JP2007305236A - 情報処理装置、および情報処理装置製造方法 - Google Patents

情報処理装置、および情報処理装置製造方法 Download PDF

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雅之 水野
Toru Hama
透 濱
Nobuhiko Ando
伸彦 安藤
Takeshi Kubo
毅 久保
Atsuo Kikuchi
敦雄 菊地
Mitsuhisa Kondo
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Abstract

【課題】高品質の光記録再生信号を得る情報処理装置およびその製造方法を実現する。
【解決手段】光ピックアップとディスクとの相対角度を調整して、ジッタ値が最小となるように光ピックアップを固定する。本構成により低いジッタの信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた設定に調整することができ、ピックアップに対するディスクの傾きの許容角度を各方向においてバランスさせ、高品質なデータ記録再生処理が可能となる。収差補正素子の中心とその他のピックアップ構成部品の光学中心軸を合致させることができない場合においても、ディスク傾き余裕度を保持させることが可能となり、光ピックアップおよび光ディスク装置の小型化を図る上で有利となる。
【選択図】図11

Description

本発明は、情報処理装置、および情報処理装置製造方法に関する。さらに、詳細には、光ディスクを適用したデータ記録再生を行なう光ピックアップを持つ情報処理装置、および情報処理装置製造方法に関する。
近年、デジタルデータの記録・再生メディアとして光ディスク(光磁気ディスクを含む)が多く用いられている。例えば、CD(Compact Disk),MD(Mini−Disk),DVD(Digital Versatile Disk)などである。
光ディスク用の光ピックアップにおいては、光源や対物レンズを含む光学系を構成する光学素子(光学部品)の特性のばらつきに起因する収差、あるいは、光ディスクの厚さむらに起因する収差、あるいは、光ディスクが2層構成である場合における各記録層の位置の違いに起因する収差が発生する。
このような収差は光ディスクに対する記録信号の特性、あるいは、光ディスクから再生される再生信号の特性に大きな影響を与えることから、例えば液晶素子からなる収差補正素子を光ピックアップの光学系に設け、収差補正素子により収差を補正する構成が提案されている。収差補正素子としては、例えば液晶パネルを用いた液晶収差補正素子が利用可能である。液晶収差補正素子は、屈折率異方性を持つ液晶分子を所定の向きに配向させた液晶素子によって構成され、液晶素子によって光ピックアップ通過光の収差を補正する。
液晶収差補正素子の構成について、図1を参照して説明する。液晶収差補正素子100は、図1(A)に示すように同心円状の電極101〜105が構成される。これらの電極は、透明電極であり、レーザー光を通過させる。図1(B)は、図1(A)に示す各電極101〜105に対する波面収差補正のための駆動レベルを示している。
液晶収差補正素子100は、ガラス基板で屈折率異方性を持つ液晶分子が所定の向きに配向されている。そして、上側(又は下側)の透明電極で構成される同心円状の電極101〜105に対向する他方の電極が形成されている。
このような構成の液晶収差補正素子100の各電極101〜105それぞれ駆動電圧を印加すると、印加される電圧による電界に従って液晶分子の配向が偏倚される。これにより、液晶収差補正素子100を透過する光束の進行方向に垂直な断面内での屈折率分布を任意に設定することができ、光束の波面の位相を分割領域毎に制御することができる。
例えば、図1(A)に示すように、電極101を半径r0である円形電極の領域A1、電極102を外側半径r1で内側半径r0である中空円形電極の領域A2、電極103を外側半径r2で内側半径r1である中空円形電極の領域A3、電極104を外側半径r3で内側半径r2で中空円形電極の領域A4、電極105を内側半径r3の円形に抜かれた電極の領域A5を持つ5分割パターンによる液晶収差補正素子100を用いる場合について説明する。
このような液晶収差補正素子100の各電極101〜105に対し図1(B)に示すように、電極101及び電極105には0、電極102及び電極104にはそれぞれd1、d3、電極103にはd2に示すレベルに相当する電圧を印加する。各電極の間には図示しない電極分離間隙を持つ。ここでd1とd3を同じレベルにとし、光ビームの中心と各電極の同心円の中心が一致するようになし、各半径r0〜r3を光ビームの半径方向の波面収差量に対応する値を選択することにより、この例では、電極101〜105の駆動レベルを0、d1、d3の3値でデジタル信号として簡単な駆動回路で選択切換えができ、透過光束に対して位相差を与えることにより波面収差を補正することができる。なお、液晶パネルを適用した液晶収差補正素子の詳細は、例えば、特許文献1に記載されている。
光ピックアップは、光源や対物レンズを含む光学系を構成する複数の光学素子(光学部品)によって構成されるが、これらの各光学素子の中心軸は一致する配置とするのが望ましい。なお、ピックアップ構成部品の光軸調整については、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載されている。
収差補正素子を光ピックアップに組み込む場合も光ピックアップを構成する他の光学素子と中心軸を一致するように配置するのが望ましいが、液晶収差補正素子などの収差補正素子は、予め一定の位置精度でスライドベースに固定された収差補正素子部品として供給されることが多く、この収差補正素子部品を光源や対物レンズを含む光学系からなる光ピックアップに組み込む場合、他のピックアップ構成部品の光軸と完全に一致させることは困難であるという問題がある。
特に、光ピックアップの小型化を図ろうとすると、液晶収差補正素子の位置調整をするスペースが確保できなくなり調整自体が困難となる。このため、光ピックアップを持つ情報処理装置の製造に際しては、ある程度の位置精度で液晶収差補正素子をスライドベースに固定する処理を行わざる得ないことになる。この結果、製造された情報処理装置は、液晶収差補正素子と他の光学部品との光軸ずれ量を保持したまま出荷されることになり、的確な収差補正が行われないことになる。
