JP2021021455A - 電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】案内板と遊星歯車との摩擦による効率の低下を抑制することができる電動アクチュエータを提供する。【解決手段】電動モータ4と、電動モータ4の回転運動が入力されるウォームギヤ5と、ウォームギヤ5の回転運動が入力されるサイクロイド減速機9と、出力軸12に挿入された円筒状のブッシュ15と電動モータ4が取り付けられ、ウォームギヤ5およびサイクロイド減速機9が収容された筐体2と、出力軸12およびブッシュ15が挿入される円筒部16aを有し、出力軸12側から筐体2の開口部分を覆う側板16と、を有する電動アクチュエータ1であって、遊星歯車11の側面には、基端部分の幅が先端部分の幅よりも大きい係合部11bが形成され、案内板10には、係合部11bにおける先端部分の幅よりも大きく基端部分の幅よりも小さい溝幅W1の遊星歯車用溝10bが形成され、溝に係合部11bが挿入され、前記基端部分と案内板10とが接触する。【選択図】図3
Description
本発明は電動アクチュエータに関する。
従来、自動車等のシート座面の上下方向位置を変更するシートリフタにおいて、電動アクチュエータによってシートを上下動させるシートリフタが知られている。シートリフタ用の電動アクチュエータは、電動モータと、ウォームギヤと、サイクロイド減速機を具備している。電動アクチュエータは、電動モータの回転力をウォームギヤとサイクロイド減速機によって増幅させてシートを上下させる機構に伝達する。また、電動アクチュエータは、ウォームギヤによって、衝撃等による力がシートを上下させる機構側から入力されても遮断されるように構成されている。これにより、座席シートの座面高さが保持される。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の電動アクチュエータは、ウォームギヤによってサイクロイド減速機の遊星歯車を偏心回転させ、サイクロイド減速機にモータの回転動力を伝達する。遊星歯車は、案内板によって自転が抑制された状態でサイクロイド減速機の出力軸の内歯車と噛み合いながら公転される。案内板は、遊星歯車の公転に伴って、筐体に形成された案内溝に沿って水平方向に往復移動される。また、遊星歯車は、案内板に形成された案内溝に沿って垂直方向に移動される。これにより、遊星歯車は、筐体と案内板とによって自転が抑制されつつ、内歯車内で公転される。電動アクチュエータは、遊星歯車を案内板に沿って移動させるために、遊星歯車の側面が案内板の側面に面接触している。遊星歯車は、案内板と摺動しながら公転されるため、案内板との間で摩擦が発生する。このため、サイクロイド減速機を備える電動アクチュエータは、遊星歯車と案内板との間で発生する摩擦によって効率が低下する問題があった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、案内板と遊星歯車との摩擦による効率の低下を抑制することができる電動アクチュエータを提供することを目的とする。
即ち、第一の発明は、電動モータと、前記電動モータの回転運動が入力されるウォームギヤと、前記ウォームギヤの回転運動が偏心回転運動として入力される遊星歯車と、前記遊星歯車の自転を抑制する案内板と、一側端部に前記遊星歯車が内接する内歯車が形成され、他側端部が前記内歯車よりも小径に形成された出力軸と、から構成されるサイクロイド減速機と、前記電動モータが取り付けられ、前記ウォームギヤおよび前記サイクロイド減速機が収容される筐体と、前記出力軸が挿入される円筒部を有し、出力軸側から前記筐体の開口部分を覆う側板と、を有する電動アクチュエータであって、前記遊星歯車の側面には、軸方向に突出し、基端部分の幅が先端部分の幅よりも大きい係合部が形成され、前記案内板には、前記係合部における先端部分の幅よりも大きく基端部分の幅よりも小さい溝幅の溝が形成され、前記溝に前記係合部が挿入され、前記基端部分と前記案内板とが接触する電動アクチュエータである。
第二の発明は、前記基端部分には、先端側から基端側にかけて外方向に湾曲する曲面が形成されている電動アクチュエータである。
