JPH11259892A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JPH11259892A
JPH11259892A JP10080305A JP8030598A JPH11259892A JP H11259892 A JPH11259892 A JP H11259892A JP 10080305 A JP10080305 A JP 10080305A JP 8030598 A JP8030598 A JP 8030598A JP H11259892 A JPH11259892 A JP H11259892A
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JP
Japan
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astigmatism
optical pickup
liquid crystal
wavefront aberration
voltage
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Application number
JP10080305A
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English (en)
Inventor
Masakazu Ogasawara
昌和 小笠原
Yoshitsugu Araki
良嗣 荒木
Masaru Otaki
賢 大滝
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に非点収差の影響を補正することができ
る光ピックアップを提供すること。 【解決手段】 少なくとも、光源と、対物レンズと、透
過光束に位相差を与えることにより収差補正を行う収差
補正手段と、を備えた光ピックアップにおいて、前記収
差補正手段は、前記光ピックアップの光学系に起因する
非点収差を補正することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクから記
録情報を読み出すための光ピックアップに関する。
【従来の技術】大容量のディジタル情報を記録すること
のできる光ディスクとしてDVD(Digital Video
DiscまたはDigital Versatile Disc)が普及しつつ
ある。このDVDはCD(Compact Disc) と同じ直径1
2cmの光ディスクであり、動画やコンピュータ情報な
どのディジタル情報をCDの約8倍以上の記録密度で記
録できるようにしたものである。DVDを再生するDV
D再生装置においては、CDも再生できるようにしてい
る。これらのCDやDVD等の複数種類の光ディスクは
DVD再生装置にて1 つのピックアップで再生される。
【0002】これらの光ディスクを再生するにあたっ
て、光ディスクのチルト角に起因するコマ収差や、再生
する光ディスクの基板の厚さの違いに起因する球面収差
を補正する方法として、光ピックアップの光路中に液晶
素子を配置して該コマ収差や球面収差を補正する方法が
特開平9−128785号に開示されている。この方法
は、液晶に電圧を印加することにより液晶の屈折率を変
化させ、通過光束に適切な位相差を与えて光ディスクの
チルト角に起因するコマ収差や、ディスク基板の厚さの
違いに起因する球面収差の影響を打ち消すようにしたも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ディ
スクの再生の際に生じる波面収差にはコマ収差や球面収
差に起因するものだけでなく非点収差に起因するものも
存在する。非点収差は光学部品の精度、組立誤差または
光軸のずれや傾き等で発生してしまうものである。しか
も同一の光学系を有する光ピックアップであってもそれ
ぞれの非点収差の方向や収差の大きさが異なる。この非
点収差を減少させるためには光ピックアップに用いる光
学部品の精度を向上させるか、または組立後に的確な調
整を行う必要がありコストアップにつながっていた。
【0004】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、簡単な構成で非点収差を補正することができる
光ピックアップを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光ピック
アップは、少なくとも、光源と、対物レンズと、透過光
