JP2006153754A - 多軸半導体加速度センサの検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多軸半導体加速度センサの直交する2つの検出軸についての感度を加振に基づき同時に検査するに際し、それら2つの検出軸において感度誤差に対する許容値(余裕度)が異なる場合であれ、加振軸と同加速度センサの傾斜角との間の角度ずれ等を吸収して、それら各検出軸についてのより適正な感度検査を行う検査方法を提供する。
【解決手段】 直交する2軸の検出軸(X軸、Y軸)の各感度誤差に対する許容値の差である感度仕様差と、ソケット40に対する加速度センサ30の装着誤差等を含めた同加速度センサ30の加振軸に対する加振時の角度誤差とを求め、これらの要素に基づき感度仕様差が同一となるように加振軸に対する加速度センサ30の傾斜角度を設定する。こうして傾斜角度を設定したうえで、加速度センサ30をソケット40やソケット固定治具41と共々、加振機60により加振軸方向に加振して加速度センサ30の感度を検査する。
【選択図】 図1
【解決手段】 直交する2軸の検出軸(X軸、Y軸)の各感度誤差に対する許容値の差である感度仕様差と、ソケット40に対する加速度センサ30の装着誤差等を含めた同加速度センサ30の加振軸に対する加振時の角度誤差とを求め、これらの要素に基づき感度仕様差が同一となるように加振軸に対する加速度センサ30の傾斜角度を設定する。こうして傾斜角度を設定したうえで、加速度センサ30をソケット40やソケット固定治具41と共々、加振機60により加振軸方向に加振して加速度センサ30の感度を検査する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、多軸半導体加速度センサを加振機により加振して各検出軸での感度を検査する多軸半導体加速度センサの検査方法に関する。
従来、多軸半導体加速度センサに対するこの種の検査方法としては、例えば特許文献1に記載の検査方法が知られている。図9に、この特許文献1に記載の検査方法も含めて、従来一般に知られている検査方法の一例を示す。
すなわち、同図9に示されるように、この検査方法では、互いに直交する2つの検出軸X、Yを有する加速度センサ130のそれら各検出軸での感度を検査するにあたり、まず図9(a)に示す態様で加振機(図示略)による加振方向と加速度センサ130のX軸とが平行となるように、同加速度センサ130を加振治具(ソケット)140に組み付ける。そして、この状態で加振機により強制的に加振することで、同加速度センサ130のX軸方向についての感度を検査する。また次に、図9(b)に示す態様で上記加振機による加振方向と加速度センサ130のY軸とが平行になるように、同加速度センサ130を加振治具(ソケット)140に組み付ける。そして同様に、この状態で加振機により強制的に加振することで、同加速度センサ130のY軸方向についての感度を検査する。なおこのとき、加速度センサ130は、その加振を検出するセンサチップと該センサチップから出力される電気信号を処理して加速度信号を生成する処理回路チップとが一体に加振されてもよい。あるいは、上記センサチップのみが加振され、上記処理回路チップは加振治具(ソケット)140を介して上記電気信号を受入することによりこれを処理するものであってもよい。いずれにしろ、こうして検査を行った後は、必要に応じて、それら検査を通じて得られた感度を補正、あるいは調整するための所定のトリミング処理が行われる。ただし、このような検査方法では、上記加速度センサ130の検出軸の数分だけ上述した手順に基づく検査を繰り返し実行せざるを得ず、検査にかかる工数や時間が無視できない。
そこで従来は、上記互いに直交する2つの検査軸(X、Y)がそれぞれ加振方向に対して45度の角度を持つように加速度センサ130を加振治具(ソケット)140に組み付けて加振することで、それら各検出軸についての検査を同時に行う方法も検討されている。これにより、加速度センサ130を検査するために必要とされる時間も自ずと短縮され、ひいては生産コストの低減が図られるようにもなる。
特開平5−232134号公報
このように、互いに直交する2つの検出軸を加振方向(加振軸)に対して45度傾けた状態で加振することにより、確かにそれら2つの検出軸についての感度を同時に検査することができるようになり、検査時間の短縮も可能とはなる。しかし、上記直交する2つの検出軸を加振方向(軸)に対して単に45度だけ傾けて加振した場合、上記加振治具(ソケット)自体の角度誤差や同治具(ソケット)に対する加速度センサの組み付け誤差等に起因して、たとえ僅かでも加振軸からの角度ずれがあると、上記検出される感度誤差が逆に無視できないものとなる。
