JP2004152446A - 光ピックアップ装置及び液晶素子 - Google Patents
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- G11B2007/0003—Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
- G11B2007/0006—Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier adapted for scanning different types of carrier, e.g. CD & DVD
Abstract
【課題】光ピックアップ装置において、BDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせる。
【解決手段】第1のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、上記第1のレーザ光と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光あるいは第2のレーザ光を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、上記第1のレーザ光と上記第2のレーザ光との偏光方向は直交しており、上記第1のレーザ光のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子と上記第2のレーザ光のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子とを備え、対物レンズと上記第1の液晶素子と上記第2の液晶素子は可動自在に支持される。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、上記第1のレーザ光と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光あるいは第2のレーザ光を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、上記第1のレーザ光と上記第2のレーザ光との偏光方向は直交しており、上記第1のレーザ光のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子と上記第2のレーザ光のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子とを備え、対物レンズと上記第1の液晶素子と上記第2の液晶素子は可動自在に支持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置及び液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
Blu−ray Disc(以下BDと略す)用の光ピックアップ装置は、通常、4本あるいは6本のサスペンションワイヤによって支持されたレンズホルダにBD用対物レンズを設置し、該BD用対物レンズを介して波長405nmのレーザ光をBDに照射している。また、上記レンズホルダには、BDの基板厚誤差による球面収差を補正するための液晶素子が設置されている。この液晶素子は、通常4つの電極を有しており、上記4本あるいは6本のサスペンションワイヤを介して電圧が印加される。
【0003】
このようなBD用光ピックアップ装置にDVD(Desital VideoDisc)との互換性を持たせる場合には、上記BD用対物レンズ(開口数:0.85)を介して655nmのレーザ光をDVDに照射することとなるが、上記BDとDVDとでは、対物レンズの開口数が異なっているために、上記レンズホルダの内部に波長選択性の開口制限素子が設置される。この波長選択性の開口制限素子は、上記405nmのレーザ光には作用せず、655nmのレーザ光にのみ作用して開口数を0.6に設定するものである。また、上記655nmのレーザ光における球面収差を少なくするために、655nmのレーザ光は、発散光として対物レンズに入射される、いわゆる有限系の構成となっている。
【0004】
【非特許文献1】
MICRO OPTICS NEWS Vol.20 No.3 pp.19−23
【特許文献1】
特開平10−320814号公報
【特許文献2】
特開平10−319318号公報
【特許文献3】
特開平10−020263号公報
【特許文献4】
特開平09−128785号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような655nmのレーザ光は、有限系であるために上記レンズホルダがDVDの偏芯に追従するためにDVDのラジアル方向にシフトした際にコマ収差が発生し、光学的な分解能が低下するという問題点がある。そのため、新たに655nmのレーザ光のコマ収差を補正する液晶素子をレンズホルダに設置する必要がある。しかしながら、通常、このコマ収差を補正する液晶素子は3つ以上の電極を必要とするため、当該液晶素子をレンズホルダに設けた場合、サスペンションワイヤを介して必要数の給電を実現できないという問題点が発生する。なお、以上DVDについて述べたが、CD(Compact Disc)についても同様である。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、光ピックアップ装置において、BDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、光ピックアップ装置に係わる第1の手段として、第1のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、上記第1のレーザ光と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光あるいは第2のレーザ光を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、上記第1のレーザ光と上記第2のレーザ光との偏光方向は直交しており、上記第1のレーザ光のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子と上記第2のレーザ光のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子とを備え、対物レンズと上記第1の液晶素子と上記第2の液晶素子は可動自在に支持されるという構成を採用する。
【0008】
液晶素子に係わる第1の手段として、第1の透明基板の一方の面には上記第1の液晶素子が形成され、上記第1の透明基板の他方の面には上記第2の液晶素子が形成された構造となっており、上記第1の液晶素子は少なくとも第2の透明基板と上記第1の透明基板の間に、球面収差補正のための第1の透明電極と第1の配向膜と液晶と第2の透明電極が挟まれて配置されており、上記第2の液晶素子は少なくとも第3の透明基板と上記第1の透明基板の間に、コマ収差補正のための第3の透明電極と第2の配向膜と液晶と第4の透明電極が挟まれて配置されており、複数の電極から成る上記第1の透明電極と上記第3の透明電極との各電極が一対づつ導電されており、上記第2の透明電極と上記第4の透明電極とが導通されているという構成を採用する。
【0009】
光ピックアップ装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、対物レンズと上記液晶素子に係わる第1の手段における液晶素子は、複数のサスペンションワイヤによって、可動自在に支持されるという構成を採用する。
【0010】
