JP4239547B2 - 組レンズ、組レンズ組立調整方法、組レンズ組立調整装置および光情報記録再生装置 - Google Patents

組レンズ、組レンズ組立調整方法、組レンズ組立調整装置および光情報記録再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組レンズ調整装置、組レンズ調整方法、組レンズ調整方法(装置)により組立調整された組レンズに関するものであり、特に光ディスクなどの情報記録媒体の記録再生に利用される組対物レンズの組立調整方法およびその装置、組立調整方法(装置)により組立調整された組レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に特許文献1での偏芯測定装置を用いて組レンズを調整する従来の方法を示す。同図に示す光源101から発した光束を指標112を有する照明レンズ系103に入射し、照明レンズ系103を通過した光束を第1被検レンズ106aに入射し、透過した光束を集光レンズ系107を通過して位置センサー108に入射する偏芯測定装置において、照明レンズ系111〜フォーカスレンズ系103の一部または全部を回転軸を中心に回転させる回転手段110を備え、回転手段110の回転により位置センサー108上に形成される指標112の像の軌跡に基づいて被検レンズ系106aの偏芯を検出し調整を行い、さらに被検レンズ系106bを被検レンズ系106aと同じ手順で偏芯を検出し調整を行うことにより被検レンズ系106aと被検レンズ系106bの調整を行う。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−230883号公報(特願平11−30332号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
偏芯測定装置を用いた従来の組レンズの組立方法では、組レンズの構成要素のレンズの幾何光学的な中心軸を一致させるように調整するのみであり、レンズ全体が持つ波面収差の各成分を制御することはできず、軸上収差および軸外収差における収差性能の良好な組レンズを組み立てることは難しい。本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、収差性能が良好な組レンズを組み立てるための、精度の高いレンズ組立調整方法、レンズ組立装置、組レンズ、光情報記録再生装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数のレンズを有する組レンズの組立調整方法であって、前記組レンズにおける収差成分の少なくとも1つの成分における軸外収差の大きさが、前記組レンズの光軸に対して対称となるように前記複数のレンズの第1の位置調整を行った後、さらに前記位置調整により補正されない前記組レンズの収差成分のうち少なくとも1つの成分における軸上収差を低滅させるように、前記複数のレンズの第2の位置調整を行う。これにより、例えば、レンズ調整時にレンズ全体が持つ軸上の波面収差の各成分を制御することができ、収差性能の良好な組レンズを組み立てることができる。
【0010】
また、前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを、前記組レンズの光軸に対して垂直方向に駆動することにより行い、補正される前記軸上収差は、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差のいずれかとした。これにより、例えば、前記組レンズを構成する前記複数のレンズを、前記複数のレンズの光軸に対し垂直方向に調整することにより、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差を調整することができる。
【0011】
また、前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを、前記組レンズの光軸に対して傾く方向に駆動することにより行い、補正される前記軸上収差成分は、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差のいずれかとした。これにより、例えば、前記組レンズを構成する前記複数のレンズの一方のレンズの光軸に対し、他方のレンズの光軸を傾けて調整することにより、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差を調整することができる。
【0012】
