JP3493335B2 - 光学素子、光ヘッド及び光記録再生装置 - Google Patents

光学素子、光ヘッド及び光記録再生装置

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JP3493335B2
JP3493335B2 JP2000202798A JP2000202798A JP3493335B2 JP 3493335 B2 JP3493335 B2 JP 3493335B2 JP 2000202798 A JP2000202798 A JP 2000202798A JP 2000202798 A JP2000202798 A JP 2000202798A JP 3493335 B2 JP3493335 B2 JP 3493335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報処理又は光
通信等に用いられ、収差補正を行う光学素子、光ヘッド
及び光記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタルバーサタイルディスク
(DVD)はディジタル情報をコンパクトディスク(C
D)に対して約7倍の記録密度で記録できることから、
大容量の光記録媒体として注目されている。
【0003】ここで、高密度のDVDを再生するために
光源の波長をCDより短くし(CDは780nmだがD
VDは650nm)、対物レンズの開口数(NA)をC
Dより大きく(CDは0.45だがDVDは0.6)し
ている。
【0004】しかし、上記したように波長を短く、レン
ズのNAを上げているため光ディスクの反り等による光
軸に対する垂直からのずれ(チルト)により波面収差、
特にコマ収差が発生し、チルトに対するマージンがCD
に比べて小さくなる。
【0005】この課題を解決するため、特開平9−12
8785号公報に液晶パネルを利用して波面収差を補正
する光ヘッドが提案されている。しかし、上記公報で述
べられている光ヘッドは1種類の収差、例えばラジアル
チルトにより生じるコマ収差のみを補正できるだけであ
る。
【0006】ここで、実際の光ディスクはその製造方法
によりラジアル方向及びタンジェンシャル方向の両方向
にそれぞれ反ることがあり、上記公報で述べられている
光ヘッドでは補正効果が不十分である。そこで、この課
題を解決するため、特開平10−247330号公報に
ラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトの両方を同
時に補正する光ヘッドが提案されている。
【0007】ここで図面を参照しながら、上述した従来
の光ヘッドの一例について説明する。図20は従来の光
ヘッド(光ピックアップともいう)の構成図である。本
図に示すように光ヘッドは、光源170、ハーフミラー
171、液晶パネル172、対物レンズ173、光ディ
スク174、集光レンズ175、光検出器176、第1
のチルトセンサー177、第2のチルトセンサー17
8、液晶パネル制御回路179を含んで構成される。
【0008】光源170は例えば半導体レーザー素子で
構成され、光ディスク174の記録層に対し、記録再生
用のコヒーレント光を出力する光源である。ハーフミラ
ー171は光を分離するための素子であり、液晶パネル
172は図21に示した構成で、図22に示したパター
ンを有しており、各電極部に所望の信号を与えて液晶の
屈折率を可変させることにより各電極部の位相を変えて
収差補正を行う素子であり(詳細は後述)、対物レンズ
173は光ディスク174の記録層に光を集光するレン
ズであり、集光レンズ175は光ディスクの記録層で反
射された光を光検出器176に集光するレンズであり、
光検出器176は光ディスクの記録層で反射された光を
受光して光を電気信号に変換するものであり、第1のチ
ルトセンサー177は光ディスク174のラジアルチル
ト角を検出しそのチルト角に応じた信号を生成するセン
サーであり、第2のチルトセンサー178は光ディスク
174のタンジェンシャルチルト角を検出しそのチルト
角に応じた信号を生成するセンサーであり、液晶パネル
制御回路179は第1のチルトセンサー177で生成さ
れた信号に応じて液晶パネルの各電極部を制御する信号
と第2のチルトセンサー178で生成された信号に応じ
て液晶パネルの各電極部を制御する信号の両方を生成す
る回路である。
【0009】このように構成された光ヘッドの動作につ
いて説明する。光源170から出射された直線偏光の光
はハーフミラー171で反射され光の進行方向を光ディ
スク174のある方向に変えられ液晶パネル172に入
射する。ここで光ディスク174が光軸に対して垂直か
らラジアル方向に傾いて回転しているとすると、その傾
き量(ラジアルチルト角)に応じた信号を第1のチルト
センサー177は出力し、その信号は液晶パネル駆動回
路179に入力される。これによって、光ディスク17
4がラジアル方向に傾いたときに生じる波面収差を補正
するような波面収差を生じるように、図21に示したラ
ジアルチルト補正電極の図22に示したパターンの各電
極部に、必要な信号を出力し、液晶パネル172に入力
される。
【0010】これと同時に光ディスク174が光軸に対
して垂直からタンジェンシャル方向に傾いているとその
傾き量(タンジェンシャルチルト角)に応じた信号を第
2のチルトセンサー178は出力し、その信号は液晶パ
ネル駆動回路179に入力され、光ディスク174がタ
ンジェンシャル方向に傾いたときに生じる波面収差を補
正するような波面収差を生じるように図21に示したタ
ンジェンシャルチルト補正電極の図22に示したパター
ンの各電極部に必要な信号を出力し液晶パネル172に
入力される。
【0011】そこで、液晶パネル172に入力された光
は液晶パネル172を透過した際に光ディスクがラジア
ル及びタンジェンシャル方向に傾いたときに生じる波面
収差を補正するような波面収差が与えられる。次に液晶
パネル172を透過した光は対物レンズ173により光
ディスク174上に集光される。
【0012】ここで、光ディスク174が傾いた時に生
じる波面収差を補正する波面収差を有する光が対物レン
ズで集光されるので光ディスク上では収差のない、すな
わち回折限界まで絞られた光スポットが形成される。次
に光ディスク174から反射された光は、光ディスク1
74の傾きに応じた波面収差を有する光になるが液晶パ
ネル172により波面収差が補正される。
【0013】液晶パネル172を透過した光はハーフミ
ラー171を透過して光源170には戻らずに集光レン
ズ175に入力され、集光レンズ175により光検出器
176に集光される。光検出器176は、光ディスク1
74上における光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号
を出力し、また光の照射位置を示すトラッキング誤差信
号を出力する。
【0014】これら一方の信号は図示しないフォーカス
制御手段に与えられ、フォーカス誤差信号に基づき、フ
ォーカス制御手段は常に光が合焦状態で光ディスク17
4上に集光されるように対物レンズ173の位置をその
光軸方向に制御する。
【0015】また図示していないトラッキング制御手段
は、トラッキング誤差信号に基づき、光を光ディスク1
74上の所望のトラックに集光されるように対物レンズ
173の位置を制御する。さらに光検出器176は光デ
ィスク174に記録された情報を再生する。
【0016】ここで、液晶パネル172及びチルト補正
の原理について詳しく述べる。まず、図23に光ディス
クのラジアルチルト角を1度とし、対物レンズのNAを
0.6、光ディスク174の基板厚さを0.6mmにし
た場合の最良像点における光ディスク174の記録面上
の波面収差分布を示す。
【0017】ここで、この分布を完全に補正するような
位相を光に与えれば光ディスクが傾いても光ディスク上
でのスポットは回折限界にまで絞られることになる。ま
た、タンジェンシャル方向に傾いたときの波面収差分布
はラジアルチルトが生じたときの波面収差分布を90度
回したものになる。そこで、この場合も同様にこの分布
を完全に補正するような位相を光に与えればよい。
【0018】次に図23の波面収差分布を補正する方法
について述べる。光ディスクが傾いた場合、図23に示
されているような位相分布を有するので光に図23に示
された位相分布をキャンセルするような位相分布を与え
ればよい。すなわち部分的に光路長を変えればよいこと
になる。
【0019】ここで液晶は外部から与えられた電圧に応
じてその屈折率を変える事ができるので外部電圧により
光路長を部分的に変えることが可能となる。すなわち、
図32に示すように液晶の配向方向とこれに垂直な方向
とで屈折率が異なる、いわゆる複屈折を有している。
【0020】従って、図22に示したようなパターンを
形成し各領域に必要な電圧を加えれば図23に示した位
相分布を完全に補正することができる。
【0021】上記した補正を可能とするために液晶パネ
ルは図21に示した構成になっている。図21において
180は第1のガラス、181はラジアル用透明電極、
182はラジアルチルト補正用液晶、183は共通透明
電極、184は第2のガラス、185はタンジェンシャ
ルチルト補正用液晶、186はタンジェンシャル用透明
電極、187は第3のガラスである。
【0022】次に図21に示した構成図を用いてチルト
補正方法について述べる。まず、ラジアルチルトを補正
するには一様に形成された共通透明電極183に一定の
電圧(ここで与える電圧は交流でありその実効値をVと
する)を与え、ラジアル用透明電極の各領域にそれぞれ
電圧を与え、共通透明電極183との間に各領域で異な
る電界を生じさせ、ラジアルチルト補正用液晶182の
屈折率を部分的に変化させることで位相を各部分でかえ
てラジアルチルトを補正する。
【0023】次に、タンジェンシャルチルトを補正する
には一様に形成された共通透明電極183に一定の電圧
(ここで与える電圧は交流でありその実効値をVとす
る)を与え、タンジェンシャル用透明電極186の各領
域にそれぞれ電圧を与え、共通電極との間に各領域で異
なる電界を生じさせ、タンジェンシャルチルト補正用液
晶185の屈折率を部分的に変化させることで位相を各
部分でかえてタンジェンシャルチルトを補正する。
【0024】また、ラジアル及びタンジェンシャルチル
トを同時に補正する場合は、一様に形成された共通透明
電極183に一定の電圧(ここで与える電圧は交流であ
りその実効値をVとする)を与え、ラジアル用透明電極
の各領域にそれぞれ電圧を与え、共通透明電極183と
の間に各領域で異なる電界を生じさせ、ラジアルチルト
補正用液晶182の屈折率を部分的に変化させることで
位相を各部分でかえてラジアルチルトを補正するととも
に、タンジェンシャル用透明電極186の各領域にそれ
ぞれ電圧を与え、共通電極との間に各領域で異なる電界
を生じさせ、タンジェンシャルチルト補正用液晶185
の屈折率を部分的に変化させることで位相を各部分でか
えてタンジェンシャルチルトを補正する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成の光ヘッドでは、チルト補正を行うための液晶
パネルはガラスが3枚必要で更にラジアルチルトとタン
ジェンシャルチルトを補正する液晶が異なるため2つ必
要であるため、液晶パネルが厚くなり光ヘッドの小型化
及び薄型化が困難でコストの高いものとなる。
【0026】また、ラジアル用透明電極とタンジェンシ
ャル用透明電極の中心を合わせる必要があるが、途中に
ガラスがあり合わせるパターン間の距離が長いためパタ
ーン合わせが困難でパターンずれを起こしやすく、その
ため、収差補正効果が落ちることになる。
【0027】他方、さらに、従来の光ヘッドは、次に述
べるような課題がある。
【0028】従来の技術で述べた光ヘッドは、無偏光光
学系の光ヘッドであり、光源から出射した直線偏光の光
は、光検出器に集光されるまで偏光方向は変化しない。
【0029】したがって、液晶パネルの液晶の配向方向
とその偏光方向を一致させておけば、光記録媒体の光軸
に対して垂直からラジアル方向に傾き、図17に示す最
良像面での位相分布が発生しても液晶パネルに入射した
光は外部からの信号により逆の位相分布が与えられるの
で、光記録媒体の記録面上に集光される光スポットおよ