液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合は、的確な収差補正が行なわれるが、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致しないと、的確な収差補正が行なわれない。図2、図3を参照して、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心が一致する場合と、一致しない場合の差異について説明する。
図2は、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合を説明する図であり、横軸が光軸中心からの半径方向の距離を示す規格化半径であり、縦軸が収差発生量/収差補正量を示す波面である。グラフとして示す実線が、光ピックアップにおける対物レンズの規格化半径と収差発生量に対応する波面の関係を示し、点線が、光ピックアップ内に構成された液晶収差補正素子の規格化半径と収差補正量に対応する波面の関係を示している。図2に示す点線と実線は、その軌跡が、光軸中心(規格化半径=0)を中心として左右対称となっており、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致し、対物レンズの通過光の収差が収差補正素子によって的確に補正されることを示している。
一方、図3は、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合を説明する図であり、図2と同様、横軸が光軸中心からの半径方向の距離を示す規格化半径であり、縦軸が収差発生量/収差補正量を示す波面である。グラフとして示す実線が、光ピックアップにおける対物レンズの規格化半径と収差発生量に対応する波面の関係を示し、点線が、光ピックアップ内に構成された液晶収差補正素子の規格化半径と収差補正量に対応する波面の関係を示している。図3に示す実線、すなわち、対物レンズの規格化半径と収差発生量に対応する波面との関係を示す軌跡は、光軸中心(規格化半径=0)を中心として左右対称となっているが、図3に示す点線、すなわち、光ピックアップ内に構成された液晶収差補正素子の規格化半径と収差補正量に対応する波面との関係を示す軌跡は、図2に示した軌跡と比較すると、右方向にずれた軌跡となっている。これは、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していないことを示すものであり、この場合、対物レンズの通過光の収差の発生量と、収差補正素子による収差補正量が対応せず、的確な収差補正がなされない。
図4を参照して、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合といない場合における信号品質の劣化、いわゆるジッタの発生量について説明する。図4は、光ディスク面に対する垂直軸と、光ピックアップの光軸とのずれ量に対応する(チルト角(deg))を示し、縦軸に、ジッタ、すなわち信号品質の劣化度合いを示すジッタ(%)を示したグラフである。ジッタは数値が低いほど高品質な信号であり、数値が高いほどノイズ成分の多い劣化した信号であると判定される。ここでは、一例としてジッタが15%以下である信号を許容値とする。すなわち光ディスクに対する記録信号または再生信号が15%以下のジッタである信号を記録再生許容信号レベルとする。
図4には、3つのラインを示している。実線(a)は液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合、点線(b)は液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合、点線(c)も液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合であり(b)の場合とずれ方向が逆の場合を示している。
例えば、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合、すなわち実線(a)では、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、P=約−0.62〜+0.62(deg)の範囲にある。一方、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合、すなわち点線(b)では、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、Q=約−0.18〜+1.10(deg)の範囲にある。
点線(b)に示すように、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲がQ=約−0.18〜+1.10(deg)の範囲である場合、チルトが+方向である場合の許容範囲は広くなるが、−方向である場合の許容範囲は−0.18〜0であり、許容チルト量が著しく減少する。これは、すなわち、例えば光ディスクの傾きが、ある方向、すなわち、グラフに示すチルトが−となる方向に発生した場合、許容レベルの信号品質が、ほとんど得られないことを示すものである。すなわち、対物レンズと収差補正素子との光軸中心がずれているため、収差補正が適切に行なわれず、品質の悪化した信号が記録または再生されてしまうことを示している。
一方、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合、すなわち実線(a)では、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、P=約−0.62〜+0.62(deg)の範囲にあり、光ディスクの傾きが、どの方向に発生しても、ほぼ一定の範囲で、許容レベルの信号品質が得られる。
このように、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合は、ディスク傾き余裕度が十分得られるが、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合は、ディスク傾き余裕度が減少してしまうことになる。
