JP2004093552A - 加速度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加速度検出装置の校正処理。
【解決手段】互いに直交する少なくとも2方向の加速度を検知する感受部を有する加速度センサを具備する加速度検出装置であって、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を該校正値で補正する演算処理回路を有する事を特徴とする加速度検出装置。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに直交する少なくとも2方向の加速度を検知する感受部を有する加速度センサを具備する加速度検出装置であって、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を該校正値で補正する演算処理回路を有する事を特徴とする加速度検出装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機、産業機器、カメラ、携帯端末機器、人間工学、医療、時計、玩具、ゲ−ム等に用いられる振動、傾き、移動距離、移動方向を検出する加速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動、傾き、移動距離、移動方向を検出する方法とし加速度センサが広く使われている。加速度センサは加速度によって生じる力を電圧等の電気的な値に変換し検出している。しかし、感受部は製造ばらつき等によって固有の特性を持つため、そのままでは使用することはできない。そこで、センサを既知の加速度状態に置いて、加速度に比例した一定出力が得られる様に校正する必要がある。
【0003】
校正方法の一例として、校正治具を用いて行う方法が特許第3111017号に開示されている。しかし、同方法では感度(1G当たりの出力レベル)校正のみで、無重力(零G)状態の出力レベルを校正することはできない。
【0004】
近年、マイクロマシン製造技術の進展により、1G以下の加速度を検出可能な静電容量型と半導体ピエゾ抵抗型の高感度品が普及して来ている。高感度品は振動検出のみならず傾斜などの傾き検出や移動距離、移動方向の検出に使用されることが多く、零G出力レベルの校正が必須となっている。
【0005】
加速度センサの感度、零G出力レベルの校正方法として、各感受軸を重力加速度方向と一致あるいは直交させる事で、1Gあるいは零Gの状態を作って行うことができる。2軸あるいは3軸の加速度センサでは、各軸に対し1Gあるいは零Gの状態を得るのに最低3状態をとる必要がある。3軸加速度センサの校正の一例を以下に記す。
【0006】
▲1▼センサのZ軸と重力加速度方向を一致させて校正を実行する。ここでは、
X軸出力 Vx′=Vx0
Y軸出力 Vy′=Vy0
Z軸出力 Vz′=[−Vzs]+Vz0 を得る。
▲2▼センサのX軸と重力加速度方向を一致させて校正を実行する。ここでは、
Z軸出力 Vz″=Vz0
X軸出力 Vx″=Vxs+Vx0 を得る。
▲3▼センサのY軸と重力加速度方向を一致させ校正を実行する。ここでは、
Y軸出力 Vy″=Vys+Vy0 を得る。
以上の校正操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値が次に示すように求められる。
X軸 ; 零G出力 Vx0/感度 Vxs=Vx″−Vx0
Y軸 ; 零G出力 Vy0/感度 Vys=Vy″−Vy0
Z軸 ; 零G出力 Vz0/感度 Vzs=Vz′+Vz0
【0007】
前記、各軸の校正値を処理回路に登録し、感受部で計測された各軸の出力Vx,Vy,Vzに対し演算を施す事により、センサの固有の感度、零G出力ばらつきが補正され、加速度に比例した一定のデ−タDx,Dy,Dzが出力される。
Dx=(Vx−Vx0)/Vxs
Dy=(Vy−Vy0)/Vys
Dz=(Vz−Vz0)/Vzs
上記式では、感受部に1Gの加速度が加わった場合、1が出力される。
【0008】
静電容量型と半導体ピエゾ抵抗型高感度加速度センサは環境温度変化により構成部材の熱歪み変形が発生し、電極間ギャップ変化あるいは応力変化により零G出力、感度が変化しやすい欠点ある。また、半導体ピエゾ抵抗型では応力変化に加え、ピエゾ抵抗素子の抵抗値ならび抵抗変化率が温度特性を有するためさらに零G出力と感度を変化させる要因となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