光ピックアップ装置に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、上記対物レンズと請求項2記載の液晶素子は、複数のサスペンションワイヤによって、可動自在に支持され、各サスペンションワイヤを介して駆動電圧が各透明電極に給電されるという構成を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる光ピックアップ装置の一実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の要部構成図である。この図において、符号1はベース部、2はワイヤ支持部、31,32はヨークコイル、41〜44はサスペンションワイヤ、5はレンズホルダ、6は対物レンズ、71,72はマグネット、8は液晶素子、9はレーザ光出射受光部(レーザ光出射手段)、10は液晶駆動回路である。
【0013】
ベース部1は、板状に形状設定されると共に、その略中央部には、レーザ光出射受光部9から入射したレーザ光が通過する貫通孔1aが形成されている。ワイヤ支持部2は、略直方体形に形状設定されており、図示するように、上記ベース部1の左側に固定設置されている。
【0014】
ヨークコイル31,32は、外部の駆動装置から電流が供給されることによって、レンズホルダ5をラジアル方向及びフォーカス方向に移動させるものであり、上記貫通孔1aを挟むように各々ベース部1上に設置されている。つまり、図示するように、ヨークコイル31は、貫通孔1aの左側に設置され、ヨークコイル32は、貫通孔1aの右側に設置されている。
【0015】
サスペンションワイヤ41〜44は、4本設けられており、各々の一端がレンズホルダ5に固定され、また、他端が上記ワイヤ支持部2に固定されている。すなわち、図示するように、サスペンションワイヤ41,42は、貫通孔1aの手前側に上記ベース部1と平行に姿勢設定された状態で、上からサスペンションワイヤ41、サスペンションワイヤ42の順で上記ワイヤ支持部2に支持され、サスペンションワイヤ43,44は、貫通孔1aの奥側に上記ベース部1と平行に姿勢設定された状態で、上からサスペンションワイヤ43、サスペンションワイヤ44の順で上記ワイヤ支持部2に支持されている。また、上記サスペンションワイヤ41〜44の他端は、液晶素子8に電圧を印加、すなわち液晶駆動信号を出力する液晶駆動回路10と各々接続されている。
【0016】
レンズホルダ5は、中空の略直方体形に形状設定されており、上記サスペンションワイヤ41〜44の他端によって、可動自在に、かつ、上記貫通孔1aの上方に位置するように支持されている。図2は、上記レンズホルダ5の断面図であるが、この図に示すように、レンズホルダ5の上部には、BD(Blu−rayDisc)用の対物レンズ6(開口数:0.85)が填め込まれ、その内部には、波長655nmのレーザ光(第2のレーザ光)に作用して開口数を0.6に設定する波長選択性の開口制限素子11が設置されている。また、レンズホルダ5の下部には、液晶素子8が設置されている。
【0017】
続いて、図3及び図4を参照して、上記液晶素子8について説明する。液晶素子8は、透明基板81(第1の透明基板)、コマ収差補正液晶素子82(第2の液晶素子)及び球面収差補正液晶素子83(第1の液晶素子)から構成されている。透明基板81は、ガラスによって形成された透明板であり、4隅に接続端子a〜dが設けられている。この透明基板81の下面には、所定の偏光方向のレーザ光に作用して球面収差を補正する球面収差補正液晶素子83が設置され、上面には、上記所定の偏光方向のレーザ光と直交する偏光方向のレーザ光に作用してコマ収差を補正するコマ収差補正液晶素子82が設置されるものである。
【0018】
透明基板81の下面には、所定の偏光方向のレーザ光に作用して球面収差を補正する球面収差補正液晶素子83が設置されている。この球面収差補正液晶素子83は、透明基板83a(第2の透明基板)と透明基板81の間に、球面収差補正のための透明電極83b(第1の透明電極)と配向膜83c(第1の配向膜)と液晶83dと透明電極83e(第2の透明電極)が挟まれたものである。より具体的には、図4において透明基板81とその下側の透明基板83aの間には液晶83dが封入されており、この液晶分子の方向が球面収差補正液晶素子83に電圧を印加した際に上記レーザ光の偏光方向に傾くように配向されている。したがって、球面収差補正液晶素子83に電圧を印加すると、電圧の印加された領域における上記レーザ光が感じる屈折率が変化し、その領域のレーザ光の位相に変化を与えることができる。この位相を制御することによって、球面収差を補正する。
【0019】
一方、透明基板81の上面には、上記所定の偏光方向と直交する偏光方向のレーザ光に作用してコマ収差を補正するコマ収差補正液晶素子82が設置されている。このコマ収差補正液晶素子82は、透明基板82a(第3の透明基板)と上記透明基板81の間に、コマ収差補正のための透明電極82b(第3の透明電極)と配向膜82c(第2の配向膜)と液晶82dと透明電極82e(第4の透明電極)とが挟まれたものである。より具体的には図4において透明基板81とその上側の透明基板82aの間には液晶82dが封入されており、この液晶分子の方向が上記球面収差補正液晶素子83の液晶分子の配列方向と直交する方向に配向されている。したがって、コマ収差補正液晶素子82に電圧を印加すると、電圧の印加された領域において上記所定の偏光方向と直交する偏光方向のレーザ光に対してのみ、その領域を通過するレーザ光の感じる屈折率が変化し、そのレーザ光の位相に変化を与えることができる。この位相を制御することによってコマ収差を補正する。
【0020】
なお、上記所定の偏光方向のレーザ光がコマ収差補正液晶素子82の電圧が印加された領域を通過しても、その領域の液晶分子が傾いた方向は、上記所定の偏光方向と直交しているため、屈折率変化が生じず、上記所定の偏光方向のレーザ光は、コマ収差補正液晶素子82による位相変化を受けない。同様の作用によって、上記所定の偏光方向のレーザ光と直交する偏光方向のレーザ光が球面収差補正液晶素子83を通過しても位相変化を受けない。
【0021】
したがって、上記所定の偏光方向のレーザ光は、球面収差補正液晶素子83からのみ位相作用を受け、上記所定の偏光方向と直交する偏光方向のレーザ光はコマ収差補正液晶素子82からのみ位相作用を受ける。
【0022】
なお、図3及び図4においては、透明基板81に対して上側にコマ収差補正液晶素子82、下側に球面収差補正液晶素子83が設置されているが、下側にコマ収差補正液晶素子82、上側に球面収差補正液晶素子83を設置することも可能である。
【0023】
コマ収差補正液晶素子82の上面には、図3に図示するように、コマ収差を補正するように、光軸を挟んで左右に透明電極A,B(透明電極82b)が設けられている。透明電極Aは、接続端子aと透明パターンa1によって、電気的に接続され、透明電極Bは、接続端子bと透明パターンb1によって、電気的に接続されている。コマ収差補正液晶素子82の下面には、コマ収差補正液晶素子82の全体に亘って、透明電極C(透明電極82e)が設けられており、該透明電極Cは、接続端子dと透明パターンd1によって、電気的に接続されている。
【0024】
球面収差補正液晶素子83の下面には、図3に図示するように、球面収差を補正するように、光軸を中心として同心円状に設けられた透明電極D,E,F(透明電極83b)が設けられている。透明電極Dは、接続端子aと透明パターンa2によって、電気的に接続されており、透明電極Eは、接続端子bと透明パターンb2によって、電気的に接続され、透明電極Fは、接続端子cと透明電極パターンc1によって、電気的に接続されている。球面収差補正液晶素子83の上面には、球面収差補正液晶素子83の全体に亘って、透明電極G(透明電極83e)が設けられており、該透明電極Gは、接続端子dと透明パターンd2によって、電気的に接続されている。
【0025】
再び、図1の説明に戻ると、図示するように、上記レンズホルダ5の手前側の側面部には、上記サスペンションワイヤ41,42と上記接続端子a,bとを電気的に接続するFPC(Flexible Printed Circuits)12が粘着テープ等で固着されており、レンズホルダ5の奥側の側面部には、上記サスペンションワイヤ43,44と上記接続端子c,dとを電気的に接続するFPC(図示せず)が同様に固着されている。これら手前側のFPC12及び奥側のFPCと上記サスペンションワイヤ41〜44及び接続端子a〜dとは、半田付けによって、固定されているため、容易にサスペンションワイヤ41〜44と接続端子a〜dとを電気的に接続することができる。
