0025】そして、特に、本発明に係る成形用金型
は、上記外周金型が一対の外周金型部からなり、上記一
対の外周金型部の一方が上記第1の金型と接合されて成
形物の側面の一部を形成するとともに、上記一対の外周
金型部の他方が上記第2の金型と接合されて成形物の側
面の残りの部分を形成し、キャビティを構成した場合に
成形時に生じるガスをキャビティ外へ排気させるガス抜
き口が上記一対の外周金型部の対向面同士の間に設けら
れていることを特徴とするものである。
【0026】このように、本発明に係る成形用金型は、
一対の外周金型部からなる外周金型を備え、これら一対
の外周金型部の対向面同士の間にガス抜き口が設けられ
ている。そのため、本発明に係る成形用金型によれば、
ガス抜き時にキャビティ内に充填された成形物材料が当
該ガス抜き口から若干吸引された場合に、成形物におい
て、ガス抜き口の位置にバリ等の凸部が発生するため、
バリ等の凸部が成形物の主面上に形成されず、成形物の
側面に形成される。その結果、本発明に係る成形用金型
によれば、発生したバリ等の凸部が剥離して塵となり成
形物の主面上に付着して突起を形成するといった状況が
効果的に回避されて、表面性の良好な成形物が得られ
る。
【0027】また、特に、上記一対の外周金型部は、成
形物の厚さの略中央部となる位置を境にして分割されて
なり、上記ガス抜き口が成形物の厚さの略中央部となる
位置に設けられていることが好ましい。これにより、本
発明に係る成形用金型によれば、成形物に発生するバリ
等の凸部が成形物の側面上において成形物の厚さの略中
央部となる位置に形成されるため、このバリ等の凸部が
塵となり成形物の主面上に付着するといった状況がより
効果的且つ確実に回避され、表面性の良好な成形物が得
られる。
【0028】また、本発明に係る記録媒体は、浮上スラ
イダに搭載されたヘッドにより情報信号の記録再生が行
われるものであり、基板上に少なくとも記録膜が形成さ
れ、上記基板の側面に凸部が形成されていることを特徴
とするものである。
【0029】このように、本発明に係る記録媒体は、基
板の側面に凸部が形成されているので、表面性の良好な
ものとなる。しかも、この凸部が、従来の記録媒体のよ
うな基板の主面上の外周端部に形成されるのではなく、
基板の側面に形成されているので、当該凸部が剥離して
塵となり基板や記録媒体の主面上に付着して突起を形成
するといった状況が生じにくくなり、表面性の良好なも
のとなる。
【0030】特に、本発明に係る記録媒体は、上記基板
が以下に示す本発明に係る成形用金型により成形される
ことにより、その側面上に凸部が形成されるものであ
る。
【0031】すなわち、上記基板を成形する成形用金型
は、成形物の主面のうちの一方の主面を形成する第1の
金型と、上記第1の金型に対向配置され成形物の主面の
うちの他方の主面を形成する第2の金型と、上記第1の
金型に接合されて成形物の側面の一部を形成する第1の
外周金型部と、上記第2の金型に接合されて成形物の側
面の残りの部分を形成する第2の外周金型部とを備える
ものである。そして、上記第1の外周金型部と第2の外
周金型部との対向面同士の間に位置する所に上記凸部が
形成されてなるものである。
【0032】このように、本発明に係る記録媒体は、成
形物の側面を形成する第1及び第2の外周金型部からな
る外周金型を備えるとともにこれら外周金型部の対向面
同士の間にガス抜き口が設けられている成形用金型によ
って、基板が成形されてなる。よって、本発明に係る記
録媒体は、基板成形時のガス抜きの際にキャビティ内に
充填された基板材料がガス抜き口から吸引された場合
に、成形後の基板において、ガス抜き口の位置にバリ等
の凸部が発生するので、このバリ等の凸部が基板の主面
上に形成されず、基板の側面に形成される。その結果、
本発明に係る記録媒体では、バリ等の凸部が剥離して塵
となり基板や媒体表面に付着して突起を形成するといっ
た状況が効果的に回避される。
【0033】しかも、本発明に係る記録媒体によれば、
基板の側面にバリ等の凸部が形成されるので、このバリ
等の凸部が剥離するのを防止するためにレーザ光をこの
バリ等の凸部に照射して丸める技術を採用することによ
り、バリが丸められて形成される盛り上がり部を基板の
側面上に形成することができ、記録面上への盛り上がり
を極力抑えることができる。つまり、本発明に係る記録
媒体に対しては、レーザ光をバリに照射して丸めること
によりバリの剥離を防止する技術を効果的に適用するこ
とが可能といえる。
【0034】したがって、本発明に係る記録媒体では、
発生したバリ等の凸部が剥離して塵となり基板や媒体表
面に付着して突起を形成するといった状況が効果的且つ
確実に回避され、表面性がより良好となる。
【0035】また、本発明に係る記録媒体の製造方法
は、浮上スライダに搭載されたヘッドにより情報信号の
記録再生が行われる記録媒体の製造方法であって、以下
に示すような成形用金型を用いて基板を成形し、この基
板上に少なくとも記録膜を形成する方法である。