第三の発明は、前記溝の内壁には、前記遊星歯車側の端部に前記溝幅を大きくする傾斜面が形成され、前記溝のうち最も小さい溝幅と最も大きい溝幅との差の半分が前記曲面の半径よりも小さく、前記先端部分の幅と前記最も大きい溝幅との差の半分が前記曲面の半径よりも小さい電動アクチュエータである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、第一の発明は、遊星歯車の係合部が挿入された案内板が係合部の基端部分に支持されているので、遊星歯車の側面に案内板の側面が面接触しない。つまり、遊星歯車と案内板との間で生じる摩擦が抑制される。これにより、電動アクチュエータは、摩擦による効率の低下を抑制することができる。
即ち、第二の発明は、遊星歯車において係合部を形成する際の隅R加工による曲面が案内板を支持するので、案内板を支持するために別途の加工を行う必要がない。これにより、電動アクチュエータは、摩擦による効率の低下を抑制することができる。
即ち、第三の発明は、溝の端部にC面取加工がされても、係合部の基端部分によって案内板が支持される。これにより、電動アクチュエータは、案内板と遊星歯車との摩擦による効率の低下を抑制することができる。
図1から図5を用いて、本発明に係る電動アクチュエータの第一実施形態である電動アクチュエータ1について説明する。
図1から図3に示すように、電動アクチュエータ1は、電動モータ4の出力を減速して出力するアクチュエータである。電動アクチュエータ1は、筐体2、電動モータ4、支持軸3、ウォームギヤ5、案内板10、サイクロイド減速機9、ブッシュ15、側板16等を具備する。なお、以下において、軸方向とは、ウォームギヤ5とサイクロイド減速機9とを支持する支持軸3に沿った方向を表す。
筐体2は、ウォームギヤ5およびサイクロイド減速機9を格納する容器である。筐体2は、軸方向一側の端部が開口された矩形の有底状に形成されている。筐体2の軸方向他側の底面には、支持軸3が底面に対して垂直に設けられている。つまり、筐体2の内部には、支持軸3が軸方向一側に向かって延びるように固定されている(図3参照)。支持軸3は、ウォームギヤ5とサイクロイド減速機9とを支持する軸である。筐体2の側面の内側には、案内板用溝2aが形成されている。筐体2の側面には、モータ取付部2bが形成されている(図2参照)。筐体2の軸方向一側の端部には、側板16を固定する複数(本実施形態では4か所)の側板固定用ネジ孔2cが形成されている(図4参照)。
電動モータ4は、ウォームギヤ5に回転力を供給する駆動源である。電動モータ4は、筐体2のモータ取付部2bに固定されている(図2参照)。これにより、電動モータ4は、軸方向が支持軸3に垂直になるように配置されている。
図2と図3とに示すように、ウォームギヤ5は、ウォーム8を回転させてウォームホイール6の歯を順次送る機構である。ウォームギヤ5は、ウォームホイール6とウォーム8とを具備する。
ウォームホイール6は、はす歯歯車から構成されている。ウォームホイール6の出力側には、偏心軸6aが形成されている。偏心軸6aの軸心は、ウォームホイール6の軸心に対して所定の偏心量eだけ径方向外側にずれている(図5(A)参照)。偏心軸6aには、滑り軸受6bが偏心軸6aと一体で回転するように挿入されている。また、ウォームホイール6の軸心には、偏心軸6aを貫通するようにウォーム軸孔6cが形成されている(図3参照)。ウォームホイール6は、ウォーム用座金7を介して筐体2の底面の内側に接触するように配置されている。また、ウォーム軸孔6cには、支持軸3が回転自在に挿入されている。つまり、ウォームホイール6は、筐体2の底面にウォーム用座金7を介して接触した状態で、支持軸3に回転自在に支持されている。
ウォーム8は、らせん状に歯が形成されているねじ歯車である。ウォーム8は、電動モータ4の出力軸に固定されている。ウォーム8は、ウォームホイール6にかみ合うように筐体2の内部に配置されている。ウォーム8は、電動モータ4の軸周りに回転することでらせん状の歯がウォームホイール6の歯を順次送るように構成されている。
