JP7455858B2 - 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7455858B2
JP7455858B2 JP2021556026A JP2021556026A JP7455858B2 JP 7455858 B2 JP7455858 B2 JP 7455858B2 JP 2021556026 A JP2021556026 A JP 2021556026A JP 2021556026 A JP2021556026 A JP 2021556026A JP 7455858 B2 JP7455858 B2 JP 7455858B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
monomer
ink
mass
active energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021556026A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021095580A1 (ja
Inventor
健次郎 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2021095580A1 publication Critical patent/JPWO2021095580A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7455858B2 publication Critical patent/JP7455858B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/101Inks specially adapted for printing processes involving curing by wave energy or particle radiation, e.g. with UV-curing following the printing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0015Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form for treating before, during or after printing or for uniform coating or laminating the copy material before or after printing
    • B41J11/002Curing or drying the ink on the copy materials, e.g. by heating or irradiating
    • B41J11/0021Curing or drying the ink on the copy materials, e.g. by heating or irradiating using irradiation
    • B41J11/00214Curing or drying the ink on the copy materials, e.g. by heating or irradiating using irradiation using UV radiation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0023Digital printing methods characterised by the inks used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本開示は、活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法に関する。
従来より、光硬化性組成物、及び、光硬化性組成物に含有される光重合開始剤に関し、様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、硬化樹脂から拡散又はブリージングしない光重合開始剤として、3個以上の反応性基を含む多官能性化合物と、モノ-及びビス-アシルホスフィンオキシド基を含む化合物とを反応させ、光硬化性エチレン系不飽和基を含まない多官能性モノ-及びビス-アシルホスフィンオキシド光重合開始剤が開示されている。
また、特許文献2には、硬化膜中の成分が表面に析出し難く、表面硬化性が良好な、活性光線硬化型インクジェットインクとして、光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤を含有する、活性光線硬化型インクジェットインクであって、上記光重合性化合物が、実質的に多官能光重合性化合物のみからなり、上記光開始剤が、特定構造の化合物を含む活性光線硬化型インクジェットインクが開示されている。
特許文献1:特表2017-522364号公報
特許文献2:特開2017-105902号公報
ところで、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インク(例えば、上記特許文献2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク)を用いた画像記録は、被記録媒体上に活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を形成し、形成されたインク膜に対し、活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射することによって行われる。
上記態様の画像記録では、インク膜に対して活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中の光重合性モノマーが重合し、その結果、硬化されたインク膜として、画像が得られる。
上記態様の画像記録によって記録される画像に対し、画質及び被記録媒体に対する密着性を向上させることが求められる場合がある。
更に、上記画像に対し、画像(即ち、活性エネルギー線が照射されたインク膜)中に残存する光重合性モノマー(以下、残存モノマーともいう)を低減することが求められる場合もある。
本開示の一態様の課題は、画質に優れ、被記録媒体に対する密着性に優れ、残存モノマーが低減された画像を記録できる、活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法を提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤と、
分子量400以上の光重合性モノマーからなるモノマーA及び分子量130以上400未満の光重合性モノマーからなるモノマーBの少なくとも一方と、
を含有し、
モノマーAが、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチロールプロパン骨格、グリセロール骨格、及びジペンタエリスリトール骨格のうちの少なくとも1種を含む多官能アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であり、
モノマーBが、
複素環骨格、芳香環骨格、炭素数9以上の鎖状アルキル基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む単官能アクリレート、
ビニル基を1個含むN-ビニル化合物、
炭素数5以上の鎖状アルキレン基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む2官能アクリレート、並びに、
ポリエチレンオキシ基及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含むジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である
活性エネルギー線硬化型インク。
式(1)中、
は、炭素数20以下のn価の有機基を表し、
nは、3~8の整数を表し、
AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を表し、
mは、0~15の整数を表し、
は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は-NR11-を表し、
11は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、
n個のRは、それぞれ独立に、フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、α-ナフチル基、2,6-ジニトロフェニル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジメトキシシクロヘキシル基、2,6-ジエトキシシクロヘキシル基、2,6-ジクロロシクロヘキシル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、又は2-エチルヘキシル基を表し、
n個のRは、それぞれ独立に、R-(C=O)-基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、フェニル基、キシリル基、4-ビフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4-ジメトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、α-ナフチル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、エトキシナフチル基、2-ニトロフェニル基、又は4-ニトロフェニル基を表す。
<2> モノマーA及びモノマーBの両方を含有する<1>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<3> モノマーA及びモノマーBの合計含有質量に対するモノマーAの含有質量の比が、0.10~0.70である<2>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<4> モノマーA及びモノマーBの合計含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、20質量%以上である<1>~<3>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<5> モノマーAが、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、及び
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
モノマーBが、
ノニルアクリレート、
ラウリルアクリレート、
ステアリルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、
N-ビニルカプロラクタム、
環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、
3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、及び
トリエチレングリコールジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む
<1>~<4>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<6> モノマーAを含有し、
モノマーAが、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、及び
ポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む
<1>~<5>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<7> モノマーBを含有し、
モノマーBが、
N-ビニルカプロラクタム、
環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、
ステアリルアクリレート、
3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、及び
トリエチレングリコールジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む
<1>~<6>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<8> 式(1)で表される化合物の含有質量に対するモノマーA及びモノマーBの合計含有質量の比が、2~20である<1>~<7>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<9> 更に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種であるゲル化剤を含有する<1>~<8>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<10> 被記録媒体上に、<1>~<9>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を得る付与工程と、
インク膜に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を含む画像記録方法。
<11> 照射工程は、インク膜に活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含む<10>に記載の画像記録方法。
本開示の一態様によれば、画質に優れ、被記録媒体に対する密着性に優れ、残存モノマーが低減された画像を記録できる、活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法が提供される。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
本開示においては、紫外線を、「UV(Ultra Violet)光」ということがある。
本開示において、「画像」とは、インクを用いて形成される膜全般を意味し、「画像記録」とは、画像(即ち、膜)の形成を意味する。
また、本開示における「画像」の概念には、ベタ画像(solid image)も包含される。
本開示において、「光重合性モノマー」とは、光重合性基を含む化合物であって、光(即ち、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線)の照射により重合又は架橋する化合物を意味する。
光重合性基として、エチレン性不飽和基(即ち、エチレン性二重結合を含む基)、エポキシ基、オキセタニル基、等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基である。
エチレン性不飽和基として、好ましくは、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、又はアリル基であり、より好ましくは、アクリロイル基又はビニル基である。
本開示における光重合性モノマーの分子量は、好ましくは1500以下であり、より好ましくは1000以下であり、更に好ましくは800以下である。
光重合性モノマーであるモノマーA及びモノマーBの各々については、以下で説明するとおりである。
〔活性エネルギー線硬化型インク〕
本開示の活性エネルギー線硬化型インク(以下、単に「インク」ともいう)は、
式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤と、
