JPWO2007091427A1 - ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物、それを含有するポリ乳酸樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリ乳酸樹脂に配合して、耐加水分解性を付与し、かつ機械特性も向上するポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物、それを含有するポリ乳酸樹脂組成物及び成形品に関している。

Description

本発明は、ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物、それを含有するポリ乳酸樹脂組成物及び成形品に関し、更に詳しくは、ポリ乳酸を連結することによってポリ乳酸樹脂との相溶性を改善したポリカルボジイミド化合物、それを含有する耐加水分解性に優れ、機械特性に優れるポリ乳酸樹脂組成物及び成形品に関する。
石油原料の代替として、近年、植物由来樹脂が注目され、各種の植物由来樹脂を利用した樹脂組成物の実用化検討が盛んに行われている。植物由来樹脂を利用した例として、特にポリ乳酸樹脂が注目され、各種用途で製品化されつつある。このポリ乳酸樹脂の用途は、主に容器包装や農業用フィルム等のように使用期間が短く、使用後に廃棄することを前提とした用途であるが、最近では、家電製品やOA機器の筐体材及び自動車用部品などの、初期の特性を長期間保持することが必要な耐久消費材まで、使用範囲が広がりつつある。
しかし、ポリ乳酸樹脂は、従来の汎用樹脂に比べ容易に加水分解される性質を有しており、それ故に耐久性に劣るという問題がある。したがって、初期の物性を長時間保持するためには、ポリ乳酸樹脂の耐加水分解性を向上させることが必要である。
そこで、ポリ乳酸樹脂の耐加水分解性を改善するため、カルボジイミド化合物やエポキシ化合物のように、ポリ乳酸樹脂のカルボン酸末端を封鎖できる官能基を有する化合物により端末が封鎖することが行なわれている。なお、カルボジイミド化合物とは、分子中にカルボジイミド基[−N=C=N−]を有する化合物である。このカルボジイミド化合物は、公知のカルボジイミド化合物の製造法(例えば、USP2941956(特許文献1)、特公昭47−33279号公報(特許文献2)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.0rg.Chem.),28,2069−2075(1963)(非特許文献1)、ケミカル・レビュー(Chemical Review),81(4),619−621(1981)(非特許文献2)等)で製造される。
また、ポリ乳酸樹脂に、耐熱性、安定性に優れたポリカルボジイミド化合物を1質量%程度添加することも提案されている(特開平11−80522号公報(特許文献3))。このポリ乳酸樹脂組成物では、カルボジイミド基がポリ乳酸樹脂のカルボン酸末端と反応し、封鎖することにより、ポリ乳酸樹脂の耐加水分解性を向上している。
しかしながら、耐久消費材用途にポリ乳酸樹脂を使用する場合、耐加水分解性を十分向上させるためには、ポリカルボジイミド化合物の添加量を5〜10質量%まで増やす必要がある。その結果、ポリ乳酸樹脂組成物では、の機械特性が悪化するという問題が生じる。その原因は、ポリ乳酸樹脂組成物の均一性が失われ、組成物中に分散している、強度に劣るポリカルボジイミド相が増加したことであると考えられる。そのため、ポリ乳酸樹脂の機械特性の向上には、別途補強材を添加する必要があった。
USP2941956 特公昭47−33279号公報 特開平11−80522号公報 ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.0rg.Chem.),28,2069−2075(1963) ケミカル・レビュー(Chemical Review),81(4),619−621(1981)
したがって、本発明の目的は、ポリ乳酸樹脂に耐加水分解性を付与しながら、機械特性の向上にも寄与するポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物、それを含有するポリ乳酸樹脂組成物及び成形品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリカルボジイミド化合物とポリ乳酸樹脂との相溶性を改善することで、従来技術の問題点が克服できることを見出した。具体的には、ポリカルボジイミド化合物に特定範囲の分子量を持つポリ乳酸を一部連結したポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物を、ポリ乳酸樹脂に配合した場合に、従来のポリカルボジイミド化合物を添加した場合に比べて、ポリ乳酸樹脂組成物は高い耐加水分解性を維持しつつ機械特性が大きく向上する。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]により特定される、相溶性を改善したポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物、それを含有するポリ乳酸樹脂組成物及び成形品に関する。
[1]下記一般式(I)の構造単位及び下記一般式(II)で表される構造単位からなり、一般式(II)で表される構造単位を2〜10モル%含有する、数平均分子量1,000〜100,000のランダム共重合体であって、一般式(II)で表される構造単位には下記の一般式(III)で表されるポリ乳酸基が連結していることを特徴とするポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物。