束に位相差を与えることにより収差補正を行う収差補正
手段と、を備えた光ピックアップにおいて、前記収差補
正手段は、前記光ピックアップの光学系に起因する非点
収差を補正することを特徴としている。
【0006】請求項2記載の光ピックアップは、請求項
1記載の光ピックアップにおいて、前記収差補正手段は
電圧を印加するための電極と該電圧の変化に応じて透過
光に対する屈折率が変化する屈折率可変層を有し、前記
電圧を制御することにより、前記透過光束に前記非点収
差を打ち消す位相差を付与することを特徴とする。
【0007】請求項3記載の光ピックアップは、請求項
2記載の光ピックアップにおいて、前記電極が前記非点
収差を主とする波面収差分布に対応した形状に分割され
ていることを特徴とする。
【0008】請求項4記載の光ピックアップは、請求項
3記載の光ピックアップにおいて、記波面収差分布は前
記対物レンズの瞳面におけるものであることを特徴とす
る。
【0009】請求項5記載の光ピックアップは、請求項
3または4記載の光ピックアップにおいて、前記透過光
束に前記非点収差を打ち消す位相差を付与するようにそ
れぞれの分割電極に電圧を印加することを特徴とする。
【0010】請求項6記載の光ピックアップは、請求項
1ないし5のいずれか1に記載の光ピックアップにおい
て、前記屈折率可変層は液晶層であることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明は、透過光束に位相差を与えることによ
り非点収差を補正するようにしたので、簡単な構成で非
点収差を補正することができ良好な再生特性を得ること
ができる。また、高精度の光学部品を用いなくても非点
収差を減らせるので、光ピックアップのコストダウンを
達成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を
図面に基づいて以下に説明する。図1は、本発明におけ
る光ピックアップの構成図である。図1において、1は
半導体レーザ等からなるレーザ光源、2は偏光ビームス
プリッタ、3は非点収差補正手段としての液晶パネル、
4は1/4波長板、5は対物レンズ、6は光ディスク、
7は集光レンズ、8は受光器、9は液晶駆動手段であ
る。
【0013】同図において、レーザ光源1から出射され
たレーザビームは、偏光ビームスプリッタ2を通過した
後、液晶パネル3と1/4波長板4を通って対物レンズ
5で集光され、光ディスク6の情報記録面に焦点を結
ぶ。光ディスク6の情報記録面から反射したレーザビー
ムの反射光は、再び対物レンズ5、1/4波長板4、液
晶パネル3を通過し、偏光ビームスプリッタ2によって
光路を変更し、集光レンズ7を介して受光器8上に像を
結ぶ。なお、上記1/4波長板4は、偏光ビームスプリ
ッタ2によって直線偏光波とされたレーザビームの偏光
面Pと45°の角度で交差するように配置されている。
【0014】図2に液晶パネルの断面図を示す。図2に
おいて、301、307は透明なガラス基板であって、
このガラス基板の内面にITOなどの透明電極302、
306が蒸着されている。透明電極302は後述する非
点収差を主とする波面収差分布に対応したパターン電極
であり、複数の分割電極から構成されている。各分割電
極は独立に異なる電圧を印加することができるようにな
っている。透明電極306は分割されていない対向電極
である。
【0015】透明電極302、306の内面には、液晶
に所定の分子配向を与えるための配向膜303、305
が形成されており、この配向膜303と305の間に、
ネマチック液晶などの複屈折を有する液晶が封入され液
晶層304を形成する。また液晶パネル3はレーザビー
ムのビーム径よりも広い範囲を有している。
【0016】液晶としては図3に示すように液晶分子M
の光学軸方向の屈折率がn1であり、これに垂直な方向
の屈折率がn2であるような、液晶分子の方向により屈
折率が異なる、いわゆる複屈折を有しているものが用い
られる。
【0017】透明電極302と306間に印加する電圧
を変化させることにより、液晶分子Mの向きを水平方向
から垂直方向まで自在に変えることができる。これによ
り液晶層304の透過光束に対する屈折率をn1からn
2まで変化させることができる。透明電極への印加電圧
は液晶駆動手段9により設定され、透明電極302の各
分割電極に印加する電圧を調整することにより、各分割
電極により形成される領域ごとに異なる位相差を付与す
ることができる。
【0018】次に、本発明によるピックアップ内の光学
