JPWO2007052652A1 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コンデンサ素子、特にリードフレームの一部分をテーピング等することにより、リードフレームの一部分にのみ低融点金属メッキを施したリードフレームとコンデンサ素子とを接合して得られる固体電解コンデンサに関する。本発明の固体電解コンデンサは耐熱性に優れ、樹脂封止の完全性が高く耐湿性に優れる。また、低融点金属メッキを施したリードフレームを使用することができるので、後メッキ工程を増やす必要がなく、さらに抵抗溶接の場合、積層での陽極接合が容易な固体電解コンデンサが得られる。

Description

関連出願との関係
この出願は、米国法典第35巻第111条(b)項の規定に従い、2005年11月9日に提出した米国仮出願第60/734,782の出願日の利益を同第119条(e)項(1)により主張する同第111条(a)項の規定に基づく出願である。
本発明は、コンデンサ及びその製造方法、特に固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。さらに詳しく言えば、誘電体皮膜を有する弁作用金属基板上に固体電解質層を設けたコンデンサ素子にリード線(リードフレーム)を設けて形成された固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子とリードフレームの接合部分の強度及び耐熱性に優れた信頼性の高い固体電解コンデンサに関する。
最近の電子機器は小型化、省電力化等のためにデジタル化、パーソナルコンピュータの高速化に伴い、小型で大容量のコンデンサ、高周波化が進み、高周波で低インピーダンスであり、しかも容量が大きく信頼性の高いコンデンサの需要が増大している。これらの要求を満足するコンデンサとして固体電解コンデンサが実用化されている。
一般に、固体電解コンデンサはエッチング処理したアルミニウム、タンタル、チタン等の弁作用金属表面に誘電体酸化皮膜を設け、その誘電体酸化皮膜上に、導電性重合体等の有機物層あるいは金属酸化物等の無機物層からなる固体電解質層を設けて単板コンデンサ素子を形成し、この単板コンデンサ素子の複数枚を積層し、弁作用金属の陽極端子(固体電解質を設けない端部表面部分)に陽極リード線を接続する一方、固体電解質からなる導電層部分(陰極部分)に陰極リード線を接続し、この全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止した基本構造を有している。陽極リード部及び陰極リード部としては、コンデンサ素子またはその積層体を載置するのに適した形状を有するリードフレームを用いることができる。
このような構造の固体電解コンデンサにおいて、信頼性の高いコンデンサを製造するには、コンデンサ素子とリードフレームの接合部分の強度が大きく、しかも耐熱性に優れたものであることが必要である。そこで、従来の固体電解コンデンサでは、例えば、銅または銅合金等からなるリードフレームとコンデンサ素子の陽極端部とを接合する場合、導電性接着剤を用いて接合するか、端子を折り曲げてかしめることにより機械的に接合し、あるいは鉛系ハンダ材料を用いた溶接やレーザ溶接などによって接合している。
ところが、このような導電性接着剤を用いた接合方法は接着剤の塗布に手間がかかり、特に多数枚の単板コンデンサ素子を積層して接合する場合には施工が煩雑である。またリードフレームの接合部分をかしめて機械的に接合する方法は接合部分が小さいものには適さず接合も不安定である。さらに、鉛系ハンダ材料を用いた溶接では溶接箇所から取り除かれた余分な鉛が環境汚染の原因になる等の問題が懸念される。またレーザ溶接による接合方法は設備コストが嵩むなどの問題がある。
このような接合方法のほかに、コンデンサ素子の端子をリードフレームに抵抗溶接することが知られているが(特許文献1;特開平3−188614号公報)、これはリードフレーム材料を鉄ニッケル合金(42アロイ)に限定して抵抗溶接を行うものであり、しかも、コンデンサ素子の弁作用金属としてアルミニウム箔を用いた場合には、銅または銅合金等からなるリードフレームを直接に単純な抵抗溶接によって接合することはできない。抵抗溶接は電気抵抗による発熱(ジュール熱)によって溶接部分の金属を溶融して接合する方法であり、アルミニウムや銅、銅合金などのように導電性の高い材料ではこの抵抗が小さいために発熱が少なく、しかも熱伝導性が良いので接合部分を十分に溶融することができず、これらの材料を接合するのは難しい。
さらに、従来の固体電解コンデンサは、リードフレーム全面にメッキを設けてコンデンサ素子を接合したものが知られているが、リードフレーム全面にメッキを施すと、リードフレームにコンデンサ素子を重ねて熱処理する場合、コンデンサ素子との接合部分から外れてモールド樹脂に接触する部分においてもメッキ金属が溶融し、ハンダボールと呼ばれる欠陥を引き起こす懸念がある。このような不都合を避けるために、リードフレーム全面の銅下地の上にハンダメッキを施した後に、樹脂封止部分において、モールド樹脂が接触する部分のメッキを取り除き、銅の下地を露出させて粗面化した箇所にコンデンサ素子を載置して接合する構造が知られている(特許文献2;特開平5−21290号公報)。しかし、この方法ではコンデンサ素子の接合部分のメッキ量が不足し、接合強度が低くなる問題がある。
そして、固体電解コンデンサの接合構造について、コンデンサ素子とリードフレームを溶接によって接合する場合、リードフレームの樹脂封止部分において、モールド樹脂が接触するリードフレーム表面にはメッキを設けず、リードフレームがコンデンサ素子に接触する部分に低融点金属メッキを施してリードフレームとコンデンサ素子とを接合した構造としハンダボールなどの欠陥を生じることがなく、接合強度が高い固体電解コンデンサであって、その陽極部分の接合構造について、コンデンサ素子の陽極端部とリードフレームとを抵抗溶接によって接合できるようにし、作業が容易であって、環境汚染等も生じない接合構造とした固体電解コンデンサが開示されている(特許文献3;国際公開第00/74091号パンフレット(US6661645号明細書))。しかし、ここでは、リードフレームの部分メッキにより接合強度が著しく改善されるものの、リードフレームは、通常、リードフレームをコイル状に巻いた形で連続メッキされるので、その工業的生産は必ずしも容易ではない。
ハンダボールの発生は、樹脂封止時に限定されるものではない。例えば、回路基板上にチップ型電子部品を載せリフロー等の加熱を経る際に、電子部品自体も加熱され電子部品の内部温度が上昇し部品内部のリード端子表面のハンダメッキ層が溶融しハンダボールとなって外部に溶出してしまう現象が起こることが知られている(特許文献4;特開平8−153651号公報)。特許文献4では、モールド樹脂外装前に前記リード端子表面に厚さ1μm以下のハンダメッキ層を形成し、リード端子に電子部品素子を接続し、その後モールド樹脂外装を行った後、モールド樹脂から外部に導出したリード端子表面のみにモールド樹脂内部のハンダメッキより厚いハンダメッキ層を形成することで上記の問題の解決を図っている。
特開平3−188614号公報 特開平5−21290号公報 国際公開第00/74091号パンフレット 特開平8−153651号公報
本発明の目的は、誘電体皮膜を有する弁作用金属基板上に固体電解質層を設けたコンデンサ素子にリード線(リードフレーム)を設けて形成された固体電解コンデンサであって、コンデンサ素子とリードフレームの接合部分の強度に優れ、封止やリフロー等の加熱を経ても金属部材上のメッキ溶融によるハンダボール発生のない工業的生産が容易で信頼性の高い固体電解コンデンサ及び製造方法の提供にある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、リードフレームをテーピングなど帯状にマスキングすることにより、低融点金属メッキ層を含む領域と低融点金属メッキ層を含まない領域とを設け、加熱溶融による隙間が生じない、耐湿性に優れた、信頼性が高い固体電解コンデンサの工業的生産が容易であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記固体電解コンデンサ及びその製造方法、及びリードフレームにおける低融点メッキ層のパターニングの発明である。
1.絶縁層を挟んで設けられる陽極部と陰極部を有するコンデンサの陽極部を第1の金属部材に接合し、陰極部を第2の金属部材に接合し、各金属部材の一部が露出するように全体を樹脂封止してなるコンデンサにおいて、第1及び/または第2の金属部材は予め定められたパターンに従って低融点金属メッキ層を含む領域と低融点金属メッキ層を含まない領域を有する固体電解コンデンサ。
