JP2004310903A - 液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置 - Google Patents

液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対物レンズと液晶パネルとの間に位置ずれが生じていない場合及び位置ずれが生じた場合の双方において良好な収差補償を行うことが可能であり、かつコストアップを抑えることが可能な液晶パネル及び光ピックアップを提供する。
【解決手段】液晶パネル7の透明電極7cは、実際の波面収差分布と略同一形状となるパターン電極40a、40b、41a、41b及び42からなる第1部分電極部と、パターン電極43及び44からなる第2部分電極部とで構成される。対物レンズ4の中心軸と液晶パネル7の中心軸とが相互に一致する場合、光ビームBは第1電極部を通過する。この場合第1電極部に対応する液晶7gの領域において光ビームBに所定の位相差を与え波面収差を補償する。上記位置が一致せず位置ずれが生じている場合、光ビームBは第1電極部及び第2電極部を通過する。この場合第1電極部及び当該第2電極部に対応する液晶7gの領域において光ビームBに所定の位相差を与え波面収差を補償する。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、波面収差を補償する液晶パネルとして、液晶層の両面に電極を配置した構成を有する液晶パネルが一般に用いられている。
【0003】
この液晶パネルは、当該液晶を透過する光ビームの屈折率を変化させて光軸の傾きに起因する波面収差を補償するようになっており、液晶に加えられる電圧に応じて液晶を構成する液晶分子の配向性が変化することを利用するようになっている。
【0004】
具体的には、従来の液晶パネルは、液晶の部分毎に印加する電圧を変化させ、光ビームに対する屈折率を変化させることにより、当該光ビームに対して液晶の部分毎に異なる位相差を与え、情報記録面までの光ビームの光路長を変化させて光軸の傾きを打ち消す構成を有している。例えば、従来の液晶パネルは当該液晶に電圧を印加するための透明電極を複数の部分透明電極の組合せにより構成され、当該各部分透明電極毎に印加する電圧を変化させるようになっており、これによりこの液晶の部分毎に異なる位相差を与えるようになっている。
【0005】
この従来の液晶パネルにおいては、一の透明電極内の複数の部分透明電極の形状は、対物レンズの中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸の位置とが一致しているということを前提として、すなわち、対物レンズの瞳面の中心と透明電極の中心とが一致していることを前提として決定されることが一般的である。
【0006】
一方、通常の光ピックアップの構成では、対物レンズと液晶パネルとを別体構成にすることが多く、当該光ピックアップにおいては、その製造工程上の問題から、対物レンズの中心軸の位置と液晶パネルの中心軸の位置とが、製造直後から既にずれている場合がある。
【0007】
また、実際に記録媒体に対して情報の記録又は再生を行う際に、例えば光ビームの記録媒体上の照射位置に対していわゆるトラッキングサーボ制御が施される場合がある。この場合には、対物レンズが記録媒体上に形成されている情報トラックと垂直な方向にアクチュエータ等により移動させられることとなる。従って、製造段階でずれが生じていない場合においても、液晶パネルの中心軸の位置と対物レンズの中心軸の位置との位置ずれが必然的に発生することがある。
【0008】
そこで、当該位置ずれ対策として主として次のような2つの技術が提案されている。
【0009】
第1の技術は、液晶パネルの電極をあらかじめ2パターン用意する技術であり、これによって対物レンズとの位置ずれに対する許容範囲を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また第2の技術は、所定の位置ずれが発生した場合に、最も波面収差が少なくなるようにあらかじめ透明電極の分割を行う技術である(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開2001−143309号公報
【特許文献2】
特開2000−90479号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の位置ずれが発生した際、位置ずれが存在しない場合を前提として形成された従来の液晶パネルでは、波面収差の補償が十分に行うことができない。
【0012】
また、上記第1の位置ずれ対策の技術では、あらかじめ位置ずれ対策として電極パターンを2つ用意する必要があるため、パターニングや制御が複雑となり、大幅にコストが増加する。
【0013】
さらにまた、上記第2の位置ずれ対策の技術では、所定の位置ずれが発生した場合に最も波面収差が少なくなるように電極が設定されているため、位置ずれがない場合の収差補償機能が劣化する。
【0014】
そこで本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたものであり、その課題の一例としては、上記位置ずれが生じていない場合において良好な収差補償を行いつつ、上記位置ずれが生じた場合においても良好な収差補償を行うことが可能であり、かつコストアップを抑えることが可能な液晶パネル及び光ピックアップを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の液晶パネル発明は、光ビームの光路上に配置され、前記光ビームに位相差を与えることによって、当該光ビームの光軸と、記録媒体における情報記録面と、の間に発生する波面収差を補償する液晶パネルであって、複数の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、前記第1電極部に隣接して配置されるとともに、少なくとも1の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、を備え、前記第2電極部は、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸との位置との間に前記光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に、前記部分電極によって通過する前記光ビームに位相差を与えることを特徴として構成する。
【0016】
また、請求項7に記載の光ピックアップの発明は、光ビームの光路上に配置され、前記光ビームに位相差を与えることによって、当該光ビームの光軸と、記録媒体における情報記録面と、の間に発生する波面収差を補償する液晶パネルと、前記光ビームを出射する光源と、各前記第1部分電極及び前記第2部分電極に電圧を印加することにより、前記光ビームに前記位相差を与える電圧印加手段と、前記液晶パネルを通過した前記光ビームを前記記録媒体上に集光する前記集光手段と、前記集光手段により集光され、当該記録媒体から反射された前記光ビームを受光し受光信号を出力する受光手段と、を備え、前記液晶パネルは、複数の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、前記第1電極部に隣接して配置されるとともに、少なくとも1の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、を有し、前記第2電極部は、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸との位置との間に前記光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に、前記部分電極によって通過する前記光ビームに位相差を与えることを特徴として構成する。