加速度センサを校正する場合、感受部(センサ)単体では校正を行うことはできず、校正値を登録し、演算できる処理回路を必要とし加速度検出センサと校正値の登録と演算する処理回路を有する加速度検出装置とする必要がある。加速度検出装置として製品にする場合、工場出荷時に校正を行う事は可能である。しかし、加速度検出装置の実装面積が限られる製品ではユ−ザ−側で処理回路を設計するケ−スが多く、その場合ユ−ザ−側で校正を行わなければならない。前記従来方法では製品装置を90°しかも3回、設置状態を変化させる必要があり、校正に費やす工数もさることながら設置状態を変化させる校正用装置も大掛かりになり、製造コストがあがる事になる。
【0010】
本発明は、加速度検出装置を含む製品製造工程での校正作業において、傾斜角度が小さく、2段階の設置状態で校正でき、設置状態を変化させる校正用装置の小型化を図り、安価で高精度な加速度検出装置を提供することを目的とする。また、環境温度による零G出力、感度変化の補正も可能とする高精度な加速度検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明の加速度検出装置は、互いに直交する少なくとも2方向の加速度を検知する感受部を有する加速度センサを具備する加速度検出装置であって、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を該校正値で補正する演算処理回路を有する事を特徴とする。
【0012】
互いに直交する3方向の加速度を検知する感受軸を有するいわゆる3軸加速度センサが各軸それぞれに重力加速度が印加される様に傾斜したときの各軸が感知する加速度は以下の式で表される
X軸感知加速度 Xg=sin(θz)・cos(θx)――――(1)式
Y軸感知加速度 Yg=sin(θz)・sin(θx)――――(2)式
Z軸感知加速度 Zg=cos(θz)............(3)式
ここで、θzは重力加速度方向とセンサZ軸がなす角度。θxはθz面とセンサX軸がなす角度を示す。
【0013】
校正の手順を以下に記す。
▲1▼ X軸、Y軸には重力加速度が印加されない様にセンサのZ軸と重力加速度方向を一致(θz=0°)させた設置状態で校正を実行する。
ここでは、
X軸出力 Vx′=Vx0
Y軸出力 Vy′=Vy0
Z軸出力 Vz′=[−Vzs] + Vz0
が得られる。
▲2▼ 力加速度方向と感受軸の方向が任意な角度を有する様にセンサを既知のθz、θxだけ傾けた設置状態で校正を実行する。
ここでは
X軸出力 Vx″={sin(θz)・cos(θx)}・Vxs+Vx0
Y軸出力 Vy″={sin(θz)・sin(θx)}・Vys+Vy0
Z軸出力 Vz″={cos(θz)}・[−Vzs]+Vz0
が得られる。
【0014】
以上の操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値が以下の通り求められる。
θz、θxの範囲は限定されることはなく、±180°いずれでも構わない。
【0015】
前記校正値を処理回路に登録し、感受部で計測された各軸の出力Vx,Vy,Vzに対し演算を施す事により、センサ−の固有の感度、零G出力ばらつきが補正され、加速度に比例した一定のデ−タDx,Dy,Dzが出力される。
Dx=(Vx−Vx0)/Vxs
Dy=(Vy−Vy0)/Vys
Dz=(Vz−Vz0)/Vzs
上記式では、感受部に1Gの加速度が加わった場合、1が出力される。
前記説明では最初にθz=0°の設置状態、次いでθz、θxに変化を加えた設置状態の順で校正を行っているが、その順番は逆でも良いものである。
【0016】
請求項2に記載の本発明の加速度検出装置は、静電容量型および半導体ピエゾ抵抗型の欠点である零G出力、感度の温度ドリフトを補正するために温度センサを付加して、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で温度による関数で表される零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を温度に応じた該温度関数校正値で補正する事を特徴とする。
【0017】
温度センサからの温度デ−タから、温度関数として各軸の感度、零G出力の校正値を保存し、補正すれば温度によって感度、零G出力が変化しても加速度に比例した一定のデ−タDx,Dy,Dzが出力される。
Dx=(Vx−Vx0(T))/Vxs(T)
Dy=(Vy−Vy0(T))/Vys(T)
Dz=(Vz−Vz0(T))/Vzs(T)
感度、零G出力の温度関数は、温度が異なる2ポイント以上で前記▲1▼▲2▼手順で校正を実行し、2次あるいは3次関数で近似式を求めるのが望ましい。
【0018】
たとえば温度T1の時、校正を実行すると各軸の零G出力、感度はそれぞれVx0(T1),Vy0(T1),Vz0(T1),Vxs(T1),Vys(T1),Vzs(T1)と校正値が得られる。温度T2では、Vx0(T2),Vy0(T2),Vz0(T2),Vxs(T2),Vys(T2),Vzs(T2)と校正値が得られる。温度T3では、Vx0(T3),Vy0(T3),Vz0(T3),Vxs(T3),Vys(T3),Vzs(T3)と校正値が得られる。
