JP2005085363A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

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Junichi Kitabayashi
淳一 北林
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Abstract

【課題】光透過層の厚さの公差を厳しくすることなく量産性の良い光ディスクや、多層の記録層を持つ光ディスクに対して、開口数NAを大きくしても球面収差を抑制できるようにする。
【解決手段】カップリングレンズ25を構成する複数のレンズ群29,30のうちの光源21側に位置するレンズ群29は固定レンズ群とし、対物レンズ27側に位置するレンズ群30を光軸方向に駆動可能な駆動レンズ群として駆動レンズ群30のみを駆動制御して非平行光束を出射させることにより、光透過層の厚さの違い、誤差、或いは、光源波長の変動等に起因する光ディスク2面上のスポットの球面収差や色収差を打ち消すことができるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に関する。
従来、この種の光ピックアップ装置において、光ディスクの基板厚の誤差を補正するための技術として、例えば、エキスパンダレンズを駆動することで基板厚誤差を補正するようにしたものや(例えば、特許文献1参照)、コリメータレンズを駆動して基板厚誤差を補正するようにしたもの(例えば、特許文献2参照)がある。
特開平5−266511号公報 特開平11−259893号公報
光ディスクシステムに対する高記録密度化及び大容量化の要求は、近年ますます強くなっている。
記録密度向上のためには、光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの開口数NAを大きくするとともに、使用する光の波長を短くして、対物レンズによって集光される光のスポット径を小径化することが有効である。例えば、CDでは、対物レンズの開口数NA0.45、波長780nmであったのに対して、DVDでは、対物レンズの開口数NA0.65、波長660nmとしてCDよりもさらに高記録密度化及び大容量化がなされている。近年はさらにBlu−rayディスクと呼ばれる、対物レンズの開口数NA0.85、波長405nmの光ディスクシステムなどが開発されている。
ところで、通常、光ディスク等のような情報記録媒体は、情報信号が記録される記録層上に光透過層を有しており、この光透過層を介して記録層に光を照射することにより記録や再生が行われる。このとき、光透過層の厚さに誤差があり、規定値からずれていると、当該誤差に起因して球面収差が生じる。この球面収差は、開口数NAの4乗に比例して増加する。従って、特に開口数NAを大きくした場合、この球面収差の発生を抑えることが非常に重要となる。
球面収差を抑えるためには、光透過層の厚さの公差を厳しくして、光透過層の厚み誤差を小さくすることが効果的であるが、光透過層の厚さの公差を厳しくすることは量産的に非常に困難である。
さらに、DVDやBlu−rayディスクでは、多層の記録層を持つ多層光ディスクが提案されており、このような光ディスクにおいては、層間の切替えにより大きな球面収差が発生し、この補正が必須である。
このような問題に対する対応策としての特許文献1の場合、平行光路中にビームエキスパンダレンズを挿入するので、光路のスペースが必要となる上に、光路中のレンズ枚数が増えるので、波面収差の劣化やコスト高となる欠点がある。
また、特許文献2による対応策の場合、特許文献1と比較すると、光源からの発散光路中にコリメータレンズが配置されているために、高い駆動精度が必要となり、駆動アクチュエータが大型化、高コストとなってしまう欠点がある。
本発明の目的は、光透過層の厚さの公差を厳しくすることなく量産性の良い光ディスクや、多層の記録層を持つ光ディスクに対して、開口数NAを大きくしても球面収差を抑えることが可能な光ピックアップ装置及び光ディスク装置を提供することである。
