JPWO2007017935A1 - 遊星歯車装置 - Google Patents

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Abstract

従来装置の問題点を解決することができる、新規な遊星歯車機構を備えた遊星歯車装置を提供する。遊星歯車は歯数の異なる少なくとも2つの第1及び第2の歯車B,Eを同軸かつ一体に有する。二つの基本軸が与えられた一方の太陽外歯車又は太陽内歯車は、遊星歯車の第1及び第2の歯車B,Eにそれぞれ噛み合いかつ相対回転可能な少なくとも2つの第3及び第4の歯車C,Fを有する。第1の歯車Bと第3の歯車Cとの歯数比が第2の歯車Eと第4の歯車Fとの歯数比と異なる。一つの基本軸を与えられた他方の太陽外歯車又は太陽内歯車は、遊星歯車の第1及び第2の歯車B,Eにそれぞれ噛み合う少なくとも2つの第5及び第6の歯車A,Dを同軸かつ一体に有する。第1の歯車Bと第5の歯車Aとの歯数比が第2の歯車Eと第6の歯車Dとの歯数比と等しい。

Description

本発明は遊星歯車装置に関し、詳しくは、遊星歯車機構の3つの基本軸(駆動軸、入力軸、固定軸)の全てが、装置の中心軸と同じ回転軸心を持つK要素である、3K型遊星歯車機構を備える遊星歯車装置に関する。
機械要素は、言うまでもなく文明を支え、産業の根幹を成し、その一つである歯車機構の根本的な動作原理は、ギリシャ、ローマ時代にほぼ、その発明を終え、現在に至っていると言っても過言ではない。したがって、ここ100年に於いて、特筆すべき発明はハーモニックギア、と不思議遊星歯車程度である。また、長い歴史を持つ歯車機構において、高効率、高減速比は、永遠の夢といって過言ではない。簡素な構造で、高減速比を有し、且つ、大きなトルク伝達が可能で、高効率の歯車機構は長年追求され、その実現に多くの研究者が従事してきた。
近年、ハーモニックギアの発明によって、ある程度の高減速比、高効率の機構が実現できるようになり、現在では多くの機械分野で独占的な地位を固めている。しかしながら、ハーモニックギアは、歯の噛み合いが少なく、大きなトルク伝達には不向きである。よって、歯の噛み合いが多く、特殊な歯車が不要で、小型化が容易な従来型の遊星歯車機構である不思議遊星歯車に期待するところが大きい。
不思議歯車機構(Furgason Mechanical Paradox機構)とは、一つの軸に取り付けられた互いに歯数の異なる2個の歯車が他の共通な歯車に噛合う機構であって、古くから、ラジオの可変コンデンサ用ダイヤル機構やプロペラ可変ピッチ機構などに使用されてきた。そして、遊星歯車に、不思議歯車機構を用いたものが、不思議遊星歯車装置であって、両角宗治氏によって研究された。不思議遊星歯車は、簡易な構造で極めて大きな減速比を実現でき、歯車の噛合いが多く大きなトルクを伝達できるという点で、ハーモニックギアより優位性がある。
そして、最近では、プリンタ等で使用される極めて小型の歯車として不思議遊星歯車を実用化した例があり、ますます注目の集まるところであるが、基本的に一つの歯車で噛合う機構であるので、歯の強度が弱く伝達可能なトルクが小さく、未だ効率の悪さが指摘され、また、ロック状態が発生するなど、歯車機構としての完成度は低いと言わざるを得ない。
特開2000−274495号公報 特開2004−19900号公報 特開2003−194158号公報 特開2001−317598号公報 両角宗晴、「遊星歯車と差動歯車の設計計算法」、日刊工業新聞社、1989年5月 中田孝、「転位歯車」、日本機械学会、1996年6月
従来技術の大減速が可能な機構は、たとえば、ハーモニックギア、不思議遊星歯車にしても、機構としては不完全であり、大きな減速比で、効率よく高トルク伝達を行うには、有利な機構であるといえない。したがって、その問題点を解決するためには、歯形や歯数などの仕様の変更では、問題点を根源的に解決することができない。
(3K型の従来技術)
遊星歯車装置の種類は非常に多いが、最近はクドリヤフツエフ氏の分類法が一般に受け入れられている。遊星歯車機構は、駆動軸(入力軸)、従動軸(出力軸)、固定軸(拘束軸)の3本の基本軸からなり、これら基本軸は同軸上に配置される。今、基本軸となる太陽歯車(太陽外歯車、太陽内歯車を含む)の軸をK、キャリア軸をH、遊星歯車軸をVで表わすと、遊星歯車機構は、2K−H型、3K型、K−H−V型および2個以上の2K−H型の連結による複合遊星歯車機構に分類される。不思議遊星歯車としては、3K型と2K−H型が知られているが、特許文献1〜4は、いずれの3K型の不思議遊星歯車に関するものである。
また、不思議遊星歯車を含む遊星歯車機構について、例えば非特許文献1には、速比、効率、軸トルクが、網羅的に解析されている。したがって、従来技術は、3K型不思議遊星歯車とそれに類似する通常の3K型遊星歯車とは、理論的にも広く知られている技術であり、その技術は確立されている。
本件は、3K型遊星歯車遊星歯車機構に於いて、従来技術とは異なる歯車機構である。よって、従来技術との違いを明確にし、本件の技術的優位性を説明にするためするため、従来型の歯車機構につき詳述する。
(3K型遊星歯車機構の分類)
3K型には、二つの機構がある。固定軸、従動軸、駆動軸の3つの軸に対し、二つの太陽内歯車(ring gear)と一つの太陽外歯車(sun gear)を割り当てた機構(I型と称する)と、二つの太陽外歯車と一つの太陽内歯車をもつ機構(II型と称する)である。一般的には、I型では、太陽内歯車の内、一つを固定軸、もう一つを従動軸とし、太陽外歯車を駆動軸とする。II型では、太陽外歯車の内、一つを固定軸、もう一つを従動軸とし、太陽内歯車を駆動軸とする。いずれも大減速を得ようとする機構である。
また遊星歯車機構では当然であるが、固定軸が固定(拘束)されず、駆動軸が固定軸に対し、反力を得ることができない場合は、固定軸と従動軸は相対的な回転変位を行うことができず、剛体となる。言い換えると、駆動軸の固定軸からの反力によって従動軸を駆動し、従動軸に固定軸に対して減速された相対回転を出力させる。
本発明は、I、II型の両方に関するものであり、I型の従来技術とII型の従来技術を示し、本発明の新しい機構に付き、従来技術と比較しその優位性を詳述する。
(3K型遊星歯車機構の詳細分類の定義)
次に、3K型遊星歯車に於いて、代表的な従来技術である不思議遊星歯車と不思議遊星歯車でない従来型の遊星歯車と本件で示す新しい遊星歯車機構について述べる。したがって、それら3つの機構につき、前記I、II型に付き、便宜上、I型に付いては、「3K−I型不思議遊星歯車」、「3K−I型普通遊星歯車機構」、「本件新型3K−I型遊星歯車機構」と称する。また、II型に付いては、「3K−II型不思議遊星歯車」、「3K−II型普通遊星歯車機構」、「本件新型3K−II型遊星歯車機構」と称する。
<3K型−I型不思議遊星歯車機構>
図1に従来技術である3K−I型に属する3K不思議遊星歯車のスケルトン図を示す。符号Aは太陽外歯車、符号Bは遊星歯車、符号C、Dは太陽内歯車をそれぞれ示す。
不思議歯車機構とは、一つの軸に取り付けられた互いに歯数の異なる2個の歯車が他の共通な歯車に噛合う機構である。したがって、不思議遊星歯車機構は、一つの歯車である遊星歯車(planet gear)に噛合う互いに歯数の異なる2個の歯車を太陽外歯車(sun gear)、もしくは、太陽内歯車(ring gear)に設ける機構である。
したがって、太陽外歯車、もしくは、太陽内歯車には、互いに歯数が異なりながら、他軸の同一の歯車に噛合う為には、必ず極端な転位が施されなければ、成立しない。
すなわち、同一軸間距離で一つの軸の歯車の歯数を固定し、他軸に歯数が異なる噛合わせは、通常使用する範囲で歯車を成立させるには、歯車としての正常な姿から逸脱せざるを得ない。軸間距離が決まり、一方の歯数とモジュールが決まれば、他方はモジュールが等しく、他方の歯数比は、軸間距離を内分する歯数で決定される。したがって、他方が二つの異なる歯数を持つためには、転位を行い噛合いピッチ円を変更せざるを得ない。したがって、過度の転位によって、滑り率が大きく効率が悪く、最悪の場合、回転伝達が正常に行われないロック状態になるという欠点がある。
3K型−I型の場合、二つの太陽内歯車C,Dと一つの太陽外歯車Aに、駆動軸、従動軸、固定軸の3本の基本軸を割り当てる。以下では、最も一般的である場合、すなわち、太陽外歯車Aを駆動軸にとり、太陽内歯車Cを従動軸、太陽内歯車Dを固定軸に設定する場合について、非特許文献1(p.124〜p.128)を例にとり、説明する。
本例は、歯車A、B、C、Dの歯数をそれぞれ、Za=24、Zb=25、Zc=72、Zd=75ととり、太陽外歯車Aを駆動軸とし、太陽内歯車Dを固定軸、太陽内歯車Cを従動軸とした例である。そして、遊星歯車の配置個数(以下、「遊星配置個数」ともいう。)は3であり、非特許文献1中にあるように、速比u=1/100であり、減速比は100となり、極めて大減速比である。
各遊星歯車が同じ位相で、太陽外歯車、太陽内歯車に噛合う条件は、遊星歯車の配置個数(本例では3)が、太陽外歯車の歯数と太陽内歯車の歯数の公約数となることである。よって、本例では、太陽外歯車Aと二つの太陽内歯車C,Dの歯数、Za、Zc、Zdは、3を約数として持ち、各遊星歯車Bは全く同じ位相関係で太陽外歯車A、太陽内歯車C,Dと噛合あう。
非特許文献1中に「不思議遊星歯車を用いた3K型遊星歯車装置を設計するためには各歯車のかみあい中心距離が等しくなるように転位歯車理論を用いて計算しなければならず、しかも全負荷を数個の遊星歯車に等しく配分するために、それら組み立て条件を満足しなければならない」とあるように、不思議遊星歯車は、同一遊星歯車に、異なる歯数を持つ二つの太陽内歯車を噛合わせる。したがって、二つの太陽内歯車の歯数差が大きくなるほど、同一噛合い中心距離で噛合わせる歯車の転位係数差は大きくなり、且つ、二つの太陽内歯車の歯数差が大きくなるほど、出力される減速比は、100より小さい値になっていき、不思議遊星歯車の優位性を失っていく。
