JPWO2007046481A1 - メモリ制御装置 - Google Patents

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Abstract

メモリ制御回路(111)とSDRAM(120)との間にクロックイネーブル(CKE)制御回路(112)を設け、例えばシステムのスリープ状態において、SDRAM(120)に出力されるCKE信号をCKE制御回路(112)がLowレベルに固定するよう制御する。これにより、SDRAM(120)の低消費電力モードを維持しつつ、メモリ制御回路(111)に供給される電源を停止することができ、リーク電流による電力消費が抑えられる。また、SDRAM(120)の低消費電力モードを維持しつつ、メモリ制御回路(111)をリセットすることも可能になる。

Description

本発明は、低消費電力モードを持つ揮発性半導体メモリの動作を制御するためのメモリ制御装置に関するものである。
バッテリ駆動のモバイル機器では、個々の半導体装置の消費電力が小さいことが求められる。そこで、揮発性半導体メモリの1つとして知られるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)でも、パワーダウン(PDW)モード、セルフリフレッシュ(SRF)モード、ディープパワーダウン(DPD)モード等の低消費電力モードを有するものが開発されている。
従来、プロセッサがスリープ状態へ移行することを検知したときにSDRAMを自動的にSRFモードへ移行させることで、SDRAMのデータは保持しつつ、省電力化を図る技術が知られている(特許文献1、2参照)。
特開2002−140138号公報 特開2002−358231号公報
SDRAMがいずれの低消費電力モードへ移行するにしても、当該低消費電力モードを維持するためには、SDRAMへ供給するクロックイネーブル(CKE)信号をLowレベルに保持しておく必要がある。したがって、従来は、SDRAMが低消費電力モードへ移行した後、当該SDRAMの動作を制御するためのメモリ制御回路への電源供給を停止することにより更に省電力化を達成することは不可能であった。また、SDRAMの低消費電力モードを維持しつつ、メモリ制御回路をリセットすることもできなかった。
本発明の目的は、メモリ制御回路への電源供給を停止したり、メモリ制御回路をリセットしたりしても、揮発性半導体メモリの低消費電力モードを維持できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明では、所定の論理レベルに保持された特定信号を受け取ることで低消費電力モードを維持するように構成された揮発性半導体メモリの動作を制御するためのメモリ制御装置において、揮発性半導体メモリの動作を制御するようにメモリ制御回路から供給される各種信号のうち前記特定信号に相当する信号を揮発性半導体メモリへ伝達する付加回路を設け、この付加回路は、メモリ制御回路から特定の制御信号を受け取った場合には、当該メモリ制御回路の出力の如何にかかわらず、揮発性半導体メモリへの前記特定信号を前記所定の論理レベルに固定する機能を有することとした。
本発明によれば、メモリ制御回路と揮発性半導体メモリとの間に介在した付加回路のはたらきにより、メモリ制御回路への電源供給を停止したり、メモリ制御回路をリセットしたりしても、揮発性半導体メモリの低消費電力モードを維持することができる。
図1は、本発明に係るメモリ制御装置の構成例と、当該メモリ制御装置を備えたデータ処理システムと複数のSDRAMとの接続例とを示すブロック図である。 図2は、図1中のメモリ制御装置の動作例を説明するためのタイミング図である。 図3は、図1中のメモリ制御装置の他の動作例を説明するためのタイミング図である。 図4は、本発明に係るメモリ制御装置の他の構成例と、当該メモリ制御装置を備えたデータ処理システムと単一のSDRAMとの接続例とを示すブロック図である。 図5は、図4中のCKE制御回路の詳細構成例を示す回路図である。 図6は、図4中のメモリ制御装置の動作例を説明するためのタイミング図である。
符号の説明
100,400 データ処理システム
110,410 メモリ制御装置
111,411 メモリ制御回路
112,113,412 CKE制御回路
114,414 メモリ制御バス
120,125,420 SDRAM
130,430 プロセッサ
140,440 リセット制御部
150,450 電源制御部
451 電源制御信号
452 電源制御スイッチ
453 メモリ制御装置の電源ライン
510 命令デコーダ
511 Dフリップフロップ
512 セレクタ
513 インバータ
520 NOR回路
521,522 PチャネルMOSトランジスタ
523,524 NチャネルMOSトランジスタ
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るメモリ制御装置110の構成例と、当該メモリ制御装置110を備えたデータ処理システム100と第1及び第2のSDRAM120,125との接続例とを示している。データ処理システム100と、第1及び第2のSDRAM120,125とは、1つの情報処理機器を構成するものである。第1のSDRAM120は第1のチップセレクト信号(CS0)により、第2のSDRAM125は第2のチップセレクト信号(CS1)によりそれぞれ選択される。以下の説明では、第1のSDRAM120をSDRAM0、第2のSDRAM125をSDRAM1という。なお、CS0及びCS1はいずれも負論理信号である。
図1のデータ処理システム100は、メモリ制御装置110と、プロセッサ130と、リセット制御部140と、電源制御部150とを備える。メモリ制御装置110は、メモリ制御回路111と、第1のCKE制御回路112と、第2のCKE制御回路113とを備える。第1のCKE制御回路112はメモリ制御回路111とSDRAM0との間に介在し、第2のCKE制御回路113はメモリ制御回路111とSDRAM1との間に介在する。CLKは、当該データ処理システム100に与えられるクロック信号である。以下の説明では、第1のCKE制御回路112をCKE制御回路0、第2のCKE制御回路113をCKE制御回路1という。
図1のメモリ制御装置110において、メモリ制御回路111は、SDRAM0及びSDRAM1の動作を制御する機能、具体的にはリード・ライトアクセス、リフレッシュ動作、低消費電力モード等を制御する機能を持つ。CKE制御回路0は、メモリ制御回路111から供給されたCKE信号(CKEA0)とCKE制御信号(CKEC0)とを受け取り、CKEC0の指示に応じて、CKEA0をそのままCKEB0として通過させてSDRAM0へ供給したり、CKEA0の如何にかかわらずSDRAM0へ供給するCKEB0をLowレベルに固定したりする。CKE制御回路1は、メモリ制御回路111から供給されたCKE信号(CKEA1)とCKE制御信号(CKEC1)とを受け取り、CKEC1の指示に応じて、CKEA1をそのままCKEB1として通過させてSDRAM1へ供給したり、CKEA1の如何にかかわらずSDRAM1へ供給するCKEB1をLowレベルに固定したりする。メモリ制御回路111とSDRAM0及びSDRAM1との間のメモリ制御バス114は、ロウアドレスストローブ信号(RAS)、カラムアドレスストローブ信号(CAS)、ライトイネーブル信号(WE)等のその他の制御信号と、クロック信号と、アドレス信号とを伝達するためのバスである。なお、RAS、CAS及びWEはいずれも負論理信号である。