しかし、前述したように、液晶収差補正素子などの収差補正素子は、予め一定の位置精度でスライドベースに固定された収差補正素子部品として供給されることが多く、この収差補正素子部品を光源や対物レンズを含む光学系からなる光ピックアップに組み込む場合、液晶収差補正素子の光軸中心と、光ピックアップの他の構成部品との光軸中心を完全に一致させることは困難であるという問題がある。
特開平10−269611号公報 特開2005−129100号公報 特開2005−71457号公報 特開2001−249315号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、光ディスクを適用したデータ記録再生を行なう光ピックアップを持つ構成において、例えば収差補正素子と対物レンズの光軸ずれに基づく信号劣化などを低減することを可能とした情報処理装置、および情報処理装置製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
光ディスクに対する情報記録または光ディスクからの情報再生処理を実行する情報処理装置であり、
光源およびレンズと、液晶収差補正素子とを有する光ピックアップと、
前記光ピックアップを固定する固定部材(メカデッキ)とを有し、
前記光ピックアップは、前記液晶収差補正素子を動作させた状態における再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となるように、前記固定部材に対する相対角度を調整して固定された構成であることを特徴とする情報処理装置にある。
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記光ピックアップは、光源およびレンズの光軸中心と、収差補正素子の中心軸とのずれを有する光ピックアップであり、前記再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となる前記光ピックアップの設定位置は前記ずれ量に応じて変化し、前記光ピックアップは、該ずれ量に応じて決定される位置に固定された構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記光ピックアップは、複数の異なる位置において、前記固定部材に対する間隙を調整可能なスキュー調整ねじによって固定された構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記光ピックアップは、前記光源と前記レンズの間に配置され前記光源から出射された光ビームを平行光にして前記レンズに導くコリメータレンズを有し、前記収差補正素子は、前記光源と前記コリメータレンズを結ぶ光路中に配設されていることを特徴とする。
さらに、本発明の第2の側面は、
光ディスクに対する情報記録または光ディスクからの情報再生処理を実行する情報処理装置を製造する情報処理装置製造方法であり、
液晶収差補正素子を有する光ピックアップにおいて、前記液晶収差補正素子を動作させた状態で再生信号から得られるジッタの値を測定するジッタ測定ステップと、
前記ジッタの測定値が最小となるように、前記光ピックアップの固定位置を制御する光ピックアップ調整ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置製造方法にある。
さらに、本発明の情報処理装置製造方法の一実施態様において、前記光ピックアップは、固定部材(メカデッキ)に対する相対角度を調整可能な固定構成を有し、前記光ピックアップ調整ステップは、前記光ピックアップを、前記光ピックアップによる再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となるように、前記固定部材に対する相対角度を調整するステップであることを特徴とする。
さらに、本発明の情報処理装置製造方法の一実施態様において、前記光ピックアップ調整ステップは、前記光ピックアップを複数の異なる位置において前記固定部材に対して固定した間隙調整可能なスキュー調整ねじを回転させて調整するステップであることを特徴とする。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の一実施例の構成によれば、光ピックアップとディスクとの相対角度を調整して、ジッタ値が最小となるように光ピックアップを固定する構成としたので、低いジッタの信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた設定に調整することができ、ピックアップに対するディスクの傾きの許容角度を各方向においてバランスさせ、高品質なデータ記録再生処理を可能とした情報処理装置が実現される。すなわち、光ディスクの傾きが、どの方向に発生しても、ほぼ一定の範囲で、許容レベルの信号品質が得られることになる。このように、本発明の構成によれば、ディスク傾き余裕度を保ち、高品質の記録再生信号による記録再生処理を可能とした情報処理装置が実現される。収差補正素子の中心とその他のピックアップ構成部品の光学中心軸を合致させることができない場合においても、ディスク傾き余裕度を保持させることが可能となり、光ピックアップおよび光ディスク装置の小型化を図る上で有利となる。
以下、図面を参照しながら本発明の情報処理装置、および情報処理装置製造方法の詳細について説明する。
まず、図5を参照して、光ディスクに対するデータ記録、または光ディスクからのデータ再生に適用する光ピックアップの構成について説明する。図5は、収差補正素子214を備えた光ピックアップ200の構成を示している。
図5に示すように、光ピックアップ200の光学系は、集積光学素子(レーザカプラ)212、収差補正素子214、1/4波長板216、コリメータレンズ218、ミラー220、対物レンズ222、アクチュエータ224を含み、これらの各部品が図示しないスライドベースにマウントされて構成されている。
集積光学素子212の前方には、収差補正素子214と1/4波長板216とコリメータレンズ218とミラー220がこの順番に直線上に配置され、ミラー220の光ディスク202側には対物レンズ222が配置されている。