このように構成されるウォームギヤ5は、電動モータ4からの回転力がウォーム8に入力され、ウォームホイール6に伝達されることで、回転速度を減速しつつ支持軸3回りの回転力に変換する。また、ウォームギヤ5は、ウォーム8の進み角を小さくすることで、ウォームホイール6からの回転力によるウォーム8の回転を困難にすることができる。これにより、ウォームギヤ5は、出力側のウォームホイール6からの回転力を入力側のウォーム8に伝達しない。
図2から図4に示すように、サイクロイド減速機9は、遊星歯車11を出力軸12の太陽歯車(内歯車12b)に内接させて減速する遊星歯車式減速装置である。サイクロイド減速機9は、案内板10と遊星歯車11と内歯車12bを備える出力軸12とを具備する(図2参照)。
図4に示すように、案内板10は、サイクロイド減速機9の遊星歯車11を公転させる部材である。案内板10には、長孔状の案内板軸孔10aが形成されている。また、案内板10には、長方形状の遊星歯車用溝10bが形成されている。遊星歯車用溝10bは、長手方向が案内板軸孔10aの長手方向と一致するように形成されている。本実施形態において、遊星歯車用溝10bは、案内板軸孔10aの長手方向の両端に案内板軸孔10aと繋がるように形成されている。さらに、案内板10には、案内板軸孔10aの長手方向と垂直な方向に延びるように案内部10cが形成されている。案内部10cは、案内板軸孔10aの両側にそれぞれ2か所ずつ帯状かつ互いに平行に突出している。
案内板10は、筐体2の内部に配置されている。案内板10の案内板軸孔10aには、滑り軸受6bを介してウォームホイール6の偏心軸6aが摺動自在に挿入されている。案内板軸孔10aは、短手方向の側面に偏心軸6aが接触し、長手方向の側面と偏心軸6aとの間に隙間が生じている。案内板10の案内部10cは、筐体2の案内板用溝2aに摺動自在に嵌合されている。これにより、案内板10は、偏心軸6aの軸心が案内板軸孔10aの短手方向に移動すると、案内板軸孔10aの短手方向の側面が偏心軸6aに押圧されて筐体2の案内板用溝2aに沿って移動する(白塗矢印参照)。一方、案内板10は、偏心軸6aの軸心が案内板軸孔10aの長手方向に移動しても、案内板軸孔10aの長手方向の側面が偏心軸6aによって押圧されない。また、案内板10は、案内部10cが案内板用溝2aに嵌合されているので偏心軸6aと一体に回転されない。
遊星歯車11は、回転力が入力される歯車である。遊星歯車11は、歯数Z1のインボリュート平歯車から構成されている。遊星歯車11の軸心には、遊星軸孔11aが形成されている。また、遊星歯車11には、側面から軸方向に突出した係合部11bが形成されている。係合部11bは、遊星軸孔11aを挟んで対向する位置に形成されている。遊星歯車11は、案内板10に接触して筐体2の内部に配置されている。遊星歯車11の遊星軸孔11aには、ウォームホイール6の偏心軸6aが滑り軸受6bを介して回転自在に挿入されている。また、遊星歯車11の係合部11bは、遊星歯車用溝10bに摺動自在に嵌合されている。
遊星歯車11は、偏心軸6aの軸心が案内板10の案内板軸孔10aの短手方向に移動すると、遊星軸孔11aの内周面が偏心軸6aに押圧される。遊星歯車11は、偏心軸6aの回転力により係合部11bが遊星歯車用溝10bの短手方向に押圧される。遊星歯車11は、案内板10によって回転運動が直線運動に変換され、案内板10と一体に筐体2の案内板用溝2aに沿って移動する(図4白塗矢印参照)。
また、遊星歯車11は、偏心軸6aの軸心が案内板軸孔10aの長手方向に移動すると、遊星軸孔11aの内周面が偏心軸6aに押圧される。遊星歯車11は、偏心軸6aの回転力により係合部11bが遊星歯車用溝10bの短手方向に押圧される。遊星歯車11は、案内板10によって回転運動が直線運動に変換され、案内板軸孔10aの長手方向に沿って移動する(図4黒塗矢印参照)。
このように、遊星歯車11には、偏心軸6aの回転角度に応じた割合で、筐体2の案内板用溝2aの溝方向(図4白塗矢印参照)と、案内板10の案内板軸孔10aの長手方向(図4黒塗矢印参照)に移動される。このように、遊星歯車11は、係合部11bが案内板用溝2aに嵌合されているので偏心軸6aと一体に回転されない。つまり、遊星歯車11は、自転することなく、支持軸3を公転軸として偏心量eを半径とする円周軌道に沿って公転するように構成されている(図5(A)参照)。
