JP2010250925A - 光ピックアップ装置及び対物レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】吸湿に起因して発生する球面収差を補正する手段を設けることによって安価な合成樹脂材料を成形して製造される対物レンズを使用することが出来る光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】レーザー光を放射するレーザーダイオード1から光ディスクDにレーザー光を集光させるべく設けられている対物レンズ9まで導かれるレーザー光の光路内に設けられているコリメートレンズ6を光軸方向へ移動させることによって前記対物レンズの吸湿特性に起因して発生する球面収差を補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスクに記録されている信号の読み出し動作や光ディスクに信号の記録動作をレーザー光によって行う光ピックアップ装置と、光ピックアップ装置に用いられる対物レンズに関する。
光ピックアップ装置から照射されるレーザー光を光ディスクの信号記録層に照射することによって信号の再生動作や信号の記録動作を行うことが出来る光ディスク装置が普及している。
光ディスク装置としては、CDやDVDと呼ばれる光ディスクを使用するものが一般に普及しているが、最近では記録密度を向上させた光ディスク、即ちBlu−ray規格の光ディスクを使用するものが開発されている。
CD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うレーザー光としては、波長が780nmである赤外光が使用され、DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作行うレーザー光としては、波長が650nmの赤色光が使用されている。
斯かるCD規格及びDVD規格の光ディスクに対して、Blu−ray規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うレーザー光としては、波長が短いレーザー光、例えば波長が405nmの青紫色光が使用されている。
Blu−ray規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは、0.1mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は、0.85と設定されている。
Blu−ray規格の光ディスクに設けられている信号記録層に記録されている信号の再生動作や該信号記録層に信号を記録するためにレーザー光を集光させることによって生成されるレーザースポットの径を小さくする必要がある。所望のレーザースポット形状を得るために使用される対物レンズは、開口数が大きくなるだけでなく焦点距離が短くなるので、対物レンズの曲率半径が小さくなる。
光ピックアップ装置には、前述した各規格に対応した波長のレーザー光を放射するレーザーダイオードや該レーザーダイオードから放射されるレーザー光を各光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる対物レンズが組み込まれている。斯かる対物レンズの材料としては、一般的には硝子が使用されるが、安価にて製造するために最近では合成樹脂が使用されることが多い。
また、光ピックアップ装置から照射されるレーザー光のスポットを光ディスク上の信号記録層に合焦させる制御動作、即ちフォーカシング制御動作や信号トラックにレーザー光のスポットを追従させる制御動作、即ちトラッキング制御動作を行うことが出来るように構成されている。
そして、光ピックアップ装置では、光ディスクのレーザー光の入射面であるディスク面と信号記録層との間にある保護層の厚みに起因して球面収差が発生し、信号の再生動作や記録動作が正常に行えないという問題があり、斯かる問題を解決する方法としてレーザーダイオードと対物レンズとの間に設けられているコリメートレンズを光軸方向へ移動させて球面収差を補正する技術が開発されている。
特開2005−338684号公報 特開2004−14042号公報
対物レンズを合成樹脂にて製造することによって光ピックアップ装置の価格を下げることが出来るものの合成樹脂には使用するレーザー光の波長によって特性、特に透過特性が変化するという特徴がある。DVD規格に対応したレーザー光、即ち波長が650nmの赤色であるレーザー光を集光させるための対物レンズに使用される合成樹脂材料、例えば三井化学社製のアペル5014DPと呼ばれる合成樹脂材料を使用してBlu−ray規格に対応したレーザー光、即ち波長が405nmの青紫色のレーザー光を集光させるための対物レンズを製造した場合には、青紫色のレーザー光によって対物レンズの透過率が照射時間の経過に従って低下するという特性がある。
斯かる透過率の低下は、レーザー光の出力が大きくなるに従って大きくなるので、記録動作を行う光ピックアップ装置のようにレーザー光の高出力化が行われている光ピックアップ装置では大きな問題になっている。
対物レンズの透過率が低下すると光ディスクに設けられている信号記録層に集光されるレーザー光の強度が小さくなるので、光ディスクに記録されている信号の再生動作や信号の記録動作を正常に行うことが出来ないことになる。斯かる問題を解決するために対物レンズの材料として青紫色のレーザー光による影響が少ない合成樹脂材料、例えば日本ゼオン社製のゼオネックス340Rと呼ばれる樹脂材料を使用しているが、斯かる材料は高価であり、光ピックアップ装置の価格を下げることが出来ないという問題がある。
