JP2002236253A - 対物レンズ、集光光学系、光ピックアップ装置及び記録・再生装置 - Google Patents

対物レンズ、集光光学系、光ピックアップ装置及び記録・再生装置

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JP2002236253A JP2001306747A JP2001306747A JP2002236253A JP 2002236253 A JP2002236253 A JP 2002236253A JP 2001306747 A JP2001306747 A JP 2001306747A JP 2001306747 A JP2001306747 A JP 2001306747A JP 2002236253 A JP2002236253 A JP 2002236253A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高開口数及び短波長に対応可能で軽量で安価
であり、軸上色収差が良好に補正された光情報記録媒体
の記録または再生用の対物レンズを提供する。レーザ光
源の発振波長変化、温度・湿度変化、光情報記録媒体の
透明基板の厚みの誤差等に起因して光ピックアップ装置
の各光学面で発生する球面収差の変動を簡易な構成で効
果的に補正できる集光光学系及び光ピックアップ装置を
提供する。透明基板厚みの異なる複数の光情報記録媒体
に対して情報の記録または再生のための対物レンズ、集
光光学系及び光ピックアップ装置を提供する。 【解決手段】 この対物レンズは、光情報記録媒体の記
録および/または再生用で少なくとも1面に輪帯状の回
折構造を有し、少なくとも1面が非球面であって、プラ
スチック材料から形成された単玉レンズであり、次式の
いずれかを満たす。NA≧0.7、 λ≦500nm、 5.0≦fD/f≦40.0、 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
0.70

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズ、集光
光学系、光ピックアップ装置及び記録・再生装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、短波長赤色半導体レーザの実用化
に伴い、従来の光ディスク(光情報記録媒体ともいう)
である、CD(コンパクトディスク)と同程度の大きさ
で大容量化させた高密度の光ディスクであるDVD(デ
ジタルバーサタイルディスク)が開発・製品化されてい
るが、近い将来には、より高密度な次世代の光ディスク
が登場することが予想される。このような次世代の光デ
ィスクを媒休とした光情報記録再生装置の集光光学系で
は、記録信号の高密度化を図るため、或いは高密度記録
信号を再生するため、対物レンズを介して情報記録面上
に集光するスポッ卜の径を小さくすることが要求され
る。そのためには、光源であるレーザの短波長化や対物
レンズの高開口数化が必要となる。短波長レーザ光源と
してその実用化が期待されているのは、発振波長400
nm程度の青紫色半導休レーザである。
【0003】ところで、レーザ光源の短波長化や対物レ
ンズの高開口数化が図られてくると、CDやDVDのご
とき従来の光ディスクに対して情報の記録または再生を
行うような、比較的長波長のレーザ光源と低開口数の対
物レンズとの組み合わせからなる光ピックアップ装置で
はほとんど無視できた問題でも、より顕在化されること
が予想される。
【0004】その1つがレーザ光源の微少な発振波長の
変動により対物レンズで生じる軸上色収差の問題であ
る。一般の光学レンズ材料の微少な波長変動による屈折
率変化は、短波長を取り扱うほど大きくなる。そのた
め、微少な波長変動により生じる焦点のデフォーカス量
は大きくなる。ところが、対物レンズの焦点深度は、k
・λ/NA(kは比例定数、λは波長、NAは対物レ
ンズの像側開口数)で表されることからわかるように、
使用波長が短いほど焦点深度が小さくなり僅かなデフォ
ーカス量も許されない。従って、青紫色半導体レーザの
ような短波長の光源及び高開口数の対物レンズを用いた
集光光学系では、半導体レーザのモードホップ現象や出
力変化による波長変動や、高周波重畳による波面収差の
劣化を防ぐために、軸上色収差の補正が重要となる。
【0005】更に、レーザ光源の短波長化と対物レンズ
の高開口数化において顕在化する別の問題は、温度・湿
度変化による集光光学系の球面収差の変動である。すな
わち、光ピックアップ装置において一般的に使用されて
いるプラスチックレンズは、温度や湿度変化をうけて変
形しやすく、また、屈折率が大きく変化する。従来の光
ピックアップ装置に用いられる集光光学系ではそれほど
問題にならなかった屈折率変化による球面収差の変動
も、レーザ光源の短波長化と対物レンズの高開口数化に
おいては無視できない量となる。
【0006】更に、レーザ光源の短波長化と対物レンズ
の高開口数化において顕在化する別の問題は、光ディス
クの保護層(透明基板ともいう)の厚み誤差に起因する
集光光学系の球面収差の変動である。保護層の厚み誤差
により生じる球面収差は、対物レンズの開口数の4乗に
比例して発生することが知られている。従って、対物レ
ンズの開口数が大きくなるにつれて保護層の厚み誤差の
影響が大きくなり、安定した情報の記録または再生が出
来なくなる恐れがある。
【0007】また、次世代の光ディスクにおいては、光
ディスクが光軸に対して傾いたときに生じるコマ収差を
小さく抑えるために、従来の光ディスクよりも更に薄い
保護層を使うことが提案されている。従って、次世代の
光ディスクと保護層の厚さの異なるCDやDVDのごと
き従来の光ディスクに対して、同一の光ピックアップで
の記録または再生を可能とすることが要求されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高開口数及
び短波長に対応可能で軽量で安価であり、軸上色収差が
良好に補正された光情報記録媒体の記録または再生用の
対物レンズを提供することを目的とする。
【0009】また、レーザ光源の発振波長変化、温度・
湿度変化、光情報記録媒体の透明基板の厚みの誤差等に
起因して光ピックアップ装置の各光学面で発生する球面
収差の変動を簡易な構成で効果的に補正できる集光光学
系及び光ピックアップ装置を提供することを目的とす
る。
【0010】また、レーザ光源のモードホップ現象や高
周波重畳に起因して対物レンズで発生する軸上色収差を
効果的に補正できる集光光学系及び光ピックアップ装置
を提供することを目的とする。
【0011】また、透明基板の厚さの異なる複数の光情
報記録媒体に対して情報の記録または再生用の対物レン
ズを提供することを目的とする。
【0012】更に、短波長レーザ光源と高開口数の対物
レンズを備え、透明基板の厚さの異なる複数の光情報記
録媒体に対して情報の記録または再生を行える集光光学
系及び光ピックアップ装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の対物レンズは、光情報記録媒体の
記録および/または再生用の対物レンズであって、前記
対物レンズは、光学プラスチック材料から形成され、少
なくとも1つの面が非球面となされた単玉レンズであっ
て、少なくとも1つの面上に輪帯状の回折構造が形成さ
れ、次式を満たすことを特徴とする。
【0014】NA≧0.7 (1) ただし、NA:光情報記録媒体に記録および/または再
生を行うのに必要な所定の像側開口数
【0015】請求項2に記載の対物レンズは請求項1に
おいて両面が非球面となされたことを特徴とする。
【0016】請求項3に記載の対物レンズは請求項1ま
たは2において次式を満たすことを特徴とする。
【0017】 5.0≦fD/f≦65.0 (2) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・・
・の光路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
【0018】請求項4に記載の対物レンズは請求項1〜
3のいずれか1項において前記回折構造において、第i
面上に形成された回折構造で発生する回折光のうち最大
の回折光量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成
された回折構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された
回折構造の輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物
レンズ全系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ
(mm)としたとき、次式を満たすことを特徴とする。
【0019】 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦0.70 (3)
【0020】請求項5に記載の対物レンズは、光情報記
録媒体の記録および/または再生用の対物レンズであっ
て、前記対物レンズは、光学プラスチック材料から形成
され、少なくとも1つの面が非球面となされた単玉レン
ズであって、少なくとも1つの面上に輪帯状の回折構造
が形成され、次式を満たすことを特徴とする。
【0021】 λ≦500nm (4) ただし、λ:光情報記録媒体に記録および/または再生
を行うのに使用する波長
【0022】請求項6に記載の対物レンズは請求項5に
おいて両面が非球面となされたことを特徴とする。
【0023】請求項7に記載の対物レンズは請求項5ま
たは6において次式を満たすことを特徴とする。
【0024】 5.0≦fD/f≦65.0 (5) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・・
・の光路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
【0025】また、請求項8に記載の対物レンズは請求
項5〜7のいずれか1項において前記回折構造において
第i面の回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光
量をもつ回折光の次数をni、第i面の輪帯数をMi、
輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全系
の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)と
したとき、次式を満たすことを特徴とする。
【0026】 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦0.70 (6)
【0027】請求項9に記載の対物レンズは、光情報記
録媒体の記録および/または再生用の対物レンズであっ
て、前記対物レンズは、光学プラスチック材料から形成
され、少なくとも1つの面が非球面となされた単玉レン
ズであって、少なくとも1つの面上に輪帯状の回折構造
が形成され、次式を満たすことを特徴とする。
【0028】 5.0≦fD/f≦40.0 (7) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・・
・の光路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
【0029】請求項10に記載の対物レンズは請求項9
において両面が非球面となされたことを特徴とする。
【0030】請求項11に記載の対物レンズは請求項9
または10において前記回折構造において、第i面上に
形成された回折構造で発生する回折光のうち最大の回折
光量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成された
回折構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構
造の輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ
全系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(m
m)としたとき、次式を満たすことを特徴とする。
【0031】 0.03≦λ・f・Σ(ni/(M・Pi))≦0.70 (8)
【0032】請求項12に記載の対物レンズは請求項1
〜11のいずれか1項において前記回折構造において、
第i面上に形成された回折構造で発生する回折光のうち
最大の回折光量をもつ回折光の次数をni、第i面上に
形成された回折構造の輪帯数をMi、第i面上に形成さ
れた回折構造の輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、
対物レンズ全系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長
をλ(mm)としたとき、次式を満たすことを特徴とす
る。
【0033】0.7≦NA≦0.85のとき、
【0034】0.03≦λ・f・Σ(ni/(M・Pi
))≦0.70 を満たし、
【0035】0.85<NAのとき、
【0036】0.10≦λ・f・Σ(ni/(M・Pi
))≦2.50 を満たす。
【0037】請求項13に記載の対物レンズは、光情報
記録媒体の記録および/または再生用の対物レンズであ
って、前記対物レンズは、光学プラスチック材料から形
成され、少なくとも1つの面が非球面となされた単玉レ
ンズであって、少なくとも1つの面上に輪帯状の回折構
造が形成され、前記回折構造において、第i面上に形成
された回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光量
をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成された回折
構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構造の
輪帯問隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全系
の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)と
したとき、次式を満たすことを特徴とする。
【0038】 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦0.70 (9)
【0039】請求項14に記載の対物レンズは請求項1
3において次式を満たすことを特徴とする。
【0040】 0.10≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦0.65 (10)
【0041】請求項15に記載の対物レンズは請求項1
4において次式を満たすことを特徴とする。
【0042】 0.20≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦0.60 (11)
【0043】請求項16に記載の対物レンズは請求項1
3〜15のいずれか1項において両面が非球面であるこ
とを特徴とする。
【0044】請求項17に記載の対物レンズは、光情報
記録媒体の記録および/または再生用の対物レンズであ
って、前記対物レンズは、光学プラスチック材料から形
成され、少なくとも1つの面が非球面となされた単玉レ
ンズであって、両面上に輪帯状の回折構造が形成され、
前記回折構造において第i面上に形成された回折構造で
発生する回折光のうち最大の回折光量をもつ回折光の次
数をni、第i面上に形成された回折構造の輪帯数をM
i、第i面上に形成された回折構造の輪帯問隔の最小値
をPi(mm)とし、対物レンズ全系の焦点距離をf
(mm)とし、使用波長をλ(mm)としたとき、次式
を満たすことを特徴とする。
【0045】 0.10≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦3.00 (11’)
【0046】請求項18に記載の対物レンズは請求項1
7において次式を満たすことを特徴とする。
【0047】 0.20≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦2.50 (12’)
【0048】請求項19に記載の対物レンズは請求項1
7または18において次式を満たすことを特徴とする。
【0049】 2.0≦fD/f≦30.0 (13’) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、Φbi=ni・
(b2i・hi+b4i・hi+b6i・hi
・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
【0050】請求項20に記載の対物レンズは請求項1
7〜19のいずれか1項において両面が非球面となされ
たことを特徴とする。
【0051】請求項21に記載の対物レンズは請求項1
〜20のいずれか1項において両面が非球面となされ、
次式を満たすことを特徴とする。
【0052】 0.35<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)<0.55 (14’) ただし、X1:光軸に垂直で光源側の面の頂点に接する
平面と、有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が入
射する光源側の面上の位置)における光源側の面との光
軸方向の差(mm)で、上記接平面を基準として光情報
記録媒体の方向に測る場合を正、光源の方向に測る場合
を負とする。 X2:光軸に垂直で光情報記録媒体側の面の頂点に接す
る平面と、有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が
入射する光情報記録媒体側の面上の位置)における光情
報記録媒体側の面との光軸方向の差(mm)で、上記接
平面を基準として光情報記録媒体の方向に測る場合を
正、光源の方向に測る場合を負とする。 N:前記対物レンズの使用波長における屈折率 f:前記対物レンズの全系の焦点距離(mm)
【0053】請求項22に記載の対物レンズは請求項2
1において次式を満たすことを特徴とする。
【0054】 0.39<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)<0.52 (15’)
【0055】請求項23に記載の対物レンズは光情報記
録媒体の記録および/または再生用の対物レンズであっ
て、前記対物レンズは、両面が非球面となされた単玉レ
ンズであって、少なくとも1つの面上に輪帯状の回折構
造が形成され、次式を満たすことを特徴とする。
【0056】 0.75<NA<0.95 (16’) 0.39<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)<0.52 (17’) X1:光軸に垂直で光源側の面の頂点に接する平面と、
有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が入射する光
源側の面上の位置)における光源側の面との光軸方向の
差(mm)で、上記接平面を基準として光情報記録媒体
の方向に測る場合を正、光源の方向に測る場合を負とす
る。 X2:光軸に垂直で光情報記録媒体側の面の頂点に接す
る平面と、有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が
入射する光情報記録媒体側の面上の位置)における光情
報記録媒体側の面との光軸方向の差(mm)で、上記接
平面を基準として光情報記録媒体の方向に測る場合を
正、光源の方向に測る場合を負とする。 N:前記対物レンズの使用波長における屈折率 f:前記対物レンズの全系の焦点距離(mm)
【0057】請求項24に記載の対物レンズは請求項2
3において次式を満たすことを特徴とする。
【0058】 2.0≦fD/f≦65.0 (18’) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
【0059】請求項25に記載の対物レンズは請求項2
3または24において前記回折構造において,第i面上
に形成された回折構造で発生する回折光のうち最大の回
折光量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成され
た回折構の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構
の輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全
系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)
としたとき、次式を満たすことを特徴とする。
【0060】 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦3.00 (19’)
【0061】請求項26に記載の対物レンズは請求項2
3〜25のいずれか1項において両面上に輪帯状の回折
構造が形成されたことを特徴とする。
【0062】請求項27に記載の対物レンズは請求項1
〜25のいずれか1項において前記対物レンズの色収差
が次式を満たすことを特徴とする。
【0063】 │△fB・NA│≦0.25μm (12) ただし、△fB:前記光源の波長が+1nm変化したと
きの、対物レンズの焦点位置の変化(μm)
【0064】請求項28に記載の対物レンズは請求項1
〜27のいずれか1項において次式を満たすことを特徴
とする。
【0065】 −200≦b4i・himax /(λ・f・NA)≦−5 (13) ただし、 b4i:第i面上に形成された、前記回折構造により透
過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・)により定義される光路差関数で
表す場合に(ここで、niは、前記第i面上に形成され
た回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光量を有
する回折光の回折次数、hiは光軸からの高さ(m
m)、b2i、b4i、b6i、・・・はそれぞれ2
次、4次、6次、・・・・・・の光路差関数係数(回折
面係数ともいう)である)、の4次の光路差関数係数 himax:第i面の有効径の最大高さ(mm)
【0066】請求項29に記載の対物レンズは請求項1
〜28のいずれか1項において次式を満たすことを特徴
とする。
【0067】 0.4≦│(Ph/Pf)−2│≦25.0 (14) ただし、Pf:光情報記録媒体に記録および/または再
生を行うのに必要な所定の像側開口数における回折輪帯
問隔(mm) Ph:光情報記録媒体に記録および/または再生を行う
のに必要な所定の像側開口数の1/2の開口数における
回折輪帯間隔(mm)
【0068】請求項30に記載の対物レンズは請求項1
〜29のいずれか1項において前記光源の波長が+10
nm変化したときのマージナル光線の球面収差の変化量
を△SA(μm)としたとき、次式を満たすことを特徴
とする。
【0069】 │△SA│≦1.5 (15)
【0070】請求項31に記載の対物レンズは請求項1
〜30のいずれか1項において回折レンズとしての回折
作用と屈折レンズとしての屈折作用とをあわせた場合、
光源の波長が長波長側にシフトした際に、バックフォー
カスが短くなる方向に変化するような軸上色収差特性を
有し、次式を満たすことを特徴とする。
【0071】 −1<ΔCA/ΔSA<0 (20’) ただし, ΔCA:波長の変化に対する軸上色収差の変化量(m
m) ΔSA:波長の変化に対するマージナル光線の球面収差
の変化量(mm)
【0072】請求項32に記載の対物レンズは請求項1
〜31のいずれか1項において次式を満たすことを特徴
とする。
【0073】 t≦0.6mm (16)
【0074】 λ≦500nm (17) ただし、 t:光情報記録媒体の情報記録面を保護する透明基板の
厚さ λ:光源の波長
【0075】請求項33に記載の対物レンズは請求項1
〜32のいずれか1項において前記回折構造で発生する
n次回折光量が他のいずれの次数の回折光量よりも大き
く、前記対物レンズは、前記光情報記録媒体に対する情
報の記録および/または再生するために回折構造で発生
したn次回折光を光情報記録媒体の情報記録面に集光す
ることができることを特徴とする。ここで、nは0、±
1以外の整数である。
【0076】請求項34に記載の対物レンズは請求項1
〜33のいずれか1項において前記回折構造のうち、少
なくとも1つの面上に形成された回折構造は、nを0、
±1以外の整数としたとき、該回折構造で発生する回折
光のうち、n次回折光の回折光量が他のいずれの次数の
回折光の回折光量よりも大きくなるように各回折輪帯の
光軸方向の段差量が決定されていることを特徴とする。
【0077】請求項35に記載の対物レンズは請求項1
〜34のいずれか1項において飽和吸水率が0.5%以
下である材料から形成されていることを特徴とする。
【0078】請求項36に記載の対物レンズは請求項1
〜35のいずれか1項において使用波長領域で厚さが3
mmにおける内部透過率が85%以上である材料から形
成されていることを特徴とする。
【0079】請求項37に記載の対物レンズは請求項1
〜36のいずれか1項において前記対物レンズの球面収
差のうち、3次の球面収差成分をSA1、5次、7次及
び9次の球面収差成分の和をSA2としたとき,次式を
満たすことを特徴とする。
【0080】 |SA1/SA2|>1.0 (18) ただし、 SA1:収差関数をツェルニケ(Zernike)の多項式に
展開したときの3次の球面収差成分 SA2:収差関数をツェルニケ(Zernike)の多項式に
展開したときの5次の球面収差成分と7次の球面収差成
分と9次の球面収差成分との2乗和の平方根
【0081】請求項38に記載の集光光学系は、光源
と、前記光源から出射された発散光の発散角を変えるカ
ップリングレンズと、このカップリングレンズを介した
光束を光情報記録媒体の透明基板を介して情報記録面に
集光させる対物レンズと、を含む光情報記録媒体の記録
および/または再生用の集光光学系であって、前記集光
光学系は少なくとも1面に輪帯状の回折構造を有し、前
記カップリングレンズは光軸方向に沿って変移すること
で前記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の変動を
補正することを特徴とする。
【0082】請求項39に記載の集光光学系は請求項3
8において前記回折構造は前記対物レンズで発生する色
収差を補正することを特徴とする。
【0083】請求項40に記載の集光光学系は請求項3
8または39において前記カップリングレンズは前記対
物レンズで発生する色収差を補正する機能を有すること
を特徴とする。
【0084】請求項41に記載の集光光学系は請求項4
0において前記カップリングレンズは相対的にアッベ数
の大きい正レンズと、相対的にアッべ数の小さい負レン
ズとを接合した1群2枚構成であることを特徴とする。
【0085】請求項42に記載の集光光学系は請求項4
0において前記カップリングレンズは少なくとも1面に
輪帯状の回折構造を有する単玉レンズであることを特徴
とする。
【0086】請求項43に記載の集光光学系は請求項3
8〜42のいずれか1項において前記カップリングレン
ズと前記対物レンズとの合成系の色収差が次式を満たす
ことを特徴とする。
【0087】 │△fB・NA│≦0.25μm (19) ただし、△fB:前記光源の波長が+1nm変化したと
きの合成系の焦点位置の変化(μm)
【0088】請求項44に記載の集光光学系は請求項3
8〜43のいずれか1項において次式を満たすことを特
徴とする。
【0089】 NA≧0.65 (20)