分子量400以上の光重合性モノマーからなるモノマーA及び分子量130以上400未満の光重合性モノマーからなるモノマーBの少なくとも一方と、
を含有する。
モノマーAは、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチロールプロパン骨格、グリセロール骨格、及びジペンタエリスリトール骨格のうちの少なくとも1種を含む多官能アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である。
モノマーBは、
複素環骨格、芳香環骨格、炭素数9以上の鎖状アルキル基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む単官能アクリレート、
ビニル基を1個含むN-ビニル化合物、
炭素数5以上の鎖状アルキレン基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む2官能アクリレート、並びに、
ポリエチレンオキシ基及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含むジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である。
式(1)中のL等の各符号の意味については後述する。
本開示のインクによれば、画質に優れ、被記録媒体に対する密着性(以下、単に「密着性」ともいう)に優れ、残存モノマーが低減された画像を記録できる。
かかる効果が奏される理由は、以下のように推測される。
本開示のインクは、被記録媒体上にインクを付与してインク膜を形成し、形成されたインク膜に対し、活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射して画像を得る態様の画像記録に用いられる。この態様の画像記録では、インク膜に対して活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中の光重合性モノマーが重合し、その結果、硬化されたインク膜として、画像が得られる。
本開示のインクは、上述した光重合開始剤と、上述したモノマーA及び上述したモノマーBの少なくとも一方と、の組み合わせを含有する。
まず、本開示のインクが、モノマーAを含有する場合の効果について説明する。
モノマーAは、分子量400以上の光重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチロールプロパン骨格、グリセロール骨格、及びジペンタエリスリトール骨格のうちの少なくとも1種を含む多官能アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である。
即ち、モノマーAは、光重合性モノマーである多官能アクリレートから構成され、モノマーAを構成する多官能アクリレートの各々は、分子量が400以上である
かかるモノマーAは、重合反応の後半における重合反応性に優れるという利点を有する。
しかし、モノマーAは、高分子量(即ち、分子量400以上)であるために運動性が悪く、それゆえ、重合反応性(特に重合反応の前半における重合反応性)が悪い場合があるという欠点を有する。
この点に関し、モノマーAを含有する場合の本開示のインクによれば、上述した式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤の作用により、上述したモノマーAの欠点を補いつつ、モノマーAの利点を発揮させることができ、その結果、画質及び密着性に優れ、かつ、残存モノマーが低減された画像を記録できると考えられる。
ここで、上述した式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤の作用について説明する。
インク膜に活性エネルギー線が照射された際、上述した式(1)で表される化合物の一分子から、一分子中にPラジカルをn個(ここで、nは3~8の整数である。以下同様。)含む下記ラジカル種(P)と、n個の下記ラジカル種(C)と、が生成されると考えられる。下記ラジカル種(P)及び下記ラジカル種(C)中の各符号の意味は、式(1)中の各符号の意味と同様である。
モノマーAを含有する態様の本開示のインクでは、一分子中にPラジカルをn個含む強力なラジカル種であるラジカル種(P)と、式(1)で表される化合物の一分子からの生成効率に優れる(即ち、式(1)で表される化合物の一分子からn個生じる)ラジカル種(C)と、の作用により、モノマーAの欠点が補われてモノマーAの反応が進行し、かつ、モノマーAの利点が発揮され、その結果、画質及び密着性に優れ、かつ、残存モノマーが低減された画像を記録できると考えられる。
上記モノマーAを含有する態様の本開示のインクに対し、モノマーAと、一般的な光重合開始剤である2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(例えば、IGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO」;以下、「TPO」ともいう)と、の組み合わせを含有する比較用のインクでは、以下に示すように、TPO一分子から、一分子中に1個のPラジカルを含むラジカル種と、一分子中に1個のCラジカルを含むラジカル種と、が1個ずつ生成されるにすぎない。このため、モノマーAの欠点により、重合反応が十分に進行せず、その結果、得られる画像において、画質及び密着性が不足し、かつ、残存モノマーを低減できない場合がある。
次に、本開示のインクが、モノマーBを含有する場合の効果について説明する。
モノマーBは、
分子量130以上400未満の(即ち、モノマーAと比較して低分子量の)光重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、
複素環骨格、芳香環骨格、炭素数9以上の鎖状アルキル基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む単官能アクリレート、
炭素数5以上の鎖状アルキレン基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む2官能アクリレート、
ビニル基を1個含むN-ビニル化合物、並びに、
ポリエチレンオキシ基及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含むジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である。
即ち、モノマーBは、単官能又は2官能の特定の光重合性モノマーから構成され、モノマーBを構成する上記光重合性モノマーの各々は、分子量が130以上400未満である。
モノマーBは、低分子量(即ち、分子量130以上400未満)であり運動性に優れるので、重合反応性に優れるという利点を有する。
しかし、モノマーBは、低分子量であり且つ単官能又は2官能の光重合性モノマーであるため、モノマー1分子からラジカルが1個又は2個しか発生せず、その結果、重合によって形成されるポリマー鎖が短い場合があるという欠点がある。
この点に関し、モノマーBを含有する場合の本開示のインクによれば、上述した式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤の作用(詳細には、前述したラジカル種(P)及びラジカル(C)の作用)により、上述したモノマーBの欠点が補われ、重合によって形成されるポリマー鎖が長くなり、かつ、モノマーBの利点(重合反応性)を発揮させることができ、その結果、画質及び密着性に優れ、かつ、残存モノマーが低減された画像を記録できると考えられる。
上記モノマーBを含有する態様の本開示のインクに対し、モノマーBと、上記TPOと、の組み合わせを含有する比較用のインクを用いた場合には、上述したとおり、TPO一分子から、ラジカル種(C)は1個しか生成されず、ラジカル種(P)は生成されず、その代わりに一分子中に1個のPラジカルを含むラジカル種が生成されるにすぎない。このため、モノマーBの欠点により、重合によって形成されるポリマー鎖が短くなり、その結果、得られる画像において、画質及び密着性が不足し、かつ、残存モノマーを低減できない場合がある。
本開示のインクにより、画質に優れ、被記録媒体に対する密着性に優れ、残存モノマーが低減された画像を記録できる理由は、以上のとおりと考えられる。
但し、本開示のインクは、以上の理由によって限定されることはない。
本開示のインクの用途には特に制限はない。
本開示のインクは、被記録媒体に対する密着性に優れ、かつ、残存モノマーが低減された画像を記録できるので、例えば、被記録媒体としての食品用包装材料に対する画像記録の用途に好適である。
また、本開示において、画像の画質に優れるとは、画像のざらつきが抑制されていること(即ち、画像の粒状性に優れること)を意味する。
上述した本開示のインクの効果を奏する観点からみて、本開示のインクは、モノマーA及びモノマーBの少なくとも一方を含有していればよい。
本開示のインクの効果をより効果的に奏する観点から、本開示のインクは、モノマーA及びモノマーBの両方を含有することが好ましい。
本開示のインクがモノマーA及びモノマーBの両方を含有する場合には、モノマーAの利点(即ち、重合反応の後半における重合反応性に優れるという利点)、及び、モノマーBの利点(即ち、重合反応性に優れるという利点)の両方が発揮され、上述した本開示のインクの効果がより効果的に奏される。
本開示のインクがモノマーA及びモノマーBの両方を含有する場合、モノマーAは、画質向上、密着性向上、及び残存モノマー低減のいずれにも寄与する。
本開示のインクがモノマーA及びモノマーBの両方を含有する場合、モノマーBは、特に、画質向上に寄与する。
以下、本開示のインクに含有され得る各成分について説明する。
<モノマーA>
本開示のインクは、モノマーA及びモノマーBの少なくとも一方を含有する。
モノマーAは、分子量400以上の光重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種である。
モノマーAを構成する光重合性モノマー(即ち、下記の多官能アクリレート)の各々の分子量は、好ましくは400~1000であり、より好ましくは400~800であり、更に好ましくは400~600である。
モノマーAは、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチロールプロパン骨格、グリセロール骨格、及びジペンタエリスリトール骨格のうちの少なくとも1種を含む多官能アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である。
本開示において、多官能アクリレートとは、一分子中にアクリロイル基を2個以上含む化合物を意味する。
従って、モノマーAに含まれる多官能アクリレートの各々は、一分子中に、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチロールプロパン骨格、グリセロール骨格、及びジペンタエリスリトール骨格のうちの少なくとも1種と、2個以上のアクリロイル基と、を含み、かつ、分子量が400以上(好ましくは400~1000、より好ましくは400~800、更に好ましくは400~600)である。
モノマーAを構成する多官能アクリレートとしては、画像の密着性をより向上させる観点から、2官能~6官能のアクリレートが好ましく、2官能又は3官能のアクリレートがより好ましい。
モノマーAを構成する多官能アクリレートは、画像の密着性をより向上させる観点から、
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含むことが好ましく、
2個以上のエチレンオキシ基及び2個以上のプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含むことがより好ましく、
3個以上のエチレンオキシ基及び3個以上のプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含むことが更に好ましい。
モノマーAに含まれる多官能アクリレートとしては、例えば;
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含んでもよい、トリメチロールプロパン骨格を含む多官能アクリレート;
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含んでもよい、グリセロール骨格を含む多官能アクリレート;
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含んでもよい、ジペンタエリスリトール骨格を含む多官能アクリレート;又は;
ポリエチレンオキシ基(即ち、エチレンオキシ基が2つ以上繰り返された構造を有する基)及びポリプロピレンオキシ基(即ち、プロピレンオキシ基が2つ以上繰り返された構造を有する基)の少なくとも一方を含む多官能アクリレート;
等が挙げられる。
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含んでもよい、トリメチロールプロパン骨格を含む多官能アクリレートとしては、例えば、
トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
等が挙げられ、好ましくは、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート又はプロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレートである。
本開示において、エチレンオキシ変性とは、一分子中にエチレンオキシ基を少なくとも1個含むことを意味し、プロピレンオキシ変性とは、一分子中にエチレンオキシ基を少なくとも1個含むことを意味する。
エチレンオキシ変性の好ましい態様は、一分子中にエチレンオキシ基を2個以上含む態様であり、より好ましい態様は、一分子中にエチレンオキシ基を3個以上含む態様である。
プロピレンオキシ変性の好ましい態様は、一分子中にプロピレンオキシ基を2個以上含む態様であり、より好ましい態様は、一分子中にプロピレンオキシ基を3個以上含む態様である。
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含んでもよい、グリセロール骨格を含む多官能アクリレートとしては、例えば、
グリセロールトリアクリレート、
エチレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、
プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、
等が挙げられ、好ましくは、
エチレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート又はプロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレートである。
エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含んでもよい、ジペンタエリスリトール骨格を含む多官能アクリレートとしては、例えば、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
エチレンオキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
プロピレンオキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
エチレンオキシ変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
プロピレンオキシ変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