【0036】上記成形用金型は、成形物の主面のうちの
一方の主面を形成する第1の金型と、上記第1の金型に
対向配置され成形物の主面のうちの他方の主面を形成す
る第2の金型と、上記第1の金型及び第2の金型にそれ
ぞれ接合されて上記第1の金型及び第2の金型と共にキ
ャビティを構成し成形物の側面を形成する外周金型とを
備え、上記外周金型が一対の外周金型部からなり、上記
一対の外周金型部の一方が上記第1の金型と接合されて
成形物の側面の一部を形成するとともに、上記一対の外
周金型部の他方が上記第2の金型と接合されて成形物の
側面の残りの部分を形成し、キャビティを構成した場合
に成形時に生じるガスをキャビティ外へ排気させるガス
抜き口が上記一対の外周金型部の対向面同士の間に設け
られているものである。
【0037】このように、本発明に係る記録媒体の製造
方法は、成形物の側面を形成する一対の外周金型部を備
えるとともに、これら一対の外周金型部の対向面同士の
間にガス抜き口が設けられている成形用金型によって、
基板を形成するものである。そのため、本発明に係る記
録媒体の製造方法によれば、基板成形時のガス抜きの際
にキャビティ内に充填された基板材料がガス抜き口から
吸引された場合、成形後の基板において、ガス抜き口の
位置にバリ等の凸部が発生するので、バリ等の凸部が基
板の主面上に形成されることがなく、基板の側面に形成
される。その結果、本発明に係る記録媒体の製造方法に
よれば、発生したバリ等の凸部が剥離して塵となり基板
や記録媒体の主面上に付着し突起を形成するといった状
況が効果的に回避されて、表面性の良好な記録媒体が得
られる。
【0038】しかも、本発明に係る記録媒体の製造方法
により製造される記録媒体は、成形された基板の側面に
バリ等の凸部が形成されるので、このバリ等の凸部が剥
離するのを防止するためにレーザ光をこのバリ等の凸部
に照射して丸める技術を採用することにより、バリが丸
められて形成される盛り上がり部が記録面上に生じるの
を極力抑えることができる。つまり、本発明に係る記録
媒体の製造方法により製造された記録媒体に対しては、
レーザ光をバリに照射して丸めることによりバリの剥離
を防止する技術を効果的に適用することが可能といえ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明を適用した成形用金型1を成形物の主面に垂直な方向
に切断した切断面を示す斜視図である。図2は、本発明
を適用した成形用金型1の断面図である。
【0040】本発明を適用した成形用金型1は、図示す
るように、成形物の主面のうちの一方の主面を形成する
円盤状の可動金型2と、この可動金型2に対向配置され
成形物の主面のうちの他方の主面を形成する円盤状の固
定金型3と、成形物の側面を形成する外周金型4とを備
える。ここで、可動金型2、固定金型3及び外周金型4
は、型締め状態で成形物材料が充填される空間であるキ
ャビティ5を構成する。
【0041】特に、本発明の外周金型4は、一対の可動
外周リング部4a及び固定外周リング部4bからなり、
可動外周リング部4aが可動金型2と接合されて成形物
の側面の一部を形成するとともに、固定外周リング部4
bが固定金型3と接合されて成形物の側面の残りの部分
を形成する。
【0042】詳しくは、図1及び図2に示すように、可
動金型2は、円盤状を呈しており、外周端部に環状に凹
部2aが形成されているとともに、中心部に中心孔2b
が設けられている。可動外周リング部4aは、可動金型
2と略同径な外径を有する円盤状を呈しており、中央部
に凸部4cが設けられているとともに中心部に中心孔4
dが設けられている。そして、可動外周リング部4a
は、可動金型2の外周部に設けられた凹部2aに嵌合さ
れて可動金型2上に接合されている。この可動外周リン
グ部4aは、射出成形装置に設置された場合、可動金型
2と連動して接離動作を行う。このような構成の可動外
周リング部4aは、成形物の側面の一部を形成する。
【0043】一方、固定金型3及び固定外周リング部4
bについても、可動金型2及び可動外周リング部4aと
それぞれ同様な構成である。そして、固定外周リング部
4bは、可動外周リング部4aと相対向して配置され、
成形物の側面の残りの部分を形成する。
【0044】特に、本発明の外周金型4では、型締め状
態でキャビティ5を構成した場合に成形時に生じるガス
をキャビティ5外へ排気させるガス抜き口6が、可動外
周リング部4aと固定外周リング部4bとの対向面同士
の間に設けられている。
【0045】このように、本発明を適用した成形用金型
1は、一対の可動外周リング4a及び固定外周リング部
4bからなる外周金型4により成形物の側面が形成さ
れ、しかも、これら一対の可動外周リング部4a及び固
定外周リング部4bの対向面同士の間にガス抜き口6が
設けられている。
【0046】以上のように構成される成形用金型1は、
以下に示すような射出成形装置に取り付けられて、射出
成形によりプラスチック製の基板を成形するものであ
る。図3は、射出成形装置10の要部を示す要部断面図
である。
