JP4014840B2 - コマ収差補正素子およびこれを用いた光ヘッド用光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば記録密度の高い光ディスク等の光記録媒体を用いる開口数の大きな光学系のコマ収差を補正するコマ収差補正素子、および、この素子を用いた光ヘッド用光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ヘッド用光学系は、レーザー光を発する光源部と、この光源部から発したレーザー光を光ディスク等の光記録媒体の記録面上に収束させる対物レンズと、光ディスクからの反射光を受光して信号を検出する受光部とを備えている。対物レンズは、両面非球面の単レンズ、または複数の球面レンズの組み合わせにより構成される。対物レンズは、一般に球面収差、コマ収差等を小さく抑え、レーザー光を回折限界のスポットに絞り込むよう設計されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、両面非球面単レンズの両面の光軸が相対的に偏心した場合、あるいは、組み合わせレンズの少なくとも1つのレンズの光軸が他のレンズの光軸に対して偏心した場合には、対物レンズに対する入射光の方向が対物レンズの光軸に一致していたとしても、コマ収差が発生する。特に、記録密度の高い光ディスクを用いる装置の対物レンズは、スポット径を小さく絞るために開口数(NA)が大きいため、偏心に対する感度が高く、わずかな偏心により非常に大きなコマ収差が発生する。両面非球面の対物レンズは、一般に金型を用いて成形されるが、一方のレンズ面を形成する金型と、他方のレンズ面を形成する金型との間には所定のクリアランスが必要であるため、成型時に一方のレンズ面に対して他方のレンズ面が僅かに偏心するのを完全に防ぐことができず、コマ収差が発生する。
【0004】
上記のような偏心によるコマ収差を有する対物レンズ、あるいは、他の収差補正とのバランス等から軸外のコマ収差が完全に補正されていない対物レンズを利用する場合には、対物レンズに対する入射光の方向と対物レンズの光軸とを厳密に合わせる必要があり、調整が非常に困難であるという問題がある。対物レンズがコマ収差を持つ場合、調整が不完全であると、レーザー光を所望のスポット径に絞り込むことができず、情報の読み取り、書き込みに支障を来すこととなる。
【0005】
また、DVD(Digital Versatile Disc)とCD(Compact Disc)とのように要求される像側NAやディスク表面の保護層の厚さが異なる光ディスクに対して互換性を有する光ヘッドでは、入射光束が光軸に対して傾いた場合に発生するコマ収差の量が異なるため、両方の光ディスクに対してコマ収差を補正できるような対物レンズは設計不可能である。
【0006】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、対物レンズの製造上発生するコマ収差や光ディスクの傾きにより発生するコマ収差を容易に補正することができる手段を提供することを目的とし、さらに、このような手段を用いた光ヘッド用光学系を提供することを目的とする。、
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるコマ収差補正素子は、両面が回転対称な非球面であり、それぞれ逆符号の球面収差を発生させる単板の素子であり、近軸的なパワーがほぼゼロであり、ほぼ平行光中に配置され、垂直に入射する光束に対しては収差を発生させず、斜入射する光束に対してはコマ収差を発生させることを特徴とする。
このようなコマ収差補正素子を光学系中に配置し、光学系のコマ収差に応じてコマ収差補正素子の中心軸を光学系の光軸に対して傾けることにより、光学系全体でのコマ収差の発生を防ぐことができる。また、回転対称な非球面とすることにより、コマ収差を効率よく補正することができる。
【0008】
素子は符号の異なる球面収差を発生させるためにメニスカス形状となる。両面の形状は同一(凹凸のみ異なる)としてもよいが、その場合には素子が厚さを持つことから両面で発生する球面収差を完全にうち消し合わせることができない。そこで、素子の有無による球面収差の変化をなくすためには、両面の断面形状がわずかに異なることが望ましい。
【0009】
また、この発明にかかる光ヘッド用光学系は、光源部と、この光源部から発した光束を光記録媒体の記録面上に収束させる対物レンズとを含み、上記のコマ収差補正素子を光源部と対物レンズとの間のほぼ平行光中に配置したことを特徴とする。対物レンズのコマ収差が補正されていない場合、コマ収差補正素子は、その中心軸を対物レンズの光軸に対して傾けて配置される。
【0010】