CKE制御回路0は、組み合わせ論理回路と、Dフリップフロップと、セレクタとで構成できる。CKEC0は、好ましくは2本のパルス信号線にて伝達される。1本のパルス信号線はスルーモードを指定するパルス信号を、他の1本のパルス信号線はLowレベル固定モードを指定するパルス信号をそれぞれ伝達する。組み合わせ論理回路は、これらのパルス信号を受けてDフリップフロップをセットしたり、リセットしたりする。セレクタは、Dフリップフロップの出力に応じて、CKEA0をそのままCKEB0として出力したり、Lowレベルに固定された信号をCKEB0として出力したりする。CKE制御回路1及びCKEC1についても同様である。
プロセッサ130は、メモリ制御回路111へ種々のコマンドを与える。リセット制御部140からは、メモリ制御回路111へのリセット信号と、CKE制御回路0及びCKE制御回路1へのリセット信号との2系統のリセット信号が別々に出力される。また、電源制御部150からは、メモリ制御回路111への電源と、CKE制御回路0及びCKE制御回路1への電源との2系統の電源が別々に供給される。ただし、CKE制御回路0へのリセット信号とCKE制御回路1へのリセット信号とを更に別系統にしたり、CKE制御回路0への電源とCKE制御回路1への電源とを更に別系統にしたりすれば、CKE制御回路0及びCKE制御回路1の互いの独立性が増す。なお、メモリ制御回路111は、電源停止状態に入る直前のCKEC0及びCKEC1を、次に変更指示がある時まで保持するようにハードウェアが構成されている。
図2は、図1のデータ処理システム100がノーマル状態からスリープ状態へ移行した後、スリープ状態からノーマル状態へ復帰するタイミング例を示している。ここでは、SDRAM0のみのSRFモードへの移行について説明する。
まず、タイミングAにおいて、データ処理システム100はノーマル状態、メモリ制御回路111はノーマル状態、CKEC0は無制御状態、CKE制御回路0はCKEA0をそのままCKEB0として出力するスルーモード、CKEB0はHighレベル、SDRAM0はノーマル状態をそれぞれ示している。データ処理システム100がスリープ状態へ移行する前段階として、タイミングCで、プロセッサ130がメモリ制御回路111に対して、SDRAM0をSRFモードへ移行させるよう制御を行う。このとき、メモリ制御回路111は、SDRAM0をSRFモードへ移行させるように、CKEA0をLowレベルに変化させる。このCKEA0はCKE制御回路0をそのまま通過して、CKEB0としてSDRAM0へ出力される。タイミングDで、メモリ制御回路111は、CKE制御回路0に対してCKEB0をLowレベルに固定するようCKEC0を出力する。タイミングEで、CKE制御回路0は、CKEB0をLowレベルに固定する。CKE制御回路0がCKEB0をLowレベルに固定している間、メモリ制御回路111が出力するCKEA0が変化した場合でもCKEB0はLowを保持する。タイミングFで、電源制御部150は、CKE制御回路0への電源は供給したまま、メモリ制御回路111に供給する電源を停止させる。同時に、データ処理システム100はスリープ状態に入る。このとき、メモリ制御回路111は電源停止状態、SDRAM0はSRFモードであり、データ処理システム100はSDRAM0に格納されたデータを保持しながら、高い省電力効果を実現している。
データ処理システム100がノーマル状態に復帰する場合、タイミングHで電源制御部150はメモリ制御回路111への電源を供給し、リセット制御部140はメモリ制御回路111へのリセット信号を出力し、メモリ制御回路111はリセット状態になる。タイミングIでリセット制御部140はリセットを解除し、メモリ制御回路111は回路の初期化を開始する。タイミングKでメモリ制御回路111は初期化を完了し、SRF制御を開始すると同時に、CKE制御回路0がスルーモードに移行するようにCKEC0を出力する。タイミングLで、CKEC0を受けてCKE制御回路0がスルーモードに移行し、メモリ制御回路111の出力するCKEA0がそのままCKEB0としてSDRAM0へ出力されるようになる。タイミングMで、メモリ制御回路111はCKEA0及びCKEB0をHighレベルに変化させ、SDRAM0をSRFモードからノーマル状態に復帰させる。
以上のとおり、図1の構成によれば、データ処理システム100がスリープ状態のときに、SDRAM0のSRFモードを維持しつつ、メモリ制御回路111に供給される電源を停止させることができるため、高い省電力効果を実現することができる。
なお、データ処理システム100がスリープ状態へ移行するタイミングや、スリープ状態からノーマル状態へ復帰するタイミングは本実施形態で示したタイミングには限らない。また、データ処理システム100がスリープ状態への移行、スリープ状態からの復帰を行う際に、メモリ制御回路111がSDRAM0をSRFモードへ移行させる契機は、プロセッサ130からのソフト制御に限らず、ハードウェアのシーケンサによる制御でもよい。また、データ処理システム100がスリープ状態のときにSDRAM0はSRFモードには限らず、データを保持する必要がない場合はDPDモードでもよく、又はそれ以外の低消費電力モードであってもよい。
図3は、SDRAM0をSRFモードへ、SDRAM1をDPDモードへそれぞれ移行させ、その後にSDRAM0及びSDRAM1をともにノーマル状態に復帰させる場合のタイミング例を示している。メモリ制御回路111は、SRFモードに関しては移行と復帰の制御が可能で、DPDモードに関しては移行の制御のみが可能である。DPDモードからの復帰に関しては、SDRAM1の初期化時と制御方法が同様であることから、メモリ制御回路111の簡単化のために、リセット設定、解除をすることにより実現するものとする。
以上のような状況で、従来のメモリ制御回路によれば、SDRAM1をDPDモードから復帰させる場合、メモリ制御回路111がリセットされることにより、SDRAM0に対しても初期化制御を行ってしまい、SRFモードのSDRAM0がデータを保持できなくなる。本実施形態によれば、以下に説明するとおり、SDRAM0のデータを保持しながら、SDRAM1をDPDモードから復帰させることが可能である。
図3によれば、タイミングAでは、SDRAM0及びSDRAM1ともにノーマル状態である。タイミングCで、SDRAM0をSRFモードに、SDRAM1をDPDモードにそれぞれ移行させる。このとき、CKEB0及びCKEB1はともにLowレベルに変化させる。詳細には、CS0をLowに、SDRAM0へ供給するRAS、CAS及びWEをそれぞれLow、Low及びHighに、CKEB0をLowにそれぞれ設定することにより、SDRAM0がSRFモードへ移行する。一方、CS1をLowに、SDRAM1へ供給するRAS、CAS及びWEをいずれもHighに、CKEB1をLowにそれぞれ設定することにより、SDRAM1がDPDモードへ移行する。