等が挙げられ、好ましくは、
エチレンオキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
プロピレンオキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
エチレンオキシ変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、又は、
プロピレンオキシ変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
ポリエチレンオキシ基及びポリプロピレンオキシ基の少なくとも一方を含む多官能アクリレートとしては、例えば、
ポリエチレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、
等が挙げられる。
本開示のインクの効果をより効果的に奏する観点から、モノマーAは、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、及び
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「モノマーA1」ともいう)を含むことが好ましい。
この場合、モノマーA中に占めるモノマーA1の割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
画像の密着性をより向上させる観点から、モノマーAは、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、及び、
ポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「モノマーA2」ともいう)を含むことがより好ましい。
この場合、モノマーA中に占めるモノマーA2の割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
<モノマーB>
前述のとおり、本開示のインクは、モノマーA及びモノマーBの少なくとも一方を含有する。
モノマーBは、分子量130以上400未満の光重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種である。
モノマーBを構成する光重合性モノマー(即ち、後述する多官能又は2官能の光重合性モノマー)の各々の分子量は、好ましくは130~380であり、より好ましくは130~350であり、更に好ましくは130~330である。
モノマーBは、
複素環骨格、芳香環骨格、炭素数9以上の鎖状アルキル基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む単官能アクリレート、
ビニル基を1個含むN-ビニル化合物、
炭素数5以上の鎖状アルキレン基、ポリエチレンオキシ基、及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含む2官能アクリレート、並びに、
ポリエチレンオキシ基及びポリプロピレンオキシ基のうちの少なくとも1種を含むジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である。
ここで、単官能アクリレートとは、一分子中にアクリロイル基を1個のみ含む化合物を意味し、2官能アクリレートとは、一分子中にアクリロイル基を2個のみ含む化合物を意味する。
また、鎖状アルキル基とは、直鎖アルキル基又は分岐アルキル基を意味し、鎖状アルキレン基とは、直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を意味する。
モノマーBを構成する化合物は、いずれも単官能又は2官能の光重合性モノマーである。
単官能又は2官能の光重合性モノマーとは、光重合性基(具体的には、アクリロイル基又はビニル基)を、合計で1個のみ又は合計で2個のみ含む化合物を意味する。
モノマーBとしては、例えば;
複素環骨格を含む単官能アクリレート;
芳香環骨格を含む単官能アクリレート;
炭素数9以上(好ましくは炭素数9~20)の鎖状アルキル基を含む単官能アクリレート;
ポリエチレンオキシ基(即ち、エチレンオキシ基が2つ以上繰り返された構造を有する基。以下同じ。)を含む単官能アクリレート;
ポリプロピレンオキシ基(即ち、プロピレンオキシ基が2つ以上繰り返された構造を有する基。以下同じ。)を含む単官能アクリレート;
1個のN-ビニル基と含窒素ヘテロ環とを含むN-ビニル化合物;
炭素数5以上(好ましくは炭素数5~20)の鎖状アルキレン基を含む2官能アクリレート;
ポリエチレンオキシ基を含む2官能アクリレート;
ポリプロピレンオキシ基を含む2官能アクリレート;
ポリエチレンオキシ基を含むジビニルエーテル;
ポリプロピレンオキシ基を含むジビニルエーテル;
等が挙げられる。
複素環骨格を含む単官能アクリレートとしては、例えば、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、
環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
等が挙げられる。
芳香環骨格を含む単官能アクリレートとしては、例えば、
フェノキシエチルアクリレート、
ベンジルアクリレート、
等が挙げられる。
炭素数9以上(好ましくは炭素数9~20)の鎖状アルキル基を含む単官能アクリレートとしては、例えば、
ノニルアクリレート、
ラウリルアクリレート、
ステアリルアクリレート、
等が挙げられる。
ポリエチレンオキシ基を含む単官能アクリレートとしては、例えば、
ポリエチレングリコールアクリレート、
メトキシポリエチレングリコールアクリレート、
等が挙げられる。
ポリプロピレンオキシ基を含む単官能アクリレートとしては、例えば、
ポリプロピレングリコールアクリレート、
メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、
等が挙げられる。
1個のN-ビニル基と含窒素ヘテロ環とを含むN-ビニル化合物としては、例えば、
N-ビニルカプロラクタム、
N-ビニルピロリドン、
等が挙げられる。
炭素数5以上(好ましくは炭素数5~20)の鎖状アルキレン基を含む2官能アクリレートとしては、例えば、
3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
等が挙げられる。
ポリエチレンオキシ基を含む2官能アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
ポリプロピレンオキシ基を含む2官能アクリレートとしては、例えば、ポリプロピレングリコールジアクリレート(例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート等)等が挙げられる。
ポリエチレンオキシ基を含むジビニルエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル等)等が挙げられる。
ポリプロピレンオキシ基を含むジビニルエーテルとしては、例えば、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
モノマーBは、2官能の光重合性モノマー(例えば、上述した2官能アクリレート及び上述したジビニルエーテルの少なくとも一方)を含むことが好ましく、単官能の光重合性モノマー(例えば、上述した単官能アクリレート及びN-ビニル化合物の少なくとも一方)と2官能の光重合性モノマーとを両方含むことが好ましい。
本開示のインクの効果をより効果的に奏する観点から、モノマーBは、
ノニルアクリレート、
ラウリルアクリレート、
ステアリルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、
N-ビニルカプロラクタム、
環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、
3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、及び
トリエチレングリコールジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「モノマーB1」ともいう)を含むことが好ましい。
この場合、モノマーB中に占めるモノマーB1の割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
残存モノマーをより低減させる観点から、モノマーBは、
N-ビニルカプロラクタム、
環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、
ステアリルアクリレート、
3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、及び
トリエチレングリコールジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「モノマーB2」ともいう)を含むことがより好ましい。
この場合、モノマーB中に占めるモノマーB2の割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは60質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
<光重合性モノマーの好ましい態様>
前述したとおり、本開示のインクは、光重合性モノマーとして、前述したモノマーA及び前述したモノマーBの少なくとも一方を含有していればよい。
また、本開示のインクは、モノマーA及びモノマーB以外のその他のモノマー(例えば、分子量130未満の光重合性モノマー(例えば、ジメチルアクリルアミド))を含有していてもよい。
本開示のインクにおけるモノマーA及びモノマーBの合計含有量は、インク全量に対し、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上である。
上記モノマーA及びモノマーBの合計含有量の上限は、他の成分(光重合開始剤等)の含有量に応じて適宜設定される。上記モノマーA及びモノマーBの合計含有量の上限は、好ましくは95質量%であり、より好ましくは90質量%である。
本開示のインクにおけるモノマーA及びモノマーBの合計含有量は、インクに含有される光重合性モノマーの全量に対し、好ましくは30質量%~100質量%であり、より好ましくは50質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
前述したとおり、本開示のインクの効果をより効果的に奏する観点から、本開示のインクは、モノマーA及びモノマーBを両方含有することが好ましい。
本開示のインクがモノマーA及びモノマーBを両方含有する場合において、モノマーA及びモノマーBの合計含有質量に対するモノマーAの含有質量の比(以下、「含有質量比〔A/(A+B)〕」)は、好ましくは0.10~0.80であり、より好ましくは0.10~0.70であり、更に好ましくは0.20~0.60であり、更に好ましくは0.20~0.50である。
含有質量比〔A/(A+B)〕が0.10以上である場合には、画質及び密着性がより向上し、残存モノマーがより低減される。
含有質量比〔A/(A+B)〕が0.80以下である場合には、画質がより向上する。
式(1)で表される化合物の含有質量に対するモノマーA及びモノマーBの合計含有質量の比(以下、「含有質量比〔(A+B)/(1)〕」ともいう)は、好ましくは1~90であり、より好ましくは1.5~30であり、更に好ましくは2~20であり、更に好ましくは3~20であり、更に好ましくは4~20であり、更に好ましくは5~20である。
含有質量比〔(A+B)/(1)〕が1以上である場合には、残存モノマーがより低減される。
含有質量比〔(A+B)/(1)〕が90以下である場合には、画質及び密着性がより向上し、残存モノマーがより低減される。
本開示のインクは、インクジェットインクであることが好ましい。
この場合、インクジェットヘッドからのインクの吐出性をより向上させる観点から、本開示のインクにおいて、単官能の光重合性モノマー及び2官能の光重合性モノマーの合計含有量は、インクの全量に対し、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、更に好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上である。
単官能の光重合性モノマー及び2官能の光重合性モノマーの合計含有量の上限は、特に限定はないが、例えば、95質量%、90質量%などが挙げられる。
インクに含有される光重合性モノマーの全量中に占める単官能の光重合性モノマー及び2官能の光重合性モノマーの合計量の割合は、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。
上記合計量の割合の上限には特に限定はないが、上限として、例えば、100質量%、95質量%、90質量%等が挙げられる。
インクに含有される光重合性モノマーの含有量は、インクの全量に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。
インクの全量に対する光重合性モノマーの含有量の上限には特に制限はないが、上限として、例えば、90質量%が挙げられる。
<光重合開始剤>
本開示のインクは、式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤は、式(1)で表される化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
また、光重合開始剤は、式(1)で表される化合物以外の化合物(例えば、公知の光重合開始剤)を含んでいてもよい。
(式(1)で表される化合物)
式(1)で表される化合物は、以下のとおりである。
本開示では、式(1)で表される化合物を、「特定開始剤」又は「化合物(1)」と称することがある。
式(1)中、
は、炭素数20以下のn価の有機基を表し、
nは、3~8の整数を表し、
AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を表し、
mは、0~15の整数を表し、
は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は-NR11-を表し、
11は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、
n個のRは、それぞれ独立に、フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、α-ナフチル基、2,6-ジニトロフェニル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジメトキシシクロヘキシル基、2,6-ジエトキシシクロヘキシル基、2,6-ジクロロシクロヘキシル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、又は2-エチルヘキシル基を表し、
n個のRは、それぞれ独立に、R-(C=O)-基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、フェニル基、キシリル基(即ち、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、又は3,5-ジメチルフェニル基)、4-ビフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4-ジメトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、α-ナフチル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、エトキシナフチル基、2-ニトロフェニル基、又は4-ニトロフェニル基を表す。
