JPWO2007077859A1 - 加速度計速装置 - Google Patents

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Abstract

多軸成分を含む複数の加速度データからなる加速度データ群の各軸成分を座標値としたときの3次元直交座標空間上における分布と、該加速度データ群に付随する重要度群とから、2次元又は3次元の直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定し、その推定された基準点と各軸の基準長とに基づいて各加速度データを補正する。

Description

本発明は、多軸の加速度センサの出力補正を行う加速度計測装置に関し、より詳細には、加速度計速装置の姿勢を特定の方向に向けるよう意識することなく、2軸又は3軸の加速度センサの出力データを繰り返し取得することで、2軸又は3軸の加速度センサの出力補正に必要なオフセット若しくはオフセットと感度との両方を速やかに取得することができるようにした加速度計速装置に関する。
近年、携帯機器に組込み可能な軽量小型の3軸加速度センサとしてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた半導体デバイスのピエゾ抵抗型3軸加速度センサが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
加速度を検知し、電圧に変換して出力する3軸加速度センサにおいて、各軸方向の感度をr,r,r、各軸のオフセットをx,y,zとすると、加速度a,a,aに対する加速度センサの出力x,y,zは次式のように表される。
Figure 2007077859
一般に感度及びオフセットにはばらつきがあり、特にオフセットのばらつきは無視できない場合が多い。さらにピエゾ抵抗型の加速度センサの場合、感度及びオフセットは著しい温度特性を有する。加えてオフセットの温度特性は、ばらつきが大きいことが多い。
このような問題を解決するために、従来の加速度計測装置においては、次のような解決手段を採っている(例えば、特許文献2参照)。
つまり、出荷前の検査工程において、例えば、0℃・25℃・60℃といった異なる複数の温度雰囲気の中で感度・オフセットを計測し、加速度計測装置にEEPROM等の記憶手段を搭載してこれらの測定データを記憶する。
また、加速度計測装置使用時において、加速度計測装置に出力補正回路を搭載し、現在の温度データと先に記憶された測定データを基に、加速度センサ出力電圧に含まれる感度及びオフセットのばらつきと温度特性を演算して補正する。
しかしながら、従来のこの種の加速度計測装置は、以下のような欠点を有している。
1)異なる複数の温度雰囲気での測定、及び感度の測定は工程数・測定時間・設備コストを非常にアップさせる。
2)出力補正回路における感度とオフセットの温度特性の演算は回路構成を複雑にさせコストアップになる。
3)感度とオフセットの温度特性の計算精度を高めるためには測定温度を増やし、かつ出力補正回路における温度特性演算部分をさらに複雑にする必要があり、現実は困難である。
また、従来の加速度計測装置においては、さらに次のような解決手段を採っている(例えば、特許文献3参照)。
加速度計測装置の使用の都度、例えば、図7A〜図7Fに示すように、3軸加速度センサ202の加速度検出軸方向が重力加速度gの方向と平行になるよう、加速度計測装置203の姿勢を6通りに合わせてそれぞれ3軸加速度センサ202の出力電圧を測定し、次の出力電圧データを得る。
: 図7Aの姿勢におけるx軸測定値
: 図7Bの姿勢におけるx軸測定値
: 図7Cの姿勢におけるy軸測定値
: 図7Dの姿勢におけるy軸測定値
: 図7Eの姿勢におけるz軸測定値
: 図7Fの姿勢におけるz軸測定値
3軸加速度センサの出力補正に必要な感度とオフセットのデータは、次式により算出される。
Figure 2007077859
しかしながら、従来のこの種の加速度計測装置は、以下のような欠点を有している。
1)使用の都度、加速度計測装置の姿勢を複数の特定の方向にそれぞれ合わせる必要があることは使用者にとって非常に煩わしく不便である。
2)さらに、使用者が手で加速度計測装置を支持しながら方向を正確に合わせることは困難であり、上式によって算出される感度及びオフセットは誤差が大きくなりやすい。
上記の問題を解決した、加速度計測装置の姿勢を特定の方向に向けるよう意識することなく2軸又は3軸加速度センサの出力データを繰り返し取得することで、2軸又は3軸加速度センサの出力補正に必要なオフセット若しくは感度とオフセットの両方を取得することができるようにした加速度計測装置がある(特許文献4参照)。
特許文献4に記載の加速度計速装置は静止時の加速度データを用いて、オフセットもしくはオフセットと感度との両方を推定する。
加速度aは、運動加速度kと重力加速度gに分解できる。重力加速度gは一定なので、
Figure 2007077859
運度加速度が0の場合(等速度運動、あるいは静止)加速度センサの各軸の感度が同じ(r)なら、加速度センサの測定出力値(x,y,z)は、球面上に分布する。
Figure 2007077859
上式(数4)によれば4個の異なる測定点からオフセット(x,y,z)、及び感度(r)が推定可能だが、実際には加速度センサの出力にはノイズが重畳されており、以下のような統計的手法を用いて推定したほうが好ましい。N個の加速度センサの測定値(x,y,z、i=1〜N)に対して、
Figure 2007077859
を定め、εのばらつきを最小にするようなオフセット、及び感度を推定する。ばらつきをεの自乗の和と定義すれば、オフセット、及び感度は次式で求められる。
Figure 2007077859
Figure 2007077859
ここで、
Figure 2007077859
運度加速度が0(等速度運動、あるいは静止)で、加速度センサの各軸に感度差がある場合、測定出力値(x,y,z)は、楕円体上に分布する。
Figure 2007077859
上式(数9)によれば6個の異なる測定点からオフセット、及び感度が推定可能だが、実際には加速度センサの出力にはノイズが重畳されており、以下のような統計的手法を用いて推定したほうが好ましい。N個の加速度センサの測定値(x,y,z、i=1〜N)に対して、
Figure 2007077859
を定め、εのばらつきを最小にするようなオフセット、及び感度を推定する。ばらつきをεの自乗の和と定義すれば、B,C,D,E,F,Gは次式で求められる。
Figure 2007077859
Figure 2007077859
ここで、
Figure 2007077859
B,C,D,E,F,Gが求められた後、次式でオフセット、及び感度が求められる。
Figure 2007077859
特開2003−101033号公報 特開平6−331647号公報 特開2004−93552号公報 特願2005−056597号公報
しかしながら、従来のこの種の加速度計速装置は、以下のような欠点を有している。
1)加速度計速装置を使用者が自然に操作した場合、静止時の加速度データは一般に取得し難い。
2)取得される静止時の加速度データは同じような姿勢で取得されたデータである場合が多く、複数の姿勢での静止時の加速度データを取得するには長い時間がかかってしまう。
3)温度が変化して明らかにオフセットが変化してしまった場合、今まで取得したデータを破棄して、また、長い時間かけてデータを取得しなおさなくてはならない。あるいは、加速度計測装置に、EEPROM等の記憶手段を搭載して適当な温度区分毎にそれまでに取得した全測定データ、または、推定されているオフセットおよび感度を記憶しておかなくてはならない。
そこで、本発明の目的は、加速度計速装置の姿勢を特定の方向に向けるよう意識することなく2軸又は3軸加速度センサの出力データを繰り返して取得することで、2軸又は3軸加速度センサの出力補正に必要なオフセットもしくはオフセットと感度の両方を速やかに取得することが出来るようにした加速度計測速装置を提供することにある。