なお、要求される像側NAや保護層の厚さが異なる複数の光ディスクを利用する装置では、コマ収差の発生量が異なる。また、光ディスクの回転に伴う傾きの変化により発生するコマ収差を補正するためには、コマ収差補正素子の傾きを動的に調整する必要がある。これらの場合には、対物レンズの光軸に対するコマ収差補正素子の中心軸の角度が調整可能であることが望ましい。
【0011】
さらに、対物レンズの偏心誤差等により発生するコマ収差と、光ディスクの要求するNAや保護層の厚さの違い、あるいは、光ディスクの傾き角度の変化により発生するコマ収差とをそれぞれ補正するためには、光源部と対物レンズとの間に、コマ収差補正素子を2枚配置することが望ましい。この場合、2枚のコマ収差補正素子のうち、1枚は対物レンズの光軸に対して中心軸の角度を固定して配置し、他の1枚は対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が調整可能に配置することが望ましい。
【0012】
対物レンズの光軸とコマ収差補正素子の光軸とが偏心すると、非点収差が発生する。したがって、光学的な性能を優先するとすれば、対物レンズをトラッキングのために駆動する際に、コマ収差補正素子も対物レンズと一体に駆動されることが望ましい。ただし、光ディスクの傾きによるコマ収差を補正するために傾き角度をアクチュエータにより動的に変化させる場合には、コマ収差補正素子とこれを駆動するアクチュエータとを対物レンズと一体に駆動しなければならず、機構的な負担が大きくなる。そこで、光学的な性能と機構的な負担とのバランスを考慮すると、対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が固定されたコマ収差補正素子を、トラッキングのために対物レンズと一体に移動させ、対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が調整可能なコマ収差補正素子を、トラッキングのために対物レンズと一体に移動しないようにすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかるコマ収差補正素子、およびこれを用いた光ヘッド用光学系の実施形態を説明する。
【0014】
【第1の実施形態】
図1は、第1の実施形態にかかるコマ収差補正素子を用いた光ヘッド用光学系の説明図である。この光ヘッドは、レーザー光を発する半導体レーザー1と、この半導体レーザー1から発する発散光をほぼ平行光にするコリメートレンズ2と、レーザー光を光ディスク10の透明な保護層11を介して記録面12上に収束させる対物レンズ20と、光ディスク10からの戻り光を対物レンズへの入射光の光路から分離するビームスプリッター3と、分離された戻り光を集光させるコンデンサレンズ4と、集光された戻り光を受光して各種の信号を出力する受光素子5とを備えている。半導体レーザー1とコリメートレンズ2とは光源部を構成している。
【0015】
対物レンズ20は、光源部側の第1面20aと、光ディスク10側の第2面20bとの両面が非球面の単レンズであり、トラッキング、フォーカシングのために対物レンズアクチュエータ6に搭載されている。また、この対物レンズアクチュエータ6には、コマ収差補正素子30が対物レンズ20と一体に駆動されるよう搭載されている。
【0016】
コマ収差補正素子30は、ビームスプリッター3と対物レンズ20との間の光路中に配置され、両面がそれぞれ逆符号の球面収差を発生させる単板の素子であり、近軸的なパワーがほぼゼロであり、垂直に入射する光束に対しては収差を発生させず、斜入射する光束に対してはコマ収差を発生させる。コマ収差補正素子30の面は、回転対称な非球面であり、各面が垂直入射の場合に互いに打ち消し合う符号の異なる球面収差を発生させるようにメニスカス形状とされている。
【0017】
コマ収差補正素子30は、対物レンズアクチュエータ6内で調整機構40に組み込まれている。調整機構40は、例えば図2に示すように、図示せぬ光ヘッドの筐体に固定された外枠41と、この外枠41に内接して回動可能な内枠42とを備えており、コマ収差補正素子30は、その直径方向に取り付けられた回動軸43により内枠42に取り付けられている。内枠42に対して回動軸43回りにコマ収差補正素子30を回動させることにより、コマ収差の発生量を調整することができ、外枠41に対して内枠42を回すことにより、発生させるコマ収差の方向性を調整することができる。
【0018】
例えば対物レンズ20のレンズ面同士の偏心や、傾きにより光学系にコマ収差が発生している場合、コマ収差補正素子30を内枠42に対して傾け、内枠42を外枠43に対して回動させて方向を調整し、光学系のコマ収差を打ち消すようなコマ収差を故意に発生させる。これにより、光学系全体でのコマ収差の発生を防ぐことができる。
【0019】