式(1)中、Lは、炭素数20以下のn価の有機基を表し、nは、3~8の整数を表す。
nは、3~6の整数であることが好ましい。
で表される炭素数20以下のn価の有機基としては、例えば;
n価の炭化水素基(好ましくは鎖状炭化水素基);
n価の炭化水素基(好ましくは鎖状炭化水素基)中の少なくとも1つの炭素原子をヘテロ原子(好ましくは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)に置き換えた基;
n価の炭化水素基中の少なくとも1つの水素原子を、ヒドロキシ基、チオール基、又はアミノ基に置き換えた基;
等が挙げられる。
で表される炭素数20以下のn価の有機基は、環構造を含んでもよいが、環構造を含まないことが好ましい。
で表される炭素数20以下のn価の有機基の炭素数は、好ましくは1~20であり、より好ましくは3~20であり、更に好ましくは3~10である。
以下、L(即ち、炭素数20以下のn価の有機基)の具体例を示すが、Lは、以下の具体例には限定されない。下記具体例において、*は、結合位置を表す。
式(1)中、AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を表し、mは、0~15の整数を表す。
式(1)中、mが0である場合、LとLとが直接結合する。ただし、この場合において、Lが単結合である場合には、LとP(リン原子)とが直接結合する。
式(1)中、mは、0~15の整数を表す。
mは、残存モノマーをより低減する観点から、好ましくは0~10の整数であり、より好ましくは0~5の整数であり、更に好ましくは0~3の整数であり、更に好ましくは0又は1である。
式(1)中、Lは、単結合、酸素原子(即ち、-O-)、硫黄原子(即ち、-S-)、又は-NR11-を表し、R11は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表す。
11としては、水素原子、メチル基、又はエチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
残存モノマーをより低減する観点から、Lとしては、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。
式(1)中、Xは、酸素原子(即ち、=O)又は硫黄原子(即ち、=S)を表す。
Xとしては、酸素原子が好ましい。
式(1)中、n個のRは、それぞれ独立に、フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、α-ナフチル基、2,6-ジニトロフェニル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジメトキシシクロヘキシル基、2,6-ジエトキシシクロヘキシル基、2,6-ジクロロシクロヘキシル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、又は2-エチルヘキシル基を表す。
残存モノマーをより低減する観点から、n個のRとしては、それぞれ独立に、
フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、α-ナフチル基、2,6-ジニトロフェニル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジメトキシシクロヘキシル基、2,6-ジエトキシシクロヘキシル基、又は2,6-ジクロロシクロヘキシル基が好ましく、
フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、α-ナフチル基、又は2,6-ジニトロフェニル基がより好ましく、
フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、又は2,6-ジニトロフェニル基が更に好ましく、
フェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、又は2,6-ジエチルフェニル基が更に好ましい。
式(1)中、n個のRは、それぞれ独立に、R-(C=O)-基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、フェニル基、キシリル基(即ち、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、又は3,5-ジメチルフェニル基)、4-ビフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4-ジメトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、α-ナフチル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、エトキシナフチル基、2-ニトロフェニル基、又は4-ニトロフェニル基を表す。
ここで、R-(C=O)-基中のRは、式(1)中に明記されている上述のRと同義であり、好ましい態様も同様である。但し、R-(C=O)-基中のRと、式(1)中に明記されている上述のRとは、同一であってもよいし異なっていてもよい。
残存モノマーをより低減する観点から、n個のRとしては、それぞれ独立に、
フェニル基、キシリル基、4-ビフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4-ジメトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、α-ナフチル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、エトキシナフチル基、2-ニトロフェニル基、又は4-ニトロフェニル基が好ましく、
フェニル基、キシリル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、又は4-エチルフェニル基が更に好ましい。
式(1)で表される化合物の分子量は、好ましくは500以上であり、より好ましくは500~3000であり、更に好ましくは700~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
以下、式(1)で表される化合物の具体例(P開始剤1~17)を示すが、式(1)で表される化合物は、以下の具体例には限定されない。
各具体例には、分子量(Mw)を併記した。
上述した化合物(1)(即ち、式(1)で表される化合物)は、下記化合物(1-M1)又は下記化合物(1-M2)を出発物質として用いて合成できる。
化合物(1-M1)及び化合物(1-M2)中、R、R、及びXは、式(1)中のR、R、及びXと同義であり、好ましい態様も同様である。
化合物(1-M1)中、Rm1は、水素原子又はアルキル基である。
化合物(1-M2)は、化合物(1-M1)を出発物質とし、公知の方法によって合成できる。
化合物(1-M1)を出発物質として化合物(1-M2)を合成するための公知の方法としては;
ピリジンの存在下、化合物(1-M1)と塩化チオニル(SOCl)とを反応させる方法;
化合物(1-M1)とPClとを反応させる方法;
等が挙げられる。
化合物(1-M1)又は化合物(1-M2)を出発物質として化合物(1)を合成する方法も公知であり、例えば、
化合物(1-M1)又は化合物(1-M2)と、
3個~8個のヒドロキシ基を含むポリオール化合物、3個~8個のチオール基(-SH)を含むポリチオール化合物、又は、1個~8個のアミノ基(-NR;2つのRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基)を含むアミン化合物と、
を反応させる方法が挙げられる。
この方法において、ポリオール化合物、ポリチオール化合物、及びアミン化合物の種類は、合成しようとする化合物(1)の構造に合わせて適宜選択できる。
化合物(1)及びその製造方法の各々の好ましい態様については、例えば、特表2017-522364号公報の段落0017~0053の記載を参照することができる。
本開示のインク中における化合物(1)の含有量は、残存モノマーをより低減させる観点及び/又は画像の密着性をより向上させる観点から、インクの全量に対し、好ましくは0.5質量%~25質量%であり、より好ましくは1質量%~20質量%であり、更に好ましくは2質量%~15質量%であり、更に好ましくは4質量%~15質量%である。
また、本開示のインクにおいて、光重合開始剤の全量中に占める化合物(1)の割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは70質量%~100質量%であり、更に好ましくは80質量%~100質量%である。
本開示のインク中における光重合開始剤の含有量は、残存モノマーをより低減させる観点及び/又は画像の密着性をより向上させる観点から、インクの全量に対し、好ましくは0.5質量%~25質量%であり、より好ましくは1質量%~20質量%である。
(その他の開始剤)
光重合開始剤は、化合物(1)以外のその他の開始剤を含んでいてもよい。
その他の開始剤としては;
ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系重合開始剤;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系重合開始剤;
ベンジルグリオキシエステル;
メチルフェニルグリオキシエステル;
等が挙げられる。
これらの具体例は、低分子光重合開始剤として有用である。
ここで、低分子光重合開始剤とは、分子量が500未満である光重合開始剤を意味する。
また、その他の開始剤としては、高分子光重合開始剤も好ましい。
ここで、高分子光重合開始剤とは、分子量が500以上である光重合開始剤を意味する。
高分子光重合開始剤の分子量は、好ましくは500~3000であり、より好ましくは700~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
その他の開始剤としての高分子光重合開始剤としては、例えば、下記式(X)で表される化合物が挙げられる。式(X)中、nは、1~30の整数を表す。
式(X)で表される化合物については、例えば、特開2017-105902号公報(段落0038等)を参照できる。
その他の開始剤としては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 819」、
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO」、
式(X)で表される化合物の市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnipole 910」、
等が挙げられる。
<増感剤>
本開示のインクは、画像の画質及び密着性をより向上させ、残存モノマーをより低減させる観点から、増感剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
増感剤としては;
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系増感剤;
チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-ドデシルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-メトキシカルボニルチオキサントン、2-エトキシカルボニルチオキサントン、3-(メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4-ブトキシカルボニルチオキサントン、3-ブトキシカルボニル-7-メチルチオキサントン、1-シクロ-3-クロロオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-クロロチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-エトキシチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-アミノチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-フェニルスルフリルチオキサントン、3,4-ジ[2-(メトキシエトキシ)エトキシカルボニル)]チオキサントン]、1-エトキシカルボニル-3-(1-メチル-1-モルホリノエチル)チオキサントン]、2-メチル-6-ジメトキシメチルチオキサントン、2-メチル-6-(1,1-ジメトキシベンジルチオキサントン、2-モルホリノメチルチオキサントン、2-メチル-6-モルホリノメチルチオキサントン、N-アリルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-オクチルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-チオキオサントン-3,4-ジカルボキシイミド、1-フェノキシチオキサントン、6-エトキシカルボニル-1-2-メトキシチオキオサントン、6-エトキシカルボニル-2-メチルチオキオサントン、チオキサントン-2-ポリエチレングリコールエステル、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパナミニウムクロライド、n-ドデシル-7-メチル-チオキサントン-3-カルボキシレート、N,N-ジイソブチル-7-メチル-チオキサントン-3-カルバミド等のチオキサントン系増感剤;
等が挙げられる。
これらの具体例は、低分子増感剤として有用である。
ここで、低分子増感剤とは、分子量が500未満である増感剤を意味する。
また、本開示のインクは、画像の画質をより向上させる観点から、高分子増感剤を含有することも好ましい。
ここで、高分子増感剤とは、分子量が500~5000である増感剤を意味する。
高分子増感剤の分子量は、好ましくは500~3000であり、より好ましくは800~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
高分子増感剤としては、下記式(S1)で表される化合物、及び、下記式(S2)で表される化合物も挙げられる。
式(S1)及び式(S2)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に、2~4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に、0~4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に、0~3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR、R、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Xは炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むx価の連結基を表し、Xは炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。
式(S1)で表される化合物の好ましい態様及び具体例としては、特開2014-162828号公報の段落0035~0053の記載を参照することができる。
式(S1)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。 具体的には、
Lambson社製のSpeedcure(登録商標) 7010(1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxymethyl)propane、CAS No. 1003567-83-6);
