JP2002352470A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002352470A
JP2002352470A JP2002146733A JP2002146733A JP2002352470A JP 2002352470 A JP2002352470 A JP 2002352470A JP 2002146733 A JP2002146733 A JP 2002146733A JP 2002146733 A JP2002146733 A JP 2002146733A JP 2002352470 A JP2002352470 A JP 2002352470A
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JP2002146733A
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English (en)
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Hidehiko Wada
秀彦 和田
Tetsuo Hosomi
哲雄 細美
Daisuke Ogata
緒方  大輔
Seiji Nishino
清治 西野
Hiroaki Yamamoto
博昭 山本
Shinichi Kadowaki
慎一 門脇
Yoshiaki Kaneuma
慶明 金馬
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズが移動しても補正効果の劣化が少
ない光記録再生装置および光記録再生方法に用いられる
光記録媒体を提供する。 【解決手段】 情報が記録される記録層を有する第1の
光記録媒体と、情報が記録される記録層を2つ以上有す
る第2の光記録媒体において、第1の光記録媒体の表面
121sから第1の光記録媒体に含まれる記録層Aまで
の距離と、第2の光記録媒体の表面122sから第2の
光記録媒体に含まれる記録層のうちの1つの記録層Bま
での距離とが略等しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディジタルバーサタイルディスク(DV
D)は、コンパクトディスク(CD)に比べて約6倍の
記録密度でディジタル情報を記録できることから、大容
量の光記録媒体として注目されている。高密度のDVD
を再生するためには、CDを再生する場合と比べて、レ
ーザビームの波長を短くし、対物レンズの開口数(N
A)を大きくする必要がある。そのため、DVDの再生
には、波長が650nmのレーザビーム(CDでは、7
80nm)と、NAが0.6の対物レンズ(CDでは
0.45)とが用いられている。さらに、レーザビーム
の波長をさらに短くし、NAをさらに大きくして記録密
度を高くすることが検討されている。しかし、波長を短
くし、対物レンズのNAを高くすると、厚さ方向におけ
る記録層の位置のずれに対する記録または再生のマージ
ンが小さくなる。したがって、この場合には、球面収差
の補正を行うことが必要になる。
【0003】また、複数の記録層を備える光記録媒体も
記録密度が高いが、この場合においても、光記録媒体の
表面から記録層までの距離(以下、基材厚という場合が
ある)が記録層によって異なるために球面収差が発生す
る。このような球面収差を補正するために、液晶素子を
利用して波面収差(特に球面収差)を補正する光ヘッド
が提案されている(特開平10−269611号公報参
照)。
【0004】この従来の光ヘッドの一例について、図1
3を参照しながら説明する。図13は、従来の光ヘッド
200(光ピックアップともいう)の構成を模式的に示
す図である。図13に示すように、光ヘッド200は、
光源201、偏光ビームスプリッター202、液晶パネ
ル203、1/4波長板204、対物レンズ205、集
光レンズ206、光検出器207、基材厚センサ20
8、および光学素子駆動回路209とを含む。光ヘッド
200によって、光ディスク210に対して信号が記録
または再生される。
【0005】光源201は、半導体レーザ素子からな
り、光ディスク210の記録層に対して記録再生用のコ
ヒーレント光を出力する。偏光ビームスプリッター20
2は、光を分離するための素子である。液晶パネル20
3は、図14に示すような同心円状の複数の電極203
a〜dを備え、各電極に異なる電圧を印加することによ
って液晶の屈折率を変化させ、収差の補正を行う。1/
4波長板204は、複屈折材料からなり、直線偏光を円
偏光に変換する。対物レンズ205は、光ディスク21
0の記録層に光を集光する。集光レンズ206は、光デ
ィスク210の記録層で反射された光を光検出器207
に集光する。光検出器207は、光ディスク210の記
録層で反射された光を受光して電気信号に変換する。
【0006】次に、光ヘッドの動作について説明する。
光源201から出射された直線偏光の光は偏光ビームス
プリッター202を透過して液晶パネル203に入射す
る。ここで、光ディスク210の記録層が設計値からず
れた位置に配置されている場合には、基材厚センサ20
8はそのずれ量を検出し、光学素子駆動回路209にそ
のずれ量を出力する。光学素子駆動回路209は、入力
されたずれ量に基づいて、そのずれ量によって生じる波
面収差を補正するように液晶パネル203を駆動する。
したがって、液晶パネル203に入射した光には、基材
厚のずれによって生じる波面収差(3次の球面収差)を
補正するような波面収差が与えられる。
【0007】以下に、液晶パネル203を用いた球面収
差の補正の方法について詳しく述べる。まず、光ディス
ク210の基材厚が、設計値(最適な基材厚)からずれ
た時の位相分布を図15に示す。この位相分布は、レー
ザビームの波長が405nm、対物レンズのNAが0.
85、光ディスク210の最適な基板厚が0.1mm、
基材厚のずれが0.01mmの場合の位相分布であり、
最良像点における光ディスク210の記録層上の波面収
差分布である。この分布を完全に補正するような位相を
レーザビームに与えれば、光ディスク210の基材厚が
最適な基材厚からずれても光ディスク210上でのレー
ザビームのスポットは回折限界にまで絞られる。
【0008】図15の波面収差を補正するためには、図
15の波面収差をキャンセルするような位相変化をレー
ザビームに与えればよい。すなわち、部分的に光路長を
変えればよい。液晶は、外部から印加された電圧に応じ
てその屈折率が変化するため、印加する電圧を変化させ
ることによって光路長を部分的に変えることができる。
従って、図14に示したような複数の電極203a〜d
に適当な電圧を加えることによって、図15に示した球
面収差を補正することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ヘッ
ド200では、3次の球面収差を発生させて球面収差の
補正を行っているため、対物レンズ205の中心と液晶
パネル203の電極203a〜dの中心とがずれたとき
に球面収差の補正効果が劣化する。すなわち、対物レン
ズ205と液晶パネル203とが分離して配置されてい
る場合、光ディスク210の偏心に応じて対物レンズ2
05が移動することによって、対物レンズ205の中心
と電極203a〜dの中心とがずれて補正効果が劣化す
る。
【0010】レーザビームの波長が400nm、NAが
0.85、光ディスク210の基材厚が設計値(0.1
mm)から10μmずれている場合における、対物レン
ズ205の中心と電極203a〜dの中心とのずれ量
と、補正後の収差との関係について図16に示す。
【0011】図16に示すように、両者の中心がずれる
と、補正効果が劣化する。これは両者の中心がずれるこ
とによって、液晶パネル203で発生させている球面収
差がコマ収差を生むためである。両者の中心のずれを防
止するためには、液晶パネル203と対物レンズ205
とを一体にする必要がある。
【0012】しかし、液晶パネル203と対物レンズ2
05とを一体化すると、光ヘッドの薄型化が困難にな
る。また、対物レンズ205とともに液晶パネル203
を移動させることが必要になるため、アクチュエータの
f特(感度)が低下する。また、液晶パネル203を駆
動するための配線によって、アクチュエータの構造が複
雑となり、低コスト化が困難になる。
【0013】球面収差を補正する方法としては、光軸上
に2枚のレンズを配置し、レンズの間隔を変えることに
よって球面収差を補正する方法も提案されている(特開
2000−131603号公報参照)。この方法では、
レンズの間隔を変えることによって、レンズを透過する
光に、平行光を発散光または収束光に変化させる位相変
化を与え、その結果球面収差を補正する。しかしなが
ら、この方法の場合には、基材厚のずれに応じてレンズ
の間隔を変化させる機械的な手段が必要となり、光ヘッ
