JPWO2007066573A1 - 有機エレクトロルミネセンスパネル及び有機エレクトロルミネセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンスパネル及び有機エレクトロルミネセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、発光輝度の信頼性に優れた有機エレクトロルミネセンスパネル、及び、それを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置を提供する。本発明の有機エレクトロルミネセンスパネルは、有機絶縁膜が表面に形成された基板上に、第1電極、少なくとも発光層を含む有機層、第2電極をこの順に積層した構造を有する有機エレクトロルミネセンスパネルであって、上記有機エレクトロルミネセンスパネルは、有機絶縁膜及び第1電極を覆い、かつ表示領域内の第1電極上及び表示領域外に開口を有する無機絶縁膜を備える。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンスパネル及び有機エレクトロルミネセンス表示装置に関する。より詳しくは、薄膜トランジスタ、配線等の上に絶縁膜を介して有機エレクトロルミネセンス素子が配置された構造を有する有機エレクトロルミネセンスパネル、及び、それを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置に関するものである。
有機エレクトロルミネセンス(以下「有機EL」ともいう)表示装置は、自発光素子である有機EL素子を光源として配列させた有機ELパネルを備える表示装置である。この有機EL表示装置は、有機EL素子の長寿命化、ディスプレイサイズの大型化等の点で未だ改善の余地があるものの、原理的に薄型化、軽量化、広視野角化、動画特性の向上、低消費電力化、部品点数の削減等において有利な構造を有している。このため、有機EL表示装置は、次世代の薄型表示装置として極めて有望視されており、その本格的な実用化、普及に向けて、研究開発が盛んに行われている。
また、テレビ、モニタ等の多数の画素が設けられる表示装置では、高精細な画像表示を可能とするため、一般的に画素の駆動制御にアクティブマトリックス方式が用いられる。アクティブマトリックス方式は、マトリックス状に配置された画素毎に薄膜トランジスタ(以下「TFT」ともいう)を設け、このTFTを制御信号によりスイッチングすることにより、個々の画素に印加される電圧を制御して画像表示を行う方式である。しかしながら、アクティブマトリックス方式を用いた場合には、TFT及びそれに接続される配線を画素毎に配置する必要があることから、画素全体の面積に対する表示領域の面積の割合、すなわち開口率が小さくなってしまう。
開口率を上げる方法として、アクティブマトリックス型の有機ELパネルでは、TFT及び配線を覆うように、平坦化された層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上に有機EL素子を設ける構造が有効である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、層間絶縁膜として、ポリイミドコーティング膜、SiO膜が記載されているが、通常、層間絶縁膜の材料としては、有機材料が好適に用いられる。これは、層間絶縁膜の膜厚を一定以上確保するためには、有機材料を用いた方が製造プロセスの簡略化、製造コストの低減等の点で有利なためである。しかしながら、有機材料は水分を含有しやすいため、有機材料からなる層間絶縁膜の存在によって有機EL素子の発光輝度が低下する等の影響があることが知られている。
これに対し、無機絶縁膜で有機絶縁膜を覆う構成とすることで、有機EL素子への影響を防ぐ方法が開示されている(例えば、特許文献2、3、4参照)。また、基板を加熱したり減圧雰囲気下に置いたりすることで脱水処理を行い、有機EL素子への残留水分の影響を防ぐ方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、これらの方法を用いたとしても、有機ELパネルは時間経過とともに表示領域の周辺部から発光輝度が低下するという画素シュリンク(図4参照)を完全には防止することができず、未だ改善の余地があった。
特開平10−189252号公報 特開2001−356711号公報 特開2005−26103号公報 特開2004−241247号公報 特開2001−196188号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、発光輝度の信頼性に優れた有機ELパネル、及び、それを用いた有機EL表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、有機絶縁膜が表面に形成された基板上に有機EL素子を備える有機ELパネルについて種々検討したところ、有機絶縁膜が吸水しやすい材質からなるため、有機絶縁膜中に残留した水分が有機EL素子内に移動して発光特性に影響を及ぼしやすく、有機絶縁膜上に無機絶縁膜を配置したり、有機ELパネルの製造工程において有機絶縁膜の脱水を行ったりする従来の対策のみでは、発光輝度の信頼性を充分に得ることができないことに着目した。例えば、アクティブマトリックス型有機ELパネルの作製において、(1)TFT及び配線を覆う形で有機絶縁膜を形成し、(2)この有機絶縁膜の上に有機EL素子を設け、(3)有機EL素子の第1電極(下部電極)と第2電極(上部電極)とのリークを防ぐために、有機EL素子の発光部が開口され、かつ第1電極の周縁を覆う形状で無機絶縁膜を層間絶縁膜上に形成し、(4)有機絶縁膜の含有水分の影響を防ぐため、脱水処理を行った場合であっても、作製された有機ELパネルは時間経過とともに表示領域の周辺部から発光輝度が低下するという画素シュリンク(図4参照)の問題が生じてしまう。
そこで、本発明者は、更に検討した結果、上記(4)の脱水処理では、表示領域の有機絶縁膜中から充分に水分を除去することができるものの、表示領域外の有機絶縁膜中には有機EL素子に影響を及ぼし得る量の水分が残留していることを見いだし、これが表示領域周辺部からの輝度低下の原因となることを見いだした。そして、表示領域と表示領域外との違いは、有機絶縁膜上に形成された無機絶縁膜における開口の有無であり、無機絶縁膜が有機絶縁膜を完全に覆う場合には脱水の効果が充分に得られず、無機絶縁膜が開口していることにより脱水の効果が充分に得られることを見いだした。このようにして、本発明者は、有機ELパネルに、有機絶縁膜及び第1電極を覆い、かつ表示領域内の第1電極上及び表示領域外に開口を有する無機絶縁膜を設けることにより、有機絶縁膜が含有する水分をパネル全域にわたって脱水することが可能となり、有機ELパネルの画素シュリンクを防ぎ、高い信頼性を有する有機ELパネルを作製することが可能であることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、有機絶縁膜が表面に形成された基板上に、第1電極、少なくとも発光層を含む有機層、第2電極をこの順に積層した構造を有する有機エレクトロルミネセンスパネルであって、上記有機エレクトロルミネセンスパネルは、有機絶縁膜及び第1電極を覆い、かつ表示領域内の第1電極上及び表示領域外に開口を有する無機絶縁膜を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスパネルである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の有機ELパネルは、有機絶縁膜が表面に形成された基板上に、第1電極、少なくとも発光層を含む有機層、第2電極をこの順に積層した構造を有するものである。言い換えれば、本発明の有機ELパネルは、有機絶縁膜が表面に形成された基板上に有機EL素子を有するものである。有機EL素子は、一対の電極間に発光層、正孔(ホール)輸送層、正孔(ホール)注入層、電子輸送層等の有機層(有機EL層)が挟持された構造を有し、一対の電極間に電圧が印加されることで発光するものである。有機ELパネルは、有機EL素子が配置された画素を駆動させるために、画素毎にスイッチング用と駆動用の少なくとも2個のTFTが必要であり、更に表示領域外には配線や、表示装置として有機ELパネルの各画素を制御するのに用いられる駆動回路(ドライバ)を有する場合もある。したがって、本発明では、上記有機絶縁膜が表面に形成された基板として、基板上に複数のTFT、信号線が形成され、その上方に有機絶縁膜が形成されたアクティブマトリックス基板が好適に用いられる。
