JPWO2007072881A1 - 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物 - Google Patents

光硬化型インクジェット印刷用インク組成物 Download PDF

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Abstract

耐性や密着性が良好で且つ硬化性が非常に速く、衛生面でも優れたビニルエーテル化合物、ジアリルフタレートのプレポリマー及びカチオン重合開始剤からなり、ジアリルフタレートのプレポリマーを組成物中に10〜25質量%含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供する。

Description

本発明は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。より詳しくは、硬化が速く、良好な耐性、密着性を有し、衛生面にも優れる光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
光硬化型インクは、乾燥が早いこと、揮発性溶剤を含まず、環境に対して有害な成分の揮散がなく、様々な基材に印刷できる等の優れた性能を有する。このため、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凸版印刷の他、各種の塗工やインクジェット印刷などの幅広い分野で利用されてきている。
とりわけ、インクジェット印刷は、基材の材質や形状を問わず、簡便・安価に画像を作成することができる。このため、ロゴ、図形や写真画像等の通常の印刷から、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷までの様々な分野に応用されており、光硬化型インクの性能と相まって、より良好な印刷物が得られるものとして期待が高まっている。
このようなインクジェット印刷に使用する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物として、光照射によりカチオン重合して硬化するタイプのインク組成物が提案されている。
例えば、カチオン重合性化合物として、オキシラン基含有化合物、オキセタカン環含有化合物、ビニルエーテル化合物等を使用した光硬化型インクジェット印刷用インク組成物が数多く提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1、特許文献2等に記載されているカチオン重合性化合物は、もう一つの代表的な光硬化型のラジカル重合性化合物に比べ、耐性、密着性は良好である。しかし、硬化が遅く、結果的に印刷速度が低下するという問題を有していた。
また、オキシラン基含有化合物やオキセタカン環含有化合物は皮膚刺激性等を有し、衛生面で劣るという問題もあった。
特開2002−188025号公報 特開2004−091347号公報
そこで、本発明の課題は、耐性や密着性が良好で且つ硬化が非常に速く、衛生面でも優れた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した。その結果、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物として、ビニルエーテル化合物と、ジアリルフタレートのプレポリマーとを主要材料として使用することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出した。そして、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)ビニルエーテル化合物、ジアリルフタレートのプレポリマー及びカチオン重合開始剤からなり、ジアリルフタレートのプレポリマーを組成物中に10〜25質量%含有することを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
また、本発明は、(2)更に、400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤を含有する上記(1)項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
また、本発明は、(3)25℃における粘度が5〜50mPa・sである上記(1)又は(2)項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
また、本発明は、(4)さらに顔料を含有する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物においては、ビニルエーテル化合物とジアリルフタレートのプレポリマーとを併用することを特徴とする。
ビニルエーテル化合物はカチオン重合性が高く、皮膚刺激性がない。このため、硬化性や衛生性に優れた材料であるが、硬化皮膜の耐スクラッチ性等が低いという欠点を有する。
そこで、これまではエポキシ化合物等の他のカチオン重合性材料を併用して、耐スクラッチ性を向上させるという手法が用いられてきた。しかし、そのために硬化性や衛生性等が犠牲になるという面があった。また、イナート樹脂等を利用するという方法も知られている。しかし、得られるインク組成物は比較的高粘度であり、吐出適性において不利になる傾向があった。
それに対して、本発明で利用するジアリルフタレートのプレポリマーは、ビニルエーテル化合物の硬化性を損なうことなく、低粘度を維持することができる。また更に硬化皮膜の耐スクラッチ性等を向上させるという非常に優れた特徴を有する材料である。
このような効果を有するジアリルフタレートのプレポリマーをビニルエーテル化合物と併せて利用すると、本発明の課題をすべて解決することが可能である。すなわち、硬化が非常に速く、印刷されたインク組成物の皮膜の耐スクラッチ性、耐溶剤性等の耐性、皮膜と基材との密着性も良好で、衛生の面でも優れる光硬化型インクジェット印刷用インク組成物が得られるものである。
以下、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物について詳細に説明する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成するビニルエーテル化合物としては、例えば、モノビニルエーテル化合物、ジまたはトリビニルエーテル化合物が挙げられ、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。更に、ジビニルエーテル化合物の中でも、粘度、揮発性の点から、トリエチレングリコールジビニルエーテルが好ましい。
