JP5505016B2 - インク組成物、インクジェット記録方法、及び印刷物 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法、及び印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、インクジェット記録方法、さらに該インク組成物を用いて得られる印刷物に関するものである。
従来インクジェット印刷に使用されるインク組成物としては、溶剤型、水型、油性型など多岐にわたっているが、プラスチックやガラスなどの非吸収性の基材にも適用できること、溶剤の揮発量を低減させ環境に優しいことなどから、近年は活性エネルギー線硬化型インクの需要が増加している。とくに工業用インクジェット印刷においては、上記に加え耐水性、インクの乾燥エネルギー、乾燥によるヘッドへのインク成分の付着などの点もあり、溶剤型や水型から活性エネルギー線硬化型インクへの置き換えが期待されている。
しかしながら、活性エネルギー線硬化型インク組成物はインク中に重合性化合物が配合されており、熱分解や光開始剤の暗反応などにより発生したラジカルと反応して重合反応が開始される。それに伴い粘度上昇やゲル化といった望ましくない状態に陥ってしまう。
この不具合を改善するために、重合禁止剤を添加して重合反応を抑制するインク組成物やインクジェットインク記録方法が提案されている。特許文献1ではラジカル重合禁止剤の含有量やラジカル重合禁止剤の種類としてフェノチアジンを規定しているが、実施例中にはフェノチアジンの記載がなく、実質的にフェノチアジンを重合開始剤として選択的に用いる旨について開示されているとはいえない。
また特許文献2では酸化防止剤と重合禁止剤を特定の配合比率で含有することを規定しており、さらに特許文献3においてもラジカル重合禁止剤を含有することを規定しており、フェノチアジンを列挙しているものの、文献1と同様に、両文献にはフェノチアジンを選択的に用いることについては記載も示唆もされていない。
特開2008−132758号公報 特開2009−120628号公報 特開2008−201876号公報
本発明の目的は、粘度安定性が良好であり、硬化性、連続吐出性、密着性、硬化膜の色相に優れたインク組成物、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに、該インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供することを目的とする。
本発明のインク組成物は、(A)重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)重合禁止剤、を含有し、(C)重合禁止剤は(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノール類を含有することを特徴とする。
また本発明は、前記(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノール類の含有比率が1:1〜1:10であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
また本発明は、前記(C)重合禁止剤の含有量がインク組成物中0.01〜2重量%であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
また本発明は、前記(A)重合性化合物が下記式で表されるものであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
(式中Aは(メタ)アクリレート基、nは1〜5の整数、mは1〜5の整数を示す。)
また本発明は、前記(A)重合性化合物としてN−ビニルラクタム類を含有し、より好ましくはN−ビニルカプロラクタムを含有し、その含有量がインク組成物中1〜30重量%であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
また本発明は、インクジェット記録用であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
また本発明は、被記録媒体上に前記活性エネルギー線硬化型インク組成物を吐出する工程、及び吐出されたインク組成物に活性エネルギー線を照射して該インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法に関する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物は粘度安定性が良好であり、硬化性、連続吐出性、密着性、硬化膜の色相に優れたインク組成物、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに該インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供し得る。
まず、本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物に用いられる(A)重合性化合物としては、下記具体例に挙げるような単官能モノマーや多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとして具体的には2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、などを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
中でもN−ビニルラクタム類はインク組成物の粘度特性、硬化性、基材への密着性の観点から好ましく、N−ビニルカプロラクタムであることがより好ましい。
また、多官能モノマーとして具体的にはジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートなどの(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどの(ポリ)プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、 (エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(またはテトラ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(またはテトラ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリ(またはジ)アクリレート、などを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
中でも下記式で示されるモノマーはインク組成物の粘度特性、硬化性、基材への密着性の観点から好ましく、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレートがより好ましい。