IGM Resins B.V.社製のOMNIPOL(登録商標) TX(Polybutyleneglycol bis(9-oxo-9H-thioxanthenyloxy)acetate、CAS No. 813452-37-8);
RanA.G.社製のGenopo TX-2;
等が例示される。
式(S2)で表される化合物の好ましい態様及び具体例としては、特開2014-162828号公報の段落0054~0075の記載を参照することができる。
式(S2)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。
具体的には、IGM Resins B.V.社製のOMNIPOL BP(Polybutyleneglycol bis(4-benzoylphenoxy)acetate、CAS No. 515136-48-8)が例示される。
本開示のインクが増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.1質量%~15質量%であり、より好ましくは0.5質量%~10質量%であり、更に好ましくは1質量%~5質量%である。
<ゲル化剤>
本開示のインクは、ゲル化剤を含有してもよい。
本開示のインクに含有され得るゲル化剤としては、例えば、国際公開第2015/133605号の段落0018~段落0032等に記載されている、公知のゲル化剤を適用可能である。
本開示のインクに含有され得るゲル化剤として、好ましくは、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物としては、下記式(G1)で表されるエステル化合物が好ましい。
炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物としては、下記式(G2)で表されるケトン化合物が好ましい。
-COO-R … 式(G1)
-CO-R … 式(G2)
式(G1)及び式(G2)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を表す。
~Rで表されるアルキル基は、分岐部分を含んでいてもよい。
~Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは12~26である。
ゲル化剤の融点は、好ましくは40℃~90℃であり、より好ましくは50℃~80℃であり、更に好ましくは60℃~80℃である。
本開示のインクがゲル化剤を含有する場合、ゲル化剤の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.1質量%~5.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~4.0質量%であり、更に好ましくは0.5質量%~2.5質量%である。
<着色剤>
本開示のインクは、着色剤を少なくとも1種含有してもよい。
着色剤を含有する場合の本開示のインクは、着色インク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインク)として好適に用いられる。
着色剤としては、特に制限はなく、顔料、染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。この中でも、耐候性に優れ、色再現性に富む点から、顔料がより好ましい。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられる。
また、顔料としては、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料〔例えば、顔料を分散媒(例えば、ラジカル光重合性モノマー、有機溶剤等)に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等〕も挙げられる。
有機顔料及び無機顔料としては、例えば、イエロー顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
本開示のインクが、着色剤として顔料を含有する場合、本開示のインクは、更に、顔料分散剤を含有してもよい。
顔料及び顔料分散剤については、国際公開第2015/133605号の段落0060~段落0074、特開2011-225848号公報の段落0152~0158、特開2009-209352号公報の段落0132~0149、等の公知文献を適宜参照することができる。
本開示のインクが着色剤を含有する場合、着色剤の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは1質量%~20質量%であり、より好ましくは2質量%~10質量%である。
<界面活性剤>
本開示のインクの全量に対する界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以下である。本開示のインクは、界面活性剤を含有しなくてもよい。即ち、界面活性剤の含有量は、0質量%であってもよい。
本開示のインクにおいて、界面活性剤の含有量が0.01質量%以下であることは、以下の利点を有する。
即ち、被記録媒体上に、例えば1色目のインクとして本開示のインクを用いてインク膜を形成し、次いでこのインク膜に活性エネルギー線を照射し、次いでこのインク膜上に次のインクを少なくとも1種付与して多次色画像(例えば2次色画像)を記録した場合において、多次色画像の画質を向上させることができる。
この理由は、界面活性剤の含有量が0.01質量%以下に制限されていることにより、インク膜に活性エネルギー線が照射された際の、インク膜表面における界面活性剤の泣き出しが抑制されるためと考えられる。インク膜表面における界面活性剤の泣き出しが抑制されていることにより、インク膜上に次のインクが付与された際に、上記次のインクの弾きが抑制され、その結果、画質に優れた多次色画像が得られると考えられる。
この場合の「次のインク」は、本開示のインクに該当する活性エネルギー線硬化型インクであってもよいし、本開示のインクに該当しない活性エネルギー線硬化型インクであってもよい。
多次色画像の画質をより向上させる観点から、本開示のインクの全量に対する界面活性剤の含有量は、好ましくは0.0001質量%以下である。
<有機溶剤>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、微量の有機溶剤を含有してもよい。
しかし、被記録媒体への影響をより低減する観点から、本開示のインクは、有機溶剤を含まないか、含む場合でも、有機溶剤の含有量が低減されていることが好ましい。
被記録媒体への影響をより低減する観点から、インクの全量に対する有機溶剤の含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<水>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、微量の水を含有してもよい。
しかし、上述した効果をより効果的に得る観点から、本開示のインクは、水を含まないか、含む場合でも、水の含有量が低減されていることが好ましい。
インクの全量に対する水の含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<その他の成分>
本開示のインクは、上述した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、重合禁止剤、増感助剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、塩基性化合物(例えば、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、塩基性有機化合物(例えばアミン)、等)、樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、等)等が挙げられる。
<インクジェットインク>
本開示のインクは、インクジェットインクであることが好ましい。
以下、本開示のインクがインクジェットインクである場合の好ましい物性について説明する。
本開示のインクの表面張力(即ち、25℃での表面張力)は、好ましくは20mN/m~50mN/mであり、より好ましくは28mN/m~50mN/mである。
インクの表面張力が20mN/m以上である場合には、インクの吐出性がより向上する。
インクの表面張力が50mN/m以下である場合には、画像の画質がより向上する。
本開示のインクは、25℃における粘度が、10mPa・s~50mPa・sであることが好ましく、10mPa・s~30mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s~25mPa・sであることが更に好ましい。インクの粘度は、例えば、含有される各成分の組成比を調整することによって調整できる。
ここでいう粘度は、粘度計を用いて測定された値である。粘度計としては、例えば、VISCOMETER RE-85L(東機産業(株)製)を用いることができる。
インクの粘度が上記好ましい範囲であると、吐出安定性をより向上させることができる。
〔画像記録方法〕
本開示の画像記録方法は、
被記録媒体上に、上述した本開示のインクを付与してインク膜を得る工程(以下、「第1付与工程」ともいう)と、
インク膜に活性エネルギー線を照射する工程(以下、「第1照射工程」ともいう)と、
を含む。
本開示の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
上述のとおり、本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いる。このため、本開示の画像記録方法によれば、本開示のインクと同様の効果が奏される。
<被記録媒体>
本開示の画像記録方法における被記録媒体としては特に限定はない。
被記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙、上述した金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
<第1付与工程>
第1付与工程では、被記録媒体上に、上述した本開示のインクを付与してインク膜を得る。
インクの付与方法としては、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法が挙げられる。
インクの付与方法としては、インクジェット法が好ましい。言い換えれば、本開示のインクは、インクジェットインクであることが好ましい。
インクジェット法は、版を必要とせずデジタル画像のみで必要な箇所に必要な量だけ打滴できるという利点を有する。
インクジェット法によるインクの付与は、インクジェットヘッドのノズル(吐出孔)からインクを吐出して被記録媒体上に付与する公知の方法を適用でき、インクジェット記録装置を用いて行うことができる。
インクジェット記録装置としては特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置を用いることができる。
インクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、及び加熱手段を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インクが収容される元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1pL~100pL、より好ましくは1pL~60pLのマルチサイズドットを、好ましくは320dpi(dot per inch)×320dpi~4000dpi×4000dpi(dot per inch)、より好ましくは400dpi×400dpi~1600dpi×1600dpi、さらに好ましくは720dpi×720dpi~1600dpi×1600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。
なお、dpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5pL~10pLであることが好ましく、高精細の画像を形成するため
には、0.5pL~2.5pLであることがより好ましい。
インクジェット法によるインクの付与方式は、シングルパス方式及びスキャン方式のいずれでもよいが、画像記録速度の観点から、シングルパス方式が好ましい。
ここで、シングルパス方式とは、インクジェットヘッドとして、被記録媒体の1辺の全域に対応してノズルが配列されているラインヘッドを用い、ラインヘッドを固定配置し、被記録媒体を、ラインヘッドのノズルの配列方向に対して交差する方向に搬送しながら、搬送中の被記録媒体上にインクを付与する方式である。
これに対し、スキャン方式とは、インクジェットヘッドとして、短尺のシリアルヘッドを用い、被記録媒体に対し、短尺のシリアルヘッドを走査させてインクを付与する方式である。
被記録媒体の搬送速度は、好ましくは1m/s~120m/sであり、より好ましくは50m/s~120m/minである。
なお、第2工程以降における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲も、第1工程における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲と同様である。
本開示の画像記録方法では、全工程を通じ、被記録媒体の搬送速度を同一としてもよいし、少なくとも一部の工程において、被記録媒体の搬送速度を変化させてもよい。
<第1照射工程>
第1照射工程では、第1付与工程で得られたインク膜に、活性エネルギー線を照射する。
第1照射工程では、インク膜に活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中の光重合性モノマーの少なくとも一部を重合させて画像を得る。
第1照射工程において、インク膜中の光重合性モノマーの一部のみを重合させる場合には、インク膜中の光重合性モノマーの実質的に全部を重合させる場合と比較して、活性エネルギー線の照射エネルギーを小さくする。
本開示では、インク膜中の光重合性モノマーの一部のみを重合させることを「仮硬化」ともいい、仮硬化のための活性エネルギー線の照射を「ピニング露光」ともいう。
本開示では、インク膜中の光重合性モノマーの実質的に全部を重合させることを「本硬化」ともいい、本硬化のための活性エネルギー線の照射を「本露光」ともいう。
第1照射工程は、
インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、
インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
本開示のインクは、特定開始剤(化合物(1))とモノマーA及びモノマーBの少なくとも一方を含有することにより、本露光だけでなくピニング露光においても、インク膜の表面から内部にわたり、優れた硬化性を示す。このため、第1照射工程では、ピニング露光による仮硬化及び/又は本露光による本硬化を効果的に行うことができる。
第1照射工程が、インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合、第1照射工程により、仮硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程が、インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程、又は、インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程である場合、第1照射工程により、本硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程がピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合の画像記録方法は、更に、後述する第2付与工程及び第2照射工程を含むことが好ましい。
