JP2011150755A - 光ピックアップ装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1対物レンズと第2対物レンズとが同一のレンズホルダーに固定されている光ピックアップ装置において、簡易な方法で光ピックアップ装置として許容できる性能を確保できる程度にコマ収差の補正を行う。
【解決手段】 第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向へ変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置であり、第1対物レンズと第2対物レンズの座面をそれぞれ所定の角度で傾斜させ、第1対物レンズのコマ収差発生方向と前記第2対物レンズのコマ収差発生方向を簡易な方法で大別し、方向を揃えて固定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、光ディスクに記録されている信号の読み出し動作や光ディスクに信号の記録動作を行う光ピックアップ装置及びその製造方法に関する。
光ピックアップ装置から照射されるレーザー光を光ディスクの信号記録層に照射することによって信号の読み出し動作や信号の記録動作を行うことが出来る光ディスク装置が普及している。
光ディスク装置としては、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)と呼ばれる光ディスクを使用するものが一般に普及しているが、最近では記録密度を向上させた光ディスク、即ちBlu−ray Disc規格やHD−DVD(High Density Digital Versatile Disk)規格の光ディスクを使用するものが開発されている。
CD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うレーザー光としては、波長が780nmである赤外光が使用され、DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作行うレーザー光としては、波長が650nmの赤色光が使用されている。
そして、前記CD規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは1.2mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は0.45と規定されている。また、DVD規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは0.6mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は0.6と規定されている。
斯かるCD規格及びDVD規格の光ディスクに対して、Blu−ray Disc規格やHD−DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うレーザー光としては、波長が短いレーザー光、例えば波長が405nmの青色光が使用されている。
Blu−ray Disc規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは、0.1mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は、0.85と規定されている。
一方、HD−DVD規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは、0.6mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は、0.65と規定されている。
前述したようにBlu−ray Disc規格やHD−DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うためのレーザー光としては、波長が405nmの青色光を使用することが出来るので、レーザーダイオードを兼用することによって両規格の光ディスクから信号の読み出し動作を行うことが出来る光ピックアップ装置を作ることが出来る。
しかしながら、両光ディスクから信号を読み出すためには、信号記録層の位置が大きく相違し、対物レンズの必要とする開口数が大きく異なるため、各光ディスクに対応させて開口数を切り換える必要があり、斯かる動作を行うことが出来る光ピックアップ装置が開発されている(例えば特許文献1参照。)。
また、最近では、前述したCD規格及びDVD規格の光ディスクだけでなく、Blu−ray Disc規格やHD−DVD規格の光ディスクも使用することが出来る光ディスク装置の製品化が行われている。斯かる光ディスク装置に使用される光ピックアップ装置は、当然使用可能な規格の光ディスクに設けられている信号記録層から信号の読み出し動作や該信号記録層への信号の記録動作を行うことが出来るように構成されることになる。
斯かる光ピックアップ装置は、前述した波長のレーザー光を単一の対物レンズにて光ディスクの信号記録層に照射させることが困難であるため、例えばCD規格及びDVD規格の光ディスクにレーザー光を照射する対物レンズと例えばBlu−ray Disc規格の光ディスクにレーザー光を照射する対物レンズの2つの対物レンズが使用されることになる(例えば特許文献2参照。)。
特開2006−172605号公報 特開平11−23960号公報
2つの対物レンズが組み込まれている光ピックアップ装置において、例えばBlu−ray Disc(以下BD)規格の光ディスク用の対物レンズ(BD用対物レンズ)及びCD規格及びDVD規格の光ディスクにレーザー光を照射する対物レンズ(DVD/CD用対物レンズ)は、支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向へ変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されており、レンズホルダーの変位動作によってレーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層にスポットとして集光させるフォーカス制御動作及び信号記録層に設けられている信号トラック上にスポットを追従させるトラッキング制御動作を行うように構成されている。
斯かる構成の光ピックアップ装置において、BD用対物レンズ及びDVD/CD用対物レンズを最適な状態にて支持するためにレンズホルダーを支持するワイヤーに対する姿勢調整動作が行われるが、斯かる姿勢調整動作は例えば光ディスクから再生される信号に含まれるジッター値が最小になるように行われる。斯かる調整動作をBD用対物レンズが最適な状態になるように行うと、他方のレンズであるDVD/CD用対物レンズは光ディスクの信号記録層に対して傾いた状態になる可能性がある。
一方の対物レンズによって姿勢調整動作を行うと他方の対物レンズの姿勢が最良にならないでジッター値が悪化するという問題が発生するが、斯かる原因は対物レンズの傾きに伴って発生するコマ収差にあることが確認されている。
前述したコマ収差は、信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さが厚くなるに従って大きくなり、対物レンズの開口数が大きくなるに従って大きくなり、またレーザー光の波長が短くなるに従って大きくなる特性がある。従って、前述した各種の光ディスクの規格の中の対物レンズでは、BD用対物レンズのコマ収差が最も大きくなることになる。
BD規格に対応した光ピックアップ装置では、下位互換性が市場より求められており、BD/DVD/CD対応が必須である。BD/DVD/CDに1つで対応できる対物レンズは製造上の難易度が高く、現行はBD用対物レンズと、DVD/CD用対物レンズの2つの対物レンズを一つの支持部材に取り付けている。この場合、BD用対物レンズのコマ収差が最も大きい上に、2つの対物レンズのコマ収差が異なるため、相対的なコマ収差が更に大きくなる。
例えば、開口数(以下NA)0.85の対物レンズ(BD用対物レンズ)とNA0.65以下の対物レンズ(DVD/CD用対物レンズ)を一つの支持部材に搭載するアクチュエータにおいて、前者のコマの成形ばらつきは略±0.05λ、後者は±0.03λが一般的な発生量である。従って2つの対物レンズの相対コマ量は±0.08λとなる。
コマは対物レンズを傾けることにより補正する事ができ、例えば0.01λのコマの補正は略0.1度の傾斜で吸収することができる。この場合、夫々の固定ばらつきを±0.2度とすると最大の相対コマ量は1.2度になり、一つの支持部材に2つの対物レンズを搭載して同時にコマ収差を補正すると、性能破綻を招く。
そこで従来では、2つの対物レンズのコマ収差をそれぞれ確認し、コマ収差の発生方向の調整と、コマ収差を打ち消すために対物レンズを傾ける調整を個別に行っている。
具体的には、対物レンズの外周が搭載される座面に曲率を設けたレンズホルダーを用いて一方のレンズ(例えばDVD用対物レンズ)を搭載してコマ収差の角度と方向をそれぞれ調整して固着するか、あるいはレンズが浮いた状態で搭載されるレンズホルダーを用いて、一方のレンズを搭載してコマ収差の角度と方向をそれぞれ調整して空中接着し、他方のレンズ(例えばBD用レンズ)はコマ収差の方向をそれぞれ調整して固着した上で、レンズホルダーが搭載されるアクチュエータをBD用レンズのコマ収差の角度を打ち消すように傾けて、2つの対物レンズのコマ収差を補正している。
更に上記の調整は個々の光ピックアップ装置について行わなければならず、2つの対物レンズのコマ収差の調整が大変煩雑で調整ばらつきや工数が増大するなどの問題があった。