(式中Aは(メタ)アクリレート基、nは1〜5の整数、mは1〜5の整数を示す。)
本発明のインクジェットインク組成物には、上記以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」などを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
(B)光重合開始剤
本発明において紫外線等の活性エネルギー線を用いてインクを硬化させる場合には、光重合開始剤を配合する。本発明で用いることができる光重合開始剤としては公知の光重合開始剤を使用することができ、分子開裂型や水素引き抜き型でラジカルを発生させる光重合開始剤を使用することが好ましい。本発明に用いることができる光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカルを発生させる光重合開始剤とカチオンを発生させる光重合開始剤とを併用してもよい。
(B)光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタノン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−、1−(O−アセチルオキシム)、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィドなどを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を併用することもできる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、活性エネルギー線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
上記光重合開始剤は、重合性モノマーに対し、2〜20重量%含有することが好ましい。2重量%未満であると硬化性が著しく悪化し、20重量%より多いと、含有量が10重量%のものと硬化性が変わらないばかりか、溶解残りが発生する場合がありインクジェット吐出性が悪化する、低温で光重合開始剤が析出する、といった問題がある。
(C)重合禁止剤
本発明のインク組成物には、インク組成物又はインク組成物を適用した画像記録材料の製造中や保存中において、重合性化合物の不要な重合を阻止するために重合禁止剤を添加する必要がある。中でも(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノール類を含有することで紫外線などの活性エネルギー線を照射した際の硬化性を低下させることなく、保存中などに発生する不要なラジカルについては捕捉能力に優れ、飛躍的に粘度安定性が改善されることを見出した。
(C−1)フェノチアジン類の具体例としては精工化学社製や堺化学工業社製のフェノチアジン、堺化学工業社製の2−メトキシフェノチアジン、2−シアノフェノチアジンなどを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
(C−2)ヒンダードフェノール類の具体例としてはチバジャパン社製のIRGANOX1010、IRGANOX1010FF、IRGANOX1010FP、IRGANOX1010DD、IRGANOX1035、IRGANOX1035FF、IRGANOX1076、IRGANOX1076FD、IRGANOX1076DWJ、IRGANOX1098、IRGANOX1222、IRGANOX1135、IRGANOX1330、IRGANOX1726、IRGANOX1425WL、IRGANOX1520L、IRGANOX1520LR、IRGANOX245、IRGANOX245FF、IRGANOX245DWJ、IRGANOX259、IRGANOX3114、IRGANOX5057、IRGANOX565、IRGANOX565DD、IRGANOX565FL、IRGANOX295やADEKA社製のAO−20、AO−30、AO−50、AO−50F、AO−70、AO−80、AO−330や精工化学社製のBHTスワノックスなどを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
本発明のインク組成物に含まれる(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノールの含有比率は1:1〜1:10であることが好ましい。この範囲外である場合、粘度安定性と硬化性を両立し得ることが困難になるため好ましくない。
また本発明のインク組成物に含まれる重合禁止剤の含有量は、インク組成物中0.01〜2重量%であることが好ましい。0.01重量%未満である場合、保存中などに発生する不要なラジカルを捕捉する能力が弱く、粘度安定性が悪くなるため好ましくない。また2重量%より多くなると、不要なラジカルを捕捉する能力を有するが、紫外線など活性エネルギー線を照射して硬化させる際に硬化性が劣る可能性があるため好ましくない。
本発明で示される活性エネルギー線硬化型インク組成物は着色成分も含有することができる。着色成分を含まない場合、オーバーコーティング、アンダーコーティング用途として用いることができ、また、着色成分を含有する場合、グラフィックや、文字、写真などを表示する材料として用いることができる。この着色成分としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。顔料成分としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が使用できる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。 有機顔料は、レーザー散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細顔料であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを越える場合は、分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じやすくなる。
有機顔料の微細化は下記の方法で行うことができる。すなわち、有機顔料、有機顔料の3重量倍以上の水溶性の無機塩および水溶性の溶剤の少なくとも3つの成分からなる混合物を粘土状の混合物とし、ニーダー等で強く練りこんで微細化したのち水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は、有機顔料の3重量倍以上、好ましくは20重量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量が3重量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られない。また、20重量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