【0026】
マグネット71,72は、レンズホルダ5を挟み込むように該レンズホルダ5の側面部に設置されているものである。すなわち、マグネット71は、上記ヨークコイル31と対向する上記側面部に固定されており、マグネット72は、上記ヨークコイル32と対向する上記側面部に固定されている。つまり、これらのマグネット71,72は、上記ヨークコイル31,32に電流が流れることによって力を受け、上記レンズホルダ5を上下方向(フォーカス方向)あるいは/及び貫通孔1aの手前側と奥側とを結ぶ方向(ラジアル方向)に移動させる。
【0027】
上記貫通孔1aの下方には、所定の偏光方向に設定された405nmのレーザ光(以下青色レーザ光L1と言う)と、該青色レーザ光L1と偏光方向が直交する655nmのレーザ光(以下赤色レーザ光L2と言う)のどちらか一方を対物レンズ6に向け出射するレーザ光出射受光部9が設けられている。このレーザ光出射受光部9について、図5を参照して詳説する。
【0028】
図5は、上記レーザ光出射受光部9の全体構成図を表した図である。この図において、符号91はBD用半導体レーザ、92はDVD用ホログラム・レーザ・ユニット、93はビームスプリッタ、94はコリメータレンズ、95はダイクロイック・プリズム、96は立上げミラー、97はカップリングレンズ、98は検出レンズ、99はディテクタである。なお、この図において、図示するように、図の奥行きをX軸、横をY軸、上下をZ軸とする。
【0029】
BD用半導体レーザ91は、図示するように、Z軸方向の偏光方向の上記青色レーザ光L1をX軸方向に出射するものである。ビームスプリッタ93は、上記BD用半導体レーザ91から出射された青色レーザ光L1をコリメータレンズ94に向け、すなわちY軸方向に反射すると共に、Y軸方向から入射する青色レーザ光L1を透過するものである。コリメータレンズ94は、ビームスプリッタ93によって、反射した青色レーザ光L1を平行光束にして出射してダイクロイック・プリズム95に入射させるものであり、また、BDで反射し、ダイクロイック・プリズム95を通過した青色レーザ光L1をビームスプリッタ93に向け出射するものである。ダイクロイック・プリズム95は、Y軸方向から入射した青色レーザ光L1を透過し、X軸方向から入射した赤色レーザ光L2をY軸方向に、Y軸方向から入射した赤色レーザ光L2をX軸方向に反射する特性を有する誘電体多層膜からなる反射面を備えるものである。立上げミラー96は、上記ダイクロイック・プリズム95が出射したレーザ光、すなわちY軸方向のレーザ光をZ軸方向に反射して、レーザ光出射受光部9の外部、つまり液晶素子8に入射させるものである。
【0030】
DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92は、Y軸方向の偏光方向の上記赤色レーザ光L2をX軸方向に出射すると共に、DVDで反射した赤色レーザ光L2を受光し、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号としてレーザ光出射受光部9の外部に出力するものである。カップリングレンズ97は、DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92が出射した赤色レーザ光L2の発散角を小さくして、上記ダイクロイック・プリズム95に向け出射するものである。
【0031】
検出レンズ98は、上記ビームスプリッタ93を透過したレーザ光を集光して、ディテクタ99に向け出射するものである。ディテクタ99は、検出レンズ98によって集光された青色レーザ光L1を受光し、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号としてレーザ光出射受光部9の外部に出力するものである。
【0032】
次に、このように構成された第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の動作について説明する。
【0033】
まず最初に、BDを対象とした第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の動作について説明する。BD用半導体レーザ91から出射された偏光方向がZ軸方向の青色レーザ光L1は、ビームスプリッタ93によって、Y軸方向に反射され、コリメータレンズ94に入射する。そして、青色レーザ光L1は、コリメータレンズ94によって、平行光束にされ、ダイクロイック・プリズム95を透過する。ダイクロイック・プリズム95を透過した青色レーザ光L1は、立上げミラー96によって、Z軸方向に反射されるが、立上げミラー96によって、Z軸方向に反射されることで、偏光方向もY軸方向に変わる。ここで、青色レーザ光L1は、上記液晶素子8に入射する。すなわち、レーザ光出射受光部9は、偏光方向がY軸方向に設定された青色レーザ光L1を液晶素子8に向け出射する。
【0034】
この液晶素子8には、サスペンションワイヤ41〜44を介して、液晶駆動回路10から液晶駆動信号を入力される。すなわち、上記接続端子aを介して、透明電極Aと透明電極Dに同じ強さの電圧が印加され、上記接続端子bを介して、透明電極Bと透明電極Eに同じ大きさの電圧が印加され、上記接続端子cを介して、透明電極Fに電圧が印加され、上記接続端子dを介して、透明電極Cと透明電極Gに同じ大きさの電圧が印加される。ここで、上述したように、球面収差補正液晶素子83は電圧が印加されることによって、所定の偏光方向のレーザ光、つまり、青色レーザ光L1に作用するようにする。すなわち、この所定の偏光方向とは、上記青色レーザ光L1の偏光方向であるY軸方向である。これに対し、コマ収差補正液晶素子82は、X軸方向を偏光方向とするレーザ光、つまり赤色レーザ光L2に作用する。
【0035】
レーザ光出射受光部9から出射され、上記液晶素子8に入射した青色レーザ光L1は、偏光方向がY軸方向に設定されているため、球面収差補正液晶素子83によって、BDに照射した際にディスク基板厚誤差によって生じる球面収差が補正される。そして、青色レーザ光L1は、透明基板81及びコマ収差補正液晶素子82を透過して、レンズホルダ5内部に入射する。この場合、コマ収差補正液晶素子82は、青色レーザ光L1には作用しない。
【0036】
そして、青色レーザ光L1は、開口数が0.85に設定された対物レンズ6に入射する。なお、青色レーザ光L1は、レンズホルダ5の内部において、開口制限素子11を透過するが、開口制限素子11は、655nmの光にしか作用しないので、青色レーザ光L1は、何の影響も受けずに上記開口制限素子11を透過する。
【0037】
続いて、青色レーザ光L1は、対物レンズ6によって集光されてBDに照射される。BDに反射した青色レーザ光L1は、上述した経路と同一経路を辿って上記ビームスプリッタ93まで戻ってくる。ここで、上記ビームスプリッタ93は、Y軸方向から入射するレーザ光を透過する性質を有しているので、青色レーザ光L1は、ビームスプリッタ93を透過して、検出レンズ98に入射する。青色レーザ光L1は、検出レンズ98によって集光され、ディテクタ99によって、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号に変換され、レーザ光出射受光部9の外部に出力される。
【0038】
次に、DVDを対象とした第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の動作について説明する。DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92から出射された偏光方向がY軸方向に設定された赤色レーザ光L2は、カップリングレンズ97によって発散角を小さくされて、ダイクロイック・プリズム95に入射する。ここで、赤色レーザ光L2を平行光束にしないのは、BD用に設計された対物レンズ6による球面収差を抑制するためである。ダイクロイック・プリズム95に入射した赤色レーザ光L2は、Y軸方向に反射されるがダイクロイック・プリズム95によってY軸方向に反射されることで偏光方向もX軸方向に変わる。続いて、赤色レーザ光L2は、Z軸方向に反射され、上記液晶素子8に入射する。