【0017】
また、請求項8に記載の情報再生装置の発明は、光ビームの光路上に配置され、前記光ビームに位相差を与えることによって、当該光ビームの光軸と、記録媒体における情報記録面と、の間に発生する波面収差を補償する液晶パネル、前記光ビームを出射する光源と、各前記第1部分電極及び前記第2部分電極に電圧を印加することにより前記光ビームに前記位相差を与える電圧印加手段、前記液晶パネルを通過した前記光ビームを前記記録媒体上に集光する集光手段、及び前記集光手段により集光され当該記録媒体から反射された前記光ビームを受光し受光信号を出力する受光手段、を有する光ピックアップと、前記記録媒体に情報が記録されているとき、前記受光信号に基づいて当該情報を再生する再生手段と、を備え、前記液晶パネルは、複数の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、前記第1電極部に隣接して配置されるとともに、少なくとも1の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、を有し、前記第2電極部は、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸との位置との間に前記光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に、前記部分電極によって通過する前記光ビームに位相差を与えることを特徴として構成する。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0019】
なお、以下に説明する実施の形態は、記録情報が記録されている記録媒体及びディスク状記録媒体としての光ディスクから当該記録情報を読み出す際に、当該光ディスクと光ビームの光軸とのなす角の変化(光ディスク自体の反りや外部からの振動又は回転による光ディスクの振動に起因する傾き)により発生する波面収差を補償しつつ読み出す情報再生装置に係る実施の形態である。
【0020】
先ず、本実施形態に係る情報再生装置の全体構成について、図1を用いて説明する。
【0021】
なお、図1は実施形態の情報再生装置の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る情報再生装置Sは、光ディスクDKを所定回転数で回転させるスピンドルモータ1と、発生する波面収差を補償しつつ光ビームBを光ディスクDKに照射し、その反射光に基づいて光ディスクDK上の記録情報に対応する受光信号としての検出信号を出力する光ピックアップPUと、検出信号に基づいて記録情報を再生信号として出力する本発明の再生手段としてのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)9と、を含んで構成されている。
【0023】
光ピックアップPUは、レーザダイオード2と、ハーフミラー3と、対物レンズ4と、集光レンズ5と、ディテクタ6と、液晶パネル7と、液晶ドライバ8と、を含んで構成されている。
【0024】
なお、液晶パネル7は、光ピックアップPUの筐体に固定されている。
【0025】
また、例えば本実施形態のレーザダイオード2は本発明の光源を構成し、対物レンズ4は本発明の集光手段を構成し、ディテクタ6は本発明の受光手段を構成する。さらに、例えば本実施形態液晶パネル7は本発明の液晶パネルを構成し、液晶ドライバ8は本発明の電圧印加手段を構成する。
【0026】
ここで、対物レンズ4の中心軸(光軸)と液晶パネル7の中心軸とは、製造時には相互に平行であり且つその位置が相互に一致するように設定されている。
【0027】
情報再生装置Sにおいて、スピンドルモータ1は、例えば図示しない制御部から再生指示を受け、光ディスクDKを所定の回転数にて回転駆動するようになっている。
【0028】
レーザダイオード2は、ハーフミラー3に向けて光ビームBを出射するようになっている。
【0029】
ハーフミラー3は、レーザダイオード2から出射された光ビームBの光路上に配設され、当該光ビームを液晶パネル7の方向に反射するようになっている。
【0030】
液晶パネル7は、ハーフミラー3と対物レンズ4との間の光ビームBの光路上に配設されている。また、液晶パネル7は、後述する各パターン電極に対して印加された電圧に応じて、その液晶分子の配向性が変化するようになっている。そして、ハーフミラー3から反射されてきた光ビームBに対して所定の位相差を与え、波面収差を補償するようになっている。当該液晶パネル7の構造及び波面収差補償の原理については後述する。
【0031】
対物レンズ4は、液晶パネル7と光ディスクDKとの間の光ビームBの光路上に配設され、液晶パネル7を通過した光ビームBを光ディスクDKの情報記録面に集光するようになっている。
【0032】
集光レンズ5は、光ディスクDKの情報記録面において反射され、対物レンズ4、液晶パネル7及びハーフミラー3を通過してきた光ビームBをディテクタ6上に集光するようになっている。
【0033】
ディテクタ6は、受光した光ビームBの反射光を電気信号である検出信号に変換し、CPU9に出力するようになっている。
【0034】
CPU9は、ディテクタ6によって出力された検出信号を受信し、当該検出信号に対して所定の復調処理を施し、光ディスクDKに記録されていた記録情報に対応する再生信号として、図示しない再生回路に対して出力するようになっている。
【0035】
また、上述した動作と並行して、CPU9は、受信した検出信号に基づいて、光ビームBが照射される光ディスクDK上の領域のラジアル(半径)方向の傾き角(以下、「ラジアル方向のチルト角」という。)、及び光ビームBが照射される光ディスクDK上の領域のタンジェンシャル(円周)方向の傾き角(以下、「タンジェンシャル方向のチルト角」という。)を検出するようになっている。
【0036】
なお、CPU9によって行われる所定の復調処理及びチルト角の検出方法については公知技術であるため、具体的な処理内容の説明は省略する。
【0037】
液晶ドライバ8は、CPU9で検出されたラジアル方向及びタンジェンシャル方向のチルト角の値に基づいて、例えば予め図示しないROM(Read Only Memory)等に記憶されている収差補償量を示す補償量データを用いて液晶パネル7の後述する各パターン電極に対応する液晶の収差補償量を決定し、当該収差補償量に対応する電圧を後述する液晶パネル7における透明電極のパターン電極に対して出力するようになっている。
【0038】
なお、収差補償量とは、ラジアル方向及びタンジェンシャル方向のチルト角により生じる波面収差を打ち消すために液晶パネル7を通過する光ビームBに与えるべき位相差をいう。
【0039】
次に、本実施形態に係る液晶パネル7の構成について、図2を用いて説明する。
【0040】
なお、図2は本実施形態の液晶パネル7の構成の一例を示す断面図である。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の液晶パネル7は、液晶分子Mを含む液晶7gを挟んで、当該液晶7gに所定の分子配向を与えるための配向膜7e及び7fが形成され、更に夫々の配向膜7e及び7fの外側に例えばITO(Indium−tin Oxide;インジウム錫酸化物)等からなる透明電極7c及び透明電極7dが形成されている。そして、その最外層には保護層としてのガラス基板7a及び7bが形成されている。