また、対物レンズの曲率半径を大きく(即ち曲率を緩く)しその肉厚を薄くするためには、同対物レンズを高屈折率の樹脂材料で構成する必要がある。しかし、樹脂材料はガラス材料と比べて吸湿性が高いため、このような樹脂材料で構成された対物レンズには、その高い吸湿性に起因して球面収差が発生するという問題がある。
本発明は、斯かる問題を解決することが出来る光ピックアップ装置及び対物レンズを提供しようとするものである。
本発明は、レーザー光を放射するレーザーダイオードからレーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる対物レンズまで導かれるレーザー光の光路内に設けられているコリメートレンズを光軸方向へ移動させることによって前記対物レンズの吸湿特性に起因して発生する球面収差を補正するようにしたことを特徴とするものである。
また、本発明は、レーザー光を放射するレーザーダイオードからレーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる対物レンズまで導かれるレーザー光の光路内に設けられている液晶収差補正素子を制御することによって前記対物レンズの吸湿特性に起因して発生する球面収差を補正するようにしたことを特徴とするものである。
そして、本発明は、対物レンズの材料として耐光特性に優れた合成樹脂材料であるポリメチルメタクリレートを使用したことを特徴とするものである。
また、本発明は、対物レンズの材料として耐光特性に優れた合成樹脂材料であるポリカーボネートを使用したことを特徴とするものである。
前記課題を解決するための発明は、レーザーダイオードからのレーザー光が光ディスクの保護層を通して信号記録層に集光するように、前記レーザーダイオードと前記光ディスクとの間の前記レーザー光の光路に配置される対物レンズであって、屈折率が1.59以上となる樹脂材料を用いて構成され、前記レーザーダイオードと前記対物レンズとの間の前記レーザー光の光路に介在する収差補正素子が動作することにより、前記樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正される。
本発明の光ピックアップ装置は、合成樹脂製の対物レンズの吸湿特性に起因して発生する球面収差を補正するようにしたので、合成樹脂材料として耐光特性に優れた安価な材料を使用することが出来る。従って、本発明は、光ピックアップ装置の価格を低下させる上で非常に大きな効果を奏するものである。また、本発明によれば、対物レンズの球面収差の発生を抑制しつつ、その曲率を緩くできるとともにその肉厚を薄くできる。
本発明に係る光ピックアップ装置の実施例1を示す概略図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2を示す概略図である。 (a)は、ポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズの断面図であり、(b)は、環状オレフィン樹脂を材料とする対物レンズの断面図である。 ポリカーボネート樹脂の屈折率の波長依存性を示すグラフである。 ポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズにより光ディスク上に形成されるレーザースポットの強度分布を示すグラフである。 ポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズの縦方向球面収差を示すグラフである。
レーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる対物レンズを成形するための合成樹脂材料として安価な材料を使用することによって光ピックアップ装置の価格を下げることが出来る。
図1において、1は例えば波長が405nmの青紫色光であるレーザー光を放射するレーザーダイオード、2は前記レーザーダイオード1から放射されるレーザー光が入射される回折格子であり、レーザー光を0次光であるメインビーム、+1次光及び−1次光である2つのサブビームに分離する回折格子部2aと入射されるレーザー光をS方向の直線偏光光に変換する1/2波長板2bとより構成されている。
3は前記回折格子2を透過したレーザー光が入射される位置に設けられている偏光ビームスプリッタであり、前記1/2波長板2bによってS偏光光にされたレーザー光の多くを反射し、P方向に偏光されたレーザー光の全てを透過させる制御膜3aが設けられている。4は前記レーザーダイオード1から放射されたレーザー光の中の前記偏光ビームスプリッタ3の制御膜3aを透過したレーザー光が照射される位置に設けられているモニター用光検出器であり、その検出出力は前記レーザーダイオード1から放射されるレーザー光の出力を制御するために使用される。
5は前記偏光ビームスプリッタ3の制御膜3aにて反射されたレーザー光が入射される位置に設けられている1/4波長板であり、入射されるレーザー光を直線偏光光から円偏光光に、また反対に円偏光光から直線偏光光に変換する作用を成すものである。6は前記1/4波長板5を透過したレーザー光が入射されるとともに入射されるレーザー光を平行光に変換するコリメートレンズであり、収差補正用モーター7によって光軸方向、即ち矢印A及びB方向へ変位せしめられるように構成されている。前記コリメートレンズ6の光軸方向への変位動作によって光ディスクDの保護層の厚さに基づいて生じる球面収差及び後述する対物レンズの吸湿特性に起因して生じる球面収差を補正するように構成されている。
8は前記コリメートレンズ6を透過したレーザー光が入射される位置に設けられている立ち上げミラーであり、入射されるレーザー光を対物レンズ9の方向に反射させるように構成されている。
