JPWO2006115046A1 - 光学ヘッドおよび光情報記録再生装置 - Google Patents

光学ヘッドおよび光情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

光透過層の厚さが大きく変化する光情報記録媒体に対して、3次の球面収差だけでなく、無視できなくなる5次の球面収差も補正する。 半導体レーザ1と、半導体レーザ1から照射されたレーザ光を光情報記録媒体30に集光させる対物レンズ6と、光情報記録媒体30の光透過層の厚さに応じて発生する球面収差を補正する球面収差補正部と、を備え、球面収差補正部は、3次の球面収差を補正するコリメートレンズ4、レンズホルダ41,ステッピングモータ40と、5の面収差を補正する液晶素子20及び印加電圧制御部42とを有する。

Description

本発明は光情報記録媒体に対して記録および/または再生を行う際に使用される光学ヘッド、およびそのような光学ヘッドを備えた光情報記録再生装置に関するものである。
光情報記録媒体の大容量化に伴い、その記録および/または再生に用いる光学ヘッドの光源の短波長化と対物レンズの高NA(開口数:Numerical Aperture)化が進んでいる。しかし高NA化に伴い、光情報記録媒体の光透過層の厚み変化による球面収差の影響が顕著になってくる。
たとえばDVDで用いられている波長650nm、対物レンズのNA0.60の場合、光透過層の厚み変化10μmに対して、約10mλの球面収差が発生する。しかし次世代の光情報記録媒体に用いられる波長400nm、対物レンズのNA0.85の場合には、光透過層の厚み変化10μmに対して、約100mλの球面収差が発生する。そのため、このような光情報記録媒体用の光学ヘッドには、球面収差を補正する手段が必要となる。
一例として、特開平11−259906号公報に、コリメートレンズをコリメートレンズ用アクチュエータに搭載し、光透過層の厚み誤差に起因する球面収差を打ち消すように、光源と対物レンズの間に配置されたコリメートレンズを移動する光情報記録再生装置の方式が示されている。この光情報記録再生装置について図18を用いて具体的に説明する。
図18に従来の光学ヘッドの構成を示す。図18において、101は光源、102はビームスプリッタ、103は1/4波長板、104はコリメートレンズ、106は対物レンズ、107はマルチレンズ、108は受光素子、109は対物レンズ106を駆動する2軸アクチュエータ、110はコリメートレンズ104を駆動するコリメートレンズ用アクチュエータであり、これらが光学ヘッド120を構成している。
光源101から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ102を透過して、コリメートレンズ104に入射する。コリメートレンズ104に入射したレーザ光は、光情報記録媒体130の光透過層131の厚さが規定値通りの場合には、コリメートレンズ104によって平行光とされる。コリメートレンズ104はコリメートレンズ用アクチュエータ110に搭載されており、このコリメートレンズ用アクチュエータ110によって、レーザ光の光軸に沿って前後に移動可能となっている。
コリメートレンズ104を透過したレーザ光は、1/4波長板103を透過する際に円偏光状態となり、対物レンズ106に入射する。対物レンズ106によって集光され光情報記録媒体130の情報記録面に入射したレーザ光は、情報記録面で反射されて戻り光となる。この戻り光は、元の光路をたどって対物レンズ106を透過した後、1/4波長板103に入射する。戻り光は1/4波長板103を透過することにより、往路の偏光方向に対して90度回転された直線偏光となり、その後、コリメートレンズ104によって収束光とされた後、偏光ビームスプリッタ102によって反射される。ビームスプリッタ102によって反射された戻り光は、マルチレンズ107を介して受光素子108に入射し、検出される。
光学ヘッド120を用いて光情報記録媒体130の情報記録面上に光を集光して記録再生を行うとき、光情報記録媒体130の光透過層131の厚み誤差によって発生する主な収差は、デフォーカスによるものと球面収差によるものである。デフォーカスについては、フォーカスサーボにより補正される。すなわち、受光素子108からのフォーカスサーボに基づいて、2軸アクチュエータ109により対物レンズ106を光軸方向に動かすことでデフォーカスが補正され、情報記録面上に焦点が合わされる。
一方、球面収差については、対物レンズ106に入射するレーザ光を発散光あるいは収束光とすることにより、光透過層131の厚さに応じて発生する球面収差と逆極性の球面収差を発生させることで補正を行う。具体的にはコリメートレンズ用アクチュエータ110により、コリメートレンズ104を光軸方向に前後に動かすことで、対物レンズ106に入射するレーザ光を発散光あるいは収束光とし、対物レンズ106で逆極性の球面収差を発生させ、光透過層131の厚み誤差に起因する球面収差をキャンセルするようにしている。
このように、この光学ヘッド120においては、対物レンズ106を透過して情報記録面に焦点を結んだときは、球面収差がキャンセルされた状態になっている。
光情報記録媒体においてさらなる大容量化を図るため、情報記録面を多層構造とすることが考えられている。情報記録面を多層化した場合、複数の情報記録面に対して情報の記録および/または再生を行うことになる。しかし、情報記録面毎に光透過層の厚さが異なるため、対物レンズの最適基材厚(残存収差が最小となる光透過層厚)からずれた情報記録面では、最適基材厚から所定の情報記録面までの光透過層の厚さに応じて、球面収差が発生する。
3次の球面収差は、対物レンズの最適基材厚から所定の情報記録面までの光透過層の厚さに比例して大きくなる。情報記録面を多層化し、その光透過層の間隔を大きく変化させると、補正すべき3次の球面収差も増大する。従って、従来の光学ヘッドにおいては、コリメートレンズの移動範囲が非常に大きくなる。
例えば、光源の波長λ=405nm、対物レンズのNA=0.85、対物レンズの焦点距離1.3mm、コリメートレンズの焦点距離19.0mm、対物レンズの最適基材厚(残存収差が最小となる光情報記録媒体の光透過層厚)62.5μmの場合の、コリメートレンズの移動範囲(対物レンズに近づく方向を正(+)とする)を図19に示す。図19より光透過層の厚さが25μmから100μmまで変化する場合、コリメートレンズの移動範囲は10mm以上になることがわかる。
さらに、光透過層の厚みが大きくなると、対物レンズでは新たに5次の球面収差が無視できない大きさで発生する。
図20は前記の条件で、光透過層の厚さ変化によって発生する3次の球面収差をコリメートレンズの移動によって補正した後の、5次の球面収差量を示したものである。図20より、光透過層の厚み変化が±10μm程度の場合、5次の球面収差は±5mλであり、無視できる大きさであるのに対し、光透過層の厚さが25μmから100μmまで変化するような光情報記録媒体においては、5次の球面収差量が±20mλにも達する。また、この5次の球面収差はコリメートレンズの移動により3次の球面収差を補正した後も残存する量である。
したがって、情報記録面を多層構造とした光情報記録媒体においては、3次の球面収差に加えて、5次の球面収差に関しても記録および/または再生における影響を考慮する必要が生ずることが課題として見いだされた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、光透過層の厚さが大きく変化する光情報記録媒体に対して、3次の球面収差だけでなく、無視できなくなる5次の球面収差も補正し、良好な記録および/または再生を確保できる光学ヘッドおよびそのような光学ヘッドを備えた光情報記録再生装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、
光源と、
前記光源から照射されたレーザ光を光情報記録媒体に集光させる対物レンズと、
前記光情報記録媒体の光透過層の厚さに応じて発生する球面収差を補正する球面収差補正部と、を備え、
前記球面収差補正部は、
3次の球面収差を補正するための第1の球面収差補正部と、
5次の球面収差を補正するための第2の球面収差補正部と、を有する、光学ヘッドである。
また、第2の本発明は、前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に応じて、前記5次の球面収差を補正する、第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第3の本発明は、前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に応じて、予め設定された複数の5次の球面収差補正量から所定の補正量を選択し、この選択した補正量により前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第4の本発明は、前記対物レンズは、前記光情報記録媒体の3次の球面収差が最小となる所定基準厚において所定値の5次の球面収差が生じるように、設計されており、
前記第2の球面収差補正部は、
前記所定値の5次の球面収差と逆極性の5次の球面収差を生じさせて、前記5次の球面収差を補正する、第3の本発明の光学ヘッドである。
また、第5の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズの位置を用いて前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第6の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズの位置に応じた位置信号の出力値を用いて前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第7の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズを駆動する駆動信号の出力を用いて前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第8の本発明は、前記第2の球面収差補正部は、液晶素子を有する、第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第9の本発明は、前記液晶素子は、前記対物レンズを駆動するアクチュエータの可動部に設けられている、第8の本発明の光学ヘッドである。