また、前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズの間隔を調整することにより行い、補正される前記軸上収差成分は、3次球面収差または5次球面収差のいずれかとした。これにより、例えば、前記組レンズを構成する前記複数のレンズの間隔調整により、3次球面収差または5次球面収差を調整できる。
【0013】
また、前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを、前記組レンズの光軸に対し回転方向に駆動することにより行い、補正される前記軸上収差は3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差のいずれかとした。これにより、例えば、前記組レンズを構成する前記複数のレンズを、前記複数のレンズの光軸に対し回転方向に調整することにより、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差を調整することができる。
【0014】
また、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズが持つ、補正される前記軸上収差成分と、他のレンズ全体が持つ補正される前記軸上収差成分の差がある設定値以下とした。これにより、例えば、前記回転非対称な収差成分をある設定値まで低減できる。
【0015】
また、第1の位置調整または第2の位置調整の後、前記組レンズの入射面側もしくは出射面側に設けた収差補正手段により前記組レンズの持つ収差成分の少なくとも1つの成分を低減させるように調整を行う。これにより、例えば、前記組レンズの収差成分を容易に低減することができる。
【0016】
また、前記収差補正手段を3次非点収差、3次コマ収差、5次コマ収差のいずれかの収差を補正する光学素子とした。これにより、例えば、簡単な手順によりレンズの収差を低減することができ、組レンズを容易に組み立てることができる。
【0017】
また、前記収差補正手段を位相板とした。これにより、例えば、前記組レンズの円周方向に非対称な成分を簡単な調整により低減することができる。
【0018】
また、前記収差補正手段を液晶素子とした。これにより、例えば、前記組レンズの円周方向に非対称な成分を、電気的制御により容易に低減することができる。
【0019】
また、前記組レンズは光情報記録再生装置の対物レンズであり、前記収差補正手段は前記組レンズが配置される前記光ヘッドのアクチュエータの重心を調整するためのカウンターウェイトとして配置した。これにより、例えば、前記光ヘッドの構成部品数を減らすことができる。
【0020】
また、前記組レンズは光情報記録再生装置の対物レンズであり、また、前記収差補正手段は前記組レンズを配置する前記光ヘッドの光学素子と一体に形成した。これにより、例えば、前記光ヘッド全体の重量を増やさずに新たに光学素子を配置することができる。
【0021】
また、前記軸上収差成分および前記軸外収差成分の少なくとも1つの成分を低減させるように前記複数のレンズの位置を調整し、調整手順として、前記光軸に垂直な方向、前記光軸を傾ける方向、前記光軸方向、前記円周方向の順に、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整する。これにより、例えば、簡単な手順によりレンズの収差成分を低減することができ、組レンズを容易に組み立てることができる。
【0022】
また、前記組レンズの調整手順として、前記光軸に垂直な方向、前記光軸方向の順に、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整する。これにより、例えば、簡単な手順によりレンズの収差成分を低減することができ、組レンズを容易に組み立てることができる。
【0023】
また、前記組レンズの調整手順として、前記光軸に垂直な方向、前記光軸方向の順に、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整し、さらに前記組レンズの入射面または出射面側に、3次非点収差または3次コマ収差、または5次コマ収差のいずれかの成分で、前記調整により補正されない収差成分を補正する。これにより、例えば、簡単な手順によりレンズの収差成分を低減することができ、組レンズを容易に組み立てることができる。
【0024】
また、前記組レンズの調整手順として、前記光軸に垂直な方向に前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整し、さらに前記組レンズの入射面側または出射面側に、3次球面収差、3次非点収差、3次コマ収差または5次コマ収差のいずれかの成分で、前記調整により補正されない収差成分を補正する。これにより、例えば、簡単な手順によりレンズの収差成分を低減することができ、組レンズを容易に組み立てることができる。