図10は、上記治具の角度(これに組み付けられる加速度センサの角度も含む)と45度を基準とした上記各検出軸(X軸、Y軸)での感度誤差の比率との関係をグラフとして示したものである。この図10からも明らかなように、上記角度ずれとして例えば「2度」程度の僅かな角度ずれがあったとしても、上記各検出軸での感度誤差は「±5%」ほどにも及ぶようになる。なお通常、上記各検出軸において、上記感度誤差に対する許容値(余裕度)は異なるのが普通であり、上記加速度センサの仕様によっては、このような「5%」程度の感度誤差でも、その許容値を超えてしまうことすらある。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、多軸半導体加速度センサの検査方法として次のような検査方法を提供することにある。すなわち、多軸半導体加速度センサの直交する2つの検出軸についての感度を加振に基づき同時に検査するに際し、それら2つの検出軸において感度誤差に対する許容値(余裕度)が異なる場合であれ、加振軸と同加速度センサの傾斜角との間の角度ずれ等を吸収して、それら各検出軸についてのより適正な感度検査を行う。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、複数の検出軸を有する多軸半導体加速度センサの直交する2軸が加振機による加振軸に対して傾斜するように同加速度センサを治具に装着し、該加速度センサを治具と共々前記加振機により加振軸方向に加振することによって前記直交する2軸方向の感度を同時に検査する多軸半導体加速度センサの検査方法として、前記直交する2軸の感度誤差に対する余裕度、すなわちそれら2軸が加振軸に対して傾斜して加振されることに起因する感度誤差に対する許容値までのマージンを各々求め、前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度をこの求めた余裕度の差が縮小される方向に傾斜させた状態で、前記加速度センサを前記治具と共々前記加振機により加振軸方向に加振するようにする。
このような検査方法によれば、前述のように直交する2つの検出軸において上記感度誤差に対する許容値(余裕度)がたとえ異なっていたとしても、それら余裕度の差が縮小される方向に同直交する2つの検出軸(2軸)の前記加振軸に対する傾斜角度が設定されることで、こうした感度誤差に対する余裕度がそれら直交する2軸間で分け与えられるかたちとなり、該余裕度による制限も自ずと緩和されるようになる。すなわち、治具の角度誤差や同治具に対する加速度センサの組み付け(装着)誤差等に起因する加振軸からの角度ずれ等も好適に吸収され、それら各検出軸についてのより適正な感度検出が可能となる。
なお、具体的には、請求項2に記載の発明によるように、それら直交する2軸のうち、前記感度誤差に対する余裕度のより小さい軸の前記加振軸に対する傾斜角度をより小さい角度に設定することとなる。すなわち、ここでいう感度誤差は上述のように、検出軸を傾けて加振したことに起因するものであることから、感度誤差に対する余裕度のより小さい軸側の前記加振軸に対する傾斜角度をこのようにより小さい角度に設定することで、同感度誤差に対する余裕度も自ずと高められるようになる。
また、これらの検査方法において、特に請求項3に記載の発明によるように、前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を前記求めた余裕度の差が同一となる角度に設定することとすれば、上述した効果も最大限に得られるようになる。
一方、これらの検査方法において、請求項4に記載の発明では、前記治具を含めた前記加速度センサの前記加振軸に対する加振時の角度誤差をさらに求め、該求めた角度誤差の大きさに応じて前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を可変とするようにしている。
このような加振による検査方法にとって、前述したような治具の角度誤差や同治具に対する加速度センサの組み付け(装着)誤差等に起因する加振軸からの角度ずれ、すなわちここでいう治具を含めた前記加速度センサの前記加振軸に対する加振時の角度誤差は、避けることの難しい、いわば普遍的な課題でもある。この点、この治具を含めた前記加速度センサの前記加振軸に対する加振時の角度誤差をさらに求め、該求めた角度誤差の大きさに応じて前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を可変とする上記検査方法によれば、こうした加振時の角度誤差に関する情報を積極的に利用して前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度の適正化を図ることができ、その信頼性もさらに向上されるようになる。
なお、ここでも具体的には、請求項5に記載の発明によるように、前記求めた角度誤差が大きいほど、前記直交する2軸の前記加振軸に対する前記余裕度の差が縮小される方向への傾斜度合いを抑制することとなる。これによって、上記加振時の角度誤差による影響を最小限に抑えることができるようになる。
そして、特に請求項6に記載の発明によるように、前記直交する2軸の一方の軸の感度誤差に対する余裕度から他方の軸の感度誤差に対する余裕度を減じた値である感度仕様差をS[%]、前記加振軸に直交する軸と前記直交する2軸のうちの前記他方の軸とのなす角度をθ[度]、前記治具を含めた前記加速度センサの前記加振軸に対する加振時の角度誤差をa[度]とするとき、演算
S=|{1−cos(θ+a)/cos(θ)}×100|−
|{1−sin(θ+a)/sin(θ)}×100|
ただし、a≠0
に基づき、前記角度θとして、前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を設定することとすれば、該直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度について、上記加振時の角度誤差を利用した極めて精度の高い設定が可能となる。
S=|{1−cos(θ+a)/cos(θ)}×100|−