また、第10の本発明は、前記液晶素子は、前記アクチュエータの可動部を保持するサスペンションを通して駆動される、第9の本発明の光学ヘッドである。
また、第11の本発明は、前記液晶素子を駆動する駆動信号は、前記アクチュエータの可動部を駆動する駆動信号に重畳されている、第10の本発明の光学ヘッドである。
また、第12の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、液晶素子を有し、前記液晶素子に電圧を印加することにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記第1の球面収差補正部の前記液晶素子に印加される電圧値を用いて前記5次の球面収差を補正する、第8の本発明の光学ヘッドである。
また、第13の本発明は、前記第1の球面収差補正部の有する前記液晶素子と、前記第2の球面収差補正部の有する前記液晶素子は、一体に構成されている、第12の本発明の光学ヘッドである。
また、第14の本発明は、前記第1の球面収差補正部の有する前記液晶素子と、前記第2の球面収差補正部の有する前記液晶素子は、それぞれ別体の液晶素子である、第12の本発明の光学ヘッドである。
また、第15の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズ及び液晶素子を有し、
前記コリメートレンズの移動により前記3次の球面収差の一部を補正し、前記液晶素子への電圧印加により前記3次の球面収差の残りの部分を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第16の本発明は、前記光情報記録媒体は、情報を記録および/または再生の対象となる情報記録面を少なくとも2面有し、
前記第2の球面収差補正部は、前記情報記録面のそれぞれの面に対応した所定値を用いて、前記5次の球面収差を補正する、第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第17の本発明は、前記光情報記録媒体の、記録および/または再生の対象となっている情報記録面を判別する層判別部を備え、
前記第2の球面収差補正部は、前記層判別部の判別結果に応じて、前記5次の球面収差を補正する、第16の本発明の光学ヘッドである。
また、第18の本発明は、第1の本発明の光学ヘッドと、前記光情報記録媒体を駆動する駆動部と、前記光学ヘッドと前記駆動部を制御する制御部とを備えた、光情報記録再生装置である。
本発明の光学ヘッドおよび光情報記録再生装置によれば、情報記録面の多層化より光透過層の厚さ変化が大きい光情報記録媒体の情報記録/再生時に、3次の球面収差補正に加えて、無視できなくなる5次の球面収差も補正できるため、このような光情報記録媒体に対して、良好な記録/再生性能を確保できるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 本発明の実施の形態における光情報記録媒体の概略構成図 本発明の実施の形態における光透過層の厚さとコリメートレンズ移動量の関係を示す図 本発明の実施の形態における光透過層の厚さと残存する5次の球面収差の関係を示す図 (a)本発明の実施の形態における液晶素子20の電極分割パターンを示す構成図(b)5次の球面収差の波面を示す図(c)液晶素子20によって補正された後の波面を示す図 本発明の実施の形態におけるコリメートレンズ移動量と残存する5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態1におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態2におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態3におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態4におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態5における光透過層の厚さと補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の別の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 (a)本発明の別の実施の形態における液晶素子21の電極分割パターンを示す構成図(b)3次の球面収差の波面を示す図(c)液晶素子21によって補正された後の波面を示す図 (a)本発明の別の実施の形態における液晶素子21の電極分割パターンの他の例を示す構成図(b)3次の球面収差の波面を示す図(c)液晶素子21によって補正された後の波面を示す図 本発明の別の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 本発明の別の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 本発明の実施の形態6における光情報記録再生装置の概略構成図 従来の光情報記録再生装置の概略構成図 光透過層の厚さとコリメートレンズ移動量の関係を示す図 光透過層の厚み誤差と3次の球面収差補正後に残存する5次の球面収差量の関係を示す図
符号の説明
1 半導体レーザ
2、102 ビームスプリッタ
3、103 1/4波長版
4、104 コリメートレンズ
5 反射ミラー
6、106 対物レンズ
7 検出レンズ
8、108 受光素子
9,109 2軸アクチュエータ
10,11,120 光学ヘッド
20,21 液晶素子
30,130 光情報記録媒体
31,32,33,34 情報記録面
42 印加電圧制御部
50 筐体
51 光情報記録媒体駆動部
52 制御部
107 マルチレンズ
110 コリメートレンズ用アクチュエータ
131 光透過層
以下、本発明の光学ヘッドおよび光情報記録再生装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の1実施の形態における光学ヘッドの概略構成図である。
図1において、1は半導体レーザ、2はビームスプリッタ、3は1/4波長板、4はコリメートレンズ、5は反射ミラー、6は対物レンズ、7は検出レンズ、8は受光素子、9は対物レンズ6を駆動する2軸アクチュエータ、20は液晶素子、40はコリメートレンズ4を駆動するステッピングモータ、41はコリメートレンズ4を保持するレンズホルダ、42はステッピングモータの駆動量に基づき液晶素子20に印加する電圧を制御する印加電圧制御部であり、これらが光学ヘッド10を構成している。なお、30は透明基板を持つ光情報記録媒体である。また、図2に示すように、光情報記録媒体30には光入射面側(対物レンズ6側)から情報記録面31、32、33、34が形成されており、それぞれ表面から情報記録面までの光透過層の厚さは、d1、d2、d3、d4(d1<d2<d3<d4)となっている。
なお、上記の構成において、半導体レーザ1は本発明の光源に相当し、対物レンズ6は本発明の対物レンズに相当する。また、コリメートレンズ4、ステッピングモータ40、レンズホルダ41は第1の球面収差補正部に相当し、液晶素子20及び印加電圧制御部42は本発明の第2の球面収差補正部に相当する。
このような光情報記録媒体30に対して、情報の記録または再生を行う場合の光学ヘッド10の動作について述べる。半導体レーザ1から出射された直線偏光のレーザ光は、ビームスプリッタ2を透過し、1/4波長板3で円偏光に変換された後、コリメートレンズ4で平行光に変換され、反射ミラー5で反射して、液晶素子20を透過し、対物レンズ6によって、透明基板越しに光情報記録媒体30の情報記録面31〜34の何れかに光スポットとして集光される。
情報記録面31〜34の何れかで反射したレーザ光は、再び対物レンズ6、液晶素子20を透過し、反射ミラー5で反射され、コリメートレンズ4を透過し、1/4波長板3で往路とは異なる直線偏光に変換された後、ビームスプリッタ2で反射され、検出レンズ7によって、受光素子8に導かれる。受光素子8で検出されたレーザ光は、光電変換された後演算されて、光情報記録媒体30の面ぶれに追従するためのフォーカス誤差信号と偏心に追従するためのトラッキング誤差信号を生成する。2軸アクチュエータ9は、このフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号によって、回転する光情報記録媒体30の情報トラックに光スポットが追従するよう対物レンズ6を2軸方向に駆動する。
コリメートレンズ4はレンズホルダ41に保持され、ステッピングモータ40によって、レーザ光の光軸に沿って移動可能となっている。情報記録面31〜34の光透過層の厚さに応じて、さらにそれらの光透過層の厚さが規定値から外れている場合に、レーザ光は光透過層の厚さ変化に伴う3次の球面収差を補正するように、コリメートレンズ4によって発散光あるいは収束光とされ、対物レンズ6で逆極性の球面収差を発生させ、3次の球面収差の補正を行う。
図3は、本実施の形態における、補正すべき光透過層の厚さとコリメートレンズの移動量との関係を計算によって求めた結果である。横軸に補正する光透過層の厚さをとり、縦軸にコリメートレンズ4の移動量を示している。なお、計算に用いた各パラメータの具体的な数値は以下の通りである。
半導体レーザ1の波長 λ=405nm
対物レンズ6のNA NA=0.85
対物レンズ6の焦点距離 fol=1.3mm
コリメートレンズ4の焦点距離置 fcl=19.0mm
情報記録面31〜34間の各光透過層の厚さd1=25μm、d2=50μm、d3=75μm、d4=100μm
光情報記録媒体30の光透過層の屈折率n=1.6
コリメートレンズ4の移動量は、対物レンズ6の最適基材厚(残存収差が最小となる光情報記録媒体の光透過層の厚さ)が62.5μmである場合を基準とし、対物レンズ6に近づく方向を正(+)とした。