本発明は、係る課題に鑑みてなされ、第1に、第1波長の第1レーザー光が入射されるとともに該第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向に変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、前記第1レーザー光と波長が異なる第2波長の第2レーザー光が入射されるとともに該第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置であり、前記レンズホルダーに、少なくとも一方が該レンズホルダーの主面に対して傾斜した第1の座面および第2の座面が設けられ、前記第1の対物レンズは第1のコマ収差を有し、前記第1の座面に固定されて前記第1レーザー光の光軸に対して第1の角度で傾斜され、前記第2の対物レンズは第2のコマ収差を有し、前記第1のコマ収差の方向と前記第2のコマ収差の方向が揃うように前記第2の座面に固定されて前記第2レーザー光の光軸に対して第2の角度で傾斜されることにより解決するものである。
第2に、第1波長の第1レーザー光が入射されるとともに該第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向に変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、前記第1レーザー光と波長が異なる第2波長の第2レーザー光が入射されるとともに該第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置であり、前記レンズホルダーは、前記第1対物レンズが搭載される第1の座面と、前記第2対物レンズが搭載される第2の座面を有し、前記第1の座面および前記第2の座面は、それぞれの中心を通る線分で等分割された複数の回転搭載方向がそれぞれに設定され、前記第1対物レンズは該第1対物レンズの基準点が該第1対物レンズの第1のコマ収差の発生方向に対応する一の前記回転搭載方向に位置するように前記第1の座面に固定され、前記第1コマ収差の発生方向に傾斜され、前記第2対物レンズは該第2対物レンズの基準点が該第2対物レンズの第2のコマ収差の発生方向に対応する一の前記回転搭載方向に位置するように前記第2の座面に固定され、前記第2コマ収差の発生方向に傾斜されることにより解決するものである。
第3に、第1波長の第1レーザー光が入射されるとともに該第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向に変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、前記第1レーザー光と波長が異なる第2波長の第2レーザー光が入射されるとともに該第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置の製造方法であって、第1の樹脂金型成型ロットから抽出した一の前記第1対物レンズと、第2の樹脂金型成型ロットから抽出した一の前記第2対物レンズを準備する工程と、前記第1対物レンズについて第1のコマ収差の発生方向を確認する工程と、前記第2対物レンズについて第2のコマ収差の発生方向を確認する工程と、予めコマ収差の発生方向に対応付けられた複数の回転搭載方向から前記第1のコマ収差の発生方向に対応する第1の回転搭載方向を決定する工程と、前記複数の回転搭載方向から前記第2のコマ収差の発生方向に対応する第2の回転搭載方向を決定する工程と、前記第1対物レンズを該第1対物レンズの基準点が前記第1の回転搭載方向に位置するように前記第1の座面に搭載する工程と、前記第2対物レンズを該第2対物レンズの基準点が前記第2の回転搭載方向に位置するように前記第2の座面に搭載する工程と、を具備することにより解決するものである。
本発明は、コマ収差補正のための回転方向を大別し、コマ収差の調整を簡便にするものである。また、レンズホルダーの2つの座面のうち少なくとも1つを予め傾斜させる構造とし、2つの対物レンズを相対コマ量が低減できる角度で傾斜させることにより、コマ収差補正のための角度調整を簡便にするものである。このようにコマ収差の調整を簡易にし、コマ収差補正の煩雑さ及び調整ばらつきを不要にするものである。
本発明の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
第1に、レンズホルダーの座面を、レーザー光の光軸に対して所定の角度で傾斜させることにより、個別の光ピックアップ装置、および個別の対物レンズのコマ収差補正の調整を大幅に低減できる。これにより、調整ばらつきや工数を削減でき、安価で実際上問題ない性能を持つ、BD/DVD/CD対応の光ピックアップ装置を実現できる。
具体的には、第1対物レンズを取り付ける第1の座面と第2対物レンズを取り付ける第2の座面をそれぞれ、コマ収差を吸収できる角度で傾斜させ、それらに第1対物レンズおよび第2対物レンズのコマ収差の発生方向が揃うように搭載し、固着する。第1対物レンズおよび第2対物レンズは、両対物レンズの傾斜方向にコマ収差の発生方向が揃えられる。傾斜方向を、例えば光ディスクの径方向に一致させれば、コマ収差の方向は、光ディスクの径方向に揃えることができる。これにより、第1対物レンズおよび第2対物レンズに対してコマ収差を補正するための煩雑な調整が不要となる。
傾斜は、BD用対物レンズについては、BD用対物レンズの最大コマ収差発生量に相当する角度(略0.5度)の2分の1の角度(0.25度)とし、DVD用の対物レンズについては、DVD用の対物レンズの最大コマ発生量に相当する角度(略0.3度)の2分の1の角度(0.15度)とする。これにより、レンズホルダーに無調整で2つの対物レンズを搭載するだけで、前述のコマの成形ばらつきを補正でき、対物レンズのコマ発生量を大きく低減した事と同等の効果を得ることができる。
また、第1対物レンズ及び第2対物レンズのコマ収差発生方向がほぼ一定方向に揃うので、相対コマ量を軽減できる。具体的には、コマ収差の発生する方向を光ディスクの径方向に揃える。これにより、2つの対物レンズの相対コマ量を、光ディスクの接線方向(径方向に垂直な方向)では0λ、光ディスクの径方向では±0.04λに軽減することができる。
前述の第1対物レンズおよび第2対物レンズのコマ収差の発生方向が揃うように搭載する方法としては、樹脂製の対物レンズは樹脂金型成形ロットごとにコマ収差の量や方向が揃う特徴がある点に着目し、それぞれの対物レンズのコマ収差の方向を簡便な方向に大別し、それに基づいて2つの対物レンズのコマの方向を揃える。具体的には、プラスチックレンズの成型時に形成されるゲートの位置によってコマ収差の発生方向を認識し、実際のコマ収差の発生方向を、例えば12分割した方向に大別する。そして、ゲートの位置を12分割のいずれの方向に回転させるかによって、コマ収差の発生方向を光ディスクの径方向に揃える。
同じ方向であるとして12の方向に振り分けられた対物レンズは、詳細にはコマの発生方向が異なる場合もあるが、±15度程度の角度ずれであれば、それによるコマ収差の変動は小さくレンズの性能として実用上は無視できる程度である。
これにより、BD用対物レンズとDVD/CD用対物レンズの2つの対物レンズを1つのレンズホルダーへ取り付ける場合であっても、取り付け位置を正確にする事が出来るだけでなく、組み立て作業を効率良く行うことができる。
また、一方の座面には傾斜を設けず、上記の方法でレンズホルダーに設定された例えば12の回転搭載方向のいずれかにゲートの位置を回転させて第1対物レンズと第2対物レンズを固定した後、レンズホルダーまたはアクチュエータを所定の角度で傾斜させることで、第1対物レンズを第1の角度で傾斜させ、第2対物レンズを第2の角度で傾斜させても、上記と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態における光ピックアップ装置の光学系を示す概略図である。 本発明の実施形態における光ディスクと光学系との関係を示す概略図である。 本発明の実施形態におけるレンズホルダーおよびアクチュエータを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態におけるレンズホルダーを示す平面図である。 本発明の実施形態における(A)対物レンズの平面図、(B)レンズホルダーの平面図、(C)レンズホルダーの平面図である。 本発明の実施形態におけるコマ収差発生方向と回転搭載方向の対応表である。 本発明の実施形態におけるコマ収差量を説明するための概念図である。 本発明の第2の実施形態におけるレンズホルダーを示す平面図である。 本発明の第3の実施形態におけるレンズホルダーおよび対物レンズを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態におけるレンズホルダーを示す平面図である。 本発明の第5の実施形態におけるレンズホルダーを示す平面図である。
本発明の実施の形態を図1から図11を用いて詳細に説明する。
図1は、は本実施形態の光ピックアップ装置の光学系を示す概略図、図2は光ディスクと光学系との関係を示す概略図であり、第1光ディスクD1に設けられている信号記録層R1の位置と第1対物レンズL1との位置関係、第2光ディスクD2に設けられている信号記録層R2の位置と第2対物レンズL2との位置関係、および第3光ディスクD3に設けられている信号記録層R3の位置と第2対物レンズL2との位置関係を示す。