本発明は、2軸又は3軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段が検出した2軸又は3軸加速度データを取得する加速度データ取得手段と、前記加速度データ取得手段によって取得された加速度データの重要度を算出する重要度算出手段と、前記加速度データ取得手段によって取得された2軸又は3軸加速度データ群の各加速度データの各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上における分布と、該2軸又は3軸加速度データ群に対応する前記重要度算出手段によって算出された異なる値の重要度を含む重要度群とから、前記2次元又は3次元の直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定する基準点推定手段と、前記推定手段によって推定された前記基準点と前記各軸の基準長とに基づいて、前記加速度データ取得手段によって取得された各加速度データを補正するオフセット補正手段とを具えることによって、加速度計測速装置を構成する。
前記基準点推定手段は、前記加速度データ取得手段によって取得された2軸又は3軸加速度データ群の2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間における分布と、該加速度データ群に付随する前記重要度算出手段によって算出された重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に円又は球面を定め、前記円又は球面の中心座標と半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記半径を各軸の基準長とし、前記オフセット補正手段は、前記基準点推定手段により推定された前記基準点に基づいて、前記2軸又は3軸の加速度データのオフセットを補正してもよい。
前記基準点推定手段は、前記加速度データ取得手段によって取得された2軸又は3軸加速度データ群の2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間における分布と、該加速度データ群に付随する前記重要度算出手段によって算出された重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に楕円又は楕円体面を定め、前記楕円又は楕円体面の中心座標と各主軸の半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記各主軸の半径を各軸の基準長とし、前記オフセット補正手段は、前記基準点推定手段により推定された前記基準点と各軸の基準長とに基づいて、前記2軸又は3軸の各加速度データのオフセットおよび感度を補正してもよい。
前記基準点推定手段は、前記加速度データ取得手段によって取得された所定数Mの加速度データ群の代表値を算出する代表値算出手段と、前記代表値算出手段によって算出された代表値の第1の重要度を算出する第1の重要度算出手段と、前記代表値算出手段によって算出された代表値と、該代表値に対応する前記第1の重要度および付加情報を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された前記代表値に対応する第1の重要度と前記付加情報とから、前記代表値に対応する第2の重要度を算出する第2の重要度算出手段とを具え、前記基準点推定手段は、前記蓄積手段によって蓄積された所定数Nの代表値の、各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する前記第2の重要度算出手段によって算出された所定数Nの第2の重要度とから、前記2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に定める基準点と各軸の基準長とを推定してもよい。
前記第2の重要度算出手段は、前記代表値に対応する前記蓄積手段に蓄積された付加情報から算出した重要度と、前記代表値に対応する前記蓄積手段に蓄積された第1の重要度とから前記第2の重要度を算出してもよい。
前記基準点推定手段は、前記蓄積手段によって蓄積された所定数Nの代表値群の2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する前記第2の重要度算出手段によって算出された所定数Nの第2の重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に円又は球面を定め、前記円又は球面の中心座標と半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記半径を各軸の基準長とし、前記オフセット補正手段は、前記基準点推定手段により推定された前記基準点に基づいて、前記2軸又は3軸の各加速度データのオフセットを補正してもよい。
前記基準点推定手段は、前記蓄積手段によって蓄積された所定数Nの代表値群の2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間における分布と、該代表値に対応する前記第2の重要度算出手段によって算出された所定数Nの第2の重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に楕円又は楕円体面を定め、前記楕円又は楕円体面の中心座標と各主軸の半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記各主軸の半径を各軸の基準長とし、前記オフセット補正手段は、前記基準点推定手段により推定された前記基準点と各軸の基準長とに基づいて、前記2軸又は3軸の各加速度データのオフセットおよび感度を補正してもよい。
前記代表値算出手段は、前記所定数Mの加速度データ群の平均値を代表値として算出してもよい。
前記第1の重要度算出手段は、前記所定数Mの加速度データ群のばらつきを算出する手段と、前記ばらつきが小さくなるほど高い重要度Aを算出する手段とを含んでもよい。
前記ばらつきは、前記所定数Mの加速度データ群の各軸の分散の和、又は前記各軸の分散の最大値としてもよい。
前記ばらつきは、前記所定数Mの加速度データ群の各軸の最大値と最小値との差の2乗和、又は前記各軸の最大値と最小値との差の最大値の2乗としてもよい。
前記付加情報の1つは、前記代表値算出手段が代表値を算出するときに使用した前記加速度データ群を前記加速度検出手段が検出したときの温度であり、前記第2の重要度算出手段は、前記付加情報としての1つである、前記加速度検出手段がデータを検出した時点での温度と、該第2の重要度算出手段により重要度算出中の時点での温度との差が大きくなるほど低い重要度Bを算出する手段を具えてもよい。
前記付加情報の1つは、前記代表値算出手段が代表値を算出するときに使用した前記データ群を前記加速度検出手段が検出したときの時間であり、前記第2の重要度算出手段は、前記付加情報としての1つである、前記加速度検出手段がデータを検出した時点での時間と、該第2の重要度算出手段により重要度算出中の時点での時間との差が大きくなるほど低い重要度Cを算出する手段を具えてもよい。
前記代表値算出手段によって算出された代表値が適当であるか否かを選択する選択手段をさらに具え、前記選択手段は、前記第1の重要度算出手段によって算出された第1の重要度が、所定値より高い場合に、前記代表値算出手段によって算出された代表値が適当であると判断して選択してもよい。
前記蓄積手段は、前記加速度検出手段の検出軸と線形関係となる線形軸を予め定め、最大値を比較するときは、前記代表値から該代表値に対応する前記第2の重要度を引いた値同士で比較し、最小値を比較するときは、前記代表値と該代表値に対応する前記第2の重要度を足した値同士で比較し、前記選択手段が新たに選択した代表値と、前記蓄積手段に蓄積されている代表値の中で、前記加速度検出手段の検出軸又は線形軸の成分が、最大又は最小となる代表値を選択的に蓄積するようにしてもよい。