図3より光情報記録媒体30のd1〜d4の光透過層の厚さのそれぞれに対応した3次の球面収差を補正するのに、本実施の形態のコリメートレンズ4では約10mmの移動量が必要であることがわかる。なお、光透過層の厚さ自体が誤差を持っているため、実際にはさらに大きな移動範囲が必要となる。
従来の技術にて説明したように、光透過層の厚さの変化および誤差により発生する3次の球面収差は、コリメートレンズ4からのレーザ光を発散光あるいは収束光になるように調整することにより大幅に低減することができる。
しかし、光透過層の厚みの増大により5次の球面収差が無視できなくなる大きさで発生する。また、コリメートレンズ4の移動による補正では、球面収差の3次より高次の成分は除去できない。
そこで、本実施の形態は、この5次の球面収差を2軸アクチュエータ9に搭載した液晶素子20で補正することとしている。液晶素子20は、複数領域に分割された個々の電極に個別に電圧を印加することにより液晶の屈折率を制御し、位相差を発生させることで収差補正を行う。3次の球面収差の補正後に残存して現れる5次の球面収差は、図5(b)に示す波面の形状を有する。この形状に対応して、液晶素子20の電極を図5(a)に示すような同心円形状(図中灰色部分)として形成し、印加電圧制御部42の制御により、電極に後述する所定電圧を印加して、透過部分(図中白色部分)と電極とを通過する光との間に位相差を発生させる。位相差が生じた波面は、図5(c)に示すような波面形状となるため、5次の球面収差を低減することが可能となる。
このとき、補正すべき光透過層の厚さと3次の球面収差補正後に残存する5次の球面収差発生量との関係は、図4に示すように、5次の球面収差の発生量が補正すべき光透過層の厚さにほぼ比例する。
さらに、図3および図4から導かれる図6より、5次の球面収差の大きさは、3次の球面収差を補正する際のコリメートレンズ4の移動量と相関がある。
従ってコリメートレンズ4の移動量に応じて、液晶素子20に印加する電圧を変えることで、5次の球面収差を補正することが可能である。
図7に示すように、コリメートレンズ4の移動量に比例した5次の球面収差を液晶素子20で発生させ、残存する5次の球面収差と相殺することによって、補正後の5次の球面収差の絶対値は3mλ以下に保つことができ、光学ヘッドとして良好な記録および/または再生を確保できる。
また、液晶素子20は、図1に示すように、対物レンズ6を駆動する2軸アクチュエータ9に搭載され、対物レンズ6と一体で駆動されることが望ましい。このような構成とすることで、液晶素子20と対物レンズ6の光軸ずれによるコマ収差が発生しない。
ただし、液晶素子20が2軸アクチュエータ9に搭載されていない場合でも、液晶素子20と対物レンズ6の光軸ずれによって発生するコマ収差を最小限にするため、光学ヘッド10の微小送り機構等を別途設けることで、本発明を適用することが可能である。
また2軸アクチュエータ9に搭載された液晶素子20を駆動するため、2軸アクチュエータ9の可動部を保持するサスペンション(図示省略)を配線として利用することができる。さらにこのサスペンションは2軸アクチュエータ9の可動部を駆動する駆動信号の配線としても用いられることが多いため、その場合は2軸アクチュエータ9の駆動信号に、液晶素子20の駆動信号を重畳して液晶素子20を駆動することで、配線を簡略化することが可能である。
また、印加電圧制御部42がコリメートレンズ4の移動量を検出する方法としては、コリメートレンズ4の位置検出を行うセンサを光学ヘッド10上に別途設けても良いし、コリメートレンズ用アクチュエータを位置制御する信号をモニタリングすることにより、コリメートレンズ4の位置を算出しても良い。あるいは、予め補正すべき3次の球面収差の量や光透過層の厚さを直接検出して、そこからコリメートレンズ4の位置を求めることも可能であるが、通常は、3次の球面収差を補正する場合のコリメートレンズ4のセンサである位置検出部あるいは位置制御部を、そのまま利用すればよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による、5次の球面収差の補正方法について、図8を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態1においては、コリメートレンズ4の移動量に応じて、液晶素子20に印加する電圧を変えることとしたが、電圧の変化はコリメートレンズ4の移動量に応じて連続的に行うようにしたため、5次の球面収差の補正量も連続的に変化する。
これに対し、本実施の形態では、コリメートレンズ4の移動範囲を3分割し、分割した範囲毎に一定の大きさの5次の球面収差を与える構成とした点が異なる。
以下、説明する。図8に示すように、コリメートレンズ4の移動量を図中範囲A、B、Cに分割する。−の方向側(光情報記録媒体から遠ざかる側)の範囲Aでは、液晶素子20に正の所定電圧を印加することによって、一定大きさの5次の球面収差+15mλを発生させる。同様に+の方向側(光情報記録媒体に近づく側)の範囲Cでは、液晶素子20に負の所定電圧を印加することによって一定大きさの5次の球面収差−15mλを発生させる。範囲Aと範囲Cの間となる範囲Bでは液晶素子20に電圧は印加しない。
以上の制御によると、情報記録面上に生ずる5次の球面収差は、範囲A、B、Cのそれぞれにおいては単調増加し、各範囲の境界で急峻に減少するノコギリ歯状の変化をすることになる。しかし、補正後の5次の球面収差の絶対値は約9mλ以下に保つことができ、これは光学ヘッド10の記録/再生機能の確保に十分な値である。
このように液晶素子20に印加する電圧を3値で制御することは、液晶素子20への負荷を軽減しつつ、光学ヘッド10の性能を確保できる効果がある。
なお、範囲Bにおいては電圧は印加しない(0Vを印加する)ものとしたが、球面収差の差分の絶対値を9mλの範囲に抑える限り、所定値の電圧を印加するようにしてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による5次の球面収差の補正方法について、図9を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態2においては、コリメートレンズ4の移動範囲を3分割し、分割した範囲毎に一定の大きさの5次の球面収差を与える構成としたが、本実施の形態においては、分割範囲を二つとした点が異なる。
以下、説明する。図9に示すように、コリメートレンズ4の移動量を図中範囲A、Cに分割する。−の方向側(光情報記録媒体から遠ざかる側)の範囲Aでは、液晶素子20に正の所定電圧を印加することによって一定大きさの5次の球面収差+8mλを発生させる。同様に+の方向側(光情報記録媒体から遠ざかる側)の範囲Cでは、液晶素子20に負の所定電圧を印加することによって一定大きさの5次の球面収差−13mλを発生させる。
以上の制御によると、情報記録面上に生ずる5次の球面収差は、実施の形態3と同様、範囲A、Cのそれぞれにおいては単調増加し、各範囲の境界で急峻に減少する。分割範囲が荒いため、補正後の5次の球面収差の絶対値は約11mλとなるが、これは光学ヘッド10の記録/再生機能の確保には十分な値である。
このように液晶素子20に印加する電圧を2値で制御するようにしてもよく、実施の形態2と同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4による5次の球面収差の補正方法について、図10を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態3においては、コリメートレンズ4の移動範囲を2分割し、分割した範囲毎に±の所定大きさの5次の球面収差を与える構成としたが、本実施の形態においては、対物レンズ6にオフセット分の5次の球面収差が生じるようにしたことにより、液晶素子20に印加する電圧を実質的に1値で制御するようにした点が異なる。
以下、説明する。図10に示すように対物レンズ6の設計を変更して、コリメートレンズ4の移動量が0の初期状態を基準として、光情報記録媒体30の3次の球面収差が最小となる最適基材厚62.5μmにおいて、オフセットとして−13mλの5次の球面収差を与えておく。そして、コリメートレンズ4が図中範囲Aを移動する場合のみ、液晶素子20に所定電圧を印加して、オフセットとは逆極性の5次の球面収差+21mλを発生させる。このような液晶素子20の制御によっても、残存する5次の球面収差の絶対値を11mλ以下にすることが可能であり、実質的に記録/再生性能を改善することができる。
特に本実施の形態は、実施の形態3と比較して、液晶素子20の駆動のオン/オフを切り替える(1/0制御)だけでよいので、液晶素子20の制御がより簡単になるという特徴がある。
なお、上記の説明において、最適基材厚は、前記光情報記録媒体の3次の球面収差が最小となる所定基準厚に相当する。また、上記の説明においては、オフセットは−方向の5次の球面収差としたが、+方向に与えても良い。この場合は、液晶素子20には−方向の5次の球面収差を発生させる。要するに、対物レンズ6の設計により生じされるオフセットとしての所定値の5次の球面収差の極性と、液晶素子20により発生する5次の球面収差の極性とが、互いに相殺する逆向きの関係となるようにすればよい。
また、上記の実施の形態2〜4においては、コリメートレンズ4の移動範囲を2分割又は3分割として、各範囲毎に液晶素子20に発生される5次の球面収差を所定値として設定するようにしたが、移動範囲は4分割以上とし、各範囲毎に5次の球面収差の値を定めるようにしてもよい。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5による5次の球面収差の補正方法について、図11を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態2〜4においては、コリメートレンズ4の移動量を検出し、これに応じて、液晶素子20に印加する電圧を連続的又は段階的に変えることとした。