び、光検出器上の光スポットは収差が少なく、安定した
サーボ信号および情報を得ることができる。
【0030】ここで、例えば光源の出力が小さい場合や
光記録媒体の反射率が低い場合、また、光学系の光の伝
達効率が低い場合、さらに情報の消去が可能な光記録媒
体から信号の読み出しを行うため、光記録媒体上の光出
力を低く抑えなければならない場合などに、光の利用効
率が低くなり、雑音と信号の比(S/N比)が低くなる。
そのため、近年、光ヘッドでは偏光光学系を採用し、光
の利用効率を高くしている。
【0031】しかしながら、前記したような構成の液晶
パネルを用いた偏光光学系の光ヘッドでは、光源から出
射される直線偏光の光の偏光方向と液晶の配向方向が一
致するように液晶パネルは配置されているので、往路
(光源から光記録媒体までの光路)で発生する収差は補
正できるが、復路(光記録媒体から光検出器までの光
路)の直線偏光の光は、その偏光方向が往路とは直交し
ている。
【0032】そのため、液晶パネルは、外部から信号が
印加されていても屈折率が変化せず、光の位相が変化し
ない。したがって、復路で発生する収差を補正できず、
サーボ信号にオフセットが生じることになる。
【0033】ここで、従来の光ヘッドでは、サーボ信号
の検出方式について述べられていないので、特開平8−
77578号公報に記載の偏光異方性ホログラムを用い
たフォーカス検出方式であるスポットサイズを検出する
公知のSSD法を検出方式として採用したと仮定して、
サーボ信号にオフセットが生じる理由について詳細に説
明する。図33(a)は、光記録媒体の記録面上におけ
る光スポットが合焦状態にある場合の光検出器上の光ス
ポット状態を示す。図33(a)に示す複数に分割され
た光検出器の各領域の符号でその出力値(フォーカス誤
差信号FE)を表記すると、次の(式1)の演算によっ
て得られる。 FE=(S1a−S1b−S1c)−(S1a'−S1b'−S1c') (式1) 図33(a)は理想状態での光検出器上の光スポットを
示しているが、例えば、調整/組立誤差、温度による波
長変動により図33(b)に示すようにラジアル方向に
光スポットはmだけ移動する。この場合、光検出器の各
領域での光量を比較すると、S1a=S1a'、S1b
=S1b'、S1c=S1c'となるので、フォーカス誤
差信号はゼロ(式1参照)になる。さらに、光記録媒体
のラジアルチルト角がある場合、前記したように復路で
は波面収差が補正されないので、光検出器上の光スポッ
トは図33(c)に示すような形状になる。
【0034】点線はコマ収差による光スポットのサイド
ローブを表す。このとき波面収差による光スポットのサ
イドローブは、光検出器から光スポットの一部が光検出
器の外にけられているので、光検出器の各領域の光量を
比較すると、S1a<S1a'、S1b<S1b'、S1
c<S1c'のようになるので、フォーカス誤差信号
は、オフセットが生じる。
【0035】第1に、本発明は、上述したようなラジア
ル及びタンジェンシャルのチルトの補正に関する従来の
問題点に鑑みてなされたものであって、液晶パネルのパ
ターンをガラスの同じ面に形成してガラスの枚数を減ら
し、液晶も1つにすることで厚みが薄く、低コストで、
複数の収差を同時に補正することができる光学素子を提
供することを目的とする。
【0036】第2に、本発明は、上述した偏光系の光学
系における従来の問題点を解決するために、復路での収
差補正を可能にする光学素子等を提供することを目的と
する。
【0037】第3に、本発明の光学素子を用いることに
よりチルトマージンが広い光ヘッドにおいて小型化及び
薄型化さらには低コスト化を実現する事を第2の目的と
するものである。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】 上記課題を解決するために、第1の本発
明は、偏光光学系の前記目的を達成するため、本発明の
光学素子は、複数の領域に分割された第1の収差補正電
極と、複数の領域に分割された第2の収差補正電極と、
前記第1の収差補正電極と実質上平行に配置された第1
の対向電極と前記第2の収差補正電極と実質上平行に配
置された第2の対向電極と前記第1の収差補正電極と前
記第1の対向電極間に配置された第1の位相変化層と、
前記第2の収差補正電極と前記第2の対向電極間に配置
され前記第2の位相変化層とを備え、前記第1の位相変
化層は、所定の方向の直線偏光の位相を変化させるもの
であり、前記第2の位相変化層は、前記所定の方向の直
線偏光と直交する方向の直線偏光の位相を変化させる光
学素子である。さらには、その位相変化層は液晶層であ
り、前記方向は配向膜の配向方向に対応する。
【0053】前記光学素子は、入射する光の位相を変化
させることができる。
【0054】また、前記収差補正電極が同一パターンの
領域で分割することにより、入射する光の偏光方向が異
なった場合でも、光記録媒体のチルト角に応じて生じる
波面収差を1つの光学素子で補正することができる。
【0055】前記光学素子では、前記収差補正電極と前
記対向電極が同一の導電性物質からなることが好まし
い。これにより、光学素子の製造が容易になる。
【0056】また、前記導電性物質がインジウム−錫−
酸化物合金(ITO、IndiumTin Oxide)
であることが好ましい。これにより、電極部分での光の
損失を少なくできる。
【0057】前記光学素子では、前記液晶が外部からの
制御電圧信号に応じて液晶屈折率が変化することが好ま
しい。これにより入射する光の位相を外部の制御電圧信
号で変化させることができ収差補正が可能となる。ま
た、液晶を用いているので外部から印加する電圧信号は
小さいもので良くなる。
【0058】前記光学素子では、入射した光の反射を防
止する反射防止膜を更に含むことが好ましい。これによ
り、反射による光の損失を防止できる。
【0059】本発明の光ヘッドは、上記本発明の光学素
子を利用した光ヘッドである。従って、光記録媒体のチ
ルト角による波面収差が発生した場合でも、光記録媒体
からの情報を光によって再生もしくは記録する際に、光
の収差を正確に補正できる。
【0060】前記光ヘッドは、前記光源からの出射光を
光記録媒体に集光すると共に、前記光記録媒体からの反
射光を集光する集光光学系と、前記光源からの出射光の
偏光状態を変換するK/4波長板(Kは奇数)と、特定の
方向の偏光を透過しこれと直交する方向の偏光を分離す
る分離手段と、前記分離手段で分離された前記光記録媒
体からの反射光を受光して前記光記録媒体のフォーカス
誤差信号および、トラッキング誤差信号および、情報信
号を出力する光検出器を有することを特徴とする。
【0061】前記収差補正電極が同一パターンの領域で
分割されることにより、入射する光の偏光方向が異なっ
た場合に、光記録媒体のチルト角による波面収差が生じ
ても、光記録媒体からの情報を光によって再生もしくは
記録する際に、光の収差を正確に補正できる。
【0062】本発明の光記録再生装置は、本発明の上述
した光ヘッドを利用し、光記録媒体からの情報を再生も
しくは記録する。これにより、不良である光記録媒体か
らの情報を確実に再生もしくは記録することができる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0064】(実施の形態1)まず、本発明の第1の実
施の形態を図面を参照して説明する。
【0065】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
る光ヘッドの構成図である。図1において、1は光源、
2は回折格子、3はコリメータレンズ、4は本発明の第
1の光学素子(詳細については後述)、5は対物レン
ズ、6は光記録媒体、7は第1のチルトセンサー、8は
第2のチルトセンサー、9は光学素子駆動回路、10は
第1の光検出器、11は第2の光検出器である。ここ
で、集光光学系は、コリメータレンズ3と対物レンズ5
より構成されており、分離手段は回折格子2で構成され
ている。
【0066】ここで、光源1は、例えば半導体レーザー
素子で構成され、光記録媒体6の記録層に対し、記録再
生用のコヒーレント光を出力する光源である。回折格子
2はガラス表面にフォトリソグラフィーを用いて所望の
パターンをパターニング後エッチングして形成されたグ
レーティングでありその特性は0次回折効率がほぼ50
%で±1次回折効率がほぼ50%である。
【0067】光学素子4は本発明の光学素子で光記録媒
体6がラジアル方向に傾いたときに発生するコマ収差と
タンジェンシャル方向に傾いたときに発生するコマ収差
を補正する素子で、詳細は後述する。
【0068】対物レンズ5は光記録媒体6の記録層に光
を集光するレンズである。第1の光検出器10は光記録
媒体6の記録層で反射された光のうち回折格子2で回折
された+1次光を受光して光を電気信号に変換するもの
であり、第2の光検出器11は光記録媒体6の記録層で
反射された光のうち回折格子2で回折された−1次光を
受光して光を電気信号に変換するものである。
【0069】第1のチルトセンサー7は光記録媒体6が
光軸に対して垂直からラジアル方向に傾いたときの傾き
量(ラジアルチルト角)を検出しそのチルト角に応じた
信号を生成するセンサーであり、第2のチルトセンサー
8は光記録媒体6が光軸に対して垂直からタンジェンシ
ャル方向に傾いたときの傾き量(タンジェンシャルチル
ト角)を検出しそのチルト角に応じた信号を生成するセ
ンサーであり、光学素子駆動回路9は第1のチルトセン
サー7で生成された信号に応じて光学素子4に信号を印
加し、更に第2のチルトセンサー8で生成された信号に
応じて光学素子4に信号を印加する回路である。
【0070】このように構成された光ヘッドの動作につ
いて、図1を用いて説明する。光源1から出射された直
線偏光の光のうちの一部は回折格子2を透過しコリメー
タレンズ3に入射し、コリメータレンズ3により平行光
にされ、光学素子4に入射する。ここで光記録媒体6が
光軸に対して垂直からラジアル方向に傾いているとラジ
アルチルト角に応じた信号を第1のチルトセンサー7は
出力し、更に光軸に対して垂直からタンジェンシャル方
向に傾いているとタンジェンシャルチルト角に応じた信
号を第2のチルトセンサー8は出力し、その信号は光学
素子駆動回路9に入力され、光記録媒体6が傾いたとき
に生じる波面収差を補正するような波面収差を生じるよ
うに必要な信号を出力し光学素子4に入力される。
【0071】そこで、光学素子4に入力された光は光学
素子4を透過した際に光記録媒体6が傾いたときに生じ
る波面収差を補正するような波面収差が与えられる。次
に光学素子4を透過した光は対物レンズ5により光記録
媒体6上に集光される。ここで、光記録媒体6が傾いた
時に生じる波面収差を補正する波面収差を有する光が対
物レンズ5で集光されるので光記録媒体6上では収差の
ない、すなわち回折限界まで絞られた光スポットが形成
される。
【0072】次に光記録媒体6から反射された光は、光
記録媒体6の傾きに応じた波面収差を有する光になるが
光学素子4により波面収差が補正される。光学素子4を
透過した光はコリメータレンズ3を透過し、回折格子2
により回折され、回折の+1次光は光検出器10に入射
され、回折の−1次光は光検出器11に入射される。
【0073】光検出器10は、光記録媒体6上における
光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号を出力し、また
光の照射位置を示すトラッキング誤差信号を出力する。
これら一方の信号は図示しないフォーカス制御手段に与
えられ、フォーカス誤差信号に基づき、フォーカス制御
手段は常に光が合焦状態で光記録媒体6上に集光される
ように対物レンズ5の位置をその光軸方向に制御する。
【0074】また図示していないトラッキング制御手段
は、トラッキング誤差信号に基づき、光を光記録媒体6
上の所望のトラックに集光されるように対物レンズ5の
位置を制御する。また、第2の光検出器11からは光記
録媒体6に記録された情報をも得ている。
【0075】次に、本発明の第1の光学素子4について
詳細に述べる。図2は本発明の第1の実施の形態におけ
る光学素子の断面図である。図2において、20は第1
のガラス、21は第1のITO膜(インジウム−錫−酸
化物合金)、22は第1のポリビニルアルコール膜、2