【0047】射出成形装置10は、本発明の成形用金型
1である可動金型2、固定金型3及び外周金型4を主に
備える。
【0048】可動金型2は、図示しない駆動機構によっ
て固定金型3に対して接離動作する。外周金型4は、可
動金型2に接合された可動外周リング部4aと、固定金
型3に接合された固定外周リング部4bとを備える。そ
して、可動外周リング部4aは、可動金型2と連動して
図示しない駆動機構によって固定金型3に対して接離動
作する。この外周金型12は、成形物の外周側面を形成
する。ここで、これら可動金型2、固定金型3及び外周
金型4は、型締め状態において協動して基板を形成する
キャビティ5を構成する。
【0049】一方、固定金型3側には、キャビティ5の
中心に位置して、溶融されたプラスチックをキャビティ
5内に射出充填させるノズル7を有するスプルブッシュ
8が配設されている。また、可動金型2側には、キャビ
ティ5の中心に対応する位置に、成形される基板の内周
側の情報信号が記録されない領域に対応した外径寸法を
有する筒状を呈した第1のイジェクト部材9が軸方向に
移動自在に配設されている。この第1のイジェクト部材
9は、基板の離型動作の際に図示しない駆動手段によっ
てキャビティ5内へと突き出されて成形された基板を可
動金型2から離型させる。
【0050】この第1のイジェクト部材9には、その内
周側に、成形される基板の中心穴を穿設するパンチ12
が取り付けられている。このパンチ12の更に内周側に
は、第2のイジェクト部材13が軸方向に進退自在に取
り付けられる。第2のイジェクト部材13は、パンチ1
2により基板の中心穴が穿設された後、切断部分のプラ
スチックを可動金型2から離型させる。
【0051】以上のように構成された射出成形装置10
では、次のように基板が射出成形される。図4〜図8
は、射出成形の工程を示す断面図である。図9は、図8
に示す基板を取り出した状態の切断面を示す斜視図であ
る。
【0052】先ず、図3に示すように、図示しない駆動
機構が動作することにより、固定金型3に対して可動金
型2が接近動作して型締め状態とされて、可動金型2、
固定金型3及び外周金型4により周囲が閉塞されたキャ
ビティ5が構成される。
【0053】次に、図4に示すように、型締め状態のキ
ャビティ5内に、スプルブッシュ8内のノズル7から溶
融されたプラスチックが射出充填される。
【0054】次に、図5に示すように、この射出成形装
置10に設けられた図示しない温度調節機構によりプラ
スチックが半溶融状態に冷却されて、第1のイジェクト
部材9の中心穴からパンチ12が固定金型3の方向へと
突出動作されて、成形される基板のセンタ穴を穿設す
る。そして、この切断部分を第2のイジェクト部材13
が可動金型2から離型させる。
【0055】この後、図6に示すように、射出成形装置
10において、射出充填されたプラスチックが図示しな
い温度調節機構により冷却し固化される。そして、プラ
スチックの固化が進んだ後、成形に生じたガス等をガス
抜き口6からキャビティ5外へ排気させ、キャビティ5
内の圧力を低くする。
【0056】その後、図7に示すように、この射出成形
装置10では、図示しない駆動機構が動作して可動金型
2及び可動外周リング部4aが共動して固定金型3及び
固定外周リング部4bに対して離間動作されることによ
って、型開き動作が行われる。
【0057】最終的に、図8及び図9に示すように、キ
ャビティ5内で成形された状態の基板15は、第1のイ
ジェクト部材9によって可動金型2側から突き出され
て、図示しない基板取り出し機構によって取り出され
る。なお、図9では、成形物のうち不要な部分である中
心部の図示を省略している。
【0058】図10は、成形用金型1により成形されて
なる基板15を示す断面図である。また、図11は、図
10に示す範囲Aの拡大図である。
【0059】以上述べたように、本発明を適用した成形
用金型1では、成形時に生じるガスをキャビティ5外へ
排気させるガス抜き口6が可動外周リング部4aと固定
外周リング部4bとの対向面間に設けられている。その
ため、本発明を適用した成形用金型1によれば、キャビ
ティ5内に充填されたプラスチックがガス抜き口6から
吸引されても、成形後の基板15において、図9〜図1
1に示すように、ガス抜き口6の位置にバリ15a等の
凸部が発生するため、バリ15aが基板15の主面上に
形成されることがない。その結果、この成形用金型1に
よれば、発生したバリ15aが剥離して塵となり基板1
5や記録媒体の主面上に付着して突起を形成するといっ
た状況が極力回避され、表面性の良好な基板15が得ら
れる。
【0060】特に、図3に示す可動外周リング部4a及
び固定外周リング部4bは、成形物の厚さの略中央部と
なる位置を境にして分割されており、上記ガス抜き口6
が成形物の厚さの略中央部となる位置に設けられてい
る。このような成形用金型1を用いることにより、図1
1に示すように、凸状のバリ15aが基板15の主面1
5b,15c上に形成されず、基板15の側面上におい
