JPWO2007049370A1 - 石油系燃料の供給方法および回路 - Google Patents

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Abstract

石油系燃料の燃費を飛躍的に向上させることのできる燃料供給方法と回路を提供する。石油系燃料、たとえばガソリン、軽油、重油等を用いる燃料の供給方法において、燃焼室側からの余剰のリターン燃料を燃料タンク側へ戻すリターン配管に一又は複数個の流量調整弁を設置する。燃焼運転の期間中、一部又は全部の流量調整弁によりリターン配管を閉鎖又は一定の開度に絞ってリターン配管の背圧を高めた状態で供給配管から燃料を燃料噴射ノズルに供給する。リターン背圧により燃料を高圧にした状態で燃料噴射ノズルに供給するから、加熱され高温となった燃料が燃料噴射ノズルから燃焼室に直接又は気化器を介して燃料室に供給される。リターン配管からリターン燃料を直接供給配管に循環させ、サブタンク内で燃料タンクからの低温の燃料と混合させ、混合燃料を燃料噴射ノズルに供給する。

Description

本発明は、石油系燃料の供給方法および回路に係り、特にディーゼルエンジン等の燃焼室に供給される石油系燃料を、完全燃焼しやすい状態に改質する、石油系燃料の供給方法および回路に関する。
たとえば自動車のガソリンエンジンにおいては、ガソリン燃料の燃焼を改善する方法として、排気ガス中に含まれる有害成分(CO、HC、NOx)を触媒により減少させて排気する方法が一般的に行われている。
また、燃料の燃焼効率を向上させるために、既存の燃料タンクの内部等に、金属やセラミック等からなる触媒材料を設けて、エンジンの燃焼室に供給する燃料を予め改質することも提案されている。しかし、その実用的な効果は確認されていないものが多い。
軽油を燃料とするディーゼルエンジンにおいては、特に不完全燃焼によって生じるカーボンやHCの排気(黒煙)が問題となっている。しかし、燃料の性質上従来の排気ガス触媒浄化装置のみでは十分に対応することができない。特に従来の形式のエンジンについて前記問題を簡単に解消できる経済的でかつ具体的な対策は見出されていない。
本発明者らは、先に、ディーゼルエンジン等の燃料タンクから燃焼室に供給される燃料を予め所定の温度範囲に加熱し少なくとも部分的に気化させた状態で燃焼室に供給する方法を提案した(特許文献1)。この提案によると、例えばディーゼルエンジンの場合には、燃料タンクから燃焼室に供給される軽油を、燃焼室の実質的な全燃焼期間にわたり、30℃〜300℃の範囲に予め加熱した状態で燃焼室に供給する。
WO00/71883A1
しかしながら、上記の提案は、燃焼室に供給する軽油を供給配管で加熱する加熱源を必要とする。
本発明の目的は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の燃焼室に供給される石油系燃料を、特別の加熱源を必要とすることなく、完全燃焼しやすい状態に改質してから燃焼室に供給することのできる燃料の供給方法と回路を提供することである。
本発明の他の目的は、石油系燃料の燃費を飛躍的に向上させ、排気ガス中の有害成分を大幅に減少させることのできる燃料の供給方法および回路を提供することである。
本発明の目的は、燃料タンクからの石油系燃料を供給配管を通して燃料ポンプを介して燃料噴射ノズルへ供給し、燃料噴射ノズルからの余剰のリターン燃料をリターン配管を通して燃料タンクへ戻すようにした石油系燃料の供給方法において、リターン配管の途中に一又は複数個の流量調整弁を設置して、燃焼運転の期間中、一部又は全部の流量調整弁を閉鎖又は一定の開度に絞った状態で、供給配管からの燃料を燃料噴射ノズルに供給することを特徴とする、石油系燃料の供給方法によって達成される。
また、本発明の目的は、燃料タンクから石油系燃料を燃料ポンプを介して燃料噴射ノズルへ供給する供給配管と、燃焼噴射ノズルからの余剰のリターン燃料を燃料タンクへ戻すリターン配管とを備える燃料の供給回路において、リターン配管に一又は複数個の流量調整弁が設置されることを特徴とする、石油系燃料の供給回路によって達成される。
軽油を燃料とするディーゼルエンジンの場合は、燃料噴射ノズルへ供給された軽油燃料が燃焼室内へ直接噴射される。また、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンの場合は、燃料噴射ノズルへ供給されたガソリン燃料が気化器(キャブレター)内へ噴射され、空気と混合されて、燃料室内へ供給される。