|{1−sin(θ+a)/sin(θ)}×100|
ただし、a≠0
に基づき、前記角度θとして、前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を設定することとすれば、該直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度について、上記加振時の角度誤差を利用した極めて精度の高い設定が可能となる。
また一方、これらの検査方法において、請求項7に記載の発明では、前記多軸半導体加速度センサは、加速度を検出してこれを対応する電気信号に変換するセンサチップと、該変換された電気信号を所要に処理して加速度信号を生成する処理回路チップとを有するものであり、前記検査によって前記直交する2軸のそれぞれについての感度を測定装置を通じて求めた後、この求めた感度を校正する校正情報を同測定装置を通じて前記処理回路チップに設けられている不揮発性メモリに記録する工程をさらに含むこととしている。
これにより、上記感度の検査に併せてその校正が行われることとなり、当該加速度センサとしての加工誤差等も好適に補償されるようになる。
またこの場合、請求項8に記載の発明によるように、前記治具には前記加速度センサとの間での電気信号の授受を行う電極が配されてなるとともに、同治具を介して前記測定装置が前記加速度センサと電気的に接続される検査装置を用いて、前記加振機による加振を行うこととすれば、上述した感度の検査や校正をより簡易に実現することができるようになる。
またこの場合、請求項8に記載の発明によるように、前記治具には前記加速度センサとの間での電気信号の授受を行う電極が配されてなるとともに、同治具を介して前記測定装置が前記加速度センサと電気的に接続される検査装置を用いて、前記加振機による加振を行うこととすれば、上述した感度の検査や校正をより簡易に実現することができるようになる。
以下、この発明にかかる多軸半導体加速度センサの検査方法の一実施の形態について、図1〜図8を参照して詳細に説明する。
はじめに、同実施の形態の検査方法に採用される検査装置について、その構成を図1および図2を参照して説明する。なお、図1は、この検査装置を構成するソケット固定治具と加振機との関係を平面方向から模式的に示した図である。また図2は、同じくこれらソケット固定治具と加振機との関係を側面方向から模式的に示すとともに、同検査装置を構成する測定装置、並びに上記加速度センサとの関係も含めて、その電気的な構成をブロック図として示したものである。なお、この検査装置の検査対象となる上記加速度センサ30は、その加振を検出する部分であるセンサチップと、該センサチップから出力される電気信号を処理する部分である処理回路チップとが一体となった状態でセラミックパッケージ等に収容されている。また、この加速度センサ30は、互いに直交する2軸の検出軸(X軸、Y軸)を有し、これら直交する2軸についての加速度を検出するセンサとして構成されている。そしてこの検査装置において、ソケット40は、このような加速度センサ30の検査に際して同加速度センサ30が装着される部分であり、ソケット本体40aと蓋40bとを有して構成されている。このうち、ソケット本体40aの中央部には、以下に説明する加振機60による図中の矢印で示す加振方向(加振軸)に対し、加速度センサ30(正確にはそのうちのセンサチップ)の仕様に応じて所定の角度に傾斜された加速度センサ装着用の凹部が設けられており、上記加速度センサ30は、この凹部に対して装着されることとなる。なお、この凹部の内側壁と加速度センサ30との間には、該加速度センサ30の着脱を行う際の作業性の確保、並びに同加速度センサ30としての筐体の外形公差などを考慮してある程度のクリアランス(あそび)が設けられている。他方、上記蓋40bは、こうしたソケット本体40aに対し、蝶番を介して上下に開閉可能に支持されており、加速度センサ30の上記ソケット本体40aへの装着後、この蓋40bが閉じられることで、加速度センサ30の上記凹部内でのあそびが低減される。
はじめに、同実施の形態の検査方法に採用される検査装置について、その構成を図1および図2を参照して説明する。なお、図1は、この検査装置を構成するソケット固定治具と加振機との関係を平面方向から模式的に示した図である。また図2は、同じくこれらソケット固定治具と加振機との関係を側面方向から模式的に示すとともに、同検査装置を構成する測定装置、並びに上記加速度センサとの関係も含めて、その電気的な構成をブロック図として示したものである。なお、この検査装置の検査対象となる上記加速度センサ30は、その加振を検出する部分であるセンサチップと、該センサチップから出力される電気信号を処理する部分である処理回路チップとが一体となった状態でセラミックパッケージ等に収容されている。また、この加速度センサ30は、互いに直交する2軸の検出軸(X軸、Y軸)を有し、これら直交する2軸についての加速度を検出するセンサとして構成されている。そしてこの検査装置において、ソケット40は、このような加速度センサ30の検査に際して同加速度センサ30が装着される部分であり、ソケット本体40aと蓋40bとを有して構成されている。このうち、ソケット本体40aの中央部には、以下に説明する加振機60による図中の矢印で示す加振方向(加振軸)に対し、加速度センサ30(正確にはそのうちのセンサチップ)の仕様に応じて所定の角度に傾斜された加速度センサ装着用の凹部が設けられており、上記加速度センサ30は、この凹部に対して装着されることとなる。なお、この凹部の内側壁と加速度センサ30との間には、該加速度センサ30の着脱を行う際の作業性の確保、並びに同加速度センサ30としての筐体の外形公差などを考慮してある程度のクリアランス(あそび)が設けられている。他方、上記蓋40bは、こうしたソケット本体40aに対し、蝶番を介して上下に開閉可能に支持されており、加速度センサ30の上記ソケット本体40aへの装着後、この蓋40bが閉じられることで、加速度センサ30の上記凹部内でのあそびが低減される。