【0090】 t≦0.6mm (21)
【0091】 λ≦500nm (22) ただし、NA:光情報記録媒体に記録および/または再
生を行うのに必要な所定の対物レンズの像側開口数 t:光情報記録媒体の透明基板の厚さ λ:光源の波長
【0092】請求項45に記載の集光光学系は請求項3
8〜44のいずれか1項において前記回折構造で発生す
るn次回折光量が他のいずれの次数の回折光量よりも大
きく、前記集光光学系は、前記光情報記録媒体に対する
情報の記録および/または再生するために回折構造で発
生したn次回折光を光情報記録媒体の情報記録面に集光
することができることを特徴とする。ここで、nは0、
±1以外の整数である。
【0093】請求項46に記載の集光光学系は請求項3
8〜45のいずれか1項において前記対物レンズは請求
項1〜37のいずれか1項に記載の対物レンズであるこ
とを特徴とする。
【0094】請求項47に記載の集光光学系は請求項3
8〜46のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、光軸方向に沿って変移することで、前記光源の発
振波長の微少な変動に起因して集光光学系の各光学面で
生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする。
【0095】請求項48に記載の集光光学系は請求項3
8〜46のいずれか1項において前記対物レンズは少な
くとも1枚のプラスチック材料から形成されたレンズを
含み、前記カップリングレンズは、光軸方向に沿って変
移することで温湿度変化に起因して集光光学系の各光学
面で生じる球面収差の変動を補正することを特徴とす
る。
【0096】請求項49に記載の集光光学系は請求項3
8〜46のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、光軸方向に沿って変移することで前記光情報記録
媒体の透明基板の厚さの微少な変動に起因して集光光学
系の各光学面で生じる球面収差の変動を補正することを
特徴とする。
【0097】請求項50に記載の集光光学系は請求項3
8〜49のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、光軸方向に沿って変移することで、前記光源の発
振波長の微少な変動、温湿度変化、及び前記光情報記録
媒体の透明基板の厚さの微少な変動のうち少なくとも2
つ以上の組み合わせに起因して集光光学系の各光学面で
生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする。
【0098】請求項51に記載の集光光学系は請求項3
8〜50のいずれか1項において前記集光光学系の球面
収差がオーバー側に変動するときは、前記カップリング
レンズは、球面収差が変動する前に比して、前記対物レ
ンズとの間隔を増加させるように光軸方向に沿って変移
し、前記集光光学系の球面収差がアンダー側に変動する
ときは、前記カップリングレンズは、球面収差が変動す
る前に比して、前記対物レンズとの問隔を減少させるよ
うに光軸方向に沿って変移することで集光光学系の各光
学面で生じる球面収差の変動を補正することを特徴とす
る。
【0099】請求項52に記載の集光光学系は請求項3
8〜51のいずれか1項において前記光情報記録媒体
は、同一の光束入射面側に透明基板と情報記録層とが交
互に複数積層された構造を有し、前記対物レンズを光軸
方向に沿って変移することで、上記複数の記録層ヘの情
報の記録および/または再生のためにフォーカシングさ
せ、かつ前記カップリングレンズを光軸方向へ変移させ
ることで、前記光束入射面から各情報記録層までの透明
基板の厚さの違いによって生じる球面収差の変動を補正
することを特徴とする。
【0100】請求項53に記載の光ピックアップ装置
は、光源と、前記光源から出射された発散光の発散角を
変えるカップリングレンズと、このカップリングレンズ
を介した光束を光情報記録媒体の透明基板を介して情報
記録面に集光させる対物レンズと、を含む集光光学系を
備え、前記記録面からの反射光を検出することで前記光
情報記録媒体に対する情報の記録および/または再生を
行う光ピックアップ装置であって、前記光ピックアップ
装置は、前記記録面からの反射光を検出するための受光
手段と、前記記録面に光束を集光させるために前記対物
レンズを駆動させる第1の駆動装置と、を有し、前記カ
ップリングレンズは光軸方向に沿って変移することで前
記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の変動を補正
し、前記記録面からの反射光を検出することで前記記録
面上に集光された光束の集光状態を検出し前記カップリ
ングレンズを駆動させる第2の駆動装置を更に有し、前
記集光光学系が請求項38〜52のいずれか1項に記載
の集光光学系であることを特徴とする。
【0101】請求項54に記載の、音声および/または
画像の記録装置、および/または、音声および/または
画像の再生装置は、請求項53に記載の光ピックアップ
装置を搭載したことを特徴とする。
【0102】請求項55に記載の対物レンズは、波長の
異なる光源と、前記光源から出射された光束を光情報記
録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光させる対
物レンズとを含み、複数の種類の光情報記録媒体に対し
て情報の記録および/または再生が可能な記録再生用の
光ピックアップ装置に使用される対物レンズであって、
前記対物レンズは、少なくとも1面に輪帯状の回折面を
有し、少なくとも1面が非球面の単玉レンズであり、前
記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2つの光
情報記録媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t1≦t
2)とし、前記透明基板の厚さt1を有する光情報記録
媒体に対して情報の記録または再生を行う際の波長をλ
1とし、前記透明基板の厚さt2を有する光情報記録媒
体に対して情報の記録または再生を行う際の波長をλ2
(λ1<λ2)とし、波長λ1の光束により、透明基板
の厚さt1の光情報記録媒体に記録または再生を行うの
に必要な所定の像側開口数をNA1とし、波長λ2の光
束により、透明基板の厚さt2の光情報記録媒体に記録
または再生を行うのに必要な所定の像側開口数をNA2
(NA1≧NA2)としたとき、前記対物レンズは、波
長λ1と透明基板の厚さt1と像側開口数NA1との組
み合わせに対して、その波面収差が0.07λ1rms
以下になるように集光でき、かつ波長λ2と透明基板の
厚さt2と像側開口数NA2との組み合わせに対して、
その波面収差が0.07λ2rms以下になるように集
光でき、次式を満たすことを特徴とする。
【0103】 NA1≧0.7 (23) ただし、NA1:前記波長のうち短波長側の波長により
透明基板の厚さの小さいほうの光情報記録媒体に記録お
よび/または再生を行うのに必要な所定の像側開口数
【0104】請求項56に記載の対物レンズは請求項5
5において両面が非球面であることを特徴とする。
【0105】請求項57に記載の対物レンズは請求項5
5または56において次式を満たすことを特徴とする。
【0106】 0.5≦(f/νd)・fD≦10.0 (24) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系のλ1における焦点距離(mm) νd:対物レンズの材料のd線のアッベ数
【0107】請求項58に記載の対物レンズは請求項5
7において次式を満たすことを特徴とする。
【0108】 νd≧55.0 (25)
【0109】請求項59に記載の対物レンズは請求項5
7または58において前記対物レンズの色収差が次式を
満たすことを特徴とする。
【0110】 │△fBi・(NAi)|≦0.25μm (i=1および2) (26 ) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
m変化したときの、対物レンズの焦点位置の変化(μ
m)
【0111】請求項60に記載の対物レンズは請求項5
5または56において次式を満たすことを特徴とする。
【0112】 −25.0≦b2i/λ1≦0.0 (27 ) ただし、λ1:前記波長のうち、短波長側の波長(m
m) b2i:第i面上に形成された、前記回折構造により透
過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合の2次の光路差
関数係数(ここで、niは、前記第i面上に形成された
回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光量を有す
る回折光の回折次数、hiは光軸からの高さ(mm)、
2i、b4i、b6i、・・・はそれぞれ2次、4
次、6次、・・・の光路差関数係数(回折面係数ともい
う)である)。
【0113】請求項61に記載の対物レンズは、波長の
異なる光源と、前記光源から出射された光束を光情報記
録媒体の透明基板を介して情報記緑面上に集光させる対
物レンズと、を含み、複数の種類の光情報記録媒体に対
して情報の記録および/または再生が可能な記録再生用
の光ピックアップ装置に使用される対物レンズであっ
て、前記対物レンズは、少なくとも1面に輪帯状の回折
面を有し、少なくとも1面が非球面の単玉レンズであ
り、前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2
つの光情報記録媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t
1≦t2)とし、前記透明基板の厚さt1を有する光情
報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う際の波
長をλ1とし、前記透明基板の厚さt2を有する光情報
記録媒体に対して情報の記録または再生を行う際の波長
をλ2(λ1<λ2)とし、波長λ1の光束により、透
明基板の厚さt1の光情報記録媒体に記録または再生を
行うのに必要な所定の像側開口数をNA1とし、波長λ
2の光束により、透明基板の厚さt2の光情報記録媒体
に記録または再生を行うのに必要な所定の像側開口数を
NA2(NA1≧NA2)としたとき、前記対物レンズ
は、波長λ1と透明基板の厚さt1と像側開口数NA1
との組み合わせに対して、その波面収差が0.07λ1
rms以下になるように集光でき、かつ波長λ2と透明
基板の厚さt2と像側開口数NA2との組み合わせに対
して、その波面収差が0.07λ2rms以下になるよ
うに集光でき、次式を満たすことを特徴とする。
【0114】 λ1≦500nm (28) ただし、λ1:前記透明基板の厚さt1を有する光情報
記録媒体に対して情報の記録および/または再生を行う
際の波長
【0115】請求項62に記載の対物レンズは請求項6
1において両面が非球面であることを特徴とする。
【0116】請求項63に記載の対物レンズは請求項6
1または62において次式を満たすことを特徴とする。
【0117】 0.5≦(f/νd)・fD≦10.0 (29) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系のλ1における焦点距離(mm) νd:対物レンズの材料のd線のアッべ数
【0118】請求項64に記載の対物レンズは請求項6
3において次式を満たすことを特徴とする。
【0119】 νd≧55.0 (30)
【0120】請求項65に記載の対物レンズは請求項6
3または64において前記対物レンズの色収差が次式を
満たすことを特徴とする。
【0121】 │△fBi・(NAi)│≦0.25μm (i=1および2) (31 ) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
m変化したときの、対物レンズの焦点位置の変化(μ
m)
【0122】請求項66に記載の対物レンズは請求項6
1または62において次式を満たすことを特徴とする。
【0123】 −25.0≦b2i/λ1≦0.0 (32 ) ただし、λ1:前記波長のうち、短波長側の波長(m
m) b2i:第i面上に形成された、前記回折構造により透
過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合の2次の光路差
関数係数(ここで、niは、前記第i面上に形成された
回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光量を有す
る回折光の回折次数、hiは光軸からの高さ(mm)、
2i、b4i、b6i、・・・はそれぞれ2次、4
次、6次、・・・の光路差関数係数(回折面係数ともい
う)である)。
【0124】請求項67に記載の対物レンズは、波長の
異なる光源と、前記光源から出射された光束を光情報記
録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光させる対
物レンズと、を含み、複数の種類の光情報記録媒体に対
して情報の記録および/または再生が可能な記録再生用
の光ピックアップ装置に使用される対物レンズであっ
て、前記対物レンズは、少なくとも1面に輪帯状の回折
面を有し、少なくとも1面が非球面の単玉レンズであ
り、前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2
つの情報記緑媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t1
≦t2)とし、前記透明基板の厚さt1を有する光情報
記録媒体に対して情報の記録または再生を行う際の波長
をλ1とし、前記透明基板の厚さt2を有する光情報記
録媒体に対して情報の記録または再生を行う際の波長を
λ2(λ1<λ2)とし、波長λ1の光束により、透明
基板の厚さt1の光情報記録媒体に記録または再生を行
うのに必要な所定の像側開口数をNA1とし、波長λ2
の光束により、透明基板の厚さt2の光情報記録媒体に
記録または再生を行うのに必要な所定の像側開口数をN
A2(NA1≧NA2)としたとき、前記対物レンズ
は、波長λ1と透明基板の厚さt1と像側開口数NA1
との組み合わせに対して、その波面収差が0.07λ1
rms以下になるように集光でき、かつ波長λ2と透明
基板の厚さt2と像側開口数NA2との組み合わせに対
して、その波面収差が0.07λ2rms以下になるよ
うに集光でき、次式を満たすことを特徴とする。
【0125】 0.5≦(f/νd)・fD≦10.0 (33) ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
わせた対物レンズ全系のλ1における焦点距離(mm) νd:対物レンズの材料のd線のアッべ数
【0126】請求項68に記載の対物レンズは請求項6
7において次式を満たすことを特徴とする。
【0127】 νd≧55.0 (34)
【0128】請求項69に記載の対物レンズは請求項6
7または68において前記対物レンズの色収差が次式を
満たすことを特徴とする。
【0129】 │△fBi・(NAi)│≦0.25μm (i=1および2) (35 ) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
m変化したときの、対物レンズの焦点位置の変化(μ
m)
【0130】請求項70に記載の対物レンズは請求項5
5〜69のいずれか1項において前記波長λ2の光束を
前記透明基板の厚さt2を有する光情報記録媒体に対し
て前記NA1内で波面収差が0.07λ2以上の状態で
集光させることを特徴とする。
【0131】請求項71に記載の対物レンズは請求項5
5〜70のいずれか1項において次式を満たすことを特
徴とする。
【0132】 0.4≦│(Ph/Pf)−2│≦10.0 (36) ただし、Pf:透明基板の厚さt1の光情報記録媒体に
記録および/または再生を行うのに必要な像側開口数N
A1における回折輪帯間隔(mm) Ph:NA1の1/2の開口数における回折輪帯間隔
(mm)
【0133】請求項72に記載の対物レンズは請求項5
5〜71のいずれか1項においてプラスチック材料から
形成されることを特徴とする。
【0134】請求項73に記載の対物レンズは請求項5
5〜71のいずれか1項において次式を満たすことを特
徴とする。
【0135】 t1≦0.6mm (37)
【0136】 t2≧0.6mm (38)
【0137】 λ1≦500nm (39)
【0138】 600nm≦λ2≦800nm (40)
【0139】 NA1≧0.7 (41)
【0140】 NA2≦0.65 (42)
【0141】請求項74に記載の対物レンズは請求項5
5〜73のいずれか1項において飽和吸水率が0.5%
以下である材料から形成されていることを特徴とする。
【0142】請求項75に記載の対物レンズは請求項5
5〜74のいずれか1項において使用波長領域で厚さが
3mmにおける内部透過率が85%以上である材料から
形成されていることを特徴とする。
【0143】請求項76に記載の対物レンズは請求項5
5〜75のいずれか1項において前記対物レンズの球面
収差のうち、3次の球面収差成分をSA1、5次、7次
及び9次の球面収差成分の和をSA2としたとき,次式
を満たすことを特徴とする。
【0144】 |SA1/SA2|>1.0 (63) ただし、SA1:収差関数をツェルニケ(Zernike)の
多項式に展開したときの3次の球面収差成分 SA2:収差関数をツェルニケ(Zernike)の多項式に
展開したときの5次の球面収差成分と7次の球面収差成
分と9次の球面収差成分との2乗和の平方根
【0145】請求項77に記載の集光光学系は、波長の
異なる光源と、前記光源から出射された発散光の発散角
を変えるカップリングレンズと、このカップリングレン
ズを介した波長の異なる光源からの光束を光情報記録媒
体の透明基板を介して情報記録面に集光させる対物レン
ズと、を含み、複数の種類の光情報記録媒体に対して情
報の記録および/または再生が可能な情報記録再生用の
集光光学系であって、前記集光光学系は少なくとも1面
に輪帯状の回折構造を有し、前記互いに異なる波長のう
ち、任意の2つの波長をλ1、λ2(λ1<λ2)と
し、前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2
つの光情報記録媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t
1≦t2)とし、波長λ1の光束により、透明基板の厚
さt1の光情報記録媒体に記録または再生を行うのに必
要な所定の像側開口数をNA1とし、波長λ2の光束に
より、透明基板の厚さt2の光情報記録媒体に記録また
は再生を行うのに必要な所定の像側開口数をNA2(N
A1≧NA2)としたとき、前記集光光学系は、波長λ
1と透明基板の厚さt1と像側開口数NA1との組み合
わせに対して、その波面収差が0.07λ1rms以下
になるように集光でき、かつ波長λ2と透明基板の厚さ
t2と像側開口数NA2との組み合わせに対して、その
波面収差が0.07λ2rms以下になるように集光で
き、前記カップリングレンズは光軸方向に沿って変移す
ることで前記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の
変動を補正することを特徴とする。
【0146】請求項78に記載の集光光学系は請求項7
7において前記波長λ2の光束を前記透明基板の厚さt
2を有する光情報記録媒体に対して前記NA1内で波面
収差が0.07λ2以上の状態で集光させることを特徴
とする。
【0147】請求項79に記載の集光光学系は請求項7
7または78において前記回折構造は対物レンズで発生
する色収差を補正することを特徴とする。
【0148】請求項80に記載の集光光学系は請求項7
7〜79のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは対物レンズで発生する色収差を補正する機能を有す
ることを特徴とする。
【0149】請求項81に記載の集光光学系は請求項8
0において前記カップリングレンズは相対的にアッべ数
の大きい正レンズと、相対的にアッベ数の小さい負レン
ズとを接合した1群2枚構成であることを特徴とする。
【0150】請求項82に記載の集光光学系は請求項8
0において前記カップリングレンズは少なくとも1面に
輪帯状の回折構造を有する単玉レンズであることを特徴
とする。
【0151】請求項83に記載の集光光学系は請求項7
7〜82のいずれか1項において前記カップリングレン
ズと前記対物レンズとの合成系の色収差が次式を満たす
ことを特徴とする。
【0152】 │△fBi・(NAi)│≦0.25μm (i=1および2) (44 ) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
m変化したときの、合成系の焦点位置の変化(μm)
【0153】請求項84に記載の集光光学系は請求項7
7〜83のいずれか1項において次式を満たすことを特
徴とする。
【0154】 t1≦0.6mm (45)
【0155】 t2≧0.6mm (46)
【0156】 λ1≦500nm (47)
【0157】 600nm≦λ2≦800nm (48)
【0158】 NA1≧0.65 (49)
【0159】 NA2≦0.65 (50)
【0160】請求項85に記載の集光光学系は請求項7
7〜84のいずれか1項において前記対物レンズは請求
項55〜76のいずれか1項に記載の対物レンズである
ことを特徴とする。
【0161】請求項86に記載の集光光学系は請求項7
7〜85のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、前記透明基板の厚さが異なる複数の光情報記録媒
体に対してそれぞれの透明基板の厚さに応じて前記対物
レンズに入射する光束の発散度を変えることを特徴とす
る。
【0162】請求項87に記載の集光光学系は請求項7
7〜86のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、光軸方向に沿って変移することで、前記光源の発
振波長の微少な変動に起因して集光光学系の各光学面で
生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする。
【0163】請求項88に記載の集光光学系は請求項7
7〜86のいずれか1項において前記対物レンズは少な
くとも1枚のプラスチック材料から形成されたレンズを
含み、前記カップリングレンズは、光軸方向に沿って変
移することで、温湿度変化に起因して集光光学系の各光
学面で生じる球面収差の変動を補正することを特徴とす
る。
【0164】請求項89に記載の集光光学系は請求項7
7〜86のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、光軸方向に沿って変移することで、前記光情報記
録媒体の透明基板の厚さの微少な変動に起因して集光光
学系の各光学面で生じる球面収差の変動を補正すること
を特徴とする。
【0165】請求項90に記載の集光光学系は請求項7
7〜89のいずれか1項において前記カップリングレン
ズは、光軸方向に沿って変移することで、前記光源の発
振波長の微少な変動、温湿度変化、及び前記光情報記録
媒体の透明基板の厚さの微少な変動のうち少なくとも2
つ以上の組み合わせに起因して集光光学系の各光学面で
生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする。
【0166】請求項91に記載の集光光学系は請求項7
7〜90のいずれか1項において前記集光光学系の球面
収差がオーバー側に変動するときは、前記カップリング
レンズは、球面収差が変動する前に比して、前記対物レ
ンズとの間隔を増加させるように光軸方向に沿って変移
し、前記集光光学系の球面収差がアンダー側に変動する
ときは、前記カップリングレンズは、球面収差が変動す
る前に比して、前記対物レンズとの間隔を減少させるよ
うに光軸方向に沿って変移することで集光光学系の各光
学面で生じる球面収差の変動を補正することを特徴とす
る。
【0167】請求項92に記載の光ピックアップ装置
は、波長の異なる光源と、前記光源から出射された発散
光の発散角を変えるカップリングレンズと、このカップ
リングレンズを介した光束を光情報記録媒体の透明基板
を介して情報記録面に集光させる対物レンズと、を含む
集光光学系を備え、前記記撮面からの反射光を検出する
ことで前記複数の種類の光情報記録媒体に対する情報の
記録および/または再生が可能な光ピックアップ装置で
あって、前記光ピックアップ装置は、前記記録面からの
反射光を検出するための受光手段と、前記記録面に光束
を集光させるために前記対物レンズを駆動させる第1の
駆動装置と、を有し、前記カップリングレンズは光軸方
向に沿って変移することで前記集光光学系の各光学面で
生じる球面収差の変動を補正し、前記記録面からの反射
光を検出することで前記記録面上に集光された光束の集
光状態を検出し前記カップリングレンズを駆動させる第
2の駆動装置を更に有し、前記集光光学系が請求項77
〜91のいずれか1項に記載の集光光学系であることを
特徴とする。
【0168】請求項93に記載の、音声および/または
画像の記録装置、および/または、音声および/または
画像の再生装置は、請求項92に記載の光ピックアップ
装置を搭載したことを特徴とする。
【0169】なお、本発明において、回折構造が形成さ
れた面(回折面)とは、光学素子の表面、例えばレンズ
の表面に、レリーフを設けて、入射光束を回折させる作
用を持たせる面のことをいい、同一光学面に回折を生じ
る領域と生じない領域がある場合は、回折を生じる領域
をいう。レリーフの形状としては、例えば、光学素子の
表面に、光軸を中心として略同心円状の輪帯として形成
され、光軸を含む平面でその断面をみれば、各輪帯は鋸
歯状、あるいは階段状のような形状が知られているが、
そのような形状を含むものである。
【0170】また、本発明において、情報の記録および
再生とは、上記のような光情報記録媒体の情報記録面上
に情報を記録すること、情報記録面上に記録された情報
を再生することをいう。本発明の集光光学系は、記録だ
けあるいは再生だけを行うために用いられるものであっ
てもよいし、記録および再生の両方を行うために用いら
れるものであってもよい。また、ある光情報記録媒体に
対しては記録を行い、別の光情報記録媒体に対しては再
生を行うために用いられるものであってもよいし、ある
光情報記録媒体に対しては記録または再生を行い、別の
光情報記録媒体に対しては記録および再生を行うために
用いられるものであってもよい。なお、ここでいう再生
とは、単に情報を読み取ることを含むものである。
【0171】また、本発明において、対物レンズの第1
面とは、対物レンズの光源側の光学面のことを指し、対
物レンズの第2面とは、対物レンズの光情報記録媒体側
の光学面のことを指す。
【0172】
【作用】請求項1の対物レンズによれば、開口数が大き
くそれでいてプラスチック材料からなり軽量で大量生産
可能で安価になり、光情報記録媒体の記録・再生用単玉
対物レンズを得ることができるとともに、非球面とする
ことにより球面収差を補正でき、回折構造により色収差
を補正できる。対物レンズはプラスチック材料からなる
ので、回折構造を容易に設けることができ、また軽量で
あるので、光ピックアップ装置でフォーカシング機構へ
の負担を軽減することが出来る。プラスチック材料とし
ては、アッべ数が大きく、波長500nm以下での透過
率が大きく、複屈折が小さく、吸水率が小さいことが好
ましいので、ポリオレフィン系樹脂が望ましい。特にポ
リオレフィン系のノルボルネン系樹脂が望ましい。さら
に、開口数を0.7以上とすることで情報記録面上に集
光するスポットを小さくできるので、CD(開口数0.
