JPWO2007055333A1 - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ - Google Patents

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Abstract

本発明は、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインキにおいて、単官能モノマーを重合性モノマー中50重量%以上含有し、かつ、下記[式1]もしくは[式2]で示される光重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、nは2〜10の整数を表す。)(式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表す。)

Description

本発明は、延伸加工性に優れ、かつブロッキングフリーの活性エネルギー線硬化型インクジェット用インキに関するものである。
従来、活性エネルギー線硬化型インキは、オフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給、使用されてきたが、乾燥工程を簡略化・作業スペースの狭小化によるコストダウンや、環境対応として溶剤揮発量の低減などのメリットから近年使用量が増加している。中でもインクジェットインキとしては水系と溶剤系が多く使用されており各々の特徴に応じて用途が使い分けられているが、工業用としては受容基材に制限があること、耐水性が比較的悪い点、インキの乾燥エネルギーが大きい、また、乾燥によるヘッドへのインキ成分付着などの問題点を有し、比較的揮発性の低い活性エネルギー線硬化型インキへの置き換えを期待されている。
しかし、従来の活性エネルギー線硬化型インキによる硬化膜は、固いがもろい特性を示す場合が多い。また、曲げなどの延伸加工性向上のために、単純にガラス転移点温度を室温以下に下げた硬化膜は、極度に硬度が低下し、耐擦過性、耐摩擦性が低下するため、製造工程上のハンドリング、または、製品自身の品質として使用が困難となる。いずれの活性エネルギー線硬化膜も延伸加工特性に関しては従来の溶剤型インキに大きく劣ってしまう結果、特に成形加工を要求される高級用途においては、代替を期待されながらも大幅な切り替えが進まないのが現状である。またこの状況は、現行の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インキでも同様であるが、インクジェットで安定吐出するために、粘度を高くとも数十cps程度に抑える必要があるうえ、ヘッド部材を浸食しないモノマーを選択使用する必要があるため、実際配合されるモノマーは非常に制限され、多くの要求特性を満たすインキが上市されていないのが現状である。
特開平06−184484では、良好な延伸加工性を付与するために、単官能モノマーとウレタンオリゴマーを併用する試みがなされている。しかし、この処方は、延伸加工性は充分であるが、高粘度のウレタンオリゴマーを使用するため、インクジェット吐出が困難であるうえ、吐出するためには、温度を非常に高く上げる必要があり、ヘッド周辺へのダメージが発生する。
特開2002−167537では、硬化性向上のために、オリゴマーを配合したインキの開発も試みられている。上記特許では、高分子量のオリゴマーを使うことで、インキ中の架橋密度が低下してしまうため、多官能モノマーを多量に使用して、耐溶剤性、耐摩擦性を発現させている。しかし、多官能モノマーを多量に配合する結果、硬化膜の延伸加工性は、充分に得ることができなくなっている。
特開2002−241647では、多官能モノマーを比較的多く含む処方において、光重合開始剤により、インキの反応性を向上させる試みも行っている。しかし、該開始剤を、本発明の単官能モノマーを多く配合したインキに応用したところ、ブロッキングに対しては充分な効果を得ることができなかった。
このように、従来の技術により得られた延伸加工性に優れるインキは、実際使用する上で、硬化後にも印刷表面にタックが残る、印刷物を重ね積みしておく場合に、印刷物がブロッキングを起こす、または、強制的に剥離した場合であっても印刷物に跡が残り美粧性が損なわれたりする。
そこで、成型加工を要求される技術分野では、延伸加工性に優れ、且つブロッキングフリーであるインキが求められている。ブロッキングフリーとは、単に硬化しているだけではなく、硬化膜上に印刷基材を重ね、線圧11.5kgf/cm、速度0.3m/minで加圧した後、剥離し、印刷基材に転写がないことをいう。
本発明は、延伸加工性に優れ、かつブロッキングフリーの印刷物を得ることのできるインクジェット用活性エネルギー線硬化型インキの提供を目的とする。
すなわち、本発明は、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインキにおいて、単官能モノマーを重合性モノマー中50重量%以上含有し、かつ、下記[式1]もしくは[式2]で示される光重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
Figure 2007055333
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
Figure 2007055333
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表す。)
