JPWO2007055255A1 - 複数の識別用核酸配列を増幅する方法 - Google Patents

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    • C12Q1/6853Nucleic acid amplification reactions using modified primers or templates

Abstract

タグを利用するマルチプレックス検出において複数のタグを使用した場合に、当該複数のタグ間の増幅量のばらつきが少ない方法を提供する。複数の核酸フラグメントを増幅する方法であって、前記核酸フラグメントは、第1から第nまでの識別用核酸配列からなる第1の群より選択された1の識別用核酸配列と、第1から第mまでの増幅用核酸配列からなる第2の群より選択された1の増幅用核酸配列とを含み、このような核酸フラグメントを複数種類含む核酸フラグメント混合物を、核酸増幅が可能な条件下において、前記核酸フラグメント混合物に存在する可能性のある全ての識別用核酸配列の少なくとも一部分の配列および増幅用核酸配列の少なくとも一部分の配列に相補的または同一鎖側の配列をプライマーとして使用することによって増幅することを具備する方法;ここで、nは2以上の整数であり、第1群に含まれる第1から第nまでの識別用核酸配列は互いに塩基配列が異なり、mは1以上のn以下の整数であり、第2の群に含まれる第1から第mまでの増幅用核酸配列は互いに塩基配列が異なる。

Description

本発明は、核酸の増幅反応技術に関する。
ヒトのSNP(Single Nucleotide Polymorphism;即ち、1塩基多型)は、数百塩基に1つ程度の頻度で見られる遺伝子多型である。これらの変異は、コーディングリージョン、ノンコーディングリージョンを問わず広くゲノム上に散在している。またその変異は、塩基の置換のみならず、塩基の挿入(インサーション)や欠失(デリション)も見られる。ヒトゲノムの大きさは30億塩基対であるから、1000塩基に1カ所の割合でそのような多型があるとしても、全体では300万のSNPが存在することになる。従って、このような膨大な数のSNPの中から医学的に有用なものを見つけ出すことは、容易な作業ではない。例えば、SNPと疾病またはSNPと薬剤感受性などの関連性を明らかにするためには、できるだけ多くのサンプルを検出することにより精度高く関連SNPを特定できる。そのためには、まず、統計的に有意な結果が得られるだけの数のケース群と、コントロール群とを構成する。次に、それぞれの群について関連性の疑われるSNPを必要な密度と数で検出し、それらのSNP型の決定、即ち、タイピングをする。その後、更に疾病または薬剤感受性などとの関連性を解析しなければならない。
サンガー法は、DNAシーケンサを用いてタイピングする方法である。シーケンシングするとSNPの周囲の塩基配列も確定し、挿入や欠失もわかるが、SNPのある遺伝子を増幅するためのプライマーの設計が大変で、シーケンシング反応の試薬、装置も高い。また、一度のシーケンシングでタイピングできるSNPの数はその平均間隔とシーケンシング可能な塩基長からすればから平均1カ所か2カ所程度である。このように信頼性高いサンガー法では一度に調べられるSNPの数が限られ、時間とコストがかかる。そのために、疾病とSNPの関係を明らかにする研究では対象とする遺伝子を絞ってタイピングをせざるを得ない。
マルチプレックス法は、SNPなどの遺伝子解析方法として90年代後半から提案されてきたの方法である。
例えば、コーネル大学のバラニーらは、LDR(即ち、Ligase Detection Reaction)なるリガーゼを使ったSNP検出方法と、目的とする核酸配列をジップコードと呼ばれるタグに変換することとを組み合わせることによって、同一の反応液内で複数のSNPを検出する方法を開発した。この方法は、現在、ABI社の検出キットSNPlexとして商品化されている(特表2000-511060公報、特表2001-519648公報、特表2004-526402公報)。
オーキッド・セルマーク(Orchid Cellmark)社は、1反応液中で検出反応し、マイクロプレートの底に配置したマイクロアレイで48種類のアレルを見分けるSNP-ITという方法を提供している(特許第3175110号明細書、特表2002-508664公報)。
現在もっとも成功を収めていると思われるのは、イルミナ(Illumina)社の提供する方法である。この方法は、ポリメラーゼ伸長反応とリガーゼの連結反応を行ってSNPを検出した後で、目的とする核酸配列をジップコード配列に変換し、マイクロアレイと同様なシステムである独自の検出デバイス(Bead Arrayと称される)を用いることにより、最大で約1500種類のジップコード配列を同時に検出する方法である(特表2002-519637公報、特表2003-521252公報)。
TM・バイオサイエンス(TM Bioscience)社は、ルミネックス(Luminex)社の蛍光で色分けしたビーズを利用して検出するマルチプレックス反応キットを提供している(特表2004-522440公報、特表2004-526433公報)。これは、研究用途の遺伝病検出キットとして提供されている。
パーレル(Parallele)社は、MIP(Molecular Inversion Probe)法を提供している。これは、閉環プローブとギャップライゲーション法とを利用し、プローブ合成コストを下げ、反応効率を高めたタグを用いることによるマルチプレックスタイピング法を提供する(Hardenbol, P. et al., Nat. Biotechnol. 21, 673-678 (2003)、Hardenbol, P. et al., Genome Res. 15, 269-675 (2005))。
上述したマルチプレックス技術では、一般的に、タグの両側に共通プライマーを隣接させるように、または他の配列を介してタグを挟み込むように共通プライマー配列を配置するよう構成する。このようなタグを利用するマルチプレックス法(以下、タグマルチプレックス法とも称す)は、SNPを解析するための有効な手段として提案されている。