45)やDVD(開口数0.60)のごとき従来の光情
報記録媒体に比べより高密度に情報の記録および/また
は高密度記録された情報の読み取りが可能となる。
【0173】この対物レンズは、請求項2にあるように
両面に非球面を有することが好ましく、両面を非球面と
することでより精緻に収差の補正が可能となる。
【0174】請求項3の条件式(2)を満たすような焦
点距離を有する輪帯状の回折構造を対物レンズに設ける
ことで、軸上色収差を補正できる。この回折構造は、レ
ーザ光源の波長が長波長側に微少変動した際に、バック
フォーカスが短くなる方向に変化するような波長特性を
有するので、屈折レンズとしての屈折パワーと、回折レ
ンズとしての回折パワーを上式を満たすように適切に選
ぶことで、500nm以下の短波長を発振波長にもつ光
源を用いた場合に問題となる、対物レンズで発生する軸
上色収差を補正することが可能である。fD/fの値が
上式の下限以上で対物レンズの軸上色収差が補正過剰に
なりすぎず、上限以下で対物レンズの軸上色収差が補正
不足になり過ぎない。
【0175】請求項4の条件式(3)を満足するように
回折構造を形成すると、色収差の補正を適切にすること
ができる。条件式(3)の上限を超えないようにすると
色収差が過剰に補正され過ぎることがなく、下限を超え
ないようにすると補正不足とならない。
【0176】請求項5の対物レンズによれば、プラスチ
ック材料からなり軽量で大量生産可能で安価になり、短
波長の光で光情報記録媒体の記録・再生が可能な単玉対
物レンズを得ることができるとともに、非球面とするこ
とにより球面収差を補正でき、回折構造により色収差を
補正できる。対物レンズはプラスチック材料からなるの
で、回折構造を容易に設けることができ、また軽量であ
るので、光ピックアップ装置でフォーカシング機構への
負担を軽減することが出来る。プラスチック材料として
は、アッべ数が大きく、波長500nm以下での透過率
が大きく、複屈折が小さく、吸水率が小さいことが好ま
しいので、ポリオレフィン系樹脂が望ましい。特にポリ
オレフィン系のノルボルネン系樹脂が望ましい。さら
に、使用波長を500nm以下とすることで情報記録面
上に集光するスポットを小さくできるので、CD(78
0nm)やDVD(650nm)のごとき従来の光情報
記録媒体に比べより高密度に情報の記録および/または
高密度記録された情報の読み取りが可能となる。
【0177】この対物レンズは、請求項6にあるように
両面に非球面を有することが好ましく、両面を非球面と
することでより精緻に収差の補正が可能となる。
【0178】請求項7の条件式(5)を満たすような焦
点距離を有する輪帯状の回折構造を対物レンズに設ける
ことで、軸上色収差を補正できる。この回折構造は、レ
ーザ光源の波長が長波長側に微少変動した際に、バック
フォーカスが短くなる方向に変化するような波長特性を
有するので、屈折レンズとしての屈折パワーと、回折レ
ンズとしての回折パワーを上式を満たすように適切に選
ぶことで、500nm以下の短波長を発振波長にもつ光
源を用いた場合に問題となる、対物レンズで発生する軸
上色収差を補正することが可能である。fD/fの値が
上式の下限以上で対物レンズの軸上色収差が補正過剰に
なりすぎず、上限以下で対物レンズの軸上色収差が補正
不足になり過ぎない。
【0179】請求項8の条件式(6)を満足するように
回折構造を形成すると、色収差の補正を適切にすること
ができる。条件式(6)の上限を超えないようにすると
色収差が過剰に補正され過ぎることがなく、下限を超え
ないようにすると補正不足とならない。
【0180】請求項9の対物レンズによれば、プラスチ
ック材料からなり軽量で大量生産可能で安価になり、光
情報記録媒体の記録・再生が可能な単玉対物レンズを得
ることができるとともに、非球面とすることにより球面
収差を補正でき、回折構造により色収差を補正できる。
対物レンズはプラスチック材料からなるので、回折構造
を容易に設けることができ、また軽量であるので、光ピ
ックアップ装置でフォーカシング機構への負担を軽減す
ることが出来る。プラスチック材料としては、アッべ数
が大きく、波長500nm以下での透過率が大きく、複
屈折が小さく、吸水率が小さいことが好ましいので、ポ
リオレフィン系樹脂が望ましい。特にポリオレフィン系
のノルボルネン系樹脂が望ましい。更に、条件式(7)
を満たすような焦点距離を有する輪帯状の回折構造を対
物レンズに設けることで、軸上色収差を良好に補正でき
る。この回折構造は、レーザ光源の波長が長波長側に微
少変動した際に、バックフォーカスが短くなる方向に変
化するような波長特性を有するので、屈折レンズとして
の屈折パワーと、回折レンズとしての回折パワーを上式
を満たすように適切に選ぶことで、500nm以下の短
波長を発振波長にもつ光源を用いた場合に問題となる、
対物レンズで発生する軸上色収差を補正することが可能
である。fD/fの値が上式の下限以上で対物レンズの
軸上色収差が補正過剰になりすぎず、上限以下で対物レ
ンズの軸上色収差が補正不足になり過ぎない。
【0181】この対物レンズは、請求項10にあるよう
に両面に非球面を有することが好ましく、両面を非球面
とすることでより精緻に収差の補正が可能となる。
【0182】請求項11の条件式(8)を満足するよう
に回折構造を形成すると、色収差の補正を適切にするこ
とができる。条件式(8)の上限を超えないようにする
と色収差が過剰に補正され過ぎることがなく、下限を超
えないようにすると補正不足とならない。
【0183】請求項13の対物レンズによれば、プラス
チック材料からなり軽量で大量生産可能で安価になり、
光情報記録媒体の記録・再生が可能な単玉対物レンズを
得ることができるとともに、非球面とすることにより球
面収差を補正でき、回折構造により色収差を補正でき
る。対物レンズはプラスチック材料からなるので、回折
構造を容易に設けることができ、また軽量であるので、
光ピックアップ装置でフォーカシング機構への負担を軽
減することが出来る。プラスチック材料としては、アッ
べ数が大きく、波長500nm以下での透過率が大き
く、複屈折が小さく、吸水率が小さいことが好ましいの
で、ポリオレフィン系樹脂が望ましい。特にポリオレフ
ィン系のノルボルネン系樹脂が望ましい。更に、条件式
(9)を満足するように回折構造を形成すると、色収差
の補正を適切にすることができる。条件式(9)の上限
を超えないようにすると色収差が過剰に補正され過ぎる
ことがなく、下限を超えないようにすると補正不足とな
らない。
【0184】条件式(9)は、請求項14のように条件
式(10)を満たすことが好ましく、また請求項15の
ように条件式(11)を満たすことが更に好ましい。
【0185】この対物レンズは、請求項16にあるよう
に両面に非球面を有することが好ましく、両面を非球面
とすることでより精緻に収差の補正が可能となる。
【0186】波長400nm程度の光を発生する光源を
使用する光ピックアップ装置用の対物レンズに、輪帯状
の回折構造を形成し、軸上色収差を補正する場合、回折
構造には大きな回折パワーが必要である。なぜなら、一
般的な光学材料では、短波長になるほど微少な波長変化
に対する屈折率の変化は大きくなるからである。そのた
め、単玉の対物レンズにおいて、1つの面上のみに回折
構造を形成した場合、回折輪帯の光軸方向の最小間隔が
小さくなりすぎてしまい、回折構造の製造時の形状誤差
による回折効率の低下の影響が顕著になる。そこで、請
求項17のように、両面上に回折構造を形成し、回折パ
ワーを2つの面に分配することで、各面上に形成された
回折輪帯の間隔を大きくすることができるので、製造し
やすく、それでいて回折効率の良い対物レンズとするこ
とができる。
【0187】このとき、0.10≦λ・f・Σ(ni/
(Mi・Pi))≦3.00を満たすように各面の回
折構造の形状を決定することで、良好に軸上色収差が補
正された両面回折レンズとすることができる。上式の下
限以上で軸上色収差が補正不足になりすぎず、上限以下
で軸上色収差が補正過剰になりすぎない。
【0188】上述の作用を達成するには、請求項18の
ように、 0.20≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
2.50 を満たすのがより好ましい。
【0189】また、請求項19のように、正のパワーを
有する回折構造はアッベ数に負の値を有するので、回折
構造の回折レンズとしての焦点距離fDと、対物レンズ
全系の焦点距離fを、2.0≦fD/f≦30.0を満
たすように選択することで、波長400nm程度の光を
発生する単色性の悪い光源を用いた場合に問題となる軸
上色収差を良好に補正できる。fD/fの値が上式の下
限以上で対物レンズ全系の軸上色収差が補正不足になり
すぎず、上限以下で対物レンズ全系の軸上色収差が補正
過剰になり過ぎない。上述の作用を達成するには、2.
0≦fD/f≦65.0、を満たすことがより好まし
い。
【0190】また、請求項21における、0.35<
(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)<0.55
の式は、像側開口数が0.70以上であって両面が非球
面となされた単玉の対物レンズであって、少なくとも1
つの面上に回折構造が形成された対物レンズ(以下、両
面非球面−回折対物レンズと呼ぶ)において、正弦条件
が良好に満足され、かつ各面間の光軸ずれによる高次の
コマ収差が良好に補正された対物レンズとするための、
各面のサグ量(X1及びX2)に関する条件である。像
側開口数が0.70以上の両面非球面−回折対物レンズ
では、(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)の値
が上記の範囲内にあれば、光束が入射した場合に発生す
る高次コマ収差が大きくなりすぎず、各面間の光軸ずれ
による高次のコマ収差が大きくなりすぎない。また、光
源から射出される光の波長が微少量変化した場合の球面
収差の変化量が大きくなりすぎない。さらに、下限以上
でマージナル光線の球面収差が補正過剰になり過ぎず、
上限以下でマージナル光線の球面収差が補正不足になり
過ぎない。上述の作用を達成するには、 0.39<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)
<0.52 を満たすのがより好ましい。
【0191】また、請求項23における、0.39<
(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)<0.52
の式は、像側開口数が0.75〜0.95の範囲にある
両面非球面−回折対物レンズにおいて、正弦条件が良好
に満足され、かつ各面間の光軸ずれによる高次のコマ収
差が良好に補正された対物レンズとするための、各面の
サグ量(X1及びX2)に関する条件である。像側開口
数が0.75より大きい両面非球面−回折対物レンズで
は、(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)の値が
上記の範囲内にあれば、光束が入射した場合に発生する
高次コマ収差が大きくなりすぎず、各面間の光軸ずれに
よる高次のコマ収差が大きくなりすぎない。また、光源
から射出される光の波長が微少量変化した場合の球面収
差の変化量が大きくなりすぎない。さらに、下限以上で
マージナル光線の球面収差が補正過剰になり過ぎず、上
限以下でマージナル光線の球面収差が補正不足になり過
ぎない。
【0192】請求項27は対物レンズの軸上色収差の発
生量に関し、対物レンズの軸上色収差が条件式(12)
を満足していれば、使用波長を500nm以下の短波長
とし、高開口数化した場合でも、光源のモードホップ現
象による瞬時的な発振波長の変動が起きたときの焦点位
置の変化を小さく抑えることが出来る。
【0193】請求項28は光源の波長が変化したときの
球面収差の補正に関し、光ピックアップ装置において光
源として用いられる半導体レーザは個体間で±10nm
ほどの微少な発振波長のばらつきがある。そのため基準
波長から波長が変化したときに対物レンズで発生する球
面収差が大きく変化してしまうと、発振波長が基準波長
からずれた半導休レーザは使用できなくなるが、この問
題は、対物レンズに設けた回折構造が条件式(13)を
満足すれば解決できる。この条件式(13)を満たして
いれば、波長変化による球面収差の変化を回折の作用に
より良好に打ち消すことができ、下限以上で基準波長か
ら波長が変化したときの球面収差が補正過剰になりすぎ
ず、上限以下で基準波長から波長が変化したときの球面
収差が補正不足になり過ぎないので、使用波長を500
nm以下の短波長とし、高開口数化した場合でも、発振
波長が基準波長から微少にずれた半導体レーザを使用す
ることが可能となる。
【0194】請求項29は回折構造の輪帯間隔すなわち
光軸に垂直な方向の輪帯間の問隔に関し、光路差関数が
2次の光路差関数係数(回折面係数ともいう)しか有し
ないならば、(Ph/Pf)−2=0となるが、本発明
では基準波長からの微少な波長変化によって生じる球面
収差の変化を回折の作用により良好に補正するために、
光路差関数の高次の光路差関数係数を用いることが好ま
しいが、このとき、(Ph/Pn−2)が0からある程
度離れた値をとることが好ましく、この条件を満たして
いれば、波長変化による球面収差の変化を回折の作用に
より良好に打ち消すことができる。下限以上で基準波長
から波長が変化したときの球面収差が補正過剰になりす
ぎず、上限以下で基準波長から波長が変化したときの球
面収差が補正不足になり過ぎない。
【0195】請求項30は光源の波長が変化したときの
球面収差の発生量に関し、正の屈折パワーを有する屈折
レンズでは波長が基準波長から長波長側に変化した場
合、補正過剰の球面収差が発生するが、波長が基準波長
から長波長側に変化したときに対物レンズの球面収差が
補正不足の方向に変化するような球面収差特性を有する
回折構造を設けることで、屈折レンズで発生する補正過
剰の球面収差を良好に補正することができる。このと
き、波長が+10nm変化した際のマ―ジナル光線の球
面収差の変化量(│△SA│)が条件式15を満たすこ
とが好ましい.この条件を満たしていれば、波長が基準
波長から+10nm変化したときの球面収差が補正過剰
あるいは補正不足になり過ぎない。ここで、マージナル
光線の球面収差の変化量△SAは、基準波長λ0におけ
る球面収差カーブをその下端がλ0+10nmにおける
球面収差カーブの下端に重なる位置まで平行移動させた
際の球面収差カーブの上端と、λ0+10nmにおける
球面収差カーブの上端との幅により表される。
【0196】また、一般的な光学材料では、短波長にな
るほど微少な波長変化に対する屈折率の変化は大きくな
るため、波長400nm程度の光を発生する光源を使用
する光ピックアップ装置用の対物レンズに、輪帯状の回
折構造を形成し、軸上色収差を補正する場合、回折構造
には大きな回折パワーが必要であり、隣り合う回折輪帯
の間隔が小さくなりがちである。回折輪帯の間隔が小さ
いと、製造誤差による回折効率低下への影響が大きくな
るので、実用上好ましくない。そこで、請求項31にあ
るように、回折レンズとしての回折作用と屈折レンズと
しての屈折作用とを合わせた場合に、光源の波長が長波
長側に変動した際のバックフォーカスが、波長が変動す
る前のバックフォーカスに比して短くなる方向に変化す
るような軸上色収差特性を有し、 −1<ΔCA/ΔSA<0 上式を満たすようにすると、波長400nm程度の光を
発生する光源を使用する光ピックアップ装置用の対物レ
ンズであっても、回折輪帯の間隔が大きく確保され、そ
れでいて光源がモードホッピングした場合の波面収差の
デフォーカス成分が小さい対物レンズとすることができ
る。
【0197】上式は、回折作用により、対物レンズの軸
上色収差を補正過剰として基準波長の球面収差カーブと
長・短波長側の球面収差カーブ(色の球面収差ともい
う)を交差させることを意味する。これにより、光源の
波長が変動した際のベストフォーカス位置の移動が小さ
く抑えられるので、光源がモードホッピングした場合の
波面収差のデフォーカス成分を小さくすることができ
る。
【0198】また、上記のように色収差を補正すると、
軸上色収差と色の球面収差をともに補正することで光源
がモードホッピングした場合の波面収差のデフォーカス
成分を小さくする場合よりも、回折輪帯の間隔を大きく
することができるので、輪帯形状の製造誤差による回折
効率の低化の防止を達成できる。
【0199】請求項33は光情報記録媒体に対する情報
の記録・再生を、回折構造で発生する2次以上の高次回
折光を使用して行う対物レンズに関し、n次の回折光を
使用する場合、±1次の回折光を使用する場合に比べ回
折構造の輪帯間隔を約n倍、輪帯数を約1/n倍とする
ことが出来るので、回折構造を付加するための金型を製
造しやすく、その加工時間を短縮することができ、加工
・製造誤差による回折効率の低下を防ぐことが出来る。
【0200】請求項34にあるように、対物レンズに形
成された回折構造のうち、少なくとも1つの面上に形成
された回折構造の輪帯構造の光軸方向の段差量を、nを
0、±1以外の整数として、n次の高次回折光が最大の
回折光量を有するように決定すると(以下、このように
輪帯構造が決定された回折構造が形成された面を、高次
回折面と呼ぶ)、±1次回折光を利用する場合に比し
て、回折輪帯間隔の最小値を緩和できるので、輪帯構造
の形状誤差による回折効率低下の影響を小さくできる。
このとき、対物レンズに形成された回折面のうちすべて
の回折面を高次回折面としてもよいし、±1次回折光を
利用する場合の回折輪帯間隔の最小値が特に小さくなる
回折面のみを高次回折面としてもよい。また、回折光量
が最大となる回折次数の値が回折面毎に異なるようにし
てもよい。
【0201】請求項35のように材料を選ぶと、対物レ
ンズが空気中の水分を吸収する過程においてレンズ内に
吸水率の差によって屈折率分布が生じにくく、それによ
る収差を小さくすることができる。特にNAが大きい
と、収差の発生は大きくなる傾向があるが、上記のよう
にすると十分小さくすることができる。
【0202】請求項36のように使用波長範囲で材料の
3mm厚に対する内部透過率が85%以上のものを材料
とすると、使用波長を500nm以下の短波長としても
記録光の強度が十分得られ、また読み出し時に対物レン
ズを往復で通過してもセンサヘ入射する光量が十分得る
ことができ、読み出し信号のS/N比を良くすることが
できる。また、使用波長が500nm以下、特に400
nm程度になると吸収によるレンズ材料の劣化が無視で
きなくなるが、上記条件を満たした材料を用いた対物レ
ンズとすれば劣化の影響は僅かとなり、半永久的に使用
が可能となる。
【0203】請求項37は、対物レンズの中心厚さが設
計値に対して誤差を持った際、対物レンズで発生する球
面収差の3次成分と5次以上の高次成分とのバランスに
関し、高NAの対物レンズでは、中心厚さの僅かな誤差
に対しても、発生する球面収差の量は大きくなりがちで
あるので、許容される中心厚さ誤差は数μmと非常に小
さい。しかし、モールドレンズの場合、安定して数μm
以下の中心厚さ誤差を得ることは難しい。一方、本発明
による集光光学系ではカップリングレンズを光軸方向に
沿って動かして対物レンズに入射する光束の発散角を変
えることにより、集光光学系で発生する球面収差のうち
3次の球面収差成分を補正することができる.したがっ
て、対物レンズの球面収差が条件式(18)を満たして
いれば、たとえ対物レンズの中心厚さが設計値に対して
微少な誤差をもっていてもカップリングレンズを光軸方
向に沿って適切な量だけ動かせば3次の球面収差成分を
除去することができるので、集光光学系全系の残存球面
収差量を小さく抑えることが出来る。
【0204】請求項38は、より高密度な次世代の光情
報記録媒体の記録および/または再生用の光ピックアッ
プ装置に用いられる集光光学系の好ましい構成に関す
る。従来の技術で述べたように対物レンズの高開口数化
および光源の短波長化が図られてくると、光源の微少な
発振波長の変動および温・湿度変化および光情報記録媒
体の透明基板厚さの微少な変化に起因する球面収差の変
化量は無視できないほど大きくなるので、適切な情報の
記録および/または再生ができなくなってしまうが、こ
の問題は前記カップリングレンズを光軸に沿って可動と
することで解決される。すなわち、集光光学系の球面収
差がオーバー或いはアンダー側に変動した場合、カップ
リングレンズを光軸方向に適切な量だけ変移させること
で、対物レンズに入射する光束の発散角を変える。これ
により対物レンズを透過する波面に対し、集光光学系全
休で発生する球面収差と逆の極性の球面収差を発生させ
ることが出来る。その結果、焦点を結んだときの波面は
球面収差がキャンセルされた状態になり、集光光学系全
休として、良好に球面収差を補正することが出来る。さ
らに、対物レンズの高開口数化および光源の短波長化が
図られてくると、対物レンズで発生する軸上色収差の補
正が重要となる。この間題は、光源の波長が長波長側に
変化した際、対物レンズのバックフォーカスが短くなる
ような波長特性を有する回折構造を集光光学系のいずれ
かの面に設けることで解決される。この回折構造は対物
レンズに設けても良いしカップリングレンズに設けても
良い。また、対物レンズとカップリングレンズの両方に
設けることで回折レンズのパワーを分担できるので、回
折構造の輪帯間隔が大きくなり回折効率が高い回折レン
ズが製造しやすくなる。さらに、この回折構造は集光光
学系中の対物レンズとカップリングレンズ以外の光学素
子に設けても良い。また、これらの回折構造は対物レン
ズで発生する軸上色収差に加え、集光光学系中の対物レ
ンズ以外の光学要素で発生する軸上色収差も補正するこ
とが好ましい。
【0205】請求項41はカップリングレンズの構成に
関し、相対的にアッべ数の大きい正レンズと相対的にア
ッべ数の小さい負レンズとを接合した1群2枚構成とす
ることにより、簡易な構成で対物レンズで発生する軸上
色収差を補正することが出来る。
【0206】請求項42によれば、単玉という簡易な構
成で対物レンズで発生する軸上色収差を良好に補正する
ことができる。
【0207】請求項43は、カップリングレンズと対物
レンズの合成系の軸上色収差に関し、合成系の軸上色収
差が、条件式(19)を満たしていれば、レーザ光源の
モードホップ現象による発振波長変動や高周波重畳に対
する波面収差の劣化を小さく抑えることが出来る。
【0208】請求項45は光情報記録媒体に対する情報
の記録・再生を、回折構造で発生する2次以上の高次回
折光を使用して行う集光光学系に関し、n次の回折光を
使用する場合、±1次の回折光を使用する場合に比べ回
折構造の輪帯間隔を約n倍、輪帯数を約1/n倍とする
ことが出来るので、回折構造を付加するための金型を製
造しやすく、その加工時間を短縮することができ、加工
・製造誤差による回折効率の低下を防ぐことが出来る。
【0209】請求項47は、光源の半導体レーザの発振
波長が変動した場合に、光ピックアップ装置の集光光学
系で生じた球面収差の補正に関し、発振波長が基準波長
から変動した場合、集光光学系ではオーバー或いはアン
ダーな球面収差が発生するが、カップリングレンズを光
軸方向に適切な量だけ変移させることで、対物レンズに
入射する光束の発散角を変える。これにより、集光光学
系で生じた球面収差の変動をキャンセルすることが出来
る。
【0210】請求項48は、温度或いは湿度が変化した
場合に、光ピックアップ装置の集光光学系で生じた球面
収差の補正に関し、温湿度変化に起因して集光光学系で
オーバー或いはアンダーな球面収差が発生した場合、カ
ップリングレンズを光軸方向に適切な量だけ変移させる
ことで、対物レンズに入射する光束の発散角を変える。
これにより、集光光学系で生じた球面収差の変動をキャ
ンセルすることが出来る。
【0211】請求項49は、光情報記録媒体の保護層
(透明基板)の厚み誤差に起因して、集光光学系で発生
する球面収差の補正に関し、保護層が厚くなる方向に誤
差を持つ場合、集光光学系ではオーバーな球面収差が、
薄くなる方向に誤差を持つ場合、アンダーな球面収差が
発生する。このとき、カップリングレンズを光軸方向に
適切な量だけ変移させることで、対物レンズに入射する
光束の発散角を変える。これにより、集光光学系で生じ
た球面収差の変動をキャンセルすることが出来る。
【0212】請求項50は、レーザの発振波長の微少な
変動、温湿度変化、及び光情報記録媒体の保護層の厚み
の微少な変動のうち少なくとも2つ以上の組み合わせに
起因して、集光光学系で発生した球面収差の補正に関
し、この場合もカップリングレンズを光軸方向に適切な
量だけ変移させることで、対物レンズに入射する光束の
発散角を変える。これにより、集光光学系で生じた球面
収差の変動をキャンセルすることが出来る。
【0213】請求項51によれば、対物レンズとの間隔
を増加させるようにカップリングレンズを光軸方向に沿
って変移させれば、対物レンズには変移させる前に比べ
て発散光が入射するので、対物レンズではアンダーな球
面収差を発生させることが出来る。従って、上述の原因
に起因して、集光光学系でオーバーな球面収差が発生し
た場合、適切な量だけカップリングレンズを変移させ対
物レンズとの間隔を増加させれば、発生したオーバーな
球面収差をちょうどキャンセルすることが出来る。逆
に、対物レンズとの間隔を減少させるようにカップリン
グレンズを光軸方向に沿って変移させれば、対物レンズ
には変移させる前に比べて収束光が入射するので、対物
レンズではオーバーな球面収差を発生させることが出来
る。従って、上述の原因に起因して、集光光学系でアン
ダーな球面収差が発生した場合、適切な量だけカップリ
ングレンズを変移させ対物レンズとの間隔を減少させれ
ば、発生したアンダーな球面収差をちょうどキャンセル