Figure 2007091427
Figure 2007091427
Figure 2007091427
(但し、式(I)及び式(II)中、RはC及びHからなる脂鎖型、脂環型又は芳香族型の2価の炭化水素骨格であり、式(II)中の*は式(III)の*と結合しており、nは6〜210である。)
[2]一般式(III)で表されるポリ乳酸基の数平均分子量が、1,000〜10,000であることを特徴とする[1]に記載のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物。
[3]カルボジイミド当量が、500g/eq以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物5〜20質量%と残部が数平均分子量3万以上のポリ乳酸樹脂であることを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物。
[5][4]に記載のポリ乳酸樹脂組成物からなる成型品。
本発明のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物は、従来のポリカルボジイミド化合物が有する特性を損なわずに、連結したポリ乳酸基を介してポリ乳酸樹脂との化学的親和性を向上できる。また、本発明のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物は、ポリ乳酸樹脂に添加することにより、優れた耐加水分解性と共に分子鎖同士の絡み合い効果が増幅されてポリ乳酸樹脂組成物の機械特性が向上する。したがって、本発明のポリ乳酸組成物からなる成形品は、射出成形法、フィルム成形法、ブロー成形法、発泡成形法などの各種方法により得られ、電化製品の筐体などの電気・電子機器用途、建材用途、自動車部品用途、日用品用途、医療用途、農業用途などの各種用途に使用できる。
本発明のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物は、一般式(I)で表される構成単位(以下、簡単のために「構造単位I」という)及び一般式(II)で表される構成単位(以下、簡単のために「構造単位II」という)を有するポリマーであり、構成単位IIには一般式(III)で表されるポリ乳酸基(以下、簡単のために「ポリ乳酸基III」という)を連結していることが特徴であるポリカルボジイミド化合物である。
Figure 2007091427
Figure 2007091427
Figure 2007091427
(但し、式(I)及び式(II)中、RはC及びHからなる脂鎖型、脂環型又は芳香族型の2価の炭化水素骨格であり、式(II)中の*は式(III)の*と結合しており、nは6〜210である。)
また、本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上記のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物とポリ乳酸樹脂からなることを特徴とする。
そして、本発明の成形品は、上記ポリ乳酸樹脂組成物からなることを特徴とする。
1.ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物
本発明におけるポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物は、ポリカルボジイミド化合物の分子鎖中に複数有する構成単位Iからなるカルボジイミド基の一部にポリ乳酸がグラフト化して、ポリ乳酸基IIIが結合した構成単位IIが形成されることによって得られる。
ポリカルボジイミド化合物は、一般的に良く知られた方法で合成されたものを使用することができる。このポリカルボジイミド化合物は、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用い、各種有機ジイソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒で又は不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応させることにより合成することができる。
ポリカルボジイミド化合物の製造における原料有機ジイソシアネートとして、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの混合物を挙げることができる。具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3’,5,5’−テトライソプロピルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
本発明のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物がポリ乳酸樹脂に配合される場合、カルボジイミド成分の機能は、添加後初期の段階では、加水分解を促進させると考えられるポリ乳酸樹脂内に残存するカルボキシル基と反応して加水分解を抑制し、その後は、加水分解反応によってエステル結合が切断されて生成したポリ乳酸樹脂のカルボキシル基末端に付加することにより、ポリ乳酸の分子鎖を再結合させるものとして働くものである。