本実施形態では、Blu−ray Disk(以下BD)規格の光ディスク(第1光ディスク)、DVD規格の光ディスク(第2光ディスク)及びCD規格の光ディスク(第3光ディスク)に対応した光ピックアップ装置について説明する。
図1において、レーザーダイオード1は、第1波長、例えば405nmの青色光である第1レーザー光(実線)を放射する。第1回折格子2は、レーザーダイオード1から放射される第1レーザー光が入射され、第1レーザー光を0次光、+1次光及び−1次光に分離する回折格子部(不図示)を有する。
偏光ビームスプリッタ3は第1回折格子2を透過したレーザーダイオード1から放射される第1レーザー光が入射され、S偏光された第1レーザー光を反射し、P方向に偏光された第1レーザー光を透過させる制御膜(不図示)が設けられている。
ここで、レーザーダイオード1から放射される第1レーザー光は偏光ビームスプリッタ3の制御膜に対してS偏光となるように設定される。この第1レーザー光の直線偏光方向の設定は、レーザーダイオード1を第1レーザー光の光軸を中心として回転させたり、あるいは1/2波長板をレーザーダイオード1と偏光ビームスプリッタ3との間に設けて前記1/2波長板によりレーザーダイオード1から放射される第1レーザー光の直線偏光方向を変換させてもよい。
第1コリメートレンズ4は、偏光ビームスプリッタ3から反射されたレーザー光が入射され、入射されたレーザー光を平行光にする作用を成すとともにBD規格の光ディスク(ここでは不図示)の保護層による球面収差を補正するために不図示のモータにより矢印A及びB方向への変位を可能に設けられている。
図2を参照して、第1立ち上げミラー5は第1コリメートレンズ4にて平行光に変換された第1レーザー光が入射されるとともに第1レーザー光を反射させる。
第1の1/4波長板6は第1立ち上げミラー5にて反射された第1レーザー光が入射され、入射される第1レーザー光を直線偏光光から円偏光光に変換する作用を成すものである。
第1の1/4波長板6で円偏光光に変換された第1レーザー光は、第1光ディスクD1に設けられている信号記録層R1に集束させるべく設けられている第1対物レンズL1へ入射される。
斯かる構成において、第1対物レンズL1にて第1光ディスクD1の信号記録層R1に集束された第1レーザー光は信号記録層R1から戻り光として反射されて第1対物レンズL1に入射される。このようにして、第1対物レンズL1に入射された戻り光は、第1の1/4波長板6、第1立ち上げミラー5及び第1コリメートレンズ4を介して偏光ビームスプリッタ3に入射される。
このようにして偏光ビームスプリッタ3に入射される戻り光は、第1の1/4波長板6によって円偏光光からP方向の直線偏光光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜(不図示)を透過することになる。第1センサーレンズ(アナモフィックレンズ)8は偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜を透過した信号が入射され、シリンドリカル面、平面、凹曲面または凸曲面等が入射面側及び出射面側に形成されている。
斯かる第1センサーレンズ8は戻り光に非点収差を発生させることによってフォーカス制御動作に使用されるフォーカスエラー信号を生成させるために設けられている。第1光検出器9は第1センサーレンズ8を通過した戻り光が集光されて照射される位置に設けられ、フォトダイオードが配列された4分割センサー等にて構成されている。斯かる第1光検出器9の構成及び非点収差法によるフォーカスエラー信号の生成動作等は周知であり、その説明は省略する。
以上に説明したように第1光ディスクD1に設けられている信号記録層R1に記録されている信号の再生動作または該信号記録層R1へ信号の記録動作を行う第1光学系は構成されているが、次に第2光ディスクD2及び第3光ディスクD3設けられている信号記録層R2及びR3に記録されている信号の再生動作または該信号記録層R2及びR3へ信号の記録動作を行う第2光学系の構成について説明する。
再び図1を参照して、2波長レーザーダイオード10は第2波長、例えば650nmの赤色光である第2レーザー光(破線)及び第3波長、例えば780nmの赤外光である第3レーザー光(一点鎖線)の波長が異なる2つの波長のレーザー光を放射するレーザーダイオードである。
第2回折格子11は2波長レーザーダイオード10から放射される第2レーザー光または第3レーザー光が入射され、入射されるレーザー光を0次光、+1次光及び−1次光に分離する回折格子部(不図示)を有する。
ビームスプリッタ(ハーフミラー)12は前記第2回折格子11を透過した信号が入射され、第2レーザー光または第3レーザー光を反射および第2レーザー光または第3レーザー光を透過させる制御膜(不図示)が設けられている。
尚、ビームスプリッタ12に換えて、偏光ビームスプリッタと1/2波長板を設けてもよい。
第2コリメートレンズ14は、第2レーザー光または第3レーザー光が入射されるとともに入射されたレーザー光を平行光にする。
図2を参照して、第2立ち上げミラー16は第2コリメートレンズ14にて平行光に変換された第2レーザー光または第3レーザー光が入射され、第2レーザー光(破線)を第2光ディスクD2に設けられている信号記録層R2に集束させるとともに第3レーザー光(一点鎖線)を第3光ディスクD3に設けられている信号記録層R3に集束させるべく設けられている第2対物レンズL2方向へ反射させる作用を成すものである。
第2の1/4波長板13は第2立ち上げミラー16にて反射された第2レーザー光または第3レーザー光が入射され、入射される第2レーザー光または第3レーザー光を直線偏光光から円偏光光に変換する作用を成すものである。
斯かる構成において、第2対物レンズL2にて第2光ディスクD2の信号記録層R2または第3光ディスクD3の信号記録層R3に集束された第2レーザー光または第3レーザー光は信号記録層R2またはR3から戻り光として反射されて第2対物レンズL2に入射される。このようにして、第2対物レンズL2に入射された戻り光は、第2の1/4波長板13、第2立ち上げミラー16、第2コリメートレンズ14を介してビームスプリッタ12に入射される。
このようにしてビームスプリッタ12に入射される戻り光は、第2レーザー光または第3レーザー光を反射および第2レーザー光または第3レーザー光を透過させる。
センサーレンズ18は、ビームスプリッタ12に設けられている制御膜(不図示)を透過した信号が入射される。センサーレンズ18は、非点収差を発生させる効果を持つ。
斯かる第2センサーレンズ18は戻り光に非点収差を発生させることによってフォーカス制御動作に使用されるフォーカスエラー信号を生成させるために設けられている。第2光検出器19は第2センサーレンズ18を通過した戻り光が集光されて照射される位置に設けられ、フォトダイオードが配列された4分割センサー等にて構成されている。斯かる第2光検出器19の構成及び非点収差法によるフォーカスエラー信号の生成動作等は周知であり、その説明は省略する。
以上に説明したように本発明に係る光ピックアップ装置の光学系は構成されているが、次に斯かる構成の光ピックアップ装置における第1光学系による信号の読み取り動作について説明する。
図1を参照して、第1光ディスクD1を使用する場合には、レーザーダイオード1に駆動電流が供給され、レーザーダイオード1から第1波長の第1レーザー光が放射される。
レーザーダイオード1から放射された第1レーザー光は、第1回折格子2に入射され、第1回折格子2を構成する回折格子部(不図示)によって0次光、+1次光及び−1次光に分離される。第1回折格子2を透過した第1レーザー光は、偏光ビームスプリッタ3に入射され、偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜(不図示)にて反射される。
制御膜にて反射された第1レーザー光は、第1コリメートレンズ4に入射され第1コリメートレンズ4の働きによって平行光に変換される。第1コリメートレンズ4によって平行光に変換された第1レーザー光は、第1立ち上げミラー5に入射される。
図2を参照して、第1立ち上げミラー5に入射された第1レーザー光は、反射されて第1の1/4波長板6を通して第1対物レンズL1に入射される。第1対物レンズL1に入射された第1レーザー光は第1対物レンズL1の集束動作によって第1光ディスクD1の信号記録層R1にスポットとして照射されることになる。このようにして、レーザーダイオード1から放射される第1レーザー光は、第1光ディスクD1の信号記録層R1に所望のスポットとして照射されるが、この場合における第1対物レンズL1の開口数は0.85になるように設定されている。
また、前述した第1対物レンズL1による第1レーザー光の集束動作が行われるとき、信号記録層R1と第1光ディスクD1の信号入射面との間にある保護層の厚みの相違によって球面収差が発生するが、第1コリメートレンズ4を矢印AまたはB方向へ変位させることによってこの球面収差が最も少なくなるように調整することが出来る。斯かる調整動作も一般的に行われており、その説明は省略する。
前述した動作によって第1レーザー光の第1光ディスクD1に設けられている信号記録層R1への照射動作が行われるが、斯かる照射動作が行われるとき、信号記録層R1から反射される戻り光が第1対物レンズL1に第1光ディスクD1側から入射される。第1対物レンズL1に入射された戻り光は、第1の1/4波長板6、第1立ち上げミラー5、第1コリメートレンズ4を通して偏光ビームスプリッタ3に入射される。偏光ビームスプリッタ3に入射される戻り光は、P方向の直線偏光光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜(不図示)を透過することになる。