系に起因する非点収差の補正の原理について説明する。
対物レンズの瞳面上における極座標を(r,φ)で表す
と、対物レンズの瞳面における波面収差をW(r,φ)
とするとW(r,φ)は以下の数式(1)で表される。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、W11rcos φは像点移動によるも
のであり、W313 cos φは主に光ディスクのチルト角
等によるコマ収差を表すものである。W404 は主に光
ディスクの基板厚さの違い等による球面収差を表し、W
202 はデフォーカスによる収差である。W222 cos
2 φは主に光ピックアップ内の光学系に起因する非点収
差を表すものである。なおWijは収差係数である。
【0021】本発明においては非点収差を打ち消すこと
が目的であるので、説明を簡単にするために数式(1)
において、非点収差だけが存在する(コマ収差及び球面
収差が0である)ものとする。この場合対物レンズの瞳
面における波面収差は数式(2)で表される。
【0022】
【数2】
【0023】対物レンズの瞳面上の波面収差W(r,
φ)の標準偏差をWrms とすると、Wrms は以下の数式
(3)で表される。
【0024】
【数3】
【0025】数式(3)において、W0 はW(r,φ)
の平均値である。Wrms は波面収差の評価に用いられ、
rms を小さくすれば波面収差の影響が少なくなり良好
な再生を行うことができる。
【0026】発生している波面収差が非点収差だけの場
合、数式(3)は、
【0027】
【数4】
【0028】数式(4)で表される。ここでWAS(r,
φ)におけるW202 はWrms を最小にする値となる
(実際の光ピックアップではフォーカスオフセット調整
を行うことによりWrms が最小となる)。
【0029】数式(4)に基づいて計算された対物レン
ズの瞳面における波面収差分布を図4に示す。図4
(a)は数式4に基づいて計算された対物レンズの瞳面
における非点収差による波面収差分布であり、濃い部分
が非点収差の大きい領域である。
【0030】図4(b)は図4(a)の非点収差による
波面収差分布のY−Y’断面であり、この図から波面収
差分布がY−Y’方向では対物レンズの瞳面の中心で小
さく周辺部にいくにしたがって波面収差が正方向に大き
くなっていることがわかる(瞳中心の波面収差を0とし
たとき周辺部Y、Y’では+0.15λの波面収差が生
じている)。
【0031】図4(c)は図4(a)の非点収差による
波面収差分布のX−X’断面であり、この図から波面収
差分布がX−X’方向では対物レンズの瞳面の中心で小
さく周辺部にいくにしたがって波面収差が負方向に大き
くなっていることがわかる(瞳中心の波面収差を0とし
たとき周辺部X、X’では−0.15λの波面収差が生
じている)。図4(a)〜(c)から、対物レンズの瞳
面における非点収差を主とする波面収差分布は馬鞍型を
なしており、X−X’、Y−Y’軸に対して対称である
ことがわかる。
【0032】なお、対物レンズの瞳面でみた非点収差に
よる波面収差分布は、図1に示す光学系に特有のもので
なく、非点収差を持つ他の光学系でも同様の分布パター
ンとなる。ただし、非点収差の方向によりパターンの方
向が変化する(図4(a)におけるX−X’、Y−Y’
軸が回転する)。また、非点収差の大きさにより波面収
差量も変化するが、いずれの場合も波面収差分布のパタ
ーンは同一である。
【0033】ところで、非点収差の影響を減少させるに
は、数式(4)におけるWrms を小さくすればよい。こ
のためにはWAS(r,φ)自体を小さくするか、W
AS(r,φ)とは逆極性の波面収差、すなわち、−WAS
(r,φ)を透過光束に与えればよい。本発明は、後者
の方法を用いた。つまり、光ピックアップ内の光学系に
起因する非点収差WAS( r,φ) の影響を少なくするた
めに、レーザビームが対物レンズで収束される前にレー
ザービームに−WAS(r,φ)を加えることにより、非
点集差を打ち消すことにした。このために図1の如く、
レーザ光源1と対物レンズ5の間に収差補正手段として
の液晶パネル3を配置するのである。
【0034】WAS(r,φ)とは逆極性の波面収差を与
えるために、液晶パネル3に前述したパターン電極を用
いた。パターン電極の各分割電極により形成される領域
ごとに異なる電圧を印加できる。これにより、光軸に対
する液晶分子の傾き角をそれぞれの領域で独立に調整し
透過光に対する屈折率を異ならせ、透過する領域により
異なる位相差を付与することができるのである。