タグを使ったマルチプレックス法は、天然の遺伝子配列をタグと呼ばれる人工の配列に変換する反応と変換後のタグを検出する過程からなる。マルチプレックス反応では、ひとつの反応溶液内で複数の遺伝子を1対1対応でタグに変換し検出するため、タグ配列は、2つの特徴を備えている。まず1つ目は、それぞれのタグが互いにクロスハイブリダイゼーションせずに独立に反応することである。2つ目は、同一溶液で同時に反応するために、融解温度(即ち、Tm値)が揃うように設計されていることである。タグマルチプレックス法は、遺伝子配列そのものをプローブで捕らえるマイクロアレイと違って遺伝子との対応付けが自由である。従って、検出段階でいつも同じタグを検出すればよく、検出対象の遺伝子が変わっても同一の検出手法、および検出デバイスが使えるので柔軟性がある。
また更に、上述したような従来のタグマルチプレックス法においては、タグと共に含まれる共通プライマーを利用し、PCR増幅することによってタグを増幅することも含まれる。当該増幅の後でタグを検出する。従来の方法において使用される検出用核酸の1例を図1に示す。この例の場合、2つの検出用核酸を使用する。検出用核酸1は、5’側から共通プライマー配列3、識別用核酸タグ4、被検遺伝子相補配列5を有する。検出用核酸2は、3’側から共通プライマー配列6と被検遺伝子相補配列7を有する。例えば、図1の検出用核酸1および2をジップコード法に使用する場合、検出用核酸1の3’末に、検出しようとするSNPに相補的な塩基8が更に含まれ、隣接するように設計された検出用核酸1と検出用核酸2に含まれる夫々のプライマー配列が利用され、且つ検出しようとする核酸の存在に依存してタグの増幅が行われる。このようなジップコード法に限らず、多くの従来のタグマルチプレックス法では、検出用核酸が使用され、そこに含まれるプライマーを利用して、検出対象となる核酸の存在に応じて当該タグが増幅される。
このような従来のタグ配列を用いたマルチプレックス法では、タグ配列のPCR増幅の際に、増幅されたタグ配列が、特定のタグ配列に偏って高い増幅率であったり、逆に特定のタグ配列に関して低い増幅率であったりと、その増幅率にはばらつきが存在しており、得られる増幅産物の量にばらつきが生じてしまう。
[発明が解決しようとする課題]
上述の状況に鑑み、本発明の目的は、複数種類の識別用核酸を増幅するための方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、タグを利用するマルチプレックス検出において、増幅される複数のタグについて、その増幅量におけるばらつきの少ない方法を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を解決するために本発明は以下の手段を提供する。即ち、
(1) 複数の核酸フラグメントを増幅する方法であって、前記核酸フラグメントは、第1から第nまでの識別用核酸配列からなる第1の群より選択された1の識別用核酸配列と、第1から第mまでの増幅用核酸配列からなる第2の群より選択された1の増幅用核酸配列とを含み、このような核酸フラグメントを複数種類含む核酸フラグメント混合物を、核酸増幅が可能な条件下において、前記核酸フラグメント混合物に存在する可能性のある全ての識別用核酸配列および増幅用核酸配列の少なくとも一部分の配列に相補的または同一鎖側の配列をプライマーとして使用することによって増幅することを具備する方法;
ここで、nは2以上の整数であり、第1群に含まれる第1から第nまでの識別用核酸配列は互いに塩基配列が異なり、mは1以上のn以下の整数であり、第2の群に含まれる第1から第mまでの増幅用核酸配列は互いに塩基配列が異なる:および
(2) 前項(1)に記載の方法に使用するための試薬キットであり、第1から第nまでの複数のプライマーと、共通プライマーと、核酸増幅用酵素、バッファ成分およびdNTP混合物を含む試薬キット:
である。
図1は、従来法で使用された検出用核酸を示す模式図である。 図2は、共通プローブを2つ使用する従来の増幅を示す模式図である。 図3は、本発明の概念を示す模式図である。 図4は、本発明の方法を利用した遺伝子解析法の1例を示すスキームである。 図5は、従来の遺伝子解析法の1を示すスキームである。 図6は、従来の検出用核酸を示す模式図である。 図7は、従来の検出用核酸を示す模式図である。 図8は、従来の検出用核酸を示す模式図である。 図9は、従来の検出用核酸を示す模式図である。 図10は、図8の検出用核酸の反応を模式的に示した図である。 図11は、実施例で行った検出の結果を示すグラフである。 図12は、共通プライマーPCRの散布図とタグミックスPCRによる散布図である。 図13は、共通プライマーPCRの散布図とタグミックスPCRによる散布図である。
1.識別用核酸の増幅方法
複数種類の識別用核酸を増幅する方法の概念について簡単に説明する。まず、一般的な従来法を図2に模式的に示した。ここでは便宜上、1の核酸フラグメントに注目して説明するが、実際に実施される場合には複数の核酸フラグメントに対して反応が行われる。図2(A)を参照されたい。従来の方法では、上述した通り、2つの共通プライマーを使用する。従って、核酸フラグメント21は、識別用核酸配列23と、第1の共通プライマー結合部位22と、第1の遺伝子相補配列24と第2の遺伝子相補配列25および第2の共通プライマー結合部位26を含む。当該核酸フラグメント21の増幅には、第1の共通プライマー27と第2の共通プライマー28が用いられ、核酸増幅が可能な条件下において増幅される(図2(A))。その結果得られる増幅産物の一部は、図2(B)に示すような核酸フラグメントとして得られる。
次に本発明に従う複数種類の識別用核酸を増幅する方法の概念を簡単に説明する。ここでも便宜上、1の核酸フラグメントに注目して説明するが、実際に実施される場合には複数の核酸フラグメントに対して反応が行われる。図3(A)を参照されたい。核酸フラグメント31は、識別用核酸配列32、第1の遺伝子相補配列33、第2の遺伝子相補配列34および増幅用核酸配列35を含む。当該核酸フラグメント31の増幅には、増幅用核酸配列35に相補的な配列を有する共通プライマー36と、全識別用核酸プライマー混合物37とが用いられ、核酸増幅が可能な条件下において増幅される(図3(B))。
