JP5663919B2 - 活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物 - Google Patents

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本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷に使用される白色インク組成物であって、印刷物が優れた白色性や隠蔽性を有し、かつ印刷時の硬化性に優れたインク組成物に関する。
従来、インクジェット印刷に使用されるインク組成物としては、溶剤型、水型、油性型など多岐にわたっているが、プラスチックやガラスなどの非吸収性基材、紙基材など対応できる基材が多いこと、従来必要であったインク乾燥工程が不要となり生産性が高いこと、溶剤の揮発量が低減し環境に優しいことなどから、近年は活性エネルギー線硬化型インク組成物の需要が増加している。
一方、上記の非吸収性基材には透明なものや色のついたものもあり、これらの基材に対してそのままカラーインクで印刷した場合、発色性の劣った画像が得られてしまう。そこで印刷物の発色性や意匠性を高める目的で、通常のカラーインクに加え白色インクを併用することが知られている。例えば、透明基材や色のついた基材に対し、あらかじめ白色インクを印字したのち通常の印刷を行うことで、基材の色の影響を遮断し、印刷物の発色性を高めることができる。
このような目的で使用する活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物には、高い隠蔽性や着色力だけでなく、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物として必要な低粘度性、安定吐出性、活性エネルギー線に対する高硬化性が求められる。
これまでにも、特許文献1〜3に示すような活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物が報告されている。このうち特許文献1〜2はカチオンタイプの活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物の例であるが、一般にカチオンタイプの活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、熱や湿度の影響を受け硬化性が変化することが知られており、印刷環境によっては硬化性が劣ることがある。
また特許文献3はラジカルタイプの活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物の例であるが、印字率や膜厚など印刷物によっては硬化性が劣ることがある。
他にも、特許文献4には無機顔料を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクに使用する光重合開始剤について報告されているものの、明細書中には白色インク組成物に関する実施例がないうえ、白色インク組成物に展開すると、特許文献3と同様に印刷物の条件によっては望ましい硬化性が得られないことがある。以上のように、印刷条件によらず高硬化性を有する活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物は得られていない現状である。
特開2004−059627号公報 特開2008−081517号公報 特開2008−308692号公報 特開2008−081594号公報
本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷に使用される白色インク組成物であって、印刷物が優れた白色性や隠蔽性を有し、かつ印刷時の硬化性に優れたインク組成物を提供するものである。
本発明者は、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷に使用される白色インク組成物であって、印刷物が優れた白色性や隠蔽性を有し、かつ印刷時の硬化性に優れたインク組成物を提供するべく鋭意検討を行った結果、インク組成物中にアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)を含有させることにより前記問題点が解決されることを見出して本発明を成したものである。
すなわち本発明とは、以下の(1)〜()の発明に関するものである。
(1)少なくとも白色顔料(A)、重合性モノマー(B)、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物であって、
前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのみ含有し、かつ、
前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)が、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
(2)前記白色顔料(A)を、インク組成物全量に対し10〜20%含有することを特徴とする、(1)に記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
(3)前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)および前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量の合計が、インク組成物全量に対し5〜15%であることを特徴とする、(1)〜(2)いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
(4)前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)と、前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量の比が1:1〜3:1であることを特徴とする、(1)〜(3)いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
)前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)として、アミノアセトフェノン系光重合開始剤を含有しないことを特徴とする、(1)〜()いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
物。
インク組成物中にアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)を含有させることにより、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷に使用される白色インク組成物であって、印刷物が優れた白色性や隠蔽性を有し、かつ印刷時の硬化性に優れたインク組成物を得ることができた。