更に、本発明は、光重合開始剤が、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)または2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル)−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンである上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、光重合開始剤の含有量が重合性モノマーに対し、2〜20重量%である上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、吸収ピークを350nm〜395nmの波長範囲に有する第2の光重合開始剤を含有することを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、第2の光重合開始剤が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、インキ中に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1を含むことを特徴とする上記記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、重合性モノマー中、2−フェノキシエチルアクリレートを30重量%以上含むことを特徴とする上記記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、重合性モノマーが、N−ビニル−2−カプロラクタムを5〜30重量%含有する上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、印刷基材に、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキで印刷してなる印刷物に関する。
本願の開示は、2005年11月11日に出願された特願2005−327134号に記載の主題と関連しており、それらの開示内容は引用によりここに援用される。
本発明における、重合性モノマーは、活性エネルギー線硬化反応成分であり、具体的にはエチレン性不飽和二重結合を有する分子を示す。
本発明では、単官能モノマーを重合性モノマー中50重量%以上含有する。単官能モノマーの配合を50重量%未満とした場合、硬化膜の延伸加工性は著しく低下する。また、印刷後加工を目的とするような硬化膜に高度な延性が要求される場合、単官能モノマーは70重量%以上であることが好ましい。また、さらなる延性が要求される場合、単官能モノマーは80重量%以上であることが好ましい。
単官能モノマーの具体例としては、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート(あるいは、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレンポリプロピレングリコールアクリレート)、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β−カルボキシルエチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、N−ビニルホルムアミドを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明においては、上記単官能モノマーから、基材との密着性を高め、適度な延性を有する2−フェノキシエチルアクリレート、基材との密着性を高め、室温における硬化膜の硬度を高めるビニルカプロラクタム、硬化膜の硬度を高め、インキの粘度を下げたい場合に有用であるイソボルニルアクリレート、可撓性の向上に寄与する2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、基材に対する密着性の向上、可撓性の向上に寄与する1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートなどを使用することが好ましい。また、2−フェノキシエチルアクリレートの含有量が重合性モノマー中30重量%未満であると、基材との密着性が低くなり、好ましくない。また、ビニルカプロラクタムの含有量が重合性モノマー中5重量%未満であると硬化膜の反応性が下がることで、基材との密着性が悪くなり、含有量が30重量%より多いとインキの粘度の安定性が悪くなるので好ましくない。
また、多官能モノマーの具体例としては、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これら単官能モノマー、多官能モノマーは、1種または必要に応じて2種以上用いてもよい。
本発明における、[式1]または[式2]で示される光重合開始剤を含むインキは硬化速度が良好で、ブロッキングフリーの印刷物を得るのに効果を有する。
通常、光重合開始剤は、開裂部は1個であることが多いが、本発明で用いる光重合開始剤は、開裂部を2個以上有するため、活性エネルギー照射による開裂後に、重合性モノマーと複数の部分で反応することができるため、硬化膜中の重合反応物の分子量を高くすることができる。ブロッキングとは、未反応モノマーや、低分子の状態で重合が終わってしまったダイマーやトリマーが硬化膜中に多く残ることが原因と考えられる。このため、光重合開始剤として、開裂部を2個以上有する光重合開始剤を用い、硬化膜中の重合反応物の分子量を高くすることで、ブロッキングフリーの印刷物を得ることができる。
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子間水素引き抜き型に分類されるが、本発明の[式1]または[式2]で示される光重合開始剤は分子内結合開裂型の大部分を占めるアセトフェノン系に分類され、分子間水素引き抜き型と比較し、重合が早い、光酸化による黄変が少ない、貯蔵安定性がよい、などの特徴を有する。