【0039】
液晶素子8に入射した赤色レーザ光L2は、偏光方向がX軸方向に設定されているため、球面収差補正液晶素子83及び透明基板81を透過して、コマ収差補正液晶素子82によって、DVDに照射した際に対物レンズシフトによって生じたコマ収差が補正される。
【0040】
そして、赤色レーザ光L2は、レンズホルダ内部に入射し、開口制限素子11及び対物レンズ6によって、開口数が0.6に設定される。続いて、赤色レーザ光L2は、対物レンズ6によって集光されてDVDに照射される。
【0041】
DVDで反射した赤色レーザ光L2は、上述した経路と同一の経路を辿ってDVD用ホログラム・レーザ・ユニット92上記まで戻ってくる。ここで、赤色レーザは、DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92によって、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号に変換され、レーザ光出射受光部9の外部に出力される。
【0042】
すなわち、本第1実施形態によれば、コマ収差補正液晶素子82は、上記赤色レーザL2のみに作用し、球面収差補正液晶素子83は、上記青色レーザ光L1のみに作用するので、上記透明電極A及び透明電極Dに1本のサスペンションワイヤ41を介して電圧が印加され、上記透明電極B及び透明電極Eに1本のサスペンションワイヤ42を介して電圧が印加され、上記透明電極Fにサスペンションワイヤ43を介して電圧が印加され、上記透明電極C及び透明電極Gに1本のサスペンションワイヤ44を介して電圧が印加される。つまり、レンズホルダ5を支持する4本のサスペンションワイヤ41〜44によって、コマ収差補正液晶素子82及び球面収差補正液晶素子83に給電することができるので、本第1実施形態に係わる光ピックアップ装置にBDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせることが可能となる。
【0043】
(第2実施形態)
図6は、本第2実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。本第2実施形態においては、図示するように、BD用半導体レーザ91及びDVD用ホログラム・レーザ・ユニット92から出射される青色レーザ光L1及び赤色レーザ光L2は、共に偏光方向がY軸方向に設定されている。このような第2実施形態における光ピックアップ装置を実現するために、レーザ光出射受光部9は、1/2波長板910を備えている。
【0044】
上記1/2波長板910は、青色レーザ光L1の偏光方向のみを90度回転させるものであり、上記BD用半導体レーザ91とビームスプリッタ93との間に設置される。他の構成及び動作は上記第1実施形態と同様であるが、BD用半導体レーザ91から出射される青色レーザ光L1の偏光方向がY軸方向に設定されているので、青色レーザ光L1のファーフィールド・パターンの楕円長軸方向をZ軸方向にし、ディスク上のスポットの短軸方向をY軸方向、すなわちタンジェンシャル方向に設定することができる。
【0045】
すなわち、本第2実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、ディスク上のスポットの短軸方向をタンジェンシャル方向に設定することができるので、BDのトラック情報を精度高く再生できる。
【0046】
(第3実施形態)
図7は、本第3実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。本第3実施形態においては、図示するように、BD用半導体レーザ91及びDVD用ホログラム・レーザ・ユニット92から出射される青色レーザ光L1及び赤色レーザ光L2は、共に偏光方向がY軸方向に設定されている。このような第3実施形態における光ピックアップ装置を実現するために、レーザ光出射受光部9は、1/2波長板911を備えている。
【0047】
上記1/2波長板911は、赤レーザ光の偏光方向のみを90度回転させるものであり、上記カップリングレンズ97とダイクロイック・プリズム95との間に設置される。この場合も、BD用半導体レーザ91から出射される青色レーザ光L1の偏光方向がY軸方向に設定されているので、ディスク上のスポットの短軸方向をタンジェンシャル方向に設定することができる。
【0048】
しかしながら、このような構成を採用した場合には、図示するように、液晶素子8に入射する際の青色レーザ及び赤色レーザの偏光方向が90度回転するので、コマ収差補正液晶素子82及び球面収差補正液晶素子83の内部の液晶の配列を90度ずらす必要がある。
【0049】
すなわち、本第3実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、ディスク上のスポットの短軸方向をタンジェンシャル方向に設定することができるので、BDのトラック情報を精度高く再生できる。
【0050】
なお、本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例も考えられる。
(1)上記第1〜第3実施形態において、4本のサスペンションワイヤ41〜44を用いた。しかしながら、6本のサスペンションワイヤを用いても良い。この場合であっても、いずれかの電極パターンA〜Gは、同一のサスペンションワイヤから液晶駆動信号が入力される。
【0051】
(2)上記第1〜第3実施形態において、本光ピックアップ装置にBDとDVDとの互換性を持たせた。しかしながら、BDとCDとの互換性を持たせても良い。
【0052】
(3)上記第1〜第3実施形態において、サスペンションワイヤ41,42と接続端子a,bとをFPC12で電気的に接続し、サスペンションワイヤ43,44とをFPC(図示せず)で電気的に接続した。しかしながら、電気的に接続されていれば良く、例えばワイヤによって、電気的に接続しても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、上記第1のレーザ光と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光あるいは第2のレーザ光を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、上記第1のレーザ光と上記第2のレーザ光との偏光方向は直交しており、上記第1のレーザ光のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子と上記第2のレーザ光のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子とを備え、対物レンズと上記第1の液晶素子と上記第2の液晶素子は可動自在に支持される。すなわち、光ピックアップ装置において、BDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の要部構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるレンズホルダ5の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わる液晶素子8の全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる液晶素子8の詳細構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。
【符号の説明】
1……ベース部
2……ワイヤ支持部
31,32……ヨークコイル
41〜44……サスペンションワイヤ
5……レンズホルダ
6……対物レンズ
71,72……マグネット
8……液晶素子
9……レーザ光出射受光部(レーザ光出射手段)
10……液晶駆動回路
11……開口制限素子
12……FPC
L1……青色レーザ(第1のレーザ光)