これに対し、本実施の形態においては、コリメートレンズ4の移動量の検出は行わず、光学ヘッド10が光情報記録媒体30の情報記録面31〜34のいずれを対象として情報の記録/再生を行っているかに基づいて、その記録/再生の対象となっている情報記録面のそれぞれに応じて定めた所定電圧を液晶素子20に印加し、5次の球面収差を発生させることで、情報記録面上に生じる5次の球面収差の絶対値を小さくする。
具体的には図11に示すように、光情報記録媒体30の情報記録面31(光透過層の厚さd1=25μm)に対して情報の記録/再生を行う場合には、液晶素子20に負の所定電圧を印加することによって、5次の球面収差−15mλを発生させ、光情報記録媒体30の情報記録面34(光透過層の厚さd4=100μm)に対して情報の記録/再生を行う場合には、液晶素子20に正の所定電圧を印加することによって、5次の球面収差+15mλを発生させる。情報記録面32(光透過層の厚さd2=50μm)および情報記録面33(光透過層の厚さd3=75μm)に対して情報の記録/再生を行う場合には、液晶素子20には電圧を印加しない。
このような補正を行うことで、各情報記録面上に残存する5次の球面収差の絶対値を10mλ以下にすることが可能である。なお、それぞれの光透過層の厚さが誤差を持っているため、実際にはその誤差分の5次の球面収差が残存することになるが、各光透過層の厚さ誤差を±5μmとすると、残存する5次の球面収差は2〜3mλであり実質的には問題ない。
なお、情報記録面31〜34の何れに対して情報を記録/再生を行うかは、光学ヘッド10の動作時に予め決まっているため、液晶素子20に印加する電圧の選択及び印加の有無は、これに応じて実行すればよい。具体的には、各情報記録面の判別を行う層判別部からの出力信号や、層間の移動を行うための制御信号をモニタリングすることにより層判別を行い、予め液晶素子20に所定の電圧を印加して5次の球面収差を補正しておくことも可能である。なお、各情報記録面の判別は印加電圧制御部42によって行うが、層判別部を設ける場合は、印加電圧制御部42内に設けても良く、また別途光ヘッド10内に配置するようにしてもよい。また、後述する光情報記録再生装置の制御部52内に設けるようにしてもよい。また、層間移動を行うための制御信号は、2軸アクチュエータを駆動する駆動信号に与えられるため、印加電圧制御部42は、ここから制御信号を取得するようにする。
なお、実施の形態1から実施の形態5においては、主として3次の球面収差を補正する第1の球面収差補正部として、ステッピングモータ40を用いてコリメートレンズを光軸方向に移動する場合について説明したが、本発明の第1の球面収差補正部としては、これに限らず、例えば平行光中に置かれた2群のレンズからなるビームエキスパンダのようなレンズを用いてもよいし、図12に示すように、2軸アクチュエータに搭載された液晶素子20とは異なる別の液晶素子21を用いてもよい。図12において、液晶素子21は液晶素子20と同様に印加電圧制御部42によって電圧の印加が制御される。
ここで図13(a)に、液晶素子21の電極パターンを、又図13(b)に光情報記録媒体30の情報記録面上に発生する3次の球面収差の形状を、示す。液晶素子21の電極パターンは、同心円形状(図中斜線部分)として形成し、印加電圧制御部42の制御により所定電圧を印加して、透過部分(図中白色部分)と電極とを通過する光との間に位相差を発生させる。位相差が生じた波面は、図13(c)に示すような波面形状となるため、3次の球面収差を低減することが可能となる。
なお、本発明が適用されるような多層型光情報記録媒体においては、光透過層の厚みによる球面収差の絶対値が大きいため、球面収差をより低減するために液晶素子21を図14(a)に示すような構成例としてもよい。
図13(a)に示す構成例は、同心円状の液晶層領域を一つ備えたものであったが、図14(a)に示す構成例は、電圧を印加する液晶層をさらに3つの同心円上の領域に3分割し、各領域毎に、図14(b)に示す3次の球面収差のパターンに対応した電圧を印加する。球面収差の生ずる領域を分割し、それぞれの領域に異なる位相差を発生させて、図14(c)に示すような波面形状とすることで、3次の球面収差を低減することが可能となる。
なお、球面収差の生じる領域を4分割以上にすることにより、各領域毎の収差の絶対値は小さくできるため、より高い収差補正能力は得られるが、液晶素子21に接続する電極層数が増加するため、本構成例程度とすることが望ましい。
以上の構成において、液晶素子21により補正される3次の球面収差の量は、液晶素子21に印加される電圧値によって設定される。したがって印加電圧制御部42は、液晶素子21に対して設定した電圧値を、上述したコリメートレンズ4の位置、位置の制御信号等に代替して利用し、実施の形態1〜4のそれぞれと同様にして液晶素子20の電圧印加の制御を行う。
また、図15に示すように、液晶素子21が2軸アクチュエータ9に搭載された5次の球面収差を補正する液晶素子20と一体で構成されてなる複合液晶素子22を用いてもよい。このような構成とすることで、複合液晶素子22と対物レンズ6との光軸ずれによるコマ収差が発生しなくなる利点がある。
また、図13,図15に示すような構成とすることで、球面収差の除去を全て電気的に行うことができ、3次の球面収差を除去するための機械的な構成であるステッピングモータ9等によるコリメートレンズ用アクチュエータが不要となり、光学ヘッドの構成が簡略化、軽量化されるなどのメリットがある。
さらに、図16に示すように、本発明の第1の球面収差補正部は、3次の球面収差の一部をコリメートレンズ4で補正し、残りを2軸アクチュエータ9に搭載された複合液晶素子22の液晶素子21によって補正するような構成でもよいことは明らかである。このような構成とすることで、コリメートレンズ4の可動範囲を縮小することができるため、光学ヘッドの小型・薄型化を図ることができるなどのメリットがある。この場合は、印加電圧制御部42による液晶素子20による5次の球面収差の除去制御は、液晶素子20の印加電圧と、コリメートレンズ4のステッピングモータ40の駆動量、コリメートレンズ4の位置等とに基づいて行うようにする。
なお、5次の球面収差を補正する本発明の第2の球面収差補正部については、液晶素子20に限らず、他の電気的、機械的な構成を利用して、5次の球面収差を除去できるような手段であってもよく、本発明の適用範囲に含まれることは言うまでもない。
(実施の形態6)
図17は、本発明の実施の形態6による光情報記録再生装置の概略構成図である。
図17において、50は光情報記録再生装置全体の筐体であり、筐体50の内部に光情報記録媒体駆動部51、制御部52、光学ヘッド10を備える。また30は光情報記録媒体である。光情報記録媒体駆動部51は光情報記録媒体30を回転駆動する機能を有し、光学ヘッド10は実施の形態1から5で述べたいずれかの光学ヘッドである。制御部52は光情報記録媒体駆動部51と光学ヘッド10の駆動および制御を行う機能を有すると共に、光学ヘッド10で受光された制御信号、情報信号の信号処理を行う機能と、情報信号を筐体50の外部と内部でインターフェースさせる機能を有する。
光学ヘッド10として、実施の形態1から5のいずれかの光学ヘッドを搭載しているので、本実施の形態における光情報記録再生装置は、光情報記録媒体30の光透過層の厚さの変化に伴って発生する3次の球面収差を補正する際に新たに発生する5次の球面収差も加えて補正できるため、光情報記録媒体30の記録/再生特性を向上することができる。
本発明は3次の球面収差補正部に加えて、5次の球面収差補正部を備えるため、情報記録面を多層化した光情報記録媒体に対して、情報の再生または記録を行う光情報記録再生装置に有用である。
本発明は光情報記録媒体に対して記録および/または再生を行う際に使用される光学ヘッド、およびそのような光学ヘッドを備えた光情報記録再生装置に関するものである。
光情報記録媒体の大容量化に伴い、その記録および/または再生に用いる光学ヘッドの光源の短波長化と対物レンズの高NA(開口数:Numerical Aperture)化が進んでいる。しかし高NA化に伴い、光情報記録媒体の光透過層の厚み変化による球面収差の影響が顕著になってくる。
たとえばDVDで用いられている波長650nm、対物レンズのNA0.60の場合、光透過層の厚み変化10μmに対して、約10mλの球面収差が発生する。しかし次世代の光情報記録媒体に用いられる波長400nm、対物レンズのNA0.85の場合には、光透過層の厚み変化10μmに対して、約100mλの球面収差が発生する。そのため、このような光情報記録媒体用の光学ヘッドには、球面収差を補正する手段が必要となる。
一例として、特許文献1に、コリメートレンズをコリメートレンズ用アクチュエータに搭載し、光透過層の厚み誤差に起因する球面収差を打ち消すように、光源と対物レンズの間に配置されたコリメートレンズを移動する光情報記録再生装置の方式が示されている。この光情報記録再生装置について図18を用いて具体的に説明する。
図18に従来の光学ヘッドの構成を示す。図18において、101は光源、102はビームスプリッタ、103は1/4波長板、104はコリメートレンズ、106は対物レンズ、107はマルチレンズ、108は受光素子、109は対物レンズ106を駆動する2軸アクチュエータ、110はコリメートレンズ104を駆動するコリメートレンズ用アクチュエータであり、これらが光学ヘッド120を構成している。
光源101から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ102を透過して、コリメートレンズ104に入射する。コリメートレンズ104に入射したレーザ光は、光情報記録媒体130の光透過層131の厚さが規定値通りの場合には、コリメートレンズ104によって平行光とされる。コリメートレンズ104はコリメートレンズ用アクチュエータ110に搭載されており、このコリメートレンズ用アクチュエータ110によって、レーザ光の光軸に沿って前後に移動可能となっている。