本発明の[式1]または[式2]で表される光重合開始剤の具体例としては、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル)−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンなどが挙げられるがこれに限らない。また、上記光重合開始剤は1種または2種以上を用いることができる。例えば、インキ中の顔料の種類、またはモノマーの種類によっては、[式1]で表される光重合開始剤と[式2]で表される光重合開始剤を併用することで、硬化速度が格段に速くなることがある。
上記光重合開始剤は、重合性モノマーに対し、2〜20重量%含有することが好ましい。2重量%未満であると硬化速度が著しく悪化し、20重量%より多いと、含有量が10重量%のものと硬化速度が変わらないばかりか、溶解残りが発生する場合があり、熱をかけて溶け残りを溶かしたとしても、インキの粘度が上昇し、インクジェット吐出性が悪化するという問題がある。
本発明は、第2の開始剤として、350nm〜395nmの波長範囲に吸収ピークを有する第2の光重合開始剤を用いることが好ましい。
[式1]または[式2]で表される光重合開始剤が吸収する光より、長波長側の光を利用することにより、照射光の浸入深さがより長くなることで、膜内部の硬化が促進される。中でも、上記波長範囲に吸収ピークを有する光重合開始剤を使用する結果、硬化速度が向上した。
吸収スペクトルは、光重合開始剤をアセトニトリルに0.1重量%溶解させ、1cm石英セルを用い、分光光度計(HITACHI社製U−3300)により測定した。本発明で記載する吸収ピークとは、上記測定条件において吸光度が0.5以上のピークのことをいう。また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、上記測定条件において、350nm〜395nmの波長範囲に強度が0.5以上の吸収ピークをもつことが多く、第2の光重合開始剤として最も好ましい。
本発明の第2の光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられるがこれに限定されない。また、上記光重合開始剤は1種または2種以上を用いることができる。
更に、本発明のインキは、第2の光重合開始剤に加え、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1を含有することにより、硬化速度が顕著に向上する。この、光重合開始剤の組み合わせは、硬化速度を著しく高める効果があるが、黄変性を有するため、クリアインキ、白インキ用に使用する際、5%を超えて添加すると、耐候試験後に塗膜の色目が変化する可能性がある。
さらに高い延伸加工性を求める場合において、多官能モノマーとして、2官能モノマーをより好適に用いることができる。
本発明における活性エネルギー線とは、紫外線のことである。具体的には、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、無電極型紫外線ランプ、などから照射されるエネルギー線をいうが、これに限らない。
本発明で示されるインキとは、基材表面に印刷、または塗工される液体を示す。
このインキは、着色成分を含まない場合、コーティング用途として用いることができ、単独のコーティング層として、または後述の着色剤を含むインキとの積層コーティングを行うこともできる。また硬化膜の硬度、擦過性などの耐久性や成型加工性、あるいは艶の制御といった意匠性を付与するために、各種フィラーや樹脂成分を添加することもできる。フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、球状シリカ、中空シリカなどの体質顔料や樹脂ビーズなどを挙げることができ、樹脂成分としては、活性エネルギー線に不活性な樹脂であれば特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリビニル系樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂)、セルロース系樹脂(例えば、CAB樹脂、CAP樹脂)などを挙げることができる。これらのフィラーや樹脂成分を添加する場合は、インクジェット適性を考慮して種類や配合組成を調製することが好ましい。コーティング用途として用いる際には、他の印刷方法、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、あるいはスプレー塗工などによるコーティングを行ってもよい。なお、着色剤を含むインキとの積層コーティングにおいては、本発明のインキ以外の一般印刷用途、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などで使用されているコーティング材を本発明の着色剤を含むインキ層の上に積層してもよいし、別途成型されたコーティング層(フィルムなど)をラミネート転写する、あるいはスプレー塗工材などによる積層を行うこともできる。
一方、本発明のインキに着色成分を含有する場合、グラフィックや、文字、写真などを表示する材料として用いることができる。着色成分としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。顔料成分の中で、カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」などを挙げることができる。また、本発明ではイエロー、マゼンタ、シアンインキまたは、その他の色、たとえば白などにおいては、一般的な印刷用途、塗料用途のインキに用いられる顔料を使用することができ、発色性、耐光性などの点から必要に応じて選択することができる。
