JP3600027B2 - 収差補正装置及び光ピックアップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD、DVDなどの光ディスクに光ビームを照射して記録情報を再生又は記録するための情報再生装置又は情報記録装置において、光ピックアップの光学系に起因する非点収差を補正すると共に、光ディスクのチルトに起因する収差を補正する収差補正装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ディスクの再生等を行うために用いられる光ピックアップにおいて、種々の要因により発生する波面収差の影響を受けて性能が劣化することが問題となっている。これらの波面収差を補正するため、光ピックアップの光路中に液晶素子を配置して液晶に電圧を印加する方法が提案されている。これにより、液晶の屈折率を変化させ、通過する光ビームに位相差を与えて各種の波面収差を打ち消すことにより、波面収差を補正するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ピックアップにおいては、多様な要因で波面収差が発生する。その中でも、光ディスクのチルトに起因するコマ収差と光学系に起因する非点収差は、光ピックアップを用いて再生や記録を行う際の性能に大きく影響を与えるので、十分に対策を施しておくことが望ましい。そのため、光ディスクのチルトに起因する収差を補正する液晶素子と、光学系に起因する非点収差を補正する非点収差を補正する液晶素子を2つ重ねて光ピックアップを構成することが考えられる。しかし、このような構成では、光ピックアップの小型、軽量化が困難になることが問題となる。
【0004】
また、光学系に起因する非点収差は、光学部品の精度、組立誤差等で発生するものであると共に、同一の光学系を有する光ピックアップ内であっても、それぞれの非点収差の方向や大きさが異なるという特性がある。そのため、非点収差を減少させるためには、より精度の高い光学部品を用いるか、組立後に的確な調整を行うなどの必要があり、コスト上昇につながることが問題となる。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、1つの液晶素子を用いて光学系に起因する非点収差と光ディスクのチルトに起因する収差を同時に補正可能であると共に、簡単な構成で方向や大きさの異なる非点収差の補正に対応可能な収差補正装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の収差補正装置は、光源から出射され、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームに位相差を付与することにより収差を補正する収差補正装置であって、前記光ビームの通過領域を中心部と外周部に分割し、更に当該外周部を光学系に起因する非点収差の分布に対応して略中心対称に複数に分割して形成され、それぞれの分割領域ごとに前記非点収差の方向に対応して設定された電圧が印加される第1電極と、前記光ビームの通過領域を光ディスクに照射される際のチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割して形成され、それぞれの分割領域に電圧が印加される第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の一方又は双方により通過する光ビームに前記電圧に応じた位相差を付与し、前記収差を補正する収差補正手段と、を備え、前記第1電極においては、前記外周部の各分割領域のうち、前記方向に対応して互いに中心対称な位置にある二つの当該分割領域よりなる第一の領域と、前記方向に垂直な方向に対応して互いに中心対称な位置にある二つの当該分割領域よりなる第二の領域と、のそれぞれに互いに逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧が印加されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、光源から出射された光ビームは、収差補正装置に達し、第1電極の少なくとも外周部に形成された、非点収差の分布に対応する略中心対称の複数の分割領域を通過すると共に、第2電極の光ディスクのチルトに起因する収差の分布に対応する複数の分割領域を通過する。このとき、第1電極と第2電極に、それぞれ各分割領域毎に設定された電圧が印加され、収差補正手段にて、この電圧に応じて位相差が付与され、光学系に起因する非点収差とチルトに起因する収差を補正する。よって、光ピックアップに様々な方向性の非点収差があり、これに加えて光ディスクの傾きによりチルトに起因する収差が生じている場合でも、1つの光学素子で同時に両方の収差の補正が可能となる。また、非点収差の任意の方向に対応できるので、光学部品にきわめて高い精度を要求することがなく、組み立て後の調整等も不要となる。
更に、第1電極における光ビームの通過領域が中心部と外周部に分割されると共に、更に外周部が略中心対称に複数分割され、当該外周部の各分割領域のうち、非点収差の方向に対応して互いに中心対称な位置にある二つの当該分割領域よりなる第一の領域と、当該方向に垂直な方向に対応して互いに中心対称な位置にある二つの当該分割領域よりなる第二の領域と、のそれぞれに互いに逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧が印加されるので、第1電極の中心では波面収差の変化が少なく外周では波面収差が方向に応じて変化するという非点収差の特性に合致した補正を行うことができるため、2種の収差補正が可能なことに加えて、簡易な制御で容易に非点収差の補正が行われる。更に、外周部の複数の分割領域を中心対称とし、かつ直交方向に逆の特性を与えるようにしたので、非点収差の方向に応じて駆動パターンを実質的に回転させることができ、簡単に方向性に対応した非点収差の補正を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、光源から出射され、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームに位相差を付与することにより収差を補正する収差補正装置であって、前記光ビームの通過領域を中心部と外周部に分割し、更に当該外周部を光学系に起因する非点収差の分布に対応して略中心対称に複数に分割して形成され、それぞれの分割領域ごとに前記非点収差の方向に対応して設定された電圧が印加される第1電極と、前記光ビームの通過領域を光ディスクに照射される際のチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割して形成され、それぞれの分割領域に電圧が印加される第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の一方又は双方により通過する光ビームに前記電圧に応じた位相差を付与し、前記収差を補正する収差補正手段と、を備え、前記第1電極においては、前記方向が前記外周部の各分割領域の境界近辺となる場合に、当該境界の両側に隣接して位置し互いに中心対称な四つの当該分割領域よりなる第一の領域と、当該境界に直交する線の両側に隣接して位置し互いに中心対称な四つの当該分割領域よりなる第二の領域と、のそれぞれに互いに逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧が印加されることを特徴とする。