【0025】
本発明の組レンズ組立調整装置は、組レンズを通過させた光を受けて前記組レンズの持つ収差成分を検出する手段と、前記複数のレンズを個別に調整できる駆動手段とを有し、前記組レンズにおける収差成分の少なくとも1つの成分における軸外収差の大きさが、前記組レンズの光軸に対して対称となるように前記複数のレンズの位置調整を行うように構成したものである。これにより、例えば、収差性能の良好な組レンズを組み立てることができる。
【0026】
また、前記軸外収差を検出するために、前記組レンズに入射する光の入射角を変えるための可動ミラーを設けた。これにより、例えば、前記組レンズに入射する光の入射角を変えることにより、レンズの軸外収差を測定できる。
【0027】
また、前記軸外収差を検出するために、前記組レンズに、それぞれ異なる角度で入射する少なくとも2つ以上の複数の光源を設けた。これにより、例えば、前記組レンズに入射する光の入射角を容易に変えることができ、高速にレンズの軸外収差を測定できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る組レンズ組立調整装置の構成図であり、被調整レンズはレンズの開口数を大きくするために少なくとも2枚以上、および少なくとも2群以上の複数のレンズで構成された組レンズである。レンズにおいて使用波長に対し色収差補正を行う場合は、レンズ構成材料を少なくとも2種類以上使用する。同図において、光源6より出射した発散光を、コリメータレンズ7により平行光8に変換し、反射ミラー17および被調整レンズを構成する第2の鏡筒5に固定された第2のレンズ4および第1の鏡筒3に固定された第1のレンズ2を通過させ、被調整レンズの出射光(つまり、第1のレンズ2より出射する光)を収差測定手段1により測定する。前記反射ミラー17の傾きは、第3の傾き調整ステージ18により変化させることができ、前記平行光8の前記被調整レンズへの入射角を、例えば、レンズの光軸に対し0度、1度、−1度に変化させれば、前記被調整レンズにおける軸上収差、画角が1度の場合の軸外収差、画角が−1度の場合の軸外収差をそれぞれ測定することができる。この軸上収差および軸外収差の測定結果より被調整レンズの各収差成分、すなわち、3次球面収差、3次コマ収差、5次コマ収差または、3次非点収差などの量を計算処理により得て、第1の調整手段12を用いて前記第2のレンズ4を駆動し、第2の調整手段16を用いて前記第1のレンズ2を個別に駆動し、前記被調整レンズの調整を行う。第1の前記調整手段12は、第2の鏡筒をXY方向、Z方向および傾き方向へそれぞれ駆動する第1のXYステージ10、第1のZステージ11、およびXY方向へのそれぞれの傾きを調整する第1の傾き調整ステージ9で構成され、第2の前記調整手段16は、第1の鏡筒をXY方向、Z方向および傾き方向へそれぞれ駆動する第2のXYステージ14、第2のZステージ15、およびXY方向へのそれぞれの傾きを調整する第2の傾き調整ステージ13で構成されており、この第1の調整手段12および第2の調整手段16により、第1の鏡筒3および第2の鏡筒5を独立に5軸調整することができる。
【0034】
レンズの調整方向と補正される収差は、図1におけるX軸方向およびY軸方向、または、X軸およびY軸に対する傾き方向には前記被調整レンズの円周方向に対し回転対称でない成分、たとえば、3次コマ収差、5次コマ収差、3次非点収差などが補正され、Z方向には3次球面収差および5次球面収差が補正される。
【0035】
さて、組レンズの構成要素の各レンズは、レンズの加工誤差などにより、あらかじめある収差を持っており、収差成分が軸上で最小になるように調整すると、第1および第2のレンズがあらかじめ持っている収差をうち消すように調整が行われ、その結果として、軸外の収差が非対称となりレンズの軸外性能が低下する。この軸外性能の低下をさけるため、収差成分の少なくとも1つの成分における軸外収差の大きさが組レンズの光軸に対して対称となるように駆動手段で第1および第2のレンズの位置調整を行う。たとえば、青紫色波長光源(波長405nm)を用いた焦点距離が2mm、開口数が0.85、レンズ硝材の色補正を行うために2群3枚で構成されている高密度記録装置用光ヘッドの組対物レンズの場合、軸外のXY方向で3次非点収差、軸上の傾き方向で3次コマ収差、軸上のZ方向で3次球面収差を補正することができる。
【0036】