て基板15の厚さの略中央部となる位置に発生するた
め、発生したバリ15aが剥離して塵となり基板15や
記録媒体の主面上に付着してしまうという状況をより効
果的且つ確実に回避することができ、表面性の良好な基
板15を得ることができる。
【0061】しかも、この基板15は、側面にバリ15
aが形成されるので、図12に示すように、このバリ1
5aが剥離するのを防止するためにレーザ光45をこの
バリ15aに照射して丸める技術を採用することによ
り、バリ15aが丸められて形成される盛り上がり部4
6を図13に示すように基板15の側面上に形成させる
ことができる。
【0062】これにより、従来、レーザ光によりバリを
丸めた際に図31に示したように盛り上がり部110b
が記録面上に生じてしまう現象を極力抑えることができ
る。つまり、この基板15においては、レーザ光により
バリが丸められてなる盛り上がり部が記録面上に発生す
るのを極力抑えることができ、より表面性の向上が図ら
れたものとなる。また、このことから、本発明にて成形
される基板41に対しては、レーザ光をバリに照射して
丸めることによりバリの剥離を防止する技術を効果的に
適用することが可能といえる。
【0063】なお、本発明を適用した成形用金型とし
て、外周金型の内側面に段差が形成されているものや、
外周金型の内側面に切り欠き部が形成されているもので
も良い。
【0064】図14に、外周金型21の内側面に段差が
形成された成形用金型20を示す。この成形用金型20
の外周金型21は、厚さの略中央部となる位置に分割さ
れた、可動外周リング部22と固定外周リング部23と
を備える。可動外周リング部22は可動金型2に接合さ
れ、固定外周リング部23は固定金型3に接合される。
この外周金型20では、可動外周リング部22及び固定
外周リング部23のそれぞれの内側面に段差22a,2
3aが形成されている。そして、この外周金型21は、
その厚みの略中央部となる位置に、可動外周リング部2
2と固定外周リング部23との相対向面間がガス抜き口
24となされている。
【0065】このような外周金型21を有する成形用金
型20を用いて成形される基板25は、図15に示すよ
うに、両主面の外周端部にそれぞれ段差25a,25b
が形成されて、これら段差25a,25bにより形成さ
れる凸状の部分25cの先端部に、バリ等の凸部25d
が形成される。
【0066】一方、図16に、外周金型31の内側面に
切り欠き部が形成された成形用金型31を示す。この成
形用金型30の外周金型31は、厚さの略中央部となる
位置に分割された、可動外周リング部32と固定外周リ
ング部33とを備える。可動外周リング部32は可動金
型2に接合され、固定外周リング部33は固定金型33
に接合される。この外周金型31は、可動外周リング部
32と固定外周リング部33のそれぞれの内側面の端部
が切り欠き形状となされている。そして、この外周金型
31は、可動外周リング部32と固定外周リング部33
との相対向面間がガス抜き口34となされている。
【0067】このような外周金型30を有する成形用金
型31を用いて成形される基板35は、図17に示すよ
うに、両主面に切り欠き部35a,35bが形成され、
これら切り欠き部35a,35bにより形成される部分
35cの先端部に、バリ等の凸部35dが形成される。
【0068】以上示したように、図14や図16に示す
ような本発明を適用した成形用金型20,30を用いる
ことによって、バリ25b,35bが基板25,35の
厚さの略中央部となる位置に基板25,35の主面と平
行な方向に延びて形成されるため、バリ25b,35b
が剥離されて塵となり基板25,35上に付着して突起
を形成するといった現象をより効果的且つ確実に回避す
ることが可能となる。その結果、成形用金型20,30
を用いて成形された基板25,35は、より表面性が良
好となされたものとなる。
【0069】つぎに、本発明を適用した記録媒体につい
て、図18、図19及び図20を参照しながら説明す
る。以下、本発明を適用した記録媒体として、磁気ディ
スクを取り挙げるが、本発明を適用した記録媒体は、上
述のような成形用金型1を用いて成形された基板上に少
なくとも記録膜を備えるものであれば何れでも良く、磁
気ディスクに限定されず、光ディスクや光磁気ディスク
等でも良い。図18は、本発明を適用した磁気ディスク
40の平面図である。図19は、図18中における範囲
Bを拡大して示す平面図である。図20は、本発明を適
用した磁気ディスク40の断面図である。
【0070】本発明の磁気ディスク40は、浮上スライ
ダに搭載されたヘッドにより情報信号が記録再生される
ものである。そして、この磁気ディスク40は、図18
に示すように、略中央部に支持部材により支持され情報
信号が記録されない環状のクランプエリア41と、その
クランプエリア41の外周に位置し情報信号やサーボ信
号等の信号が記録される環状の情報記録エリア42とを
有する。
【0071】この情報記録エリア42は、詳しくは、図
18及び図19に示すように、情報信号が記録される領