ピニング露光(即ち、仮硬化)後におけるインク膜の反応率は、10%~80%が好ましい。
ここで、インク膜の反応率とは、高速液体クロマトグラフィーによって求められるインク膜中の光重合性モノマーの重合率を意味する。
インク膜の反応率が10%以上であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)のドットの拡がり不足が抑制され、その結果、最終的に得られる画像(例えば、後述の多次色画像)の画質が向上する。
また、インク膜の反応率が80%以下であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)の拡がりが過剰となることが抑制され、かつ、インクのドット同士の打滴干渉が抑制され、その結果、最終的に得られる画像の画質が向上する。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の画質をより向上させる観点から、15%以上であることが好ましい。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の画質をより向上させる観点から、75%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更に好ましい。
本露光(即ち、本硬化)後のインク膜の反応率は、80%超100%以下が好ましく、85%~100%がより好ましく、90%~100%が更に好ましい。
反応率が80%超である場合には、画像の密着性がより向上する。
インク膜の反応率は、以下の方法によって求める。
被記録媒体上のインク膜に対する活性エネルギー線の照射終了までの操作が施された被記録媒体を準備し、この被記録媒体のインク膜が存在する領域から20mm×50mmの大きさのサンプル片(以下、照射後サンプル片とする)を切り出し、切り出した照射後サンプル片を、10mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に24時間浸漬し、インクが溶出した溶出液を得る。得られた溶出液について、高速液体クロマトグラフィーにより、光重合性モノマーの量(以下、「照射後モノマー量X1」とする)を求める。
別途、被記録媒体上のインク膜に対して活性エネルギー線を照射しないこと以外は上記と同じ操作を実施し、光重合性モノマーの量(以下、「未照射時モノマー量X1」とする)を求める。
照射後モノマー量X1及び未照射時モノマー量X1に基づき、下記式により、インクの反応率(%)を求める。
インクの反応率(%) = ((未照射時モノマー量X1-照射後モノマー量X1)/未照射時モノマー量X1)×100
照射工程における活性エネルギー線(即ち、ピニング露光及び/又は本露光のための活性エネルギー線。以下同じ。)として、好ましくはUV光(即ち、紫外光)であり、より好ましくは、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光である。
UV光源(即ち、UV光の光源)としては、照度及び照射時間の少なくとも一方が可変である公知のUV光源を用いることができる。
UV光源として、好ましくはLED(Light Emitting Diode)光源である。
照射工程は、インク膜に活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含むことが好ましい。これにより、酸素による重合阻害がより抑制され、インク膜の内部硬化性がより向上し、その結果、被記録媒体との密着性により優れた画像が得られる。
照射工程は、
インク膜に活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%超の雰囲気下で照射する工程と、
インク膜に活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程と、
を含んでもよい。
酸素濃度5体積%以下の雰囲気下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス)の存在下が好適である。
酸素濃度5体積%以下の雰囲気下としては、酸素濃度1体積%以下の雰囲気下が特に好ましい。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照度は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは0.10W/cm~0.50W/cmであり、より好ましくは0.20W/cm~0.50W/cmであり、更に好ましくは0.25W/cm~0.45W/cmである。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(以下、「露光量」ともいう)は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは2mJ/cm~20mJ/cmであり、より好ましくは4mJ/cm~15mJ/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の照度は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは1.0W/cm以上であり、より好ましくは2.0W/cm以上であり、更に好ましくは4.0W/cm以上である。
本露光のための活性エネルギー線の照度の上限には特に制限はないが、上限は、例えば10W/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(即ち、露光量)は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは20mJ/cm以上であり、より好ましくは80mJ/cm以上である。
本露光のための活性エネルギー線の照射エネルギーの上限には特に制限はないが、上限は、例えば240mJ/cmである。
<第2付与工程>
本開示の画像記録方法は、第1照射工程における活性エネルギー線が照射されたインク膜(以下、「第1インク膜」ともいう)上に、第2インクを付与し、上記第1インク膜に接する第2インク膜を得る第2付与工程を含んでいてもよい。
第2インクは、好ましくは、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクであり、より好ましくは、本開示のインクである。
第2付与工程で付与される第2インクは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
第1付与工程において付与される本開示のインク(以下、第1インクともいう)と第2インクとは、色相が異なることが好ましい。
第1インク及び第2インクの色相が異なる場合には、多次色(例えば2次色)の画像を記録できる。
第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜上及び第1インク膜非形成領域上に跨って付与されてもよい。
また、第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜の少なくとも一部の上に付与されればよく、必ずしも、第1インク膜の全体の上に付与される必要はない。
第2インクの付与方法としては、第1インクの付与方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
<第2照射工程>
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法は、更に、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、第2活性エネルギー線を照射する第2照射工程を含んでいてもよい。
第2照射工程は、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、ピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第2活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様は、第1照射工程における活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様と同様である。
例えば、第2照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件は、第1照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件と同様である。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
以下において、特に断りがない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<特定開始剤(化合物(1))の合成>
特定開始剤(化合物(1);即ち、式(1)で表される化合物)の具体例である、P開始剤1、2、3、4、7、8、11、12、13、16、及び17を、それぞれ、特表2017-522364号公報の実施例5、2、3、1、6、9、4、11、7、10、及び8を参照して合成した。
<顔料分散物の調製>
インクの調製に用いる顔料分散物として、マゼンタミルベースMを調製した。
詳細には、マゼンタミルベースMの組成中の各成分を、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れ、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散させることにより、各顔料分散物を得た。
-マゼンタミルベースMの組成-
・M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASIA MAGENTA RT-355D(BASFジャパン社製):30質量部
・SR9003(サートマー社製)(プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(PONPGDA)。プロピレンオキシ基数2。分子量328。モノマーB。):50質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;顔料分散剤):20質量部
<マゼンタインク(Mインク)の調製>
表1~表5に示す各成分を混合することにより、表1~表5に示す組成を有するマゼンタインク(以下、「Mインク」ともいう)として、各実施例用のインク及び各比較例用のインクをそれぞれ調製した。
なお、実施例12及び比較例2のみ、マゼンタミルベースM中のSR9003を、同質量のジメチルアクリルアミド(DMAA)に変更し、Mインク中のモノマーBの含有量が0質量%となるようにした。
<画像記録装置の準備>
被記録媒体を搬送するための搬送系と、
被記録媒体の搬送方向上流側から順次配列された、ブラックインク用ヘッド、UV(Ultraviolet)光源、シアンインク用ヘッド、UV光源、マゼンタインク用ヘッド、UV光源、イエローインク用ヘッド、UV光源、ホワイトインク用ヘッド、及び窒素パージUV露光機と、
を備える画像記録装置(詳細には、インクジェット記録装置)を準備した。
搬送系は、シングルパス方式の枚葉印刷機の搬送系とした。上記各ヘッドの並び順は、インクの打滴順序に応じ、変更できるようになっている。
ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、マゼンタインク用ヘッド、及びイエローインク用ヘッドは、それぞれ、インクジェットノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)を備えるピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である。各ノズルからは、1pL~60pLのマルチサイズドットを1,200×1,200dpiの解像度で射出できる。ここで、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
このインクジェット記録装置のインク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、及びインクジェットヘッドによって構成されている。本実施例における画像記録では、上記インク供給系における、インク供給タンクからインクジェットヘッドまでの部分に対し、断熱及び加温を行った。また、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ温度センサーを設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。但し、ゲル化剤を含有するインクを用いた例(実施例30)のみ、ノズル部分が常に90℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
マゼンタインク用ヘッドに繋がる元タンクに、各実施例用のMインク及び各比較例用のMインクのうちのいずれか1つを収容した。
各インクジェットヘッドの直後の各UV光源及び窒素パージUV露光機におけるUV光源としては、それぞれ、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光を照射できるLED(Light Emitting Diode)ランプ((株)京セラ製、4cm幅、G4B、最大照度10W)を使用した。
これらの各UV光源は、UV光の照度及び照射時間を変更できるUV光源である。
本実施例における画像記録では、各ヘッドから吐出されたインクが被記録媒体上に着弾してから0.1秒後に、着弾したインクに対するUV光の照射が開始されるように、被記録媒体の搬送速度を調整した。
〔実施例1~43、比較例1~5〕
各マゼンタインク(各Mインク)、画像記録装置、及び被記録媒体(OKトップコート紙(84.9g/m、王子製紙社製))を用い、上記画像記録方法をベースとして各種の画像を記録し、各評価を実施した。
<画像の評価>
上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、Mインクを、網点面積率70%になるように網点状に付与し、付与されたMインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射し(ピニング露光)、次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、マゼンタの網点画像)を得た。
ここで、ピニング露光は、マゼンタインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
(画質の評価)
上記画像を目視で観察し、下記評価基準により、画像の画質を評価した。
結果を表1~表5に示す。
下記評価基準において、画質に最も優れる(即ち、ざらつきが最も抑制されている)ランクは、「5」である。
-画質の評価基準-
5:画像全体にざらつきが見られず均一であった。
4:画像にわずかに微小なざらつきが見られるが、全体としてはほぼ均一であった。
3:画像に微小なざらつきが見られるが、実用上は問題ないレベルであった。
2:画像にざらつきが多く目視でも目立ち、実用上問題になるレベルであった。
1:画像に強い濃淡をもったざらつきが多く発生し、均一とは言えないレベルであった。
(残存モノマーの評価)
上記で得られた画像付きの被記録媒体の画像が記録された領域から、10mm×10mmの正方形の残存モノマー評価用サンプルを切り出した。
残存モノマー評価用サンプルを、1mLのテトラヒドロフラン(THF)中に24時間浸漬させ、次いで取り出した。
次いで、THF中に溶出したモノマーの全量を、高速液体クロマトグラフィーによって測定した。