制御膜を透過した第1レーザー光の戻り光は、第1センサーレンズ8に入射され、第1センサーレンズ8の働きによって非点収差が発生せしめられる。第1センサーレンズ8によって非点収差が発生せしめられた戻り光は、第1センサーレンズ8の集光動作によって第1光検出器9に設けられている4分割センサー等のセンサー部に照射される。このようにして戻り光が第1光検出器9に照射される結果、第1光検出器9に組み込まれているセンサー部に照射されるスポット形状の変化を利用して周知のようにフォーカスエラー信号の生成動作が行われる。斯かるフォーカスエラー信号を利用して第1対物レンズL1を第1光ディスクD1の信号面方向へ変位させることによってフォーカス制御動作を行うことが出来る。
以上に説明したように第1光ディスクD1を使用する場合の動作、即ち光ピックアップ装置を構成する第1光学系を使用する場合の動作は行われるが、次に第2光ディスクD2を使用する場合の動作、即ち第2光学系を使用する場合の動作について説明する。
再び図1を参照して、第2光ディスクD2を使用する場合には、2波長レーザーダイオード10に駆動電流が供給され、2波長レーザーダイオード10から第2波長の第2レーザー光が放射される。
2波長レーザーダイオード10から放射された第2レーザー光は、第2回折格子11に入射され、該第2回折格子11を構成する回折格子部(不図示)によって0次光、+1次光及び−1次光に分離される。第2回折格子11を透過した第2レーザー光は、ビームスプリッタ12に入射され、ビームスプリッタ12に設けられている制御膜(不図示)にて反射される。
制御膜にて反射された第2レーザー光は、第2コリメートレンズ14に入射され、第2コリメートレンズ14の働きによって平行光に変換される。第2コリメートレンズ14によって平行光に変換された第2レーザー光は、第2立ち上げミラー16に入射される。
図2を参照して、第2立ち上げミラー16に入射された第2レーザー光は第2の1/4波長板13を通り、第2対物レンズL2に入射される。第2対物レンズL2に入射された第2レーザー光は第2対物レンズL2の集束動作によって第2光ディスクD2の信号記録層R2にスポットとして照射されることになる。このようにして、2波長レーザーダイオード10から放射される第2レーザー光は、第2光ディスクD2の信号記録層R2に所望のスポットとして照射されるが、この場合における第2対物レンズL2の開口数は0.6になる。
前述した動作によって第2レーザー光の第2光ディスクD2に設けられている信号記録層R2への照射動作が行われるが、斯かる照射動作が行われるとき、信号記録層R2から反射される戻り光が第2対物レンズL2に第2光ディスクD2側から入射される。第2対物レンズL2に入射された戻り光は、第2の1/4波長板13、第2立ち上げミラー16、第2コリメートレンズ14を通してビームスプリッタ12に入射される。ビームスプリッタ12に入射される戻り光は、ビームスプリッタ12に設けられている制御膜(不図示)を透過することになる。
制御膜を透過した第2レーザー光の戻り光は、第2センサーレンズ18に入射され、第2センサーレンズ18の働きによって非点収差が発生せしめられる。第2センサーレンズ18によって非点収差が発生せしめられた戻り光は、第2センサーレンズ18の集光動作によって第2光検出器19に設けられている4分割センサー等のセンサー部に照射される。このようにして戻り光が第2光検出器19に照射される結果、第2光検出器19に組み込まれているセンサー部に照射されるスポット形状の変化を利用して周知のようにフォーカスエラー信号の生成動作が行われる。斯かるフォーカスエラー信号を利用して第2対物レンズL2を第2光ディスクD2の信号面方向へ変位させることによってフォーカス制御動作を行うことが出来る。
以上に説明したように第2光学系を使用した第2光ディスクD2に対する動作は行われるが、次に第2光学系を使用した第3光ディスクD3に対する動作について説明する。
図1を参照して、第3光ディスクD3を使用する場合には、2波長レーザーダイオード10に駆動電流が供給され、2波長レーザーダイオード10から第3波長の第3レーザー光が放射される。
斯かる状態において、2波長レーザーダイオード10から放射される第3レーザー光は、前述した第2レーザー光と同一の光路を通して第3光ディスクD3の信号記録層R3に照射されるとともに該信号記録層R3から反射された戻り光が同一の光路を通して第2光検出器19に照射される。従って、第2光ディスクD2に対するフォーカス制御動作と同様の動作が第3光ディスクD3に対しても行われることになる。
図3から図11を参照して、第1対物レンズL1と第2対物レンズL2、およびレンズホルダー20について説明する。
図3から図7を参照して、第1の実施形態について説明する。
図3および図4は第1対物レンズL1と第2対物レンズL2との関係を示す図であり、図3がレンズホルダー20およびこれを支持するアクチュエータ30を上面側からみた平面図であり、図4は図3のb−b線断面に相当するレンズホルダー20の側断面図である。
本実施形態では、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2がレンズホルダー20の主面(表面または底面)に対して適切な傾きで取り付けられる構造を持つレンズホルダー20を用いる。そして、第1対物レンズL1と第2対物レンズL2の取り付け時に両者のコマ収差発生方向が揃うように、簡便な方法で両対物レンズの回転方向を決め、収差補正方向と極性を一意に定める。そして、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2を取付部(第1座面および第2座面)の傾きによって適切な量のコマ収差を補正する。
レンズホルダー20は例えば4本の支持ワイヤー52によって光ピックアップ装置の本体(図示せず)に対して光ディスクの信号面方向への変位動作及び光ディスクの径方向に変位を可能に支持されている。ここで、光ディスクの径方向とは、光ディスク上に配置されたアクチュエータ30を基準とし、光ディスクの中心C0と外周を結ぶアクチュエータ30下方の一の半径線の延在方向であり、図3における矢印C及びD方向(ラジアル方向)をいう。また、光ディスクに平行かつ径方向(矢印C及びD方向)と直角になる方向を接線方向(タンデンシャル方向)とする。
第1対物レンズL1と第2対物レンズL2は、1つのレンズホルダー20上に固定されている。レンズホルダー20は、第1の座面21の中心C1を通り径方向に沿う第1基準線E1と、第2の座面22の中心C2を通り径方向に沿う第2基準線E2を有する。本実施形態では第1基準線E1、第2基準線E2は同一線上にあり、以下基準線Eとして説明する。また、本実施形態では、一例として基準線Eは、光ディスクの径方向と一致し、すなわち光ディスクの中心C0から径方向に延びる直線上にある。
第1対物レンズL1及び第2対物レンズL2はそれぞれの中心が基準線Eの上に配置される。ここでは基準線E上に光ディスクの中心C0が位置するように構成されており、アクチュエータ30は、基準線Eの延在方向に沿って、光ディスクの径方向へ変位する。
図4を参照して、レンズホルダー20は、第1の座面21と第2の座面22を有する。ここで、第1の座面21とは、第1対物レンズL1の周縁平坦部(鍔部)Bが、当接する部分をいう。同様に第2の座面22とは、第2対物レンズL2の周縁平坦部(鍔部)Bが、当接する部分をいう。
第1の座面21は、第1のレーザー光の光軸LZ1に対して所定の角度で傾斜して配置される。具体的には例えば、図4の如く基準線Eの断面形状において、第1レーザー光の光軸LZ1に垂直な面に対して、例えば光ディスクの中心C0(内周)側が最も高く、外周側が最も低くなるように第1の角度αで傾斜している。また第2の座面22は第2のレーザー光の光軸LZ2に対して所定の角度で傾斜して配置される。具体的には例えば基準線Eの断面形状において第2レーザー光の光軸LZ2に垂直な面に対して例えば光ディスクの中心C0(内周)側が最も高く、外周側が最も低くなるように第2の角度βで傾斜している。
すなわち、本実施形態において、第1の座面21と第2の座面22は、レンズホルダー20の主面(たとえば底面)23に対してそれぞれ所定の角度で傾斜している。レンズホルダー20の主面23は光ピックアップ装置本体(外形51(図1参照))に対して、水平である。
第1の角度αは、第1対物レンズL1の最大コマ収差発生量(例えば±0.05λ)に対応する補正角度(略0.5度)の2分の1であり、例えば第1レーザー光の光軸LZ1に垂直な面から0.25度である。
第2の角度βは、第2対物レンズL2の最大コマ収差発生量(例えば±0.03λ)に対応する補正角度(略0.3度)の2分の1であり、例えば第2レーザー光の光軸LZ2に垂直な面から0.15度である。これにより、第1対物レンズL1と第2対物レンズの最大の相対コマ量を低減できるので、コマの成形ばらつきを補正でき、対物レンズのコマ発生量を大きく低減した事と同等の効果を得ることができる。
第1の対物レンズL1は、第1のコマ収差を有しており、第2の対物レンズL2は、第2のコマ収差を有している。そして、第1の対物レンズL1は基準線Eの上に第1のコマ収差の発生方向が揃うように、すなわち、第1の座面21の傾斜する方向(傾斜方向)にコマ収差の発生方向が揃うように、第1の座面21に固定される。また、第2の対物レンズL2は基準線Eの上に第2のコマ収差の発生方向が揃うように、すなわち、第2の座面22の傾斜する方向(傾斜方向)にコマ収差の発生方向が揃うように、第2の座面22に固定される。これにより、第1対物レンズL1のコマ収差の発生方向と第2対物レンズL2のコマ収差の発生方向とが光ディスクの径方向に揃うように、レンズホルダー20上に固定される。