ドの小型化が困難であった。また、コマ収差の発生を防
止するためには、2つのレンズの中心を精度よく一致さ
せる必要があり、光ヘッドを低コストに製造することが
困難であった。また、この方法では光軸方向にレンズの
間隔を変えているため、光学系が拡大/縮小光学系とな
る。その結果、球面収差を補正するためのレンズに入射
する光の取り込み効率が変化してしまい、光のRIM強
度(rim strength)が変化するという問題
があった。
【0014】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、対物レンズが移動しても補正効果の劣
化が少ない光記録再生装置および光記録再生方法に用い
られる光記録媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の光記録媒体は、情報が記録され
る記録層を有する第1の光記録媒体と、情報が記録され
る記録層を2つ以上有する第2の光記録媒体において、
前記第1の光記録媒体の表面から前記第1の光記録媒体
に含まれる記録層Aまでの距離と、前記第2の光記録媒
体の表面から前記第2の光記録媒体に含まれる記録層の
うちの1つの記録層Bまでの距離とが略等しいことを特
徴とする。
【0016】上記第1番目の光記録媒体では、前記記録
層Aおよび前記記録層Bのそれぞれに、光記録媒体を管
理する情報が記録されていてもよい。
【0017】上記第1番目の光記録媒体では、前記第2
の光記録媒体に含まれる記録層の数が2つであってもよ
い。
【0018】上記第1番目の光記録媒体では、前記第1
の光記録媒体の表面から前記記録層Aまでの距離、およ
び、前記第2の光記録媒体の表面から前記記録層Bまで
の距離が、それぞれ略100μmであってもよい。
【0019】また、本発明の第2番目の光記録媒体は、
第1の記録層と第2の記録層とを有する光記録媒体にお
いて、光記録媒体の表面から前記第1の記録層までの距
離が略100μmであり、光記録媒体の表面から前記第
2の記録層までの距離が100μmよりも大きいことを
特徴とする。
【0020】また、本発明の第3番目の光記録媒体は、
第1の記録層と第2の記録層とを有する光記録媒体にお
いて、光記録媒体の表面から前記第1の記録層までの距
離が略100μmであり、光記録媒体の表面から前記第
2の記録層までの距離が100μmよりも小さいことを
特徴とする。
【0021】上記第2番目および第3番目の光記録媒体
では、前記第1の記録層に光記録媒体を管理する情報が
記録されていてもよい。
【0022】また、本発明の第4番目の光記録媒体は、
光記録再生装置においてレーザビームを照射することに
よって信号の記録または再生が行われる記録層を2つ以
上備える光記録媒体であって、前記レーザビームが照射
される側の表面から前記記録層のうちの1つの記録層X
までの距離が、光記録再生装置において信号の記録また
は再生を行う前の初期状態から球面収差の補正を行わず
に再生することができるように設定された所定の距離で
あり、前記光記録再生装置は、1つの記録層を含む第1
の光記録媒体と複数の記録層を含む第2の光記録媒体と
に対して信号の記録または再生を行う光記録再生装置で
あって、且つ、セットされた光記録媒体に信号の記録ま
たは再生を行う光ヘッドを備え、前記光ヘッドは光源
と、前記セットされた光記録媒体と前記光源との間に配
置された球面収差補正手段とを含み、前記第1の光記録
媒体の表面から前記第1の光記録媒体に含まれる1つの
記録層Aまでの距離と、前記第2の光記録媒体の表面か
ら前記第2の光記録媒体に含まれる1つの記録層Bまで
の距離とが略等しく、前記光記録再生装置は、前記セッ
トされた光記録媒体に信号の記録または再生を行う前の
初期状態において、前記記録層Aに対して球面収差を補
正するように前記球面収差補正手段が駆動され、前記第
1の光記録媒体の表面から前記記録層Aまでの距離と前
記所定の距離とが略等しいことを特徴とする。
【0023】上記第4番目の光記録媒体では、前記記録
層Xに管理情報が記録されていてもよい。
【0024】上記第4番目の光記録媒体では、前記所定
の距離が略0.1mmであってもよい。
【0025】上記第4番目の光記録媒体では、前記第2
の光記録媒体は前記記録層Xとは異なる他の記録層を備
え、前記他の記録層が前記記録層Xよりも前記レーザビ
ームが入射する側に配置されていてもよい。
【0026】上記第4番目の光記録媒体では、前記第2
の光記録媒体は前記記録層Xとは異なる他の記録層を備
え、前記記録層Xが前記他の記録層よりも前記レーザビ
ームが入射する側に配置されていてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。なお、同様の部分に
ついては同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
光学素子について一例を説明する。実施形態1の光学素
子10について、断面図を図1に模式的に示す。
【0029】図1を参照して、光学素子10は、第1の
基板11と、第1の基板11に略平行に配置された第2
の基板12と、第1の基板11と第2の基板12との間
に配置された電圧印加電極(第1の電圧印加電極)1
3、透光性樹脂膜14、液晶(第1の位相変化層)1
5、透光性樹脂膜16、対向電極(第1の対向電極)1
7および封止樹脂18とを備える。液晶15は、封止樹
脂18によって封止されている。
【0030】第1の基板11および第2の基板12は、
透光性の基板であり、たとえばガラスからなる。
【0031】電圧印加電極13は液晶15に所望の電圧
を印加するための電極である。電圧印加電極13は、第
1の基板11の内側(液晶15側)の主面上に形成され
ている。電圧印加電極13は、透光性で導電性の材料か
らなり、たとえばインジウム・スズ・酸化物(ITO)
からなる。電圧印加電極13の平面図を、図2に示す。
電圧印加電極13は、同心円状に配置された複数のセグ
メント電極13a〜gを含む。なお、図2には、電圧印
加電極13が7つのセグメント電極からなる場合を示し
ているが、セグメント電極の数については特に限定はな
い。
【0032】対向電極17は、電圧印加電極13に対向
するように第2の基板12上に形成される。対向電極
は、電圧印加電極13とともに、液晶15に所望の電圧
を印加するための電極である。対向電極17は透光性で
導電性の材料からなり、たとえばITOからなる。対向
電極17は、第2の基板12の内側(液晶15側)の主
面のうち、少なくともセグメント電極13a〜gに対向
する部分の全面に形成される。
【0033】透光性樹脂膜14および16は、液晶15
を所定の方向に配向させるための配向膜であり、たとえ
ばポリビニルアルコール膜からなる。透光性樹脂膜14
または16をラビング処理することによって、液晶15
を所定の方向に配向させることができる。
【0034】液晶15は、入射した光の位相を変化させ
る位相変化層として機能する。液晶15は、たとえばネ
マチック液晶からなる。電圧印加電極13と対向電極1
7との間の電圧を変化させることによって液晶15の屈
折率を変化させることができ、これによって入射した光
の位相を変化させることができる。
【0035】封止樹脂18は、液晶15を封止するため
のものであり、たとえばエポキシ樹脂からなる。
【0036】光学素子10では、各セグメント電極13
a〜gと対向電極17との間の電圧を変化させることに
よって、位相変化層である液晶15の屈折率を部分的に
変化させ、液晶15に入射した光に平面波を球面波に変
換する位相を与える。具体的には、たとえば、対向電極
に0V、セグメント電極13aに0V、セグメント電極
13bに0.5V、セグメント電極13cに1V、セグ
メント電極13dに1.5V、セグメント電極13eに
2V、セグメント電極13fに2.5V、セグメント電
極13gに3Vという電圧を与えればよい。このよう
に、電圧印加電極13の中心から外側に向かってセグメ
ント電極に印加する電圧を大きくすることによって、光
学素子10の中心から外側になるにつれて位相差が大き
くなり、平面波を球面波に変換することが可能となる。
光学素子10によれば、実施形態2で説明するように、
対物レンズが移動しても補正効果が低下しない光ヘッド
を構成できる。
【0037】なお、電圧印加電極13および対向電極1
7から選ばれる少なくとも1つの電極が曲面に配置され
ていてもよい(以下の実施形態においても同様であ
る)。対向電極17が曲面に配置されている光学素子1
0aについて、断面図を図3に模式的に示す。光学素子
10aでは、第2の基板12の内側の表面が窪んでお
り、対向電極17は、その表面上に形成されている。光
学素子10aでは、電圧印加電極13が複数のセグメン
ト電極に分割されておらず、一面に形成されている。こ
れによって、実施形態2で説明するように、対物レンズ
が移動しても補正効果が特に低下しない光ヘッドを構成
できる。