3はエポキシ樹脂層、24は第2のポリビニルアルコー
ル膜、25は第2のITO膜、26はタンタルオキサイ
ド膜、27は第3のITO膜、28は第2のガラス、2
9は液晶である。
【0076】ここで、第1及び第2及び第3のITO膜
21及び25及び27はガラス内面に蒸着されており、
外部からの信号を液晶29に印加するとともに光を透過
させる透明電極で、第1及び第2のポリビニルアルコー
ル膜22及び24は第1及び第2のITO膜21及び2
5上に蒸着され、ナイロン等の高分子布でこすられてお
り液晶29の配向を制御する配向膜であり、エポキシ樹
脂層23は液晶29が外に漏れないようにする封止層で
あり、タンタルオキサイド膜26は第2及び第3のIT
O膜25及び27を電気的に絶縁するための絶縁膜であ
る。
【0077】また、第1のITO膜21は第1のガラス
22上に一様に蒸着されており、第2のITO膜25は
図6に示されたパターンが形成されており、第3のIT
O膜27は図4に示されたパターンが形成されている
(これらのパターンについては後述する)。
【0078】なお、本実施の形態における光学素子は、
収差補正素子として機能するものであり、第1のITO
膜21が本発明の対向電極に、第2のITO膜25が本
発明の第1の収差補正用電極に、第3のITO膜27が
本発明の第2の収差補正用電極に、タンタルオキサイド
膜26が本発明の絶縁膜に、液晶29が本発明の位相変
化層に、それぞれ対応するものである。
【0079】次に、チルトにより発生するコマ収差補正
方法の原理について述べる。
【0080】ここで、チルトが1°あったときの最良像
面での位相パターンは図23に示したものとなるので、
チルトにより発生するコマ収差補正を行うためのパター
ンは、ラジアルチルトのみにより発生するコマ収差を補
正する場合は図3に示したパターンにし、タンジェンシ
ャルチルトのみにより発生するコマ収差を補正する場合
は図4に示したパターンにすれば良い。
【0081】たとえば、光記録媒体6がラジアル方向に
のみ傾いた場合を考える。この場合、第2のITO膜の
パターンを図3に示したものとし、外部から第1及び第
2のITO膜21及び25に電圧を与え、液晶の所望の
場所(図3のA、B、C領域)にそれぞれ異なる電界を
与え、所望の場所の位相を変えてラジアルチルトにより
発生するコマ収差を補正する。
【0082】ここで、電圧の与え方について述べる。通
常、液晶は交流駆動で与えられた交流の実効値と液晶の
屈折率との関係は図5に示したようにある電圧までは一
定でその電圧以上の電圧を印加すると直線的に減少し、
またある電圧以上はほとんど減少しなくなる。
【0083】図5より、例えば、第3のITO膜27は
グラウンドまたはフリーとし、第1のITO膜21をグ
ランドにして(0Vを与え)、第2のITO膜25のA
領域にV1−Vaを与え、B領域にV1を与え、C領域
にV1+Vaを与え、液晶の屈折率をそれぞれna、n
b、ncにして、A領域及びC領域がB領域からみて正
及び負の位相を与えるようにすれば、図23に示した位
相パターンを補正する位相分布を与えることができる。
【0084】次に、光記録媒体6がタンジェンシャル方
向にのみ傾いた場合を考える。この場合、第2のITO
膜25をフリーとし、第3のITO膜27のパターンを
図4に示したパターンにして、外部から第1のITO膜
に0Vを、第3のITO膜27のD領域にV2−Vb、
E領域にV2、F領域にV2+Vbを与え、液晶の屈折
率をそれぞれnd、ne、nfにして、D領域及びF領
域がE領域からみて正及び負の位相を与えるようにすれ
ば、タンジェンシャルチルトにより発生するコマ収差を
補正することができる。
【0085】ところで、光記録媒体6がラジアル及びタ
ンジェンシャルの両方向に傾き、ラジアルチルト及びタ
ンジェンシャルチルトにより発生するそれぞれのコマ収
差を同時に補正する場合は状況が変わってくる。
【0086】この場合、第1及び第2及び第3のITO
膜21及び25及び27すべてに外部から電圧を印加す
ることになる(ここで第1のITO膜21には0Vを与
える)がこれにより第3のITO膜27と第1のITO
膜21で生じるはずの電界が第2のITO膜25に電圧
が印加されているため妨害され生じなくなり、第2と第
3のITO膜25及び27間に電界が生じることにな
る。
【0087】そこで、第2のITO膜25のパターンを
図3を基にして図6のようにする。ここで、Sは孔を示
す。
【0088】このようにすれば、第2のITO膜25は
多数の孔Sを有しており、(図3のパターンが虫食い状
態になっている。つまり、孔Sが複数個空いてい
る。)、電気的にオープンな場所が存在するので、第3
のITO膜27と第1のITO膜21の間で電界が生じ
る部分があり、液晶29に必要な電界を印加することが
可能となる。
【0089】従ってこのパターンであれば第2のITO
膜25でラジアルチルトを補正でき更に同時に第3のI
TO膜27を用いてタンジェンシャルチルトを補正する
ことができる。また、図6において位相を変える領域は
A'、B'、C'の3領域でそれぞれ図3のA、B、C領
域に対応しており印加する外部信号の数は図3のパター
ンでの補正と同じ信号数になる。
【0090】ここで、特開平9−128785号公報で
はパターンを格子状態に多数分割して収差を補正するパ
ターンが述べられている。このようにすると他種類の収
差が複合していても格子のそれぞれに最適な電圧を印加
すれば完全に収差を補正することができるが、外部から
の信号数が非常に多くなり、フレキが大きくなって光学
素子そのものの大きさが大きくなり、この光学素子を光
ヘッドに用いると光ヘッドの小型化が困難になる。
【0091】これに比べ、本願発明の光学素子ではパタ
ーンが虫食い状態になっているため補正効果が若干悪く
なるが、外部から印加する電圧が非常に少なくできるの
で光学素子の小型化、更にこれを用いた光ヘッドの小型
化が容易になる。
【0092】また、ラジアルチルトにより発生するコマ
収差を補正するパターンが図6に示したパターンを用い
るのでラジアルチルトのみがあった場合のコマ収差補正
の様子が変わってくる。このことについて述べる。
【0093】図6に示したパターンは電圧が印加されな
い部分が生じるため、A'領域にVa、B'領域にVb、
C'領域にVcを印加してそれぞれ液晶の屈折率をn
a、nb、ncにしても虫食い状態の場所の液晶の屈折
率はn0になっている。このような状態になると、上記
したようにA'領域及びC'領域はB'領域からみて正及
び負の位相状態になるが虫食い部分の領域は大きな正の
位相が与えられることになる。
【0094】このようになると大きな高次収差を与える
ことになるので補正効果が落ちることになる。そこで、
第3のITO膜27に均一にVbの電圧を与え、虫食い
状態の液晶の屈折率をnbにして高次収差を低減するこ
とにして補正効果を上げる。
【0095】次に、タンタルオキサイド膜26について
述べる。このタンタルオキサイド膜26は第2のITO
膜25と第3のITO膜27を電気的に絶縁するための
ものである。
【0096】ここで、特に絶縁膜材料としてタンタルオ
キサイドを用いていることについて述べる。絶縁膜は第
2及び第3のITO膜25及び27の間に位置している
ため絶縁膜とITO膜の界面の間で反射が起こり透過光
量にロスが生じる。そこで、ITO膜の屈折率と同じ屈
折率をもつ材料で絶縁膜を形成すればITO膜と絶縁膜
との界面で生じる反射を小さくすることができる。IT
O膜の屈折率は2程度であるので絶縁膜の材料として屈
折率が2であるタンタルオキサイドを用いれば反射を減
らし光量ロスを小さくすることができる。
【0097】次に、第2のITO膜25のパターンにつ
いてさらに詳細に述べる。収差補正を行うために必要な
電極のパターンが虫食い状態になっているため、収差補
正効果が落ちてしまう。これを補うため電極のあるとこ
ろに完全なパターンの時よりも大きな電圧を与えれば光
記録媒体がチルトしたときに生じる3次のコマ収差は完
全に補正することが可能となる。
【0098】しかしながら、パターンが虫食いになって
いるため3次のコマ収差以外の別の収差を生むことにな
る。ここで、第2のITO膜のパターンを図7に示した
ようにラジアル方向のチルトを補正するパターンでラジ
アル方向に等間隔に虫食い状態にしたものとすると虫食
い状態が等間隔であるため収差の補正後の虫食いによる
収差増加分はほとんど高次収差となるので、光記録媒体
がチルトしたときの補正後の再生ジッタが完全補正時の
ジッタと比較して劣化量が小さくなる。
【0099】また、同じ電圧を与える領域はつないでお
くことが望ましい。このようにすれば外部から電圧を印
加するために必要な線数が少なくできる。また、虫食い
にするピッチ間隔を小さくしていけばほとんど均一化さ
れてしまうので収差補正後のジッタ劣化がさらに改善さ
れる。特に、ピッチの間隔が有効径の1/10以下にな
ればジッタ劣化量が許容可能な補正効果が得られる。
【0100】なお、図4のように第3のITO膜27の
形状は、全て必要なわけではなく、第2のITO膜25
が存在する部分に対向する部分は、液晶層と対面出来な
い部分であるから、電極は不必要であるが、必要な部分
のみとすると、電極が細かく分かれてしまい、上述した
ように、同じ電圧を与える領域はつないでおくことが望
ましいから、結局電極を図4のように不必要な部分にも
配置することが望ましい。
【0101】また、図7に示した電極パターンの虫食い
状態をラジアル方向に平行な状態にしたがどの方向にし
ても何ら問題はない(図8に虫食い状態がタンジェンシ
ャル方向に平行な場合を示す)。
【0102】また、網目状に虫食い状態(図9)にすれ
ばさらに補正しない部分が均一化されるのでさらに収差
補正の劣化量が小さくなる。
【0103】次に、図2を参照して、光学素子4の製造
方法の一例について説明する。光学素子4を製造する場
合、まず、第2のガラス28上に第3のITO膜27を
形成する。第3のITO膜27は例えばスパッタリング
法によってITO膜を一様に形成した後、フォトリソ工
程及びエッチング工程によってITO膜をパターニング
して形成することができる。
【0104】その後第3のITO膜27を覆うようにタ
ンタルオキサイド膜を形成する。タンタルオキサイド膜
は蒸着で形成された後、研磨によって平坦化される。
【0105】その後、平坦化されたタンタルオキサイド
膜26上に例えばスパッタリング法によってITO膜を
一様に形成した後、フォトリソ工程及びエッチング工程
によってITO膜をパターニングして第2のITO膜2
5を形成する。このとき、第3のITO膜27と今回形
成する第2のITO膜25のパターンは中心をあわせる
必要があるのでフォトリソ工程でパターンあわせが必要
である。
【0106】その後、第2のポリビニルアルコール膜2
4を、たとえばスピンコート法で形成する。一方、上記
工程と並行して、対向する第1のガラス20上に第1の
ITO膜21及び第1のポリビニルアルコール膜22を
形成する。ここで、第1のITO膜21及び第1のポリ
ビニルアルコール膜22は上記したのと同様の方法で形
成できる。
【0107】その後、上記工程を経た第1及び第2のガ
ラス20及び28を、エポキシ樹脂層23を挟んで対向
させ、第1及び第2のポリビニルアルコール膜22及び
24の間に液晶29を封入する。このようにして光学素
子4を形成できる。
【0108】上記した工程は大きなガラス基板を用いる
ことができるので大量生産に向いた製造方法である。こ
こで、(発明が解決しようとする課題)のところでも述
べたように第2のITO膜25と第3のITO膜27の
パターンあわせについて述べる。
【0109】第2のITO膜25のパターン中心と第3
のITO膜27のパターン中心がずれていると光記録媒
体26が傾いたときに生じる位相分布とそれを補正する
パターンがずれるため補正効果が落ちることになる。そ
こで、第2及び第3のITO膜25及び27のパターン
中心を精度良くあわせる必要がある。
【0110】従来例で述べた光学素子(図13)では2
種類のパターン間の距離がガラス1枚分(500μm程
度)だけ離れている。従って、パターンを精度良くあわ
せるのが困難である。これに対し本実施例の光学素子4
はパターン間の距離がタンタルオキサイド膜26の厚み
分(数μm)しか離れていないのでパターンを精度良く
あわせるのが容易である。従って、本実施例の光学素子