本発明は、白色の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に対し、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤の2種類の光重合開始剤を併用することによって、印刷物の白色性や隠蔽性だけでなく、硬化性に優れたインク組成物を得ることができるものである。
なお本明細書において「白色性」とは、白色インク組成物を硬化させ印刷物を作成する際に、インク組成物中に含まれる成分によって印刷物が黄色みがかることなく、白色顔料本来の白みを有した印刷物が得られることを表す。
一般に白色の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物では、インク組成物に含まれる白色顔料が波長によらず光を反射してしまい、活性エネルギー線が印刷物の内部にまで透過しにくいため、光重合開始剤による重合反応が不十分となり、結果として硬化不良が起こりやすい。
ここで、近紫外から可視領域まで幅広い光吸収領域をもち、ラジカル発生効率に優れたアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤をインク組成物中に含有させることで、白色印刷物の内部に透過した活性エネルギー線を逃すことなく反応することができ、結果として優れた硬化性を発現させることができる。
一方でアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の開裂により発生し、重合反応のトリガーとなるベンゾイルラジカルは酸素と結合しやすい性質があることが知られており、例えば低印字率や薄膜の印刷物を硬化させる場合、塗膜表面の酸素の影響を受け硬化不良が起こることがある。そこでアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とは異なる光重合開始剤を使用し、インク組成物中に特性の異なる複数の光重合開始剤を含有させることによって、印字率や膜厚によらず、優れた硬化性を有する白色インキ組成物を得ることができる。
このように、印刷物の印字率や膜厚によらず優れた硬化性を得るためには、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)と、アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の配合量の比が重要となる。アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)に対し、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)を配合する割合は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)を1とした場合、1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。ここで、アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)に対する、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)を配合する割合が1より小さいと、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の影響が小さくなってしまい、高印字率や厚膜の印刷物において硬化不良が発生する。一方で3よりも大きいと、逆にアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の影響が小さくなってしまい、低印字率や薄膜の印刷物において硬化不良が発生する。
また優れた硬化性の発現のためには、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量についても考慮する必要がある。本発明においては、前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量の合計が、インク組成物全量に対し4〜14%であることが好ましく、6〜12%であることがより好ましい。ここで含有量の合計が4%より小さい場合は硬化性が著しく悪化してしまい好ましくなく、14重量%より多い場合は含有量が14重量%のものと硬化速度が変わらないばかりか、溶解残りが発生する場合があり、熱をかけて溶け残りを溶かしたとしても、インク組成物の粘度が上昇し、吐出性が悪化するという問題がある。
本発明のインク組成物中に含有されるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)としては、従来より公知の材料を使用することができる。具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、およびビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドを挙げることができる。これらの材料は単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよいが、インク組成物の保存安定性が良好である点や、光重合開始剤自身の黄色みが小さく、白色性に優れた印刷物が得られる点から、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを単独で使用することが好ましい。
市販されているアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)としては、BASF社製「ルシリンTPO、DAROCURETPO、イルガキュア819」、大同化成工業株式会社製「ダイドーUVキュアAPO」、ソート社製「SB−PI718、719」を挙げることができる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の含有量としては、上述のようにアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)の含有量を考慮する必要があるが、インク組成物全量に対し1〜12%であることが好ましく、2〜10%であることがより好ましく、4〜8%であることが特に好ましい。ここで含有量が1%より少ないと硬化性が悪化してしまい、含有量が12%を超えると、溶解残りが発生したり、インク組成物の粘度が上昇してしまい好ましくない。
本発明に用いられる、アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)としては、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を除く公知の材料の中から自由に選択することができる。特に分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適であり、具体的にはベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどを挙げることができる。