燃焼に用いられなかった余剰の燃料は、燃料噴射ノズルからリターン燃料としてリターン配管に流される。このとき、燃焼運転の期間中、リターン配管内に設置した一又は複数個の流量調整弁を一部又は全部閉鎖するか、又は一定の開度に絞ることで、リターン配管内のリターン背圧が高まり、燃料噴射ノズル内の燃料が高圧になる。また、リターン背圧によってリターン燃料の流れが遅くなり、燃料噴射ノズル内の燃料が滞留し、エンジンの燃焼熱を受けて燃料噴射ノズル内の燃料が自然と高温になる。
すなわち、リターン配管に設置した一又は複数個の流量調整弁を一部又は全部閉鎖するか、又は一定の開度に絞ることにより、燃料噴射ノズル内の燃料を例えば100℃近くまで高温、高圧にして、燃料噴射ノズルから非常に小さい粒子(微粒子)として燃焼室又は気化器内に噴射し、短時間に燃焼させることができる。燃焼運転期間中、燃焼室内は約500℃と非常に高温であり、100℃近くまで高温に加熱された燃料が燃料噴射ノズルから噴射されると、燃焼室内で瞬時(1/1000秒〜3/1000秒)にガス化され、より完全燃焼の状態で燃焼が行われる。
なお、ディーゼルエンジンの燃料に使用される軽油は、加熱によって揮発しやすい状態となってガス化しやすくなり、100℃近くまで高温にした状態で燃料噴射ノズルから約500℃の燃焼室内に噴射すると燃焼室内で瞬時にガス化され、周囲の酸素と迅速に結合して燃焼をより完全なものとする。これによって燃焼の際のガス化が不充分なために生じる不完全燃焼、これに伴う黒煙や不完全燃焼の生成物としてC、HC、CO等が著しく軽減され燃費も大幅に向上するものと考えられる。
また、ディーゼルエンジンの場合は、燃料ポンプからの余剰のリターン燃料を副リターン配管を介してリターン配管に合流させるが、合流点よりも下流の流量調整弁を閉鎖するか所定の開度に保つことにより、副リターン配管内の内圧を上昇させ、燃料ポンプ内の燃料の圧力を高め、より高圧、高温の燃料を燃料噴射ノズルに供給することができる。この作用が加わることで、燃料噴射ノズル内の燃料をより一層完全燃焼しやすい状態に改質できる。
リターン配管の途中には流量調整弁を回避させるバイパス路を設けることが望ましい。すなわち、流量調整弁の閉鎖等によりリターン配管の内圧が設定圧を超えた時に逃がし弁を作動させて、リターン燃料をバイパス路に導くようにするのが望ましい。リターン配管が接続される燃料噴射ノズルや燃料ポンプにかかる過大な圧力を逃がし、それらの破損を防ぐことができる。
たとえばコモンレール形式のディーゼルエンジンの場合、燃料ポンプで燃料を相当程度の高圧(例えば約1800気圧)で燃焼室に圧送する。このとき流量調整弁を閉じ過ぎると、副リターン配管を流れるリターン燃料の管内圧力が急上昇し、燃料ポンプに過大な負荷が作用するおそれがある。そこで、上記のバイパス路および逃がし弁を設けることにより、燃料ポンプに過大な負担が作用して燃料ポンプが破損する事態を防ぐことができる。
燃料噴射ノズルからリターン配管に戻されるリターン燃料(ディーゼルエンジンの場合は、断熱圧縮、摩擦熱等で加熱された燃料ポンプからのリターン燃料を含む)は、上記した2つの作用によって高温に加熱されており、高温のリターン燃料を供給配管に直接送ることが望ましい。
かかる観点から、リターン配管の途中と供給配管との間を循環配管で接続することが望ましい。これにより、特別の加熱源を必要とすることなく、高温のリターン燃料を循環配管から供給配管に直接送ることができる。
供給配管の途中にサブタンクを設け、このサブタンクに循環配管の出口を接続して、循環配管からの高温のリターン燃料と燃料タンクからの低温の燃料をサブタンク内で十分混合できる。サブタンク内で十分に混合した燃料を高温の燃料として、燃料噴射ノズルに供給できる。
本発明はガソリン燃料を用いるガソリンエンジンに適用することができる。ガソリンの初留点は約29.0℃であり、50℃では約10%、90℃では約50%が気化する。実験によれば基準温度としての30℃ですでに明らかな改善効果が認められ、一方約90℃に加熱しても実験によってエンジンの安全な燃焼が確認されたので本発明では前記ガソリンの加熱温度範囲を30℃〜90℃とした。但し本発明の方法は前記上限の90℃を超える温度についても適用できる。
ディーゼルエンジンの場合と同様、燃料噴射ノズル内の燃料を高圧、高温にした状態で気化器内に噴射し、空気と十分に混合して燃焼室内に供給し、点火プラグの火花による気化燃料の着火により、より完全燃焼の状態で燃焼させることができる。