は製造しやすく、それに伴いコストの安いものとなる。
【0111】次に、ゾルゲル法でタンタルオキサイド膜
を形成することを考える。ゾルゲル法は液体の有機金属
物質をスピンコートで基板全面に塗り加熱して有機物を
蒸発させて金属酸化物を作る方法であるので、段差があ
る面をカバーして平坦化するのに有益であり、この方法
を用いれば研磨工程が不必要になるので更なる低コスト
化が可能となる。
【0112】以上のように基板の同一面側に収差補正電
極を複数設けることにより、薄くてコストの安い複数の
収差を同時に補正できる光学素子を実現することができ
る。また、絶縁膜にITO膜と同じ屈折率の材料を用い
れば光量ロスが少なくなり光の利用効率が上がる。
【0113】更に絶縁膜をゾルゲル法で形成すれば大量
生産に向き、低コストな製造方法となる。更に、この光
学素子を光ヘッドに用いることによりチルトマージンが
広がるため、光ヘッドを構成する部品の調整が楽になり
光ヘッドの組立がたやすくなる。
【0114】従ってチルトマージンが広い低コストな光
ヘッドが実現できる。また、複数の収差を補正できる光
ヘッドで薄型化及び小型化が可能となる。また、上記し
た光ヘッドから出力される制御信号に基づき光ヘッドを
制御して光記録媒体から情報を再生もしくは記録する光
記録再生装置では、不良である光記録媒体(ラジアル及
びタンジェンシャル方向に反っている光記録媒体)から
情報を確実に再生もしくは記録することができる。さら
に、光ヘッドそのもののコストが安く薄型化に適してい
るので低コストで薄い光記録再生装置を実現できる。
【0115】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態が上
記した第1の実施の形態と異なるのは、光学素子4の収
差補正を行うパターンが異なっていることに関する点の
みであり、それ以外は、第1の実施の形態と同様であ
る。従って、本実施の形態において、特に説明のないも
のについては第1の実施の形態と同じとし、第1の実施
の形態と同一符号を付与している構成部材については、
特に説明のない限り、第1の実施の形態と同様の機能を
持つものとする。
【0116】図10は、本発明の第2の実施の形態にお
ける光ヘッドの構成図である。71は本発明の第2の光
学素子である。
【0117】ここで、光学素子71は本発明の第2の光
学素子で光記録媒体6がラジアル方向に傾いたときに発
生するコマ収差と光記録媒体6の厚みが変化したときに
発生する球面収差を補正する素子で、詳細は後述する。
【0118】このように構成された光ヘッドの動作につ
いて、図10を用いて説明する。光源1から出射された
直線偏光の光のうちの一部は回折格子2を透過しコリメ
ータレンズ3に入射し、コリメータレンズ3により平行
光にされ、光学素子71に入射する。
【0119】ここで光記録媒体6が光軸に対して垂直か
らラジアル方向に傾いているとラジアルチルト角に応じ
た信号をチルトセンサー7は出力し、その信号は光学素
子駆動回路9に入力され、光記録媒体6が傾いたときに
生じる波面収差を補正するような波面収差を生じるよう
に必要な信号を出力し光学素子71に入力される。
【0120】また、光学素子駆動回路9は光記録媒体6
の基材厚さに起因する球面収差を補正するような波面収
差を生じるように必要な信号を出力し光学素子71に入
力される。ここで、光記録媒体6の基材厚はあらかじめ
学習しておく。つまり、光記録媒体6を記録再生装置に
搭載する毎に、その基材の厚さを検出する。あるいは、
光記録媒体6が回転中に、その基材の厚さをセンサで検
出してもよい。
【0121】そこで、光学素子71に入力された光は光
学素子71を透過した際に光記録媒体6が傾いたときに
生じるコマ収差や基材厚が変化したときに生じる球面収
差を補正するような波面収差が与えられる。次に光学素
子71を透過した光は対物レンズ5により光記録媒体6
上に集光される。
【0122】ここで、光記録媒体6が傾いた時に生じる
波面収差を補正する波面収差と光記録媒体6の基材厚が
変化したときに生じる波面収差を補正する波面収差を有
する光が対物レンズ5で集光されるので光記録媒体6上
では収差のない、すなわち回折限界まで絞られた光スポ
ットが形成される。
【0123】次に光記録媒体6から反射された光は、光
記録媒体6の傾きと基材厚に応じた波面収差を有する光
になるが光学素子71により波面収差が補正される。光
学素子71を透過した光はコリメータレンズ3を透過
し、回折格子2により回折され、回折の+1次光は光検
出器10に入射され、回折の−1次光は光検出器11に
入射される。
【0124】光検出器10は、光記録媒体6上における
光の合焦状を示すフォーカス誤差信号を出力し、また光
の照射位置を示すトラッキング誤差信号を出力する。こ
れら一方の信号は図示しないフォーカス制御手段に与え
られ、フォーカス誤差信号に基づき、フォーカス制御手
段は常に光が合焦状態で光記録媒体6上に集光されるよ
うに対物レンズ5の位置をその光軸方向に制御する。
【0125】また図示していないトラッキング制御手段
は、トラッキング誤差信号に基づき、光を光記録媒体6
上の所望のトラックに集光されるように対物レンズ5の
位置を制御する。また、第2の光検出器11からは光記
録媒体6に記録された情報をも得ている。
【0126】次に、本発明の第2の光学素子71につい
て詳細に述べる。本実施の形態が上記した第1の実施の
形態で説明した第1の光学素子と異なるのは、第3の収
差補正電極が球面収差を補正するためのものであること
に関する点のみであり、それ以外は、第1の実施の形態
と同様である。従って、本実施の形態において、特に説
明のないものについては第1の実施の形態と同じとし、
第1の実施の形態と同一符号を付与している構成部材に
ついては、特に説明のない限り、第1の実施の形態と同
様の機能を持つものとする。
【0127】まず、球面収差補正について述べる。基材
厚が0.6mmで球面収差が0になるように対物レンズ
が設計されている場合光記録媒体6の基材厚が0.6m
mから変化すると球面収差が生じるようになる。ここで
基材厚が0.64mmになったときの最良像面での位相
パターンを図11に示す。この図より第2の収差補正電
極部のパターンを図12に示したものにすれば良いこと
は容易に理解できる。また、第1の実施の形態で述べた
のと同様に、ラジアルチルトのみを補正する時は第1の
ITO膜21と第2のITO膜25にのみ電圧を印加す
れば良く、基材厚変化による球面収差のみを補正すると
きは第1のITO膜21と第3のITO膜27のみに電
圧を印加すればよい。また、2つの収差を同時に補正す
る場合も同様に第2のITO膜25が図5に示されてい
るようにITO膜が部分的にないようなパターンになっ
ているので、第1、第2、第3のITO膜21、25、
27にそれぞれ外部から電圧を印加すれば2つの収差を
同時に補正できる。
【0128】次に、球面収差の量をあらかじめ学習する
ことについて述べる。まず、光記録媒体6のある半径
(たとえば内周部)で球面収差補正のみをせずに再生
し、再生信号のジッタを検出し、その値をメモリ等の記
憶手段に記憶する。次に基材厚が0.6mmよりも薄い
ときに生じる球面収差を補正するための電圧を光学素子
に印加して再生信号のジッタを検出し先ほど記憶したジ
ッタと比較する。このとき電圧を印加したときのジッタ
が小さければ基材厚が0.6mmよりも薄いことにな
る。
【0129】また電圧を印加したときのジッタが大きけ
れば、次に基材厚が0.6mmよりも厚いときに生じる
球面収差を補正するための電圧を光学素子に印加して再
生信号のジッタを検出する。このジッタが電圧を印加し
ていないときのジッタよりも大きければ基材厚は0.6
mmであり球面収差を補正する必要がなく、ジッタが小
さければ基材厚が0.6mmよりも厚いことになる。
【0130】このようにして電圧を印加してはジッタを
比較していき印加する電圧の最適値を求めることがで
き、内周から外周に向けてそれぞれの半径でこの作業を
あらかじめ行い、メモリ等の記憶手段に半径に対する球
面収差補正用印加電圧の最適値を記憶しておき、実際の
再生時にはその半径に応じて印加電圧をメモリ等の記憶
手段から呼び出し光学素子駆動回路9より光学素子71
に印加する。
【0131】以上のように基板の同一面側に収差補正電
極を複数設けることにより、薄くてコストの安い複数の
収差を同時に補正できる光学素子を実現することができ
る。また、絶縁膜にITO膜と同じ屈折率の材料を用い
れば光量ロスが少なくなり光の利用効率が上がる。
【0132】更に絶縁膜をゾルゲル法で形成すれば大量
生産に向き。低コストな製造方法となる。更に、この光
学素子を光ヘッドに用いることによりチルトマージンが
広がるため、光ヘッドを構成する部品の調整が楽になり
光ヘッドの組立がたやすくなる。
【0133】従ってチルトマージンが広い低コストな光
ヘッドが実現できる。また、複数の収差を補正できる光
ヘッドで薄型化及び小型化が可能となる。また、上記し
た光ヘッドから出力される制御信号に基づき光ヘッドを
制御して光記録媒体から情報を再生もしくは記録する光
記録再生装置では、不良である光記録媒体(ラジアル方
向に反っており、更に基材厚が変化している光記録媒
体)から情報を確実に再生もしくは記録することができ
る。さらに、光ヘッドそのもののコストが安く薄型化に
適しているので低コストで薄い光記録再生装置を実現で
きる。
【0134】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態が上
記した第1の実施の形態と異なるのは、光学素子4が反
射防止膜を備えることに関する点のみであり、それ以外
は、第1の実施の形態と同様である。従って、本実施の
形態において、特に説明のないものについては第1の実
施の形態と同じとし、第1の実施の形態と同一符号を付
与している構成部材については、特に説明のない限り、
第1の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0135】図13は、本発明の第3の実施の形態にお
ける光ヘッドの構成図である。101は本発明の第3の
光学素子である。ここで、光学素子101は本発明の第
1の光学素子4が反射防止膜を備えたものである。
【0136】このように構成された光ヘッドの動作につ
いては、第1の実施形態で述べてのと全く同じであるの
でここでは省実質上する。
【0137】次に、本発明の第3の光学素子101につ
いて述べる。図14は、本発明の第3の実施の形態にお
ける光学素子101の断面図である。本実施の形態にお
ける光学素子は、収差補正素子として機能するものであ
り、図14に示すように、第1の実施の形態における光
学素子の第1及び第2のガラス20及び28上に第1及
び第2のフッ化マグネシウム膜110及び111(本発
明の反射防止膜に対応)が、第1のガラス20と第1の
ITO膜21の間及び第2のガラス28と第3のITO
膜27の間及び第1のITO膜21と第1のポリビニル
アルコール膜22の間及び第2のITO膜25と第2の
ポリビニルアルコール膜24の間に第1及び第2及び第
3及び第4のアルミナ膜112及び113及び114及
び115(本発明の反射防止膜に対応)がそれぞれ形成
されたものである。
【0138】まず、第1及び第2のフッ化マグネシウム
膜111及び112について述べる。この第1及び第2
のフッ化マグネシウム膜111及び112は第1及び第
2のガラス20及び28の表面での入射ビームの反射を
防止するためのものである。今、ガラスの屈折率をn
(ガラス)、空気の屈折率をn(空気)とすると、反射
防止膜の屈折率n1は数1のようになる。
【0139】
【数1】 n1=(n(ガラス)×n(空気))1/2 (数1) この(数1)に、n(ガラス)=1.5、n(空気)=
1を代入すると、反射防止膜の屈折率n1は1.22と
なる。このように低屈折率で丈夫な薄膜層を蒸着できる
理想的な物質はほとんど存在しない。しかし、フッ化マ
グネシウムは屈折率が1.38であり、この屈折率は十
分に妥協できる数値である。
【0140】よって、第1及び第2のフッ化マグネシウ
ム膜111及び112は、ガラスの表面での反射を防止
する条件を満足し、この第1及び第2のフッ化マグネシ
ウム膜111及び112の厚さを(2N+1)λ/(4
n(フッ化マグネシウム))(λは入射する光ビームの