前記加速度データ取得手段によって得られた加速度データ群の前記重要度で重み付けした個数と、該加速度データ群の前記重要度で重み付けした各軸成分の和と、該加速度データ群の各軸成分の自乗を前記重要度で重み付けした値の和と、前記基準点と各軸の基準長とを算出するための連立方程式の係数群と、前記基準点と基準長とを保持する加工データ保持手段と、前記加速度データ取得手段によって得られた最新のデータと該データに対応する前記重要度算出手段によって算出された重要度と、前記加工データ保持手段が保持する直近の各種加工データとから、前記基準点と各軸の基準長とを推定してもよい。
本発明によれば、複数の2軸又は3軸加速度データからなる加速度データ群の各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上における分布と、該加速度データ群に付随する重要度群とから、2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定し、その推定された基準点と各軸の基準長とに基づいて加速度データを補正するようにしたので、加速度計速装置の姿勢を特定の方向に向けるよう意識することなく、2軸又は3軸の加速度センサの出力データを繰り返し取得して、2軸又は3軸の加速度センサの出力補正に必要なオフセット若しくはオフセットと感度との両方を迅速に推定することが可能となる。
また、本発明によれば、取得された所定数Mの加速度データ群の代表値を算出し、代表値の第1の重要度を算出し、代表値が適当であるか否かを選択し、該選択された代表値と、該代表値に対応する第1の重要度および付加情報(時間や温度等)を蓄積し、蓄積された代表値に対応する第1の重要度と付加情報とから代表値に対応する第2の重要度を算出し、蓄積された所定数Nの代表値の各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する所定数Nの第2の重要度とから、2次元又は3次元直交座標空間上に定める基準点と各軸の基準長とを推定するようにしたので、温度が変化して明らかにオフセットが変化してしまった場合でも、オフセット若しくはオフセットと感度との両方を迅速に推定することが可能となる。
図1は、発明の第1の実施形態である、加速度計速装置の基本的構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の第2の実施形態である、有限長基準点推定部を有する加速度計速装置の構成例を示すブロック図である。 図3は、検出軸および線形軸の最大値、最小値を蓄積しておくのに適した蓄積部としてのバッファの構成例を示す説明図である。 図4は、蓄積部に格納されているデータを取捨選択するための処理例を示すフローチャートである。 図5は、本発明の第3の実施形態である、無限長基準点推定部を有する加速度計速装置の構成例を示すブロック図である。 図6は、本発明の第4の実施形態である、有限長および無限長の基準点推定部を有する加速度計速装置の構成例を示すブロック図である。 図7Aは、従来の加速度測定装置における所定の軸方向成分を測定する方法を示す説明図である。 図7Bは、従来の加速度測定装置における所定の軸方向成分を測定する方法を示す説明図である。 図7Cは、従来の加速度測定装置における所定の軸方向成分を測定する方法を示す説明図である。 図7Dは、従来の加速度測定装置における所定の軸方向成分を測定する方法を示す説明図である。 図7Eは、従来の加速度測定装置における所定の軸方向成分を測定する方法を示す説明図である。 図7Fは、従来の加速度測定装置における所定の軸方向成分を測定する方法を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の例]
本発明の第1の実施の形態を、図1に基づいて説明する。
本発明に係る加速度計速装置の詳細な説明を行う前に、本例では、加速度計速装置の基本的な構成について概略説明する。
<概略構成>
図1は、本発明に係る加速度計速装置の概略構成を示す。
加速度計速装置は、加速度検出部1と、加速度データ取得部2と、重要度算出部5および基準点推定部6と、オフセット補正部4とから構成される。
<概略動作>
本加速度計速装置の基本的な動作について説明する。
加速度検出部1は、2軸又は3軸方向の加速度を検出する。
加速度データ取得部2は、加速度検出部1により検出された加速度を加速度データとして取得する。
基準点推定部3は、加速度データ取得部2によって取得された加速度データ群の各加速度データの各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上における分布と、該加速度データ群に付随する重要度群とから、2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定する。
ここで、重要度算出部5は、加速度データ取得部2によって取得された加速度データに対応する重要度を算出する。
基準点推定部6は、加速度データ取得部2によって取得された加速度データ群の各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上における分布と、該各加速度データに付随する重要度算出部5によって算出された重要度群とから、2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定する。
オフセット補正部4は、推定部3によって推定された基準点と各軸の基準長とに基づいて、加速度データ取得部2によって取得された各加速度データを補正する。
このような基本的な動作を行うことができるが、さらに、基準点推定部3では、以下のような動作を行うことも可能である。
(球当てはめ例)
補正例として、基準点推定部6において、加速度データ取得部2によって取得された加速度データ群の2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該加速度データ群に付随する前記重要度算出手段によって算出された重要度群とから、2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に円又は球面を定め、円又は球面の中心座標と半径とを推定し、推定された中心座標を基準点とし、半径を各軸の基準長とする。これにより、オフセット補正部4では、基準点推定部6により推定された基準点に基づいて、2軸又は3軸の加速度データのオフセットを補正することができる。
(楕円当てはめ例)
他の補正例として、基準点推定部6において、加速度データ取得部2によって取得された加速度データ群の2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該加速度データ群に付随する重要度算出部5によって算出された重要度群とから、2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に楕円又は楕円体面を定め、楕円又は楕円体面の中心座標と各主軸の半径とを推定し、推定された中心座標を基準点とし、前記各主軸の半径を各軸の基準長とする。これにより、オフセット補正部4では、基準点推定部6により推定された基準点と各軸の基準長とに基づいて、2軸又は3軸の加速度データのオフセットおよび感度を補正することができる。
以上のような構成および動作することにより、加速度計速装置の姿勢を特定の方向に向けるよう意識することなく、2軸又は3軸加速度センサの出力データを繰り返し取得して、2軸又は3軸の加速度センサの出力補正に必要なオフセット若しくはオフセットと感度との両方を迅速に推定することが可能となる。
以下、本発明に係る加速度計速装置の詳細な説明を行う。
[第2の例]
本発明の第2の実施の形態を、図2〜図4に基づいて説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
(有限長DOE)
<構成>
図2は、本発明に係る加速度計速装置の構成例を示す。