上記有機絶縁膜は、有機材料からなる絶縁膜であれば特に限定されず、有機EL素子と基板上に配されたTFTや配線等とを分離させる層間絶縁膜としての機能を有する。有機絶縁膜は、上述のTFT、配線及び駆動回路等を有機EL素子に用いられる電極と分離するために有機EL素子の第1電極、有機層及び第2電極がある表示領域、ドライバがある表示領域外の双方に必要となる。また、有機絶縁膜を設けることにより、TFTや配線等が配置されることにより生じる基板面の凹凸を平坦化することができ、有機EL素子の形成が容易になる。更に、有機絶縁膜を設けることにより、基板上に形成されたTFT、配線等と有機EL素子とを平面視したときに近接又は重畳させることが可能となるので、開口率を向上させることができる。
本発明の有機ELパネルは、有機絶縁膜及び第1電極を覆い、かつ表示領域内の第1電極上及び表示領域外に開口を有する無機絶縁膜を備えるものである。従来技術では、無機絶縁膜を設けることにより、有機絶縁膜中の残留水分による有機EL素子への影響を遮断することを目的として使用していた。これに対し、本発明における無機絶縁膜は、有機EL素子の第1電極下方にある有機絶縁膜が含有する水分を遮断することを目的とするものではない。本発明における無機絶縁膜の役割は、第一に、第1電極を覆い、かつ第1電極上に開口を有することにより、第1電極エッヂ部での有機EL素子の第1電極と第2電極との間のリークによる欠陥を防止するものである。第二に、本発明における無機絶縁膜は、有機EL素子の下方にある有機絶縁膜から有機EL素子への不純物拡散を抑制することができる。第三に、本発明における無機絶縁膜は、UV洗浄等における有機絶縁物の分解消失、及び、再付着による基板の汚染を防ぐことができる。第四に、本発明における無機絶縁膜は、後で詳述する封止部材を接着するシール部下における配線間の短絡抑制にも利用することができる。第五に、本発明における無機絶縁膜は、インクジェット法等の液状材料を利用する塗布法で有機層を形成する際の液溜め用のバンクとして活用することも可能である。
有機絶縁膜は、第1電極や無機絶縁膜で覆われていたとしても、膜間の界面、膜の端面、ピンホール等を介して吸湿するおそれがある。例えば、電極パターニング工程におけるフォトレジストの剥離洗浄処理の際に有機絶縁膜が吸湿することがある。これに対して、本発明における無機絶縁膜は、表示領域内の第1電極上の開口(以下、第1開口部ともいう)に加えて表示領域外に開口(以下、第2開口部ともいう)を備えることから、第2開口部によって表示領域外の有機絶縁膜についても脱水処理により残留水分を充分に低減することができる。その結果、表示領域周辺部からの輝度低下が防止され、有機ELパネルにおける発光輝度の信頼性を向上させることができる。
なお、本発明において、表示領域とは、有機EL素子を含む画素が複数配置され、有機EL表示装置において表示画面として利用される領域である。表示領域外には、配線や、表示装置として有機ELパネルの各画素を制御するための駆動回路(ドライバ)を有する場合もある。
本発明において、無機絶縁膜の第1及び第2開口部は、無機絶縁膜が形成されていない領域のことであり、形状、大きさ、数、配置間隔等について特に限定されず、第1開口部と第2開口部とが同じ形態であってもよい。また、第2開口部は、例えば、無機絶縁膜の周縁部分に設けられた切り欠き部(凹部)であってもよいし、表示領域外の有機絶縁膜上の全領域であってもよい。
上記無機絶縁膜は、無機材料からなる絶縁膜であれば特に限定されないが、電極膜に対するパターニングの選択性を有するものが好ましい。すなわち、無機絶縁膜のパターニングの際に、エッチャントを適宜選択することにより、無機絶縁膜のエッチング速度を電極膜のエッチング速度よりも大きくすることができるものであることが好ましい。そのような無機絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、五酸化タンタル膜等が挙げられる。また、上記無機絶縁膜は、材料及び設備の共通化が可能となる観点から、有機ELパネルの他の部分を構成する材料からなる膜が好ましく、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン等が挙げられる。
本発明の有機ELパネルの構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り特に限定されず、その他の構成要素を含んでいてもよい。
本発明の有機ELパネルにおける好ましい形態について以下に詳しく説明する。
上記無機絶縁膜の表示領域外の開口は、表示領域外の有機絶縁膜形成領域の面積に対して10%以上の面積を有することが好ましい。このような構造とすることにより、脱水処理により表示領域外の有機絶縁膜中の残留水分をより充分に低減することができるので、表示領域周辺部からの輝度低下をより効果的に防止して、有機ELパネルにおける発光輝度の信頼性をより向上させることができる。また、表示領域外の有機絶縁膜形成領域に対する第2開口部の面積割合のより好ましい下限は20%であり、好ましい上限は80%である。
上記有機ELパネルは、無機絶縁膜の表示領域外の開口下に保護膜を有することが好ましい。このような構造とすることにより、エッチング等により無機絶縁膜を開口する際に有機絶縁膜を保護することができ、有機ELパネルの製造歩留りの向上を図ることができる。また、表示領域外の保護膜は、有機絶縁膜の下方にあるドライバ・配線と有機絶縁膜の上方にある第2電極との間に配される場合、保護膜の材質、膜厚、形状、パターン等を適宜選ぶことで、第2電極とドライバ・配線間の容量を調整することが可能である。
また、表示領域外の無機絶縁膜の開口下に保護膜が形成される形態において、保護膜の透水性が小さい場合、有機絶縁膜の含有する水分は、保護膜に阻害されることで、有機絶縁膜から保護膜を経て無機絶縁膜の開口から放出されにくくなる。したがって、(A)上記有機ELパネルは、無機絶縁膜の表示領域外の開口の各々の下に、該開口下の有機絶縁膜を覆う保護膜が1つずつ設けられた形態、(B)上記保護膜が開口(外周に設けられた切り欠き部を含む)を有する形態であることが好ましい。上記形態(A)又は(B)によれば、有機絶縁膜の含有する水分を保護膜の形成されていない部分から保護膜と無機絶縁膜との界面を経て無機絶縁膜の開口より効率よく脱水することが可能となる。