2.誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合し、樹脂(28)で封止してなることを特徴として含む前記1に記載の固体電解コンデンサ。
3.陽極側リードフレーム(10)表面部分(23)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接を行い、誘電体皮膜による抵抗熱を利用して接合した前記2に記載の固体電解コンデンサ。
4.コンデンサ素子(8)(15)とリードフレーム(10)(11)部分(23)(24)とを接合する際、陽極側リードフレーム(10)部分(23)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接によって接合し、一方、陰極側はコンデンサ素子(8)(15)の絶縁層(3)の陰極側端部(3a)と陰極側リードフレーム先端部(11a)との間に間隔(t)を設けて接合したことを特徴とする前記2に記載の固体電解コンデンサ。
5.誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)接触面を含むリードフレーム(10)(11)部分(23’)または(23’)と(24’)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23’)または(23’)と(24’)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合し、樹脂(28)で封止してなることを特徴として含む前記1に記載の固体電解コンデンサ。
6.陽極側リードフレーム(10)表面部分(23’)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接を行い、誘電体皮膜による抵抗熱を利用して接合した前記5に記載の固体電解コンデンサ。
7.コンデンサ素子(8)(15)とリードフレーム(10)(11)部分(23’)(24’)とを接合する際、陽極側リードフレーム(10)部分(23’)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接によって接合し、一方、陰極側はコンデンサ素子(8)(15)の絶縁層(3)の陰極側端部(3a)と陰極側リードフレーム先端部(11a)との間に間隔(t)を設けて接合したことを特徴とする前記5に記載の固体電解コンデンサ。
8.絶縁層を挟んで設けられる陽極部と陰極部を有するコンデンサの陽極部を第1の金属部材に接合し、陰極部を第2の金属部材に接合し、各金属部材の一部が露出するように全体を樹脂封止してなるコンデンサにおいて、第2の金属部材における陰極部との接合部分が低融点金属メッキ層を含む領域と低融点金属メッキ層を含まない領域とを有し、低融点金属メッキ層を含まない領域が、第2の金属部材が封止樹脂から導出されて露出する位置の近傍における陰極部との接合部分であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
9.前記陰極部の一部を前記第2の金属部材上に重ね、両者が電気的に導通するように接合してなる前記8に記載の固体電解コンデンサ。
10.コンデンサが、表面に多孔質層を有する弁作用金属の表面の少なくとも一部に金属酸化物からなる絶縁層と固体電解質層及び導電ペースト層を順次形成し、弁作用金属露出部を陽極部とし、導電ペースト層を陰極部としたコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサである前記8または9に記載の固体電解コンデンサ。
11.弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブまたはそれらの合金から選ばれる前記1〜10に記載の固体電解コンデンサ。
12.リードフレーム(10)(11)が銅または銅合金(銅系材料)からなり、または表面に銅系材料ないし亜鉛系材料がメッキされた材料からなる前記1〜11に記載の固体電解コンデンサ。
13.低融点金属メッキが弁作用金属よりも融点の低い金属または合金メッキであり、メッキ層の厚さが0.1〜100μmの範囲にある前記1〜12に記載の固体電解コンデンサ。
14.低融点金属メッキがニッケルの下地メッキとスズの表面メッキからなる前記1〜13に記載の固体電解コンデンサ。
15.リードフレーム(10)(11)の接合位置が積層コンデンサ素子の中央部または外周側である前記1〜14に記載の固体電解コンデンサ。
16.誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とする工程、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)を設け、その上に導電体層(5)を積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)を形成する工程、コンデンサ素子(8)(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合する工程、及び樹脂で封止する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
17.誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層した積層コンデンサ素子(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施した、樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなることを特徴として含むリードフレーム(10)(11)。
18.樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなるリードフレーム(10)(11)が、銅または銅合金(銅系材料)、または表面に銅系材料ないし亜鉛系材料がメッキされた材料を含む前期17に記載のリードフレーム(10)(11)。
19.誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とする工程、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)を設け、その上に導電体層(5)を積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)を形成する工程、コンデンサ素子(8)(15)接触面を含むリードフレーム(10)(11)部分(23’)または(23’)と(24’)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23’)または(23’)と(24’)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合する工程、及び樹脂で封止する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
20.誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層した積層コンデンサ素子(15)接触面を含むリードフレーム(10)(11)部分(23’)または(23’)と(24’)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20’)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23’)または(23’)と(24’)にのみ低融点金属メッキを施した、樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなることを特徴として含むリードフレーム(10)(11)。
21.樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなるリードフレーム(10)(11)が、銅または銅合金(銅系材料)、または表面に銅系材料ないし亜鉛系材料がメッキされた材料を含む前記20に記載のリードフレーム(10)(11)。
22.第1及び第2の金属部材を構成するリードフレームを用意し、第2の金属部材に相当する陰極部との接続部分のうち、少なくとも封止樹脂から引き出されるべき位置の近傍に一時的な被覆を行なった後低融点金属メッキを行ない、一時的な被覆を除去し、第1及び第2金属部材それぞれにコンデンサ素子の陽極部と陰極部を載置して接合した後、樹脂で封止する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