加速度計速装置は、加速度検出部1と、加速度データ取得部2と、有限長基準点推定部10と、オフセット補正部4とから構成される。以下の説明では、有限長基準点推定部10以外の構成部分についての説明は省略する。
有限長基準点推定部10について説明する。
有限長基準点推定部10は、代表値算出部11と、第1の重要度算出部12と、データ選択部13と、蓄積部14と、第2の重要度算出部15と、第1の基準点推定部16とからなる。
代表値算出部11は、加速度データ取得部2によって取得された所定数Mの加速度データ群の代表値を算出する。
第1の重要度算出部12は、L個の重要度算出部(A1〜AL)12aと、全重要度算出部(1)12bとを有し、代表値算出部11によって算出された代表値の第1の重要度を算出する。
データ選択部13は、代表値算出部11によって算出された代表値が適当であるか否かを選択する。
蓄積部14は、データ選択部13によって選択された代表値と、該代表値に対応する前記第1の重要度および付加情報を蓄積する。
第2の重要度算出部15は、重要度算出部(B)15aと、重要度算出部(C)15bと、全重要度算出部(2)15cとを有し、蓄積部14に蓄積された代表値に対応する第1の重要度と付加情報とから、代表値に対応する第2の重要度を算出する。
第1の基準点推定部16は、蓄積部14によって蓄積された所定数Nの代表値の、各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する第2の重要度算出部15によって算出された所定数Nの第2の重要度とから、2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定する。
<動作>
本装置の動作について説明する。
加速度検出部1では、加速度センサによって加速度を検出し、その検出値を電圧に変換する。
電圧に変換された加速度は、加速度データ取得部2で増幅、フィルタリング等が施され、さらに、AD変換されて、加速度データとして取得される。加速度データは、主に加速度センサの各軸の感度差およびオフセットの影響で、真の加速度が各測定軸方向に異なる比率で伸縮され、さらに、オフセットが重畳された値となる。また、加速度データには、量子化誤差やノイズが含まれる。
代表値算出部11では、連続して検出された所定数の加速度データ群の代表値が計算される。代表値は、第1の基準点推定部16でオフセットおよび感度を推定する際に用いられ、球面上あるいは楕円体面上に分布しているべき値であり、重力加速度データであることが好ましい。
しかし、通常運動加速度と重力加速度とを分離することはできないので、代表値を算出するための効果的な指針はない。
そこで、代表値は、連続して検出された所定数の加速度データ群の平均値、中央値、あるいは特定の順番の加速度データ等にしておく。所定数が1の場合は、出力データがそのまま代表値となる。代表値に加速度データ群の平均を用いる場合は、もしそれらの加速度データ群が静止時に得られた値であるなら、ノイズの影響を低減することができるので、オフセットおよび感度の推定精度を高めることができる。
第1の重要度算出部12において、代表値の重要度が計算される。重要度は、L個の重要度算出部(A1〜AL)12aにより異なる複数の方法で算出され、全重要度算出部(1)12bにおいて組み合わされ、結果として全重要度1が算出される。
重要度は、第1の基準点推定部16が基準点を推定する際に用いる代表値の重要度を表す値で、重要度が高い代表値ほど基準点推定に優先的に用いられる。加速度は、通常運動加速度と重力加速度との和であるが、加速度センサのオフセットおよび感度を求める際には、前述したように重力加速度が球面上、あるいは楕円体面上に分布することを利用する。従って、運動加速度が小さなデータほど、オフセット及び感度推定には適している、すなわち、重要度が高い。
従って、例えば、代表値を計算した所定数のデータ(あるいはそれを含む所定数より多いデータ、あるいは所定数のデータの一部のデータ)の各軸の分散を計算し、各軸の分散の和が大きければ代表値には大きな運動加速度が含まれている可能性が大きいとして重要度を低く、逆に小さければ代表値は静止時に取得されたデータから計算された可能性が高いので重要度を高くする。重要度は、分散の逆数を基礎とする概念であることを後で示す。重要度として、各軸の分散の最大値の逆数を選ぶこともできる。
また、代表値を計算した所定数のデータ(あるいはそれを含む所定数より多いデータ、あるいは所定数のデータの一部のデータ)の各軸の最大値と最小値との差の自乗和の逆数、あるいは各軸の最大値と最小値との差の最大値の自乗の逆数としてもよい。限られた計算能力しか持たないシステムに本発明を組み込む場合は分散を計算するより、最大値と最小値から重要度を計算する方が有利である。
重要なことは、重要度を正確に求めることではなくて、素性の良いデータ(重力加速度のみを表すデータ)とそうでないデータとの重要度に有意な差を付けることである。
具体的には、上述の重要度(1/σ )は次式で求める。
Figure 2007077859
ここで、σ,σ,σは上記各軸の分散、xmax,xmin,ymax,ymin,zmax,zminはそれぞれ各軸測定値の最大値、最小値である。
データ選択部13は、一般に複数の小データ選択部より構成され、全ての小データ選択部で選択された代表値のみが選択される。データ選択部13では、計算された代表値が基準点推定に適しているかどうか判断し、適当と判断した代表値を選択する。通常、基準点推定に用いる代表値の数は有限なので、ここで、素性の悪いデータを破棄する。取捨選択の方法としては、例えば、全重要度1が予め定めた所定値以上である代表値を選択する。全重要度1があまりにも小さな代表値は、誤ったオフセット及び感度を推定する可能性が大きいので、破棄する。また、直前に選択した代表値、あるいは蓄積部に蓄積されている全ての代表値と、新たにデータ選択部13に入力された代表値の距離(測定値空間上のノルムでもよいし、各軸の座標軸の差の絶対値の最大値でもよい)を比較し、予め定めた所定値以上であるデータを選択する。
蓄積部14では、データ選択部13で選択された代表値と、その代表値に付随する全重要度1と、全重要度2の算出に必要な付加情報とが蓄積される。
付加情報としては、代表値算出に用いた加速度データ群を加速度センサが測定したときの時間や温度を用いることができる。
球体又は楕円体への当てはめ計算において、加速度データが、3次元空間内で正確に球面上又は楕円体面上にあるならば、各測定点が球面上あるいは楕円体面上の狭い範囲に分布していても中心点を精度良く求めることは可能である。しかし、加速度データは、ノイズや量子化誤差の影響を受けるため、たとえ加速度センサが静止していてもその測定データが正確に球面上にあることは稀である。測定点の分布が狭いとこれらの誤差の影響を大きく受け、精度良い推定計算が行えないという問題がある。
しかしながら、測定データが3次元空間内で十分広い範囲に分布していれば、これらの誤差の影響を小さくすることができる。測定データが3次元空間内で広い範囲に分布するようデータを取捨選択して蓄積する手法が特許文献4に提案されている。
特許文献4では、3次元直交座標空間において、任意の線形軸を設定し、その軸上において最大又は最小に近い点のデータを蓄積するようにしている。
楕円面当てはめ計算においては、楕円体の長軸、短軸それぞれの両端に近い位置に一つ以上の測定データがあると、極めて精度の良い推定計算が行える。互いに直交した3次元方向の加速度を検出するような3軸加速度センサの出力においては、加速度データは測定軸のどれかを長軸又は短軸とするような楕円体上に分布するので、加速度センサの測定軸上(すなわち3軸上)での最大値、最小値となる成分を持つデータを用いることで、楕円体当てはめ計算の精度を高くすることができる。
加速度センサの3軸測定軸をX,Y,Zとすると、線形軸として、
X+Y+Z,−X+Y+Z,−X−Y+Z,X−Y+Z
を加えた7軸、更に
X+Y,−X+Y,X+Z,−X+Z,Y+Z,−Y+Z
