JP3868119B2 - 収差補正装置、非点収差測定方法及び光ピックアップ - Google Patents

収差補正装置、非点収差測定方法及び光ピックアップ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD、DVDなどの情報記録媒体に光ビームを照射して記録情報を再生又は記録するための情報再生装置又は情報記録装置において、光ピックアップの光学系に起因する非点収差を補正する収差補正装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、DVD等の光ディスクの再生等を行うために用いられる光ピックアップにおいて、種々の要因により発生する波面収差の影響を受けて性能が劣化することが問題となっている。例えば、光ディスクのチルト角に起因するコマ収差や、再生する光ディスクの基板の厚さの違いに起因する球面収差などがある。これらの波面収差を補正するため、光ピックアップの光路中に液晶素子を配置して液晶に電圧を印加する方法が提案されている。これにより、液晶の屈折率を変化させ、通過する光ビームに位相差を与えて各種の波面収差を打ち消すことにより、波面収差を補正するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ディスクを再生する際に生じる波面収差には、上述したコマ収差や球面収差に加えて、光学系に起因する非点収差も存在する。この非点収差は、光学部品の精度、組立誤差、光軸のずれや傾き等で発生するものであると共に、同一の光学系を有する光ピックアップ内であっても、それぞれの非点収差の方向や大きさが異なるという特性がある。そのため、非点収差を減少させるためには、光ピックアップに用いる光学部品の精度を向上させるか、あるいは組立後に的確な調整を行う必要があり、コスト上昇につながることが問題であった。
【0004】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、簡単な構成で方向や大きさの異なる非点収差を効果的に補正し得る収差補正装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の収差補正装置は、光源から出射され、対物レンズを介して記録媒体に照射される光ビームに位相差を付与することにより収差を補正する収差補正装置であって、前記収差補正装置は中心部と外周部に分割された電極を少なくとも有し、前記中心部は単一電極から成り、前記外周部は略中心対象に複数分割された電極からなり、前記電極には、前記非点収差の大きさに対応して変化する電圧が印加され、前記外周部の電極は、前記非点収差の方向性に対応した略同一電圧が印加される略中心対象な組み合わせパターンに切り替えられることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、光源から出射された光ビームは、収差補正装置の複数に分割された通過領域に達し、それぞれの分割領域から位相差を付与される。このとき、各分割領域の電極には、光学系に起因する非点収差を補正するような電圧が加えられ、対物レンズを介して記録媒体に補正後の光ビームが照射される。よって、光ピックアップに様々な方向性の非点収差がある場合でも、この方向に対応する分割領域が設けられ、各電極への印加電圧を容易に可変することができるので、光学部品にきわめて高い精度を要求する必要はなく、組み立て後の調整等も行うことなく、光ピックアップの非点収差が良好に補正される。
【0007】
請求項2に記載の収差補正装置は、請求項1に記載の収差補正装置において、前記非点収差の補正は、電圧に応じて屈折率が可変される液晶層により光ビームに位相差を付与して行うことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、液晶層の各分割領域の印加電圧を可変して屈折率を変えることにより通過する光ビームに位相差を付与する。よって、光ピックアップの光学系に液晶パネルを配置させることで、様々な方向性の非点収差を容易に補正することができ、簡易な構成で光ピックアップの非点収差の自動調整を行うことができる。
【0009】
請求項3に記載の収差補正装置は、請求項1に記載の収差補正装置において、前記非点収差の方向及び大きさを光ディスクからの再生信号に基づいて検出する検出手段を更に備えると共に、当該検出手段の検出結果に基づいて前記電圧を設定することを特徴とする。
請求項に記載の収差補正装置は、請求項に記載の収差補正装置において、前記再生信号は、ジッタ値であることを特徴とする。
請求項に記載の収差補正装置は、請求項に記載の収差補正装置において、前記再生信号は、RF信号であることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、光学系に起因する非点収差について、その方向及び大きさを予め検出し、電極に印加する電圧をこの結果に基づき設定するようにしたので、特別な調整が不要となり非点収差の補正を容易に行うことができる。
【0011】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項3に記載の収差補正装置において、前記検出手段は、前記非点収差の方向及び大きさを、製造工程の最終段階又は製品の電源投入時に検出することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、光学系に起因する非点収差の方向及び大きさの検出を、製造工程の最終段階又は製品の電源投入時に行うようにしたので、光学系の非点収差の変動要因に適合した適切な自動調整を行い、それ以降は非点収差の補正を容易に行うことができる。
【0013】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項から請求項の何れかに記載の収差補正装置において、前記複数の分割領域に印加される電圧は、各分割領域ごとに独立に設定可能であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、複数の分割領域に対し、それぞれ独立に印加電圧を設定して非点収差の補正を行うようにしたので、補正パターンの自由度を大きくとれ、様々な非点収差の分布に対応して補正を行うことができる。
【0017】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項に記載の収差補正装置において、前記外周部の各分割領域のうち、前記非点収差の方向に対応する互いに中心対称となる1組の分割領域とこれに直交する1組の分割領域に、それぞれ逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧を印加することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、外周部の複数の分割領域を中心対称とし、かつ直交方向に逆の特性を与えるようにしたので、非点収差の方向に応じて駆動パターンを回転させ、簡単に非点収差の補正が行えると共に、外周部の分割数を変えて補正の精度を容易に調節できる。
【0019】
請求項に記載の収差補正装置は、請求項又は請求項に記載の収差補正装置において、前記非点収差の方向が前記外周部の各分割領域の境界部近辺となる場合には、この境界の両側の互いに中心対称となる2組の分割領域とこれに直交する2組の分割領域に、それぞれ逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧を印加することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、隣合う分割領域に対しては、同じ位相差となるよう制御し、その分割領域は請求項の場合と同形状とすればよい。よって、請求項の駆動方法と組み合わせて、非点収差の方向が分割領域と重なる場合、あるいは分割領域の境界上にある場合の何れにも適切に対処可能となり、分割領域数を実質的に2倍にして非点収差の補正を行うことができる。
【0021】