23.一時的な被覆が帯状マスキングによるものである前記22に記載のコンデンサの製造方法。
24.コンデンサ素子が、表面に多孔質層を有する弁作用金属の表面の少なくとも一部に金属酸化物からなる絶縁層と固体電解質層及び導電ペースト層を順次形成し、弁作用金属露出部を陽極部とし、導電ペースト層を陰極部としたコンデンサ素子である前記22または23に記載の固体電解固体電解コンデンサの製造方法。
低融点金属メッキを施し、リフローで低融点金属メッキが溶融すると、封止樹脂とリードフレームの界面に隙間が生じ、この隙間は耐湿性が悪化する原因となり得るが、本発明によれば、コンデンサ素子を金属部材に確実に接合するとともに、封止やリフロー等の加熱を経ても金属部材上のメッキ溶融によるハンダボールの発生を抑えることが可能で、樹脂封止部分に加熱溶融による隙間が生ずることなく、耐湿性に優れた、信頼性が高い固体電解コンデンサを得ることができ、その工業的生産も容易である。
また、本発明によれば、コンデンサ素子とリードフレームを抵抗溶接により接合することができ、その後樹脂封止した固体電解コンデンサは耐熱性に優れ、樹脂封止の完全性が高く耐湿性に優れる。
さらに本発明によれば、低融点金属メッキを施したリードフレームを使用することができるので、後メッキ工程を増やす必要がない。抵抗溶接の場合、積層での陽極接合が容易である。
本発明は、絶縁層を挟んで設けられる陽極部と陰極部を有するコンデンサの陽極部を第1の金属部材に接合し、陰極部を第2の金属部材に接合し、各金属部材の一部が露出するように全体を樹脂封止してなるコンデンサであれば限定なく適用できるが、特に、陰極部が第2の金属部材上に載置され、加熱等により接合されるコンデンサに対し好適に適用できる。このようなコンデンサの典型例は、表面に多孔質層を有する弁作用金属の表面の少なくとも一部に金属酸化物からなる絶縁層と固体電解質層及び導電ペースト層を順次形成し、弁作用金属露出部を陽極部とし、導電ペースト層を陰極部としたコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサである。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。本発明では、先ず、誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)を製造する。
図1に示すように、単板コンデンサ素子(8)は、表面に誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)の上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とする。この陽極部(6)と絶縁部を除いた部分の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)が被覆され、さらにその上に導電体層(5)が設けられており、これにより陰極部(7)が形成されている。コンデンサ素子(8)はそのまま陰極・陽極部をそれぞれ金属部材に接合するか、または、素子を積層してなるコンデンサ素子積層体(15)の一方の面において陰極部と陽極部をそれぞれ金属部材に接合する(図2A)か、もしくは、コンデンサ素子積層体(15)の中央部に金属部材(10)を接合し(図6)全体を封止する。
〔コンデンサ素子〕
基体(1)はアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、珪素などの金属単体、あるいはこれらの合金等の酸化皮膜を形成できる弁作用金属から選ばれたものであればよい。基体(1)の形態は圧延箔のエッチング物、微粉焼結体などの多孔質成形体の形態であればいずれでもよい。導体の厚さは、使用目的によって異なるが、例えば、厚みが約40〜300μmの箔が使用される。金属箔の大きさ及び形状も用途により異なるが、平板状素子単位として幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmの矩形のものが好ましく、より好ましくは幅約2〜15mm、長さ約2〜25mmである。
導体は、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板(リボン、箔等を含む。)等が使用できるが、好ましくは平板状、箔状のものである。さらに、この金属多孔体の表面に誘電体酸化皮膜を形成する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、アルミニウム箔を使用する場合には、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、またはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などを含む水溶液中で陽極酸化して酸化皮膜を形成することができる。また、タンタル粉末の焼結体を使用する場合には、リン酸水溶液中で陽極酸化して、焼結体に酸化皮膜を形成することができる。
基体(1)に用いられる上記金属は一般に空気酸化によって表面に誘電体酸化皮膜を有しているが、化成処理を施すことにより確実に誘電体皮膜を形成しておくことが好ましい。
絶縁層(3)は絶縁樹脂、無機質微粉とセルロース系樹脂からなる組成物(特開平11−80596号公報に記載)などを塗布して形成するか、または絶縁テープを張付けて形成してもよい。絶縁性の材料には制限されないが、具体例としては、ポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体など)、低分子量ポリイミド及びそれらの誘導体及びその前駆体、可溶性ポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂からなる組成物(特開平08−253677号公報(関連出願US5643986号明細書)に記載)が挙げられる。特に低分子量ポリイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂及びそれらの前駆体が好ましい。また、絶縁性の材料を所定の幅で陽極基体(1)上に形成できればその方法は問わない。
固体電解質層(4)は、導電性重合体、導電性有機物及び導電性無機酸化物等の何れによって形成してもよい。また複数の材料を順次形成してもよいし、複合材料を形成してもよい。好ましくは、公知の導電性重合体、例えば、ピロール、チオフェン、あるいはアニリン構造のいずれか1つの二価基、またはそれら置換誘導体の少なくとも1つを繰り返し単位として含む導電性重合体を使用できる。例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、前後して別々にまたは一緒に金属箔の酸化皮膜層に塗布して形成する方法(特開平2−15611号公報(US4910645号明細書)、特開平10−32145号公報(関連出願US6229689号明細書)に記載)などが利用できる。
一般に、導電性重合体にはドーパントが使用され、ドーパントとしてはドーピング能がある化合物なら如何なるものでもよく、例えば、有機スルホン酸、無機スルホン酸、有機カルボン酸及びこれらの塩を使用できる。一般的にはアリールスルホン酸塩系ドーパントが使用される。例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸またはそれらの置換誘導体などの塩を用いることができる。また、特に優れたコンデンサ性能を引き出すことができる化合物として、分子内に1つ以上のスルホン酸基とキノン構造を有する化合物、複素環式スルホン酸、アントラセンモノスルホン酸及びこれらの塩を用いてもよい。
導電体層(5)は、一般的にはカーボンペースト(5a)を下地とし、その上に銀ペースト(5b)を塗布して形成されるが、銀ペーストを塗布したのみでもよく、また塗布以外の方法で導電体層を形成してもよい。
コンデンサ素子は、単板コンデンサ素子(8)でも積層コンデンサ素子(15)の場合でも同様の効果が得られる。積層コンデンサ素子(15)は、図2Aに示すように、単板コンデンサ素子(8)の複数枚(図示する例では4枚)を積層し、コンデンサ素子(8)同士の陰極部(7)の間には銀ペーストなどの導電性ペースト(9)によって一体に接合して形成される。
〔陰極側リードフレームの接合構造〕