することが出来る。
【0214】請求項52によれば、光情報記録媒体が保
護層などの透明基板を挟んで2つあるいはそれ以上の記
録層を有する場合でも、各記録面における透明基板の厚
さの違いによって生ずる球面収差の変動を補正するの
で、各記録面への集光スポットの集光状態を常に良好に
保つことができ、情報記録媒体の片側の面に2倍あるい
はそれ以上の容量の情報を記録および/または再生可能
な集光光学系を得ることができる。
【0215】請求項53は、対物レンズで発生する軸上
色収差の変動及びカップリングレンズ及び対物レンズを
含む集光光学系の各光学面で発生する球面収差の変動を
良好に補正可能な光ピックアップ装置に関し、カップリ
ングレンズを光軸に沿って変移させることで、集光光学
系の各光学面で発生する球面収差の変動を補正すること
ができる。すなわち、集光光学系の球面収差がオーバー
或いはアンダー側に変動した場合、カップリングレンズ
を光軸方向に適切な量だけ変移させることで、対物レン
ズに入射する光束の発散角を変える。これにより対物レ
ンズを透過する波面に対し、集光光学系全体で発生する
球面収差と逆の極性の球面収差を発生させることが出来
る。その結果、焦点を縮んだときの波面は球面収差がキ
ャンセルされた状態になり、集光光学系全体として、良
好に球面収差を補正することが出来る。また、集光光学
系中に設けた回折構造の作用により集光光学系で発生す
る軸上色収差を補正することで、モードホップなどカッ
プリングレンズの球面収差補正機能が追従できない瞬時
的な波長変動が起きた場合でもスポット径が大きくなり
すぎることがないので、安定した情報の記録および/ま
たは再生を行うことができる。第2の駆動装置はカップ
リングレンズを光軸方向に沿って変移させるが、実際の
光ピックアップ装置では、再生信号のRF振幅などをモ
ニターしながら集光光学系で発生した球面収差が最適に
補正されるようにカップリングレンズを変移させる。こ
の第2の駆動装置としては、ボイスコイル型アクチュエ
ーターやピエゾアクチュエーターなどを用いることが出
来る。
【0216】請求項54によれば、音声、画像の記録装
置・再生装置が上述の光ピックアップ装置を搭載したこ
とにより、良好な記録・再生を行うことができる。
【0217】請求項55によれば、透明基板の厚さが異
なる複数の光情報記録媒体に対して異なる波長で情報の
記録または再生を行うことのできる光ピックアップ装置
に適した高開口数の対物レンズを得ることができる。具
体的には、それぞれの光情報記録媒体に対して記録およ
び/または再生を行う際の波長の差による回折作用の差
を利用して、透明基板の厚さの違いにより発生する球面
収差を補正する。その際、波長λ1の光束を透明基板の
厚さt1を有する光情報記録媒体に対して像側開口数N
A1内で波面収差が0.07λ1の状態でその情報記録
面に集光でき、かつ波長λ2の光束を透明基板の厚さt
2を有する光情報記録媒体に対して像側開口数NA2内
で波面収差が0.07λ2の状態でその情報記録面に集
光できるように球面収差を補正すればよく、さらにNA
1を0.7以上に高めることで情報記録面上に集光する
スポットを小さくできるので、より高密度な光情報記録
媒体と従来の比較的低密度な光情報記録媒体の両方に対
して安定した情報の記録および/または再生を行うこと
ができる。
【0218】請求項56によれば、両面を非球面とする
ことでより精緻に収差の補正が可能となる。
【0219】上記回折面の作用により、異なる2波長の
領域の各々に対して、ある1つの同次数の回折光により
軸上色収差を補正する場合、バランスよく補正すること
が必要である。すなわち、600nm〜800nmの比
較的長波長の領域に対し、500nm以下の短波長領域
では、軸上色収差は対物レンズで大きく発生する。従っ
て、500nm以下の短波長領域で軸上色収差をほぼ完
全に補正した場合、600nm〜800nmの長波長の
領域では、軸上色収差は補正過剰になりすぎてしまう。
逆に、600nm〜800nmの長波長の領域で軸上色
収差をほぼ完全に補正した場合、500nm以下の短波
長領域では軸上色収差は補正不足になりすぎてしまう。
このとき、請求項57のように、条件式(24)を満た
すように、屈折レンズの屈折パワー及び対物レンズのア
ッべ数に対して、回折面の回折パワーを設定すると、短
波長領域と長波長領域の各々に対して軸上色収差を良好
に補正することが出来る。条件式(24)の下限以上で
長波長領域で軸上色収差が補正過剰になりすぎず、上限
以下で短波長領域で軸上色収差が補正不足になり過ぎな
い。
【0220】請求項58は対物レンズの材料のアッべ数
の好ましい条件に関し、条件式(25)を満足すると、
屈折作用により生じる軸上色収差を小さく抑えられるの
で、上記回折構造で異なる2波長の領域の各々に対して
軸上色収差を補正した場合に、2次スペクトルを小さく
抑えることができる。
【0221】請求項59によれば、対物レンズの色収差
が条件式(26)を満たすと、レーザ光源のモードホッ
プ現象による発振波長変動や高周波重畳に対する波面収
差の劣化を小さく抑えることが出来る。
【0222】本発明による透明基板の厚さの異なる複数
の光情報記録媒体に対して情報の記録および/または再
生が可能な対物レンズでは、少なくとも1つの面に設け
た回折構造の作用により透明基板の厚さの違いにより発
生する球面収差を補正する。このとき、請求項60の条
件式(27)を満たすように対物レンズの回折構造の2
次の光路差関数係数を選び、対物レンズの軸上色収差を
回折構造により補正しない、あるいは長波長領域におい
て対物レンズで発生する軸上色収差が補正過剰になり過
ぎない程度に短波長領域における軸上色収差を補正する
とよい。これにより、回折構造が軸上色収差補正の役割
を大きくもつことがないので、回折構造の負担を軽減で
き、輪帯間隔が大きく輪帯数が少ない回折効率の高い回
折レンズを製造しやすい。
【0223】請求項61によれば、透明基板の厚さが異
なる複数の光情報記録媒体に対して一方が500nm以
下の短波長(λ1)の異なる波長で情報の記録または再
生を行うことのできる光ピックアップ装置に適した対物
レンズを得ることができる。具体的には、それぞれの光
情報記録媒体に対して記録および/または再生を行う際
の波長の差による回折作用の差を利用して、透明基板の
厚さの違いにより発生する球面収差を補正する。その
際、波長λ1の光束を透明基板の厚さt1を有する光情
報記録媒体に対して像側開口数NA1内で波面収差が
0.07λ1の状態でその情報記録面に集光でき、かつ
波長λ2の光束を透明基板の厚さt2を有する光情報記
録媒体に対して像側開口数NA2内で波面収差が0.0
7λ2の状態でその情報記録面に集光できるように球面
収差を補正すればよく、さらにλ1を500nm以下に
することで情報記録面上に集光するスポットを小さくで
きるので、より高密度な光情報記録媒体と従来の比較的
低密度な光情報記録媒体の両方に対して安定した情報の
記録および/または再生を行うことができる。
【0224】請求項62によれば、両面を非球面とする
ことでより精緻に収差の補正が可能となる。
【0225】請求項63のように、条件式(29)を満
たすように、屈折レンズの屈折パワー及び対物レンズの
アッべ数に対して、回折面の回折パワーを設定すると、
短波長領域と長波長領域の各々に対して軸上色収差を良
好に補正することが出来る。条件式(29)の下限以上
で長波長領域で軸上色収差が補正過剰になりすぎず、上
限以下で短波長領域で軸上色収差が補正不足になり過ぎ
ない。
【0226】請求項64によれば、条件式(30)を満
足すると、屈折作用により生じる軸上色収差を小さく抑
えられるので、上記回折構造で異なる2波長の領域の各
々に対して軸上色収差を補正した場合に、2次スペクト
ルを小さく抑えることができる。
【0227】請求項65によれば、対物レンズの色収差
が条件式(31)を満たすと、レーザ光源のモードホッ
プ現象による発振波長変動や高周波重畳に対する波面収
差の劣化を小さく抑えることが出来る。
【0228】本発明による透明基板の厚さの異なる複数
の光情報記録媒体に対して情報の記録および/または再
生が可能な対物レンズでは、少なくとも1つの面に設け
た回折構造の作用により透明基板の厚さの違いにより発
生する球面収差を補正する。このとき、請求項66の条
件式(32)を満たすように対物レンズの回折構造の2
次の光路差関数係数を選び、対物レンズの軸上色収差を
回折構造により補正しない、あるいは長波長領域におい
て対物レンズで発生する軸上色収差が補正過剰になり過
ぎない程度に短波長領域における軸上色収差を補正する
とよい。これにより、回折構造が軸上色収差補正の役割
を大きくもつことがないので、回折構造の負担を軽減で
き、輪帯間隔が大きく輪帯数が少ない回折効率の高い回
折レンズを製造しやすい。
【0229】請求項67によれば、光ピックアップ装置
で発生するコマ収差を小さく抑えるために、透明基板厚
を0.2mm以下と小さくすることが有効であるが、透
明基板厚さの異なる複数の光情報記録媒体に対して、そ
の情報記録面にそれぞれ良好なスポットを形成するよう
な波長特性をもつ回折面を対物レンズに設けることによ
り、透明基板厚さの大きな従来の光情報記録媒体も同一
の光ピックアップ装置で記録・再生することが可能とな
る。また、上記回折面の作用により、異なる2波長の領
域の各々に対して、ある1つの同次数の回折光により軸
上色収差を補正する場合、バランスよく補正することが
必要である。すなわち、600nm〜800nmの比較
的長波長の領域に対し、500nm以下の短波長領域で
は、軸上色収差は対物レンズで大きく発生する。従っ
て、500nm以下の短波長領域で軸上色収差をほぼ完
全に補正した場合、600nm〜800nmの長波長の
領域では、軸上色収差は補正過剰になりすぎてしまう。
逆に、600nm〜800nmの長波長の領域で軸上色
収差をほぼ完全に補正した場合、500nm以下の短波
長領域では軸上色収差は補正不足になりすぎてしまう。
このとき、条件式(33)を満たすように、屈折レンズ
の屈折パワー及び対物レンズのアッべ数に対して、回折
面の回折パワーを設定すると、短波長領域と長波長領域
の各々に対して軸上色収差を良好に補正することが出来
る。条件式(33)の下限以上で長波長領域で軸上色収
差が補正過剰になりすぎず、上限以下で短波長領域で軸
上色収差が補正不足になり過ぎない。
【0230】請求項68によれば、条件式(34)を満
足すると、屈折作用により生じる軸上色収差を小さく抑
えられるので、上記回折構造で異なる2波長の領域の各
々に対して軸上色収差を補正した場合に、2次スペクト
ルを小さく抑えることができる。
【0231】請求項69によれば、対物レンズの色収差
が条件式(35)を満たすと、レーザ光源のモードホッ
プ現象による発振波長変動や高周波重畳に対する波面収
差の劣化を小さく抑えることが出来る。
【0232】請求項70にあるように、波長λ1と透明
基板の厚さt1と像側開口数NA1の組み合わせに対し
て球面収差が良好に補正されている対物レンズにおい
て、波長λ2と透明基板の厚さt2と像側開口数NA2
の組み合わせに対して必要な開口数NA2の範囲までの
球面収差を前記回折構造の作用によって補正し、開口数
NA2からNA1までの範囲は球面収差をフレア成分と
して大きく発生させておくことが好ましい。波長λ2の
光束を、波長λ1と開口数NA1で決まる絞り全てを通
過するように入射させた際、スポットの結像に寄与しな
い開口数NA2以上の光束は情報記録面上でスポット径
が小さくなりすぎないので、光ピックアップ装置の受光
手段での不要信号の検出を防ぐことができ、さらにそれ
ぞれの波長と開口数の組み合わせに対応した絞りを切り
替えるための手段を設ける必要がなくなるので簡易な光
ピックアップ装置の実現に寄与できる。また、波長λ2
の光束を、前記透明基板の厚さt2を有する光情報記録
媒体に対して前記NA1内で波面収差が0.20λ2以
上の状態で集光させることがより好ましい。
【0233】請求項71の条件式(36)は回折構造の
輪帯間隔すなわち光軸に垂直な方向の輪帯間の間隔に関
する。光路差関数が2次の光路差関数係数(回折面係数
ともいう)しか有しないならば、(Ph/Pf)−2=
0となるが、本発明では透明基板厚さの違いによって生
じる球面収差の差を回折の作用により良好に補正するた
めに、光路差関数の高次の光路差関数係数を用いること
が好ましい。このとき、(Ph/Pf)−2が0からあ
る程度離れた値をとることが好ましく、条件式(36)
の下限以上で高次の球面収差を補正する回折の作用が強
くなるので、透明基板厚さの違いによって生じる2波長
間の球面収差の差を良好に補正することができる。上限
以下で回折構造の輪帯間隔が小きくなりすぎず、回折効
率の高い回折レンズを製造しやすい。
【0234】請求項72のように、対物レンズの材料を
プラスチックとすることで、安価に大量生産することが
出来る。また、回折構造を容易に設けることが出来る。
さらに、軽量であるので、フォーカシング機構への負担
を軽減することが出来る。プラスチック材料としては、
アッべ数が大きく、波長500nm以下での透過率が大
きく、複屈折が小さく、吸水率が小さいことが好ましい
ので、ポリオレフィン系樹脂が望ましい。特にポリオレ
フィン系のノルボルネン系樹脂が望ましい。
【0235】請求項74のように材料を選ぶと、対物レ
ンズが空気中の水分を吸収する過程においてレンズ内に
吸水率の差によって屈折率分布が生じにくく、それによ
る収差を小さくすることができる。特にNAが大きい
と、収差の発生は大きくなる傾向があるが、上記のよう
にすると十分小さくすることができる。
【0236】請求項75のように使用波長範囲で材料の
3mm厚に対する内部透過率が85%以上のものを材料
とすると、使用波長を500nm以下の短波長としても
記録光の強度が十分得られ、また読み出し時に対物レン
ズを往復で通過してもセンサヘ入射する光量が十分得る
ことができ、読み出し信号のS/N比を良くすることが
できる。また、使用波長が500nm以下、特に400
nm程度になると吸収によるレンズ材料の劣化が無視で
きなくなるが、上記条件を満たした材料を用いた対物レ
ンズとすれば劣化の影響は僅かとなり、半永久的に使用
が可能となる。
【0237】請求項76は、対物レンズの中心厚さが設
計値に対して誤差を持った際、対物レンズで発生する球
面収差の3次成分と5次以上の高次成分とのバランスに
関し、高NAの対物レンズでは、中心厚さの僅かな誤差
に対しても、発生する球面収差の量は大きくなりがちで
あるので、許容される中心厚さ誤差は数μmと非常に小
さい。しかし、モールドレンズの場合、安定して数μm
以下の中心厚さ誤差を得ることは難しい。一方、本発明
による集光光学系ではカップリングレンズを光軸方向に
沿って動かして対物レンズに入射する光束の発散角を変
えることにより、集光光学系で発生する球面収差のうち
3次の球面収差成分を補正することができる.したがっ
て、対物レンズの球面収差が条件式(43)を満たして
いれば、たとえ対物レンズの中心厚さが設計値に対して
微少な誤差をもっていてもカップリングレンズを光軸方
向に沿って適切な量だけ動かせば3次の球面収差成分を
除去することができるので、集光光学系全系の残存球面
収差量を小さく抑えることが出来る。。
【0238】請求項77は、透明基板の厚さが異なる任
意の光情報記録媒体に対して異なる波長で情報の記録ま
たは再生を行うことのできる集光光学系であって、対物
レンズで発生する軸上色収差の変動及びカップリングレ
ンズ及び対物レンズを含む集光光学系の各光学面で発生
する球面収差の変動を良好に補正可能な集光光学系に関
し、カップリングレンズを光軸に沿って可動とすること
で、集光光学系の各光学面で発生する球面収差の変動を
補正することが可能である。すなわち、集光光学系の球
面収差がオーバー或いはアンダー側に変動した場合、カ
ップリングレンズを光軸方向に適切な量だけ変移させる
ことで、対物レンズに入射する光束の発散角を変える。
これにより対物レンズを透過する波面に対し、集光光学
系全体で発生する球面収差と逆の極性の球面収差を発生
させることが出来る。その結果、焦点を縮んだときの波
面は球面収差がキャンセルされた状態になり、集光光学
系全体として良好に球面収差を補正することが出来る。
さらに、それぞれの光情報記録媒体に対して記録および
/または再生を行う際の波長の差による回折作用の差を
利用して、透明基板の厚さの違いにより発生する球面収
差を補正する。その際、波長λ1の光束を透明基板の厚
さt1を有する光情報記録媒体に対して像側開口数NA
1内で波面収差が0.07λ1の状態でその情報記録面
に集光でき、かつ波長λ2の光束を透明基板の厚さt2
を有する光情報記録媒体に対して像側開口数NA2内で
波面収差が0.07λ2の状態でその情報記録面に集光
できるように球面収差を補正すれば、より高密度な光情
報記録媒体と従来の比較的低密度な光情報記録媒体の両
方に対して安定した情報の記録および/または再生を行
うことができる。この回折構造は対物レンズに設けても
良いし、カップリングレンズに設けても良い。また、集
光光学系中の対物レンズとカップリングレンズ以外の光
学素子に設けても良いし、集光光学系中のいくつかの光
学面に設けても良い。また、波長λ2の光束を対物レン
ズに対し発散光入射とすると、例えば透明基板厚さt2
=0.6mmの情報記録媒体を記録再生する際のワーキ
ングディスタンスを大きく確保できる。
【0239】請求項78にあるように、波長λ1と透明
基板の厚さt1と像側開口数NA1の組み合わせに対し
て球面収差が良好に補正されている集光光学系におい
て、波長λ2と透明基板の厚さt2と像側開口数NA2
の組み合わせに対して必要な開口数NA2の範囲までの
球面収差を前記回折構造の作用によって補正し、開口数
NA2からNA1までの範囲は球面収差をフレア成分と
して大きく発生させておくことが好ましい。波長λ2の
光束を、波長λ1と開口数NA1で決まる絞り全てを通
過するように入射させた際、スポットの結像に寄与しな
い開口数NA2以上の光束は情報記録面上でスポット径
が小さくなりすぎないので、光ピックアップ装置の受光
手段での不要信号の検出を防ぐことができ、さらにそれ
ぞれの波長と開口数の組み合わせに対応した絞りを切り
替えるための手段を設ける必要がなくなるので簡易な光
ピックアップ装置の実現に寄与できる。また、波長λ2
の光束を、前記透明基板の厚さt2を有する光情報記録
媒体に対して前記NA1内で波面収差が0.20λ2以
上の状態で集光させることがより好ましい。
【0240】請求項79によれば、集光光学系の回折構
造により対物レンズで発生する色収差を補正できる。こ
の回折構造は対物レンズで発生する軸上色収差に加え、
集光光学系中の対物レンズ以外の光学要素で発生する軸
上色収差も補正することが好ましい。さらに、この色収
差の補正は、請求項80のように、カップリングレンズ
により行うことができる。このカップリングレンズは、
請求項81のように、相対的にアッべ数の大きい正レン
ズと相対的にアッべ数の小さい負レンズを接合した1群
2枚構成であることにより簡易な構成で対物レンズで発
生する軸上色収差を補正することができ、また、請求項
82のように、カップリングレンズが回折構造を有する
ことにより、特にプラスチック非球面レンズに回折構造
を付加することで、単玉という簡易な構成で色収差を補
正できる。このカップリングレンズの色収差補正機能は
対物レンズで発生する軸上色収差に加え、集光光学系中
の対物レンズ以外の光学要素で発生する軸上色収差も補
正することが好ましい。
【0241】請求項83は、カップリングレンズと対物
レンズとの合成系の、長波長領域と短波長領域の各々に
対する軸上色収差に関し、条件式(44)をを満たして
いれば、レーザ光源のモードホップ現象による発振波長
変動や高周波重畳に対する波面収差の劣化を小さく抑え
ることが出来る。
【0242】請求項86によれば、透明基板厚さが異な
る2種類の光情報記録媒体による記録または再生時に集
光光学系全体として良好に球面収差を補正することが出
来る。
【0243】請求項87によれば、光源の半導体レーザ
の発振波長が基準波長から変動した場合、集光光学系で
はオーバー或いはアンダーな球面収差が発生するが、カ
ップリングレンズを光軸方向に適切な量だけ変移させる
ことで対物レンズに入射する光束の発散角を変えること
により、集光光学系で生じた球面収差の変動をキャンセ
ルすることが出来る。
【0244】請求項88によれば、温度或いは湿度が変
化し、この温湿度変化に起因して集光光学系でオーバー
或いはアンダーな球面収差が発生した場合、カップリン
グレンズを光軸方向に適切な量だけ変移させることで対
物レンズに入射する光束の発散角を変えることにより、
集光光学系で生じた球面収差の変動をキャンセルするこ
とが出来る。
【0245】請求項89は、光情報記録媒体の保護層
(透明基板)の厚み誤差に起因して、集光光学系で発生
する球面収差の補正に関し、保護層が厚くなる方向に誤
差を持つ場合、集光光学系ではオーバーな球面収差が、
薄くなる方向に誤差を持つ場合、アンダーな球面収差が
発生する。このとき、カップリングレンズを光軸方向に
適切な量だけ変移させることで対物レンズに入射する光
束の発散角を変えることにより、集光光学系で生じた球
面収差の変動をキャンセルすることが出来る。
【0246】請求項90は、レーザ光源の発振波長の微
少な変動、温湿度変化、及び光情報記録媒体の保護層の
厚みの微少な変動のうち少なくとも2つ以上の組み合わ
せに起因して、集光光学系で発生した球面収差の補正に
関し、この場合も、カップリングレンズを光軸方向に適
切な量だけ変移させることで対物レンズに入射する光束
の発散角を変えることにより、集光光学系で生じた球面
収差の変動をキャンセルすることが出来る。
【0247】請求項91のように、対物レンズとの間隔
を増加させるようにカップリングレンズを光軸方向に沿
って変移させれば、対物レンズには変移させる前に比べ
て発散光が入射するので、対物レンズではアンダーな球
面収差を発生させることが出来る。従って、上述の原因
に起因して、集光光学系でオーバーな球面収差が発生し
た場合、適切な量だけカップリングレンズを変移させ対
物レンズとの間隔を増加させれば、発生したオーバーな
球面収差をちょうどキャンセルすることが出来る。逆
に、対物レンズとの間隔を減少させるようにカップリン
グレンズを光軸方向に沿って変移させれば、対物レンズ
には変移させる前に比べて収束光が入射するので、対物
レンズではオーバーな球面収差を発生させることが出来
る。従って、上述の原因に起因して、集光光学系でアン
ダーな球面収差が発生した場合、適切な量だけカップリ
ングレンズを変移させ対物レンズとの間隔を減少させれ
ば、発生したアンダーな球面収差をちょうどキャンセル
することが出来る。
【0248】請求項92は、対物レンズで発生する軸上
色収差の変動及びカップリングレンズ及び対物レンズを
含む集光光学系の各光学面で発生する球面収差の変動を
良好に補正可能な光ピックアップ装置に関し、カップリ
ングレンズを第2の駆動装置により光軸に沿って変移さ
せることで、集光光学系の各光学面で発生する球面収差
の変動を補正することができる。すなわち、集光光学系
の球面収差がオーバー或いはアンダー側に変動した場
合、カップリングレンズを光軸方向に適切な量だけ変移
させることで、対物レンズに入射する光束の発散角を変
える。これにより対物レンズを透過する波面に対し、集
光光学系全体で発生する球面収差と逆の極性の球面収差
を発生させることが出来る。その結果、焦点を縮んだと
きの波面は球面収差がキャンセルされた状態になり、集
光光学系全体として、良好に球面収差を補正することが
出来る。また、集光光学系中に設けた回折構造により、
透明基板の厚さの異なる複数の光情報記録媒体に対して
記録および/または再生を行う際の波長の差による回折
作用の差を利用して、透明基板の厚さの違いにより発生
する球面収差を補正する。さらに、集光光学系中に設け
た回折構造および/またはカップリングレンズの色収差
補正機能により集光光学系で発生する軸上色収差を良好
に補正する。これにより、透明基板の厚さの異なる複数
種類の光情報記録媒体を異なる波長で同一の光ピックア
ップ装置で良好に記録・再生することが可能となる。第
2の駆動装置はカップリングレンズを光軸方向に沿って
変移させるが、実際の光ピックアッブ装置では、再生信
号のRF振幅などをモニターしながら、集光光学系で発
生した球面収差が最適に補正されるようにカップリング
レンズを変移させる。この第2の駆動装置としては、ボ
イスコイル型アクチュエーターやピエゾアクチュエータ
ーなどを用いることが出来る。
【0249】請求項93によれば、音声、画像の記録装
置・再生装置が上述の光ピックアップ装置を搭載したこ
とにより、透明基板の厚さが異なる任意の光情報記録媒
体に対して異なる波長で音声、画像の記録または再生を
良好に行うことができる。
【0250】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態及
び実施例のレンズについて説明する。本実施の形態のレ
ンズにおける非球面は光軸方向をX軸、光軸に垂直な方
向の高さをh、屈折面の曲率半径をrとするとき次式の
数1で表す。但し、Kを円すい係数、A2iを非球面係
数とする。
【0251】
【数1】
【0252】また、本実施の形態のレンズにおける回折
面は光路差関数Φとして次式の数2により表すことが
できる。ここで、hは光軸に垂直な高さであり、b2j
は光路差関数の係数であり、nは回折面で発生する回折
光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数であ
る。
【0253】
【数2】
【0254】
【実施例】実施例1〜9の一覧表を表1,表2に示す。