コマ収差補正素子30は、対物レンズアクチュエータ6外に配置されてもよいが、その場合には対物レンズのトラッキングのための移動により非点収差が発生する。このような非点収差の発生を防ぐためには、上記のようにコマ収差補正素子30と対物レンズ20とを一体にして移動させることが望ましい。
【0020】
なお、保護層の厚さが異なる複数の光ディスクを利用する装置で用いられる場合、あるいは、光ディスクの回転に伴う傾きの変化により発生するコマ収差を補正する場合には、対物レンズ20の光軸に対するコマ収差補正素子30の中心軸の角度を動的に調整する必要がある。このような場合には、調整機構40にアクチュエータを追加し、保護層の厚さ、あるいは光ディスクの傾きを検知してコマ収差補正素子30の傾き角度を自動的に調整できるようにすればよい。
次に、上述した第1の実施形態に基づく光ヘッドの光学系の具体的な実施例を5例提示する。
【0021】
【実施例1】
図3は、実施例1にかかるコマ収差補正素子30と対物レンズ20、および光ディスク10の保護層11を示すレンズ図であり、対物レンズ20に面の偏心や傾きがなく、コマ収差補正素子30の中心軸が光軸に一致する状態を示している。実施例1では、対物レンズ20は単レンズであり、保護層の厚さが0.3mmの光ディスクを対象とし、コマ収差補正素子30は両面が同一形状(凹凸は逆)である。
【0022】
実施例1の光学系の具体的な数値構成は表1に示される。表中、fは対物レンズ20の焦点距離、NAは開口数、rは面の曲率半径(単位:mm)、dは面間の光軸上の距離(単位:mm)、nは使用波長405nmにおける屈折率である。面番号#1、#2がそれぞれコマ収差補正素子30の第1面30a、第2面30b、面番号#3,#4がそれぞれ対物レンズ20の第1面20a、第2面20b、面番号#5,#6が光ディスク10の保護層11の両面を示している。
【0023】
コマ収差補正素子30と対物レンズ20とは、共に両面が光軸を対称軸とする回転対称な非球面である。非球面の形状は、光軸からの距離がhとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数をA4,A6,A8,A10,A12として、以下の式で表される。これらの係数は表2に示される。
X(h)=Ch2/(1+√(1-(1+K)C2h2))+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10+A12h12
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
図4は、図3に示した状態での波面収差を示し、(A)は光軸に対して垂直で図3の紙面に含まれるY方向の波面、(B)は光軸に対して垂直で図3の紙面に垂直なZ方向の波面を示す。グラフの縦軸は収差の発生量(単位:波長)、横軸は光軸からの距離を示す。図4からわかるように、コマ収差補正素子30の両面が同一形状であるため、素子が厚さを持つことにより両面で発生する球面収差を完全に打ち消し合わせることができず、若干の球面収差が残存する。
【0027】
対物レンズ20の第2面20bが第1面20aに対して光軸に垂直な方向に10μmずれた場合(面の偏心)、この偏心により発生したコマ収差により、波面収差は図5に示すように大きくなる。ここで、図6に示すようにコマ収差補正素子30を−3.75°傾けると、対物レンズの偏心により発生したコマ収差がコマ収差補正素子の傾きにより発生したコマ収差により打ち消され、図7に示すように、偏心がない状態である図4と同等のレベルにまで波面収差が補正される。
【0028】
【実施例2】
図8は、実施例2にかかるコマ収差補正素子30と対物レンズ20、および光ディスク10の保護層11を示すレンズ図であり、対物レンズ20に面の偏心や傾きがなく、コマ収差補正素子30の中心軸が光軸に一致する状態を示している。実施例2では、対物レンズ20は単レンズであり、保護層の厚さが0.3mmの光ディスクを対象とし、コマ収差補正素子30は両面の形状が異なる。すなわち、実施例1のようにコマ収差補正素子30の両面が同一形状であると、補正前の状態において両面で発生する球面収差を完全にうち消し合わせることができない。実施例2では、両面の形状を異ならせることにより、補正前の状態で両面で発生する球面収差を完全に打ち消し合わせるようにしている。
実施例2の光学系の基本的な数値構成を表3に、非球面に関する係数を表4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
図9は、図8に示した状態での波面収差を示す。図9からわかるように、コマ収差補正素子30の両面を異なる形状にすることにより、両面で発生する球面収差を完全に打ち消し合わせることができ、波面収差は発生していない。
【0032】