上述した通り、本発明の態様に従う識別用核酸の増幅方法では、従来では、2種類使用する共通プライマーとハイブリダイズするための第1の共通プライマー結合部と第2の共通プライマー結合部位が含まれている(図2(A)を参照されたい)。それに対して、本発明では、図2(A)に示される第1の共通プライマー結合部位22に相当する配列は含まれない(図3(A)を参照されたい)。即ち、図3(A)に示すように、本発明の態様における核酸フラグメントには、識別用核酸配列32が含まれ、それに相補的、または一部相補的な配列を有する識別用核酸プライマー37が使用され、配列に応じて識別用核酸配列32にハイブリダイズする。更に、ここでの増幅には更なるプライマーが必要であるが、このプライマーは、増幅用核酸配列35にハイブリダイズすることの可能な配列を有する共通プライマー36であればよい。例えば、当該増幅用核酸配列に相補的な配列または一部相補的な配列、または少なくとも一部が相同な配列であってもよい。本発明の態様において、「増幅用核酸配列」は従来で称するところの「共通プライマー結合部位」に相当し、従って、これにハイブリダイズするプライマーは、「共通プライマー」と称されてもよい。また、本発明においては、「増幅用核酸配列」にハイブリダイズしてプライマーとして機能することから「増幅用核酸プライマー」と称してもよく、「共通プライマー」と「増幅用核酸プライマー」を交換可能に使用してもよい。
ここで使用される「共通プライマー」とは、増幅用核酸配列の塩基配列からに応じて選択された塩基配列を有し、全て、または幾つかの異なる識別用核酸配列を含む複数の核酸フラグメント混合物に亘って、特定の塩基配列からなる増幅用各配列を共通して含ませてもよい。それにより、複数種類の核酸フラグメントに対して共通して使用することも可能になる。また本発明の態様において、共通プライマーは、1の増幅用核酸配列に完全にまたは一部ハイブリダイズするような配列を有し、且つ異なる標識を付されて、1の識別用核酸の増幅系において複数種類が同時に使用されてもよい。例えば、共通プライマーに識別可能な標識をし、それがハイブリダイズした多型部位の遺伝子型の違いを識別可能にするよう設計されてもよい。
本発明の態様における「増幅用核酸配列」としての「共通プライマー結合部位」は1のみが当該核酸フラグメントに含まれるが、これにハイブリダイズするように使用される共通プライマーは1以上を同時に使用されてもよく、好ましくは1以上で且つ共に使用される全識別用核酸プライマー混合物に含まれる識別用核酸プライマーの種類よりも少ない数で使用される。
図3には便宜上、1の核酸フラグメントを用いた例を示したが、実際に増幅を行う際には、当該識別用核酸に少なくとも1部分において相補的な配列を有する全識別用核酸プライマー混合物をプライマーとして使用し、且つ1以上の共通プライマーを使用し、複数の核酸フラグメントに対して増幅反応を実施してもよい。
また、全識別用核酸プライマー混合物に含まれる各々のプライマーは全て均一量としてもよく、問題となる識別用核酸の増幅率に応じて、当該全識別用核酸プライマー混合物に含まれる対応する識別用核酸プライマーの割合を変更してもよい。
このような本発明に従う複数種類の識別用核酸を増幅する方法によって、増幅される核酸毎の増幅率のばらつきは従来よりも顕著に少なくなる。
即ち、本発明の態様では、各識別用核酸を、各識別用核酸に相補的なプライマーによってそれぞれに増幅するため、各識別用核酸を増幅するプライマーの量が制限され、それによって増幅効率の高いタグの増幅が異常に促進されることがなくなる。また逆に、増幅率の低い識別用核酸の場合であっても増幅に使われるはずのプライマーが増幅率の高い識別用核酸に奪われることなく、増幅産物が生成する。従って、複数種類の識別用核酸がバランスよく増幅される。
また、従来法に比べて共通プライマーが1箇所不要となるので、核酸フラグメントの長さが短縮される。従って、核酸の合成費用の低減や、合成および/または精製時間が短縮される。
ここで使用される「核酸フラグメント」とは、実施者の所望に応じて都合よく合成されたオリゴヌクレオチドであっても、天然の核酸からなっても、天然の核酸を一部含むものであってもよいが、好ましくは実施者の所望に応じて合成されたオリゴヌクレオチドである。また、後述する本発明の態様に従うタグマルチプレックス法においては、当該「核酸フラグメント」は「検出用核酸」と称されてもよく、2つの語「核酸フラグメント」と「検出用核酸」は交換可能に使用されてもよい。核酸フラグメントの長さは、約10塩基から約50塩基、好ましくは15塩基から30塩基である。
ここで使用される「核酸フラグメント混合物」とは、複数の核酸フラグメントからなる混合物を指す。特に、「核酸フラグメントを複数種類含む核酸フラグメント混合物」の場合、そこに含まれる核酸フラグメントの塩基配列は2以上の配列からなる。
ここで使用される「識別用核酸」の語は、核酸フラグメントに含まれる増幅対象となる核酸をいい、例えば、当該増幅の後に続く過程で検出の対象となる配列または当該対象となる配列を含む核酸などである。後述する本発明の1態様であるタグマルチプレックス法で当該方法を使用する場合には、「識別用核酸」は「タグ」の語と交換可能に使用されてよい。また、「タグ」の語は、「識別用核酸タグ」と交換可能に使用されてもよい。識別用核酸の長さは、約12塩基から約50塩基、好ましくは15塩基から30塩基である。
ここで使用される「全識別用核酸プライマー混合物」は、当該「識別用核酸」を「タグ」と示す場合、「タグミックスプライマー」の語と交換可能に使用することが可能である。「識別用核酸」にハイブリダイズさせプライマーとして使用する目的の核酸を「識別用核酸プライマー」または単に「識別用プライマー」と称する。
1反応系において使用される当該識別用核酸プライマー混合物およびに含まれるプライマー数は、本発明に従う方法の実施者が所望に応じて決定すればよいが、予め決定した識別用配列と増幅用配列に対応するだけの種類と量で存在するのが好ましい。
識別用核酸配列の塩基数と、対応するプライマーの塩基数は同一であってもよく、また、1塩基から10塩基だけ、識別用核酸配列の方が長くてもよい。
また、増幅用核酸配列の塩基数と、対応する共通プライマーの塩基数は同一であってもよく、また、1塩基から10塩基だけ、増幅用核酸配列の方が長くてもよい。増幅用核酸配列の長さは、約10塩基から約50塩基、好ましくは20塩基から30塩基である。
ここで使用される「核酸」の語は、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、mRNA、全RNA、hnRNA、合成RNAを含む全てのDNA及びRNAを意味するものとする。