この状態でSDRAM1をDPDモードからノーマル状態に復帰させる場合、タイミングDで、メモリ制御回路111はCKEC0を用いてLowレベル固定の指示を出す。CKE制御回路0は、タイミングEでCKEB0をLowレベルに固定する。次にタイミングFで、リセット制御部140はメモリ制御回路111に対するリセット信号を出力し、メモリ制御回路111はリセット状態になる。タイミングIで、リセット制御部140はメモリ制御回路111に対するリセットを解除して、メモリ制御回路111はSDRAM0及びSDRAM1に対して初期化動作を行おうとする。このとき、メモリ制御回路111の出力するCKEA0及びCKEA1はともにHighレベルに制御されるが、CKE制御回路0がCKEB0をLowレベルに固定しているため、SDRAM0はSRFモードを維持する。また、CKEB1は、CKE制御回路1がスルーモードであるため、メモリ制御回路111が出力するHighレベルとなり、SDRAM1はDPDモードからの復帰状態になる。タイミングKで、メモリ制御回路111の初期化動作が完了すると、SDRAM1はDPDモードからの復帰が完了し、ノーマル状態になる。同時に、メモリ制御回路111はCKE制御回路0に対して、Lowレベル固定の制御を解除するようにCKEC0を出力する。その後、タイミングLでCKE制御回路0はスルーモードになり、メモリ制御回路111の出力するCKEA0がそのままCKEB0としてSDRAM0へ供給されるようになる。ここまでの状態で、SDRAM0はSRFモード、SDRAM1はノーマル状態となる。
最後に、SDRAM0もノーマル状態に復帰させるため、タイミングMで、メモリ制御回路111がCKEA0及びCKEB0をHighレベルに変更し、SDRAM0はノーマル状態に復帰する。ここまでで、SDRAM0及びSDRAM1がともにノーマル状態になる。
以上のとおり、図1の構成によれば、メモリ制御装置110が複数のSDRAM120,125と接続され、それぞれのSDRAM120,125が低消費電力モードにあるときに、その低消費電力モードを維持したまま、メモリ制御回路111のリセットを設定、解除することができる。
なお、それぞれのSDRAM120,125を低消費電力モードに移行させるタイミングや、低消費電力モードからノーマル状態へ復帰するタイミングは本実施形態で示したタイミングには限らない。また、SDRAM120,125の低消費電力モードは、本実施形態で示したモードに限らない。また、メモリ制御装置110に接続されるSDRAMは2つには限らず、1つ又は3つ以上のSDRAMが接続されていてもよく、それぞれのSDRAMの低消費電力モードは異なっていてもよい。
図4は、本発明に係るメモリ制御装置410の構成例と、当該メモリ制御装置410を備えたデータ処理システム400と単一のSDRAM420との接続例とを示している。データ処理システム400と、SDRAM420とは、1つの情報処理機器を構成するものである。
図4のデータ処理システム400は、メモリ制御装置410と、プロセッサ430と、リセット制御部440と、電源制御部450とを備える。メモリ制御装置410は、メモリ制御回路411と、CKE制御回路412とを備える。CLKは、当該データ処理システム400に与えられるクロック信号である。
図4のメモリ制御装置410において、メモリ制御回路411は、SDRAM420の動作を制御する機能、具体的にはリード・ライトアクセス、リフレッシュ動作、低消費電力モード等を制御する機能を持つ。CKE制御回路412は、メモリ制御回路411から供給されたCKE信号(CKEA)とCKE制御信号(CKEC)とを受け取り、CKECの指示に応じて、CKEAをそのままCKEBとして通過させてSDRAM420へ供給したり、CKEAの如何にかかわらずSDRAM420へ供給するCKEBをLowレベルに固定したりする。414は、メモリ制御回路411とSDRAM420との間のメモリ制御バスである。
プロセッサ430は、メモリ制御回路411へ種々のコマンドを与える。リセット制御部440からは、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412への1系統のリセット信号が出力される。また、電源制御部450から、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412の共通の電源が供給される。なお、メモリ制御回路411は、電源停止状態に入る直前のCKECを、次に変更指示がある時まで保持するようにハードウェアが構成されている。
図5は、図4中のCKE制御回路412の詳細構成例を示している。図5のCKE制御回路412は、命令デコーダ510と、Dフリップフロップ511と、セレクタ512と、インバータ513と、NOR回路520とを備える。命令デコーダ510は、好ましくは2本のパルス信号線にて伝達されるCKECをデコードする前述の組み合わせ論理回路に対応し、Dフリップフロップ511をセットしたり、リセットしたりする。セレクタ512は、Dフリップフロップ511の出力に応じて、CKEAをそのままCKEBとして出力したり、Low(Vss)レベルに固定された信号をCKEBとして出力したりする。インバータ513は、セレクタ512の出力をNOR回路520へその1入力として供給する。
図5において、451は電源制御部450から供給される電源制御信号451であり、452は例えばPチャンネルMOSトランジスタで構成された電源制御スイッチである。この電源制御スイッチ451は、電源Vddとメモリ制御装置410の電源ライン453との間に介在し、電源制御信号451に応じてオン・オフ制御される。電源ライン453は、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412の共通の電源供給ラインである。ここでは、電源制御信号451がLowレベルであれば電源制御スイッチ452がオンして電源ライン453に電源供給がなされ、電源制御信号451がHighレベルであれば電源制御スイッチ452がオフして電源ライン453への電源供給が止まる。
NOR回路520は、第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ521,522と、第1及び第2のNチャネルMOSトランジスタ523,524とで構成される。第1のPチャネルMOSトランジスタ521は、電源ライン453に接続されたソースと、第2のPチャネルMOSトランジスタ522のソースに接続されたドレインと、電源制御信号451に接続されたゲートとを持つ。第2のPチャネルMOSトランジスタ522は、第1のPチャネルMOSトランジスタ521のドレインに接続されたソースと、CKEBの出力線に接続されたドレインと、インバータ513の出力に接続されたゲートとを持つ。第1のNチャネルMOSトランジスタ523は、接地Vssに接続されたソースと、CKEBの出力線に接続されたドレインと、電源制御信号451に接続されたゲートとを持つ。第2のNチャネルMOSトランジスタ524は、Vssに接続されたソースと、CKEBの出力線に接続されたドレインと、インバータ513の出力に接続されたゲートとを持つ。電源制御信号451がLowレベルであって電源ライン453に電源供給がなされている状態では、第1のPチャネルMOSトランジスタ521がオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタ523がオフしている。この状態では第2のPチャネルMOSトランジスタ522と第2のNチャネルMOSトランジスタ524とが1つのインバータとして動作するので、インバータ513の出力を反転した信号がCKEBとなる。一方、電源制御信号451がHighレベルであって電源ライン453への電源供給が止まって状態では、第1のNチャネルMOSトランジスタ523がオンしているので、CKEBがLowレベルに固定される。なお、電源制御信号451がHighレベルである限り、電源ライン453への電源供給が止まっていても、NOR回路520の出力であるCKEBはLowレベルに固定される。