集積光学素子212は、図示しないがレーザダイオードからなる光源、グレーティング素子、信号再生用受光素子、光源モニタ用受光素子、プリズム、ビームスプリッタなどを備え、これら各部品が、1つの基板上にマウントされてケース内に収容されたものであり、従来公知の様々な構成のものが採用可能である。
集積光学素子212内の光源から出射された光ビームは、集積光学素子212内のプリズムとビームスプリッタとグレーティング素子を介して収差補正素子214に向けて出射されるとともに、収差補正素子214を介して入射された反射光ビームが集積光学素子212内のプリズムとビームスプリッタを介して集積光学素子212内の信号再生用受光素子に導かれ、信号再生用受光素子によってフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号などが検出される。
また、集積光学素子212内の光源から出射された光ビームのうち一部は集積光学素子212内のプリズムを介して集積光学素子212内の光源モニタ用受光素子に直接導かれこの光源モニタ用受光素子によって光源の出射パワーのモニタ信号が検出される。また、集積光学素子212内のグレーティング素子は、光源から出射された光ビームを3ビームに分離するものである。
なお、トラッキングエラーの検出やフォーカスエラーの検出については従来公知の様々な方法を用いることができ、例えば、トラッキングエラー信号を3ビーム法で検出し、フォーカスエラー信号を非点収差(Astigma)法で検出することができる。
コリメータレンズ218は、集積光学素子212内の光源から出射された発散光としての光ビームを収差補正素子214と1/4波長板216を介して入射し、この光ビームを平行光としてミラー220に向けて出射するように構成され、コリメータレンズ218は、集積光学素子212内の光源からの距離がコリメータレンズ218の焦点距離と合致するように配設されている。
コリメータレンズ218からミラー220に向けて出射される光ビームの光束の断面は、光ビームの進行方向に沿って均一となる。ミラー220は、その反射面がコリメータレンズ218の光軸に対して45度をなすよう配置されており、コリメータレンズ218から導かれた平行光としての光ビームが反射面によって90度屈曲させて光ディスク202側に反射されるように構成されている。
対物レンズ222は、その光軸がミラー220の反射面に対して45度をなすように配置されており、反射面で反射された平行光としての光ビームを集光して光ディスク202の記録層に照射するように構成されている。
アクチュエータ224は、図示しないサーボ制御部から供給される駆動信号により対物レンズ222をフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動させるように構成されており、従来公知の様々な構造のアクチュエータが採用可能である。
なお、光ディスク202の記録層で反射された反射光ビームは、対物レンズ222に入射して再び平行光となりミラー220の反射面で反射されコリメータレンズ218によって集光され、収束光として1/4波長板216と収差補正素子214を介して集積光学素子212に導かれ、集積光学素子212内のプリズムを介して集積光学素子212内の信号再生用受光素子に受光されることになる。
また、1/4波長板216は、集積光学素子212内の光源から出射されたX軸方向に振動する直線偏光である光ビームを円偏光に変換して光ディスク202に導くとともに、光ディスク202から導かれた円偏光である反射光ビームをY軸方向に振動する直線偏光に変換する機能を有するものである。
この1/4波長板216によって、直線偏光の方向が90度変換されることによって、集積光学素子212の光源から出射された光ビームがビームスプリッタを通過し、かつ、光ディスク202からの反射光ビームが集積光学素子212のビームスプリッタで反射されて信号再生用受光素子に導かれることになる。
収差補正素子214は、集積光学素子212とコリメータレンズ218を結ぶ光路中、すなわち、集積光学素子212内の光源とコリメータレンズ218を結ぶ光路中に配設され、本実施例では、光源寄りの箇所に配設されている。集積光学素子212内の光源とコリメータレンズ218を結ぶ光路は、光源から出射された光ビームが進行方向に進むに従ってその光束の断面が拡大していく発散光が通る光路であり、かつ、コリメータレンズ218によって収束された反射光ビームが進行方向に進むに従ってその光束の断面が縮小していく収束光が通る光路であり、言い換えると、発散光および収束光が通る光路である。
収差補正素子214の構成について、図6を参照して説明する。収差補正素子は、例えば、液晶素子によって構成された球面収差補正素子であり、液晶素子は、屈折率が、光ピックアップの通過光において発生する球面収差と逆相の波面変化が生じるように制御部によって制御される構成を有する収差補正素子である。
本実施例では、収差補正素子214は、図6に示すように、重ね合わされた第1、第2の透明基板301、302と、これら第1、第2の透明基板301、302の間に形成された均一な厚さの空間に封止された液晶層と、これら第1、第2の透明基板301、302が液晶層に臨むそれぞれの面に形成された透明電極とを有する。
収差補正素子214は、第1の透明基板301が、図5に示す集積光学素子212内の光源に臨み、第2の透明基板302がコリメータレンズ218に臨むように配置され、第2の透明基板302がコリメータレンズ218に臨む面には、1/4波長板216が重ね合わされて取り付けられている。
透明電極301,302は、例えば、1つの円状の電極と、その外周に前記円と同心状に設けられた複数の円環状の電極とで構成されている。この構成は、先に図1を参照して説明した電極構成である。これら各電極には、フレキシブル基板が接続され、このフレキシブル基板を介して図示しない収差制御部からの駆動信号が供給される。
先に図1を参照して説明したように、各電極に異なる電圧の駆動信号が供給されることによって、液晶層の液晶分子の配向が各電極に対応して変化され、これにより液晶層の屈折率が各電極に対応して変化する。具体的には、収差(球面収差)と逆相の波面変化が生じるように液晶層の屈折率を変化させる制御が行なわれる。
この制御により、光源や対物レンズを含む光学系を構成する光学素子(光学部品)の特性のばらつきに起因する収差、あるいは、光記録媒体の厚さむらに起因する収差、あるいは、2層の記録層を持つ光ディスクにおける各記録層の位置の違いに起因する収差を補正することができる。