上記形態(B)において保護膜に設けられる開口としては、無機絶縁膜の開口の下に設けられていてもよく、無機絶縁膜の開口の下以外に設けられていてもよい。保護膜が無機絶縁膜の開口下の全面に設けられることにより有機絶縁膜の脱水を充分に行うことができない場合には、上記保護膜が表示領域外の無機絶縁膜の開口の下に開口を有することが好ましい。上記保護膜の開口は、表示領域外の有機絶縁膜形成領域の面積に対して10%以上の面積を有することが好ましい。表示領域外の有機絶縁膜形成領域に対する保護膜の開口の面積割合のより好ましい下限は20%であり、好ましい上限は80%である。
また、上記開口を有する保護膜の他の好ましい形態としては、上記有機絶縁膜が表面に形成された基板に設けられた配線等の導電部材の上に配置された形態が挙げられる。すなわち、有機絶縁膜下に配置された配線等の導電部材を充分に保護することができるように、導電部材の上方以外に保護膜の開口を設けることが好ましい。
上記保護膜の材質としては、無機絶縁膜の開口時に有機絶縁膜を保護することができるものであれば特に限定されない。すなわち、無機絶縁膜に対するパターニングの選択性を有するもの(無機絶縁膜のパターニングの際に、エッチャントを適宜選択することにより、無機絶縁膜のエッチング速度を保護膜のエッチング速度よりも大きくすることができるもの)である。そのような保護膜としては、電極膜に対するパターニングの選択性を有する無機絶縁膜が好適に用いられることに対応して、電極膜が好適に用いられる。したがって、上記保護膜は、第1電極と同じ材料で形成されていることが好ましい。この場合には、有機EL素子の第1電極をエッチング等によりパターニング形成する際に、パターンを変更するだけで、保護膜及びその開口を第1電極と同時に形成することができるので、追加の工程を必要とせずに容易に形成することが可能である。また、第1電極と同じ材料とすれば、保護膜を導電性材料で形成することができるので、後述するように、保護膜を一定の電位に保持する形態とすることが可能である。なお、保護膜の材質と第1電極の材質とを同じにする場合には、製造プロセスの簡略化の観点から、表示領域内の第1電極と同じパターンで保護膜が形成されることが好ましい。
有機EL素子の発光を基板とは反対側に取り出す方式(トップエミッション方式)の場合は、第1電極は光反射性を有する導電性物質により構成される。トップエミッション方式の際も、保護膜として、同様に第1電極と同じ材質を用いてもよい。この場合、保護膜を第1電極と同時に形成できるので、追加の工程を必要とせず保護膜を形成できる。また、トップエミッション方式の場合において、第1電極を光反射性を有する導電性物質により形成し、保護膜を光反射性を有さない材質、例えば、ITO、IZO等を用いても形成してもよい。この場合、保護膜が光反射性を有さないため、外光により保護膜が目立たない、という利点がある。
また、上記保護膜は、電気的に接続された複数の導電部により構成されることが好ましい。すなわち、上記保護膜は、複数の導電部により構成され、かつ該導電部の各々が電気的に接続されていることが好ましい。これにより、保護膜が複数の導電部により構成される場合に、導電部ごとに電位が異なる状態となることを防止することができる。その結果、表示領域外に設けられているドライバや配線が、導電部の電位バラツキによる影響を受けて有機ELパネルの制御の安定性が低下することを防止することができる。
更に、上記保護膜は、一定の電位に保持されていることが好ましい。保護膜が第1電極と同じ材料で形成されているような導電性材料で形成されている場合、保護膜の電気的状態は、他の導電部材と絶縁された浮遊電位状態、又は、他の導電部材に接続されて同電位となった状態があり得る。保護膜を浮遊電位状態とした場合、表示領域外に設けられているドライバや配線が保護膜の有無や場所によるバラツキ等による影響を受け、有機ELパネルの制御の安定性を低下させるおそれがある。一方、保護膜を一定の電位を保持する導電部材に接続することにより、表示領域外に設けられているドライバや配線に対して保護膜が一定の電位を安定して維持することが可能となり、保護膜を浮遊電位状態とした場合に見られるような保護膜の配置状態に起因する不安定性を回避することができ、これにより安定した有機ELパネルの表示が可能となる。
上記一定の電位(DC電位)の値としては特に限定されないが、一般的な電源ICからの電位供給を可能にする観点から、−20V〜+20Vの範囲内が好ましく、−10V〜+10Vの範囲内がより好ましい。更に好ましくは、電源電位としては0Vが最も安定であることから、0V(接地電位)である。また、ディスプレイモジュールで用いる電源の数を減らす観点から、上記一定の電位は、他の用途で用いられる電源電位のいずれかと同一であることが好ましい。
上記保護膜を一定の電位に保持する手段としては特に限定されないが、第2電極と電気的に接続する方法が好適である。すなわち、上記保護膜は、第2電極と電気的に接続されていることが好ましい。保護膜を一定の電位に保持するために、保護膜と有機EL素子の第2電極を電気的に接続した場合には、複雑なパターンの形成や電源の数の増加が不要となり、かつ表示領域内から表示領域外の第2電極取出し部まで延伸して形成される第2電極を容易に配置することが可能となる。第2電極及びそれと電気的に接続された保護膜の電位(DC電位)としては、−20V〜+20Vの範囲内が好ましく、−10V〜+10Vの範囲内がより好ましい。更に好ましくは、各画素の有機EL素子からの電流が流れ込む第2電極を安定的に制御する観点から、0V(接地電位)である。
本発明の有機ELパネルは、その外周に環状に配置されたシール材を介して、有機EL素子が形成された基板と封止部材とが接着されたものであり、シール材下に有機絶縁膜が設けられていないことが好ましい。上記封止部材は、有機EL素子が形成された基板に接着されることによって有機EL素子を内包する封止空間を形成することができる構造をもつ部材であれば特に限定されず、ガラス基板の外縁以外を堀り込んで形成した封止基板、金属製の封止缶等が挙げられる。なお、封止部材は、シール材を介して有機EL素子が形成された基板と一体化されていればよく、有機EL素子が形成された基板と封止部材との接着部には、シール材のほか、無機絶縁膜等が介在していてもよい。一方、有機絶縁膜は、シール材と基板との間には設けられず、シール材に囲まれた領域内に配置されることが好ましい。なぜならば、有機絶縁膜は透水性が高いため、有機絶縁膜がシール領域の外側まで設けられた場合、外部より有機絶縁膜を透過して封止空間内に水分が浸入し、封止効果を低減させてしまう。
本発明の有機ELパネルは、シール材下に無機絶縁膜が設けられていることが好ましく、シール材と配線引出し部との間に無機絶縁膜が設けられていることがより好ましい。これにより、封止空間内への水分の浸入を効果的に防止しつつ、シール材下に有機絶縁膜がない場合においても、封止空間から接着部の外に延伸する配線を保護することができる。すなわち、無機絶縁膜により基板接着時に混入し得る異物等による配線間の短絡や傷等による断線の発生を抑制することができる。
上述したような封止構造によって有機EL素子を水や酸素等の雰囲気の影響から隔離すると共に、有機絶縁膜が含有する残留水分を無機絶縁膜に形成された開口を介して封止空間に放出することが可能となるため、有機EL素子への水分の影響の少ない高い信頼性を有する有機ELパネルを得ることができる。