コリメートレンズ104を透過したレーザ光は、1/4波長板103を透過する際に円偏光状態となり、対物レンズ106に入射する。対物レンズ106によって集光され光情報記録媒体130の情報記録面に入射したレーザ光は、情報記録面で反射されて戻り光となる。この戻り光は、元の光路をたどって対物レンズ106を透過した後、1/4波長板103に入射する。戻り光は1/4波長板103を透過することにより、往路の偏光方向に対して90度回転された直線偏光となり、その後、コリメートレンズ104によって収束光とされた後、偏光ビームスプリッタ102によって反射される。ビームスプリッタ102によって反射された戻り光は、マルチレンズ107を介して受光素子108に入射し、検出される。
光学ヘッド120を用いて光情報記録媒体130の情報記録面上に光を集光して記録再生を行うとき、光情報記録媒体130の光透過層131の厚み誤差によって発生する主な収差は、デフォーカスによるものと球面収差によるものである。デフォーカスについては、フォーカスサーボにより補正される。すなわち、受光素子108からのフォーカスサーボに基づいて、2軸アクチュエータ109により対物レンズ106を光軸方向に動かすことでデフォーカスが補正され、情報記録面上に焦点が合わされる。
一方、球面収差については、対物レンズ106に入射するレーザ光を発散光あるいは収束光とすることにより、光透過層131の厚さに応じて発生する球面収差と逆極性の球面収差を発生させることで補正を行う。具体的にはコリメートレンズ用アクチュエータ110により、コリメートレンズ104を光軸方向に前後に動かすことで、対物レンズ106に入射するレーザ光を発散光あるいは収束光とし、対物レンズ106で逆極性の球面収差を発生させ、光透過層131の厚み誤差に起因する球面収差をキャンセルするようにしている。
このように、この光学ヘッド120においては、対物レンズ106を透過して情報記録面に焦点を結んだときは、球面収差がキャンセルされた状態になっている。
特開平11−259906号公報
光情報記録媒体においてさらなる大容量化を図るため、情報記録面を多層構造とすることが考えられている。情報記録面を多層化した場合、複数の情報記録面に対して情報の記録および/または再生を行うことになる。しかし、情報記録面毎に光透過層の厚さが異なるため、対物レンズの最適基材厚(残存収差が最小となる光透過層厚)からずれた情報記録面では、最適基材厚から所定の情報記録面までの光透過層の厚さに応じて、球面収差が発生する。
3次の球面収差は、対物レンズの最適基材厚から所定の情報記録面までの光透過層の厚さに比例して大きくなる。情報記録面を多層化し、その光透過層の間隔を大きく変化させると、補正すべき3次の球面収差も増大する。従って、従来の光学ヘッドにおいては、コリメートレンズの移動範囲が非常に大きくなる。
例えば、光源の波長λ=405nm、対物レンズのNA=0.85、対物レンズの焦点距離1.3mm、コリメートレンズの焦点距離19.0mm、対物レンズの最適基材厚(残存収差が最小となる光情報記録媒体の光透過層厚)62.5μmの場合の、コリメートレンズの移動範囲(対物レンズに近づく方向を正(+)とする)を図19に示す。図19より光透過層の厚さが25μmから100μmまで変化する場合、コリメートレンズの移動範囲は10mm以上になることがわかる。
さらに、光透過層の厚みが大きくなると、対物レンズでは新たに5次の球面収差が無視できない大きさで発生する。
図20は前記の条件で、光透過層の厚さ変化によって発生する3次の球面収差をコリメートレンズの移動によって補正した後の、5次の球面収差量を示したものである。図20より、光透過層の厚み変化が±10μm程度の場合、5次の球面収差は±5mλであり、無視できる大きさであるのに対し、光透過層の厚さが25μmから100μmまで変化するような光情報記録媒体においては、5次の球面収差量が±20mλにも達する。また、この5次の球面収差はコリメートレンズの移動により3次の球面収差を補正した後も残存する量である。
したがって、情報記録面を多層構造とした光情報記録媒体においては、3次の球面収差に加えて、5次の球面収差に関しても記録および/または再生における影響を考慮する必要が生ずることが課題として見いだされた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、光透過層の厚さが大きく変化する光情報記録媒体に対して、3次の球面収差だけでなく、無視できなくなる5次の球面収差も補正し、良好な記録および/または再生を確保できる光学ヘッドおよびそのような光学ヘッドを備えた光情報記録再生装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、
光源と、
前記光源から照射されたレーザ光を光情報記録媒体に集光させる対物レンズと、
前記光情報記録媒体の光透過層の厚さに応じて発生する球面収差を補正する球面収差補正部と、を備え、
前記球面収差補正部は、
3次の球面収差を補正するための第1の球面収差補正部と、
5次の球面収差を補正するための第2の球面収差補正部と、を有する、光学ヘッドである。
また、第2の本発明は、前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に応じて、前記5次の球面収差を補正する、第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第3の本発明は、前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に応じて、予め設定された複数の5次の球面収差補正量から所定の補正量を選択し、この選択した補正量により前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第4の本発明は、前記対物レンズは、前記光情報記録媒体の3次の球面収差が最小となる所定基準厚において所定値の5次の球面収差が生じるように、設計されており、
前記第2の球面収差補正部は、
前記所定値の5次の球面収差と逆極性の5次の球面収差を生じさせて、前記5次の球面収差を補正する、第3の本発明の光学ヘッドである。
また、第5の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズの位置を用いて前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第6の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズの位置に応じた位置信号の出力値を用いて前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第7の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズを駆動する駆動信号の出力を用いて前記5次の球面収差を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第8の本発明は、前記第2の球面収差補正部は、液晶素子を有する、第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第9の本発明は、前記液晶素子は、前記対物レンズを駆動するアクチュエータの可動部に設けられている、第8の本発明の光学ヘッドである。
また、第10の本発明は、前記液晶素子は、前記アクチュエータの可動部を保持するサスペンションを通して駆動される、第9の本発明の光学ヘッドである。
また、第11の本発明は、前記液晶素子を駆動する駆動信号は、前記アクチュエータの可動部を駆動する駆動信号に重畳されている、第10の本発明の光学ヘッドである。
また、第12の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、液晶素子を有し、前記液晶素子に電圧を印加することにより前記3次の球面収差を補正し、
前記第2の球面収差補正部は、
前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記第1の球面収差補正部の前記液晶素子に印加される電圧値を用いて前記5次の球面収差を補正する、第8の本発明の光学ヘッドである。
また、第13の本発明は、前記第1の球面収差補正部の有する前記液晶素子と、前記第2の球面収差補正部の有する前記液晶素子は、一体に構成されている、第12の本発明の光学ヘッドである。
また、第14の本発明は、前記第1の球面収差補正部の有する前記液晶素子と、前記第2の球面収差補正部の有する前記液晶素子は、それぞれ別体の液晶素子である、第12の本発明の光学ヘッドである。
また、第15の本発明は、前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズ及び液晶素子を有し、
前記コリメートレンズの移動により前記3次の球面収差の一部を補正し、前記液晶素子への電圧印加により前記3次の球面収差の残りの部分を補正する、第2の本発明の光学ヘッドである。
また、第16の本発明は、前記光情報記録媒体は、情報を記録および/または再生の対象となる情報記録面を少なくとも2面有し、
前記第2の球面収差補正部は、前記情報記録面のそれぞれの面に対応した所定値を用いて、前記5次の球面収差を補正する、第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第17の本発明は、前記光情報記録媒体の、記録および/または再生の対象となっている情報記録面を判別する層判別部を備え、
前記第2の球面収差補正部は、前記層判別部の判別結果に応じて、前記5次の球面収差を補正する、第16の本発明の光学ヘッドである。
また、第18の本発明は、第1の本発明の光学ヘッドと、前記光情報記録媒体を駆動する駆動部と、前記光学ヘッドと前記駆動部を制御する制御部とを備えた、光情報記録再生装置である。
本発明の光学ヘッドおよび光情報記録再生装置によれば、情報記録面の多層化より光透過層の厚さ変化が大きい光情報記録媒体の情報記録/再生時に、3次の球面収差補正に加えて、無視できなくなる5次の球面収差も補正できるため、このような光情報記録媒体に対して、良好な記録/再生性能を確保できるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の光学ヘッドおよび光情報記録再生装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の1実施の形態における光学ヘッドの概略構成図である。