波長、Nは0以上の整数、n(フッ化マグネシウム)は
フッ化マグネシウムの屈折率)とすると第1及び第2の
フッ化マグネシウム膜111及び112は反射防止膜と
なる。
【0141】次に、第1及び第2のアルミナ膜112及
び113について述べる。この第1及び第2のアルミナ
膜113及び114は第1のガラス20と第1のITO
膜21の間及び第2のガラス28と第3のITO膜27
の間での入射ビームの反射を防止するためのものであ
る。今、ITO膜の屈折率をn(ITO)とすると、反
射防止膜の屈折率n2は数2のようになる。
【0142】
【数2】 n2=(n(ガラス)×n(ITO))1/2 (数2) この(数2)に、n(ガラス)=1.5、n(ITO)
=2を代入すると、反射防止膜の屈折率n2は1.73
となる。ここで、アルミナ膜の屈折率は1.68である
のでITO膜とガラスの間での反射を防止する条件を満
足し、このアルミナ膜の厚さを(2N+1)λ/(4n
(アルミナ))(λは入射する光ビームの波長、Nは0
以上の整数、n(アルミナ)はアルミナの屈折率)とす
ると第1及び第2のアルミナ膜112及び113は反射
防止膜となる。
【0143】次に、第3及び第4のアルミナ膜114及
び115について述べる。この第3及び第4のアルミナ
膜114及び115は第1のITO膜21と第1のポリ
ビニルアルコール膜22の間及び第2のITO膜25と
第2のポリビニルアルコール膜24の間での入射ビーム
の反射を防止するためのものである。
【0144】ここで、ポリビニルアルコール膜は液晶と
ほぼ同じ屈折率を有するためポリビニルアルコール膜と
液晶29は屈折率の点からは同一物質のように見ること
ができる。そこで、ITO膜とポリビニルアルコール膜
の間での反射のみを考えることになる。今、ポリビニル
アルコール膜の屈折率をn(ポリビニルアルコール)と
すると、反射防止膜の屈折率n3は数3のようになる。
【0145】
【数3】 n3=(n(ITO)×n(ポリビニルアルコール))1/2 (数3) この(数3)に、n(ITO)=2、n(ポリビニルア
ルコール)=1.5を代入すると、反射防止膜の屈折率
n3は1.73となる。ここで、アルミナ膜の屈折率は
1.68であるのでITO膜と配向膜の間での反射を防
止する条件を満足し、このアルミナ膜の厚さを(2N+
1)λ/(4n(アルミナ))(λは入射する光ビーム
の波長、Nは0以上の整数、n(アルミナ)はアルミナ
の屈折率)とすると第3及び第4のアルミナ膜114及
び115は反射防止膜となる。
【0146】タンタルオキサイド膜とITO膜との間の
界面での反射は第1の実施形態で述べたように屈折率が
ほぼ同じであるので界面での反射は存在しない。
【0147】以上のようにフッ化マグネシウム膜をガラ
ス上に、アルミナ膜をガラスとITO膜の間及びITO
膜とポリビニルアルコール膜の間に設けることにより素
子での反射を実質的に完全に防止することができる。ま
た、基板の同一面側に収差補正電極を複数設けることに
より、薄くてコストの安い複数の収差を同時に補正でき
る光学素子を実現することができる。
【0148】また、絶縁膜にITO膜と同じ屈折率の材
料を用いれば光量ロスが少なくなり光の利用効率が上が
る。更に絶縁膜をゾルゲル法で形成すれば大量生産に向
き。低コストな製造方法となる。
【0149】更に、この光学素子を光ヘッドに用いるこ
とによりチルトマージンが広がるため、光ヘッドを構成
する部品の調整が楽になり光ヘッドの組立がたやすくな
る。従ってチルトマージンが広い低コストな光ヘッドが
実現できる。
【0150】また、複数の収差を補正できる光ヘッドで
薄型化及び小型化が可能となる。また、上記した光ヘッ
ドから出力される制御信号に基づき光ヘッドを制御して
光記録媒体から情報を再生もしくは記録する光記録再生
装置では、不良である光記録媒体(ラジアル及びタンジ
ェンシャル方向に反っている光記録媒体)から情報を確
実に再生もしくは記録することができる。さらに、光ヘ
ッドそのもののコストが安く薄型化に適しているので低
コストで薄い光記録再生装置を実現できる。
【0151】なお、本発明の反射防止膜の材料として、
本実施の形態においては、フッ化マグネシウムとアルミ
ナを用いて説明したが、所望の屈折率を有する材料であ
れば、これに限るものではない。
【0152】また、本実施例では液晶の配向制御をラビ
ングされたポリビニルアルコール膜で行っているため隣
接間反射防止膜は4つ必要であるが、液晶の配向制御を
ガラス基板に溝を形成して行う場合は配向のために必要
な膜が存在しないため隣接間の反射防止膜はガラスと収
差補正用電極の間及びガラスと対向電極の間の2つだけ
でよくなる。
【0153】さらに、本発明の反射防止膜は、本実施の
形態においては、単層の反射防止膜であるとして説明し
たが、これに限るものではなく、多層の反射防止膜であ
ってもよい。
【0154】なお、以上の実施の形態では、収差を補正
するための電極が図2に示すように、液晶層の下側に一
枚と、上側に2枚存在するものであったが、本発明はこ
れに限らず、上側に3枚以上存在してもかまわない。要
するに、いずれの電極でも、他の電極に設けられた孔の
存在によって、液晶層と対面する部分を有するものであ
れば、所定の電圧を液晶に加える事が出来、収差の補正
を可能と出来る。
【0155】なお、最も外側の電極は孔は必ずしも必要
ない。
【0156】つまり、上記実施の形態では2種類の収差
を補正することについて述べたが収差補正電極と絶縁膜
を増やしていけば複数の収差(例えば、ラジアルチルト
により発生するコマ収差及びタンジェンシャルチルトに
より発生するコマ収差及び光記録媒体の基材厚変化によ
る球面収差の3収差)を同時に補正することができる。
【0157】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態が上
記した第1の実施の形態と異なるのは、光学素子の構成
が異なっていることに関する点のみであり、それ以外
は、第1の実施の形態と同様である。従って、本実施の
形態において、特に説明のないものについては第1の実
施の形態と同じとし、第1の実施の形態と同一符号を付
与している構成部材については、特に説明のない限り、
第1の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0158】図15は、本発明の第4の実施の形態にお
ける光ヘッドの構成図である。121は本発明の第2の
光学素子である。
【0159】ここで、光学素子121は本発明の第4の
光学素子で光記録媒体6がラジアル方向に傾いたときに
発生するコマ収差とタンジェンシャル方向に傾いたとき
に生じるコマ収差を補正する素子で、詳細は後述する。
【0160】このように構成された光ヘッドの動作につ
いて、図15を用いて説明する。光源1から出射された
直線偏光の光のうちの一部は回折格子2を透過しコリメ
ータレンズ3に入射し、コリメータレンズ3により平行
光にされ、光学素子121に入射する。
【0161】ここで光記録媒体6が光軸に対して垂直か
らラジアル方向に傾いているとラジアルチルト角に応じ
た信号を第1のチルトセンサー7は出力し、更に光軸に
対して垂直からタンジェンシャル方向に傾いているとタ
ンジェンシャルチルト角に応じた信号を第2のチルトセ
ンサー8は出力し、その信号は光学素子駆動回路9に入
力され、光記録媒体6が傾いたときに生じる波面収差を
補正するような波面収差を生じるように必要な信号を出
力し光学素子121に入力される。
【0162】そこで、光学素子121に入力された光は
光学素子121を透過した際に光記録媒体6が傾いたと
きに生じる波面収差を補正するような波面収差が与えら
れる。次に光学素子121を透過した光は対物レンズ5
により光記録媒体6上に集光される。
【0163】ここで、光記録媒体6が傾いた時に生じる
波面収差を補正する波面収差を有する光が対物レンズ5
で集光されるので光記録媒体6上では収差のない、すな
わち回折限界まで絞られた光スポットが形成される。次
に光記録媒体6から反射された光は、光記録媒体6の傾
きに応じた波面収差を有する光になるが光学素子121
により波面収差が補正される。光学素子121を透過し
た光はコリメータレンズ3を透過し、回折格子2により
回折され、回折の+1次光は光検出器10に入射され、
回折の−1次光は光検出器11に入射される。光検出器
10は、光記録媒体6上における光の合焦状態を示すフ
ォーカス誤差信号を出力し、また光の照射位置を示すト
ラッキング誤差信号を出力する。
【0164】これら一方の信号は図示しないフォーカス
制御手段に与えられ、フォーカス誤差信号に基づき、フ
ォーカス制御手段は常に光が合焦状態で光記録媒体6上
に集光されるように対物レンズ5の位置をその光軸方向
に制御する。また図示していないトラッキング制御手段
は、トラッキング誤差信号に基づき、光を光記録媒体6
上の所望のトラックに集光されるように対物レンズ5の
位置を制御する。また、第2の光検出器11からは光記
録媒体6に記録された情報をも得ている。
【0165】次に、本発明の第4の光学素子121につ
いて詳細に述べる。図16は本発明の第1の実施の形態
における光学素子の断面図である。
【0166】ここで図16において、131は第1のI
TO膜(インジウム−錫−酸化物合金)、135は第2
のITO膜、137はPLZT(酸化鉛、ランタン、酸
化ジルコニウム、酸化チタンのペロブスカイト構造の透
明結晶体)である。
【0167】ここで、第1のITO膜131及び135
は、外部からの信号をPLZT137に印加するととも
に光を透過させる透明電極である。第1のITO膜13
1は図3に示されたパターンが形成されており、第2の
ITO膜135は図4に示されたパターンが形成されて
いる(これらのパターンについては後述する)。
【0168】なお、本実施の形態における光学素子は、
収差補正素子として機能するものであり、第1のITO
膜131が本発明の第1の収差補正電極に、第2のIT
O膜135が本発明の第2の収差補正用電極に、液晶1
37が本発明の位相変化層に、それぞれ対応するもので
ある。
【0169】次に、チルトにより発生するコマ収差補正
方法について述べる。ここで、チルトにより発生するコ
マ収差を補正するパターンは第1の実施形態で述べたよ
うにラジアルチルトにより発生するコマ収差を補正する
場合は図3に示したパターンにし、タンジェンシャルチ
ルトにより発生するコマ収差を補正する場合は図4に示
したパターンにすれば良く、第1のITO膜131のパ
ターンを図3に示したものにし、第2のITO膜135
のパターンを図4に示したものとする。
【0170】ここで、たとえば光記録媒体6がラジアル
方向にのみ傾いた場合を考える。この場合、外部から第
1及び第2のITO膜131及び135に電圧を与え、
液晶の所望の場所(図3のA、B、C領域)にそれぞれ
異なる電界を与え、所望の場所の位相を変えてラジアル
チルトにより発生するコマ収差を補正する。
【0171】ここで、電圧の与え方について述べる。図
5より、例えば、第2のITO膜135のD、E、F領
域すべてをグランドにして(0Vを与え)、第1のIT
O膜131のA領域にV1−Vaを与え、B領域にV1
を与え、C領域にV1+Vaを与え、液晶137の屈折
率をそれぞれna、nb、ncにして、A領域及びC領
域がB領域からみて正及び負の位相を与えるようにすれ
ば、図23に示した位相パターンを補正する位相分布を
与えることができる。
【0172】次に、光記録媒体6がタンジェンシャル方
向にのみ傾いた場合を考える。この場合、外部から第1
のITO膜131のA、B、C領域すべてに0Vを、第
2のITO膜135のD領域にV2−Vb、E領域にV
2、F領域にV2+Vbを与え、液晶137の屈折率を
それぞれnd、ne、nfにして、D領域及びF領域が
E領域からみて正及び負の位相を与えるようにすれば、
タンジェンシャルチルトにより発生するコマ収差を補正
することができる。
【0173】しかし、光記録媒体6がラジアル及びタン
ジェンシャルの両方向に傾き、ラジアルチルト及びタン
ジェンシャルチルトにより発生するそれぞれのコマ収差
を同時に補正する場合は状況が変わってくる。
【0174】この場合、第1のITO膜131のA領域
にV1−Vaを与え、B領域にV1を与え、C領域にV
1+Vaを与え、第2のITO膜135のD領域にV2