この発明によれば、光源から出射された光ビームは、収差補正装置に達し、第1電極の少なくとも外周部に形成された、非点収差の分布に対応する略中心対称の複数の分割領域を通過すると共に、第2電極の光ディスクのチルトに起因する収差の分布に対応する複数の分割領域を通過する。このとき、第1電極と第2電極に、それぞれ各分割領域毎に設定された電圧が印加され、収差補正手段にて、この電圧に応じて位相差が付与され、光学系に起因する非点収差とチルトに起因する収差を補正する。よって、光ピックアップに様々な方向性の非点収差があり、これに加えて光ディスクの傾きによりチルトに起因する収差が生じている場合でも、1つの光学素子で同時に両方の収差の補正が可能となる。また、非点収差の任意の方向に対応できるので、光学部品にきわめて高い精度を要求することがなく、組み立て後の調整等も不要となる。
更に、第1電極における光ビームの通過領域が中心部と外周部に分割されると共に、更に外周部が略中心対称に複数分割され、非点収差の方向が外周部の各分割領域の境界近辺となる場合に、当該境界の両側に隣接して位置し互いに中心対称な四つの当該分割領域よりなる第一の領域と、当該境界に直交する線の両側に隣接して位置し互いに中心対称な四つの当該分割領域よりなる第二の領域と、のそれぞれに互いに逆極性の位相差を光ビーム に付与する電圧が印加されるので、第1電極の中心では波面収差の変化が少なく外周では波面収差が方向に応じて変化するという非点収差の特性に合致した補正を行うことができるため、2種の収差補正が可能なことに加えて、簡易な制御で容易に非点収差の補正が行われる。更に、非点収差の方向が分割領域と重なる場合、あるいは分割領域の境界上にある場合の何れにも適切に対処可能となる。
【0008】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項1又は2に記載の収差補正装置において、前記収差補正手段は、電圧に応じて屈折率が可変される液晶層により光ビームに位相差を付与することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、液晶層の各分割領域の印加電圧を可変して屈折率を変えることにより通過する光ビームに位相差を付与する。よって、光ピックアップの光学系に液晶パネルを配置させることで、簡易な構成により様々な方向性の非点収差とチルトに起因する収差を容易に補正することができる。
【0010】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項に記載の収差補正装置において、前記収差補正手段は、前記液晶層が前記第1電極と前記第2電極により挟まれる断面構造を有し、前記第1電極と前記第2電極には矩形波となる電圧を印加することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、光ピックアップ中に配置された液晶層を挟んで第1電極と第2電極が形成され、矩形波となる電圧を第1電極に印加し、かつ、矩形波となる電圧を第2電極にも印加する。よって、分割形状が異なる2つの電極であっても駆動することが容易であり、光学系に起因する非点収差とチルトに起因する収差との2つに収差分布に容易に対応して収差補正を行うことができる。
【0012】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項に記載の収差補正装置において、前記収差補正手段は、前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧による電位差を与えたときに光ビームに付与される位相差が、前記非点収差の方向に対応する位相差と前記チルトに起因する収差の分布に対応する位相差との和となるように前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ電圧を印加することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、第1電極と第2電極にそれぞれ電圧を印加すると両電極には電位差が生じ、通過する光ビームには、光学系に起因する非点収差とチルトに起因する収差の両方の位相差の和となる位相差が付与される。よって、1つの液晶パネルのみ配置された簡易な構成により性質の異なる2つの収差を同時に補正することができる。
【0014】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項又は請求項に記載の収差補正装置において、前記収差補正手段は、前記非点収差の方向に対応する位相差を光ビームに付与すべく前記第1電極に印加される第1駆動信号を生成する第1生成手段と、前記チルトに起因する収差の分布に対応する位相差を光ビームに付与すべく前記第2電極に印加される第2駆動信号を生成する第2生成手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、第1生成手段により生成される第1駆動信号が第1電極に印加されて非点収差の方向に対応する位相差が光ビームに付与される一方、第2生成手段により生成される第2駆動信号が第2電極に印加されてチルトに起因する収差の方向に対応する位相差が光ビームに付与される。よって、1つの液晶パネルに対する簡易な駆動方法を用いて、性質の異なる2つの収差を同時に補正することができる。
【0016】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項に記載の収差補正装置において、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号は共にパルス信号であると共に、前記第2駆動信号は、光ビームに予め設定された所定位相差を付与するときの前記第1駆動信号を基準として、光ビームに当該所定位相差より大きい位相差を付与するときは、前記第1駆動信号の位相と前記第2駆動信号の位相とが逆相となるパルス信号であり、光ビームに前記所定位相差よりも小さい位相差を与えるときは、前記第1駆動信号の位相と前記第2駆動信号の位相とが同相となるパルス信号であることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、光ビームにはパルス信号である第1駆動信号により予め設定された所定位相差が付与される一方、これを基準に、逆相となるパルス信号である第2駆動信号により、所定位相差より大きい位相差が付与され、同相となるパルス信号である第2駆動信号により、所定位相差より小さい位相差が付与される。よって、1つの液晶パネルの両電極をパルス信号の位相を調整して容易に駆動することにより、性質の異なる2つの収差を同時に補正することができる。
【0024】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項又は請求項に記載の収差補正装置において、前記第2電極は、光ディスクのラジアル方向に発生するチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割されていることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、第2電極の分割形状は、光ディスクのラジアルチルトに起因する収差分布に対応したものである。よって、光ディスクの特性に起因して主にラジアルチルトが発生している場合に適切な収差補正を行うことができる。
【0026】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項又は請求項に記載の収差補正装置において、前記第2電極は、光ディスクのタンジェンシャル方向に発生するチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割されていることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、第2電極の分割形状は、光ディスクのタンジェンシャルチルトに起因する収差分布に対応したものである。よって、光ディスクにおいて、ラジアルチルトよりもタンジェンシャルチルトが大きくなる状況になる場合に適切な収差補正を行うことができる。