図5の平面概略図を参照して、詳細に説明する。図5(A)は第1対物レンズL1(第2対物レンズL2も同様)の平面外略図であり、図5(B)(C)はレンズホルダー20の平面概略図である。
本実施形態の第1対物レンズL1および第2対物レンズL2はいずれも、樹脂製の対物レンズであり、これらは同一の樹脂成形金型で、ゲートGからの樹脂の注入により成型されるため、樹脂金型成形ロット毎にコマ収差の量や方向が近似する特徴がある。つまり、樹脂金型成形ロットが同じであれば、コマ収差の発生方向のずれは少ない傾向がある。
そこで樹脂金型成形ロットごとに、360度の範囲で発生するコマ収差の方向を、複数の方向に大別する。具体的には、図5(B)のごとく、レンズホルダー20の第1の座面21上に、基準線E(第1基準線E1)を含み第1座面21の中心C1を通る線分で12等分割された12の回転搭載方向を設定する。
同様に、図5(C)のごとく、第2の座面22上に、基準線E(第2基準線E2)を含み第2座面22の中心C2を通る線分で12等分割された12の回転搭載方向を設定する。
図6は、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2の実際のコマ収差の発生方向[度]と、等分割された12の回転搭載方向の対応表の一例である。ここでは、回転搭載方向を1時〜12時方向として示している。本実施形態では、9時−3時方向が基準線E(第1基準線E1、第2基準線E2)と一致しており、径方向に沿う(ここでは径方向と一致する)方向である。9時方向が光ディスクの中心であり、3時方向が光ディスクの外周方向である(図5参照)。基準線Eを径方向と一致させることにより、コマ収差の発生方向を径方向に揃えることができる。
また、本実施形態では、第1対物レンズL1の第1のコマ収差の発生方向は、第1対物レンズL1の基準点からの角度で認識する。本実施形態では、基準点を例えば対物レンズを成型するために設けられているゲートGの位置とするが(図5(A)参照)、これに限らずコマ収差の発生方向を認識するための基準となる識別マークを別途設けてもよい。第2対物レンズL2の第2のコマ収差の発生方向も、第2対物レンズの基準点(例えばゲートGの位置)からの角度で認識する。
つまり図6のコマ収差発生方向とは、第1対物レンズL1の第1のコマ収差がゲートGからどの角度の方向に発生しているかを示しており、回転搭載方向とは、当該対物レンズを第1の座面21に搭載する場合にゲートGが配置される方向をいう(第2の対物レンズL2についても同様である。)。
このように樹脂金型成形ロットごとにコマ収差の発生方向を図6の回転搭載方向に対応付け、樹脂金型成形ロットごとに、コマ収差の発生方向に対応した回転搭載方向にゲートGを回転させて対物レンズの搭載方向を変えることによって、コマ収差の発生方向を揃えることができ、調整すべき方向及び極性を12分割した一の方向に一意に(例えば3時方向に)に定めることができる。
ここで、本実施形態において、第1コマ収差の発生方向と第2コマ収差の発生方向が「揃う」とは、完全に一致することのみをいうものではない。コマ収差は実際には360度の範囲で個々の対物レンズごとに異なるものである。本実施形態では図6の如く、360度の範囲で発生するコマ収差を、一例として30度ごとに12の方向に大別し、コマ収差の調整を簡便にしている。したがって、例えば第1対物レンズL1のゲートG位置を上記の如く5時方向とし、第2対物レンズL2のゲート位置を12時方向とした場合であっても、3時方向(基準線E上)で両方の対物レンズのコマ収差の方向が完全に一致するとは限らない。
しかしコマ収差の発生方向が、3時方向を中心として30度(±15度)の範囲内に入れば、実用上の性能として一般的には問題がない。例えば、12分割した場合に、一つの方向(例えば3時方向)に対する、実際のコマ収差の発生方向の角度ずれは±15度である。第1対物レンズL1(BD用対物レンズ)の最大コマ収差発生量が±0.025λの場合、角度ずれによる径方向のコマ収差発生量の変動量は0.024λ(=0.025×cos15[deg])、角度ずれによる接線方向のコマ収差発生量の変動量は0.006λ(=0.025×sin15[deg])となる。このように、角度ずれによるコマ収差の変動量は小さく、実用上は無視できるレベルとなるからである。
このように、本実施形態においてコマ収差発生の方向が「揃う」とは、角度ずれによるコマ収差の変動量が実用上無視できる程度に小さくなるように円を等分割した1つの角度の範囲(例えば3時方向を中心として±15度の範囲)内にコマ収差の発生方向が存在するように調整されていることをいう。
尚、光ディスクの径方向に垂直な方向、すなわち図5の12時−6時方向(接線方向、タンデンシャル方向)のコマ収差の発生は、再生性能の劣化が顕著である。コマ収差はSkewずれであるため、Skewマージンの広い方向にコマ収差の発生方向を揃えるとよく、このために径方向に揃えることが望ましい。
また、レンズホルダー20が搭載されるアクチュエータ30が傾き調整機構を持つ場合は、アクチュエータ30の調整方向と第1対物レンズL1および第2対物レンズL2のコマ収差発生方向を合わせると更に好適であり、この点からも径方向に揃えることが望ましい。
また、回転搭載方向は12の方向に限らず、使用するレンズのコマ収差発生量やばらつき分布に応じて例えば、第1の座面21および第2の座面上を4分割、6分割、8分割、10分割、15分割などした方向であってもよい。例えば10分割であれば、回転搭載方向は36度ずつ10方向に大別され、15分割であれば24度ずつ15方向に大別される。
しかし、12分割より少ないと、1つの回転搭載方向に対応するコマ収差方向の範囲が大きくなるので、ばらつきが大きくなるといえる。また、12方向より多いと、コマ収差方向と回転搭載方向の対応付けや対物レンズを搭載する際の煩雑性が増えることとなる。
一方で、対物レンズのコマ収差発生量やばらつきが低減すれば、12分割より分割数を減らすことができる。逆にコマ収差発生量やばらつきが非常に大きくても、価格が安ければ分割数を増やして使用することもできる。
分割数の上限としては、作業者によるばらつきが増える傾向を考慮して15分割程度が好適である。また、下限は、既述したBD用対物レンズの最大コマ収差発生量に対する、角度ずれによるコマ収差の変動量が実用上問題ない程度までとし、対物レンズの成形の精度によっては例えば4分割も可能である。
本実施形態では、一例として、上記の如く、BD用対物レンズの最大コマ収差発生量が±0.025λの場合に角度ずれによるコマ収差の変動量は小さく、実用上は無視できるレベルとなる12分割を採用した。
また、本実施形態では、第1の座面21および第2の座面22の複数の回転搭載方向(分割数)は同数としたが、複数の回転搭載方向は、異なる分割数で分割されたものであってもよい。例えば、BD用対物レンズ(第1対物レンズL1)が搭載される第1の座面21の回転搭載方向が12(12分割)で、CD/DVD用対物レンズ(第2対物レンズL2)が搭載される第2の座面22の回転搭載方向が4(4分割)などである。
この場合は、図6に示すコマ収差発生方向と回転搭載方向の対応表も、第1の座面21と第2の座面22に対応して個別に必要となる。
樹脂製レンズの場合、一般的に、樹脂金型成形ロットごとにコマ収差の発生方向やコマ収差量が近似するため、各樹脂金型成形ロットごとにそれぞれ1つの第1対物レンズL1と第2対物レンズL2について回転搭載方向を判定すれば、同じ樹脂金型成形ロットの対物レンズは、同じ回転搭載方向で搭載することができる。
従来では同じ樹脂金型成形ロットの対物レンズであっても個別にコマ収差の発生方向に応じて第1対物レンズL1および第2対物レンズL2を回転させてレンズホルダー20に搭載しており、組み立て時のばらつきや、工数の増大という問題があった。しかし本実施形態では簡便な方法で、第1対物レンズL1と第2対物レンズL2のコマ収差の発生方向を揃えることができ、組み立て時のばらつきや工数の大幅な低減が図れる。組み立て時のばらつきとしては例えば、コマ収差の測定と回転調整を行っていた従来では、調整ミスや作業者毎の調整ばらつきなどが多かったが、本実施形態では12分割のいずれかに回転配置するので、調整ミスや作業者毎の調整ばらつきなどを低減することができる。
加えて、第1の座面21は、第1対物レンズL1に想定される最大コマ収差量(±0.05λ)の2分の1に相当する角度(0.25度)を補正する(打ち消す)第1の角度αで傾斜して設けられ、第2の座面22は、第2対物レンズL2に想定される最大コマ収差量(±0.03λ)の2分の1に相当する角度(0.15度)を補正する(打ち消す)第2の角度βで傾斜して設けられている(図4)。
これにより、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2は、それぞれ第1座面21および第2座面22に搭載するだけで、同一の樹脂金型成形ロットの対物レンズであれば個々に角度の調整をすることなく両対物レンズの相対コマ発生量を低減できるだけでなく、コマ収差量を補正する煩雑な角度調整が不要となる。