L2……赤色レーザ(第2のレーザ光)
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置及び液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
Blu−ray Disc(以下BDと略す)用の光ピックアップ装置は、通常、4本あるいは6本のサスペンションワイヤによって支持されたレンズホルダにBD用対物レンズを設置し、該BD用対物レンズを介して波長405nmのレーザ光をBDに照射している。また、上記レンズホルダには、BDの基板厚誤差による球面収差を補正するための液晶素子が設置されている。この液晶素子は、通常4つの電極を有しており、上記4本あるいは6本のサスペンションワイヤを介して電圧が印加される。
【0003】
このようなBD用光ピックアップ装置にDVD(Desital VideoDisc)との互換性を持たせる場合には、上記BD用対物レンズ(開口数:0.85)を介して655nmのレーザ光をDVDに照射することとなるが、上記BDとDVDとでは、対物レンズの開口数が異なっているために、上記レンズホルダの内部に波長選択性の開口制限素子が設置される。この波長選択性の開口制限素子は、上記405nmのレーザ光には作用せず、655nmのレーザ光にのみ作用して開口数を0.6に設定するものである。また、上記655nmのレーザ光における球面収差を少なくするために、655nmのレーザ光は、発散光として対物レンズに入射される、いわゆる有限系の構成となっている。
【0004】
【非特許文献1】
MICRO OPTICS NEWS Vol.20 No.3 pp.19−23
【特許文献1】
特開平10−320814号公報
【特許文献2】
特開平10−319318号公報
【特許文献3】
特開平10−020263号公報
【特許文献4】
特開平09−128785号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような655nmのレーザ光は、有限系であるために上記レンズホルダがDVDの偏芯に追従するためにDVDのラジアル方向にシフトした際にコマ収差が発生し、光学的な分解能が低下するという問題点がある。そのため、新たに655nmのレーザ光のコマ収差を補正する液晶素子をレンズホルダに設置する必要がある。しかしながら、通常、このコマ収差を補正する液晶素子は3つ以上の電極を必要とするため、当該液晶素子をレンズホルダに設けた場合、サスペンションワイヤを介して必要数の給電を実現できないという問題点が発生する。なお、以上DVDについて述べたが、CD(Compact Disc)についても同様である。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、光ピックアップ装置において、BDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、光ピックアップ装置に係わる第1の手段として、第1のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、上記第1のレーザ光と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光あるいは第2のレーザ光を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、上記第1のレーザ光と上記第2のレーザ光との偏光方向は直交しており、上記第1のレーザ光のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子と上記第2のレーザ光のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子とを備え、対物レンズと上記第1の液晶素子と上記第2の液晶素子は可動自在に支持されるという構成を採用する。
【0008】
液晶素子に係わる第1の手段として、第1の透明基板の一方の面には上記第1の液晶素子が形成され、上記第1の透明基板の他方の面には上記第2の液晶素子が形成された構造となっており、上記第1の液晶素子は少なくとも第2の透明基板と上記第1の透明基板の間に、球面収差補正のための第1の透明電極と第1の配向膜と液晶と第2の透明電極が挟まれて配置されており、上記第2の液晶素子は少なくとも第3の透明基板と上記第1の透明基板の間に、コマ収差補正のための第3の透明電極と第2の配向膜と液晶と第4の透明電極が挟まれて配置されており、複数の電極から成る上記第1の透明電極と上記第3の透明電極との各電極が一対づつ導電されており、上記第2の透明電極と上記第4の透明電極とが導通されているという構成を採用する。
【0009】
光ピックアップ装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、対物レンズと上記液晶素子に係わる第1の手段における液晶素子は、複数のサスペンションワイヤによって、可動自在に支持されるという構成を採用する。
【0010】
光ピックアップ装置に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、上記対物レンズと請求項2記載の液晶素子は、複数のサスペンションワイヤによって、可動自在に支持され、各サスペンションワイヤを介して駆動電圧が各透明電極に給電されるという構成を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる光ピックアップ装置の一実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の要部構成図である。この図において、符号1はベース部、2はワイヤ支持部、31,32はヨークコイル、41〜44はサスペンションワイヤ、5はレンズホルダ、6は対物レンズ、71,72はマグネット、8は液晶素子、9はレーザ光出射受光部(レーザ光出射手段)、10は液晶駆動回路である。
【0013】
ベース部1は、板状に形状設定されると共に、その略中央部には、レーザ光出射受光部9から入射したレーザ光が通過する貫通孔1aが形成されている。ワイヤ支持部2は、略直方体形に形状設定されており、図示するように、上記ベース部1の左側に固定設置されている。
【0014】
ヨークコイル31,32は、外部の駆動装置から電流が供給されることによって、レンズホルダ5をラジアル方向及びフォーカス方向に移動させるものであり、上記貫通孔1aを挟むように各々ベース部1上に設置されている。つまり、図示するように、ヨークコイル31は、貫通孔1aの左側に設置され、ヨークコイル32は、貫通孔1aの右側に設置されている。
【0015】
サスペンションワイヤ41〜44は、4本設けられており、各々の一端がレンズホルダ5に固定され、また、他端が上記ワイヤ支持部2に固定されている。すなわち、図示するように、サスペンションワイヤ41,42は、貫通孔1aの手前側に上記ベース部1と平行に姿勢設定された状態で、上からサスペンションワイヤ41、サスペンションワイヤ42の順で上記ワイヤ支持部2に支持され、サスペンションワイヤ43,44は、貫通孔1aの奥側に上記ベース部1と平行に姿勢設定された状態で、上からサスペンションワイヤ43、サスペンションワイヤ44の順で上記ワイヤ支持部2に支持されている。また、上記サスペンションワイヤ41〜44の他端は、液晶素子8に電圧を印加、すなわち液晶駆動信号を出力する液晶駆動回路10と各々接続されている。
【0016】
レンズホルダ5は、中空の略直方体形に形状設定されており、上記サスペンションワイヤ41〜44の他端によって、可動自在に、かつ、上記貫通孔1aの上方に位置するように支持されている。図2は、上記レンズホルダ5の断面図であるが、この図に示すように、レンズホルダ5の上部には、BD(Blu−rayDisc)用の対物レンズ6(開口数:0.85)が填め込まれ、その内部には、波長655nmのレーザ光(第2のレーザ光)に作用して開口数を0.6に設定する波長選択性の開口制限素子11が設置されている。また、レンズホルダ5の下部には、液晶素子8が設置されている。