これらの光重合開始剤の中でも、酸素阻害を起こしにくくアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の硬化性を好適に補うことができる点、ラジカル発生効率が高くインク組成物の硬化性を高めることができる点や、光重合開始剤自身の黄色みが小さく白色性に優れた印刷物を得ることができる点で、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などのα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤を選択することが好ましく、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)を選択することが特に好ましい。
一方で、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアミノアセトフェノン系光重合開始剤については、硬化性に優れたインク組成物を得ることができる一方で、光重合開始剤自身の黄色みが強く白色性の劣った印刷物になってしまうことから、本発明のインク組成物には含有しないことが好ましい。
上記のアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量としては、インク組成物全量に対し1〜10%であることが好ましく、2.5〜8%であることがより好ましい。ここで含有量が1%より少ないとインク組成物の硬化性が悪化し、10%より多いと溶解残りやインク組成物の粘度が上昇してしまうため好ましくない。また上述のように、アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の含有量を考慮して設定する必要がある。
上記のアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)に対し、増感剤としてトリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン類を併用することができる。これら増感剤は、インク組成物への溶解性に優れたものを選択して用いることが好ましい。
またこれら増感剤を使用する場合、含有量としてはインク組成物全量に対し0.5〜5%であることが好ましい。含有量が0.5%より少ない場合は、増感剤としての機能を発揮することができず、また含有量が5%より多い場合は、光重合開始剤に対して増感剤が多くなりすぎてしまいインク組成物の硬化性が低下してしまううえ、増感剤自身の黄色みのために白色性に劣る印刷物が得られてしまうため好ましくない。
本発明における白色顔料(A)は、インク組成物を白色にできるものであれば限定されるものではなく、例えば無機白色顔料、有機白色顔料、白色ポリマー微粒子などを挙げることができる。
このうち無機白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、鉛白、タルク、クレーなどがあり、有機白色顔料としては、特開平11−130975号、特開2004−250559号に示されるビススチリル誘導体白色顔料や、特開平11−140365号、特開2001−234093号に示されるアルキレンビスメラミン誘導体白色顔料などがある。
このうち隠蔽性や着色性の点において、白色顔料(A)としては酸化チタンが好ましく用いられる。酸化チタンには、ルチル型、アナターゼ型、ブルーカイト型といった結晶形態があり、本発明においてはいずれも好適に用いることができるが、光透過性が低く隠蔽性が高いルチル型がより好適に用いられる。
ルチル型の酸化チタンを選択した場合、光透過性が悪いゆえに光重合開始剤の選択が重要となる。本発明では、インク組成物中にアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)を含有させているため、光透過性の悪いルチル型の酸化チタンを使用したとしても、十分な硬化性を発現させることができる。
また本発明で酸化チタンを使用する場合、分散の安定化や耐候性の向上のため、必要に応じて表面処理を行うことができる。表面処理方法や表面処理剤は、公知のものを任意に用いることができる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
本発明の白色顔料(A)をインク組成物中に分散させたときの平均粒径としては50〜500nmであることが好ましく、100〜350nmであることがより好ましい。ここで白色顔料(A)の平均粒径が50nmを下回ると、分散安定化処理を施したとしても分散の安定性が悪くなり、結果としてインク組成物の保存安定性が悪化するうえ、印刷時に十分な隠蔽性を得ることが難しくなる。逆に白色顔料(A)の平均粒径が500nmを上回ると、インクジェット吐出性が悪化してしまうため好ましくない。
なお、インク組成物中の白色顔料(A)の平均粒径の測定にはマイクロトラックUPA(マイクロトラック社製)を使用した。また分散媒はメチルエチルケトンを使用した。
本発明の白色顔料(A)の含有量は、インク組成物全量に対し10〜20%であることが好ましく、より好ましくは12〜18%である。ここで含有量が10%に満たない場合は、印刷物の隠蔽性が不十分となり、含有量が20%を越えると、インク組成物の粘度を好適な範囲内に収めることができず、結果として吐出ができなくなる。
本発明では、白色顔料(A)の分散の安定性やインク組成物の保存安定性を向上させるため、分散剤を添加するのが好ましい。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテートなどを用いることができる。
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、145、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」も挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824、827、711」、テゴケミサービス社製「TEGODisper685」なども挙げられる。
以上の分散剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
前記分散剤の白色顔料(A)に対する添加量は、3〜50重量%であることが好ましい。ここで添加量が3%未満の場合、分散剤としての能力を発揮できずに白色顔料(A)の分散の安定性やインク組成物の保存安定性が悪化する。また50%以上の場合、インク組成物の粘度を好適な範囲内に収めることができず、結果として吐出ができなくなる。
本発明で用いられる重合性モノマー(B)としては、従来既知の材料を必要に応じて使用することができる。