従来では例えば、第1対物レンズL1をレンズホルダーに搭載した後、オートコリメータで第1対物レンズL1の角度調整を行った後当該レンズを固着し、第2対物レンズL2をレンズホルダーに搭載した後、オートコリメータで第2対物レンズL2の角度調整を行った後当該レンズを固着し、さらにオートコリメータで第1対物レンズL1と第2対物レンズL2の相対傾きずれを調整する作業が必要であった。
しかし本実施形態では、レンズホルダー20の第1座面21および第2座面22がそれぞれ最大の相対コマ量を半減する所定の角度で傾斜して設けられている。したがって、(例えば一日の製造開始時に調整する他は)オートコリメータによる個別のレンズの角度調整および個別の相対傾きずれの調整を行う必要がなくなり、工数の大幅な削減と簡素化が実現できる。
尚、本実施形態は、第1対物レンズL1と第2対物レンズL2の相対コマ発生量においても、完全に0にできるとは限らないが、光ピックアップ装置として許容できる性能を確保できるものである。
図7は、第1対物レンズL1と第2対物レンズL2の全ての樹脂金型成形ロットにおけるコマ収差の角度と量を説明するための概念図であり、図7(A)がコマ収差を調整していない場合、図7(B)が本実施形態の回転搭載方向に従って回転調整のみ行った場合、図7(C)が本実施形態の回転搭載方向に従って回転調整後、傾斜を有するレンズホルダー20に搭載した後の概念図である。また図7(D)(E)はコマ収差量と、発生頻度の関係を示す概念図である。
いずれにおいても実線が第1対物レンズL1(BD用対物レンズ)であり、破線が第2対物レンズL2(DVD用対物レンズ)である。
図7(A)から図7(C)において、座標軸はコマ収差の発生方向の角度を表し、円(楕円)はコマ収差量を表す。
図7(A)の如く、コマ収差を無調整の場合は、360度いずれの方向にもコマ収差は発生し、コマ収差量も原点を中心に第1対物レンズL1では±0.05λ、第2対物レンズL2では±0.03λ、相対コマ量は±0.08λの円となる。
図7(B)の如く、回転調整後は、コマ収差の発生方向が光ディスクの径方向に揃えられるが、半径方向のコマ収差はほぼゼロと見なせ、径方向のコマ収差も1/2となる。ただし、原点(機械的基準位置)からずれる量は変わらず0.05λとなる。
そして図7(C)において、第2対物レンズL2については最大コマ収差量の2分の1に相当する角度であるA(λ)分の角度の補正を行い、第1対物レンズL1については最大コマ収差量の2分の1に相当する角度であるB(λ)分の補正を行う。すなわち、最大コマ収差量が一致するように機械的基準位置にシフトすることで(図7(E)参照)、コマ収差量は図7(C)の如く、第1対物レンズL1では±0.025λ、第2対物レンズL2では±0.015λ、相対コマ量は機械的基準位置を中心に長軸で±0.04λの楕円となる。これは、図7(B)の場合に比べて、コマ収差の発生方向が光ディスクの径方向に揃い、相対コマ収差発生量が最大0.05λから0.04λに減少し、原点からのずれ量も最大0.05λから0.025λと2分の1となっていることを示し、コマ収差のばらつきが少ないことを意味する。
ここで、光ディスク装置としての許容コマ収差量は、光ディスク上のスポットが回折限界まで絞ることができる限界の収差定義(マレシャルの基準)として約0.07λ以下とされる。このことから、光ピックアップ装置としては、光ディスク等のマージンを考慮して、収差は0.04λ程度に抑えることが好適である。
本実施形態によれば第1対物レンズL1と第2対物レンズL2の其々のコマ収差量を±0.04λ内にでき、マレシャルの基準による光ピックアップ装置として許容できる性能を確保することができる。また、第1対物レンズL1の性能を最良にするようドライブ装置に光ピックアップ装置を傾けて設置した場合においても相対コマ収差発生量を±0.04λにできるので、第1対物レンズL1のコマ収差0λ、第2対物レンズL2のコマ収差は0.04λとなりマレシャルの基準による光ピックアップ装置として許容できる性能を確保することができる。
第1対物レンズL1および第2対物レンズL2を回転させる場合、一例としてCCD(Charge Coupled Devices)カメラで、レンズホルダー20に搭載した第1対物レンズL1、第2対物レンズL2を撮影し、モニター上の識別マークによって例えば12の回転搭載方向を認識してゲートを回転させることができる。
しかしこれに限らず、レンズホルダー20の、第1の座面21、第2の座面22の周囲に溝などで12の回転搭載方向の識別マークを設けてもよい。
図8を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態のレンズホルダー20を示す平面図である。レンズホルダー20は、例えば第1の座面21、第2の座面22上(図8(A))またはそれらの周囲(図8(B))に、回転搭載方向に対応した複数の識別マーク25を有する。
識別マーク25は例えば、切欠きや溝あるいは突起などでその周囲と段差を形成した凹部又は凸部であり、回転搭載方向に対応して、複数個設けられる。例えば図8(A)では12個、図8(B)では4個の認識マーク25を設けた場合を示した。
識別マーク25は例えば、対物レンズの接触防止のためのスペーサや、接着材の流出防止のための凸部などと兼用することもできる。
図9を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の座面21と第2の座面22少なくとも一方がレンズホルダー20の主面に対して傾斜して設けられ、第1対物レンズL1が第1レーザー光の光軸LZ1に対して第1の角度で傾斜され、第2対物レンズL2が第2レーザー光の光軸LZ2に対して第2の角度で傾斜されて固定されればよい。
すなわち、図9の如く、第3の実施形態では、第2対物レンズL2を固定する第2の座面22は、レンズホルダー20の主面(底面)23と水平に設けられ(図9(A))、レンズホルダー20を傾斜させることによって、第2の座面22を第2レーザー光の光軸LZ2に垂直な方向から第2の角度βで傾斜させる(図9(B))こととしてもよい。傾斜方向は、基準線E(例えば3時−9時)の延在方向であり、すなわち基準線Eにおける断面形状において例えば内周側が最も高く外周側が最も低くなるように角度α及び角度βで傾斜する方向である。
この場合、光ピックアップ装置(不図示)に対して水平なアクチュエータ30のフレームに対して、レンズホルダー20を第2の角度βで傾斜させてもよいし、レンズホルダー20はアクチュエータ30に対して水平に搭載しアクチュエータ30を光ピックアップ装置のハウジングに対して第2の角度βで傾斜させてもよい。
第3の実施形態ではレンズホルダー20の傾斜に伴い、第1対物レンズL1が固定される第1の座面21も傾斜するので、第1の座面21を傾斜させる角度α’は、第1の実施形態における第1座面の傾斜角度(第1の角度α)から第2の角度βを差し引いた角度とする。
尚、第2の実施形態では、レンズホルダー20(又はアクチュエータ30)を傾斜させるため、第1対物レンズL1を取り付け、第2対物レンズL2を取り付けた後、オートコリメータによる角度(第2の角度β)の確認作業が必要となる。
しかしこの場合であっても、第1対物レンズL1の取り付け角度および両対物レンズの物理的な位置は固定されているため、いずれか一方の対物レンズについて、第2の角度βで傾斜しているかを確認するのみでよく、オートコリメータによる3度の確認作業が必要であった従来と比較して、作業工程を大幅に簡素化できる。
レンズホルダー20は、前述したように支持ワイヤー51によって光ピックアップ装置の本体に対して光ディスクの信号面方向への変位動作及び光ディスクの径方向への変位を可能に支持されているが、斯かる動作を行うためのフォーカスコイル及びトラッキングコイルは該レンズホルダー20上に設けられている。斯かる構成は、周知でありその説明は省略する。
以下、本実施形態の光ピックアップ装置の製造方法として、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2をレンズホルダー20に搭載する方法の一例について説明する。レンズホルダー20は、例えば図4に示す第1の実施形態のレンズホルダー20である。
第1工程:まず、第1の樹脂金型成形ロットから抽出した一つの第1対物レンズL1と、第2の樹脂金型成形ロットから抽出した一つの第2対物レンズL2を準備する。
既述の如く、本実施形態の第1対物レンズL1および第2対物レンズL2は、樹脂製のレンズである。樹脂製のレンズは、一般的には、成形金型の空洞部分へゲートから溶融した樹脂を注入し、樹脂が固化した後ゲート部分から切断し、成形される。このため、樹脂金型成形ロットが同じ対物レンズでは、対物レンズの基準点(例えばゲート位置)に対するコマ収差の発生方向や、コマ収差量が略近似する。
つまり、樹脂金型成形ロットごとに、コマ収差の発生方向を確認するため、第1の樹脂金型成形ロットから一つの第1対物レンズL1を抽出し、第2の樹脂金型成形ロットから一つの第2対物レンズL2を抽出する。
第2工程:第1の樹脂金型成形ロットから抽出した1つの第1対物レンズについて第1のコマ収差の発生方向を確認する。コマ収差の発生方向は、例えばメーカー添付の出荷検査表によって樹脂金型成型ロットごとに確認する。例えば第1対物レンズL1のコマ収差(第1コマ収差)の発生方向が、300度であるとする。
第3工程:同様に、第2の樹脂金型成形ロットから抽出した1つの第2対物レンズについて第2のコマ収差の発生方向を確認する。例えば、第2対物レンズL2のコマ収差(第2コマ収差)の発生方向が100度であるとする。
第4工程:第1対物レンズL1について、第1のコマ収差の発生方向に基づき、第1の回転搭載方向を決定する。
