JP2004164825A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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勝也 坂本
Shinichiro Saito
真一郎 斉藤
Kohei Ota
耕平 大田
Norikazu Arai
則一 荒井
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Abstract

【課題】情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で光ピックアップ装置を小型化する。
【解決手段】 光ピックアップ装置1は、XZ平面とYZ平面とのそれぞれにおける光線の発光点をZ軸上の異なる位置に有するレーザー光源10と、このレーザー光源10から出射されたレーザー光をHD−DVD14の情報記録面140上に集光する対物レンズ13とを備えている。レーザー光源10と対物レンズ13との間には、XZ平面に平行な平面における光路長と、YZ平面に平行な平面における光路長とを変化させる第一光学ユニット11が設けられている。この第一光学ユニット11と対物レンズ13との間には、Z軸からの距離によって光路長を変化させる第二光学ユニット12が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光記録媒体に対し情報を記録し、記録された情報を再生する光ピックアップ装置に関する。
光記録媒体に対し情報を記録し、記録された情報を再生する光ピックアップ装置においては、ほぼ単一波長のレーザー光を半永久的に出射できる半導体レーザーがレーザー光源として用いられている。この半導体レーザーから出射されるレーザー光は、半導体レーザーの構造上、光軸を交線として直交する2平面で発散角が異なり、また非点収差も生じる。
レーザー光がこのような非点収差を生じる場合、情報の記録や再生が妨げられることとなる。そのため、近年このような問題を解決すべく、光ピックアップ装置には非点収差を補正するよう光路長を変化させることができる光学ユニットが設けられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
この光学ユニットは、印加される電圧によって光路長を変化させる液晶層を有する液晶光学素子と、レーザー光源から出射されるレーザー光の断面形状を略円形に整形するビーム整形レンズとによって、光ピックアップ装置の組み立て時に限らず、温度等の環境変化時においても上記非点収差を補正するものである。
特開2000−228025号公報 特開2000−348371号公報
ところで、近年、光ピックアップ装置に対しては更なる小型化・簡素化が望まれている。
しかしながら、光ピックアップ装置を小型化するためにビーム整形レンズを小型化した場合、ビーム整形レンズの光学機能面の曲率が大きくなるため、温度変化などの環境変化に伴って球面収差が大きく生じ、情報の記録や再生を妨げることとなる。
本発明の課題は、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で小型化することができる光ピックアップ装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、光軸を交線として直交する2平面のそれぞれにおける光線の発光点を前記光軸上の異なる位置に有するレーザー光源と、
このレーザー光源から出射されたレーザー光を光記録媒体の情報記録面上に集光する対物レンズとを備える光ピックアップ装置であって、
前記レーザー光源と前記対物レンズとの間には、前記2平面の一方に平行な平面における光路長と、他方に平行な平面における光路長とを変化させる第一光学ユニットが設けられ、
この第一光学ユニットと前記対物レンズとの間には、前記光軸からの距離によって光路長を変化させる第二光学ユニットが設けられていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、前記2平面の一方に平行な平面における光路長と、他方に平行な平面における光路長とを変化させる第一光学ユニットが設けられているので、これら光路長を変化させることにより非点収差を補正することができる。従って、光ピックアップ装置の組み立て時や動作時などに、非点収差を第一光学ユニットによって補正することができる。なお、ここで言う非点収差とは、光記録媒体の情報記録面上での集光スポットにおける波面収差の非点収差成分である。
また、光軸からの距離によって光路長を変化させる第二光学ユニットが設けられているので、光軸から遠ざかるにつれて光路長を大きくしたり小さくしたりすることによって球面収差を補正することができる。従って、光ピックアップ装置の組み立て時や動作時などに、球面収差を第二光学ユニットによって補正することができる。なお、ここで言う球面収差とは、光記録媒体の情報記録面上での集光スポットにおける波面収差の球面収差成分である。
よって、光ピックアップ装置を小型化した場合に温度変化などの環境変化に伴って球面収差が大きく生じても、従来と異なり、この球面収差を補正し、情報の記録や再生を確実に行うことができる。つまり、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で光ピックアップ装置を小型化することができる。
また、光ピックアップ装置の組み立て後においても非点収差と球面収差とをともに補正することができるため、これらの収差の発生を防ぐべく組み立て時に厳密な調整を行う必要がない分、光ピックアップ装置の組み立てを容易に行うことができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、
前記第一光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されるレーザー光の断面形状を略円形に整形するビーム整形レンズと、前記2平面の一方に平行な平面における光路長と他方に平行な平面における光路長とを変化させることができる第一光学素子とを備えることを特徴とする。
ここで、レーザー光の断面形状とは、レーザー光源の光軸に垂直な、レーザー光の断面形状である。
また、ビーム整形レンズには、前記2平面のそれぞれにおける光路長を変化させることによってレーザー光の断面形状を略円形に整形する機能とともに、非点収差を補正する機能を持たせることが好ましい。
請求項2記載の発明によれば、前記2平面の一方に平行な平面における光路長と他方に平行な平面における光路長とを変化させることができる第一光学素子を備えているので、ビーム整形レンズに非点収差を補正する機能を持たせた場合においても、光ピックアップ装置の組み立て時にビーム整形レンズの位置ずれが生じたり、温度などの使用環境が変化してビーム整形レンズの屈折率が変化したりすることで生じる非点収差を第一光学素子によって補正することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光ピックアップ装置において、
前記第一光学素子は、表面を前記光軸と交差させて配設されるとともに電圧によって屈折率を変化可能である第一液晶層と、この第一液晶層の表面上に非点収差を変化できるように配設されるとともに、互いに独立して前記第一液晶層に電圧を印加可能である透明な複数の第一電極とを備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、電圧によって屈折率を変化可能な第一液晶層が表面を前記光軸と交差させて配設されており、第一液晶層に独立して電圧を印加可能な透明な複数の第一電極が第一液晶層の表面上に非点収差を変化できるように配設されているので、各第一電極による第一液晶層への印加電圧を制御することにより、第一液晶層の部位によって屈折率を異ならせ、非点収差の劣化を低減する光路長を付与することができる。従って、各第一電極による第一液晶層への印加電圧を制御することにより非点収差を補正することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の光ピックアップ装置において、
前記複数の第一電極は、前記2平面に対して面対称となっていることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、複数の第一電極は前記2平面に対して面対称となっているので、各平面を挟んだ一方の側の第1電極と他方の側の第1電極とによって、これら第一電極によって電圧が印加される部位の第一液晶層の屈折率を等しくすることにより、レーザー光の断面形状をより円形に近づけることができるとともに非点収差をより確実に補正することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、