【0017】
続いて、図3及び図4を参照して、上記液晶素子8について説明する。液晶素子8は、透明基板81(第1の透明基板)、コマ収差補正液晶素子82(第2の液晶素子)及び球面収差補正液晶素子83(第1の液晶素子)から構成されている。透明基板81は、ガラスによって形成された透明板であり、4隅に接続端子a〜dが設けられている。この透明基板81の下面には、所定の偏光方向のレーザ光に作用して球面収差を補正する球面収差補正液晶素子83が設置され、上面には、上記所定の偏光方向のレーザ光と直交する偏光方向のレーザ光に作用してコマ収差を補正するコマ収差補正液晶素子82が設置されるものである。
【0018】
透明基板81の下面には、所定の偏光方向のレーザ光に作用して球面収差を補正する球面収差補正液晶素子83が設置されている。この球面収差補正液晶素子83は、透明基板83a(第2の透明基板)と透明基板81の間に、球面収差補正のための透明電極83b(第1の透明電極)と配向膜83c(第1の配向膜)と液晶83dと透明電極83e(第2の透明電極)が挟まれたものである。より具体的には、図4において透明基板81とその下側の透明基板83aの間には液晶83dが封入されており、この液晶分子の方向が球面収差補正液晶素子83に電圧を印加した際に上記レーザ光の偏光方向に傾くように配向されている。したがって、球面収差補正液晶素子83に電圧を印加すると、電圧の印加された領域における上記レーザ光が感じる屈折率が変化し、その領域のレーザ光の位相に変化を与えることができる。この位相を制御することによって、球面収差を補正する。
【0019】
一方、透明基板81の上面には、上記所定の偏光方向と直交する偏光方向のレーザ光に作用してコマ収差を補正するコマ収差補正液晶素子82が設置されている。このコマ収差補正液晶素子82は、透明基板82a(第3の透明基板)と上記透明基板81の間に、コマ収差補正のための透明電極82b(第3の透明電極)と配向膜82c(第2の配向膜)と液晶82dと透明電極82e(第4の透明電極)とが挟まれたものである。より具体的には図4において透明基板81とその上側の透明基板82aの間には液晶82dが封入されており、この液晶分子の方向が上記球面収差補正液晶素子83の液晶分子の配列方向と直交する方向に配向されている。したがって、コマ収差補正液晶素子82に電圧を印加すると、電圧の印加された領域において上記所定の偏光方向と直交する偏光方向のレーザ光に対してのみ、その領域を通過するレーザ光の感じる屈折率が変化し、そのレーザ光の位相に変化を与えることができる。この位相を制御することによってコマ収差を補正する。
【0020】
なお、上記所定の偏光方向のレーザ光がコマ収差補正液晶素子82の電圧が印加された領域を通過しても、その領域の液晶分子が傾いた方向は、上記所定の偏光方向と直交しているため、屈折率変化が生じず、上記所定の偏光方向のレーザ光は、コマ収差補正液晶素子82による位相変化を受けない。同様の作用によって、上記所定の偏光方向のレーザ光と直交する偏光方向のレーザ光が球面収差補正液晶素子83を通過しても位相変化を受けない。
【0021】
したがって、上記所定の偏光方向のレーザ光は、球面収差補正液晶素子83からのみ位相作用を受け、上記所定の偏光方向と直交する偏光方向のレーザ光はコマ収差補正液晶素子82からのみ位相作用を受ける。
【0022】
なお、図3及び図4においては、透明基板81に対して上側にコマ収差補正液晶素子82、下側に球面収差補正液晶素子83が設置されているが、下側にコマ収差補正液晶素子82、上側に球面収差補正液晶素子83を設置することも可能である。
【0023】
コマ収差補正液晶素子82の上面には、図3に図示するように、コマ収差を補正するように、光軸を挟んで左右に透明電極A,B(透明電極82b)が設けられている。透明電極Aは、接続端子aと透明パターンa1によって、電気的に接続され、透明電極Bは、接続端子bと透明パターンb1によって、電気的に接続されている。コマ収差補正液晶素子82の下面には、コマ収差補正液晶素子82の全体に亘って、透明電極C(透明電極82e)が設けられており、該透明電極Cは、接続端子dと透明パターンd1によって、電気的に接続されている。
【0024】
球面収差補正液晶素子83の下面には、図3に図示するように、球面収差を補正するように、光軸を中心として同心円状に設けられた透明電極D,E,F(透明電極83b)が設けられている。透明電極Dは、接続端子aと透明パターンa2によって、電気的に接続されており、透明電極Eは、接続端子bと透明パターンb2によって、電気的に接続され、透明電極Fは、接続端子cと透明電極パターンc1によって、電気的に接続されている。球面収差補正液晶素子83の上面には、球面収差補正液晶素子83の全体に亘って、透明電極G(透明電極83e)が設けられており、該透明電極Gは、接続端子dと透明パターンd2によって、電気的に接続されている。
【0025】
再び、図1の説明に戻ると、図示するように、上記レンズホルダ5の手前側の側面部には、上記サスペンションワイヤ41,42と上記接続端子a,bとを電気的に接続するFPC(Flexible Printed Circuits)12が粘着テープ等で固着されており、レンズホルダ5の奥側の側面部には、上記サスペンションワイヤ43,44と上記接続端子c,dとを電気的に接続するFPC(図示せず)が同様に固着されている。これら手前側のFPC12及び奥側のFPCと上記サスペンションワイヤ41〜44及び接続端子a〜dとは、半田付けによって、固定されているため、容易にサスペンションワイヤ41〜44と接続端子a〜dとを電気的に接続することができる。
【0026】
マグネット71,72は、レンズホルダ5を挟み込むように該レンズホルダ5の側面部に設置されているものである。すなわち、マグネット71は、上記ヨークコイル31と対向する上記側面部に固定されており、マグネット72は、上記ヨークコイル32と対向する上記側面部に固定されている。つまり、これらのマグネット71,72は、上記ヨークコイル31,32に電流が流れることによって力を受け、上記レンズホルダ5を上下方向(フォーカス方向)あるいは/及び貫通孔1aの手前側と奥側とを結ぶ方向(ラジアル方向)に移動させる。
【0027】
上記貫通孔1aの下方には、所定の偏光方向に設定された405nmのレーザ光(以下青色レーザ光L1と言う)と、該青色レーザ光L1と偏光方向が直交する655nmのレーザ光(以下赤色レーザ光L2と言う)のどちらか一方を対物レンズ6に向け出射するレーザ光出射受光部9が設けられている。このレーザ光出射受光部9について、図5を参照して詳説する。
【0028】
図5は、上記レーザ光出射受光部9の全体構成図を表した図である。この図において、符号91はBD用半導体レーザ、92はDVD用ホログラム・レーザ・ユニット、93はビームスプリッタ、94はコリメータレンズ、95はダイクロイック・プリズム、96は立上げミラー、97はカップリングレンズ、98は検出レンズ、99はディテクタである。なお、この図において、図示するように、図の奥行きをX軸、横をY軸、上下をZ軸とする。
【0029】
BD用半導体レーザ91は、図示するように、Z軸方向の偏光方向の上記青色レーザ光L1をX軸方向に出射するものである。ビームスプリッタ93は、上記BD用半導体レーザ91から出射された青色レーザ光L1をコリメータレンズ94に向け、すなわちY軸方向に反射すると共に、Y軸方向から入射する青色レーザ光L1を透過するものである。コリメータレンズ94は、ビームスプリッタ93によって、反射した青色レーザ光L1を平行光束にして出射してダイクロイック・プリズム95に入射させるものであり、また、BDで反射し、ダイクロイック・プリズム95を通過した青色レーザ光L1をビームスプリッタ93に向け出射するものである。ダイクロイック・プリズム95は、Y軸方向から入射した青色レーザ光L1を透過し、X軸方向から入射した赤色レーザ光L2をY軸方向に、Y軸方向から入射した赤色レーザ光L2をX軸方向に反射する特性を有する誘電体多層膜からなる反射面を備えるものである。立上げミラー96は、上記ダイクロイック・プリズム95が出射したレーザ光、すなわちY軸方向のレーザ光をZ軸方向に反射して、レーザ光出射受光部9の外部、つまり液晶素子8に入射させるものである。