対物レンズ20の第2面20bが第1面20aに対して光軸に垂直な方向に10μmずれた場合(面の偏心)、この偏心により発生したコマ収差により、波面収差は図10に示すように大きくなる。ここで、図11に示すようにコマ収差補正素子30を−3.75°傾けると、対物レンズの偏心により発生したコマ収差がコマ収差補正素子の傾きにより発生したコマ収差により打ち消され、図12に示すように、偏心がない状態である図9と同等のレベルにまで波面収差が補正される。
【0033】
【実施例3】
図13は、実施例3にかかるコマ収差補正素子30と対物レンズ20、および光ディスク10の保護層11を示すレンズ図であり、対物レンズ20に面の偏心や傾きがなく、コマ収差補正素子30の中心軸が光軸に一致する状態を示している。実施例3では、対物レンズ20は単レンズであり、保護層の厚さが0.3mmの光ディスクを対象とし、コマ収差補正素子30は両面が同一形状である。
実施例3の光学系の基本的な数値構成を表5に、非球面に関する係数を表6に示す。
【0034】
【表5】
#6 ∞ −
【0035】
【表6】
【0036】
実施例3では、傾きや偏心のない状態でも対物レンズ20が高次のコマ収差を有しており、図14に示すように、軸外(ω=0.2°)でコマ収差による波面収差の劣化がある。したがって、取り付け誤差があると波面が乱れてスポットを所定の径に絞ることができなくなる。このような軸外のコマ収差は、コマ収差補正素子30を傾けることにより補正することができる。図15は、コマ収差補正素子30を−2.4°傾けた状態を示し、図16は図15の状態における波面収差を示す。図14と図16とを比較すると、コマ収差補正素子30を傾けることにより、軸外のコマ収差が補正されることがわかる。なお、軸上のコマ収差は大きくなっているが、ここでは取り付け誤差がある場合、すなわち軸外光を使うことが前提となるため、軸上の性能は問題にならない。取り付け誤差を調整により取り除くのは容易ではないが、コマ収差補正素子を利用すれば、調整の感度が緩いため、調整が容易である。
【0037】
【実施例4】
図17は、実施例4にかかるコマ収差補正素子30と対物レンズ20とを示すレンズ図であり、対物レンズ20に面の偏心や傾きがなく、コマ収差補正素子30の中心軸が光軸に一致する状態を示している。実施例4では、対物レンズ20は第1レンズL1〜第7レンズL7の球面レンズ7枚で構成され、保護層のない光ディスクを対象とし、コマ収差補正素子30は両面の同一形状である。
実施例4の光学系の基本的な数値構成を表7に、非球面に関する係数を表8に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
図18は、図17に示した状態での波面収差を示す。図18からわかるように、コマ収差補正素子30の両面が同一形状であるため、両面で発生する球面収差を完全に打ち消し合わせることはできず、波面収差が僅かに発生している。
【0041】
対物レンズ20の第6レンズL6が他のレンズに対して光軸に垂直な方向に10μmずれた場合(レンズの偏心)、この偏心により発生したコマ収差により、波面収差は図19に示すように大きくなる。ここで、図20に示すようにコマ収差補正素子30を−8.9°傾けると、対物レンズの偏心により発生したコマ収差がコマ収差補正素子の傾きにより発生したコマ収差により打ち消され、図21に示すように、偏心がない状態である図18と同等のレベルにまで波面収差が補正される。
【0042】
【実施例5】
図22は、実施例5にかかるコマ収差補正素子30と対物レンズ20、および光ディスク10の保護層11を示すレンズ図であり、対物レンズ20に面の偏心や傾きがなく、コマ収差補正素子30の中心軸が光軸に一致する状態を示している。実施例5では、対物レンズ20は単レンズであり、保護層の厚さが0.6mmの光ディスクを対象とし、コマ収差補正素子30は両面の形状が異なる。
実施例5の光学系の基本的な数値構成を表9に、非球面に関する係数を表10に示す。
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】
実施例5の対物レンズ20は、正弦条件を満たさないレンズであり、単体では図23に示すように軸外ではコマ収差が発生して波面収差が大きく劣化する。そこで、コマ収差補正素子30を組み合わせることにより、全体として正弦条件が補正されるようにしている。対物レンズ20とコマ収差補正素子30とを含む光学系の波面収差は、図24に示すとおりであり、コマ収差が補正され、コマ収差による波面収差の劣化がなくなる。
【0046】
【第2の実施形態】
図25は、この発明の第2の実施形態にかかる光ヘッドの光学系を示す説明図である。前記のように、コマ収差を発生させる要因としては、対物レンズ等、光ヘッドに含まれる光学素子の面の偏心、レンズの偏心、傾きの他に、光ディスクの保護層の厚さの変化、光ディスクの回転に伴う傾きの変化がある。そこで、第2の実施形態の光ヘッドは、光学素子に起因するコマ収差を補正するために第1の実施形態と同様に対物レンズアクチュエータ6内に第1コマ収差補正素子31を配置すると共に、光ディスクの変化に起因するコマ収差を補正するためにアクチュエータ外に第2コマ収差補正素子32を配置している。