【0028】
請求項10に記載の光ピックアップは、請求項1から請求項の何れかに記載の収差補正装置を備えると共に、光源から出射される光ビームが当該収差補正装置を通過するよう光学系が配置されることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、光ピックアップの光学系中には、光源から出射される光ビームを通過させ、光学系に起因する非点収差と光ディスクのチルトに起因する収差の補正を行う収差補正装置が配置されている。よって、異なる2つの収差に1つの液晶素子等で対応可能であり、構成が簡易で安価な光ピックアップが実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、DVD等の光ディスクに記録されている記録情報を読み出す情報再生装置の光ピックアップに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0031】
図1は、本実施形態に係る光ピックアップの全体構成を示すブロック図である。図1に示す光ピックアップは、レーザ光源1と、偏光ビームスプリッタ2と、収差補正手段としての液晶パネル3と、1/4波長板4と、対物レンズ5と、集光レンズ6と、受光器7と、液晶パネル制御部8を備えて構成される。光ピックアップにより光ビームを照射される光ディスク10は、スピンドルモータ9により回転駆動されるようになっている。また、液晶パネル制御部8にはチルトセンサ11から検出信号が入力されるようになっている。
【0032】
図1において、レーザ光源1から出射された光ビームは、偏光ビームスプリッタ2を通過した後、液晶パネル3に入射する。この液晶パネル3を通過する際に、後述するように非点収差及びチルト角に起因するコマ収差等の波面収差が補正され、その後、1/4波長板4を通って、対物レンズ5によって光ディスク10の情報記録面に集光される。
【0033】
光ディスク10は情報記録面の記録トラックが光ビームに対して線速度を一定に保つように、適宜の回転数でスピンドルモータ9により回転駆動される。このとき、光ディスク10は、照射される光ビームの光軸に対しラジアル方向又はタンジェンシャル方向に傾いて、ラジアルチルト又はタンジェンシャルチルトを生じる場合がある。
【0034】
このとき生じたラジアルチルト又はタンジェンシャルチルトは、チルトセンサ11により検出され、チルトに対応する検出信号を液晶パネル制御部8に出力する。このチルトセンサ11は、1つの発行部と2つの受光部を有し、チルトの検出が可能な位置に配置されている。
【0035】
一方、光ディスク10の情報記録面にて反射された光ビームは、再び対物レンズ5、1/4波長板4を通過して、偏光ビームスプリッタ2によって光路を変更されて、集光レンズ6を介して受光器7上に集光される。この受光器7では、光信号が電気信号に変換されて出力される。なお、上記1/4波長板4は、偏光ビームスプリッタ2によって直線波とされた光ビームの偏光面と45°の角度で交差するように配置されている。
【0036】
図2に、液晶パネル3の断面構造を示す。図2に示すように、本実施形態に係る液晶パネル3は、液晶分子Mを含む液晶24を挟んで、液晶24に所定の分子配向性を与えるための配向膜23A、23Bが形成され、各配向膜23A、23Bの外側にITO等よりなる透明電極22A、22Bが蒸着されている。そして、最外部には保護層としてのガラス基板21A、21Bが形成されている。
【0037】
液晶24は、いわゆる複屈折効果を有し、液晶分子Mの光学軸方向とこれに垂直な方向とで屈折率が異なっている。そして、透明電極22Aと22Bの間に印加する電圧を変化させることにより、図2(a)乃至(c)に示すように、液晶分子Mの向きを水平方向から垂直方向まで自在に変えることができる。透明電極22A、22Bへの印加電圧は、液晶パネル制御部8により設定され、透明電極22A、22Bの各分割領域に印加する電圧を調整することにより、各分割電極により形成される領域ごとに異なる位相差を付与するものである。
【0038】
このように構成された液晶パネル3において、透明電極22Aは光学系の非点収差を補正するために用いられ、透明電極22Bはラジアルチルトによる収差を補正するために用いられる。そして、これらの補正を行うために、それぞれの透明電極22A、22Bを適切な形状に分割し、それぞれ複数のパターン電極を設けて構成され、個別に駆動制御できるようになっている。
【0039】
次に、本発明に係る光ピックアップ内の光学系に起因する非点収差の補正の原理について説明する。対物レンズ5の瞳面上における極座標を(r,φ)で表すと、対物レンズ5の瞳面における波面収差W(r,φ)は次の式で表される。
【0040】
【数1】
Figure 0003600027
【0041】
ただし、W11rcosφは像点移動によるものであり、W31cosφは主に光ディスクのチルト等によるコマ収差を表すものである。W40は主に光ディスクの基板厚さの違い等による球面収差を表し、W20はデフォーカスによる収差である。W22cosφは主に光ピックアップ内の光学系に起因する非点収差を表すものである。なおWijは収差係数である。
【0042】
ここでは、非点収差を打ち消すよう場合を考えればよいので、簡単のため、数1において、コマ収差及び球面収差が0であるとして、非点収差のみが存在するものと考える。この場合、対物レンズ5の瞳面における波面収差は次のように表される。
【0043】
【数2】
Figure 0003600027
【0044】
また、対物レンズ5の瞳面上の波面収差W(r,φ)の標準偏差をWrmsとすると、Wrmsは次式で表される。
【0045】
【数3】
Figure 0003600027
【0046】
ただし、WはW(r,φ)の平均値である。
【0047】
このWrmsは、波面収差の評価に用いられ、Wrmsを小さくすれば波面収差の影響が少なくなり良好な再生を行うことができる。
【0048】
ここで、発生している波面収差が非点収差だけの場合、数3は次式で表される。
【0049】
【数4】
Figure 0003600027
【0050】
ただし、WAS(r,φ)におけるW20はWrmsを最小にする値となる。なお、実際の光ピックアップでは、フォーカスオフセット調整を行うことにより、Wrmsが最小となる。
【0051】
図3に、数4に基づいて計算された対物レンズ5の瞳面における波面収差分布を示す。図3(a)は、数4に基づいて計算された対物レンズ5の瞳面における非点収差による波面収差分布であり、濃い部分が非点収差の大きい領域を表している。
【0052】
図3(b)は、図3(a)の非点収差による波面収差分布のY−Y’断面であり、この図から波面収差分布がY−Y’方向では対物レンズ5の瞳面の中心で小さく、周辺部にいくに従って波面収差が正方向に大きくなっていることがわかる。なお、対物レンズ5の瞳中心の波面収差を0とするとき、周辺部Y、Y’では+0.15λの波面収差が生じている。
【0053】
図3(c)は、図3(a)の非点収差による波面収差分布のX−X’断面であり、この図から波面収差分布がX−X’方向では対物レンズ5の瞳面の中心で小さく、周辺部にいくに従って波面収差が負方向に大きくなっていることがわかる。なお、対物レンズ5の瞳中心の波面収差を0とするとき、周辺部X、X’では−0.15λの波面収差が生じている。
【0054】
図3(a)乃至(c)に示すように、対物レンズ5の瞳面における非点収差を主とする波面収差分布は馬鞍型をなしており、X−X’、Y−Y’軸に対して対称となっている。
【0055】