【0030】
DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92は、Y軸方向の偏光方向の上記赤色レーザ光L2をX軸方向に出射すると共に、DVDで反射した赤色レーザ光L2を受光し、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号としてレーザ光出射受光部9の外部に出力するものである。カップリングレンズ97は、DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92が出射した赤色レーザ光L2の発散角を小さくして、上記ダイクロイック・プリズム95に向け出射するものである。
【0031】
検出レンズ98は、上記ビームスプリッタ93を透過したレーザ光を集光して、ディテクタ99に向け出射するものである。ディテクタ99は、検出レンズ98によって集光された青色レーザ光L1を受光し、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号としてレーザ光出射受光部9の外部に出力するものである。
【0032】
次に、このように構成された第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の動作について説明する。
【0033】
まず最初に、BDを対象とした第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の動作について説明する。BD用半導体レーザ91から出射された偏光方向がZ軸方向の青色レーザ光L1は、ビームスプリッタ93によって、Y軸方向に反射され、コリメータレンズ94に入射する。そして、青色レーザ光L1は、コリメータレンズ94によって、平行光束にされ、ダイクロイック・プリズム95を透過する。ダイクロイック・プリズム95を透過した青色レーザ光L1は、立上げミラー96によって、Z軸方向に反射されるが、立上げミラー96によって、Z軸方向に反射されることで、偏光方向もY軸方向に変わる。ここで、青色レーザ光L1は、上記液晶素子8に入射する。すなわち、レーザ光出射受光部9は、偏光方向がY軸方向に設定された青色レーザ光L1を液晶素子8に向け出射する。
【0034】
この液晶素子8には、サスペンションワイヤ41〜44を介して、液晶駆動回路10から液晶駆動信号を入力される。すなわち、上記接続端子aを介して、透明電極Aと透明電極Dに同じ強さの電圧が印加され、上記接続端子bを介して、透明電極Bと透明電極Eに同じ大きさの電圧が印加され、上記接続端子cを介して、透明電極Fに電圧が印加され、上記接続端子dを介して、透明電極Cと透明電極Gに同じ大きさの電圧が印加される。ここで、上述したように、球面収差補正液晶素子83は電圧が印加されることによって、所定の偏光方向のレーザ光、つまり、青色レーザ光L1に作用するようにする。すなわち、この所定の偏光方向とは、上記青色レーザ光L1の偏光方向であるY軸方向である。これに対し、コマ収差補正液晶素子82は、X軸方向を偏光方向とするレーザ光、つまり赤色レーザ光L2に作用する。
【0035】
レーザ光出射受光部9から出射され、上記液晶素子8に入射した青色レーザ光L1は、偏光方向がY軸方向に設定されているため、球面収差補正液晶素子83によって、BDに照射した際にディスク基板厚誤差によって生じる球面収差が補正される。そして、青色レーザ光L1は、透明基板81及びコマ収差補正液晶素子82を透過して、レンズホルダ5内部に入射する。この場合、コマ収差補正液晶素子82は、青色レーザ光L1には作用しない。
【0036】
そして、青色レーザ光L1は、開口数が0.85に設定された対物レンズ6に入射する。なお、青色レーザ光L1は、レンズホルダ5の内部において、開口制限素子11を透過するが、開口制限素子11は、655nmの光にしか作用しないので、青色レーザ光L1は、何の影響も受けずに上記開口制限素子11を透過する。
【0037】
続いて、青色レーザ光L1は、対物レンズ6によって集光されてBDに照射される。BDに反射した青色レーザ光L1は、上述した経路と同一経路を辿って上記ビームスプリッタ93まで戻ってくる。ここで、上記ビームスプリッタ93は、Y軸方向から入射するレーザ光を透過する性質を有しているので、青色レーザ光L1は、ビームスプリッタ93を透過して、検出レンズ98に入射する。青色レーザ光L1は、検出レンズ98によって集光され、ディテクタ99によって、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号に変換され、レーザ光出射受光部9の外部に出力される。
【0038】
次に、DVDを対象とした第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の動作について説明する。DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92から出射された偏光方向がY軸方向に設定された赤色レーザ光L2は、カップリングレンズ97によって発散角を小さくされて、ダイクロイック・プリズム95に入射する。ここで、赤色レーザ光L2を平行光束にしないのは、BD用に設計された対物レンズ6による球面収差を抑制するためである。ダイクロイック・プリズム95に入射した赤色レーザ光L2は、Y軸方向に反射されるがダイクロイック・プリズム95によってY軸方向に反射されることで偏光方向もX軸方向に変わる。続いて、赤色レーザ光L2は、Z軸方向に反射され、上記液晶素子8に入射する。
【0039】
液晶素子8に入射した赤色レーザ光L2は、偏光方向がX軸方向に設定されているため、球面収差補正液晶素子83及び透明基板81を透過して、コマ収差補正液晶素子82によって、DVDに照射した際に対物レンズシフトによって生じたコマ収差が補正される。
【0040】
そして、赤色レーザ光L2は、レンズホルダ内部に入射し、開口制限素子11及び対物レンズ6によって、開口数が0.6に設定される。続いて、赤色レーザ光L2は、対物レンズ6によって集光されてDVDに照射される。
【0041】
DVDで反射した赤色レーザ光L2は、上述した経路と同一の経路を辿ってDVD用ホログラム・レーザ・ユニット92上記まで戻ってくる。ここで、赤色レーザは、DVD用ホログラム・レーザ・ユニット92によって、ディスクの情報再生信号やフォーカシング、トラッキングのためのエラー信号に変換され、レーザ光出射受光部9の外部に出力される。
【0042】
すなわち、本第1実施形態によれば、コマ収差補正液晶素子82は、上記赤色レーザL2のみに作用し、球面収差補正液晶素子83は、上記青色レーザ光L1のみに作用するので、上記透明電極A及び透明電極Dに1本のサスペンションワイヤ41を介して電圧が印加され、上記透明電極B及び透明電極Eに1本のサスペンションワイヤ42を介して電圧が印加され、上記透明電極Fにサスペンションワイヤ43を介して電圧が印加され、上記透明電極C及び透明電極Gに1本のサスペンションワイヤ44を介して電圧が印加される。つまり、レンズホルダ5を支持する4本のサスペンションワイヤ41〜44によって、コマ収差補正液晶素子82及び球面収差補正液晶素子83に給電することができるので、本第1実施形態に係わる光ピックアップ装置にBDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせることが可能となる。
【0043】
(第2実施形態)
図6は、本第2実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。本第2実施形態においては、図示するように、BD用半導体レーザ91及びDVD用ホログラム・レーザ・ユニット92から出射される青色レーザ光L1及び赤色レーザ光L2は、共に偏光方向がY軸方向に設定されている。このような第2実施形態における光ピックアップ装置を実現するために、レーザ光出射受光部9は、1/2波長板910を備えている。