同一遊星歯車に異なる歯数を持つ太陽内歯車をかみ合わせる遊星歯車機構である制約により、二つの太陽内歯車の歯数差と遊星歯車の配置個数とは等しく、且つ、同一遊星歯車に異なる歯数で噛合う二つの太陽内歯車の転位係数差は、遊星歯車の配置個数、即ち二つの太陽内歯車の歯数差に対応して増加していく。よって、遊星歯車の配置個数は少なくなければ、転位係数によって、歯車が成り立たない。
歯車A、B、C、Dの転位係数を、それぞれ、Xa、Xb、Xc、Xdとすると、本例ではXa=0.0191、Xb=0.1671、Xc=0、Xd=1.705である。即ち、内歯歯車Cは、歯車として成立できる限界近くの転位係数を有している。
3K型−I型不思議遊星歯車問題点は、次の通りである。
(1)遊星配置個数と従動軸、固定軸となる歯車の歯数差とが等しいという制約があり、結果的に遊星配置個数が少ない。したがって、伝達トルクは小さい。
(2)歯数差と遊星配置個数が同じに於いては、各遊星歯車は全く同じ位相関係で太陽外歯車、太陽内歯車と噛合あう。したがって、各遊星の位相の重なり合いがなく、その為、スムーズな回転伝達ができない。
(3)遊星配置個数と従動軸、固定軸となる歯車の歯数差とが等しいという制約がある以上、必然的に大きな転位係数が必要となり、その為、滑り係数が多く、効率の良い歯車機構を実現できない。特に、トルクの小さい領域では、損失が占める割合が大きく効率が低下する。
(4)二つの太陽内歯車は、遊星配置個数に等しい歯数差であり、その歯数差に対応した二つの太陽内歯車の速比の差が生じる。したがって、不思議遊星は、速比の差を小さくして、減速比を大きくするには限度がある。
(5)速比差が大きいと、遊星歯車は噛合い位置の離れた部位で、異なる力を太陽内歯車から受けることになり、速比差に比例した太陽外歯車の周方向に倒れようとする力が発生し、遊星歯車と太陽内歯車の両端部に偏った応力が発生し、端部に偏磨耗が生じる。したがって、耐久性の悪い歯車機構である。言い換えれば、速比差が小さく減速比が大きい歯車は、耐久性が良いが、遊星配置個数と従動軸、固定軸となる歯車の歯数差とが等しいという制約があり、その制約の範囲内しか実現できない。
<3K型−I型普通遊星歯車機構>
図2に、従来技術である3K−I型普通遊星歯車機構のスケルトン図を示す。
3K−I型普通遊星歯車機構は、一組の太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cによる通常の遊星歯車機構に加え、遊星歯車Bと軸を共有するもう一つの遊星歯車Dと、この遊星歯車Dに噛み合う太陽内歯車Eとを備える。最も一般的であるのは、太陽外歯車Aを駆動軸にとり、太陽内歯車Eを従動軸、太陽内歯車Cを固定軸に設定する場合であり、以下、この場合について説明する。
歯車A,B,C,D,Eの歯数を、それぞれ、Za,Zb,Zc,Zd,Zeとすると、速比uは、
Figure 2007017935
となる。
例えば、Za=24、Zb=12、Zc=48、Zd=11、Ze=47とすると、速比u=1/47、減速比はその逆数の47となる。この場合の遊星配置個数は、3である。
すなわち、遊星可能配置個数は、太陽外歯車(歯車A)の歯数(24)と太陽内歯車(歯車C)の歯数(48)との和(72)の約数であり、遊星配置個数は3を選択した。遊星歯車Bと軸を共有してもう一つの遊星歯車Dの歯数(Zd)を11とすると、遊星歯車Dに噛合う太陽内歯車Eの歯数(Ze)は、"Zd・Zc/Zb±遊星配置個数"となるので、"Zd・Zc/Zb+遊星配置個数"の51を選択した。即ち、歯数(Ze)は、遊星歯車の歯数がZbからZdに変化したときに対応する太陽内歯車の歯数(Zd・Zc/Zb)に対して、遊星配置個数分異なる歯数を有する。即ち、広義の意味で遊星配置個数が歯数の差となっている。言い換えれば、不思議遊星歯車は、Zd=Zbの時の解である。
3K−I型普通遊星歯車機構は、3K−I型不思議遊星歯車と同様に大きな減速比を得ることのできる機構であり、同様の働きをする。しかしながら、太陽内歯車の歯数は遊星配置個数の差の影響を受け、その為、太陽内歯車は、3K−I型不思議遊星歯車と同様に、太陽内歯車は大きな転位を持たざるを得ない。
3K−I型普通遊星歯車機構の問題点を列挙すると、以下のようになる。
(1)歯数差と遊星配置個数との関係より、結果的に遊星配置個数が少なく、不思議遊星歯車と同様に、伝達可能なトルクは小さい。
(2)不思議遊星歯車と同様に必然的に大きな転位係数が必要となり、その為、滑り係数が多く、効率の良い歯車機構を実現できない。
(3)遊星配置個数の制約によって、減速比を大きくするには限度がある。
(4)太陽外歯車の周方向に遊星歯車は倒れようとする力が発生し、遊星歯車と太陽内歯車の両端部に偏った応力が発生し、端部に偏磨耗が生じる。
(5)そもそも、遊星歯車(歯車D)に噛合う、太陽外歯車がない。したがって、太陽内歯車(歯車E)の回転の反力は、軸断面の異なる太陽外歯車(歯車A)、遊星歯車(歯車B)、太陽内歯車(歯車C)の噛合いから得ることとなる。したがって、太陽外歯車の周方向に倒れようとする力が機構学的に生じてしまう。よって、3K−I型不思議遊星歯車以上に、機構学的に歯車端部に磨耗が生じる機構である。言い換えれば、3K−I型不思議遊星歯車はその機構学的な問題点を改善した機構といえる。
(3K−II型の従来技術)
次に、前記した3K−II型について、その従来技術に付き詳述する。
II型とは、太陽外歯車(sun gear)の内、一つを固定軸、もう一つを従動軸とし、太陽内歯車(ring gear)を駆動軸とし、いずれも大減速を得ようとする機構である。即ち、太陽内歯車を回転入力(駆動軸)として、二つの太陽外歯車間に相対的な回転を発生させる機構である。
図3に3K−II型不思議遊星歯車機構のスケルトン図を示し、図4に3K型−II型普通遊星歯車機構のスケルトン図を示す。図から分かるように、従来技術でも3K−II型遊星歯車機構は実現できる。しかしながら、3K−II型遊星歯車機構は、多くは用いられない。その理由は、太陽外歯車の歯数が太陽車内歯車に比して少ないため、歯数比の異なる歯車機構である3K−II型遊星歯車機構では、3K−I型に比して転位が大きくなるなど従来技術の問題点が如実に現れる傾向があり、3K−I型に比して不利であるからである。
<3K型−II型不思議遊星歯車機構>
図3に示したように、3K型−II型不思議遊星歯車機構は、相対回転自在な二組の太陽外歯車A,D、遊星歯車B、太陽内歯車Cを備える。駆動軸、従動軸、固定軸の3本の基本軸のうち、駆動軸は太陽内歯車Cに、従動軸と固定軸は太陽外歯車A,Dに割り当てられている。また、遊星歯車Bは、互いに歯数の異なる二つの太陽外歯車A,Dと噛合い、又、太陽内歯車Cと噛合っている。したがって、太陽内歯車Cに入力された回転は、歯車A、又は、歯車Dのいずれか一方が太陽内歯車Cの回転に対し固定されることによって、歯車Aと歯車D間に減速された相対回転が生じる。
3K型−II型不思議遊星歯車機構は、遊星配置個数が少なく伝達トルクは小さい、歯数差と遊星配置個数が同じで、各遊星歯車は全く同じ位相関係で太陽外歯車、太陽内歯車と噛合あいスムーズな回転伝達ができない等、3K型−I型不思議遊星歯車機構と全く同様の問題点がある。
<3K型−II型普通遊星歯車機構>
図4に示したように、3K−II型普通遊星歯車機構は、一組の太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cによる通常の遊星歯車機構に加え、遊星歯車Bと軸を共有してもう一つの遊星歯車Eと、この遊星歯車Eに噛合う太陽外歯車Eとを備える。
したがって、太陽内歯車Cに入力された回転は、歯車A、又は、歯車Dのいずれか一方が太陽内歯車Cの回転に対し固定されることによって、歯車Aと歯車D間に減速された相対回転が生じる機構であり、動作は3K型−II型不思議遊星歯車機構と全く同じである。
3K型−II型普通遊星歯車機構は、3K型−II型不思議遊星歯車機構や3K型−I型普通遊星歯車機構と共通した問題点があると考えられる。たとえば、不思議遊星歯車と同様に、遊星配置個数が少なく、伝達可能なトルクは小さい、また、効率の良い歯車機構を実現できない。
また、一方の遊星歯車Eに噛合う太陽内歯車がないので、3K型−I型普通遊星歯車機構と同様に、遊星歯車Eが倒れようとする力が機構学的に生じてしまい、不思議遊星歯車以上に、歯車端部に偏磨耗が生じやすい。
上述した従来の3K型遊星歯車機構の問題点は、遊星歯車の機構学的な原因に起因し、したがって、その問題点を解決するには、歯形や歯数などの仕様の変更では、到底問題点を根源的に解決することができない。よって、前記問題点を解決するためには、減速機構の根源である歯車の減速理論にさかのぼり、機構学的に従来技術とは異なる新しい歯車機構によって、問題点を解決するしかない。
本発明は、かかる実情に鑑み、従来装置の問題点を解決することができる、新規な遊星歯車機構を備えた遊星歯車装置を提供しようとするものである。
本発明は、不思議歯車機構ではなく、不思議歯車機構の理論に立ち返り新たな遊星歯車機構を提案する。不思議遊星歯車では、一つの軸に取り付けられた互いに歯数の異なる2個の歯車が他の共通な歯車に噛合う機構であったが、本発明では、遊星歯車軸に一つの歯車ではなく、一体に構成された互いに歯数の異なる歯車を設け、その遊星の二つの歯車に対し、互いに歯数比の異なる複数の歯車を太陽外歯車、もしくは、太陽内歯車に設ける。
本発明の遊星歯車装置は、不思議遊星歯車機構と同様な働きをするが、不思議遊星歯車に対し、減速比に設計上の自由度が増し、その結果、遊星の配置個数を多くでき、高トルク伝達が可能であり、且つ、より大きな減速比を実現でき、高効率である。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した遊星歯車装置を提供する。