図2A、図2Bに示すように、本発明の固体電解コンデンサは、好ましくは、電解コンデンサ素子とリードフレームとの接合部分において、コンデンサ素子の絶縁層の陰極側端部と陰極側リードフレーム先端部との間に一定の間隔を設けた接合構造を有する。すなわち、陰極側リードフレームの先端角部(11a)をコンデンサ素子の絶縁部(3)から離し、所定の間隔tを保って陰極部(7)の所定の位置に接合した構造を有する。この陰極側リードフレーム先端角部(11a)の位置(間隔tの長さ)は、この先端角部(11a)が絶縁層の陰極側端部(3a)から陰極部(7)の長さの1/40以上離れており、かつ最大でも素子陰極部(7)の長さの1/2以下の範囲にあれば良い。この間隔tが保たれていれば、陰極側の接合部分において、リードフレーム先端角部(11a)付近での素子の応力集中を軽減でき、また過剰な銀ペーストが絶縁部境界付近から誘電体層近傍に進入することを防ぎ、従って高い歩留りでリフローハンダ付け等による漏れ電流の増大を防止することができる。そして陰極部の抵抗の増加を防ぐためには、リードフレーム先端角部(11a)の位置は、絶縁層陰極側端(3a)から陰極部(7)の長さの1/20以上であって1/3以下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、陰極部(7)の長さの1/10以上であって1/4以下の範囲である。なお陰極部(7)の長さは絶縁層(3)の陰極側端(3a)から導電層(5)が形成されている先端部までの長さである。
このように、リードフレーム上にコンデンサ素子を正確に載置する方法としては、図4A、図4Bに示すように、素子の載置位置を確認できるようにリードフレーム(10)(11)の素子載置側の表面にハーフエッチングやレーザー光によって接合位置を示すマーク(12)を付けると良い。このマークによってコンデンサ素子の位置決めを容易に行うことができる。なお、マークの形状は限定されず、線状でも丸状でも位置が分かるものであれば何れでも良い。
また、本発明の固体電解コンデンサは、好ましくは図2Bに示すように、陰極側リードフレーム先端角部(11a)が板厚方向に面取りされている。つまり先端部の稜角部分を少し平らに削り、あるいは丸味をつけた形状に加工されている。このようにリードフレーム先端角部を加工することにより、この先端角部付近の素子の応力集中を一層緩和することができる。
また、陰極及び陽極のリードフレーム接合部分の抵抗を減少させる方法としては、図4Bに示すように、リードフレームの窓部を設けないことである。リードフレームには図5のように所定位置に予め窓部(13)が設けられているものが知られている。コンデンサ素子とリードフレームとを接合した後、コンデンサ素子の全体をモールド樹脂によって封止するが、窓部(13)はこの外装樹脂に沿ってリードを形成する時に樹脂から突き出しているリードフレーム(10)(11)の曲げ加工を容易にするために設けられており、さらに外装樹脂から導出されるリードの断面外周長さを小さくして該リードと樹脂の界面を通って進入する水の量を減少することによって素子の劣化を防ぐために設けられている。しかし、窓部を設けることによって、この部分の断面積が減少するので抵抗が増加する。窓部を省略すればこの抵抗を低減することができる。例えば、窓部無しとすることによってコンデンサ素子の直列抵抗値を約5%改善できる。リードフレーム表面のメッキ層を工夫し、さらにコンデンサ素子を形成している導電体層に撥水性樹脂を結合材として用いること等によって素子中への水分の進入を防止することでリードフレームの窓部を省略できる。また、窓部を取り除くと、窓部に詰まった余分な外装樹脂をショットブラストによって取り除く必要がなく、製造時間を短縮できる効果もある。
〔陽極側リードフレームの接合構造〕
陽極側リードフレーム(10)をコンデンサ素子の陽極部(6)に接合する場合、陽極側リードフレーム(10)の接合部分に低融点金属メッキを施したものを用いる。このメッキ部分にコンデンサ素子の誘電体皮膜(2)が露出している陽極部(6)を重ね、ここに抵抗溶接を施す。なお、リードフレーム材料として鉄及びニッケルを主体とした鉄ニッケル系合金、亜鉛材料、銅材料、あるいは銅にスズ、ニッケル、鉄などを加えた銅合金などが各種の電子機材において一般に用いられているが、本発明の接合方法はこれら一般のリードフレーム材料によって形成されたものについて広く適用することができる。このうち銅または銅合金等からなる良導電性材料によって形成されたリードフレームに対して特に有用である。
リードフレームの材料は一般的に使用されるものであれば特に制限はない。好ましくは銅系(例えばCu−Ni系、Cu−Sn系、Cu−Fe系、Cu−Ni−Sn系、Cu−Co−P系、Cu−Zn−Mg系、Cu−Sn−Ni−P系合金等)の材料を用い、あるいは表面に銅系材料や亜鉛系材料のメッキ処理を施した材料を用いることにより、リードフレームの形状を工夫して抵抗をさらに減少でき、またリードフレーム先端角部(11a)の面取り作業性が良好になる等の効果が得られる。
低融点金属メッキとしては弁作用金属よりも融点の低い金属ないし合金が用いられる。一般にリードフレームへのメッキ材料は銀が中心であり、この他に金やニッケル、銅、スズ、ハンダ(Sn−Pb合金)などが用いられるが、弁作用金属としてアルミニウム化成箔を用いる場合には、アルミニウム(融解温度933K)よりも融点の低いスズ(融解温度505K)、鉛(融解温度600K)、亜鉛(融解温度693K)、その合金(ハンダ:6Sn−4Pb)、あるいはその他の低融点合金(fusible alloy)や各種ハンダ材料が用いられる。このメッキ層の厚さは陽極部(6)の弁作用金属基体(1)とリードフレーム(10)との接合が十分な接合強度を有するように溶融される厚さであれば良く、概ね0.1〜100μm、好ましくは約1〜50μmの厚さが適当である。また、下地メッキに表面メッキを重ねたものでも良い。
このメッキ金属は環境汚染の原因となる鉛や鉛化合物の含有量が少ないものが好ましく、その好適な例として、ニッケルの下地メッキにスズの表面メッキを施したものが挙げられる。これは鉛を含まず、しかもニッケル下地メッキの上にスズをメッキすることにより、リードフレームへのスズメッキの付着強度が高くなるばかりでなく、溶接の際に単板コンデンサ素子、スズメッキ及びリードフレームの接着強度が高くなる。
陽極側リードフレーム(10)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子の陽極端部(6)を重ねて抵抗溶接を施すことで、陽極端部(6)の誘電体皮膜(2)の固有抵抗によって接合部分が発熱し、リードフレーム(10)のメッキ金属が溶融してリードフレーム(10)と陽極端部(6)とが一体に接合される。またアルミニウム化成箔等を基体に用いた場合には、この誘電体皮膜(2)の抵抗発熱によってアルミニウム化成箔の表面が溶融し、陽極部に積層したアルミニウム化成箔の表面が相互に溶け込んで一体に接合される。
この抵抗溶接による接合方法は、図2Aに示すように、積層コンデンサ素子(15)の側面(外周側)にリードフレームを接合する場合、あるいは、図6に示すように、積層コンデンサ素子(15)の中央部にリードフレーム(10)を接合する場合の何れについても適用することができる。なお、図6に示す接合構造においては、積層される単板コンデンサ素子の数は任意であり、またリードフレームの上側と下側に重ねられるコンデンサ素子の数は異なっていても良い。
抵抗溶接は通常の施工手順に従って行うことができる。溶接条件は弁作用金属の種類や箔の形状(厚さ,寸法等)、積層枚数、リードフレームの材質、低融点金属の種類などに応じて適宜定められる。一例として、ニッケル−スズメッキを施した銅製のリードフレームを用い、これに約100μmのアルミニウム化成箔からなる単板コンデンサ素子を4〜8枚積層して接合する場合、約3〜5kgの加圧力で電極を接合部分に押し当て、図7に示すように、ピーク電流2〜5kA、通電時間1〜10ms、ミドルパルスの印加パターンに従い、約6.5〜11W・sのエネルギーによって溶接すると良い。
本発明のリードフレームの低融点メッキ層のパターンを示す。
メッキパターン1
単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状マスキング、例えばテーピングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合し、樹脂(28)で封止して固体電解コンデンサを製造する。
コンデンサ素子(8)(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームの帯状マスキング(以下テーピングの例で説明する。)は、これにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施すことができるようにテープを付着すればよく、このような低融点金属メッキを施すメッキ法に特に制限はないが、テーピングしたリードフレームを供給して低融点金属メッキ必要部に部分メッキするストライプメッキが好ましい。リードフレームとコンデンサ素子との接合は、抵抗溶接、スポット溶接等による溶接、導電ペースト等による接着等特に制限はないが、陽極部では抵抗溶接が好ましく、陰極部では導電ペーストによる接着が好ましい。
