JP2020178390A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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謙悟 渡辺
Kengo Watanabe
謙悟 渡辺
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Abstract

【課題】耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸に生じる偏荷重を抑制することができる電動アクチュエータを提供する。【解決手段】電動モータ4と、電動モータ4の回転運動が入力されるウォームギヤ5と、ウォームギヤ5の回転運動が入力されるサイクロイド減速機9と、出力軸12に挿入された円筒状のブッシュ15と電動モータ4が取り付けられ、ウォームギヤ5およびサイクロイド減速機9が収容された筐体2と、出力軸12およびブッシュ15が挿入される円筒部16aを有し、出力軸12側から筐体2の開口部分を覆う側板16と、を有する電動アクチュエータ1であって、筐体2の側板接触面に筐体凹部2dが形成され、側板16の筐体接触面Ar1に側板16凸部が形成され、筐体凹部2dに側板16凸部が嵌合した状態で、筐体2に側板16が固定される。【選択図】図7

Description

本発明は電動アクチュエータに関する。
従来、自動車等のシート座面の上下方向位置を変更するシートリフタにおいて、電動アクチュエータによってシートを上下動させるシートリフタが知られている。シートリフタ用の電動アクチュエータは、電動モータと、ウォームギヤと、サイクロイド減速機を具備している。電動アクチュエータは、電動モータの回転力をウォームギヤとサイクロイド減速機によって増幅させてシートを上下させる機構に伝達する。また、電動アクチュエータは、ウォームギヤによって、衝撃等による力がシートを上下させる機構側から入力されても遮断されるように構成されている。これにより、座席シートの座面高さが保持される。例えば、特許文献1に記載の如くである。
米国特許出願公開第2013/0333496号明細書
特許文献1に記載の電動アクチュエータは、ウォームギヤとサイクロイド減速機とが筐体に格納され、側板によって覆われている。側板は、筐体に設けられている位置決めピンで位置決めされた状態で筐体用の取付ボルトで筐体に固定される。また、側板は、シートフレームにフレーム用の取付ボルトで固定される。側板には、筐体用の取付ボルトとシートフレームとの干渉を避けるため、シートフレーム側に突出した複数の側板凸部が形成されている。側板は、複数の側板凸部がシートフレームに接触した状態でフレーム用の取付ボルトで被取付部材に固定される。つまり、電動アクチュエータは、側板の側板凸部のみで支持された状態でシートフレームに固定されている。このため、電動アクチュエータは、外部からの振動や衝撃が位置決めピンに集中するので耐振性および耐衝撃性が不足する可能性がある。また、電動アクチュエータは、出力軸に過大なトルクが加わった場合、側板にねじれが生じて出力軸に偏荷重が発生する場合があった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸に生じる偏荷重を抑制することができる電動アクチュエータを提供することを目的とする。
即ち、第一の発明は、電動モータと、前記電動モータの回転運動が入力されるウォームギヤと、前記ウォームギヤの回転運動が入力される遊星歯車および前記遊星歯車が内接する内歯車を有し、前記内歯車よりも小径の出力軸が形成されたサイクロイド減速機と、前記出力軸に挿入された円筒状のブッシュと、前記電動モータが取り付けられ、前記ウォームギヤおよび前記サイクロイド減速機が収容された筐体と、前記出力軸および前記ブッシュが挿入される円筒部を有し、出力軸側から前記筐体の開口部分を覆う側板と、を有する電動アクチュエータであって、前記筐体の端部に筐体凹部が形成され、前記側板の筐体接触面に側板凸部が形成され、前記筐体凹部に前記側板凸部が嵌合した状態で、前記筐体に前記側板が固定される電動アクチュエータである。