域であるデータゾーン42aと、サーボ信号が記録され
る領域であるサーボゾーン42bとを有する。サーボゾ
ーン42bは、データゾーン42aを半径方向に縦断す
るように形成されている。データゾーン42aは、記録
トラックに沿った所定の凹凸パターンが形成されてお
り、この凹部及び/又は凸部に情報信号が記録される。
サーボゾーン42bでは、サーボ信号に対応する所定の
凹凸パターンが形成されており、この凹部と凸部とが互
いに逆極性に磁化されることによって、サーボ信号が予
め記録される。
【0072】このような磁気ディスク40は、図20に
示すように、所定パターンの凹凸が形成された基板41
上に磁性層42が形成されてなる。なお、磁気ディスク
としては、磁気ディスク40のように基板41の片面上
に磁性層42が形成されているものに限らず、基板の両
面上に磁性層が形成されているものでも勿論構わない。
【0073】基板41は、その側面上にバリ41a等の
凸部が形成されている。そして、この基板41の主面に
は、上述したように、所定の凹凸パターンが形成されて
いる。
【0074】磁性層42は、γ−Fe23,Co−γ−
Fe23等の従来公知の磁性層材料からなり、凹凸パタ
ーンの形成された基板41上にスパッタリング等の従来
公知の薄膜形成方法により形成される。
【0075】このように、本発明の磁気ディスク40
は、基板41の側面にバリ41aが形成されているた
め、主面の表面性が良好な媒体となる。しかも、このバ
リ41aが、従来の磁気ディスクのように基板110の
主面上の外周端部に形成されるのではなく、基板110
の側面に形成されているので、バリ41aが剥離して塵
となり基板41や磁気ディスク40の主面上に付着して
突起を形成する状況が極力回避され、より表面性の良好
なものとなり、結果的に記録再生特性の向上が図られ、
高信頼性の得られたものとなる。
【0076】一方、従来の磁気ディスクの基板110で
は、図26に示すように、バリ110aが基板110の
主面上の外周端部に形成されてしまっていたため、特
に、浮上スライダが低浮上量で記録媒体上を浮上した際
に当該バリ110aと浮上スライダに搭載されたヘッド
とが衝突することがあった。
【0077】これに対して、本発明の磁気ディスク40
は、バリ41aが基板41の側面に形成されるため、浮
上スライダが低浮上量で浮上されても、浮上スライダに
搭載されたヘッドがバリと衝突するといった現象を極力
回避することができて、浮上スライダの浮上量を極力小
さくすることが可能となり、更なる高記録密度化を実現
することができる。
【0078】特に、本発明の磁気ディスク40は、基板
41が本発明の成形用金型1により成形されることによ
り、その側面上にバリ41aが形成されるものである。
【0079】すなわち、本発明の磁気ディスク40は、
基板41の側面を形成する可動外周リング部4aと固定
外周リング部4bとからなる外周金型4を備え、これら
一対の外周リング部4a,4bの対向面同士の間にガス
抜き口6が設けられている成形用金型1によって、基板
41が成形されてなる。
【0080】このため、本発明の磁気ディスク40は、
基板成形時のガス抜きの際にキャビティ5内に充填され
た基板材料がガス抜き口6から吸引された場合に、成形
後の基板41においてガス抜き口6の位置にバリ41a
が発生するので、このバリ41aが基板41の主面上に
形成されず、側面に形成されるようになる。
【0081】特に、成形用金型1の外周リング部4a,
4bは、基板の厚さの略中央部となる位置を境にして分
割され、ガス抜き口6が基板の厚さの略中央部となる位
置に設けられていることが好ましい。これにより、本発
明の磁気ディスク40は、バリ41aが基板41の側面
上において基板41の厚さの略中央部となる位置に発生
するため、発生したバリ41aが塵となり基板41や磁
気ディスク40の主面上に付着するといった状況をより
効果的且つ確実に回避することができ、表面性の良好な
ものとなる。
【0082】また、以上述べたように、本発明を適用し
た磁気ディスクの製造方法は、先ず、本発明を適用した
成形用金型1を用いて、上述したように基板41を成形
し、その後、この基板41上にスパッタリング等の従来
公知の薄膜形成方法により磁性層42を形成することに
より作製することができる。
【0083】このように、本発明を適用した磁気ディス
クの製造方法は、本発明の成形用金型1によって基板4
1が成形されてなるため、一対の外周リング部4a,4
bの対向面同士の間に設けられたガス抜き口6の位置に
バリ41aが発生するため、バリ41aが基板41の主
面上に形成されず、基板41の側面上に形成される。そ
の結果、本発明を適用した磁気ディスクの製造方法によ
れば、発生したバリ41aが剥離して塵となり基板41
や磁気ディスク40の主面上に付着して突起を形成する
といった状況を極力回避することができ、表面性の良好
な磁気ディスク40を製造することができる。よって、
本発明を適用した磁気ディスクの製造方法によれば、記