〔部分メッキによる接合〕
図8に示すように、リードフレームの樹脂封止部分(20)において、モールド樹脂(28)が接触するリードフレーム部分(21)(22)にはメッキを設けず、リードフレームがコンデンサ素子(26)に接触する部分(23)(24)、特に陽極部(6)が接触する(23)に低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)とコンデンサ素子(8)(15)とを接合した構造を有する。
このメッキ処理では、コンデンサ素子(8)(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームをテーピングする。テーピングは、これにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施すことができるようにテープを付着すればよい。このような低融点金属メッキを施すメッキ法に特に制限はないが、テーピングしたリードフレームを供給して低融点金属メッキ必要部に部分メッキするストライプメッキが好ましい。
銅系材料のリードフレーム(10)(11)を用いた場合、樹脂封止部分(20)において、例えば、モールド樹脂(28)が接触するリードフレーム表面部分(21)(22)、及びリードフレーム(10)(11)の裏面は銅系材料の基体表面が露出した状態であり、一方、リードフレーム(10)(11)がコンデンサ素子(26)に接触する表面部分(23)(24)、特に陽極部(6)が接触する(23)には低融点金属メッキが施される。この低融点金属メッキの例としては、ニッケル下地メッキにスズメッキを設けたものなどである。なお、図上、(30)(31)の部分は窓部(打抜き部分)であり、先に述べたようにこの部分は設けなくても良い。また、リードフレーム(10)(11)のモールド樹脂(28)から外れる部分(32)はメッキが施されていても良い。従って、樹脂封止部分(20)において、リードフレーム(10)(11)がコンデンサ素子(26)に接触する表面部分(23)(24)、特に陽極部(6)が接触する(23)にはメッキを施し、モールド樹脂(28)と接触する表面部分(21)(22)にはメッキを施さない。必要に応じて、裏面にもストライプメッキを施す。
図12に示すように、樹脂封止部分(20)においては、コンデンサ素子(26)と密着する部分(23)または(23)と(24)のリードフレーム表面にのみ低融点金属メッキが施されている。このメッキ部分に単板コンデンサ素子(8)を重ね、陰極部側は陰極部(7)同士の間、及び陰極部(7)とリードフレーム(11)との間を導電ペースト(9)によって接着し、一方、陽極部側は、各コンデンサ素子(8)の陽極部(6)を互いに密着し、押圧しながら陽極部(6)同士、及び陽極部(6)の下面とリードフレーム表面(23)とをスポット溶接等によって接合し、積層コンデンサ素子(26)を得る。図13及び図14に示すように、この積層コンデンサ素子(26)を樹脂(28)によってモールドした後、リードフレームから樹脂モールドしたコンデンサ素子を切り離し、リード(10)(11)を折り曲げて固体電解コンデンサ(29)を得る。なお、図8では、リードフレームの樹脂封止部分(20)において、モールド樹脂(28)が接触するリードフレーム部分(21)(22)にはメッキを設けず、リードフレームがコンデンサ素子(26)に接触する部分(23)(24)に低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)とコンデンサ素子(8)(15)とを接合した構造であるが、陽極部(6)が接触する(23)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)とコンデンサ素子(8)(15)とを接合した構造であってもよい。
メッキパターン2
金属部材としては、例えば、図10に示すように、左右に連続する構造を有するリードフレームが好ましい。リードフレームは、樹脂で封止されるべき部分(20)を複数個、枠部分(10)(11)(32)によって一体に保持したものであり、樹脂で封止されるべき部分(20)は、コンデンサ素子陽極部との接合部分(21)とコンデンサ素子陰極部との接合部分(24’)とを含む。図3及び図6に示すように、コンデンサ素子の陽極部(6)は接合部分(21)に接合され、陰極部(7)は接合部分(24’)に接合される。本発明の構造は、図10に示すように、低融点金属メッキ層を含まない領域が、コンデンサ素子陰極部との接合部分(24’)が封止樹脂から導出されて露出する位置の近傍における陰極部との接合部分(25)であることを特徴とする。なお、図10では、陽極側には低融点金属メッキ層を含まない領域を設けていないが、本発明の陽極部のメッキ構造は特に限定されず、図9の陽極部と同様に陽極部に低融点メッキ層を含まない部分を設けてもよい(図11参照)。
コンデンサ素子陰極部との接合部分(24’)が封止樹脂から導出されて露出する位置の近傍における陰極部との接合部分(25)とは、樹脂封止後に、陰極・陽極端子となるべく封止樹脂外に残される部分に近い接合部分である。リードフレームには、図10のように所定位置に予め窓部(30)(31)が設けられているものが知られている。コンデンサ素子とリードフレームとを接合した後、コンデンサ素子の全体をモールド樹脂によって封止するが、窓部(30)(31)はこの外装樹脂に沿ってリードを形成する時に樹脂から突き出しているリードフレーム(10)(11)の曲げ加工を容易にするために設けられており、さらに外装樹脂から導出されるリードの断面外周長さを小さくして該リードと樹脂の界面を通って進入する水の量を減少することによって素子の劣化を防ぐために設けられている。本発明では、この窓部(窓部を設けない場合はそれに相当する位置)の近傍であって、コンデンサ素子の陰極部と接合する領域に低融点金属メッキ層を含まない領域を設ける。
ここで、「近傍」とは、コンデンサ素子全体の寸法や形状にもよるが、コンデンサ素子陰極部との接合部分(24)が矩形である場合は、封止樹脂から導出されて露出する位置を基準として、陰極部との接合部全長の約30%以内の領域である。低融点金属メッキ層を含まない領域はこの領域内(図10においてt’で示す範囲)において、任意の形状、寸法で設けてもよいが、図10のように陰極部との接合部が全体として矩形の場合は、例えば、0.5mm以上の幅の帯状領域とする。低融点金属メッキ層を含まない領域は、金属部材が封止樹脂から導出されて露出する位置と接するように設定する。
低融点金属メッキ層を含まない領域をこのように設計することにより、封止やリフロー等の加熱を経てもハンダボールの発生が抑制される。なお、ハンダボールが発生しない理由は、単純に、低融点金属メッキ層が金属部材の導出部近傍に存在しないことによるものではなく(通常、加熱時には内部のメッキ層も溶融するので、導出部近傍のみに低融点メッキ層を設けなくても内部メッキ層が溶融流出してハンダボールとなる)、例えば、低融点金属メッキ層が存在しない領域が凹部(溝)になって、これにコンデンサ素子陰極部の導電ペーストが食い込み、内部からの溶融メッキの流出を食い止めるブロック層を形成していることが考えられる。
コンデンサ素子を接合する金属部材、典型的にはリードフレームの一部のみに他と異なるメッキ構造を形成するが、これは任意の一時的な被覆手段、例えば、テーピングを所望の位置に施すことにより実現できる。すなわち、第1及び第2の金属部材を構成するリードフレームを用意し、第2の金属部材に相当する陰極部との接続部分のうち、少なくとも封止樹脂から引き出されるべき位置の近傍にテーピングを行なった後低融点金属メッキを行ない、テーピングを除去する。このような低融点金属メッキを施すメッキ法に特に制限はないが、テーピングしたリードフレームを供給して低融点金属メッキ必要部に部分めっきするストライプメッキが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。なお、本発明の範囲は下記の例によって限定されない。
実施例1