なお、対物レンズ5の瞳面で見た非点収差による波面収差分布は、図1に示す光学系に特有のものでなく、非点収差を持つ他の光学系でも同様の分布パターンとなる。そして、非点収差の方向はそれぞれの光学系により異なり、図3に示すパターンの方向が変化する。すなわち、図3(a)におけるX−X’軸、Y−Y’軸が回転する。更に、非点収差に基づく波面収差量もそれぞれの光学系により異なる。本実施形態では、光学系の有する非点収差の方向と波面収差量に対応して適切に透明電極22Aのパターン電極を分割して個別に駆動を行い、波面収差の補正を行うことを可能としているが、より詳しくは後述する。
【0056】
ここで、非点収差の影響を減少させるには、数4におけるWrmsを小さくすればよい。そのため、WAS(r,φ)自体を小さくするか、WAS(r,φ)とは逆極性の波面収差、すなわち、−WAS(r、φ)を液晶パネル3を通過する光ビームに与えればよい。本発明は、後者の方法を採用し、光ビックアップ内の光学系に起因する非点収差WAS(r,φ)の影響を軽減するようにしている。そのため、光ビームが対物レンズ5で収束される前に、収差補正手段としての液晶パネル3により、光ビームに−WAS(r,φ)を与えて非点収差を打ち消すことにした。
【0057】
次に、本発明に係る光ディスク10のチルトに起因する波面収差の補正の原理について説明する。ここでは、光ディスク10のラジアル方向に生じるチルトに起因する波面収差を補正する場合について説明する。
【0058】
まず、光ディスク10のラジアルチルトに起因して発生する波面収差Wtltは、上述の数1に示す波面収差W(r,φ)を元に次の式のように表すことができる。
【0059】
【数5】
Figure 0003600027
【0060】
ここで、上述したように、数1の収差係数のうち、W11は像点移動による収差、W31はコマ収差をそれぞれ表すものである。これらは、光ディスク10のチルト、基板の厚さ、基板の屈折率、対物レンズ5の開口数などに依存する定数である。また、数5の波面収差の評価を行う場合も、数3に示すWrmsを用いることができ、Wrmsを小さくすることにより、ラジアルチルトに起因する波面収差の影響を軽減することができる。なお、発生している波面収差がラジアルチルトに起因するものだけの場合は、Wrmsは次式で表される。
【0061】
【数6】
Figure 0003600027
【0062】
図4に、対物レンズ5の瞳面におけるラジアルチルトに起因する波面収差分布の一例を示す。図4(a)は、光ディスク10の情報記録面がラジアル方向に+1°傾斜した状態の対物レンズ5の瞳面における波面収差分布を示す。そして、波面収差の値を50nmごとの等高線で区切られた領域A乃至Kにより全体の波面収差分布を表している。領域Aを中心として領域B乃至Fは波面収差が正方向に大きくなり、領域G乃至Kは波面収差が負方向に大きくなることがわかる。
【0063】
図4(b)は、図4(a)の波面収差分布のX2−X2’断面である。図4(b)に示すように、ラジアルチルトによる波面収差分布は、対物レンズ5の瞳面の中心から一方の方向では正方向に大きくなり、他方の方向では負方向に大きくなり、その分布のパターンは対称的になっている。そして、ラジアルチルトが大きくなればなるほど、波面収差量のピークも大きくなる。本実施形態では、光ディスク10のラジアルチルトに対応して適切に透明電極22Bのパターン電極を分割して個別に駆動を行い、波面収差の補正を行うことを可能としているが、より詳しくは後述する。
【0064】
上述したように、数6に示すWrmsを小さくすることにより、ラジアルチルトに起因する波面収差の補正を行えばよい。本実施形態においては、Wtlt(r,φ)とは逆極性の波面収差、すなわち、−Wtlt(r、φ)を液晶パネル3を通過する光ビームに与えることにより、光ディスク10のラジアルチルトに起因する波面収差Wtlt(r,φ)の影響を軽減するようにしている。そして、収差補正手段としての液晶パネル3は、上述した光学系に起因する非点収差を打ち消すことに加えて、ラジアルチルトに起因する波面収差をも打ち消す機能を併せ持っている。
【0065】
本実施形態では、−Wtlt(r,φ)の波面収差を与えるために、液晶パネル3に形成された透明電極22Bに対し、各分割領域ごとに異なる電圧を印加するようにし、透明電極22Aとこれに対向する透明電極22Bにより、光軸に対する液晶分子Mの向きをそれぞれの分割領域ごとに変えることができ、各分割領域ごとに屈折率が異なるようにしている。そのため、通過する光ビームには、それぞれ領域ごとに異なる位相差が与えられることとなる。
【0066】
ここで、液晶パネル3で与えられる位相差をWLC(r,φ)で表すと、液晶パネル3を配置したときの対物レンズ5の瞳面における波面収差W(r,φ)は次式で与えられる。
【0067】
【数7】
Figure 0003600027
【0068】
非点収差であるWAS(r,φ)とラジアルチルトに起因する収差であるWtlt(r,φ)を共に打ち消すには、WAS(r,φ)とWtlt(r,φ)の和の逆極性の波面収差、すなわち、次式に示す波面収差を液晶パネル3により光ビームに与えればよい。
【0069】
【数8】
Figure 0003600027
【0070】
数8に示す波面収差を光ビームに与えるためには、液晶パネル3の各分割領域ごとに、透明電極22Aを制御して非点収差とは逆極性の波面収差を与えると共に、透明電極22Bを制御してラジアルチルトに起因する収差とは逆極性の波面収差を与えるようにすればよい。このとき、透明電極22Aと透明電極22Bとは互いに対向して配置しているため、それぞれの各分割領域に対する駆動信号の位相関係を調整する必要がある。1つの液晶層で独立に変化するWAS(r,φ)とWtlt(r,φ)との和の位相差を光ビームに付与するために、後述するように制御回路の工夫を行うことで対処している。
【0071】
図5は、液晶パネル3の透明電極22Aを、様々な方向に対する非点収差を打ち消すことができるように分割した状態を示す図である。図5に示すように、透明電極22Aは、9つのパターン電極30、31、32、33、34、35、36、37、38に分割されている。また、図5においては、対物レンズ5の瞳面に対応して光ビームの入射範囲39が示されている。光ビームがこの入射範囲39を通過するように、液晶パネル3のピックアップ内での配置が定められる。
【0072】
図5において、入射範囲39の中心部分に対応して円形のパターン電極30が形成されている。また、その外周部分は放射状に分割された8つのパターン電極31乃至38が形成されており、入射範囲39の中心から角度を概ね等間隔に分けるように対称的に配置されている。そして、パターン電極31と35、32と36、33と37、34と38がそれぞれ向かい合って中心対称に配置され、非点収差の特定の方向に対応できるようになっている。非点収差は、光ピックアップが同一の光学系で構成されていたとしても、個々の光ピックアップで非点収差の方向と大きさが異なる。図5の透明電極22Aはそれぞれのパターン電極への印加電圧を制御することにより、いかなる方向及び大きさの非点収差であっても対応できるようにしたものである。
【0073】
一方、図6は、液晶パネル3の透明電極22Bを、ラジアルチルトに起因する波面収差を打ち消すことができるように分割した状態を示す図である。図6に示すように、透明電極22Bは、5つのパターン電極40、41、42、43、44に分割されている。また、図6では、対物レンズ5の瞳面に対応して光ビームの入射範囲45が示され,光ビームがこの入射範囲45を通過するように、液晶パネル3のピックアップ内での配置が定められる。
【0074】
図6において、ラジアルチルトによる波面収差の分布に対応して、中心部にはパターン電極40が設けられ、このパターン電極40に囲まれてパターン電極41、42が対称的に配されている。また、中央部のパターン電極40に対して、図6における上部と下部には、パターン電極43、44が対称的に配されている。このように、図6に示すパターン電極40乃至44の分割形状は、図4に示すラジアルチルトによる波面収差の分布に対応したものになっている。
【0075】