録再生特性の向上が図られて高信頼性の得られた磁気デ
ィスク40を作製することができる。
【0084】特に、成形用金型1の外周リング部4a,
4bは、基板41の厚さの略中央部となる位置を境にし
て分割され、上記ガス抜き口6が基板41の厚さの略中
央部となる位置に設けられていることが好ましい。これ
により、本発明の磁気ディスク40の製造方法によれ
ば、バリ41aが基板41の側面上において基板41の
厚さの略中央部となる位置に発生するため、発生したバ
リが塵となり基板41や磁気ディスク40の主面上に付
着するといった状況をより効果的且つ確実に回避するこ
とができ、表面性の良好な磁気ディスク40を得ること
ができる。
【0085】なお、ここで、所定の凹凸パターンが形成
された基板41を作製するには、先ず、射出成形装置1
0に設置する前の本発明の成形用金型1を用いて、次に
示すようなフォトリソグラフィ技術により本発明の成形
用金型1の成形面に所定の凹凸パターンを形成すれば良
い。
【0086】ここで、成形面に凹凸パターンを形成する
金型は、可動金型2及び固定金型3の少なくとも何れか
であり、所望する磁気ディスクが片面読みの構造か両面
読みの構造かによって、可動金型2及び固定金型3の何
れか一方或いは両方の成形面に、以下のようにして所定
の凹凸パターンを形成する。なお、以下では、可動金型
2の成形面に所定の凹凸パターンを形成するものとす
る。図21〜図25は、可動金型2の成形面に所定の凹
凸パターンを形成する工程を示す断面図である。
【0087】先ず、本発明の可動金型2を用いて、図2
1に示すように、この可動金型2の成形面2c上に、ポ
ジ型のフォトレジストを均一に塗布してフォトレジスト
膜50を形成する。そして、図22に示すように、この
フォトレジスト膜50上に、サーボ信号や情報読み出し
専用信号に対応するパターンとは逆の凹凸パターンを原
盤露光装置を用いて露光する。このとき、未露光部分
が、結果的に成形された基板上の凹部となる。
【0088】次に、図23に示すように、このフォトレ
ジスト膜50を現像することによって、露光した部分の
フォトレジストを溶解させる。すると、溶解された部分
が可動金型2の成形面2c上の凹部51となって露出す
る。
【0089】次に、可動金型2上の露出した所定パター
ンの凹部51を、イオンミリング等のエッチング法によ
ってエッチングすることにより、図24に示すように、
本発明の可動金型2における成形面2cに凹部52を形
成する。
【0090】そして、露光されずに残ったフォトレジス
ト膜を剥離、洗浄することにより、図25に示すような
信号に対応した所定の凹凸パターンが形成された可動金
型60を作製することができる。
【0091】最終的に、このように作製された可動金型
60と、固定金型3と外周金型4とを配した射出成形装
置内に溶融させたプラスチックを充填して、射出成形法
により、図20に示すような所定の凹凸パターンが形成
された基板41が成形される。
【0092】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の成
形用金型は、一対の外周金型部からなる外周金型を備
え、しかも、これら一対の外周金型部の対向面同士の間
にガス抜き口が設けられている。そのため、本発明の成
形用金型によれば、ガス抜き時にキャビティ内に充填さ
れた材料が当該ガス抜き口から吸引された場合、成形物
において、ガス抜き口の位置にバリが発生するため、バ
リが成形物の主面上の外周端部に形成されるのではな
く、成形物の側面上に形成される。その結果、発生した
バリが剥離して塵となり成形物の主面上に付着して突起
を形成するといった状況を極力回避することができ、表
面性の良好な成形物を得ることができる。
【0093】また、本発明の記録媒体は、基板の側面上
に凸部が形成されているため、主面の表面性が良好な記
録媒体となる。しかも、この凸部が基板の主面上ではな
く側面上に形成されているため、この凸部が剥離して塵
となり基板や記録媒体の主面上に付着して突起を形成す
るといった状況を極力回避することができ、表面性の良
好なものとなる。
【0094】しかも、本発明に係る記録媒体によれば、
基板の側面にバリ等の凸部が形成されるので、このバリ
等の凸部が剥離するのを防止するためにレーザ光をこの
バリ等の凸部に照射して丸める技術を採用しても、バリ
が丸められて形成される盛り上がり部が基板の側面上に
形成されるため、記録面上への盛り上がりを効果的に極
力抑えることができる。よって、本発明に係る記録媒体
に対しては、レーザ光をバリに照射して丸めることによ
りバリの剥離を防止する技術を効果的に適用することが
可能といえる。
【0095】このように、本発明に係る記録媒体は、表
面性が良好となされるので、記録再生特性に優れた高信
頼性の得られたものとなる。また、本発明の記録媒体
は、表面性が良好なことから、浮上スライダが低浮上量
で浮上しても浮上スライダに搭載されたヘッドとの衝突
がなく、更なる高密度記録化を図ることができる。
【0096】また、本発明の記録媒体の製造方法は、本