【0038】また、なめらかな位相変化を与える光学素
子の他の一例が、特開2001−143303号公報に
開示されている。この素子は、シート抵抗の大きい透明
電極と、その透明電極よりも抵抗が小さい電圧供給部と
からなる電圧印加電極を備える。透明電極の一部に接続
された電圧供給部に外部から電圧が印加されると、透明
電極のシート抵抗が大きいために電圧降下が生じ、電圧
供給部から離れるにしたがってなめらかに電圧が低下す
る。このため、電圧印加電極と対向電極との間の電圧が
なめらかに変化し、それにしたがって位相変化層の屈折
率がなめらかに変化する。
【0039】また、液晶15の配向の制御は、ラビング
法以外の方法で行ってもよい(以下の実施形態において
も同様である)。たとえば、斜め蒸着などによって膜そ
のものに配向性を持たせてもよい。また、基板に溝を形
成して液晶の配向を制御してもよい。
【0040】また、液晶15の代わりに他の材料を用い
て位相変化層を形成してもよい(以下の実施形態におい
ても同様である)。位相変化層は、電圧印加電極13と
対向電極17との間の電圧によって屈折率が変化する材
料や体積が変化する材料を用いることができる。電圧に
よって体積が変化する材料としては、PLZT(酸化
鉛、ランタン、酸化ジルコニウム、酸化チタンを含むペ
ロブスカイト構造の透明結晶体)を用いてもよい。PL
ZTは固体であるため、液晶とは異なり基板や封止樹脂
を必要としない。このため、PLZTを用いることによ
って、光学素子を薄くできる。
【0041】(実施形態2)実施形態2では、実施形態
1で説明した光学素子を用いる本発明の光ヘッドについ
て説明する。実施形態2の光ヘッド50について、構成
を図5に模式的に示す。
【0042】図5を参照して、光ヘッド50は、光源5
1と、回折格子52と、コリメータレンズ53と、光学
素子54と、対物レンズ55と、基材厚センサ56と、
第1の光検出器58と第2の光検出器59とを備える。
光学素子54は、光学素子駆動回路57によって駆動さ
れる。コリメータレンズ53および対物レンズ55は、
集光光学系を構成する。光ヘッド50は、光記録媒体6
0に対して信号の記録または再生を行う。光学素子54
は、実施形態1で説明した光学素子である。
【0043】光源51には、半導体レーザ素子を用いる
ことができる。光源51は、光記録媒体60の記録層に
対し、記録/再生用のレーザビーム61(コヒーレント
光)を出力する。回折格子52は、0次回折効率がほぼ
50%で±1次回折効率がほぼ50%の回折格子であ
る。回折格子52は、フォトリソグラフィーによってガ
ラス表面に所定のレジストパターンを形成したのち、ガ
ラスをエッチングすることによって形成できる。光学素
子54は、光学素子54に入射する光に対して、平面波
を球面波に変換する位相を与える。第1および第2の光
検出器58および59には、フォトダイオードを用いる
ことができる。
【0044】対物レンズ55は、光記録媒体60の記録
層にレーザビーム61を集光する。第1の光検出器58
は、光記録媒体60の記録層で反射されたレーザビーム
61のうち回折格子52で回折された+1次光を受光し
て電気信号に変換する。第2の光検出器59は、光記録
媒体60の記録層で反射されたレーザビーム61のうち
回折格子52で回折された−1次光を受光して電気信号
に変換する。
【0045】基材厚センサ56は、予め設定された基材
厚と実際の基材厚とのずれを検出し、そのずれに応じた
信号を出力する。基材厚センサ56には、たとえば特開
平10−334575号公報およびUSP6,115,
336に述べられているセンサを用いることができる。
基材厚センサ56は、具体的には、光源と、光源から出
射された光を光記録媒体(測定対象物)に照射する第1
の光学系と、光記録媒体からの反射光を受光素子に導く
第2の光学系とを含む。ここで、光源は、レーザ、LE
Dまたはランプからなる。第1および第2の光学系は、
凸レンズ、または凸レンズと凹レンズの組み合わせによ
って構成される。この構成によると、基材厚に応じて受
光素子から出力される信号が異なる。また基材厚を検出
する別の方式が、特開2000−171346号公報で
述べられている。この方式では、光記録媒体からの反射
光の光軸に近い側の第1の光ビームの焦点位置と、第1
の光ビームよりも外側の第2の光ビームの焦点位置とに
基づいて球面収差を検出する。
【0046】光学素子駆動回路57は、基材厚センサ5
6から入力された基材厚のずれに基づいて、基材厚のず
れを補正するように光学素子54を駆動する。
【0047】光ヘッド50の動作について、図5を参照
しながら説明する。光源51から出射された直線偏光の
うちの一部は、回折格子52を透過してコリメータレン
ズ53に入射し、コリメータレンズ53によって平行光
にされる。この平行光は、光学素子54に入射する。こ
こで、光記録媒体60の基材厚が設計値よりずれている
場合には、そのずれ量に応じた信号を基材厚センサ56
は出力し、その信号は光学素子駆動回路57に入力され
る。光学素子駆動回路57は、入力された信号に基づい
て、光記録媒体60の基材厚がずれたときに生じる波面
収差を補正するのに必要な信号を光学素子54に出力す
る。このようにして、光学素子54に入射した光には、
平行光を発散光に変換する位相(パワー成分)または平
行光を収束光に変換する位相を与えるような波面収差
が、基材厚のずれの方向に応じて与えられる。
【0048】光学素子54を透過した光は、平行光では
ない状態で対物レンズ55に入射するため、球面収差が
発生する。そして、この球面収差によって、光記録媒体
60の基材厚が設計値からずれていることにより発生す
る球面収差を補正する。すなわち、光学素子54は、対
物レンズ55に入射したときに所望の球面収差が発生す
るような位相を入射光に与える。このようにして、光記
録媒体60上では収差のない、すなわち回折限界まで絞
られた光スポットが形成される。
【0049】次に、光記録媒体60から反射された光
は、光記録媒体60の基材厚が設計値からずれたときに
生じる波面収差を有する光になるが、対物レンズ55お
よび光学素子54によって波面収差が補正される。光学
素子54を透過した光はコリメータレンズ53を透過
し、回折格子52により回折される。そして、回折の+
1次光は第1の光検出器58に入射され、回折の−1次
光は第2の光検出器59に入射される。第1の光検出器
58は、光記録媒体60上における光の合焦状態を示す
フォーカス誤差信号を出力し、また光の照射位置を示す
トラッキング誤差信号を出力する。また、第2の光検出
器59は、光記録媒体60に記録された情報についての
信号を出力する。
【0050】第1の光検出器58から出力されたフォー
カス誤差信号は、図示していないフォーカス制御回路に
入力される。フォーカス制御回路は、フォーカス誤差信
号に基づき、光が合焦状態で光記録媒体60上に集光さ
れるように対物レンズ55の位置をその光軸方向に制御
する。また、トラッキング誤差信号は、図示していない
トラッキング制御回路に入力される。トラッキング制御
回路は、トラッキング誤差信号に基づき、光記録媒体6
0上の所望のトラックに光が集光されるように対物レン
ズ55の位置を制御する。対物レンズ55の位置は、ア
クチュエータ62を用いて制御される。
【0051】次に、光学素子54の動作について、光学
素子10を用いた場合を例に挙げて説明する。光学素子
10では、各セグメント電極13a〜gと対向電極17
との間の電圧を変化させることによって、位相変化層で
ある液晶15の屈折率を変化させ、液晶15に入射した
光に平面波を球面波に変換する位相を与える。ここで、
平面波を球面波に変換するためには、以下の式(1)を
満足する位相Pを、入射した光に与えればよい。
【0052】(a−P)2+r2=a2 (1) ここで、aは定数であり、rは光軸の中心からの距離で
ある。一例として、レーザビームの波長が405nm、
NAが0.85、設計値の基材厚(すなわち、最適な基
材厚)が0.1mm、設計値からの基材厚のずれが10
μmの場合に、式(1)を満足する位相の分布を図4に
示す。
【0053】ここで、図4に示した位相を40個の同心
円状のセグメント電極で発生させた場合における、基材
厚と補正後の収差との関係を図6に示す。また、比較と
して、補正を行わない場合の収差も図6に示す。また、
10μmの基材厚のずれを補正している場合のレンズシ
フト特性を図7に示す。図7の横軸は、光軸の中心と対
物レンズの中心とのずれ(レンズシフト)を表している
(ここでは、40個の同心円状のセグメント電極の中心
と対物レンズの中心とのずれに相当する)。
【0054】光ヘッド50では、光学素子54に入射し
た光に平面波を球面波に変換する位相(パワー成分)を
与え、対物レンズとの組み合わせで球面収差を発生させ
て補正を行っている。したがって、補正すべき3次の球
面収差そのものを光学素子に入射する光に直接的に与え