実際の手順として、最初に前記第1のレンズ2および第2のレンズ4を、前記入射光である前記平行光8に対し垂直になるように配置する。この第1のレンズ2および第2のレンズの垂直出しは、それぞれのレンズにおけるコバの平坦部からの反射光が入射光と逆方向に平行に戻るようにそれぞれのレンズの傾き調整を行うが、レンズにコバの平坦部がない場合はレンズの入射面または出射面の外周部に段差を設けることにより平坦部を形成したレンズを用いる。次に、第3の傾き調整ステージ18により、レンズへの入射光をレンズの光軸に対し1度、−1度に変化させ、被調整レンズの画角が1度の場合の軸外非点収差、画角が−1度の場合の軸外非点収差が一致するように第1の鏡筒3または第2の鏡筒5を第1のXYステージ10および第2のXYステージ14を用いて調整し、次に前記第3の傾き調整ステージ18により、レンズへの入射光がレンズの光軸に平行になるように変化させ、第1の傾き調整ステージ9または第2の傾き調整ステージ13で軸上の3次コマ収差をある設定値以下になるように調整し、最後に第1のZステージ11または第2のZステージ15で軸上の3次球面収差をある設定値以下になるように調整する。各設定値は、たとえば、0.01λとする。
【0037】
また、高密度記録装置用光ヘッドの組対物レンズの場合、光ピックアップでの対物レンズのあおり調整により3次コマ収差を調整することができるため、第1の傾き調整ステージ9または第2の傾き調整ステージ13での調整工程を省略し、組レンズの3次コマ収差を前記あおり調整で低減させても良い。さらに球面収差やコマ収差を補正できる能動素子(図示せず)、たとえば液晶素子が光ピックアップの光学系内にある場合、能動素子で補正できる収差に対応する調整工程を省略しても良い。
【0038】
以上の方法により、第1及び第2の鏡筒を調整し、これらの鏡筒間に接着樹脂を充填してそれぞれの鏡筒の固定接着を行い、レンズの組み立てが完了する。鏡筒間隔は狭い方がよく、例えば100μm以下にすると温度変化に対し安定なレンズを構成できる。この場合、構成レンズのもつ収差により第1の鏡筒に対し、第2の鏡筒が傾き、これらの鏡筒の接合部における鏡筒間隔が不均一になる場合があるが、例えば鏡筒間隔の広い部分には線膨張係数の小さな接着樹脂を、鏡筒間隔の狭い部分には線膨張係数の大きな接着樹脂を充填し鏡筒の接着を行えば、温度変化による接着樹脂層の収縮が均等に行われるため温度変化に対するレンズ特性を安定させることができる。
【0039】
以上の方法で組対物レンズの組み立て調整を行うことにより、組レンズの各収差成分を独立に減少させることができるため、組レンズの収差を低減でき、集光特性の良好なレンズを組み立てることができる。
【0040】
(実施の形態2)
図2は実施の形態2に係る組レンズ組立調整装置の構成図であり、図1における反射ミラー17の傾きを図1における第3の傾き調整ステージ18により変化させる代わりに、それぞれ第2のレンズ4への入射角の異なる3つの平行光源を配置した組レンズ組立調整装置である。対物レンズへの平行光の入射角の切り替えを第1の光源6a、第2の光源6b、第3の光源6cの切り替えにより行うことができるため、軸外収差と軸上収差の測定の切り替えを高速に行うことができる。その他については実施の形態1と同様である。
【0041】
(実施の形態3)
図3は実施の形態3に係る組レンズ組立調整装置の構成図であり、第2の鏡筒5を第2のレンズ4の円周方向に回転調整するための回転ステージ19を用いた組レンズ組立調整装置である。組レンズにて調整する収差成分として、3次球面収差、3次コマ収差、5次コマ収差、3次非点収差の4成分に着目する場合、図1のレンズ調整器ではXY方向、Z方向、傾き方向の3成分しか制御できないため、調整できるのは多くとも3つの収差成分である。そこで、さらに回転ステージ19を設け、回転調整を追加することにより4成分の全ての収差の調整ができるようにした。
【0042】
回転調整により調整される収差は、組レンズの構成要素の各レンズの持つ収差の回転非対称成分、たとえば、5次コマ収差であり、組レンズを構成するレンズをそれぞれのレンズが持つ5次コマ収差を互いに打ち消すように回転調整を行えば組レンズ全体の収差を低減させることができる。この場合、組レンズの構成要素の各レンズの5次コマ収差の量をあらかじめ個別に測定し、それぞれの持つ5次コマ収差の差をある設定値以下とすれば、組レンズ全体の5次コマ収差をある設定値まで減少させることができる。設定値は、たとえば0.02λとする。
【0043】
実際の調整手順として、たとえば、軸外における非点収差でXY方向の調整を行い、傾き方向で3次コマ収差、Z方向で3次球面収差を補正し、回転方向で5次コマ収差を調整する。