図6は、図4のデータ処理システム400が起動され、ノーマル状態からスリープ状態へ移行した後、スリープ状態からノーマル状態へ復帰するタイミング例を示している。ここでは、SDRAM420がSRFモードへ移行する場合について説明する。
まず、タイミングAにおいて、データ処理システム400及びSDRAM420が起動され、同時にメモリ制御回路411及びCKE制御回路412がリセット状態となる。ここでCKE制御回路412のリセット状態はCKEBをLowレベルに固定するモードであるため、メモリ制御回路411の出力であるCKEAのレベルによらず、CKE制御回路412はCKEBをLowレベルに固定している。タイミングBにおいて、データ処理システム400はノーマル状態となり、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412はリセットが解除されて、メモリ制御回路411は初期化動作を開始し、CKE制御回路412は継続してLowレベル固定モードになる。同時にメモリ制御回路411はCKE制御回路412に対してスルーモードに移行するようにCKECを制御する。タイミングCにおいて、CKE制御回路412はCKECの制御によりスルーモードに移行し、CKEBはHighレベルに変化する。タイミングDでSDRAM420の初期化が完了し、SDRAM420がノーマル状態となる。タイミングEでプロセッサ430がメモリ制御回路411に対してSDRAM420をSRFモードへ移行させるよう制御を行う。このとき、メモリ制御回路411は、SDRAM420をSRFモードへ移行させるようSRFコマンドを発行し、同時にCKEAをLowレベルに変化させる。このとき、LowレベルのCKEAはCKE制御回路412をそのまま通過して、CKEBとしてSDRAM420へ出力される。タイミングFで、メモリ制御回路411は、CKE制御回路412に対して、CKEBをLowレベルに固定するようCKECを出力する。タイミングGで、CKE制御回路412は、CKEBをLowレベルに固定する。CKE制御回路412がCKEBをLowレベルに固定している間、メモリ制御回路411が出力するCKEAが変化した場合でもCKEBはLowレベルを保持する。タイミングHで、電源制御部450は、メモリ制御装置410に供給する電源を停止させ、電源制御信号451をLowレベルからHighレベルに変化させる。これにより、NOR回路520の出力であるCKEBがLowレベルに固定される。同時にデータ処理システム400はスリープ状態に入る。このとき、メモリ制御装置410は電源停止状態、SDRAM420はSFRモードであり、データ処理システム400はSDRAM420に格納されたデータを保持しながら、高い省電力効果を実現している。
データ処理システム400がノーマル状態に復帰する場合、タイミングJで電源制御部450はメモリ制御装置410への電源供給を開始するように電源制御信号451をLowレベルに変化させ、リセット制御部440はメモリ制御装置410へのリセット信号を出力し、メモリ制御回路411はリセット状態になる。このとき、CKE制御回路412はLowレベル固定モードであるため、CKEAのレベルに関係なくCKEBがLowレベルに固定されているため、SDRAM420はSRFモードを維持している。タイミングKでリセット制御部440はリセットを解除し、メモリ制御回路411は回路の初期化を開始する。このとき、メモリ制御回路411は電源オフの前にプロセッサ430からSRFモードへ移行させる制御があったことを検知するので、このタイミングではCKE制御回路412に対してスルーモードへ移行するCKEC出力は行わない。タイミングMで、メモリ制御回路411は初期化を完了し、SRF制御を開始すると同時に、CKE制御回路412がスルーモードへ移行するようにCKECを出力する。タイミングNで、CKECによってCKE制御回路412がスルーモードに移行し、メモリ制御回路411の出力するCKEAがそのままCKEBとしてSDRAM420へ出力されるようになる。タイミングOで、メモリ制御回路411はCKEA及びCKEBをHighレベルに変化させ、SDRAM420をSRFモードからノーマル状態に復帰させる。
以上のとおり、図4及び図5の構成によれば、データ処理システム400がスリープ状態のときに、SDRAM420のSRFモードを維持しつつ、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412の双方に供給されている電源を停止させることができるため、より高い省電力効果を実現することができる。
なお、CKE制御回路412への電源供給が停止されている間に出力CKEBを固定する回路は、NOR回路520に限らず、NAND回路又はそれ以外の論理回路でもよい。
産業上の利用の可能性
以上説明してきたとおり、本発明に係るメモリ制御装置は、メモリ制御回路への電源供給を停止したり、メモリ制御回路をリセットしたりしても、揮発性半導体メモリの低消費電力モードを維持できるので、モバイル機器等のメモリシステムの構築に有用である。
なお、言うまでもなく、本発明はSDRAM以外の揮発性半導体メモリのためのメモリ制御装置にも適用可能である。
本発明は、低消費電力モードを持つ揮発性半導体メモリの動作を制御するためのメモリ制御装置に関するものである。
バッテリ駆動のモバイル機器では、個々の半導体装置の消費電力が小さいことが求められる。そこで、揮発性半導体メモリの1つとして知られるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)でも、パワーダウン(PDW)モード、セルフリフレッシュ(SRF)モード、ディープパワーダウン(DPD)モード等の低消費電力モードを有するものが開発されている。
従来、プロセッサがスリープ状態へ移行することを検知したときにSDRAMを自動的にSRFモードへ移行させることで、SDRAMのデータは保持しつつ、省電力化を図る技術が知られている(特許文献1、2参照)。
特開2002−140138号公報 特開2002−358231号公報
SDRAMがいずれの低消費電力モードへ移行するにしても、当該低消費電力モードを維持するためには、SDRAMへ供給するクロックイネーブル(CKE)信号をLowレベルに保持しておく必要がある。したがって、従来は、SDRAMが低消費電力モードへ移行した後、当該SDRAMの動作を制御するためのメモリ制御回路への電源供給を停止することにより更に省電力化を達成することは不可能であった。また、SDRAMの低消費電力モードを維持しつつ、メモリ制御回路をリセットすることもできなかった。