前記第一光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されるレーザー光の断面形状を略円形に整形するビーム整形レンズと、このビーム整形レンズを前記レーザー光源の光軸に沿って移動させる第一アクチュエータとを備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、第一光学ユニットはビーム整形レンズと、このビーム整形レンズを前記レーザー光源の光軸に沿って移動させる第一アクチュエータとを備えているので、非点収差をビーム整形レンズによって補正することができるとともに、光ピックアップ装置の組み立て時にビーム整形レンズの位置ずれが生じたり、温度などの使用環境が変化してビーム整形レンズの屈折率が変化したりすることで生じる非点収差を、第一アクチュエータによってビーム整形レンズを移動させることにより補正することができる。また、第一アクチュエータを動かすことによって上記の非点収差を補正することができるため、光ピックアップ装置の組み立て時におけるビーム整形レンズの位置調整を容易に行うことができる。
請求項6記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記ビーム整形レンズは、アナモフィックな光学機能面を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、ビーム整形レンズとしてシリンドリカル面やトーリック面、トロイダル面等のアナモフィック非球面を有するビーム整形レンズによって非点収差を確実かつ容易に補正することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記第二光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されたレーザー光の発散角を変化させるカップリングレンズと、前記光軸からの距離によって光路長を変化させることにより球面収差を変化させることができる第二光学素子とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、第二光学ユニットはカップリングレンズに加え、光軸からの距離によって光路長を変化させることにより球面収差を変化させることができる第二光学素子を備えているので、光ピックアップ装置の組み立て時にカップリングレンズの位置ずれが生じたり、温度などの使用環境が変化してカップリングレンズや対物レンズの屈折率が変化したりすることで生じる球面収差を、第二光学素子によって補正することができる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の光ピックアップ装置において、
前記第二光学素子は、表面を前記光軸と交差させて配設されるとともに電圧によって屈折率を変化可能である第二液晶層と、この第二液晶層の表面上に前記光軸を中心とする同心円状に配設されるとともに、互いに独立して前記第二液晶層に電圧を印加可能である透明な複数の第二電極とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、電圧によって屈折率を変化可能な第二液晶層が表面を前記光軸と交差させて配設されており、第二液晶層に独立して電圧を印加可能な透明な複数の第二電極が第二液晶層の表面上に、前記光軸を中心とする同心円状に配設されているので、各第二電極による第二液晶層への印加電圧を制御することにより、レーザー光源の光軸を中心とする複数の同心円状に屈折率を異ならせ、球面収差の劣化を低減する光路長を付与することができる。従って、各第二電極による第二液晶層への印加電圧を制御することにより、機械的な可動機構などを別途付加する必要なく、簡単な構成で球面収差を補正することができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記第二光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されたレーザー光の発散角を変化させるカップリングレンズと、このカップリングレンズを前記レーザー光源の光軸に沿って移動させる第二アクチュエータとを備えることを特徴とする。
請求項9記載の発明によれば、第二光学ユニットはカップリングレンズに加え、カップリングレンズをレーザー光源の光軸に沿って移動させる第二アクチュエータを備えているので、光ピックアップ装置の組み立て時にカップリングレンズの位置ずれが生じたり、温度などの使用環境が変化してカップリングレンズや対物レンズの屈折率が変化したりすることで生じる球面収差を、第二アクチュエータによってカップリングレンズを移動させることにより補正することができる。また、第二アクチュエータを動かすことによって上記球面収差を補正することができるため、光ピックアップ装置の組み立て時におけるカップリングレンズの位置調整を容易に行うことができる。
請求項10の発明は、レーザー光源から出射された光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置において、レーザー光源から入射した光束に対して、光軸に垂直な第1方向と、光軸と第1方向の両方に垂直な第2方向とで異なった光学的作用を与えることにより、出射する際のビーム断面形状を、光軸を中心とした円形状に近づくように整形し、かつ発散光束として出射するビーム整形レンズと、ビーム整形レンズから入射した発散光束の発散度合いを小さくして出射するカップリングレンズとを有し、設計波長と使用波長との差によって、対物レンズにて発生する球面収差と、カップリングレンズを光軸方向に移動した場合に、カップリングレンズからの出射光束の発散度合いが変化することによって対物レンズにて発生する球面収差とが相殺するように、カップリングレンズの光軸上の位置決めを行なうことを特徴としている。
光ピックアップ装置において、光源から出射された光束が、収差を惹起してしまうような性質でないことが好ましいのは当然である。レーザー光源が出射する光束の波長は、製造固体ごとに微小な差があり、設計に用いた数値通りの波長が出射されるとは限らない。つまり光ピックアップ装置の各光学素子は、設計値と異なった波長の光束が透過するため、設計通りの光学性能を発揮できなくなり、結果的に収差を生じてしまう。そのため、このような、設計波長と実際の使用波長との差を解消するための工夫が必要である。
さて従来は光源から出射された光束を、コリメーターを用いて平行光としてから、ビーム整形プリズムを用いて、楕円状断面の光束を略円形断面の光束に整形していたが、このような配置の場合、使用温度の変化により、コリメーターの性能が変化して、平行光が出射されなくなると、非点収差が発生してしまうという問題があった。なおビーム整形プリズムは複数の三角プリズムを組み合わせて用いることが多い。
一方で、光ピックアップ装置は小型化された簡素な構成であることも望まれる。そこで、注目されているのがビーム整形レンズである。これは主に単玉の素子から構成され、ビーム整形プリズムと同様の機能を有する素子で、光源に対向して配置される。
そこで、請求項10の発明では、まず非点収差の発生を防止するために、光源に対向してビーム整形レンズを配置して、次いでカップリングレンズ(コリメーター)を配置する構成をとっている。
ついで設計波長と使用波長との差を解消するために、他の素子によって意図的に収差を発生させるようにさせ、互いにキャンセルして相殺するようにせしめている。具体的には、カップリングレンズ(コリメーター)の光軸上の位置を設計位置あるいは基準位置から移動させると、カップリングレンズから出射される光束の発散度合いが変化することによって、球面収差が発生する。この球面収差が、設計波長と使用波長との差によって生じる球面収差と打ち消しあうように、カップリングレンズの位置決めを行なっている。
このような構成により、非点収差の発生はもとより、球面収差の発生も防止することが出来、安定性が良く、かつコンパクトな構成の光ピックアップ装置を得ることができる。
また、請求項38の発明のように、カップリングレンズを二つ以上の単玉の光学素子を組合わせた構成とし、カップリングレンズの機能を各光学素子に分担させることにより、カップリングレンズを単玉の光学素子で構成する場合と比較して、駆動手段により進退させられる光学素子の移動量を抑えることができる。
請求項11の発明では、光ピックアップ装置の組み立て時に、カップリングレンズの位置決めを行なうことを特徴としている。この構成によれば、製造組み立て段階で、カップリングレンズの位置決めを行なうので、ピックアップ自体に調整機構を設ける必要がない。
請求項12の発明では、光ピックアップ装置は、設計波長と使用波長との差によって、対物レンズにて発生する球面収差を検出する検出手段と、カップリングレンズを光軸方向に進退させる駆動手段を有し、光ピックアップ装置の使用時に、カップリングレンズからの出射光束の発散度合いを変化させることによって対物レンズにて球面収差が発生するようにせしめ、当該発生した球面収差が、検出手段が検出した球面収差と相殺するように、駆動手段を駆動してカップリングレンズの位置決めを行なうことを特徴としている。
この構成によれば、動作毎など、必要に応じて光ピックアップ自身が球面収差解消のための調整を行なうので、レーザー光源の個体差だけでなく、掲示的な変化にも対応することができるという利点がある。