【0047】
第1コマ収差補正素子31は、第1調整機構41内に配置され、光学系により発生するコマ収差を補正するよう角度が調整される(調整された角度は変更されない)。一方、第2コマ収差補正素子32は、この素子の角度を変化させるアクチュエータを含む第2調整機構42内に配置されている。第2調整機構42は、光ディスクの保護層の厚さの変化や、光ディスクの傾きを検知し、それにより変化するコマ収差を補正するよう第2コマ収差補正素子32の角度を動的に変化させる。
次に、第2の実施形態に基づく光ヘッドの光学系の具体的な実施例を1例提示する。
【0048】
【実施例6】
図26は、実施例6にかかる第1コマ収差補正素子31、第2コマ収差補正素子32と対物レンズ20、および光ディスク10の保護層11を示すレンズ図であり、対物レンズ20に面の10μmの偏心があり、これを第1コマ収差補正素子31を傾けて補正した状態を示している。実施例6では、対物レンズ20は単レンズであり、保護層の厚さが0.3mmの光ディスクを対象とし、第1、第2コマ収差補正素子30はそれぞれ両面の形状が異なる素子で、2枚は同一形状である。
実施例6の光学系の基本的な数値構成を表11に、非球面に関する係数を表12に示す。
【0049】
【表11】
【0050】
【表12】
【0051】
図27は、図26に示した状態での波面収差を示す。図27からわかるように、対物レンズ20の偏心により発生したコマ収差は、第1コマ収差補正素子31を傾けることにより補正されている。
【0052】
光ディスクの保護層11が光軸に対して1°傾いた場合、この傾きにより発生したコマ収差により、波面収差は図28に示すように大きくなる。ここで、図29に示すように第2コマ収差補正素子32を−7.4°傾けると、光ディスクの傾きにより発生したコマ収差が第2コマ収差補正素子の傾きにより発生したコマ収差により打ち消され、図30に示すように波面収差が補正される。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、光ヘッドの対物レンズ等の光学素子の製造誤差や組み立て誤差により発生したコマ収差を、光学系中に配置されたコマ収差補正素子の傾きを調整することにより、補正することができる。また、コマ収差補正素子は、垂直入射の際には収差を発生させないため、対物レンズ等にコマ収差を発生させる要因がない場合には、垂直入射を保つよう配置しておけば、光学系の性能を劣化させることはない。
あるいは、正弦条件を満足せずコマ収差が取り除かれていない光学系に垂直入射を保つように付加することにより、全体としてコマ収差のない光学系を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態にかかる光ヘッド用光学系の説明図である。
【図2】 図1の光ヘッドに用いられる調整機構の一例を示す平面図である。
【図3】 実施例1の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、偏心や傾きのない状態を示している。
【図4】 図3の状態での波面収差を示すグラフである。
【図5】 実施例1の光学系でレンズ面に偏心がある状態での補正前の波面収差を示すグラフである。
【図6】 実施例1の光学系の主要部を示すレンズ図であり、レンズ面の偏心によるコマ収差をコマ収差補正素子の傾きにより補正した状態を示している。
【図7】 図6の状態での波面収差を示すグラフである。
【図8】 実施例2の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、偏心や傾きのない状態を示している。
【図9】 図8の状態での波面収差を示すグラフである。
【図10】 実施例2の光学系でレンズ面に偏心がある状態での補正前の波面収差を示すグラフである。
【図11】 実施例2の光学系の主要部を示すレンズ図であり、レンズ面の偏心によるコマ収差をコマ収差補正素子の傾きにより補正した状態を示している。
【図12】 図11の状態での波面収差を示すグラフである。
【図13】 実施例3の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、コマ収差補正素子を傾けない状態を示している。
【図14】 図13の状態での波面収差を示すグラフである。
【図15】 実施例3の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、コマ収差補正素子を傾けた状態を示している。