斯かる構成において、レーザーダイオード1から放射されたレーザー光は、回折格子2、偏光ビームスプリッタ3、1/4波長板5、コリメートレンズ6、立ち上げミラー8を介して対物レンズ9に入射された後、該対物レンズ9の集光動作によって光ディスクDに設けられている信号記録層Lにスポットとして照射されるが、該信号記録層Lに照射されたレーザー光は信号記録層Lにて戻り光として反射されることになる。
光ディスクDの信号記録層Lから反射された戻り光は、対物レンズ9、立ち上げミラー8、コリメートレンズ6及び1/4波長板5を通して偏光ビームスプリッタ3の反射膜3aに入射される。このようにして偏光ビームスプリッタ3の反射膜3aに入射される戻り光は、前記1/4波長板5による位相変更動作によってP方向の直線偏光光に変更されている。従って、斯かる戻り光は前記反射膜3aにて反射されることはなく、制御用レーザー光Lcとして該反射膜3aを透過することになる。
10は前記偏光ビームスプリッタ3の反射膜3aを透過した制御用レーザー光Lcが入射されるセンサーレンズであり、PDICと呼ばれる光検出器11に設けられている受光部に制御用レーザー光Lcに非点収差を付加させて照射する作用を成すものである。前記光検出器11には、周知の4分割センサー等が設けられており、メインビームの照射動作によって光ディスクDの信号記録層に記録されている信号の読み取り動作に伴う信号生成動作及び非点収差法によるフォーカシング制御動作を行うためのフォーカスエラー信号生成動作、そして2つのサブビームの照射動作によってトラッキング制御動作を行うためのトラッキングエラー信号生成動作を行うように構成されている。斯かる各種の信号生成のための制御動作は、周知であるので、その説明は省略する。
前述したように本発明に係る光ピックアップ装置は構成されているが、斯かる構成において、前記対物レンズ9は、光ピックアップ装置の基台に4本または6本の支持ワイヤーによって光ディスクDの信号面に対して垂直方向、即ちフォーカシング方向への変位動作及び光ディスクDの径方向、即ちトラッキング方向への変位動作を可能に支持されているレンズ保持枠(図示せず)に固定されている。
12は前記対物レンズ9が固定されているレンズ保持枠に設けられているフォーカシングコイルであり、基台に固定されている磁石との協働によって対物レンズ9をフォーカシング方向へ変位させる作用を有している。13は前記対物レンズ9が固定されているレンズ保持枠に設けられているトラッキングコイルであり、基台に固定されている磁石との協働によって対物レンズ9をトラッキング方向へ変位させる作用を有している。
前述したフォーカシングコイル12及びトラッキングコイル13が組み込まれた光ピックアップ装置の構成及び各コイルへの駆動信号の供給動作によるフォーカシング制御動作及びトラッキング制御動作は周知であり、その説明は省略する。
14は前記光検出器11を構成するメインビームを受光するセンサーから光ディスクDの信号記録層Lに記録されている信号の読み取り動作に対応して得られる信号であるRF信号を生成するRF信号生成回路、15はメインビームを受光するセンサーからレーザー光の合焦動作に応じて得られる信号であるフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成回路、16はサブビームを受光するセンサーからレーザー光のトラッキング動作に応じて得られる信号であるトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路である。
17は前記モニター用光検出器4から得られる信号が入力されるレーザー出力検出回路であり、入力される信号のレベルに応じた信号をレーザー出力のモニター信号として出力するように構成されている。
18は前記RF信号生成回路14、フォーカスエラー信号生成回路15、トラッキングエラー信号生成回路16及びレーザー出力検出回路17等から得られる信号に基づいて光ピックアップ装置の各種の制御動作を行うピックアップ制御回路である。19は前記フォーカスエラー信号生成回路15から生成されて入力されるフォーカスエラー信号に基づいて前記ピックアップ制御回路18から出力されるフォーカス制御信号が入力されるフォーカシングコイル駆動回路であり、前記フォーカシングコイル12に駆動信号を供給するように構成されている。20は前記トラッキングエラー信号生成回路16から生成されて入力されるトラッキングエラー信号に基づいて前記ピックアップ制御回路18から出力されるトラッキング制御信号が入力されるトラッキングコイル駆動回路であり、前記トラッキングコイル13に駆動信号を供給するように構成されている。
21は前記レーザーダイオード1に駆動信号を供給するレーザーダイオード駆動回路であり、前記レーザー出力検出回路17から得られるモニター信号に基づいてピックアップ制御回路18から出力される制御信号によってレーザー出力を調整するように構成されている。22は前記収差補正用モーター7に駆動信号を供給することによって前記コリメートレンズ6を光軸方向へ移動させて球面収差を補正する収差補正用モーター駆動回路であり、前記ピックアップ制御回路18によって制御されるように構成されている。
23は前記RF信号生成回路14から得られるRF信号のレベルやジッタ値を検出することによって球面収差量を検出するために設けられている球面収差量検出回路であり、RF信号のレベルを検出することによって球面収差量を測定する方法としては、例えば前述した特許文献2に記載されたものがある。