本発明においては、ビニルエーテル化合物以外の材料として、従来から光硬化型インクジェット用インク組成物に使用されているエポキシ化合物、オキセタン化合物等のカチオン重合性化合物も併用可能である。
ビニルエーテル化合物と併用可能であるエポキシ化合物としては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物;少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物等の脂環式エポキシ化合物;脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物であり、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報などに記載されているような公知のオキセタン化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物、オキセタン化合物等のカチオン重合性化合物は、その併用量が増える程、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の硬化性等が低下する。従って、カチオン重合性化合物を使用する場合、十分な硬化性が得られる範囲で併用し、ビニルエーテル化合物の等モル量以下の量で使用する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、硬化性の点からビニルエーテル化合物以外のカチオン重合性化合物を含まないものが最も好ましい。
光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中の、上記ビニルエーテル化合物及びカチオン重合性化合物の合計使用量は、60〜88質量%が好ましい。
次に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成するジアリルフタレートのプレポリマーについて説明する。
ジアリルフタレートのプレポリマーとしては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレートのプレポリマーで、市販商品として、イソダップ、ダップA、ダップB、ダップK(全て商品名、ダイソー社製)等が挙げられる。
上記ジアリルフタレートのプレポリマーの重量平均分子量は、10,000〜100,000のものが好ましい。より好ましくは30,000〜50,000である。重量平均分子量が10,000より小さいと、耐スクラッチ性等の塗膜強度が低下する傾向が有る。100,000より大きいと光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度が高くなる傾向が有る。
ジアリルフタレートのプレポリマーの重量平均分子量は、カラムクロマトグラフィー法によって測定することができる。一例としては、Water 2690(ウォーターズ社製)で、PLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を使用して行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
また、上記ジアリルフタレートのプレポリマーの、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中の使用量は10〜25質量%であり、好ましくは15〜20質量%である。
ジアリルフタレートのプレポリマーの使用量が25質量%を越えると光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度が高くなる。一方使用量が10質量%より小さくなると耐性が低下する。
次に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成するカチオン重合開始剤としては、公知のスルホニウム塩、アンモニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。具体的には、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ヨードニウム(4−メチルフェニル)(4−(2−メチルプロピル)フェニル)ヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。安定性の点から、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩等のトリアリールスルホニウム塩が好ましい。市販品の代表例としては、UVI−6990(バイエル社製)、Uvacure1591(ダイセル・サイテック社製)、CGI−552、Ir250(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、SP−150、152、170、172、CP−77(以上、旭電化工業社製)等が例示できる。
このようなカチオン重合開始剤の使用量は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に好ましくは2〜10質量%の範囲であり、より好ましくは4〜8質量%の範囲である。カチオン重合開始剤の使用量が2質量%未満では、硬化性が低下する傾向がある。一方10質量%を超えると、硬化する際にしわが発生する他、金属を含有する開始剤では金属イオンが多く残存して環境に良くないなどの問題が発生する傾向がある。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物により高い硬化性が要求される場合及び可視光による硬化が要求される場合には、更に400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤を併用する。
400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤としては、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体を挙げることができる。市販品の代表例としては、DBA、DEA(川崎化成工業社製)等が例示できる。