【0044】
上記1/2波長板910は、青色レーザ光L1の偏光方向のみを90度回転させるものであり、上記BD用半導体レーザ91とビームスプリッタ93との間に設置される。他の構成及び動作は上記第1実施形態と同様であるが、BD用半導体レーザ91から出射される青色レーザ光L1の偏光方向がY軸方向に設定されているので、青色レーザ光L1のファーフィールド・パターンの楕円長軸方向をZ軸方向にし、ディスク上のスポットの短軸方向をY軸方向、すなわちタンジェンシャル方向に設定することができる。
【0045】
すなわち、本第2実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、ディスク上のスポットの短軸方向をタンジェンシャル方向に設定することができるので、BDのトラック情報を精度高く再生できる。
【0046】
(第3実施形態)
図7は、本第3実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。本第3実施形態においては、図示するように、BD用半導体レーザ91及びDVD用ホログラム・レーザ・ユニット92から出射される青色レーザ光L1及び赤色レーザ光L2は、共に偏光方向がY軸方向に設定されている。このような第3実施形態における光ピックアップ装置を実現するために、レーザ光出射受光部9は、1/2波長板911を備えている。
【0047】
上記1/2波長板911は、赤レーザ光の偏光方向のみを90度回転させるものであり、上記カップリングレンズ97とダイクロイック・プリズム95との間に設置される。この場合も、BD用半導体レーザ91から出射される青色レーザ光L1の偏光方向がY軸方向に設定されているので、ディスク上のスポットの短軸方向をタンジェンシャル方向に設定することができる。
【0048】
しかしながら、このような構成を採用した場合には、図示するように、液晶素子8に入射する際の青色レーザ及び赤色レーザの偏光方向が90度回転するので、コマ収差補正液晶素子82及び球面収差補正液晶素子83の内部の液晶の配列を90度ずらす必要がある。
【0049】
すなわち、本第3実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、ディスク上のスポットの短軸方向をタンジェンシャル方向に設定することができるので、BDのトラック情報を精度高く再生できる。
【0050】
なお、本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例も考えられる。
(1)上記第1〜第3実施形態において、4本のサスペンションワイヤ41〜44を用いた。しかしながら、6本のサスペンションワイヤを用いても良い。この場合であっても、いずれかの電極パターンA〜Gは、同一のサスペンションワイヤから液晶駆動信号が入力される。
【0051】
(2)上記第1〜第3実施形態において、本光ピックアップ装置にBDとDVDとの互換性を持たせた。しかしながら、BDとCDとの互換性を持たせても良い。
【0052】
(3)上記第1〜第3実施形態において、サスペンションワイヤ41,42と接続端子a,bとをFPC12で電気的に接続し、サスペンションワイヤ43,44とをFPC(図示せず)で電気的に接続した。しかしながら、電気的に接続されていれば良く、例えばワイヤによって、電気的に接続しても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、上記第1のレーザ光と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光あるいは第2のレーザ光を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、上記第1のレーザ光と上記第2のレーザ光との偏光方向は直交しており、上記第1のレーザ光のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子と上記第2のレーザ光のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子とを備え、対物レンズと上記第1の液晶素子と上記第2の液晶素子は可動自在に支持される。すなわち、光ピックアップ装置において、BDとDVDあるいはCDとの互換性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる光ピックアップ装置の要部構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるレンズホルダ5の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わる液晶素子8の全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる液晶素子8の詳細構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係わるレーザ光出射受光部9の全体構成を表した図である。
【符号の説明】
1……ベース部
2……ワイヤ支持部
31,32……ヨークコイル
41〜44……サスペンションワイヤ
5……レンズホルダ
6……対物レンズ
71,72……マグネット
8……液晶素子
9……レーザ光出射受光部(レーザ光出射手段)
10……液晶駆動回路
11……開口制限素子
12……FPC
L1……青色レーザ(第1のレーザ光)
L2……赤色レーザ(第2のレーザ光)
Claims (4)
- 第1のレーザ光(L1)を用いて情報を記録再生する仕様の第1のディスクと、前記第1のレーザ光(L1)と異なる波長帯域を有する第2のレーザ光(L2)を用いて情報を記録再生する仕様の第2のディスクとに対して、各々に対応する第1のレーザ光(L1)あるいは第2のレーザ光(L2)を照射して情報を記録再生する光ピックアップ装置において、
前記第1のレーザ光(L1)と前記第2のレーザ光(L2)との偏光方向は直交しており、前記第1のレーザ光(L1)のみに作用して球面収差を補正する第1の液晶素子(83)と前記第2のレーザ光(L2)のみに作用してコマ収差を補正する第2の液晶素子(82)とを備え、
対物レンズ(6)と前記第1の液晶素子(83)と前記第2の液晶素子(82)は可動自在に支持されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 第1の透明基板(81)の一方の面には前記第1の液晶素子(83)が形成され、前記第1の透明基板(81)の他方の面には前記第2の液晶素子(82)が形成された構造となっており、
前記第1の液晶素子(83)は少なくとも第2の透明基板(83a)と前記第1の透明基板(81)の間に、球面収差補正のための第1の透明電極(83b)と第1の配向膜(83c)と液晶(83d)と第2の透明電極(83e)が挟まれて配置されており、
前記第2の液晶素子(82)は少なくとも第3の透明基板(82a)と前記第1の透明基板(81)の間に、コマ収差補正のための第3の透明電極(82b)と第2の配向膜(82c)と液晶(82d)と第4の透明電極(82e)が挟まれて配置されており、
複数の電極から成る前記第1の透明電極(83b)と前記第3の透明電極(82b)との各電極が一対づつ導電されており、前記第2の透明電極(83e)と前記第4の透明電極(82e)とが導通されていることを特徴とする液晶素子。 - 前記対物レンズ(6)と請求項2記載の液晶素子は、複数のサスペンションワイヤ(41〜44)によって、可動自在に支持されることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記対物レンズ(6)と請求項2記載の液晶素子は、複数のサスペンションワイヤ(41〜44)によって、可動自在に支持され、各サスペンションワイヤ(41〜44)を介して駆動電圧が各透明電極(A〜G)に給電されることを特徴とする請求項1あるいは3記載の光ピックアップ装置。
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