尚、本実施例において、コリメートレンズ6を光軸方向へ移動させるために設けられている収差補正用モーター7としてステッピングモーターを使用すれば、駆動信号として供給されるパルスの数によって回転量を正確に設定することが出来るので、該コリメートレンズ6の移動位置を細かく制御することが出来るという利点がある。
以上に説明したように本発明に係る光ピックアップ装置は構成されているが、次に斯かる構成の光ピックアップ装置の動作について説明する。
光ディスクDに設けられている信号記録層Lに記録されている信号の再生動作を行うための操作を行うと、ピックアップ制御回路18から光ピックアップ装置を構成する各回路へ駆動制御信号が供給されることになる。レーザーダイオード駆動回路21からレーザーダイオード1に対して再生動作を正確に行うために前もって設定されているレーザー出力を得ることが出来る駆動信号が供給され、該レーザーダイオード1から青紫色のレーザー光が所望の出力で放射されることになる。
前記レーザーダイオード1から放射されたレーザー光は回折格子2に入射され、該回折格子2に組み込まれている回折格子部2aによってメインビームとサブビームに分離されるとともに1/2波長板2bによってS方向の直線偏光光に変換される。前記回折格子2を透過したレーザー光は偏光ビームスプリッタ3に入射され、該偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aによって多くのレーザー光が反射されるとともに一部のレーザー光が透過せしめられる。
前記制御膜3aを透過したレーザー光はモニター用光検出器4に照射されるので、その照射されるレーザー光のレベルに応じた信号がモニター信号としてレーザー出力検出回路17から出力されてピックアップ制御回路18に入力されることになる。斯かるモニター信号が入力されると、そのモニター信号のレベルに基づく制御信号がピックアップ制御回路18からレーザーダイオード駆動回路21に供給されることになる。従って、斯かるピックアップ制御回路18からレーザーダイオード駆動回路21に対して供給される駆動信号のレベルが所定の値になるように制御するように構成すれば、レーザーダイオード1から放射されるレーザー光の出力を所望のレベルになるように自動的に制御することが出来る。斯かる動作は、周知のようにレーザーの自動出力制御動作と呼ばれているものであり、その説明は省略する。
前記偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aにて反射されたレーザー光は1/4波長板5に入射されて直線偏光光から円偏光光に変換された後にコリメートレンズ6に入射される。前記コリメートレンズ6に入射されたレーザー光は平行光に変換されて立ち上げミラー8に入射される。
前記立ち上げミラー8に入射されたレーザー光は、該立ち上げミラー8によって反射されて対物レンズ9に入射される。前記対物レンズ9には前述した光学経路を通してレーザー光が入射されるので、該対物レンズ9による集光動作が行われることになる。
前記対物レンズ9による信号記録層Lに対するレーザー光の集光動作は、フォーカス制御動作によって行われるが、光検出器11に組み込まれている4分割センサーを利用した非点収差法によるフォーカス制御動作を行うために使用されるフォーカスエラー信号の生成動作は周知であるので、その説明は省略する。
前述したフォーカス制御動作を行うために行われる対物レンズ9の変位動作はフォーカシングコイル駆動回路19からフォーカシングコイル12に駆動信号を供給することによって行われるが、信号記録層Lへの集光動作が行われると、該信号記録層Lから反射されるレーザー光が戻り光として対物レンズ9に対して光ディスクD側の面から入射される。
前記対物レンズ9に入射された戻り光は、立ち上げミラー8、コリメートレンズ6及び1/4波長板5を介して偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aに入射される。前記制御膜3aに入射された戻り光は1/4波長板5によってP方向の直線偏光光に変換されているので、該制御膜3aにて反射されることはなく全てが制御用レーザー光Lcとして透過することになる。
前記制御膜3aを透過した戻り光である制御用レーザー光Lcは、センサーレンズ10に入射され、該センサーレンズ10によって非点収差を付加されて光検出器11に照射される。斯かる制御用レーザー光Lcが光検出器11に照射される結果、該光検出器11に組み込まれている4分割センサー等からメインビーム及びサブビームの照射スポットの位置及び形状変化に基づく検出信号を得ることが出来る。
斯かる状態にあるとき、光検出器11から得られる検出信号に基づいてフォーカスエラー信号生成回路15から生成されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号生成回路16から生成されるトラッキングエラー信号がピックアップ制御回路18に入力される。斯かるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号がピックアップ制御回路18に入力されると、各エラー信号に基づく制御信号がフォーカシングコイル駆動回路19及びトラッキングコイル駆動回路20に対して出力される。
その結果、フォーカシングコイル駆動回路19からフォーカシングコイル12に対して制御信号が供給されるので、該フォーカシングコイル12による対物レンズ9のフォーカシング方向への変位動作が行われレーザー光を信号記録層Lに集光させるフォーカス制御動作を行うことが出来る。また、トラッキングコイル駆動回路20からトラッキングコイル13に対して制御信号が供給されるので、該トラッキングコイル13による対物レンズ9のトラッキング方向への変位動作が行われレーザー光を信号記録層Lに設けられている信号トラックに追従させるトラッキング制御動作を行うことが出来る。