図2と図3に示すように、出力軸12は、遊星歯車11の回転を減速して出力する軸である。出力軸12の一方の端部には、大径段部12aが形成されている。大径段部12aの端面には、出力軸12の軸心を中心とする歯数Z2の内歯車12bが形成されている。内歯車12bは、遊星歯車11と同一モジュールのインボリュート平歯車から構成されている。内歯車12bの歯数Z2は、遊星歯車11の歯数Z1よりも大きい。大径段部12aの段差面12cには、円筒状の小径段部12dが同軸上に形成されている。小径段部12dの端面には、シートリフタ等の外部の機構に回転力を伝達するための出力ギヤ12eが形成されている。出力軸12の軸心には、出力軸孔12fが形成されている。
出力軸12は、大径段部12aが筐体2の内部に配置されている。出力軸12の出力軸孔12fには、支持軸3が圧入されている。同時に、出力軸12の内歯車12bには、遊星歯車11が噛み合わされている。遊星歯車11と出力軸12との間には、遊星歯車11側から順に出力軸用座金13、Oリング14がそれぞれ支持軸3、出力軸12に支持された状態で配置されている。出力軸12と出力軸用座金13とは、摩擦係数が大きい合成ゴム等からなるOリング14を間に配置することで一体に回転するように構成されている。また、出力軸12には、弾性体であるOリング14が配置されていることで軸方向に弾性力が生じるように構成されている。
図5に示すように、サイクロイド減速機9は、ウォームホイール6の偏心軸6aの回転(黒塗矢印参照)と案内板10の作用によって、遊星歯車11が出力軸12の内歯車12bに噛み合いながら半径が偏心量eの円周軌道を公転する。この結果、サイクロイド減速機9は、偏心軸6aの入力回転数を減速比R=Z2/(Z2−Z1)で減速した回転数で出力軸12が回転する(白塗矢印参照)。つまり、サイクロイド減速機9は、入力回転数である偏心軸6aの回転数を減速比Rだけ減速させた回転数で出力軸12が回転する。
図2と図3とに示すように、ブッシュ15は、出力軸12と側板16との接触を防止する部材である。ブッシュ15は、円筒状に形成されている。また、ブッシュ15の一側端部には、鍔部15aが形成されている。ブッシュ15は、鍔部15a側から出力軸12の小径段部12dに挿入されている。ブッシュ15は、鍔部15aが出力軸12の大径段部12aの段差面12cに接触して配置されている。
側板16は、筐体2の開口部分を覆い、筐体2の内部の各部材を軸方向に固定するものである。側板16には、軸方向一側に突出した円筒部16aが形成されている。円筒部16aの内側には、円筒部16aの内径と同一径の貫通孔が形成されている。側板16には、筐体2の軸方向一側の端部に配置した際に側板固定用ネジ孔2cと重複する位置に側板固定用孔16bがそれぞれ形成されている。側板16は、側板固定用孔16bに挿入された側板固定用ボルト17によって筐体2の軸方向他側の開口部分を塞ぐように筐体2に固定されている。
側板16の円筒部16aには、出力軸12とブッシュ15とが挿入されている。従って、側板16は、出力軸12に接触することなく筐体2に固定されている。側板16は、筐体2に固定されることで、ブッシュ15の鍔部15aを介して出力軸12を軸方向に押圧している。この際、側板16は、Oリング14を弾性変形させている。これにより、側板16は、筐体2の内部に配置されているウォームホイール6、案内板10、遊星歯車11、出力軸12に軸方向の押圧力を発生させている。
このように構成される電動アクチュエータ1は、電動モータ4からの回転力をウォームギヤ5で変換するとともに、ウォームホイール6の偏心軸6aによってサイクロイド減速機9の遊星歯車11に伝達する。電動アクチュエータ1は、案内板10によって遊星歯車11を出力軸12の内歯車12bに噛み合わされた状態で公転させることで、ウォームホイール6からの回転力を変換して出力軸12に伝達する。