灯油もしくは重油を燃料とするボイラ燃焼装置等においては、流量調整弁を閉鎖又は所定の開度に保つことにより、リターン配管の内圧を高め、燃料噴射ノズル内の燃料を高圧、高温にした状態で、燃焼室に供給する。燃焼室の概念にはバーナも含まれる。なお、重油類の場合は、30℃以上に加熱することで、燃料を流動化させることができるが、流動化温度よりもはるかに高い温度を用いるのが望ましい。
本発明によると、リターン配管の途中に一又は複数個の流量調整弁を設置して、燃焼運転の期間中、一部又は全部の流量調整弁を閉鎖又は一定の開度に絞った状態で、供給配管からの燃料を燃料噴射ノズルに供給するから、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の燃焼室に供給される石油系燃料を、特別の加熱源を必要とすることなく、完全燃焼しやすい状態に改質してから燃焼室に供給することができる効果を奏する。
図1は本発明の実施形態を示すもので、本発明をディーゼルエンジン車に適用する際の燃料の供給回路を示す説明図である。 図2は本発明の他の実施形態を示すもので、本発明をディーゼルエンジン車に適用する際の燃料の供給回路を示す説明図である。 図3は図2の供給回路において、複数個の流量調整弁を設置する場合を示す説明図である。 図4は従来一般のディーゼルエンジンの燃料供給回路を示す説明図である。
符号の説明
1 燃料タンク
2 供給配管
3 フィルタ
4 燃料ポンプ
5 燃料噴射ノズル
6 燃焼室
7 リターン配管
8 合流口
9 副リターン配管
10、19、20、21 流量調整弁
11 バイパス路
12 逃がし弁
13 ピストン
14、15 温度計
16 分岐口
17 循環配管
18 サブタンク
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、通常のディーゼルエンジンの燃料供給回路は、例えば自動車の燃料タンク近傍ゾーンに位置する、燃料タンク1から自動車のエンジン近傍ゾーンに引き回された供給配管2によって、自動車のエンジン近傍ゾーンに位置するフィルタ3、燃料ポンプ4を経て、燃焼室6に取り付けられた燃料噴射ノズル5に接続されている。燃料噴射ノズル5からは燃焼に用いられなかった余剰のリターン燃料を自動車の燃料タンク近傍の燃料タンク1側に戻すリターン配管7が延びている。燃料ポンプ4からも燃料噴射ノズル5に供給されなかった余剰のリターン燃料を合流口8からリターン配管7に合流させる副リターン配管9が延びている。
本発明の図示の例では、自動車のエンジン近傍ゾーンにおいて、副リターン配管9よりも燃料タンク1側のリターン配管7に一の流量調整弁10が設置されている。流量調整弁10は、管体内の弁体により管体内を0〜100%の開度に設定することができるもので、管体内を閉鎖する(100%閉じる)又は一定の開度に絞る(例えば50%だけ閉じる)ことで、燃焼室6側のリターン配管7内の内圧を上げ、リターン背圧により燃料噴射ノズル5内の燃料圧力を上げることができる。また、副リターン配管9内の内圧を上げ、リターン背圧により燃料ポンプ4内の燃料圧力(燃料供給圧力)を上げることができる。流量調整弁10の構造としては、ニードル弁、バタフライ弁、グローブ弁などがある。
リターン配管7の、流量調整弁10の上流側(燃料噴射ポンプ5側)から下流側(燃料タンク1側)にかけてバイパス路11が設けられている。バイパス路11の入口は流量調整弁10と副リターン9の合流口8の間のリターン配管に、バイパス路11の出口は流量調整弁10と燃料タンク1の間のリターン配管に、それぞれ接続されている。バイパス路11の途中には逃がし弁12が設けられている。逃がし弁12は、流量調整弁10を一定の開度に絞り操作し、リターン配管7の燃料室6側に設定値を超える圧力が生じたときに自動的に作動して、リターン配管7を流れる燃料を流量調整弁10の手前でバイパス路11に導き、流量調整弁10を回避させ、再びリターン配管7に戻すようになっている。
なお、符号13は燃料室6内を上下動するピストン、符号14は燃料タンク1内の燃料温度を測定する温度計、符号15は燃料噴射ノズル5内の燃料温度を近似的に測定するため燃料噴射ノズル5の出口配管の出口付近に設置された温度計である。
図2は本発明の他の実施形態を示すもので、図1に示す部材と同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