請求項13の発明では、光ピックアップ装置の光学系を通過した光束が、対物レンズにて生じる球面収差と、カップリングレンズを光軸方向に移動した場合に、カップリングレンズからの出射光束の発散度合いが変化することによって対物レンズにて発生する球面収差とが相殺するように、カップリングレンズの光軸上の位置決めを行なうことを特徴としている。
この構成では、光源の設計波長と使用波長の差に基づいて生じる球面収差にとどまらず、光学系に用いられるその他の素子によって生じる球面収差をも、カップリングレンズによって補正することが可能である。
「光学系に用いられるその他の素子によって生じる球面収差」は、たとえば、各光学素子が設計値通りに製造されていないために生じる球面収差などをさす。
請求項14の発明では、レーザー光源から出射された光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置において、レーザー光源から入射した光束に対して、光軸に垂直な第1方向と、光軸と前記第1方向の両方に垂直な第2方向とで異なった光学的作用を与えることにより、出射する際のビーム断面形状を、光軸を中心とした円形状に近づくように整形し、かつ発散光束として出射する機能を有するビーム整形レンズと、ビーム整形レンズから入射した発散光束の発散度合いを小さくして出射するカップリング機能を有するカップリング光学素子とを有し、光ピックアップ装置の使用温度が変化した際にビーム整形レンズ及びカップリングレンズを通過した光束の有する非点収差が変化しないように構成されていることを特徴としている。
請求項10の発明で説明したとおり、光ピックアップ装置において、光源から出射された光束が、収差を惹起してしまうような性質でないことが好ましいのは当然である。
一般に、半導体レーザー光源では、使用温度の上昇に伴い、発振波長が長くなってしまう。それがために、設計波長に基づいて光学素子を設計しても、使用波長が変化してしまうことにより、収差が発生することになる。
そこで本発明では、ビーム整形レンズと、カップリングレンズとを通過した光束が、非点収差を生じないように構成している。
そこで上述したとおり、光源に対向してビーム整形レンズを配置し、次いでカップリングレンズ(コリメーター)を配置していることにより、温度変化に対する対策をしている。
請求項15の発明では、請求項14の発明において、光ピックアップ装置の使用温度が変化した際に、ビーム整形レンズを通過した光束の有する非点収差が変化しないように構成されていることを特徴としている。
また請求項16の発明では、請求項14ないし15の発明において、ビーム整形レンズがガラス製であることを特徴としている。
これにより、少なくともビーム整形レンズによって非点収差が変化しないので、その他の光学素子に対する設計上あるいは製造上の負荷が低下する。
請求項17の発明では、請求項14ないし15の発明において、ビーム整形レンズがプラスティック製であることを特徴としている。
また請求項18の発明では、請求項17の発明において、ビーム整形レンズが回折面を有することを特徴としている。
これにより、波長選択性のある回折面を設けておけば、波長変動によって収差が発生することを解消できる。
請求項19の発明では、請求項17の発明において、ビーム整形レンズが屈折面から構成されることを特徴としている。
これによれば、屈折面のみで収差発生を回避できるので、比較的簡単に光学素子を得ることが出来るという利点がある。
請求項20の発明では、請求項14ないし19記載の発明において、カップリングレンズはプラスティック樹脂から構成されることを特徴としている。プラスティック樹脂によって構成される光学素子は、安価に、かつ大量に製造できる。
請求項21の発明では、請求項14ないし19記載の発明において、カップリングレンズはガラスから構成されることを特徴としている。ガラスレンズは温度変化に対して性能の変化が小さいという利点がある。
請求項22の発明では、請求項14ないし21記載の発明において、ビーム整形レンズと前記カップリングレンズとが別体であることを特徴としている。このような構成であれば、必要に応じて両者の設計や仕様を変更することが可能であり、構成上好ましい。
請求項23の発明では、請求項14ないし21記載の発明において、ビーム整形レンズとカップリングレンズとが一体化された単玉の光学素子であることを特徴としている。このような構成である場合、非常に小型なピックアップ装置を得ることが出来る。
請求項24の発明は、レーザー光源から出射された光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置において、レーザー光源から入射した光束に対して、光軸に垂直な第1方向と、光軸と前記第1方向の両方に垂直な第2方向とで異なった光学的作用を与えることにより、出射する際のビーム断面形状を、光軸を中心とした円形状に近づくように整形し、かつ発散光束として出射する機能を有するビーム整形レンズと、ビーム整形レンズから入射した発散光束の発散度合いを小さくして出射するカップリング機能を有し、光軸方向の位置が固定されたカップリングレンズと、カップリングレンズから入射した光束が入射するとともに、レーザー光源の設計波長と使用波長との差によって、対物レンズにて発生する球面収差を補正する機能を有する第1補正素子とを備えたことを特徴としている。
上述の、請求項10の発明では、カップリングレンズ(コリメーター)の光軸方向の位置を調整することにより、意図的に球面収差を発生させて、使用波長と設計波長との差に基づく球面収差を補正するように構成していたが、光ピックアップ装置が小型化している現状下、組み立て調整などにおいて好ましい位置の決定と固定を行なうことは難しくなりつつある。また、駆動手段を備えることも同様に大型化や部品点数の増大を招き、好ましくない。
そこでこの発明では、カップリングレンズの光軸方向位置を固定しておき、光ピックアップ装置に他の機能を持たせるか、あるいは第1補正素子を配置することによって補正を
行なっている。
たとえば、請求項25の発明のように、回折構造や位相シフト構造等の光路差付与構造を備えた光学素子を光路中に配することにより、波長選択性を与え、波長が設計波長と異なっていた場合、請求項26の発明のように、対物レンズへ入射する光束の発散度合いを変化させることによって、球面収差の補正を行なうことが可能である。
とくにこの場合、請求項27の発明のように、カップリングレンズと、第1補正素子とは一体化された単玉の光学素子であることが取扱い上、非常に好ましい。
そして、請求項28の発明のように、対物レンズと、第1補正素子とを一体化された単玉の光学素子としても、取扱い上、非常に好ましい。
また、請求項29の発明のように、光路差付与構造だけでなく、動的に光学的作用を変化させることができる液晶素子を用いて、第1補正素子を構成することもできる。この場合、請求項30の発明のように、液晶素子によって光束の波面収差を変化させることが可能であり、これによって収差を補正することができる。
そしてさらに、請求項31の発明のように、前記第1補正素子は、ビームエキスパンダーであって、当該第1補正素子を光軸方向に進退させて出射される光束の発散度合いを変化させることによって球面収差を補正する構成であってもよい。
また、対物レンズは、使用波長が設計波長から5nm変化した場合の波面収差の変化量が0.02λrms以上であることが好ましい。これは、波長特性の比較的悪い対物レンズであるが、光ピックアップ装置の構成上、このような対物レンズを用いざるをえない場合もある。そこで、このような波長特性の悪さをカバーするために、請求項10の発明、請求項14の発明や請求項24の発明を好ましく適用することができる。
また、レーザー光源の出射する光束の波長は、380〜420nmであることが好ましい。使用波長が短くなるにつれ、波長変動に対する収差の変化が大きくなり、結果的に集光スポットの形成に影響がでるので、短い波長の光源を用いる光学系に、本願発明の構成を好ましく採用することができる。
本願発明で云うカップリングレンズは、発散光である入射光を、発散度合いを小さくした発散光として出射する、ダイバージェントレンズや狭義のカップリングレンズでもよいが、発散光である入射光を平行光として出射するコリメーターレンズであってもよい。
さらに、ビーム整形レンズ及び/またはカップリングレンズは、通過する光束に対して、所定量の非点収差を付与するように構成されていることが好ましい。
現実的な問題、各光学素子は様々な特性を有してしまい、設計通りの形状・性能になることはむずかしい。そこで、意図的に非点収差を持たせることにより、光学系全体として、所定の性能に収めることが可能になる。
また、本発明は、複数の、特に3種類の光ディスクを再生および/または記録が可能な光ピックアップ装置に好ましく適用することができる。
この際、最も波長が短い光源が通過する光路に配置することが好ましい。