遊星歯車装置は、太陽外歯車と太陽内歯車と遊星歯車とを有し、前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車のいずれか一方に三つの基本軸である駆動軸、従動軸、固定軸の内の二つが与えられ、前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車の他方に他の一つの前記基本軸が与えられ、回転伝達によって増減速を行う3K型遊星歯車機構を備える。前記遊星歯車は歯数の異なる少なくとも2つの第1及び第2の歯車を同軸かつ一体に有する。二つの前記基本軸が与えられた前記一方の前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車は、前記遊星歯車の前記第1及び第2の歯車にそれぞれ噛み合いかつ相対回転可能な少なくとも2つの第3及び第4の歯車を有する。前記第1の歯車と前記第3の歯車との歯数比が前記第2の歯車と前記第4の歯車との歯数比と異なる。一つの前記基本軸を与えられた前記他方の前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車は、前記遊星歯車の前記第1及び第2の歯車にそれぞれ噛み合う少なくとも2つの第5及び第6の歯車を同軸かつ一体に有する。前記第1の歯車と前記第5の歯車との歯数比が前記第2の歯車と前記第6の歯車との歯数比と等しい。
上記構成において、第1及び第2の歯車を同軸かつ一体に有する遊星歯車と、第5及び第6の歯車を同軸かつ一体に有する他方の太陽外歯車または太陽内歯車とは、互いに噛み合う第1の歯車と第5の歯車との歯数比が第2の歯車と第6の歯車との歯数比と等しいので、相対回転可能である。
上記構成において、一方の太陽外歯車又は太陽内歯車が有する相対回転可能な第3及び第4の歯車は、遊星歯車が同軸かつ一体に有する第1及び第2の歯車に噛み合う。互いに噛み合う第1の歯車と第3の歯車との歯数比が第2の歯車と前記第4の歯車との歯数比と異なるので、遊星歯車の第1及び第2の歯車の回転に対して、第3の歯車の回転量と第4の歯車の回転量とは異なる。
例えば、第5及び第6の歯車を同軸かつ一体に有する他方の太陽外歯車または太陽内歯車を固定した場合、第1の歯数と第2の歯車の歯数とが異なるので、第1の歯車と第3の歯車との歯数比が第2の歯車と前記第4の歯車との歯数比との差を小さくして、第3の歯車と第4の歯車との間で、大きな減速比を得ることができる。
好ましい一態様としては、前記太陽外歯車に三つの前記基本軸である前記駆動軸、前記従動軸、前記固定軸の内の二つが与えられ、前記太陽内歯車に他の一つの前記基本軸が与えられる。
好ましい他の態様としては、前記太陽内歯車に三つの前記基本軸である前記駆動軸、前記従動軸、前記固定軸の内の二つが与えられ、前記太陽外歯車に他の一つの前記基本軸が与えられる。
好ましくは、前記遊星歯車は、前記太陽外歯車及び前記太陽内歯車との噛み合いの位相が異なる複数組を備え、等角度間隔で配置されたことを特徴とする、請求項1記載の遊星歯車装置。
上記構成によれば、高トルクの伝達が可能となる。
好ましくは、前記遊星歯車の前記第1及び第2の歯車は、中心距離が等しく前記太陽外歯車及び前記太陽内歯車に噛み合う。
上記構成によれば、遊星歯車を太陽外歯車や太陽内歯車の軸に対して平行に配置し、回転伝達を可能とすることができる。
好ましくは、歯数比が等しい前記第1の歯車と前記第5の歯車との噛み合いピッチ円と、前記第2の歯車と前記第6の歯車との噛み合いピッチ円とが、等しい。歯数比が異なる前記第1の歯車と前記第3の歯車とのピッチ円と、前記第2の歯車と前記第4の歯車とのピッチ円とが異なる。
従来装置では、歯数比が異なる場合に噛み合いピッチ円を等しくするために転位を与えているが、それでは無理が生じる。上記構成によれば、歯数比が異なる場合に無理な転位を与えなくてもよい。
好ましくは、前記太陽内歯車の歯数が、前記遊星歯車の歯数の2倍と前記太陽外歯車の歯数の和と異なるとき、前記太陽内歯車、前記遊星歯車又は前記太陽外歯車の少なくとも一つに対し転位を施す。
上記構成により、遊星歯車装置の回転伝達が可能となる。
好ましくは、前記遊星歯車が太陽歯車の周りに等角度間隔で配置され、前記遊星歯車の個数と前記遊星歯車の歯数とが互いに素である(すなわち、1以外の公約数を持たない)。
上記構成により、遊星歯車の噛み合いの位相が全て異なるようにすることができる。
好ましくは、前記太陽外歯車と前記太陽内歯車との間に回転軸受け機構を備える。
上記構成によれば、遊星歯車機構を小型化することができる。
好ましくは、前記遊星歯車は、前記第1及び第2の歯車と異なる少なくとも1つの第7の歯車を同軸かつ一体に有する。前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車の少なくとも一方に、該第7の歯車に噛み合う第8の歯車が形成される。
上記構成によれば、歯車の噛み合いが重なり合い、よりスムーズな回転伝達が可能となる。
好ましくは、前記遊星歯車は、前記第1及び第2の歯車と異なる少なくとも1つの歯車を同軸かつ一体に有する。前記遊星歯車が同軸かつ一体に有する三つ以上の前記歯車の内一つ以上の前記歯車がねじ状であり、当該ねじ状の前記歯車は、前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車の少なくとも一方もしくは両方に噛み合う。
上記構成によれば、軸方向に螺旋状に延在し、複数個所で噛み合うねじ状の歯車は、軸方向に作用する力を相殺する。そのため、軸方向の力を受ける軸受けが不要となるので、コンパクトな装置を設計することが可能である。
好ましくは、前記第1〜第4の歯車の歯数をZ1〜Z4とし、前記第3及び第4の歯車の歯数Z3,Z4をともに増加又は減少した仮想歯数をZ3'、Z4'としたとき、
(a)Z1:Z3'=Z2:Z4'、かつ
(b)|Z3−Z3'|=1又は2、かつ
(b)|Z4−Z4'|=1又は2
である。
上記構成によれば、第3及び第4の歯車の歯数Z3,Z4の両方を、第1及び第2の歯車との歯数比が等しくなる歯数Z3',Z4'よりも、ともに増加又は減少させる。このように第3及び第4の歯車の歯数Z3,Z4の両方を同一方向に増減することによって、第3及び第4の歯車の歯数Z3,Z4の一方のみを第1又は第2の歯車との歯数比が等しくなる歯数Z3',Z4'より増減する場合よりも、大きな減速比を得ることができる。
また、増減する歯数|Z3−Z3'|,|Z4−Z4'|を1又は2とすることによって、歯車の転位量を小さくすることができる。
したがって、転位をできるだけ小さくしつつ、減速比を大きくすることができる。
前記第1の歯車と前記第2の歯車、前記第3の歯車と前記第4の歯車、前記第5の歯車と前記第6の歯車は、それぞれ逆方向にねじれたはすば歯車である。
上記構成によれば、遊星歯車の軸方向位置を一定に保つことが容易である。また、スラスト軸受けを無くしたり、小さくしたりすることにより、構成を簡単にすることができる。
本発明の遊星歯車装置は、新規な遊星歯車機構を備え、従来装置の問題点を解決することができる。すなわち、減速比に設計上の自由度が増し、その結果、遊星の配置個数を多くでき、高トルク伝達が可能であり、且つ、より大きな減速比を実現でき、高効率である。
3K−I型不思議遊星歯車機構のスケルトン図である。(従来例) 3K−I型普通遊星歯車機構のスケルトン図である。(従来例) 3K−II型不思議遊星歯車機構のスケルトン図である。(従来例) 3K−II型普通遊星歯車機構のスケルトン図である。(従来例) 3K−I型遊星歯車機構のスケルトン図である。(実施例1) 3K−I型遊星歯車機構の断面図である。(実施例1) 3K−I型遊星歯車機構の断面図である。(実施例1) 3K−I型遊星歯車機構のスケルトン図である。(変形例1) 3K−I型遊星歯車機構の断面図である。(変形例1) 3K−I型遊星歯車機構のスケルトン図である。(変形例2) 3K−I型遊星歯車機構の断面図である。(変形例2) 3K−II型遊星歯車機構のスケルトン図である。(実施例2) 3K−II型遊星歯車機構の断面図である。(実施例2) 3K−II型遊星歯車機構のスケルトン図である。(変形例3) 3K−I型遊星歯車機構の断面図である。(実施例3) 3K−I型遊星歯車機構の断面図である。(実施例3)
符号の説明
30,30a,30b,30x 遊星歯車装置
32,32x 太陽外歯車
34,34x 遊星歯車
36,36x 太陽内歯車
38,38x 太陽内歯車
70 遊星歯車装置
72、73 太陽外歯車
74 遊星歯車
76 太陽内歯車
以下、本発明の実施の形態について、図5〜図13を参照しながら説明する。
<本件新型3K−I型遊星歯車機構>
まず、本発明の第1の実施の形態として本件新型3K−I型遊星歯車機構について、図5〜図10を参照しながら説明する。
そもそも、3K−I型遊星歯車機構は、従来技術のように、歯数差によって発生すると考えるのではなく、根源的には遊星軸Vを共通とした二組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車を有する遊星歯車機構と考えられ、その遊星に対する歯数比差によって、その回転減速比の差が発生すると解することができる。
本件新型3K−I型遊星歯車機構は、軸方向位置の異なる二組の遊星歯車機構が結合したものと考えると、動作が分かり易い。
図5に本件新型3K−I型遊星歯車機構のスケルトン図を示す。一組目の遊星歯車機構は、太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cを備える。もう一組の遊星歯車機構は、太陽外歯車D、遊星歯車E、太陽内歯車Fを備える。例えば、特許請求の範囲に記載された「第1及び第2の歯車」には歯車B,Eが対応し、「第3及び第4の歯車」には歯車C,Fが対応し、「第5及び第6の歯車」には歯車A,Dが対応する。歯車A,B,C,D,E,Fの歯数を、それぞれ、Za,Zb,Zc,Zd,Ze,Zfとする。
歯車Aと歯車Dとは軸を共有し、歯車Bと歯車Eとは軸を共有する。歯車Aと歯車Bとが噛み合い、歯車Dと歯車Eとが噛み合う。歯車Aと歯車Bとの間、及び歯車Dと歯車Eとの間で、同一回転を伝達するためには、互いに噛み合う二組の歯車A,B;D,Eの歯数比が等しくなければ成り立たないので、
Za/Zb=Zd/Ze
である。
また、歯車Cと歯車Fとが相対的に回転し、遊星歯車B,Eに対して異なる回転を有するためには、
Zc/Zb≠Zf/Ze
でなければならない。
したがって、図5を一つの遊星歯車機構と見た場合には、太陽外歯車と遊星歯車とは、歯数比が等しい二組の歯車(A,D;B,E)をそれぞれ有し、一方、遊星歯車と太陽内歯車とは、歯数比の異なる二組の歯車(B,E;C,F)をそれぞれ有する。