液晶収差補正素子を用いた光ピックアップでは、光源、コリメータレンズ、対物レンズなどの各素子は光軸が一致するように配置するのが理想的である。しかし、前述したように、光ピックアップの小型化に伴い、収差補正のために追加配置された液晶素子は、コリメータレンズやビームスプリッタなど他の光学素子との間のスペースが乏しく、その位置を調整するために冶具ピンを挿入したり、位置調整後に接着することができない構成になっている。この結果、収差補正素子はその中心が他の素子の光軸からずれた位置に配置されていた。
図7に示すピックアップを構成する要素を直線状に配列した図を参照して光軸のずれについて説明する。図7に示すように、ピックアップを構成する素子としては、先に図5を参照して説明したように、光源、受光素子等を含む集積光学素子401、収差補正素子402、コリメータレンズ403、対物レンズ404を有し、光ディスク410に対するデータ記録、または再生を行なう。なお、収差補正素子402には1/4波長板が一体化されている。
図に示す構成中、集積光学素子401、コリメータレンズ403、対物レンズ404は、それぞれの光軸中心が一致するように調整され、最終的に、収差補正素子402が追加部品として装着される。小型化されたピックアップにおいては、この収差補正素子402の装着スペースが乏しく、その位置を調整するために冶具ピンを挿入したり、位置調整後に接着することができない構成になっている。この結果、収差補正素子はその中心が他の素子の光軸からずれてしまうといった事態が発生する。
すなわち、図7に示すように、収差補正素子光軸中心501と、収差補正素子402以外の光ピックアップ構成部品の光軸中心である他光学素子光軸中心502とが一致しないという結果をもたらすことになる。
収差補正素子光軸中心501と、収差補正素子402以外の光ピックアップ構成部品の光軸中心である他光学素子光軸中心502とが一致しない状態は、先に図3を参照して説明した状態に対応する。この場合、先に図4を参照して説明した点線(b)または点線(c)のように、例えば、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲が、+または−方向において著しく狭められ、この方向にディスクの傾きが発生した場合は、信号品質の劣化が発生することになる。
本発明においては、このような信号品質の劣化を防止するため、光ピックアップを搭載した情報処理装置の組み立て処理に際して、光ピックアップとディスクとの相対的傾きを調整する処理、すなわちスキュー調整処理を実行する。図8以下を参照してスキュー調整処理の詳細について説明する。
図8は、情報処理装置における光ピックアップ522と、光ピックアップ522の固定部材としてのメカデッキ523の構成を示す図である。光ディスク521上にメカデッキ523が示されている。光ピックアップ522は、メカデッキ523にねじ止めされている。また光ピックアップ522は、複数の異なる位置において、メカデッキ523に対する間隙を調整可能なスキュー調整ねじ531a〜dによっても固定されている。
すなわち、図に示すように、光ピックアップ522は、メカデッキ523に対して4箇所のスキュー調整用ねじ531a〜dで固定されている。スキュー調整用ねじ531a〜dを調整することで、光ピックアップ522とメカデッキ523間の4点のスキューが調整され、光ピックアップのメカデッキ523対する固定角度が変更される。メカデッキは、光ディスク521の固定軸であるスピンドル軸と一体化されているので、結果として、スキュー調整用ねじ531a〜dを調整することによって、光ピックアップと光ディスク521との相対角度を変更、調整することが可能となる。
スキュー調整用ねじの調整による光ピックアップと光ディスク521との相対角度を変更、調整処理構成について、図9を参照して説明する。図9は、図8とは反対側の面、すなわち、ディスク側を上面として見た図である。メカデッキ523上にディスクが載った状態である。スキュー調整用ねじの調整に際しては、専用のディスクを使用する。すなわち、RF信号を記録した反りの無いディスク(ガラスディスク)が利用される。このRF信号記録ディスク601を再生しながら、ジッタを測定して、ジッタが最小となるようにスキュー調整ドライバ611a〜611dを回転させる。
スキュー調整ドライバ611a〜611dは、それぞれ、図9に示すスキュー調整用ねじ531a〜dを調整する。このスキュー調整ドライバ611a〜611dの回転によって、光ピックアップ522のメカデッキ523に対する固定角度が変更され、結果として、光ピックアップ522と光ディスク521との相対角度を変更、調整することが可能となる。
RF信号記録ディスク601を再生しながら、ジッタを測定して、ジッタが最小となるようにスキュー調整ドライバ611a〜611dを回転させてスキュー調整を行う処理の持つ意味について、図10を参照して説明する。図10は、先に図4を参照して説明した、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合といない場合における信号品質の劣化、いわゆるジッタの発生量について説明する図であり、光ディスク面に対する垂直軸と、光ピックアップの光軸とのずれ量に対応する(チルト角(deg))を示し、縦軸に、ジッタ、すなわち信号品質の劣化度合いを示すジッタ(%)を示したグラフである。ジッタは数値が低いほど高品質な信号であり、数値が高いほどノイズ成分の多い劣化した信号であると判定される。
実線(a)は液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合、点線(b)は液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合、点線(c)も液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合であり(b)の場合とずれ方向が逆の場合を示している。液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合、すなわち実線(a)では、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、P=約−0.62〜+0.62(deg)の範囲にある。一方、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致していない場合、すなわち点線(b)では、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、Q=約−0.18〜+1.10(deg)の範囲にある。点線(c)では、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、R=約−0.95〜+0.30(deg)の範囲にある。