【0035】数式を用いて説明すると、液晶パネルで与
えられる位相差をWLC(r,φ)で表すと、液晶パネル
を配置した時の対物レンズの瞳面における波面収差W
(r,φ)は数式5で表される。
【0036】
【数5】
【0037】非点収差であるWAS(r,φ)を打ち消す
には、ピックアップ内の光学系に起因する非点収差WAS
(r,φ)と逆極性の波面収差、すなわち、
【0038】
【数6】
【0039】というような波面収差を液晶パネル3によ
り光束に与えればよいことがわかる。液晶パネル3によ
り非点収差WAS(r,φ)と逆極性の波面収差を与える
ためには、図4で示された光ピックアップ内の光学系に
起因する波面収差分布に対応して液晶パネル3を分割
し、各分割電極の印加電圧を非点収差とは逆極性の波面
収差を与えるように制御してやればよい。
【0040】それゆえに、液晶パネル3の透明電極30
2を、図4(a)の対物レンズの瞳面における非点収差
による波面収差分布とほぼ類似するようなパターン電極
としたのである。
【0041】図5は液晶パネル3の透明電極302を、
非点収差を打ち消すようにするためのパターン電極の1
例であり、図4の波面収差分布とほぼ同様な形状となる
ように501から505に5分割されている。なお、図
5における円は対物レンズの瞳を模式的に示しており、
レーザ光源1からの光束が該円を通るようように液晶パ
ネル3がピックアップ内に配置される。
【0042】次に、非点収差を補正するための液晶パネ
ル3の駆動方法について説明する。透明電極302の各
分割分割電極501〜505には矩形波が印加され、対
向する透明電極306はグランドレベルになっている。
矩形波の振幅に応じた電圧が各分割電極に印加されるこ
とになる。よって、矩形波の振幅を制御することによ
り、各分割電極に印加される電圧を調整し液晶の屈折率
を変化させ透過光束に所望の位相差を付与することがで
きる。
【0043】図6は液晶駆動手段9の構成を示すブロッ
ク図である。901は液晶駆動手段9を制御するマイコ
ンなどからなる制御器、902は非点収差の大きさに応
じた電圧Vを出力する液晶ドライバ、903は液晶ドラ
イバ902から出力された電圧Vを−Vに反転する反転
器である。904、905は基準電圧を加算する加算
器、906は入力される電圧に応じた振幅を有する矩形
波を出力する振幅変調器、907は透明電極302の各
分割電極に印加する電圧を選択するための選択スイッチ
である。908は基準電圧であり、909は透明電極3
02に対向する透明電極306のグランドレベル端子で
ある。
【0044】図7は液晶パネルに印加されるドライブ波
形を、図8は印加する電圧と位相差の関係を示した図で
ある。図7の中段のVcは基準位相φcを与える基準電
圧によるドライブ波形であり、図5における分割電極5
05に印加されるドライブ波形である。分割電極501
〜505のすべてに印加すると、液晶パネルのすべての
領域で透過光束にφcを与えることになり液晶パネル3
を透過後の光束の波面は変化しない。この場合液晶パネ
ル3は単なるガラス板と同じとなる。
【0045】図7の上段のVbは、基準位相φcよりも
遅れた位相であるφbを与えるドライブ波形である。こ
のVbが印加される領域を透過する光束には位相φbが
与えられる。したがって、Vcが印加されている領域を
透過した光束に比べてVbが印加されている領域を透過
した光束は位相がφc−φbだけ遅れていることにな
る。つまり、図8で示すように、Vcが印加されている
領域とVbが印加されている領域とはφc−φbの位相
差が生じていることになる。以下、この位相差φc−φ
bを負の位相差と呼ぶ。
【0046】図7の下段のVaは、基準位相φcよりも
進んだ位相であるφaを与えるドライブ波形である。こ
のVaが印加される領域を透過する光束には位相φaが
与えられる。したがって、Vcが印加されている領域を
透過した光束に比べてVaが印加されている領域を透過
した光束は位相がφa−φcだけ進んでいることにな
る。つまり、図8で示すように、Vcが印加されている
領域とVaが印加されている領域とはφa−φcの位相
差が生じていることになる。以下、この位相差φc−φ
bを正の位相差と呼ぶ。
【0047】図5の各分割分割電極501〜505に
は、発生している非点収差に応じてVa、Vb、Vcの
いずれかのドライブ波形が印加される。また、非点収差
の大きさによりVa、Vbの振幅を調整する。非点収差
の対称性からφc−φbとφa−φcとの絶対値は等し
く符号が異なる。