第二の発明は、前記側板の筐体接触面のうち、前記側板が取り付けられる被取付部材に接触している被取付部材接触面と軸方向視で重複している部分の面積が、前記被取付部材接触面と軸方向視で重複していない部分の面積よりも大きい電動アクチュエータである。
第三の発明は、前記側板の筐体接触面のうち側板凸部以外の全ての部分が前記被取付部材接触面と軸方向視で重複している電動アクチュエータである。
第四の発明は、前記側板の前記側板凸部の前記被取付部材側に形成されている側板凹部に前記側板を前記筐体に固定する締結部材が配置される電動アクチュエータである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、第一の発明は、筐体の筐体凹部と側板の側板凸部とが嵌合しているので、電動アクチュエータに加わる振動や衝撃を筐体凹部と側板凸部とで受け止める。また、側板は、側板凸部の形成、および側板凸部と筐体凹部との嵌合によって側板自体の剛性が向上される。これにより、耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸に生じる偏荷重を抑制することができる。
即ち、第二の発明は、側板のうち筐体が固定されている大半の部分が被取付部材に接触しているので側板が弾性変形し難い。これにより、耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸に生じる偏荷重を抑制することができる。
即ち、第三の発明は、側板のうち筐体が固定されている部分がすべて被接触部材に接触しているので側板の振動と弾性変形が抑制される。これにより、耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸に生じる偏荷重を抑制することができる。
即ち、第四の発明は、側板を被取付部材に固定している締結部材が被取付部材に干渉しないので側板が被取付部材に密着される。これにより、耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸に生じる偏荷重を抑制することができる。
電動アクチュエータの第一実施形態における全体構成を示す斜視図。 電動アクチュエータの第一実施形態における全体構成を示す分解斜視図。 電動アクチュエータの第一実施形態における全体構成を示す断面図。 図3におけるA矢視断面図。 図5は図3におけるB矢視断面図を示す。(A)は偏心軸の軸心が支持軸よりも下方にある場合における遊星歯車と内歯車との噛み合い状態を示し、(B)は偏心軸が支持軸まわりに回転した場合における遊星歯車と内歯車との噛み合い状態を示す。 図6は電動アクチュエータの第一実施形態における側板を表す斜視図を示す。(A)は側板の被取付部材側を臨む斜視図を示し、(B)は側板の筐体側を臨む斜視図を示す。 電動アクチュエータの第一実施形態における筐体に側板が固定された状態を示す斜視図。 電動アクチュエータの第一実施形態における側板の筐体接触面と被取付部材接触面とを示す平面図。
図1から図5を用いて、本発明に係る電動アクチュエータの第一実施形態である電動アクチュエータ1について説明する。
図1から図3に示すように、電動アクチュエータ1は、電動モータ4の出力を減速して出力するアクチュエータである。電動アクチュエータ1は、筐体2、電動モータ4、支持軸3、ウォームギヤ5、案内板10、サイクロイド減速機9、ブッシュ15、側板16等を具備する。なお、以下において、軸方向とは、ウォームギヤ5とサイクロイド減速機9とを支持する支持軸3に沿った方向を表す。
筐体2は、ウォームギヤ5およびサイクロイド減速機9を格納する容器である。筐体2は、軸方向一側の端部が開口された矩形の有底状に形成されている。筐体2の軸方向他側の底面には、支持軸3が底面に対して垂直に設けられている。つまり、筐体2の内部には、支持軸3が軸方向一側に向かって延びるように固定されている(図3参照)。支持軸3は、ウォームギヤ5とサイクロイド減速機9とを支持する軸である。筐体2の側面の内側には、案内板用溝2aが形成されている。筐体2の側面には、モータ取付部2bが形成されている(図2参照)。筐体2の軸方向一側の端部には、側板16を固定する複数(本実施形態では4か所)の側板固定用ネジ孔2cが形成されている(図4参照)。