またこの検査装置において、ソケット固定治具41は、図示しない適宜の機構を通じて上記ソケット40を着脱可能に支持するとともに、連結治具50を介して加振機60に連結され、該加振機60による加振をソケット40と共々、上記加速度センサ30に伝達する部分である。なお、該加振機60は、図1および図2に矢指する加振方向に、加速度センサ30の検出可能な加速度の範囲で、所定の振動を印加(加振)する装置であり、その印加した振動の度合い、すなわち加振度合い(加速度)を示す情報を加振情報として測定装置70にその都度出力する。
一方、この検出装置において、測定装置70は、上記加速度センサ30(正確にはそのうちの処理回路チップ)を通じて出力される上記各検出軸(X軸、Y軸)毎の加速度情報、および上記加振機60から出力される加振情報をそれぞれ取り込んで同加速度センサ30の感度を測定する装置である。また、この測定装置70では、それら取り込まれる情報の対比に基づいて当該加速度センサ30を構成するセンサチップの校正(調整)情報であるトリム情報を上記処理回路チップに内蔵されているEPROMに書き込む処理も併せて実行する。なお、処理回路チップは以下に説明するように、このEPROMに書き込まれているトリム情報に基づいて上記各検出軸毎の加速度情報を自動校正する機能を併せ有していることから、同測定装置70では、こうした校正態様の適否についても併せて測定することができる。また、上記ソケット本体40aには、加速度センサ30の装着時に、この測定装置70の間での上述した各情報の授受を行うために同加速度センサ30と電気的に接続される電極(プローブピン)が設けられており、該電極を介して、この測定装置70と上記加速度センサ30との電気的な接続を可能としている(図2)。
図3(a)は、上記加速度センサ30を構成する上述したセンサチップと処理回路チップとについて、その内部構造を平面図として模式的に示したものであり、また図3(b)は、図3(a)のA−A線に沿った断面構造を示したものである。
これら図3(a)および(b)に示されるように、そして上述のように、検査対象となる加速度センサ30は、大きくはその加振を検出する部分であるセンサチップ10と、該センサチップ10から出力される電気信号を処理する部分である処理回路チップ20とを有して構成されている。そして、これらセンサチップ10と処理回路チップ20とは、上下に重ね合わされるように一体化された状態で、セラミックパッケージ等からなる筐体31内に収容されている。このうち、センサチップ10には、その内部に、互いに直交する2軸の検出軸が設けられているとともに、その表面には、それら検出軸を通じて検出される加速度に対応する電気信号を上記処理回路チップ20に出力するための端子POxおよび端子POyが設けられている。なお、この実施の形態においては、このセンサチップ10として容量変化型のセンサを想定しており、同センサチップ10の表面には、上記各検出軸に対応してそれら可変容量電極に交番電圧を印加するための端子P1xおよびP2x、並びに端子P1yおよびP2yが併せて設けられている。他方、上記処理回路チップ20には、センサチップ10に設けられているこれら端子P1xおよびP2x、並びに端子P1yおよびP2yや端子POxおよびPOyに対応する端子がそれぞれ設けられている。さらに、ボンディングワイヤW1x、W2x、W1y、W2y、Wx、およびWyによるワイヤボンディングによってそれら各端子間が電気的に接続されている。
図4は、上記センサチップ10の等価回路とともに、上記処理回路チップ20の内部構成例、そして上記測定装置70との関係を示したものであり、次に、この図4を参照して、主にセンサチップ10および処理回路チップ20の構成、並びにその動作について説明する。
この実施の形態において検査の対象となる加速度センサ30において、上記センサチップ10は、例えば梁(図示略)により支持される構造の可動部を有して互いに直交する2軸(X軸、Y軸)についての加振(加速度)を検出するものである。なお、これら梁も含めた互いに直交する2軸(X軸、Y軸)は、例えば周知のCMOSプロセスを経て形成されている。
そしてこのセンサチップ10において、X軸方向の加速度の検出に際しては、加速度の変化に伴う上記可動部の変位が静電容量CS1およびCS2の変化として感知される。そして、こうした静電容量の変化が検出信号としてセンサチップ10から上記端子POxを介して処理回路チップ20へと取り込まれる。同様に、Y軸方向の加速度の検出に際しても、加速度の変化は静電容量CS3およびCS4の変化として感知され、その検出信号としてセンサチップ10から上記端子POyを介して処理回路チップ20へと取り込まれる。またこのセンサチップ10において、端子P1xとP2xとの間および端子P1yとP2yとの間には、例えば50kHz〜150kHzの周波数でかつ、電圧「0」Vと電圧Vccとの間で互いに逆の位相にて交番する交番信号(電圧)が、処理回路チップ20内の図示しないパルス発生回路を通じて定常的に印加されている。