【0048】次に、図4の対物レンズの瞳面における非
点収差による波面収差分布を補正する場合の各分割電極
に印加するドライブ波形を説明する。
【0049】分割電極501の領域における図4の波面
収差は負の方向(図4(a)でいうとX’側の黒い領域
であり約-0.025λ〜-0.15 λの非点収差)なので、分割
電極501にはこの波面収差を打ち消すために、液晶に
より透過光束に正の方向の位相差を付与するようにドラ
イブ波形Vaが印加される。
【0050】分割電極502の領域における図4の波面
収差は正の方向(図4 (a)でいうとY’側の黒い領域
であり約+0.025 λ〜+0.15λの非点収差)なので、分
割電極502にはこの波面収差を打ち消すために、液晶
により透過光束に負方向の位相差を付与するようにドラ
イブ波形Vbが印加される。
【0051】分割電極503の領域における図4の波面
収差は負の方向なので、分割電極503にはこの波面収
差を打ち消すために、透過光束に正方向の位相差を付与
するようにドライブ波形Vaが印加される。非点収差に
よる波面収差分布の対称性から分割電極503に印加ド
ライブ波形は分割電極501と同じである。
【0052】分割電極504の領域における図4の波面
収差は正の方向なので、分割電極504にはこの波面収
差を打ち消すために、透過光束に負方向の位相差を付与
するようにドライブ波形Vbが液晶駆動手段9から印加
される。非点収差による波面収差分布の対称性から分割
電極504に印加すべきドライブ波形は分割電極502
と同じである。
【0053】分割電極505には、前述したように基準
位相φcを与えるためにドライブ波形Vcが印加され
る。
【0054】このように駆動される液晶パネル3を対物
レンズとレーザ光源との間に配置し、ピックアップ内の
光学系に起因する非点収差WAS(r,φ)と逆極性の波
面収差を付与した場合の波面収差の標準偏差W
rmsLC は、
【0055】
【数7】
【0056】となる。ここでW0LC は液晶パネル3で与
える位相差W(r、φ)の平均値である。WrmsLC を図
示したものが図9ある。図9(a)は数式7で算出され
た波面収差分布であり、図9(b)は図9(a)のY−
Y’断面であり、図9(c)は図9(a)のX−X’断
面である。図4と比較して色の濃い部分が減少してお
り、液晶パネル3による補正の結果、瞳面全体の非点収
差に起因する波面収差が減少している。
【0057】図10は、上記の数式2の収差係数W22
変化させて、液晶パネル3を用いた場合(図中の黒丸に
よる直線)と用いなかった場合(図中の黒い四角による
直線)の波面収差のWrms であり、縦軸は波面収差のR
MSであり、横軸は収差係数W22を示している。この図
から明らかなように、液晶パネル3を用いたものは50
%以下に波面収差(非点収差に起因する波面収差)を低
減していることがわかる。
【0058】非点収差は、光ディスクの再生時に変化す
るものではなく、再生に用いられる光ピックアップの光
学系に起因するものである。そのため非点収差はディス
クの状態に係わらず常に一定であるので製品組み立てな
どの段階で非点収差が最良となるように液晶パネルで与
える位相差を調整すればよい。そのためには、液晶パネ
ル3以外の光学部品を配置したピックアップにおける非
点収差の方向と大きさを測定し、測定された非点収差の
方向と液晶パネルの方向とが同じになるようにすればよ
い。すなわち非点収差に起因する波面収差がレンズの瞳
面で最小となるように液晶パネル3の向きを決定し設置
する。
【0059】液晶パネル3を設置したあとに、測定され
た非点収差の大きさに応じて液晶ドライバ902からの
出力電圧Vの調整を行う。また、電圧Vにより分割電極
501と503に印加するドライブ波形であるVaが振
幅変調器906から出力され、電圧Vを反転器903を
介して−Vとし、この−Vにより分割電極502と50
4に印加するドライブ波形Vcが振幅変調器906から
出力される。液晶駆動手段9をこのような構成にするこ
とで、液晶ドライバ902から出力する電圧は1 種類で
よいため制御が簡単になる。
【0060】非点収差に起因する波面収差を補正するた
めの液晶パネル3に用いられるパターン電極は図5に示
したパターンに限らず別のパターンでもよい。図11は
液晶パネル3に用いられるパターン電極の他の形態であ
る。図11の場合透明電極は9分割されており、円形の
分割電極110とそれを取り囲む分割電極111〜11
8で構成されている。図5に示したパターン電極と同様
に各分割電極110〜118は独立に電圧を印加できる