電動モータ4は、ウォームギヤ5に回転力を供給する駆動源である。電動モータ4は、筐体2のモータ取付部2bに固定されている(図2参照)。これにより、電動モータ4は、軸方向が支持軸3に垂直になるように配置されている。
図2と図3とに示すように、ウォームギヤ5は、ウォーム8を回転させてウォームホイール6の歯を順次送る機構である。ウォームギヤ5は、ウォームホイール6とウォーム8とを具備する。
ウォームホイール6は、はす歯歯車から構成されている。ウォームホイール6の出力側には、偏心軸6aが形成されている。偏心軸6aの軸心は、ウォームホイール6の軸心に対して所定の偏心量eだけ径方向外側にずれている(図5(A)参照)。偏心軸6aには、滑り軸受6bが偏心軸6aと一体で回転するように挿入されている。また、ウォームホイール6の軸心には、偏心軸6aを貫通するようにウォーム軸孔6cが形成されている(図3参照)。ウォームホイール6は、ウォーム用座金7を介して筐体2の底面の内側に接触するように配置されている。また、ウォーム軸孔6cには、支持軸3が回転自在に挿入されている。つまり、ウォームホイール6は、筐体2の底面にウォーム用座金7を介して接触した状態で、支持軸3に回転自在に支持されている。
ウォーム8は、らせん状に歯が形成されているねじ歯車である。ウォーム8は、電動モータ4の出力軸に固定されている。ウォーム8は、ウォームホイール6にかみ合うように筐体2の内部に配置されている。ウォーム8は、モータ4の軸周りに回転することでらせん状の歯がウォームホイール6の歯を順次送るように構成されている。
このように構成されるウォームギヤ5は、電動モータ4からの回転力がウォーム8に入力され、ウォームホイール6に伝達されることで、回転速度を減速しつつ支持軸3回りの回転力に変換する。また、ウォームギヤ5は、ウォーム8の進み角を小さくすることで、ウォームホイール6からの回転力によるウォーム8の回転を困難にすることができる。これにより、ウォームギヤ5は、出力側のウォームホイール6からの回転力を入力側のウォーム8に伝達しない。
図2から図4に示すように、サイクロイド減速機9は、遊星歯車11を出力軸12の太陽歯車に内接させて減速する遊星歯車式減速装置である。サイクロイド減速機9は、案内板10と遊星歯車11と内歯車12bを備える出力軸12とを具備する(図2参照)。
案内板10は、サイクロイド減速機9の遊星歯車11を公転させる部材である。案内板10には、長孔状の案内板軸孔10aが形成されている。また、案内板10には、長方形状の遊星歯車用溝10bが形成されている。遊星歯車用溝10bは、長手方向が案内板軸孔10aの長手方向と一致するように形成されている。本実施形態において、遊星歯車用溝10bは、案内板軸孔10aの長手方向の両端に案内板軸孔10aと繋がるように形成されている。さらに、案内板10には、案内板軸孔10aの長手方向と垂直な方向に延びるように案内部10cが形成されている。案内部10cは、案内板軸孔10aの両側にそれぞれ2か所ずつ帯状かつ互いに平行に突出している。
図4に示すように、案内板10は、筐体2の内部に配置されている。案内板10の案内板軸孔10aには、滑り軸受6bを介してウォームホイール6の偏心軸6aが摺動自在に挿入されている。案内板軸孔10aは、短手方向の側面に偏心軸6aが接触し、長手方向の側面と偏心軸6aとの間に隙間が生じている。案内板10の案内部10cは、筐体2の案内板用溝2aに摺動自在に嵌合されている。これにより、案内板10は、偏心軸6aの軸心が案内板軸孔10aの短手方向に移動すると、案内板軸孔10aの短手方向の側面が偏心軸6aに押圧されて筐体2の案内板用溝2aに沿って移動する(白塗矢印参照)。一方、案内板10は、偏心軸6aの軸心が案内板軸孔10aの長手方向に移動しても、案内板軸孔10aの長手方向の側面が偏心軸6aによって押圧されない。また、案内板10は、案内部10cが案内板用溝2aに嵌合されているので偏心軸6aと一体に回転されない。