また、上記有機ELパネルは、有機EL素子が形成された基板と封止部材とで形成される気密空間に面して乾燥剤が設けられたものであることが好ましい。このような構造とすることにより、気密空間内の水分濃度を低濃度にすることができ、有機絶縁膜が含有する残留水分を吸収することにより、水分による有機EL素子の経時劣化を更に効果的に防止することができる。
本発明はまた、上記有機エレクトロルミネセンスパネルを有する有機エレクトロルミネセンス表示装置でもある。本発明によれば、通常の有機EL表示装置が有する特性面の利点を損なうことなく、発光輝度の信頼性においても優れた有機EL表示装置を提供することができる。
本発明の有機ELパネルによれば、上述の構成を有するので、表示領域外の有機絶縁膜についても、脱水処理により残留水分を低減して表示領域周辺部からの輝度低下を防止することができ、有機ELパネルにおける発光輝度の信頼性を向上させることができる。
以下に本発明の実施形態を掲げ、図面を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1のアクティブマトリックス型有機ELパネルの外観を示す平面概略図である。
図1に示すように、本実施形態の有機ELパネルには、画像を実際に表示させる表示領域11、その周辺領域13、シール領域(封止領域)14が存在する。表示領域11は、複数個の画素により構成されるものであり、各画素は有機EL素子と該有機EL素子の駆動を制御するスイッチング用TFT及び駆動用TFTを含み、駆動用TFTのドレイン電極と有機EL素子の第1電極とが有機絶縁膜に穿ったコンタクトホールを介して接続される。周辺領域13は、表示領域11内に設けられた複数個の画素の駆動を制御するために、TFTを用いて構成されたドライバ、及び、各種の配線が設置される。シール領域14は、周辺領域13の外周に位置する。シール領域14では、樹脂からなるシール材を介して絶縁基板21と封止基板との接着が行われ、これにより形成された封止空間(気密空間)内に表示領域11及び周辺領域13が内包されることになる。
図2は、実施形態1のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面概略図である。
以下、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルについて、製造方法の一例を示しながら、その構成を説明する。
本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの製造工程においては、まず、ガラス基板等の絶縁基板上に、スイッチング用TFT(図示せず)、駆動用TFT22、ドライバ23及び各種配線(図示せず)を形成し、更にその上に有機材料からなる層間絶縁膜(有機絶縁膜)24を形成した。層間絶縁膜24は、アクリル系樹脂(有機材料)を用いて塗布形成し、スピンコーターにより2μm程度の膜厚にした。層間絶縁膜24を構成する有機絶縁膜としては、ポリイミド系樹脂、ドライフィルムレジスト等を用いてもよい。
表示領域11では、層間絶縁膜24を設けることにより、スイッチング用TFT、駆動用TFT22、配線等により生じる凹凸を平坦化し、該凹凸が有機EL素子に影響を与えることを防止することができる。なお、表示領域11には、画素の駆動用TFT22のドレイン電極と有機EL素子の第1電極である透明電極26との接続に用いられるコンタクトホール25が、層間絶縁膜24を貫通するように設けられる。
一方、周辺領域13では、層間絶縁膜24を設けることにより、後工程におけるダメージ、すなわち後述する透明電極パターニング時のエッチング液等からドライバ23や各種配線を守ることができ、更に電磁シールド構造形成時の寄生容量を低下させることができる。なお、電磁シールド構造とは、ドライバ23の上方を導電体で覆うことにより外部の各種電磁波や静電気の影響によるドライバ23の誤動作を防ぐものである。電磁シールド構造は、有機EL素子の第2電極(陰極)29でドライバ23部分を覆う構造とすることで簡易に作製できるが、この場合、陰極29とドライバ23とを絶縁しなければならず、更に陰極29とドライバ23や各種配線との間に発生する寄生容量による負荷増大を抑制するため、この寄生容量を小さくすることが好ましい。寄生容量の低減については、誘電率が低く、膜厚が2μm程度の厚い層間絶縁膜で絶縁すればよい。
また、有機材料からなる層間絶縁膜24は透水性が高いため、層間絶縁膜24がシール領域14の外側まで設けられた場合、外部より層間絶縁膜24を透過して封止空間内に水分が浸入し、封止効果を低減させてしまう。このため、シール領域14では層間絶縁膜24を除去する必要がある。したがって、塗布形成により絶縁基板21上の全面に製膜された層間絶縁膜24は、必要な部分を残してポジ型フォト現像により除去した。層間絶縁膜24の除去部分としては、上述のシール領域14とコンタクトホール25形成領域以外に、陰極29と絶縁基板21上に形成される陰極取り出し配線(図示せず)とを接続する部分、及び、外部回路への電気的な接続領域である。
次に、層間絶縁膜24上に有機EL素子の陽極として第1電極26を形成した。有機EL素子の発光を基板側から取出すボトムエミッション構造における第1電極は、透光性が必要であり、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化亜鉛ガリウム(GZO)等の透明導電膜を用いる。有機EL素子の発光を基板とは反対側から取出すトップエミッション構造における第1電極は、反射性が必要であり、アルミニウム、銀、ニッケル等の反射性を有する金属の単層、又は、前記の反射性を有する金属と透明導電膜との積層構造を用いる。本実施形態では、ボトムエミッション構造を採用し、酸化インジウム錫(ITO)の透明導電膜をスパッタリング法により150nm程度の膜厚で層間絶縁膜24上に形成し、更にフォトレジスト法を用いて臭化水素酸でエッチングすることにより、所定のパターンの第1電極26を形成した。なお、フォトレジスト法を用いた第1電極26のパターニングの際には、フォトレジストの除去洗浄時に水が用いられるため、層間絶縁膜24を構成する有機絶縁膜が吸湿するおそれがある。洗浄方法としては、例えば、剥離液への浸漬後、純水中で超音波洗浄を行う方法等が挙げられる。
次に、第1電極26が形成された基板上に、無機絶縁膜27として酸化シリコン(SiO)膜をスパッタリング法により150nm程度の膜厚で形成した。無機絶縁膜27は、有機EL素子の第1電極26の周縁(エッジ)における電流リークを防止するため、第1電極26のエッジ部を被覆する。後述するように、本実施形態においては、有機EL素子の無機絶縁膜27に被覆されていない領域に有機EL層28が形成され、発光部となる。
また、本実施形態では、シール領域14において層間絶縁膜24が封止効果を強めるために除去されているので、シール領域14の絶縁基板21上に導電パターン(回路、配線)が形成される場合には、封止時に導電性異物等により導電パターン間が短絡(ショート)することを防ぐため、シール領域14にも無機絶縁膜27を設置することが好ましい。
絶縁基板21上の全面に製膜された無機絶縁膜27には、フォトレジスト法を用いた(CF+O)ガスによるドライエッチングにより所定の位置に開口を形成した。無機絶縁膜27の開口としては、有機EL素子の第1電極26上のエッジ部を除いた部分(第1開口部)、陰極29と陰極取り出し配線とをコンタクトする部分、及び、外部回路への電気的な接続部分に加えて、本発明においては、周辺領域13の層間絶縁膜24が形成された領域(表示外領域)12にも形成する。この表示外領域12に設けられた無機絶縁膜27の開口(第2開口部)27aの存在により、表示外領域12の層間絶縁膜24に残存する水分を充分に脱水させることができる。なお、フォトレジスト法を用いた無機絶縁膜27のパターニングの際にも、フォトレジストの除去洗浄時に水が用いられるため、層間絶縁膜24を構成する有機絶縁膜が吸湿するおそれがある。