図1において、1は半導体レーザ、2はビームスプリッタ、3は1/4波長板、4はコリメートレンズ、5は反射ミラー、6は対物レンズ、7は検出レンズ、8は受光素子、9は対物レンズ6を駆動する2軸アクチュエータ、20は液晶素子、40はコリメートレンズ4を駆動するステッピングモータ、41はコリメートレンズ4を保持するレンズホルダ、42はステッピングモータの駆動量に基づき液晶素子20に印加する電圧を制御する印加電圧制御部であり、これらが光学ヘッド10を構成している。なお、30は透明基板を持つ光情報記録媒体である。また、図2に示すように、光情報記録媒体30には光入射面側(対物レンズ6側)から情報記録面31、32、33、34が形成されており、それぞれ表面から情報記録面までの光透過層の厚さは、d1、d2、d3、d4(d1<d2<d3<d4)となっている。
なお、上記の構成において、半導体レーザ1は本発明の光源に相当し、対物レンズ6は本発明の対物レンズに相当する。また、コリメートレンズ4、ステッピングモータ40、レンズホルダ41は第1の球面収差補正部に相当し、液晶素子20及び印加電圧制御部42は本発明の第2の球面収差補正部に相当する。
このような光情報記録媒体30に対して、情報の記録または再生を行う場合の光学ヘッド10の動作について述べる。半導体レーザ1から出射された直線偏光のレーザ光は、ビームスプリッタ2を透過し、1/4波長板3で円偏光に変換された後、コリメートレンズ4で平行光に変換され、反射ミラー5で反射して、液晶素子20を透過し、対物レンズ6によって、透明基板越しに光情報記録媒体30の情報記録面31〜34の何れかに光スポットとして集光される。
情報記録面31〜34の何れかで反射したレーザ光は、再び対物レンズ6、液晶素子20を透過し、反射ミラー5で反射され、コリメートレンズ4を透過し、1/4波長板3で往路とは異なる直線偏光に変換された後、ビームスプリッタ2で反射され、検出レンズ7によって、受光素子8に導かれる。受光素子8で検出されたレーザ光は、光電変換された後演算されて、光情報記録媒体30の面ぶれに追従するためのフォーカス誤差信号と偏心に追従するためのトラッキング誤差信号を生成する。2軸アクチュエータ9は、このフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号によって、回転する光情報記録媒体30の情報トラックに光スポットが追従するよう対物レンズ6を2軸方向に駆動する。
コリメートレンズ4はレンズホルダ41に保持され、ステッピングモータ40によって、レーザ光の光軸に沿って移動可能となっている。情報記録面31〜34の光透過層の厚さに応じて、さらにそれらの光透過層の厚さが規定値から外れている場合に、レーザ光は光透過層の厚さ変化に伴う3次の球面収差を補正するように、コリメートレンズ4によって発散光あるいは収束光とされ、対物レンズ6で逆極性の球面収差を発生させ、3次の球面収差の補正を行う。
図3は、本実施の形態における、補正すべき光透過層の厚さとコリメートレンズの移動量との関係を計算によって求めた結果である。横軸に補正する光透過層の厚さをとり、縦軸にコリメートレンズ4の移動量を示している。なお、計算に用いた各パラメータの具体的な数値は以下の通りである。
半導体レーザ1の波長 λ=405nm
対物レンズ6のNA NA=0.85
対物レンズ6の焦点距離 fol=1.3mm
コリメートレンズ4の焦点距離置 fcl=19.0mm
情報記録面31〜34間の各光透過層の厚さ d1=25μm、d2=50μm、d3=75μm、d4=100μm
光情報記録媒体30の光透過層の屈折率n=1.6
コリメートレンズ4の移動量は、対物レンズ6の最適基材厚(残存収差が最小となる光情報記録媒体の光透過層の厚さ)が62.5μmである場合を基準とし、対物レンズ6に近づく方向を正(+)とした。
図3より光情報記録媒体30のd1〜d4の光透過層の厚さのそれぞれに対応した3次の球面収差を補正するのに、本実施の形態のコリメートレンズ4では約10mmの移動量が必要であることがわかる。なお、光透過層の厚さ自体が誤差を持っているため、実際にはさらに大きな移動範囲が必要となる。
従来の技術にて説明したように、光透過層の厚さの変化および誤差により発生する3次の球面収差は、コリメートレンズ4からのレーザ光を発散光あるいは収束光になるように調整することにより大幅に低減することができる。
しかし、光透過層の厚みの増大により5次の球面収差が無視できなくなる大きさで発生する。また、コリメートレンズ4の移動による補正では、球面収差の3次より高次の成分は除去できない。
そこで、本実施の形態は、この5次の球面収差を2軸アクチュエータ9に搭載した液晶素子20で補正することとしている。液晶素子20は、複数領域に分割された個々の電極に個別に電圧を印加することにより液晶の屈折率を制御し、位相差を発生させることで収差補正を行う。3次の球面収差の補正後に残存して現れる5次の球面収差は、図5(b)に示す波面の形状を有する。この形状に対応して、液晶素子20の電極を図5(a)に示すような同心円形状(図中灰色部分)として形成し、印加電圧制御部42の制御により、電極に後述する所定電圧を印加して、透過部分(図中白色部分)と電極とを通過する光との間に位相差を発生させる。位相差が生じた波面は、図5(c)に示すような波面形状となるため、5次の球面収差を低減することが可能となる。
このとき、補正すべき光透過層の厚さと3次の球面収差補正後に残存する5次の球面収差発生量との関係は、図4に示すように、5次の球面収差の発生量が補正すべき光透過層の厚さにほぼ比例する。
さらに、図3および図4から導かれる図6より、5次の球面収差の大きさは、3次の球面収差を補正する際のコリメートレンズ4の移動量と相関がある。
従ってコリメートレンズ4の移動量に応じて、液晶素子20に印加する電圧を変えることで、5次の球面収差を補正することが可能である。
図7に示すように、コリメートレンズ4の移動量に比例した5次の球面収差を液晶素子20で発生させ、残存する5次の球面収差と相殺することによって、補正後の5次の球面収差の絶対値は3mλ以下に保つことができ、光学ヘッドとして良好な記録および/または再生を確保できる。
また、液晶素子20は、図1に示すように、対物レンズ6を駆動する2軸アクチュエータ9に搭載され、対物レンズ6と一体で駆動されることが望ましい。このような構成とすることで、液晶素子20と対物レンズ6の光軸ずれによるコマ収差が発生しない。
ただし、液晶素子20が2軸アクチュエータ9に搭載されていない場合でも、液晶素子20と対物レンズ6の光軸ずれによって発生するコマ収差を最小限にするため、光学ヘッド10の微小送り機構等を別途設けることで、本発明を適用することが可能である。
また2軸アクチュエータ9に搭載された液晶素子20を駆動するため、2軸アクチュエータ9の可動部を保持するサスペンション(図示省略)を配線として利用することができる。さらにこのサスペンションは2軸アクチュエータ9の可動部を駆動する駆動信号の配線としても用いられることが多いため、その場合は2軸アクチュエータ9の駆動信号に、液晶素子20の駆動信号を重畳して液晶素子20を駆動することで、配線を簡略化することが可能である。
また、印加電圧制御部42がコリメートレンズ4の移動量を検出する方法としては、コリメートレンズ4の位置検出を行うセンサを光学ヘッド10上に別途設けても良いし、コリメートレンズ用アクチュエータを位置制御する信号をモニタリングすることにより、コリメートレンズ4の位置を算出しても良い。あるいは、予め補正すべき3次の球面収差の量や光透過層の厚さを直接検出して、そこからコリメートレンズ4の位置を求めることも可能であるが、通常は、3次の球面収差を補正する場合のコリメートレンズ4のセンサである位置検出部あるいは位置制御部を、そのまま利用すればよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による、5次の球面収差の補正方法について、図8を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態1においては、コリメートレンズ4の移動量に応じて、液晶素子20に印加する電圧を変えることとしたが、電圧の変化はコリメートレンズ4の移動量に応じて連続的に行うようにしたため、5次の球面収差の補正量も連続的に変化する。
これに対し、本実施の形態では、コリメートレンズ4の移動範囲を3分割し、分割した範囲毎に一定の大きさの5次の球面収差を与える構成とした点が異なる。
以下、説明する。図8に示すように、コリメートレンズ4の移動量を図中範囲A、B、Cに分割する。−の方向側(光情報記録媒体から遠ざかる側)の範囲Aでは、液晶素子20に正の所定電圧を印加することによって、一定大きさの5次の球面収差+15mλを発生させる。同様に+の方向側(光情報記録媒体に近づく側)の範囲Cでは、液晶素子20に負の所定電圧を印加することによって一定大きさの5次の球面収差−15mλを発生させる。範囲Aと範囲Cの間となる範囲Bでは液晶素子20に電圧は印加しない。
以上の制御によると、情報記録面上に生ずる5次の球面収差は、範囲A、B、Cのそれぞれにおいては単調増加し、各範囲の境界で急峻に減少するノコギリ歯状の変化をすることになる。しかし、補正後の5次の球面収差の絶対値は約9mλ以下に保つことができ、これは光学ヘッド10の記録/再生機能の確保に十分な値である。
このように液晶素子20に印加する電圧を3値で制御することは、液晶素子20への負荷を軽減しつつ、光学ヘッド10の性能を確保できる効果がある。
なお、範囲Bにおいては電圧は印加しない(0Vを印加する)ものとしたが、球面収差の差分の絶対値を9mλの範囲に抑える限り、所定値の電圧を印加するようにしてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による5次の球面収差の補正方法について、図9を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態2においては、コリメートレンズ4の移動範囲を3分割し、分割した範囲毎に一定の大きさの5次の球面収差を与える構成としたが、本実施の形態においては、分割範囲を二つとした点が異なる。