前述したように光ピックアップ装置におけるフォーカシング制御動作及びトラッキング制御動作が行われるので、光ディスクDの信号記録層Lに記録されている信号の読み出し動作を行うことが出来る。斯かる読み出し動作にて得られる再生信号は、RF信号生成回路14から生成されるRF信号を周知のように復調することによって情報データとして得ることが出来る。
前述したように信号記録層Lに記録されている信号の読み出し動作は行われるが、斯かる読み出し動作を行う状態にあるとき、収差補正手段として設けられているコリメートレンズ6は、収差補正用モーター駆動回路22から収差補正用モーター7に供給される駆動信号による回転動作によって信号記録層Lに対する球面収差が最も少なくなる動作位置に変位せしめられるように構成されている。
斯かる動作位置の設定動作は、球面収差量検出回路23によって行なわれるが、例えば再生信号に含まれるジッタ値が最適な値になる位置またはRF信号のレベルが最大になる位置になるように設定すれば良い。即ち、収差補正用モーター7の回転駆動動作によってコリメートレンズ6の位置を光軸方向である矢印AまたはB方向へ所定量だけ移動させる毎にジッタ値またはRF信号のレベルを測定し、ジッタ値が最小になる位置またはRF信号のレベルが最大になる位置をコリメートレンズの動作位置として設定すれば良い。
前述した設定動作を行うことによって対物レンズ9に入射されて光ディスクDの信号記録層Lに照射されるレーザー光のスポットに現れる球面収差を最も抑えることが出来る。即ち、前述したようにコリメートレンズ6を動作位置に変位させる制御動作を行うことによって光ディスクDに設けられている信号記録層Lに記録されている信号の再生動作を最適な形状のスポットにて行うことが出来る。
以上に説明したように本発明に係る光ピックアップ装置は構成されているが、次に本発明の要旨について説明する。
本発明に係る光ピックアップ装置に組み込まれる対物レンズ9は、前述したアペル5014DPやゼオネックス340R等の環状オレフィン樹脂ではなくポリメチルメタクリレートやポリカーボネートと呼ばれる安価な樹脂にて成形されている。
即ち、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート樹脂は、環状オレフィン樹脂と比較して安価であるだけでなく耐光性、即ちレーザー光の照射による透過率等の低下が少ないという優れた光学特性を有している。
しかしながら、斯かるポリメチルメタクリレートやポリカーボネート樹脂は吸湿特性が悪いという問題がある。即ち、斯かるポリメチルメタクリレートやポリカーボネート樹脂にて成形された対物レンズは、吸湿によって屈折率が変化するだけでなく寸法が変化するという特性がある。
吸湿によって屈折率の変化及び寸法の変化が対物レンズ9に生じると、これらの変化に伴って球面収差が発生することになる。本発明は、斯かる吸湿特性に起因して球面収差が発生した場合、その球面収差量を球面収差量検出回路23が検出し、その検出量に基づく収差補正制御信号がピックアップ制御回路18から収差補正用モーター駆動回路22に対して出力される。
斯かる収差補正制御信号が収差補正用モーター駆動回路22に入力されると、該収差補正用モーター駆動回路22から収差補正用モーター7に対して駆動信号が出力される。その結果、前記収差補正用モーター7が駆動信号に対応した回転数だけ回転し、コリメートレンズ6を矢印AまたはB方向へ変位させて動作位置に移動させる制御動作が行われる。斯かるコリメートレンズ6の動作位置への移動動作によって対物レンズ9の吸湿に起因して発生する球面収差を補正することが出来る。
前述した実施例1では、球面収差の補正動作をコリメートレンズ6の光軸方向への移動制御動作によって行うようにしたが、次に図2に示す実施例2について説明する。
同図において、図1に示した実施例1と同一の構成要素については、同一の番号を付すとともに同一の動作に関する説明は省略する。
24はコリメートレンズ6にて平行光に変換されたレーザー光が入射される液晶収差補正素子であり、少なくとも球面収差を補正するための液晶パターンが設けられている。斯かる液晶収差補正素子24は、屈折率を可変することによって球面収差を補正する作用を成すものであり、相対向して配置される2枚のガラス基板と、このガラス基板の相対向する面に電極パターンを有する電極を設け、この電極間に配向膜を介して挟まれて配向された液晶分子とから構成されている。
そして、前記電極に形成される電極パターンは、球面収差に応じた形状にされており、例えば球面収差の発生方向に対応して同心円状になるようにされている。また、斯かる球面収差を補正する電極を一方の電極に形成し、他方の電極にコマ収差を補正するための電極パターンを形成するように構成することも出来る。このようにすることによって、球面収差だけでなくコマ収差を同時に補正することが出来る。斯かる液晶収差補正素子24の構成は種々変更可能であるとともにその制御動作は周知であり、その説明は省略する。
25はピックアップ制御回路18から出力される制御信号に基づいて前記液晶収差補正素子24による収差補正動作を行うための駆動信号を出力する収差補正用液晶駆動回路である。斯かる液晶収差補正素子24による収差補正動作は、周知のように該液晶収差補正素子24に設けられている収差補正用パターンに対する制御動作によって行われる。そして、収差補正のための制御動作は、前記球面収差量検出回路23によって検出される球面収差量を小さくするように行われることになる。