水溶性の溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性の無機塩との適度な粘土状態をつくり、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、組成物中に0.1〜30重量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明では、顔料の分散性およびインクの粘度安定性を向上させるために顔料分散剤を添加するのが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824、827、711」、テゴケミサービス社製「TEGODisper685」等が挙げられる。
分散剤は組成物中に0.01〜10重量%含まれることが好ましい。
本発明の組成物には、顔料の分散性およびインクの粘度安定性をより向上させるために、有機顔料の酸性誘導体を顔料の分散時に配合することが好ましい。
また、インクの低粘度化、及び基材への濡れ広がり性を向上させるために、インク中に有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチルジグリコール、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のグリコールジアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類があげられる。この中でも、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチルジグリコールが好ましい。
本発明の組成物には、基材への濡れ性を向上させるために表面調整剤を加えることが好ましい。表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、350、352、354、355、356、358N、361N、357、390、392、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「Tegorad−2100、2200、2250、2500、2700」等が挙げられる。これら表面調整剤は、一種または必要
に応じて二種以上用いてもよい。
表面調整剤は組成物中に、0.001〜5重量%含まれることが好ましい。0.001重量%未満では濡れ広がりが悪くなり、5重量%より多くても、表面調整剤がインク界面に配向しきれず、一定の効果までしか発現しない。
本発明のインク組成物は必要に応じて可塑剤、紫外線防止剤、光安定化剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明のインク組成物は、重合性化合物、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を作成しておいて重合性化合物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インク成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインクを作製することができる。インクは、孔径3μm以下さらには、1μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
本発明のインク組成物は、25℃での粘度が5〜200mPa・sに調整することが好ましい。25℃での粘度が5〜200mPa・sのインクをインクジェットインクとして用いる場合、通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、200mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
また、本発明のインク組成物をインクジェットインクとして用いる場合、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。また、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明のインク組成物をインクジェットインクとして用いる場合、まず本発明のインク組成物をインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
なお、活性エネルギー線の光源としては、紫外線を照射する場合には、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LEDおよび太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eV以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
本発明で用いられる印刷基材には、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、並びにガラス、ステンレスなどの金属基材、木材、上質紙、コート紙、アート紙などの紙基材などが挙げられる。
本発明における基材の表面処理方法として、コロナ処理やプラズマ処理などの基材表面に極性基を持たせる表面改質方法を指す。コロナ処理やプラズマ処理は、放電処理の一種であり、ポリマー基材表面に含酸素基が導入される処理である。含酸素物の中でも、特にカルボキシル基などが導入されることにより、基材表面に極性基を持たせることができる。
以下実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお以下の部数は全て重量部を表す。
(顔料分散体の作製)
顔料 フタロシアニン顔料(東洋インク製造社製 「LIONOL BLUE FG−7400G」) 15.0部
顔料分散剤 ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 4.5部
モノマー 2−フェノキシエチルアクリレート
(サートマー社製「SR339A」) 80.5部
上記材料をハイスピードミキサー等で均一になるまで攪拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して顔料分散体を作製した。
[実施例1]
(シアンインク組成物)
表1に記載した材料を順次攪拌しながら添加、混合し、光重合開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去することでシアンインク組成物を得た。
[実施例2〜実施例13、及び比較例1〜比較例4]
実施例1と同様の方法にて表1及び表2記載の通りに配合、混合、濾過の後、各シアンインク組成物を作製した。
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
(コグニス社製「PHOTOMER4226」)