これら、温度T1,T2,T3でのそれぞれの校正値を2次関数近似して温度Tに対する零G出力、感度の関数Vx0(T),Vy0(T),Vz0(T),Vxs(T),Vys(T),Vzs(T)を求めれば良い。そして、温度センサからの温度デ−タTに対応する校正値を出力Vx,Vy,Vzに演算する。
【0019】
請求項3に記載の本発明の加速度検出装置は、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態と、該傾斜と異なる角度に傾けた設置状態の少なくとも2段階で校正する事を特徴とする。
【0020】
前記(1)から(3)式を利用して校正を行う場合、2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態を必ずしもとる必要はなく、傾斜角の異なる2設置状態をとる事でも校正は可能である。
【0021】
校正手順を以下に記す。
▲1▼ センサ−を既知のθz′,θx′だけ傾けて校正を実行する。
ここでは、
X軸出力 Vx′={sin(θz′)・cos(θx′)}・Vxs+Vx0
Y軸出力 Vy′={sin(θz′)・sin(θx′)}・Vys+Vy0
Z軸出力 Vz′={cos(θz′)}・[−Vzs]+Vz0
が得られる。
▲2▼ センサ−を既知のθz″,θx″だけ傾けて校正を実行する。
ここでは、
X軸出力 Vx″={sin(θz″)・cos(θx″)}・Vxs+Vx0
Y軸出力 Vy″={sin(θz″)・sin(θx″)}・Vys+Vy0
Z軸出力 Vz″={cos(θz″)}・[−Vzs]+Vz0
が得られる。
以上の操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値が以下の通り求められる。
【0022】
加速度センサと処理回路からなる加速度検出装置、またはそれを搭載した製品であっても2段階で、小さい傾斜を与える事で零G出力と感度(1G出力)の校正が可能である。感受部出力をその校正値で補正することで感受部の製造ばらつきに起因した個々の特性ばらつきがあっても感受部に加わる加速度に比例した一定の出力を得る事ができる。また、加速度検出装置あるいはそれを搭載した製品内に温度センサを設け温度に依存した零G出力と感度の校正値を得ることで感受部の温度ドリフトをも補正可能である。
【0023】
【実施例】
図面を用いて本発明の実施形態について以下詳細に説明する。図1は本発明の加速度検出装置の一実施形態の斜視図、図2は本発明の加速度検出装置1の処理回路のブロック図を示す。加速度検出装置1は配線基板20上に、加速度センサ2とその出力を増幅するアンプ3、アナログ信号をデジタルに変換するA/Dコンバ−タ4、校正値を登録保存しておくメモリならび補正演算処理を行うマイクロプロセッサ−5で構成した。判り易くするため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
【0024】
加速度センサ2はセラミックパッケ−ジに密封された半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサを使用した。図3にパッケージ内に実装されている半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサチップの模式図を示す。図3a)に該センサチップの斜視図、図3b)はピエゾ素子の配置を示す平面図(配線パタ−ン、端子等は図示せず)である。該センサチップ10はシリコンを母材して支持部11、梁12、錘13を形成し、錘13が外力に応じ可動することで梁が変形し応力が発生する構造となっている。ピエゾ素子14は梁上の最も応力集中が起こる位置に1軸あたり4素子、3軸で計12素子それぞれ配置されおり、各軸で各々ブリッジ回路を構成している。
【0025】
加速度に対応する出力は各ブリッジ回路に一定電圧を印加し、応力によって起こるピエゾ素子の抵抗変化を電圧変化として得ている。本実施例では、5Vの一定電圧を印加した。X,Y,Z軸の感度(1G当たりの出力)、零G出力は表1に示す値であった。表1の値は、アンプ3で増幅する前の値である。
表1
【0026】
アンプ3の増幅率は100に設定した。従って、アンプ後の感度、零G出力はおよそ100倍となる。表1に示すようにX、Y、Z軸間で感度、零G出力は異なった数値である。またセンサ間でもこの値は異なっている。従って、このままで使用した場合、加速度に比例した一定の値が得られず加速度検出装置を配したアプリケ−ションが正常に動作しないと言う不具合が生じてしまう。
【0027】
既知の重力加速度下で校正を行い、出力の補正を行った。図4に、加速度検出装置の校正時の設置状態を示す。