る場合とは異なり、光ヘッド50では、図7に示すよう
にレンズシフトに非常に強くなる。
【0055】なお、光学素子54では、特開平10−3
60545号公報で述べられているように、光学素子上
に薄膜抵抗を形成して外部から印加される信号を分圧
し、この分圧された電圧をそれぞれのセグメント電極に
印加する方式を用いることができる。この方式によれ
ば、セグメント電極の数が40と多くても、外部から印
加される電圧は対向電極に印加される電圧を含めて3つ
にすることができる。
【0056】光学素子10を用いる場合には、複数のセ
グメント電極を用いて必要な位相を近似的に発生させ
る。一方、光学素子10aを用いることによって、必要
な位相をその形状通りに発生させることができる。光学
素子10aでは、位相変化層である液晶15が凸形にな
っているため、電圧印加電極を分割しなくても、連続的
に変化した位相を入射した光に与えることが可能であ
る。したがって、光学素子10aを用いることによって
パワー成分を忠実に再現することができる。この場合、
高次収差を発生させないので補正後の収差をほぼゼロに
することができる。光学素子10aを用いた場合におけ
る、基材厚と補正後の収差との関係について、図6に示
す。また、10μmの基材厚のずれを光学素子10aを
用いて補正した場合のレンズシフト特性を、図8に示
す。この場合も、セグメント電極で近似した補正と同様
にレンズシフト特性が非常に良好である。
【0057】以上説明したように、実施形態2の光ヘッ
ド50は、球面収差補正時のレンズシフト特性が良好で
ある。また、対物レンズと光学素子とを一体とせずに配
置することができるため、光ヘッド50によれば、基材
厚のずれが生じている光記録媒体に記録された信号を信
頼性良く読み出すことができる。また、光ヘッド50
は、さらなる薄型化が可能である。また、アクチュエー
タに光学素子を搭載しなくてよいので、アクチュエータ
のf特(感度)の低下を防止できるるとともに、配線が
簡易になって低コストに製造できる。さらに、2枚のレ
ンズを含み、これらのレンズの間隔を機械的に変化させ
てパワー成分を発生させる従来の光ヘッドとは異なり、
光ヘッド50ではパワー成分を電気的に発生させてい
る。このため、光ヘッド50は、小型化に適している。
また、光ヘッド50では、光学素子に入射する光の取り
込み効率が変化しないため、光のRIM強度が変化する
ことを防止できる。
【0058】(実施形態3)実施形態3では、本発明の
光学素子および光ヘッドについて他の一例を説明する。
実施形態3の光ヘッドは、偏光ホログラムと1/4波長
板とを含む偏光光学系を用いている点、および偏光光学
系に対応した光学素子を用いる点で、実施形態2の光ヘ
ッドとは異なる。なお、実施形態1および2で説明した
部分と同一の符号を付した部分については、特に説明の
ない限り、実施形態1および2で説明した部分と同様の
機能を有する。
【0059】実施形態3の光ヘッド90の構成を図9に
模式的に示す。図9を参照して、光ヘッド90は、光源
51、コリメータレンズ53、対物レンズ55、基材厚
センサ56、第1の光検出器58、第2の光検出器5
9、偏光ホログラム91、光学素子100および1/4
波長板93を含む。光学素子100は、光学素子駆動回
路57によって駆動される。
【0060】偏光ホログラム91は、偏光を分離する機
能を有する。偏光ホログラム91は、異常光線に対して
は作用せず(透過率がほぼ100%)、常光線に対して
は回折格子として作用する。偏光ホログラム91には、
特開平6−27322号公報に開示されているものを用
いることができる。このような偏光ホログラムは、複屈
折を有するニオブ酸リチウム基板の所定の一部をプロト
ン交換し、そのプロトン交換部をエッチングすることに
よって形成できる。
【0061】光学素子100は、液晶の屈折率を変化さ
せることによって収差補正を行う素子である。光学素子
100の詳細については後述する。
【0062】1/4波長板93は、たとえば水晶からな
る。1/4波長板93は、光源51から出射される直線
偏光を円偏光に変換すると共に、光記録媒体60の記録
層で反射された光を照射時とは異なる方向の直線偏光に
変換する非線形光学素子である。なお、1/4波長板の
代わりに、N/4波長板(Nは1以上の奇数)を用いて
もよい。
【0063】次に、光ヘッド90の動作について、図9
を参照しながら説明する。光源51から出射された直線
偏光(レーザビーム61)は、偏光ホログラム91をほ
ぼ100%の透過率で透過してコリメータレンズ53に
入射し、コリメータレンズ53によよって平行光にされ
る。この平行光は、光学素子100に入射する。
【0064】ここで、光記録媒体60の基材厚が設計値
からずれている場合には、そのずれ量に応じた信号を基
材厚センサ56は出力し、その信号は光学素子駆動回路
57に入力される。光学素子駆動回路57は、入力され
た信号に基づいて、光記録媒体60の基材厚がずれたと
きに生じる波面収差を補正するために必要な信号を光学
素子100に出力する。光学素子100に入射した光に
は、光学素子駆動回路57により出力された信号に基づ
いて、波面収差が与えられる。具体的には、基材厚のず
れの方向に応じて、平行光を発散光に変換する位相(パ
ワー成分)、または平行光を収束光に変換する位相を与
えるような波面収差が与えられる。
【0065】次に、光学素子100を透過した光は1/
4波長板93に入射され、直線偏光から円偏光に変換さ
れる。この円偏光は、平行ではない状態で対物レンズ5
5に入射するために対物レンズ55において球面収差が
生じ、この球面収差で光記録媒体60の基材厚がずれて
いることにより発生する球面収差を補正する。従って、
光記録媒体60上では収差のない、すなわち回折限界ま
で絞られた光スポットが形成される。
【0066】光記録媒体60に入射した光は、光記録媒
体60によって反射され、光記録媒体60の基材厚がず
れたときに生じる波面収差を有する光になる。この光
は、対物レンズ55を透過して1/4波長板93に入射
される。1/4波長板93に入射された光は、円偏光か
ら直線偏光に変換される。この直線偏光は、光源51か
ら出射される直線偏光に対して偏光方向が直交してい
る。球面収差を有するこの直線偏光は、本発明の光学素
子100に入射され、往路と同じパワー成分を与えられ
ることによって球面収差が補正される。
【0067】光学素子100を透過した直線偏光は、偏
光ホログラム91によりほぼ100%回折され、回折の
+1次光は第1の光検出器58に入射され、回折の−1
次光は第2の光検出器59に入射される。第1の光検出
器58は、光記録媒体60上における光の合焦状態を示
すフォーカス誤差信号を出力し、また光の照射位置を示
すトラッキング誤差信号を出力する。第2の光検出器5
9は、光記録媒体60に記録された情報についての信号
を出力する。
【0068】第1の光検出器58から出力されたフォー
カス誤差信号は、図示していないフォーカス制御回路に
入力される。フォーカス制御回路は、フォーカス誤差信
号に基づき、光が合焦状態で光記録媒体60上に集光さ
れるように対物レンズ55の位置をその光軸方向に制御
する。また、トラッキング誤差信号は、図示していない
トラッキング制御回路に入力される。トラッキング制御
回路は、トラッキング誤差信号に基づき、光記録媒体6
0上の所望のトラックに光が集光されるように対物レン
ズ55の位置を制御する。対物レンズ55の位置は、ア
クチュエータ62を用いて制御される。
【0069】光ヘッド90では、偏光光学系を用いてい
るために光源51から出射される光の利用効率が高く、
書き換え可能な光記録媒体の記録/再生を容易にでき
る。
【0070】次に、本発明の光学素子100について述
べる。液晶は1軸性複屈折材料であるため、液晶のラビ
ング方向と入射する光の偏光方向とが平行であるときの
み入射した光に位相変化を与えることができる。そこ
で、偏光光学系のように往路と復路で偏光方向が直交し
ている場合には、実施形態1の光学素子では復路におい
て位相変化を与えることができない。入射された光をデ
フォーカスする光学素子と対物レンズとの組み合わせで
補正を行う本発明の光ヘッドでは、復路において往路と
同じ位相変化が与えられないとなると、光検出器におい
てデフォーカスするという問題がある。そこで、復路の
偏光に対しても同じ位相変化を与えるために、実施形態
3の光ヘッドでは、偏光光学系に対応した光学素子を用
いる必要がある。
【0071】以下に、光学素子100について説明す
る。光学素子100の断面図を図10に模式的に示す。
光学素子100は、第1の基板101、第2の基板10
2、第3の基板103、第1の電圧印加電極104、第
2の電圧印加電極105、第1の対向電極106、第2
の対向電極107、第1の透光性樹脂膜108、第2の
透光性樹脂膜109、第3の透光性樹脂膜110、第4
の透光性樹脂膜111、第1の液晶112、第2の液晶