【0042】
夫々の透明電極7c及び7dは、後述するように、波面収差の分布に対応した部分電極としてのパターン電極に分割されている。透明電極7cはラジアル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を補償するための電極であり、透明電極7dはタンジェンシャル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を補償するため電極である。
【0043】
液晶7gには、図2に示すように液晶分子Mの光学軸方向とこれに垂直な方向によって屈折率が異なる材料が用いられており、例えばネマチック液晶などのいわゆる複屈折効果を有する材料が用いられている。
【0044】
このような構成を有することによって、液晶パネル7は、液晶ドライバ8によって透明電極7c及び7dに印加される電圧値が変化することにより、図2(a)乃至(c)に示すように、液晶分子Mの向きを水平方向から垂直方向まで自在に変えることができ、液晶分子Mの配向方向に応じて下の式(1)に示す位相差ΔPを光ビームBに対して与えることができる。
【0045】
【数1】
ΔP=Δn・d(2π/λ) ・・・式(1)
ここで、Δnは屈折率の変化分を表し、dは液晶7gのセル間隔を表す。また、λはレーザダイオード2から出射される光ビームBの波長を表す。
【0046】
次に、上述した構成を有する本実施形態に係る液晶パネル7における波面収差補償の原理について説明する。
【0047】
なお、対物レンズ4の瞳面における波面収差をW(r,φ)とし、(r,φ)は瞳面の極座標を示す。
【0048】
通常、光ディスクDKが光ビームBの光軸に対して傾き、チルト角が生じると、光ビームBに対して波面収差(主としてコマ収差)Wtlt(r,φ)が発生し、対物レンズ4により当該光ビームBを絞ることができなくなる。
【0049】
この波面収差Wtlt(r,φ)のうちの大部分を占める収差は、下記式(2)で表される波面収差である。
【0050】
【数2】
tlt(r,φ)≒ω31×r3×cosφ+ω11×r×cosφ …式(2)
ここで、ω31及びω11は光ディスクDKのチルト角、基板の厚さ、基板の屈折率及び対物レンズ4の開口数(NA)で与えられる定数であり、ω31はコマ収差、ω11は像点の移動による収差を表している。
【0051】
一方、対物レンズ4の瞳面上の波面収差W(r,φ)の標準偏差をWrmsとすると、当該Wrmsは下記式(3)により表されるようになっている。なお、下記式(3)中のWはW(r,φ)の瞳面上の平均値である。このWrmsは、波面収差の評価に用いられ、Wrmsを小さくすれば波面収差の影響が少なく良好な再生を行うことができる。そのため下記式(3)から明らかなように、波面収差を補償するにはW(r,φ)を小さくすればよい。
【0052】
【数3】
Figure 2004310903
そこで、本実施形態では、液晶ドライバ8が透明電極7cの後述する各パターン電極に印加される電圧を制御して、各パターン電極に対応する液晶7gの領域の屈折率をΔnだけ変化させ、例えば光ディスクDKがそのラジアル方向に傾いたことにより発生したWtlt(r,φ)を補償するようになっている。
【0053】
すなわち、本実施形態では、当該屈折率の変化により当該パターン電極に対応する領域を通過する光ビームBに対して位相差を与えることによって波面収差を補償するようになっている。
【0054】
具体的には、液晶7gで与えられる位相差をWlc(r,φ)とすると、液晶パネル7を配置したときの対物レンズ4の瞳面における波面収差W(r,φ)は式(4)で表され、この式(4)から明らかなように、光ディスクDKのチルト角に起因する波面収差W(r,φ)を打ち消すには、式5を用いればよいことがわかる。
【0055】
【数4】
W(r,φ)=Wtlt(r,φ)+Wlc(r,φ) …式(4)
【0056】
【数5】
W(r,φ)=Wtlt(r,φ)+Wlc(r,φ)=0 …式(5)
すなわち、式6に示すように、液晶7gによって光ディスクDKのチルト角に起困する波面収差Wtlt(r,φ)に対して逆極性の波面収差、となる波面収差Wlc(r,φ)を光ビームBに与えればよいこととなる。
【0057】
【数6】
lc(r,φ)=−Wtlt(r,φ) …式(6)
そして、光ディスクDKのチルト角に起因する波面収差Wtlt(r,φ)に対して逆極性の波面収差Wlc(r,φ)を与えるためには、チルト角に起因する波面収差分布に対応して液晶7gを分割するように透明電極7cにパターン電極を設け、チルト角に起因する波面収差に対して逆極性の波面収差を与えるようにパターン電極に対する印加電圧を制御すればよいこととなる。
【0058】
ここで、波面収差分布の一例について図3乃至図5を用いて説明する。
【0059】
なお、図3は光軸の傾斜に起因して対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差分布の一例を示した図であり、図4は波面収差の分布特性の一例を示した図である。また、図5は、チルト角の大きさと波面収差量との関係について示した図である。
【0060】
図3で示される波面収差分布は、上述の式(2)を用いて対物レンズ4の瞳面での波面収差分布を計算結果の一例である。図3は、具体的には、光ディスクDKの情報記録面が+1°傾いた場合の光束の最良像点Oにおける波面収差分布を示している。当該波面収差分布は、波面収差の値が一定の範囲を有する領域A乃至Kによって表されている。
【0061】
また、この図3に示す波面収差分布は、領域Aを中心として領域BとG、領域CとH、領域DとI、領域EとJ、領域FとKとが逆極性の波面収差の値を示す対照的な分布となっている。
【0062】
光ディスクDKのラジアル方向にチルト角が発生している場合には、図3中のX2−X2軸は、光ディスクDKにおけるラジアル方向を示している。
【0063】
一方、光ディスクDKのタンジェンシャル方向にチルト角が発生している場合には、図3中のX2−X2軸は光ディスクDKにおけるタンジェンシャル方向を示すこととなる。なお、この図3中のX2−X2軸上における当該波面収差の分布特性を図4において示している。
【0064】
この図3に示される波面収差の分布自体は、チルト角の大きさによらず一定である。一方、波面収差量は、チルト角の大小により変化する。すなわち、図4に示される曲線のピーク値はチルト角が大きくなれば高くなり、チルト角が小さくなれば低くなる。このため、図5に示すように、チルト角の大きさが大きくなるにつれて、補償すべき波面収差量は増加する。
【0065】
したがって、波面収差の分布に基づいてパターン電極を設け、各パターン電極に印加する電圧をチルト角の大きさに応じて制御し、当該波面収差と逆極性の位相差を与えることができれば、発生した波面収差を補償することが可能となる。
【0066】
次に、本実施形態に係る液晶パネル7の透明電極7cにおけるパターン電極の配置について図6及び図7を用いて説明する。ここでは、本実施形態の透明電極7cの特徴をより明確にするため、従来技術との比較に基づいて説明する。
【0067】
なお、図6は本実施形態に係る透明電極7cの構成の一例を示した平面図であり、図7は従来の透明電極の構成について示した図である。
【0068】
本実施形態における透明電極7cは、図7に示すように、相互に絶縁されているパターン電極40a、40b、41a、41b及び42、43及び44に分割され、合計七つのパターン電極から構成されている。