まず、加速度検出装置1を加速度センサ2のX軸、Y軸に重力加速度が印加されない状態θz=0°(Z軸と重力加速度方向が一致)に設置し校正を実行した{図4a}に示す}。アンプ3での増幅後の値は、X軸出力Vx′は123mV、Y軸出力Vy′は−101mV、Z軸出力Vz′は−151mVであった。つまり、X軸の零G出力Vx0は123mV、Y軸の零G出力Vy0は−101mVである。
【0028】
次に、加速度検出装置1を加速度センサ2のX、Y、Z軸それぞれに重力加速度が加わる様にθz=30°、θx=45°傾斜した状態に設置し校正を実行した{図4b}に示す}。アンプ3での増幅後の値は、X軸出力Vx″は247mV、Y軸出力Vy″は26mV、Z軸出力Vz″は−97mVであった。
【0029】
以上の操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値を下記計算式に代入した。表2に求めた校正値を示す。
表2
【0030】
表2に示す校正値をメモリに保存し、計測された出力にマイクロプロセッサ5で下記に示す演算補正を施した。
補正出力値=(計測値−零G出力校正値)/感度校正値
得られる補正出力値は、理論的には加速度0Gのときは“0”、1Gが印加されたとき“1”が、2G印加された場合は“2”が出力されることになる。実際に既知の加速度を加えて確認したところ検出誤差は1%以内であった。
【0031】
前記実施例では、最初にθz=0°の設置状態で校正を行い次にθz=30°、θx=45°の設置状態で校正を行った一例を説明したが、必ずしもθz=0°の設置状態をとる必要はない。装置の傾斜が異なる2つの設置状態をとる事でも同様な校正が可能である。設置状態▲1▼でθz=10°、θx=20°、設置状態▲2▼でθz=20°、θx=45°として校正を行ったところ前記実施例同様、検出誤差は1%以内であった。
【0032】
本発明の他の実施例を以下に説明する。実験に使用した加速度センサ2の感度、零G出力の温度ドリフト特性を図5に示す。図5a)に環境温度と感度の関係、図5b)に環境温度と零G出力の関係を示す。センサ固有の特性により感度、零G出力が環境温度によって変動する事が分かる。そこで加速度検出装置1に温度センサを付加して環境温度を−20℃、25℃、50℃と3点変化させて、各温度で本発明の2段階法校正処理を施した。各温度での校正値を表3に示す。
表3
【0033】
表3の環境温度Tに対する感度、零G出力の校正値を2次関数近似した。
X軸感度の温度関数 ;0.0020T2−0.388T+358.5
Y軸感度の温度関数 ;0.0023T2−0.411T+368.9
Z軸感度の温度関数 ;0.0030T2−0.104T+400.7
X軸零G出力の温度関数 ;0.00006T2−0.045T+121.1
Y軸零G出力の温度関数 ;0.001T2−0.090T−97.8
Z軸零G出力の温度関数 ;−0.0055T2+1.050T+227.2
これらの温度関数をメモリに保存し、温度センサからの温度をフィ−ドバックして環境温度Tに応じた校正値(零G出力校正値(T)、感度校正値(T))を導き出した。そして計測された出力にマイクロプロセッサ5で下記演算補正を施した。
補正出力値={計測値−零G出力校正値(T)}/感度校正値(T)
−40℃から85℃の範囲で環境温度を変えながら既知の加速度を加えて測定したところ、検出誤差は3%以内であった。
【0034】
以上説明した通り、本発明の加速度検出装置は2段階で、低傾斜角を与える事で零G出力と感度(1G出力)の校正が可能で、感受部出力をその校正値で補正することで感受部の製造に起因した個々の特性ばらつきがあっても感受部に加わる加速度に比例した一定の出力を得る事ができる。また、温度に依存した零G出力と感度の校正値を得ることで感受部の温度ドリフトをも補正可能である。
さらに低角度傾斜、2段階で校正できる事から校正用装置が簡略化され安価で高精度の加速度検出装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度検出装置の斜視図。
【図2】本発明の加速度検出装置の処理回路のブロック図。
【図3】半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサチップの模式図。
【図4】本発明の加速度検出装置の校正時の設置状態を示す図。
【図5】加速度センサの感度、零G出力の温度ドリフト特性を示す図。
【符号の説明】
1 加速度検出装置、2 加速度センサ、3 アンプ、
4 A/Dコンバ−タ、5 マイクロプロセッサ−、
10 半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサチップ、11 支持部、12 梁、