表示外領域12に設けられる第2開口部27aのパターンとしては特に限定されないが、図3に一例を示しているように、表示領域11の第1開口部のパターンと同じパターンであることが好ましい。表示領域11の第1開口部と表示外領域12の第2開口部27aとで開口パターンを同じにすることによりパターン形成が容易となる。また、表示外領域12の第2開口部27aは、大きくするほど、より大きな脱水効果が得られる。
次に、層間絶縁膜24中の残留水分を除去するための脱水処理を行った。脱水処理では、無機絶縁膜27形成後の基板を170℃、13.3Pa(0.1Torr)の真空オーブン中に48時間保持した。脱水条件としては、上述の条件に限定されるものではなく、加熱乾燥等でも本発明の作用効果を得ることができる。
次に、有機EL層28の形成の前処理として、ITOからなる第1電極26の表面を洗浄した。洗浄方法としては特に限定されないが、例えばUVオゾン処理が好適である。UV洗浄方法は、空気中で紫外線を基板に向けて照射し、発生するオゾンにより第1電極26の表面を洗浄するものである。
次に、表示領域11の第1電極26上に設けられた無機絶縁膜27の開口(第1開口部)に有機EL層28を形成した。有機EL層28としては、正孔輸送層としてジアミン誘導体(TPD)、発光層としてはトリス(8−キリノール)アルミニウム(Alq3)膜をそれぞれ真空蒸着法により順次積層形成した。
次に、有機EL素子の陰極として第2電極29を形成した。有機EL素子の発光を基板側から取出すボトムエミッション構造における第2電極は、電子注入性を有する材料と反射性を有する低抵抗材料との合金又は積層膜等を用いる。有機EL素子の発光を基板とは反対側から取出すトップエミッション構造における第2電極は、電子注入性を有する材料と透光性を有する低抵抗材料との合金又は積層膜等を用いる。本実施形態では、ボトムエミッション構造を採用していることから、第2電極29として、真空蒸着法を用いてマスク蒸着によりMgAg膜を200nm程度の膜厚で形成した。第2電極29は全画素の共通陰極となるため、表示領域11全体、更には電磁シールド構造を形成するため、表示外領域12のドライバ23上に形成した。また陰極29は層間絶縁膜24及び無機絶縁膜27が開口されたコンタクト部を介して陰極取り出し配線(図示せず)と接続され、該配線を介して、外部回路に接続された。
最後に、エポキシ系紫外線硬化樹脂からなるシール材31を介してシール領域14に封止基板32を接着し、表示領域11及び周辺領域13を内包する気密空間を形成することによって、表示領域11に形成された有機EL素子の封止を行った。シール材31としては、上述のエポキシ系紫外線硬化樹脂に限定されないが、透水性の低いものが好ましい。封止方法としては特に限定されないが、本実施形態では、ガラス基板をサンドブラストにより掘り込んだ封止基板32の掘り込み部に乾燥剤33を設置し、水分濃度、酸素濃度が1ppm以下に保たれた不活性ガス充填のグローブボックス中で、乾燥剤33と有機EL素子とが対向するように、有機EL素子が形成された基板と封止基板32とを貼り合わせた。このようにして作製された封止空間は、低水分濃度に保たれたN等の不活性ガスが充填されており、無機絶縁膜27の第2開口部27aが封止空間と接することにより、層間絶縁膜24の脱水効果が促進される。以上により、図1〜3に示す有機ELパネルが作製された。
本実施形態の有機ELパネルについて、第2開口部27aの開口率を0〜100%の範囲で変更したときの発光輝度の信頼性を評価した。なお、第2開口部27aの開口率が0%のものは、本発明に含まれない。評価の結果を図4に示す。
図4は、第2開口部27aの開口率を0〜100%の範囲で変更して製造した有機ELパネルについて、85℃、300時間の高温保管試験をした場合の消光画素列の数を示している。図5には、画素シュリンクの様子を示した。図4に示すように、表示外領域面積の10%以上開口した場合には、表示領域周辺部からの輝度低下は観測できない程度にまで改善された。
本実施形態では、第1電極にITO透明導電膜、第2電極にMgAg膜を用いたボトムエミッション構造について示したが、本発明はこのような形態に特に限定されず、上記以外の材料を用いても構わない。また、トップエミッション構造でも本発明は好適に用いることができる。
(実施形態2)
実施形態1においては、真空蒸着法により低分子の有機EL材料からなる発光層を形成した場合を示したが、本実施形態においては、インクジェット法により高分子の有機EL材料からなる発光層を形成する場合について示す。
図6は、実施形態2のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面概略図である。図6に示すように、本実施形態では、発光層28bの周囲に土手(以下、バンクともいう)30が配置されており、インクジェット装置から発光層28bの液状材料をバンク30内に吐出することで、発光層28bを所望のパターンで配置することが可能である。
以下、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルについて、製造方法の一例を示しながら、その構成を説明する。
本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの製造工程としては、無機絶縁膜27の開口パターニングを行い、層間絶縁膜24の脱水処理を行うところまでは、実施形態1のアクティブマトリックス型有機ELパネルを製造する場合と同様にして行う。
次に、無機絶縁膜27の開口パターニングが完了した基板の上に、例えばポリイミドからなる感光性有機膜をスピンコート法等により2μm程度の膜厚で塗布形成し、更に光現像方法を用いて、ITOからなる第1電極26を囲むパターンに感光性有機膜をパターニングすることでバンク30を形成する。なお、光現像方法を用いたバンク30のパターニングの際にも、現像後の洗浄時に水が用いられるため、層間絶縁膜24を構成する有機絶縁膜が吸湿するおそれがある。
また、バンク用感光性有機膜としてポリイミド等を用いた場合、感光性有機膜と層間絶縁膜24との密着性が悪いため、工程中で膜剥がれ等が生じ、異物発生の原因となるおそれがある。そこで、密着性を良くするために、層間絶縁膜24の脱水を充分に行うことができる範囲で、層間絶縁膜24上に無機絶縁膜27を設けることが好ましい。このため、表示外領域12においても層間絶縁膜24上の無機絶縁膜27は、全て除去することなく一部残すことが好ましい。
次に、インクジェット法によりバンク30内に有機EL用高分子インクを滴下する前処理として、バンク30を形成した基板に対して、UVオゾン処理による親水性処理とCFプラズマ処理による撥水処理とを順次施す。これらの処理により、無機絶縁膜27及びITOからなる第1電極26の親水性が増すとともに、バンク30の撥水性が増すことになり、効率よくバンク内にインクが溜まるようになる。続いて、バンク30内にインクジェット法で有機EL用高分子インクを滴下し乾燥焼成することにより、有機EL層28を第1電極26上に形成する。有機EL層28としては、正孔(ホール)輸送層28a及び発光層28bを順次形成する。