【図16】 図15の状態での波面収差を示すグラフである。
【図17】 実施例4の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、偏心や傾きのない状態を示している。
【図18】 図17の状態での波面収差を示すグラフである。
【図19】 実施例4の光学系でレンズに偏心がある状態での補正前の波面収差を示すグラフである。
【図20】 実施例4の光学系の主要部を示すレンズ図であり、レンズの偏心によるコマ収差をコマ収差補正素子の傾きにより補正した状態を示している。
【図21】 図20の状態での波面収差を示すグラフである。
【図22】 実施例5の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、コマ収差補正素子を傾けない状態を示している。
【図23】 実施例5の対物レンズ単独での波面収差を示すグラフである。
【図24】 図22の状態での波面収差を示すグラフである。
【図25】 第1の実施形態にかかる光ヘッド用光学系の説明図である。
【図26】 実施例6の光学系の主要部分を示すレンズ図であり、レンズ面の偏心によるコマ収差を第1コマ収差補正素子の傾きにより補正した状態を示している。
【図27】 図26の状態での波面収差を示すグラフである。
【図28】 実施例6の光学系で光ディスクが傾いた状態での補正前の波面収差を示すグラフである。
【図29】 実施例6の光学系の主要部を示すレンズ図であり、光ディスクの傾きによるコマ収差を第2コマ収差補正素子の傾きにより補正した状態を示している。
【図30】 図29の状態での波面収差を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半導体レーザー
2 コリメートレンズ
3 ビームスプリッター
4 コンデンサレンズ
5 受光素子
10 光ディスク
11 保護層
20 対物レンズ
30 コマ収差補正素子
40 調整機構
Claims (9)
- 両面が回転対称な非球面であり、それぞれ逆符号の球面収差を発生させる単板の素子であり、近軸的なパワーがほぼゼロであり、ほぼ平行光中に配置され、垂直に入射する光束に対しては収差を発生させず、斜入射する光束に対してはコマ収差を発生させることを特徴とするコマ収差補正素子。
- 前記両面の断面形状がわずかに異なることを特徴とする請求項1に記載のコマ収差補正素子。
- 光源部と、該光源部から発した光束を光ディスクの記録面上に収束させる対物レンズと、前記光源部と前記対物レンズとの間のほぼ平行光中に配置された少なくとも1枚のコマ収差補正素子とを含み、該コマ収差補正素子は、両面が回転対称な非球面であり、それぞれ逆符号の球面収差を発生させる単板の素子であり、近軸的なパワーがほぼゼロであり、垂直に入射する光束に対しては収差を発生させず、斜入射する光束に対してはコマ収差を発生させることを特徴とする光ヘッド用光学系。
- 前記対物レンズの光軸に対して、前記コマ収差補正素子の中心軸が傾いていることを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド用光学系。
- 前記対物レンズの光軸に対する前記コマ収差補正素子の中心軸の角度が調整可能であることを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド用光学系。
- 前記光源部と前記対物レンズとの間に、前記コマ収差補正素子が2枚配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド用光学系。
- 前記2枚のコマ収差補正素子のうち、1枚は前記対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が固定されており、他の1枚は前記対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が調整可能であることを特徴とする請求項6に記載の光ヘッド用光学系。
- 前記対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が固定されたコマ収差補正素子は、トラッキングのために前記対物レンズと一体に移動し、前記対物レンズの光軸に対して中心軸の角度が調整可能なコマ収差補正素子は、トラッキングのために前記対物レンズと一体に移動しないことを特徴とする請求項7に記載の光ヘッド用光学系。
- 少なくとも1枚の前記コマ収差補正素子が、トラッキングのために前記対物レンズと一体に移動することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の光ヘッド用光学系。
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