本発明によれば、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で小型化することができる光ピックアップ装置を得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る光ピックアップ装置は、光記録媒体の情報記録面上での集光スポットにおける波面収差の非点収差成分(以下、非点収差とする)と球面収差成分(以下、球面収差とする)とをともに補正することができるものである。なお、本実施の形態における光ピックアップ装置は、光記録媒体として高密度DVD(以下、HD−DVDとする)に対して情報を記録し、記録された情報を再生するものである。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明に係る光ピックアップ装置1の全体構成を示す概略図である。この図に示すように、光ピックアップ装置1は、レーザー光源10と、ビーム整形レンズ110を有する第一光学ユニット11と、カップリングレンズ121を有する第二光学ユニット12と、第二光学ユニット12を通過したレーザー光をHD−DVD14の情報記録面140に集光する対物レンズ13と、HD−DVD14からの反射光を受光する受光素子19(検出手段)等とを備えている。なお、これら第一光学ユニット11、第二光学ユニット12及び対物レンズ13は、それぞれの光軸をレーザー光源10の光軸に一致させた状態で配置されている。
表1に光ピックアップ装置1の光学系のデータを示す。なお、表1においては、例えば「−2.2242×E−1」は「−2.2242×10-1」を意味するものとする。
Figure 2004164825
レーザー光源10は半導体レーザーであり、p型及びn型のクラッド層(図示せず)によって挟まれた活性層(図示せず)から波長405nm程度の青紫色のレーザー光を出射するものである。以下便宜的に、レーザー光源10の光軸をZ軸とし、活性層に垂直な方向をX軸方向、Z軸方向とX軸方向とに垂直な方向をY軸方向とする。なお一般に、レーザー光源10から出射される波長405nm程度の短波長のレーザー光のパワーは、CDやDVD用の光ピックアップ装置のレーザー光源から出射される長波長のレーザー光よりも低くなっている。
このレーザー光源10から出射されるレーザー光のXY平面における断面形状は、X軸方向に長軸を有する略楕円形状となっている。またレーザー光源10からZ軸方向に出射されるレーザー光は、XZ平面における光線とYZ平面における光線とで非点収差を生じうる状態となっている。
第一光学ユニット11は、レーザー光の断面形状を整形するビーム整形レンズ110と、液晶光学素子(第一光学素子)111とを備えている。なお、本実施の形態においては、ビーム整形レンズ110は液晶光学素子111よりもレーザー光源10の側に設けられているが、対物レンズ13の側に設けられることとしても良い。
ビーム整形レンズ110は、プラスチック製であり、アナモフィックな光学機能面を有している。なお、本実施の形態においては、ビーム整形レンズ110として、入射面の形状がY方向の球面トロイダル面である球面トロイダルレンズが用いられている。
このビーム整形レンズ110の入射面は、それぞれ上記のX軸、Y軸及びZ軸と平行なx軸、y軸及びz軸からなるx-y-z座標系において以下のように規定される面である。即
ち、この入射面は、下記(1)式に表1中の各係数を代入して規定されるyz平面上の曲線を、y軸に平行で点(x,z)=(0,R1x)を通過する直線に対して回転することによって形成される面である。
Figure 2004164825
また、ビーム整形レンズ110の出射面は、x-y-z座標系において下記(2)式に表1中の各係数を代入して表されるアナモフィック非球面からなる。
Figure 2004164825
ここで、Rは近軸曲率半径、κは円錐係数、A,Bは非球面係数である。
液晶光学素子111は、透明電極(第一電極)1110が表面に形成された1対の透明ガラス基板1111,1111と、これら透明ガラス基板1111,1111の間に封入された液晶層(第一液晶層)1112等とを備え、Z軸と垂直に配設されている。
透明ガラス基板1111,1111は、表面の透明電極1110,…を互いに対向させて配置されている。
透明電極1110,…の形状は、非点収差を変化できるように決定されており、図2に示すように、XZ平面及びYZ平面に対して面対称に配設されている。これら透明電極1110,…は、独立して互いに異なる電圧を液晶層1112に印加することができるようになっている。
なお、透明ガラス基板1111と液晶層1112との間には、液晶分子に所定の分子配向を与えるための配向膜(図示せず)が介在している。またなお、透明電極1110,…には第一液晶駆動部(図示せず)が接続され、この第一液晶駆動部によって印加電圧が制御されている。
液晶層1112は、XY平面と垂直な隔壁によって透明電極1110,…と同形状に分割されている。この液晶層1112は、一定の方向に配向した複数の液晶分子からなるため、複屈折性を有している。なお、複屈折性とは、光学軸方向と、これに垂直な方向とで屈折率が異なる性質である。以下、便宜的に、液晶層1112の光学軸方向の屈折率をn1、これに垂直な方向の屈折率をn2とする。
この液晶層1112に対し透明電極1110によって印加される電圧が変化した場合、液晶分子の向きが光学軸方向と、これに垂直な方向との間で連続的に変化することとなる。従って、透明電極1110により印加される電圧によって液晶分子の向きを変化させ、その結果、液晶層1112の屈折率をn1からn2まで連続的に変化させることができる。このような液晶層1112としては、スメクティック液晶やネマティック液晶、コレステリック液晶などがある。
以上のような第一光学ユニット11によれば、ビーム整形レンズ110によってXZ平面に平行な平面における光路長と、YZ平面に平行な平面おける光路長とを変化させることによりレーザー光の断面形状を略円形に整形するとともに非点収差を補正することができる。また、各透明電極1110による液晶層1112への印加電圧を制御することにより、XZ平面に平行な平面における屈折率とYZ平面に平行な平面における屈折率とを異ならせ、非点収差の劣化を低減する光路長を付与する、つまり非点収差を補正することができる。
従って、ビーム整形レンズ110と液晶光学素子111とによって非点収差を確実に補正することができる。
第二光学ユニット12は、第一光学ユニット11と対物レンズ13との間に設けられている。第二光学ユニット12は、液晶光学素子(第二光学素子)120と、レーザー光源10から出射されたレーザー光の発散角を変化させるカップリングレンズ121とを備えている。
液晶光学素子120は、透明電極(第二電極)1200が表面に形成された1対の透明ガラス基板1201,1201と、これら透明ガラス基板1201,1201の間に封入された液晶層(第二液晶層)1202等とを備えており、Z軸と垂直に配設されている。なお、本実施の形態における液晶光学素子120は、カップリングレンズ121よりもレーザー光源10の側に設けられているが、対物レンズ13の側に設けられることとしても良い。
透明ガラス基板1201,1201は、表面の透明電極1200,…を互いに対向させて配置されている。
透明電極1200,…はリング状に形成されており、図3に示すように、Z軸を中心とする同心円状に配設されている。これら透明電極1200,…は、独立して互いに異なる電圧を液晶層1202に印加することができるようになっている。
なお、透明ガラス基板1201と液晶層1202との間には、液晶分子に所定の分子配向を与えるための配向膜(図示せず)が介在している。またなお、透明電極1200,…には第二液晶駆動部(図示せず)が接続され、この第二液晶駆動部によって印加電圧が制御されている。
液晶層1202は、XY平面と垂直な隔壁によって透明電極1200,…と同形状に分割されている。この液晶層1202は、一定の方向に配向した複数の液晶分子からなるため、複屈折性を有している。この液晶層1202に対し透明電極1200によって印加される電圧が変化した場合、液晶分子の向きが光学軸方向と、これに垂直な方向との間で連続的に変化することとなる。従って、透明電極1200により印加される電圧によって液晶分子の向きを変化させ、液晶層1202の屈折率を連続的に変化させることができる。
カップリングレンズ121の入射面は、下記(3)式に表1中の各係数を代入して表される非球面からなる。
Figure 2004164825
また、カップリングレンズ121の出射面は、(3)式に表1中の各係数を代入して表される非球面からなる。
以上のような第二光学ユニット12によれば、カップリングレンズ121によって球面収差を補正することができる。また、各透明電極1200よる液晶層1202への印加電圧を制御することにより、Z軸からの距離によって屈折率を異ならせ、球面収差の劣化を低減する光路長を付与する、つまり球面収差を補正することができる。
従って、カップリングレンズ121と液晶光学素子120とによって球面収差を確実に補正することができる。