図7は、液晶パネル制御部8の構成を示すブロック図である。図7に示すように、液晶パネル制御部8は、CPU等の制御器101と、液晶ドライバ102、103と、反転器104、105と、振幅変調器106、107と、選択スイッチ108とを備えている。そして、液晶パネル3に対し、振幅変調器106から選択スイッチ108を経由して透明電極22Aの各パターン電極30乃至38に電圧を印加できるように接続されると共に、振幅変調器107から透明電極22Bの各パターン電極40乃至44に電圧を印加できるように接続されている。
【0076】
図7の構成において、制御器101は、光学系の非点収差の補正を行うための透明電極22Aの駆動の有無及び駆動パターンに従って、液晶ドライバ102と選択スイッチ108を制御すると共に、チルトセンサ11からの検出信号を受け、ラジアルチルトに起因する収差の補正を行うための透明電極22Bの駆動電圧に従って、液晶ドライバ103を制御する。
【0077】
液晶ドライバ102から出力された所定の電圧V1は振幅変調器106に入力されると共に、反転器104を介して出力された電圧−V1も振幅変調器106に入力される。振幅変調器106からは、これらの各電圧に応じて振幅変調された矩形波である駆動信号が出力される。ここで、電圧V1に対応した駆動信号をVa、電圧−V1に対応した駆動信号をVbとそれぞれ表すことにする。
【0078】
また、液晶ドライバ103から出力された所定の電圧V2は振幅変調器107に入力されると共に、反転器105を介して出力された電圧−V2も振幅変調器107に入力される。更に、振幅変調器107には、基準電圧Cが入力され、全部で3種の電圧が入力されることになり、これらの各電圧に応じて振幅変調された矩形波である駆動信号が出力される。ここで、基準電圧Cに対応した駆動信号をVc、電圧V2に対応した駆動信号をVd、電圧−V2に対応した駆動信号をVeとそれぞれ表すことにする。
【0079】
選択スイッチ108は、透明電極22Aの各パターン電極30乃至38に対し、制御器101の制御の下、振幅変調器106から入力される駆動信号Va、Vbを、接続を切り換えつつ印加する。そして、外周部の各パターン電極31乃至38に対しては、駆動信号Va、Vbどちらかが印加されるか、あるいはグランド接続される。そして、後述するように、その接続の組み合わせは、非点収差の方向と補正の有無に対応して9通り設定されている。一方、基準となる中央のパターン電極30は、図7に示すようにグランドに固定的に接続されている。
【0080】
透明電極22Bについては、パターン電極40に対して基準となる駆動信号Vcが印加され、パターン電極41、44に対して駆動信号Vdが印加され、パターン電極42、43に対して駆動信号Veが印加される。
【0081】
次に、図8及び図9により、液晶パネル制御部8により液晶パネル3の制御を行うに際し、透明電極22Aの各パターン電極30乃至38及び透明電極22Bの各パターン電極40乃至44に印加される駆動信号の波形パターンと、液晶パネル3を通過する光ビームに与えられる位相差との関係について説明する。
【0082】
図8は、光学系の起因する波面収差とラジアルチルトに起因する収差を両方とも補正する場合に、透明電極22Aの各パターン電極30乃至38及び透明電極22Bの各パターン電極40乃至44に対して印加される駆動信号の波形パターンの一例を示した図である。図8において、最上段、2段目、3段目は、透明電極22Bの各パターン電極40乃至44の駆動信号の波形パターンを示し、4段目、5段目は、透明電極22Aの各パターン電極30乃至38の駆動信号の波形パターンを示している。
【0083】
図8に示すように、パターン電極40には、図8の最上段に示す波形パターンを有する駆動信号Vcが印加される。これを基準として、パターン電極41、44には、駆動信号Vcより振幅が大きい波形パターンを有する駆動信号Vdが印加され、パターン電極42、43には、駆動信号Vcより振幅が小さい波形パターンを有する駆動信号Veが印加される。これらの駆動信号Vc、Vd、Veはそれぞれ同相になっている。これにより、透明電極22Aを通過する光ビームには、パターン電極41、44の部分とパターン電極42、43の部分とでは、互いにパターン電極40の基準位相差とは大小異なる位相差が付与される。
【0084】
一方、パターン電極30は、上述したように常にグランドに接続されているため、駆動信号が印加されない。パターン電極34、38には、選択スイッチ108を切り換えて、図8の4段目に示す波形パターンを有する駆動信号Vbが印加される。パターン電極32、36には、図8の5段目に示す波形パターンを有する駆動信号Vaが印加される。それ以外のパターン電極31、33、35、37には、選択スイッチ108を切り換えてグランドに接続されている。図8に示すように、パターン電極34、38には基準より大きな位相差を付与するため、逆相となっている。また、パターン電極32、36には基準より小さな位相差を付与するため、同相となっている。なお、図8の例は、特定の非点収差の方向に対する駆動パターンを示したものであり、方向が変化すると後述するように選択スイッチ108により駆動パターンが変化していく。
【0085】
液晶パネル3を通過する光ビームに対しては、透明電極22Aのパターン電極30乃至38のうちの何れかと、透明電極22Bのパターン電極40乃至44のうちの何れかとから重複して位相差が付与されることになり、両電極の電位差に対応した位相差となる。この場合でも、上述のように矩形波の位相を調整するだけで液晶パネル3を駆動するようにしたので、複雑な駆動回路等は不要である。
【0086】
図9に、液晶パネル3に対する駆動電圧と光ビームに付与される位相差の関係を示す。基準電圧をV0としたとき、V0に対応する駆動信号が印加されることにより、光ビームに基準位相φcが与えられる。ここで、液晶パネル3の全ての分割領域で光ビームにこの基準位相φcが与えられる場合には、通過する光ビームの波面は変化せず、液晶パネル3は単なるガラス板と同じになる。
【0087】
図9に示すように、V>V0の関係を満たす電圧Vに対応する駆動信号が印加された場合は、光ビームに基準位相φcよりも進んだ位相であるφaが与えられる。よって、電圧Vに対応する駆動信号が印加された領域を通過した光ビームは、位相が基準からφa−φcだけ進むことになる。すなわち、光ビームには、正の位相差φa−φcが生じることになる。
【0088】
また、V<V0の関係を満たす電圧Vに対応する駆動信号が印加された場合は、光ビームに基準位相φcよりも遅れた位相であるφbが与えられる。よって、電圧V1に対応する駆動信が印加された領域を通過した光ビームは、位相が基準からφc−φbだけ遅れることになる。すなわち、光ビームには、負の位相差φb−φcが生じることになる。
【0089】
ここで、図9からわかるように、電圧変化に対して光ビームに与えられる位相差は概ね直線的に変化する。例えば、正負が対称的となる波面収差分布の補正を行うためには、負の位相差φb−φcと正の位相差φa−φcは絶対値が等しく符号が異なる関係にすればよい。
【0090】
次に、図10は、液晶パネル制御部8により透明電極22Aの各パターン電極30乃至38と透明電極22Bの各パターン電極40乃至44に対して駆動信号を印加するための駆動パターンを示す図である。透明電極22Aについては、図10(a)に示すように9通りの駆動パターンが設定可能であり、透明電極22Bについては、図10(b)に示すように3通りの駆動パターンが設定可能になっている。
【0091】
透明電極22Aに対しては、光学系に起因する非点収差の補正に対応するため、図10(a)に示す駆動パターンA乃至Hの何れかを設定する。透明電極22Aの中央部分の設けられたパターン電極30には、どの駆動パターンでもGND(グランドに接続されていることを意味する)が印加される。一方、外周部のパターン電極31乃至38には、それぞれVa、Vb、GNDの何れかが印加され、非点収差の方向に対応して光ビームに所望の位相差を与えるべく、8通りの駆動パターンA乃至Hを可変して設定可能である。これに加えて、駆動パターンIでは全てのパターン電極30乃至39に対し基準となるGNDを印加しているが、これは非点収差の補正を行わない場合の駆動パターンに対応している。