このように構成されるセンサチップ10に対して、上記処理回路チップ20は、基本的にはセンサチップ10からの検出信号(電気信号)を所要に処理して加速度情報(加速度信号)を生成するものであり、センサチップ10と同様に例えばCMOSプロセスを経て形成されている。なお、この処理回路チップ20もCMOSプロセスを経て形成されている。
この処理回路チップ20においては、同図4に示されるように、上記センサチップ10のX軸方向の検出軸による検出信号、すなわち上記静電容量CS1およびCS2の変化は、例えばスイッチドキャパシタ回路を備えるC−V変換回路21xに取り込まれる。そして、該C−V変換回路21xにおいて、制御回路26による制御のもとに上記加速度(静電容量)の変化に対応した電圧信号に変換される。さらに、この電圧信号は、同じく制御回路26によって帯域制御されるローパスフィルタ22xにおいて高周波成分が取り除かれた後、増幅器23xに取り込まれ、該増幅器23xを通じて所要のレベルに増幅される。なお、この増幅器23x(23y)は、制御回路26によってそのゲインが制御可能に構成されており、制御回路26では、不揮発性メモリであるEPROM27に書き込まれているトリム情報に基づいてこの増幅器23x(23y)のゲインを制御することにより、上記センサチップ10による検出感度の校正(調整)を行っている。この増幅器23xによる増幅信号はその後、A(アナログ)/D(デジタル)変換を行うA/D変換回路24xに取り込まれ、所定ビット数(所定分解能)からなるデジタル信号に変換される。このデジタル信号は、パラレル/シリアル変換を行うデジタル処理回路25xにさらに取り込まれて、所定の通信プロトコルに従ったシリアルデータに変換される。そして、このデジタル処理回路25xにおいて変換されたシリアルデータがX軸方向の加速度情報(加速度信号)として測定装置70へと出力される。また同様に、上記センサチップ10のY軸方向の検出軸による検出信号も、C−V変換回路21y、ローパスフィルタ22y、増幅器23y、A/D変換回路24y、およびデジタル処理回路25yを通じて所要に処理され、Y軸方向の加速度情報(加速度信号)として測定装置70へ出力される。そして、これら出力される各加速度情報が測定装置70において上記加振情報と比較され、その対比のもとに同測定装置70を通じて上記トリム情報が生成されるとともに、この生成されたトリム情報が上記EPROM27に書き込まれるようになることは上述の通りである。また、この測定装置70では、上記トリム情報に基づく感度校正態様の適否についてこれを併せて測定可能であることも上述した。
図5〜図8は、このような検査装置を用いて実施されるこの実施の形態にかかる多軸半導体加速度センサの検査方法を示したものであり、以下、これら図5〜図8を併せ参照して、同検査方法の詳細を説明する。
図5は、上記加速度センサ30を傾斜角度θだけ傾斜させた状態でソケット40に装着した状態を示す図である。この加速度センサ30は上述のように、互いに直交するX軸およびY軸の2軸の検出軸を有しており、この傾斜角度θは、同図5に示されるように、加振方向に直交する軸を基準として、この基準から図中に角度θとして矢指する方向を正方向としている。したがって、例えば加振方向とX軸の方向とが一致する場合、傾斜角度θは「0度」となり、同加振方向とY軸の方向とが一致する場合、傾斜角度θは「90度」となる。
次に、図6(a)および(b)を参照して、この実施の形態にかかる検査方法における上記加速度センサ30の傾斜角度θの設定方法についてその概要を説明する。なお、図6中の感度仕様差S[%]とは、上記X軸の感度仕様における許容値[%]から上記Y軸の感度仕様における許容値[%]を減じた値であり、当該加速度センサの設計仕様から求まる値である。一方、X軸マージン(余裕度)MX1およびMX2とは、上記X軸の感度仕様における許容値から上記加速度センサ30を傾けて加振したことに起因する「誤差」を減じた値である。また、Y軸マージン(余裕度)MY1およびMY2とは、上記Y軸の感度仕様における許容値から同加速度センサ30を傾けて加振したことに起因する「誤差」を減じた値である。
まず、図6(a)は、上記傾斜角度θを「45度」として設定し加振機にて加振した場合に上記設計仕様から得られる各検出軸のマージン(余裕度)の違いについて示したものである。同図6(a)に示されるように、傾斜角度θが「45度」に設定されている場合、各検出軸には同じ大きさの感度誤差が生じるものの、こうした加速度センサ30にあって、上記感度仕様における許容値は各検出軸毎に異なっているのが普通である。ちなみにこの例の場合には、X軸の許容値の方がY軸の許容値よりも厳しく(小さく)なっている。すなわち、結果として得られるX軸マージン(余裕度)MX1の方がY軸マージン(余裕度)MY1よりも上記感度仕様差Sの分だけ小さくなっている。したがって前述のように、このような加速度センサ30を上記ソケット40に「45度」の傾斜角度をもって装着した場合、たとえ僅かでも加振方向からの角度ずれがあると、上記感度誤差の許容値を超えてしまうおそれがある(図10参照)。