本発明の目的は、メモリ制御回路への電源供給を停止したり、メモリ制御回路をリセットしたりしても、揮発性半導体メモリの低消費電力モードを維持できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明では、所定の論理レベルに保持された特定信号を受け取ることで低消費電力モードを維持するように構成された揮発性半導体メモリの動作を制御するためのメモリ制御装置において、揮発性半導体メモリの動作を制御するようにメモリ制御回路から供給される各種信号のうち前記特定信号に相当する信号を揮発性半導体メモリへ伝達する付加回路を設け、この付加回路は、メモリ制御回路から特定の制御信号を受け取った場合には、当該メモリ制御回路の出力の如何にかかわらず、揮発性半導体メモリへの前記特定信号を前記所定の論理レベルに固定する機能を有することとした。
本発明によれば、メモリ制御回路と揮発性半導体メモリとの間に介在した付加回路のはたらきにより、メモリ制御回路への電源供給を停止したり、メモリ制御回路をリセットしたりしても、揮発性半導体メモリの低消費電力モードを維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るメモリ制御装置110の構成例と、当該メモリ制御装置110を備えたデータ処理システム100と第1及び第2のSDRAM120,125との接続例とを示している。データ処理システム100と、第1及び第2のSDRAM120,125とは、1つの情報処理機器を構成するものである。第1のSDRAM120は第1のチップセレクト信号(CS0)により、第2のSDRAM125は第2のチップセレクト信号(CS1)によりそれぞれ選択される。以下の説明では、第1のSDRAM120をSDRAM0、第2のSDRAM125をSDRAM1という。なお、CS0及びCS1はいずれも負論理信号である。
図1のデータ処理システム100は、メモリ制御装置110と、プロセッサ130と、リセット制御部140と、電源制御部150とを備える。メモリ制御装置110は、メモリ制御回路111と、第1のCKE制御回路112と、第2のCKE制御回路113とを備える。第1のCKE制御回路112はメモリ制御回路111とSDRAM0との間に介在し、第2のCKE制御回路113はメモリ制御回路111とSDRAM1との間に介在する。CLKは、当該データ処理システム100に与えられるクロック信号である。以下の説明では、第1のCKE制御回路112をCKE制御回路0、第2のCKE制御回路113をCKE制御回路1という。
図1のメモリ制御装置110において、メモリ制御回路111は、SDRAM0及びSDRAM1の動作を制御する機能、具体的にはリード・ライトアクセス、リフレッシュ動作、低消費電力モード等を制御する機能を持つ。CKE制御回路0は、メモリ制御回路111から供給されたCKE信号(CKEA0)とCKE制御信号(CKEC0)とを受け取り、CKEC0の指示に応じて、CKEA0をそのままCKEB0として通過させてSDRAM0へ供給したり、CKEA0の如何にかかわらずSDRAM0へ供給するCKEB0をLowレベルに固定したりする。CKE制御回路1は、メモリ制御回路111から供給されたCKE信号(CKEA1)とCKE制御信号(CKEC1)とを受け取り、CKEC1の指示に応じて、CKEA1をそのままCKEB1として通過させてSDRAM1へ供給したり、CKEA1の如何にかかわらずSDRAM1へ供給するCKEB1をLowレベルに固定したりする。メモリ制御回路111とSDRAM0及びSDRAM1との間のメモリ制御バス114は、ロウアドレスストローブ信号(RAS)、カラムアドレスストローブ信号(CAS)、ライトイネーブル信号(WE)等のその他の制御信号と、クロック信号と、アドレス信号とを伝達するためのバスである。なお、RAS、CAS及びWEはいずれも負論理信号である。
CKE制御回路0は、組み合わせ論理回路と、Dフリップフロップと、セレクタとで構成できる。CKEC0は、好ましくは2本のパルス信号線にて伝達される。1本のパルス信号線はスルーモードを指定するパルス信号を、他の1本のパルス信号線はLowレベル固定モードを指定するパルス信号をそれぞれ伝達する。組み合わせ論理回路は、これらのパルス信号を受けてDフリップフロップをセットしたり、リセットしたりする。セレクタは、Dフリップフロップの出力に応じて、CKEA0をそのままCKEB0として出力したり、Lowレベルに固定された信号をCKEB0として出力したりする。CKE制御回路1及びCKEC1についても同様である。
プロセッサ130は、メモリ制御回路111へ種々のコマンドを与える。リセット制御部140からは、メモリ制御回路111へのリセット信号と、CKE制御回路0及びCKE制御回路1へのリセット信号との2系統のリセット信号が別々に出力される。また、電源制御部150からは、メモリ制御回路111への電源と、CKE制御回路0及びCKE制御回路1への電源との2系統の電源が別々に供給される。ただし、CKE制御回路0へのリセット信号とCKE制御回路1へのリセット信号とを更に別系統にしたり、CKE制御回路0への電源とCKE制御回路1への電源とを更に別系統にしたりすれば、CKE制御回路0及びCKE制御回路1の互いの独立性が増す。なお、メモリ制御回路111は、電源停止状態に入る直前のCKEC0及びCKEC1を、次に変更指示がある時まで保持するようにハードウェアが構成されている。
図2は、図1のデータ処理システム100がノーマル状態からスリープ状態へ移行した後、スリープ状態からノーマル状態へ復帰するタイミング例を示している。ここでは、SDRAM0のみのSRFモードへの移行について説明する。
まず、タイミングAにおいて、データ処理システム100はノーマル状態、メモリ制御回路111はノーマル状態、CKEC0は無制御状態、CKE制御回路0はCKEA0をそのままCKEB0として出力するスルーモード、CKEB0はHighレベル、SDRAM0はノーマル状態をそれぞれ示している。データ処理システム100がスリープ状態へ移行する前段階として、タイミングCで、プロセッサ130がメモリ制御回路111に対して、SDRAM0をSRFモードへ移行させるよう制御を行う。このとき、メモリ制御回路111は、SDRAM0をSRFモードへ移行させるように、CKEA0をLowレベルに変化させる。このCKEA0はCKE制御回路0をそのまま通過して、CKEB0としてSDRAM0へ出力される。タイミングDで、メモリ制御回路111は、CKE制御回路0に対してCKEB0をLowレベルに固定するようCKEC0を出力する。タイミングEで、CKE制御回路0は、CKEB0をLowレベルに固定する。CKE制御回路0がCKEB0をLowレベルに固定している間、メモリ制御回路111が出力するCKEA0が変化した場合でもCKEB0はLowを保持する。タイミングFで、電源制御部150は、CKE制御回路0への電源は供給したまま、メモリ制御回路111に供給する電源を停止させる。同時に、データ処理システム100はスリープ状態に入る。このとき、メモリ制御回路111は電源停止状態、SDRAM0はSRFモードであり、データ処理システム100はSDRAM0に格納されたデータを保持しながら、高い省電力効果を実現している。