請求項1記載の発明の光ピックアップ装置は、光源と、この光源からの光束を集光するカップリングレンズと、このカップリングレンズからの光束を光透過層を有する光ディスク記録面上に集光させる対物レンズと、を備える光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズは、前記光源側からの光束が何れも非平行光束として入射される2群以上のレンズ系よりなり、前記光源に最も近い側のレンズ群は固定され、その他のレンズ群の少なくとも1群のレンズ群は駆動レンズ群として光軸方向に駆動可能に設けられ、前記駆動レンズ群を光軸方向に駆動させる駆動手段を備える。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、前記駆動手段は、対象となる前記光ディスクの前記光透過層の厚さに応じて、前記駆動レンズ群を光軸方向に駆動させる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、前記駆動手段は、前記光源の波長に応じて、前記駆動レンズ群を光軸方向に駆動させる。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズ中、前記駆動レンズ群は収束作用を持つ凸レンズであり、他のレンズ群も全体的に収束作用を示す凸レンズである。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズ中、前記駆動レンズ群は発散作用を持つ凹レンズであり、他のレンズ群は全体的に収束作用を示す凸レンズである。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズ中、前記駆動レンズ群は収束作用を持つ凸レンズであり、他のレンズ群は全体的に発散作用を示す凹レンズである。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記駆動レンズ群は、ホログラム素子よりなる。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記駆動レンズ群は、フレネルレンズよりなる。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記駆動レンズ群の焦点距離をf2、当該駆動レンズ群が移動する光軸方向の距離をS[mm]、前記対物レンズの物体距離をA[mm]、前記対物レンズと当該駆動レンズ群との間隔をd[mm]としたとき、焦点距離f2は、ほぼ(1)式
f2=√S×(A−d) ………………(1)
で表される値となる。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記光透過層の厚さが0.6mmの前記光ディスクを対象とする場合、前記駆動レンズ群の焦点距離f2の絶対値|f2|は、ほぼ(2)式
12mm≦|f2|≦30mm ………………(2)
で表される値となる。
請求項11記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記光透過層の厚さが0.1mmの前記光ディスクを対象とする場合、前記駆動レンズ群の焦点距離f2の絶対値|f2|は、(3)式
7mm≦|f2|≦14mm ………………(3)
で表される値となる。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズは、色補正レンズを含む。
請求項13記載の発明の光ディスク装置は、光ディスクを回転駆動させる駆動源と、前記光ディスクに対して光ビームを集光照射して情報の記録又は再生を行う請求項1ないし12の何れか一記載の光ピックアップ装置と、を備える。
請求項1ないし3記載の発明によれば、カップリングレンズを構成する複数のレンズ群のうちの対物レンズ側に位置する駆動レンズ群の駆動制御により、光透過層の厚さの違い、誤差、或いは、光源波長の変動等に起因する光ディスク面上のスポットの球面収差や色収差を打ち消すことができ、常に良好な回折限界のスポットで記録再生性能を向上させることができる。また、通常のカップリングレンズ(固定側)と収差補正のためのエキスパンダレンズ(駆動レンズ群)とが一体化されているので、部品点数を削減し、装置を小型化することができる上に、従来のカップリングレンズを直接駆動する方式と比較して、駆動レンズの焦点距離を大きくすることができるので、組付け精度や駆動精度を緩和して、駆動時のがたつきなどによる波面劣化を抑えることができる。
請求項4記載の発明によれば、駆動レンズ群と固定レンズ群とが共に凸レンズの場合は、カップリングレンズ全体の合成焦点距離よりも駆動レンズ群の焦点距離を大きくすることができるので、組付け精度や駆動精度を緩和して、駆動時のがたつきなどによる波面劣化を抑えることができる。
請求項5記載の発明によれば、駆動レンズ群を凹レンズ、固定レンズ群を凸レンズにすることにより、カップリングレンズ全体の合成焦点距離よりも駆動レンズの焦点距離を大きくすることができるので、組付け精度や駆動精度を緩和して、駆動時のがたつきなどによる波面劣化を抑えることができる。また、光源からの発散光束を広く取り込み、かつ、出射光束径を小さくすることができるので、光束のカップリング効率が良くて小型の光ピックアップ装置を実現することができ、さらには、単レンズの場合でも、固定レンズ群や対物レンズのような凸レンズで発生する色収差を補正することができる。