【0044】
さて、ある位置での組レンズ全体の5次コマ収差のXY成分を(X1,Y1)とし、第2のレンズを90度回転させたときの5次コマ収差のXY成分を(X2,Y2)とする。(X1,Y1)と(X2,Y2)を結ぶ直線を直径とする円を2次元のグラフに描くと、第1のレンズの5次コマ収差の大きさおよび方向は2次元のグラフの原点から前記円の中心へのベクトルで表され、第2のレンズ4を90度回転させたときの第2のレンズ4の5次コマ収差の大きさおよび方向は前記円の中心から前記(X2,Y2)へのベクトルで表される。この方法により、組レンズの構成要素の各レンズの5次コマ収差の量が容易に求められるため、この各レンズの5次コマ収差を打ち消すように調整を行うことができる。この場合、構成要素の各レンズがそれぞれ持つ5次コマ収差の方向と大きさを測定する工程を省略することができる。
【0045】
また、組レンズの構成要素の各レンズのそれぞれの5次コマ収差を測定する工程を省略し、回転調整の以前の段階で、組レンズの5次コマ収差がある設定値以上の時、回転ステージ17であらかじめ設定した角度の回転を少なくとも1回行い、5次コマ収差の値を変え、5次コマ収差の値がある設定値以下となった場合調整が完了するとしても良い。
【0046】
設定した角度としては、たとえば45度、前記設定値は、たとえば0.01λとする。その他については第1および第2の実施の形態と同様である。以上の方法により、組レンズの各収差成分を独立に減少させることができるため、組レンズの収差特性を改善でき、集光特性の良好なレンズを組み立てることができる。
【0047】
(実施の形態4)
図4は実施の形態4に係る組レンズ組立調整装置の構成図である。本実施の形態の組レンズ組立調整装置は、図1の光学系に被調整レンズの収差の少なくとも1つの成分を調整するための収差補正手段20を備えたことを特徴とする。収差補正手段20としては、たとえば、位相板、液晶素子などを用い、補正される収差は、たとえば、3次非点収差、3次コマ収差または、5次コマ収差である。収差補正手段20は、第3の調整手段21を用いて駆動し、被調整レンズの波面収差が減少する方向に調整を行う。
【0048】
実際の調整手順としては、たとえば、収差補正手段20が5次コマ収差補正素子である場合、図4において、第1の実施の形態と同様に、第1の鏡筒3または第2の鏡筒5を第1のXYステージ10または第2のXYステージ14を用いて軸外の3次非点収差が少なくなるように調整し、次に第1の傾き調整ステージ9または第2の傾き調整ステージ13で軸上3次コマ収差が少なくなるように調整し、第1のZステージ11または第2のZステージ15で軸上の3次球面収差が少なくなるように調整し、最後に第3の調整手段21で収差補正手段20を駆動し5次コマ収差をある設定値以下になるように調整する。各設定値は、たとえば、0.01λとする。その他については実施の形態1〜実施の形態2に記載のものと同様である。以上の方法により、組レンズの各収差成分を独立に減少させることができるため、組レンズの収差特性を改善でき、集光特性の良好なレンズを組み立てることができる。
【0049】
また、被調整レンズがたとえば光ヘッド用の組対物レンズの場合、図5に示すように、収差補正手段20を前記組レンズが配置される光ヘッドの光路中に配置された光学素子22の表面に一体形成すれば、さらに光学系を小型化することができる。光ヘッドの光路中に配置された光学素子22は、たとえば、DVDやCD用光源での波長における色分散を補正するためのグレーティングなどである。
【0050】
また、一体形成された素子を、光ヘッドのアクチュエータの可動子の重心バランスをとるために通常用いられているカウンターウェイトの代わりに使用すれば、ヘッド構成部品数を減少させることができる。その他については実施の形態1〜実施の形態3と同様である。
【0051】
(実施の形態5)
図6は、実施の形態5に係る組レンズ組立調整装置の構成図であり、被調整レンズがたとえば光ヘッド用の組対物レンズの場合のものであり、前記光ヘッドの光学系が持つ全体の収差を低減するように、組レンズの調整を行う組レンズ組立調整するものである。第2の鏡筒5はアクチュエータ23に固定されておりアクチュエータは光学基台24に配置されている。立ち上げミラー25からの反射光を、被調整レンズを構成する第2のレンズ4および第1のレンズ2を通過させ、被調整レンズの出射光を収差測定手段1により測定し、得られた波面収差の量にもとづいて第1の調整手段12および第2の調整手段16を用いて前記第1のレンズ2および光学基台24を個別に駆動し、被調整レンズの調整を行う。