【0069】
また、例えばパターン電極40a、40b、41a、41b、42、43及び44は、本発明の部分電極を構成する。さらに、例えばパターン電極40a、40b、41a、41b及び42は本発明の第1部分電極部を構成し、パターン電極43及び44は本発明の第2部分電極部を構成する。
【0070】
透明電極7cの各パターン電極は、対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置とが相互に一致する場合に、光束SPの範囲が、図7に示す位置及び大きさとなるように配設されている。なお、「光束SPの範囲」とは、光ビームBが対物レンズの開口により制限された範囲をいう。
【0071】
また、後述の位置ずれ対策のため、パターン電極41aと43との境界及びパターン電極40b及び44との境界は、夫々光束SPの外縁に合致するように設定されている。
【0072】
さらに、各パターン電極の形状を上述のラジアル方向に発生する波面収差の分布に対応した略同一の形状とするため、パターン電極40aと41b、パターン電極41aと40b、パターン電極43と44とは、透明電極7cの中心を通ると共にラジアル方向(X2−X2軸方向)に垂直な対称軸を中心として線対称に配設されている。また、パターン電極40aと41bとは、光ビームBに与える位相差の値は互いに逆極性となっている。同様に、パターン電極41aと40b、パターン電極43と44とは夫々光ビームBに与える位相差の値は互いに逆極性となっている。
【0073】
通常、透明電極の分割数を更に多くして細分化すれば、完全に光ディスクDKのチルト角に起因する波面収差を打ち消すことができる。しかし、透明電極を例えば碁盤目状に分割することにより分割数を多くすると、一の当該区分領域毎に駆動信号を制御して印加する必要があり、透明電極の作成及び引き出し線等の配線を作成することが困難となる。
【0074】
そこで、本実施形態の透明電極7cは、容易に作成可能であり、且つ当該波面収差を効率的に補償することができるようにするため、光束SPの範囲内(内側)において、従来の透明電極30と同様に透明電極の分割形状が、図3で示した実際の波面収差分布(対物レンズ4の瞳面における波面収差分布)に対応した略同一の分割形状となっている。
【0075】
なお、本実施形態における透明電極7cと図7に示す従来の透明電極30とは共に、光束SPの範囲内(内側)において、各パターン電極が同様の形状及び大きさとなっている。より具体的には、光束SPの範囲内において、図6に示す本実施形態の透明電極7cのパターン電極40a、40b、41a、41b、及び42は、図7に示す従来の透明電極30のパターン電極30a、30b、31a、31b及び32に夫々相当する。
【0076】
これに対して、本実施形態の透明電極7cの形状は、光束SPの範囲外(外側)において、従来の透明電極30の形状とは異なっている。
【0077】
具体的には、図6に示す本実施形態の透明電極7cにおいては、パターン電極43及び44とに分割されている。
【0078】
このように、光束SPの範囲外(外側)において、本実施形態では、パターン電極43及び44を設けたことによって対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置との間に光ビームBの光軸に垂直な面内の位置ずれ(以下、「位置ずれ」という。)がラジアル方向に生じた場合に、パターン電極43又は44のいずれか一方が作用することによって当該位置ずれが生じた場合の波面収差を従来に比べ、より効果的に補償するようになっている。
【0079】
なお、この位置ずれは、例えば、光ピックアップPUの製造工程上における位置合わせ精度の低下、又は光ディスクDKのディスク偏芯等に起因して発生するものである。
【0080】
次に、本実施形態の透明電極7cを用いた波面収差補償について、図8及び図9を用いて説明する。
【0081】
なお、図8は収差補償後の波面収差分布の一例について示した図であり、図9はチルト角の変化と収差補償との関係の一例について示した図である。
【0082】
以下の説明は、光ディスクDKのラジアル方向に生じている波面収差のみを補償する場合について説明するものである。すなわち、タンジェンシャル方向のチルト角が0度であり、ラジアル方向のチルト角のみが光ディスクDKに存在している場合について説明する。
【0083】
また説明の便宜上、ここでは、パターン電極42に印加する電圧が「0」の場合に、パターン電極42に対応する液晶gの領域を透過する光ビームBの位相差が「0」となるように液晶分子Mを予め配向しておくものとする。さらに、透明電極10dは接地され、図6中のX2−X2軸が光ディスクDKのラジアル方向となるように液晶パネル7を予め配設しておくものとする。
【0084】
まず、対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置とが相互に一致している場合における波面収差補償について説明する。
【0085】
なお、光ディスクDKに記録されている情報の再生が開始されると、液晶ドライバ8には、CPU9によって検出された光ディスクDKのラジアル方向のチルト角の情報が供給されるようになっている。
【0086】
液晶ドライバ8は、CPU9から供給されるラジアル方向のチルト角の大きさに応じて、発生した波面収差分布と逆極性の波面収差を与えるように各パターン電極に印加すべき電圧値を算出し、算出結果に基づいて各パターン電極に電圧を印加するようになっている。
【0087】
具体的には、液晶ドライバ8は、光ビームBに対して位相差を与えることなく透過させる基準電圧を示す電圧Vcをパターン電極42へ印加するとともに、電圧V1を透明電極7cのパターン電極40a及び40bに印加し、電圧V2をパターン電極44に印加するようになっている。
【0088】
また、液晶ドライバ8は、電圧V3をパターン電極41a及び41bに印加するようになっており、電圧V4をパターン電極43に夫々印加するようになっている。
【0089】
例えば、本実施形態では、基準電圧である電圧Vcは、パターン電極42を透過する光ビームBの位相差が「0」となるように液晶分子Mを予め配向してあるため、電圧Vcの電圧値は「0」となっている。
【0090】
また、電圧V1及びV3は、パターン電極40aと41b、パターン電極41aとパターン電極40bに対応する領域では、与える位相差量の大きさが等しく、また互いに逆極性となるため、液晶ドライバ8は、電圧V1とV3とが(式7)の関係を有するになるように各電圧値を算出し、当該算出した各電圧値を各パターン電極に印加するようになっている。
【0091】
【数7】
V1=−V3 ・・・(式7)
なお、本実施形態では、図6に示したとおり、光ビームBは、パターン電極43及び44に対応する液晶gの領域を通過しないため、パターン電極43及び44に対応する液晶gの液晶分子Mの配向方向の変化は、光ビームBに対し何ら影響を与えることはないようになっている。すなわち、パターン電極43及び44に印加される電圧V2とV4は、対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置とが相互に一致している場合には、波面収差補償に対しては問題とならないので、この電圧V2とV4の値の一例についてはここでは省略する。
【0092】
このように、本実施形態では、液晶ドライバ8は、各電圧V1、V2、V3及びV4を算出し、各パターン電極に印加するようになっており、液晶ドライバ8により夫々のパターン電極に電圧が印加されることによって、夫々のパターン電極に対応する領域の液晶gの液晶分子Mの配向方向を変化させることができるので、所定の位相差が光ビームBに与えることができるようになっている。