重合性モノマー(B)の具体例としては、単官能モノマーとしてベンジル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル) (メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを挙げることができる。
また多官能モノマーとしては、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化) 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ) (メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(またはテトラ) (メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(またはテトラ) (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
以上の材料は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
このうち本発明においては、単官能モノマーとして(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを、また多官能モノマーとしてジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートをより好適に用いることができる。
上述の通り、本発明では白色顔料(A)の含有量がインク組成物全量に対し10〜20%であることが好ましいが、この場合インク組成物の粘度も高くなり、好適な粘度範囲に収めることが難しくなる。しかし、前記の好適な重合性モノマーを選択することにより、インク組成物の粘度を好適な範囲に収めることができる。
他にも、高速硬化性や硬化皮膜性能の点で、前記重合性モノマーは好ましく用いられる。
本発明においては、インク組成物の硬化性や印刷物の強度を高めるため、単官能モノマーと多官能モノマーを併用することが望ましく、重合性モノマー全体に対する単官能モノマーの量は30〜99%であることが好ましく、40〜95%がより好ましく、50〜90%が特に好ましい。
印刷物に対し耐性を付与するため、本発明のインク組成物にはオリゴマー、プレポリマーを使用することができる。オリゴマー、プレポリマーの具体例としては、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」などを挙げることができる。
本発明のインク組成物には、低粘度化および基材への濡れ広がり性を向上させるために、有機溶剤を含有させてもよい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチルジグリコール、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートなどのグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレートなどのグリコールジアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル類があげられる。この中でも、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチルジグリコールが好ましい。
本発明では、インク組成物の保存安定性や、記録装置内での安定性を高めるため、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩などの重合禁止剤を用いることが好ましい。硬化性を維持しつつ安定性を高める点から、インク組成物全体に対して0.01〜5重量部の割合で配合することが好ましい。
本発明のインク組成物については、印刷適性や印刷物耐性を高めるため、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を必要に応じて使用することができる。
本発明のインク組成物は、白色顔料(A)、重合性モノマー(B)、分散剤をサンドミルなどの通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。本発明においては、あらかじめ白色顔料(A)が高濃度に含有された濃縮液を作成したのち、重合性モノマー(B)で希釈することが好ましい。この方法により通常の分散機による分散においても十分な分散が可能となり、過剰な分散エネルギーを必要とせず、また多大な分散時間を必要としないため、分散時の材料の変質を招きにくく、結果として安定性に優れたインクを作成することができる。
本発明のインク組成物は、ヘッドでの詰まりを防止するため、分散後および/または光ラジカル重合開始剤の溶解後に、孔径3μm以下、好ましくは孔径1μ以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
本発明のインク組成物は、25℃での粘度を5〜100mPa・sに調整することが好ましい。この粘度領域であれば、特に通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、100mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
また本発明のインク組成物は、ピエゾヘッドにおいては10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインキとすることが好ましい。またコンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明のインク組成物を使用するには、まずこのインク組成物をインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後紫外線又は電子線などの活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
なお、活性エネルギー線の光源として紫外線を照射する場合、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザーやLED、および太陽光を使用することができる。
本発明で用いられる印刷基材については特に限定はないが、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、ガラス、ステンレスなどの金属基材などが挙げられる。
[実施例]
以下実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。また下記の実施例、比較例の詳細な条件を以下の表1に、結果を表2に示す。
(顔料分散体の作成)
顔料 ルチル型酸化チタン(石原産業社製「PF−740」) 60.0部