本明細書における「核酸増幅が可能な条件下」とは、それ自体公知の核酸増幅が可能な何れの条件でもよいが、増幅反応を実施するに当たり、適切、より適切または最も適切な条件の選択は、本発明の実施者によって自由に行われてよい。例えば、核酸増幅が可能な条件とは、本発明に従う適切なプライマーと、それ自身公知の何れかの核酸増幅用の酵素類、反応液の塩濃度バランスなどを調節するためのそれ自身公知の何れかのバッファ成分およびdNTP混合物などを含み、且つ、増幅に適切な反応温度が維持された環境であればよい。
ここで使用される「増幅」とは、それ自身当業者に公知の何れの増幅方法であってもよいが、PCRおよびアシンメトリックPCRなどの増幅方法が好ましく使用し得る。
2.マルチプレックスタグ増幅法
更なる態様に従うと、本発明に従う増幅方法は、例えば、タグを用いたマルチプレックス検出法、DNAコンピューティングにおける配列の増幅など、それ自身公知のタグを利用して行われる核酸反応系の何れにおいても、有利に当該タグを増幅するための方法として使用される。
例えば、マルチプレックス検出法を利用したマルチプレックスタイピング法は、最近の遺伝子タイピングの低コスト化、高スループット化の要求に応えるべく、90年代後半から提案されてきた方法である。
本発明の1態様に従い、上述の項「1.識別用核酸の増幅方法」を使用し、タグ増幅を行うことにより、タグ増幅において問題とされる増幅量のばらつきをより都合よく抑えることが可能である。
本発明者らは、マルチプレックス検出法では検出用核酸に含まれるタグを増幅するとき、プライマー配列にはさまれる領域にタグだけでなくSNPを含む遺伝子配列も一緒に増幅されてしまうことに注目した。その結果、このようなタグ以外の配列の増幅により増幅率にばらつきができ、増幅量がばらつきの原因になることを見出した。また、反応方法を巧みにし、タグ配列のみを増幅するようにし、増幅効率が揃うように配列を選抜しても、それに至るまでのタグ変換反応の効率差によりタグ増幅の初期段階で増幅量が異なってしまうことがあった。以上の事項を基に、本発明者らは、本発明に従うマルチプレックスタグ増幅法を見出した。
ここで使用される「マルチプレックスタグ増幅法」とは、複数のタグのそれぞれに相補的な配列を有するプライマーを混合プライマーとして使用し、当該タグを増幅する方法を指示する。
以下、本発明の1態様に従うマルチプレックスタグ増幅法を利用したSNP解析方法の例を図4を用いて説明する。
まず、対象から解析しようとする変異部位、例えば、SNPなどを含む、例えば、ゲノムDNAなどの試料を採取し、これを複数のプライマー42を用いてマルチプレックスPCR(図中、Multiplex PCRと記す)する(図4(A))。得られたPCR産物43を熱変性(図中、Heat Denaturationと記す)する(図4(B))。得られた1本鎖PCR産物43(a)は、SNP(#1)46を一方の鎖に含む。この1本鎖PCR産物43(a)と、予め設計されたタグ配列を含むオリゴヌクレオチド群44と、ビオチンで標識化されたプライマー45を適切な条件下で反応させる(図4(C))。解析中のSNP46の遺伝子型とオリゴヌクレオチド群44に含まれるオリゴヌクレオチド44(a)の配列が一致した場合、ライゲーション(図中、Ligationと記す)により連結され(図4(D))、更に、ストレプトアビジン(図中、SAと記す)を固相した磁気ビーズ47に結合される(図4(E))。これをアルカリ変性(図中、Alkali denaturationと記す)し、前記磁気ビーズ47に結合したままで、連結ヌクレオチド50について、タグミックスプライマー48と第1の蛍光物質で蛍光標識された共通プライマーである第1の標識化共通プライマー49aと第2蛍光物質で蛍光標識された共通プライマーである第2の標識化共通プライマー49bの存在下で、アシンメトリックPCRの可能な条件下で増幅を行う(図4(F))。ここでは、第1の蛍光物質および第2の蛍光物質は互いに識別可能であり、これらの使用により、目的とするSNPの遺伝子型が識別可能になる。その結果、適切なタグプライマー48(a)の利用により、当該遺伝子型に応じ第1または第2の蛍光物質の何れかで蛍光標識されたPCR産物51が得られる(図4(G))。この蛍光標識されたPCR産物51を、各タグの配列相補的なプローブ54をプローブ固相域53に有するマイクロアレイ52に反応させると、D1=1のプローブ固相域53のプローブとハイブリダイゼーションする(図4(H))。当該蛍光標識の蛍光強度を測定することにより、特定の位置に存在するSNP(#1)のアレルが決定される。
以上のような本発明の1態様に従う方法により、ヒトゲノムのような複雑な配列や類似配列を多く含む試料であっても、目的の産物を増幅効率を揃えながら特異的に増幅することができると考えられる。
ここで、本明細書において、「核酸」には、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、mRNA、全RNA、hnRNA、合成RNAを含む全てのDNA及びRNAを意味するものとする。検出又は定量すべき前記標的核酸は、任意の配列を有する任意の核酸であり得るが、遺伝病の原因遺伝子、癌関連遺伝子、又はウイルス由来の核酸など疾病のマーカーとなり得る核酸は、とりわけ好ましい標的核酸である。それ故、前記試料には、血液、尿、唾液等の体液が含まれるが、体液以外の任意の試料を使用し得る。試料が固体であれば、酵素処理、界面活性剤又は有機溶媒の添加等の適切な方法で液体に溶解させればよい。上記の他にも、本方法の実施に当たって標的核酸は、随意に変更することができる。例えば細胞を株化して大量培養したり、抹消血を多めに取得したりすることで本方法に必要なヒトゲノムDNAを大量に調製することにより、直接ゲノムDNAから検出反応を始めることができる。また、これに代わって、少量のゲノムDNAを取得し、アマーシャムバイオサイエンス社の試薬キットGenomiPhiのようなWGA法(Whole Genome Amplification )で、非特異的にゲノムDNAを増幅した試料から検出反応を始めてもよい。また、PCR法や、マルチプレックスPCR法、アシンメトリックPCR法のようなプライマーを用いて特定の配列を増幅したものから検出反応を始めてもよい。特に、本発明の方法をSNP特異的配列を検出するために使用する場合、標的核酸は、ゲノムDNAなどであることが想定されるが、この場合は、予め標的のSNPを含む領域をPCRなどで増幅しておいてもよい。そのほかの酵素的に増幅する方法によりそれぞれ得られた試料は、2重鎖試料の場合は、95℃まで加熱してから4℃に急冷して1本鎖化したり、塩濃度のきわめて低い溶液中で95℃まで加熱し断片化する、また、超音波で断片化する、制限酵素で切断する等の1本鎖化、断片化操作を加えてから検出操作してもよい。