そこでこの実施の形態では、基本的には図6(b)に示すように、こうした各検出軸のマージン(余裕度)MX1およびMY1の差が同一となる方向に上記加速度センサ30を加振軸(加振方向)から傾斜させた状態で上述の加振を行うようにしている。すなわちここでの例において、上記傾斜角度θの設定にあっては、X軸マージンMX1がY軸マージンMY1よりも上記感度仕様差Sの分だけ小さいことを受け、同傾斜角度θをより小さく、換言すればX軸がより加振方向に近づくように設定する。そして、このような状態で加振機により加振することとすれば、同図6(b)に示されるように、上記X軸マージンMX1の方は拡大されてX軸マージンMX2となり、逆に上記Y軸マージンMY1の方は縮小されてY軸マージンMY2となる。すなわち、図6(a)および(b)の対比から明らかなように、各検出軸のマージン(余裕度)は、上記感度仕様差Sが吸収されるかたちで、これら2軸間に分け与えられるようになる。
一方、このような加振による検査方法にとって、上記加速度センサ30をソケット40に装着する際に発生する組み付け誤差や上述のクリアランス(あそび)を含めた加振方向(加振軸)からの角度ずれは、避けることの難しい、いわば普遍的な課題となっている。
そこでこの実施の形態ではさらに、こうした角度ずれをも考慮して、上記傾斜角度θの設定を行うようにする。具体的には、こうした加振時の角度ずれを角度誤差aとして、次の(1)式に基づいて上記傾斜角度θ[度]を設定する。
S=|{1−cos(θ+a)/cos(θ)}×100|−
|{1−sin(θ+a)/sin(θ)}×100| … (1)
ただし、a≠0
ここで上述のように、感度仕様差S[%]は、上記X軸の感度仕様における許容値[%]から上記Y軸の感度仕様における許容値[%]を減じた値であり、傾斜角度θ[度]は、上記加振軸に直交する軸と上記Y軸とのなす角度である。またここでは、上記角度誤差aが避けられないものとして「a≠0」としており、該角度誤差aを上記マージン(余裕度)の大きい(仕様のゆるい)検出軸に多く割り振るようにしている。
S=|{1−cos(θ+a)/cos(θ)}×100|−
|{1−sin(θ+a)/sin(θ)}×100| … (1)
ただし、a≠0
ここで上述のように、感度仕様差S[%]は、上記X軸の感度仕様における許容値[%]から上記Y軸の感度仕様における許容値[%]を減じた値であり、傾斜角度θ[度]は、上記加振軸に直交する軸と上記Y軸とのなす角度である。またここでは、上記角度誤差aが避けられないものとして「a≠0」としており、該角度誤差aを上記マージン(余裕度)の大きい(仕様のゆるい)検出軸に多く割り振るようにしている。
図7は、上記角度誤差a[度]が例えば「1度」、「2度」、および「3度」である場合を例にとって、上記(1)式に基づき求めた上記傾斜角度θ[度]と上記感度仕様差S[%]との関係を示したものである。これらの関係には、同図7に示されるように、角度誤差a[度]がいずれの値をとる場合であっても、基本的には以下に挙げる一定の相関がある。
(イ)感度仕様差S[%]が「0%」である場合、換言すればX軸の感度仕様とY軸の感度仕様とが同一である場合には、上記傾斜角度θを「45度」とすることによって、図6(b)に示したX軸マージンMX2とY軸マージンMY2との均等化を図ることができる。
(ロ)感度仕様差S[%]が正方向に大きくなるほどY軸の方の許容値が小さくなるため、傾斜角度θを「θ>45度」となる方向により大きく設定することによって、同じく図6(b)に示したX軸マージンMX2とY軸マージンMY2との均等化を図ることができる。
(ハ)感度仕様差S[%]が負方向に大きくなるほどX軸の方の許容値が小さくなるため、傾斜角度θを「θ<45度」となる方向により小さく設定することによって、同様に図6(b)に示したX軸マージンMX2とY軸マージンMY2との均等化を図ることができる。
一方、この実施の形態では、上記角度誤差a[度]に関しても、同図7に示されるように、以下のような一定の相関をもたせている。
(a)角度誤差a[度]が大きくなるほど、正確な傾斜角度θの設定が難しくなるため、該傾斜角度θの可変範囲を狭くする。
(a)角度誤差a[度]が大きくなるほど、正確な傾斜角度θの設定が難しくなるため、該傾斜角度θの可変範囲を狭くする。
(b)角度誤差a[度]が小さくなるほど、より正確な傾斜角度θの設定が可能となるため、該傾斜角度θの可変範囲を広くする。
以下、図8を併せ参照して、同実施の形態にかかる検査方法による上記傾斜角度θの具体的な設定態様について説明する。なお、ここでは一例として、X軸の最大出力加速度が「50G」、Y軸の最大出力加速度が「20G」である多軸半導体加速度センサについて、その上記角度誤差aが「2度」であった場合の傾斜角度θを求める。
以下、図8を併せ参照して、同実施の形態にかかる検査方法による上記傾斜角度θの具体的な設定態様について説明する。なお、ここでは一例として、X軸の最大出力加速度が「50G」、Y軸の最大出力加速度が「20G」である多軸半導体加速度センサについて、その上記角度誤差aが「2度」であった場合の傾斜角度θを求める。
まず、設計上の感度仕様の前提として、図8(a)に示されるように、傾斜角度θが「45度」であった場合、最大出力加速度「50G」であるX軸の感度誤差の許容値は「8%」であり、最大出力加速度「20G」であるY軸の感度誤差の許容値は「10%」であったとする。この場合、上記感度仕様差Sは「−2%」として求まることとなる。そこで、先の図7に矢印にて付記するように、この感度仕様差Sが「−2%」である線と上記角度誤差aが「2度」である曲線(破線)との交点からそれに対応する傾斜角度θを求めることとなる。ちなみにこの場合の傾斜角度θは「38度」として求まるようになる。そしてこの実施の形態では、先の図5に示した加速度センサ30の傾斜角度θをこのようにして得られた「38度」に設定して上述した加振や校正を行うこととなる。