これら第一光学ユニット11と第二光学ユニット12との間には、ビームスプリッタ15が設けられている。ビームスプリッタ15は、HD−DVD14の情報記録面140から受光素子19までのレーザー光の反射光の光路(以下、復路とする)をレーザー光源10からHD−DVD14の情報記録面140までのレーザー光の光路(以下、往路とする)と分岐させ、反射光を受光素子19に導くものである。
対物レンズ13は、プラスチック製のレンズである。
対物レンズ13の入射面は、(3)式に表1中の各係数を代入して表される非球面からなる。また、対物レンズ13の出射面は、(3)式に表1中の各係数を代入して表される非球面からなる。なお、hはZ軸からの高さである。
上記のように規定された対物レンズ13は、HD−DVD14の情報記録面140に対向して配置されており、アクチュエータ131,131によってフォーカシングサーボ及びトラッキングサーボされるようになっている。
この対物レンズ13とカップリングレンズ121との間には1/4波長板16が設けられている。この1/4波長板16は、往路におけるレーザー光の偏光方向と、復路におけるレーザー光の偏光方向とを90度変化させる結果、ビームスプリッタ15にレーザー光の往路と復路とを分岐させている。なお、本実施の形態においては1/4波長板16はカップリングレンズ121と対物レンズ13との間に設けられているが、ビームスプリッタ15と対物レンズ13との間に設けられていれば良く、例えば第二光学ユニットの液晶光学素子120とカップリングレンズとの間に設けられていても良い。
受光素子19は、HD−DVD14からの反射光に含まれる信号を検出するものである。この受光素子19とビームスプリッタ15との間には、信号の検出を容易にすべく反射光に非点収差を生じさせるシリンドリカルレンズ17と、この反射光の焦点深度を深くするためのセンサーレンズ18とが設けられている。
次に、以上のような光ピックアップ装置1がHD−DVD14の情報記録面140にレーザー光を集光する動作について説明する。
まず、レーザー光源10からレーザー光を出射し、第一光学ユニット11に入射させる。このとき、液晶光学素子111の液晶層1112に対し、第一液晶駆動部によって制御した状態で各透明電極1110により電圧を印加する。これにより、レーザー光の断面形状が略円形に整形されるとともに非点収差が補正される。
次に、第一光学ユニット11を通過したレーザー光を、ビームスプリッタ15を介して第二光学ユニット12に入射させる。このとき、液晶光学素子120の液晶層1202に対し、第二液晶駆動部によって制御した状態で各透明電極1200により電圧を印加する。これにより、球面収差が補正される。
そして、第二光学ユニット12を通過したレーザー光を、1/4波長板16を介して対物レンズ13に入射させ、この対物レンズ13によってHD−DVD14の情報記録面140上に集光する。
なお、本第一の実施の形態における光ピックアップ装置1は、情報記録面140からの反射光に含まれる信号を第一光学ユニット11及び第二光学ユニット12にフィードバックしている。即ち、まず、情報記録面140からの反射光の信号を受光素子19によって検出する。そして、受光素子19によって検出された信号に基づき、第一光学ユニット11及び第二光学ユニット12の透明電極1110,1200による印加電圧を第一液晶駆動部及び第二液晶駆動部によって制御する。
これにより非点収差と球面収差とをより確実に補正することができる。
以上のような光ピックアップ装置1によれば、光ピックアップ装置1の組み立て時や動作時などに非点収差を第一光学ユニット11によって補正することができ、かつ球面収差を第二光学ユニット12によって補正することができる。
よって、光ピックアップ装置を小型化した場合に温度変化などの環境変化に伴って球面収差が大きく生じても、従来と異なり、この球面収差を補正し、情報の記録や再生を確実に行うことができる。つまり、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で光ピックアップ装置1を小型化することができる。
また、光ピックアップ装置1の組み立て後においても非点収差と球面収差とをともに補正することができるため、これらの収差の発生を防ぐべく組み立て時に厳密な調整を行う必要がない分、光ピックアップ装置1の組み立てを容易に行うことができる。
また、第一光学ユニット11はビーム整形レンズ110を備えているので、ビーム整形レンズ110によってレーザー光の断面形状を略円形に整形するとともに非点収差を補正することができる。また、絞りによってレーザー光の断面を略円形に整形する場合と異なり、レーザー光の光量の損失が少ないため、低出力のレーザー光を出射するレーザー光源10を用いた場合であっても、情報の記録や再生を確実に行うことができる。
また、第一光学ユニット11はビーム整形レンズ110に加え、XZ平面に平行な平面における光路長と、YZ平面に平行な平面おける光路長とを変化させることができる液晶光学素子111を備えているので、非点収差を液晶光学素子111によっても補正することができる。なお、非点収差が液晶光学素子111によって補正される場合としては、例えば光ピックアップ装置1の組み立て時にビーム整形レンズ110の位置ずれが生じた場合や、温度などの使用環境が変化してビーム整形レンズ110の屈折率やレーザー光の波長が変化した場合、ビーム整形レンズ110におけるレーザー光の通過部位の構造がレーザー光によって変化する結果、この部位の屈折率が低くなる場合などがある。
また、複数の透明電極1110,…が液晶層1112の表面上に非点収差を変化できるように配設されているので、各透明電極1110による液晶層1112への印加電圧を第一液晶駆動部によって制御することにより、液晶層1112の部位によって屈折率を異ならせ、非点収差の劣化を低減する光路長を付与することができる。従って、各透明電極1110による液晶層1112への印加電圧を制御することにより非点収差を補正することができる。
また、複数の透明電極1110,…はXZ平面及びYZ平面に対して面対称となっているので、各平面を挟んだ一方の側の透明電極1110と他方の側の透明電極1110とによって、これら透明電極1110によって電圧が印加される部位の液晶層1112の屈折率を等しくすることにより、レーザー光の断面形状をより円形に近づけることができるとともに非点収差をより確実に補正することができる。
また、第二光学ユニット12はカップリングレンズ121に加え、Z軸からの距離により光路長を変化させることにより球面収差を変化させることができる液晶光学素子120を備えているので、球面収差を液晶光学素子120によっても補正することができる。なお、球面収差が液晶光学素子120によって補正される場合としては、例えば、光ピックアップ装置1の組み立て時にカップリングレンズ121の位置ずれが生じた場合や、温度などの使用環境が変化してカップリングレンズ121や対物レンズ13の屈折率やレーザー光の波長が変化した場合などがある。
更に、液晶層1202に独立して電圧を印加可能な複数の透明電極1200,…が液晶層1202の表面上に、Z軸を中心とする同心円状に配設されているので、各透明電極1200による液晶層1202への印加電圧を第二液晶駆動部によって制御することによって、Z軸を中心とする複数の同心円状に光路長を異ならせ、球面収差の劣化を低減する光路長を付与する、つまり球面収差を補正することができる。従って、機械的な可動機構などを別途付加する必要なく、簡単な構成で球面収差を補正することができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態を、図4を参照して説明する。
図4は、本発明に係る光ピックアップ装置2の全体構成を示す概略図である。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
光ピックアップ装置2は、図4に示すように、第一光学ユニット11の代わりに第一光学ユニット21を備えるとともに、第二光学ユニット12の代わりに第二光学ユニット22を備える点で上記第一の実施の形態における光ピックアップ装置1と異なる。以下、主にこの点について詳しく説明する。
第一光学ユニット21は、レーザー光源10と第二光学ユニット22との間に設けられている。この第一光学ユニット21は、レーザー光の断面形状を略円形に整形するビーム整形レンズ110と、このビーム整形レンズ110を支持し、Z軸に沿って移動させるアクチュエータ(第一アクチュエータ)210,210とを備えている。
このような第一光学ユニット21によれば、アクチュエータ210,210によってビーム整形レンズ110をZ軸に沿って移動させてその位置を制御しつつ、このビーム整形レンズ110にレーザー光を入射させることにより、XZ平面に平行な平面における光路長と、YZ平面に平行な平面おける光路長とを変化させ、非点収差を補正することができる。
第二光学ユニット22は、第一光学ユニット21と対物レンズ13との間に設けられている。この第二光学ユニット22は、レーザー光源10から出射されたレーザー光の発散角を変化させるカップリングレンズ121と、このカップリングレンズ121を支持し、Z軸に沿って移動させるアクチュエータ(第二アクチュエータ)220(駆動手段),220とを備えている。