−Vb、E領域にV2、F領域にV2+Vbを与える。
このようにすると、液晶137に印加される電圧は図1
7に示したものとなる。この図よりラジアルチルトによ
り発生するコマ収差をV2−V1を与えられる領域(基
準の領域)と(V2−V1)−Vaを与えられる領域
(負の位相が与えられる領域)と(V2−V1)+Va
を与えられる領域(正の位相が与えられる領域)で大部
分補正でき、更にタンジェンシャルチルトにより発生す
るコマ収差をV2−V1を与えられる領域(基準の領
域)と(V2−V1)−Vbを与えられる領域(負の位
相が与えられる領域)と(V2−V1)+Vbを与えら
れる領域(正の位相が与えられる領域)で大部分補正で
きる。また、それ以外の領域((V2−V1)−(Vb
+Va)を与えられる領域、(V2−V1)−(Vb−
Va)を与えられる領域、(V2−V1)+(Vb+V
a)を与えられる領域、(V2−V1)+(Vb−V
a)を与えられる領域の4領域)はラジアルチルトとタ
ンジェンシャルチルトにより発生する両方のコマ収差の
影響を受けており、その場所は両方向のチルトを補正す
るための電圧の影響を受けているのでるので更に補正効
果が上がることになる。
【0175】ここで、第1のITO膜にはV1+Vaと
V1−Vaの電圧を与えているため外部から印加する電
圧はV1+VaとV1−Vaの2つだけでよく、V1に
ついてはこれらの2つの電圧から分圧することにより形
成できる。また同じく、第22のITO膜にはV2+V
bとV2−Vbの電圧を与えているため外部から印加す
る電圧はV2+VbとV2−Vbの2つだけでよく、V
2についてはこれらの2つの電圧から分圧することによ
り形成できる。従って、外部から印加する電圧は第1及
び第2のITO膜あわせて4つでよいことになる。ま
た、分圧してV1やV2を形成する方法であるが、たと
えば光学素子内の光が透過しない領域に薄膜抵抗を用い
て形成することが出来る。
【0176】液晶の表面及び裏面にパターンを形成して
2つの収差を同時に補正する光学素子は特開平11−1
10802号公報に述べられている。この場合、位相を
変化させる材料が液体であるため液体を封止するもの、
例えば図2にも示されているように2枚のガラスと封止
層が必要となる。しかしながら、本発明の光学素子では
位相変化層が固体であるため封止手段が必要ではないた
め光学素子そのものの厚さが薄くなり、さらに光学素子
を形成することが容易となる。
【0177】以上のように収差補正電極間に固体のPL
ZTを配置することにより、薄くてコストの安い複数の
収差を同時に補正できる光学素子を実現することができ
る。
【0178】また、本実施形態の光学素子は第1の実施
形態の光学素子に比べ収差補正を行うパターンが完全で
ある(第1の実施形態の光学素子はパターンが虫食い状
態になっている)ため、収差の補正効果が高い。
【0179】更に、この光学素子を光ヘッドに用いるこ
とによりチルトマージンが広がるため、光ヘッドを構成
する部品の調整が楽になり光ヘッドの組立がたやすくな
る。従ってチルトマージンが広い低コストな光ヘッドが
実現できる。また、複数の収差を補正できる光ヘッドで
薄型化及び小型化が可能となる。また、上記した光ヘッ
ドから出力される制御信号に基づき光ヘッドを制御して
光記録媒体から情報を再生もしくは記録する光記録再生
装置では、不良である光記録媒体(ラジアル及びタンジ
ェンシャル方向に反っている光記録媒体)から情報を確
実に再生もしくは記録することができる。さらに、光ヘ
ッドそのもののコストが安く薄型化に適しているので低
コストで薄い光記録再生装置を実現できる。
【0180】なお、本実施形態の光学素子に反射防止膜
を更に設ければ光の利用効率が高くなり、有益であるこ
とは言うまでもない。
【0181】また、このPLZT層の下側、あるいは上
側に配置する電極の枚数は上記第4の実施の形態では、
一枚づつであったが、これに限らず、上述したように虫
食い状態の電極を利用すれば、それぞれ複数枚を配置す
ることも可能である。
【0182】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づくほかの実施形態に適用す
ることができる。
【0183】例えば、上記実施の形態1〜3では光の位
相を変化させる材料として液晶を用いているが、PLZ
T(酸化鉛、ランタン、酸化ジルコニウム、酸化チタン
のペロブスカイト構造の透明結晶体)のように電圧に応
じてその厚みを変化させる材料を用いても光の位相を変
化させることができる。
【0184】特開平5−144056号公報にこの材料
を用いて収差補正を行うことが提案されている。この材
料を用いた場合、本願発明の光学素子の構造は例えば図
18や図19に示したものとなる。図18及び図19に
おいて151はPLZTであり、それ以外のものについ
ては第1及び第4の実施形態の光学素子と同じものにつ
いては同一の符号を付している。
【0185】この光学素子では位相変化層が無機物質の
基板であるため、位相を変化させるために高い印加電圧
が必要であるという不利な特性があるが、その表裏に透
明電極を形成できるので光学素子そのものの厚みが更に
薄くすることができ、この光学素子を光ヘッドに用いれ
ば更なる小型化や薄型化が可能となる。
【0186】また、上記実施形態の光学素子では透明電
極としてITO膜を用いたが光を透過させ更に電気を通
す膜であればどのような膜であっても問題はない。
【0187】また、上記実施形態の光学素子では液晶2
8の配向の制御はポリビニルアルコール膜を布でこする
ラビング法で制御しているが、これ以外の方法、たとえ
ば斜め蒸着膜などの膜そのものに配向性を有するものを
使う方法や基板に溝を形成する方法であっても何ら問題
はない。
【0188】また、上記実施形態の光学素子では絶縁膜
としてタンタルオキサイド膜を用いたが透明電極と同じ
屈折率を有するものであればどのような膜であっても問
題はない。さらに、透明電極と異なる屈折率の材料を用
いてもその膜厚をλ/(2×N(絶縁膜)、ここでλは
波長、N(絶縁膜)は絶縁膜の屈折率)の整数倍にすれ
ば光学的にみればこの膜が存在しないのと同じになるた
め透明電極と絶縁膜との界面での反射が生じなくなる。
【0189】また、上記実施形態では無偏光光学系を用
いる場合を示したが、例えば偏光プリズムや偏光ホログ
ラム(特開昭63−314502号公報参照)等を用い
た偏光光学系を用いてもよい。この場合は、往路での光
の利用効率が高いので光記録を行うのが容易になる。
【0190】また、上記実施形態では、コリメータレン
ズと対物レンズの間の平行系中に本発明の光学素子を配
置した場合を示したが、光源とコリメータレンズとの間
の発散系中に配置してもよい。
【0191】また、上記実施形態では無限系の光ヘッド
を示したが、コリメータレンズを用いない有限系の光ヘ
ッドであってもよい。この場合、コリメータレンズを用
いないのでコストの安いものとなる。
【0192】また、上記実施形態では、光記録媒体に記
録された情報の再生中にチルトセンサーによって検出さ
れたチルト量を用いて波面収差の補正を行っているが、
再生前にあらかじめトラック位置とチルト量との関係を
学習して、学習したチルト量から各トラック位置での波
面収差を補正する方式でもよい。
【0193】また、上記実施形態では、光記録媒体から
の反射光を回折格子によって光源からの光路と分離して
光検出器に入射させているが、ハーフミラー等の分離用
光学素子を用いて光源からの光路と分離して光検出器に
入射させてもよい。
【0194】また、上記実施形態では、2種類の不良を
持つ光記録媒体から情報を再生もしくは記録する光記録
再生装置について述べたが、上記したように3種類以上
の収差を補正することができる光ヘッドを実現できるの
でどのような不良の光記録媒体から情報を再生もしくは
記録することができる光記録再生装置を実現できること
は言うまでもない。
【0195】また、上記実施形態では、光記録媒体が光
ディスクである場合について説明したが、カード状の光
記録媒体など、類似の機能を実現する光学的情報記録再
生装置に適用することができる。
【0196】以下に、本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。
【0197】(実施の形態5)図24は、本発明の第1の
実施の実質上における光ヘッドの構成である。
【0198】図24において、201は光源、202は
コリメータレンズ、203は本発明の第1の光学素子
(詳細については後述)、204は偏光異方性ホログラ
ム、205は1/4波長板、206は対物レンズ、20
7は光記録媒体、208はチルトセンサー、209は光
学素子駆動回路、210は第1の光検出器、211は第
2の光検出器である。ここで、集光光学系は、コリメー
タレンズ2と対物レンズ206により構成されており、
K/4波長板は、1/4波長板205で構成されてお
り、分離手段は偏光異方性ホログラム4で構成されてい
る。
【0199】以下の各図面の右下部に示されたxyz座
標において,各図で同一座標軸は同一方向を示す。
【0200】ここで、光源201は、例えば半導体レー
ザ素子で構成され、光記録媒体207の記録面に対し
て、記録再生用のコヒーレント光を出力する光源であ
る。光学素子203は、本発明の第1の光学素子で光記
録媒体207がラジアル方向に傾いた時に発生する波面
収差、特にコマ収差を補正する素子で、詳細は後述す
る。
【0201】偏光異方性ホログラム204は、特定の方
向の偏光を透過しこれと直交する方向の偏光を回折する
(特開昭63−314502号公報参照)。1/4波長
板205は、入射した光の偏光状態を変化させる。対物
レンズ206は光記録媒体207の記録面に光を集光す
るレンズである。
【0202】第1の光検出器210は光記録媒体207
の記録面で反射された光のうち偏光異方性ホログラム4
で回折された+1次光を受光して光を電気信号に変換す
るものであり、第2の光検出器211は光記録媒体20
7の記録面で反射された光のうち偏光異方性ホログラム
204で回折された−1次光を受光して光を電気信号に
変換するものである。
【0203】チルトセンサー208は光記録媒体7が光
軸に対して垂直からラジアル方向に傾いたときの傾き量
(ラジアルチルト角)を検出しそのチルト角に応じた信
号を生成するセンサーであり、光学素子駆動回路209
はチルトセンサー208で生成された信号に応じて光学
素子203に電圧を印加する回路である。
【0204】このように構成された光ヘッドの動作につ
いて、図24を用いて説明する。
【0205】光源201は図24の右下に図示したxy
z座標のx軸方向に偏光した光L0を出射するように配
置されており、コリメータレンズ202に入射し、コリ
メータレンズ202は出射光L0を平行光に変換され、
光学素子203に入射する。ここで、光記録媒体207
が光軸に対して垂直からラジアル方向に傾いているとラ
ジアルチルト角に応じたチルト信号をチルトセンサー2
08は出力し、その信号は光学素子駆動回路209に入
力され、光記録媒体207が傾いたときに生じる波面の
位相分布に対して光学素子203で逆の位相分布が生じ
るような信号が光学素子203に入力され、光学素子2
03を透過する光は、逆の位相分布が与えられる。
【0206】次に光学素子203を透過した光は、x軸
方向の偏光を透過するように配置されている偏光異方性
ホログラム204に入射し、x軸方向の偏光を維持し
て、1/4波長板205に入射する。1/4波長板20
5に入射したx軸方向に偏光した光L0は、直線偏光か
ら円偏光に変換され、対物レンズ206により光記録媒
体207の記録面に集光される。
【0207】この時の照射光は光記録媒体207が傾い
た時に生じた波面の位相分布と逆の位相分布が与えられ
るので、光記録媒体207の記録面上では収差の少な
い、すなわち回折限界まで絞られた光スポットが形成さ
れる。次に光記録媒体207で反射した光は、光記録媒
体207の傾きに応じた波面の位相分布が再び生じた光
になり、もとの光路を逆にたどって1/4波長板205
に入射し、y軸方向の偏光に変換され、偏光異方性ホロ
グラム204に入射する。
【0208】偏光異方性ホログラム204から生じる復
路の+1次回折光(L1)および−1次回折光(L2)
は、光学素子203に入射する。前記チルトセンサー2
08のチルト信号を用いて前記光学素子駆動回路209