データ処理システム100がノーマル状態に復帰する場合、タイミングHで電源制御部150はメモリ制御回路111への電源を供給し、リセット制御部140はメモリ制御回路111へのリセット信号を出力し、メモリ制御回路111はリセット状態になる。タイミングIでリセット制御部140はリセットを解除し、メモリ制御回路111は回路の初期化を開始する。タイミングKでメモリ制御回路111は初期化を完了し、SRF制御を開始すると同時に、CKE制御回路0がスルーモードに移行するようにCKEC0を出力する。タイミングLで、CKEC0を受けてCKE制御回路0がスルーモードに移行し、メモリ制御回路111の出力するCKEA0がそのままCKEB0としてSDRAM0へ出力されるようになる。タイミングMで、メモリ制御回路111はCKEA0及びCKEB0をHighレベルに変化させ、SDRAM0をSRFモードからノーマル状態に復帰させる。
以上のとおり、図1の構成によれば、データ処理システム100がスリープ状態のときに、SDRAM0のSRFモードを維持しつつ、メモリ制御回路111に供給される電源を停止させることができるため、高い省電力効果を実現することができる。
なお、データ処理システム100がスリープ状態へ移行するタイミングや、スリープ状態からノーマル状態へ復帰するタイミングは本実施形態で示したタイミングには限らない。また、データ処理システム100がスリープ状態への移行、スリープ状態からの復帰を行う際に、メモリ制御回路111がSDRAM0をSRFモードへ移行させる契機は、プロセッサ130からのソフト制御に限らず、ハードウェアのシーケンサによる制御でもよい。また、データ処理システム100がスリープ状態のときにSDRAM0はSRFモードには限らず、データを保持する必要がない場合はDPDモードでもよく、又はそれ以外の低消費電力モードであってもよい。
図3は、SDRAM0をSRFモードへ、SDRAM1をDPDモードへそれぞれ移行させ、その後にSDRAM0及びSDRAM1をともにノーマル状態に復帰させる場合のタイミング例を示している。メモリ制御回路111は、SRFモードに関しては移行と復帰の制御が可能で、DPDモードに関しては移行の制御のみが可能である。DPDモードからの復帰に関しては、SDRAM1の初期化時と制御方法が同様であることから、メモリ制御回路111の簡単化のために、リセット設定、解除をすることにより実現するものとする。
以上のような状況で、従来のメモリ制御回路によれば、SDRAM1をDPDモードから復帰させる場合、メモリ制御回路111がリセットされることにより、SDRAM0に対しても初期化制御を行ってしまい、SRFモードのSDRAM0がデータを保持できなくなる。本実施形態によれば、以下に説明するとおり、SDRAM0のデータを保持しながら、SDRAM1をDPDモードから復帰させることが可能である。
図3によれば、タイミングAでは、SDRAM0及びSDRAM1ともにノーマル状態である。タイミングCで、SDRAM0をSRFモードに、SDRAM1をDPDモードにそれぞれ移行させる。このとき、CKEB0及びCKEB1はともにLowレベルに変化させる。詳細には、CS0をLowに、SDRAM0へ供給するRAS、CAS及びWEをそれぞれLow、Low及びHighに、CKEB0をLowにそれぞれ設定することにより、SDRAM0がSRFモードへ移行する。一方、CS1をLowに、SDRAM1へ供給するRAS、CAS及びWEをいずれもHighに、CKEB1をLowにそれぞれ設定することにより、SDRAM1がDPDモードへ移行する。
この状態でSDRAM1をDPDモードからノーマル状態に復帰させる場合、タイミングDで、メモリ制御回路111はCKEC0を用いてLowレベル固定の指示を出す。CKE制御回路0は、タイミングEでCKEB0をLowレベルに固定する。次にタイミングFで、リセット制御部140はメモリ制御回路111に対するリセット信号を出力し、メモリ制御回路111はリセット状態になる。タイミングIで、リセット制御部140はメモリ制御回路111に対するリセットを解除して、メモリ制御回路111はSDRAM0及びSDRAM1に対して初期化動作を行おうとする。このとき、メモリ制御回路111の出力するCKEA0及びCKEA1はともにHighレベルに制御されるが、CKE制御回路0がCKEB0をLowレベルに固定しているため、SDRAM0はSRFモードを維持する。また、CKEB1は、CKE制御回路1がスルーモードであるため、メモリ制御回路111が出力するHighレベルとなり、SDRAM1はDPDモードからの復帰状態になる。タイミングKで、メモリ制御回路111の初期化動作が完了すると、SDRAM1はDPDモードからの復帰が完了し、ノーマル状態になる。同時に、メモリ制御回路111はCKE制御回路0に対して、Lowレベル固定の制御を解除するようにCKEC0を出力する。その後、タイミングLでCKE制御回路0はスルーモードになり、メモリ制御回路111の出力するCKEA0がそのままCKEB0としてSDRAM0へ供給されるようになる。ここまでの状態で、SDRAM0はSRFモード、SDRAM1はノーマル状態となる。
最後に、SDRAM0もノーマル状態に復帰させるため、タイミングMで、メモリ制御回路111がCKEA0及びCKEB0をHighレベルに変更し、SDRAM0はノーマル状態に復帰する。ここまでで、SDRAM0及びSDRAM1がともにノーマル状態になる。
以上のとおり、図1の構成によれば、メモリ制御装置110が複数のSDRAM120,125と接続され、それぞれのSDRAM120,125が低消費電力モードにあるときに、その低消費電力モードを維持したまま、メモリ制御回路111のリセットを設定、解除することができる。
なお、それぞれのSDRAM120,125を低消費電力モードに移行させるタイミングや、低消費電力モードからノーマル状態へ復帰するタイミングは本実施形態で示したタイミングには限らない。また、SDRAM120,125の低消費電力モードは、本実施形態で示したモードに限らない。また、メモリ制御装置110に接続されるSDRAMは2つには限らず、1つ又は3つ以上のSDRAMが接続されていてもよく、それぞれのSDRAMの低消費電力モードは異なっていてもよい。
図4は、本発明に係るメモリ制御装置410の構成例と、当該メモリ制御装置410を備えたデータ処理システム400と単一のSDRAM420との接続例とを示している。データ処理システム400と、SDRAM420とは、1つの情報処理機器を構成するものである。
図4のデータ処理システム400は、メモリ制御装置410と、プロセッサ430と、リセット制御部440と、電源制御部450とを備える。メモリ制御装置410は、メモリ制御回路411と、CKE制御回路412とを備える。CLKは、当該データ処理システム400に与えられるクロック信号である。
図4のメモリ制御装置410において、メモリ制御回路411は、SDRAM420の動作を制御する機能、具体的にはリード・ライトアクセス、リフレッシュ動作、低消費電力モード等を制御する機能を持つ。CKE制御回路412は、メモリ制御回路411から供給されたCKE信号(CKEA)とCKE制御信号(CKEC)とを受け取り、CKECの指示に応じて、CKEAをそのままCKEBとして通過させてSDRAM420へ供給したり、CKEAの如何にかかわらずSDRAM420へ供給するCKEBをLowレベルに固定したりする。414は、メモリ制御回路411とSDRAM420との間のメモリ制御バスである。