【0052】
その他については実施の形態1〜実施の形態4と同様である。以上のような調整を行うことにより、光ヘッドの光学系が持つ全体の収差を低減することができ、光ヘッドの集光特性を改善することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のレンズからなる組レンズを単純な手順により短時間で調整できると同時に、前記複数のレンズが持つ収差の各成分をそれぞれ独立に低減することができるため、前記組レンズの軸全体の収差を極めて少なくすることができ、軸上および軸外での集光特性が良好な組レンズを高い精度で組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る組レンズ組立調整装置の構成図
【図2】実施の形態2に係る組レンズ組立調整装置の構成図
【図3】実施の形態3に係る組レンズ組立調整装置の構成図
【図4】実施の形態4に係る組レンズ組立調整装置の構成図
【図5】実施の形態4に係る光ヘッド用の組対物レンズの構成図
【図6】実施の形態5に係る組レンズ組立調整装置の構成図
【図7】偏芯測定装置を用いた従来の組レンズの調整装置の構成図
【符号の説明】
1 収差測定手段
2 第1のレンズ
3 第1の鏡筒
4 第2のレンズ
5 第2の鏡筒
6 光源
6a 第1の光源
6b 第2の光源
6c 第3の光源
7 コリメータレンズ
7a 第1のコリメータレンズ
7b 第2のコリメータレンズ
7c 第3のコリメータレンズ
8 平行光
8a 第1の平行光
8b 第2の平行光
8c 第3の平行光
9 第1の傾き調整ステージ
10 第1のXYステージ
11 第1のZステージ
12 第1の調整手段
13 第2の傾き調整ステージ
14 第2のXYステージ
15 第2のZステージ
16 第2の調整手段
17 反射ミラー
18 第3の傾き調整ステージ
19 回転ステージ
20 収差補正手段
21 第3の調整手段
22 光学素子
23 アクチュエータ
24 光学基台
25 立ち上げミラー
101 光源
102 コリメートレンズ
103 フォーカスレンズ系
104 フォーカスレンズ前群
105 フォーカスレンズ後群
106a 第1被検レンズ
106b 第2被検レンズ
107 集光レンズ系
108 位置センサー
109 可変絞り
110 回転手段
111 照明レンズ
112 指標

Claims (18)

  1. 複数のレンズを有する組レンズの組立調整方法であって、前記組レンズにおける収差成分の少なくとも1つの成分における軸外収差の大きさが、前記組レンズの光軸に対して対称となるように前記複数のレンズの第1の位置調整を行った後、さらに前記位置調整により補正されない前記組レンズの収差成分のうち少なくとも1つの成分における軸上収差を低滅させるように、前記複数のレンズの第2の位置調整を行う組レンズ組立調整方法。
  2. 前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを、前記組レンズの光軸に対して垂直方向に駆動することにより行い、補正される前記軸上収差は、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差のいずれかである請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  3. 前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを、前記組レンズの光軸に対して傾く方向に駆動することにより行い、補正される前記軸上収差は、3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差のいずれかである請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  4. 前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズの間隔を調整することにより行い、補正される前記軸上収差は、3次球面収差または5次球面収差のいずれかである請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  5. 前記第2の位置調整は、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを、前記組レンズの光軸に対し回転方向に駆動することにより行い、補正される前記軸上収差は3次コマ収差、または5次コマ収差、または3次非点収差のいずれかである請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  6. 前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズが持つ、補正される前記軸上収差と、他のレンズ全体が持つ補正される前記軸上収差の差がある設定値以下である請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  7. 前記組レンズの入射面側もしくは出射面側に設けた収差補正手段により前記組レンズの持つ収差成分の少なくとも1つの成分を低減させるように調整を行う請求項1に記載の組レンズ組立調整方法。