13 錘、14 ピエゾ素子、20 配線基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機、産業機器、カメラ、携帯端末機器、人間工学、医療、時計、玩具、ゲ−ム等に用いられる振動、傾き、移動距離、移動方向を検出する加速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動、傾き、移動距離、移動方向を検出する方法とし加速度センサが広く使われている。加速度センサは加速度によって生じる力を電圧等の電気的な値に変換し検出している。しかし、感受部は製造ばらつき等によって固有の特性を持つため、そのままでは使用することはできない。そこで、センサを既知の加速度状態に置いて、加速度に比例した一定出力が得られる様に校正する必要がある。
【0003】
校正方法の一例として、校正治具を用いて行う方法が特許第3111017号に開示されている。しかし、同方法では感度(1G当たりの出力レベル)校正のみで、無重力(零G)状態の出力レベルを校正することはできない。
【0004】
近年、マイクロマシン製造技術の進展により、1G以下の加速度を検出可能な静電容量型と半導体ピエゾ抵抗型の高感度品が普及して来ている。高感度品は振動検出のみならず傾斜などの傾き検出や移動距離、移動方向の検出に使用されることが多く、零G出力レベルの校正が必須となっている。
【0005】
加速度センサの感度、零G出力レベルの校正方法として、各感受軸を重力加速度方向と一致あるいは直交させる事で、1Gあるいは零Gの状態を作って行うことができる。2軸あるいは3軸の加速度センサでは、各軸に対し1Gあるいは零Gの状態を得るのに最低3状態をとる必要がある。3軸加速度センサの校正の一例を以下に記す。
【0006】
▲1▼センサのZ軸と重力加速度方向を一致させて校正を実行する。ここでは、
X軸出力 Vx′=Vx0
Y軸出力 Vy′=Vy0
Z軸出力 Vz′=[−Vzs]+Vz0 を得る。
▲2▼センサのX軸と重力加速度方向を一致させて校正を実行する。ここでは、
Z軸出力 Vz″=Vz0
X軸出力 Vx″=Vxs+Vx0 を得る。
▲3▼センサのY軸と重力加速度方向を一致させ校正を実行する。ここでは、
Y軸出力 Vy″=Vys+Vy0 を得る。
以上の校正操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値が次に示すように求められる。
X軸 ; 零G出力 Vx0/感度 Vxs=Vx″−Vx0
Y軸 ; 零G出力 Vy0/感度 Vys=Vy″−Vy0
Z軸 ; 零G出力 Vz0/感度 Vzs=Vz′+Vz0
【0007】
前記、各軸の校正値を処理回路に登録し、感受部で計測された各軸の出力Vx,Vy,Vzに対し演算を施す事により、センサの固有の感度、零G出力ばらつきが補正され、加速度に比例した一定のデ−タDx,Dy,Dzが出力される。
Dx=(Vx−Vx0)/Vxs
Dy=(Vy−Vy0)/Vys
Dz=(Vz−Vz0)/Vzs
上記式では、感受部に1Gの加速度が加わった場合、1が出力される。
【0008】
静電容量型と半導体ピエゾ抵抗型高感度加速度センサは環境温度変化により構成部材の熱歪み変形が発生し、電極間ギャップ変化あるいは応力変化により零G出力、感度が変化しやすい欠点ある。また、半導体ピエゾ抵抗型では応力変化に加え、ピエゾ抵抗素子の抵抗値ならび抵抗変化率が温度特性を有するためさらに零G出力と感度を変化させる要因となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
加速度センサを校正する場合、感受部(センサ)単体では校正を行うことはできず、校正値を登録し、演算できる処理回路を必要とし加速度検出センサと校正値の登録と演算する処理回路を有する加速度検出装置とする必要がある。加速度検出装置として製品にする場合、工場出荷時に校正を行う事は可能である。しかし、加速度検出装置の実装面積が限られる製品ではユ−ザ−側で処理回路を設計するケ−スが多く、その場合ユ−ザ−側で校正を行わなければならない。前記従来方法では製品装置を90°しかも3回、設置状態を変化させる必要があり、校正に費やす工数もさることながら設置状態を変化させる校正用装置も大掛かりになり、製造コストがあがる事になる。
【0010】
本発明は、加速度検出装置を含む製品製造工程での校正作業において、傾斜角度が小さく、2段階の設置状態で校正でき、設置状態を変化させる校正用装置の小型化を図り、安価で高精度な加速度検出装置を提供することを目的とする。また、環境温度による零G出力、感度変化の補正も可能とする高精度な加速度検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明の加速度検出装置は、互いに直交する少なくとも2方向の加速度を検知する感受部を有する加速度センサを具備する加速度検出装置であって、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を該校正値で補正する演算処理回路を有する事を特徴とする。