点線(b)に示すように、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲がQ=約−0.18〜+1.10(deg)の範囲である場合、チルトが+方向である場合の許容範囲は広くなるが、−方向である場合の許容範囲は−0.18〜0であり、許容チルト量が著しく減少する。
同様に、点線(c)に示すように、ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲がR=約−0.95〜+0.30(deg)の範囲である場合、チルトが−方向である場合の許容範囲は広くなるが、+方向である場合の許容範囲は0〜0.3であり、許容チルト量が著しく減少する。
これは、すなわち、例えば光ディスクの傾きが、ある方向、すなわち、(b)の場合は、グラフに示すチルトが−となる方向に発生した場合、許容レベルの信号品質が、ほとんど得られず、(c)の場合は、グラフに示すチルトが+となる方向に発生した場合、許容レベルの信号品質が、ほとんど得られないことを示すものである。すなわち、対物レンズと収差補正素子との光軸中心がずれているため、収差補正が適切に行なわれず、品質の悪化した信号が記録または再生されてしまうことを示している。
図8、図9を参照して説明したように、スキュー調整ドライバ611a〜611dの回転によって、光ピックアップ522のメカデッキ523に対する固定角度を変更して、光ピックアップ522と光ディスク521との相対角度を変更、調整することで、例えば、図10(b)に示すジッタ特性を持つ装置の場合に、光ピックアップと光ディスク521との相対角度の調整位置を図10に示す(S1)の角度として設定する。すなわち、光ピックアップの光軸と光ディスクの垂直軸とのずれ量がほぼ+0.45(deg)となる位置(S1)をこの装置のピックアップ固定位置とする。
ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、Q=約−0.18〜+1.10(deg)の範囲であるので、調整後のピックアップ固定位置(+0.45(deg))を中心としてジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた範囲とすることができる。これは、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している実線(a)と同様の設定とすることに相当する。
これと、同様、図10(c)に示すジッタ特性を持つ装置の場合に、光ピックアップと光ディスク521との相対角度の調整位置を図10に示す(S2)の角度として設定する。すなわち、光ピックアップの光軸と光ディスクの垂直軸とのずれ量がほぼ−0.35(deg)となる位置(S2)をこの装置のピックアップ固定位置とする。
ジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲は、R=約−0.95〜+0.30(deg)の範囲であるので、調整後のピックアップ固定位置(−0.35(deg))を中心としてジッタが15%以下である信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた範囲とすることができる。これは、液晶収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している実線(a)と同様の設定とすることに相当する。
このピックアップ調整処理を実行する処理構成について、図11を参照して説明する。図11に示すように、ピックアップ調整処理を実行する場合、調整処理対象となる情報処理装置700に対して専用のディスクをセットする。これは、先に、図9を参照して説明したRF信号を記録した反りの無いディスク(ガラスディスク)、すなわちRF信号記録ディスク601である。
調整処理対象となる情報処理装置には、先に図8、図9を参照して説明したように、メカデッキに対して、スキュー調整用ねじを利用して光ピックアップが固定されている。光ピックアップは、先に、図5、図7を参照して説明した構成を有し、液晶収差補正素子を有する。
最初に、光ピックアップを構成する液晶収差補正素子を動作させない、すなわち、液晶収差補正素子の透明電極に電圧を印加しない状態、あるいは液晶収差補正素子を挿入する前の状態、すなわち液晶収差補正素子による収差パターンが生じていない状態で光ピックアップの光源を発光させて、光源、コリメータ、対物レンズの光軸を合わせる。この手順は従来知られている方法、例えば、特開2003−59095に開示されている空間位置調整装置により行なうことができる。この光軸調整処理の後、光ピックアップの球面収差の測定を行い、収差補正のために液晶収差補正素子に対して印加する最適電圧値を決定する。
次に、図11に示す構成において、RF信号記録ディスク601を装着した情報処理装置700を駆動させる。駆動制御部701の制御の下、RF信号記録ディスク601を回転させて、光ピックアップによる信号読み取りを実行する。この際、光ピックアップを構成する液晶収差補正素子に対しては、事前に測定済みの収差補正効果の最も高い最適電圧が、収差補正素子制御部702の制御で印加される。すなわち、液晶収差補正素子の透明電極には球面収差を補正する電圧が印加される。
光ピックアップによる読み取り信号は、RFジッタ測定部703に入力され、読み取り信号に基づくジッタが測定される。RFジッタ測定部703において測定されたジッタ情報は、スキュー調整ねじ制御部704に入力される。スキュー調整ねじ制御部704は、先に、図8、図9を参照して説明したメカデッキ523に光ピックアップ522を固定する4箇所のスキュー調整用ねじ531a〜dの調整を実行するスキュー調整ドライバ611a〜611dの回転制御を実行し、光ピックアップと、RF信号記録ディスク601との相対角度を変更させる。