遊星歯車11は、回転力が入力される歯車である。遊星歯車11は、歯数Z1のインボリュート平歯車から構成されている。遊星歯車11の軸心には、遊星軸孔11aが形成されている。また、遊星歯車11には、側面から軸方向に突出した係合部11bが形成されている。係合部11bは、遊星軸孔11aを挟んで対向する位置に形成されている。遊星歯車11は、案内板10に接触して筐体2の内部に配置されている。遊星歯車11の遊星軸孔11aには、ウォームホイール6の偏心軸6aが滑り軸受6bを介して回転自在に挿入されている。また、遊星歯車11の係合部11bは、案内板10の遊星歯車用溝10bに摺動自在に嵌合されている。
遊星歯車11は、偏心軸6aの軸心が案内板10の案内板軸孔10aの短手方向に移動すると、係合部11bが遊星歯車用溝10bの短手方向の側面に押圧されて案内板10と一体に筐体2の案内板用溝2aに沿って移動する(図4白塗矢印参照)。また、遊星歯車11は、偏心軸6aの軸心が案内板軸孔10aの長手方向に移動すると、遊星軸孔11aの内周面が偏心軸6aに押圧されて案内板軸孔10aの長手方向に沿って移動する(図4黒塗矢印参照)。この際、遊星歯車11は、係合部11bが案内板用溝2aに嵌合されているので偏心軸6aと一体に回転されない。つまり、遊星歯車11は、自転することなく、支持軸3を公転軸として偏心量eを半径とする円周軌道に沿って公転するように構成されている(図5(A)参照)。
図2と図3に示すように、出力軸12は、遊星歯車11の回転を減速して出力する軸である。出力軸12は、SC材、SCM材等の低炭素鋼に浸炭焼き入れが施されている。出力軸12の一方の端部には、大径段部12aが形成されている。大径段部12aの端面には、出力軸12の軸心を中心とする歯数Z2の内歯車12bが形成されている。内歯車12bは、遊星歯車11と同一モジュールのインボリュート平歯車から構成されている。内歯車12bの歯数Z2は、遊星歯車11の歯数Z1よりも大きい。大径段部12aの段差面12cには、円筒状の小径段部12dが同軸上に形成されている。小径段部12dの端面には、シートリフタ等の外部の機構に回転力を伝達するための出力ギヤ12eが形成されている。出力軸12の軸心には、出力軸孔12fが形成されている。
出力軸12は、大径段部12aが筐体2の内部に配置されている。出力軸12の出力軸孔12fには、支持軸3が圧入されている。同時に、出力軸12の内歯車12bには、遊星歯車11が噛み合わされている。遊星歯車11と出力軸12との間には、遊星歯車11側から順に出力軸用座金13、Oリング14がそれぞれ支持軸3、出力軸12に支持された状態で配置されている。出力軸12と出力軸用座金13とは、摩擦係数が大きい合成ゴム等からなるOリング14を間に配置することで一体に回転するように構成されている。また、出力軸12には、弾性体であるOリング14が配置されていることで軸方向に弾性力が生じるように構成されている。
図5に示すように、サイクロイド減速機9は、ウォームホイール6の偏心軸6aの回転(黒塗矢印参照)と案内板10の作用によって、遊星歯車11が出力軸12の内歯車12bに噛み合いながら半径が偏心量eの円周軌道を公転する。この結果、サイクロイド減速機9は、偏心軸6aの入力回転数を減速比R=Z2/(Z2−Z1)で減速した回転数で出力軸12が回転する(白塗矢印参照)。つまり、サイクロイド減速機9は、入力回転数である偏心軸6aの回転数を減速比Rだけ減速させた回転数で出力軸12が回転する。
図2と図3とに示すように、ブッシュ15は、出力軸12と側板16との接触を防止する部材である。ブッシュ15は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアミドイミド等の樹脂(エンジニアリングプラスチック)から形成されている。ブッシュ15は、円筒状に形成されている。また、ブッシュ15の一側端部には、鍔部15aが形成されている。ブッシュ15は、鍔部15a側から出力軸12の小径段部12dに挿入されている。ブッシュ15は、鍔部15aが出力軸12の大径段部12aの段差面12cに接触して配置されている。