本機構は、その構造上、機構学的な制約が発生し、よって次のことがいえる。
(1)全ての中心距離が等しい歯車機構であり、噛み合いピッチ円は、歯数比が等しい二組の太陽外歯車、遊星歯車で等しく、歯数比が等しくない二組の遊星歯車と太陽内歯車では等しくない。また、歯数比が異なる太陽内歯車は基準ピッチ円が異ならざるを得ない。
(2)3K−I型遊星歯車機構は、二組の歯数比は、太陽外歯車と遊星歯車が等しく、太陽内歯車と遊星歯車が異なる。(太陽外歯車の歯数/遊星歯車の歯数が等しく、太陽内歯車の歯数/遊星歯車の歯数が異なる。)
(3)遊星歯車の配置個数は、太陽外歯車と太陽内歯車の和の約数であり、二組の遊星歯車機構の噛合わせは、二組の遊星歯車の軸が共通することから、二組の太陽外歯車と太陽内歯車の和の約数の公約数となり、遊星の配置個数が多いほど、小型で高トルクの伝達が可能な機構となる。
(4)二組の太陽内歯車の遊星歯車に対する速比の差が小さくなるほど、減速比が大きくなり、且つ、歯車の磨耗が少なく、耐久性の良い歯車機構となる。
(5)転位係数の少ない歯車機構はすべり率が小さく効率が良い。
よって、上記1〜4を考慮し、減速比が大きく、耐久性、耐荷重性の良い歯車機構を成立させる為には、二組の歯車機構の噛み合わせの歯数比差を小さくすることで、太陽外歯車の周りの倒れ力を小さくし、且つ、転位係数が小さい歯車の組み合わせを実現し、且つ、遊星配置個数を多くする遊星歯車配置方法、および、歯数設定方法を示せばよい。
以下では、遊星配置方法を主に、本件新型3K−I型遊星歯車機構を述べる。
(本件新型3K−I型遊星歯車機構の減速比)
まず、歯車A、B、Cによる遊星歯車機構を遊星歯車機構1、もう一組の、歯車D、E、Fによる遊星歯車機構を遊星歯車機構2とし、それぞれに、太陽外歯車と太陽車内歯車間に1回転の相対回転を与える時、遊星歯車B,Eの軸に対して、太陽外歯車A,D、太陽内歯車C,Fの回転位置関係は、次の表1のようになる。
Figure 2007017935
遊星歯車機構1の内歯車を固定軸としているので、回転は遊星歯車機構1の太陽外歯車と遊星歯車機構2の太陽内歯車間に与えられる。また、二組の太陽外歯車と遊星車は、歯数比が等しく、太陽歯車A,Dに対して、遊星B,Eは一つの回転位置しか持ち得ない。即ち、遊星歯車機構2の太陽外歯車の位置Hs2が、遊星歯車機構1の公転位置に固定される。よって、遊星歯車機構1の太陽外歯車と太陽車内歯車間に与えられる1回転の相対回転は、遊星歯車機構2には、Hs1/Hs2の回転に相当し、よって、遊星歯車機構2の太陽内歯車の位置は、Hr2・Hs1/Hs2となる。
したがって、遊星歯車機構1と遊星歯車機構2の太陽内歯車の相対回転(速比u)は、
u=Hr1−Hr2・Hs1/Hs2
となり、その逆数が減速比Kとなり、
K=1/(Hr1−Hr2・Hs1/Hs2)
=(Za+Zc)・Zf/(Za・Zf−Zd・Zc) ・・・(1)
この式を用いて逆に、一般的に不思議遊星歯車の計算式を導き出し、この式が根源的な真理であることを、次に証明する。
図1に示した従来技術である3K不思議遊星歯車の減速比K'は、図1における歯車A〜Dの歯数をZa'〜Zd'とし、歯車Aを駆動軸(入力)、歯車Cを従動軸(出力)、歯車Dを固定軸とすると、
K'=(1+Zd'/Za')/(1−Zd'/Zc') ・・・(1)'
である。
図5についての式(1)を、次のように変形する。即ち、図5の歯車A〜Fを、図1の歯車A〜Dに対応させるため、式(1)の各歯車を、図1の各歯車に対応させる。
従動軸は、式(1)では、歯車Fであるが、式(1)’では歯車Cであり、固定軸は、式(1)では、歯車Cであるが、式(1)’では歯車Dであるので、式(1)のZaをZa’、ZcをZd’、ZdをZa’、ZfをZc’に書き換えると、
K=(Za+Zc)・Zf/(Za・Zf−Zd・Zc) ・・・(1)
=(Za’+Zd’)・Zc’/(Za’・Zc’−Za’・Zd’)
=(1+Zd’/Za’)/(1−Zd’/Zc’)
となり、式(1)’が導き出される。つまり、式(1)’は、式(1)において、遊星歯車機構1、遊星歯車機構2の太陽外歯車と遊星歯車の歯数を等しくした時の特殊解であることがわかる。
(本件新型3K−I型遊星歯車機構の遊星歯車の配置方法の原則)
次に、遊星歯車の配置とその配置個数について説明する。遊星歯車の配置個数の原則は、次の通りである。
(1)遊星配置個数(N)は、太陽外歯車と太陽車内歯車の歯数の和の約数である。遊星歯車機構1と遊星歯車機構2が、遊星歯車の軸を共有する本件新型3K−I型遊星歯車機構に於いては、二つの太陽外歯車と太陽車内歯車の歯数の和の公約数となる。即ち、(Za+Zc)と(Zd+Zf)の公約数となる。
(2)遊星配置個数(N)と、太陽外歯車、太陽車内歯車との公約数をqとするするとN/qの組の同一位相関係で太陽外歯車と太陽車内歯車に噛合う歯車を有し、同一位相を持つ歯車は、個数はqである。
この原則に基づき、具体的に歯数を示しながら本件の遊星歯車機構の遊星配置方法につき詳述する。
(遊星歯車機構の歯車設定方法1)
次の歯数、遊星配置個数の設定方法について、説明する。
遊星歯車機構1:Za=27、Zb=9、Zc=45
遊星歯車機構2:Zd=30、Ze=10、Zf=51
遊星配置個数:9個
(遊星歯車機構1について)
(1)太陽車内歯車の歯数が、太陽外歯車の歯数と遊星歯車の歯数の2倍の和となるとき、太陽車内歯車は、転位を施さずに各歯車を噛み合わせることができる。即ち、噛合いピッチ円と基準ピッチ円を等しくすることができる。遊星歯車機構1は、Zc=Za+2・Zbが成り立ち、噛合いピッチ円と基準ピッチ円を等しくすることができる。
(2)遊星歯車の歯数と遊星歯車の配置個数とが等しいと、必然的に、太陽外歯車、太陽車内歯車の歯数は、遊星歯車の配置個数を約数に持つ、したがって、全ての遊星歯車は、同一位相で、太陽外歯車と太陽車内歯車とに噛合うこととなる。遊星の歯数が多く、即ち、噛合いピッチ円と基準ピッチ円が等しい場合も、同様に同一位相で噛合うこととなる。
(3)また、Za/Zb=3、Zc/Zb=5であるので、遊星歯車の歯数は、太陽外歯車の歯数、太陽車内歯車の歯数の約数となり、遊星歯車は配置個数全てにおいて同じ位相を持つ、歯車の噛み合わせとなる。
(4)太陽車内歯車の歯数と太陽外歯車の歯数の和(Za+Zc)は、8・Zbとなる。即ち、遊星配置個数は、Zc=Za+2・Zbが成り立つとき、太陽車内歯車の歯数と太陽外歯車の歯数の遊星歯車の歯数に対する比の和(Za/Zb+Zc/Zb)と遊星の歯数のかけた値(8・Zb)の約数となる。(Za/Zb+Zc/Zb)・Zbの約数である。
したがって、遊星配置個数は8、即ち(Za/Zb+Zc/Zb)を遊星配置個数にすることができ、この場合は、必然的に、もう一組の遊星歯車機構2の太陽内歯車の噛み合わせの転位係数が大きくなってしまい現実的に歯車を構成できない。また、二組の遊星歯車機構の歯数比の差(太陽車内歯車の歯数/遊星歯車の歯数)が大きくなってしまい、減速比が小さくなり、本件新型3K−I型遊星歯車機構の長所が生かせない。
即ち、噛合いピッチ円と基準ピッチ円を等しくできる歯数の組み合わせであり、遊星の配置個数を遊星の歯数と等しく設定し、且つ、その配置個数は、Za/Zb+Zc/Zbと等しくならない本例のような配置方法を遊星配置ならびに歯数設定方法を配置方法Iとする。
Zc=Za+2・Zb
N≠Za/Zb+Zc/Zb
N=Zb
(遊星歯車機構2について)
(1)太陽外歯車の遊星に対する歯数の比(太陽外歯車の歯数/遊星歯車の歯数)が、遊星歯車機構1と等しく、太陽内歯車の遊星に対する歯数の比(太陽外歯車の歯数/遊星歯車の歯数)が、遊星歯車機構1と異なる。
Zf≠Ze・Zd/Zb
よって、遊星歯車機構2は、
Zd≠Ze+2・Zf
Zd=Ze・Za/Zb
Zf≠Ze・Zd/Zb
(2)遊星の歯数は、不思議遊星歯車ではないので、遊星歯車機構1とは異なるので、
Zd≠Zb
(3)太陽外歯車の歯数と太陽車内歯車の和は、遊星歯車機構1と共通であるので、遊星配置個数を1以外の約数として持つ。すなわち、
(Zd+Zf)/N=整数
また、減速比を大きくするためには、
Zf≠Ze・Zd/Zb
(4)しかし、本件新型3K−I型遊星歯車機構の特徴である減速比を大きくし、耐久性がある機構にするためには、太陽内歯車の遊星に対する歯数の比(太陽外歯車の歯数/遊星歯車の歯数)は、できるだけ、遊星歯車機構1の太陽内歯車の遊星に対する歯数の比に近いことが求められる。すなわち、
Zf/Zb≒Zd/Zb
太陽内歯車の遊星に対する歯数の比(太陽内歯車の歯数/遊星歯車の歯数)を遊星歯車機構1のそれに近くするためには、本例では次の手法をとった。
遊星歯車機構1の遊星歯車の歯数(Zb=9)に対して、遊星歯車機構2の遊星歯車の歯数を僅かに大きくした。(Zd=10)
そのとき、太陽内歯車の遊星に対する歯数の比(太陽内歯車の歯数/遊星歯車の歯数は、遊星歯車機構1のそれに対して僅かに大きな値になり成立する。
即ち、遊星の配置個数の条件を満足する歯数であって、
僅かに、Zd>Zbのとき、僅かにZf/Zb>Zd/ZbとなるZfを選択することにより、大きな減速比が得られる。
また、僅かに、Zd<Zbのとき、僅かにZf/Zb<Zd/ZbとなるZfを選択することにより、大きな減速比が得られる。
(5)遊星歯車の歯数は、太陽外歯車の歯数(30)の約数ではあるが、遊星歯車の配置個数(9)と歯数太陽外歯車の歯数(30)と太陽車内歯車の歯数(51)の3つの歯数は公約数3を持ち、したがって、3組の位相を持つ歯車の噛み合わせとなる。
遊星歯数設定方法は、太陽内歯歯車の噛合いピッチ円が基準ピッチ円と異なり、転位を施した歯数の組み合わせであり、異なる位相を持つ歯車の噛み合わせを有するまた、もう一つの歯車機構と共通の遊星配置個数となる。本例のような配置方法を遊星配置ならびに歯数設定方法を配置方法IIとする。
即ち、配置方法Iと配置方法IIの組み合わせによって成り立ち、遊星配置個数が9個と多く、また、その減速比は、136と極めて大きい。
歯車要目の一例を、次の表2に示す。
Figure 2007017935
表2は、中心距離を10mmとしたときの歯車仕様である。歯数は決定されているので、中心距離が決まると、モジュールが決定される。また、基礎円も圧力角を決めると算出される。したがって、噛合いピッチ円も、モジュールと歯数等が決まれば、算出される。