図2に示す燃料の供給回路は、自動車のエンジン近傍ゾーンにおいて、副リターン配管9の合流口8と流量調整弁10との間のリターン配管7の分岐口16に循環配管17の入口が接続されている。この循環配管17の出口は、供給配管2の途中(フィルタ3と燃料ポンプ4の間)に設けられたサブタンク18(サブタンク18は自動車のエンジン近傍ゾーンに位置する)に接続されている。分岐口16の燃料タンク1側に位置する流量調整弁10を閉鎖する又は一定の開度に絞ることで、リターン配管7を流れる高温のリターン燃料の全部又は一部を分岐口16から循環配管17に導き、サブタンク18内で燃料タンク1からの低温の燃料と十分に混合することができる。サブタンク18内で混合された高温の燃料は燃料ポンプ4を介して燃料噴射ノズル5に供給される。
リターン配管7内を流れるリターン燃料の大部分を循環配管17に導き、供給配管2とリターン配管7との間で循環させることにより、常に高温の燃料を燃料噴射ノズル5に供給することができる。また、リターン燃料が消費される分だけ、燃料タンク1からの低温燃料の供給は少なくなり、その結果供給配管2を流れる燃料の流速は低下するので、燃料の配管摩擦抵抗を小さくして、燃料噴射ポンプ5にスムーズに供給することができる。
循環配管17およびサブタンク18をフィルタ3よりも燃料ポンプ4寄りに設置したのは、リターン配管7を流れるリターン燃料は一度フィルタ3を通っているから、再度フィルタ3を通す必要がないからである。また、高温のリターン燃料でフィルタ3が傷む恐れをなくすためである。
図3に示す供給回路は、複数個の流量調整弁をリターン配管7を含む配管系統に設置した例を示す。図3に示すように、リターン配管7の、分岐口16よりも燃料タンク1側に流量調整弁10が設置され、副リターン配管9の合流口8と燃料噴射ノズル5との間に流量調整弁19が設置されている。また、循環配管17の途中に流量調整弁20が設置され、副リターン配管9の途中に流量調整弁21が設置されている。これらの各流量調整弁10、19、20、21は一部又は全部を閉鎖する又は一定の開度に絞るなど、任意に組合せて使用することができる。なお、各流量調整弁10、19、20、21にはそれぞれ図1に示すバイパス路11および逃がし弁12を設ける。
例えば、第1のモードとして、流量調整弁10のみを閉鎖(100%閉じる)して、リターン配管7と供給配管2との間でリターン燃料の全部を循環させることができる。第2のモードとして、流量調整弁10、19を閉鎖して、燃料ポンプ4からのリターン燃料のみを循環させることができる。第3のモードとして、流量調整弁10、20を閉鎖して、燃料噴射ノズル5からのリターン燃料のみを循環させることができる。さらに、第4のモードとして、全ての流量調整弁10、19、20、21を閉鎖して、リターン燃料のリターンを無くし、燃料噴射ノズル5内の燃料圧力、燃料温度を飛躍的に高めることもできる。これらの流量調整弁は、適用するエンジンの形式、諸性能に応じて、開度を適宜に調整する(例えば50%だけ閉じる、10%だけ閉じるなど)ことも可能である。
図1に示す本発明の燃料供給回路を採用した2500ccのディーゼルエンジンを積んだ自動車を一般走行させ、1リットルあたりの走行距離を測定して、燃費を計算した。対照区の燃料温度が30℃、燃費が7km/リットルであったのに対し、図1の流量調整弁10を50%閉じた場合の燃料温度は50℃、燃費は9km/リットルで、燃費の伸び率が対照区を基準として29%であった。また、図1の流量調整弁10を閉鎖(100%閉じる)した場合の燃料温度は67℃、燃費は11km/リットルで、燃費の伸び率は対照区を基準として57%であった。いずれの場合も、従来例(対照区)に比較して大幅に燃費が向上することを確認できた。なお、対照区は同じ2500ccのディーゼルエンジンを積んだ自動車で、図4に示す一般の回路を採用したものである。燃料温度は燃料噴射ノズル内の温度を示す。
図2に示す本発明の燃料供給回路を採用した2500ccのディーゼルエンジンを積んだ自動車を一般走行させ、1リットルあたりの走行距離を測定して、燃費を計算した。対照区の燃料温度が30℃、燃費が7km/リットルであったのに対し、図2の燃料調整弁を50%閉じて、リターン燃料の半分をサブタンク18に送り、燃料タンク1からの燃料との混合燃料を燃料噴射ノズル5に供給した場合の、燃料温度は60℃、燃費は10km/リットルで、燃費の伸び率が対照区を基準として42%であった。また、図2の流量調整弁10を閉鎖(100%閉じる)して、リターン燃料の全部をサブタンク18に送り、燃料タンク1からの燃料との混合燃料を燃料噴射ノズル5に供給した場合の、燃料温度は67℃、燃費は12km/リットルで、燃費の伸び率は対照区を基準として71%であった。いずれの場合も、従来例(対照区)に比較して大幅に燃費が向上することを確認できた。なお、対照区は同じ2500ccのディーゼルエンジンを積んだ自動車で、図4に示す一般の回路を採用したものである。燃料温度は燃料噴射ノズル内の温度を示す。