このように液晶収差補正素子24によって球面収差の補正動作を行うことが出来るので、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート樹脂を成形することによって対物レンズ9を製造した場合に吸湿特性に起因して球面収差が発生しても何等問題なく信号の読み取り動作や信号の記録動作を行うことが出来る。
前述した実施例1及び実施例2における光ピックアップ装置が備える対物レンズ9は、屈折率が1.59以上となる樹脂材料を用いて構成される対物レンズである。
===ポリカーボネート樹脂===
<<<対物レンズの特性>>>
図3(a)を参照しつつ、対物レンズ91の構成例について説明する。尚、図3(a)は、ポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズ91の断面図である。一方、これと対比するべく、図3(b)は、オレフィン樹脂を材料とする対物レンズ900の断面図である。
対物レンズ91は、例えば帝人化成株式会社のパンライトSP(「パンライト」は登録商標)等のポリカーボネート樹脂を用いて構成されている。本実施の形態では、波長が405nmの青紫色光に対する対物レンズ91の屈折率n405は、1.622である(設計温度は35℃)。つまり、屈折率n405は1.59以上である。
ここで、一般に、透明樹脂材料の屈折率は光の波長に応じて異なる。本実施の形態の「屈折率が1.59以上のポリカーボネート樹脂材料」は、例えば400nm(青紫色)乃至800nm(近赤外)等の広範囲な波長で屈折率が1.59以上であるポリカーボネート樹脂材料のみならず、例えば略589nm(d線の光)又はこれより短い波長に限って屈折率が1.59以上となるポリカーボネート樹脂材料も含む。
例えばパンライト(登録商標)の場合、図4に例示される屈折率の波長依存性を示すグラフ(“研究開発 パンライトSP”、[online]、帝人化成株式会社、[平成21年10月30日検索]、インターネット<URL: http://www.teijin.co.jp/rd/rd13_10.html>)に基づいて説明する。図4の実線の曲線で例示されるパンライトSP−1516であれば、青紫色光の波長400nm乃至近赤外光の波長800nmの広範囲で屈折率は1.59以上である(周囲温度は25℃)。尚、図4によれば、波長が405nmの青紫色光に対する屈折率n405は略1.66であり、波長が589nmのd線の光に対する屈折率は略1.61である(以上、周囲温度は25℃)。
例えばパンライト(登録商標)以外のポリカーボネート樹脂の場合、図4の点線の曲線によれば、d線の光の波長589nmよりも短い波長の光に対する屈折率は1.59以上である(周囲温度は25℃)。尚、図4によれば、波長が405nmの青紫色光に対する屈折率n405は略1.61であり、波長が589nmのd線の光に対する屈折率は略1.59である(以上、周囲温度は25℃)。
尚、対物レンズ91の材料であるポリカーボネート樹脂は、光ディスクDの保護層PLの材料としても用いられている。光ディスクDの保護層PLと同じポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズ91の耐光性(即ちレーザー光の照射による透過率の低下を抑制する度合)は、少なくとも光ディスクDと同等であり、よって十分に高い。
表1は、対物レンズ91の設計値の一例を示している。設計値のうち、特に、中心肉厚d1は1.5mmであり(図3(a)参照)、光ディスクDの信号記録層Lとの間の焦点距離fは1.4mmである。つまり、焦点距離に対する中心肉厚の比d1/fは1.071であり、この値は1.1未満である。表2は、対物レンズ91の形状に係る設計値の一例を示している。つまり、これらの設計値は、対物レンズ91の形状を表わす曲率半径及び非球面係数である。これらの曲率半径及び非球面係数は、対物レンズ91における、コリメートレンズ6(図1参照)又は液晶収差補正素子24(図2参照)の側と、光ディスクDの側とについてそれぞれ設定されている。
Figure 2010250925
Figure 2010250925
図3(a)に例示される対物レンズ91の形状は、表2に例示される設計値が反映されている。また、表1及び表2に例示される設計値を用いて光学計算した結果に基づいて、同図では、対物レンズ91に対する、光ディスクDの側の光路lfと、コリメートレンズ6(図1参照)又は液晶収差補正素子24(図2参照)の側の平行な光路lpとが点線で例示されている。尚、表1には例示していないが、光学計算では、光ディスクDの保護層PLの厚さは0.0875mmとし、球面収差補正方式は非球面とした。
一方、対物レンズ91との比較のために、図3(b)では、例えば日本ゼオン株式会社のゼオネックス340R(「ZEONEX」は登録商標)等のオレフィン樹脂を用いて構成されている対物レンズ900が例示されている。ポリカーボネート樹脂の対物レンズ91の屈折率(例えばnd、n405)は、オレフィン樹脂の対物レンズ900の屈折率(例えばnd、n405)よりも高いため、対物レンズ91の曲率半径r(図3(a))は、対物レンズ900の曲率半径r’(図3(b))よりも大きく(即ち曲率が緩く)、このため、対物レンズ91の中心肉厚d1(図3(a))は、対物レンズ900の中心肉厚d1’(図3(b))よりも薄くできる。
表1及び表2に例示される設計値を用いて光学計算した結果に基づく本実施の形態の対物レンズ91の特性を図5及び図6に示す。尚、図5は、ポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズ91により光ディスクD上に形成されるレーザースポットの強度分布を示すグラフであり、図6は、ポリカーボネート樹脂を材料とする対物レンズ91の縦方向球面収差を示すグラフである。