また、歯数比が等しい二組の太陽外歯車と遊星歯車は、噛合いピッチ円が等しく、歯数比が等しくない二組の太陽内歯車と遊星歯車は、噛合いピッチ円が等しくない。
また、遊星歯車は、噛合いピッチ円が等しくない歯車の噛合いでは、太陽外歯車と太陽内歯車に対し、異なる歯丈の位置で噛合うこととなる。
転位量は、歯車の噛合いが正常に行われる常識的な範囲で、太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車に分割できる。本例で分かるように、3K型−I型不思議遊星歯車機構で例示した歯車よりはるかに小さい転位係数で歯車の噛合わせが実現できている。これは、3K型−I型不思議遊星歯車機構では、二つ太陽内歯車が遊星に対し等しい噛合いピッチ円で噛合うため、大きな転位係数が必要であったが、本件では太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車に分割で転位を配分できるので、小さい転位量で実現できる。
(遊星歯車機構の歯車設定方法2)
別の例として、次の歯数、遊星配置個数の設定方法について、説明する。
遊星歯車機構1:Za=42、Zb=21、Zc=86
遊星歯車機構2:Zd=50、Ze=25、Zf=102
遊星配置個数:8個または4個 (歯丈が小さければ8個が可能)
本例は、遊星配置方法IIを遊星歯車機構1、及び遊星歯車機構2に適応した例である。遊星歯車は、二組の異なる位相関係を持って、太陽内歯車、太陽外歯車と噛合う。また、太陽内歯歯車の噛合いピッチ円が基準ピッチ円と異なり、転位を施した歯数の組み合わせである。
減速比は、816と極めて大きく、これほど大きな、減速比を得ることは、不思議遊星歯車では実現できない。
歯数の関係を示す。
Za+2・Zb<Zc
Zd+2・Ze<Zf
本例の特徴は、二つの太陽内歯車C,Fの歯数Zc,Zfが、いずれも、噛合いピッチ円と基準ピッチ円を等しくできる歯数(Za+2・Zb=Zc、Zd+2・Ze=Zf)より、同一方向に、歯数を増減していることである。このことによって、より大きな、減速比を得ることができる。
また、当然ではあるが、太陽内歯車C,Fの歯数Zc、Zfを噛合いピッチ円と基準ピッチ円を等しくできる歯数に対して少なくした場合、すなわち、
Za+2・Zb>Zc
Zd+2・Ze>Zf
でも、同様に大きな減速比を得ることができる。
本例も、歯車設定方法1と同様の構成とすることができる。ただし、歯車A,B,Cにおける噛み合いと、歯車D,E,Fにおける噛み合いとの位相関係はすべて異なるように配置でき、噛み合いが重なることによって、より、遊星歯車の回転伝達が間断なく行われ、スムーズな回転伝達を可能にする。
(本件新型3K−I型遊星歯車機構の、従来技術との違いと本質的優位性)
本件新型3K−I型遊星歯車機構は、二組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車を有する歯車機構であり、二組の太陽外歯車と遊星歯車の関係は、歯数比が同一で歯数が異なり、二組の太陽内歯車と遊星歯車の関係は、歯数比が異なる関係を有している。したがって、3K−I型不思議遊星歯車と異なる。
また、遊星配置個数は、二組の太陽外歯車と太陽内歯車の和の1以外の公約数となる。遊星配置個数が、歯数差に寄らず設定でき、遊星配置個数が多く、大きなトルク伝達を小型で実現できる。また、共通する遊星配置個数を有するという制約の中で、二組の太陽内歯車と遊星歯車の関係は、歯数比差が小さく設定すれば、高減速比が実現でき、且つ、耐久性が良い。
遊星歯車は、少なくとも二組の内、一組は太陽外歯車、および、太陽内歯車に対して、異なる位相で噛み合わせることができる。したがって、間断なく回転伝達が行われ、不思議遊星歯車の問題点であるロック状態を引き起こすことを回避できる。
(歯数の選択)
歯数の選択方法について、次の表3を参照しながら、さらに説明する。
Figure 2007017935
表3は、太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数比が2:1:4の場合を示している。太陽外歯車の歯数をZs、遊星歯車の歯数をZpとすると、各歯車を同軸上に配置するためには、太陽内歯車の歯数はZs+2Zpとなる。遊星歯車の配置個数は、一般には、太陽外歯車の歯数と太陽内歯車の歯数との和2(Zs+Zp)の約数となる。
例えば、遊星歯車の配置個数を5、歯数を1だけ減らす場合には、2(Zs+Zp)−1が5で割り切れるもの、例えば、No.2及びNo.7を選択する。そして、太陽内歯車又は太陽外歯車の歯数を、No.2及びNo.7の値から1減らす。
具体的には、3K−I型遊星歯車機構の場合には、太陽内歯車の歯数を減らし、No.2に対応する一方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、22、11、43とし、No.7に対応する他方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、32、16、63とする。3K−II型遊星歯車機構の場合には、太陽外歯車の歯数を減らし、No.2に対応する一方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、21、11、44とし、No.7に対応する他方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、31、16、64とする。
例えば、No.2及びNo.17を選択する場合には、太陽内歯車又は太陽外歯車の歯数を、No.2の値から2減らし、No.17の値から1減らしてもよい。2組の歯数に2倍程度の差があるときには、一方を2減らし、他方を1減らす場合の方が、両方を1ずつ減らす場合よりも減速比を大きくすることができることがある。
別の例として、遊星歯車の配置個数を7、歯数を1だけ増やす場合には、2(Zs+Zp)+1が7で割り切れるもの、例えば、No.6及びNo.13を選択する。そして、太陽内歯車又は太陽外歯車の歯数を、それぞれ、No.6及びNo.13の値から1増やす。
具体的には、3K−I型遊星歯車機構の場合には、太陽内歯車の歯数を増やし、No.6に対応する一方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、30、15、61とし、No.13に対応する他方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、44、22、89とする。3K−II型遊星歯車機構の場合には、太陽外歯車の歯数を増やし、No.6に対応する一方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、31、15、60とし、No.13に対応する他方の組の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯数は、45、22、88とする。
No.6及びNo.20を選択する場合には、太陽内歯車又は太陽外歯車の歯数を、No.6の値から2増やし、No.20の値から1増やしてもよい。2組の歯数に2倍程度の差があるときには、一方を2増やし、他方を1増やす場合の方が、両方を1ずつ増やす場合よりも減速比を大きくすることができることがある。
(実施例1)
次に、本件新型3K−I型遊星歯車機構の具体的な構成について、図6a及び図6bを参照しながら説明する。図6aは、遊星歯車装置30の構成を示す断面図である。図6bは図6aの線B−Bに沿って切断した断面図である。
遊星歯車装置30は、太陽外歯車32と、複数個の遊星歯車34と、2つの太陽内歯車36,38とを備え、遊星歯車34は、太陽外歯車32と太陽内歯車36,38との間のリング状の空間に配置される。
太陽外歯車32と遊星歯車34には、それぞれ、互いに噛み合う2組の歯車12,22;14,24が形成されている。一方の太陽内歯車36には、遊星歯車34の一方の歯車14に噛み合う歯車16が形成されている。他方の太陽内歯車38には、遊星歯車34の他方の歯車24に噛み合う歯車26が形成されている。図6の歯車12,14,16,22,24,26は、それぞれ、図5の歯車A,B.C,D,E,F,Gに対応する。
太陽外歯車32の歯車12と、遊星歯車34の歯車14と、太陽内歯車36の歯車16とによる1組の遊星歯車機構10が構成され、太陽外歯車32の歯車22と、遊星歯車34の歯車24と、太陽内歯車36の歯車26とにより、もう1組の遊星歯車機構20が構成される。2組の遊星歯車機構10,20において、太陽外歯車32の歯車12,22と遊星歯車34の歯車14,24とは歯数比が等しく歯数が異なる。また、太陽内歯車36,38の歯車16,26と遊星歯車34の歯車14,24とは歯数比が異なる。
太陽外歯車32、遊星歯車34、太陽内歯車36,38は、一体的に加工したり、複数部材を組み合わせたりすることによって、作製することができる。例えば、太陽外歯車32は、一方の歯車22が形成された軸本体33に、他方の歯車12が形成された部材33sを圧入することにより作製する。
太陽外歯車32と2つの太陽内歯車36,38との間に、軸受け40,42が配置されている。軸受け40,42は、遊星歯車34の両側に配置されている。遊星歯車34にはキャリアは必須ではないが、キャリアを設けて遊星歯車34を回転自在に支持するようにしてもよい。
遊星歯車装置30は、太陽外歯車32と2つの太陽内歯車36,38との内、一つを固定(拘束)した状態で、他の2つの間で回転を伝達することができる。例えば、太陽外歯車32を駆動し、2つの太陽内歯車36,38のいずれか一方を固定し、他方の回転を取り出す。このとき、太陽外歯車32の一方の歯車12側から駆動する場合には、ねじり応力の発生を抑制するため、駆動側の太陽内歯車36を固定し、他方の太陽内歯車38が回転するようにすることが好ましい。
次に、遊星歯車装置30の動作について説明する。