請求項6記載の発明によれば、駆動レンズ群を凸レンズ、固定レンズ群を凹レンズにすることにより、光源からの発散光束をさらに発散させて取り込むため、周辺光量の高い出射光束を得ることができ、従って、ディスク面のスポット径をより小さくでき、記録再生性能を向上させることができ、さらには、凹レンズにより、焦点距離が同じ従来のカップリングレンズよりも、光源とカップリングレンズ間隔を短縮させることができるので、小型の光ピックアップを実現することができ、かつ、単レンズの場合でも、駆動レンズ群や対物レンズのような凸レンズで発生する色収差を補正することができる。
請求項7記載の発明によれば、駆動レンズ群にレンズ作用を持つホログラム素子を用いることにより、駆動時の重量を軽減させて省電力や高速駆動を可能にすることができ、かつ、ホログラムはガラスとは極性の異なる大きな波長分散を持つので、色収差補正をしやすいメリットを活かすこともできる。
請求項8記載の発明によれば、駆動レンズ群にフレネルレンズを用いるようにしたので、駆動時の重量を軽減させて省電力や高速駆動を可能にすることができ、かつ、フレネルレンズはホログラム素子と比較すると、光透過率が通常のガラスレンズ並に良いので、光源からの光束を効率良くディスク面に伝達させることができる。
請求項9記載の発明によれば、(1)式を用いて最適な駆動レンズの焦点距離f2を設定することができる。
請求項10記載の発明によれば、(2)式を用いて光透過層の厚さ0.6mmの光ディスクを用いる時に、最適な駆動レンズの焦点距離f2を実際に設定することができる。
請求項11記載の発明によれば、(3)式を用いて光透過層の厚さ0.1mmの光ディスクを用いる時に、最適な駆動レンズの焦点距離f2を実際に設定することができる。
請求項12記載の発明によれば、カップリングレンズを光源の波長変動により発生する色収差を補正する色補正レンズとしたので、光源のモードホップなどによる急激な波長変動や、周囲温度変動などによる緩慢な波長変動でディスク面のスポット集光状態が影響を受けることなく、常に良好な記録再生が可能となる。
請求項13記載の発明によれば、請求項1ないし12の何れか一記載の光ピックアップ装置を備えるので、請求項1ないし12記載の発明と同様の効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。まず、図1は本実施の形態の光ピックアップ装置が搭載される光ディスク装置1の概略構成を示すブロック図である。
この光ディスク装置1は、光ディスク2を回転駆動するための駆動源としてのスピンドルモータ3、光ピックアップ装置4、レーザコントロール回路5、モータドライバ6、再生信号処理回路7、サーボコントローラ8、バッファRAM9、バッファマネージャ10、インターフェース11、ROM12、CPU13及びRAM14などを備えて構成されている。なお、図1中に示す矢印は代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
光ピックアップ装置4は、詳細は後述するが、光源としての半導体レーザ、この半導体レーザから出射されるレーザ光を光ディスク2の記録面に導くとともに記録面で反射された戻り光を所定の受光位置まで導く対物レンズ等を含む光学系、受光位置に配置されて戻り光を受光する受光器、及び、駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、シークモータ等)(何れも図示せず)などを含んで構成されている。受光器からは、受光量に応じた電流(電流信号)が再生信号処理回路7に出力される。
サーボコントローラ8では、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置4のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成するとともに、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置4のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。これらの制御信号はサーボコントローラ8からモータドライバ6に出力される。
モータドライバ6では、サーボコントローラ8からの制御信号に基づいて光ピックアップ装置4のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ6では、CPU13の指示に基づいて、光ディスク2の線速度が一定となるようにスピンドルモータ3を制御する。さらに、モータドライバ6では、CPU13の指示に基づいて、光ピックアップ装置4用のシークモータを駆動し、光ピックアップ装置4を光ディスク2の目標トラックに向けて半径方向に移動させる。