請求項10に記載の収差補正装置は、請求項から請求項の何れかに記載の収差補正装置において、所定のタイミングで、前記非点収差の方向に対応する前記各分割領域のM個の駆動パターンと前記電極に印加するN段階の電圧を組み合わせたM×N個の設定状態に対する前記非点収差の補正の度合い判別し、最適な設定状態を選択して前記非点収差の補正を行うことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、製造工程や製品起動時において非点収差の調整をすべく、設定可能なM個の駆動パターンとN段階の電圧を組み合わせた全ての状態について、例えばRF振幅やジッタ等を測定することにより非点収差の補正の適否を調べ、最適な設定を行うようにした。よって、きめの細かい調整を行えると共に、組み合わせの数を増加させれば容易に非点収差の補正の精度の向上が図られる。
【0023】
請求項11に記載の収差補正装置は、請求項7から請求項9の何れかに記載の収差補正装置において、所定のタイミングで、光ディスクからの再生信号に基づいて前記非点収差の方向に対応する前記各分割領域のM個の駆動パターンに対し、予め設定された電圧で前記非点収差の補正の度合いを判別して最適な駆動パターンを選択した後、前記電極に印加するN段階の電圧に対し、前記再生信号に基づいて更に前記非点収差の補正の度合いを判別して最適な電圧を選択し、前記非点収差の補正を行うことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、請求項10の場合のように全ての組み合わせについて測定をするのではなく、まずM個の駆動パターンから最適なものを選び、次いでN段階の電圧から最適なものを選ぶという順で調整が行われる。よって、短時間で非点収差の補正のための調整が終了するため、頻繁に調整を行う場合でも支障をきたすことがない。
【0025】
請求項12に記載の収差補正装置は、請求項10又は請求項11に記載の収差補正装置において、前記非点収差の補正に対する最適な設定状態と前記非点収差の補正を行わない状態とでそれぞれ前記非点収差を比較して、当該最適な設定状態の方が良好な前記非点収差を得られる場合にのみ前記非点収差の補正を行うことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、上述のように調整した結果判明した最適な設定状態が、非点収差の補正を行わない場合よりも良好な非点収差となるときのみ、非点収差の補正を行うようにした。よって、非点収差がない理想的な状態の光ピックアップに対して不要な補正を行うという事態が回避される。
【0027】
請求項13に記載の収差補正装置は、請求項10から請求項12の何れかに記載の収差補正装置において、前記非点収差の補正の度合いの判別は、回転駆動される前記記録媒体の回転周期に同期して行われることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、光ディスク等の記録媒体が回転する際の回転周期との同期をとりながら上述の調整を行うようにしたので、チルト等の影響により回転に伴って生じる面ぶれがある場合でも、これに起因して不正確な測定が行われることがなく、より正確に非点収差の補正が行われる。
【0029】
請求項14に記載の非点収差検出方法は、光源から出射され、対物レンズを介して記録媒体に照射される光ビームの通過領域を光学系に起因する非点収差の分布に対応して複数に分割し、電圧を印加する電極をそれぞれの分割領域に設けた収差補正装置に対し、光ディスクからの再生信号に基づいて前記各分割領域に対する駆動パターンと前記電極に印加する電圧を調整して、前記非点収差の方向及び大きさを検出することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、光ビームの通過領域を非点収差の分布に対応して複数に分割した分割領域に設けた電極への電圧の印加する際に、電圧の駆動パターンと電圧を調整し、非点収差の方向及び大きさを検出するようにしたので、光ピックアップへの特別な調整を行うことなく任意の方向性を有する非点収差の補正を行うことができる。
【0031】
請求項15に記載の光ピックアップは、請求項1から請求項13の何れかに記載の収差補正装置を備えると共に、光源から出射されて記録媒体に照射される光ビームが当該収差補正装置を通過するよう光学系が配置されることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、光ピックアップの光学系には、上述した収差補正装置が光ビームを通過させるように配置されるようにしたので、簡易かつ良好に光学系に起因する非点収差の補正を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、DVD等の光ディスクに記録されている記録情報を読み出す情報再生装置の光ピックアップに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0034】
図1は、本実施形態に係る光ピックアップの全体構成を示すブロック図である。図1に示す光ピックアップは、レーザ光源1と、偏光ビームスプリッタ2と、非点収差補正手段としての液晶パネル3と、1/4波長板4と、対物レンズ5と、集光レンズ6と、受光器7と、液晶パネル制御部8を備えて構成される。また、光ピックアップにより光ビームを照射される光ディスク10は、スピンドルモータ9により回転駆動されるようになっている。
【0035】
図1において、レーザ光源1から出射された光ビームは、偏光ビームスプリッタ2を通過した後、液晶パネル3に入射する。この液晶パネル3を通過する際に、後述するように非点収差が補正され、その後、1/4波長板4を通って、対物レンズ5によって光ディスク10の情報記録面に集光される。
【0036】
この際、光ディスク10は情報記録面の記録トラックが光ビームに対して線速度を一定に保つように、適宜の回転数でスピンドルモータ9により回転駆動される。そして、光ディスク10の回転に同期して、図示しないCPUに対し回転パルスが出力されるようになっている。
【0037】
一方、光ディスク10の情報記録面にて反射された光ビームは、再び対物レンズ5、1/4波長板4を通過して、偏光ビームスプリッタ2によって光路を変更されて、集光レンズ6を介して受光器7上に集光される。この受光器7では、光信号が電気信号に変換されて出力される。なお、上記1/4波長板4は、偏光ビームスプリッタ2によって直線波とされた光ビームの偏光面と45°の角度で交差するように配置されている。
【0038】
図2に、液晶パネル3の断面構造を示す。図2に示すように、本実施形態に係る液晶パネル3は、液晶分子Mを含む液晶24を挟んで、液晶24に所定の分子配向性を与えるための配向膜23A、23Bが形成され、各配向膜23A、23Bの外側にITO等よりなる透明電極22A、22Bが蒸着されている。そして、最外部には保護層としてのガラス基板21A、21Bが形成されている。
【0039】
液晶24は、いわゆる複屈折効果を有し、液晶分子Mの光学軸方向とこれに垂直な方向とで屈折率が異なっている。そして、透明電極22Aと22Bの間に印加する電圧を変化させることにより、図2(a)乃至(c)に示すように、液晶分子Mの向きを水平方向から垂直方向まで自在に変えることができる。透明電極22A、22Bへの印加電圧は、液晶パネル制御部8により設定され、透明電極22A、22Bの各分割領域に印加する電圧を調整することにより、各分割電極により形成される領域ごとに異なる位相差を付与するものである。
【0040】
次に、本発明に係る光ピックアップ内の光学系に起因する非点収差の補正の原理について説明する。対物レンズ5の瞳面上における極座標を(r,φ)で表すと、対物レンズ5の瞳面における波面収差W(r,φ)は次の式で表される。
【0041】
【数1】
Figure 0003868119
【0042】
ただし、W11rcosφは像点移動によるものであり、W313cosφは主に光ディスクのチルト角等によるコマ収差を表すものである。W404は主に光ディスクの基板厚さの違い等による球面収差を表し、W202はデフォーカスによる収差である。W222cos2φは主に光ピックアップ内の光学系に起因する非点収差を表すものである。なおWijは収差係数である。