図1に示す単板コンデンサ素子(8)を以下のようにして作製(製造)した。表面にアルミナ誘電体皮膜を有する厚さ90μm、長さ5mm、幅3mmのアルミニウム(弁作用金属)のエッチング箔を基体(1)として用い、その片側端部の長さ2mm、幅3mmの部分を陽極部(6)とし、残り3mm×3mmの部分を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸し、4Vの電圧下で化成して切り口部に誘電体酸化皮膜層(2)を形成し、誘電体とした。この誘電体表面に、過硫酸アンモニウム20質量%とアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム0.1質量%になるように調製した水溶液を含浸させ、次いで3,4−エチレンジオキシチオフェン5gを溶解した1.2mol/Lのイソプロパノール溶液に浸漬した。この基板を取り出して60℃の環境下で10分放置することで酸化重合を完成させ、水で洗浄した。この重合反応処理及び洗浄工程をそれぞれ10回繰り返し、導電性高分子の固体電解質層(4)を形成した。次いで、これをカーボンペースト槽に浸漬し固化させて導電体層(5a)を形成し、さらに銀ペースト槽に浸漬し固化して導電体層(5b)を形成し、この操作を繰り返し、導電体層(5)の厚みを先端に向かって漸次大きくし、先端がやや太い形状の単板コンデンサ素子(8)を得た。
次に、厚さ0.1mmの銅基材をプレスによって、図8に示すように、リードフレーム形状に打ち抜き、その表面にニッケル下地メッキとその上にスズメッキを施した。ただし、樹脂封止部分(20)においては、モールド樹脂(28)と接触する部分(21)と(22)にはスズメッキを施さず、コンデンサ素子と密着する部分の一部(23)(リードフレームの陽極側であって、陰極寄り端部との間に間隔を有する島状部分)と(24)(リードフレームの陰極側であって、陽極寄り端部との間に間隔を有する島状部分)にのみ上記メッキ処理を施した。
このメッキ処理では、樹脂(28)封止固体電解コンデンサ素子(26)が接触するリードフレーム(10)と(11)の(23)と(24)部分以外のリードフレームをテーピングによりマスクし、ストライプメッキした。
樹脂封止部分(20)の上記メッキ部分に単板コンデンサ素子(8)の3枚を重ね、各陽極部(6)を図上左方に揃えると共に陰極部(7)を右方に揃え、陰極部(7)と陰極部(7)の間、及び陰極部(7)とリードフレーム(11)との間を導電ペースト(9)によって接着することにより単板コンデンサ素子(8)を末広がり状に重ねた積層体とした。この積層体の陽極部(6)を折り曲げながら陽極部同士、及びリードフレーム(10)の片側表面(23)と陽極部(6)の下面をスポット溶接することによって図12に示す積層コンデンサ素子(26)を得た。図12、図13に示すように、この積層コンデンサ素子(26)の全体をエポキシ樹脂(28)でモールド成形した後、成形時の樹脂バリを樹脂ビーズのショットブラスト法によって取り除いてから、リードフレームから樹脂封止したコンデンサ素子を切り離し、図12に示すように所定の形状にリードを折り曲げて50個の固体電解コンデンサ(29)を得た。
実施例2、比較例1、2
実施例1と同じ方法で、コンデンサ素子(8)を作成した。また実施例1と同様に、図9に示すように、リードフレーム形状に厚さ0.1mmの銅基材をプレスによって打ち抜き、その表面にニッケル下地メッキ(厚さ0.1μm)とその上にスズメッキ(厚さ6μm)を施した。ただし、樹脂封止部分(20)においてはモールド樹脂(28)と接触する部分(21’)(25’)にはスズメッキを施さず、コンデンサ素子と密着する面を含む(23’)(陽極側の陰極寄り端部)と(24’)にのみ上記メッキ処理を施した。このメッキ処理では樹脂(28)封止固体電解コンデンサ素子(26)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23’)(24’)以外のリードフレームをテーピングしてストライプメッキした。
本リードフレームを用いて、実施例1と全く同様の方法で固体電解コンデンサを50個得た。
図15(A)及び図15(B)は、テーピングしないで得られたリードフレーム(リファレンスLF)を設けた比較参照固体電解コンデンサ(比較例1)及びテーピングして得られたリードフレーム(ストライプメッキLF)を設けた本発明固体電解コンデンサの漏れ電流LC(μA)、容量CAP(μF)、誘電損失DF(%)、及び等価直列抵抗ESR(mΩ)を経時的に測定した耐湿放置試験結果(60℃、95%RH)を示している。2000時間経過でのテーピングしていない結果では、容量CAP、誘電損失DFが上昇していることから、樹脂内に水分が入り込んでいることを示し、それにより漏れ電流LCが増加しているのに対し、テーピングしたストライプメッキ品での結果では、水分の入り込みが抑えられ、漏れ電流LCの増大も1/10にとどまっており、耐湿性の効果があることを示している。
また、比較例2として、テーピングしないで得られたリードフレーム(リファレンスLF)を用いて実施例1と同様なコンデンサを20個得た。実施例2、比較例2のコンデンサの耐湿試験を行い、1000時間後の漏れ電流LCを測定した。漏れ電流が0.3CV以上を示すコンデンサを不良品として、不良数を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2007052652
実施例3、比較例3
ニオブ粉(約0.1g)をタンタル素子自動成形機(株式会社精研製 TAP−2R)ホッパーに入れ、0.28mmφのニオブ線と共に自動成形し、大きさ4.4mm×3.0mm×1.8mmの成形体を作成した。この成形体を4×10−3Paの減圧下、1250の電圧で、30分間放置することにより焼結体を得た。この焼結体各計60個を用意し、12Vの電圧で、10質量%リン酸水溶液中360分間電解化成して、表面に誘電体酸化皮膜を形成した。次に、誘電体酸化皮膜の上に、過硫酸アンモニウム12質量%水溶液とアントラキノンスルホン酸0.5質量%水溶液の等量混合液を接触させた後、ピロール蒸気を触れさせる操作を12回行うことによりポリピロールからなる対電極(対極)を形成した。脱イオン水中での洗浄30分後、105℃で30分乾燥を行った。この後、1.0質量%リン酸水溶液中にて、8Vで30分間再化成を行った。
脱イオン水中で30分間洗浄後、105℃にて30分乾燥した。カーボンペースト浸漬した後、80℃で30分、さらに150℃で30分乾燥後、次いで銀ペーストに浸漬、80℃で30分、さらに150℃で30分乾燥を行いコンデンサ素子を作製した。実施例1で作製したものと同じストライプメッキリードフレーム(ただし陰極部には曲げ加工有り)及び比較例1のリファレンスリードフレーム(ただし陰極部には曲げ加工有り)上に本素子を載置し、銀ペーストで接合、さらに陽極接合後、素子全体をエポキシ樹脂で封止し、120℃で定格電圧を印加して3時間エージングを行い、各30個合計60個の固体電解コンデンサを作製した。このコンデンサを用いて実施例1と同様に、耐湿放置試験を行った。500時間後の漏れ電流を測定し、実施例2と同様に漏れ電流値が0.3CV以上を不良とみなしその個数を数えた。結果を表2に示す。
Figure 2007052652
実施例4、比較例4
実施例3と同様の方法でコンデンサ素子60個作製し、コンデンサを作製した。ただしリードフレームは実施例2で用いたストライプメッキLF(ただし陰極部曲げ加工有り)とリファレンスLF(ただし陰極部曲げ加工有り)を用い、コンデンサを各30個作製した。実施例3と同様に、耐湿放置試験を行い、500時間後の漏れ電流を測定し、0.3CV以上を不良とみなし、その個数を数えた。結果を表3に示す。
Figure 2007052652
比較例5
実施例1におけるリードフレーム(23)の部位に下地ニッケルメッキ(厚さ0.1μm)のみ行い、低融点メッキを行わないリードフレームを作製した。陽極部に抵抗溶接を試みたが、電極の当たる痕跡は見られるが、アルミニウム化成箔の溶接は困難であった。
実施例5、6、比較例6、7
コンデンサ素子を以下のようにして製造した。
短軸方向3mm×長軸方向10mm、厚さ約100μmのアルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社製、箔種110LJB22B11VF)(以下、化成箔と称する。)上にマスキング材(耐熱性樹脂)による幅1mmのマスキングを周状に形成し、陰極部(7)と陽極部(6)に分け、この化成箔の先端側区画部分である陰極部(7)を、電解液としてアジピン酸アンモニウム水溶液を使用して化成し、水洗した。次いで、陰極部(7)を、3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1mol/lに浸漬後、2分間放置し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム:1.5mol/l)とドーパント(ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム:0.15mol/l)の混合水溶液に浸漬し、45℃、5分間放置することにより酸化重合を行った。この含浸工程及び重合工程を全体で12回繰り返し、ドーパントを含む固体電解質層を化成箔の微細孔内に形成した。このドーパントを含む固体電解質層を形成した化成箔を50℃温水中で水洗し固体電解質層を形成した。固体電解質層の形成後、水洗し、100℃で30分乾燥を行った。その上にカーボンペーストと銀ペーストを被覆して素子(8)を形成した。