を加えた13軸などが効果的である。
重要度は、後述するように代表値の分散を基礎とする値であり、代表値が存在しうる範囲に関係する。従って、蓄積部14に蓄えられたデータの選択をする際に、最大値は、代表値が取り得る最小の値同士で比較し、最小値は代表値が取り得る最大の値同士で比較する。つまり、代表値が存在しうる範囲の最悪値で比較する。このように比較することによって、例えば、ある代表値が運動加速度を含むため大きな値になったとしても、重要度が低くその代表値が取り得る最小値が、適正な値より小さければ、何れこの代表値は蓄積部から排除されることになる。
1例として、3軸の加速度センサの測定軸X,Y,Zの最大値、最小値を選択的に蓄積する場合について述べる。
図3は、検出軸および線形軸の最大値、最小値を蓄積しておくのに適した蓄積部14としてのバッファの構成例を示す。
蓄積部14は、図3のような代表値を選択的に格納する配列数6以上のバッファを持つ。すなわち、配列番号0には、
X軸測定値−1/全重要度2
が最大のデータ(代表値XMAX)、配列番号1には、
X軸測定値+1/全重要度2
が最小のデータ(代表値XMIN)、配列番号2には、
Y軸測定値−1/全重要度2
が最大のデータ(代表値YMAX)、(以下同様)、に格納されている。バッファの配列数が6を越える場合、上記以外に自由に代表値を格納して構わない。
バッファにはそれぞれの代表値に対応する全重要度1、代表値を計算するために用いられた加速度データが取得された温度、時間も格納しておく。
図4は、蓄積部14に格納されているデータを取捨選択するための処理例を示す。
データ選択部13で新たに代表値が選択された場合(ステップS1)、まず、新たな代表値の全重要度2が計算される(ステップS2)。そして、各配列の代表値の全重要度2が再計算される(ステップS3〜ステップS5)。新たな代表値と各配列の代表値との大小が比較される。比較は、配列番号の小さな順に行われ、上述のように、配列番号i=0と比較するときは、
X軸測定値−1/全重要度2
で、配列番号i=1と比較するときは、
X軸測定値+1/全重要度2
で、(以下同様)比較する(ステップS6〜ステップS8)。
比較の結果、配列に格納されていた代表値より新たな代表値の方が適していると判断された場合には、配列に格納されていた代表値と新たな代表値とを交換し、次の配列番号の代表値との比較を続ける。配列番号i=5まで比較が終わった時点で選択を終了する(ステップS9〜ステップS10)。
第2の重要度算出部15では、蓄積部14に蓄積された全重要度1と、温度および時間とから、重要度算出部15a,15bにて算出される重要度を組み合わせて、全重要度2を算出する。
一般に加速度センサのオフセットおよび感度は、温度特性を持つ。球体当てはめや楕円体当てはめでオフセット及び感度を推定するシステムでは、温度が変動したときは、データを始めから収集しなおす必要がある。一度取得したデータを無駄にしないために、蓄積部14に温度毎にバッファを用意するという方法があるが、その分だけ余計に記憶領域を必要とする。温度変動と共に変動後のデータを再取得し、充分速やかにオフセットおよび基準点を再計算できれば、このような手法を用いる必要がない。温度変動による加速度センサのオフセット変動は、一般に加速度センサの仕様で規定されており、1℃あたりのオフセット変動の最悪値(CTe)はわかる。重要度算出部2において、温度から重要度(1/σTe )を例えば以下のように算出する。
Figure 2007077859
ここで、T ,Tはそれぞれ、蓄積部に格納されている代表値、現在の温度(すなわち、重要度算出中の現時点での温度)である。
最新の代表値の温度(すなわち、大抵の場合、現在の温度)と、蓄積部14に蓄積されている代表値の温度とが、離れれば離れるほど、蓄積部の代表値の重要度は低く見積もられる。重要度の低くなった蓄積部に蓄積されている代表値は、前述したように(加速度センサの検出軸および線形軸の全重要度1を加味した最大値、最小値を選択的に蓄積していくようなシステムにおいては)新たな代表値と交換され易くなる。
一度蓄積された代表値の重要度を時間と共に低くしていくと、加速度センサを含むシステムの特性の経時変化に対応できる。また、例えば加速度センサが回転しながら自由落下していく場合、取得される加速度データは遠心力のみである(重力加速度は0)ため、加速度データは重力加速度の測定データが描くべき球面あるいは楕円体面上にのらない。充分に長い時間回転しながら自由落下したときは重要度算出部で算出される分散は0に近く、従って非常に高い重要度となり、取得されたデータは長い間蓄積部に残ってしまう可能性がある。時間と共に、重要度を低くしていくことによって、このようなデータを有限の時間内で排除することができる。また、予想できない要因によりシステムの特性が変化しても、蓄積部に蓄積されている代表値を有限の時間内で入れ換えることができる。
第2の重要度算出部15において、時間から重要度(1/σti )を、例えば以下のように算出する。
Figure 2007077859
ここで、t ,tはそれぞれ、蓄積部に格納されている代表値、現在の時間(すなわち、重要度算出中の現時点での時間)であり、Ctiは比例係数である。
最終的に全重要度1と温度から算出される重要度(数16)と時間から算出される重要度(数17)とを組み合わせて全重要度2が算出される。
例えば、
Figure 2007077859
第1の基準点推定手段では、蓄積部に蓄積された代表値と、重要度算出手段2で算出された全重要度2を用いて、加速度センサのオフセット及び感度が算出される。
加速度センサの各軸の感度が同じ(r)場合、N個の加速度センサの測定値(x,y,z)を用いて、加速度検出手段のオフセット及び感度は次式で算出される。
Figure 2007077859
Figure 2007077859
ここで、例えば、
Figure 2007077859
σ は個々の測定値(x,y,z)に対して、次式のε(即ち、重力加速度データが描くべき球面と実際の加速度データの間の距離の2乗)の分散を表す。
Figure 2007077859
(数19)、(数20)は、分散が大きなデータほど、オフセットおよび感度を求める際の影響度が小さいことを示している。
全ての加速度データの分散を1にすると、(数6)、(数7)の方法と一致する。
加速度センサの各測定軸に感度差が存在する場合、N個の加速度センサの測定値(x,y,z)を用いて、加速度検出部1のオフセットおよび感度は、次のように算出される。
まず、次式でパラメータB,C,D,E,F,Gを求める。
Figure 2007077859
次に、次式でオフセットおよび感度を計算する。
Figure 2007077859
σ は個々の測定値(x,y,z)に対して、次式のε
Figure 2007077859
の分散を表す。(数23)は、分散が大きなデータほど、オフセット及び感度を求める際の影響度が小さいことを示している。
全ての加速度データの分散を1にすると、(数11)、(数12)の方法と一致する。
オフセット補正部4は、加速度データ取得部2で得られたデータを、第1の基準点推定部16で推定されたオフセットおよび感度を用いて補正し、補正された真の加速度を算出する。
補正は(数1)を逆算することにより、
Figure 2007077859
以上説明したように、取得された所定数Mの加速度データ群の代表値を算出し、代表値の第1の重要度を算出し、代表値が適当であるか否かを選択し、該選択された代表値と、該代表値に対応する第1の重要度および付加情報(時間や温度等)を蓄積し、蓄積された代表値に対応する第1の重要度と付加情報とから代表値に対応する第2の重要度を算出し、蓄積された所定数Nの代表値の各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する所定数Nの第2の重要度とから、2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に定める基準点と各軸の基準長とを推定するようにした。