【0043】
本発明の目的は非点収差を打ち消すことにあるので、簡単のため、数1において、コマ収差及び球面収差が0であるとして、非点収差のみが存在するものと考える。この場合、対物レンズ5の瞳面における波面収差は次のように表される。
【0044】
【数2】
Figure 0003868119
【0045】
また、対物レンズ5の瞳面上の波面収差W(r,φ)の標準偏差をWrmsとすると、Wrmsは次式で表される。
【0046】
【数3】
Figure 0003868119
【0047】
ただし、W0はW(r,φ)の平均値である。
【0048】
このWrmsは、波面収差の評価に用いられ、Wrmsを小さくすれば波面収差の影響が少なくなり良好な再生を行うことができる。
【0049】
ここで、発生している波面収差が非点収差だけの場合、数3は次式で表される。
【0050】
【数4】
Figure 0003868119
【0051】
ただし、WAS(r,φ)におけるW202はWrmsを最小にする値となる。なお、実際の光ピックアップでは、フォーカスオフセット調整を行うことにより、Wrmsが最小となる。
【0052】
図3に、数4に基づいて計算された対物レンズ5の瞳面における波面収差分布を示す。図3(a)は、数4に基づいて計算された対物レンズ5の瞳面における非点収差による波面収差分布であり、濃い部分が非点収差の大きい領域を表している。
【0053】
図3(b)は、図3(a)の非点収差による波面収差分布のY−Y’断面であり、この図から波面収差分布がY−Y’方向では対物レンズ5の瞳面の中心で小さく、周辺部にいくに従って波面収差が正方向に大きくなっていることがわかる。なお、対物レンズ5の瞳中心の波面収差を0とするとき、周辺部Y、Y’では+0.15λの波面収差が生じている。
【0054】
図3(c)は、図3(a)の非点収差による波面収差分布のX−X’断面であり、この図から波面収差分布がX−X’方向では対物レンズ5の瞳面の中心で小さく、周辺部にいくに従って波面収差が負方向に大きくなっていることがわかる。なお、対物レンズ5の瞳中心の波面収差を0とするとき、周辺部X、X’では−0.15λの波面収差が生じている。
【0055】
図3(a)乃至(c)に示すように、対物レンズ5の瞳面における非点収差を主とする波面収差分布は馬鞍型をなしており、X−X’、Y−Y’軸に対して対称となっている。
【0056】
なお、対物レンズ5の瞳面で見た非点収差による波面収差分布は、図1に示す光学系に特有のものでなく、非点収差を持つ他の光学系でも同様の分布パターンとなる。そして、非点収差の方向はそれぞれの光学系により異なり、図3に示すパターンの方向が変化する。すなわち、図3(a)におけるX−X’軸、Y−Y’軸が回転する。更に、非点収差に基づく波面収差量もそれぞれの光学系により異なる。本実施形態では、光学系の有する非点収差の方向と波面収差量に対応して適切に波面収差の補正を行うことを可能としているが、その詳細については後述する。
【0057】
ここで、非点収差の影響を減少させるには、数4におけるWrmsを小さくすればよい。そのため、WAS(r,φ)自体を小さくするか、WAS(r,φ)とは逆極性の波面収差、すなわち、−WAS(r、φ)を液晶パネル3を通過する光ビームに与えればよい。本発明は、後者の方法を採用し、光ビックアップ内の光学系に起因する非点収差WAS(r,φ)の影響を軽減するようにしている。そのため、光ビームが対物レンズ5で収束される前に、収差補正手段としての液晶パネル3により、光ビームに−WAS(r,φ)を与えて非点収差を打ち消すことにした。
【0058】
本実施形態では、−WAS(r,φ)の波面収差を与えるために、液晶パネル3に形成された透明電極22A、22Bに対し、各分割領域ごとに異なる電圧を印加している。よって、光軸に対する液晶分子Mの向きをそれぞれの分割領域ごとに変えることができ、各分割領域ごとに屈折率が異なるようにしている。そのため、通過する光ビームには、それぞれ領域ごとに異なる位相差が与えられることとなる。
【0059】
ここで、液晶パネル3で与えられる位相差をWLC(r,φ)で表すと、液晶パネル3を配置したときの対物レンズ5の瞳面における波面収差W(r,φ)は次式で与えられる。
【0060】
【数5】
Figure 0003868119
【0061】
非点収差であるWAS(r,φ)を打ち消すには、ピックアップ内の光学系に起因する非点収差WAS(r,φ)と逆極性の波面収差、すなわち、次式に示す波面収差を液晶パネル3により光ビームに与えればよい。
【0062】
【数6】
Figure 0003868119
【0063】
数6に示す波面収差を光ビームに与えるためには、液晶パネル3の各分割領域ごとに、非点収差とは逆極性の波面収差を与えるよう、透明電極22A、22Bの印加電圧を制御すればよい。
【0064】
図4は、液晶パネル3の透明電極22Aを、様々な方向に対する非点収差を打ち消すことができるように分割した状態を示す図である。図4に示すように、透明電極22Aは、9つのパターン電極30、31、32、33、34、35、36、37、38に分割されている。また、図4においては、対物レンズ5の瞳に対応して光ビームの入射範囲39が示されている。光ビームがこの入射範囲39を通過するように、液晶パネル3のピックアップ内での配置が定められる。
【0065】
図4において、入射範囲39の中心部分に対応して円形のパターン電極30が形成されている。また、その外周部分は放射状に分割された8つのパターン電極31乃至38が形成されており、入射範囲39の中心から角度を概ね等間隔に分けるように対称的に配置されている。そして、パターン電極31と35、32と36、33と37、34と38がそれぞれ向かい合って中心対称に配置され、非点収差の特定の方向に対応できるようになっている。
【0066】
次に、非点収差を補正するための液晶パネル3の駆動方法について、図5及び図6により説明する。
【0067】
図5は、液晶パネル制御部8の構成を示すブロック図である。図5に示すように、液晶パネル制御部8は、CPU等の制御器101と、液晶ドライバ102と、反転器103と、加算器104、105と、振幅変調器106と、選択スイッチ107とを備えている。そして、選択スイッチ107を経由して、液晶パネル3の透明電極22Aの各パターン電極30乃至38に電圧を印加できるように接続されている。
【0068】
図5の構成において、制御器101は、後述する処理により決定した非点収差の方向に従って、液晶ドライバ102及び選択スイッチ107を制御する。液晶ドライバ102から出力された所定の電圧Vが加算器104に入力されると共に、反転器103を介して出力された電圧−Vが加算器105に入力される。加算器104、105では、それぞれ基準電圧Cと加算され、加算器104からは電圧C+Vが、加算器105からは電圧C−Vがそれぞれ出力される。
【0069】
振幅変調器106には、加算器104から出力された電圧C+Vと、加算器105から出力された電圧C−Vと、基準電圧Cの3種の電圧が入力され、これらの各電圧に応じて振幅変調された矩形波である駆動信号が出力される。ここで、電圧C+Vに対応した駆動信号をVa、電圧C−Vに対応した駆動信号をVb、基準電圧Cに対応した駆動信号をVcとそれぞれ表すことにする。
【0070】
選択スイッチ107は、液晶パネル3の各パターン電極30乃至38に対し、制御器101の制御の下、接続を切り換えつつ、それぞれの駆動信号Va、Vb、Vcを印加する。中央のパターン電極30に対しては、基準となる駆動信号Vcが固定的に印加されるが、外周部の各パターン電極31乃至38に対しては、駆動信号Va、Vb、Vcの何れかが印加される。そして、後述するように、その接続の組み合わせは、非点収差の有無と方向に対応して9通り設定されている。なお、図示しない透明電極22Bは、常にグランドに接続しておけばよい。
【0071】
ここで、図6及び図7により、各パターン電極30乃至38に印加される駆動信号の波形パターンと、光ビームに与えられる位相差との関係について説明する。
【0072】