113、第1の封止樹脂114および第2の封止樹脂1
15を含む。
【0072】第1、第2および第3の基板101、10
2および103は、お互いに略平行に配置されている。
これらの基板は、透光性であり、たとえばガラスからな
る。
【0073】第1の電圧印加電極104は、第1の基板
101と第1の液晶112との間に配置される。第1の
電圧印加電極104は、第1の液晶112に所望の電圧
を印加するための電極である。第1の電圧印加電極10
4は、第1の基板101の内側(液晶112側)の主面
上に形成されている。
【0074】第2の電圧印加電極105は、第3の基板
103と第2の液晶113との間に配置される。第2の
電圧印加電極105は、第2の液晶113に所望の電圧
を印加するための電極である。第2の電圧印加電極10
5は、第3の基板103の内側(液晶113側)の主面
上に形成されている。
【0075】第1および第2の電圧印加電極104およ
び105は、図2に示すように、複数のセグメント電極
を含む。なお、図3に示すように、電圧印加電極または
対向電極が曲面に形成される場合には、連続的に形成さ
れる。
【0076】第1の対向電極106は、第1の電圧印加
電極104と略平行に配置される。第1の対向電極10
6は、第1の電圧印加電極104とともに、第1の液晶
112に所望の電圧を印加するための電極である。第1
の対向電極106は、第2の基板102の第1の液晶1
12側の主面のうち、少なくともセグメント電極に対向
する部分に略均一に形成される。
【0077】第2の対向電極107は、第2の電圧印加
電極105と略平行に配置される。第2の対向電極10
7は、第2の電圧印加電極105とともに、第2の液晶
113に所望の電圧を印加するための電極である。第2
の対向電極107は、第2の基板102の第2の液晶1
13側の主面のうち、少なくともセグメント電極に対向
する部分に略均一に形成される。
【0078】第1および第2の透光性樹脂膜108およ
び109は、それぞれ、第1の電圧印加電極104およ
び第1の対向電極106を覆うように形成される。第1
および第2の透光性樹脂膜108および109は、第1
の液晶112を所定の方向に配向させるための配向膜で
あり、たとえばポリビニルアルコール膜からなる。第1
の透光性樹脂膜108または第2の透光性樹脂膜109
をラビング処理することによって、第1の液晶112を
所定の方向に配向させることができる。
【0079】第3および第4の透光性樹脂膜110およ
び111は、それぞれ、第2の電圧印加電極105およ
び第2の対向電極107を覆うように形成される。第3
および第4の透光性樹脂膜110および111は、第2
の液晶113を配向させるための配向膜であり、たとえ
ばポリビニルアルコール膜からなる。第3の透光性樹脂
膜110または第4の透光性樹脂膜111をラビング処
理することによって、第2の液晶113を所定の方向に
配向させることができる。第1の液晶112の配向方向
と、第2の液晶113の配向方向とは直交している。
【0080】第1の液晶112は、第1および第2の透
光性樹脂膜108および109の間(第1の電圧印加電
極104と第1の対向電極106との間)に配置され
る。第1の液晶112は、入射した光の位相を変化させ
る位相変化層として機能する。第1の液晶112には、
たとえばネマチック液晶を用いることができる。第1の
電圧印加電極104と第1の対向電極106との間の電
圧を変化させることによって第1の液晶112の屈折率
を変化させることができ、これによって入射した光の位
相を変化させることができる。
【0081】第2の液晶113は、第3および第4の透
光性樹脂膜110および111の間(第2の電圧印加電
極105と第2の対向電極107との間)に配置され
る。第2の液晶113は、入射した光の位相を変化させ
る位相変化層として機能する。第2の液晶113には、
たとえばネマチック液晶を用いることができる。第2の
電圧印加電極105と第2の対向電極107との間の電
圧を変化させることによって第2の液晶113の屈折率
を変化させることができ、これによって入射した光の位
相を変化させることができる。
【0082】第1の封止樹脂114は、第1の液晶11
2を封止するためのものであり、第1の液晶112を囲
むように第1および第2の透光性樹脂膜108および1
09の間に配置される。第2の封止樹脂115は、第2
の液晶113を封止するためのものであり、第2の液晶
113を囲むように第3および第4の透光性樹脂膜11
0および111の間に配置される。第1および第2の封
止樹脂114および115には、たとえばエポキシ樹脂
を用いることができる。
【0083】次に、光学素子100の動作について説明
する。第1および第2の電圧印加電極104および10
5のセグメント電極には、外部から制御電圧が印加され
る。このとき、第1の液晶112の配向方向と第2の液
晶113の配向方向とが直交しているため、往路におけ
る直線偏光は、第1の液晶112の屈折率変化のみに影
響を受け、第1の液晶112によってパワー成分の位相
が与えられる。すなわち、光学素子100に入射した平
面波は球面波に変換される。
【0084】一方、光記録媒体60によって反射された
光は、往路の直線偏光に対して直交した直線偏光にな
る。このため、復路における光は、第2の液晶113の
影響のみを受け、第2の液晶113によってパワー成分
の位相が与えられる。ここで、第1および第2の電圧印
加電極104および105のパターンおよび印加される
電圧が同一の場合には、往路と復路とで同じ位相が与え
られるので、光学素子100に入射された球面波を平面
波に変換することができる。
【0085】以上説明したように、配向方向が異なる2
つの液晶層を用いることによって、偏光光学系において
も球面収差の補正ができる。光学素子100を用いて補
正を行うことによって、実施形態2で述べたように、良
好なレンズシフト特性が得られる。
【0086】なお、実施形態3では、光学素子が2つの
液晶層を備える場合について説明したが、実施形態1で
説明した光学素子を、液晶の配向方向が直交するように
配置して用いてもよい。
【0087】(実施形態4)実施形態4では、本発明の
光記録再生装置について一例を説明する。実施形態4の
光記録再生装置は、光記録媒体に対して、信号の記録ま
たは再生を行う装置であり、信号の記録および再生を行
ってもよい。
【0088】実施形態4の光記録再生装置116の構成
を、図11に模式的に示す。図11を参照して、光記録
再生装置116は、光ヘッド50と、光学素子駆動回路
57と、モータ117と、処理回路118とを備える。
【0089】光ヘッド50は、実施形態2で説明したも
のであり、本発明の光学素子を含む。なお、光ヘッド5
0の代わりに、光ヘッド90を用いてもよい。これらの
光ヘッドについては、重複する説明を省略する。
【0090】実施形態4の光記録再生装置では、光源と
して、波長が390nm〜420nmの範囲内のレーザ
ビームを出射する半導体レーザ素子を用いる。また、対
物レンズとして、開口数が0.7から0.9の範囲内の
対物レンズを用いる。
【0091】次に、光記録再生装置116の動作につい
て説明する。まず、光記録再生装置116に光記録媒体
60がセットされると、処理回路118はモータ117
を回転させる信号を出力し、モータ117を回転させ
る。次に、処理回路118は、光源51を駆動して光を
出射させる。光源51から出射された光は、光記録媒体
60で反射され、第1および第2の光検出器58および
59に入射する。
【0092】第1の光検出器58は、光記録媒体60上
における光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号と、光
の照射位置を示すトラッキング誤差信号とを処理回路1
18に出力する。これらの信号に基づき、処理回路11
8は、アクチュエータ62を制御する信号を出力し、こ
れによって光源51から出射された光を光記録媒体60
上の所望のトラック上に集光させる。また、処理回路1
18は、第2の光検出器59から出力される信号に基づ
いて、光記録媒体60に記録されている情報を再生す
る。
【0093】次に、光記録媒体60の基材厚が設計値と
は異なるときの制御について説明する。光記録再生装置
116では、光記録媒体60の基材厚が設計値通りであ
る場合に、球面収差の補正が不要なように光ヘッドが構
成されている。そのため、基材厚が設計値からずれた場
合には、球面収差の補正が必要となる。
【0094】光記録媒体60の基材厚がずれている場合
には、光記録媒体60の基材厚のずれに応じた信号が基
材厚センサ56によって処理回路118に出力される。
処理回路118は、入力された信号に応じて光学素子駆
動回路57を制御し、これによって、光記録媒体60の
基材厚のずれによって生じる球面収差を補正するために
必要な制御信号が、光学素子駆動回路57から光学素子