で生成された信号によって光学素子203は回折光L0
およびL1の波面の位相分布に対して逆の位相分布が与
えられ、収差が少ない光が形成される。次に光学素子2
03を透過した回折光L0およびL1は、コリメータレ
ンズ202を透過後、第1の光検出器210および第2
の光検出器211にそれぞれ入射する。
【0209】この光を複数の領域に分割した第1の光検
出器210および第2の光検出器211により検出し、
検出された信号を演算することによって、サーボ信号お
よび、情報信号を得ることができる。
【0210】次に、本発明の第1の光学素子203につ
いて詳細に述べる。
【0211】図25は本発明の第5の実施の形態におけ
る光学素子の断面図である。図25において、220は
第1のガラス、221は第1のITO膜(インジウム−
錫−酸化物合金)、222は第1のポリビニルアルコー
ル膜、223はエポキシ樹脂、224は第2のポリビニ
ルアルコール膜、225は第2のITO膜、226は第
2のガラス、227は第3のITO膜、228は第3の
ポリビニルアルコール膜、229は第4のポリビニルア
ルコール膜、230は第4のITO膜、231は第3の
ガラス、232は第1の液晶、233は第2の液晶であ
る。ここで、第1のITO膜221および第2のITO
膜225および第3のITO膜227および第4のIT
O膜230はガラス内面に蒸着されており、外部からの
信号を液晶に印加すると共に光を透過させる透明電極
で、第1のポリビニルアルコール膜222および第2の
ポリビニルアルコール膜224は第1のITO膜221
および第2のITO膜225上に蒸着され、さらに、第
3のポリビニルアルコール膜228および第4のポリビ
ニルアルコール膜229は第3のITO膜227および
第4のITO膜230上に蒸着されナイロン等の高分子
布でこすられており第1の液晶232および第2の液晶
233の配向を制御する配向膜であり、エポキシ樹脂2
23は第1の液晶232および第2の液晶233が外部
に漏れないようにする封止層である。
【0212】また、第2のITO膜221および第3の
ITO膜227は第2のガラス226に上に蒸着され、
第1のITO膜221および第4のITO膜230は図
3に示された電極パターンが形成されている(これらの
パターンについては後述する)。
【0213】なお、本発明の第5の実施の形態における
光学素子は、収差補正素子として機能するものであり、
第2のITO膜225が本発明の第1の対向電極に、第
1のITO膜221が本発明の第1収差補正電極に、第
3のITO膜227が本発明の第2の対向電極に、第4
のITO膜230が第2の収差補正電極に、それぞれ対
応するものである。
【0214】ラジアルチルト角により発生するコマ収差
補正方法は、上述したように行われる。
【0215】次に、以上のような方法でコマ収差を補正
する本発明の第1の光学素子203の動作について説明
する。
【0216】ここで、まず、往路について考える。往路
では、光学素子203が光源201からx軸方向に偏光
した光L0の偏光方向と第1の液晶232の配向方向
(図26に示す)が一致するように配置されており、ま
た、第2の液晶233の配向方向(図27に示す)は、
第1の液晶232の配向方向と直交しており、y軸方向
に配置されているとする。
【0217】光源1からx軸方向に偏光した光L0が光
学素子203に入射したとき、光記録媒体207が光軸
に対して垂直からラジアル方向に傾いているとラジアル
チルト角に応じたチルト信号をチルトセンサー208は
出力し、その信号は光学素子駆動回路209に入力さ
れ、光学素子駆動回路209は光記録媒体207が傾い
たときに生じる波面の位相分布をうち消すような逆の位
相分布が生じる信号を光学素子203の第1のITO膜
221および第4のITO膜230に印加する。さら
に、光学素子駆動回路209は、光学素子203の第2
のITO膜225および第3のITO膜227に0Vを
印加している。
【0218】前記したように信号が印加されている第1
のITO膜221および第4のITO膜230は、図3
に示す電極パターンで領域が分割されているおり、A領
域にV1−Va、B領域にV1+Va、C領域にV1が
それぞれ印加されており、第1の液晶232および第2
の液晶233の屈折率は図5に示すようにそれぞれn
a、nb、ncとなり、A領域およびB領域がC領域か
らみて正および負の位相を持ち、図23に示す位相分布
に対して逆の位相分布を入射する光に与えることができ
る。このとき、第1の液晶232の配向方向は、光源1
からx軸方向に偏光した光L0の偏光方向と一致してい
るので、光学素子駆動回路209からの信号により第1
の液晶232は、図23に示す位相分布に対して逆の位
相分布を光L0に与える。
【0219】つぎに、第2の液晶233を透過する光L
0は、第2の液晶233の配向方向とその偏光方向が直
交しているため、光L0に位相は与えられず、そのまま
透過する。従って、光記録媒体207の記録面に対物レ
ンズ206によって集光される光スポットは、第1の液
晶232により、収差の少ない光となる。
【0220】次に、復路について考える。復路では、光
記録媒体207からの反射光が1/4波長板205、偏
光異方性ホログラム4を透過することによってy軸方向
に偏光した回折光L1およびL2となり、光学素子20
3に入射する。このとき、光記録媒体207が光軸に対
して垂直からラジアル方向に傾いているので、光記録媒
体207からの反射光は、図23に示す位相分布を持っ
た光になっている。
【0221】このとき、第2の液晶233の配向方向
は、回折光L1およびL2の偏光方向と一致しているの
で、光学素子駆動回路209からの信号により、第2の
液晶233は、図23に示す位相分布に対して逆の位相
分布を回折光L1およびL2に与える。
【0222】次に、第1の液晶232を透過する回折光
L1およびL2は、第1の液晶233の配向方向とその
偏光方向が直交しているため、回折光L1およびL2に
位相は与えられず、そのまま透過する。従って、光記録
媒体7の記録面からの反射光は第2の液晶233により
収差の少ない光となり、コリメータレンズ2を透過後、
第1の光検出器210および第2の光検出器211に入
射する。
【0223】なお、上記実施の形態では、液晶層を用い
たが、本発明はそれに限らず、PLZT等でも良く、要
するに位相を変化させる層であればよい。
【0224】その場合、第1の位相変化層は、所定の方
向の直線偏光の位相を変化させるものであり、また、第
2の位相変化層は、前記所定の方向の直線偏光と直交す
る方向の直線偏光の位相を変化させるものである。な
お、PLZTは電界で体積が変化する他に、屈折率も変
化するから位相変化層として利用可能である。
【0225】よって、本発明の第1の光学素子203に
より、復路での収差補正が可能であるので、(発明が解
決しようとする課題)で述べたような光記録媒体207
のラジアルチルト角で発生する波面収差による光スポッ
トのサイドローブは発生せず、光検出器上の光スポット
は、図23に示す状態になるので、光検出器の各領域の
光量が変化せず、フォーカス誤差信号は、オフセットが
生じない。
【0226】以上のように、電極パターンが同一で、配
向方向が直交した液晶を有する光学素子を偏光光学系光
ヘッドに用いることにより、光記録媒体のラジアルチル
ト角に応じて生じる収差を、往路および復路とも収差補
正が可能で、安定したサーボ信号および情報信号を得る
ことができる。また、前記した光ヘッドから出力される
制御信号に基づき光ヘッドを制御して光記録媒体からの
情報を再生もしくは記録する光記録再生装置では、不良
である光記録媒体(ラジアル方向に反っている光記録媒
体)から情報を確実に再生もしくは記録することができ
る。
【0227】(実施の形態6)次に、本発明の第6の実
施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態が前
記した第5の実施の形態と異なるのは、光学素子203
が反射防止膜を備えることに関する点のみであり、それ
以外は、第5の実施の形態と同様である。従って、本実
施の形態において特に説明のないものについては第5の
実施の形態と同じとし、第5の実施の形態と同一符号を
付与している構成部材については、特に説明のない限
り、第5の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0228】図28は、本発明の第6の実施の形態にお
ける光ヘッドの構成図である。270は本発明の第2の
光学素子である。ここで、光学素子270は本発明の第
1の光学素子203が反射防止膜を備えたものである。
このように構成された光ヘッドの動作は、第1の実施の
形態で述べているのと全く同じであるので、ここでは省
実質上する。
【0229】次に、本発明の第2の光学素子270につ
いて述べる。図29は、本発明の第6の実施の形態にお
ける光学素子270の断面図である。本実施の形態にお
ける光学素子270は収差補正素子として機能するもの
であり、図29に示すように、第5の実施の形態におけ
る光学素子203の第1のガラス220および第3のガ
ラス231上に第1のフッ化マグネシウム膜280およ
び第2のフッ化マグネシウム膜281(本発明の反射防
止膜に対応)が、第1のガラス220と第1のITO膜
221の間および第1のITO膜221と第1のポリビ
ニルアルコール膜222の間および第2のポリビニルア
ルコール膜224と第2のITO膜225の間および第
2のITO膜225と第2のガラス226の間および第
2のガラス226と第3のITO膜227の間および第
3のITO膜227と第3のポリビニルアルコール膜2
28の間および第4のポリビニルアルコール膜229と
第4のITO膜230の間および第4のITO膜230
と第3のガラス231の間に、第1のアルミナ膜282
および第2のアルミナ膜83および第3のアルミナ膜8
4および第4のアルミナ膜285および第5のアルミナ
膜286および第6のアルミナ膜287および第7のア
ルミナ膜288および第8のアルミナ膜289(本発明
の反射防止膜に対応)がそれぞれ形成されたものであ
る。
【0230】ここで、反射膜防止については、上述した
実施の形態と同様である。
【0231】以上のようにフッ化マグネシウム膜をガラ
ス上に、アルミナ膜をガラスとITO膜の間および、I
TO膜とポリビニルアルコール膜の間に設けることによ
り素子での反射を実質的に完全に防止することができ
る。
【0232】さらに、この光学素子を光ヘッドに用いる
ことによりチルトマージンが広がるため、光ヘッドを構
成する部品の調整が簡単になり光ヘッドの組立および調
整が容易になる。また、前記した光ヘッドから出力され
る制御信号に基づき光ヘッドを制御して光記録媒体から
の情報を再生もしくは記録する光記録再生装置では、不
良である光記録媒体(ラジアル方向に反っている光記録
媒体)から情報を確実に再生もしくは記録することがで
きる。
【0233】なお、本発明の反射防止膜の材料として、
本実施の形態において、フッ化マグネシウムとアルミナ
を用いて説明したが、所望の屈折率を有する材料であれ
ば、これに限るものではない。
【0234】さらに、本発明の反射防止膜は、本実施の
形態においては、単層の反射防止膜であるとして説明し
たが、これに限るものではなく、多層の反射防止膜であ
っても良い。
【0235】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づくほかの実施形態に適用す
ることができる。
【0236】例えば、前記実施の形態の光学素子では、
透明電極としてITO膜を用いたが光を透過させ、さら
に、電気を通す膜であればどのような膜であっても問題
ない。
【0237】また、前記実施の形態では、コリメータレ
ンズと対物レンズの間の平行光系中に本発明の光学素子
を配置した場合を示したが、光源とK/4波長板との間
であれば、どのような配置位置であっても問題ない。
【0238】また、前記実施の形態では、無限光学系の
光ヘッドを示したが、コリメータレンズを用いない有限
光学系の光ヘッドであっても良い。この場合、コリメー
タレンズを用いないのでコストの安いものとなる。
【0239】また、前記実施の形態では、ラジアルチル
トについて述べたが、電極パターンを変更すれば、タン