図6は、前述の駆動信号Va、Vb、Vcの各波形パターンを示した図であり、図7は、各駆動信号の振幅に対応する位相差を示した図である。図6の中段は、基準電圧Cに対応する駆動信号Vcの波形パターンを示すものであり、駆動信号Vbは駆動信号Vcよりも振幅が小さく、駆動信号Vaは駆動信号Vcより振幅が大きいという関係にある。そして、図7に示すように、この基準となる駆動信号Vcが印加されることにより、光ビームに基準位相φcが与えらる。
【0073】
図6の上段は、電圧C−Vに対応する駆動信号Vbの波形パターンを示すものである。駆動信号Vbが印加されることにより、光ビームに基準位相φcよりも遅れた位相であるφbが与えられる。図7に示すように、駆動信号Vbで駆動された領域を通過した光ビームは、位相が基準からφc−φbだけ遅れることになる。すなわち、光ビームには、負の位相差φb−φcが生じることになる。
【0074】
図6の下段は、電圧C+Vに対応する駆動信号Vaの波形パターンを示すものである。駆動信号Vaが印加されることにより、光ビームに基準位相φcよりも進んだ位相であるφaが与えられる。図7に示すように、駆動信号Vaで駆動された領域を通過した光ビームは、位相が基準からφa−φcだけ進むことになる。すなわち、光ビームには、正の位相差φa−φcが生じることになる。
【0075】
ここで、図7からわかるように、電圧変化に対して光ビームに与えられる位相差は概ね直線的に変化するので、負の位相差φb−φcと正の位相差φa−φcは絶対値が等しく符号が異なる関係となる。よって、対称的な分布となる非点収差に対応させることができる。
【0076】
図8は、選択スイッチ107における各パターン電極30乃至38に対しての駆動信号Va、Vb、Vcを印加するための駆動パターンを示す図である。図8に示すように、9通りの駆動パターンが設定可能となっている。液晶パネル3の中央部分に対応するパターン電極30には、何れの駆動パターンにおいても、駆動信号Vcが印加されている。一方、外周部のパターン電極31乃至38には、それぞれVa、Vb、Vcの何れかが印加され、非点収差の方向に対応して光ビームに所望の位相差を与えるべく、8通りの駆動パターンA乃至Hが設定されている。これに加えて、駆動パターンIでは全てのパターン電極30乃至39に対し基準の駆動信号Vcを印加しているが、これは非点収差の補正を行わない場合の駆動パターンに対応している。
【0077】
ここで、非点収差の方向とパターン電極30乃至38に対する駆動パターンの関係について、図9を用いて説明する。本実施形態では、任意の方向性を有する非点収差による波面収差分布を補正するため、角度を8分割してほぼ22.5°刻みで駆動パターンを変更するようにしている。図9(a)乃至(d)に、非点収差による波面収差分布と、対応する駆動パターンを並べて示す。また、簡単のため、0°、22.5°、45°、67.5°の4つの非点収差の角度についてのみ示す。
【0078】
図9(a)は、非点収差の方向が0°となる場合に対応する図である。縦方向では、中心から周辺部分にいくに従って濃い部分、すなわち波面収差分布が負の方向に大きくなる部分が対称的に生じる配置になっている。よって、上部のパターン電極32、33と下部のパターン電極36、37は、この波面収差を打ち消すために、正の位相差を与える必要がある。一方、横方向は、波面収差分布が正の方向に大きくなるので、左側のパターン電極31、38と右側のパターン電極34、35は、負の位相差を与える必要がある。よって、図8に示す駆動パターンAにより駆動し、パターン電極32、33、36,37に駆動信号Vaを印加し、パターン電極31、34、35、38に駆動信号Vbを印加すればよい。
【0079】
図9(b)は、非点収差の方向が22.5°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図9(a)の状態から22.5°回転した状態となっている。この場合、各パターン電極31乃至38がほぼ45°づつ分割された配置となるので、その半分だけ回転させて駆動する必要がある。本実施形態では、駆動パターンを工夫して実質的に22.5°回転した非点収差に対応するようにしている。すなわち、パターン電極33、37には、正の位相差を与え、パターン電極31、35には、負の位相差を与える。また、パターン電極32、34、36、38には、基準の位相差を与える。よって、図8に示す駆動パターンBにより駆動し、パターン電極33,37に駆動信号Vaを印加し、パターン電極31、35駆動信号Vbを印加し、パターン電極32、34、36、38に駆動信号Vcを印加すればよい。
【0080】
図9(c)は、非点収差の方向が45°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図9(a)の状態から45°回転した状態となっている。この場合、図9(a)のパターン電極31乃至38を1つずらして駆動を行えばよいことになる。すなわち、パターン電極33、34とパターン電極37、38には、正の位相差を与え、パターン電極31、32とパターン電極35,36は、負の位相差を与える必要がある。よって、図8に示す駆動パターンCにより駆動し、パターン電極33、34、37、38に駆動信号Vaを印加し、パターン電極31、32、35、36に駆動信号Vbを印加すればよい。
【0081】
図9(d)は、非点収差の方向が67.5°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図9(b)の状態から45°回転した状態となっている。この場合、図9(b)のパターン電極31乃至38を1つずらして駆動を行えばよいことになる。すなわち、パターン電極34、38には、正の位相差を与え、パターン電極32、36には、負の位相差を与える。また、パターン電極31、33、35、37には、基準の位相差を与える。よって、図8に示す駆動パターンDにより駆動を行い、パターン電極34、38に駆動信号Vaを印加し、パターン電極32、36には駆動信号Vbを印加し、パターン電極31、33、35、37に駆動信号Vcを印加すればよい。
【0082】
なお、中心部分のパターン電極30は、図9(a)乃至(d)の何れの場合も波面収差分布において位相差がほぼゼロと考えてよいので、駆動信号Vcを固定的に印加すればよい。
【0083】
以上の駆動パターンは、非点収差の方向に対応する角度が更に大きくなる場合でも同様に考えればよい。すなわち、角度が0°、45°、90°、135°となる場合には、図9(a)のように、正の位相差と負の位相差が2つのパターン電極ごとに繰り返すような駆動パターンとし、その間の角度22.5°、67.5°、112.5°、157.5°となる場合には、正の位相差と負の位相差が間に基準の位相差を挟んで各パターン電極ごとに繰り返すような駆動パターンとすればよい。これにより、光学系に起因する非点収差がどのような方向に分布していても、22.5°刻みで最も近い角度に対応して液晶パネル3を駆動することにより、適切に波面収差の方向に対応させることができる。これと併せて駆動電圧を波面収差量に対応して適切に調節すれば、光学系に起因する非点収差に対する最適な補正が可能となる。
【0084】
次に、図10は、非点収差の方向を示す角度が徐々に変動する場合に、駆動パターンに応じて補正可能な波面収差の変化を示す図である。すなわち、前述の各駆動パターンを非点収差の方向に対応して、どの角度で切り換えると最適な補正が行われるかを判断するための特性である。
【0085】
図10に示すように、非点収差の方向が0°から45°の範囲で変化するとき、図9(a)に対応する駆動パターンAと、図9(b)に対応する駆動パターンBと、図9(c)に対応する駆動パターンCの3つの各駆動パターンに対して、補正される波面収差をプロットした図である。なお、駆動パターンA、Cは互いに同一の駆動パターンを45°回転させたものであるため、22.5°付近で駆動パターンA、Cを切り換えた場合を示す。よって、図10では、駆動パターンA、Cに対応する特性と、駆動パターンBに対応する特性を表す2つのグラフが示されている。
【0086】