また、増幅工程に使用する反応溶液は、一般的なPCR反応溶液を使用することができ、市販のキットを使用することもできる。たとえば、以下の実施例に示したように、酵素: Titanium Taq (タカラバイオ)、バッファ: Titanium Taq buffer、プライマー それぞれ0.1μM 、鋳型 DNA: 10ng、反応体積: 20μLとすることができる。
本発明の実施態様の1例としては、以下の形態が考えられる。特に、本発明の検出方法の用途、場所には次のものが考えられる。例えばヒト遺伝子型と疾患の関連性の解明、薬剤感受性の検出、遺伝子制御領域の蛋白結合性の変化の検出、対象生物をヒトから別の生物に変えての遺伝子多型の分子生物学的な解析などの研究用途がある。これら研究は、大学、企業等の研究所、研究室で行われるであろう。また、遺伝子と特定の疾患との関連性、罹患リスクや、薬剤感受性が明らかにされた時点で、病院の検査センターでの治療方法を選択するための検査や人間ドックでの予防のための診断、副作用の小さい抗ガン剤の選択のための薬剤感受性検査等、医療用に使えると考えられる。
本発明の方法を実施するための形態としては、ユーザー自らが本方法を実施するための研究用および診断用遺伝子多型検出試薬キットとしての実施、自動的に処理する自動反応装置による実施、並びにユーザーや被検者に代わっての受託研究または検査センターでの診断等の実施も考えられる。
遺伝子解析において、このようなタグへの変換反応は重要である。その変換に使われる反応として、リガーゼ連結反応(OLA:Oligonucleotide Ligation Assay)や、ポリメラーゼによる1塩基伸長などがある。それぞれの方法で酵素がミスマッチハイブリッドを識別する能力を最大限生かしており、リガーゼ反応では連結するプローブの3’末端にSNPの塩基が配置されるようにプローブ配列が設定されている(Luo, J. et al., Improving the fidelity of Thermus thermophilus DNA ligase, Nucl. Acids Res. 24, 3071-78 (1996))。
例えば、疾病とSNP、または薬剤感受性とSNPの関係を明らかにするためにはできるだけ多い人数の患者群と、コントロール群それぞれから、できるだけ多くのSNPを検出することが必要であり、それにより精度高く両者の関係を見つけることができる。
従来技術では2つの共通プライマーを使用しているのに対して、本発明の態様に従う反応によると、2種類の増幅用配列のプライマー同量ずつと、識別用配列(即ち、タグ)すべての種類を同量含むプライマー混合物をプライマーの組としてPCR増幅している。しかしながら、タグ毎にプライマーの量を変更してもよい。
各タグを各タグに相補的なプライマーでそれぞれに増幅するため、各タグを増幅するプライマー量が制限される。それにより、増幅効率の高いタグの増幅が異常に促進されることがなくなる。逆に増幅率が低いタグでも増幅に使われるはずのプライマーが増幅率の高いタグに奪われることがなくなるので、十分な増幅産物が生成される。従って、複数のタグの増幅量のばらつきを抑えることができる。
また本発明に従うと、広く用いられており、たとえば、DNAコンピューターを用いたSNP解析ではDCNを用いて遺伝子解析の多重化を行うが、このときに、前処理にあたるゲノムからSNP 周囲を切り出すPCR も同様に多重化できればコストや作業効率の面で望ましい。しかし、本発明はそれに限定するものではない。
また、本発明に従う方法は、効果的にSNPの解析を行うことが可能である。
比較参考のために、図4に記載した本発明の1態様を従来の方法により行う場合のスキームを図5に示す。図5(A)から(E)までは、図4に記載の方法と同様な方法である。これに対して、図5(F)におけるアンプリファイ反応には相違がある。即ち、図4の本発明の方法では、タグの相互配列を有するプライマーを使用していたのに対して、図5では、共通プライマー60、第1の標識化共通プライマー61aおよび第2の標識化共通プライマー61bを使用している。
更に、本発明の識別用核酸の増幅方法および/またはタグマルチプレックス法は、図6に示すジップコード法にも使用することが可能である。当該方法において使用する検出用核酸を模式的に示す。図6(A)に示す方法では反応前の検出用核酸70と検出用核酸72とを用いて、目的とする遺伝子の解析を行うものである。反応後には、検出用核酸70と検出用核酸72が互いに連結される(図6(B))。
図7に示した図は、図5の方法において使用された2種類の検出用核酸の反応前(図7(A))と反応後の状態(図7(B))を示す図である。同様にMIP法の反応前の状態は図8(A)、反応後の状態は図8(B)に記載した。また、図8(B)の検出用核酸とゲノムDNAとのハイブリダイゼーション様式およびタグの増幅過程は図10(A)から(D)に示してある。Golden Gate法についても同様に反応前の状態を図9(A)、反応後の状態を図9(B)に記載した。
ここで各例について図示したように、バラニーのジップコード法、陶山らの方法、MIP法、イルミナ社のGolden Gate法で用いる検出用核酸の構造は、すべて共通プライマー領域が2箇所あり、少なくとも検出する遺伝子、もしくは遺伝子変異と1対1に対応するタグ配列を1箇所以上で備えている。従って、上述した本発明の方法に従って、当該タグ配列に相補的なプライマー群を使用し、共通プライマーのうちの1は使用しなければ、上述したような本発明による効果が得られる。
ここで、より増幅率を均一にするために、タグの増幅率に応じてタグプライマーの量を変えてもよい。また、どちらかのプライマー量を多めにしアシンメトリック(非対称)PCRを実行してもよい。
更に、タグ配列プライマーに蛍光色素を修飾してもよいし、共通プライマーに蛍光色素を修飾してもよい。また、各プライマーに蛍光色素以外の化学修飾、たとえばDIG(ジゴキシゲニン)やビオチン、ハプテンなどを修飾してもよい。