インターフェース11は、外部装置となるホスト(例えば、PC)と双方向の通信インターフェースである。
CPU13は、ROM12、RAM14とともに当該光ディスク装置1が備えるマイクロコンピュータ(コンピュータ)を構成している。記憶媒体としても機能するROM12には、CPU13により解読可能なコードで記述された後述するような情報記録用プログラムを含むプログラムが格納されている。CPU13は、ROM12に格納されているプログラムに従って上述の各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM14に保存する。なお、当該光ディスク装置1の電源が投入されると、ROM12に格納されているプログラムは、CPU13のメインメモリ(図示せず)にロード(インストール)される。
次に、本実施の形態の光ピックアップ装置4の構成例を図2を参照して説明する。まず、光源としてのレーザ光源21と、光ディスク2からの反射光を回折して必要な信号を得るためのホログラム素子22と、各種信号を生成するための受光素子23とを一体化したホログラムユニット24が設けられている。このホログラムユニット24から出射される発散光束は、カップリングレンズ25を介して平行光束化され、アパーチャ26により開口径が制限された後、対物レンズ27により光ディスク2の記録面上に集光照射される。光ディスク2からの反射光は再び対物レンズ27、カップリングレンズ25を経てホログラムユニット24に入射し、ホログラム素子22による回折を受けて受光素子23に受光させることによりトラックエラー信号、フォーカスエラー信号、情報信号などが生成される。ここに、対物レンズ27に対しては2軸アクチュエータ28が設けられ、トラックエラー信号やフォーカスエラー信号に従ってトラッキング/フォーカスサーボがかけられて常に光ディスク2の動きに追従して光ディスク2面上に回折限界のスポットを集光させるように対物レンズ27の姿勢を制御する。
ここに、本実施の形態では、カップリングレンズ25が、光軸上に配設させた2つのレンズ群29,30により構成されている。これらのレンズ群29,30は共にレーザ光源21側からの入射光束が非平行光束の状態で入射され、レンズ群30を出射する段階で平行光束化するものであり、かつ、レーザ光源21に最も近い側のレンズ群29は位置固定の固定レンズ群とされる一方、その他のレンズ群、即ち、対物レンズ27側に位置するレンズ群30は駆動レンズ群として図2中に矢印で示すように光軸方向に駆動可能に設けられている。この駆動レンズ群30に対しては当該駆動レンズ群30を制御信号に基づき光軸方向に所定量駆動変位させるための駆動手段としての1軸アクチュエータ31が設けられている。なお、本実施の形態では、固定レンズ群29、駆動レンズ群30はともに収束作用を持つ凸レンズ構成とされている。
駆動レンズ群30が、制御信号に基づき1軸アクチュエータ31により駆動される位置は、
(1) 光ディスク2が多層ディスクの場合における光透過層の厚さの違い
(2) 球面収差検出系(図示しない)などにより検出される光ディスク2の光透過層の厚さ誤差
(3) 温度センサ(図示しない)などによるレーザ光源21の波長の変化
などにより光ディスク2面上のスポットに発生する球面収差や色収差を打ち消すような位置となる。
ここでは、(1)の場合である2層ディスクの記録再生時について考える。図2(b)に示すように、光ディスク2が第1層(Lay0)と第2層(Lay1)とを有する多層ディスクの場合、まず、第1層(Lay0)の時の光透過層の厚さt0により発生する球面収差は設計時に予め対物レンズ27で補正されているので、カップリングレンズ25からの光束は平行光となる。しかし、第2層(Lay1)の時の光透過層の厚さt1の場合には、厚さt0との差だけ球面収差が発生する。この時、駆動レンズ群30は1軸アクチュエータ31により光軸方向に駆動されてカップリングレンズ25からの光束は非平行光となり、この球面収差を打ち消すような光束を対物レンズ27に入射させる。
図3及び図4で、この時の駆動精度を、特許文献2のようにカップリングレンズ全体を移動させる場合とを比較した。図3(a)は本実施の形態に準ずる構成例を示し、カップリングレンズ25は固定の焦点距離f1=66mmのレンズL1(固定レンズ群29に相当)と駆動される焦点距離f2=30mmのレンズL2(駆動レンズ群30に相当)で構成される。これらのレンズL1,L2の合成焦点距離はf0=20mmとなる。
一方、図3(b)はカップリングレンズCL全体を駆動する従来例(特許文献2)であり、焦点距離は図3(a)の場合と同じf0=20mmである。