  8. 前記収差補正手段は3次非点収差、または3次コマ収差、または5次コマ収差のいずれかの収差を補正する光学素子である請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  9. 前記収差補正手段は位相板である請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  10. 前記収差補正手段は液晶素子である請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  11. 前記組レンズは光情報記録再生装置の対物レンズであり、前記収差補正手段は前記組レンズが配置される前記光ヘッドのアクチュエータの重心を調整するためのカウンターウェイトとして配置されている請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  12. 前記組レンズは光情報記録再生装置の対物レンズであり、前記収差補正手段は前記組レンズを配置する前記光ヘッドの光学素子と一体に形成されている請求項記載の組レンズ組立調整方法。
  13. 前記軸上収差および前記軸外収差の少なくとも1つの成分を低減させるように前記複数のレンズの位置を調整し、調整手順として、前記光軸に垂直な方向、前記光軸を傾ける方向、前記光軸方向、前記円周方向の順に、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整する請求項1記載の組レンズ組立調整方法。
  14. 前記組レンズの調整手順として、前記光軸に垂直な方向、前記光軸方向の順に、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整する請求項1記載の組レンズ組立調整方法。
  15. 前記組レンズの調整手順として、前記光軸に垂直な方向、前記光軸方向の順に、前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整し、さらに前記組レンズの入射面または出射面側に、3次非点収差または3次コマ収差、または5次コマ収差のいずれかの成分で、前記調整により補正されない収差成分を補正する請求項1記載の組レンズ組立調整方法。
  16. 前記組レンズの調整手順として、前記光軸に垂直な方向に前記組レンズを構成する少なくとも一つのレンズを調整し、さらに前記組レンズの入射面側または出射面側に、3次球面収差、または3次非点収差、または3次コマ収差または5次コマ収差のいずれかの成分で、前記調整により補正されない収差成分を補正する請求項1記載の組レンズ組立調整方法。
  17. 組レンズを通過させた光を受けて前記組レンズの持つ収差成分を検出する手段と、
    前記複数のレンズを個別に調整できる駆動手段とを有し、
    前記組レンズにおける収差成分の少なくとも1つの成分における軸外収差の大きさが、前記組レンズの光軸に対して対称となるように前記複数のレンズの位置調整を行うように構成した組レンズ組立調整装置であって、
    前記軸外収差を検出するために、前記組レンズに入射する光の入射角を変えるための可動ミラーを設けたことを特徴とする組レンズ組立調整装置。
  18. 組レンズを通過させた光を受けて前記組レンズの持つ収差成分を検出する手段と、
    前記複数のレンズを個別に調整できる駆動手段とを有し、
    前記組レンズにおける収差成分の少なくとも1つの成分における軸外収差の大きさが、前記組レンズの光軸に対して対称となるように前記複数のレンズの位置調整を行うように構成した組レンズ組立調整装置であって、
    前記軸外収差を検出するために、前記組レンズに、それぞれ異なる角度で入射する少なくとも2つ以上の複数の光源を設けたことを特徴とする組レンズ組立調整装置。
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