表1は短波長、高開口数で高密度記録の可能な光情報記
録媒体用集光光学系(対物レンズとカップリングレンズ
を含む)の実施例1,2,7,8を示し、表2はかかる
高密度記録の可能な光情報記録媒体と比較的低密度記録
の光情報記録媒体とに対し互換性のある集光光学系(対
物レンズとカップリングレンズを含む)の実施例3,
4,5,6,9を示し、表1及び表2には上述の各条件
式に関する値を示す。
【0255】
【表1】
【0256】
【表2】
【0257】また、各実施例1〜9のレンズデータを表
3〜表11にそれぞれ示す。
【0258】また、表3、4、9、10のレンズデータ
において、NAOBJは対物レンズの像側開口数、f
OBJは波長λにおける対物レンズの焦点距離(m
m)、f BJ+COLは波長λにおける対物レンズと
カップリングレンズとの合成系の焦点距離(mm)、λ
は光源の波長を表す。
【0259】また、表3、4、9、10のレンズデータ
において、回折面係数の基準波長(ブレーズド化波長)
は、光源の波長λに一致する。
【0260】また、表3、4、9、10のレンズデータ
において、回折面係数は1次回折光が他のいずれの次数
の回折光よりも大きい回折光量を有するように決定した
が、2次以上の高次の回折光が他のいずれの次数の回折
光よりも大きい回折光量を有するようにしてもよい。
【0261】また、表5、6、7、8、11のレンズデ
ータにおいて、NA1OBJは、透明基板厚さの小さい
高密度な光情報記録媒体に対し、波長λ1の光を用いて
情報を記録及び再生を行うのに必要な対物レンズの像側
開口数、f1OBJは波長λ1における対物レンズの焦
点距離(mm)、f1OBJ+COLは波長λ1におけ
る対物レンズとカップリングレンズとの合成系の焦点距
離(mm)を表す。さらに、NA2OBJは、透明基板
厚さの大きい従来の光情報記録媒体に対し、波長λ2の
光を用いて情報を記録及び再生を行うのに必要な対物レ
ンズの像側開口数、f2OBJは波長λ2における対物
レンズの焦点距離(mm)、f2OBJ +COLは波長
λ2における対物レンズとカップリングレンズとの合成
系の焦点距離(mm)を表す。
【0262】また、表5、6、7、8、11のレンズデ
ータにおいて、回折面係数の基準波長(ブレーズド化波
長)は、波長λ1に一致するので、波長λ1の光の回折
光量が最大となるが、波長λ2を回折面係数の基準波長
とし、波長λ2の光の回折光量が最大となるようにして
もよく、あるいは波長λ1の光の回折光量と波長λ2の
回折光量とのバランスがとれる波長を回折面係数の基準
波長としてもよい。いずれの場合でも、若干の設計変更
で本発明の対物レンズや集光光学系を構成することがで
きる。
【0263】また、表5、6、7、8、11のレンズデ
ータにおいて、回折面係数は1次回折光が他のいずれの
次数の回折光よりも大きい回折光量を有するように決定
したが、2次以上の高次の回折光が他のいずれの次数の
回折光よりも大きい回折光量を有するようにしてもよ
い。
【0264】
【表3】
【0265】
【表4】
【0266】
【表5】
【0267】
【表6】
【0268】
【表7】
【0269】
【表8】
【0270】
【表9】
【0271】
【表10】
【0272】
【表11】
【0273】(実施例1)
【0274】実施例1では、対物レンズの光源側の面に
回折構造を設けることにより対物レンズで発生する軸上
色収差及び色の球面収差を良好に補正している。実施例
1では、対物レンズの軸上色収差をほぼ完全に補正して
いるが、対物レンズの軸上色収差を補正過剰にすること
で、カップリングレンズで発生する軸上色収差を対物レ
ンズレンズでちょうどキャンセルすることも可能であ
る。また、対物レンズ及びカップリングレンズにプラス
チック材料を用いることで、集光光学系全休の軽量化、
フォーカシング機構或いはカップリングレンズ変移装置
(駆動装置)の負担の軽減を図っている。図1に実施例
1の集光光学系の光路図を示し、図2に球面収差図を示
す。
【0275】また、後掲の表12に様々な原因に起因し
て集光光学系で発生した球面収差の変動をカップリング
レンズを光軸に沿って動かすことで補正した結果を示
す。この表12からわかるように、実施例1の集光光学
系では、レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚
さ誤差に起因して発生した球面収差を良好に補正するこ
とが出来る。さらに、対物レンズの中心厚さ誤差により
発生した球面収差変動も良好に補正することが出来る。
【0276】(実施例2)
【0277】実施例2では、カップリングレンズの光源
側の面及び対物レンズの光源側の面に回折構造を設ける
ことにより対物レンズで発生するを補正している。カッ
プリングレンズの一方の面のみに回折構造を設けること
でカップリングレンズの面偏芯時の波面収差劣化を防い
でいる。また、対物レンズ及びカップリングレンズにプ
ラスチック材料を用いることで、集光光学系全体の軽量
化、フォーカシング機構或いはカップリングレンズ変移
装置の負担の軽減を図っている。図1に実施例1の集光
光学系の光路図を示し、図2に球面収差図を示す。
【0278】また、表13に様々な原因に起因して集光
光学系で発生した球面収差の変動を、カップリングレン
ズを光軸に沿って動かすことで補正した結果を示す。こ
の表13からわかるように、実施例2の集光光学系で
は、レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚さ誤
差に起因して発生した球面収差を良好に補正することが
出来る。さらに、対物レンズの中心厚さ誤差により発生
した球面収差変動も良好に補正することが出来る。
【0279】(実施例3)
【0280】実施例3は、透明基板厚さ0.1mmと、
0.6mmの2種類の光情報記録媒体の記録再生が可能
な集光光学系である。対物レンズの光源側の面に回折構
造を設けることにより、透明基板厚さの変化により発生
する球面収差を補正している。図5に透明基板厚さ0.
1mmの場合の光路図を示し、図6に透明基板厚さ0.
6mmの場合の光路図を示す。また、図7の球面収差図
からわかるように、この集光光学系では、波長λ1=4
05nm、透明基板厚さt1=0.1mmに対してはN
A0.85までの全開口がほぼ無収差である。それに対
し、図8の球面収差図に示すように、波長λ2=655
nm、透明基板厚さt2=0.6mmに対してはNA
0.65までがほぼ無収差になるように補正されてい
る。その際、NA0.65以上の光束はフレア成分とす
ることで、情報記録面上でスポット径が絞られすぎず、
光ピックアップ装置の受光素子での不要信号の検出を防
いでいる。また、波長λ2の光束を対物レンズに対し発
散光入射とすることで、透明基板厚きt2=0.6mm
の光情報記録媒体を記録再生する際のワーキングディス
タンスを大きく確保している。
【0281】更に、対物レンズの屈折パワー及びアッべ
数に対して、回折構造の回折パワーを適切に設定するこ
とにより、λ1とλ2の各々の領域に対して対物レンズ
で発生する軸上色収差を補正している。また、対物レン
ズ及びカップリングレンズにプラスチック材料を用いる
ことで、集光光学系全体の軽量化、フオー力シング機構
或いはカップリングレンズ変移装置の負担の軽減を図っ
ている。
【0282】表14に様々な原因に起因して集光光学系
で発生した球面収差の変動を、カップリングレンズを光
軸に沿って動かすことで、補正した結果を示す。この表
14からわかるように、実施例3の集光光学系では、レ
ーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚さ誤差に起
因して発生した球面収差を良好に補正することが出来
る。
【0283】なお、表14の上段の表が、透明基板厚さ
の小さい高密度な光情報記録媒体に対し、情報の記録又
は再生を行う場合の球面収差の変動の補正結果を示し、
表14の下段の表が、透明基板厚さの大きい従来の光情
報記録媒体に対し、情報の記録又は再生を行う場合の球
面収差の変動の補正結果を示す。後述の表15,16,
17,19においても同様である。
【0284】また、2種類の光情報記録媒体の透明基板
厚さに対応してカップリングレンズを光軸方向に変移さ
せることで、対物レンズに入射する光束の発散度を変え
ている。実施例3では、光束を規制する絞りを対物レン
ズの光源側の面の頂点より光情報記録媒体側に置いてい
る。発散光束が入射する場合に、対物レンズの最も光源
側の面の光線通過高さを小さく抑えることができるの
で、対物レンズの小径化、あるいは収差補正上好まし
い。
【0285】
【表12】
【0286】
【表13】
【0287】
【表14】
【0288】(実施例4)
【0289】実施例4は、透明基板厚さ0.1mmと、
0.6mmの2種類の光情報記録媒体の記録再生が可能
な集光光学系である。対物レンズにアッべ数の大きい材
料を用いることで、回折構造の作用により、λ1とλ2
の各々の領域に対して対物レンズで発生する軸上色収差
を補正した際の2次スペクトルを小さく抑えている。
【0290】更に、対物レンズの屈折パワー及びアッべ
数に対して、回折構造の回折パワーを適切に設定するこ
とにより、λ1とλ2の各々の領域に対して対物レンズ
で発生する軸上色収差を補正している。
【0291】図9に透明基板厚さ0.1mmの場合の光
路図を示し、図10に透明基板厚さ0.6mmの場合の
光路図を示す。また、図11の球面収差図からわかるよ
うに、この集光光学系では、波長λ1=405nm、透
明基板厚さt1=0.1mmに対してはNA0.85ま
での全開口がほぼ無収差である。それに対し、図12の
球面収差図に示すように、波長λ2=655nm、透明
基板厚さt2=0.6mmに対してはNA0.65まで
がほぼ無収差になるように補正されている。
【0292】また、後掲の表15に様々な原因に起因し
て集光光学系で発生した球面収差の変動をカップリング
レンズを光軸に沿って動かすことで補正した結果を示
す。この表15からわかるように、実施例4の集光光学
系では、レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚
さ誤差に起因して発生した球面収差を良好に補正するこ
とが出来る。さらに、対物レンズの中心厚さ誤差により
発生した球面収差変動も良好に補正することが出来る。
【0293】また、2種類の光情報記録媒体の透明基板
厚さに対応してカップリングレンズを光軸方向に変移さ
せることで、対物レンズに入射する光束の発散度を変え
ている。また、カップリングレンズにプラスチック材料
を用いることで、集光光学系全体の軽量化、カップリン
グレンズ変移装置の負担の軽減を図っている。
【0294】(実施例5)
【0295】実施例5は、透明基板厚さ0.1mmと、
0.6mmの2種類の光情報記録媒体の記録再生が可能
な集光光学系である。対物レンズの光源側の面に回折構
造を設けることにより、透明基板厚さの変化により発生
する球面収差及び色の球面収差を補正している。
【0296】図13に透明基板厚さ0.1mmの場合の
光路図を示し、図14に透明基板厚さ0.6mmの場合
の光路図を示す。また、図15の球面収差図からわかる
ように、この集光光学系では、波長λ1=405nm、
透明基板厚さt1=0.1mmに対してはNA0.85
までの全開口がほぼ無収差である。それに対し、図16
の球面収差図に示すように、波長λ2=655nm、透
明基板厚さt2=0.6mmに対してはNA0.65ま
でがほぼ無収差になるように補正されている。
【0297】さらに、カップリングレンズの光情報記録
媒体側の面に回折構造を設けることで、λ1とλ2の各
々の領域に対して対物レンズで発生する軸上色収差を良
好に補正している。本実施例のカップリングレンズは一
方の面のみに回折構造を有するので、カップリングレン
ズの面偏芯時の波面収差の劣化が小さく抑えられてい
る。
【0298】また、表16に様々な原因に起因してこの
集光光学系で発生した球面収差の変動を、カップリング
レンズを光軸に沿って動かすことで、補正した結果を示
す。この表からわかるように、本実施例の集光光学系で
は、レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚さ誤
差に起因して発生した球面収差を良好に補正することが
出来る。
【0299】また、2種類の光情報記録媒体の透明基板
厚さに対応してカップリングレンズを光軸方向に変移さ
せることで、対物レンズに入射する光束の発散度を変え
ている。また、対物レンズ及びカップリングレンズにプ
ラスチック材料を用いることで、集光光学系全体の軽量
化、フォーカシング機構或いはカップリングレンズ変移
装置の負担の軽減を図っている。
【0300】(実施例6)
【0301】実施例6は、透明基板厚さ0.1mmと、
0.6mmの2種類の光情報記録媒体の記録再生が可能
な集光光学系である。対物レンズの光源側の面に回折構
造を設けることにより、透明基板厚さの変化により発生
する球面収差及び色の球面収差を補正している。
【0302】図17に透明基板厚さ0.1mmの場合の
光路図を示し、図18に透明基板厚さ0.6mmの場合
の光路図を示す。また、図19の球面収差図からわかる
ように、この集光光学系では、波長λ1=405nm、
透明基板厚さt1=0.1mmに対してはNA0.85
までの全開口がほぼ無収差である。それに対し、図20
の球面収差図に示すように、波長λ2=655nm、透
明基板厚さt2=0.6mmに対してはNA0.65ま
でがほぼ無収差になるように補正されている。
【0303】さらに、カップリングレンズを1群2枚構
成のダブレットレンズとすることで、λ1とλ2の各々
の領域に対して対物レンズで発生する軸上色収差を良好
に補正している。
【0304】また、表17に様々な原因に起因してこの
集光光学系で発生した球面収差の変動を、カップリング
レンズを光軸に沿って動かすことで、補正した結果を示
す。この表からわかるように、本実施例の集光光学系で
は、レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚さ誤
差に起因して発生した球面収差を良好に補正することが
出来る。
【0305】また、2種類の光情報記録媒体の透明基板
厚さに対応してカップリングレンズを光軸方向に変移さ
せることで、対物レンズに入射する光束の発散度を変え
ている。また、対物レンズにプラスチック材料を用いる
ことで、集光光学系全体の軽量化、フォーカシング機構
の負担の軽減を図っている。
【0306】
【表15】
【0307】
【表16】
【0308】
【表17】
【0309】(実施例7)
【0310】実施例7は、一方の光束入射面側に透明基
板を挟んで2層の記録層を有する光情報記録媒体を記録
再生するのに適した集光光学系である。第1の記録層の
透明基板厚さは0.1mm、第2の記録層の透明基板厚
さは0.2mmである。この透明基板厚さの違いにより
発生する球面収差(その成分は主に3次の球面収差)
を、カップリングレンズを光軸方向に変移させることで
補正している。
【0311】また、対物レンズの光源側の面に回折構造
を設けることにより対物レンズで発生する軸上色収差及
び色の球面収差を良好に補正しており、さらに、対物レ
ンズ及びカップリングレンズにプラスチック材料を用い
ることで、集光光学系全体の軽量化、フォーカシング機
構或いはカップリングレンズ変移装置の負担の軽減を図
っている。図21に透明基板厚さ0.1mmの場合の光
路図を示し、図22に透明基板厚さ0.2mmの場合の
光路図を示す。また、図23に図21の場合の球面収差
図を示し、図24に図22の場合の球面収差図を示す。
【0312】(実施例8)
【0313】実施例8では、対物レンズの光源側の面に
回折構造を設けることにより対物レンズで発生する軸上
色収差及び色の球面収差を良好に補正している。実施例
では、対物レンズの軸上色収差を補正過剰にすること
で、カップリングレンズで発生する軸上色収差を対物レ
ンズでキャンセルしている。
【0314】また、対物レンズ及びカップリングレンズ
にプラスチック材料を用いることで、集光光学系全体の
軽量化、フォーカシング機構或いはカップリングレンズ
変移装置の負担の軽減を図っている。図25に実施例8
の集光光学系の光路図を示し、図26に球面収差図を示
す。
【0315】また、後掲の表18に様々な原因に起因し
て集光光学系で発生した球面収差の変動をカップリング
レンズを光軸に沿って動かすことで補正した結果を示
す。この表18からわかるように、実施例8の集光光学
系では、レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚
さ誤差に起因して発生した球面収差を良好に補正するこ
とが出来る。さらに、実施例8の対物レンズは、中心厚
さの微少な誤差により発生する球面収差の成分が主に3
次球面収差となるように設計されているので、対物レン
ズの中心厚さ誤差により発生する球面収差をコリメータ
を動かすことで良好に補正することが出来る。
【0316】(実施例9)
【0317】実施例9は、透明基板厚さ0.1mmと、
0.6mmの2種類の光情報記録媒体の記録再生が可能
な集光光学系である。対物レンズの光源側の面に回折構
造を設けることにより、透明基板厚さの変化により発生
する球面収差を補正している。図17に透明基板厚さ
0.1mmの場合の光路図を示し、図18に透明基板厚
さ0.6mmの場合の光路図を示す。また、図19の球
面収差図からわかるように、この集光光学系では、波長
λ1=405nm、透明基板厚さt1=0.1mmに対
してはNA0.85までの全開口がほぼ無収差である。
それに対し、図20の球面収差図に示すように、波長λ
2=655nm、透明基板厚さt2=0.6mmに対し
てはNA0.65までがほぼ無収差になるように補正さ
れている。
【0318】図27に透明基板厚さ0.1mmの場合の
光路図を示し、図28に透明基板厚さ0.6mmの場合
の光路図を示す。また、図29の球面収差図からわかる
ように、この集光光学系では、波長λ1=405nm、
透明基板厚さt1=0.1mmに対してはNA0.85
までの全開口がほぼ無収差である。それに対し、図30
の球面収差図に示すように、波長λ2=655nm、透
明基板厚さt2=0.6mmに対してはNA0.65ま
でがほぼ無収差になるように補正されている。
【0319】また、カップリングレンズの光源側の面に
回折構造を設けることで、λ1とλ2の各々の領域に対
して対物レンズで発生する軸上色収差をバランス良く補
正している。本実施例のカップリングレンズは一方の面
のみに回折構造を有するので、カップリングレンズの面
偏芯時の波面収差の劣化が小さく抑えられている。
【0320】また、表19に様々な原因に起因して集光
光学系で発生した球面収差の変動をカップリングレンズ
を光軸に沿って動かすことで補正した結果を示す。この
表19からわかるように、実施例9の集光光学系では、
レーザ光源の波長変動、温度変化、透明基板厚さ誤差に
起因して発生した球面収差を良好に補正することが出来
る。
【0321】また、2種類の光情報記録媒体の透明基板
厚さに対応してカップリングレンズを光軸方向に変移さ
せることで、対物レンズに入射する光束の発散度を変え
ている。さらに、本実施例の対物レンズは、中心厚さの
微少な誤差により発生する球面収差の成分が主に3次球
面収差となるように設計されているので、対物レンズの
中心厚さ誤差により発生する球面収差をコリメータを動
かすことで良好に補正することが出来る。また、対物レ
ンズ及びカップリングレンズにプラスチック材料を用い
ることで、集光光学系全休の軽量化、フォーカシング機
構或いはカップリングレンズ変移装置の負担の軽減を図
っている。
【0322】
【表18】
【0323】
【表19】
【0324】次に、実施例10〜20について説明する
が、その一覧表を表20に示す。なお、以下の実施例1
0〜20の説明文、および実施例10〜20のレンズデ
ータ表において、NAOBJは対物レンズの像側開口
数、fOBJは対物レンズの設計基準波長における焦点
距離、λは設計基準波長を表す。
【0325】また、実施例10〜20のレンズデータに
おいて、回折面係数の基準波長(ブレーズド化波長)
は、光源の波長λに一致する。
【0326】また、実施例10〜20のレンズデータに
おいて、回折面係数は1次回折光が他のいずれの次数の
回折光よりも大きい回折光量を有するように決定した
が、2次以上の高次の回折光が他のいずれの次数の回折
光よりも大きい回折光量を有するようにしてもよい。
【0327】
【表20】
【0328】(実施例10)
【0329】実施例10の対物レンズは、NAOBJ
0.75、fOBJ=2.667mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表21に示し、光路図を図35に示し、球面収差及び非
点収差を図36に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例10の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項
を使用することで、波長が微少量変化したときの、球面
収差の変化を小さく抑えた。青紫色半導体レーザのモー
ドホップによる、対物レンズのフォーカシングが追従で
きないほどの瞬時的な波長変化量を+1nmと仮定した
場合、実施例10の対物レンズの、モードホップ時の波
面収差のデフォーカス成分は、0.001λrms以下
である。
【0330】
【表21】
【0331】(実施例11)
【0332】実施例11の対物レンズは、NAOBJ
0.80、fOBJ=1.875mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表22に示し、光路図を図37に示し、球面収差及び非
点収差を図38に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例11の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項
を使用することで、波長が微少量変化したときの、球面
収差の変化を小さく抑えた。実施例11の対物レンズ
の、モードホップ時の波面収差のデフォーカス成分は、
0.001λrmsである。
【0333】
【表22】
【0334】(実施例12)
【0335】実施例12の対物レンズは、NAOBJ
0.85、fOBJ=1.765mm、λ=655nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表23に示し、光路図を図39に示し、球面収差及び非
点収差を図40に示す。レンズ材料は、655nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例12の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項
を使用することで、波長が微少量変化したときの、球面
収差の変化を小さく抑えた。赤色半導体レーザのモード
ホップによる、対物レンズのフォーカシングが追従でき
ないほどの瞬時的な波長変化量を+3nmと仮定した場
合、実施例12の対物レンズの、モードホップ時の波面
収差のデフォーカス成分は、0.001λrmsであ
る。
【0336】
【表23】
【0337】(実施例13)
【0338】実施例13の対物レンズは、NAOBJ
0.85、fOBJ=1.765mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表24に示し、光路図を図41に示し、球面収差及び非
点収差を図42に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例13の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項
を使用することで、波長が微少量変化したときの、球面
収差の変化を小さく抑えた。実施例13の対物レンズ
の、モードホップ時の波面収差のデフォーカス成分は、
0.011λrmsである。
【0339】
【表24】
【0340】(実施例14)
【0341】実施例14の対物レンズは、NAOBJ
0.85、fOBJ=1.765mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表25に示し、光路図を図43に示し、球面収差及び非
点収差を図44に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例13の
対物レンズでは、軸上色収差の補正に必要な回折パワー
を分散し、隣り合う回折輪帯の光軸に垂直な方向の間隔
を緩和するために、光源側の非球面上および光情報記録
媒体側の非球面上に正のパワーを有する回折構造を形成
した。また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の
高次項を使用することで、波長が微少量変化したとき
の、球面収差の変化を小さく抑えた。実施例14の対物
レンズの、モードホップ時の波面収差のデフォーカス成
分は、0.011λrmsである。
【0342】
【表25】
【0343】(実施例15)
【0344】実施例15の対物レンズは、NAOBJ
0.85、fOBJ=1.765mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表26に示し、光路図を図45に示し、球面収差及び非
点収差を図46に示す。レンズ材料は、MLaC130
(HOYA社製)を用いた。実施例15の対物レンズで
は、光源側の非球面上に正のパワーを有する回折構造を
形成することで、軸上色収差を補正した。また、回折構
造を表す、光路差関数の4次以上の高次項を使用するこ
とで、波長が微少量変化したときの、球面収差の変化を