図10からわかるように、角度が0°のときは、駆動パターンAによる波面収差が最小となり、角度が45°のときは、駆動パターンCによる波面収差が最小となるが、その間の角度では徐々に波面収差が大きくなっていく。これに対し、駆動パターンBによる波面収差は、角度が22.5°付近で最小となるが、それより増大または減少すると波面収差が大きくなっていく。
【0087】
図10においては、角度が13°付近及び32°付近で、駆動パターンA又はCと駆動パターンの特性が交差している。すなわち、角度0°から13°までの範囲では、駆動パターンAが最も良好な特性となり、角度13°から32°までの範囲では、駆動パターンBが最も良好な特性となり、角度32°から45°までの範囲では、駆動パターンCが最も良好な特性となる。従って、これらの角度で駆動パターンの切り換えが行われる場合に、非点収差の角度に対する波面収差を最良にすることができ、適切な波面収差の補正を行うことができる。なお、より大きな角度に対しても事情は同様である。
【0088】
実際には、非点収差の方向に対応する角度を求めることは困難であるため、例えば再生信号のジッタ等を最適にしたり、RF信号の振幅が最大となるような駆動パターンを1つ選んで、間接的に最適な角度に対応させている。
【0089】
次に、図11乃至図15に示すフローチャートにより、本実施形態における非点収差の方向と波面収差量に対応して、液晶パネル3の最適な駆動方法を決定するための調整方法について説明する。すなわち、9種の駆動パターンA乃至Iの中から非点収差の方向に対応する最適な駆動パターンを定めると共に、駆動電圧として設定すべき最適値を定める。以下の実施形態では、調整の精度に優れる方法と、短時間で調整可能な方法の2つについて説明を行う。
【0090】
図11は、設定可能な全ての組み合わせに対する駆動を行って、最適な駆動パターンと駆動電圧を定める調整方法の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理は、例えば製造工程の最終段階あるいは製品の電源投入時などに行うようにすればよい。
【0091】
図11に示す処理が開始されると、ステップS1では駆動パターンの初期設定を行う。すなわち、図8に示す駆動パターンA乃至H中、最初に駆動するパターンを設定する。ここでは、駆動パターンAから順に駆動を行うものとし、選択スイッチ107を駆動パターンAに設定する。
【0092】
ステップS2では、駆動電圧の初期設定を行う。本実施形態では設定可能な駆動電圧として例えば32種程度あるものとし、そのうち駆動電圧の最小値を設定する。なお、この駆動電圧の設定値は、図示しないROM等のテーブルに格納しておけばよい。
【0093】
ステップS3では、設定された駆動パターン及び駆動電圧で液晶パネル3を実際に駆動して、ジッタの測定や波面収差の測定を行う。すなわち、非点収差が補正されないと、光ディスク10の再生に伴うジッタが増加し、波面収差自体も大きくなるので、これらの測定を行うことで、補正の適否が判断可能となる。なお、得られた測定値は図示しないメモリ手段に一時的に記憶しておけばよい。
【0094】
ステップS4では、駆動電圧が上限に達したか否かを判断する。すなわち、駆動パターンの設定を保ったまま、32段階の駆動電圧に対する処理を終了したか否かを判断するものである。その結果、駆動電圧が上限に達していれば(ステップS4;YES)、ステップS6に移る。一方、駆動電圧が上限に達していなければ(ステップS4;NO)、ステップS5に移り、次の段階の駆動電圧に変更した上で、再びステップS3に戻る。
【0095】
ステップS6では、8通りの駆動パターンA乃至Hに対する測定を終了したか否かを判定する。その結果、8通り全てについて測定が終了している場合は(ステップS6;YES)、ステップS8に移る。一方、まだ未測定の駆動パターンが残っている場合は(ステップS6;NO)、ステップS7に移り、次の非点収差の角度に対応する駆動パターンを設定した上で、再びステップS3に戻る。
【0096】
ステップS8では、最適な駆動パターン及び駆動電圧の組み合わせを決定する。この段階では、8×32通りの組み合わせに対するジッタ又は波面収差の測定を終えたことになるので、これらの測定値を読み出して、ジッタや波面収差が最良となる組み合わせを1つ決定するものである。
【0097】
ステップS9では、ステップS8で決定された組み合わせに従って、液晶パネル制御部8による液晶パネル3の駆動を行う。これにより、液晶パネル3を通過する光ビームに適切な位相差が付与されて、光学系に起因する非点収差を打ち消すことが可能となる。
【0098】
次に、図12は、図11の処理に比べ処理時間を短縮させた場合の調整方法の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、製造工程の最終段階あるいは製品の電源投入時に行ってもよいが、所定の時間間隔ごとに行ったり、光ディスク10の交換時に行うなど、比較的頻繁に行う場合であっても短時間で調整可能であるため、有効な処理である。
【0099】
図12に示す処理が開始されると、ステップS11では、駆動パターンの初期設定を行う。前述したように、駆動パターンA乃至Hの順に従って駆動を行うものとすると、最初に駆動を行う駆動パターンAに設定する。
【0100】
ステップS12では、駆動パターンを決定する際の好適な駆動電圧を設定する。すなわち、図12の処理では、駆動電圧を決定するのに先立って駆動パターンを1つ決定するので、駆動パターンを決定する際に、駆動電圧として仮に定めた所定値に設定して測定を行うようにする。このとき、仮に定める駆動電圧の値が大きすぎると、特定の駆動パターンに対して補正される波面収差量が大きくなりすぎてしまい、トラッキングやフォーカスが外れるおそれがある。一方、駆動電圧の値が小さすぎても、測定時のS/N劣化等を招くので好ましくない。概ね駆動電圧の可変範囲の中間あたりに前記所定値を定めることが望ましい。
【0101】
ステップS13では、設定されている駆動パターン及び仮に定めた駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆動し、受光器7で検出されて得られるRF信号の振幅を測定する。すなわち、非点収差が補正されないと、光ディスク10を再生する際のRF振幅が小さくなる傾向があり、非点収差を最適に補正することによりRF振幅が最大化されるためである。よって、RF振幅の測定を行うことにより、簡易に収差補正の適否を判断できることになる。なお、図11の場合と同様、得られたRF振幅の測定値は、図示しないメモリ手段に一時的に記憶しておけばよい。
【0102】
ステップS14では、8通りの駆動パターンA乃至Hに対する測定を終了したか否かを判定する。その結果、8通り全てについて測定が終了している場合は(ステップS14;YES)、ステップS16に移る。一方、まだ未測定の駆動パターン残っている場合は(ステップS14;NO)、ステップS15に移り、次の非点収差の角度に対応する駆動パターンに設定した上で、再びステップS13に戻る。
【0103】
ステップS16では、ステップS13乃至ステップS15の処理の結果、最適な駆動パターンを選んで設定する。すなわち、RF振幅の測定値を読み出して最大となる場合の駆動パターンを1つ選び、後続の駆動電圧の決定のための測定に際して、いったんこの駆動パターンの設定を行う。
【0104】
ステップS17では、設定可能な駆動電圧の範囲において、小さい値から順次測定を行うために駆動電圧を最小値に設定する。本実施形態では、例えば駆動電圧の設定段階として16通りに可変可能であるものとする。
【0105】
ステップS18では、決定された駆動パターン及び設定されている駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆動し、上述したようにRF信号の振幅を測定し、メモリ手段に測定値を記憶する。この場合も、最適な補正が行われるとRF振幅が最大化されるので、簡易に収差補正の適否を判断可能となる。
【0106】