これにより、温度が変化して明らかにオフセットが変化してしまった場合でも、今まで取得していた全データを破棄させたり、長い時間かけてデータを取得し直す必要がなくなるため、加速度計速装置の温度が変化したときにオフセット若しくはオフセットと感度との両方を迅速に推定することが可能となる。
[第3の例]
本発明の第3の実施の形態を、図5に基づいて説明する。なお、前述した各例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
(無限長DOE)
<構成>
図5は、本発明に係る加速度計速装置の構成例を示す。
加速度計速装置は、加速度検出部1と、加速度データ取得部2と、無限長基準点推定部20と、オフセット補正部4とから構成される。以下の説明では、無限長基準点推定部20以外の構成部分についての説明は省略する。
無限長基準点推定部20について説明する。
無限長基準点推定部20は、重要度算出部21と、記憶部22と、第2の基準点推定部23とからなる。
重要度算出部21は、L個の重要度算出部(1〜L)21aと、全重要度算出部21bとを有し、加速度データ取得部2によって取得された加速度データから、該加速度データ群に付随する重要度を得るために、2軸又は3軸の各加速度データの重要度を算出する。
記憶部22は、加速度データ取得部2によって得られた加速度データ群の重要度で重み付けした個数と、加速度データ群の重要度で重み付けした各軸成分の和と、加速度データ群の各軸成分の自乗を重要度で重み付けした値の和と、基準点と各軸の基準長とを算出するための連立方程式の係数群と、基準点と基準長とを保持する。
第2の基準点推定部23は、加速度データ取得部2によって得られた最新のデータと該データに対応する重要度算出部21によって算出された重要度と、記憶部22が保持する直近の各種加工データとから、基準点と各軸の基準長とを推定する。
<動作>
本装置の動作について説明する。
加速度センサのオフセットおよび感度は、重力加速度データが球面あるいは楕円体面上に分布することから求められる。
しかし、通常測定された加速度データには運動加速度も含まれており、オフセットおよび感度推定の際の誤差の要因となっていることは既に述べた。携帯電話やPDA(以後合わせて携帯端末)に加速度センサを組み込んで、歩行者ナビゲーションに使用するアプリケーションにおいては、携帯端末の運動加速度は端末に対して様々な方向を向き、加速度は重力加速度の分布する球面あるいは楕円体面を中心として分布することが予想される。つまり、オフセットおよび感度推定に用いる加速度データ数を充分大きくすれば、(数19)、(数20)、あるいは、(数22)〜(数24)の方法を適用して当てはめられる球面、あるいは楕円体面は、重力加速度の分布する球面あるいは楕円体面を中心として分布することと同じになることが予想される。
(数19)、(数20)、あるいは、(数22)(数24)をそのまま適用するなら、データ数が大きくなると、データの処理時間が長くなり、またデータの記憶領域が大きくなる。特に携帯端末のような、小規模なシステムでは充分なデータ数を処理できない。以下のような工夫をすることで、原理的には有限のデータ処理時間とデータ記憶領域で、無限のデータ数を処理できるようになる(実際には、データ処理のビット長に依存する)。
球面に当てはめる場合は、例えばN+1個のデータで作成される(数19)の係数行列AN+1の2行1列目の成分aN+1、およびBN+1の1行目の成分bN+1、および(数20)のrN+1 は次のように変形できる。
Figure 2007077859
Figure 2007077859
Figure 2007077859

つまり、N個のデータから作られる加工データ
Figure 2007077859
と、N+1個目のデータ
Figure 2007077859
から、
Figure 2007077859
を求めることができる。
楕円体面に当てはめる場合は、例えばN+1個のデータで作成される(数22)の係数列MN+1の2行1列目の成分mN+1は次のように変形できる。
Figure 2007077859
つまり、N個のデータから作られる加工データ
Figure 2007077859
と、N+1個目のデータ
Figure 2007077859
から、
Figure 2007077859
を求めることができる。
上記により、オフセットおよび感度推定に用いるデータ数が増えたとしても、いくつかの加工されたデータから帰納的に新たなオフセットおよび感度を求め続けることができる。
上記の方法は、測定データを保持していないので、例えば、温度変化によりオフセットが変化してしまった場合に温度変化前のデータだけを削除することができない。
しかし、全ての過去の測定データの重要度を同じ比率で変更することによって、過去の測定データの影響を低減することができる。過去のN個の測定データの重要度を1/σから1/(kσ)に変更する場合、球体当てはめなら(数30)のr ,xoN,yoN,zoNを除く、全ての加工データに1/kを乗じた値を新たな加工データとする(行列の場合は各成分に1/kを乗ずる)。
同様に、楕円体当てはめなら(数34)の全ての加工データに1/kを乗じた値を新たな加工データとする(行列の場合は各成分に1/kを乗ずる)。
記憶部22は、(数30)、あるいは(数34)で表されるデータを保持する。
温度変化等の要因により、加速度測定中にオフセットおよび感度が変動する場合がある。このように過去のデータの影響を低減したい場合は、適当な時点で過去のデータの重要度を低くする。重要度を低くする時点は、例えば新たなデータが取得される度にすれば、ある時定数で過去のデータの影響を消すことができる。予め定められた時間が経過する度にしても、同様である。
温度が変動したことが明らかな場合は、急激に過去のデータの重要度を下げてもよい。温度変動とは、前回温度変動があった直後の温度を記憶しておき、この温度に対し予め定めた所定値以上温度が変化した場合、あるいは、前回温度変動があった直後から温度の最大値と最小値を記憶しておき、最大値と最小値の差が予め定めた所定値以上変化した場合などとすることが出来る。重要度の低減は温度のような物理的要因ではなく、数値計算を実現するシステムからの要請の場合もある。つまり、(数30)、あるいは(数34)の加工データの中で測定値の和の形をした値は測定データ数が増えるに伴い大きくなる。データの処理を行うCPUも記憶領域もビット長は有限であるので、定期的に加工データの値を小さくする必要がある。
重要度算出部21は、取得された加速度データの重要度を計算する。全ての測定データのσを1にしてオフセット及び感度推定を行ってもよいが、適切にσ(=1/全重要度)を設定した方が、オフセットおよび感度の収束が速い。
重要度は、異なる複数の方法で算出され、全重要度算出部において組み合わされ、結果として全重要度が算出される。
なるべく早くすなわちなるべく少ない加速度データ数でオフセットおよび感度を求めるためには、運動加速度が多く含まれているデータの重要度は低くした方がよい。加速度データの重要度は、例えば次のように計算できる。所定数の連続して取得された加速度データ群の各軸の分散を計算し、各軸の分散の和が大きければ重要度を低く、逆に小さければ重要度を高くする。重要度として、各軸の分散の最大値から算出することもできる。
また、所定数のデータの各軸の最大値と最小値との差の自乗和、あるいは各軸の最大値と最小値との差の最大値の自乗から算出してもよい。限られた計算能力しか持たないシステムに本発明を組み込む場合は分散を計算するより、最大値と最小値とから重要度を計算する方が有利である。例えば、重要度(1/σ )は、
Figure 2007077859
とする。ここで、σ,σ,σは上記各軸の分散、xmax,xmin,ymax,ymin,zmax,zminはそれぞれ各軸測定値の最大値、最小値、rは規格化用の定数である。