次に、陰極となる第2電極29として真空蒸着法によりBa膜とAl膜とを順次積層形成する。最後に、エポキシ系紫外線硬化樹脂からなるシール材31を介してシール領域14に封止基板32を接着し、表示領域11及び周辺領域13を内包する気密空間を形成することによって、表示領域11に形成された有機EL素子の封止を行った。封止方法としては特に限定されないが、本実施形態では、ガラス基板をサンドブラストにより掘り込んだ封止基板32の掘り込み部に乾燥剤33を設置し、水分濃度、酸素濃度が1ppm以下に保たれた不活性ガス充填のグローブボックス中で、乾燥剤33と有機EL素子とが対向するように、有機EL素子が形成された基板と封止基板32とを貼り合わせた。このようにして作製された封止空間は、低水分濃度に保たれたN等の不活性ガスが充填されており、無機絶縁膜27の第2開口部27aが封止空間と接することにより、層間絶縁膜24の脱水効果が促進される。以上により、図6に示す有機ELパネルが作製された。
(実施形態3)
無機絶縁膜の第2開口部の下に保護膜を有する実施形態を以下に述べる。無機絶縁膜の第2開口部下に保護膜を有する構造とすることにより、エッチング等により無機絶縁膜を開口する際に有機絶縁膜を保護することができる。保護膜を有さない場合、無機絶縁膜を開口する際に、有機絶縁膜がダメージを受けその一部がダストとなり歩留まり低下の原因となる場合がある。また、保護膜を有さない場合、無機絶縁膜を開口する際に有機絶縁膜がダメージを受け、更にその後のプロセスで、有機絶縁膜下の配線やTFTにまでダメージが及ぶこともある。よって、本発明においては、無機絶縁膜の第2開口部下に保護膜を有する構造が好適である。
本実施形態では、保護膜として、第1電極を構成するITO透明導電膜を用いた例を示す。図7は、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。図8は、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面概略図である。なお、本実施形態と実施形態1とで同様の機能を発揮する構成部材については同一の符号を付した。
本実施形態においては、第1電極の形成工程以外は、実施形態1と同様にして有機ELパネルを作製した。すなわち、本実施形態では、第1電極の形成工程は、保護膜の形成工程を兼ねており、表示領域11においてITO透明導電膜をパターニングして第1電極26を形成する際に、表示外領域12においてもITO透明導電膜のパターニングを行うことで、無機絶縁膜27の第2開口部27aの下にITO透明導電膜を層間絶縁膜24の保護膜26aとして配置した。図7に示すように、無機絶縁膜27の4つの第2開口部27a毎に共通の保護膜26aを設けている。もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、1つの第2開口部27a毎に保護膜26aを設けてもよいし、例えば3つ毎や9つ毎等、任意の複数の第2開口部27a毎に共通の保護膜26aを設けてもよい。保護膜26aを設けることにより、無機絶縁膜27をドライエッチングする際に受ける層間絶縁膜24の損傷(ダメージ)を低減することができ、有機ELパネルの製造歩留りを向上させることができる。
また、有機EL層28形成前の第1電極26の洗浄としてUVオゾン処理を用いた場合、第2開口部27a下に保護膜26aを配することにより、表示外領域12における有機物である層間絶縁膜24のUVオゾン洗浄による膜減りを防ぐことができる。更に、これにより、層間絶縁膜24の膜厚が不本意に薄くなることがないため、寄生容量の増大による回路等への負荷増大を抑制できる。なお、無機絶縁膜27の開口については、ITO透明導電膜を下に設けておけば、この層間絶縁膜24のエッチングを充分に防ぐことができる。
また、本実施形態においては、複数の第2開口部27a毎に透明電極からなる保護膜26aを設けており、個々の保護膜26aのサイズが大きくなる。そのため、表示領域11の周辺部に配置された、TFTから構成されるドライバ23や、配線に対する電磁シールド構造として、透明電極からなる保護膜26aを用いることができる。この場合、個々の保護膜26aは、電気的にフロート(浮遊)であるよりも、一定の電位に保持されていることが好ましい。個々の保護膜26aが電気的にフロートであれば、その下のドライバや配線との電気的な関係が不安定となってしまい、動作が不安定となるからである。保護膜26aを一定の電位に保持するためには、個々の保護膜26aと、有機EL素子の第2電極29を電気的に接続することが好ましい。保護膜26aを一定の電位に保持するための複雑なパターンの形成や電源電圧数の増加が不要となり、かつ表示領域11内から表示外領域12の第2電極取出し部まで延伸して形成される第2電極29を容易に配置することが可能となり、より完全な電磁シールド構造も容易に構成し得る。
また、本実施形態においては、表示領域11内の第1電極26と、保護膜26aのサイズが異なる構成となっている。よって、第1電極26のパターニングプロセス後に、表示領域11と周辺領域13の境界部を目視にて容易に観察できる。そのため、この後の、有機EL素子及び第2電極形成プロセスにおいて、表示領域11に有機EL素子及び第2電極29が確実に形成されているかを目視にて確認することが容易となる。
本実施形態のように、無機絶縁膜27をドライエッチングによりパターニングする場合には、有機絶縁膜の保護効果の観点から、保護膜として無機物が好適である。また、本発明では、製造プロセスの簡略化の観点から第1電極と同じ材料からなる保護膜が好適であり、ボトムエミッション構造の本実施形態では透明導電膜であるITO膜が用いられた。トップエミッション構造の場合は、第1電極26が反射性を有する電極となり、第2電極が透光性を有する電極となる。トップエミッション構造の第1電極26が反射性を有する金属膜と透明導電膜との積層構造で形成されている場合は、保護膜26aとして第1電極26の透明導電膜と同じ材料からなる膜のみを形成することも可能である。この場合、反射性を有する金属による外光反射によって表示外領域12の保護膜26aが目立つことを抑制できる。
(実施形態4)
無機絶縁膜の第2開口部の下に保護膜を有する別の実施形態を以下に述べる。無機絶縁膜の第2開口部下に保護膜を有する構造とすることにより、エッチング等により無機絶縁膜を開口する際に有機絶縁膜を保護することができる。本実施形態では、表示外領域の保護膜26aの形状が異なること以外は実施形態3と同様にして有機ELパネルを作製した。すなわち、表示領域11においてITO透明導電膜をパターニングして第1電極26を形成する際に、表示外領域12においてもITO透明導電膜のパターニングを行うことで、無機絶縁膜27の第2開口部27aの下に、層間絶縁膜24の保護膜26aとして第2開口部27aよりも一回り大きい透明電極を配置した。
図9は、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。なお、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面構成は、図8に示した実施形態3の型有機ELパネルの断面構成と同様である。