小さく抑えた。実施例15の対物レンズの、モードホッ
プ時の波面収差のデフォーカス成分は、0.006λr
msである。
【0345】
【表26】
【0346】(実施例16)
【0347】実施例16の対物レンズは、NAOBJ
0.85、fOBJ=1.765mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表27に示し、光路図を図47に示し、球面収差及び非
点収差を図48に示す。レンズ材料は、MNBF82
(HOYA社製)を用いた。実施例16の対物レンズで
は、軸上色収差の補正に必要な回折パワーを分散し、隣
り合う回折輪帯の光軸に垂直な方向の間隔を緩和するた
めに、光源側の非球面上および光情報記録媒体側の非球
面上に正のパワーを有する回折構造を形成した。また、
回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項を使用
することで、波長が微少量変化したときの、球面収差の
変化を小さく抑えた。実施例16の対物レンズの、モー
ドホップ時の波面収差のデフォーカス成分は、0.00
3λrmsである。
【0348】
【表27】
【0349】(実施例17)
【0350】実施例17の対物レンズは、NAOBJ
0.88、fOBJ=2.273mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表28に示し、光路図を図49に示し、球面収差及び非
点収差を図50に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例17の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項
を使用することで、波長が微少量変化したときの、球面
収差の変化を小さく抑えた。実施例17の対物レンズ
の、モードホップ時の波面収差のデフォーカス成分は、
0.051λrmsである。
【0351】
【表28】
【0352】(実施例18)
【0353】実施例18の対物レンズは、NAOBJ
0.90、fOBJ=1.667mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表29に示し、光路図を図51に示し、球面収差及び非
点収差を図52に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例18の
対物レンズでは、軸上色収差の補正に必要な回折パワー
を分散し、隣り合う回折輪帯の光軸に垂直な方向の間隔
を緩和するために、光源側の非球面上および光情報記録
媒体側の非球面上に正のパワーを有する回折構造を形成
した。また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の
高次項を使用することで、波長が微少量変化したとき
の、球面収差の変化を小さく抑えた。実施例18の対物
レンズの、モードホップ時の波面収差のデフォーカス成
分は、0.020λrmsである。
【0354】
【表29】
【0355】(実施例19)
【0356】実施例19の対物レンズは、NAOBJ
0.90、fOBJ=2.222mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表30に示し、光路図を図53に示し、球面収差及び非
点収差を図54に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例19の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
また、回折構造を表す、光路差関数の4次以上の高次項
を使用することで、波長が微少量変化したときの、球面
収差の変化を小さく抑えた。実施例19の対物レンズ
の、モードホップ時の波面収差のデフォーカス成分は、
0.035λrmsである。
【0357】
【表30】
【0358】(実施例20)
【0359】実施例20の対物レンズは、NAOBJ
0.85、fOBJ=1.765mm、λ=405nm
の両面非球面の対物レンズである。そのレンズデータを
表31に示し、光路図を図55に示し、球面収差及び非
点収差を図56に示す。レンズ材料は、400nm近傍
の内部透過率が90%以上であり、飽和吸水率が0.1
%以下であるプラスチック材料を用いた。実施例20の
対物レンズでは、光源側の非球面上に正のパワーを有す
る回折構造を形成することで、軸上色収差を補正した。
このとき、図56の球面収差図にあるように、対物レン
ズの軸上色収差を補正過剰として設計基準波長(405
nm)の球面収差カーブと長波長側(415nm)の球
面収差カーブと短波長側(395nm)の球面収差カー
ブを交差させることで、光源の波長が変化した場合のベ
ストフォーカス位置の移動を小さく抑えた。なお、軸上
色収差の変化量ΔCAは、光源の波長が長波長側に+1
0nm変化した場合、図56の球面収差図において、4
05nmおよび415nmの球面収差カーブの下端の移
動幅で示され、移動方向は光源の波長の長波長側への変
化により、バックフォーカスが短くなる方向となる。マ
ージナル光線の球面収差の変化量ΔSAは,405nm
の球面収差カーブをその下端が415nmの球面収差カ
ーブの下端に重なる位置まで平行移動させた際の球面収
差カーブの上端と415nmの球面収差カーブの上端と
の幅により示される。また、実施例20の対物レンズで
は、波長が変化した場合の球面収差を補正しないことに
より、隣り合う回折輪帯の光軸に垂直な方向の間隔を緩
和した結果、波長が変化した場合の球面収差を補正した
実施例13の対物レンズに比して、有効径内における回
折輪帯の最小間隔を1.7倍とすることができた。実施
例20の対物レンズの、モードホップ時の波面収差のデ
フォーカス成分は、0.001λrms以下である。
【0360】
【表31】
【0361】以上の実施例10〜20の各対物レンズに
おいて、回折面係数(光路差関数係数)は、回折構造で
発生する回折光のうち、1次回折光が最大の回折光量を
持つように決定した。
【0362】なお、上述の表または図では、10のべき
乗の表現にE(またはe)を用いて、例えば、E−02
(=10−2)のように表す場合がある。
【0363】次に、本発明による実施の形態としての第
1〜第4の光ピックアップ装置を図31、図32、図3
3及び図34によりそれぞれ説明する。
【0364】図31に示すように、 第1の光ピックア
ップ装置は、透明基板が薄い第1の光ディスクの再生用
の第1光源である半導体レーザ111と、透明基板が厚
い第2の光ディスク再生用の第2光源である半導体レー
ザ112とを有している。第1の光ディスクとしては、
例えば、0.1mmの透明基板を有する高密度な次世代
の光ディスクを用いることができ、第2の光ディスクと
しては、従来の光ディスク、すなわち、0.6mmの透
明基板を有するDVD、DVD−ROM、DVD−RA
M、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW等の各種
DVD、あるいは、1.2mmの透明基板を有するC
D、CD−R、CD−RW、CD−Video、CD−
ROM等の各種CDを用いることができる。
【0365】また、第1の光源としては、400nm程
度の波長の光を発生するGaN系青紫色半導体レーザや
青紫色SHGレーザ等を用いることができ、第2の光源
としては、650nm程度の波長の光を発生する赤色半
導体レーザや780nm程度の波長の光を発生する赤外
半導体レーザを用いることができる。
【0366】図31の第1の光ピックアップ装置は、所
定の像側開口数内で回折限界内となるように、両半導体
レーザ111、112からの光束を、第1の光ディスク
と第2の光ディスクのそれぞれの情報記録面上に集光さ
せることができる対物レンズ160を有する。対物レン
ズ160の少なくとも1つの面上には、輪帯状の回折構
造が形成されており、第1の光源からの光束を、第1の
光ディスクを再生する際に必要な像側開口数NA1内
で、透明基板を介して第1の光ディスクの情報記録面上
に集光させることができ、第2の光源からの光束を、第
2の光ディスクを再生する際に必要な像側開口数NA2
内で、透明基板を介して第2の光ディスクの情報記録面
上に集光させることができる。第1の光ディスクを再生
する際に必要な像側開口数NA1として例えば0.85
程度、第2の光ディスクを再生する際に必要な像側開口
数NA2として、DVDの場合には0.60程度、CD
の場合には0.45程度とすることかできる。
【0367】まず、第1の光ディスクを再生する場合、
第1半導体レーザ111からビームを出射し、出射され
た光束は、両半導体レーザ111、112からの出射光
の合成手段であるビームスプリッタ190を透過し、ビ
ームスプリッタ120、コリメータ130、1/4波長
板14を透過して円偏光の平行光束となる。この光束は
絞り17によって絞られ、対物レンズ160により図の
実線のように第1の光ディスク200の透明基板210
を介して情報記録面220に集光される。このとき、対
物レンズ160は、像側開口数NA1内で回折限界内と
なるように、第1半導体レーザ111からの光束を集光
させるので、高密度な次世代の光ディスクである第1の
光ディスクを再生することができる。
【0368】そして、情報記録面220で情報ビットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ16
0、絞り17、1/4波長板14、コリメータ130を
透過して、ビームスプリッタ120に入射し、ここで反
射してシリンドリカルレンズ180により非点収差が与
えられ、光検出器300上ヘ入射し、その出力信号を用
いて、第1の光ディスク200に記録された情報の読み
取り信号が得られる。また、光検出器300上でのスポ
ットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、
合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2
次元アクチュエータ150が第1の半導体レーザ111
からの光束を第1の光ディスク200の記録面220上
に結像するように対物レンズ160を移動させると共
に、半導体レーザ111からの光束を所定のトラックに
結像するように対物レンズ160を移動させる。
【0369】第2の光ディスクを再生する場合、第2半
導体レーザ112からビームを出射し、出射された光束
は、光合成手段であるビームスプリッタ190で反射さ
れ、上記第1半導体111からの光束と同様、ビームス
プリッタ120、コリメータ130、1/4波長板1
4、絞り17、対物レンズ160を介して更に第2の光
ディスク200の透明基板210を介して図31の破線
のように情報記録面220に集光される。このとき、対
物レンズ160は、像側開口数NA2内で回折限界内と
なるように、第2半導体レーザ112からの光束を集光
させるので、従来の光ディスクである第2の光ディスク
を再生することができる。また、半導体レーザ112か
らの光束を第2の光ディスクの情報記録面220上に集
光させる際に、対物レンズ160の少なくとも1つの面
上に形成された回折構造の作用により、像側開口数NA
2からNA1の領域を通過する光束をフレア成分とする
ので、半導体レーザ112からの光束を、NA1で決定
される絞り17をすべて通過させても、像側開口数NA
2からNA1の領域を通過する光束は情報記録面220
上にスポットを結ばない。これにより、NA1とNA2
との開口切り替え手段を設ける必要がないのでコスト上
有利である。
【0370】そして、情報記録面220で情報ピットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ16
0、絞り17、1/4波長板14、コリメータ130、
ビームスプリッタ120、シリンドリカルレンズ180
を介して、光検出器300上へ入射し、その出力信号を
用いて、第2の光ディスク200に記録された情報の読
み取り信号が得られる。
【0371】また、第1の光ディスクの場合と同様、光
検出器300上でのスポットの形状変化、位置変化によ
る光量変化を検出して、フォーカス検出やトラック検出
を行い、2次元アクチュエータ150により、フォーカ
シング、トラッキングのために対物レンズ160を移動
させる。
【0372】図31の第1の光ピックアップ装置では、
温度あるいは湿度変化によりレンズ材料の屈折率あるい
はレンズ形状が変化した場合、透明基板210の厚さに
誤差がある場合、半導体レーザ111及び112の製造
誤差によりその発振波長に誤差がある場合、集光光学系
を構成するレンズに厚さの誤差がある場合に発生する球
面収差をコリメータ130を光軸方向に沿って1次元ア
クチュエータ151により移動させることで補正してい
る。更に、光軸方向に沿って可動なコリメータ13は図
の破線のように光ディスクの透明基板の厚さに応じて対
物レンズ160に入射する光束の発散度を変えている。
【0373】図31の第1の光ピックアップ装置では、
コリメータ130を相対的にアッベ数の大きい正レンズ
と相対的にアッベ数の小さい負レンズとを接合したダブ
レットレンズとすることで、対物レンズ160で発生す
る軸上色収差を補正している。このとき、正レンズと負
レンズのアッベ数の差とパワーを適切に選択すること
で、半導体レーザ111及び112のそれぞれの波長領
域での軸上色収差補正のバランスをとっている。
【0374】図32に示すように、第2の光ピックアッ
プ装置においては、第1半導体レーザ111は、レーザ
/検出器集積ユニット410に光検出器301およびホ
ログラム231とユニット化されている。第2半導体レ
ーザ112は、レーザ/検出器集積ユニット420に光
検出器302およびホログラム232とユニット化され
ている。
【0375】第1の光ディスクを再生する場合、第1半
導体レーザ111から出射された光束は、ホログラム2
31を透過し、光合成手段であるビームスプリッタ19
0、コリメータ130を透過し平行光束となり、更に絞
り17によって絞られ、対物レンズ160により図の実
線のように第1の光ディスク200の透明基板210を
介して情報記録面220に集光される。
【0376】そして、情報記録面220で情報ピットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ16
0、絞り17を介して、コリメータ130、ビームスプ
リッタ190を透過し、ホログラム231で回折されて
光検出器301上ヘ入射し、その出力信号を用いて第1
の光ディスク200に記録された情報の読み取り信号が
得られる。また、光検出器301上でのスポットの形状
変化、位置変化による光量変化を検出して、フォーカス
検出やトラック検出を行い、2次元アクチュエータ15
0により、フォーカシング、トラッキングのために対物
レンズ160を移動させる。
【0377】第2の光ディスクを再生する場合、半導体
レーザ112から出射された光束は、ホログラム232
を透過し、光合成手段であるビームスプリッタ190で
反射され、コリメータ130を透過して、更に絞り1
7、対物レンズ160を介して更に第2の光ディスク2
00の透明基板210を介して図32の破線のように情
報記録面220に集光される。
【0378】そして、情報記録面220で情報ピットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ16
0、絞り17を介して、コリメータ130を透過し、ビ
ームスプリッタ190で反射され、ホログラム232で
回折されて光検出器302上へ入射し、その出力信号を
用いて第2の光ディスク200に記録された情報の読み
取り信号が得られる。
【0379】また、光検出器302上でのスポットの形
状変化、位置変化による光量変化を検出して、フォーカ
ス検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて2次
元アクチュエータ150により、フォーカシング、トラ
ッキングのために対物レンズ160を移動させる。
【0380】図32の第2の光ピックアップ装置では、
集光光学系の各光学面で発生する球面収差をコリメータ
130を光軸方向に沿って1次元アクチュエータ151
により移動させることで補正している。更に、光軸方向
に沿って可動なコリメータ130は図の破線のように光
ディスクの透明基板の厚さに応じて対物レンズ160に
入射する光束の発散度を変えている。
【0381】図32の第2の光ピックアップ装置では、
コリメータ130の少なくとも1つの面上に輪帯状の回
折構造が形成されており、対物レンズ160で発生する
軸上色収差を補正している。このとき、回折構造のパワ
ーと屈折レンズとしての屈折パワーとを適切に選択する
ことで、半導体レーザ111及び112のそれぞれの波
長領域での軸上色収差補正のバランスをとっている。
【0382】図33に示す第3の光ピックアップ装置に
おいては、第2の半導体レーザ112から出射された発
散光束は、コリメータ130を介さずに対物レンズ16
0に入射する。これにより、上述の第1及び第2の光ピ
ックアップ装置のように、光ディスクの透明基板の厚さ
に応じて対物レンズ160に入射する光束の発散度を変
える必要がなくなるので、コリメータ130に必要な光
軸方向の移動量が小さくてすみ、光ピックアップ装置の
小型化に有利である。
【0383】図33に示すように、第3の光ピックアッ
プ装置においては、第1半導体レーザ111は、レーザ
/検出器集積ユニット410に光検出器301およびホ
ログラム231とユニット化されている。第2半導体レ
ーザ112は、レーザ/検出器集積ユニット420に光
検出器302およびホログラム232とユニット化され
ている。
【0384】第1の光ディスクを再生する場合、第1半
導体レーザ111から出射された光束は、ホログラム2
31を透過し、コリメータ130を透過し平行光束とな
り、光合成手段であるビームスプリッタ190、を透過
した後、更に絞り17によって絞られ、対物レンズ16
0により図の実線のように第1の光ディスク200の透
明基板210を介して情報記録面220に集光される。
【0385】そして、情報記録面220で情報ピットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ16
0、絞り17を介して、ビームスプリッタ190、コリ
メータ130を透過し、ホログラム231で回折されて
光検出器301上ヘ入射し、その出力信号を用いて第1
の光ディスク200に記録された情報の読み取り信号が
得られる。また、光検出器301上でのスポットの形状
変化、位置変化による光量変化を検出して、フォーカス
検出やトラック検出を行い、2次元アクチュエータ15
0により、フォーカシング、トラッキングのために対物
レンズ160を移動させる。
【0386】第2の光ディスクを再生する場合、半導体
レーザ112から出射された光束は、ホログラム232
を透過し、光合成手段であるビームスプリッタ190で
反射され、更に絞り17、対物レンズ160を介して更
に第2の光ディスク200の透明基板210を介して図
32の破線のように情報記録面220に集光される。
【0387】そして、情報記録面220で情報ピットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ16
0、絞り17を介して、ビームスプリッタ190で反射
され、ホログラム232で回折されて光検出器302上
へ入射し、その出力信号を用いて第2の光ディスク20
0に記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0388】また、光検出器302上でのスポットの形
状変化、位置変化による光量変化を検出して、フォーカ
ス検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて2次
元アクチュエータ150により、フォーカシング、トラ
ッキングのために対物レンズ160を移動させる。
【0389】図33の第3の光ピックアップ装置では、
集光光学系の各光学面で発生する球面収差をコリメータ
130を光軸方向に沿って1次元アクチュエータ151
により移動させることで補正している。
【0390】また、図33の第3の光ピックアップ装置
では、コリメータ130の少なくとも1つの面上に輪帯
状の回折構造が形成されており、対物レンズ160で発
生する軸上色収差を補正している。
【0391】図34に示す第4の光ピックアップ装置
は、次世代の高密度記録用光の記録及び/または再生に
適した光ピックアップ装置である。図34に示す第4の
光ピックアップ装置においては、光源としての半導体レ
ーザ111と、コリメータ130と、対物レンズ160
とを有している。
【0392】図34に示す第4の光ピックアップ装置に
おいては、コリメータ130を1軸アクチュエータ15
2によって光軸方向に変移可能とすることで、集光光学
系で発生する球面収差の変動を補正できるようにした。
半導体レーザ111は波長400nm程度の光束を射出
するGaN系青紫色半導体レーザである。また、波長4
00nm程度の光束を射出する光源としては上記のGa
N系半導体青紫色レーザのほかに、SHG青紫色レーザ
であってもよい。
【0393】また、対物レンズ160の少なくとも一方
の光学面上には、光軸に対して略同心円状の回折パター
ンが設けられている。なお、略同心円状の回折パターン
は、対物レンズ160の両面に設けられてもよいし、コ
リメータ130の少なくとも1つの光学面上に設けられ
てもよい。対物レンズ160の回折パターンは光軸に対
して略同心円状としたが、これ以外の回折パターンが設
けられていてもよい。
【0394】半導体レーザ111から出射された発散光
束は、ビームスプリッタ120を透過し、コリメータ1
30によって平行光束に変換された後、1/4波長板1
4を経て円偏光となり、対物レンズ160によって高密
度記録用光ディスクの透明基板210を介して情報記録
面220上に形成されるスポットとなる。対物レンズ1
60は、その周辺に配置されたアクチュエータ150に
よってフォーカス制御およびトラッキング制御される。
情報記録面220で情報ピットにより変調された反射光
束は、再び対物レンズ160、1/4波長板14、コリ
メータ130を透過した後、ビームスプリッタ120に
よって反射され、シリンドリカルレンズ180を経るこ
とによって非点収差が与えられ、光検出器300に収束
する。そして、光検出器300の出力信号を用いて情報
記録面220に記録された情報を読み取ることができ
る。
【0395】本実施の形態において、温度あるいは湿度
変化によりレンズ材料の屈折率あるいはレンズ形状が変
化した場合、透明基板220の厚さに誤差がある場合、
半導体レーザ111の製造誤差によりその発振波長に誤
差がある場合、集光光学系を構成するレンズに厚さの誤
差がある場合には、情報記録面220上に集光された波
面には球面収差(以下、球面収差Aと呼ぶ)が発生す
る。球面収差Aが検出されると、1軸アクチュエータ1
51によってコリメータ130を光軸方向に所定量変移
させて、対物レンズ160に入射する光束の発散度を変
化(すなわち、対物レンズ160の物点位置を変化)さ
せ、球面収差(以下、球面収差Bと呼ぶ)を発生させ
る。このとき、球面収差Bの符号が球面収差Aとは逆で
あって、かつその絶対値が略一致するようにコリメータ
130を変移させるので、情報記録面220上に集光さ
れる波面は球面収差Aと球面収差Bとが相殺補正された
状態となる。
【0396】本実施の形態において、対物レンズ160
には上述したような略同心円状の回折パターンが光学面
上に設けられていることにより、半導体レーザ111か
ら出射された光束は、対物レンズ160を経ることによ
ってほとんど軸上色収差なく光ディスクの情報記録面2
20上に集光される。
【0397】
【発明の効果】請求項1〜37によれば、高開口数及び
短波長に対応可能で軽量で安価であり、軸上色収差が良
好に補正された光情報記録媒体の記録または再生用の対
物レンズを提供できる。
【0398】請求項38〜54によれば、レーザ光源の
発振波長変化、温度・湿度変化、光情報記録媒体の透明
基板の厚みの誤差等に起因して光ピックアップ装置の各
光学面で発生する球面収差の変動を簡易な構成で効果的
に補正できる集光光学系、光ピックアップ装置及び記録
装置・再生装置を提供できる。また、レーザ光源のモー
ドホップ現象や高周波重畳に起因して対物レンズで発生
する軸上色収差を効果的に補正できる。
【0399】請求項55〜76によれば、透明基板の厚
さの異なる複数の光情報記録媒体に対して情報の記録ま
たは再生用の対物レンズを提供できる。
【0400】請求項77〜93によれば、短波長レーザ
光源と高開口数の対物レンズを備え、透明基板の厚さの
異なる複数の光情報記録媒体に対して情報の記録または
再生を行える集光光学系、光ピックアップ装置及び記録
装置・再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に関する光路図である。
【図2】実施例1に関する球面収差図である。
【図3】実施例2に関する光路図である。
【図4】実施例2に関する球面収差図である。
【図5】実施例3に関する光路図(透明基板厚さ0.1
mm)である。
【図6】実施例3に関する光路図(透明基板厚さ0.6
mm)である。
【図7】実施例3に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.1mm)である。
【図8】実施例3に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.6mm)である。
【図9】実施例4に関する光路図(透明基板厚さ0.1
mm)である。
【図10】実施例4に関する光路図(透明基板厚さ0.