以下、説明する。図9に示すように、コリメートレンズ4の移動量を図中範囲A、Cに分割する。−の方向側(光情報記録媒体から遠ざかる側)の範囲Aでは、液晶素子20に正の所定電圧を印加することによって一定大きさの5次の球面収差+8mλを発生させる。同様に+の方向側(光情報記録媒体から遠ざかる側)の範囲Cでは、液晶素子20に負の所定電圧を印加することによって一定大きさの5次の球面収差−13mλを発生させる。
以上の制御によると、情報記録面上に生ずる5次の球面収差は、実施の形態3と同様、範囲A、Cのそれぞれにおいては単調増加し、各範囲の境界で急峻に減少する。分割範囲が荒いため、補正後の5次の球面収差の絶対値は約11mλとなるが、これは光学ヘッド10の記録/再生機能の確保には十分な値である。
このように液晶素子20に印加する電圧を2値で制御するようにしてもよく、実施の形態2と同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4による5次の球面収差の補正方法について、図10を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態3においては、コリメートレンズ4の移動範囲を2分割し、分割した範囲毎に±の所定大きさの5次の球面収差を与える構成としたが、本実施の形態においては、対物レンズ6にオフセット分の5次の球面収差が生じるようにしたことにより、液晶素子20に印加する電圧を実質的に1値で制御するようにした点が異なる。
以下、説明する。図10に示すように対物レンズ6の設計を変更して、コリメートレンズ4の移動量が0の初期状態を基準として、光情報記録媒体30の3次の球面収差が最小となる最適基材厚62.5μmにおいて、オフセットとして−13mλの5次の球面収差を与えておく。そして、コリメートレンズ4が図中範囲Aを移動する場合のみ、液晶素子20に所定電圧を印加して、オフセットとは逆極性の5次の球面収差+21mλを発生させる。このような液晶素子20の制御によっても、残存する5次の球面収差の絶対値を11mλ以下にすることが可能であり、実質的に記録/再生性能を改善することができる。
特に本実施の形態は、実施の形態3と比較して、液晶素子20の駆動のオン/オフを切り替える(1/0制御)だけでよいので、液晶素子20の制御がより簡単になるという特徴がある。
なお、上記の説明において、最適基材厚は、前記光情報記録媒体の3次の球面収差が最小となる所定基準厚に相当する。また、上記の説明においては、オフセットは−方向の5次の球面収差としたが、+方向に与えても良い。この場合は、液晶素子20には−方向の5次の球面収差を発生させる。要するに、対物レンズ6の設計により生じされるオフセットとしての所定値の5次の球面収差の極性と、液晶素子20により発生する5次の球面収差の極性とが、互いに相殺する逆向きの関係となるようにすればよい。
また、上記の実施の形態2〜4においては、コリメートレンズ4の移動範囲を2分割又は3分割として、各範囲毎に液晶素子20に発生される5次の球面収差を所定値として設定するようにしたが、移動範囲は4分割以上とし、各範囲毎に5次の球面収差の値を定めるようにしてもよい。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5による5次の球面収差の補正方法について、図11を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、以下その説明を省略する。
実施の形態2〜4においては、コリメートレンズ4の移動量を検出し、これに応じて、液晶素子20に印加する電圧を連続的又は段階的に変えることとした。
これに対し、本実施の形態においては、コリメートレンズ4の移動量の検出は行わず、光学ヘッド10が光情報記録媒体30の情報記録面31〜34のいずれを対象として情報の記録/再生を行っているかに基づいて、その記録/再生の対象となっている情報記録面のそれぞれに応じて定めた所定電圧を液晶素子20に印加し、5次の球面収差を発生させることで、情報記録面上に生じる5次の球面収差の絶対値を小さくする。
具体的には図11に示すように、光情報記録媒体30の情報記録面31(光透過層の厚さd1=25μm)に対して情報の記録/再生を行う場合には、液晶素子20に負の所定電圧を印加することによって、5次の球面収差−15mλを発生させ、光情報記録媒体30の情報記録面34(光透過層の厚さd4=100μm)に対して情報の記録/再生を行う場合には、液晶素子20に正の所定電圧を印加することによって、5次の球面収差+15mλを発生させる。情報記録面32(光透過層の厚さd2=50μm)および情報記録面33(光透過層の厚さd3=75μm)に対して情報の記録/再生を行う場合には、液晶素子20には電圧を印加しない。
このような補正を行うことで、各情報記録面上に残存する5次の球面収差の絶対値を10mλ以下にすることが可能である。なお、それぞれの光透過層の厚さが誤差を持っているため、実際にはその誤差分の5次の球面収差が残存することになるが、各光透過層の厚さ誤差を±5μmとすると、残存する5次の球面収差は2〜3mλであり実質的には問題ない。
なお、情報記録面31〜34の何れに対して情報を記録/再生を行うかは、光学ヘッド10の動作時に予め決まっているため、液晶素子20に印加する電圧の選択及び印加の有無は、これに応じて実行すればよい。具体的には、各情報記録面の判別を行う層判別部からの出力信号や、層間の移動を行うための制御信号をモニタリングすることにより層判別を行い、予め液晶素子20に所定の電圧を印加して5次の球面収差を補正しておくことも可能である。なお、各情報記録面の判別は印加電圧制御部42によって行うが、層判別部を設ける場合は、印加電圧制御部42内に設けても良く、また別途光ヘッド10内に配置するようにしてもよい。また、後述する光情報記録再生装置の制御部52内に設けるようにしてもよい。また、層間移動を行うための制御信号は、2軸アクチュエータを駆動する駆動信号に与えられるため、印加電圧制御部42は、ここから制御信号を取得するようにする。
なお、実施の形態1から実施の形態5においては、主として3次の球面収差を補正する第1の球面収差補正部として、ステッピングモータ40を用いてコリメートレンズを光軸方向に移動する場合について説明したが、本発明の第1の球面収差補正部としては、これに限らず、例えば平行光中に置かれた2群のレンズからなるビームエキスパンダのようなレンズを用いてもよいし、図12に示すように、2軸アクチュエータに搭載された液晶素子20とは異なる別の液晶素子21を用いてもよい。図12において、液晶素子21は液晶素子20と同様に印加電圧制御部42によって電圧の印加が制御される。
ここで図13(a)に、液晶素子21の電極パターンを、又図13(b)に光情報記録媒体30の情報記録面上に発生する3次の球面収差の形状を、示す。液晶素子21の電極パターンは、同心円形状(図中斜線部分)として形成し、印加電圧制御部42の制御により所定電圧を印加して、透過部分(図中白色部分)と電極とを通過する光との間に位相差を発生させる。位相差が生じた波面は、図13(c)に示すような波面形状となるため、3次の球面収差を低減することが可能となる。
なお、本発明が適用されるような多層型光情報記録媒体においては、光透過層の厚みによる球面収差の絶対値が大きいため、球面収差をより低減するために液晶素子21を図14(a)に示すような構成例としてもよい。
図13(a)に示す構成例は、同心円状の液晶層領域を一つ備えたものであったが、図14(a)に示す構成例は、電圧を印加する液晶層をさらに3つの同心円上の領域に3分割し、各領域毎に、図14(b)に示す3次の球面収差のパターンに対応した電圧を印加する。球面収差の生ずる領域を分割し、それぞれの領域に異なる位相差を発生させて、図14(c)に示すような波面形状とすることで、3次の球面収差を低減することが可能となる。
なお、球面収差の生じる領域を4分割以上にすることにより、各領域毎の収差の絶対値は小さくできるため、より高い収差補正能力は得られるが、液晶素子21に接続する電極層数が増加するため、本構成例程度とすることが望ましい。
以上の構成において、液晶素子21により補正される3次の球面収差の量は、液晶素子21に印加される電圧値によって設定される。したがって印加電圧制御部42は、液晶素子21に対して設定した電圧値を、上述したコリメートレンズ4の位置、位置の制御信号等に代替して利用し、実施の形態1〜4のそれぞれと同様にして液晶素子20の電圧印加の制御を行う。
また、図15に示すように、液晶素子21が2軸アクチュエータ9に搭載された5次の球面収差を補正する液晶素子20と一体で構成されてなる複合液晶素子22を用いてもよい。このような構成とすることで、複合液晶素子22と対物レンズ6との光軸ずれによるコマ収差が発生しなくなる利点がある。
また、図13,図15に示すような構成とすることで、球面収差の除去を全て電気的に行うことができ、3次の球面収差を除去するための機械的な構成であるステッピングモータ9等によるコリメートレンズ用アクチュエータが不要となり、光学ヘッドの構成が簡略化、軽量化されるなどのメリットがある。
さらに、図16に示すように、本発明の第1の球面収差補正部は、3次の球面収差の一部をコリメートレンズ4で補正し、残りを2軸アクチュエータ9に搭載された複合液晶素子22の液晶素子21によって補正するような構成でもよいことは明らかである。このような構成とすることで、コリメートレンズ4の可動範囲を縮小することができるため、光学ヘッドの小型・薄型化を図ることができるなどのメリットがある。この場合は、印加電圧制御部42による液晶素子20による5次の球面収差の除去制御は、液晶素子20の印加電圧と、コリメートレンズ4のステッピングモータ40の駆動量、コリメートレンズ4の位置等とに基づいて行うようにする。
なお、5次の球面収差を補正する本発明の第2の球面収差補正部については、液晶素子20に限らず、他の電気的、機械的な構成を利用して、5次の球面収差を除去できるような手段であってもよく、本発明の適用範囲に含まれることは言うまでもない。
(実施の形態6)
図17は、本発明の実施の形態6による光情報記録再生装置の概略構成図である。