本実施形態においては、第1電極の形成工程は、保護膜の形成工程を兼ねており、表示領域11においてITO透明導電膜をパターニングして第1電極26を形成する際に、表示外領域12においても表示領域11と同様のITO透明導電膜パターンを形成することで、無機絶縁膜27の第2開口部27aの下に透明導電膜を層間絶縁膜24の保護膜26aとして配置した。これにより、無機絶縁膜27をドライエッチングする際に受ける層間絶縁膜24の損傷(ダメージ)を低減することができ、有機ELパネルの製造歩留りを向上させることができる。また、有機EL層28形成前の第1電極26の洗浄としてUVオゾン処理を用いた場合、表示外領域12の無機絶縁膜27の第2開口部27a下に保護膜26aを配することにより、表示外領域12における有機物である層間絶縁膜24のUVオゾン洗浄による膜減りを防ぐことができる。また、これにより、層間絶縁膜24の膜厚が不本意に薄くなることがないため、寄生容量の増大による回路等への負荷増大を抑制できる。
なお、本発明では、製造プロセスの簡略化の観点から第1電極と同じ材料からなる保護膜が好適であり、ボトムエミッション構造の本実施形態では透明導電膜であるITO膜が用いられた。この場合、ITO膜の透水性は小さく、層間絶縁膜24の含有する水分は層間絶縁膜24から層間絶縁膜24上の保護膜26aであるITO膜を経て、無機絶縁膜27の開口から放出される。本実施形態では、第1電極26と同様のパターンで保護膜26aを形成していることにより、保護膜26aの大きさは無機絶縁膜27の開口の大きさよりも一回り大きい程度とした。これにより、層間絶縁膜24上の保護膜26aの形成されていない部分からの効果的な脱水が可能となる。また、保護膜26aが基板面上に格子状に配置されることになるため、層間絶縁膜24下の配線と層間絶縁膜24上の保護膜26aとを基板面法線方向から見て重なる位置に配置させることが容易であり、配線の損傷を効果的に防止することができる。
また、本実施形態においては、無機絶縁膜の第2開口部27aと保護膜26aのサイズが、表示領域11の画素部の無機絶縁膜27の第1開口部と第1電極26のサイズに、各々等しい。そのため、表示領域11及び表示外領域12からの脱水を、面内のむらなく、ほぼ均一とすることができる。
本実施形態においては、第1電極26のパターニング時に、同時に保護膜26aのパターニングを行う。上述の通り、第1電極26と保護膜26aを同じサイズとしているため、表示領域11と表示外領域12の境界部においても、同サイズのITO膜パターンが並ぶこととなる。すなわち、表示領域11の中心付近と、周辺部とで、ITO膜のパターン密度が等しいこととなり、ITO膜のパターニングをより均一に行うことができる。
個々の保護膜26aは、電気的にフロート(浮遊)であるよりも、一定の電位に保持されていることが好ましい。保護膜26aを一定の電位に保持するためには、個々の保護膜26aと有機EL素子の第2電極29とを電気的に接続することが好ましい。
トップエミッション構造の場合は、第1電極26が反射性を有する電極となり、第2電極が透光性を有する電極となる。この場合も同様に保護膜26aとして第1電極26と同じ材料からなる膜を表示外領域12に形成することができる。トップエミッション構造の第1電極26が反射性を有する金属膜と透明導電膜との積層構造で形成されている場合は、保護膜26aとして第1電極26の透明導電膜と同じ材料からなる膜のみを形成することも可能である。
(実施形態5)
無機絶縁膜の第2開口部の下に保護膜を有する別の実施形態を以下に述べる。無機絶縁膜の第2開口部下に保護膜を有する構造とすることにより、エッチング等により無機絶縁膜を開口する際に有機絶縁膜を保護することができる。本実施形態では、表示外領域12の保護膜26aの形状が異なること以外は実施形態4と同様にして有機ELパネルを作製した。
図10は、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。なお、本実施形態のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面構成は、図8に示した実施形態3の型有機ELパネルの断面構成と同様である。
本実施形態においては、表示領域11においてITO透明導電膜をパターニングして第1電極26を形成する際に、表示外領域12においても表示領域11と同様のITO透明導電膜パターンを形成することで、無機絶縁膜27の第2開口部27aの下に透明導電膜を層間絶縁膜24の保護膜26aとして配置した。また、本実施形態では、図10に示すように、表示外領域12での保護膜26aの各々が導電性の接続部26bによって互いに電気的に接続されている。これにより、保護膜26aは全て一定の電位に保たれる。接続部26bは、第1電極26及び保護膜26aと異なる材料で形成してもよいが、本実施形態における接続部26bは、第1電極26及び保護膜26aと同じ材料で同時に形成した。これにより、工程の増加を招くことなく容易にパターン形成することが可能である。
保護膜26aは、電気的にフロート(浮遊)であるよりも、一定の電位に保持されていることが好ましい。保護膜26aを一定の電位に保持するためには、保護膜26aと、有機EL素子の第2電極を電気的に接続することが好ましい。これにより、複雑なパターンの形成や電源電圧数の増加が不要となり、かつ表示領域11内から表示外領域12の第2電極取出し部まで延伸して形成される第2電極29を容易に配置することが可能となり、電磁シールド構造も容易に構成し得る。本実施形態では、保護膜26aの各々が、接続部26bにより接続されているため、より確実に全ての保護膜26aを第2電極29と電気的に接続することができる。接続部26bが設けられない場合、全ての保護膜26aを第2電極29と電気的に接続させるには、全ての保護膜26aが第2電極29に覆われる必要がある。第2電極29の外周部のサイズを、表示外領域12に比して充分大きくすれば、全ての保護膜26aを第2電極29に確実に接続させることができるが、パネルの狭額縁化の要請や、シール領域14と第2電極29が重なると第2電極29が劣化しやすい、等の理由から、第2電極29の外周部のサイズは、表示外領域12の外周部のサイズとほぼ等しくすることが現実的である。そのため、接続部26bが設けられていない場合には、全ての保護膜26aを第2電極29で覆うために、第2電極29に対してより高い形成精度が必要となる。しかしながら、本実施形態のように保護膜26aが接続部26bにより互いに接続されている場合、全ての保護膜26aが第2電極29に覆われている必要はない。個々の保護膜26aは接続部26bにより電気的に接続されているため、一部の保護膜26aが第2電極29に覆われているだけで、全ての保護膜26aが第2電極29と電気的に接続される。よって、本実施形態を用いると、第2電極29の形成時にはそれ程高い形成位置精度を必要としない、第2電極29の形状の設計自由度が広がる、等の利点が得られる。
また、保護膜26aを形成することにより、無機絶縁膜27をドライエッチングする際に受ける層間絶縁膜24の損傷(ダメージ)を低減することができ、有機ELパネルの製造歩留りを向上させることができる。更に、有機EL層28形成前の第1電極26の洗浄としてUVオゾン処理を用いた場合、表示外領域12の無機絶縁膜27の第2開口部27a下に保護膜26aを配することにより、表示外領域12における有機物である層間絶縁膜24のUVオゾン洗浄による膜減りを防ぐことができる。
なお、本発明では、製造プロセスの簡略化の観点から第1電極と同じ材料からなる保護膜が好適であり、ボトムエミッション構造の本実施形態では透明導電膜であるITO膜が用いられた。この場合、層間絶縁膜24の含有する水分は、層間絶縁膜24から、層間絶縁膜上の保護膜26aであるITO膜を経て、無機絶縁膜27の開口から放出される。本実施形態では、第1電極26と同様のパターンで保護膜26aを形成していることにより、保護膜26aの大きさは無機絶縁膜27の第2開口部27aの大きさよりも一回り大きい程度とした。これにより、層間絶縁膜24上の保護膜26aの設けられていない部分からの効果的な脱水が可能となる。