カルボジイミド成分に結合してポリ乳酸基IIIとなるポリ乳酸は、一般的に良く知られた方法で合成されたものを使用することができる。その方法としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸(ラセミ体)を溶媒中で直接脱水縮合を行う1段階の直接重合法と、乳酸を原料として得られる環状二量体のラクチドから、開環重合を行う2段階のラクチド法が知られている。
これらの製法で用いることができる触媒として、錫、アンチモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム等を含む金属化合物を例示することができる。中でも、錫系、アルミニウム系の触媒が好ましく、特に、オクチル酸錫及びアルミニウムアセチルアセトナートが好適である。
本発明でポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の製造に用いるポリ乳酸はいずれの製法で得られたものも使用する可能である。このポリ乳酸として、その数平均分子量Mnが500以上15,000以下、好ましくは1,000以上10,000以下であるものが好ましい。ポリ乳酸の数平均分子量が上記範囲であると、得られるポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物をポリ乳酸樹脂に配合した時、耐加水分解性と機械特性をより優れたレベルで達成したポリ乳酸樹脂組成物とすることができる。ここで、ポリ乳酸の数平均分子量Mnは重合度nと下記計算式(1)で関連付けられる。
Mn=72×(n+1) 式(1)
カルボジイミド基へのポリ乳酸のグラフト化反応は、構造単位I中のカルボジイミド基にポリ乳酸のカルボキシル基が付加反応することによって進行し、ポリ乳酸が付加して構造単位Iは構造単位IIに変化する。この反応は余分な副生成物を系外に出す必要がないため、例えば、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の溶媒中でポリカルボジイミド化合物とポリ乳酸を混溶し還流することによって、ほぼ定量的にポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物とすることができる。
また、ポリカルボジイミド化合物とポリ乳酸を無溶媒下で溶融混合する方法でも当該化合物を得ることができるが、原料のポリ乳酸が熱分解する可能性があるため、より精密な合成を行うためには、上記した溶媒を還流させて反応させる方法の方が好ましい。
ポリカルボジイミド化合物に含まれる全カルボジイミド基のうち、置換基IIIが連結されている割合をグラフト化率X[モル%]と称するが、上記グラフト化反応がほぼ定量的に進行することから、グラフト化率Xは下記計算式(2)によって求められる。
X={(a/Mn)/(1/c)}×100=(ac/Mn)×100 式(2)
(但し、aはポリカルボジイミド化合物1gに対するポリ乳酸の量(g)を、Mnはポリ乳酸の数平均分子量を、また、cはポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド当量(g/eq)を示す。すなわち、a/Mnはポリ乳酸の末端カルボキシル基のモル量を意味し、1/cはポリカルボジイミド化合物1g当りのカルボジイミド基のモル数を意味する。)
このグラフト化率Xは、ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の性質に大きく影響する。すなわち、小さすぎるとポリ乳酸樹脂との相溶性が改善せず、機械特性が向上しない。また、大きすぎると耐加水分解性を向上させる効果が低下する。したがって、このグラフト化率Xは、好ましくは2モル%以上10モル%以下である。グラフト化率Xをかかる範囲とした場合には、ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物をポリ乳酸樹脂に配合して得られるポリ乳酸樹脂組成物は、耐加水分解性と機械特性がより優れたレベルにある。
更に、ポリ乳酸基IIIの水酸基末端を封鎖することによって、更に耐加水分解性を向上させることができる。水酸基末端の封鎖は、ポリ乳酸基IIIをポリカルボジイミド化合物へ導入した後、イソシアネート化合物等の水酸基と反応する化合物を反応系中へ添加して行われる。
2.ポリ乳酸樹脂
本発明におけるポリ乳酸樹脂は、上記ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の製造に使用するポリ乳酸と同様、一般的によく知られた方法で合成されたものを使用することができる。その方法としては、上記ポリ乳酸の製造方法と同様である。本発明においては、ポリ乳酸樹脂の数平均分子量Mnは高いほど好ましく、通常好ましくは3万以上、更に好ましくは7万〜10万である。
3.その他の添加物
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリカルボジイミド化合物以外の添加物を含有していてもよい。そのような添加剤として、例えば、無機フィラー、補強剤、着色剤(酸化チタンなど)、安定剤(ラジカル補足剤、酸化防止剤など)、難燃剤(公知の金属水和物、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤等)、公知の結晶核剤(タルク等)、抗菌剤や防かび剤等を挙げることができる。