54に出力される。そして、光学素子54によって球面
収差の補正がなされる(詳細については、実施形態1お
よび2参照)。このようにして、光記録媒体60の基材
厚が設計値からずれても、光記録媒体60に記録された
情報信号は、正しく再生される。
【0095】なお、実施形態4では、基材厚センサを用
いて基材厚のずれを検出する装置について示したが本発
明の光記録再生装置は、基材厚センサを用いる装置に限
定されない。たとえば、光記録媒体60をモータにセッ
トしたときに基材厚のずれを学習し、学習した基材厚の
ずれをもとに球面収差の補正を行う光記録再生装置であ
ってもよい。
【0096】(実施形態5)実施形態5では、本発明の
光記録再生装置の他の一例、およびそれを用いた光記録
再生方法を説明する。実施形態5の光記録再生装置およ
び方法は、記録層を1つだけ含む第1の光記録媒体およ
び複数の記録層を含む第2の光記録媒体に対して信号の
記録または再生を行う。
【0097】実施形態5の光記録再生装置は、光源と、
光記録媒体と光源との間に配置された球面収差補正手段
とを含む。具体的には、本発明の光ヘッドを含む光記録
再生装置を用いることができる。この場合、本発明の光
学素子および対物レンズが球面収差補正手段として機能
する。実施形態5の光記録再生装置では、光源として、
波長が390nm〜420nmの範囲内のレーザービー
ムを出射する半導体レーザー素子を用いる。また、対物
レンズとして、開口数が0.7から0.9の範囲内の対
物レンズを用いる。
【0098】以下、実施形態5の光記録再生装置とし
て、実施形態4で説明した光記録再生装置116を用い
た場合について説明する。
【0099】光記録再生装置116で記録または再生さ
れる第1の光記録媒体121および第2の光記録媒体1
22の基材厚について、図12(a)に模式的に示す。
光記録媒体121は、記録層として記録層Aのみを含
む。光記録媒体122は、記録層として記録層Bおよび
Cを含む。なお、光記録媒体122は、2つ以上の記録
層を含んでもよい。
【0100】記録層Aについての基材厚(表面121s
から記録層Aまでの距離)は、図12(a)のaで表さ
れる。記録層BおよびCについての基材厚(表面121
sから記録層BおよびCまでの距離)は、それぞれ、図
12(a)のbおよびcで表される。実施形態5の光記
録再生装置においては、第2の光記録媒体122の基材
厚の1つ(bまたはc)が基材厚aに等しい。図12
(a)では、基材厚aと基材厚bとが等しい場合を示し
ている。これらの基材厚は、基板と、基板と記録層との
間に形成される層(たとえば、紫外線硬化性樹脂)との
合計の厚さである。記録層は、たとえば、結晶相と非晶
質相との間で相変化を起こすことによって屈折率が変化
する相変化材料からなる。
【0101】なお、基材厚が基材厚aに等しい記録層B
には、第2の光記録媒体122の管理情報が記録されて
いることが好ましい。この構成によれば、球面収差補正
手段を初期状態にしたまま光記録媒体122の管理情報
を再生できる。
【0102】実施形態5の光記録再生装置では、光ヘッ
ド50が、第1の光記録媒体121の基材厚aにあわせ
て設計される。すなわち、光ヘッド50は、第1の光記
録媒体121の基材厚aのずれに対しては球面収差の補
正を行わずにに再生できるマージンを有するように設計
される。このような場合、第2の光記録媒体122の基
材厚のずれに対しては、球面収差の補正が必要となる。
【0103】以下に、実施形態5における光記録再生装
置116の動作について説明する。まず、光記録媒体1
21または122がモータ117上にセットされると、
処理回路118はモータ117を回転させる。次に、処
理回路118は、記録または再生を行う前の初期状態に
おいて、セットされた光記録媒体が光記録媒体121で
あるか122であるかを判断することなく、基材厚aの
球面収差を補正するように球面収差補正手段を駆動させ
る。具体的には、本発明の光学素子に外部から電圧を与
えない状態にしておく。
【0104】次に、フォーカス制御手段によって、フォ
ーカス制御を行う。フォーカス制御手段は、アクチュエ
ータ62と処理回路118とによって構成される。
【0105】以下にフォーカス制御の方法について説明
する。まず、光源51を駆動して光を出射させ、光記録
媒体60で反射された光を第1の光検出器58で検出す
る。第1の光検出器58は、光記録媒体60上における
光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号と、光の照射位
置を示すトラッキング誤差信号とを処理回路118に出
力する。これらの信号に基づき、処理回路118は対物
レンズ55を制御する信号を出力し、これによって光源
51から出射された光を光記録媒体60上の所望のトラ
ック上に集光させる。また、処理回路118は、第2の
光検出器59から出力される信号に基づいて、光記録媒
体60に記録されている情報を再生する。
【0106】一方、第2の光記録媒体122の記録層C
について記録または再生を行う場合には、記録層Cの球
面収差を補正するように球面収差補正手段を駆動する。
具体的には、記録層Bから記録層Cに焦点を移動させる
信号を処理回路118が出力するとほぼ同時に、処理回
路118は基材厚のずれを補正する信号を出力するよう
に光学素子駆動回路57を駆動する。この構成によれ
ば、記録または再生する記録層を変更した場合にも信号
が良好に記録または再生される。
【0107】以上のように、実施形態5の光記録再生装
置では、記録または再生の前に、記録層Aの球面収差を
補正するように球面収差補正手段を駆動する第1のステ
ップを含む光記録再生方法によって信号の記録または再
生を行う。この光記録再生方法では、記録層Cに信号の
記録または再生を行う場合に、第1のステップののち
に、記録層Cの球面収差を補正するように球面収差補正
手段を駆動する第2のステップを含む。すなわち、実施
形態5の光記録再生装置は、上記光記録再生方法を実施
するためのプログラムを処理回路118に格納してい
る。
【0108】実施形態5の光記録再生装置および方法で
は、光記録媒体の記録層が1つであるか複数であるかを
判断することなく球面収差の補正ができるため、記録ま
たは再生までの時間を短縮できる。なお、光記録媒体の
記録層が1つのみであるか複数であるかが既知の状態で
あっても、球面収差補正手段を基材厚aにあわせた状態
にしてフォーカス制御を開始する。この場合でも、球面
収差補正手段が初期の状態になっているのでフォーカス
制御までの時間が早くなる。
【0109】波長を短くしNAを大きくして高密度化を
達成する場合には、球面収差に対するマージンが小さく
なる。そこで、記録層の基材厚が異なる場合には、各記
録層毎に球面収差の補正をすることが必要になる。この
ような場合に、記録層A、BおよびCの基材厚がそれぞ
れ異なっていると仮定すると、記録層Aについては球面
収差の補正が必要ないが、記録層BおよびCについては
球面収差の補正が必要となる。これに対し、上述したよ
うに、記録層Aの基材厚と記録層Bの基材厚とを等しく
することによって、記録層Cの場合にのみ球面収差の補
正を行えばよいことになる。このため、実施形態5の光
記録再生装置では、球面収差の補正を行うための回路を
簡略化できる。また、記録層の基材厚を学習する場合で
も、1つの層の基材厚は既知であるため、学習時間を短
縮できる。
【0110】また、実施形態5の光記録再生装置では、
本発明の光学素子を用いることによって、光記録媒体に
記録された情報信号を信頼性良く再生できる光記録再生
装置が得られる。また、本発明の光学素子を用いること
によって光記録媒体60の基材厚のずれに対する許容度
が大きくなるため、製造が安価かつ容易な光記録再生装
置が得られる。
【0111】(実施形態6)実施形態6では、本発明の
光記録再生装置の他の一例、およびそれを用いた光記録
再生方法について説明する。実施形態6の光記録再生装
置および方法は、記録層を1つだけ含む第1の光記録媒
体および複数の記録層を含む第2の光記録媒体に対して
信号の記録または再生を行う。
【0112】実施形態6の光記録再生装置は、光源と、
光記録媒体と光源との間に配置された球面収差補正手段
と、フォーカス誤差検出手段と、フォーカス制御手段と
を含む。具体的には、本発明の光ヘッドを含む光記録再
生装置を用いることができる。
【0113】以下、実施形態6の光記録再生装置とし
て、実施形態4で説明した光記録再生装置116を用い
る場合について説明する。この場合、本発明の光学素子
54および対物レンズ55が球面収差補正手段として機
能し、第1の光検出器58がフォーカス誤差検出手段と
して機能し、アクチュエータ62および処理回路118
がフォーカス制御手段として機能する。実施形態6の光
記録再生装置では、光源として、波長が390nm〜4
20nmの範囲内のレーザービームを出射する半導体レ
ーザー素子を用いる。また、対物レンズとして、開口数