以下に、図6と図7とを用いて、電動アクチュエータ1における案内板10と遊星歯車11との組付け状態について説明する。
図6に示すように、案内板10の遊星歯車用溝10bにおいて、両側の内壁の遊星歯車側の端部には、C面取り加工が施されている。遊星歯車用溝10bは、C面取り加工が施された部分以外が溝幅Xになるように形成されている。遊星歯車用溝10bは、C面取り加工により、内壁の途中部から遊星歯車11側に向かって溝幅を大きくする45度の勾配を有する傾斜面10dが形成される。つまり、遊星歯車用溝10bの遊星歯車11側は、両側の内壁のC面取り加工における溝幅方向の加工代αの二倍だけ溝幅Xよりも大きいX+2αの溝幅X1になるように形成されている。
図7に示すように、遊星歯車11の係合部11bにおける先端部分は、案内板10の遊星歯車用溝10bの溝幅Xよりも小さい突出幅Yに形成されている。係合部11bの基端部分には、隅R加工が施されている。係合部11bの基端部分は、隅R加工により、係合部11bの途中部(先端側)から基端にかけて外方向に湾曲する曲面11cが形成されている。つまり、係合部11bの基端部分は、隅R加工における曲面11cの半径βの二倍だけ突出幅Yよりも大きいY+2βの突出幅Y1になるように形成されている。
また、案内板10の遊星歯車用溝10bは、遊星歯車11の係合部11bにおける先端部分の突出幅Yよりも大きく、基端部分の突出幅Y1よりも小さい溝幅X1になるように形成されている。つまり、遊星歯車用溝10bのうち最も大きい溝幅X1であるX+2αは、係合部11bのうち最も大きい突出幅Y1であるY+2βよりも小さくなるように構成されている。従って、遊星歯車用溝10bの溝幅X、C面取り加工の傾斜面10dの加工代α、係合部11bの突出幅Y、隅R加工の曲面11cの半径βとは、以下の式(1)で示される関係が成り立つ。また、遊星歯車用溝10bのうち最も小さい溝幅Xは、係合部11bにおける先端部分の突出幅Yよりも大きいことから以下の式(2)で示される関係が成り立つ。
(X−Y)/2<β−α・・・(1)
β-α>0・・・(2)
つまり、遊星歯車用溝10bと係合部11bとは、遊星歯車用溝10bのうち最も小さい溝幅Xと最も大きい溝幅X1との差の半分である傾斜面10dの加工代αが曲面11cの半径βよりも小さく(式(2)参照)、係合部11bの先端部分の幅Yと遊星歯車用溝10bのうち最も大きい溝幅X1との差の半分が曲面11cの半径βよりも小さい(式(1)参照)。
このように構成されている案内板10の遊星歯車用溝10bに遊星歯車11の係合部11bが挿入されると、遊星歯車11は、係合部11bの曲面11cが案内板10の傾斜面10dの遊星歯車側端に接触する。従って、案内板10は、遊星歯車11の側面よりも突出している曲面11cに支持されている。つまり、案内板10が係合部11bの基端部分に支持されているので、遊星歯車11の側面に案内板10の側面が面接触しない。また、遊星歯車11において係合部11bを形成する際の隅R加工による曲面11cが案内板10を支持するので、案内板10を遊星歯車11から離間するために別途の加工を行う必要がない。さらに、遊星歯車用溝10bと係合部11bとを式(1)、式(2)の関係になるように構成することで、遊星歯車用溝10bの端部に傾斜面10dが形成されても、係合部11bの基端部分によって案内板10が支持される。これにより、電動アクチュエータ1は、案内板10と遊星歯車11との摩擦による効率の低下を抑制することができる。
次に、図9を用いて、本発明に係る電動アクチュエータ1の第二実施形態について説明する。なお、以下の実施形態に係る電動アクチュエータ1は、図1から図8に示す電動アクチュエータ1において、電動アクチュエータ1に替えて適用されるものとして、その説明で用いた名称、図番、符号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図9に示すように、第二実施形態における電動アクチュエータ1は、案内板10の遊星歯車用溝10bにおいて、両側の内壁の遊星歯車側の端部には、任意の角度θの勾配からなる面取り加工が施されている。遊星歯車用溝10bは、面取り加工により、内壁の途中部から遊星歯車11側に向かって溝幅を大きくする任意の勾配の傾斜面10eが形成される。つまり、遊星歯車用溝10bの遊星歯車11側は、両側の内壁の面取り加工における溝幅方向の加工代γの二倍だけ溝幅Xよりも大きいX+2γの溝幅X2になるように形成されている。