このような第二光学ユニット22によれば、アクチュエータ220,220によってカップリングレンズ121をZ軸に沿って移動させてその位置を制御しつつ、このカップリングレンズ121にレーザー光を入射させることにより球面収差を補正することができる。
次に、以上のような光ピックアップ装置2がHD−DVD14の情報記録面140にレーザー光を集光する動作について説明する。
まず、レーザー光源10からレーザー光を出射し、第一光学ユニット21に入射させる。このとき、アクチュエータ210,210によってビーム整形レンズ110をZ軸に沿って移動させてその位置を制御する。これにより、レーザー光の断面形状が略円形に整形されるとともに、非点収差が補正される。
次に、第一光学ユニット21を通過したレーザー光を、ビームスプリッタ15を介して第二光学ユニット22に入射させる。このとき、アクチュエータ220,220によってカップリングレンズ121をZ軸に沿って移動させてその位置を制御する。これにより球面収差が補正される。
そして、第二光学ユニット22を通過したレーザー光を、1/4波長板16を介して対物レンズ13に入射させ、この対物レンズ13によってHD−DVD14の情報記録面140上に集光する。
なお、本第二の実施の形態における光ピックアップ装置2は、情報記録面140からの反射光に含まれる信号をアクチュエータ210,220にフィードバックしている。即ち、まず、情報記録面140からの反射光の信号を受光素子19によって検出する。そして、受光素子19によって検出された信号に基づき、アクチュエータ210,220とともにビーム整形レンズ110やカップリングレンズ121を移動し、これらビーム整形レンズ110及びカップリングレンズ121の位置を制御する。
これにより非点収差と球面収差とをより確実に補正することができる。
以上のような光ピックアップ装置2によれば、第一光学ユニット21はビーム整形レンズ110と、このビーム整形レンズ110をZ軸に沿って移動させるアクチュエータ210,210とを備えているので、アクチュエータ210,210によってビーム整形レンズ110を移動させることにより非点収差を補正することができる。
また第二光学ユニット22はカップリングレンズ121に加え、カップリングレンズ121をZ軸に沿って移動させるアクチュエータ220,220を備えているので、アクチュエータ220,220によってカップリングレンズ121を移動させることにより球面収差を補正することができる。
よって、光ピックアップ装置を小型化した場合に温度変化などの環境変化に伴って球面収差が大きく生じても、従来と異なり、この球面収差を補正し、情報の記録や再生を確実に行うことができる。つまり、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で光ピックアップ装置2を小型化することができる。
また、アクチュエータ210,220を動かすことによって非点収差と球面収差とを補正することができるため、光ピックアップ装置2の組み立て時におけるビーム整形レンズ110とカップリングレンズ121との位置調整を容易に行うことができる。
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態を、図5を参照して説明する。
図5は、光ピックアップ装置3の全体構成を示す概略図である。なお、上記第一及び第二の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
光ピックアップ装置3は、図5に示すように、第一光学ユニット11の代わりに第一光学ユニット21を備える点で上記第一の実施の形態における光ピックアップ装置1と異なる。
この光ピックアップ装置3によれば、第一光学ユニット21を備えているので、アクチュエータ210,210によってビーム整形レンズ110を移動させることにより、光ピックアップ装置3の組み立て時や動作時などに非点収差を第一光学ユニット21によって補正することができる。
また、第二光学ユニット12を備えているので、光ピックアップ装置1の組み立て時や動作時などに球面収差を第二光学ユニット12によって補正することができる。
よって、光ピックアップ装置を小型化した場合に温度変化などの環境変化に伴って球面収差が大きく生じても、従来と異なり、この球面収差を補正し、情報の記録や再生を確実に行うことができる。つまり、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で光ピックアップ装置3を小型化することができる。
また、光ピックアップ装置3の組み立て後においても非点収差と球面収差とをともに補正することができるため、これらの収差の発生を防ぐべく組み立て時に厳密な調整を行う必要がない分、光ピックアップ装置3の組み立てを容易に行うことができる。
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態を、図6を参照して説明する。
図6は、光ピックアップ装置4の全体構成を示す概略図である。なお、上記第一及び第二の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
また、光ピックアップ装置4は、図6に示すように、第二光学ユニット12の代わりに第二光学ユニット22を備える点で上記第一の実施の形態における光ピックアップ装置1と異なる。
この光ピックアップ装置4によれば、第一光学ユニット11を備えているので、光ピックアップ装置1の組み立て時や動作時などに、非点収差を第一光学ユニット11によって補正することができる。
また、第二光学ユニット22を備えているので、アクチュエータ220,220によってカップリングレンズ121を移動させることにより、光ピックアップ装置4の組み立て時や動作時などに球面収差を第二光学ユニット22によって補正することができる。
よって、光ピックアップ装置を小型化した場合に温度変化などの環境変化に伴って球面収差が大きく生じても、従来と異なり、この球面収差を補正し、情報の記録や再生を確実に行うことができる。つまり、情報の記録や再生を確実に行うことができる状態で光ピックアップ装置4を小型化することができる。
また、光ピックアップ装置4の組み立て後においても非点収差と球面収差とをともに補正することができるため、これらの収差の発生を防ぐべく組み立て時に厳密な調整を行う必要がない分、光ピックアップ装置4の組み立てを容易に行うことができる。
<第五の実施の形態>
次に、本発明の第五の実施の形態を、図7を参照して説明する。
図7は、本発明に係る光ピックアップ装置5の全体構成を示す概略図である。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
光ピックアップ装置5は、波長λ2の光束を出射するレーザ光源300、波長λ3の光束を出射するレーザ光源301、保護基板厚t2の第2光情報記録媒体14aの情報記録面140a及び保護基板厚t3の第3光情報記録媒体14bの情報記録面140bからの波長λ2及びλ3の光束の反射光を受光する受光素子19a、第2〜第4ビームスプリッタ15a〜15c等を備えている。
なお、波長が異なる3種類の光束を用いて3種類の光情報記録媒体に対する情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置の動作については周知であるため説明を省略する。
本実施の形態の光ピックアップ装置5は、まず非点収差の発生を防止するために、光源に対向してビーム整形レンズ110を配置して、次いでカップリングレンズ121を配置する構成をとっている。そして、カップリングレンズ121の光軸上の位置を設計位置あるいは基準位置から移動させ、カップリングレンズ121から出射される光束の発散度合いを変化させることによって球面収差を発生させ、この球面収差が、設計波長と使用波長との差によって生じる球面収差と打ち消しあうように、カップリングレンズ121の位置決めを行なっている。
このような構成により、非点収差の発生はもとより、球面収差の発生も防止することが出来、安定性が良く、かつコンパクトな構成の光ピックアップ装置を得ることができる。
また、図8に示すように、カップリングレンズ121を、二つの単玉の光学素子(第1レンズ121aと第2レンズ121b)を組合わせた構成とし、いずれか一方(例えば第1レンズ121a)をアクチュエータ220(駆動手段)により光軸方向に進退させる構成としてもよい。
なお、上記実施の形態においては、光記録媒体をHD−DVDとして説明したが、これに限らず、CDやCD−R、DVD、DVD−R、MD等、他の光記録媒体としても良い。
また、液晶層1112,1202は隔壁によって分割されていることとして説明したが、分割されないこととしても良い。