THF中に溶出したモノマーの全量(以下、「量A」とする)と、残存モノマー評価用サンプル中の画像の記録に用いたMインク中のモノマーの全量(以下、「量B」とする)と、に基づき量Bに対する量Aの割合(質量ppm)として、残存モノマー量(質量ppm)を求めた。
得られた残存モノマー量(質量ppm)に基づき、下記評価基準により、画像における残存モノマーを評価した。
結果を表1~表5に示す。
下記評価基準において、残存モノマーが最も低減されているランクは、「5」である。
-残存モノマーの評価基準-
5:残存モノマー量が10質量ppm未満であった。
4:残存モノマー量が10質量ppm以上30質量ppm未満であった。
3:残存モノマー量が30質量ppm以上40質量ppm未満であった。
2:残存モノマー量が40質量ppm以上50質量ppm未満であった。
1:残存モノマー量が50質量ppm以上であった。
(密着性の評価)
上記画像に、1cm幅のセロテープ(登録商標)を貼り付け、被記録媒体と画像との剥離力(即ち、剥離するまでにかかる力(N/cm))を、IMADA製標準タイプデジタルフォースゲージ ZTSシリーズと、縦型電動計測スタンドMX2シリーズと、90°剥離試験治具P90‐200N/200N-EZフィルムチャックFCシリーズと、を用い、剥離速度300mm/分の条件にて測定した。得られた結果に基づき、下記評価基準により、画像の密着性を評価した。
結果を表1~表5に示す。
下記評価基準において、画像の密着性に最も優れるランクは、「5」である。
-密着性の評価基準-
5:剥離力が0.5N以上であった。
4:剥離力が0.3N/cm以上0.5N/cm未満であった。
3:剥離力が0.2N/cm以上0.3N/cm未満であった。
2:剥離力が0.1N/cm以上0.2N/cm未満であった。
1:剥離力が0.1N/cm未満であった。
-表1~表5の説明-
「官能数」は、光重合性モノマー(モノマーA、モノマーB、及びその他のモノマー)の官能数を意味し、Mwは、光重合性モノマー(モノマーA、モノマーB、及びその他のモノマー)及び光重合開始剤(特定開始剤(化合物(1)及びその他の開始剤)の分子量を意味する。
各成分の欄における数値は、インク全量に対する質量%を示し、空欄は、該当する成分を含有しないことを意味する。
略語の意味は以下のとおりである。
-モノマーA-
EOTMPTA … エチレンオキシ変性トリメチロールプロパントリアクリレート(エチレンオキシ基数3)。サートマー社製「SR454」。
POTMPTA … プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパントリアクリレート(プロピレンオキシ基数3)。東亜合成社製アロニックス「M-310」。
POGLTA … プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート(プロピレンオキシ基数3)。ダイセル・オルネクス社製「OTA 480」。
PEGDA … ポリエチレングリコールジアクリレート。サートマー社製「SR344」。
DPHA … ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。サートマー社製「DPHA」。
-モノマーB-
NA … n-ノニルアクリレート。
LA … n-ラウリルアクリレート。
THFA … テトラヒドロフルフリルアクリレート。
NVC … N-ビニルカプロラクタム。
CTFA … 環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート。サートマー社製「SR531」。
PEA … 2-フェノキシエチルアクリレート。
STA … n-ステアリルアクリレート。
TEGDVE … トリエチレングリコールジビニルエーテル。BASF社製「DVE-3」。
MPDDA … 3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート。
PONPGDA … プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(プロピレンオキシ基数2。)。サートマー社製「SR9003」。
TPGDA … トリプロピレングリコールジアクリレート。大阪有機化学工業社製「ビスコート#310HP」。
-その他のモノマー-
DMAA … ジメチルアクリルアミド。
-特定開始剤(化合物(1))-
P開始剤1、2、3、4、7、8、11、12、13、16、及び17 … 特定開始剤(化合物(1))(即ち、式(1)で表される化合物)の具体例。
その他の開始剤、増感剤、重合禁止剤、及びゲル化剤の詳細は以下のとおりである。
Omnipol 910 … IGM Resins B.V.社製「Omnipole 910」。上述した式(X)で表される化合物。
TPO … IGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO」。2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。
Speedcure7010 … Lambson社製「Speedcure7010」。1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxymethyl)propane(CAS No. 1003567-83-6)。
ITX … 2-イソプロピルチオキサントン。
UV22 … BASF社製「IRGASTAB UV-22」。キノン系重合禁止剤。
ユニスターM-2222SL … 日油社製「ユニスター(登録商標)M-2222SL」。ベヘニン酸ベヘニル。
カオーワックスT1 … 花王社製「カオーワックスT1」。ジステアリルケトン。
表1~表5に示すように、特定開始剤(化合物(1))を含む光重合開始剤と、分子量400以上の光重合性モノマーからなるモノマーA及び分子量130以上400未満の光重合性モノマーからなるモノマーBの少なくとも一方と、を含有するインクを用いた実施例1~43は、画像の画質及び密着性に優れ、かつ、画像における残存モノマーが低減されていた。
これに対し、特定開始剤を含有しないインクを用いた比較例1及び3~5では、画像の画質及び密着性が低下し、かつ、画像における残存モノマーが増加した。
また、特定開始剤を含有するが、モノマーAもモノマーBも含有しないインクを用いた比較例2では、画像の画質及び密着性が低下し、かつ、画像における残存モノマーが増加した。
実施例12及び13の結果から、モノマーA及びモノマーBの両方を含有する実施例13は、モノマーAを含有するがモノマーBを含有しない実施例12と比較して、画質により優れることが確認された。
実施例15及び16の結果から、モノマーA及びモノマーBの両方を含有する実施例15は、モノマーBを含有するがモノマーAを含有しない実施例16と比較して、画質及び密着性により優れ、残存モノマーがより低減されていることが確認された。
実施例12~15の結果から、含有質量比〔A/(A+B)〕(即ち、モノマーA及びモノマーBの合計含有質量に対するモノマーAの含有質量の比)が0.10~0.70である実施例13~15は、含有質量比〔A/(A+B)〕が0.70超である実施例12と比較して、画質により優れることが確認された。
実施例14及び15の結果から、含有質量比〔A/(A+B)〕が0.20以上である実施例14は、含有質量比〔A/(A+B)〕が0.20未満である実施例15と比較して、画像の画質及び密着性により優れ、かつ、画像における残存モノマーがより低減されていることが確認された。
実施例18~22の結果から、モノマーAが、
エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、及び
ポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む場合(実施例18~21)、画像の密着性がより向上することが確認された。
実施例1~11の結果から、モノマーBが、
N-ビニルカプロラクタム、
環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、
ステアリルアクリレート、
3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、及び
トリエチレングリコールジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む場合(実施例4~11)、画像における残存モノマーがより低減されることが確認された。
実施例23~27の結果から、含有質量比〔(A+B)/(1)〕(即ち、式(1)で表される化合物の含有質量に対するモノマーA及びモノマーBの合計含有質量の比)が2~20である実施例25~27は、含有質量比〔(A+B)/(1)〕が20超である実施例23及び24と比較して、画質により優れ、かつ、残存モノマーがより低減されていることが確認された。
実施例26及び27の結果から、含有質量比〔(A+B)/(1)〕が4以上である実施例26は、含有質量比〔(A+B)/(1)〕が4未満である実施例27と比較して、密着性により優れ、かつ、残存モノマーがより低減されていることが確認された。
以上、本開示のインクの実施例として、マゼンタインクの実施例を示したが、マゼンタ以外の色のインクにおいても、本開示のインクの条件を満足する限り、上述した実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本開示のインクの実施例によって1色目のインク膜を形成してピニング露光を施し、次いで、1色目のインク膜の少なくとも一部に重なるようにして、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含有する2色目以降のインクを付与して2色目以降のインク膜を形成し、次いで、1色目のインク膜及び2色目以降のインク膜に本露光を施して多色画像を記録した場合にも、上述した実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
2019年11月11日に出願された日本国特許出願2019-204276号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤と、
    分子量400以上の光重合性モノマーからなるモノマーA及び分子量130以上400未満の光重合性モノマーからなるモノマーBの両方と、
    を含有し、
    前記モノマーAが、
    エチレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
    プロピレンオキシ変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート、
    プロピレンオキシ変性グリセロールトリアクリレート、
    ポリエチレングリコールジアクリレート、及び
    ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記モノマーBが、
    ノニルアクリレート、
    ラウリルアクリレート、
    ステアリルアクリレート、
    テトラヒドロフルフリルアクリレート、
    N-ビニルカプロラクタム、
    環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、
    フェノキシエチルアクリレート、
    3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、
    プロピレンオキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、
    トリプロピレングリコールジアクリレート、及び
    トリエチレングリコールジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記モノマーA及び前記モノマーBの合計含有質量に対する前記モノマーAの含有質量の比が、0.10~0.70であり、
    前記モノマーA及び前記モノマーBの合計含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、60質量%以上である、
    活性エネルギー線硬化型インク。

    式(1)中、
    は、炭素数20以下のn価の有機基を表し、
    nは、3~8の整数を表し、
    AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を表し、
    mは、0~15の整数を表し、
    は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は-NR11-を表し、
    11は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、
    Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、
    n個のRは、それぞれ独立に、フェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、2,6-ジエトキシフェニル基、α-ナフチル基、2,6-ジニトロフェニル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジメトキシシクロヘキシル基、2,6-ジエトキシシクロヘキシル基、2,6-ジクロロシクロヘキシル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、又は2-エチルヘキシル基を表し、
    n個のRは、それぞれ独立に、R-(C=O)-基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、フェニル基、キシリル基、4-ビフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4-ジメトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、α-ナフチル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、エトキシナフチル基、2-ニトロフェニル基、又は4-ニトロフェニル基を表す。
  2. 前記式(1)で表される化合物の含有質量に対する前記モノマーA及び前記モノマーBの合計含有質量の比が、2~20である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  3. 更に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種であるゲル化剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  4. 被記録媒体上に、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を得る付与工程と、
    前記インク膜に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
    を含む画像記録方法。
  5. 前記照射工程は、前記インク膜に前記活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含む請求項に記載の画像記録方法。
JP2021556026A 2019-11-11 2020-10-30 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 Active JP7455858B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019204276 2019-11-11
JP2019204276 2019-11-11