加振時の傾斜角度θをこのように設定することによって、図8(b)に示されるように、上記加速度センサ30が傾けられたことに起因するY軸側での感度誤差はおよそ「8.6%」となり、その結果、Y軸マージンMY2はおよそ「1.4%」となる。他方、X軸側においては、同加速度センサ30が傾けられたことに起因する感度誤差はおよそ「6.6%」となり、その結果、X軸マージンMX2もおよそ「1.4%」となる。すなわち、Y軸マージンMY2が縮小されるとともに、X軸マージンMX2が拡大され、それらマージン(余裕度)は共に、およそ「1.4%」と同等の値となる。そして、このような条件のもとで、先の図1および図2に例示した検査装置を通じて加振を行うことにより、それら互いに直交する2軸(X軸、Y軸)についてのより適正な感度検査、並びに校正を行うことが可能となる。なお、上記加速度センサ30としての設計上の仕様はそれらセンサとしての種類毎に同一であると考えられる。このため、同実施の形態の一般化に際しては、それらセンサとしての種類の別に上記ソケット40を用意し、それらソケット毎に、先の(1)式あるいは図7に基づいて加速度センサ30の装着角度、すなわち傾斜角度θを設定することとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる多軸半導体加速度センサの検査方法によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)加速度センサ30(センサチップ10)の直交する2軸(X軸、Y軸)について、各検出毎に求めたマージン(余裕度)の差が同一となる方向に同加速度センサ30(センサチップ10)を加振軸(加振方向)から傾斜させた状態で、すなわち加振軸(加振方向)に対する傾斜角度θを設定した上で加振して各検出軸の感度誤差を検査するようにした。これにより、各検出軸のマージン(余裕度)を好適に割り振ることができるようになり、各検出軸のマージン(余裕度)による制限も自ずと緩和されるようになる。
(1)加速度センサ30(センサチップ10)の直交する2軸(X軸、Y軸)について、各検出毎に求めたマージン(余裕度)の差が同一となる方向に同加速度センサ30(センサチップ10)を加振軸(加振方向)から傾斜させた状態で、すなわち加振軸(加振方向)に対する傾斜角度θを設定した上で加振して各検出軸の感度誤差を検査するようにした。これにより、各検出軸のマージン(余裕度)を好適に割り振ることができるようになり、各検出軸のマージン(余裕度)による制限も自ずと緩和されるようになる。
(2)しかも、加振時の角度誤差aを考慮した上記(1)式に従って傾斜角度θを設定するようにした。これにより、直交する2軸の加振軸に対する傾斜角度θについて、加振時の角度誤差aを利用した極めて精度の高い設定を行うことができるようになる。
(3)処理回路チップ20に不揮発性メモリ(EPROM27)を備え、測定装置70から受入した校正情報(トリム情報)を、この不揮発性メモリに記録するようにした。これにより、加速度センサ30(センサチップ10)の感度の検査に併せてその校正も同時に行うことができるようになる。
(4)また、上記のような校正を行うことにより、加速度センサ30としての加工誤差も好適に補償することができるようになる。
なお、この実施の形態は、例えば以下のような形態として実施することもできる。
なお、この実施の形態は、例えば以下のような形態として実施することもできる。
・上記実施の形態では、加速度センサ30の検査の都度、加速度センサ30の仕様(種類)に応じた傾斜角度をなす凹部が形成されたソケット40を選択して、ソケット固定治具41に装着することとした。しかし、こうしたソケットとして複数の仕様(種類)の異なるセンサを装着することのできるソケット40を用いる場合には、ソケット40とソケット固定治具41との間に適宜の回転機構を設けるなどして、上記傾斜角度θの設定を行うこととしてもよい。
・上記実施の形態では、加速度センサ30として、先の図3に例示したように、各別に形成されたセンサチップ10と処理回路チップ20とが上下に重ね合わされて一体化されたものを対象とした。しかし、これらセンサチップ10および処理回路チップ20は前述のように、共にCMOSプロセスを経て形成されることから、これらを半導体基板上に一体に形成した加速度センサを検査の対象とするようにしてもよい。これにより、センサチップ10と処理回路チップ20との完全なペア化が可能となる。そしてこの場合であれ、上記実施の形態に準じた検査、並びに校正を行うことは可能である。
・上記実施の形態では、処理回路チップ20に不揮発性のメモリ(EPROM27)を搭載し、この不揮発性のメモリにトリム情報(校正情報)を記録することで感度誤差の校正も併せて行うこととした。しかし、加振機による加振を通じて加速度センサ30としての互いに直交する2軸方向の感度を同時に検査する方法において、必ずしもこのような校正を行わない加速度センサ30の検査方法としてもこの発明は有効である。