これらの素子を以下に述べるリードフレームに4枚ずつ積層して、エポキシ樹脂(HENKEL MG33F-0593)にて封止を行ないサンプルとした。
リードフレームは、試料1を除き、図10に示すように、全米伸銅規格CDA194000の100ミクロン厚銅板に0.5〜1.5μm(片面当たり)のNiメッキを全面(両面)に施した後、所定の位置を除外して5〜7μm(片面当たり)のSnメッキを施した物を使用した。除外した領域(25)は以下の通りである。
試料1(比較例6):コンデンサ素子との接合部分すべて(Cu下地のまま)
試料2(実施例5):陰極側の導出部から1mm(t’)の範囲(帯状)
試料3(実施例6):陰極側の導出部から0.67mm(t’)の範囲(帯状)
試料4(比較例7):除外領域なし(t’=0)
各資料の特性評価は、スクリーニング工程を通した後、フォーミングしない状態で262℃×10秒の条件を課すことで行なった。その結果、試料4では32個の試料中、27個でハンダボールの発生が見られた(目視観察)。一方、試料1〜3では、同じく各32個の試料で、いずれもハンダボールの発生は見られなかった。
電気特性の測定結果を表4に示す。
Figure 2007052652
上記表に示すように、本発明に従って低融点メッキ除外領域を導体導出部近傍に設けた実施例5、6では、ハンダボールの発生は見られず、リフローによっても電気特性の顕著な劣化は見られない。
実施例7、8、比較例8
実施例5に示した方法でコンデンサを作製した。ただし、リードフレームとしては図11に示すように、陽極側のメッキパターンをのみを変更した。リードフレームは樹脂封止部分(20)においてはモールド樹脂(28)と接触する部分(21’)にはスズメッキを施さない点が実施例5と異なる。陰極側のスズメッキ除外した領域は以下の通りである。
試料5(実施例7) :陰極側の導出部から1mmの範囲(帯状)
試料6(実施例8) :陰極側の導出部から0.67mmの範囲(帯状)
試料7(比較例8) :除外領域なし
各試料の特性及びハンダボールの発生については実施例5と同じ方法で評価した。
Figure 2007052652
本発明の固体電解コンデンサは以上の構造を有するので、次のような優れた効果を有する。
(a)樹脂封止部分に加熱溶融による隙間が生ずることなく、耐湿性に優れた、信頼性が高い固体電解コンデンサを得ることができ、その工業的生産も容易である。
(b)コンデンサ素子とリードフレームを抵抗溶接により接合することができ、その後樹脂封止した固体電解コンデンサは耐熱性に優れ、樹脂封止の完全性が高く耐湿性に優れる。
(c)低融点金属メッキを施したリードフレームを使用することができるので、後メッキ工程を増やす必要がない。抵抗溶接の場合、積層での陽極接合が容易である。
(d)樹脂封止部分において、コンデンサ素子が接触する部分に限定して低融点メッキを施すことによってハンダボール等による接合欠陥の発生を防止しているので、リードフレームとコンデンサ素子の接合部分の安定性が良く、信頼性の高い固体電解コンデンサを得ることができる。
(e)抵抗溶接を利用して陽極側リードフレームとコンデンサ素子の弁作用金属箔(板)とを容易かつ強固に接合することができる。従って、積層コンデンサ素子及びその固体電解コンデンサを経済性良く製造することができる。特に、銅または銅化合物のように良導電性材料からなるリードフレームとアルミニウム化成箔等の基体を信頼性良く接合することができるので実用性が高い。また、鉛や鉛化合物等を含まないメッキ材料を用いることができるので環境汚染上の問題がない。
(f)コンデンサ素子をリードフレームに載置接合する場合、素子の絶縁層近傍に陰極側リードフレームの先端角部を接近せず、所定の間隔を保って素子を載置し、また、該先端角部を面取りした場合、歩留り、及び耐熱性の良いコンデンサが得られる。さらに、リードフレームに窓部を設けない場合にはリードフレームの抵抗の増加を抑える格別な効果が得られ、また、ハーフエッチング等によって接合位置のマークを施したリードフレームを用いた場合にはリードフレーム上に載置する素子の位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
本発明において用いる単板コンデンサ素子の構造を示す断面図の一例。 本発明の積層コンデンサ素子の断面図(図2A)、及び陰極側リードフレームの先端角部付近(A)の拡大図(図2B)の一例。 リードフレーム位置が0mm(t=0)のコンデンサ素子の断面図の一例。 本発明のリードフレームの側面図(図4A)、及びその平面図(図4B)の一例。 窓部付きリードフレームの平面図の一例。 本発明の積層コンデンサ素子の断面図の一例。 本発明における抵抗溶接の印加電流のパターンを示すグラフの一例。 本発明の部分メッキの例を示すリードフレームの部分平面図(実施例1)。 本発明の部分メッキの例を示すリードフレームの部分平面図(実施例2)。 本発明の部分メッキの例を示すリードフレームの部分平面図(実施例5)。 本発明の部分メッキの例を示すリードフレームの部分平面図(実施例7)。 本発明の積層コンデンサ素子の断面図の一例。 本発明の樹脂モールドした積層コンデンサ素子の部分平面図の一例。 本発明の積層型固体電解コンデンサの断面図の一例。 比較耐湿放置試験結果(リファレンス)のグラフ(A)及び本発明耐湿放置試験結果(ストライプメッキLF)のグラフ(B)の一例。
符号の説明
1 基体
2 誘電体皮膜層
3 絶縁層
3a 絶縁層の陰極側端部
4 固体電解質層
5 導電体層
5a カーボンペースト
5b 銀ペースト
6 陽極部
7 陰極部
8 コンデンサ素子
9 導電性ペースト
10 リードフレーム
11 リードフレーム
11a リードフレーム先端角部
12 接合位置を示すマーク
13 窓部
15 コンデンサ素子
20 樹脂封止部分
21 モールド樹脂が接触するリードフレーム表面(陽極部)
21’ 低融点メッキ除外部
22 モールド樹脂が接触するリードフレーム表面(陰極部)
23 コンデンサ素子が接触するリードフレーム部分
23’ コンデンサ素子が接触する面を含むリードフレーム部分
24 コンデンサ素子が接触するリードフレーム部分
24’ コンデンサ素子が接触する面を含むリードフレーム部分
25 低融点メッキ除外部
26 コンデンサ素子
28 モールド樹脂
29 積層型固体電解コンデンサ
30 窓部
31 窓部
32 リードフレームの樹脂から外れる部分

Claims (24)

  1. 絶縁層を挟んで設けられる陽極部と陰極部を有するコンデンサの陽極部を第1の金属部材に接合し、陰極部を第2の金属部材に接合し、各金属部材の一部が露出するように全体を樹脂封止してなるコンデンサにおいて、第1及び/または第2の金属部材は予め定められたパターンに従って低融点金属メッキ層を含む領域と低融点金属メッキ層を含まない領域を有する固体電解コンデンサ。
  2. 誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合し、樹脂(28)で封止してなることを特徴として含む請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 陽極側リードフレーム(10)表面部分(23)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接を行い、誘電体皮膜による抵抗熱を利用して接合した請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. コンデンサ素子(8)(15)とリードフレーム(10)(11)部分(23)(24)とを接合する際、陽極側リードフレーム(10)部分(23)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接によって接合し、一方、陰極側はコンデンサ素子(8)(15)の絶縁層(3)の陰極側端部(3a)と陰極側リードフレーム先端部(11a)との間に間隔(t)を設けて接合したことを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)接触面を含むリードフレーム(10)(11)部分(23’)または(23’)と(24’)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23’)または(23’)と(24’)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合し、樹脂(28)で封止してなることを特徴として含む請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  6. 