プロセッサ430は、メモリ制御回路411へ種々のコマンドを与える。リセット制御部440からは、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412への1系統のリセット信号が出力される。また、電源制御部450から、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412の共通の電源が供給される。なお、メモリ制御回路411は、電源停止状態に入る直前のCKECを、次に変更指示がある時まで保持するようにハードウェアが構成されている。
図5は、図4中のCKE制御回路412の詳細構成例を示している。図5のCKE制御回路412は、命令デコーダ510と、Dフリップフロップ511と、セレクタ512と、インバータ513と、NOR回路520とを備える。命令デコーダ510は、好ましくは2本のパルス信号線にて伝達されるCKECをデコードする前述の組み合わせ論理回路に対応し、Dフリップフロップ511をセットしたり、リセットしたりする。セレクタ512は、Dフリップフロップ511の出力に応じて、CKEAをそのままCKEBとして出力したり、Low(Vss)レベルに固定された信号をCKEBとして出力したりする。インバータ513は、セレクタ512の出力をNOR回路520へその1入力として供給する。
図5において、451は電源制御部450から供給される電源制御信号451であり、452は例えばPチャンネルMOSトランジスタで構成された電源制御スイッチである。この電源制御スイッチ451は、電源Vddとメモリ制御装置410の電源ライン453との間に介在し、電源制御信号451に応じてオン・オフ制御される。電源ライン453は、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412の共通の電源供給ラインである。ここでは、電源制御信号451がLowレベルであれば電源制御スイッチ452がオンして電源ライン453に電源供給がなされ、電源制御信号451がHighレベルであれば電源制御スイッチ452がオフして電源ライン453への電源供給が止まる。
NOR回路520は、第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ521,522と、第1及び第2のNチャネルMOSトランジスタ523,524とで構成される。第1のPチャネルMOSトランジスタ521は、電源ライン453に接続されたソースと、第2のPチャネルMOSトランジスタ522のソースに接続されたドレインと、電源制御信号451に接続されたゲートとを持つ。第2のPチャネルMOSトランジスタ522は、第1のPチャネルMOSトランジスタ521のドレインに接続されたソースと、CKEBの出力線に接続されたドレインと、インバータ513の出力に接続されたゲートとを持つ。第1のNチャネルMOSトランジスタ523は、接地Vssに接続されたソースと、CKEBの出力線に接続されたドレインと、電源制御信号451に接続されたゲートとを持つ。第2のNチャネルMOSトランジスタ524は、Vssに接続されたソースと、CKEBの出力線に接続されたドレインと、インバータ513の出力に接続されたゲートとを持つ。電源制御信号451がLowレベルであって電源ライン453に電源供給がなされている状態では、第1のPチャネルMOSトランジスタ521がオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタ523がオフしている。この状態では第2のPチャネルMOSトランジスタ522と第2のNチャネルMOSトランジスタ524とが1つのインバータとして動作するので、インバータ513の出力を反転した信号がCKEBとなる。一方、電源制御信号451がHighレベルであって電源ライン453への電源供給が止まって状態では、第1のNチャネルMOSトランジスタ523がオンしているので、CKEBがLowレベルに固定される。なお、電源制御信号451がHighレベルである限り、電源ライン453への電源供給が止まっていても、NOR回路520の出力であるCKEBはLowレベルに固定される。
図6は、図4のデータ処理システム400が起動され、ノーマル状態からスリープ状態へ移行した後、スリープ状態からノーマル状態へ復帰するタイミング例を示している。ここでは、SDRAM420がSRFモードへ移行する場合について説明する。
まず、タイミングAにおいて、データ処理システム400及びSDRAM420が起動され、同時にメモリ制御回路411及びCKE制御回路412がリセット状態となる。ここでCKE制御回路412のリセット状態はCKEBをLowレベルに固定するモードであるため、メモリ制御回路411の出力であるCKEAのレベルによらず、CKE制御回路412はCKEBをLowレベルに固定している。タイミングBにおいて、データ処理システム400はノーマル状態となり、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412はリセットが解除されて、メモリ制御回路411は初期化動作を開始し、CKE制御回路412は継続してLowレベル固定モードになる。同時にメモリ制御回路411はCKE制御回路412に対してスルーモードに移行するようにCKECを制御する。タイミングCにおいて、CKE制御回路412はCKECの制御によりスルーモードに移行し、CKEBはHighレベルに変化する。タイミングDでSDRAM420の初期化が完了し、SDRAM420がノーマル状態となる。タイミングEでプロセッサ430がメモリ制御回路411に対してSDRAM420をSRFモードへ移行させるよう制御を行う。このとき、メモリ制御回路411は、SDRAM420をSRFモードへ移行させるようSRFコマンドを発行し、同時にCKEAをLowレベルに変化させる。このとき、LowレベルのCKEAはCKE制御回路412をそのまま通過して、CKEBとしてSDRAM420へ出力される。タイミングFで、メモリ制御回路411は、CKE制御回路412に対して、CKEBをLowレベルに固定するようCKECを出力する。タイミングGで、CKE制御回路412は、CKEBをLowレベルに固定する。CKE制御回路412がCKEBをLowレベルに固定している間、メモリ制御回路411が出力するCKEAが変化した場合でもCKEBはLowレベルを保持する。タイミングHで、電源制御部450は、メモリ制御装置410に供給する電源を停止させ、電源制御信号451をLowレベルからHighレベルに変化させる。これにより、NOR回路520の出力であるCKEBがLowレベルに固定される。同時にデータ処理システム400はスリープ状態に入る。このとき、メモリ制御装置410は電源停止状態、SDRAM420はSFRモードであり、データ処理システム400はSDRAM420に格納されたデータを保持しながら、高い省電力効果を実現している。