ステップS19では、駆動電圧が上限に達したか否かを判断する。すなわち、駆動パターンの設定を保ったまま、16段階の駆動電圧に対して行うべき処理を終了したか否かを判断するものである。その結果、駆動電圧が上限に達していれば(ステップS19;YES)、ステップS21に移る。一方、駆動電圧が上限に達していなければ(ステップS19;NO)、ステップS20に移り、駆動電圧を増加させて次の段階の駆動電圧に変更した上で、再びステップS18に戻る。
【0107】
ステップS21では、ステップS17乃至ステップS20の処理の結果、得られたRF振幅の測定値を読み出して最大となる場合の駆動電圧を決定して、この駆動電圧の設定を行う。これにより、液晶パネル3に対し、非点収差を補正するために最適な駆動パターンと駆動電圧の組み合わせが設定されることになる。
【0108】
ステップS22では、上記最適な組み合わせとなる設定状態で再度RF振幅の測定を行い、測定値RF1を得る。この処理は、非点収差の補正を行わない場合と比較するために行うものである。
【0109】
ステップS23では、非点収差の補正を行わない場合として、駆動パターンIの設定を行う。そして、ステップS24では、この状態でRF振幅の測定を行い、測定値RF2を得る。この場合には、液晶パネル3を通過する光ビームには位相差が付与されないことになり、光ピックアップ本来の非点収差をそのまま反映した測定結果となる。
【0110】
ステップS25では、ステップS22で得られた測定値RF1と、ステップS24で得られた測定値RF2の大小を比較する。その結果、RF1>RF2となる場合には(ステップS25;YES)、ステップS26に移り、RF1>RF2とならない場合には(ステップS25;NO)、ステップS27に移る。
【0111】
ステップS26では、収差補正を行う方が大きなRF振幅が得られるので、既に求めた駆動パターンと駆動電圧を、液晶パネル3に対する駆動を行う際に用いる組み合わせとして決定する。
【0112】
ステップS27では、収差補正を行わない方が大きなRF振幅が得られるので、対応する駆動パターンIを液晶パネル3に対する駆動を行う際の駆動パターンとして決定する。
【0113】
ステップS26又はステップS27の処理の後は、次に新たな調整を行うまで液晶パネル3の動作時には、決定された駆動方法によって駆動が行われることになる。
【0114】
次に、図13乃至図15は、光ディスク10における面ぶれ等に起因する回転に同期したRF振幅変動を考慮して図12の調整方法を行う場合のフローチャートである。すなわち、光ディスク10を回転駆動させるとチルト等の影響で面ぶれが起こり、回転に同期してRF信号に周期的な変動を与えることが知られている。その結果、図12の調整方法で測定されたRF振幅の変化と区別できなくなる場合があり、非点収差に対する正確な補正に支障をきたすおそれがある。そこで、より正確に非点収差の補正を行うためには、回転に同期してRF振幅の検出を行うことが有効となる。
【0115】
まず、図13は光ディスク10の回転に同期した調整方法のうち、駆動パターンの決定のための処理を示すフローチャートである。図13の処理が開始されると、ステップS31で、各種のパラメータに対する初期設定を行う。具体的には、駆動パターンAの設定を行うと共に、最大のRF振幅を与える駆動パターンを示す最適駆動パターンをいったん駆動パターンAにしておく。また、図12の場合と同様、駆動パターンを決定するために好適な所定の駆動電圧を設定する。
【0116】
ステップS32では、回転に同期した処理を行うため、光ディスク10が1回転したか否かを判断する。この判断をするためには、スピンドルモータ9の回転に伴い出力される回転パルスを読みとり、1回転周期内の特定のタイミングを識別すればよい。ステップS32の判断の結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は(ステップS32;YES)、ステップS33に移り、1回転したと判断されない場合は(ステップS32;NO)、ステップS32を繰り返して1回転するのを待つ。
【0117】
ステップS33では、設定されている駆動パターン及び駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値RFAを記憶する。
【0118】
ステップS34では、次の非点収差の角度に対応する駆動パターンに切り換え設定する。そして、ステップS35では、ステップS32と同様に光ディスク10が1回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は(ステップS35;YES)、ステップS36に移り、1回転したと判断されない場合は(ステップS35;NO)ステップS35を繰り返して1回転するのを待つ。
【0119】
ステップS36では、ステップS33の場合と駆動パターンのみ変更された状態で、液晶パネル3を実際に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値RFBを記憶する。
【0120】
ステップS37では、ステップS33で得られた測定値RFAと、ステップS36で得られた測定値RFBの大小を比較する。その結果、RFA<RFBとなる場合には(ステップS37;YES)、ステップS38に移り、RFA<RFBとならない場合には(ステップS37;NO)、ステップS39に移る。
【0121】
ステップS38では、ステップS37の比較により後から設定した駆動パターンの方が大きなRF振幅を得られるので、この駆動パターンを新たに最適駆動パターンとする。換言すれば、非点収差の方向はこの段階まで測定した範囲内にはまだ見出されていないことになる。
【0122】
ステップS39では、8通りの駆動パターンA乃至Hに対する測定を終了したか否かを判定する。その結果、8通り全てについて測定が終了している場合は(ステップS39;YES)、処理を終え、まだ未測定の駆動パターン残っている場合は(ステップS39;NO)、ステップS32に戻って同様の処理を繰り返す。
【0123】
ステップS31乃至ステップS39の処理を行うことにより、光ディスク10の回転に同期した状態でRF振幅を最大化する最適駆動パターンが決定されることになる。
【0124】
次に、図14は光ディスク10の回転に同期した調整方法のうち、駆動電圧の決定のための処理を示すフローチャートである。図14の処理が開始されると、ステップS41では、各種のパラメータに対する初期設定を行う。具体的には、最小の駆動電圧への設定を行うと共に、最大のRF振幅を与える駆動電圧を示す最適駆動電圧をいったん最小の駆動電圧としておく。
【0125】
ステップS42では、液晶パネル3に対し、ステップS31乃至ステップS39の処理の結果決定された最適駆動パターンの設定を行う。これにより、非点収差の方向に対応した状態で最適駆動電圧を決定することができる。
【0126】
ステップS43では、上述したように、光ディスク10が1回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は(ステップS43;YES)、ステップS44に移り、1回転したと判断されない場合は(ステップS43;NO)、ステップS43を繰り返して1回転するのを待つ。
【0127】
ステップS44では、最適駆動パターン及び設定されている駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値RFAを記憶する。
【0128】
ステップS45では、駆動電圧を増加させて次の駆動電圧に切り換え設定する。そして、ステップS46では、ステップS43と同様に光ディスク10が1回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は(ステップS46;YES)、ステップS47に移り、1回転したと判断されない場合は(ステップS46;NO)ステップS46を繰り返して1回転するのを待つ。
【0129】
ステップS47では、ステップS44の場合と駆動電圧のみ変更された状態で、液晶パネル3を実際に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値RFBを記憶する。
【0130】