同じ姿勢の静止時の加速度データを多く含む加速度データ群から推定されるオフセットおよび感度は、誤差を多く含む場合が多い。極端な場合、同じ姿勢の静止時の加速度データのみからなる加速度データ群(姿勢によって決まる重力加速度+ノイズ)によって推定されるオフセットは、その加速度データ群とほぼ同じ値となる。つまり、求めるべき球面上あるいは楕円体面上にオフセットが推定されてしまう。従って、静止あるいは静止に近い状態で取得された加速度データの重要度は低く設定するべきである。
加速度データの重要度は、例えば次のように計算できる。所定数の連続して取得された加速度データ群の各軸の分散を計算し、各軸の分散の和が大きければ重要度を高く、逆に小さければ重要度を低くする。重要度として、各軸の分散の最大値から算出することもできる。
また、所定数のデータの各軸の最大値と最小値との差の自乗和、あるいは各軸の最大値と最小値の差の最大値の自乗から算出してもよい。限られた計算能力しか持たないシステムに本発明を組み込む場合は分散を計算するより、最大値と最小値から重要度を計算する方が有利である。所定数を2とすれば、各軸の分散の自乗和は二つの加速度データ間の測定空間上での距離の2乗を表す。例えば、重要度(1/σ )は、
Figure 2007077859
とする。ここで、σ,σ,σは上記各軸の分散、xmax,xmin,ymax,ymin,zmax,zminはそれぞれ各軸測定値の最大値、最小値、rは規格化用の定数である。
実際は、大きな運動加速度が含まれている加速度データと静止時の加速度データとの両方のデータの重要度を低くする必要があり、上記の二つの方法で別々に計算された重要度の和を全重要度とし、オフセット及び感度推定に用いる。
Figure 2007077859
第2の基準点推定部23は、記憶部22で記憶されている加工データと、新たに取得された加速度データ、およびその全重要度を用いて、加速度センサのオフセットおよび感度を推定する。
[第4の例]
本発明の第4の実施の形態を、図6に基づいて説明する。なお、前述した各例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
(有限長+無限長DOE)
<構成>
図6は、本発明に係る加速度計速装置の構成例を示す。
加速度計速装置は、加速度検出部1と、加速度データ取得部2と、推定部3と、オフセット補正部4とから構成される。
本例では、推定部3は、第2の例(図2参照)の有限長基準点推定部10と、第3の例(図5参照)の無限長基準点推定部20と、第3の基準点推定部30とにより構成されている。
第3の基準点推定部は、有限長基準点推定部の第1の基準点推定部及び、無限長基準点推定部の第2の基準点推定部でそれぞれ計算された、(数19)の行列A,B、あるいは(数22)のM,Nに基づいて基準点と各軸の基準長とを推定する。
<動作>
本装置の動作について説明する。
無限長基準点推定部20によって推定されたオフセットおよび感度は、加速度は重力加速度の分布する球面あるいは楕円体面を中心として分布するという仮定のもとに推定された値であり、その推定が常に正しい保証はない。そのため、無限長基準点推定部20で推定されるオフセット及び感度の推定時間は非常に短いが、精度は必ずしも保証されない場合がある。
これに対して、有限長基準点推定部10は、データ選択部13での選択条件を厳しくして、静止時に近い加速度データのみを選択するようにすれば、推定されるオフセットおよび感度の精度は非常に高くなる。反面、静止データを集めるのに時間がかかり、オフセットおよび感度の推定時間が長くなる。
これら2つの基準点推定手段(有限長基準点推定部10、無限長基準点推定部20)の長所をそれぞれ取り入れて、補正処理開始後は無限長基準点推定部20で、静止データが集まってからは有限長基準点推定部10によってそれぞれ推定されるオフセットおよび感度を用いると、速く、最終的には精度のよいオフセットおよび感度を得ることができる。
これら2つの基準点推定手段をある時点で切替えてもよいが、徐々に移行することにより、時間と共に、滑らかに精度のよいオフセットおよび感度に移行していくことができる。
球体当てはめの場合、どちらの基準点推定手段も結果的には(数19)の係数行列A,Bを求める。無限長基準点推定部20によって求められた係数行列をANinf,BNinf、有限長基準点推定部10によって求められた係数行列をANlim,BNlimと、kを比率(0≦k≦1)とする。このとき、第3の基準点推定部30において、次の係数行列ANfus,BNfusを用いて、オフセットおよび感度を算出すればよい。
Figure 2007077859
|A|はAの行列式を表し、各行列を規格化するためである。しかし、行列式の計算には時間がかかり、一般にダイナミックレンジが大きいため(小規模のシステムでよくある)整数演算しかサポートされていないシステムでは不向きである。行列の規格化の方法が若干異なっても、オフセットおよび感度の以降の仕方が異なるだけで、出発点と終着点は同じであり、行列式を厳密に求めるメリットはあまりない。代替方法として例えば、Aの対角成分の最大値を行列式の代わりに用いればよい。
kは、始め0とし、静止データが集まるにつれ1に近付ける。kは、例えば次のように計算する。加速度センサは、各測定軸の感度差に個体差があるものの、型番が決まれば、同じような値となる。有限長基準点推定部10が、上述したように、加速度センサの3軸の測定軸X,Y,Zの最大値、最小値を選択的に蓄積している場合、6個の測定データが作る体積が大きければ大きいほど、測定点が広い領域に分布していることを意味している。
従って、このような加速度データ群から推定されるオフセットおよび感度の精度は良くなり、各軸の測定値の最大値−最小値の最大は、加速度センサの感度の2倍となる。
これにより、kは、
Figure 2007077859
となる。

Claims (16)

  1. 2軸又は3軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記加速度検出手段が検出した2軸又は3軸加速度データを取得する加速度データ取得手段と、
    前記加速度データ取得手段によって取得された加速度データの重要度を算出する重要度算出手段と、
    前記加速度データ取得手段によって取得された2軸又は3軸加速度データ群の各加速度データの各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上における分布と、該2軸又は3軸加速度データ群に対応する前記重要度算出手段によって算出された異なる値の重要度を含む重要度群とから、前記2次元又は3次元の直交座標空間上に定める基準点と、各軸の基準長とを推定する基準点推定手段と、
    前記推定手段によって推定された前記基準点と前記各軸の基準長とに基づいて、前記加速度データ取得手段によって取得された各加速度データを補正するオフセット補正手段と
    を具えたことを特徴とする加速度計速装置。
  2. 前記基準点推定手段は、
    前記加速度データ取得手段によって取得された2軸又は3軸加速度データ群の2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間における分布と、該加速度データ群に付随する前記重要度算出手段によって算出された重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に円又は球面を定め、前記円又は球面の中心座標と半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記半径を各軸の基準長とし、
    前記オフセット補正手段は、
    前記基準点推定手段により推定された前記基準点に基づいて、前記2軸又は3軸の加速度データのオフセットを補正することを特徴とする請求項1記載の加速度計速装置。
  3. 前記基準点推定手段は、