共通プライマー側を種類分けし、2種類以上、望ましくは10種類程度にして、PCRのときにミックスにして反応してもよい。こうすることで、識別可能なタグの種類は(タグの種類数)×(共通プライマーの種類数)となるので、飛躍的にタグの種類数を増やすことができる。
共通プライマーでタグを増幅する場合と、タグミックスプライマーでタグを増幅する場合との違いを示し、発明の方法の効果を示す。
方法は、タグを使ったマルチプレックスSNP検出法で、検出反応は特願2004−296784(特開2006-101844)の方法に準じて行った。
実施例では、ヒューマンサイエンス振興財団のヒューマンサイエンス研究資源バンクから匿名化されたヒトゲノムサンプルを用い、検出したSNPは96種類であった。
本発明の方法によるタイピングは次の順番でおこなった。
1. 配列、サンプルの入手
2. ゲノムDNAの増幅
3. エンコード反応
4. アンプリファイ反応
5. 検出。
以下、実施内容を説明する。
検出対象とするSNPの塩基配列は、東大医科学研究所の整備した日本人のSNPのデータベースJSNPから得た合計96個の SNPである。検出したサンプルは(財)ヒューマンサイエンス振興財団のヒューマンサイエンス研究資源バンクが頒布しているヒト抹消血細胞を株化したものから抽出したヒトゲノムDNAである。検出したサンプルはPSCDA0503、PSCDA0328、PSCDA0719、PSCDA0785の4サンプルであった。
以下、ゲノムサンプルを処理した方法について具体的に記す。
最初に、ゲノムDNA から標的のSNPを含む領域をマルチプレックスPCRにて増幅した。SNP24箇所の増幅を1本の反応チューブでおこなうので、1サンプルに対し都合4回増幅反応をおこなった。この操作は次の手順でおこなった。
このPCR反応に用いる溶液の組成は次のとおりである。反応液には、タカラバイオ社の製品であるTitanium Taqを用いた。超純水はミリポア社のMilli-Q Synthesisにより作製した。プライマー配列は米国DNA ソフトウェア社のVisual OMPを用いて設計した。
Titanium Taq(50倍濃度) 0.4 μL
Titanium Taq Buffer(10倍濃度) 2 μL
プライマー24種(100 μM) 0.74 μL
MgCl2(25mM) 2.4 μL
dNTP(10mM) 1.6 μL
ゲノムDNA(5ng / μl) 2 μL
超純水 13.26 μL
合計 20 μL。
反応のための熱サイクルは次のとおりであった。サーマルサイクラーにはMJリサーチ社のPTC-200を用いた。
1.プレ加熱 94℃ 3分
2. 変性 94℃ 15秒
3. 伸長 73℃ 1分
[2, 3を50サイクル、伸長段階はサイクル毎ごとに0.1℃温度下げ5秒延長]
4. 保存 10℃ 温度固定
以上により標的SNPを含むゲノムのPCR産物が得られた。
なお、ここでは4回に分けた方法を示したが、これを1回で行うことも可能である。1回で行う場合は、94種のプライマーを1本のチューブで増幅反応できる。ここで使用した94種のプライマーは、配列番号1から配列番号94に記載した配列を有するプライマーを使用した。
次にエンコード反応をおこなった。リガーゼにNew England Biolab社のTaq リガーゼを用いたので、付属の10×バッファを使用した。
プローブミックス(96SNP検出用混合物、各0.1μM含有)0.2 μL
10×Taq DNA リガーゼ 反応バッファ 3 μL
Taq DNAリガーゼ(40U / μl) 0.5 μL
PCR産物(4液混合) 4 μL
超純水 22.3 μL
合計 30 μL。
これをもとに次の組成のエンコード反応液を作製した。用いたTaq リガーゼはNew England Biolab社製である。
このエンコード反応液を次の温度で反応させた。加熱に用いたのはサーマルサイクラー、PTC-200である。
1. 変性 95℃ 1分
2. リガーゼ反応 58℃ 60分
3. 保存 10℃ 温度固定。
これによりエンコード反応のうち、リガーゼによるプローブ連結反応を終わる。次に、ストレプトアビジン磁気ビーズに、ビオチン化コモンプローブおよび、連結されたクエリープローブとコモンプローブをとらえる操作をおこなった。溶液組成は次のとおりである。
エンコード産物 30 μL
2×B&Wバッファ 16.5 μL
ストレプトアビジン磁気ビーズ 5 μL。
ストレプトアビジンで表面をコートした磁気ビーズは、Dynal社のM-280磁気ビーズで、このビーズの説明書に従い、次の組成の溶液をB&Wバッファとして用いた。
Tris-HCl(pH 7.5) 10 mM
EDTA 1 mM
NaCl 0.2 M。
ストレプトアビジン磁気ビーズ(以降磁気ビーズと呼ぶ)は、出荷された防腐剤を含む原液から5μLをとり、原液をB&Wで置換して再び5μLにしたものである。このようにして作製した溶液を磁気ビーズが溶液によく分散するようにして室温下で、15分間振盪する。
振盪が終了したら、磁気ビーズの洗浄をおこなう。洗浄は次の手順でおこなった。
1.磁石にて磁気ビーズを凝集させ、B&Wバッファをのぞく;
2.室温下で100 μLの1xB&Wバッファに再分散し、ピペッティングした後、磁石で磁気ビーズを凝集させB&Wバッファをのぞく洗浄操作を2回おこなう;
3.室温下で0.2NのNaOH水溶液100μLに再分散し4分間振盪機で振盪する;
4.磁石で磁気ビーズを凝集させNaOH水溶液をのぞく;
5.室温下で100μLの10mM Tris-HClで、2の要領で2回洗浄する。
この洗浄操作で、非特異的に付着したDNAがのぞかれた磁気ビーズが得られた。これをエンコード済み磁気ビーズと呼ぶ。
次に、アンプリファイ反応でアシンメトリックPCRをおこない、タグの増幅と標識をおこなった。SDとはプライマー1に相当する配列であり、Cy3-rED、Cy5-rED’はプライマー2の位置に入れたアレルに対応した2種類の配列の相補鎖に相当する配列で、5’端に蛍光色素を標識したものである。ポリメラーゼにタカラバイオ社のEx Taqを用いたため、作製に用いる10倍濃度バッファとdNTP混合物はキットに付属のものを用いた。なお10倍濃度バッファにはマグネシウムイオンを20mM含むタイプを使用した。プライマーは超純水で希釈した。
[共通プライマーの場合]
プライマーSD(10 μM) 0.1 μL
プライマーCy3-rED(10 μM) 0.5 μL
プライマーCy5-rED’(10 μM) 0.5 μL
10 x Ex Taq バッファ 5 μL