【0012】
互いに直交する3方向の加速度を検知する感受軸を有するいわゆる3軸加速度センサが各軸それぞれに重力加速度が印加される様に傾斜したときの各軸が感知する加速度は以下の式で表される
X軸感知加速度 Xg=sin(θz)・cos(θx)――――(1)式
Y軸感知加速度 Yg=sin(θz)・sin(θx)――――(2)式
Z軸感知加速度 Zg=cos(θz)............(3)式
ここで、θzは重力加速度方向とセンサZ軸がなす角度。θxはθz面とセンサX軸がなす角度を示す。
【0013】
校正の手順を以下に記す。
▲1▼ X軸、Y軸には重力加速度が印加されない様にセンサのZ軸と重力加速度方向を一致(θz=0°)させた設置状態で校正を実行する。
ここでは、
X軸出力 Vx′=Vx0
Y軸出力 Vy′=Vy0
Z軸出力 Vz′=[−Vzs] + Vz0
が得られる。
▲2▼ 力加速度方向と感受軸の方向が任意な角度を有する様にセンサを既知のθz、θxだけ傾けた設置状態で校正を実行する。
ここでは
X軸出力 Vx″={sin(θz)・cos(θx)}・Vxs+Vx0
Y軸出力 Vy″={sin(θz)・sin(θx)}・Vys+Vy0
Z軸出力 Vz″={cos(θz)}・[−Vzs]+Vz0
が得られる。
【0014】
以上の操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値が以下の通り求められる。
θz、θxの範囲は限定されることはなく、±180°いずれでも構わない。
【0015】
前記校正値を処理回路に登録し、感受部で計測された各軸の出力Vx,Vy,Vzに対し演算を施す事により、センサ−の固有の感度、零G出力ばらつきが補正され、加速度に比例した一定のデ−タDx,Dy,Dzが出力される。
Dx=(Vx−Vx0)/Vxs
Dy=(Vy−Vy0)/Vys
Dz=(Vz−Vz0)/Vzs
上記式では、感受部に1Gの加速度が加わった場合、1が出力される。
前記説明では最初にθz=0°の設置状態、次いでθz、θxに変化を加えた設置状態の順で校正を行っているが、その順番は逆でも良いものである。
【0016】
請求項2に記載の本発明の加速度検出装置は、静電容量型および半導体ピエゾ抵抗型の欠点である零G出力、感度の温度ドリフトを補正するために温度センサを付加して、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で温度による関数で表される零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を温度に応じた該温度関数校正値で補正する事を特徴とする。
【0017】
温度センサからの温度デ−タから、温度関数として各軸の感度、零G出力の校正値を保存し、補正すれば温度によって感度、零G出力が変化しても加速度に比例した一定のデ−タDx,Dy,Dzが出力される。
Dx=(Vx−Vx0(T))/Vxs(T)
Dy=(Vy−Vy0(T))/Vys(T)
Dz=(Vz−Vz0(T))/Vzs(T)
感度、零G出力の温度関数は、温度が異なる2ポイント以上で前記▲1▼▲2▼手順で校正を実行し、2次あるいは3次関数で近似式を求めるのが望ましい。
【0018】
たとえば温度T1の時、校正を実行すると各軸の零G出力、感度はそれぞれVx0(T1),Vy0(T1),Vz0(T1),Vxs(T1),Vys(T1),Vzs(T1)と校正値が得られる。温度T2では、Vx0(T2),Vy0(T2),Vz0(T2),Vxs(T2),Vys(T2),Vzs(T2)と校正値が得られる。温度T3では、Vx0(T3),Vy0(T3),Vz0(T3),Vxs(T3),Vys(T3),Vzs(T3)と校正値が得られる。
これら、温度T1,T2,T3でのそれぞれの校正値を2次関数近似して温度Tに対する零G出力、感度の関数Vx0(T),Vy0(T),Vz0(T),Vxs(T),Vys(T),Vzs(T)を求めれば良い。そして、温度センサからの温度デ−タTに対応する校正値を出力Vx,Vy,Vzに演算する。
【0019】
請求項3に記載の本発明の加速度検出装置は、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態と、該傾斜と異なる角度に傾けた設置状態の少なくとも2段階で校正する事を特徴とする。
【0020】
前記(1)から(3)式を利用して校正を行う場合、2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態を必ずしもとる必要はなく、傾斜角の異なる2設置状態をとる事でも校正は可能である。
【0021】
校正手順を以下に記す。
▲1▼ センサ−を既知のθz′,θx′だけ傾けて校正を実行する。