発明の成形用金型を用いて基板を成形するため、表面性
が良好となされ、記録再生特性に優れた高信頼性の得ら
れ更なる高密度記録化の図られた記録媒体を製造するこ
とが可能となり、歩留まりの向上を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した成形用金型を成形物の主面に
垂直な方向に切断した切断面を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用した成形用金型の断面図である。
【図3】射出成形装置の要部を示す要部断面図である。
【図4】本発明を適用した成形用金型を用いた射出成形
の一工程を示す断面図である。
【図5】本発明を適用した成形用金型を用いた射出成形
の他の工程を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した成形用金型を用いた射出成形
の他の工程を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した成形用金型を用いた射出成形
の他の工程を示す断面図である。
【図8】本発明を適用した成形用金型を用いた射出成形
の他の工程を示す断面図である。
【図9】射出成形された基板を射出成形装置から取り出
す動作時の切断面を示す斜視図である。
【図10】本発明を適用した成形用金型により成形され
てなる基板を示す断面図である。
【図11】図10に示す範囲Aの拡大図である。
【図12】発生したバリにレーザ光を照射する工程を示
す断面図である。
【図13】図12に示す工程後に、基板に形成される盛
り上がり部を示す断面図である。
【図14】本発明を適用した成形用金型の他の例の要部
を示す断面図である。
【図15】図14に示された成形用金型を用いて成形さ
れた基板の要部を示す断面図である。
【図16】本発明を適用した成形用金型の他の例の要部
を示す断面図である。
【図17】図16に示された成形用金型を用いて成形さ
れた基板の要部を示す断面図である。
【図18】本発明を適用した磁気ディスクの一例を示す
平面図である。
【図19】図18中における範囲Bを拡大して示す平面
図である。
【図20】本発明を適用した磁気ディスクの一例を示す
断面図である。
【図21】可動金型の成形面に所定の凹凸パターンを形
成する一工程を示す断面図である。
【図22】可動金型の成形面に所定の凹凸パターンを形
成する他の工程を示す断面図である。
【図23】可動金型の成形面に所定の凹凸パターンを形
成する他の工程を示す断面図である。
【図24】可動金型の成形面に所定の凹凸パターンを形
成する他の工程を示す断面図である。
【図25】図21〜図24の工程により作製された可動
金型を示す断面図である。
【図26】従来の成形用金型を示す断面図である。
【図27】従来の基板の一例を示す断面図である。
【図28】図27中の範囲Xを拡大して示す拡大断面図
である。
【図29】従来の成形用金型の一例の要部を示す断面図
である。
【図30】従来の成形用金型により成形された基板上に
形成されたバリに対してレーザ光を照射する工程を示す
断面図である。
【図31】図30に示す工程後に、基板に形成される盛
り上がり部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形用金型、 2 可動金型、 3 固定金型、
4 外周金型、 4a可動外周リング部、 4b 固定
外周リング部、 5 キャビティ、 6,24,34
ガス抜き口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀宜 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 金子 守克 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 今井 康之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 青木 誠 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形物の主面のうちの一方の主面を形成
    する第1の金型と、 上記第1の金型に対向配置され成形物の主面のうちの他
    方の主面を形成する第2の金型と、 上記第1の金型及び第2の金型と共にキャビティを構成
    し成形物の側面を形成する外周金型とを備え、 上記外周金型は、一対の外周金型部からなり、上記一対
    の外周金型部の一方が上記第1の金型と接合されて成形
    物の側面の一部を形成するとともに、上記一対の外周金
    型部の他方が上記第2の金型と接合されて成形物の側面
    の残りの部分を形成し、 キャビティを構成した場合に成形時に生じるガスをキャ
    ビティ外へ排気させるガス抜き口が上記一対の外周金型
    部の対向面同士の間に設けられていることを特徴とする
    成形用金型。
  2. 【請求項2】 上記一対の外周金型部は、成形物の厚さ