また、透明ガラス基板1111,1111の表面上には、非点収差を変化できるように透明電極1110が設けられていることとして説明したが、一方の透明ガラス基板1111の表面の透明電極を、この透明ガラス基板1111の表面の全面を覆った対向電極としても良い。また、同様に、透明ガラス基板1201,1201の表面上には、Z軸を中心とした複数の同心円状の透明電極1200,…が設けられることとして説明したが、一方の透明ガラス基板1201の表面の透明電極を、この透明ガラス基板1201の表面の全面を覆った対向電極としても良い。
また、透明電極1110は、非点収差を変化できるように設けられていることとして説明したが、これに限らず、X軸方向及びY軸方向に沿ったマトリックス状に設けられていることとしても良い。この場合には、非点収差を変化できるように複数の透明電極1110,…によって電極群を複数構成し、これら電極群によって互いに独立した電圧を液晶層1112に印加することによって上述の液晶光学素子111と同様に非点収差を補正することができる。
また、ビーム整形レンズ110を、トロイダル面を有するレンズとして説明したが、アナモフィックな光学機能面を有するレンズであれば、例えばシリンドリカル面やトーリック面を有するレンズでも良い。
次に、実施例1、2について説明する。
実施例1における光ピックアップ装置は図7に示したものと同様の構成となっており、実施例2における光ピックアップ装置は図8に示したものと同様の構成となっている。
実施例1、2における各光ピックアップ装置を構成する光学素子のレンズデータを表2、表3に示す。
Figure 2004164825
Figure 2004164825
Figure 2004164825
Figure 2004164825
ビーム整形レンズの光学面は、X方向に関する数4式、Y方向に関する数5式に表2、表3に示す係数を代入した数式で規定される非円弧シリンドリカル面で構成されている。
Figure 2004164825
Figure 2004164825
ここで、Zは光軸L方向の距離(光の進行方向を正とする)、x、yはX、Y方向の距離(光軸からの高さ)、kは非円弧シリンドリカル係数、Aiは非球面係数である。
また、対物レンズには光路差付与構造としての光軸を中心とした回折輪帯が形成されており、これにより対物レンズは第1補正素子としての機能も有することになる。回折輪帯のピッチは数6の光路差関数に表2、表3に示す係数を代入した数式で規定される。
Figure 2004164825
ここで、C2iは光路差関数の係数である。
なお、表2、表3中、「基準波長」とあるのは、いわゆるブレーズ波長を指し、その波長の光束が入射した場合に回折構造により生じるある次数の回折光の回折効率が最大(例えば100%)となる波長のことである。
表4は、カップリングレンズの移動量と収差量との関係を表すグラフである。
Figure 2004164825
本発明に係る光ピックアップ装置の第一の実施の形態の構成を示す概略図である。 第一光学ユニットにおける液晶光学素子の透明電極を示す図である。 第二光学ユニットにおける液晶光学素子の透明電極を示す図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の第二の実施の形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の第三の実施の形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の第四の実施の形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の第五の実施の形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の第五の実施の形態の他の構成を示す概略図である。
符号の説明
1,2,3,4 光ピックアップ装置
10 レーザー光源
11,21 第一光学ユニット
12,22 第二光学ユニット
13 対物レンズ
14 HD−DVD(光記録媒体)
110 ビーム整形レンズ
111 液晶光学素子(第一光学素子)
120 液晶光学素子(第二光学素子)
121 カップリングレンズ
140 情報記録面
210 アクチュエータ(第一アクチュエータ)
220 アクチュエータ(第二アクチュエータ)
1110 透明電極(第一電極)
1112 液晶層(第一液晶層)
1200 透明電極(第二電極)
1202 液晶層(第二液晶層)

Claims (38)

  1. 光軸を交線として直交する2平面のそれぞれにおける光線の発光点を前記光軸上の異なる位置に有するレーザー光源と、
    このレーザー光源から出射されたレーザー光を光記録媒体の情報記録面上に集光する対物レンズとを備える光ピックアップ装置であって、
    前記レーザー光源と前記対物レンズとの間には、前記2平面の一方に平行な平面における光路長と、他方に平行な平面における光路長とを変化させる第一光学ユニットが設けられ、
    この第一光学ユニットと前記対物レンズとの間には、前記光軸からの距離によって光路長を変化させる第二光学ユニットが設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記第一光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されるレーザー光の断面形状を略円形に整形するビーム整形レンズと、前記2平面の一方に平行な平面における光路長と他方に平行な平面における光路長とを変化させることができる第一光学素子とを備えることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第一光学素子は、表面を前記光軸と交差させて配設されるとともに電圧によって屈折率を変化可能である第一液晶層と、この第一液晶層の表面上に非点収差を変化できるように配設されるとともに、互いに独立して前記第一液晶層に電圧を印加可能である透明な複数の第一電極とを備えることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記複数の第一電極は、前記2平面に対して面対称となっていることを特徴とする請求項3記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記第一光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されるレーザー光の断面形状を略円形に整形するビーム整形レンズと、このビーム整形レンズを前記レーザー光源の光軸に沿って移動させる第一アクチュエータとを備えることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記ビーム整形レンズは、アナモフィックな光学機能面を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第二光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されたレーザー光の発散角を変化させるカップリングレンズと、前記光軸からの距離によって光路長を変化させることにより球面収差を変化させることができる第二光学素子とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記第二光学素子は、表面を前記光軸と交差させて配設されるとともに電圧によって屈折率を変化可能である第二液晶層と、この第二液晶層の表面上に前記光軸を中心とする同心円状に配設されるとともに、互いに独立して前記第二液晶層に電圧を印加可能である透明な複数の第二電極とを備えることを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第二光学ユニットは、前記レーザー光源から出射されたレーザー光の発散角を変化させるカップリングレンズと、このカップリングレンズを前記レーザー光源の光軸に沿って移動させる第二アクチュエータとを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  10. レーザー光源から出射された光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置において、
    前記レーザー光源から入射した光束に対して、光軸に垂直な第1方向と、前記光軸と前
    記第1方向の両方に垂直な第2方向とで異なった光学的作用を与えることにより、出射する際のビーム断面形状を、光軸を中心とした円形状に近づくように整形し、かつ発散光束として出射するビーム整形レンズと、
    該ビーム整形レンズから入射した発散光束の発散度合いを小さくして出射するカップリングレンズとを有し、
    設計波長と使用波長との差によって、前記対物レンズにて発生する球面収差と、
    前記カップリングレンズを光軸方向に移動した場合に、前記カップリングレンズからの出射光束の発散度合いが変化することによって前記対物レンズにて発生する球面収差とが相殺するように、前記カップリングレンズの光軸上の位置決めを行なうことを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 前記光ピックアップ装置の組み立て時に、前記カップリングレンズの位置決めを行なうことを特徴とする請求項10記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記光ピックアップ装置は、設計波長と使用波長との差によって、前記対物レンズにて発生する球面収差を検出する検出手段と、