【0093】
また、本実施形態では、上述のように光ビームBが通過する光束SPの範囲は図6に示す位置及び大きさであるため、当該光束SPの範囲内を通過する光ビームBに対し、パターン電極40a、40b、41a、41b及び42に対応する液晶gの領域において各電圧値に応じた所定の位相差を与えることができるようになっている。
【0094】
したがって、本実施形態の透明電極7cにおいて、波面収差分布に応じた位相差を夫々与えることによって、図8に示すように、光ディスクDKのラジアル方向のチルト角に起因して対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差を効果的に補償することができるようになっている。
【0095】
すなわち、図8における曲線は補償後の波面収差(残留波面収差)分布を示しおり、この波面収差は、上述のとおり透明電極の分割形状が、上述の図3で示した対物レンズ4の瞳面における実際の波面収差分布に完全に一致していないことにより必然的に生じるものである。
【0096】
また、図8における位相差P1乃至P4は従来の透明電極30及び本実施形態の透明電極7cを用いた液晶パネル7で与えられる位相差を表している。
【0097】
さらに、図8において、位相差P1はパターン電極40bに対応する領域で与えられる位相差、位相差P2はパターン電極41bに対応する領域で与えられる位相差、位相差P3はパターン電極40aに対応する領域で与えられる位相差であり、位相差P4はパターン電極41aに対応する領域で与えられる位相差である。
【0098】
この結果、これを上述の波面収差量Wrmsでみると、図9に示すように、位置ずれがない場合において、光ディスクDKのラジアン方向のチルト角の変化に応じた補償を行うことにより、補償を行わなかった場合に比べて波面収差量が効果的に減少していることがわかる。
【0099】
なお、本実施形態では、上述のように光束SPの範囲内のパターン電極の形状は、図7で示した透明電極30と図6で示した本実施形態の透明電極7cとは同じであるため、対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置とが相互に一致している場合における従来の透明電極30を用いた波面収差補償の効果と図8及び図9に示す波面収差の効果は同じものとなる。
【0100】
すなわち、本実施形態では、対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置とが相互に一致している場合には、本実施形態の透明電極7cのパターン電極43及び44は、光ビームBの光束SPの範囲外であるので、光ビームBに対しては何ら作用を施さないこととなるので、透明電極7cによる波面収差補償では、位置ずれが生じていない場合に最適な波面収差補償を行う従来の透明電極30で得られる効果が損なわれることはない。
【0101】
ここで、図9において点線は波面収差補償前の波面収差量を示しており、実線は波面収差補償を行った場合の波面収差量を示している。
【0102】
続いて、対物レンズ4の中心軸の位置と液晶パネル7の中心軸の位置とが相互に一致せず、光ビームBの光軸に垂直な面内の位置ずれがラジアル方向に生じている場合における波面収差補償について図10乃至14を用いて説明する。
【0103】
なお、図10は従来の透明電極30におけるラジアル方向の位置ずれ時の光束SPの範囲について示した図であり、図11は従来の透明電極30におけるラジアル方向の位置ずれと残留波面収差の関係について示した図である。また、図12は本実施形態の透明電極7cにおけるラジアル方向の位置ずれ時の光束SPの範囲について示した図であり、図13は本実施形態の透明電極7cにおけるラジアル方向の位置ずれと残留波面収差の関係について示した図である。さらに、図14は一定の位置ずれが生じている場合における印加電圧の違いによるラジアル方向の残留波面収差量の一例について実験的に求めた結果について示した図であり、図15は位置ずれ量と波面収差量との関係について示した図である。
【0104】
従来の透明電極30においては、上記位置ずれが生じた場合には、図10に示すように光ビームBが通過する光束SPの範囲とパターン電極との形状とにずれが生じ、波面収差の補償に十分に対応できない部分が生じることとなる。
【0105】
具体的には、パターン電極30bが本来補償すべき範囲から乖離してしまうことによって、図11中のZで示した領域において著しい量の残留波面収差が生じてしまう。これは、パターン電極30bで与える位相差P1に比べてZで示した領域において発生する波面収差量が大きいために、効果的に補償しきれないためである。
【0106】
このように、従来の液晶パネルにおける透明電極30では、位置ずれがない場合の波面収差に対応したパターン電極の形状のみを有していたため、位置ずれが生じた場合には液晶パネルとしての波面収差の補償が十分に行われないこととなっていた。
【0107】
一方、本実施形態の液晶パネル7における透明電極7cは、ラジアル方向の位置ずれが図12に示す方向に生じた場合には、パターン電極44が光束SPの範囲内に入り、上記従来例で補償不可能であった部分についても効果的に波面収差を補償するように作用する。具体的には、電圧V2がパターン電極44に印加されていることによって、位置ずれが生じた場合の上記Zの部分の波面収差に対応した逆極性の波面収差を与えるように作用する。
【0108】
したがって、図13に示すように、本実施形態の透明電極7cによれば、従来十分に補償されなかった部分において、パターン電極44に対応する液晶7gの領域で位相差P5を与えることによって残留波面収差の発生量を効果的に抑えることが可能となる。
【0109】
また、同様にラジアル方向の位置ずれが図12に示す方向と反対の方向に生じた場合には、パターン電極43が光束SPの範囲内に入り、上記従来例で補償不可能であった部分についても効果的に波面収差を補償するように作用する。この場合には、電圧V4がパターン電極43に印加されることによって、位置ずれが生じた場合の波面収差に対して逆極性の波面収差を与えるように作用する。
【0110】
このように、本実施形態の液晶パネル7は、透明電極7cの中心を通ると共にラジアル方向に垂直な対称軸を中心として線対称にパターン電極43及び44が配置されているため、ラジアル方向のいずれの方向の位置ずれに対しても効果的な補償ができるようになっている。
【0111】
ここで、ラジアル方向の位置ずれが生じた場合の波面収差を補償する場合に好適な、電圧V2及びV4の値の一例について説明する。
【0112】
上述のようにZの領域で補償すべき波面収差量は位相差P1よりも大きい。そのため、図13に示すように、Zの領域において波面収差を効果的に補償するためには、位相差P1と同じ極性の位相差であり、かつ位相差P1よりも大きい位相差P5を与えればよい。
【0113】
通常、チルト角の大きさにより波面収差の量は異なるため、当該波面収差を補償するため与えられる位相差は当該チルト角の大きさに応じて異なる。そして、液晶g中の液晶分子Mの向きが水平方向から垂直方向まで変化する一定の範囲内においては、印加される電圧の変化に応じて液晶gの各領域で与えられる位相差が比例的に変化する。
【0114】
したがって、例えば位相差P1に対する位相差P5の比率をAとすると、位相差P1を与えるために印加される電圧V1に対する位相差P5を与えるために印加される電圧V2の比率、すなわち印加電圧比についても一定の比率Aで表すことが可能となる。