太陽外歯車32の歯車12と、遊星歯車34の歯車14と、太陽内歯車36の歯車16とによる1組の遊星機構10において、太陽外歯車32が回転すると、太陽外歯車32の歯車12が回転する。太陽内歯車36が固定されている場合、太陽内歯車36の歯車16が固定されているので、遊星歯車34の歯車14は、太陽内歯車36の歯車16の周りを自転しながら公転する。太陽外歯車32の歯車12,22と遊星歯車34の歯車14,24との歯数比が等しいため、太陽外歯車32の歯車12,22と、遊星歯車34の歯車14,24とが一体となって回転し、遊星歯車34の歯車24は太陽外歯車32の歯車12の周りを自転しながら公転する。
一方、太陽内歯車36,38の歯車16,26と遊星歯車34の歯車14,24との歯数比が異なるので、遊星歯車34の歯車24が太陽外歯車32の歯車22の周りを自転しながら公転すると、遊星歯車34の歯車24に噛み合う太陽内歯車38の歯車26が回転する。つまり、太陽内歯車38が回転する。
すなわち、太陽内歯車36が固定されている場合、太陽外歯車32と太陽内歯車38との間で回転を伝達することができる。遊星歯車34の歯車14,24の歯数が異なるので、大きな減速比を得ることが可能である。
次に、本件新型3K−I型遊星歯車機構の変形例1,2について、図7〜図10を参照しながら説明する。以下では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と同様の構成部分には同じ符号を用いる。
(変形例1)
変形例1について、図7及び図8を参照しながら説明する。
変形例1では、本件新型3K−I型遊星歯車機構に、各歯車と軸を共通し、歯数比が等しく歯数の異なる別の歯車の組を並列に追加している。
図7のスケルトン図に示すように、ねじ状の歯車G,H,Iをそれぞれ、歯数比の一致する歯車A,B,Cに並列に配置する。ねじ状歯車G,H,Iを用いることにより、各遊星歯車が軸方向の位置を固定された状態で回転伝達を行うようにすることができる。
異なる歯数の歯車の組を追加した効果は、次のように要約できる。
(1)歯数の異なる歯の噛合いを追加することにより、歯車は噛合いが重なりあい、よりスムーズな回転伝達を可能にする。
(2)また、並列に歯車を追加する歯車をねじ状歯車にすることによって、通常の回転伝達機構では受けることのできないアキシャル方向の荷重を受けることができる。
(3)遊星歯車では、ベアリング等の軸受けが多数必要であるが、ねじ状歯車を追加することにより、軸受け機構が不要となりコンパクトな設計が可能である。
同一の歯数比のねじ状の歯車を施せば、同一の速比で、太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車は回転可能である。例えば、遊星歯車機構1の太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cの歯数が、それぞれ、Za=27、Zb=9、Zc=45であり、その比が3:1:5である場合、太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車のねじ状歯車H,I,Jを、3条、1条、5条の歯車、即ち、3歯、1歯、5歯のリード角の小さなはすば歯車とし、太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cと一体をなし回転するように構成する。すると、速度比が同一であるので、噛合いを補いながら、回転伝達が行われ、アキシャル方向には移動しない。言い換えれば、アキシャル方向に移動すると、噛合いの位相が成立しないのでアキシャル方向の移動は禁止される。したがって、アキシャル方向に荷重が印加されても、直交する回転方向には、回転伝達されず、ねじ状歯車の歯面で荷重を受け持つことになる。
よって、太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cは、ラジアル方向には回転可能でアキシャル方向に変位固定される。また、太陽外歯車Aと太陽外歯車D、遊星歯車Bと遊星歯車Eは、一体をなしている。したがって、太陽内歯車Fのみが、歯車A、B、C、D、Eに対して、アキシャル方向に対して固定されていない。したがって、唯一アキシャル方向の変位が自由である太陽内歯車Fと太陽外歯車A,Dとをベアリングによって、回転自由で且つ、アキシャル方向の変位を規制するように固定すれば、本機構は、すべての歯車が回転可能でアキシャル方向の荷重に対して変位規制し、耐力が高い機構を構成できる。
当然ではあるが、ねじ状の歯車は、遊星歯車と太陽外歯車は逆方向のねじれ角を有し、且つ、太陽内歯車は、遊星歯車と同一方向のねじれ角を有し、雄ねじ雌ねじの関係にある。
各歯車は、歯数比が等しいので、一般的に太陽外歯車A、遊星歯車B、太陽内歯車Cの基準ピッチ円、噛合いピッチ円が等しい。また、ねじ状の歯車は、一般的なインボリュート歯車では歯直角法線ピッチが等しいが、ねじれ角は等しくなくても成立する。
変形例1の遊星歯車装置30aの具体的な構成例を、図8の断面図に示す。
遊星歯車装置30aは、実施例1と略同様に、太陽外歯車32s、複数の遊星歯車34a、太陽内歯車36,38aを備え、遊星歯車34aは、太陽外歯車32aと太陽内歯車36,38aとの間のリング状の空間に配置される。太陽外歯車32aと遊星歯車34aには、それぞれ、互いに噛み合う2組の歯車12,22;14,24が形成されている。太陽内歯車36,38aには、それぞれ、歯車16,26が形成されている
実施例1とは異なり、太陽外歯車32aには、歯車12,22の間にねじ状の歯車22aが形成されている。遊星歯車34aには、歯車14,24の間に、太陽外歯車32aのねじ状の歯車22aに噛み合うねじ状の歯車24aが形成されている。太陽内歯車38aには、歯車26に隣接して、遊星歯車34aのねじ状の歯車24aに噛み合うねじ状の歯車26aが形成されている。
図8の歯車12,14,16,22,24,26,22a,24a,26aは、それぞれ、図7の歯車A,B,C,D,E,F,G,H,Iに対応する。
太陽外歯車32aと一方の太陽内歯車36との間には、実施例1と同様に、軸受け40が配置されている。太陽外歯車32aと他方の太陽内歯車38aとの間には、実施例1と異なり、軸受けは配置されていない。
(変形例2)
変形例2について、図9及び図10を参照しながら説明する。
変形例2では、本件新型3K−I型遊星歯車機構に、太陽外歯車及び遊星歯車と軸を共通し、歯数比が等しく歯数の異なる別の歯車の組を並列に追加している。
図9のスケルトン図に示すように、ねじ状の歯車G,Hをそれぞれ、歯数比の一致する歯車A,Bに並列に配置する。ねじ状歯車G,Hを用いることにより、太陽外歯車と遊星歯車とは軸方向の相対位置が固定された状態で、相対回転する。
図10の断面図に示すように、変形例2の遊星歯車装置30bは、変形例1と略同様に構成される。ただし、変形例1と異なり、太陽内歯車38bにはねじ状の歯車が形成されていない。また、太陽外歯車32bと太陽内歯車38bとの間に軸受け42が配置されている。
例えば、図9に示した遊星歯車機構において、歯車A〜Fの歯数Za〜Zfが次の場合について説明する。
遊星歯車機構1:Za=42、Zb=21、Zc=86
遊星歯車機構2:Zd=50、Ze=25、Zf=102
遊星歯車機構1の太陽外歯車Aと遊星歯車Bとの歯数比と、遊星歯車機構2の太陽外歯車Dと遊星歯車Eの歯数比は、ともに2:1の整数比となっている。しかし、太陽外歯車と遊星歯車と太陽内歯車の歯数比の比は、遊星歯車機構1では、42:21:86となり、少ない数の整数比とはならず、実現可能なねじ状歯車を施すことはできない。また、同様に遊星歯車機構1も同様である。
したがって、ねじ状歯車を、遊星歯車機構1と2の太陽外歯車と遊星歯車間に、歯数(条数)比が2:1となる並列に施すことができる。図で分かるように、追加したねじ状歯車の遊星歯車Gを1歯、又、太陽外歯車Hを2歯とし、歯数比が他の遊星歯車と太陽外歯車と同一の2:1とし、歯数比が同じなので、他の歯車の噛合いを補助し、スムーズな回転を促す。また、ねじ状歯車によって、遊星歯車と太陽外歯車は、スラスト方向(アキシャル方向)に変位が拘束されるので、二つの太陽外歯車と遊星歯車とは、軸方向に互いに拘束しあう。よって、太陽外歯車Aと遊星歯車Bと太陽外歯車Dと遊星歯車E、と太陽外歯車H、遊星歯車Iは、軸方向に一体となり固定されるが、その一体となったもの対し、太陽内歯車Cと太陽内歯車Fは、軸方向(アキシャル方向)に固定されない。よって、図10でわかるように、ベアリングによって二つの太陽内歯車と太陽外歯車間を回転自由で、アキシャル方向を固定する。したがて、図10に示す本歯車機構は、アキシャル方向の荷重に対し耐力を有し、且つ、回転伝達を行う機構となる。
<本件新型3K−II型遊星歯車機構>
次に、第2の実施の形態として本件新型3K−II型遊星歯車機構について、図11〜図13を参照しながら説明する。
3K−II型遊星歯車機構は、二つの太陽外歯車の内、一つを固定軸、もう一つを従動軸とし、太陽内歯車を駆動軸とし、いずれも大減速を得ようとする機構である。即ち、太陽内歯車を回転入力(駆動軸)として、二つの太陽外歯車間に相対的な回転を発生させる機構である。
図11に本件新型3K−II型遊星歯車機構のスケルトン図を示す。例えば、特許請求の範囲に記載された「第1及び第2の歯車」には歯車B,Eが対応し、「第3及び第4の歯車」には歯車A,Dが対応し、「第5及び第6の歯車」には歯車C,Fが対応する。
本件新型3K−II型遊星歯車機構は、歯数比の選定の自由度が大きい。したがって、従来の3K−II型遊星歯車機構の問題点を抑制でき、本件新型3K−II型遊星歯車機構の利用の拡大が見込まれる。
(本件新型3K−II型遊星歯車機構の減速比)
図11に於いて、まず、歯車A、B、Cでなす遊星歯車機構を遊星歯車機構1、もう一組の、歯車D、E、Fでなす遊星歯車機構を遊星歯車機構2とし、それぞれに、太陽外歯車A,Dと太陽車内歯車C,Fとの間に1回転の相対回転を与える時、遊星歯車B,Eの軸に対して、太陽外歯車A,D、太陽内歯車C,Fの回転位置関係は、次の表4のようになる。
Figure 2007017935
遊星歯車機構1の太陽外歯車を固定とすると、回転は遊星歯車機構1の太陽外歯車と遊星歯車機構2の太陽内歯車間に与えられる。
また、二組の太陽内歯車と遊星車は、歯数比が等しく、太陽内歯軸C,Fは、遊星歯車B,Eに対し、一つの回転位置しか持ち得ない。即ち、遊星歯車機構2の太陽内歯車Fの位置Hr2が、遊星歯車機構1の公転位置に固定される。