ここでは、
X軸出力 Vx′={sin(θz′)・cos(θx′)}・Vxs+Vx0
Y軸出力 Vy′={sin(θz′)・sin(θx′)}・Vys+Vy0
Z軸出力 Vz′={cos(θz′)}・[−Vzs]+Vz0
が得られる。
▲2▼ センサ−を既知のθz″,θx″だけ傾けて校正を実行する。
ここでは、
X軸出力 Vx″={sin(θz″)・cos(θx″)}・Vxs+Vx0
Y軸出力 Vy″={sin(θz″)・sin(θx″)}・Vys+Vy0
Z軸出力 Vz″={cos(θz″)}・[−Vzs]+Vz0
が得られる。
以上の操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値が以下の通り求められる。
【0022】
加速度センサと処理回路からなる加速度検出装置、またはそれを搭載した製品であっても2段階で、小さい傾斜を与える事で零G出力と感度(1G出力)の校正が可能である。感受部出力をその校正値で補正することで感受部の製造ばらつきに起因した個々の特性ばらつきがあっても感受部に加わる加速度に比例した一定の出力を得る事ができる。また、加速度検出装置あるいはそれを搭載した製品内に温度センサを設け温度に依存した零G出力と感度の校正値を得ることで感受部の温度ドリフトをも補正可能である。
【0023】
【実施例】
図面を用いて本発明の実施形態について以下詳細に説明する。図1は本発明の加速度検出装置の一実施形態の斜視図、図2は本発明の加速度検出装置1の処理回路のブロック図を示す。加速度検出装置1は配線基板20上に、加速度センサ2とその出力を増幅するアンプ3、アナログ信号をデジタルに変換するA/Dコンバ−タ4、校正値を登録保存しておくメモリならび補正演算処理を行うマイクロプロセッサ−5で構成した。判り易くするため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
【0024】
加速度センサ2はセラミックパッケ−ジに密封された半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサを使用した。図3にパッケージ内に実装されている半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサチップの模式図を示す。図3a)に該センサチップの斜視図、図3b)はピエゾ素子の配置を示す平面図(配線パタ−ン、端子等は図示せず)である。該センサチップ10はシリコンを母材して支持部11、梁12、錘13を形成し、錘13が外力に応じ可動することで梁が変形し応力が発生する構造となっている。ピエゾ素子14は梁上の最も応力集中が起こる位置に1軸あたり4素子、3軸で計12素子それぞれ配置されおり、各軸で各々ブリッジ回路を構成している。
【0025】
加速度に対応する出力は各ブリッジ回路に一定電圧を印加し、応力によって起こるピエゾ素子の抵抗変化を電圧変化として得ている。本実施例では、5Vの一定電圧を印加した。X,Y,Z軸の感度(1G当たりの出力)、零G出力は表1に示す値であった。表1の値は、アンプ3で増幅する前の値である。
表1
【0026】
アンプ3の増幅率は100に設定した。従って、アンプ後の感度、零G出力はおよそ100倍となる。表1に示すようにX、Y、Z軸間で感度、零G出力は異なった数値である。またセンサ間でもこの値は異なっている。従って、このままで使用した場合、加速度に比例した一定の値が得られず加速度検出装置を配したアプリケ−ションが正常に動作しないと言う不具合が生じてしまう。
【0027】
既知の重力加速度下で校正を行い、出力の補正を行った。図4に、加速度検出装置の校正時の設置状態を示す。
まず、加速度検出装置1を加速度センサ2のX軸、Y軸に重力加速度が印加されない状態θz=0°(Z軸と重力加速度方向が一致)に設置し校正を実行した{図4a}に示す}。アンプ3での増幅後の値は、X軸出力Vx′は123mV、Y軸出力Vy′は−101mV、Z軸出力Vz′は−151mVであった。つまり、X軸の零G出力Vx0は123mV、Y軸の零G出力Vy0は−101mVである。
【0028】
次に、加速度検出装置1を加速度センサ2のX、Y、Z軸それぞれに重力加速度が加わる様にθz=30°、θx=45°傾斜した状態に設置し校正を実行した{図4b}に示す}。アンプ3での増幅後の値は、X軸出力Vx″は247mV、Y軸出力Vy″は26mV、Z軸出力Vz″は−97mVであった。
【0029】
以上の操作により各軸の感度(1G出力)、零G出力の校正値を下記計算式に代入した。表2に求めた校正値を示す。
表2
【0030】
表2に示す校正値をメモリに保存し、計測された出力にマイクロプロセッサ5で下記に示す演算補正を施した。
補正出力値=(計測値−零G出力校正値)/感度校正値