    の略中央部となる位置を境にして分割されてなり、 上記ガス抜き口が成形物の厚さの略中央部となる位置に
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の成形用
    金型。
  3. 【請求項3】 基板上に少なくとも記録膜が形成されて
    なり、 上記基板は、その側面に凸部が形成されており、 浮上スライダに搭載されたヘッドにより情報信号の記録
    再生が行われることを特徴とする記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記基板の両主面の外周端部にそれぞれ
    段差が形成されて、当該両段差により形成される凸状の
    部分の先端部に、上記凸部が形成されてなることを特徴
    とする請求項3記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記基板の両主面の外周端部がそれぞれ
    切り欠き部となされ、当該両切り欠き部により形成され
    る部分の先端部に、上記凸部が形成されてなることを特
    徴とする請求項3記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記基板は、成形物の主面のうちの一方
    の主面を形成する第1の金型と、上記第1の金型に対向
    配置され成形物の主面のうちの他方の主面を形成する第
    2の金型と、上記第1の金型に接合されて成形物の側面
    の一部を形成する第1の外周金型部と、上記第2の金型
    に接合されて成形物の側面の残りの部分を形成する第2
    の外周金型部とを備える成形用金型により成形されて、
    上記第1の外周金型部と第2の外周金型部との対向面同
    士の間に位置する所に上記凸部が形成されてなることを
    特徴とする請求項3記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記第1の外周金型部及び第2の外周金
    型部は、基板の厚さの略中央部となる位置を境にして分
    割されており、 上記ガス抜き口が基板の厚さの略中央部となる位置に設
    けられていることを特徴とする請求項6記載の記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 上記基板の主面に、所定パターンの凹凸
    が形成されてなることを特徴とする請求項3記載の記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 浮上スライダに搭載されたヘッドにより
    情報信号の記録再生が行われる記録媒体の製造方法にお
    いて、 成形物の主面のうちの一方の主面を形成する第1の金型
    と、上記第1の金型に対向配置され成形物の主面のうち
    の他方の主面を形成する第2の金型と、上記第1の金型
    及び第2の金型と共にキャビティを構成し成形物の側面
    を形成する外周金型とを備える成形用金型を用いて、基
    板を形成する工程と、 この基板上に少なくとも記録膜を形成する工程とを有
    し、 上記成形用金型は、上記外周金型が一対の外周金型部か
    らなり、上記一対の外周金型部の一方が上記第1の金型
    と接合されて成形物の側面の一部を形成するとともに、
    上記一対の外周金型部の他方が上記第2の金型と接合さ
    れて成形物の側面の残りの部分を形成するものであり、
    キャビティを構成した場合に成形時に生じるガスをキャ
    ビティ外へ排気させるガス抜き口が上記一対の外周金型
    部の対向面同士の間に設けられていることを特徴とする
    記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記一対の外周金型部は、成形物の厚
    さの略中央部となる位置を境にして分割されており、 上記ガス抜き口が成形物の厚さの略中央部となる位置に
    設けられていることを特徴とする請求項9記載の記録媒
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記基板に、所定パターンの凹凸を形
    成することを特徴とする請求項9記載の記録媒体の製造
    方法。
JP13576598A 1998-05-18 1998-05-18 成形用金型、記録媒体及びその成形用金型を用いた記録媒体の製造方法 Pending JPH11328664A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007099732A1 (ja) * 2006-02-28 2007-09-07 Konica Minolta Opto, Inc. 磁気記録媒体用基板、その製造方法、及び磁気記録媒体用基板の金型
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