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
(大阪有機化学工業社製「V#310HP」)
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
(大阪有機化学工業社製「V#335HP」)
NDDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
(共栄社化学社製「ライトアクリレート1,9ND−A」)
IOA:イソオクチルアクリレート
(サートマー社製「SR440」)
DAROCUR TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製)
Irgacure369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF社製)
フェノチアジン:フェノチアジン(精工化学社製)
IRGANOX1010:(BASF社製)
BHTスワノックス(精工化学社製)
トルキノン:トルキノン(精工化学社製)
実施例1〜13、比較例1〜4で得られたシアンインク組成物を50℃で40日間保管した。経時保管前後のインク組成物を用いて粘度変化率、硬化性、連続吐出性、密着性、色差を評価した。
(粘度変化率測定方法)
経時保管前後の各シアンインク組成物について、E型粘度計を使用し25℃にてインク粘度を測定した。このときの評価基準は以下の通りである。
粘度変化率(%)={(50℃40日間保管後の粘度値)−(初期粘度値)}
/(初期粘度値)×100
◎:粘度変化率が5%未満
○:粘度変化率が5%以上10%未満
△:粘度変化率が10%以上20%未満
×:粘度変化率が20%以上
(硬化性評価方法)
各シアンインク組成物を用いてピエゾ素子を有するヘッドを搭載したインクジェットプリンターにより、PET板(タキロン社製 PET−6010)上に膜厚10μmになるようにベタ画像を描画した。吐出後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、コンベア速度50m/minにて印刷物を搬送した後、印刷表面のタックの有無を触指で確認し、タックが無くなったパス回数を「硬化性」として評価した。
(連続吐出性評価方法)
上記インクジェットプリンターを用いて、1時間の連続吐出を行った。このとき発生したスジ(吐出つまり)の数をカウントし、吐出性評価を行った。このときの評価基準は以下の通りである。
◎:スジの発生無し(吐出つまりなし)
○:スジの発生数が3本未満
△:スジの発生数が3本以上7本未満
×:スジの発生数が7本以上
(密着性評価)
上記硬化性評価方法で得られたベタ画像部分に1mm間隔で10マス×10マスのクロスカットを施し、ニチバン株式会社のセロテープ(登録商標)を貼り付け、JIS K5600の試験方法により密着性評価を行った。このときの評価結果は下記の通りである。
◎:クロスカット部分の剥離なし
○:クロスカット部分の剥離が1〜10個
△:クロスカット部分の剥離が11〜25個
×:クロスカット部分の剥離が26個以上
(色差評価)
経時保管前の各シアンインク組成物、及び各シアンインク組成にて重合禁止剤を添加しなかったシアンインク組成物を用い、硬化性評価方法で実施したインクジェット吐出評価にて印刷物を作製した。各シアンインク組成物にて重合禁止剤を添加しなかったシアンインク組成物を用いて得られた印刷物の色相を基準として、各シアンインク組成物を用いて得られた印刷物との色差について、X−Rite社製528分光濃度計を用い測定した。このときの評価基準は以下の通りである。
◎:色差が0.3未満であった。
○:色差が0.3以上1未満であった。
△:色差が1以上1.5未満であった。
×:色差が1.5以上であった。
粘度変化率、硬化性、連続吐出性、密着性、色差の評価結果を表3に示したが、実施例1〜13の結果より(C)重合禁止剤として(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノール類を含む活性エネルギー線硬化型インク組成物では、高温長期間の保管前後においても粘度変化率が小さく、硬化性、連続吐出性、密着性に優れ、狙いの色相を容易に得ることができた。一方、(C)重合禁止剤として(C−1)フェノチアジン類、あるいは(C−2)ヒンダードフェノール類のみを用いた場合(比較例1〜3に相当)では高温長期間の保管前後での粘度変化率が大きく、連続吐出性、密着性が劣る結果であった。また、上記外の重合禁止剤を用いた場合(比較例4に相当)、硬化性が低下し、色差が大きくなった。

Claims (8)

  1. 少なくとも(A)重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)重合禁止剤、を含有し、(C)重合禁止剤は(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノール類を含むことを特徴とする、インクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  2. 前記(C−1)フェノチアジン類と(C−2)ヒンダードフェノール類の含有重量比率が1:1〜1:10であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  3. 前記(C)重合禁止剤の含有量がインク組成物中0.01〜2重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  4. 前記(A)重合性化合物が下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
    一般式(1)

    (式中Aは(メタ)アクリレート基、nは1〜5の整数、mは1〜5の整数を示す。)
  5. 前記(A)重合性化合物としてN−ビニルラクタム類を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  6. 前記N−ビニルラクタム類がN−ビニルカプロラクタムであることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  7. 前記N−ビニルラクタム類の含有量がインク組成物中1〜30重量%であることを特徴とする請求項5または6記載のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  8. 被記録媒体上に請求項1〜いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物を吐出する工程、及び吐出されたインク組成物に活性エネルギー線を照射して該インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
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