なお、顔料のインキ全体に対する比率は、インキ100重量部に対して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、0.2重量部〜15重量部の割合でまた、白の酸化チタンの場合は5重量部〜40重量部の任意の割合で配合することが好ましい。
また本発明のインキには、フィラーや顔料を分散安定化するための分散剤、その他各機能を持たせるための添加剤を使用することができる。
分散剤としては、高分子型分散剤、低分子型分散剤など多種の分散剤が存在するが、分散性に応じて選択することができる。分散補助剤として、顔料誘導体を用いることができる。また、添加剤としては、従来使用されている、ぬれ性調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、紫外線防止剤などをもちいることができる。いずれの分散剤、分散補助剤、添加剤も目的とする用途に応じ選択可能であり、本発明においてはいずれも限定されるものではない。
本発明において、オリゴとは、繰り返し単位が2〜10の分子のことをいう。
本発明には、インキの経時での粘度の安定性、記録装置内での安定性を高めるため、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤をインキ中0.01重量%〜5重量%配合することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて1種類以上使用することができる。
本発明のインキは、インクジェット吐出装置によって、印刷基材へ印刷される。本発明で用いられる印刷基材には、特に限定はないが、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、並びにガラス、ステンレスなどの金属基材、木材が挙げられる。
本発明のインキは、顔料の異なる複数、例えば4種、5種、6種、7種などのインキのセットとして用いることができる。例えば、4種であれば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、あるいは、イエロー、マゼンタ、シアン、ホワイトなどが例示できる。
本発明のインキは、特に[式1]で表される光重合開始剤を用いることでポリカーボネート、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、ガラスなどの透明基材への印刷に好適に用いることができる。また、特に屋外で使用するなど耐候性を要求される用途では、ポリカーボネート、PET、ポリプロピレンへの印刷に、さらに好適に用いることができる。
本発明により、インクジェット印刷方式を用いて、延伸加工性が良好で、かつブロッキングフリーの印刷物を提供することができる。フレキシブルな基材への印刷を行う場合や、インクジェット印刷後変形加工を行う用途において、本発明のインキは、重ね積み時のブロッキングを防ぐことから、熱処理・トップコートなどの付加設備・付加印刷なしに、従来の設備を用いて美粧性を具備した印刷物を提供することが可能となる。
本発明のインクジェット用活性エネルギー線硬化型インキは延伸加工性に優れ、かつブロッキングフリーである結果、従来変形加工が困難であるとされてきたインクジェットUV印刷において、印刷物を様々な形状に加工でき、かつ、熱処理・トップコートなどの付加設備・付加印刷なしに、美しい印刷物を提供することができるので、従来の用途以外の、印刷後の加工性、美粧性が要求される銘板の印刷などにも用途を大きく広げることができた。特に、本発明のインクジェット用活性エネルギー線硬化型インキは、美粧性を求められる内装、外装印刷用途や、CD、DVDなどへの印刷用途や、フレキシブル基材への印刷などを中心とした非浸透性基材への印刷に適している。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」を表す。
まず、下記のような配合で顔料分散体Aを作成した。以下分散体は、モノマーに顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料) 30部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 9部
・フェノキシエチルアクリレート 61部
また、下記のような配合で顔料分散体Bを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Novoperm Yellow P−HG(クラリアント社製 Benzimidazolone顔料) 35部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 7部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
また、下記のような配合で顔料分散体Cを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Hostaperm Red E5B02(クラリアント社製 キナクリドン顔料) 20部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 74部
また、下記のような配合で顔料分散体Dを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Special Black 350(デグサ社製 カーボンブラック顔料) 30部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 64部