ようになっている。
【0061】図11に示すパターン電極を用いて図4の
非点収差に起因する波面収差を補正する場合は、中心の
分割電極110にはドライブ波形Vcが印加され基準位
相φcが透過光束に与えられる。分割電極112、11
3、116、117にはドライブ波形Vbが印加され透
過光束には位相差φc−φbが与えられる。分割電極1
11、114、115、118にはVaが印加され透過
光束にはφa−φcが与えられる。
【0062】また、電圧の印加により屈折率が変化する
材料として液晶を用いた場合について説明したが、これ
に限らず例えばLiNbO3 のような電気光学材料を用
いてもよい。
【0063】このようにして、従来の方法では補正でき
なかった、ピックアップ内の光学系に起因する非点収差
を液晶パネルを用いて簡単に補正できることになる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、透過光束に位相差を与
えることにより非点収差を補正するようにしたので、簡
単に非点収差の影響を補正することができ良好な再生特
性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップの構成を示す図であ
る。
【図2】液晶パネルの構成を示す図である。
【図3】液晶分子の説明図である。
【図4】液晶パネルを用いない場合の対物レンズ瞳面に
おける波面収差分布を示す図である。
【図5】液晶パネルのパターン電極を示す図である。
【図6】液晶駆動手段のブロック図である。
【図7】液晶パネルのドライブ波形を示す図である。
【図8】ドライブ波形と位相差との関係を示す図であ
る。
【図9】液晶パネルを用いて非点収差を補正した場合
の、対物レンズ瞳面における波面収差分布を示す図であ
る。
【図10】液晶パネルによる補正の効果を示すグラフで
ある。
【図11】パターン電極の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ光源 2・・・偏光ビームスプリッタ 3・・・液晶パネル 4・・・1/4波長板 5・・・対物レンズ 6・・・光ディスク 7・・・集光レンズ 8・・・受光器 9・・・液晶駆動手段 901・・・制御器 902・・・液晶ドライバ 903・・・反転器 904・・・加算器 905・・・加算器 906・・・振幅変調器 907・・・選択スイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、光源と、対物レンズと、透
    過光束に位相差を与えることにより収差補正を行う収差
    補正手段と、を備えた光ピックアップにおいて、 前記収差補正手段は、前記光ピックアップの光学系に起
    因する非点収差を補正することを特徴とする光ピックア
    ップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ピックアップにおい
    て、 前記収差補正手段は電圧を印加するための電極と該電圧
    の変化に応じて透過光に対する屈折率が変化する屈折率
    可変層を有し、前記電圧を制御することにより、前記透
    過光束に前記非点収差を打ち消す位相差を付与すること
    を特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光ピックアップにおい
    て、 前記電極が前記非点収差を主とする波面収差分布に対応
    した形状に分割されていることを特徴とする光ピックア
    ップ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光ピックアップにおい
    て、 前記波面収差分布は前記対物レンズの瞳面におけるもの
    であることを特徴とする光ピックアップ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の光ピックアップ
    において、 前記透過光束に前記非点収差を打ち消す位相差を付与す
    るようにそれぞれの分割電極に電圧を印加することを特
    徴とする光ピックアップ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1に記載の
    光ピックアップにおいて、 前記屈折率可変層は液晶層であることを特徴とする光ピ
    ックアップ。
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