なお、図3においては、レンズL1,CLは、色消しのための貼り合せレンズとしたが、単レンズでも構わない。
このような構成下に、図4(a)はレンズL2,CLを光軸と垂直方向にずらした時の、ディスク面スポットの波面収差の計算結果を示し、図4(b)はレンズL2,CLを紙面垂直軸回りに回転させた時の、ディスク面スポットの波面収差の計算結果を示している。図4(a)(b)の何れの場合も、レンズL2のみを移動させる本実施の形態方式の方が波面収差の増大が少なく、レンズCLによる従来例に対して約1/2以下である。
これは、駆動レンズの焦点距離fが異なることによる駆動精度の違いである。一般的に焦点距離fの絶対値が大きいほど駆動精度はラフになる。従って、本実施の形態のような構成によれば、組付け精度や駆動精度を緩和して、駆動時のがたつきなどによる波面劣化を抑えることができる。
さらに簡略的には、レンズL1,L2各々の焦点距離f1,f2の合成焦点距離f0は、
1/f0=1/f1+1/f2 …………(4)
で表される。従って、f1、f2>0の時には、f2>f0となるので、駆動レンズ群30(L2)の焦点距離f2を常に合成焦点距離f0よりも大きくすることができる。
レンズL2(駆動レンズ群30)の駆動は、(1)の場合は各層(第1層(Lay0)と第2層(Lay1))に対応してなされるのに対して、(2)の場合は球面収差検出系からの制御信号に従い、同一の記録層であっても光透過層の厚さ誤差に対応してなされる。さらに、(3)の場合は、温度センサによりレーザ光源21周辺の温度を測定して、予め測定されている温度と光源波長との関係から波長変動の量を推定して、対物レンズ27を含む光学系の色収差を打ち消す位置にレンズL2(駆動レンズ群30)を駆動させる。
カップリングレンズ25の別の実施の形態を図5により説明する。この実施の形態では、前述の固定レンズ群29はそのままとし、前述の駆動レンズ群30に代えて、凹レンズ構成の駆動レンズ群32を用いる構成としたものである。
この実施の形態においても、前述の(4)式に従えば、f0、f1>0、f2<0なので、駆動レンズ群32の焦点距離f2の絶対値は常に合成焦点距離f0よりも大きくなる。従って、図2に示した構成例の場合と同様に、駆動レンズ群32の焦点距離f2を大きくすることができ、組付け精度や駆動精度が緩和され、駆動時のがたつきなどによる波面劣化を抑えることができる。また、駆動レンズ群32を凹レンズ構成とすることにより、レーザ光源21からの発散光束を広く取り込み、かつ、その出射光束径を小さくすることができるので、光束のカップリング効率の良い、小型の光ピックアップ装置を実現できる。さらに、図5に示すような単レンズ構成の場合でも、固定レンズ群29や対物レンズ27のような凸レンズで発生する色収差を補正することができる。
一般的にレンズ系の色消し条件は、
Σ(1/fiυi)=0 ………………(5)
fi:各レンズの焦点距離
υi:各レンズ硝材のアッベ数
で表すことができる。従って、凹レンズ(fiがマイナス)構成の駆動レンズ群32とすることにより、凸レンズ(fiがプラス)で発生する色収差を補正することができる。
カップリングレンズ25のさらに別の実施の形態を図6により説明する。この実施の形態では、駆動レンズ群30はそのままとし、前述の凸レンズ構成の固定レンズ群29に代えて、凹レンズ構成の固定レンズ群33を用いる構成としたものである。
固定レンズ群33を凹レンズ構成にすることにより、レーザ光源21からの発散光束をさらに発散させて取り込むため、周辺光量の高い出射光束を得ることができる。従って、光ディスク2面のスポット径をより小さくさせることができ、記録再生性能を向上させることができる。また、凹レンズ構成の固定レンズ群33により、焦点距離が同じ従来のカップリングレンズの場合よりも、レーザ光源21とカップリングレンズ25との間隔を短縮させることができるので、小型の光ピックアップ装置4を実現することができる。また、図6に示すような単レンズ構成の場合でも、駆動レンズ群30や対物レンズ27のような凸レンズで発生する色収差を補正することができる。
カップリングレンズ25の他の実施の形態を図7により説明する。この実施の形態では、前述の固定レンズ群29(又は、33)はそのままとし、前述のレンズ構成の駆動レンズ群30(又は、32)に代えて、レンズ作用を持つホログラム素子を用いた駆動レンズ群34を用いる構成としたものである。
このように、駆動レンズ群34にレンズ作用を持つホログラム素子を用いることにより、駆動時の重量が軽減して省電力や高速駆動が可能となる。また、ホログラムはガラスとは極性の異なる大きな波長分散を持つので、色収差補正がしやすい特徴を持つ。なお、図示例のようなホログラム素子構造に限らず、例えば、通常の単レンズ面にホログラムのパターンを形成して色収差補正を行なう構成としてもよい。