第1の回転搭載方向は、予めコマ収差の発生方向に対応付けられた複数の回転搭載方向から決定する。第1の回転搭載方向は、第1の座面21上の基準線Eを含み、第1の座面21の中心を通る線分で例えば12等分割された方向であり、図6の如く、コマ収差の発生方向に対応付けられる。
すなわち、図6に示す対応表のコマ収差発生方向より、コマ収差の発生方向が300度の第1対物レンズL1は、回転搭載方向(第1の回転搭載方向)が5時方向と決定される。
第5工程:同様に、第2対物レンズL2について、第2のコマ収差の発生方向に基づき、第2の回転搭載方向を決定する。第2の回転搭載方向は、第2の座面22上の基準線Eを含み、第2の座面22の中心を通る線分で例えば12等分割された方向であり、図6の如く、コマ収差の発生方向に対応付けられる。
すなわち、図6に示す対応表のコマ収差発生方向より、コマ収差の発生方向が100度の第2対物レンズL2は、回転搭載方向(第2の回転搭載方向)が12時方向と決定される。
第6工程:第1対物レンズL1を、レンズホルダー20の第1の座面21に搭載する。このとき、第1対物レンズL1の基準点が第1の回転搭載方向に位置するように必要に応じて第1対物レンズL1を回転させる。具体的には例えば、CCD(Charge Coupled Devices)カメラで、レンズホルダー20に搭載した第1対物レンズL1を撮影し、モニター上の識別マークによって12の回転搭載方向を認識してゲートを回転させる。あるいは、レンズホルダー20に12の回転搭載方向に対応して溝などの認識マークを設けこれをガイドとしてゲートを回転させる。
一例として、図5の平面図においてゲートGの位置が5時方向になるように第1対物レンズL1を回転し、第1座面21に接着材で固定する。第1対物レンズL1の中心C1は径方向に沿ったレンズホルダー20の基準線Eの上に配置される。
第7工程:同様に、第2対物レンズL2を、レンズホルダー20の第2の座面22に搭載する。このとき、第2対物レンズL2の基準点が第2の回転搭載方向に位置するように必要に応じて第2対物レンズL2を回転させる。具体的には例えば、CCDカメラで、レンズホルダー20に搭載した第2対物レンズL2を撮影し、モニター上の識別マークによって12の回転搭載方向を認識してゲートを回転させる。あるいは、レンズホルダー20に12の回転搭載方向に対応して設けられた認識マークをガイドとしてゲートを回転させる。
一例として、図5の平面図においてゲートGの位置が12時方向になるように第2対物レンズL2を回転し、第2座面22に接着材で固定する。第2対物レンズL2の中心C2は径方向に沿ったレンズホルダー20の基準線Eの上に配置される。
これにより、第1対物レンズL1の第1コマ収差の発生方向および第2対物レンズL2の第2コマ収差の発生方向がいずれも、図5の平面図において3時方向、つまり光ディスクの径方向に揃うこととなる。
また、本実施形態では、図4の如く、第1の座面21が第1の角度αで傾斜し、第2の座面22が第2の角度βで傾斜している。従って、第6工程で第1の座面に第1の対物レンズL1を搭載するだけで、第1の対物レンズL1を第1レーザー光の光軸LZ1に垂直な面に対して第1の角度αで傾斜させることができる。また、第7工程で第2の座面22に第2対物レンズL2を搭載するだけで、第2の対物レンズL2を第2レーザー光の光軸LZ2に垂直な面に対して第2の角度βで傾斜させることができる。
第1の樹脂金型成形ロットから1つの第1対物レンズL1を抽出して第1の回転搭載方向(例えば5時方向)を決定した後は、同じ第1の樹脂金型成形ロットから抽出した他の第1対物レンズL1については、第1のコマ収差の発生方向を確認することなく、第1の回転搭載方向(5時方向)にゲートが位置するように第1の座面21に搭載、固定される。
同様に、第2の樹脂金型成形ロットから1つの第2対物レンズL2を抽出して第2の回転搭載方向(例えば5時方向)を決定した後は、同じ第2の樹脂金型成形ロットから抽出した他の第2対物レンズL2については、第2のコマ収差の発生方向を確認することなく、第2の回転搭載方向(12時方向)にゲートが位置するように第2の座面22に搭載、固定される。
第1の樹脂金型成形ロットおよび第2の樹脂金型成形ロットが変わった場合は、それぞれから抽出した最初の1つの第1対物レンズL1および第2対物レンズL2について、第2工程、第3工程のコマ収差の発生方向を確認し、第4工程、第5工程の如く第1の回転搭載方向および第2の回転搭載方向を決定する。以降、同じ樹脂成形ロットであれば、コマ収差の発生方向を確認することなく、決定した第1の回転搭載方向及び第2の回転搭載方向で両対物レンズを回転配置する。
これにより、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2をレンズホルダー20に搭載する際の、コマ収差の方向の確認及び調整作業が不要となり、組み立てばらつきや組み立て工数を大幅に削減することができる。
また、第1対物レンズL1および第2対物レンズL2のそれぞれの角度調整、および両対物レンズの相対傾きずれをオートコリメータで確認し、調整する作業も不要となる。
尚、図9に示す第3の実施形態のレンズホルダー20に第1対物レンズL1と第2対物レンズL2を搭載する場合も、同様である。
但し、第3の実施形態の場合は、上記の方法で第1対物レンズL1および第2対物レンズL2を搭載した後、レンズホルダー20またはアクチュエータ30を傾斜させることによって、第2の座面22を第2レーザー光の光軸LZ2に垂直な方向から第2の角度βで傾斜させる(図9(B))。傾斜方向は例えば、基準線Eの延在方向である。
また、本実施形態では、第1の座面21の中心C1、第2の座面22の中心C2を通る直線が光ディスクDの径方向(ラジアル方向)に一致するようにレンズホルダー20の基準線Eを設ける場合を例に説明したが、基準線Eは接線方向(タンデンシャル方向TAN方向)に設けてもよい。
図10を参照して、第4の実施形態について説明する。第1の座面21の第1の基準線E1および第2の座面22の第2の基準線E2は、光ディスクの接線方向(6時−12時方向)に延在する。第1の座面21、第2の座面22の傾斜方向は、第1基準線E1、第2基準線E2の断面においていずれかが低くいずれかが高くなるように第1の角度α及び第2の角度βで傾斜する方向であり、例えば6時方向が低く、12時方向が高い傾斜である。
第1対物レンズL1、第2対物レンズL2は、傾斜方向(第1基準線E1、第2基準線E2の延在方向)にコマ収差の方向が揃うように、ゲートを回転させ、それぞれ第1の座面21、第2の座面22に固定される。
更に第1基準線E1、第2基準線E2の延在方向(第1の座面21、第2の座面の傾斜方向)は、光ディスクの径方向から30度または45度の方向など、任意の方向に定めることができる。
また、本実施形態では、それぞれの中心を通る直線が光ディスクの径方向に一致するように第1対物レンズL1と第2対物レンズL2とをレンズホルダー20上に配置固定したが、これに限るものではない。
図11を参照して、第5の実施形態について説明する。例えば、第1対物レンズL1と第2対物レンズL2のそれぞれの中心を通る直線が光ディスクの接線方向に沿うように配置されてもよい。この場合は、第1の座面21の第1基準線E1と第2の座面22の第2基準線E2は、平行で、例えば光ディスクの径方向に沿って(一致して又は平行に)延在することになる。
そして、第1の座面21の傾斜方向は、第1基準線E1の断面において傾斜する方向(例えば光ディスクの中心C0側が最も高く、外側が最も低い)とし、第2の座面22の傾斜方向は、第2基準線E2の断面において傾斜する方向(例えば光ディスクの中心C0側が最も高く、外側が最も低い)とする。コマ収差の発生方向は、それぞれ、第1基準線E1および第2基準線E2(例えばいずれも3時方向、すなわち光ディスクの径方向に沿う方向)に揃うようにゲートを回転させる。ここでは、第1対物レンズL1の第1基準線E1が径方向と一致する(光ディスクの中心Cから径方向に延びる直線上にある)場合を示したが、第2対物レンズL2の第2基準線E2が径方向と一致してもよく、いずれも一致せず径方向に沿って平行に配置されてもよい。
第1基準線E1と第2基準線E2の方向を径方向に沿う方向にすることにより、コマ収差の発生方向を径方向に沿った方向に揃えることができる。
本実施形態では、個々の第1対物レンズL1、第2対物レンズL2の取り付け時に、全ての第1対物レンズL1、第2対物レンズL2のコマ収差方向が全体として同じ方向に揃うように、簡便な方法で両対物レンズL1、L2の回転方向を決める。すなわち、両対物レンズL1、L2の回転方向を例えば12分割に大別し、同じ樹脂成形金型ロットの対物レンズは12方向のうちから一の方向を選択することでコマ収差方向が同じ方向になるように回転して固定方向に搭載する。
また、少なくとも一方の対物レンズがレンズホルダー20の主面(表面または底面)に対して所定の傾きで取り付けられる構造を持つレンズホルダー20を用いることで、当該対物レンズは取付部(座面)によって所定の傾きに搭載するものである。
したがって、本実施例では、第2光学系の構成として2つの異なる波長のレーザー光を放射する2波長レーザーダイオードを使用したが、1波長のレーザー光を放射するレーザーダイオードを使用することも出来る。
更に、本実施形態ではBD規格用の第1対物レンズL1について説明したが、HD−DVD規格用の対物レンズであっても同様に実施できる。
また、本実施形態では、BD/DVD/CD対応の2つの対物レンズを用いる光ピックアップ装置を例に説明したが、2つ以上の対物レンズを用いる他の規格に対応した光ピックアップ装置でも同様に実施できる。