本実施形態においては、無機絶縁膜の第2開口部27aと保護膜26aのサイズが、表示領域11の画素部の無機絶縁膜27の開口部と第1電極26のサイズに、各々ほぼ等しいため、表示領域11及び表示外領域12からの脱水をほぼ均一とすることができる。
また、本実施形態においては、第1電極26のパターニング時に、同時に保護膜26aのパターニングを行う。上述の通り、第1電極26と保護膜26aをほぼ同じサイズとしているため、表示領域11の中心付近と周辺部とで、ITO膜のパターン密度がほぼ等しくなり、ITO膜のパターニングを均一に行うことができる。
更に、本実施形態においては、表示領域11内の第1電極26には接続部26bが形成されておらず、一方表示外領域12内の保護膜26aには接続部26bが形成されている。よって、第1電極26のパターニングプロセス後に、表示領域11と表示外領域12の境界部を目視にて容易に観察できる。そのため、この後の、有機EL素子及び第2電極形成プロセスにおいて、表示領域11に有機EL素子及び第2電極29が確実に形成されているかを目視にて確認することが容易となる。
本実施形態ではボトムエミッション構造を用いたが、本発明はそれに限定されるものではなく、トップエミッション構造を用いてもよい。トップエミッション構造の場合は、第1電極26が反射性を有する電極となり、第2電極が透光性を有する電極となる。この場合も同様に保護膜26aとして第1電極26と同じ材料からなる膜を表示外領域12に形成することができる。トップエミッション構造の第1電極26が反射性を有する金属膜と透明導電膜との積層構造で形成されている場合は、保護膜26aとして第1電極26の透明導電膜と同じ材料からなる膜のみを保護膜26aとして形成することも可能である。
なお、本願は、2005年12月5日に出願された日本国特許出願2005−350640号、及び、2006年11月20日に出願された日本国特許出願2006−313161号を基礎として、パリ条約ないし移行する国における法規に基づく優先権を主張するものである。該出願の内容は、その全体が本願中に参照として組み込まれている。
また、本願明細書における「以上」及び「以下」は、当該数値を含むものである。
実施形態1のアクティブマトリックス型有機ELパネルの外観を示す平面概略図である。 実施形態1のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面概略図である。 実施形態1のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。 第2開口部の開口率を0〜100%の範囲で変更して製造した有機ELパネルについて、85℃、300時間の高温保管試験をした場合の消光画素列の数を示すグラフである。 画素シュリンクの様子を示す説明図である。 実施形態2のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面概略図である。 実施形態3のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。 実施形態3のアクティブマトリックス型有機ELパネルの断面概略図である。 実施形態4のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。 実施形態5のアクティブマトリックス型有機ELパネルの表示領域及び表示外領域の構成を示す平面概略図である。
符号の説明
11:表示領域(点線内)
12:表示外領域
13:周辺領域
14:シール領域
21:絶縁基板
22:駆動用TFT
23:ドライバ
24:層間絶縁膜(有機絶縁膜)
24a:層間絶縁膜形成領域
25:コンタクトホール
26:第1電極
26a:保護膜
26b:接続部
27:無機絶縁膜
27a:無機絶縁膜の第2開口部
27b:無機絶縁膜形成領域
28:有機EL層
28a:正孔(ホール)輸送層
28b:発光層
29:第2電極
31:シール材
32:封止基板
33:乾燥剤
41:発光画素部
42:消光画素部(シュリンク部)

Claims (12)

  1. 有機絶縁膜が表面に形成された基板上に、第1電極、少なくとも発光層を含む有機層、第2電極をこの順に積層した構造を有する有機エレクトロルミネセンスパネルであって、
    該有機エレクトロルミネセンスパネルは、有機絶縁膜及び第1電極を覆い、かつ表示領域内の第1電極上及び表示領域外に開口を有する無機絶縁膜を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスパネル。
  2. 前記無機絶縁膜の表示領域外の開口は、表示領域外の有機絶縁膜形成領域の面積に対して10%以上の面積を有することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  3. 前記有機エレクトロルミネセンスパネルは、無機絶縁膜の表示領域外の開口下に保護膜を有することを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  4. 前記有機エレクトロルミネセンスパネルは、無機絶縁膜の表示領域外の開口の各々の下に、該開口下の有機絶縁膜を覆う保護膜が1つずつ設けられたものであることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  5. 前記保護膜は、開口を有するものであることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  6. 前記保護膜は、第1電極と同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  7. 前記保護膜は、電気的に接続された複数の導電部により構成されることを特徴とする請求項3、5、6又は7記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  8. 前記保護膜は、一定の電位に保持されていることを特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  9. 前記保護膜は、第2電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  10. 前記有機エレクトロルミネセンスパネルは、その外周に環状に配置されたシール材を介して、有機エレクトロルミネセンス素子が形成された基板と封止部材とが接着されたものであり、
    シール材下に有機絶縁膜が設けられていない
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  11. 前記有機エレクトロルミネセンスパネルは、有機エレクトロルミネセンス素子が形成された基板と封止部材とで形成される気密空間に面して乾燥剤が設けられたものであることを特徴とする請求項10記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンスパネルを有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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