また、下記のような配合で顔料分散体Eを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・タイペークPF740(石原産業社製 シリカ処理1.0%、アルミナ処理2.0%の白顔料) 40部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤) 2部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
実施例1〜実施例13
表1の原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキを作成した。このインキをインクジェット吐出装置により、膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上に吐出した。吐出の直後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、コンベア速度5m/min、1Passで紫外線硬化させ、塗膜を得た。
比較例1〜5
表2の原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキを作成した。このインキをインクジェット吐出装置により、膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上に吐出した。吐出の直後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、コンベア速度5m/min、1Passで紫外線硬化させ、塗膜を得た。
Figure 2007055333
Figure 2007055333
Figure 2007055333
延伸率の評価方法
得られたポリカーボネート上の塗膜は、打ち抜き機(Dumbbell社製)を用いて基材ごとダンベル形状に打ち抜かれ、得られたテストピースをテンシロン(UCT−1T:ORIENTEC社製)を用いて170℃に加温し、歪み速度2/minの条件下で、基材ごと引張り試験を行った。塗膜の破断点は、ロードセルから得られる張力変化からとらえることが困難であったため、目視で塗膜表面の破断を確認した時点での伸びを%に換算して表記した。
密着性の評価方法
基材への密着性は、硬化後の塗膜を1mm間隔で100マスにクロスカットした部分にセロハンテープを貼り付け、上面から消しゴムでこすり、セロハンテープの塗工面への密着を充分に行った後、セロハンテープを90°で剥離させたときの塗膜の基材への密着の程度から判断した。評価基準は以下の通りである。
○:100マス中全く剥離が観察されない場合
○△:100マス中100マス残っているが、マスのエッジに破損が観察された場合
△:100マス中1〜50マス剥離した場合
△×:100マス中51〜99マス剥離した場合
×:100マス中100剥離した場合
ブロッキングの評価方法
ブロッキングは、上記硬化膜上にポリカーボネートを重ね、エアラミネーターにより線圧11.5kgf/cm、速度0.3m/minで加圧した後、剥離し、ポリカーボネートの状態を目視観察した。
○:ポリカーボネートへの転写なし
△:ポリカーボネートへの転写少しあり
×:ポリカーボネートへの転写かなりあり
硬化速度の評価方法
インキをインクジェット吐出装置により、膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上に吐出し、吐出の直後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、で紫外線照射させ、その後、硬化膜上を滑らせた指により、硬化膜に筋が残らず、膜が硬化したと判断されたときの、コンベア速度から硬化速度を評価した。評価基準は以下のとおりである。
>○:20m/min以上の硬化速度を有する場合
○:20m/min
○△:10m/min
△:5m/min
×:硬化しない
粘度安定性の評価方法
作成直後のインキの粘度を測定し、60℃雰囲気中2日間の促進試験後、再度粘度を測定する。評価基準は以下のとおりである。
○:促進試験後の粘度上昇が初期粘度と比較して20%以内
×:促進試験後の粘度上昇が初期粘度と比較して20%以上
なお、粘度測定にはE型粘度計を用い、25℃、20rpmの条件下にて行った。
実施例1〜13は、単官能モノマーを50重量%以上配合した例であるが、延伸率が全て延伸加工性の有無の目安である20%以上を示し、延伸加工性に優れたインキであるといえる。延伸率が20%に満たない場合、打ち抜き加工や、折り曲げ加工などの比較的小さい変形を要求される加工においてもひびや破損を生じてしまう。また、これら実施例では光重合開始剤として、[式1]、もしくは[式2]で示される光重合開始剤を用いているので、ブロッキング試験において優れた結果を示している。
実施例2〜13は、単官能モノマーの添加量を実施例1よりもさらに多くした例であり、延伸率が90%以上で、より延伸加工性が高いインキになっている。
実施例5は、ブロッキング性や、密着性、延伸率など優れている上、開始剤の組み合わせが優れているため、硬化速度が大幅に向上している。
実施例6では、[式1]で表される光重合開始剤と[式2]で示される光重合開始剤を併用することで、硬化速度が格段に速くなっている。
実施例7では、第2の光重合開始剤として、350nmより短波長側に吸収ピークを有する光重合開始剤を配合していることが原因し、膜内部まで紫外光が到達せず、密着性が若干低下している。