つまり、遊星歯車用溝10bと係合部11bとは、遊星歯車用溝10bのうち最も小さい溝幅Xと最も大きい溝幅X2との差の半分である加工代αが曲面11cの半径βよりも小さく(式(2)参照)、係合部11bの先端部分の幅Yと遊星歯車用溝10bのうち最も大きい溝幅X2との差の半分が曲面11cの半径βよりも小さい(式(1)参照)。これにより、遊星歯車用溝10bの端部に任意の角度θの傾斜面10eが形成されても、係合部11bの基端部分によって案内板10が支持される。これにより、電動アクチュエータ1は、案内板10と遊星歯車11との摩擦による効率の低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 電動アクチュエータ
2 筐体
2d 筐体凹部
4 電動モータ
5 ウォームギヤ
9 サイクロイド減速機
10 案内板
10b 遊星歯車用溝
11 遊星歯車
11b 係合部
12 出力軸
15 ブッシュ
16 側板
2 筐体
2d 筐体凹部
4 電動モータ
5 ウォームギヤ
9 サイクロイド減速機
10 案内板
10b 遊星歯車用溝
11 遊星歯車
11b 係合部
12 出力軸
15 ブッシュ
16 側板
Claims (3)
- 電動モータと、
前記電動モータの回転運動が入力されるウォームギヤと、
前記ウォームギヤの回転運動が偏心回転運動として入力される遊星歯車と、前記遊星歯車の自転を抑制する案内板と、一側端部に前記遊星歯車が内接する内歯車が形成され、他側端部が前記内歯車よりも小径に形成された出力軸と、から構成されるサイクロイド減速機と、
前記電動モータが取り付けられ、前記ウォームギヤおよび前記サイクロイド減速機が収容される筐体と、
前記出力軸が挿入される円筒部を有し、出力軸側から前記筐体の開口部分を覆う側板と、を有する電動アクチュエータであって、
前記遊星歯車の側面には、軸方向に突出し、基端部分の幅が先端部分の幅よりも大きい係合部が形成され、
前記案内板には、前記係合部における先端部分の幅よりも大きく基端部分の幅よりも小さい溝幅の溝が形成され、
前記溝に前記係合部が挿入され、前記基端部分と前記案内板とが接触する電動アクチュエータ。 - 前記基端部分には、先端側から基端側にかけて外方向に湾曲する曲面が形成されている請求項1に記載の電動アクチュエータ。
- 前記溝の内壁には、前記遊星歯車側の端部に前記溝幅を大きくする傾斜面が形成され、
前記溝のうち最も小さい溝幅と最も大きい溝幅との差の半分が前記曲面の半径よりも小さく、前記先端部分の幅と前記最も大きい溝幅との差の半分が前記曲面の半径よりも小さい請求項2に記載の電動アクチュエータ。
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CN113187871A (zh) * | 2021-04-14 | 2021-07-30 | 太原科技大学 | 一种输出轴可直线往复行走的行星轮减速器及其应用 |
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2019
- 2019-07-29 JP JP2019139098A patent/JP2021021455A/ja active Pending
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CN113187871A (zh) * | 2021-04-14 | 2021-07-30 | 太原科技大学 | 一种输出轴可直线往复行走的行星轮减速器及其应用 |
CN113187871B (zh) * | 2021-04-14 | 2022-08-05 | 太原科技大学 | 一种输出轴可直线往复行走的行星轮减速器 |
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