顔料分散剤 ルーブリゾール社製「ソルスパース32000」 3.0部
モノマー 2−フェノキシエチルアクリレート 37.0部
上記材料をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
表1に記載した材料を順次撹拌しながら添加、混合し、光重合開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去することでインクジェットインク組成物を得た。
[実施例2〜実施例15]
実施例1と同様に表1記載の通りにインクジェットインク組成物を作成した。
ただし、実施例3〜15は、参考実施例である。
[比較例1〜比較例4]
実施例1と同様に表1記載の通りにインクジェットインク組成物を作成した。
(硬化性試験)
上記で作成したインク組成物を用い、コニカミノルタIJ社のピエゾ方式ヘッドを搭載したインクジェット吐出装置により、ポリカーボネート板上へ吐出した。吐出の直後、ハリソン東芝ライティング社製メタルハライドランプ(出力120W/cm)を使用して紫外線を照射し、印字物が硬化する最大コンベヤスピードを調査した。この試験を、吐出時の膜厚が10μmのもの、および2μmのものの2条件で行うことで、厚膜および薄膜の硬化性を評価した。このときの評価基準はいずれも以下の通りであり、△以上を硬化性良好とする。
○:コンベヤスピードが10m/minより速くても硬化する
△:コンベヤスピードが5〜10m/minで硬化する
×:コンベヤスピードが5m/minでも硬化しない
(隠蔽性)
上記硬化性試験で作成した吐出時膜厚10μmの塗膜について、マクベス社製TR−924濃度計を用い、透過濃度を測定することで、隠蔽性の評価を行った。このときの評価基準は以下の通りであり、△以上を隠蔽性良好とする。
○:透過濃度が0.6以上
△:透過濃度が0.4以上0.6未満
×:透過濃度が0.4未満
(白色性)
上記硬化性試験で作成した吐出時膜厚10μmの塗膜について、X−Rite社製528分光濃度計を用い、視野角2°、D50光源、ハンター計算法にて色相(b*値)を測定することで、白色性の評価を行った。このときの評価基準は以下の通りであり、△以上を白色性良好とする。
◎:b*値が−1.5未満
○:b*値が−1.5以上0.0未満
△:b*値が0.0以上1.5未満
×:b*値が1.5以上
実施例1〜15、および比較例1〜4で作成した各インク組成物についての評価結果を表2に示す。インク組成物中にアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)を含有した実施例1〜15では、吐出時膜厚によらず優れた硬化性をもつことが確認され、これらインク組成物から作成した印字物の隠蔽性や白色性についても良好な結果が得られた。
また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのみを含有し、アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)としてオリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)を含有する実施例1〜2では、硬化性、隠蔽性、白色性のいずれの特性も最良であり、上記の光重合開始剤がこれらの特性に対して好ましい材料であることが示された。
一方、光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)のみを含有する比較例1〜2では、吐出時膜厚2μmでの硬化性が不十分であり、逆に光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)のみを含有する比較例3〜4では、吐出時膜厚10μmでの硬化性が不十分なレベルであった。この結果から、膜厚によらず優れた硬化性を得るためには、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)と、アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の併用が必須条件であることがわかる。
Figure 0005663919

Figure 0005663919
本発明の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物は、印刷物が優れた白色性や隠蔽性を有し、かつ印刷時の硬化性に優れていることから、例えば工業用途や産業用途でのインクジェット印刷に利用することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも白色顔料(A)、重合性モノマー(B)、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)、およびアシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物であって、
    前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのみ含有し、かつ、
    前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)が、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
  2. 前記白色顔料(A)を、インク組成物全量に対し10〜20%含有することを特徴とする、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
  3. 前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)および前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量の合計が、インク組成物全量に対し4〜14%であることを特徴とする、請求項1〜2いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
  4. 前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)と、前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)の含有量の比が1:1〜3:1であることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
  5. 前記アシルホスフィンオキサイド系ではない光重合開始剤(C−2)として、アミノアセトフェノン系光重合開始剤を含有しないことを特徴とする、請求項1〜いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型白色インクジェットインク組成物。
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