光ピックアップと、RF信号記録ディスク601との相対角度を変更することで、先に、RFジッタ測定部703の測定するジッタ値が変化する。スキュー調整ねじ制御部704は、RFジッタ測定部703の測定するジッタ値が最小となるようにスキュー調整ドライバ611a〜611dの回転制御を実行する。すなわち、図10に示す(b)のような設定を持つピックアップ構成を持つ情報処理装置である場合は、光ピックアップの光軸と光ディスクの垂直軸とのずれ量がほぼ+0.45(deg)となる位置(S1)に設定するように、スキュー調整ねじを回転して、その位置を最終的な固定位置とする。
また、図10に示す(c)のような設定を持つピックアップ構成を持つ情報処理装置である場合は、光ピックアップの光軸と光ディスクの垂直軸とのずれ量がほぼ−0.35(deg)となる位置(S2)に設定するように、スキュー調整ねじを回転して、その位置を最終的な固定位置とする。
なお、図10に示す(a)のような設定を持つピックアップ構成を持つ情報処理装置である場合は、光ピックアップの光軸と光ディスクの垂直軸とのずれ量がほぼ0(deg)となる位置に設定すればよい。このように、再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となる光ピックアップの設定位置は、光ピックアップの光源およびレンズの光軸中心と、収差補正素子の中心軸とのずれ量に応じて変化する。すなわち、光ピックアップは光ピックアップの光源およびレンズの光軸中心と、収差補正素子の中心軸とのずれ量に応じて決定される位置に固定される。
光ピックアップの光源およびレンズの光軸中心と、収差補正素子の中心軸とのずれ量が様々な装置に対して、上述した調整処理を実行することで、低いジッタの信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた範囲とすることが可能となる。すなわち、ピックアップに対するディスクの傾きの許容角度を各方向において大きく設定することができ、高品質なデータ記録再生処理が可能となる。
次に、このピックアップ調整処理を中心とした情報処理装置の製造方法の処理シーケンスについて、図12に示すフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS101において、液晶収差補正素子を光ピックアップの構成要素を配置したスライドベースへ固定する。次に、ステップS102において、光ピックアップの光源(LD)を発光させて、光源、コリメータの光軸を合わせる。次に、ステップS103において、対物レンズを装着し、ステップS104において、装着した対物レンズの光軸を合わせる。
次に、ステップS105において、光ピックアップの球面収差の測定を行い、収差補正のために液晶収差補正素子に対して印加する最適電圧値を決定する。次に、ステップS106において、光ピックアップをメカデッキに組み付ける。この組み付けは、光ピックアップを先に図8、図9を参照して説明したスキュー調整用ねじ531a〜dを利用して仮固定する処理である。
この後、ステップS107〜S109において、図11を参照して説明したスキュー調整によるピックアップの調整処理が実行される。まず、ステップS107において、図11を参照して説明したRF信号記録ディスク601を装着した情報処理装置700を駆動させる。
次に、ステップS108において、RF信号記録ディスク601を回転させて、光ピックアップによる信号読み取り信号のジッタ測定を実行する。この際、光ピックアップを構成する液晶収差補正素子に対しては、事前に測定済みの収差補正効果の最も高い最適電圧が印加される。光ピックアップによる読み取り信号は、図11に示すRFジッタ測定部703に入力され、読み取り信号に基づくジッタが測定される。
ステップS109では、ジッタが最小となるように、スキュー調整ドライバを回転させて、スキューを調整する。すなわち、図11に示すRFジッタ測定部703において測定されたジッタ情報が、スキュー調整ねじ制御部704に入力され、スキュー調整ねじ制御部704において、スキュー調整ドライバの回転制御を実行し、光ピックアップと、RF信号記録ディスク601との相対角度を変更させ、RFジッタ測定部703の測定するジッタ値が最小となるように設定し、その位置を最終的な固定位置とする。
上述したように、本発明の構成では、光ピックアップとディスクとの相対角度を調整して、ジッタ値が最小となるように光ピックアップを固定する構成としたので、低いジッタの信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた設定に調整することができ、ピックアップに対するディスクの傾きの許容角度を各方向においてバランスさせ、高品質なデータ記録再生処理を可能とした情報処理装置を製造することができる。
すなわち、図10に示すように、光ディスク面に対する垂直軸と、光ピックアップの光軸とのずれ量に対応する(チルト角(deg))と、信号品質の劣化度合いを示すジッタ(%)との対応関係を示したグラフにおいて、ジッタが最小となる位置をピックアップの固定位置として設定することで、一定の低ジッタの信号の得られるチルト範囲を−,+ともほぼ同様の範囲とすることが可能となり、光ディスクの傾きが、どの方向に発生しても、ほぼ一定の範囲で、許容レベルの信号品質が得られることになる。このように、本発明の構成によれば、ディスク傾き余裕度を保ち、高品質の記録再生信号による記録再生処理を可能とした情報処理装置が実現される。
収差補正素子の中心とその他のピックアップ構成部品の光学中心軸を合致させる調整が困難な小型化構成においても、ディスク傾き余裕度を保持させることが可能となり、光ピックアップおよび光ディスク装置の小型化を図る上で有利となる。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