6mm)である。
【図11】実施例4に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.1mm)である。
【図12】実施例4に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.6mm)である。
【図13】実施例5に関する光路図(透明基板厚さ0.
1mm)である。
【図14】実施例5に関する光路図(透明基板厚さ0.
6mm)である。
【図15】実施例5に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.1mm)である。
【図16】実施例5に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.6mm)である。
【図17】実施例6に関する光路図(透明基板厚さ0.
1mm)である。
【図18】実施例6に関する光路図(透明基板厚さ0.
6mm)である。
【図19】実施例6に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.1mm)である。
【図20】実施例6に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.6mm)である。
【図21】実施例7に関する光路図(透明基板厚さ0.
1mm)である。
【図22】実施例7に関する光路図(透明基板厚さ0.
2mm)である。
【図23】実施例7に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.1mm)である。
【図24】実施例7に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.2mm)である。
【図25】実施例8に関する光路図である。
【図26】実施例8に関する球面収差図である。
【図27】実施例9に関する光路図(透明基板厚さ0.
1mm)である。
【図28】実施例9に関する光路図(透明基板厚さ0.
6mm)である。
【図29】実施例9に関する球面収差図(透明基板厚さ
0.1mm)である。
【図30】実施例10に関する球面収差図(透明基板厚
さ0.6mm)である。
【図31】本実施の形態による第1の光ピックアップ装
置の概略図である。
【図32】本実施の形態による第2の光ピックアップ装
置の概略図である。
【図33】本実施の形態による第3の光ピックアップ装
置の概略図である。
【図34】本実施の形態による第4の光ピックアップ装
置の概略図である。
【図35】実施例10に関する光路図である。
【図36】実施例10に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図37】実施例11に関する光路図である。
【図38】実施例11に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図39】実施例12に関する光路図である。
【図40】実施例12に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図41】実施例13に関する光路図である。
【図42】実施例13に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図43】実施例14に関する光路図である。
【図44】実施例14に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図45】実施例15に関する光路図である。
【図46】実施例15に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図47】実施例16に関する光路図である。
【図48】実施例16に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図49】実施例17に関する光路図である。
【図50】実施例17に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図51】実施例18に関する光路図である。
【図52】実施例18に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図53】実施例19に関する光路図である。
【図54】実施例19に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【図55】実施例20に関する光路図である。
【図56】実施例20に関する球面収差図及び非点収差
図である。
【符号の説明】
13,130 コリメータ 160 対物レンズ 150 2次元アクチュエータ 151 1次元アクチュエータ 17 絞り 111 第1の光源 112 第2の光源 200 第1,第2の光ディスク 300 光検出器 301、302 光検出器 210 透明基板 220 光ディスクの情報記録面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/135 G11B 7/135 A Z Fターム(参考) 2G065 AB04 AB09 BB06 BB14 BB17 DA15 DA20 2H049 AA04 AA18 AA43 AA57 AA65 2H087 KA13 LA01 LA25 NA01 NA08 NA14 PA01 PA17 PA18 PB01 PB02 QA02 QA06 QA07 QA14 QA22 QA34 QA39 QA41 RA05 RA12 RA13 RA42 RA44 RA45 RA46 UA01 5D119 AA01 AA11 AA22 AA40 AA41 BA01 BB01 BB02 BB04 EB02 EC03 EC45 EC47 JA02 JA09 JA44 JA46 JB01 JB02 JB04

Claims (93)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光情報記録媒体の記録および/または再
    生用の対物レンズであって、前記対物レンズは、光学プ
    ラスチック材料から形成され、少なくとも1つの面が非
    球面となされた単玉レンズであって、少なくとも1つの
    面上に輪帯状の回折構造が形成され、次式を満たすこと
    を特徴とする対物レンズ。 NA≧0.7 ただし、NA:光情報記録媒体に記録および/または再
    生を行うのに必要な所定の像側開口数
  2. 【請求項2】 両面が非球面となされたことを特徴とす
    る請求項1に記載の対物レンズ。
  3. 【請求項3】 次式を満たすことを特徴とする請求項1
    または2に記載の対物レンズ。 5.0≦fD/f≦65.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
  4. 【請求項4】 前記回折構造において、第i面上に形成
    された回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光量
    をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成された回折
    構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構造の
    輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全系
    の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)と
    したとき、次式を満たすことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の対物レンズ。 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    0.70
  5. 【請求項5】 光情報記録媒体の記録および/または再
    生用の対物レンズであって、前記対物レンズは、光学プ
    ラスチック材料から形成され、少なくとも1つの面が非
    球面となされた単玉レンズであって、少なくとも1つの
    面上に輪帯状の回折構造が形成され、次式を満たすこと
    を特徴とする対物レンズ。 λ≦500nm ただし、λ:光情報記録媒体に記録および/または再生
    を行うのに使用する波長
  6. 【請求項6】 両面が非球面となされたことを特徴とす
    る請求項5に記載の対物レンズ。
  7. 【請求項7】 次式を満たすことを特徴とする請求項5
    または6に記載の対物レンズ。 5.0≦fD/f≦65.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
  8. 【請求項8】 前記回折構造において第i面の回折構造
    で発生する回折光のうち最大の回折光量をもつ回折光の
    次数をni、第i面の輪帯数をMi、輪帯間隔の最小値
    をPi(mm)とし、対物レンズ全系の焦点距離をf
    (mm)とし、使用波長をλ(mm)としたとき、次式
    を満たすことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項
    に記載の対物レンズ。 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    0.70
  9. 【請求項9】 光情報記録媒体の記録および/または再
    生用の対物レンズであって、前記対物レンズは、光学プ
    ラスチック材料から形成され、少なくとも1つの面が非
    球面となされた単玉レンズであって、少なくとも1つの
    面上に輪帯状の回折構造が形成され、次式を満たすこと
    を特徴とする対物レンズ。 5.0≦fD/f≦40.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
  10. 【請求項10】 両面が非球面となされたことを特徴と
    する請求項9に記載の対物レンズ。
  11. 【請求項11】 前記回折構造において、第i面上に形
    成された回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光
    量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成された回
    折構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構造
    の輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全
    系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)
    としたとき、次式を満たすことを特徴とする請求項9ま
    たは10に記載の対物レンズ。 0.03≦λ・f・Σ(ni/(M・Pi))≦0.
    70
  12. 【請求項12】 前記回折構造において、第i面上に形
    成された回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光
    量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成された回
    折構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構造
    の輪帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全
    系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)
    としたとき、 0.7≦NA≦0.85のとき、 0.03≦λ・f・Σ(ni/(M・Pi))≦0.
    70 を満たし、 0.85<NAのとき、 0.10≦λ・f・Σ(ni/(M・Pi))≦2.
    50 満たすことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項
    に記載の対物レンズ。
  13. 【請求項13】 光情報記録媒体の記録および/または
    再生用の対物レンズであって、前記対物レンズは、光学
    プラスチック材料から形成され、少なくとも1つの面が
    非球面となされた単玉レンズであって、少なくとも1つ
    の面上に輪帯状の回折構造が形成され、前記回折構造に
    おいて、第i面上に形成された回折構造で発生する回折
    光のうち最大の回折光量をもつ回折光の次数をni、第
    i面上に形成された回折構造の輪帯数をMi、第i面上
    に形成された回折構造の輪帯問隔の最小値をPi(m
    m)とし、対物レンズ全系の焦点距離をf(mm)と
    し、使用波長をλ(mm)としたとき、次式を満たすこ
    とを特徴とする対物レンズ。 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    0.70
  14. 【請求項14】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    13に記載の対物レンズ。 0.10≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    0.65
  15. 【請求項15】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    14に記載の対物レンズ。 0.20≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    0.60
  16. 【請求項16】 両面が非球面となされたことを特徴と
    する請求項13〜15のいずれか1項に記載の対物レン
    ズ。
  17. 【請求項17】 光情報記録媒体の記録および/または
    再生用の対物レンズであって、前記対物レンズは、光学
    プラスチック材料から形成され、少なくとも1つの面が
    非球面となされた単玉レンズであって、両面上に輪帯状
    の回折構造が形成され、前記回折構造において第i面上
    に形成された回折構造で発生する回折光のうち最大の回
    折光量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成され
    た回折構造の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折
    構造の輪帯問隔の最小値をPi(mm)とし、対物レン
    ズ全系の焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(m
    m)としたとき、次式を満たすことを特徴とする対物レ
    ンズ。 0.10≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    3.00
  18. 【請求項18】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    17に記載の対物レンズ。 0.20≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    2.50
  19. 【請求項19】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    17または18に記載の対物レンズ。 2.0≦fD/f≦30.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
  20. 【請求項20】 両面が非球面となされたことを特徴と
    する請求項17〜19のいずれか1項に記載の対物レン
    ズ。
  21. 【請求項21】 両面が非球面となされ、次式を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載
    の対物レンズ。 0.35<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)
    <0.55 ただし、X1:光軸に垂直で光源側の面の頂点に接する
    平面と、有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が入
    射する光源側の面上の位置)における光源側の面との光
    軸方向の差(mm)で、上記接平面を基準として光情報
    記録媒体の方向に測る場合を正、光源の方向に測る場合
    を負とする。 X2:光軸に垂直で光情報記録媒体側の面の頂点に接す
    る平面と、有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が
    入射する光情報記録媒体側の面上の位置)における光情
    報記録媒体側の面との光軸方向の差(mm)で、上記接
    平面を基準として光情報記録媒体の方向に測る場合を
    正、光源の方向に測る場合を負とする。 N:前記対物レンズの使用波長における屈折率 f:前記対物レンズの全系の焦点距離(mm)
  22. 【請求項22】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    21に記載の対物レンズ。 0.39<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)
    <0.52
  23. 【請求項23】 光情報記録媒体の記録および/または
    再生用の対物レンズであって、前記対物レンズは、両面
    が非球面となされた単玉レンズであって、少なくとも1
    つの面上に輪帯状の回折構造が形成され、次式を満たす
    ことを特徴とする対物レンズ。 0.75<NA<0.95 0.39<(X1−X2)・(N−1)/(NA・f)
    <0.52 X1:光軸に垂直で光源側の面の頂点に接する平面と、
    有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が入射する光
    源側の面上の位置)における光源側の面との光軸方向の
    差(mm)で、上記接平面を基準として光情報記録媒体
    の方向に測る場合を正、光源の方向に測る場合を負とす
    る。 X2:光軸に垂直で光情報記録媒体側の面の頂点に接す
    る平面と、有効径最周辺(上記NAのマージナル光線が
    入射する光情報記録媒体側の面上の位置)における光情
    報記録媒体側の面との光軸方向の差(mm)で、上記接
    平面を基準として光情報記録媒体の方向に測る場合を
    正、光源の方向に測る場合を負とする。 N:前記対物レンズの使用波長における屈折率 f:前記対物レンズの全系の焦点距離(mm)
  24. 【請求項24】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    23に記載の対物レンズ。 2.0≦fD/f≦65.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系の焦点距離(mm)
  25. 【請求項25】 前記回折構造において,第i面上に形
    成された回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光
    量をもつ回折光の次数をni、第i面上に形成された回
    折構の輪帯数をMi、第i面上に形成された回折構の輪
    帯間隔の最小値をPi(mm)とし、対物レンズ全系の
    焦点距離をf(mm)とし、使用波長をλ(mm)とし
    たとき、次式を満たすことを特徴とする請求項23また
    は24に記載の対物レンズ。 0.03≦λ・f・Σ(ni/(Mi・Pi))≦
    3.00
  26. 【請求項26】 両面上に輪帯状の回折構造が形成され
    たことを特徴とする請求項23〜25のいずれか1項に
    記載の対物レンズ。
  27. 【請求項27】 前記対物レンズの色収差が次式を満た
    すことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記
    載の対物レンズ。 │△fB・NA│≦0.25μm ただし、△fB:前記光源の波長が+1nm変化したと
    きの、前記対物レンズの焦点位置の変化(μm)
  28. 【請求項28】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    1〜27のいずれか1項に記載の対物レンズ。 −200≦b4i・himax /(λ・f・NA
    ≦−5 ただし、 b4i:第i面上に形成された、前記回折構造により透
    過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・・
    ・の光路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、
    の4次の光路差関数係数 himax:第i面の有効径の最大高さ(mm)
  29. 【請求項29】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    1〜28のいずれか1項に記載の対物レンズ。 0.4≦│(Ph/Pf)−2│≦25.0 ただし、Pf:光情報記録媒体に記録および/または再
    生を行うのに必要な所定の像側開口数における回折輪帯
    問隔(mm) Ph:光情報記録媒体に記録および/または再生を行う
    のに必要な所定の像側開口数の1/2の開口数における
    回折輪帯間隔(mm)
  30. 【請求項30】 前記光源の波長が+10nm変化した
    ときのマージナル光線の球面収差の変化量を△SA(μ
    m)としたとき、次式を満たすことを特徴とする請求項
    1〜29のいずれか1項に記載の対物レンズ。 │△SA│≦1.5
  31. 【請求項31】 回折レンズとしての回折作用と屈折レ
    ンズとしての屈折作用とをあわせた場合、光源の波長が
    長波長側にシフトした際に、バックフォーカスが短くな
    る方向に変化するような軸上色収差特性を有し、次式を
    満たすことを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項
    に記載の対物レンズ。 −1<ΔCA/ΔSA<0 ただし, ΔCA:波長の変化に対する軸上色収差の変化量(m
    m) ΔSA:波長の変化に対するマージナル光線の球面収差
    の変化量(mm)
  32. 【請求項32】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    1〜31のいずれか1項に記載の対物レンズ。 t≦0.6mm λ≦500nm ただし、 t:光情報記録媒体の情報記録面を保護する透明基板の
    厚さ λ:光源の波長
  33. 【請求項33】 前記回折構造で発生するn次回折光量
    が他のいずれの次数の回折光量よりも大きく、前記対物
    レンズは、前記光情報記録媒体に対する情報の記録およ
    び/または再生するために回折構造で発生したn次回折
    光を光情報記録媒体の情報記録面に集光することができ
    ることを特徴とする請求項1〜32のいずれか1項に記
    載の対物レンズ。ここで、nは0、±1以外の整数であ
    る。
  34. 【請求項34】 前記回折構造のうち、少なくとも1つ
    の面上に形成された回折構造は、nを0、±1以外の整
    数としたとき、該回折構造で発生する回折光のうち、n
    次回折光の回折光量が他のいずれの次数の回折光の回折
    光量よりも大きくなるように各回折輪帯の光軸方向の段
    差量が決定されていることを特徴とする請求項1〜33
    のいずれか1項に記載の対物レンズ。
  35. 【請求項35】 飽和吸水率が0.5%以下である材料
    から形成されていることを特徴とする請求項1〜34の
    いずれか1項に記載の対物レンズ。
  36. 【請求項36】 使用波長領域で厚さが3mmにおける
    内部透過率が85%以上である材料から形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜35のいずれか1項に記載
    の対物レンズ。
  37. 【請求項37】 前記対物レンズの球面収差のうち、3
    次の球面収差成分をSA1、5次、7次及び9次の球面
    収差成分の和をSA2としたとき,次式を満たすことを
    特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の対物
    レンズ。 |SA1/SA2|>1.0 ただし、 SA1:収差関数をツェルニケ(Zernike)の多項式に
    展開したときの3次の球面収差成分 SA2:収差関数をツェルニケ(Zernike)の多項式に
    展開したときの5次の球面収差成分と7次の球面収差成
    分と9次の球面収差成分との2乗和の平方根
  38. 【請求項38】 光源と、前記光源から出射された発散
    光の発散角を変えるカップリングレンズと、このカップ
    リングレンズを介した光束を光情報記録媒体の透明基板
    を介して情報記録面に集光させる対物レンズと、を含む
    光情報記録媒体の記録および/または再生用の集光光学
    系であって、 前記集光光学系は少なくとも1面に輪帯状の回折構造を
    有し、 前記カップリングレンズは光軸方向に沿って変移するこ
    とで前記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の変動
    を補正することを特徴とする集光光学系。
  39. 【請求項39】 前記回折構造は前記対物レンズで発生
    する色収差を補正することを特徴とする請求項38に記
    載の集光光学系。
  40. 【請求項40】 前記カップリングレンズは前記対物レ
    ンズで発生する色収差を補正する機能を有することを特
    徴とする請求項38または39に記載の集光光学系。
  41. 【請求項41】 前記カップリングレンズは相対的にア
    ッベ数の大きい正レンズと、相対的にアッべ数の小さい
    負レンズとを接合した1群2枚構成であることを特徴と
    する請求項40に記載の集光光学系。
  42. 【請求項42】 前記カップリングレンズは少なくとも
    1面に輪帯状の回折構造を有する単玉レンズであること
    を特徴とする請求項40に記載の集光光学系。
  43. 【請求項43】 前記カップリングレンズと前記対物レ
    ンズとの合成系の色収差が次式を満たすことを特徴とす
    る請求項38〜42のいずれか1項に記載の集光光学
    系。 │△fB・NA│≦0.25μm ただし、△fB:前記光源の波長が+1nm変化したと
    きの合成系の焦点位置の変化(μm)
  44. 【請求項44】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    38〜43のいずれか1項に記載の集光光学系。 NA≧0.65 t≦0.6mm λ≦500nm ただし、NA:光情報記録媒体に記録および/または再
    生を行うのに必要な所定の対物レンズの像側開口数 t:光情報記録媒体の透明基板の厚さ λ:光源の波長