ステップS48では、ステップS44で得られた測定値RFAと、ステップS47で得られた測定値RFBの大小を比較する。その結果、RFA<RFBとなる場合には(ステップS48;YES)、ステップS49に移り、RFA<RFBとならない場合には(ステップS48;NO)、ステップS50に移る。
【0131】
ステップS49では、ステップS48の比較により後から設定した駆動電圧の方が大きなRF振幅を得られるので、この駆動電圧を新たに最適駆動電圧とする。
【0132】
ステップS50では、駆動電圧が上限に達したか否かを判断する。その結果、16段階の駆動電圧についての測定が終了し、駆動電圧が上限に達していれば(ステップS50;YES)、処理を終え、まだ駆動電圧が上限に達していなければ(ステップS50;NO)、ステップS43に戻って同様の処理を繰り返す。
【0133】
ステップS41乃至ステップS50の処理を行うことにより、光ディスク10の回転に同期した状態でRF振幅を最大化する最適駆動電圧が決定されることになる。
【0134】
次に、図15は、図13と図14の処理の結果、最適とされた駆動方法を非点収差の補正を行わない場合と比較し、非点収差補正の適否を判断するための処理を示すフローチャートである。この場合も、光ディスク10の回転を考慮して処理を行う。
【0135】
図15の処理が開始されると、ステップS51では、ステップS31乃至39の処理の結果決定された最適駆動パターンの設定を行う。また、ステップS52では、ステップS41乃至50の処理の結果決定された最適駆動電圧の設定を行う。以上の設定により、RF振幅を最大化する状態で、液晶パネル制御部8により液晶パネル3が駆動されることになる。
【0136】
ステップS53では、光ディスク10が1回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は(ステップS53;YES)、ステップS54に移り、1回転したと判断されない場合は(ステップS53;NO)、ステップS53を繰り返して1回転するのを待つ。
【0137】
ステップS54では、最適駆動パターン及び最適駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆動してRF振幅を測定し、測定値RFAを得る。
【0138】
ステップS55では、非点収差の補正を行わない場合として、駆動パターンIの設定を行う。すなわち、液晶パネル3を通過する光ビームに対し位相差が付与されない場合の設定状態である。
【0139】
ステップS56では、ステップS53と同様、光ディスク10が1回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は(ステップS56;YES)、ステップS57に移り、1回転したと判断されない場合は(ステップS56;NO)、ステップS56を繰り返して1回転するのを待つ。
【0140】
ステップS57では、非点収差の補正を行わない状態でRF振幅の測定を行い、測定値RFBを得る。これにより、光ピックアップ本来の非点収差をそのまま反映した測定結果が得られる。
【0141】
ステップS58では、ステップS54で得られた測定値RFAと、ステップS57で得られた測定値RFBの大小を比較する。その結果、RFA>RFBとなる場合には(ステップS58;YES)、ステップS59に移り、RFA>RFBとならない場合には(ステップS58;NO)、ステップS60に移る。
【0142】
ステップS59では、収差補正を行う方が大きなRF振幅が得られるので、最適駆動パターン及び最適駆動電圧を、液晶パネル3に対する駆動を行う際に用いる組み合わせとして決定する。
【0143】
ステップS60では、収差補正を行わない方が大きなRF振幅が得られるので、対応する駆動パターンIを液晶パネル3に対する駆動を行う際の駆動パターンとして決定する。
【0144】
ステップS59又はステップS60の処理の後は、次に新たな調整を行うまで液晶パネル3の動作時には、決定された駆動方法によって駆動が行われることになる。
【0145】
ステップS51乃至ステップS60の処理を行うことにより、本来非点収差のほとんどない光学系に対しては、液晶パネル3による非点収差の補正を行わないようになるので、より適切な調整方法が実現できる。
【0146】
なお、以上説明した実施形態では液晶パネル3の透明電極22Aの外周部を8分割した場合について説明を行ったが、これ以外の分割数で複数のパターン電極を設けるようにしてもよい。例えば、4分割や16分割にしてもよい。この場合には、分割数を多くすると高精度に非点収差を補正することが可能となるが、構造及び制御が複雑になり調整に時間を要するので、適度な範囲で分割数を定める必要がある。
【0147】
また、以上説明した実施形態において、温度変動の影響を軽減するために、温度センサを設け、その温度出力に応じて前述の駆動電圧を補正するようにしてもよい。これにより、広い温度範囲で前述の液晶パネル3を駆動することが可能となる。
【0148】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、光ピックアップに様々な方向性の非点収差がある場合でも、この方向に対応する分割領域の電極に印加する電圧を容易に可変でき、高精度な光学部品を用いたり、組み立て後の調整等を行ったりすることなく、光ピックアップの非点収差を良好に補正可能となる。
【0149】
請求項2に記載の発明によれば、光ピックアップの光学系に液晶パネルを配置して、様々な方向性を持つ非点収差の補正を容易に行うことができ、簡易な構成で光ピックアップの非点収差の自動調整を実現可能となる。
【0150】
請求項3に記載の発明によれば、光学系に起因する非点収差の方向及び大きさを予め検出して、その検出結果に基づき印加電圧を設定するようにしたので、特別な調整が不要で、非点収差の補正を容易に行うことができる。
【0151】
請求項6に記載の発明によれば、光学系に起因する非点収差の方向及び大きさの検出を、製造工程の最終段階又は製品の電源投入時に行うようにしたので、光学系の非点収差の変動要因に適合して自動調整が行われ、それ以降は非点収差の補正を容易に行うことができる。
【0152】
請求項7に記載の発明によれば、複数の分割領域にそれぞれ独立に印加電圧を設定するようにしたので、補正パターンの自由度を大きくとれ、様々な非点収差の分布に対応して補正可能となる。
【0154】
請求項8に記載の発明によれば、非点収差の方向に応じて駆動パターンを回転させて制御可能であり、簡易に制御でき、精度の向上が容易な非点収差の補正を行うことが可能となる。
【0155】
請求項9に記載の発明によれば、非点収差の方向と分割領域の配置に応じて適切に非点収差の補正を行うことができ、分割領域数を実質的に2倍にできる非点収差の補正を行うことが可能となる。
【0156】
請求項10に記載の発明によれば、設定可能な全ての状態について非点収差の補正の適否を調べて最適な設定を行うようにしたので、きめの細かい調整が可能で、補正の精度向上が容易な非点収差の調整を実現可能となる。
【0157】
請求項11に記載の発明によれば、M個の駆動パターンを先に調整し、その後N段階の電圧を調整するようにしたので、短時間に調整を行うことができ、頻繁に調整を行う場合には特に好適な調整方法を提供できる。
【0158】
請求項12に記載の発明によれば、非点収差の補正を行わない場合との比較を行って非点収差の補正の可否を判断するようにしたので、非点収差がない理想的な状態の光ピックアップに対して不要な補正を行うという事態が回避される。
【0159】
請求項13に記載の発明によれば、光ディスク等の記録媒体の回転周期との同期をとりつつ調整を行うようにしたので、面ぶれ等に起因して不正確な測定につながることはなく、より正確に非点収差の補正を行うことが可能となる。
【0160】
請求項14に記載の発明によれば、各分割領域に対する電圧の駆動パターンと電圧を調整し、非点収差の方向及び大きさを検出するようにしたので、光ピックアップへの特別な調整を行うことなく任意の方向性を有する非点収差の補正が可能となる。
【0161】