このような増感剤の使用量は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に好ましくは0.5〜3質量%の範囲であり、より好ましくは1〜2質量%の範囲である。増感剤の使用量が0.5質量%未満では、可視光に対する硬化性が充分でない場合がある。3質量%を超えると、効果の向上が見られず、過剰添加となり好ましくない。
さらに、上記増感剤とカチオン重合開始剤との合計使用量は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に2.0〜13質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜10質量%の範囲である。
本発明の光硬化型インクジェット用インク組成物には、上記カチオン重合性開始剤に加えて、ラジカル重合性開始剤を加えることも可能である。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じ顔料を含有させることができる。上記顔料としては、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物で従来から使用されているものが特に制限なく使用できるが、インク組成物に良好に分散し、耐光性の優れた有機または無機顔料が好ましい。
具体的には、有機顔料としては、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等が挙げられる。無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
顔料を使用する場合の好ましい使用量は、光硬化型インクジェット印刷インク組成物中に1〜20質量%である。顔料の使用量が1質量%未満では、得られる印刷物の画像品質が低下する傾向があり、一方20質量%を超えると、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度特性に悪影響を与える傾向がある。
顔料を使用する場合は、必要に応じて顔料分散剤を使用してもよい。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じ溶剤を含有させることができる。溶剤としては、常圧(1.013×10kPa)における沸点が150℃〜220℃の溶剤が使用できる。具体的には、エステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤等が例示できる。ただし、インク組成物の硬化性、使用環境の安全性などの点から、溶剤は極力使用しないのが好ましい。
さらに、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じて種々の機能性を発現させるため、各種の添加剤を添加することができる。具体的には、光安定化剤、表面処理剤、界面活性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、重合禁止剤、可塑剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、保湿剤、分散剤等が挙げられる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、良好なインク吐出性能、厚膜の膜を得るなどの観点から、25℃における粘度が5〜50mPa・sであるのが好ましい。より好ましくは5〜30mPa・sである。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を調製する方法としては特に限定されず、上述した材料を全て添加してビーズミルや3本ロールミル等で混合して調製することができる。なお、顔料を用いる場合は、顔料、顔料分散剤及びビニルエーテル化合物を混合してあらかじめコンクベースインクを得、そこに所望の組成となるようビニルエーテル化合物、ジアリルフタレートのプレポリマー、カチオン重合開始剤等の成分を添加して調製することもできる。
次に、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を印刷、硬化する方法について説明する。具体的には、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を被記録材料に塗膜の膜厚が1〜20μmとなるように吐出した後、被記録材料に塗布された光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を光で露光し硬化させる。
本発明において、塗布された光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を硬化しうる光エネルギー源としては、紫外線、電子線、可視光線等が挙げられる。
また、上記被記録材料としては、特に限定されず、紙、プラスチックフィルム、カプセル、ジェル、金属箔、ガラス、木材、布等が挙げられる。インクジェット印刷法では非接触印刷が可能であるので、被記録材料の形状は広範なものが使用できる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、ビニルエーテル化合物と、ジアリルフタレートのプレポリマーとを主要材料として使用する。このため、硬化が非常に速く、印刷されたインク組成物の皮膜の耐スクラッチ性、耐溶剤性等の耐性、皮膜と基材との密着性も良好で、衛生の面でも優れる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は質量部を表す。
以下の実施例、比較例で使用する材料はつぎの通りである。
<ジアリルフタレートのプレポリマー>
イソダップ(ダイソー社製、ジアリルイソフタレートのプレポリマー、重量平均分子量40,000)
ダップA(ダイソー社製、ジアリルフタレートのプレポリマー、重量平均分子量55,000)
ダップK(ダイソー社製、ジアリルフタレートのプレポリマー、重量平均分子量25,000)
<ビニルエーテル化合物>
DVE−3(ISPジャパン社製、トリエチレングリコールジビニルエーテル)
<他のカチオン重合性化合物>
セロキサイド2021P(ダイセル・サイテック社製、脂環式エポキシ樹脂)
エピコート1001(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノール型エポキシ樹脂)
OXT−101(東亞合成社製、水酸基含有単官能オキセタン)
<カチオン重合開始剤>
Uvacure1590(ダイセル・サイテック社製、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート)