図5に例示されるように、本実施の形態の対物レンズ91により光ディスクDの盤面に形成されるスポットの強度分布の半値全幅(FWHM)は略0.3μm(即ち略0.0003mm)であり、この値は良好な特性を示している。また、図6に例示されるように、本実施の形態の対物レンズ91の縦方向球面収差も良好な特性を示している。
以上の特性を有するポリカーボネート樹脂の対物レンズ91によれば、例えばBlue−ray規格に対応する光ディスクDの保護層PLと同じポリカーボネート樹脂を材料としているため、青紫色のレーザー光への耐光性(即ちレーザー光の照射による透過率等の低下を抑制する度合)が高い。また、高屈折率の材料を用いていることにより、図3(a)に例示されるように、対物レンズ91における高NA部(開口数の高い部分)の曲率半径を大きく(即ち曲率を緩く)できるため、同対物レンズ91の生産性が向上する。これにより、対物レンズ91がその分だけ安価になる。更に、高屈折率の材料を用いていることにより、図3(a)に例示されるように、対物レンズ91の肉厚を薄くできるため、同対物レンズ91のチルト動作時の非点収差の発生が抑制される。
<<<球面収差の補正>>>
一方、ポリカーボネートといった樹脂材料はガラス材料と比べて吸湿性が高いため、対物レンズ91には、その高い吸湿性に起因して球面収差が発生する。
そこで、本実施の形態では、光ピックアップ装置におけるレーザーダイオード1と光ディスクDとの間のレーザー光の光路に介在する収差補正素子を動作させることにより、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正されるようになっている。
<コリメートレンズ>
収差補正素子は、例えば、前述した実施例1におけるコリメートレンズ6であり、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差に応じて球面収差を補正するようにレーザー光の光軸方向に移動するべく制御される。
具体的には、図1の対物レンズ9が対物レンズ91であるとして、球面収差が発生した場合、その球面収差量が球面収差量検出回路23により検出され、その検出量に基づく収差補正制御信号がピックアップ制御回路18から収差補正用モーター駆動回路22に出力される。収差補正制御信号が収差補正用モーター駆動回路22に入力されると、同収差補正用モーター駆動回路22から収差補正用モーター7に駆動信号が出力される。収差補正用モーター7が駆動信号に応じた回転数だけ回転することによって、コリメートレンズ6は図1の矢印A又はB方向(光軸方向)に回転数に応じた変位量だけ変位する。これにより、対物レンズ91の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正される。
<液晶収差補正素子>
或いは、収差補正素子は、例えば、前述した実施例2における液晶収差補正素子24であり、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差に応じて球面収差を補正するように制御される。
具体的には、図2の対物レンズ9が対物レンズ91であるとして、球面収差が発生した場合、その球面収差量が球面収差量検出回路23により検出され、その検出量に基づく収差補正制御信号がピックアップ制御回路18から収差補正用液晶駆動回路25に出力される。収差補正制御信号が収差補正用液晶駆動回路25に入力されると、同収差補正用液晶駆動回路25から液晶収差補正素子24の電極に収差補正制御信号に基づく電圧が印加されることによって、対物レンズ91の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正される。また、液晶収差補正素子24の場合、球面収差のみならず、コマ収差の補正もできる。
以上から、本実施の形態の対物レンズ91によれば、球面収差の発生を抑制しつつ、青紫色のレーザー光への耐光性を向上させるとともに、高NA部(開口数の高い部分)の曲率半径を大きく(即ち曲率を緩く)、また肉厚を薄くできる。
<<<超解像技術>>>
前述した青紫色光に対する対物レンズ91の開口数は0.85であったが(表1参照)、これに限定されるものではなく、例えば0.4乃至0.77の開口数の対物レンズを適用してもよい。開口数が0.4乃至0.77の対物レンズの場合、開口数が0.85の対物レンズ91の場合と比較して、集光されるレーザー光の光量は減少するが、そのスポット径は同程度となる。
===ポリエステル樹脂===
前述した屈折率が1.59以上となるその他の樹脂材料として、例えば大阪ガスケミカル株式会社のOKP4やOKP4HT等(「OKP」は登録商標)のポリエステル樹脂が挙げられる。
波長が589nmのd線の光に対し、OKP4の屈折率ndは1.61であり、OKP4HTの屈折率ndは1.63である(以上、周囲温度は20℃)。ここで、前述したように、一般に、透明樹脂材料の屈折率は光の波長に応じて異なる。より具体的には、透明樹脂材料の屈折率は光の波長が短くなるほど高くなる。よって、少なくとも589nm又はこれより短い波長の光に対しOKP4及びOKP4HTの屈折率は1.6以上である。尚、実際、波長が405nmの光に対し、OKP4の屈折率n405は1.64であり、OKP4HTの屈折率n405は1.66である。