【0092】
一方、透明電極22Bに対しては、ラジアルチルトによる収差の補正に対応するため、図10(b)に示す駆動パターンJ、K、Lの何れかを設定する。中央部のパターン電極40は、上述のラジアルチルトによる波面収差分布において、波面収差量がゼロに近くなる部分に対応するので、どの駆動パターンも基準の駆動信号Vcが印加される。また、波面収差分布の正負の極性に対応して2種の駆動パターンJ、Kが設定可能となっていると共に、波面収差分布に対応してパターン電極41、44には互いに同一の駆動信号が印加され、これとは逆極性となるパターン電極42、43にも互いに同一の駆動信号が印加される。更に、駆動パターンLでは全てのパターン電極40乃至44に対し基準の駆動信号Vcを印加して、ラジアルチルトによる収差の補正を行わない場合に対応させている。
【0093】
このように構成された液晶パネル3においては、透明電極22Aと透明電極22Bを共に駆動して、光学系に起因する非点収差とラジアルチルトによる収差の双方を同時に補正できることはもちろんであるが、透明電極22Aと透明電極22Bの一方のみ駆動して、光学系に起因する非点収差又はラジアルチルトによる収差の何れかを単独で補正することもできる。
【0094】
なお、透明電極22A、22Bに対する駆動パターンに加え、上述のV1、V2の電圧値を適切に設定することも可能である。この場合には、例えば多段階に可変可能な電圧値の中から最適な電圧値を選び、液晶ドライバ102、103に対し設定できるようにしておけばよい。
【0095】
ここで、非点収差の方向とパターン電極30乃至38に対する駆動パターンの関係について、図11を用いて説明する。本実施形態では、任意の方向性を有する非点収差による波面収差分布を補正するため、角度を8分割してほぼ22.5°刻みで駆動パターンを変更するようにしている。図11(a)乃至(d)に、非点収差による波面収差分布と、対応する駆動パターンを並べて示す。また、簡単のため、0°、22.5、45°、57.5°の4つの非点収差の角度についてのみ示す。
【0096】
図11(a)は、非点収差の方向が0°となる場合に対応する図である。縦方向では、中心から周辺部分にいくに従って濃い部分、すなわち波面収差分布が負の方向に大きくなる部分が対称的に生じる配置になっている。よって、上部のパターン電極32、33と下部のパターン電極36、37は、この波面収差を打ち消すために、正の位相差を与える必要がある。一方、横方向は、波面収差分布が正の方向に大きくなるので、左側のパターン電極31、38と右側のパターン電極34、35は、負の位相差を与える必要がある。よって、図10に示す駆動パターンAにより駆動し、パターン電極32、33、36、37に駆動信号Vaを印加し、パターン電極31、34、35、38に駆動信号Vbを印加すればよい。
【0097】
図11(b)は、非点収差の方向が22.5°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図11(a)の状態から22.5°回転した状態となっている。この場合、各パターン電極31乃至38がほぼ45°づつ分割された配置となるので、その半分だけ回転させて駆動する必要がある。本実施形態では、駆動パターンを工夫して実質的に22.5°回転した非点収差に対応するようにしている。すなわち、パターン電極33、37には、正の位相差を与え、パターン電極31、35には、負の位相差を与える。また、パターン電極32、34、36、38には、基準の位相差を与える。よって、図10に示す駆動パターンBにより駆動し、パターン電極33,37に駆動信号Vaを印加し、パターン電極31、35に駆動信号Vbを印加し、パターン電極32、34、36、38はグランドに接続すればよい。
【0098】
図11(c)は、非点収差の方向が45°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図11(a)の状態から45°回転した状態となっている。この場合、図11(a)のパターン電極31乃至38を1つずらして駆動を行えばよいことになる。すなわち、パターン電極33、34とパターン電極37、38には、正の位相差を与え、パターン電極31、32とパターン電極35、36は、負の位相差を与える必要がある。よって、図10に示す駆動パターンCにより駆動し、パターン電極33、34、37、38に駆動信号Vaを印加し、パターン電極31、32、35、36に駆動信号Vbを印加すればよい。
【0099】
図11(d)は、非点収差の方向が57.5°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図11(b)の状態から45°回転した状態となっている。この場合、図11(b)のパターン電極31乃至38を1つずらして駆動を行えばよいことになる。すなわち、パターン電極34、38には、正の位相差を与え、パターン電極32、36には、負の位相差を与える。また、パターン電極31、33、35、37には、基準の位相差を与える。よって、図10に示す駆動パターンDにより駆動を行い、パターン電極34、38に駆動信号Vaを印加し、パターン電極32、36には駆動信号Vbを印加し、パターン電極31、33、35、37はグランドに接続すればよい。
【0100】
なお、中心部分のパターン電極30は、図11(a)乃至(d)の何れの場合も波面収差分布において位相差がほぼゼロと考えてよいので、上述のようにグランドに固定的に接続すればよい。
【0101】
以上の駆動パターンは、非点収差の方向に対応する角度が更に大きくなる場合でも同様に考えればよい。すなわち、角度が0°、45°、90°、135°となる場合には、図11(a)のように、正の位相差と負の位相差が2つのパターン電極ごとに繰り返すような駆動パターンとし、その間の角度22.5°、67.5°、112.5°、157.5°となる場合には、正の位相差と負の位相差が間に基準の位相差を挟んで各パターン電極ごとに繰り返すような駆動パターンとすればよい。これにより、光学系に起因する非点収差がどのような方向に分布していても、22.5°刻みで最も近い角度に対応して液晶パネル3を駆動することにより、適切に波面収差の方向に対応させることができる。これと併せて駆動電圧を波面収差量に対応して適切に調節すれば、光学系に起因する非点収差に対する最適な補正が可能となる。
【0102】
次に、図12は、非点収差の方向を示す角度が徐々に変動する場合に、駆動パターンに応じて補正可能な波面収差の変化を示す図である。すなわち、前述の各駆動パターンを非点収差の方向に対応して、どの角度で切り換えると最適な補正が行われるかを判断するための特性である。
【0103】
図12に示すように、非点収差の方向が0°から45°の範囲で変化するとき、図11(a)に対応する駆動パターンAと、図11(b)に対応する駆動パターンBと、図11(c)に対応する駆動パターンCの3つの各駆動パターンに対して、補正される波面収差をプロットした図である。なお、駆動パターンA、Cは互いに同一の駆動パターンを45°回転させたものであるため、22.5°付近で駆動パターンA、Cを切り換えた場合を示す。よって、図12では、駆動パターンA、Cに対応する特性と、駆動パターンBに対応する特性を表す2つのグラフが示されている。
【0104】
図12からわかるように、角度が0°のときは、駆動パターンAによる波面収差が最小となり、角度が45°のときは、駆動パターンCによる波面収差が最小となるが、その間の角度では徐々に波面収差が大きくなっていく。これに対し、駆動パターンBによる波面収差は、角度が22.5°付近で最大となるが、それより角度が増大または減少すると波面収差が小さくなっていく。