Ex Taq 0.5 μL
dNTP混合物(10mM) 4 μL
超純水 38.4 μL
合計 50 μL。
[タグミックスプライマーの場合]
タグミックスプライマー(25μM) 1 μL
プライマーCy3-ED(10 μM) 0.5 μL
プライマーCy5-ED’(10 μM) 0.5 μL
10×Ex Taq バッファ 5 μL
Ex Taq 0.5 μL
dNTP混合物(10mM) 4 μL
超純水 39.4 μL
磁気ビーズ 全量
合計 50 μL。
溶液をのぞいたエンコード済み磁気ビーズにこの反応液を混ぜて、ビーズを分散させた。反応の熱サイクルは次のとおりである。サーマルサイクラーにはPTC-200を用いた。もしサイクルエロンゲーション法を用いるならば、サイクル数は30〜40サイクルが好ましい。
1. 変性 94℃ 1分
2. 変性 94℃ 30秒
3. アニーリング 55℃ 6分
4. 伸長 72℃ 30分 [2〜4を40サイクル]
5. 冷却 10℃ 温度固定
以上によりアンプリファイ反応が完了した。ここで得られたものを標識PCR産物と呼ぶことにする。
最後に検出反応をおこなった。検出には、キャピラリアレイ(特開平11-75812)を用いた。キャピラリアレイはDNAマイクロアレイに似たハイブリダイゼーションで核酸を検出するデバイスであり、溝状の流路に沿ってプローブがスポットされている。今回使ったキャピラリアレイは1本の溝の中にタグ検出用のプローブが50点固定してあるもので、溝の容量は25μlであった。キャピラリはシリコンゴムの板に形成されており、プローブを直線状にスポットしたスライドガラスにシリコンゴムの粘着性を利用して貼り付けている。この溝の両端には溝の反対側の面に貫通する穴があけてあり、溝のある面をスライドガラス側に貼り付けても、それら貫通穴から試料液を注入および抜き取り出来るようになっている。プローブ固定用ガラススライドにはタカラバイオ社が発売するハッブルスライドを用い、プローブのスポッティングには日立ソフトウェアエンジニアリング社のSP-BIOを用いた。事前にシリコンゴムはスライドガラスのスポットに合うように貼り付けておいた。
標識PCR産物をこのキャピラリアレイにハイブリダイゼーションさせた。アシンメトリックPCR溶液中には磁気ビーズが残留しているので、これを吸わないように磁気ビーズを集めて上清をとった。
ハイブリダイゼーション溶液には1レーン当たり、標識PCR産物を10μL、の残りを次の最終濃度になるように2倍ハイブリ反応用液を加えた(0.5xSSC、0.1%SDS、15%フォルムアミド、1mM EDTA)、ハイブリダイゼーションの強さ、蛍光強度を規格化するために100番のプローブにハイブリする2.5mMの濃度の標識済みコントロールターゲットオリゴを2μL混ぜた。この液を95℃に1分間加熱し、その後、この液24μLを37℃の遮光したホットプレート上においてキャピラリアレイに注入し、60分間ハイブリダイゼーションさせた。
ハイブリダイゼーション後、続いて、洗いは次の手順で行った。
1.0.1xSSC、0.2%SDS中でキャピラリをガラススライドからはずす。
2.0.1xSSC、0.2%SDS中で室温下で5分間振盪する。
3.超純水で室温下で1分間振盪する。
4.エアスプレーまたは、遠心機にてスライドガラスを乾燥させる。
以上の手順でハイブリダイゼーション反応を終了し、続いてマイクロアレイスキャナによって蛍光検出をおこなった。スキャナとしてはAxon社のGenePix 4000Bを使用し、Cy3、Cy5検出波長にて検出した。
ハイブリダイゼーション時にサンプルとは異なるプローブにハイブリダイズする蛍光標識済みコントロールターゲットを、Cy3、Cy5でそれぞれ標識し、同一量入れて、サンプルと同時にハイブリダイズさせた。このシグナル強度を用いて、規格化蛍光強度平均は、各SNPsのCy5、Cy3の蛍光強度をそれぞれ同一のハイブリコントロールターゲットの蛍光強度で割って規格化した和の平均値である。式にて表せば、
avg( SNP_n,sample(Cy5)/HybriCont(Cy5) + SNP_n,sample(Cy3)/HybriCont(Cy3) )
となる。SNP_n,sample(Cy5)とはSNP番号がn番のあるサンプルのCy5蛍光強度をあらわし、HybriCont(Cy5)は、Cy5標識した定量コントロールターゲットの検出蛍光強度である。
図11は、各SNP毎に規格化蛍光強度平均を出し、高い順にプロットしたものである。タグミックスプライマーで平均蛍光強度が10倍になり、シグナル強度のばらつきをあらわす%CV値は160%から90%に下がり増幅均一性が向上した。
Figure 2007055255
ここに示したデータを更に詳しく解析した結果を次に示す。コンピュータにはデルの Optiplex GX150 を使用し、マイクロソフト社のデータベースソフトウェアであるアクセス2002にて散布図を作成した。
シグナル強度の指標として散布図のX軸、Y軸の目盛りの最大値を仮に最大蛍光強度として、96個のSNPについてリストアップした。また、それら散布図を評価したQV値(QV値とは特願2006-249837にある、散布図のクラスタの評価値のことで大きければ大きいほどクラスタ分離がよい。)も調べた。その結果、表1にあるようにシグナルの最大値は平均して2倍以上になった。図12のSNP65番で典型的な散布図の改善例を示す。増幅方法を変えることにより著しくシグナル強度が強くなり、クラスタが正確に分離した。
また増幅方法の変更により、多くのSNPのシグナル最大値が向上した。96個のSNPのうちX軸のシグナルが向上したSNPは75個、Y軸のシグナルが向上したのは72個あった。しかし、両軸おのおのシグナルが低下しているSNPが20個程度あった。これは、図13のSNP75番のように共通プライマーでは異常に強い増幅を受けていたが、タグミックスPCRにすることで増幅に使えるプライマー量が制限され適正な増幅量にとどまり、増幅量の均質化作用を示していると言える。シグナルが下がったことで散布図の質が下がったと言えるSNPは1個だけであった。
散布図の質は増幅方式の改善で若干良くなっている。散布図の分離具合を表すQV値が10以上の十分な分離ができているSNPの数は、共通プライマーPCRで33個であったのに対し、タグミックスPCRでは35個に増えている。
Figure 2007055255