側板16は、筐体2の開口部分を覆い、筐体2の内部の各部材を軸方向に固定するものである。側板16は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)から構成されている。側板16には、軸方向一側に突出した円筒部16aが形成されている。円筒部16aの内側には、円筒部16aの内径と同一径の貫通孔が形成されている。側板16には、筐体2の軸方向一側の端部に配置した際に側板固定用ネジ孔2cと重複する位置に側板固定用孔16bがそれぞれ形成されている。側板16は、側板固定用孔16bに挿入された側板固定用ボルト17によって筐体2の軸方向他側の開口部分を塞ぐように筐体2に固定されている。
側板16の円筒部16aには、出力軸12とブッシュ15とが挿入されている。従って、側板16は、出力軸12に接触することなく筐体2に固定されている。側板16は、筐体2に固定されることで、ブッシュ15の鍔部15aを介して出力軸12を軸方向に押圧している。この際、側板16は、Oリング14を弾性変形させている。これにより、側板16は、筐体2の内部に配置されているウォームホイール6、案内板10、遊星歯車11、出力軸12に軸方向の押圧力を発生させている。
このように構成される電動アクチュエータ1は、電動モータ4からの回転力をウォームギヤ5で変換するとともに、ウォームホイール6の偏心軸6aによってサイクロイド減速機9の遊星歯車11に伝達する。電動アクチュエータ1は、案内板10によって遊星歯車11を出力軸12の内歯車12bに噛み合わされた状態で公転させることで、ウォームホイール6からの回転力を変換して出力軸12に伝達する。
以下に、図4と図6と図7とを用いて、電動アクチュエータ1における筐体2と側板16との組付けについて詳細に説明する。
図4に示すように、筐体2における軸方向一側の端部には、側板固定用ネジ孔2cと重複する部分に軸方向にへこんだ複数の筐体凹部2dが形成されている。筐体凹部2dは、側板固定用ネジ孔2cの周囲を囲むようにして、側板固定用ボルト17のボルト頭よりも大きい面積を有する形状に形成されている。また、筐体凹部2dは、側板固定用ボルト17のボルト頭の厚みと側板16の厚みの合計よりも大きい深さのへこみに形成されている。このように、筐体2の軸方向一側端部には、側板固定用ネジ孔2cを中心として、側板固定用ボルト17のボルト頭よりも大きくかつ深い筐体凹部2dが形成されている。
図6に示すように、側板16には、筐体2の軸方向一側の端部に配置した際に筐体凹部2dと重複する位置に筐体2側に突出した側板凸部16cがそれぞれ形成されている。側板凸部16cは、対向する筐体2の筐体凹部2dに嵌合可能な形状に形成されている。板状の側板16は、筐体2側に突出する側板凸部16cの形成と同時に、側板凸部16cの裏側に側板凹部16dが形成されている。側板凹部16dは、側板固定用ボルト17のボルト頭よりも大きい面積を有する形状に形成されている。また、側板凹部16dは、側板固定用ボルト17のボルト頭の厚みよりも大きい深さのへこみに形成されている。さらに、側板16には、側板凸部16cと重複しない位置に電動アクチュエータ1を被取付部材に固定するためのアクチュエータ固定用孔16eが複数形成されている。
図7に示すように、側板16は、筐体2の筐体凹部2dに各側板凸部16cがそれぞれ嵌合された状態で側板固定用ボルト17によって筐体2に締結される。側板16は、側板固定用孔16bに挿入された側板固定用ボルト17が筐体2の側板固定用ネジ孔2c(図4参照)にねじ込まれる。側板16は、側板凸部16cが筐体凹部2dに嵌合されることで、各側板凸部16cが各筐体凹部2dに係合された状態となる。側板16の筐体2側の側面には、筐体2の軸方向一側の側面の全てが接触し、筐体接触面Ar1(図8薄墨部分参照)を構成している。
このように構成される電動アクチュエータ1は、外部から加わる振動や衝撃を係合されている筐体凹部2dと側板凸部16cとで受け止める。また、側板16は、側板凸部16cが形成されることで断面二次モーメントが増大し、側板凸部16cと筐体凹部2dとが嵌合することによって側板16の剛性が向上される。これにより、電動アクチュエータ1は、筐体2と側板16との締結部分における耐振性および耐衝撃性を向上させることができる。また、電動アクチュエータ1は、側板16の弾性変形が抑制されるので、出力軸12に生じる偏荷重を抑制することができる。また、電動アクチュエータ1は、側板固定用ボルト17のボルト頭が筐体2のシートフレーム側に突出していないので、筐体凹部2dを形成しない場合に比べて取付スペースを小さくすることができる。