【0105】
図12においては、角度が13°付近及び32°付近で、駆動パターンA又はCと駆動パターンCの特性が交差している。すなわち、角度0°から13°までの範囲では、駆動パターンAが最も良好な特性となり、角度13°から32°までの範囲では、駆動パターンBが最も良好な特性となり、角度32°から45°までの範囲では、駆動パターンCが最も良好な特性となる。従って、これらの角度で駆動パターンの切り換えが行われる場合に、非点収差の角度に対する波面収差を最良にすることができ、適切な波面収差の補正を行うことができる。なお、より大きな角度に対しても事情は同様である。
【0106】
実際には、非点収差の方向に対応する角度を求めることは困難であるため、例えば再生信号のジッタ等を最適にしたり、RF信号の振幅が最大となるような駆動パターンを1つ選んで、間接的に最適な角度に対応させている。
【0107】
以上説明したように、本実施形態に係る収差補正装置によれば、1つの液晶パネル3を用いて、液晶24を挟む両面の透明電極22A、22Bに対し、光学系に起因する非点収差を補正する分割形状とラジアルチルトによる収差を補正する分割形状を形成するようにし、適切な駆動パターンと駆動電圧を用いて両電極の駆動を行うようにしたので、性質の異なる収差を同時に補正可能な光ピックアップを実現することができる。また、透明電極22Aの駆動は、任意の方向性を有する非点収差に対応可能なので、特別な調整等が不要で簡易に収差の補正を行える。更に、透明電極22A、22Bの一方のみ駆動することで、光学系に起因する非点収差とラジアルチルトによる収差の何れか一方のみ補正する場合も、容易に対応可能である。
【0108】
なお、以上説明した実施形態では、液晶パネル3の透明電極22Aを9分割とし、透明電極22Bを5分割とした場合について説明を行ったが、これ以外の分割数で複数のパターン電極を設けるようにしてもよい。この場合には、分割数を多くすると高精度に非点収差を補正することが可能となるが、構造及び制御が複雑になり調整に時間を要するので、適度な範囲で分割数を定める必要がある。
【0109】
また、以上説明した実施形態では、液晶パネル3の透明電極22Bをラジアルチルトに起因する波面収差を補正するために用いる場合について説明を行ったが、タンジェンシャル方向のチルトに起因する波面収差を補正するために用いる構成にしてもよい。例えば、光ディスク10のラジアルチルトを他の手段を用いて補正可能である場合などは有効な構成である。
【0110】
また、以上説明した実施形態において、温度変動の影響を軽減するために、温度センサを設け、その温度出力に応じて前述の駆動電圧を補正するようにしてもよい。これにより、広い温度範囲で前述の液晶パネル3を駆動することが可能となる。
【0111】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、光ピックアップの様々な方向性の非点収差と光ディスクのチルトに起因する収差が共に生じている場合でも、1つの光学素子で同時に両方の収差の補正が可能となると共に、非点収差に対しては任意の方向性に対応可能となり、光ピックアップの良好な特性を保つ収差補正装置を簡易な構成で提供することができる。
また、光ビームが中心部と複数の外周部の分割領域をそれぞれ通るように構成したので、非点収差の特性に合致した補正を行うことができ、簡易な制御で容易に収差の補正が可能な収差補正装置を提供することができる。
更に、非点収差の方向に応じて駆動パターンを実質的に回転させて制御でき、簡易な制御により高い精度で非点収差の補正が可能な収差補正装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、光ピックアップの様々な方向性の非点収差と光ディスクのチルトに起因する収差が共に生じている場合でも、1つの光学素子で同時に両方の収差の補正が可能となると共に、非点収差に対しては任意の方向性に対応可能となり、光ピックアップの良好な特性を保つ収差補正装置を簡易な構成で提供することができる。
また、光ビームが中心部と複数の外周部の分割領域をそれぞれ通るように構成したので、非点収差の特性に合致した補正を行うことができ、簡易な制御で容易に収差の補正が可能な収差補正装置を提供することができる。
更に、非点収差の方向と分割領域の配置に応じて適切に非点収差の補正を行うことが可能な収差補正装置を提供することができる。
【0112】
請求項に記載の発明によれば、光ピックアップの光学系に液晶パネルを配置して、簡易な構成により様々な方向性の非点収差とチルトに起因する収差を容易に補正可能な収差補正装置を提供することができる。
【0113】
請求項に記載の発明によれば、第1電極と第2電極を液晶層を挟むように形成し、それぞれ矩形波となる電圧として印加するようにしたので、光学系に起因する非点収差とチルトに起因する収差との2つに異なる収差分布を補正する液晶素子を容易に駆動できる収差補正装置を提供することができる。
【0114】
請求項に記載の発明によれば、第1電極と第2電極にそれぞれ電圧を印加して生じる電位差により、光学系に起因する非点収差とチルトに起因する収差の位相差の和となる位相差を付与するようにしたので、1つの液晶パネルが配置された簡易な構成により、性質の異なる2つの収差を同時に補正することが可能となる。
【0115】
請求項に記載の発明によれば、通過する光ビームに対し、第1電極には第1駆動信号を印加して非点収差の方向に対応する位相差を付与し、第2電極には第2駆動信号を印加してチルトに起因する収差の方向に対応する位相差を付与するようにしたので、1つの液晶パネルを簡易な駆動方法で駆動して、性質の異なる2つの収差を同時に補正することが可能となる。
【0116】
請求項に記載の発明によれば、通過する光ビームに対し、所定位相差をパルス信号である第1駆動信号により付与し、第2駆動信号は、この所定位相差より大きい位相差を付与するときは逆相のパルス信号とし、所定位相差より小さい位相差を付与するときは同相のパルス信号とするようにしたので、1つの液晶パネルの両電極をパルス信号の位相を調整して容易に駆動し、性質の異なる2つの収差を同時に補正することが可能となる。
【0120】
請求項記載の発明によれば、第2電極の分割形状をラジアルチルトに起因する収差分布に対応させたので、光ディスクの特性に起因して主にラジアルチルトが発生している場合に適切な収差補正を行う収差補正装置を提供することができる。
【0121】
請求項記載の発明によれば、第2電極の分割形状をタンジェンシャルチルトに起因する収差分布に対応させたので、光ディスクにおいて、ラジアルチルトよりタンジェンシャルチルトが大きくなる状況であっても適切な収差補正を行う収差補正装置を提供することができる。
【0122】
請求項10に記載の発明によれば、光ピックアップの光学系中に、光学系に起因する非点収差と光ディスクのチルトに起因する収差の補正を併せて行う収差補正装置を配置するようにしたので、1つの液晶素子等でこれら2つの収差に対応可能な光ピックアップを、簡易な構成で安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における光ピックアップの概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における液晶パネルの縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態における対物レンズの瞳面における非点収差による波面収差分布を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における対物レンズの瞳面におけるラジアルチルトに起因する波面収差分布を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における液晶パネルの非点収差に対応する透明電極のパターン電極を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における液晶パネルのラジアルチルトに起因する収差に対応する透明電極のパターン電極を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における液晶パネル制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態における液晶パネルに対する駆動信号の波形パターンを示す図である。