図17において、50は光情報記録再生装置全体の筐体であり、筐体50の内部に光情報記録媒体駆動部51、制御部52、光学ヘッド10を備える。また30は光情報記録媒体である。光情報記録媒体駆動部51は光情報記録媒体30を回転駆動する機能を有し、光学ヘッド10は実施の形態1から5で述べたいずれかの光学ヘッドである。制御部52は光情報記録媒体駆動部51と光学ヘッド10の駆動および制御を行う機能を有すると共に、光学ヘッド10で受光された制御信号、情報信号の信号処理を行う機能と、情報信号を筐体50の外部と内部でインターフェースさせる機能を有する。
光学ヘッド10として、実施の形態1から5のいずれかの光学ヘッドを搭載しているので、本実施の形態における光情報記録再生装置は、光情報記録媒体30の光透過層の厚さの変化に伴って発生する3次の球面収差を補正する際に新たに発生する5次の球面収差も加えて補正できるため、光情報記録媒体30の記録/再生特性を向上することができる。
本発明は3次の球面収差補正部に加えて、5次の球面収差補正部を備えるため、情報記録面を多層化した光情報記録媒体に対して、情報の再生または記録を行う光情報記録再生装置に有用である。
本発明の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 本発明の実施の形態における光情報記録媒体の概略構成図 本発明の実施の形態における光透過層の厚さとコリメートレンズ移動量の関係を示す図 本発明の実施の形態における光透過層の厚さと残存する5次の球面収差の関係を示す図 (a)本発明の実施の形態における液晶素子20の電極分割パターンを示す構成図(b)5次の球面収差の波面を示す図(c)液晶素子20によって補正された後の波面を示す図 本発明の実施の形態におけるコリメートレンズ移動量と残存する5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態1におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態2におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態3におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態4におけるコリメートレンズ移動量と補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の実施の形態5における光透過層の厚さと補正後の5次の球面収差の関係を示す図 本発明の別の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 (a)本発明の別の実施の形態における液晶素子21の電極分割パターンを示す構成図(b)3次の球面収差の波面を示す図(c)液晶素子21によって補正された後の波面を示す図 (a)本発明の別の実施の形態における液晶素子21の電極分割パターンの他の例を示す構成図(b)3次の球面収差の波面を示す図(c)液晶素子21によって補正された後の波面を示す図 本発明の別の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 本発明の別の実施の形態における光学ヘッドの概略構成図 本発明の実施の形態6における光情報記録再生装置の概略構成図 従来の光情報記録再生装置の概略構成図 光透過層の厚さとコリメートレンズ移動量の関係を示す図 光透過層の厚み誤差と3次の球面収差補正後に残存する5次の球面収差量の関係を示す図
符号の説明
1 半導体レーザ
2、102 ビームスプリッタ
3、103 1/4波長版
4、104 コリメートレンズ
5 反射ミラー
6、106 対物レンズ
7 検出レンズ
8、108 受光素子
9,109 2軸アクチュエータ
10,11,120 光学ヘッド
20,21 液晶素子
30,130 光情報記録媒体
31,32,33,34 情報記録面
42 印加電圧制御部
50 筐体
51 光情報記録媒体駆動部
52 制御部
107 マルチレンズ
110 コリメートレンズ用アクチュエータ
131 光透過層

Claims (18)

  1. 光源と、
    前記光源から照射されたレーザ光を光情報記録媒体に集光させる対物レンズと、
    前記光情報記録媒体の光透過層の厚さに応じて発生する球面収差を補正する球面収差補正部と、を備え、
    前記球面収差補正部は、
    3次の球面収差を補正するための第1の球面収差補正部と、
    5次の球面収差を補正するための第2の球面収差補正部と、を有する、
    光学ヘッド。
  2. 前記第2の球面収差補正部は、
    前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に応じて、前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第1項記載の光学ヘッド。
  3. 前記第2の球面収差補正部は、
    前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に応じて、予め設定された複数の5次の球面収差補正量から所定の補正量を選択し、この選択した補正量により前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第2項記載の光学ヘッド。
  4. 前記対物レンズは、前記光情報記録媒体の3次の球面収差が最小となる所定基準厚において所定値の5次の球面収差が生じるように、設計されており、
    前記第2の球面収差補正部は、
    前記所定値の5次の球面収差と逆極性の5次の球面収差を生じさせて、前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第3項記載の光学ヘッド。
  5. 前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
    前記第2の球面収差補正部は、
    前記第1の前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズの位置を用いて前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第2項記載の光学ヘッド。
  6. 前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
    前記第2の球面収差補正部は、
    前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズの位置に応じた位置信号の出力値を用いて前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第2項記載の光学ヘッド。
  7. 前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズを有し、前記コリメートレンズを移動させることにより前記3次の球面収差を補正し、
    前記第2の球面収差補正部は、
    前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記コリメートレンズを駆動する駆動信号の出力を用いて前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第2項記載の光学ヘッド。
  8. 前記第2の球面収差補正部は、液晶素子を有する、請求の範囲第1項記載の光学ヘッド。
  9. 前記液晶素子は、前記対物レンズを駆動するアクチュエータの可動部に設けられている、請求の範囲第8項記載の光学ヘッド。
  10. 前記液晶素子は、前記アクチュエータの可動部を保持するサスペンションを通して駆動される、請求の範囲第9項記載の光学ヘッド。
  11. 前記液晶素子を駆動する駆動信号は、前記アクチュエータの可動部を駆動する駆動信号に重畳されている、請求の範囲第10項記載の光学ヘッド。
  12. 前記第1の球面収差補正部は、液晶素子を有し、前記液晶素子に電圧を印加することにより前記3次の球面収差を補正し、
    前記第2の球面収差補正部は、
    前記第1の球面収差補正部が補正する前記3次の球面収差の量に対応する量として、前記第1の球面収差補正部の前記液晶素子に印加される電圧値を用いて前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第8項記載の光学ヘッド。
  13. 前記第1の球面収差補正部の有する前記液晶素子と、前記第2の球面収差補正部の有する前記液晶素子は、一体に構成されている、請求の範囲第12項記載の光学ヘッド。
  14. 前記第1の球面収差補正部の有する前記液晶素子と、前記第2の球面収差補正部の有する前記液晶素子は、それぞれ別体の液晶素子である、請求の範囲第12記載の光学ヘッド。
  15. 前記第1の球面収差補正部は、前記レーザ光の光軸方向に移動するコリメートレンズ及び液晶素子を有し、
    前記コリメートレンズの移動により前記3次の球面収差の一部を補正し、前記液晶素子への電圧印加により前記3次の球面収差の残りの部分を補正する、
    請求の範囲第2項記載の光学ヘッド。
  16. 前記光情報記録媒体は、情報を記録および/または再生の対象となる情報記録面を少なくとも2面有し、
    前記第2の球面収差補正部は、前記情報記録面のそれぞれの面に対応した所定値を用いて、前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第1項記載の光学ヘッド。
  17. 前記光情報記録媒体の、記録および/または再生の対象となっている情報記録面を判別する層判別部を備え、
    前記第2の球面収差補正部は、前記層判別部の判別結果に応じて、前記5次の球面収差を補正する、請求の範囲第16項記載の光学ヘッド。
  18. 請求の範囲第1項記載の光学ヘッドと、前記光情報記録媒体を駆動する駆動部と、前記光学ヘッドと前記駆動部を制御する制御部とを備えた、光情報記録再生装置。
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