  45. 【請求項45】 前記回折構造で発生するn次回折光量
    が他のいずれの次数の回折光量よりも大きく、前記集光
    光学系は、前記光情報記録媒体に対する情報の記録およ
    び/または再生するために回折構造で発生したn次回折
    光を光情報記録媒体の情報記録面に集光することができ
    ることを特徴とする請求項38〜44のいずれか1項に
    記載の集光光学系。ここで、nは0、±1以外の整数で
    ある。
  46. 【請求項46】 前記対物レンズは請求項1〜37のい
    ずれか1項に記載の対物レンズであることを特徴とする
    請求項38〜45のいずれか1項に記載の集光光学系。
  47. 【請求項47】 前記カップリングレンズは、光軸方向
    に沿って変移することで、前記光源の発振波長の微少な
    変動に起因して集光光学系の各光学面で生じる球面収差
    の変動を補正することを特徴とする請求項38〜46の
    いずれか1項に記載の集光光学系。
  48. 【請求項48】 前記対物レンズは少なくとも1枚のプ
    ラスチック材料から形成されたレンズを含み、 前記カップリングレンズは、光軸方向に沿って変移する
    ことで温湿度変化に起因して集光光学系の各光学面で生
    じる球面収差の変動を補正することを特徴とする請求項
    38〜46のいずれか1項に記載の集光光学系。
  49. 【請求項49】 前記カップリングレンズは、光軸方向
    に沿って変移することで前記光情報記録媒体の透明基板
    の厚さの微少な変動に起因して集光光学系の各光学面で
    生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする請求
    項38〜46のいずれか1項に記載の集光光学系。
  50. 【請求項50】 前記カップリングレンズは、光軸方向
    に沿って変移することで、前記光源の発振波長の微少な
    変動、温湿度変化、及び前記光情報記録媒体の透明基板
    の厚さの微少な変動のうち少なくとも2つ以上の組み合
    わせに起因して集光光学系の各光学面で生じる球面収差
    の変動を補正することを特徴とする請求項38〜49の
    いずれか1項に記載の集光光学系。
  51. 【請求項51】 前記集光光学系の球面収差がオーバー
    側に変動するときは、前記カップリングレンズは、球面
    収差が変動する前に比して、前記対物レンズとの間隔を
    増加させるように光軸方向に沿って変移し、前記集光光
    学系の球面収差がアンダー側に変動するときは、前記カ
    ップリングレンズは、球面収差が変動する前に比して、
    前記対物レンズとの問隔を減少させるように光軸方向に
    沿って変移することで集光光学系の各光学面で生じる球
    面収差の変動を補正することを特徴とする請求項38〜
    50のいずれか1項に記載の集光光学系。
  52. 【請求項52】 前記光情報記録媒体は、同一の光束入
    射面側に透明基板と情報記録層とが交互に複数積層され
    た構造を有し、前記対物レンズを光軸方向に沿って変移
    することで、上記複数の記録層ヘの情報の記録および/
    または再生のためにフォーカシングさせ、かつ前記カッ
    プリングレンズを光軸方向へ変移させることで、前記光
    束入射面から各情報記録層までの透明基板の厚さの違い
    によって生じる球面収差の変動を補正することを特徴と
    する請求項38〜51のいずれか1項に記載の集光光学
    系。
  53. 【請求項53】 光源と、前記光源から出射された発散
    光の発散角を変えるカップリングレンズと、このカップ
    リングレンズを介した光束を光情報記録媒体の透明基板
    を介して情報記録面に集光させる対物レンズと、を含む
    集光光学系を備え、前記記録面からの反射光を検出する
    ことで前記光情報記録媒体に対する情報の記録および/
    または再生を行う光ピックアップ装置であって、 前記光ピックアップ装置は、 前記記録面からの反射光を検出するための受光手段と、 前記記録面に光束を集光させるために前記対物レンズを
    駆動させる第1の駆動装置と、を有し、 前記カップリングレンズは光軸方向に沿って変移するこ
    とで前記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の変動
    を補正し、 前記記録面からの反射光を検出することで前記記録面上
    に集光された光束の集光状態を検出し前記カップリング
    レンズを駆動させる第2の駆動装置を更に有し、 前記集光光学系が請求項38〜52のいずれか1項に記
    載の集光光学系であることを特徴とする光ピックアップ
    装置。
  54. 【請求項54】 請求項53に記載の光ピックアップ装
    置を搭載したことを特徴とする、音声および/または画
    像の記録装置、および/または、音声および/または画
    像の再生装置。
  55. 【請求項55】 波長の異なる光源と、前記光源から出
    射された光束を光情報記録媒体の透明基板を介して情報
    記録面上に集光させる対物レンズとを含み、複数の種類
    の光情報記録媒体に対して情報の記録および/または再
    生が可能な記録再生用の光ピックアップ装置に使用され
    る対物レンズであって、 前記対物レンズは、少なくとも1面に輪帯状の回折面を
    有し、少なくとも1面が非球面の単玉レンズであり、 前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2つの
    光情報記録媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t1≦
    t2)とし、 前記透明基板の厚さt1を有する光情報記録媒体に対し
    て情報の記録または再生を行う際の波長をλ1とし、前
    記透明基板の厚さt2を有する光情報記録媒体に対して
    情報の記録または再生を行う際の波長をλ2(λ1<λ
    2)とし、 波長λ1の光束により、透明基板の厚さt1の光情報記
    録媒体に記録または再生を行うのに必要な所定の像側開
    口数をNA1とし、波長λ2の光束により、透明基板の
    厚さt2の光情報記録媒体に記録または再生を行うのに
    必要な所定の像側開口数をNA2(NA1≧NA2)と
    したとき、 前記対物レンズは、波長λ1と透明基板の厚さt1と像
    側開口数NA1との組み合わせに対して、その波面収差
    が0.07λ1rms以下になるように集光でき、かつ
    波長λ2と透明基板の厚さt2と像側開口数NA2との
    組み合わせに対して、その波面収差が0.07λ2rm
    s以下になるように集光でき、 次式を満たすことを特徴とする対物レンズ。 NA1≧0.7 ただし、NA1:前記波長のうち短波長側の波長により
    透明基板の厚さの小さいほうの光情報記録媒体に記録お
    よび/または再生を行うのに必要な所定の像側開口数
  56. 【請求項56】 両面が非球面であることを特徴とする
    請求項55に記載の対物レンズ。
  57. 【請求項57】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    55または56に記載の対物レンズ。 0.5≦(f/νd)・fD≦10.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・
    ・の光路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系のλ1における焦点距離(mm) νd:対物レンズの材料のd線のアッベ数
  58. 【請求項58】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    57に記載の対物レンズ。 νd≧55.0
  59. 【請求項59】 前記対物レンズの色収差が次式を満た
    すことを特徴とする請求項57または58に記載の対物
    レンズ。 │△fBi・(NAi)|≦0.25μm (i=1
    および2) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
    m変化したときの、対物レンズの焦点位置の変化(μ
    m)
  60. 【請求項60】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    55または56に記載の対物レンズ。 −25.0≦b2i/λ1≦0.0 ただし、λ1:前記波長のうち、短波長側の波長(m
    m)b2i:第i面上に形成された、前記回折構造によ
    り透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合の2次の光路差
    関数係数(ここで、niは、前記第i面上に形成された
    回折構造で発生する回折光のうち最大の回折光量を有す
    る回折光の回折次数、hiは光軸からの高さ(mm)、
    2i、b4i、b6i、・・・はそれぞれ2次、4
    次、6次、・・・の光路差関数係数(回折面係数ともい
    う)である)。
  61. 【請求項61】 波長の異なる光源と、前記光源から出
    射された光束を光情報記録媒体の透明基板を介して情報
    記緑面上に集光させる対物レンズと、を含み、複数の種
    類の光情報記録媒体に対して情報の記録および/または
    再生が可能な記録再生用の光ピックアップ装置に使用さ
    れる対物レンズであって、 前記対物レンズは、少なくとも1面に輪帯状の回折面を
    有し、少なくとも1面が非球面の単玉レンズであり、 前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2つの
    光情報記録媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t1≦
    t2)とし、 前記透明基板の厚さt1を有する光情報記録媒体に対し
    て情報の記録または再生を行う際の波長をλ1とし、前
    記透明基板の厚さt2を有する光情報記録媒体に対して
    情報の記録または再生を行う際の波長をλ2(λ1<λ
    2)とし、 波長λ1の光束により、透明基板の厚さt1の光情報記
    録媒体に記録または再生を行うのに必要な所定の像側開
    口数をNA1とし、波長λ2の光束により、透明基板の
    厚さt2の光情報記録媒体に記録または再生を行うのに
    必要な所定の像側開口数をNA2(NA1≧NA2)と
    したとき、 前記対物レンズは、波長λ1と透明基板の厚さt1と像
    側開口数NA1との組み合わせに対して、その波面収差
    が0.07λ1rms以下になるように集光でき、かつ
    波長λ2と透明基板の厚さt2と像側開口数NA2との
    組み合わせに対して、その波面収差が0.07λ2rm
    s以下になるように集光でき、 次式を満たすことを特徴とする対物レンズ。 λ1≦500nm ただし、λ1:前記透明基板の厚さt1を有する光情報
    記録媒体に対して情報の記録および/または再生を行う
    際の波長
  62. 【請求項62】 両面が非球面であることを特徴とする
    請求項61に記載の対物レンズ。
  63. 【請求項63】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    61または62に記載の対物レンズ。 0.5≦(f/νd)・fD≦10.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系のλ1における焦点距離(mm) νd:対物レンズの材料のd線のアッべ数
  64. 【請求項64】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    63に記載の対物レンズ。 νd≧55.0
  65. 【請求項65】 前記対物レンズの色収差が次式を満た
    すことを特徴とする請求項63または64に記載の対物
    レンズ。 │△fBi・(NAi)│≦0.25μm (i=1
    および2) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
    m変化したときの、対物レンズの焦点位置の変化(μ
    m)
  66. 【請求項66】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    61または62に記載の対物レンズ。 −25.0≦b2i/λ1≦0.0 ただし、λ1:前記波長のうち、短波長側の波長(m
    m) b2i:第i面上に形成された、前記回折構造により透
    過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・)により定義される光路差関数で
    表す場合の2次の光路差関数係数(ここで、niは、前
    記第i面上に形成された回折構造で発生する回折光のう
    ち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、hiは光
    軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b6i、・・
    ・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光路差関数係
    数(回折面係数ともいう)である)。
  67. 【請求項67】 波長の異なる光源と、前記光源から出
    射された光束を光情報記録媒体の透明基板を介して情報
    記録面上に集光させる対物レンズと、を含み、複数の種
    類の光情報記録媒体に対して情報の記録および/または
    再生が可能な記録再生用の光ピックアップ装置に使用さ
    れる対物レンズであって、 前記対物レンズは、少なくとも1面に輪帯状の回折面を
    有し、少なくとも1面が非球面の単玉レンズであり、 前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2つの
    情報記緑媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t1≦t
    2)とし、 前記透明基板の厚さt1を有する光情報記録媒体に対し
    て情報の記録または再生を行う際の波長をλ1とし、前
    記透明基板の厚さt2を有する光情報記録媒体に対して
    情報の記録または再生を行う際の波長をλ2(λ1<λ
    2)とし、 波長λ1の光束により、透明基板の厚さt1の光情報記
    録媒体に記録または再生を行うのに必要な所定の像側開
    口数をNA1とし、波長λ2の光束により、透明基板の
    厚さt2の光情報記録媒体に記録または再生を行うのに
    必要な所定の像側開口数をNA2(NA1≧NA2)と
    したとき、 前記対物レンズは、波長λ1と透明基板の厚さt1と像
    側開口数NA1との組み合わせに対して、その波面収差
    が0.07λ1rms以下になるように集光でき、かつ
    波長λ2と透明基板の厚さt2と像側開口数NA2との
    組み合わせに対して、その波面収差が0.07λ2rm
    s以下になるように集光でき、 次式を満たすことを特徴とする対物レンズ。 0.5≦(f/νd)・fD≦10.0 ただし、fD:第i面上に形成された、前記回折構造に
    より透過波面に付加される光路差を、 Φbi=ni・(b2i・hi+b4i・hi+b
    6i・hi+・・・) により定義される光路差関数で表す場合に(ここで、n
    iは、前記第i面上に形成された回折構造で発生する回
    折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、
    hiは光軸からの高さ(mm)、b2i、b4i、b
    6i、・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・の光
    路差関数係数(回折面係数ともいう)である)、 fD=1/Σ(−2・ni・b2i)により定義される
    回折構造のみの焦点距離(mm) f:屈折パワーと前記回折構造による回折パワーとを合
    わせた対物レンズ全系のλ1における焦点距離(mm) νd:対物レンズの材料のd線のアッべ数
  68. 【請求項68】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    67に記載の対物レンズ。 νd≧55.0
  69. 【請求項69】 前記対物レンズの色収差が次式を満た
    すことを特徴とする請求項67または68に記載の対物
    レンズ。 │△fBi・(NAi)│≦0.25μm (i=1
    および2) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
    m変化したときの、対物レンズの焦点位置の変化(μ
    m)
  70. 【請求項70】 前記波長λ2の光束を前記透明基板の
    厚さt2を有する光情報記録媒体に対して前記NA1内
    で波面収差が0.07λ2以上の状態で集光させること
    を特徴とする請求項55〜69のいずれか1項に記載の
    対物レンズ。
  71. 【請求項71】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    55〜70のいずれか1項に記載の対物レンズ。 0.4≦│(Ph/Pf)−2│≦10.0 ただし、Pf:透明基板の厚さt1の光情報記録媒体に
    記録および/または再生を行うのに必要な像側開口数N
    A1における回折輪帯間隔(mm) Ph:NA1の1/2の開口数における回折輪帯間隔
    (mm)
  72. 【請求項72】 プラスチック材料から形成されること
    を特徴とする請求項55〜71のいずれか1項に記載の
    対物レンズ。
  73. 【請求項73】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    55〜71のいずれか1項に記載の対物レンズ。 t1≦0.6mm t2≧0.6mm λ1≦500nm 600nm≦λ2≦800nm NA1≧0.7 NA2≦0.65
  74. 【請求項74】 飽和吸水率が0.5%以下である材料
    から形成されていることを特徴とする請求項55〜73
    のいずれか1項に記載の対物レンズ。
  75. 【請求項75】 使用波長領域で厚さが3mmにおける
    内部透過率が85%以上である材料から形成されている
    ことを特徴とする請求項55〜74のいずれか1項に記
    載の対物レンズ。
  76. 【請求項76】 前記対物レンズの球面収差のうち、3
    次の球面収差成分をSA1、5次、7次及び9次の球面
    収差成分の和をSA2としたとき,次式を満たすことを
    特徴とする請求項55〜75のいずれか1項に記載の対
    物レンズ。 |SA1/SA2|>1.0 ただし、SA1:収差関数をツェルニケ(Zernike)の
    多項式に展開したときの3次の球面収差成分 SA2:収差関数をツェルニケ(Zernike)の多項式に
    展開したときの5次の球面収差成分と7次の球面収差成
    分と9次の球面収差成分との2乗和の平方根
  77. 【請求項77】 波長の異なる光源と、前記光源から出
    射された発散光の発散角を変えるカップリングレンズ
    と、このカップリングレンズを介した波長の異なる光源
    からの光束を光情報記録媒体の透明基板を介して情報記
    録面に集光させる対物レンズと、を含み、複数の種類の
    光情報記録媒体に対して情報の記録および/または再生
    が可能な情報記録再生用の集光光学系であって、 前記集光光学系は少なくとも1面に輪帯状の回折構造を
    有し、 前記互いに異なる波長のうち、任意の2つの波長をλ
    1、λ2(λ1<λ2)とし、 前記複数の種類の光情報記録媒体のうち、任意の2つの
    光情報記録媒体の透明基板の厚さをt1、t2(t1≦
    t2)とし、 波長λ1の光束により、透明基板の厚さt1の光情報記
    録媒体に記録または再生を行うのに必要な所定の像側開
    口数をNA1とし、波長λ2の光束により、透明基板の
    厚さt2の光情報記録媒体に記録または再生を行うのに
    必要な所定の像側開口数をNA2(NA1≧NA2)と
    したとき、 前記集光光学系は、波長λ1と透明基板の厚さt1と像
    側開口数NA1との組み合わせに対して、その波面収差
    が0.07λ1rms以下になるように集光でき、かつ
    波長λ2と透明基板の厚さt2と像側開口数NA2との
    組み合わせに対して、その波面収差が0.07λ2rm
    s以下になるように集光でき、 前記カップリングレンズは光軸方向に沿って変移するこ
    とで前記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の変動
    を補正することを特徴とする集光光学系。
  78. 【請求項78】 前記波長λ2の光束を前記透明基板の
    厚さt2を有する光情報記録媒体に対して前記NA1内
    で波面収差が0.07λ2以上の状態で集光させること
    を特徴とする請求項77に記載の集光光学系。
  79. 【請求項79】 前記回折構造は対物レンズで発生する
    色収差を補正することを特徴とする請求項77または7
    8に記載の集光光学系。
  80. 【請求項80】 前記カップリングレンズは対物レンズ
    で発生する色収差を補正する機能を有することを特徴と
    する請求項77〜79のいずれか1項に記載の集光光学
    系。
  81. 【請求項81】 前記カップリングレンズは相対的にア
    ッべ数の大きい正レンズと、相対的にアッベ数の小さい
    負レンズとを接合した1群2枚構成であることを特徴と
    する請求項80に記載の集光光学系。
  82. 【請求項82】 前記カップリングレンズは少なくとも
    1面に輪帯状の回折構造を有する単玉レンズであること
    を特徴とする請求項80に記載の集光光学系。
  83. 【請求項83】 前記カップリングレンズと前記対物レ
    ンズとの合成系の色収差が次式を満たすことを特徴とす
    る請求項77〜82のいずれか1項に記載の集光光学
    系。 │△fBi・(NAi)│≦0.25μm (i=1
    および2) ただし、△fBi:前記波長λiの光源の波長が+1n
    m変化したときの、合成系の焦点位置の変化(μm)
  84. 【請求項84】 次式を満たすことを特徴とする請求項
    77〜83のいずれか1項に記載の集光光学系。 t1≦0.6mm t2≧0.6mm λ1≦500nm 600nm≦λ2≦800nm NA1≧0.65 NA2≦0.65
  85. 【請求項85】 前記対物レンズは請求項55〜76の
    いずれか1項に記載の対物レンズであることを特徴とす
    る請求項77〜84のいずれか1項に記載の集光光学
    系。
  86. 【請求項86】 前記カップリングレンズは、前記透明
    基板の厚さが異なる複数の光情報記録媒体に対してそれ
    ぞれの透明基板の厚さに応じて前記対物レンズに入射す
    る光束の発散度を変えることを特徴とする請求項77〜
    85のいずれか1項に記載の集光光学系。
  87. 【請求項87】 前記カップリングレンズは、光軸方向
    に沿って変移することで、前記光源の発振波長の微少な
    変動に起因して集光光学系の各光学面で生じる球面収差
    の変動を補正することを特徴とする請求項77〜86の
    いずれか1項に記載の集光光学系。
  88. 【請求項88】 前記対物レンズは少なくとも1枚のプ
    ラスチック材料から形成されたレンズを含み、 前記カップリングレンズは、光軸方向に沿って変移する
    ことで、温湿度変化に起因して集光光学系の各光学面で
    生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする請求
    項77〜86のいずれか1項に記載の集光光学系。
  89. 【請求項89】 前記カップリングレンズは、光軸方向
    に沿って変移することで、前記光情報記録媒体の透明基
    板の厚さの微少な変動に起因して集光光学系の各光学面
    で生じる球面収差の変動を補正することを特徴とする請
    求項77〜86のいずれか1項に記載の集光光学系。
  90. 【請求項90】 前記カップリングレンズは、光軸方向
    に沿って変移することで、前記光源の発振波長の微少な
    変動、温湿度変化、及び前記光情報記録媒体の透明基板
    の厚さの微少な変動のうち少なくとも2つ以上の組み合
    わせに起因して集光光学系の各光学面で生じる球面収差
    の変動を補正することを特徴とする請求項77〜89の
    いずれか1項に記載の集光光学系。
  91. 【請求項91】 前記集光光学系の球面収差がオーバー
    側に変動するときは、前記カップリングレンズは、球面
    収差が変動する前に比して、前記対物レンズとの間隔を
    増加させるように光軸方向に沿って変移し、前記集光光
    学系の球面収差がアンダー側に変動するときは、前記カ
    ップリングレンズは、球面収差が変動する前に比して、
    前記対物レンズとの間隔を減少させるように光軸方向に
    沿って変移することで集光光学系の各光学面で生じる球
    面収差の変動を補正することを特徴とする請求項77〜
    90のいずれか1項に記載の集光光学系。
  92. 【請求項92】 波長の異なる光源と、前記光源から出
    射された発散光の発散角を変えるカップリングレンズ
    と、このカップリングレンズを介した光束を光情報記録
    媒体の透明基板を介して情報記録面に集光させる対物レ
    ンズと、を含む集光光学系を備え、前記記撮面からの反
    射光を検出することで前記複数の種類の光情報記録媒体
    に対する情報の記録および/または再生が可能な光ピッ
    クアップ装置であって、 前記光ピックアップ装置は、 前記記録面からの反射光を検出するための受光手段と、 前記記録面に光束を集光させるために前記対物レンズを
    駆動させる第1の駆動装置と、を有し、 前記カップリングレンズは光軸方向に沿って変移するこ
    とで前記集光光学系の各光学面で生じる球面収差の変動
    を補正し、 前記記録面からの反射光を検出することで前記記録面上
    に集光された光束の集光状態を検出し前記カップリング
    レンズを駆動させる第2の駆動装置を更に有し、 前記集光光学系が請求項77〜91のいずれか1項に記
    載の集光光学系であることを特徴とする光ピックアップ
    装置。
  93. 【請求項93】 請求項92に記載の光ピックアップ装
    置を搭載したことを特徴とする、音声および/または画
    像の記録装置、および/または、音声および/または画
    像の再生装置。
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