データ処理システム400がノーマル状態に復帰する場合、タイミングJで電源制御部450はメモリ制御装置410への電源供給を開始するように電源制御信号451をLowレベルに変化させ、リセット制御部440はメモリ制御装置410へのリセット信号を出力し、メモリ制御回路411はリセット状態になる。このとき、CKE制御回路412はLowレベル固定モードであるため、CKEAのレベルに関係なくCKEBがLowレベルに固定されているため、SDRAM420はSRFモードを維持している。タイミングKでリセット制御部440はリセットを解除し、メモリ制御回路411は回路の初期化を開始する。このとき、メモリ制御回路411は電源オフの前にプロセッサ430からSRFモードへ移行させる制御があったことを検知するので、このタイミングではCKE制御回路412に対してスルーモードへ移行するCKEC出力は行わない。タイミングMで、メモリ制御回路411は初期化を完了し、SRF制御を開始すると同時に、CKE制御回路412がスルーモードへ移行するようにCKECを出力する。タイミングNで、CKECによってCKE制御回路412がスルーモードに移行し、メモリ制御回路411の出力するCKEAがそのままCKEBとしてSDRAM420へ出力されるようになる。タイミングOで、メモリ制御回路411はCKEA及びCKEBをHighレベルに変化させ、SDRAM420をSRFモードからノーマル状態に復帰させる。
以上のとおり、図4及び図5の構成によれば、データ処理システム400がスリープ状態のときに、SDRAM420のSRFモードを維持しつつ、メモリ制御回路411及びCKE制御回路412の双方に供給されている電源を停止させることができるため、より高い省電力効果を実現することができる。
なお、CKE制御回路412への電源供給が停止されている間に出力CKEBを固定する回路は、NOR回路520に限らず、NAND回路又はそれ以外の論理回路でもよい。
以上説明してきたとおり、本発明に係るメモリ制御装置は、メモリ制御回路への電源供給を停止したり、メモリ制御回路をリセットしたりしても、揮発性半導体メモリの低消費電力モードを維持できるので、モバイル機器等のメモリシステムの構築に有用である。
なお、言うまでもなく、本発明はSDRAM以外の揮発性半導体メモリのためのメモリ制御装置にも適用可能である。
本発明に係るメモリ制御装置の構成例と、当該メモリ制御装置を備えたデータ処理システムと複数のSDRAMとの接続例とを示すブロック図である。 図1中のメモリ制御装置の動作例を説明するためのタイミング図である。 図1中のメモリ制御装置の他の動作例を説明するためのタイミング図である。 本発明に係るメモリ制御装置の他の構成例と、当該メモリ制御装置を備えたデータ処理システムと単一のSDRAMとの接続例とを示すブロック図である。 図4中のCKE制御回路の詳細構成例を示す回路図である。 図4中のメモリ制御装置の動作例を説明するためのタイミング図である。
符号の説明
100,400 データ処理システム
110,410 メモリ制御装置
111,411 メモリ制御回路
112,113,412 CKE制御回路
114,414 メモリ制御バス
120,125,420 SDRAM
130,430 プロセッサ
140,440 リセット制御部
150,450 電源制御部
451 電源制御信号
452 電源制御スイッチ
453 メモリ制御装置の電源ライン
510 命令デコーダ
511 Dフリップフロップ
512 セレクタ
513 インバータ
520 NOR回路
521,522 PチャネルMOSトランジスタ
523,524 NチャネルMOSトランジスタ

Claims (9)

  1. 所定の論理レベルに保持された特定信号を受け取ることで低消費電力モードを維持するように構成された揮発性半導体メモリの動作を制御するためのメモリ制御装置であって、
    前記揮発性半導体メモリの動作を制御する各種信号を供給するメモリ制御回路と、
    前記各種信号のうち前記特定信号に相当する信号を前記揮発性半導体メモリへ伝達する付加回路とを備え、
    前記付加回路は、前記メモリ制御回路から特定の制御信号を受け取った場合には、前記メモリ制御回路の出力の如何にかかわらず、前記揮発性半導体メモリへの前記特定信号を前記所定の論理レベルに固定する機能を有することを特徴とするメモリ制御装置。
  2. 請求項1記載のメモリ制御装置において、
    前記メモリ制御回路に供給される電源系統と、前記付加回路に供給される電源系統とが互いに異なることを特徴とするメモリ制御装置。
  3. 請求項1記載のメモリ制御装置において、
    前記メモリ制御回路に供給されるリセット系統と、前記付加回路に供給されるリセット系統とが互いに異なることを特徴とするメモリ制御装置。
  4. 請求項1記載のメモリ制御装置において、
    複数の揮発性半導体メモリの各々への接続に対応して前記付加回路を複数備えたことを特徴とするメモリ制御装置。
  5. 請求項4記載のメモリ制御装置において、
    前記メモリ制御回路に供給される電源系統と、前記複数の付加回路に供給される電源系統とが互いに異なることを特徴とするメモリ制御装置。
  6. 請求項4記載のメモリ制御装置において、
    前記メモリ制御回路に供給されるリセット系統と、前記複数の付加回路に供給されるリセット系統とが互いに異なることを特徴とするメモリ制御装置。
  7. 請求項6記載のメモリ制御装置において、
    前記複数の揮発性半導体メモリのうち少なくとも1つがディープパワーダウンモードに制御されていて前記ディープパワーダウンモードに制御されている揮発性半導体メモリをメモリアクセス可能な状態に移行させるときに、
    前記複数の揮発性半導体メモリのうち前記ディープパワーダウンモードに制御されている揮発性半導体メモリ以外の揮発性半導体メモリをセルフリフレッシュモードに移行させ、
    前記セルフリフレッシュモードに制御された揮発性半導体メモリと接続される前記付加回路に対して前記特定信号の論理レベルを固定するように前記メモリ制御回路が制御し、
    前記メモリ制御回路をリセット状態にした後にリセット解除することで、前記ディープパワーダウンモードに制御された前記揮発性半導体メモリをメモリアクセス可能な状態に移行させ、
    前記付加回路に対して前記特定信号の論理レベルの固定を解除するように前記メモリ制御回路から制御することで、
    前記ディープパワーダウンモードに制御されている揮発性半導体メモリ以外の揮発性半導体メモリに格納されたデータを保持しながら前記ディープパワーダウンモードに制御されている揮発性半導体メモリをメモリアクセス可能な状態に移行させることを特徴とするメモリ制御装置。
  8. 請求項1記載のメモリ制御装置において、
    前記揮発性半導体メモリが前記低消費電力モードに制御されているときに、前記付加回路の出力である前記特定信号が前記所定の論理レベルに固定されるように、前記メモリ制御回路及び前記付加回路の電源供給を止めることを特徴とするメモリ制御装置。
  9. 所定の論理レベルに保持された特定信号を受け取ることで低消費電力モードを維持するように構成された揮発性半導体メモリと、
    前記揮発性半導体メモリの動作を制御する各種信号を供給するメモリ制御回路と、
    前記各種信号のうち前記特定信号に相当する信号を前記揮発性半導体メモリへ伝達する付加回路とを備えた情報処理機器であって、
    前記付加回路は、前記メモリ制御回路から特定の制御信号を受け取った場合には、前記メモリ制御回路の出力の如何にかかわらず、前記揮発性半導体メモリへの前記特定信号を前記所定の論理レベルに固定する機能を有することを特徴とする情報処理機器。
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