実施例8では、第2の光重合開始剤として、吸収スペクトルが、395nmより長波長側に吸収ピークを有する光重合開始剤を用いたことで、第2の光重合開始剤により紫外光が著しく阻害され、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)の効果が薄まり、硬化速度、密着性が低下している。
実施例9では、単官能モノマーが重合性モノマー中50重量%以上であるにもかかわらず2−フェノキシエチルアクリレートが30重量%以下である結果、密着性が低下している。
実施例10では、単官能モノマーが重合性モノマー中50重量%ではあるが、ビニルカプロラムタムを用いなかったことで、反応性が悪くなり、硬化速度、密着性、ブロッキングが低下している。
実施例11では、単官能モノマーが重合性モノマー中50重量%ではあるが、ビニルカプロラムタムを重合性モノマー中30重量%以上であることで、粘度の安定性が悪くなっている。
実施例12、13では、顔料が含まれていないことから紫外光の透過阻害が起こらないため硬化速度が非常に速くなっている。
また、実施例1記載のインキを用いて印刷した後、実施例11または12記載のインキを用いて積層コーティングした印刷物はブロッキング性が優れ、延性も37%を示した。さらに、実施例1記載のインキを実施例2〜11記載の何れかのインキに置き換えた場合には90%以上の高い延性を有し、かつブロッキング性にも優れた印刷物を得ることができた。
比較例1では、単官能モノマーが重合性モノマー中40重量%である結果、延伸率は20%に到達せず、延伸加工性に優れたインキとは言えず、また、多官能モノマーの含有量が多いことが、密着性の悪化につながっている。
比較例2では、特許文献3で報告されている開始剤を実施例の2倍もの添加量で配合しているにもかかわらず、ブロッキングの評価が悪い。
また、比較例3〜5では、光重合開始剤として、本発明で用いたものと同じアセトフェノン系光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンと、第2の開始剤として特に好ましい2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドとの組み合わせを実施例の2倍もの添加量で配合しているにもかかわらず、アセトフェノン系光重合開始剤が開裂部を1個しか持たない結果、開始剤ブロッキングの評価が悪い。
比較例2〜5の実験結果は、開裂部を1個しか持たない光重合開始剤を使用する時、その添加量を多くした場合でも、他の開始剤と組み合わせた場合でも、反応率が充分に上がらず、ブロッキングフリーのインキは作成できていないことを示唆している。

Claims (9)

  1. 重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインキにおいて、単官能モノマーを重合性モノマー中50重量%以上含有し、かつ、下記[式1]もしくは[式2]で示される光重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
    Figure 2007055333
    (式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、nは2〜10の整数を表す。)
    Figure 2007055333
    (式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表す。)
  2. 光重合開始剤が、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)または2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル)−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オンであることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  3. 光重合開始剤の含有量が重合性モノマーに対し、2〜20重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  4. 更に、吸収ピークを350nm〜395nmの波長範囲に有する第2の光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  5. 第2の光重合開始剤が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであることを特徴とする請求項4記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  6. 更に、インキ中に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1を含むことを特徴とする請求項5記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  7. 重合性モノマーが、2−フェノキシエチルアクリレートを30重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  8. 重合性モノマーが、N−ビニル−2−カプロラクタムを5〜30重量%含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  9. 印刷基材に、請求項1〜8いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキで印刷してなる印刷物。
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