カップリングレンズ25のさらに他の実施の形態を図8により説明する。この実施の形態では、前述の固定レンズ群29(又は、33)はそのままとし、前述のレンズ構成の駆動レンズ群30(又は、32)に代えて、フレネルレンズ構成の駆動レンズ群35を用いる構成としたものである。
このように、駆動レンズ群34にフレネルレンズ構造を利用することにより、駆動時の重量が軽減して省電力や高速駆動が可能となる。また、フレネルレンズはホログラムと比較すると、光透過率が通常のガラスレンズ並に良いので、レーザ光源21からの光束を効率良く光ディスク2面に伝達させることができる。
ところで、図9を参照して本実施の形態の場合の駆動レンズ群の駆動条件について説明する。
図9(a)は、対物レンズOL(対物レンズ27相当)が光ディスク2の厚さt0の第1層の記録面に合焦している時の光束の様子を示している。入射光束は平行光束として対物レンズOLに入射する。
図9(b)は、対物レンズOLが光ディスク2の厚さt1の第2層の記録面に合焦している時の光束の様子を示している。光透過層の厚さが、t0<t1の時には、レーザ光源21を対物レンズOLから長さAの位置にした時が最も収差の少ないスポットが形成されるものとする。
図9(c)は、図9(a)の場合と同様に対物レンズOLが光ディスク2の第1層の記録面に合焦している時に、カップリングレンズL1、L2を配置した場合を示す。レンズL1を固定レンズ群、レンズL2を駆動レンズ群、駆動レンズ群L2の焦点距離をf2とする。駆動レンズ群L2からは平行光が出射されているので、駆動レンズ群L2の入射光束の物体位置は焦点距離f2に等しい。
次に、図9(b)の場合と同様に光ディスク2の第2層の記録面に合焦させるためには、図9(d)に示すように駆動レンズ群L2を左方向に長さSだけ移動させる。この時、対物レンズOLの入射光束の物体位置は、図9(b)の場合と同じく長さAとすると、
1/f2=1/(f2−S)−1/(A−d) ……………(6)
d:レンズOL,L2の間隔
が成り立つ。(6)式において、SはAに比べて極めて小さいとすると、
f2=±√S×(A−d) ………………(7)
なる関係が得られる。従って、駆動ストロークS、光透過層の厚さを補正する対物レンズOLの物体位置A、対物レンズOLと駆動レンズ群L2との間隔dが決まれば、(7)式を用いて最適な駆動レンズ群L2の焦点距離f2を設定することができる。
ところで、通常の光ディスク装置において、補正すべきディスク厚はほぼ±50μm程度であり、光透過層の厚さが0.6mmの時にはAの値は±300〜±600mmとなる。また、駆動レンズ群用の1軸アクチュエータ31を対物レンズ27用の2軸アクチュエータ28と同様な構造と想定すると、適正な駆動ストロークSは±0.5〜±1.0mm程となる。間隔dはAに比べて極めて小さいとすると、(7)式より焦点距離f2の絶対値|f2|は、
12mm≦|f2|≦30mm ………………(8)
の範囲が望ましいことが分かる。
同様に、通常の光ディスク装置において、補正すべきディスク厚はほぼ±50μm程度であり、光透過層の厚さが0.1mmの時にはAの値は±100〜±200mmとなる。また、駆動レンズ群用の1軸アクチュエータ31を対物レンズ27用の2軸アクチュエータ28と同様な構造と想定すると、適正な駆動ストロークSは±0.5〜±1.0mm程となる。間隔dはAに比べて極めて小さいとすると、(7)式より焦点距離f2の絶対値|f2|は、
7mm≦|f2|≦14mm ………………(9)
の範囲が望ましいことが分かる。
なお、カップリングレンズ25の固定レンズ群と駆動レンズ群とが共に図2に示したように凸レンズ構成の場合でも、例えば図10に示すように、固定レンズ群側を2枚貼り合せレンズ36とすることにより、全レンズ系の色収差を補正することができる。又は、カップリングレンズ25の固定レンズ群、駆動レンズ群の何れかのレンズ面に、ホログラムを形成しても良い。図5や図6に示したように固定レンズ群、駆動レンズ群の何れかが凹レンズ構成の場合には、前述のように全て単レンズ構成であっても色補正が可能である。これにより、レーザ光源21のモードホップなどによる急激な波長変動や、周囲温度変動などによる緩慢な波長変動でディスク面のスポット集光状態が影響を受けることなく、常に良好な記録再生が可能となる。
本発明の光ディスク装置の実施の一形態を示す概略ブロック図である。 本発明の光ピックアップ装置の実施の形態の構成例を示す概略側面図である。 従来例と対比して示す本実施の形態のカップリングレンズの説明図である。 従来例と対比して示すレンズシフト、レンズチルトと波面収差との関係を示す特性図である。 カップリングレンズの別の実施の形態の構成例を示す概略側面図である。 カップリングレンズのさらに別の実施の形態の構成例を示す概略側面図である。 カップリングレンズの他の実施の形態の構成例を示す概略側面図である。 カップリングレンズのさらに他の実施の形態の構成例を示す概略側面図である。 駆動レンズ群の駆動条件について説明するための模式的な説明図である。 カップリングレンズの変形例を示す概略側面図である。