が0.7から0.9の範囲内の対物レンズを用いる。
【0114】実施形態6では、光記録再生装置116で
記録または再生される第1の光記録媒体および第2の光
記録媒体の基材厚はお互いに異なる。第1の光記録媒体
の記録層の基材厚をaとし、第2の光記録媒体の記録層
の基材厚をbおよびcと仮定した場合、a、bおよびc
はそれぞれ異なる(図12(b)参照)。
【0115】実施形態6の光記録再生装置では、光記録
媒体に信号の記録または再生を行う前の初期状態におい
て、第1の光記録媒体に含まれる記録層の球面収差を補
正するように球面収差補正手段を駆動する。その後、フ
ォーカス誤差検出手段でフォーカス誤差を検出し、検出
されたフォーカス誤差に基づいてフォーカス制御手段で
フォーカス制御を行う。信号の記録または再生はフォー
カス制御ののちに行われる。なお、球面収差の補正の方
法、フォーカス誤差の検出方法、およびフォーカス制御
の方法については、上記実施形態で説明した方法を用い
ることができる。
【0116】以上のように、実施形態6の光記録再生装
置では、記録または再生の前に、第1の光記録媒体に含
まれる記録層の球面収差を補正するように球面収差補正
手段を駆動する第1のステップを含む光記録再生方法に
よって信号の記録または再生を行う。この光記録再生方
法は、第1のステップののちに、フォーカス誤差検出手
段でフォーカス誤差を検出する第2のステップと、検出
されたフォーカス誤差信号に基づいてフォーカス制御手
段でフォーカス制御を行う第3のステップとを含む。信
号の記録または再生は、この第3のステップののちに行
われる。ここで、セットされた光記録媒体が複数の記録
層を含む第2の光記録媒体である場合には、上記したス
テップの終了後、基材厚センサーで得られる基材厚誤差
信号に基づいて球面収差補正手段が駆動され、その後、
記録または再生が行われる。実施形態6の光記録再生装
置は、この光記録再生方法を実施するためのプログラム
を処理回路118に格納する。
【0117】実施形態6の光記録再生装置および光記録
再生方法では、光記録再生装置にセットされた光記録媒
体が、第1の光記録媒体であるか第2の光記録媒体であ
るかに拘わらず(すなわち、セットされた光記録媒体が
第1の光記録媒体であるか第2の光記録媒体であるかと
いうことが既知であるか未知であるかに拘わらず)、第
1の光記録媒体の記録層の基材厚にあわせて球面収差補
正手段を駆動し、フォーカス制御を行う。この構成によ
れば、記録または再生される光記録媒体が、記録層を1
つだけ含む光記録媒体であるか、複数の記録層を含む光
記録媒体であるかを判別せずにフォーカス制御が行われ
るため、フォーカス制御までの時間を短くできる。
【0118】なお、記録または再生の対象となる光記録
媒体が、第1の光記録媒体であるか第2の光記録媒体で
あるかが既知である場合には、まず、対象となる記録層
の標準的な基材厚における球面収差を補正するように球
面収差補正手段を駆動してもよい。そして、その後、フ
ォーカス誤差検出手段でフォーカス誤差を検出し、検出
されたフォーカス誤差に基づいてフォーカス制御手段で
フォーカス制御を行ってもよい。記録または再生は、フ
ォーカス制御ののちに行われる。この方法では、フォー
カス制御を行う前に,標準的な基材厚における球面収差
を補正するように球面収差補正手段を駆動している。こ
のため、標準的な基材厚と実際の基材厚とのずれを基材
厚センサで検出し、そのずれに基づいて球面収差を完全
に補正してから記録または再生を行うことができる。す
なわち、実施形態6では、記録または再生の対象となる
光記録媒体が第1の光記録媒体であるか第2の光記録媒
体であるかの情報を取得する第1のステップを含む光記
録再生方法によって記録または再生を行う。この方法
は、取得した情報に基づいて記録または再生の対象とな
る記録層の標準的な基材厚における球面収差を補正する
ように球面収差補正手段を駆動させる第2のステップ
と、フォーカス誤差検出手段でフォーカス誤差を検出す
る第3のステップと、検出されたフォーカス誤差に基づ
いてフォーカス制御手段でフォーカス制御を行う第4の
ステップとを含む。記録または再生は、フォーカス制御
ののちに行われる。この場合には、処理回路118は、
上記4つのステップを含むプログラムを格納する。
【0119】第1のステップにおいて、記録または再生
の対象となる光記録媒体が記録層を1つだけを含む第1
の光記録媒体であるか、複数の記録層を含む第2の光記
録媒体であるかの情報の取得は以下のように行われる。
フォーカス誤差を示すフォーカス誤差信号は記録層に対
応して検出される。すなわち、記録層が2つあればフォ
ーカス誤差信号が2つ検出される。そこで、この検出さ
れる信号の数を検出する回路を構成すれば光記録媒体に
含まれる記録層がいくつであるかの情報を取得できる。
【0120】記録または再生の対象となる光記録媒体が
記録層を1つだけ含む光記録媒体であるか、複数の記録
層を含む光記録媒体であるかの情報を最初に取得する上
記の方法によれば、記録層に応じた標準的な基材厚に対
応する球面収差補正を行ってからフォーカス制御を行う
ので安定したフォーカス制御が可能となる。
【0121】なお、上記実施形態では、光ヘッド50を
含む光記録再生装置を用いる場合について説明したが、
光ヘッド90を用いてもよい。
【0122】また、上記実施形態では、コリメータレン
ズと対物レンズとの間(平行光系)に本発明の光学素子
を配置する場合について説明したが、光源とコリメータ
レンズとの間(発散光系)に配置してもよい。
【0123】また、上記実施形態では無限系の光ヘッド
について説明したが、本発明の光ヘッドは、コリメータ
レンズを用いない有限系の光ヘッドであってもよい。
【0124】また、上記実施形態2および3では、セン
サを用いて基材厚のずれを検出する場合について説明し
たが、あらかじめ学習した基材厚のずれを用いて球面収
差の補正を行ってもよい。
【0125】また、上記実施形態では、光記録媒体から
の反射光を光源からの光路と分離するために回折格子を
用いる場合について説明したが、回折格子の代わりに他
の光学素子(たとえばハーフミラー)を用いてもよい。
【0126】また、上記実施形態では、光のみによって
情報を記録する光記録媒体について説明したが、光およ
び磁気によって情報を記録する光記録媒体についても、
本発明を適用できる。また、本発明は、ディスク状の光
記録媒体に限らず、カード状の光記録媒体などにも適用
できる。
【0127】また、上記実施形態では、透過する光に対
して位相を変化させる光学素子について説明したが、入
射した光を反射する際に位相を変化させる光学素子であ
ってもよい。たとえば、圧電材料からなる位相変化層を
用い、位相変化層をひずませることによって反射光の位
相を変化させる光学素子を用いてもよい。詳細に述べる
と、ガラス基板上に全反射ミラーが形成されており、そ
の裏面に圧電材料が設けられており、外部からの電圧に
応じて圧電材料がふくらまされる。たとえば、圧電材料
のうち、全反射ミラーの中央部に設けられた領域のみを
ふくらませることによって、全反射ミラーが球面のよう
になり、レンズ作用を持つようになる。したがって、入
射された平行光を発散光に変換することができるので球
面収差を補正することが可能となる。
【0128】また、上記光記録再生装置および光記録再
生方法では、球面収差補正手段として本発明の光学素子
と対物レンズとを用いる場合について説明したが、他の
球面収差補正手段を用いてもよい。たとえば、球面収差
補正手段として、光軸に沿って配置された2枚のレンズ
を用いてもよい。これらの2枚のレンズを光軸方向に動
かして球面収差の補正を行うことができる。
【0129】また、上記光記録再生装置および光記録再
生方法では、フォーカス誤差検出手段として光検出器を
用いる場合について説明したが、他のフォーカス誤差検
出手段を用いてもよい。
【0130】また、上記光記録再生装置および光記録再
生方法では、フォーカス制御手段として処理回路とアク
チュエータとを用いる場合について説明したが、他のフ
ォーカス制御手段を用いてもよい。
【0131】また、上記実施形態では、光源として半導
体レーザを用いる場合について説明したが、光源とし
て、第2高調波を発生するSHG光源を用いてもよい。
【0132】また、上記実施形態では、光記録媒体とし
て相変化型の光記録媒体を用いて説明したが、光磁気記
録媒体など、他の光記録媒体を用いてもよい。
【0133】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づく他の実施形態に適用する
ことができる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学素子
によれば、対物レンズが移動しても補正効果が劣化しな
い光ヘッドを構成できる。そのため、本発明の光学素子
を用いた光ヘッド、第1の光記録再生装置、または第1