【0115】
そこで、電圧V1と電圧V2との関係については、式(8)で表すことができる。
【0116】
【数8】
V2=A・V1 …式(8)
また、電圧V3と電圧V4との関係についても同様に、式(9)で表すことができる。
【0117】
【数9】
V4=A・V3 …式(9)
この印加電圧比Aの値による波面収差補償効果の違いについて、図14を用いて説明する。
【0118】
図14では、一定の位置ずれが生じている場合における印加電圧の違いによるラジアル方向の残留波面収差量について実験的に求めた結果がグラフで表されている。当該実験結果から、一定の位置ずれが生じている場合における波面収差補償の効果は印加電圧比Aの値によって異なることがわかる。
【0119】
また、印加電圧比Aを「1」から「4」まで変化させたとき、例えばAの値を「2.5」、すなわち電圧V2を電圧V1の2.5倍とした場合に、他の印加電圧比で波面収差補償を行った場合に比べて残留する波面収差量が最も減少することが実験的に示されている。
【0120】
なお、印加電圧比Aが「1」の場合とは、例えばパターン電極40bに印加される電圧V1とパターン電極44に印加される電圧V2とが等しいことを意味している。また同様に、パターン電極41aに印加される電圧V3とパターン電極43に印加される電圧V4とが等しいことを意味している。
【0121】
言い換えれば、パターン電極41bとパターン電極44とが分割されていない状態、及びパターン電極41aとパターン電極43とが分割されていない状態に等しく、上述の従来の液晶パネルにおける透明電極30の分割状態に相当する。
【0122】
したがって、本実施形態では、液晶ドライバ8は、A>1となる所定の印加電圧比A、例えば印加電圧比A=2.5となるように各電圧V1乃至4の値を制御し、各パターン電極に印加する。これにより、位置ずれが生じた場合においても従来技術に比べて良好な波面収差補償を行うことが可能となる。
【0123】
なお、この印加電圧比A=2.5により各電圧V1乃至4の値を制御し、各パターン電極に印加した場合における波面収差補償の効果について図15に示している。
【0124】
図15に示すように、本実施形態の液晶パネル7によれば、ラジアル方向の位置ずれ量にかかわらず、従来技術に比べて大幅に残留波面収差量が減少し、波面収差補償の効果が大きいことがわかる。
【0125】
なお、以上液晶パネル7が光ディスクDKのラジアル方向の位置ずれのみに対応した液晶パネル7について説明したが、液晶パネル7の構成はこれに限るものではない。
【0126】
すなわち、実際の光ディスクDKにおいては、ラジアル方向又はタンジェンシャル方向のいずれか一方のみにチルト角が生じていることは希であり、ほとんどの場合、タンジェンシャル方向とラジアル方向の双方にチルト角が生じている。そして、その場合には、光ディスクDKにおいては、タンジェンシャル方向とラジアル方向の双方の成分の波面収差を合成した波面収差が発生する。
【0127】
また、位置ずれについても、ラジアル方向のみならず、タンジェンシャル方向についても発生する場合が考えられる。そのため液晶パネル7がラジアル方向及びタンジェンシャル方向の双方の位置ずれに対応するものであっても良い。
【0128】
この場合、例えば、透明電極7cは本発明の一の面の第1の電極部を構成し、透明電極7dは本発明の他の面の第2の電極部を構成する。
【0129】
具体的には、上記透明電極7cの構成に加えて、液晶パネル7における透明電極7dの形状はタンジェンシャル方向の位置ずれに対応した形状となる。光ディスクDKのタンジェンシャル方向にチルト角が発生している場合には、図3中のX2−X2は光ディスクDKにおけるタンジェンシャル方向を示すこととなるため、透明電極7dの形状は上述の図6で示した透明電極7cの各パターン電極の形状を90度回転させたものと同一の形状に分割すればよい。
【0130】
これによって、透明電極7dは、光束SPの範囲内においては、タンジェンシャル方向のチルト角により生じた波面収差の分布に対応した形状を備えるとともに、光束SPの範囲外においては、タンジェンシャル方向の位置ずれに対応した形状を備えることとなる。
【0131】
そして、この場合に液晶ドライバ8は、CPU9で検出されたチルト角に基づいて夫々の透明電極7c及び7dに含まれる各パターン電極毎に電圧を決定し印加する。
【0132】
ここで、液晶7gで光ビームBに与えるべき位相差は、ラジアル方向のチルト角に起因する波面収差を補償するために必要な位相差とタンジェンシャル方向のチルト角に起因する波面収差を補償するために必要な位相差との和である。そのため、液晶7gに上記の2種類の位相差の和に相当する位相差を光ビームに与えるような電位差を生じさせるように、液晶ドライバ8は、透明電極7c及び7dの各パターン電極に印加する電圧を決定する。
【0133】
この結果、透明電極7cと7dとの各パターン電極により区分される液晶7gの領域毎に異なる位相差が光ビームBに与えられ、二つの方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を同時に補償することが可能となるとともに、ラジアル方向又はタンジェンシャル方向のいずれの方向の位置ずれに対しても有効な波面収差補償が可能となる。
【0134】
以上説明したように、本実施形態の液晶パネル7は、光ビームBの光路上に配置され、当該光ビームBの光軸と、光ディスクDKにおける情報記録面と、の間に発生する波面収差を、光ビームBに位相差を与えることにより補償する液晶パネル7であって、パターン電極40a、40b、41a、41b及び42によって構成され、通過する光ビームBに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、当該第1電極部に隣接して配置されるとともにパターン電極43及び44によって構成され通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、を備え、パターン電極43又は44は、光ビームBを情報記録面上に集光する対物レンズ4の中心軸の位置と当該液晶パネル7の中心軸との位置との間に光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に各パターン電極を通過する光ビームBに位相差を与えることを特徴として構成する。
【0135】
よって、光ビームBを情報記録面上に集光する対物レンズ4の中心軸の位置と当該液晶パネル7の中心軸との位置が一致している場合には、第1電極部は当該第1電極部を通過する光ビームBに位相差を与えることにより波面収差を補償する。
【0136】
また、光ビームBを情報記録面上に集光する対物レンズ4の中心軸の位置と当該液晶パネル7の中心軸との位置との間に光軸に垂直な面内の位置ずれが生じている場合には、第1電極部は、光ビームBのうち当該第1電極部を通過する光ビームに位相差を与えることにより波面収差を補償するとともに、パターン電極43又は44は、光ビームBのうち当該パターン電極を通過する光ビームに位相差を与えることにより波面収差を補償する。
【0137】
したがって、位置ずれがない場合において第1電極部が波面収差を効果的に補償するとともに、位置ずれが生じた場合であっても、第2電極部が位置ずれによって当該第2電極部を通過することとなる光ビームの波面収差を補償するため、当該位置ずれに起因する波面収差補償効果の劣化がなく、かつコストアップを抑えつつ当該位置ずれが生じた後の波面収差を効果的に補償することが可能となる。