ジェンシャルチルト(図30に示す電極パターン)およ
び、基材厚み変化(図31に示す電極パターン)で発生
する波面収差についても往路および復路での補正をする
ことができる。
【0240】また、前記実施形態では、分離手段を偏光
異方性ホログラムとし実施形態を述べたが、例えば、偏
光プリズムを用いた偏光光学系でも良い。
【0241】また、前記実施形態では、光記録媒体が光
ディスクである場合について説明したが、カード状の光
記録媒体など、類似の機能を実現する光学的情報記録再
生装置に適用することができる。
【0242】なお、上述した図25や図29の実施の形
態5,6では、液晶層の数が多すぎ、ガラスも多いの
で、実施の形態1〜3、あるいは実施の形態4で述べ
た、穴あき電極を用いれば、一つの収差補正だけでな
く、複数の収差補正を同時に、往路、復路とも実現でき
る。
【0243】そのような場合には、電極の孔の配置に対
応して、液晶の配向膜の配向をモザイク状に異なるよう
にする必要がある。
【0244】なお、上記実施の形態において、チルトに
ついては、センサを用いて、光記録媒体が回転中にその
チルトを検出したが、これに限らず、光記録媒体を装置
に搭載した際に、そのチルトを検出し学習させておくこ
とも可能である。
【0245】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、収差補正
電極を同一面に複数形成することにより複数の収差を同
時に補正することができ、更に薄く低コストな光学素子
を実現することができる。
【0246】以上のように本発明によれば、偏光光学系
の光ヘッドにおいて、第1の液晶と第1の液晶の配向方
向と直交した方向に配向した第2の液晶を含む光学素子
を用いることによって、往路および復路で発生する収差
を補正することが可能になり、さらにオフセットを低減
した安定したサーボ信号を得ることができる。
【0247】また、本発明の光学素子を光ヘッドに用い
ると、収差を補正することが可能であるので、再生性能
を表すジッタのマージンが広がり、高性能な光ヘッドを
構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッドについて、一実施形態を示す
構成図
【図2】本発明の光学素子について、一実施形態を示す
断面図
【図3】本発明の光学素子について、ラジアルチルトを
補正する第2のITO膜のパターン図
【図4】本発明の光学素子について、タンジェンシャル
チルトを補正する第3のITO膜のパターン図
【図5】本発明の光学素子について、液晶の屈折率と印
加電圧との関係を示すグラフ
【図6】本発明の光学素子について、ラジアルチルト及
びタンジェンシャルチルトの両方を同時に補正するとき
の第2のITO膜の一例のパターン図
【図7】本発明の光学素子について、ラジアルチルト及
びタンジェンシャルチルトの両方を同時に補正するとき
の第2のITO膜の他の例のパターン図
【図8】本発明の光学素子について、ラジアルチルト及
びタンジェンシャルチルトの両方を同時に補正するとき
の第2のITO膜の他の例のパターン図
【図9】本発明の光学素子について、ラジアルチルト及
びタンジェンシャルチルトの両方を同時に補正するとき
の第2のITO膜の他の例のパターン図
【図10】本発明の光ヘッドについて、他の一実施形態
を示す構成図
【図11】光記録媒体の厚みが0.64mmであったと
きに生じる波面収差の一例を示すグラフ
【図12】本発明の光学素子について、球面収差を補正
する第3のITO膜のパターン図
【図13】本発明の光ヘッドについて、他の一実施形態
を示す構成図
【図14】本発明の光学素子について、他の一実施形態
を示す断面図
【図15】本発明の光ヘッドについて、他の一実施形態
を示す構成図
【図16】本発明の光学素子について、他の一実施形態
を示す断面図
【図17】本発明の光学素子について、液晶137に印
加される電圧を示した図
【図18】本発明の光学素子について、他の一実施形態
を示す断面図
【図19】本発明の光学素子について、他の一実施形態
を示す断面図
【図20】従来の光ヘッドについて、一例を示す構成図
【図21】従来の光学素子について、一例を示す断面図
【図22】(a)及び(b)は、従来の光学素子につい
て、ラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトを補正
するパターン図
【図23】ラジアルチルト角が1度の場合における波面
収差の一例を示すグラフ
【図24】本発明の光ヘッドについて、第5の実施形態
を示す構成図
【図25】本発明の光学素子について、第5の実施形態
を示す断面図
【図26】本発明の光学素子について、第1の液晶の配
向方向を示す図
【図27】本発明の光学素子について、第6の液晶の配
向方向を示す図
【図28】本発明の光ヘッドについて、第6の実施形態
を示す構成図
【図29】本発明の光学素子について、第6の実施形態
を示す断面図
【図30】本発明の光学素子について、タンジェンシャ
ルチルトによって発生する波面収差を補正するパターン
【図31】本発明の光学素子について、基材厚み変化に
よって発生する波面収差を補正するパターン図
【図32】従来の光学素子について、液晶の配向方向を
示す図
【図33】(a)は第5の実施形態において、偏光異方
性ホログラムを用いたフォーカス検出方式である公知の
SSD法での光検出器上の合焦付近の光スポットを示す
図、(b)は第5の実施形態において、光検出器上の光
スポットが位置ずれした場合を示す図、(c)は第5の
実施形態において、往路で収差補正できない場合の光検
出器上の光スポットを示す図
【符号の説明】
1、201 光源 2 回折格子 3 コリメータレンズ 4 光学素子 5 対物レンズ 6 光記録媒体 7 第1のチルトセンサー 8 第2のチルトセンサー 9、209 光学素子駆動回路 10、210 第1の光検出器 11、211 第2の光検出器 20、220 第1のガラス 21、221 第1のITO膜 22、222 第1のポリビニルアルコール膜 23、223 エポキシ樹脂層 24、224 第2のポリビニルアルコール膜 25、225 第2のITO膜 26 タンタルオキサイド膜 27、227 第3のITO膜 28 第2のガラス 29 液晶 202 コリメータレンズ 203 本発明の第1の光学素子 204 偏光異方性ホログラム 205 1/4波長板 206 対物レンズ 207 光記録媒体 208 チルトセンサー 226 第2のガラス 228 第3のポリビニルアルコール膜 229 第4のポリビニルアルコール膜 230 第4のITO膜 231 第3のガラス 232 第1の液晶 233 第2の液晶 270 本発明の第2の光学素子 280 第1のフッ化マグネシウム膜 281 第2のフッ化マグネシウム膜 282 第1のアルミナ膜 283 第2のアルミナ膜 284 第3のアルミナ膜 285 第4のアルミナ膜 286 第5のアルミナ膜 287 第6のアルミナ膜 288 第7のアルミナ膜 289 第8のアルミナ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細美 哲雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 緒方 大輔 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 堀田 尚也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 水野 定夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−247330(JP,A) 特開 平4−40416(JP,A) 特開 平11−110802(JP,A) 特開 平5−70960(JP,A) 特開 昭57−49918(JP,A) 特開 平5−144056(JP,A) 特開 平10−20263(JP,A) 特開 平10−289465(JP,A) 特開 平6−194639(JP,A) 実開 昭61−16535(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 505 G02F 1/13 101 G02F 1/1333 G02F 1/1343 G02F 1/1347 G02B 27/00 G02F 1/00 - 1/125

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の領域に分割された第1の収差補正
    電極と、 複数の領域に分割された第2の収差補正電極と、 前記第1の収差補正電極と実質上平行に配置された第1
    の対向電極と前記第2の収差補正電極と実質上平行に配
    置された第2の対向電極と前記第1の収差補正電極と前
    記第1の対向電極間に配置された第1の位相変化層と、 前記第2の収差補正電極と前記第2の対向電極間に配置
    された第2の位相変化層と、 を備え、 前記第1の位相変化層は、所定の方向の直線偏光の位相
    を変化させるものであり、 また、前記第2の位相変化層は、前記所定の方向の直線
    偏光と直交する方向の直線偏光の位相を変化させるもの
    である光学素子
  2. 【請求項2】 前記第1及び/又は第2の位相変化層
    は、液晶層であり、前記所定の方向は配向膜の配向方向
    であることを特徴とする請求項記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の収差補正電極と、前
    記第1及び第2の対向電極が同一の導電性物質で構成さ
    れている請求項に記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記導電性物質がインジウム−錫−酸化
    物合金(ITO、IndiumTin Oxide)で
    ある請求項記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の液晶が、外部からの
    制御電圧信号に応じて屈折率が変化する請求項に記載
    の光学素子。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の収差補正電極は、同
    一パターンの領域で分割されている請求項に記載の光
    学素子。
  7. 【請求項7】 入射した光の反射を防止する反射防止膜
    をさらに含む請求項に記載の光学素子。
  8. 【請求項8】 光記録媒体からの情報を光によって再生
    もしくは記録する光ヘッドにおいて、 光源と、 請求項1〜7のいずれかに記載の光学素子とを備え、 前記光学素子は、前記光源と前記光記録媒体との間に配
    置され、 前記光学素子に入射した光の位相を制御することを特徴
    とする光ヘッド。
  9. 【請求項9】 さらに、 前記光源からの出射光を光記録媒体に集光すると共に、
    前記光記録媒体からの反射光を集光する集光光学系と、 前記光源からの出射光の偏光状態を変換するK/4波長
    板(Kは奇数)と、 特定の方向の偏光を透過しこれと直交する方向の偏光を
    分離する分離手段と、 前記分離手段で分離された前記光記録媒体からの反射光
    を受光して、前記光記録媒体のフォーカス誤差信号また
    は、トラッキング誤差信号または、情報信号を出力する
    光検出器と、 を備えた請求項に記載の光ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記光学素子は、前記光記録媒体のチ
    ルト角によって発生する波面収差を補正することを特徴
    とする請求項に記載の光ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項に記載の光ヘッドを備え、 前記光ヘッドから出力される信号に基づき前記光ヘッド
    を制御し、さらに光記録媒体からの情報を再生もしくは
    記録する光記録再生装置。
JP2000202798A 1999-07-07 2000-07-04 光学素子、光ヘッド及び光記録再生装置 Expired - Fee Related JP3493335B2 (ja)

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