の光記録再生方法によれば、信頼性よく信号の記録また
は再生を行うことができる。
【0135】また、本発明の第2、第3、第4の光記録
再生装置、または本発明の第2、第3の光記録再生方法
によれば、記録または再生までの時間を短縮化でき、ま
た装置を簡略化できる。
【0136】また、本発明の光記録媒体は、本発明の光
記録再生方法または光記録再生装置によって記録または
再生が行われる記録媒体として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学素子について一例を示す断面図
である。
【図2】 本発明の光学素子ついて電圧印加電極の一例
を示す平面図である。
【図3】 本発明の光学素子について他の一例を示す断
面図である。
【図4】 光軸中心からの距離と球面収差を補正するた
めに必要な位相との関係について一例を示す図である。
【図5】 本発明の光ヘッドについて一例の構成を模式
的に示す図である。
【図6】 基材厚と収差との関係について一例を示すグ
ラフである。
【図7】 レンズシフトと収差との関係について一例を
示すグラフである。
【図8】 レンズシフトと収差との関係について他の一
例を示すグラフである。
【図9】 本発明の光ヘッドについて他の一例の構成を
模式的に示す図である。
【図10】 本発明の光学素子について他の一例を示す
断面図である。
【図11】 本発明の光記録再生装置について一例の構
成を模式的に示す図である。
【図12】 本発明の光記録再生装置で記録または再生
される第1の光記録媒体と第2の光記録媒体とについて
基材厚の(a)一例および(b)他の一例を示す模式図
である。
【図13】 従来の光ヘッドについて一例の構成を模式
的に示す図である。
【図14】 従来の光学素子に用いられる液晶パネルの
電極について一例を示す平面図である。
【図15】 基材厚が設計値からずれた場合の波面収差
の分布について一例を示す図である。
【図16】 基材厚が設計値からずれた場合のレンズシ
フトと収差との関係について一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10、10a、54、100 光学素子 11、101 第1の基板 12、102 第2の基板 13、104、105 電圧印加電極 13a〜g セグメント電極 14、16 透光性樹脂膜 15、112、113 液晶 17、106、107 対向電極 50、90 光ヘッド 51 光源 52 回折格子 53 コリメータレンズ 55 対物レンズ 56 基材厚センサ 57 光学素子駆動回路 58 第1の光検出器 59 第2の光検出器 60 光記録媒体 61 レーザビーム 62 アクチュエータ 91 偏光ホログラム 93 1/4波長板 103 第3の基板 116 光記録再生装置 117 モータ 118 処理回路 121 第1の基板 121s、122s 表面 122 第2の基板 A、B、C 記録層 a、b、c 基材厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 大輔 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西野 清治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山本 博昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 門脇 慎一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 金馬 慶明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB13 JB50 KB14 5D119 AA09 AA21 BA01 BB04 EC01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報が記録される記録層を有する第1の
    光記録媒体と、情報が記録される記録層を2つ以上有す
    る第2の光記録媒体において、 前記第1の光記録媒体の表面から前記第1の光記録媒体
    に含まれる記録層Aまでの距離と、前記第2の光記録媒
    体の表面から前記第2の光記録媒体に含まれる記録層の
    うちの1つの記録層Bまでの距離とが略等しいことを特
    徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記記録層Aおよび前記記録層Bのそれ
    ぞれに、光記録媒体を管理する情報が記録されている請
    求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第2の光記録媒体に含まれる記録層
    の数が2つである請求項1または2に記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記第1の光記録媒体の表面から前記記
    録層Aまでの距離、および、前記第2の光記録媒体の表
    面から前記記録層Bまでの距離が、それぞれ略100μ
    mである請求項1ないし3のいずれかに記載の光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 第1の記録層と第2の記録層とを有する
    光記録媒体において、 光記録媒体の表面から前記第1の記録層までの距離が略
    100μmであり、 光記録媒体の表面から前記第2の記録層までの距離が1
    00μmよりも大きいことを特徴とする光記録媒体。
  6. 【請求項6】 第1の記録層と第2の記録層とを有する
    光記録媒体において、 光記録媒体の表面から前記第1の記録層までの距離が略
    100μmであり、 光記録媒体の表面から前記第2の記録層までの距離が1
    00μmよりも小さいことを特徴とする光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記第1の記録層に光記録媒体を管理す
    る情報が記録されている請求項5または6に記載の光記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 光記録再生装置においてレーザビームを
    照射することによって信号の記録または再生が行われる
    記録層を2つ以上備える光記録媒体であって、 前記レーザビームが照射される側の表面から前記記録層
    のうちの1つの記録層Xまでの距離が、光記録再生装置
    において信号の記録または再生を行う前の初期状態から
    球面収差の補正を行わずに再生することができるように
    設定された所定の距離であり、 前記光記録再生装置は、1つの記録層を含む第1の光記
    録媒体と複数の記録層を含む第2の光記録媒体とに対し
    て信号の記録または再生を行う光記録再生装置であっ
    て、且つ、セットされた光記録媒体に信号の記録または
    再生を行う光ヘッドを備え、 前記光ヘッドは光源と、前記セットされた光記録媒体と
    前記光源との間に配置された球面収差補正手段とを含
    み、 前記第1の光記録媒体の表面から前記第1の光記録媒体
    に含まれる1つの記録層Aまでの距離と、前記第2の光
    記録媒体の表面から前記第2の光記録媒体に含まれる1
    つの記録層Bまでの距離とが略等しく、 前記光記録再生装置は、前記セットされた光記録媒体に
    信号の記録または再生を行う前の初期状態において、前
    記記録層Aに対して球面収差を補正するように前記球面
    収差補正手段が駆動され、 前記第1の光記録媒体の表面から前記記録層Aまでの距
    離と前記所定の距離とが略等しいことを特徴とする光記
    録媒体。
  9. 【請求項9】 前記記録層Xに管理情報が記録されてい
    る請求項8に記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記所定の距離が略0.1mmである
    請求項8または9に記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記第2の光記録媒体は前記記録層X
    とは異なる他の記録層を備え、 前記他の記録層が前記記録層Xよりも前記レーザビーム
    が入射する側に配置されている請求項8ないし10のい
    ずれかに記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記第2の光記録媒体は前記記録層X
    とは異なる他の記録層を備え、 前記記録層Xが前記他の記録層よりも前記レーザビーム
    が入射する側に配置されている請求項8ないし10のい
    ずれかに記載の光記録媒体。
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