・上記実施の形態では、各検出軸毎のマージン(余裕度)が同一となる方向に傾斜角度θを設定することとしたが、各検出軸の余裕度の差が縮小される方向に傾斜角度θに設定することでも、上記(1)〜(4)の効果に準じた効果を得ることはできる。
・上記実施の形態では、検査を行うに際してその検査精度に影響を及ぼす角度誤差aを考慮して傾斜角度θを設定した。しかし、該角度誤差aが精度上問題とならないレベルであれば、基本的には互いに直交する各検出軸の余裕度の差が縮小される方向に傾斜角度を設定して加振を行うことでも十分な検査精度を得ることはできる。もっともこの場合であれ、上記各検出軸の余裕度についてはその差が同一になるように上記傾斜角度を設定することがより望ましい。
・上記実施の形態では、直交する2軸の検出軸を持つ加速度センサについてのみ言及したが、それぞれ直交する3軸の検出軸を持つ加速度センサの検査にもこの発明を適用することはできる。すなわちこの場合、例えば直交する2軸毎に検査を行い、これを繰り返すことによって全ての検出軸について検査を行うこととしてもよいし、あるいは3軸の検出軸を持つセンサチップに適用する先の図7に相当する関数を別途求め、この求めた関数に基づいて3軸の検出軸を同時に検査するようにしてもよい。
10…センサチップ、20…処理回路チップ、21x、21y…C−V変換回路、22x、22y…ローパスフィルタ(フィルタ回路)、23x、23y…増幅器、24x、24y…A/D変換回路、25x、25y…デジタル処理回路、26…制御回路、27…EPROM(不揮発性メモリ)、30…加速度センサ、31…筐体、40…ソケット、40a…ソケット本体、40b…蓋、41…ソケット固定治具、50…連結治具、60…加振機、70…測定装置、130…加速度センサ、140…加振治具(ソケット)。
Claims (8)
- 複数の検出軸を有する多軸半導体加速度センサの直交する2軸が加振機による加振軸に対して傾斜するように同加速度センサを治具に装着し、該加速度センサを治具と共々前記加振機により加振軸方向に加振することによって前記直交する2軸方向の感度を同時に検査する多軸半導体加速度センサの検査方法であって、
前記直交する2軸の感度誤差に対する余裕度を各々求め、前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度をこの求めた余裕度の差が縮小される方向に傾斜させた状態で、前記加速度センサを前記治具と共々前記加振機により加振軸方向に加振する
ことを特徴とする多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 前記直交する2軸のうち、前記感度誤差に対する余裕度のより小さい軸の前記加振軸に対する傾斜角度をより小さい角度に設定する
請求項1に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を前記求めた余裕度の差が同一となる角度に設定する
請求項1または2に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法において、
前記治具を含めた前記加速度センサの前記加振軸に対する加振時の角度誤差をさらに求め、該求めた角度誤差の大きさに応じて前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を可変とする
ことを特徴とする多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 前記求めた角度誤差が大きいほど、前記直交する2軸の前記加振軸に対する前記余裕度の差が縮小される方向への傾斜度合いを抑制する
請求項4に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 前記直交する2軸の一方の軸の感度誤差に対する余裕度から他方の軸の感度誤差に対する余裕度を減じた値である感度仕様差をS[%]、前記加振軸に直交する軸と前記直交する2軸のうちの前記他方の軸とのなす角度をθ[度]、前記治具を含めた前記加速度センサの前記加振軸に対する加振時の角度誤差をa[度]とするとき、演算
S=|{1−cos(θ+a)/cos(θ)}×100|−
|{1−sin(θ+a)/sin(θ)}×100|
ただし、a≠0
に基づき、前記角度θとして、前記直交する2軸の前記加振軸に対する傾斜角度を設定する
請求項4または5に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法において、
前記多軸半導体加速度センサは、加速度を検出してこれを対応する電気信号に変換するセンサチップと、該変換された電気信号を所要に処理して加速度信号を生成する処理回路チップとを有するものであり、前記検査によって前記直交する2軸のそれぞれについての感度を測定装置を通じて求めた後、この求めた感度を校正する校正情報を同測定装置を通じて前記処理回路チップに設けられている不揮発性メモリに記録する工程をさらに含む
ことを特徴とする多軸半導体加速度センサの検査方法。 - 前記治具には前記加速度センサとの間での電気信号の授受を行う電極が配されてなるとともに、同治具を介して前記測定装置が前記加速度センサと電気的に接続される検査装置を用いて前記加振機による加振を行う
請求項7に記載の多軸半導体加速度センサの検査方法。
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