前記の結果から明らかなように、軽油を燃料とする自動車のエンジン等における燃焼が改善されて燃費が著しく向上した。また本発明では単に既存のエンジンのリターン配管に流量調整弁10、循環配管17、サブタンク18などを取付けるだけでよく何等大幅な改造等を必要としない。
以上、本発明について夫々の好適な実施形態を説明したが、各構成要素の形状や取り付け位置等は図面に記載したものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜な設計変更が可能である。
石油系燃料自体の改質により燃焼効率が改善されてより完全な燃焼が実現可能である。燃焼装置の運転に何等危険や支障を生じることなく燃費が著しく向上する。石油系燃料としてはガソリン、軽油(灯油、ジェット燃料)、重油等に適用可能であり、広い意味での化石燃料であるLPGにも利用される。

Claims (9)

  1. 燃料タンクからの石油系燃料を供給配管を通して燃料ポンプを介して燃料噴射ノズルへ供給し、燃料噴射ノズルからの余剰のリターン燃料をリターン配管を通して燃料タンクへ戻すようにした石油系燃料の供給方法において、リターン配管の途中に一又は複数個の流量調整弁を設置して、燃焼運転の期間中、一部又は全部の流量調整弁を閉鎖又は一定の開度に絞った状態で、供給配管からの燃料を燃料噴射ノズルに供給することを特徴とする、石油系燃料の供給方法。
  2. 燃料噴射ノズルに供給した燃料は燃焼室内へ直接噴射されるか、又は燃焼室内に吸入される気化燃料を生成する気化器内へ噴射されることを特徴とする、請求項1記載の石油系燃料の供給方法。
  3. リターン配管の途中に一又は複数個の流量調整弁を設置するに当り、当該設置箇所の一部又は全部において、流量調整弁を回避させるバイパス路を設け、流量調整弁の絞り操作によりリターン配管の内圧が設定圧を超えた時に逃がし弁を作動させて、リターン燃料をバイパス路に導くことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の供給方法。
  4. リターン配管の途中と供給配管との間を循環配管で接続し、リターン配管を流れるリターン燃料の全部又は一部を循環配管を通して供給配管に直接送ることを特徴とする、請求項1〜請求項3載の供給方法。
  5. 供給配管の途中にサブタンクを設け、このサブタンクに循環配管の出口を接続して、循環配管からの加熱されたリターン燃料と燃料タンクからの燃料をサブタンク内で混合し、サブタンク内の混合燃料を燃焼室へ供給することを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の供給方法。
  6. 燃料タンクから石油系燃料を燃料ポンプを介して燃料噴射ノズルへ供給する供給配管と、燃焼噴射ノズルからの余剰のリターン燃料を燃料タンクへ戻すリターン配管とを備える燃料の供給回路において、リターン配管に一又は複数個の流量調整弁が設置されることを特徴とする、石油系燃料の供給回路。
  7. リターン配管の途中に設置された一又は複数個の流量調整弁の一部又は全部において、流量調整弁を回避させるバイパス路を設け、流量調整弁の絞り操作によりリターン配管の内圧が設定圧を超えた時に逃がし弁が作動して、リターン燃料がバイパス路に導かれることを特徴とする、請求項6記載の供給回路。
  8. 流量調整弁よりも燃料噴射ノズル側のリターン配管に循環配管の入口が接続され、循環配管の出口は供給配管に接続され、リターン配管を流れるリターン燃料の全部又は一部が循環配管を通して供給配管に直接送られることを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の供給回路。
  9. 供給配管の途中にサブタンクが設けられ、サブタンクに循環配管の出口が接続されていることを特徴とする、請求項6〜請求項8記載の供給回路。


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