以上をまとめると、タグミックスプライマーにすることによりPCR増幅に使われるプライマーがどのタグにもほぼ均一に供給され、増幅均一性が増すからであると考えられる。
検出強度のばらつきが、なおあるのは本発明のタグミックスPCRまでに、各SNPを含むゲノムを増幅するPCR、そしてリガーゼによる検出反応、磁気ビーズへの回収をおこなっており、これら段階でタグ毎(SNP毎)に反応効率に差があることにより、PCRまでにもともと増幅対象の量がばらついていたからだと考えられる。
以上説明した実施例は、本発明の効果を明示するために記載した1例であり、本発明がこれに限定されるものではないと理解されるべきである。なお、本明細書中に記載した文献は、引用することにより本明細書に組み込まれる。
以上説明したように、本発明の1側面によると、複数種類の識別用核酸を増幅するための方法が提供される。
また、本発明の更なる側面によると、タグを利用するマルチプレックス検出において、タグ間の増幅率にばらつきの少ない方法が提供される。
[符号の説明]
1 検出用核酸、 2 検出用核酸、 3 共通プライマー配列、 4 識別用核酸タグ、 5 被検遺伝子相補配列、 6 共通プライマー配列、 7 被検遺伝子相補配列、 8 SNPに相補的な塩基、 21 核酸フラグメント、 22 第1の共通プライマー結合部位、 23 識別用核酸配列、 24 第1の遺伝子相補配列、 25 第2の遺伝子相補配列、 26 第2の共通プライマー結合部位、 27 第1の共通プライマー、 28 第2の共通プライマー、 31 核酸フラグメント、 32 識別用核酸配列、 33 第1の遺伝子相補配列、 34 第2の遺伝子相補配列、 35 増幅用核酸配列、 36 共通プライマー、 37 全識別用核酸プライマー混合物、 42 複数のプライマー、 43 PCR産物、 44 オリゴヌクレオチド群、 45 標識化されたプライマー、 46 SNP、 47 磁気ビーズ、 48 タグミックスプライマー、 49a 第1の標識化共通プライマー、 49b 第2の標識化共通プライマー、 50 連結ヌクレオチド、 51 蛍光標識されたPCR産物、 52 マイクロアレイ、 53 プローブ固相域、 54 固相化プローブ、 55 蛍光標識されたPCR産物、 60 共通プライマー、 61a 第1の標識化共通プライマー、61b 第2の標識化共通プライマー、 70、72 検出用核酸、 73 第1の共通プライマー配列、 74 識別用核酸タグ、 75 被検遺伝子相補配列、 77 第2の被検遺伝子相補配列、 78 第2の共通プライマー、 100 切断配列、 101 ゲノムDNA

Claims (9)

  1. 複数の核酸フラグメントを増幅する方法であって、前記核酸フラグメントは、第1から第nまでの識別用核酸配列からなる第1の群より選択された1の識別用核酸配列と、第1から第mまでの増幅用核酸配列からなる第2の群より選択された1の増幅用核酸配列とを含み、このような核酸フラグメントを複数種類含む核酸フラグメント混合物を、核酸増幅が可能な条件下において、前記核酸フラグメント混合物に存在する可能性のある全ての識別用核酸配列の少なくとも一部分の配列および増幅用核酸配列の少なくとも一部分の配列に相補的または同一鎖側の配列をプライマーとして使用することによって増幅することを具備する方法;
    ここで、nは2以上の整数であり、第1群に含まれる第1から第nまでの識別用核酸配列は互いに塩基配列が異なり、mは1以上のn以下の整数であり、第2の群に含まれる第1から第mまでの増幅用核酸配列は互いに塩基配列が異なる。
  2. 前記増幅がPCR増幅である請求項1に記載の方法。
  3. 前記識別用核酸配列がタグ核酸であり、前記増幅する反応が、マルチプレックス検出のために前記タグを増幅するため方法である請求項1または2の何れか1項に記載の方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、更に以下を含む方法;
    解析対象となる核酸を含むサンプルを入手すること;
    前記解析対象となる核酸を増幅すること;
    増幅で得られた増幅産物についてタグ配列への変換反応をすることにより、第1から第nまでの識別用核酸配列からなる第1の群より選択された1の識別用核酸配列と、第1から第mまでの増幅用核酸配列からなる第2の群より選択された1の増幅用核酸配列とを含む核酸フラグメントを複数種類含む核酸フラグメント混合物を得ること;
    第1から第nまでの識別用核酸配列プライマーと、第1から第mまでの増幅用核酸配列プライマーとを用いて前記核酸フラグメント混合物を増幅すること。
  5. 前記第1の識別用核酸配列の長さが、第1の識別用プライマーの長さと同一であり、同様に第nまでの識別用核酸配列の長さも、第nまでのプライマーの長さと同一であり、更に前記第1の増幅用核酸配列の長さが、第1のプライマーの長さと同一であり、同様に第mまでの増幅用核酸配列の長さも、第mまでのプライマーの長さと同一である請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記第1の識別用核酸配列の長さが、第1のプライマーの長さよりも1塩基から10塩基長く、同様に第nまでの識別用核酸配列の長さも、第nまでのプライマーの長さよりも1塩基から10塩基長く、更に、前記第1の増幅用核酸配列の長さが、第1のプライマーの長さよりも1塩基から10塩基長く、同様に第mまでの増幅用核酸配列の長さも、第mまでのプライマーの長さよりも1塩基から10塩基長い請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  7. 第1から第nまで、第1から第mまでの複数のプライマーは、それぞれ相補的な識別用核酸配列または増幅用核酸配列に応じて異なる量で含まれる請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の方法であって、当該方法において使用されるプライマーが、3’末端以外の位置で標識物質により修飾されている方法。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の方法に使用するための試薬キットであり、第1から第nまでの複数のプライマーと、共通プライマーと、核酸増幅用酵素、バッファ成分およびdNTP混合物を含む試薬キット。
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