よって、遊星歯車機構1の太陽外歯車Aと太陽車内歯車Cとの間に与えられる1回転の相対回転は、遊星歯車機構2には、Hr1/Hr2の回転に相当し、よって、遊星歯車機構2の太陽外歯車Dの位置は、Hs2・Hr1/Hr2となる。
したがって、遊星歯車機構1と遊星歯車機構2の太陽外歯車A,D間の相対回転(速比u)は、
u=Hs1−Hs2・Hr1/Hr2
となり、その逆数が減速比(K)となり、
K=1/(Hs1−Hs2・Hr1/Hr2)
=(Za+Zc)・Zd/(Zc・Zd−Za・Zf) ・・・(2)
となる。
(3K型−II型普通遊星歯車機構と本件新型3K−II型遊星歯車機構の減速比の比較)
図4の3K型−II型普通遊星歯車機構の減速比(K')は、
K'=(Za+Zc)・Zb・Zd/(Zb・Zc・Zd−Za・Zc・Ze) ・・・(2)'
である。
この式は、本件新型3K−II型遊星歯車機構の減速比より複雑であるが、3K型−II型普通遊星歯車機構には、歯車F(歯数Zf)が存在しない。3K型−II型普通遊星歯車機構では、遊星歯車は、歯車A,B,Cの噛み合いによって位置が決まる。本件新型3K−II型遊星歯車機構を3K型−II型普通遊星歯車機構に対応させるため、歯車Fと歯車Eとの噛み合いが歯車Cと歯車Bとの噛み合いを阻害しないように、Zf=Zc・Ze/Zbと仮想して、式(2)を変形すると
K=(Za+Zc)・Zd/(Zc・Zd−Za・Zf) ・・・(2)
=(Za+Zc)・Zd/(Zc・Zd−Za・Zc・Ze/Zb)
=(Za+Zc)・Zb・Zd/(Zb・Zc・Zd−Za・Zc・Ze)
となり、K型−II型普通遊星歯車機構の減速比を示す式(2)'が導き出せる。
従来のK型−II型普通遊星歯車機構では、不思議遊星歯車も歯数という概念によって、遊星の配置個数が制約され、太陽内歯車F(歯数Zf)を噛み合わせ存在させることができなかった。本件新型3K−II型遊星歯車機構は、本来の真理である歯数比により減速比が決まる概念により、遊星歯車機構を考え、且つ、遊星の配置方法を工夫することによって、太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車の歯をそれぞれ複数個配置できる機構が存在し得ることを示した。
(本件新型3K−II型遊星歯車機構の歯数の例)
遊星歯車機構の歯車の歯数と減速比の一例を、次の表5に示す。
Figure 2007017935
この例は、本件新型3K−I型遊星歯車機構の歯数の例として示した表2の仕様に近いものであり、
遊星歯車機構1:Za=27、Zb=9、Zc=45
遊星歯車機構2:Zd=31、Ze=10、Zf=50
遊星配置個数:9個
Zb:Zc=Ze:Zf
Za:Zb≠Zd:Ze
である。
表2では遊星歯車機構2の歯数が、太陽内歯車が51であったが、本例では、それを50にし、太陽外歯車が30であったが、それを31にした。したがって、遊星の配置個数も9と同じで、極めて、類似している。
しかしながら、式(2)で計算される減速比は49.6と本件新型3K−I型遊星歯車機構の例として示した減速比136に比して小さくなる。即ち、本件新型3K−II型遊星歯車機構は、本件新型3K−I型遊星歯車機構に対し相対的に減速比が小さくなる傾向にある。
表5で分かるように、すべての歯車は同一中心距離であるが、噛合いピッチ円は太陽外歯歯車と遊星歯車間で、遊星歯車機構1と遊星歯車機構2で異なる。
転位は、本件新型3K−I型遊星歯車機構と同様に、太陽外歯歯車と遊星歯車、太陽内歯車に分散して与えられ、その転位係数は歯車として効率よい範囲である。
歯車の歯数には、ある程度自由度があるので、次の仕様のように、減速比を162とある程度大きくすることもできる。
遊星歯車機構1:Za=35、Zb=11、Zc=55
遊星歯車機構2:Zd=45、Ze=14、Zf=70
遊星配置個数:5個
この場合、
Zb:Zc=Ze:Zf
Za:Zb≠Zd:Ze
の関係にあるから、二つの太陽外歯車の遊星歯車に対する歯数比が異なる。
よって、二つの太陽外歯車の内、いずれか一方を固定軸、もう一方を従動軸にとり、太陽内歯車を駆動軸にすれば、太陽内歯車の回転入力に対して、本例の場合は、式(2)に従い1/162に減速され、駆動軸に出力される。また、遊星歯車の配置個数は、二つの遊星歯車機構の太陽外歯車と太陽内歯車の歯数の和の公約数であり、ZaとZcの和が90であり、ZdとZfの和が115であることから、5個とした。
二つの太陽外歯車と太陽内歯車の歯数の和は、この5以外に、1I以外の公約数を持たない。よって、5個すべての遊星歯車に於いて、遊星歯車の太陽外歯車、太陽内歯車に対する噛合いの位相関係が、すべて異なる。したがって、遊星歯車の配置方法も本件新型3K−I型遊星歯車機構と同様であるといえる。
(実施例2)
次に、本件新型3K−II型遊星歯車機構の具体的な構成について、図12を参照しながら説明する。
図12の断面図に示すように、遊星歯車装置70は、2つの太陽外歯車72,73と、複数の遊星歯車74と、太陽内歯車76とを備え、遊星歯車74は、太陽外歯車72,73と太陽内歯車76との間のリング状の空間に配置される。
遊星歯車74と太陽内歯車76とには、それぞれ、互いに噛み合う2組の歯車54,64;56,66が形成されている。一方の太陽外歯車72には、遊星歯車74の一方の歯車54に噛み合う歯車52が形成されている。他方の太陽内歯車73には、遊星歯車74の他方の歯車64に噛み合う歯車62が形成されている。太陽外歯車72の歯車52と、遊星歯車74の歯車54と、太陽内歯車76の歯車56とによる1組の遊星歯車機構50が構成され、太陽外歯車73の歯車62と、遊星歯車74の歯車64と、太陽内歯車76の歯車66とによる、もう1組の遊星歯車機構60が構成される。2組の遊星歯車機構50,60において、太陽内歯車76の歯車56,66と遊星歯車74の歯車54,64とは歯数比が等しく歯数が異なる。また、太陽外歯車72,73の歯車52,62と遊星歯車74の歯車54,64とは歯数比が異なる。
2つの太陽外歯車72,73は、同心かつ相対回転自在同心に配置されている。すなわち、太陽外歯車72,73は、互いに対向する端面に、それぞれ、凸部と凹部が形成され、凹部と凸部の間に配置された軸受け80を介して回転自在に結合されている。
2つの太陽外歯車72,73と太陽内歯車76との間には軸受け82,84が配置されている。軸受け82,84は、遊星歯車74の両側に配置されている。遊星歯車74にはキャリアは必須ではないが、キャリアを設けて遊星歯車74を回転自在に支持するようにしてもよい。
遊星歯車装置70は、2つの太陽外歯車72,73と太陽内歯車76のうち、一つを固定(拘束)した状態で、他の2つの間で回転を伝達することができる。
例えば、太陽内歯車76を固定する場合、一方の太陽外歯車72が回転すると、一方の遊星歯車機構50において、遊星歯車74の歯車54が、太陽内歯車76の歯車56の周りを自転しながら公転する。太陽内歯車76の歯車56,66と遊星歯車74の歯車54,64との歯数比が等しいので、太陽内歯車76の歯車56,66に対して、遊星歯車74の歯車54,64は、一体となって回転し、遊星歯車74の歯車64は太陽内歯車76の歯車66の周りを自転しながら公転する。
遊星歯車74の歯車64が太陽内歯車76の歯車66の周りを自転しながら公転すると、遊星歯車74の歯車64と噛み合う太陽外歯車73の歯車62が回転する。このとき、太陽外歯車72,73の歯車52,62と遊星歯車74の歯車54,64との歯数比が異なるので、太陽外歯車73は、太陽外歯車72とは異なる速度で回転する。
(変形例3)
次に、ねじ状の歯車を並列に追加した変形例3について、図13を参照しながら説明する。
図13のスケルトン図に示すように、本件新型3K−II型遊星歯車機構の歯数の例として示した図11の構成、すなわち、歯車A,B,Cによる遊星歯車機構1と、歯車D,E,Fによる遊星歯車機構2とを備えた構成に、ねじ状の歯車G,H,Jによる遊星歯車機構3を遊星歯車機構1と並列に設ける。遊星歯車機構3は、遊星歯車機構1と歯数比が全く等しい。即ち、遊星歯車機構1の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車と、遊星歯車機構3の太陽外歯車、遊星歯車、太陽内歯車とは、それぞれ、互いに固定されている。
例えば、歯車A〜J(Iなし)の歯数Za〜Zj(Ziなし)及び遊星配置個数は、次のようにする。
遊星歯車機構1:Za=27、Zb=9、Zc=45
遊星歯車機構3:Zg=3、Zh=1、Zj=5
遊星歯車機構2:Zd=31、Ze=10、Zf=50
遊星配置個数:9個
<はすば歯車を用いた遊星歯車機構>
本件新型3K−I型遊星歯車機構や、本件新型3K−II型遊星歯車機構において、はすば歯車を用いてもよい。以下、具体的な構成について説明する。
(実施例3)
実施例3の遊星歯車装置30xについて、図14a及び図14bを参照しながら説明する。図14aは、遊星歯車装置30xの構成を示す断面図である。図14bは、図14aの線B−Bに沿って切断した断面図である。
遊星歯車装置30xは、本件新型3K−I型遊星歯車機構である。図14aに示したように、太陽外歯車32x、遊星歯車34x、太陽内歯車36x、38xには、それぞれ、ねじれが逆方向の2つのはすば歯車12x,22x;14x,24x;16x,26xが形成されている。太陽外歯車32bと太陽内歯車36x,38bとの間には、軸受け40x,42xが配置されている。例えば、一方の太陽内歯車36xが固定され、回転せず、軸方向に移動しないようになっている。他方の太陽内歯車38xは回転自在である。太陽内歯車36x,38xのはすば歯車16x,26xが遊星歯車34xのはすば歯車14x,24xと噛み合うので、太陽内歯車36x,38xの軸方向の位置は一定に保たれる。太陽内歯車36x,38xの間には、オイルシール37xが配置され、遊星歯車装置30xの内部のオイルが漏れ出さないようになっている。
例えば、1組の遊星歯車機構10xの各歯車12x,14x,16xの歯数は、それぞれ、22、11、43である。もう1組の遊星歯車機構20xの各歯車22x,24x,26xの歯数は、それぞれ、32、16、63である。遊星歯車34xの配置個数は5である。この場合の減速比は409.5であり、極めて大きい。