以上、説明したように、本発明の一実施例の構成によれば、光ピックアップとディスクとの相対角度を調整して、ジッタ値が最小となるように光ピックアップを固定する構成としたので、低いジッタの信号が得られるチルトの範囲を−側、+側ともほぼ同様のバランスされた設定に調整することができ、ピックアップに対するディスクの傾きの許容角度を各方向においてバランスさせ、高品質なデータ記録再生処理を可能とした情報処理装置が実現される。すなわち、光ディスクの傾きが、どの方向に発生しても、ほぼ一定の範囲で、許容レベルの信号品質が得られることになる。このように、本発明の構成によれば、ディスク傾き余裕度を保ち、高品質の記録再生信号による記録再生処理を可能とした情報処理装置が実現される。収差補正素子の中心とその他のピックアップ構成部品の光学中心軸を合致させることができない場合においても、ディスク傾き余裕度を保持させることが可能となり、光ピックアップおよび光ディスク装置の小型化を図る上で有利となる。
収差補正素子の構成例について説明する図である。 収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心が一致する場合の例について説明する図である。 収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心が一致しない場合の例について説明する図である。 収差補正素子の光軸中心と光ピックアップの光軸中心とが一致している場合といない場合における信号品質の劣化、いわゆるジッタの発生量について説明する図である。 光ピックアップの構成について説明する図である。 収差補正素子の構成例について説明する図である。 収差補正素子の光軸中心と光ピックアップのその他の光学素子の光軸中心とが一致しないピックアップ構成例について説明する図である。 情報処理装置における光ピックアップ、メカデッキの構成を示す図である。 スキュー調整用ねじの調整による光ピックアップと光ディスクとの相対角度を変更、調整する処理構成について説明する図である。 ジッタが最小となるようにスキュー調整する処理の持つ意味について説明する図である。 ピックアップ調整処理を実行する処理構成について説明する図である。 ピックアップ調整処理を含む情報処理装置製造方法の処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。
符号の説明
100 液晶収差補正素子
101〜105 電極
200 光ピックアップ
202 光ディスク
212 集積光学素子
214 収差補正素子
216 1/4波長板
218 コリメータレンズ
220 ミラー
222 対物レンズ
224 アクチュエータ
301,302 透明電極
401 集積光学素子
402 収差補正素子
403 コリメータレンズ
404 対物レンズ
410 光ディスク
501 収差補正素子光軸中心
502 他光学素子光軸中心
521 光ディスク
522 光ピックアップ
523 メカデッキ
531 スキュー調整用ねじ
601 RF信号記録ディスク
611 スキュー調整ドライバ
700 情報処理装置
701 駆動制御部
702 収差補正素子制御部
703 RFジッタ測定部
704 スキュー調整ねじ制御部

Claims (7)

  1. 光ディスクに対する情報記録または光ディスクからの情報再生処理を実行する情報処理装置であり、
    光源およびレンズと、液晶収差補正素子とを有する光ピックアップと、
    前記光ピックアップを固定する固定部材(メカデッキ)とを有し、
    前記光ピックアップは、前記液晶収差補正素子を動作させた状態における再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となるように、前記固定部材に対する相対角度を調整して固定された構成であることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記光ピックアップは、光源およびレンズの光軸中心と、収差補正素子の中心軸とのずれを有する光ピックアップであり、
    前記再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となる前記光ピックアップの設定位置は前記ずれ量に応じて変化し、前記光ピックアップは、該ずれ量に応じて決定される位置に固定された構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記光ピックアップは、複数の異なる位置において、前記固定部材に対する間隙を調整可能なスキュー調整ねじによって固定された構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記光ピックアップは、前記光源と前記レンズの間に配置され前記光源から出射された光ビームを平行光にして前記レンズに導くコリメータレンズを有し、前記収差補正素子は、前記光源と前記コリメータレンズを結ぶ光路中に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 光ディスクに対する情報記録または光ディスクからの情報再生処理を実行する情報処理装置を製造する情報処理装置製造方法であり、
    液晶収差補正素子を有する光ピックアップにおいて、前記液晶収差補正素子を動作させた状態で再生信号から得られるジッタの値を測定するジッタ測定ステップと、
    前記ジッタの測定値が最小となるように、前記光ピックアップの固定位置を制御する光ピックアップ調整ステップと、
    を有することを特徴とする情報処理装置製造方法。
  6. 前記光ピックアップは、固定部材(メカデッキ)に対する相対角度を調整可能な固定構成を有し、
    前記光ピックアップ調整ステップは、
    前記光ピックアップを、前記光ピックアップによる再生信号から得られるジッタの値がほぼ最小となるように、前記固定部材に対する相対角度を調整するステップであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置製造方法。
  7. 前記光ピックアップ調整ステップは、
    前記光ピックアップを複数の異なる位置において前記固定部材に対して固定した間隙調整可能なスキュー調整ねじを回転させて調整するステップであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置製造方法。
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