    前記カップリングレンズを光軸方向に進退させる駆動手段を有し、
    前記光ピックアップ装置の使用時に、前記カップリングレンズからの出射光束の発散度合いを変化させることによって前記対物レンズにて球面収差が発生するようにせしめ、当該発生した球面収差が、前記検出手段が検出した球面収差と相殺するように、
    前記駆動手段を駆動して前記カップリングレンズの位置決めを行なうことを特徴とする請求項10記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記光ピックアップ装置の光学系を通過した光束が、前記対物レンズにて生じる球面収差と、
    前記カップリングレンズを光軸方向に移動した場合に、前記カップリングレンズからの出射光束の発散度合いが変化することによって前記対物レンズにて発生する球面収差とが相殺するように、前記カップリングレンズの光軸上の位置決めを行なうことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  14. レーザー光源から出射された光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置において、
    前記レーザー光源から入射した光束に対して、光軸に垂直な第1方向と、前記光軸と前
    記第1方向の両方に垂直な第2方向とで異なった光学的作用を与えることにより、出射する際のビーム断面形状を、光軸を中心とした円形状に近づくように整形し、かつ発散光束として出射する機能を有するビーム整形レンズと、
    該ビーム整形レンズから入射した発散光束の発散度合いを小さくして出射するカップリング機能を有するカップリングレンズとを有し、
    前記光ピックアップ装置の使用温度が変化した際に、前記ビーム整形レンズ及び前記カップリングレンズを通過した光束の有する非点収差が変化しないように構成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  15. 前記光ピックアップ装置の使用温度が変化した際に、前記ビーム整形レンズを通過した光束の有する非点収差が変化しないように構成されていることを特徴とする請求項14記載の光ピックアップ装置。
  16. 前記ビーム整形レンズがガラス製であることを特徴とする請求項14又は15に記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記ビーム整形レンズがプラスティック製であることを特徴とする請求項14又は15に記載の光ピックアップ装置。
  18. 前記ビーム整形レンズが回折面を有することを特徴とする請求項17記載の光ピックアップ装置。
  19. 前記ビーム整形レンズが屈折面から構成されることを特徴とする請求項17記載の光ピックアップ装置。
  20. 前記カップリングレンズはプラスティック樹脂から構成されることを特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  21. 前記カップリングレンズはガラスから構成されることを特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  22. 前記ビーム整形レンズと前記カップリングレンズとが別体であることを特徴とする請求項14〜21のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  23. 前記ビーム整形レンズと前記カップリングレンズとが一体化された単玉の光学素子であることを特徴とする請求項14〜21のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  24. レーザー光源から出射された光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置において、
    前記レーザー光源から入射した光束に対して、光軸に垂直な第1方向と、前記光軸と前
    記第1方向の両方に垂直な第2方向とで異なった光学的作用を与えることにより、出射する際のビーム断面形状を、光軸を中心とした円形状に近づくように整形し、かつ発散光束として出射する機能を有するビーム整形レンズと、
    該ビーム整形レンズから入射した発散光束の発散度合いを小さくして出射するカップリング機能を有し、光軸方向の位置が固定されたカップリングレンズと、
    該カップリングレンズから入射した光束が入射するとともに、前記レーザー光源の設計波長と使用波長との差によって、前記対物レンズにて発生する球面収差を補正する機能を有する第1補正素子とを備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  25. 前記第1補正素子は、光路差付与構造を備えることを特徴とする請求項24記載の光ピックアップ装置。
  26. 前記第1補正素子は、前記対物レンズへ入射する光束の発散度合いを変化させることを特徴とする請求項25記載の光ピックアップ装置。
  27. 前記カップリングレンズと、前記第1補正素子とは一体化された単玉の光学素子であることを特徴とする請求項26記載の光ピックアップ装置。
  28. 前記対物レンズと、前記第1補正素子とは一体化された単玉の光学素子であることを特徴とする請求項26記載の光ピックアップ装置。
  29. 前記第1補正素子は、液晶素子から構成されることを特徴とする請求項24記載の光ピックアップ装置。
  30. 前記第1補正素子は、該第1補正素子を通過する光束の波面収差を変化させることを特徴とする請求項29記載の光ピックアップ装置。
  31. 前記第1補正素子は、ビームエキスパンダーであって、当該第1補正素子を光軸方向に進退させて出射される光束の発散度合いを変化させることによって球面収差を補正することを特徴とする請求項24記載の光ピックアップ装置。
  32. 前記対物レンズは、使用波長が設計波長から5nm変化した場合の波面収差の変化量が0.02λrms以上であることを特徴とする請求項10〜31のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  33. 前記レーザー光源の出射する光束の波長は、380〜420nmであることを特徴とする請求項10〜32のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  34. カップリングレンズは、使用波長が設計波長である場合、非平行である入射光束を、非平行光として出射することを特徴とする請求項10〜33のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  35. カップリングレンズは、使用波長が設計波長である場合、非平行である入射光束を、平行光として出射することを特徴とする請求項10〜33のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  36. 前記ビーム整形レンズ及び/または前記カップリングレンズは、通過する光束に対して、所定量の非点収差を付与するように構成されていることを特徴とする請求項10〜35のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  37. 前記光ピックアップ装置は、波長λ1のレーザー光源を用いて、保護基板厚がt1の第1光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行ない、波長λ2(λ1<λ2)のレーザー光源を用いて、保護基板厚がt2(t1≦t2)の第2光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行ない、波長λ3(λ2<λ3)のレーザー光源を用いて、保護基板厚がt3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行なうものであり、
    前記λ1のレーザー光源から出射される光束が通過する光路中に、前記ビーム整形レンズ及び前記カップリングレンズが配置されることを特徴とする請求項10〜36のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  38. 前記カップリングレンズは、二つ以上の単玉の光学素子を組合わせて構成され、これら光学素子のうち少なくとも一つを駆動手段により光軸方向に進退させることを特徴とする請求項10〜37のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
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