遊星歯車装置30xは、ねじれが逆方向のはすば歯車の噛み合いによって、軸方向荷重を受けることができ、抜け止めやキャリアを設けなくても遊星歯車34を安定して保持することができ、円滑に駆動することができる。また、軸方向に同時にかみ合う歯数が増えるので、音が静かであり、耐荷重性が向上する。遊星歯車34xにはすば歯車14x,24を設けているので、平歯車の場合に比べ、太陽歯車32x,36x,38xの中心軸周りの傾きや偏磨耗を軽減できる。
太陽外歯車32xも遊星歯車34xも、それぞれ、二つの異なる歯車12x,22x;14x,24xを有し一体として形成されている。したがって、遊星歯車34xと太陽外歯車32xの位相関係が、互いに噛合う様に固定され、遊星歯車34xは、同一形状のものが複数個配置されるようにすることができる。遊星歯車装置30xは、例えば、一方の遊星歯車機構20x側を組み立て、所定位置に露出している遊星歯車34xのはすば歯車14xに、他方の遊星歯車機構10xの太陽内歯車36xをねじりながら噛み合わせることにより、組み立てることができる。
(まとめ)
以上に説明したように、本件新型3K−I型遊星歯車機構及び本件新型3K−II型遊星歯車機構は、機構学的に従来技術とは異なる新規な遊星歯車機構を備えたることによって、従来装置の問題点を解決することができる。すなわち、機構の根源である歯車の減速理論にさかのぼり、不思議歯車機構の理論に立ち返り、新たに提案された遊星歯車機構を備える。不思議遊星歯車では、一つの軸に取り付けられた互いに歯数の異なる2個の歯車が他の共通な歯車に噛合う機構であったが、本件新型3K−I型遊星歯車機構及び本件新型3K−II型遊星歯車機構は、では、遊星歯車軸に一つの歯車ではなく、一体に構成された互いに歯数の異なる歯車を設け、その遊星の二つの歯車に対し、互いに歯数比の異なる複数の歯車を太陽外歯車、もしくは、太陽内歯車に設けられている。
本件新型3K−I型遊星歯車機構及び本件新型3K−II型遊星歯車機構は、従来装置の問題点を解決することができる。すなわち、減速比に設計上の自由度が増し、その結果、遊星の配置個数を多くでき、高トルク伝達が可能であり、且つ、より大きな減速比を実現でき、高効率である。
すなわち、遊星機構は、遊星の配置個数1個ではないので噛合いが多く、大きなトルクを伝達可能である。また、歯数比の理論なので、高減速比を、歯の強度を落とさす実現できる。遊星に対する歯数比が違う原理で動くから、歯数比が近くなればなるほど、原理上、減速比は大きくなる。一般的に、大きな減速比を得る歯車は、歯車の基準ピッチは、大と小の関係、即ち、歯数比が大きいほど、減速比は大きいという関係にある。ところが、本発明は、歯数比の差が小さいほど、大きいな減速比を得る。歯数比の差で動くから、歯数の比ではなく、あくまで、歯数比の差であり、歯車の大小の比に関係がない。
また、従来装置で大減速とすると、歯数比が大きくなるから、歯車に負担がかかる。大減速のものはモジュールが小さくなり、強度が弱くなるが、本発明ではそれが防ぐことができる。
また、高減速になればなるほど、伝達トルクが大きい。歯数比が異なると、どうしても、遊星に回転速度比の違いにより、ねじりトルクが発生し、歯の破損を招く。本発明では、減速比が大きいほど、遊星歯車の回転速度比は小さい。したがって、減速比の大きいものほど耐久性が良い。一般的には、減速比が大きいほど、耐久性が悪いので、全く逆になる。
遊星配置個数が、従来技術より多く、異位相配置ができ、耐久性に不可欠な、歯面のみの噛み合いを実現できる。従来技術では、遊星の配置可能個数は、遊星に噛合う歯車の、歯数差によって制限されていた。しかし、本発明では歯数比の理論であり、遊星配置可能個数が、従来技術に比して、大きな自由度をもって設定できるので、配置個数を多くできる。また、互いに異なる位相でかみ合わせることもできる。
遊星配置個数は、高トルク伝達に向く。異なる位相でかみ合わせることによって、歯車として、歯面でのトルク伝達が可能で、たとえば、歯底と歯先の衝突などを防ぐことができる。即ち、太陽と内歯の噛合いが中心間距離を保つように常に働き、遊星の公転軌道の振れが生じにくい。そのため、遊星歯車のキャリアを省くことも可能である。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
例えば、歯車は、一般的なインボリュート歯形に限らず、サイクロイド歯形や円弧歯形などでもよい。また、平歯車に限らず、はすば歯車、かさ歯車などであってもよい。

Claims (13)

  1. 太陽外歯車と太陽内歯車と遊星歯車とを有し、前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車のいずれか一方に三つの基本軸である駆動軸、従動軸、固定軸の内の二つが与えられ、前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車の他方に他の一つの前記基本軸が与えられ、回転伝達によって増減速を行う3K型遊星歯車機構を備え、
    前記遊星歯車は歯数の異なる少なくとも2つの第1及び第2の歯車を同軸かつ一体に有し、
    二つの前記基本軸が与えられた前記一方の前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車は、前記遊星歯車の前記第1及び第2の歯車にそれぞれ噛み合いかつ相対回転可能な少なくとも2つの第3及び第4の歯車を有し、
    前記第1の歯車と前記第3の歯車との歯数比が前記第2の歯車と前記第4の歯車との歯数比と異なり、
    一つの前記基本軸を与えられた前記他方の前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車は、前記遊星歯車の前記第1及び第2の歯車にそれぞれ噛み合う少なくとも2つの第5及び第6の歯車を同軸かつ一体に有し、
    前記第1の歯車と前記第5の歯車との歯数比が前記第2の歯車と前記第6の歯車との歯数比と等しいことを特徴とする、遊星歯車装置。
  2. 前記太陽外歯車に三つの前記基本軸である前記駆動軸、前記従動軸、前記固定軸の内の二つが与えられ、前記太陽内歯車に他の一つの前記基本軸が与えられたことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  3. 前記太陽内歯車に三つの前記基本軸である前記駆動軸、前記従動軸、前記固定軸の内の二つが与えられ、前記太陽外歯車に他の一つの前記基本軸が与えられたことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  4. 前記遊星歯車は、前記太陽外歯車及び前記太陽内歯車との噛み合いの位相が異なる複数組を備え、等角度間隔で配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  5. 前記遊星歯車の前記第1及び第2の歯車は、中心距離が等しく前記太陽外歯車及び前記太陽内歯車に噛み合うことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  6. 歯数比が等しい前記第1の歯車と前記第5の歯車との噛み合いピッチ円と、前記第2の歯車と前記第6の歯車との噛み合いピッチ円とが、等しく、
    歯数比が異なる前記第1の歯車と前記第3の歯車とのピッチ円と、前記第2の歯車と前記第4の歯車とのピッチ円とが異なることを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  7. 前記太陽内歯車の歯数が、前記遊星歯車の歯数の2倍と前記太陽外歯車の歯数の和と異なるとき、前記太陽内歯車、前記遊星歯車又は前記太陽外歯車の少なくとも一つに対し転位を施すことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  8. 前記遊星歯車が太陽歯車の周りに等角度間隔で配置され、前記遊星歯車の個数と前記遊星歯車の歯数とが互いに素であることを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  9. 前記太陽外歯車と前記太陽内歯車との間に回転軸受け機構を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  10. 前記遊星歯車は、前記第1及び第2の歯車と異なる少なくとも1つの第7の歯車を同軸かつ一体に有し、
    前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車の少なくとも一方に、該第7の歯車に噛み合う第8の歯車が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  11. 前記遊星歯車は、前記第1及び第2の歯車と異なる少なくとも1つの歯車を同軸かつ一体に有し、
    前記遊星歯車が同軸かつ一体に有する三つ以上の前記歯車の内一つ以上の前記歯車がねじ状であり、当該ねじ状の前記歯車は、前記太陽外歯車又は前記太陽内歯車の少なくとも一方もしくは両方に噛み合うことを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  12. 前記第1〜第4の歯車の歯数をZ1〜Z4とし、前記第3及び第4の歯車の歯数Z3,Z4をともに増加又は減少した仮想歯数をZ3'、Z4'としたとき、
    (a)Z1:Z3'=Z2:Z4'、かつ
    (b)|Z3−Z3'|=1又は2、かつ
    (b)|Z4−Z4'|=1又は2
    であることを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
  13. 前記第1の歯車と前記第2の歯車、前記第3の歯車と前記第4の歯車、前記第5の歯車と前記第6の歯車は、それぞれ逆方向にねじれたはすば歯車であることを特徴とする、請求項1に記載の遊星歯車装置。
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