請求項15に記載の発明によれば、光ピックアップの光学系に上述の収差補正装置を配置して光ビームを通過させるようにしたので、簡易かつ良好に光学系に起因する非点収差の補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における光ピックアップの概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における液晶パネルの縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態における対物レンズの瞳面における波面収差分布を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における液晶パネルのパターン電極を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における液晶パネル制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態における液晶パネルに対する駆動信号の波形パターンを示す図である。
【図7】本発明の実施形態における液晶パネルに対する駆動信号と位相差の関係を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における選択スイッチの駆動パターンを示す図である。
【図9】本発明の実施形態における液晶パネルの駆動パターンと非点収差の方向の関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態において、非点収差の方向が推移する場合の駆動パターンに応じた波面収差の変化を示す図である。
【図11】本発明の実施形態において、設定可能な全ての組み合わせに対する駆動を行う場合の液晶パネルに対する調整方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態において、駆動パターンを先に決定し駆動電圧をその後決定する場合の液晶パネルに対する調整方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態において、光ディスクの回転に同期して行われる液晶パネルに対する調整方法のうち、駆動パターンを決定するための処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態において、光ディスクの回転に同期して行われる液晶パネルに対する調整方法のうち、駆動電圧を決定するための処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態において、光ディスクの回転に同期して行われる液晶パネルに対する調整方法のうち、非点収差の補正を行わない場合と比較する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…レーザ光源
2…偏光ビームスプリッタ
3…液晶パネル
4…1/4波長板
5…対物レンズ
6…集光レンズ
7…受光器
8…液晶パネル制御部
9…スピンドルモータ
10…光ディスク
21A、21B…ガラス基板
22A、22B…透明電極
23A、23B…配向膜
30、31、32、33、34、35、36、37、38…パターン電極
39…入射範囲
101…制御器
102…液晶ドライバ
103…反転器
104、105…加算器
106…振幅変調器
107…選択スイッチ

Claims (15)

  1. 光源から出射され、対物レンズを介して記録媒体に照射される光ビームに位相差を付与することにより収差を補正する収差補正装置であって、
    前記収差補正装置は中心部と外周部に分割された電極を少なくとも有し、
    前記中心部は単一電極から成り、
    前記外周部は略中心対象に複数分割された電極からなり、
    前記電極には、前記非点収差の大きさに対応して変化する電圧が印加され、
    前記外周部の電極は、前記非点収差の方向性に対応した略同一電圧が印加される略中心対象な組み合わせパターンに切り替えられる、
    ことを特徴とする収差補正装置。
  2. 前記非点収差の補正は、電圧に応じて屈折率が可変される液晶層により光ビームに位相差を付与して行うことを特徴とする請求項1に記載の収差補正装置。
  3. 前記非点収差の方向及び大きさを光ディスクからの再生信号に基づいて検出する検出手段を更に備えると共に、当該検出手段の検出結果に基づいて前記電圧を設定することを特徴とする請求項2に記載の収差補正装置。
  4. 前記再生信号は、ジッタ値であることを特徴とする請求項3に記載の収差補正装置。
  5. 前記再生信号は、RF信号であることを特徴とする請求項3に記載の収差補正装置。
  6. 前記検出手段は、前記非点収差の方向及び大きさを、製造工程の最終段階又は製品の電源投入時に検出することを特徴とする請求項3に記載の収差補正装置。
  7. 前記複数の分割領域に印加される電圧は、各分割領域ごとに独立に設定可能であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の収差補正装置。
  8. 前記外周部の各分割領域のうち、前記非点収差の方向に対応する互いに中心対称となる1組の分割領域とこれに直交する1組の分割領域に、それぞれ逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧を印加することを特徴とする請求項7に記載の収差補正装置。
  9. 前記非点収差の方向が前記外周部の各分割領域の境界部近辺となる場合には、この境界の両側の互いに中心対称となる2組の分割領域とこれに直交する2組の分割領域に、それぞれ逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧を印加することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の収差補正装置。
  10. 所定のタイミングで、前記非点収差の方向に対応する前記各分割領域のM個の駆動パターンと前記電極に印加するN段階の電圧を組み合わせたM×N個の設定状態に対する前記非点収差の補正の度合い判別し、最適な設定状態を選択して前記非点収差の補正を行うことを特徴とする請求項7から請求項9の何れかに記載の収差補正装置。
  11. 所定のタイミングで、光ディスクからの再生信号に基づいて前記非点収差の方向に対応する前記各分割領域のM個の駆動パターンに対し、予め設定された電圧で前記非点収差の補正の度合いを判別して最適な駆動パターンを選択した後、前記電極に印加するN段階の電圧に対し、前記再生信号に基づいて更に前記非点収差の補正の度合いを判別して最適な電圧を選択し、前記非点収差の補正を行うことを特徴とする請求項7から請求項9の何れかに記載の収差補正装置。
  12. 前記非点収差の補正に対する最適な設定状態と前記非点収差の補正を行わない状態とでそれぞれ前記非点収差を比較して、当該最適な設定状態の方が良好な前記非点収差を得られる場合にのみ前記非点収差の補正を行うことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の収差補正装置。
  13. 前記非点収差の補正の度合いの判別は、回転駆動される前記記録媒体の回転周期に同期して行われることを特徴とする請求項10から請求項12の何れかに記載の収差補正装置。
  14. 光源から出射され、対物レンズを介して記録媒体に照射される光ビームの通過領域を光学系に起因する非点収差の分布に対応して複数に分割し、電圧を印加する電極をそれぞれの分割領域に設けた収差補正装置に対し、
    光ディスクからの再生信号に基づいて前記各分割領域に対する駆動パターンと前記電極に印加する電圧を調整して、前記非点収差の方向及び大きさを検出することを特徴とする非点収差検出方法。
  15. 請求項1から請求項13の何れかに記載の収差補正装置を備えると共に、光源から出射されて記録媒体に照射される光ビームが当該収差補正装置を通過するよう光学系が配置されることを特徴とする光ピックアップ。
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