<400nm以上の波長の光により増感機能を発現する増感剤>
DBA(川崎化成工業社製、9,10−ジブトキシアントラセン)
DEA(川崎化成工業社製、9,10−ジエトキシアントラセン)
<添加剤>
BYK−315(ビックケミー社製、ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサン
実施例1〜7、比較例1〜5
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の調製>
顔料(フタロシアニン系顔料、5412SD、大日本インキ化学工業社製)と顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素社製)とビニルエーテル化合物(DVE−3)が22/8.8/69.2となるように配合した混合物を得た。得られたアイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いてコンクベースインクを得た。更に得られたコンクベースインクを用いて、表1の配合組成(質量%)となるように配合し、実施例1〜7、比較例1〜5の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を得た。
それぞれの光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度を表1に示した。粘度は、B型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を用いて25℃における粘度を測定した。
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の印刷>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に上記実施例1〜7、比較例1〜5の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をそれぞれ充填した。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚100μm)上に連続して印字し、各画像を得た。
上記実施例1〜7、比較例1、3〜5の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の吐出性は良好で所定の膜厚の画像が得られた。しかし、比較例2の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の吐出性は不良であった。
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の性能評価>
〔硬化性〕
実施例1〜7、比較例1〜5の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をポリエチレンフタレートフィルム(膜厚100μm)に所定の膜厚8μmとなるようにバーコーターで塗布し、各塗工物を得た。ついでコンベア式光照射装置(ヘレウス社製STM−250E−16、ランプ:Z−8ランプ(メタルハライドタイプ))を用いて硬化させた時の塗工皮膜の硬化性(硬化速度)を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
(硬化性評価1)
前記コンベア式光照射装置において、120W×50m/min、UV積算光量40mJ/cm〔UV積算光量は、測定器としてEIT社製UVIMAP(UM 365H−S)を用い、測定レンジ:250−260nm、280−320nm、320−390nm、395−445nmでの照射量を測定して求めた〕の照射条件で、表面タックがなくなるまでの装置を通過させた回数(パス回数)にて評価した。
(硬化性評価2)
UV積算光量を10mJ/cmとした以外は硬化性評価1と同一の照射条件で、表面タックがなくなるまでの装置を通過させた回数(パス回数)にて評価した。
〔表面タック〕
実施例1〜7、比較例1〜5の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の膜厚を7μmとした以外は上記の硬化性の評価と同条件からなる各塗工物を、硬化性評価2と同一の照射条件で、1回だけ装置を通過させた時の塗膜の表面タックを指触にて評価した。
(評価)
○:タックがないもの
△:僅かにタックがあるもの
×:タックがあるもの
〔耐スクラッチ性〕
上記表面タックの評価において、表面タックがないものについて、耐スクラッチ性を評価した。スクラッチ性は、各硬化塗膜を爪で擦り、塗膜の取れ具合より評価した。
○:塗膜に全く傷がつかないもの
△:塗膜にわずかに傷が残るもの
×:塗膜に傷が残るもの
〔耐溶剤性〕
上記表面タックの評価において、表面タックがないものについて、学振型摩擦堅牢度試験機(大栄科学精機社製)を用いて哂し布にアセトンを5滴滴下し、荷重200gで摩擦を5回行い評価した。
○:硬化塗膜が全く取れないもの
△:硬化塗膜が僅かに取れるもの
×:硬化塗膜が取れるもの
Figure 2007072881
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、ビニルエーテル化合物と、ジアリルフタレートのプレポリマーとを主要材料として使用する。このため、硬化が非常に速く、印刷されたインク組成物の皮膜の耐スクラッチ性、耐溶剤性等の耐性、皮膜と基材との密着性も良好で、衛生の面でも優れる。

Claims (4)

  1. ビニルエーテル化合物、ジアリルフタレートのプレポリマー及びカチオン重合開始剤からなり、ジアリルフタレートのプレポリマーを組成物中に10〜25質量%含有することを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
  2. 更に、400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤を含有する請求項1記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
  3. 25℃における粘度が5〜50mPa・sである請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
  4. さらに顔料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
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