【0138】
ここで、上記実施形態の構成において、タンジェンシャル方向の位置ずれが生じた場合にも、図16に示すように当該波面収差補償の効果が従来技術と比べて劣化することはない。
【0139】
図16に示すように、従来の透明電極と実施形態に係る透明電極とでは、タンジェンシャル方向の位置ずれによる残留波面収差量には、大きな相違はみられない。この実験結果から、タンジェンシャル方向の位置ずれが発生した場合において、本実施形態の透明電極7cの各パターン電極の分割形状をラジアル方向の位置ずれを効果的に補償するための形状としたことによる波面収差補償への影響はほとんどない。この結果、収差補償効果が従来技術t比較して劣化することなく補償可能となる。
【0140】
なお、図16はタンジェンシャル方向の位置ずれが生じた場合における残留波面収差量を実験的に求めた結果について示した図である。
【0141】
また、本実施形態の液晶パネル7は、第1部分電極部における各第1部分電極は、対物レンズ4の瞳面上における波面収差の分布に対応した形状に構成されていることを特徴として構成する。
【0142】
したがって、各第1部分電極の形状が、実際に対物レンズ4の瞳面上における光ビームBの波面収差の分布に対応した形状とされているので、より効果的に当該波面収差を補償することができる。
【0143】
また、本実施形態の液晶パネル7は、第2電極部は複数のパターン電極43及び44を有し、各パターン電極は、位置ずれの方向に垂直な対称軸を中心として線対称の形状に構成されていることを特徴として構成する。
【0144】
したがって、位置ずれの方向が予め特定できない場合でも、相互に反対方向に発生する少なくとも二通りの位置ずれに対応して当該位置ずれに起因する補償効果の劣化を防止し、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができる。
【0145】
また、本実施形態の液晶パネル7は、各パターン電極は、予め定められた一定の比率で異なる位相差を与えることを特徴として構成される。
【0146】
よって、各パターン電極毎により与えられる夫々の位相差は、一定の比率で表される。
【0147】
そのため、各パターン電極に印加する各電圧はチルト角の変化によらず一定の比率で表すことができるため、液晶ドライバ8で行われる電圧制御は、各パターン電圧毎の複雑な制御を必要とすることなく、より簡易な制御で行うことが可能となる。
【0148】
また、本実施形態の液晶パネル7は、光ディスクDKにおけるラジアル方向又はタンジェンシャル方向のいずれか一方の光軸と情報記録面との間の位置ずれが発生した場合に、通過する光ビームに位相差を与えることを特徴として構成する。
【0149】
したがって、ラジアル方向又はタンジェンシャル方向の位置ずれ発生後でも、波面収差を効果的に補償することができる。
【0150】
また、液晶パネル7は、光ビームBが通過する当該液晶パネル7の透明電極7c及び7d夫々に、第1電極部と、第2電極部と、を備え、透明電極7cは、ラジアル方向の傾斜に起因する波面収差を補償し、透明電極7dは、タンジェンシャル方向の傾斜に起因する波面収差を補償する特徴として構成することも可能である。
【0151】
この場合、位置ずれがない場合において波面収差を効果的に補償するとともに、ラジアル方向及びタンジェンシャル方向双方向の位置ずれに起因する波面収差補償効果の劣化がなく、当該位置ずれが生じた後の波面収差を効果的に補償することが可能となる。
【0152】
また、液晶パネル7の夫々の透明電極をラジアル方向、タンジェンシャル方向夫々のチルト角に起因する波面収差を補償するようにそれぞれ構成するので、1の電極パターンを用いればよいので、夫々の透明電極の分割パターンを簡易にすることが可能となる。
【0153】
また、本実施形態の光ピックアップPUは、液晶パネル7と、光ビームBを出射するレーザダイオード2と、各パターン電極に電圧を印加することにより、光ビームBに位相差を与えるCPU9及び液晶ドライバ8と、液晶パネル7を通過した光ビームBを光ディスクDKに集光する対物レンズ4と、対物レンズ4により集光され、当該光ディスクDKから反射された光ビームBを受光し受光信号を出力する受光手段と、を備えたことを特徴として構成する。
【0154】
したがって、液晶パネル7の中心軸の位置と対物レンズ4の中心軸の位置との間の位置ずれが実際に発生しても、当該位置ずれに起因する補償効果の劣化がなく、当該位置ずれ発生の有無にかかわらず波面収差を効果的に補償することができることとなり、例えば、波面収差により光ディスクDK上の情報が誤検出されることを防止することが可能となる。
【0155】
また、本実施形態の情報再生装置Sは、上記光ピックアップPUと、光ディスクDKに情報が記録されているとき、受光信号に基づいて当該情報を再生するCPU9と、を備えたことを特徴として構成する。
【0156】
したがって、液晶パネル7の中心軸の位置と対物レンズ4の中心軸の位置との間で位置ずれが発生しても波面収差を補償して良好に情報を再生することができる。
【0157】
なお、本実施形態の液晶パネル7における透明電極のパターン電極は七つに分割されて構成されているが、パターン電極の分割数はこれに限るものではなく、例えば図17で示すようにさらにパターン電極を細分化することも可能である。
【0158】
ここで、図17は、透明電極7cの構成の他の一例について示した図である。
【0159】
図17に示すように、図6で示すパターン電極43をパターン電極45及び46とに分割して構成し、図6で示すパターン電極44をパターン電極47及び48とに分割して構成することによって、位置ずれの程度に応じて適切な位相差を与え、効果的な収差補償を行うことが可能となる。
【0160】
この場合、各パターン電極の制御に必要な制御線が増加することとなるため、図18に示すように抵抗分圧を用いて印加電圧を設定することが有効となる。
【0161】
なお、図18は透明電極で抵抗成分を作り、抵抗分圧を用いて印加電圧を設定する場合の一例について示した図である。
【0162】
上述のように各パターン電極には一定の電圧比で電圧が印加される。そのため、図18で示すように予め所定の電圧比を設定しておくことにより、透明電極内に抵抗を作りこみ、抵抗分圧で各パターン電極に所望する電圧比となる電圧を印加する構成が可能である。
【0163】
この場合には、各パターン電極に対する制御線を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の情報再生装置の全体構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施形態の液晶パネル7の構成の一例を示す断面図である。
【図3】対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差分布の一例を示した図である。
【図4】波面収差の分布特性の一例を示した図である。
【図5】チルト角の大きさと波面収差量との関係について示した図である。
【図6】本実施形態に係る液晶パネル7の透明電極7cの構成の一例を示した平面図である。
【図7】従来の透明電極の構成について示した平面図である。
【図8】収差補償後の波面収差分布について示した図である。
【図9】チルト角の変化と収差補償との関係について示した図。
【図10】従来の透明電極におけるラジアル方向の位置ずれ時の光束SPの範囲について示した平面図である。
【図11】従来の透明電極におけるラジアル方向の位置ずれと残留波面収差の関係について示した図である。