【図9】本発明の実施形態における液晶パネルに対する駆動信号と位相差の関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における液晶パネル制御部での駆動パターンを示す図である。
【図11】本発明の実施形態における液晶パネルの非点収差用の駆動パターンと非点収差の方向の関係を示す図である。
【図12】本発明の実施形態において、非点収差の方向が推移する場合の駆動パターンに応じた波面収差の変化を示す図である。
【符合の説明】
1…レーザ光源
2…偏光ビームスプリッタ
3…液晶パネル
4…1/4波長板
5…対物レンズ
6…集光レンズ
7…受光器
8…液晶パネル制御部
9…スピンドルモータ
10…光ディスク
11…チルトセンサ
21A、21B…ガラス基板
22A、22B…透明電極
23A、23B…配向膜
30、31、32、33、34、35、36、37、38、40、41、42、43、44…パターン電極
39、45…入射範囲
101…制御器
102、103…液晶ドライバ
104、105…反転器
106、107…振幅変調器
108…選択スイッチ

Claims (10)

  1. 光源から出射され、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームに位相差を付与することにより収差を補正する収差補正装置であって、
    前記光ビームの通過領域を中心部と外周部に分割し、更に当該外周部を光学系に起因する非点収差の分布に対応して略中心対称に複数に分割して形成され、それぞれの分割領域ごとに前記非点収差の方向に対応して設定された電圧が印加される第1電極と、
    前記光ビームの通過領域を光ディスクに照射される際のチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割して形成され、それぞれの分割領域に電圧が印加される第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の一方又は双方により通過する光ビームに前記電圧に応じた位相差を付与し、前記収差を補正する収差補正手段と、
    を備え
    前記第1電極においては、前記外周部の各分割領域のうち、前記方向に対応して互いに中心対称な位置にある二つの当該分割領域よりなる第一の領域と、前記方向に垂直な方向に対応して互いに中心対称な位置にある二つの当該分割領域よりなる第二の領域と、のそれぞれに互いに逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧が印加されることを特徴とする収差補正装置。
  2. 光源から出射され、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームに位相差を付与することにより収差を補正する収差補正装置であって、
    前記光ビームの通過領域を中心部と外周部に分割し、更に当該外周部を光学系に起因する非点収差の分布に対応して略中心対称に複数に分割して形成され、それぞれの分割領域ごとに前記非点収差の方向に対応して設定された電圧が印加される第1電極と、
    前記光ビームの通過領域を光ディスクに照射される際のチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割して形成され、それぞれの分割領域に電圧が印加される第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の一方又は双方により通過する光ビームに前記電圧に応じた位相差を付与し、前記収差を補正する収差補正手段と、
    を備え、
    前記第1電極においては、前記方向が前記外周部の各分割領域の境界近辺となる場合に、当該境界の両側に隣接して位置し互いに中心対称な四つの当該分割領域よりなる第一の領域と、当該境界に直交する線の両側に隣接して位置し互いに中心対称な四つの当該分割領域よりなる第二の領域と、のそれぞれに互いに逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧が印加されることを特徴とする収差補正装置。
  3. 前記収差補正手段は、電圧に応じて屈折率が可変される液晶層により光ビームに位相差を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の収差補正装置。
  4. 前記収差補正手段は、前記液晶層が前記第1電極と前記第2電極により挟まれる断面構造を有し、前記第1電極と前記第2電極には矩形波となる電圧を印加することにより位相差を付与することを特徴とする請求項に記載の収差補正装置。
  5. 前記収差補正手段は、前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧による電位差を与えたときに光ビームに付与される位相差が、前記非点収差の方向に対応する位相差と前記チルトに起因する収差の分布に対応する位相差との和となるように前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の収差補正装置。
  6. 前記収差補正手段は、
    前記非点収差の方向に対応する位相差を光ビームに付与すべく前記第1電極に印加される第1駆動信号を生成する第1生成手段と、
    前記チルトに起因する収差の分布に対応する位相差を光ビームに付与すべく前記第2電極に印加される第2駆動信号を生成する第2生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項又は請求項に記載の収差補正装置。
  7. 前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号は共にパルス信号であると共に、前記第2駆動信号は、光ビームに予め設定された所定位相差を与えるときの前記第1駆動信号を基準として、光ビームに当該所定位相差より大きい位相差を付与するときは、前記第1駆動信号の位相と前記第2駆動信号の位相とが逆相となるパルス信号であり、光ビームに前記所定位相差よりも小さい位相差を付与するときは、前記第1駆動信号の位相と前記第2駆動信号の位相とが同相となるパルス信号であることを特徴とする請求項に記載の収差補正装置。
  8. 前記第2電極は、光ディスクのラジアル方向に発生するチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の収差補正装置。
  9. 前記第2電極は、光ディスクのタンジェンシャル方向に発生するチルトに起因する収差の分布に対応して複数に分割されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の収差補正装置。
  10. 請求項1から請求項の何れかに記載の収差補正装置を備えると共に、
    光源から出射される光ビームが当該収差補正装置を通過するよう光学系が配置されることを特徴とする光ピックアップ。
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