得られる補正出力値は、理論的には加速度0Gのときは“0”、1Gが印加されたとき“1”が、2G印加された場合は“2”が出力されることになる。実際に既知の加速度を加えて確認したところ検出誤差は1%以内であった。
【0031】
前記実施例では、最初にθz=0°の設置状態で校正を行い次にθz=30°、θx=45°の設置状態で校正を行った一例を説明したが、必ずしもθz=0°の設置状態をとる必要はない。装置の傾斜が異なる2つの設置状態をとる事でも同様な校正が可能である。設置状態▲1▼でθz=10°、θx=20°、設置状態▲2▼でθz=20°、θx=45°として校正を行ったところ前記実施例同様、検出誤差は1%以内であった。
【0032】
本発明の他の実施例を以下に説明する。実験に使用した加速度センサ2の感度、零G出力の温度ドリフト特性を図5に示す。図5a)に環境温度と感度の関係、図5b)に環境温度と零G出力の関係を示す。センサ固有の特性により感度、零G出力が環境温度によって変動する事が分かる。そこで加速度検出装置1に温度センサを付加して環境温度を−20℃、25℃、50℃と3点変化させて、各温度で本発明の2段階法校正処理を施した。各温度での校正値を表3に示す。
表3
【0033】
表3の環境温度Tに対する感度、零G出力の校正値を2次関数近似した。
X軸感度の温度関数 ;0.0020T2−0.388T+358.5
Y軸感度の温度関数 ;0.0023T2−0.411T+368.9
Z軸感度の温度関数 ;0.0030T2−0.104T+400.7
X軸零G出力の温度関数 ;0.00006T2−0.045T+121.1
Y軸零G出力の温度関数 ;0.001T2−0.090T−97.8
Z軸零G出力の温度関数 ;−0.0055T2+1.050T+227.2
これらの温度関数をメモリに保存し、温度センサからの温度をフィ−ドバックして環境温度Tに応じた校正値(零G出力校正値(T)、感度校正値(T))を導き出した。そして計測された出力にマイクロプロセッサ5で下記演算補正を施した。
補正出力値={計測値−零G出力校正値(T)}/感度校正値(T)
−40℃から85℃の範囲で環境温度を変えながら既知の加速度を加えて測定したところ、検出誤差は3%以内であった。
【0034】
以上説明した通り、本発明の加速度検出装置は2段階で、低傾斜角を与える事で零G出力と感度(1G出力)の校正が可能で、感受部出力をその校正値で補正することで感受部の製造に起因した個々の特性ばらつきがあっても感受部に加わる加速度に比例した一定の出力を得る事ができる。また、温度に依存した零G出力と感度の校正値を得ることで感受部の温度ドリフトをも補正可能である。
さらに低角度傾斜、2段階で校正できる事から校正用装置が簡略化され安価で高精度の加速度検出装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度検出装置の斜視図。
【図2】本発明の加速度検出装置の処理回路のブロック図。
【図3】半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサチップの模式図。
【図4】本発明の加速度検出装置の校正時の設置状態を示す図。
【図5】加速度センサの感度、零G出力の温度ドリフト特性を示す図。
【符号の説明】
1 加速度検出装置、2 加速度センサ、3 アンプ、
4 A/Dコンバ−タ、5 マイクロプロセッサ−、
10 半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサチップ、11 支持部、12 梁、
13 錘、14 ピエゾ素子、20 配線基板。
Claims (3)
- 互いに直交する少なくとも2方向の加速度を検知する感受部を有する加速度センサを具備する加速度検出装置であって、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を該校正値で補正する演算処理回路を有する事を特徴とする加速度検出装置。
- 互いに直交する少なくとも2方向の加速度を検知する感受部を有する加速度センサと温度を検知する温度感知部を具備する加速度検出装置であって、少なくとも2方向の加速度を感知する感受軸には重力加速度が印加されない設置状態と、重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態の2段階で温度による関数で表される零G識別値と1G識別値の校正を行い、加速度センサ出力を温度に応じた該温度関数校正値で補正する演算処理回路を有する事を特徴とする加速度検出装置。
- 重力加速度方向と各加速度感受軸の方向が任意な角度を有する様に傾けた設置状態1と、設置状態1と異なる角度に傾けた設置状態2の少なくとも2段階で校正する事を特徴とする請求項1および2に記載の加速度検出装置。
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