PCT/JP2020/040950 WO2021095580A1 (ja) 2019-11-11 2020-10-30 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021095580A1 JPWO2021095580A1 (ja) 2021-05-20
JP7455858B2 true JP7455858B2 (ja) 2024-03-26

Family

ID=75912055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021556026A Active JP7455858B2 (ja) 2019-11-11 2020-10-30 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11926746B2 (ja)
EP (1) EP4059719A4 (ja)
JP (1) JP7455858B2 (ja)
CN (1) CN114728520B (ja)
WO (1) WO2021095580A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB202001151D0 (en) * 2020-01-28 2020-03-11 Fujifilm Speciality Ink Systems Ltd A printing ink

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005529167A (ja) 2002-06-11 2005-09-29 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド モノ−およびビス−アシルホスフィンオキサイドのマルチマー形態
JP2012041441A (ja) 2010-08-19 2012-03-01 Konica Minolta Holdings Inc 活性光線硬化型インク及びインクジェット記録方法
CN103073658A (zh) 2011-10-26 2013-05-01 深圳市有为化学技术有限公司 新型芳香羟基酮和膦酰氧化物的光引发剂混合物及其与光吸收剂的复合体系
JP2014240464A (ja) 2013-06-12 2014-12-25 富士フイルム株式会社 インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法
JP2015063064A (ja) 2013-09-25 2015-04-09 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法、及び、印刷物
JP2015532275A (ja) 2012-10-01 2015-11-09 イーティーエイチ・チューリッヒ アシルホスファン類の製造方法
JP2016510314A (ja) 2012-12-19 2016-04-07 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ビスアシルホスフィン酸の誘導体、その製造および光開始剤としての使用
JP2017522364A (ja) 2014-05-30 2017-08-10 アイジーエム レシンス イタリア ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ 多官能性アシルホスフィンオキシド光重合開始剤
CN107400144A (zh) 2017-08-03 2017-11-28 深圳市有为化学技术有限公司 酰基膦(氧)化合物及其制备方法和应用
WO2018047484A1 (ja) 2016-09-07 2018-03-15 富士フイルム株式会社 光重合開始剤、重合性組成物、インクジェット記録方法、並びに、アシルホスフィンオキシド化合物
WO2019071428A1 (en) 2017-10-10 2019-04-18 Dic Corporation COMPOUND, PHOTOPOLYMERIZATION INITIATOR, PHOTOCURABLE COMPOSITION AND CURED PRODUCT THEREFOR, PHOTOCURABLE INK AND PRINTING USING THE SAME
US20190144695A1 (en) 2016-05-04 2019-05-16 Agfa Nv Acylphosphine oxide photoinitiators
US20190233617A1 (en) 2017-01-31 2019-08-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Polymeric photo active agents
WO2020049378A1 (en) 2018-09-07 2020-03-12 Igm Resins Italia S.R.L. Multifunctional bisacylphosphine oxide photoinitiators

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2629157A1 (en) * 2005-11-11 2007-05-18 Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. Active energy beam-curable inkjet ink
JP5383225B2 (ja) 2008-02-06 2014-01-08 富士フイルム株式会社 インク組成物、インクジェット記録方法、および印刷物
EP2371912B1 (en) 2010-03-31 2014-04-30 Fujifilm Corporation Active radiation curable ink composition, ink composition for inkjet recording, printed matter, and method of producing molded article of printed matter
JP2012180391A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Fujifilm Corp 活性エネルギー線硬化型インク組成物、及び画像形成方法
JP5752725B2 (ja) 2013-02-22 2015-07-22 富士フイルム株式会社 インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物
WO2015133605A1 (ja) 2014-03-07 2015-09-11 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
JP2017014310A (ja) * 2015-06-26 2017-01-19 Dic株式会社 活性エネルギー線硬化性印刷インキ、及びその印刷物
JP2017105902A (ja) 2015-12-08 2017-06-15 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法
JP6266073B1 (ja) * 2016-10-28 2018-01-24 株式会社Dnpファインケミカル 活性エネルギー線硬化型インク組成物、このインク組成物を用いた積層体、基材上に像を形成する像形成方法及び印刷物の製造方法
JP2019204276A (ja) 2018-05-23 2019-11-28 株式会社オービック 契約金額按分装置、契約金額按分方法および契約金額按分プログラム
EP3656824A1 (en) * 2018-11-26 2020-05-27 Agfa-Gevaert Nv Radiation curable inkjet for manufacturing printed circuit boards

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005529167A (ja) 2002-06-11 2005-09-29 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド モノ−およびビス−アシルホスフィンオキサイドのマルチマー形態
JP2012041441A (ja) 2010-08-19 2012-03-01 Konica Minolta Holdings Inc 活性光線硬化型インク及びインクジェット記録方法
CN103073658A (zh) 2011-10-26 2013-05-01 深圳市有为化学技术有限公司 新型芳香羟基酮和膦酰氧化物的光引发剂混合物及其与光吸收剂的复合体系
JP2015532275A (ja) 2012-10-01 2015-11-09 イーティーエイチ・チューリッヒ アシルホスファン類の製造方法
JP2016510314A (ja) 2012-12-19 2016-04-07 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ビスアシルホスフィン酸の誘導体、その製造および光開始剤としての使用
JP2014240464A (ja) 2013-06-12 2014-12-25 富士フイルム株式会社 インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法
JP2015063064A (ja) 2013-09-25 2015-04-09 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法、及び、印刷物
JP2017522364A (ja) 2014-05-30 2017-08-10 アイジーエム レシンス イタリア ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ 多官能性アシルホスフィンオキシド光重合開始剤
US20190144695A1 (en) 2016-05-04 2019-05-16 Agfa Nv Acylphosphine oxide photoinitiators
WO2018047484A1 (ja) 2016-09-07 2018-03-15 富士フイルム株式会社 光重合開始剤、重合性組成物、インクジェット記録方法、並びに、アシルホスフィンオキシド化合物
US20190233617A1 (en) 2017-01-31 2019-08-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Polymeric photo active agents
CN107400144A (zh) 2017-08-03 2017-11-28 深圳市有为化学技术有限公司 酰基膦(氧)化合物及其制备方法和应用
WO2019071428A1 (en) 2017-10-10 2019-04-18 Dic Corporation COMPOUND, PHOTOPOLYMERIZATION INITIATOR, PHOTOCURABLE COMPOSITION AND CURED PRODUCT THEREFOR, PHOTOCURABLE INK AND PRINTING USING THE SAME
WO2020049378A1 (en) 2018-09-07 2020-03-12 Igm Resins Italia S.R.L. Multifunctional bisacylphosphine oxide photoinitiators

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2021095580A1 (ja) 2021-05-20
WO2021095580A1 (ja) 2021-05-20
CN114728520A (zh) 2022-07-08
US11926746B2 (en) 2024-03-12
CN114728520B (zh) 2024-03-08
EP4059719A4 (en) 2022-12-14
US20220267623A1 (en) 2022-08-25
EP4059719A1 (en) 2022-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5228034B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法及び印刷物
JP5244899B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物
JP5650049B2 (ja) インクジェット記録方法、及び、印刷物
CN108603059B (zh) 光固化型喷墨印刷用油墨组合物及喷墨印刷方法
JP5349543B2 (ja) インクジェットインク組成物、インクセット、インクジェット記録方法、及び、印刷物
JP5613042B2 (ja) インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2012136687A (ja) インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物
DE60314774T2 (de) Tintenstrahldrucktinte und -verfahren
US9701857B2 (en) Active energy ray-curable composition, and ink composition for inkjet recording use which is prepared using said composition
EP3303488B1 (en) A printing ink
JP2010012629A (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物
JP2005178331A (ja) インク及びインクジェット記録方法
JP7455858B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法
JP7373649B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法
JP5474882B2 (ja) インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法
JP7362762B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク、インクセット、及び画像記録方法
JP2016530354A (ja) 印刷インク
WO2018042193A1 (en) A method of printing
US11225069B2 (en) Ink jet method and ink jet apparatus
EP2997096B1 (en) A printing ink
JP5566979B2 (ja) インクジェット記録用インク組成物、インクパック、及び、インクジェット記録方法
JP2021172739A (ja) 光硬化型水性インクジェット印刷用インク組成物
JP5348955B2 (ja) インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法、及び、印刷物
WO2018042194A1 (en) A method of printing
JP2010024290A (ja) インク組成物、及びそれを用いたインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7455858

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150