符号の説明
2 光ディスク
3 駆動源
21 光源
25 カップリングレンズ
27 対物レンズ
29 固定レンズ群
30 駆動レンズ群
31 駆動手段
32 駆動レンズ群
33 固定レンズ群
34,35 駆動レンズ群
36 固定レンズ群

Claims (13)

  1. 光源と、この光源からの光束を集光するカップリングレンズと、このカップリングレンズからの光束を光透過層を有する光ディスク記録面上に集光させる対物レンズと、を備える光ピックアップ装置において、
    前記カップリングレンズは、前記光源側からの光束が何れも非平行光束として入射される2群以上のレンズ系よりなり、前記光源に最も近い側のレンズ群は固定され、その他のレンズ群の少なくとも1群のレンズ群は駆動レンズ群として光軸方向に駆動可能に設けられ、
    前記駆動レンズ群を光軸方向に駆動させる駆動手段を備える、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記駆動手段は、対象となる前記光ディスクの前記光透過層の厚さに応じて、前記駆動レンズ群を光軸方向に駆動させることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記駆動手段は、前記光源の波長に応じて、前記駆動レンズ群を光軸方向に駆動させることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記カップリングレンズ中、前記駆動レンズ群は収束作用を持つ凸レンズであり、他のレンズ群も全体的に収束作用を示す凸レンズである、ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記カップリングレンズ中、前記駆動レンズ群は発散作用を持つ凹レンズであり、他のレンズ群は全体的に収束作用を示す凸レンズである、ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記カップリングレンズ中、前記駆動レンズ群は収束作用を持つ凸レンズであり、他のレンズ群は全体的に発散作用を示す凹レンズである、ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記駆動レンズ群は、ホログラム素子よりなることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記駆動レンズ群は、フレネルレンズよりなることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記駆動レンズ群の焦点距離をf2、当該駆動レンズ群が移動する光軸方向の距離をS[mm]、前記対物レンズの物体距離をA[mm]、前記対物レンズと当該駆動レンズ群との間隔をd[mm]としたとき、焦点距離f2は、ほぼ(1)式
    f2=√S×(A−d) ………………(1)
    で表される値となる、ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記光透過層の厚さが0.6mmの前記光ディスクを対象とする場合、前記駆動レンズ群の焦点距離f2の絶対値|f2|は、ほぼ(2)式
    12mm≦|f2|≦30mm ………………(2)
    で表される値となる、ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記光透過層の厚さが0.1mmの前記光ディスクを対象とする場合、前記駆動レンズ群の焦点距離f2の絶対値|f2|は、(3)式
    7mm≦|f2|≦14mm ………………(3)
    で表される値となる、ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記カップリングレンズは、色補正レンズを含む、ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか一記載の光ピックアップ装置。
  13. 光ディスクを回転駆動させる駆動源と、
    前記光ディスクに対して光ビームを集光照射して情報の記録又は再生を行う請求項1ないし12の何れか一記載の光ピックアップ装置と、
    を備えることを特徴とする光ディスク装置。
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