例えば、3つの対物レンズを用いる場合には、第3対物レンズ用の座面を、第1対物レンズL1、第2対物レンズL2と同様に所望の角度で傾斜させ、かつ、複数の回転搭載方向を設けて、第3対物レンズを回転搭載することにより、上記と同様の効果が得られる。
1 レーザーダイオード
3 偏光ビームスプリッタ
4 第1コリメートレンズ
5 第1立ち上げミラー
8 第1センサーレンズ
9 第1光検出器
10 2波長レーザーダイオード
12 ビームスプリッタ
14 第2コリメートレンズ
16 第2立ち上げミラー
19 第2光検出器
20 レンズホルダー
21 第1の座面
22 第2の座面
50 光ピックアップ装置
51 外形
52 支持ワイヤー
L1 第1対物レンズ
L2 第2対物レンズ

Claims (19)

  1. 第1波長の第1レーザー光が入射されるとともに該第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向に変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、
    前記第1レーザー光と波長が異なる第2波長の第2レーザー光が入射されるとともに該第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置であり、
    前記レンズホルダーに、少なくとも一方が該レンズホルダーの主面に対して傾斜した第1の座面および第2の座面が設けられ、
    前記第1の対物レンズは第1のコマ収差を有し、前記第1の座面に固定されて前記第1レーザー光の光軸に対して第1の角度で傾斜され、
    前記第2の対物レンズは第2のコマ収差を有し、前記第1のコマ収差の方向と前記第2のコマ収差の方向が揃うように前記第2の座面に固定されて前記第2レーザー光の光軸に対して第2の角度で傾斜されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記レンズホルダーは、前記第1の座面上および前記第2の座面上にそれぞれ該両座面の中心を通る線分で等分割された複数の回転搭載方向が設定され、
    前記第1対物レンズは該第1対物レンズの基準点が前記第1のコマ収差の発生方向に対応する第1の回転搭載方向に位置するように前記第1の座面に固定され、
    前記第2対物レンズは該第2対物レンズの基準点が前記第2のコマ収差の発生方向に対応する第2の回転搭載方向に位置するように前記第2の座面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記回転搭載方向は少なくとも4の方向であることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記第1のコマ収差の発生方向および前記第2のコマ収差の発生方向は、それぞれ前記第1対物レンズ及び前記第2対物レンズの前記基準点からの角度で認識されることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記第1のコマ収差の発生方向と前記第2のコマ収差の発生方向は、前記光ディスクの径方向に揃うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記第1座面が傾斜されることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第1座面は前記レンズホルダーの前記主面と水平に設けられ、該レンズホルダーが傾斜されることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記第2座面が傾斜されることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第2座面は前記レンズホルダーの底面と水平に設けられ、該レンズホルダーが傾斜されることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記第1対物レンズおよび前記第2対物レンズはいずれも樹脂製レンズであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  11. 第1波長の第1レーザー光が入射されるとともに該第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向に変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、
    前記第1レーザー光と波長が異なる第2波長の第2レーザー光が入射されるとともに該第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置であり、
    前記レンズホルダーは、前記第1対物レンズが搭載される第1の座面と、前記第2対物レンズが搭載される第2の座面を有し、
    前記第1の座面および前記第2の座面は、それぞれの中心を通る線分で等分割された複数の回転搭載方向がそれぞれに設定され、
    前記第1対物レンズは該第1対物レンズの基準点が該第1対物レンズの第1のコマ収差の発生方向に対応する一の前記回転搭載方向に位置するように前記第1の座面に固定され、前記第1コマ収差の発生方向に傾斜され、
    前記第2対物レンズは該第2対物レンズの基準点が該第2対物レンズの第2のコマ収差の発生方向に対応する一の前記回転搭載方向に位置するように前記第2の座面に固定され、前記第2コマ収差の発生方向に傾斜されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 前記レンズホルダーは前記回転搭載方向に対応した識別マークを有することを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記第1の座面は前記レンズホルダーの主面に対して水平に設けられることを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記第2の座面は前記レンズホルダーの主面に対して水平に設けられることを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップ装置。
  15. 第1波長の第1レーザー光が入射されるとともに該第1レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向に変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されている第1対物レンズと、前記第1レーザー光と波長が異なる第2波長の第2レーザー光が入射されるとともに該第2レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集束させ、且つ前記レンズホルダー上に固定されている第2対物レンズとが組み込まれた光ピックアップ装置の製造方法であって、
    第1の樹脂金型成型ロットから抽出した一の前記第1対物レンズと、第2の樹脂金型成型ロットから抽出した一の前記第2対物レンズを準備する工程と、
    前記第1対物レンズについて第1のコマ収差の発生方向を確認する工程と、
    前記第2対物レンズについて第2のコマ収差の発生方向を確認する工程と、
    予めコマ収差の発生方向に対応付けられた複数の回転搭載方向から前記第1のコマ収差の発生方向に対応する第1の回転搭載方向を決定する工程と、
    前記複数の回転搭載方向から前記第2のコマ収差の発生方向に対応する第2の回転搭載方向を決定する工程と、
    前記第1対物レンズを該第1対物レンズの基準点が前記第1の回転搭載方向に位置するように前記第1の座面に搭載する工程と、
    前記第2対物レンズを該第2対物レンズの基準点が前記第2の回転搭載方向に位置するように前記第2の座面に搭載する工程と、
    を具備することを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
  16. 前記第1対物レンズを、前記第1レーザー光の光軸に対して第1の角度で傾斜させ、前記第2の対物レンズを前記第2レーザー光の光軸に対して第2の角度で傾斜させることを特徴とする請求項15に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
  17. 前記第1の樹脂金型成形ロットから抽出した他の前記第1対物レンズは、前記第1のコマ収差の発生方向を個別に測定することなく前記第1の回転搭載方向が決定され、
    前記第2の樹脂金型成形ロットから抽出した他の前記第2対物レンズは、前記第2のコマ収差の発生方向を個別に測定することなく前記第2の回転搭載方向が決定されることを特徴とする請求項16に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
  18. 前記基準点は、樹脂金型に樹脂を注入するためのゲートの位置であることを特徴とする請求項17に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
  19. 前記第1のコマ収差の発生方向および前記第2のコマ収差の発生方向が前記径方向に揃うことを特徴とする請求項15に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
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