陽極側リードフレーム(10)表面部分(23’)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接を行い、誘電体皮膜による抵抗熱を利用して接合した請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  7. コンデンサ素子(8)(15)とリードフレーム(10)(11)部分(23’)(24’)とを接合する際、陽極側リードフレーム(10)部分(23’)の低融点金属メッキ部分にコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)を重ねて抵抗溶接によって接合し、一方、陰極側はコンデンサ素子(8)(15)の絶縁層(3)の陰極側端部(3a)と陰極側リードフレーム先端部(11a)との間に間隔(t)を設けて接合したことを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 絶縁層を挟んで設けられる陽極部と陰極部を有するコンデンサの陽極部を第1の金属部材に接合し、陰極部を第2の金属部材に接合し、各金属部材の一部が露出するように全体を樹脂封止してなるコンデンサにおいて、第2の金属部材における陰極部との接合部分が低融点金属メッキ層を含む領域と低融点金属メッキ層を含まない領域とを有し、低融点金属メッキ層を含まない領域が、第2の金属部材が封止樹脂から導出されて露出する位置の近傍における陰極部との接合部分であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  9. 前記陰極部の一部を前記第2の金属部材上に重ね、両者が電気的に導通するように接合してなる請求項8に記載の固体電解コンデンサ。
  10. コンデンサが、表面に多孔質層を有する弁作用金属の表面の少なくとも一部に金属酸化物からなる絶縁層と固体電解質層及び導電ペースト層を順次形成し、弁作用金属露出部を陽極部とし、導電ペースト層を陰極部としたコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサである請求項8または9に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブまたはそれらの合金から選ばれる請求項1〜10に記載の固体電解コンデンサ。
  12. リードフレーム(10)(11)が銅または銅合金(銅系材料)からなり、または表面に銅系材料ないし亜鉛系材料がメッキされた材料からなる請求項1〜11に記載の固体電解コンデンサ。
  13. 低融点金属メッキが弁作用金属よりも融点の低い金属または合金メッキであり、メッキ層の厚さが0.1〜100μmの範囲にある請求項1〜12に記載の固体電解コンデンサ。
  14. 低融点金属メッキがニッケルの下地メッキとスズの表面メッキからなる請求項1〜13に記載の固体電解コンデンサ。
  15. リードフレーム(10)(11)の接合位置が積層コンデンサ素子の中央部または外周側である請求項1〜14に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とする工程、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)を設け、その上に導電体層(5)を積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)を形成する工程、コンデンサ素子(8)(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合する工程、及び樹脂で封止する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  17. 誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層した積層コンデンサ素子(15)が接触するリードフレーム(10)(11)部分(23)または(23)と(24)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23)または(23)と(24)にのみ低融点金属メッキを施した、樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなることを特徴として含むリードフレーム(10)(11)。
  18. 樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなるリードフレーム(10)(11)が、銅または銅合金(銅系材料)、または表面に銅系材料ないし亜鉛系材料がメッキされた材料を含む請求項17に記載のリードフレーム(10)(11)。
  19. 誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部(6)に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とする工程、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)を設け、その上に導電体層(5)を積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層したコンデンサ素子(15)を形成する工程、コンデンサ素子(8)(15)接触面を含むリードフレーム(10)(11)部分(23’)または(23’)と(24’)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23’)または(23’)と(24’)にのみ低融点金属メッキを施したリードフレーム(10)(11)をコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合する工程、及び樹脂で封止する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  20. 誘電体皮膜層(2)を有する弁作用金属からなる基体(1)の片側端部を陽極部(6)とし、この陽極部に接して基体(1)上に所定幅の絶縁層(3)を周設して絶縁部とし、この陽極部(6)及び絶縁部を除いた範囲の誘電体皮膜層上に固体電解質層(4)と導電体層(5)を順次積層して陰極部(7)とした単板コンデンサ素子(8)またはこの複数枚を積層した積層コンデンサ素子(15)接触面を含むリードフレーム(10)(11)部分(23’)または(23’)と(24’)以外のリードフレームを帯状にマスキングすることにより、樹脂(28)封止部分(20)において、樹脂(28)が接触するリードフレーム(10)(11)には低融点金属メッキを施さず、前記部分(23’)または(23’)と(24’)にのみ低融点金属メッキを施した、樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなることを特徴として含むリードフレーム(10)(11)。
  21. 樹脂(28)で封止したコンデンサ素子(8)(15)の陽極部(6)と陰極部(7)に接合してなるリードフレーム(10)(11)が、銅または銅合金(銅系材料)、または表面に銅系材料ないし亜鉛系材料がメッキされた材料を含む請求項20に記載のリードフレーム(10)(11)。
  22. 第1及び第2の金属部材を構成するリードフレームを用意し、第2の金属部材に相当する陰極部との接続部分のうち、少なくとも封止樹脂から引き出されるべき位置の近傍に一時的な被覆を行なった後低融点金属メッキを行ない、一時的な被覆を除去し、第1及び第2金属部材それぞれにコンデンサ素子の陽極部と陰極部を載置して接合した後、樹脂で封止する工程を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  23. 一時的な被覆が帯状マスキングによるものである請求項22に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  24. コンデンサ素子が、表面に多孔質層を有する弁作用金属の表面の少なくとも一部に金属酸化物からなる絶縁層と固体電解質層及び導電ペースト層を順次形成し、弁作用金属露出部を陽極部とし、導電ペースト層を陰極部としたコンデンサ素子である請求項22または23に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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