    前記加速度データ取得手段によって取得された2軸又は3軸加速度データ群の2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間における分布と、該加速度データ群に付随する前記重要度算出手段によって算出された重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に楕円又は楕円体面を定め、前記楕円又は楕円体面の中心座標と各主軸の半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記各主軸の半径を各軸の基準長とし、
    前記オフセット補正手段は、
    前記基準点推定手段により推定された前記基準点と各軸の基準長とに基づいて、前記2軸又は3軸の各加速度データのオフセットおよび感度を補正することを特徴とする請求項1記載の加速度計速装置。
  4. 前記基準点推定手段は、
    前記加速度データ取得手段によって取得された所定数Mの加速度データ群の代表値を算出する代表値算出手段と、
    前記代表値算出手段によって算出された代表値の第1の重要度を算出する第1の重要度算出手段と、
    前記代表値算出手段によって算出された代表値と、該代表値に対応する前記第1の重要度および付加情報を蓄積する蓄積手段と、
    前記蓄積手段に蓄積された前記代表値に対応する第1の重要度と前記付加情報とから、前記代表値に対応する第2の重要度を算出する第2の重要度算出手段とを具え、
    前記基準点推定手段は、前記蓄積手段によって蓄積された所定数Nの代表値の、各軸成分を座標値としたときの2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する前記第2の重要度算出手段によって算出された所定数Nの第2の重要度とから、前記2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に定める基準点と各軸の基準長とを推定することを特徴とする請求項1記載の加速度計速装置。
  5. 前記第2の重要度算出手段は、前記代表値に対応する前記蓄積手段に蓄積された付加情報から算出した重要度と、前記代表値に対応する前記蓄積手段に蓄積された第1の重要度とから前記第2の重要度を算出することを特徴とする請求項4記載の加速度計速装置。
  6. 前記基準点推定手段は、
    前記蓄積手段によって蓄積された所定数Nの代表値群の2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間における分布と、該代表値に対応する前記第2の重要度算出手段によって算出された所定数Nの第2の重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元直交座標空間上に円又は球面を定め、前記円又は球面の中心座標と半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記半径を各軸の基準長とし、
    前記オフセット補正手段は、
    前記基準点推定手段により推定された前記基準点に基づいて、前記2軸又は3軸の各加速度データのオフセットを補正することを特徴とする請求項4または5に記載の加速度計速装置。
  7. 前記基準点推定手段は、
    前記蓄積手段によって蓄積された所定数Nの代表値群の2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間における分布と、該代表値に対応する前記第2の重要度算出手段によって算出された所定数Nの第2の重要度群とから、前記2次元直交座標平面又は3次元の直交座標空間上に楕円又は楕円体面を定め、前記楕円又は楕円体面の中心座標と各主軸の半径とを推定し、推定された前記中心座標を前記基準点とし、前記各主軸の半径を各軸の基準長とし、
    前記オフセット補正手段は、
    前記基準点推定手段により推定された前記基準点と各軸の基準長とに基づいて、前記2軸又は3軸の各加速度データのオフセットおよび感度を補正することを特徴とする請求項4または5に記載の加速度計速装置。
  8. 前記代表値算出手段は、
    前記所定数Mの加速度データ群の平均値を代表値として算出することを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載の加速度計速装置。
  9. 前記第1の重要度算出手段は、
    前記所定数Mの加速度データ群のばらつきを算出する手段と、
    前記ばらつきが小さくなるほど高い重要度Aを算出する手段と
    を含むことを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載の加速度計速装置。
  10. 前記ばらつきは、
    前記所定数Mの加速度データ群の各軸の分散の和、又は前記各軸の分散の最大値であることを特徴とする請求項9記載の加速度計速装置。
  11. 前記ばらつきは、
    前記所定数Mの加速度データ群の各軸の最大値と最小値との差の2乗和、又は前記各軸の最大値と最小値との差の最大値の2乗であることを特徴とする請求項9記載の加速度計速装置。
  12. 前記付加情報の1つは、
    前記代表値算出手段が代表値を算出するときに使用した前記加速度データ群を前記加速度検出手段が検出したときの温度であり、
    前記第2の重要度算出手段は、
    前記付加情報としての1つである、前記加速度検出手段がデータを検出した時点での温度と、該第2の重要度算出手段により重要度算出中の時点での温度との差が大きくなるほど低い重要度Bを算出する手段を具えたことを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載の加速度計速装置。
  13. 前記付加情報の1つは、
    前記代表値算出手段が代表値を算出するときに使用した前記データ群を前記加速度検出手段が検出したときの時間であり、
    前記第2の重要度算出手段は、
    前記付加情報としての1つである、前記加速度検出手段がデータを検出した時点での時間と、該第2の重要度算出手段により重要度算出中の時点での時間との差が大きくなるほど低い重要度Cを算出する手段を具えたことを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載の加速度計速装置。
  14. 前記代表値算出手段によって算出された代表値が適当であるか否かを選択する選択手段をさらに備え、
    前記選択手段は、
    前記第1の重要度算出手段によって算出された第1の重要度が、所定値より高い場合に、前記代表値算出手段によって算出された代表値が適当であると判断して選択することを特徴とする請求項4ないし13のいずれかに記載の加速度計速装置。
  15. 前記蓄積手段は、
    前記加速度検出手段の検出軸と線形関係となる線形軸を予め定め、
    最大値を比較するときは、前記代表値から該代表値に対応する前記第2の重要度を引いた値同士で比較し、最小値を比較するときは、前記代表値と該代表値に対応する前記第2の重要度を足した値同士で比較し、
    前記選択手段が新たに選択した代表値と、前記蓄積手段に蓄積されている代表値の中で、前記加速度検出手段の検出軸又は線形軸の成分が、最大又は最小となる代表値を選択的に蓄積することを特徴とする請求項4ないし14のいずれかに記載の加速度計速装置。
  16. 前記加速度データ取得手段によって得られた加速度データ群の前記重要度で重み付けした個数と、該加速度データ群の前記重要度で重み付けした各軸成分の和と、該加速度データ群の各軸成分の自乗を前記重要度で重み付けした値の和と、前記基準点と各軸の基準長とを算出するための連立方程式の係数群と、前記基準点と基準長とを保持する加工データ保持手段と、
    前記加速度データ取得手段によって得られた最新のデータと該データに対応する前記重要度算出手段によって算出された重要度と、前記加工データ保持手段が保持する直近の各種加工データとから、前記基準点と各軸の基準長とを推定することを特徴とする請求項1記載の加速度計速装置。
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