【図12】本実施形態の透明電極7cにおけるラジアル方向の位置ずれ時の光束SPの範囲について示した平面図である。
【図13】本実施形態の透明電極7cにおけるラジアル方向の位置ずれと残留波面収差の関係について示した図である。
【図14】一定の位置ずれが生じている場合における印加電圧の違いによるラジアル方向の残留波面収差量の一例について実験的に求めた結果について示した図である。
【図15】位置ずれ量と波面収差量との関係について示した図である。
【図16】タンジェンシャル方向の位置ずれが生じた場合における残留波面収差量を実験的に求めた結果について示した図である。
【図17】透明電極7cの構成の他の一例について示した図である。
【図18】透明電極で抵抗成分を作り、抵抗分圧を用いて印加電圧を設定する場合の一例について示した図である。
【符号の説明】
B … 光ビーム
SP … 光束
DK … 光ディスク
S … 情報再生装置
PU … 光ピックアップ
1 … スピンドルモータ
2 … レーザダイオード
3 … ハーフミラー
4 … 対物レンズ
5 … 集光レンズ
6 … ディテクタ
7 … 液晶パネル
8 … 液晶ドライバ
9 … CPU
7a、7b … ガラス基板
7c、7d … 透明電極
7e、7f … 配向膜
7g … 液晶
30 … 透明電極
30a、30b、31a、31b、32 … パターン電極
40a、40b、41a、41b、42、43、44、45、46、47、48 … パターン電極
P1、P2、P3、P4、P5 … 位相差

Claims (8)

  1. 光ビームの光路上に配置され、前記光ビームに位相差を与えることによって、当該光ビームの光軸と、記録媒体における情報記録面と、の間に発生する波面収差を補償する液晶パネルであって、
    複数の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、
    前記第1電極部に隣接して配置されるとともに、少なくとも1の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、
    を備え、
    前記第2電極部は、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸との位置との間に前記光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に、前記部分電極によって通過する前記光ビームに位相差を与えることを特徴とする液晶パネル。
  2. 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
    前記第1電極部における各前記部分電極が、前記集光手段の瞳面上における前記波面収差の分布に対応した形状に構成されていることを特徴とする液晶パネル。
  3. 請求項1又は2に記載の液晶パネルにおいて、
    前記第2電極部は、複数の前記部分電極を有し、
    前記各部分電極は前記位置ずれの方向に垂直な対称軸を中心として線対称の形状に構成されていることを特徴とする液晶パネル。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶パネルにおいて、
    前記各部分電極は、当該各部分電極毎に予め定められた一定の比率で異なる前記位相差を与えることを特徴とする液晶パネル。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶パネルにおいて、
    前記記録媒体はディスク状記録媒体である場合、
    当該ディスク状記録媒体におけるラジアル方向又はタンジェンシャル方向のいずれか一方の前記位置ずれが発生した場合に、通過する光ビームに位相差を与えることを特徴とする液晶パネル。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶パネルにおいて、
    前記光ビームが通過する当該液晶パネルの一の面及び他の面夫々に、
    前記第1電極部と、前記第2電極部と、を有する電極部を備え、
    前記一の面に備えられた第1の電極部は、前記ラジアル方向又はタンジェンシャル方向のいずれか一方の前記光軸と前記情報記録面との間の傾斜に起因する前記波面収差を補償し、
    前記他の面に備えられた第2の電極部は、第1の電極部と異なる前記ラジアル方向又はタンジェンシャル方向のいずれか一方の前記傾斜に起因する前記波面収差を補償することを特徴とする液晶パネル。
  7. 光ビームの光路上に配置され、前記光ビームに位相差を与えることによって、当該光ビームの光軸と、記録媒体における情報記録面と、の間に発生する波面収差を補償する液晶パネルと、
    前記光ビームを出射する光源と、
    各前記第1部分電極及び前記第2部分電極に電圧を印加することにより、前記光ビームに前記位相差を与える電圧印加手段と、
    前記液晶パネルを通過した前記光ビームを前記記録媒体上に集光する前記集光手段と、
    前記集光手段により集光され、当該記録媒体から反射された前記光ビームを受光し受光信号を出力する受光手段と、
    を備え、
    前記液晶パネルは、
    複数の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、
    前記第1電極部に隣接して配置されるとともに、少なくとも1の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、
    を有し、
    前記第2電極部は、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸との位置との間に前記光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に、前記部分電極によって通過する前記光ビームに位相差を与えることを特徴とする光ピックアップ。
  8. 光ビームの光路上に配置され、前記光ビームに位相差を与えることによって、当該光ビームの光軸と、記録媒体における情報記録面と、の間に発生する波面収差を補償する液晶パネル、前記光ビームを出射する光源、各前記第1部分電極及び前記第2部分電極に電圧を印加することにより前記光ビームに前記位相差を与える電圧印加手段、前記液晶パネルを通過した前記光ビームを前記記録媒体上に集光する集光手段、及び前記集光手段により集光され、当該記録媒体から反射された前記光ビームを受光し受光信号を出力する受光手段、を有する光ピックアップと、
    前記記録媒体に情報が記録されているとき、前記受光信号に基づいて当該情報を再生する再生手段と、
    を備え、
    前記液晶パネルは、
    複数の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに各部分電極毎に異なる位相差を与える第1電極部と、
    前記第1電極部に隣接して配置されるとともに、少なくとも1の部分電極によって構成され、通過する前記光ビームに前記第1電極部と異なる位相差を与える第2電極部と、
    を有し、
    前記第2電極部は、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸の位置と当該液晶パネルの中心軸との位置との間に前記光軸に垂直な面内の位置ずれが発生した場合に、前記部分電極によって通過する前記光ビームに位相差を与えることを特徴とする情報再生装置。
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