無機フィラーとして、シリカ、アルミナ、砂、粘土、鉱滓等が使用でき、補強材としては針状無機物等を使用可能である。また、抗菌剤として、銀イオン、銅イオン、これらを含有するゼオライト等を例示できる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、射出成形法、フィルム成形法、ブロー成形法、発泡成形法等により、電化製品の筐体などの電気・電子機器用途、建材用途、自動車部品用途、日用品用途、医療用途、農業用途などの成形体に加工できる。
ポリ乳酸樹脂組成物への各種配合成分の混合方法に、特に制限はなく、公知の混合機、例えば、タンブラー、リボンブレンダー、単軸や二軸の混練機等による混合や押出機、ロール等による溶融混合が挙げられる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物を成形する方法としても、特に制限はなく、公知の射出成形、射出・圧縮成形、圧縮成形法等、通常の電気・電子機器製品の製造に必要とされる成形方法を用いることができる。これらの溶融混合や成形時における温度については、ポリ乳酸樹脂の溶融温度以上でかつポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物やポリ乳酸樹脂が熱劣化しない範囲で設定することが可能である。
以下、具体例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。なお、実施例中の物性は次の方法で測定し、評価したものである。
(1)耐加水分解性
製造された樹脂組成物のペレットについて、温度80℃、湿度95RH%の雰囲気下に一定時間置き、GPC(ゲルパーミテーションクロマトグラフィ)を用いて、数平均分子量の変化を測定し、下記基準で耐加水分解性を評価した。
○:150時間経過時にも初期の数平均分子量を維持していた。
×:150時間経過時には分解が進行し、初期の数平均分子量を維持できていなかった。
(2)相溶性
製造された樹脂組成物ペレットを200℃に加熱したスライドガラス上に置き、溶解したところでカバーガラスをかけた後に室温まで冷却して、測定用試料を作成する。次いで、その測定用試料を光学顕微鏡で観察し、ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の分散粒径を測定する。その結果を用いて、下記基準で相溶性を評価した。
○:ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の分散粒径が1μm未満。
×:ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の分散粒径が1μm以上。
(3)機械特性(曲げ特性)
製造された樹脂組成物からJIS K 7171に準拠する試験片を作成し、この試験片について、曲げ特性を測定して、機械特性の指標とした。
製造例1(ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド製造用ポリ乳酸の製造1:原料 乳酸)
攪拌モーター及び冷却管を付けたフラスコに、L−乳酸(試薬1級)を入れ、減圧下に150℃で6時間発生した水分を系外に排出しながら、脱水反応した。得られた反応マスをヘキサンで沈殿させて、数平均分子量が300〜500であるポリ乳酸(オリゴマー)を得た。なお、数平均分子量は末端カルボン酸の定量により求めた。
製造例2(ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド製造用ポリ乳酸の製造2:原料 ラクチド)
攪拌モーター及び冷却管を付けたフラスコに、L−ラクチド(試薬1級)とオクチル酸錫150ppm(L−ラクチドに対し)を投入し、窒素雰囲気下190℃で重合反応を行った。反応時間を調整して、分子量の異なるポリ乳酸を得た。なお、末端カルボン酸を定量して求めた数平均分子量は1000〜20000の範囲にあった。
製造例3(ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−1)の合成)
攪拌モーター及び冷却管を付けたフラスコに、脂肪族ポリカルボジイミド化合物“カルボジライトLA−1”(商品名、日清紡株式会社製、カルボジイミド当量=250g/eq)100質量部と、製造例1で得た数平均分子量が300であるポリ乳酸12質量部及びクロロホルム1000質量部を加え、65℃で6時間還流した後メタノールで再沈殿してポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−1)を得た。得られたポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド当量は310g/eqであり、ポリ乳酸グラフト化率は10モル%であった。
製造例4〜13(ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−2〜A−9の合成)
表1に示すようにポリ乳酸の数平均分子量及び添加量を変更する外は、製造例3と同じようにして、ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−2〜A−9)を得た。また、得られたポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド当量とポリ乳酸グラフト化率は表1に示すとおりであった。
Figure 2007091427
実施例1
ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−4、表1参照)5質量%とポリ乳酸樹脂(ユニチカ株式会社製、数平均分子量10万)95質量%を混合し、この混合物の温度が約180℃になるように設定した卓上混練機内で溶融混練して、ペレットを作製した。得られたペレットを耐加水分解性及び相溶性の評価に供した。また、100℃で7時間以上乾燥させたペレットを用い、金型表面温度を180℃に設定した圧縮成型機で板厚3.2mmの成型体(長さ130mm、幅10mm)を作成して、機械特性を評価した。組成と評価結果を表2に示す。
実施例2
ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−4)10質量%とポリ乳酸樹脂90質量%と変更する外は実施例1と同じ操作を行ってペレットを作製し、そのペレットを用い、耐加水分解性、相溶性及び機械特性を評価した。組成と評価結果を表2に示す。
実施例3
ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物(A−4)20質量%とポリ乳酸樹脂80質量%と変更する外は実施例1と同じ操作を行ってペレットを作製し、そのペレットを用い、耐加水分解性、相溶性及び機械特性を評価した。組成と評価結果を表2に示す。
比較例1
ポリ乳酸樹脂のみを用いる外は実施例1と同じ操作を行ってペレットを作製し、そのペレットを用い、耐加水分解性、相溶性及び機械特性を評価した。組成と評価結果を表2に示す。
比較例2〜4
ポリ乳酸変性カルボジイミド化合物に代えて、脂肪族ポリカルボジイミド「カルボジライトLA−1」(商品名)に変更する外は、それぞれ実施例1〜3と同じ操作を行い、ペレットを作製し、耐加水分解性、相溶性及び機械特性を評価した。組成と評価結果を表2に示す。
Figure 2007091427
表2に示される結果から明らかなように、ポリ乳酸をグラフト化したポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物5〜20質量%をポリ乳酸樹脂に配合することによって、高い耐加水分解性が達成されると同時に機械特性も向上する。
実施例4〜8及び比較例5〜7
ポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物として、表3に示すものを用いる外は実施例1と同じ操作を行い、ペレットを製造し、耐加水分解性、相溶性及び機械特性を評価した。組成と評価結果を実施例1と共に表3に示す。
Figure 2007091427
表3に見られるように、実施例1及び4〜8では、ポリ乳酸樹脂との相溶性が向上し、高い耐加水分解性を維持しつつ機械特性も20%以上向上している。比較例5では、グラフト化するポリ乳酸の数平均分子量Mnが小さいためにポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物の極性が高く、ポリ乳酸樹脂との相溶性が改善しないとともに耐加水分解性も悪化している。比較例6では、カルボジイミド当量が500を超えているため、十分な耐加水分解性が得られていない。比較例7ではポリ乳酸のグラフト化率が小さいため、ポリ乳酸樹脂との相溶性が改善されずに機械特性が向上していない。
本発明のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物は、ポリ乳酸樹脂との親和性が向上しているので、ポリ乳酸樹脂に添加することにより、優れた耐加水分解性と共に機械特性が良好である。したがって、本発明のポリ乳酸組成物は、射出成形法、フィルム成形法、ブロー成形法、発泡成形法などの各種方法により成形でき、電化製品の筐体などの電気・電子機器用途、建材用途、自動車部品用途、日用品用途、医療用途、農業用途などに使用できる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)の構造単位及び下記一般式(II)で表される構造単位からなり、一般式(II)で表される構造単位を2〜10モル%含有する、数平均分子量1,000〜100,000のランダム共重合体であって、一般式(II)で表される構造単位には下記の一般式(III)で表されるポリ乳酸基が連結していることを特徴とするポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物。
    Figure 2007091427
    Figure 2007091427
    Figure 2007091427
    (但し、式(I)及び式(II)中、RはC及びHからなる脂鎖型、脂環型又は芳香族型の2価の炭化水素骨格であり、式(II)中の*は式(III)の*と結合しており、nは6〜210である。)
  2. 一般式(III)で表されるポリ乳酸基の数平均分子量が、1,000〜10,000であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物。
  3. カルボジイミド当量が、500g/eq以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸変性ポリカルボジイミド化合物5〜20質量%と残部が数平均分子量3万以上のポリ乳酸樹脂であることを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のポリ乳酸樹脂組成物からなる成型品。
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