以下に、図8を用いて、電動アクチュエータ1のシートフレームへの組付けについて詳細に説明する。
図8に示すように、電動アクチュエータ1は、側板16が被取付部材である図示しないシートフレームに固定される。側板16は、アクチュエータ固定用孔16eに挿入されたアクチュエータ固定用ボルト18がシートフレームの図示しないネジ孔にねじ込まれる。側板16は、シートフレーム側の側面のうち側板凹部16dを除く部分が被取付部材接触面Ar2(斜線部分参照)としてシートフレームに密着する。この際、側板16は、被取付部材接触面Ar2の面積が側板凹部16dの面積の合計よりも大きくなるように形成されている。つまり、側板16は、筐体接触面Ar1(薄墨部分参照)のうち、被取付部材接触面Ar2と軸方向視で重複している部分の面積(薄墨部分と斜線部分の重複部分)が被取付部材接触面Ar2と軸方向視で重複していない側板凹部16dの面積の合計よりも大きい。本実施形態において、側板16は、筐体接触面Ar1のうち側板凹部16d以外の全ての部分が被取付部材接触面Ar2と軸方向視で重複している。
このように構成することで、電動アクチュエータ1は、側板16のうち筐体2が固定されている部分の裏側面のすべてがシートフレームに接触した状態で固定されているので、側板16を介してシートフレームと一体に構成される。従って、電動アクチュエータ1は、側板16がシートフレームに支持されることでその剛性が向上し、側板16の弾性変形による振動や出力軸12の傾きが抑制される。これにより、電動アクチュエータ1は、耐振性および耐衝撃性を向上させるとともに、出力軸12に生じる偏荷重を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 電動アクチュエータ
2 筐体
2d 筐体凹部
4 電動モータ
5 ウォームギヤ
9 サイクロイド減速機
11 遊星歯車
12 出力軸
15 ブッシュ
16 側板
Ar1 筐体接触面
Ar2 被取付部材接触面
16c 側板凸部

Claims (4)

  1. 電動モータと、
    前記電動モータの回転運動が入力されるウォームギヤと、
    前記ウォームギヤの回転運動が入力される遊星歯車および前記遊星歯車が内接する内歯車を有し、前記内歯車よりも小径の出力軸が形成されたサイクロイド減速機と、
    前記出力軸に挿入された円筒状のブッシュと、
    前記電動モータが取り付けられ、前記ウォームギヤおよび前記サイクロイド減速機が収容された筐体と、
    前記出力軸および前記ブッシュが挿入される円筒部を有し、出力軸側から前記筐体の開口部分を覆う側板と、を有する電動アクチュエータであって、
    前記筐体の端部に筐体凹部が形成され、前記側板の筐体接触面に側板凸部が形成され、前記筐体凹部に前記側板凸部が嵌合した状態で、前記筐体に前記側板が固定される電動アクチュエータ。
  2. 前記側板の筐体接触面のうち、前記側板が取り付けられる被取付部材に接触している被取付部材接触面と軸方向視で重複している部分の面積が、前記被取付部材接触面と軸方向視で重複していない部分の面積よりも大きい請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記側板の筐体接触面のうち側板凸部以外の全ての部分が前記被取付部材接触面と軸方向視で重複している請求項1または請求項2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記側板の前記側板凸部の前記被取付部材側に形成されている側板凹部に前記側板を前記筐体に固定する締結部材が配置される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
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