このようなポリエステル樹脂の対物レンズによれば、例えばBlue−ray規格に対応する青紫色のレーザー光への耐光性(即ちレーザー光の照射による透過率等の低下を抑制する度合)が向上する。また、このような高屈折率の材料を用いていることにより、対物レンズにおける高NA部(開口数の高い部分)の曲率半径を大きく(即ち曲率を緩く)できるため、同対物レンズの生産性が向上する。これにより、対物レンズがその分だけ安価になる。更に、このような高屈折率の材料を用いていることにより、対物レンズを薄くできるため、同対物レンズのチルト動作時の非点収差の発生が抑制される。
但し、ポリエステル樹脂材料もガラス材料と比べて吸湿性が高いため、対物レンズには、その高い吸湿性に起因して球面収差が発生する。前述したポリカーボネート樹脂の対物レンズ91の場合と同様に、光ピックアップ装置におけるレーザーダイオード1と光ディスクDとの間のレーザー光の光路に介在する収差補正素子(例えば実施例1のコリメータレンズ6や実施例2の液晶収差補正素子24等)を動作させることにより、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正されるようになっている。
===屈折率が1.59以上の樹脂===
前述した対物レンズは、主として青紫色光が適用されるとともに、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂を材料として構成されていた。
但し、これに限定されるものではなく、対物レンズは、少なくとも、レーザーダイオードからのレーザー光が光ディスクDの保護層PLを通して信号記録層Lに集光するように、レーザーダイオードと光ディスクDとの間のレーザー光の光路に配置され、屈折率が1.59以上となる樹脂材料を用いて構成され、レーザーダイオードと対物レンズとの間のレーザー光の光路に介在する収差補正素子が動作することにより、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正されるものであればよい。この対物レンズによれば、球面収差の発生を抑制しつつ、その曲率を緩くできるとともにその肉厚を薄くできる
前述した対物レンズにおいて、収差補正素子は、コリメートレンズ6であり、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差に応じて、球面収差を補正するようにレーザー光の光軸方向に移動することとしてもよい。この対物レンズによれば、球面収差の発生を効果的に抑制できる。
前述した対物レンズにおいて、収差補正素子は、液晶収差補正素子24であり、樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差に応じて、球面収差を補正するように制御されることとしてもよい。この対物レンズによれば、球面収差の発生を効果的に抑制できるとともに、コマ収差も抑制できる。
前述した対物レンズにおいて、レーザーダイオードは、青紫色のレーザー光を発光する前述したレーザーダイオード1であることとしてもよい。材料の屈折率は、通常、光の波長が短くなるほど高くなるため、この対物レンズによれば、対物レンズの屈折率がより高くなる。これにともない、対物レンズの曲率を緩くできるとともにその肉厚を薄くできる。
前述した対物レンズにおいて、光ディスクDの信号記録層Lとの間の焦点距離に対する中心肉厚は、1.1未満であることが好ましい。この対物レンズによれば、その肉厚をより薄くできる。
尚、前述した高屈折率の樹脂材料として、チオオウレタン系樹脂やエビスルフィド系樹脂等を用いてもよい。チオオウレタン系樹脂として、例えば三井化学株式会社のMR−6(商標)、MR−7(商標)、MR−8(商標)等が挙げられ、エビスルフィド系樹脂として、例えば三井化学株式会社のMR−174(商標)が挙げられる。これらの樹脂材料では、波長が546nmのe線の光に対する屈折率neは、1.6乃至1.74である。ここで、前述したように、一般に、透明樹脂材料の屈折率は光の波長が短くなるほど高くなるため、これらの樹脂の屈折率n405は1.6以上である。
前述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また本発明はその等価物も含むものである。
本発明は、青紫色のレーザー光のように合成樹脂製の対物レンズの光学特性に影響を与えるレーザー光を使用する光ピックアップ装置に使用することが出来る。
1 レーザーダイオード 3 偏光ビームスプリッタ
6 コリメートレンズ 7 収差補正用モーター
9 対物レンズ 91 対物レンズ
11 光検出器 14 RF信号生成回路
15 フォーカスエラー信号生成回路 16 トラッキングエラー信号生成回路
18 ピックアップ制御回路 19 フォーカシングコイル駆動回路
20 トラッキングコイル駆動回路 22 収差補正用モーター駆動回路
23 球面収差量検出回路 24 液晶収差補正素子
25 収差補正用液晶駆動回路 900 対物レンズ
D 光ディスク

Claims (13)

  1. レーザーダイオードから放射されたレーザー光を合成樹脂製の対物レンズによってディスク面と信号記録層との間に設けられている保護層を通して該信号記録層に集光させて信号の再生動作を行うように構成された光ピックアップ装置であり、前記レーザーダイオードから前記対物レンズまで導かれるレーザー光の光路内に設けられているコリメートレンズを光軸方向へ移動させることによって前記対物レンズの吸湿特性に起因して発生する球面収差を補正するようにしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. レーザーダイオードから放射されたレーザー光を合成樹脂製対物レンズによってディスク面と信号記録層との間に設けられている保護層を通して該信号記録層に集光させて信号の再生動作を行うように構成された光ピックアップ装置であり、前記レーザーダイオードから前記対物レンズまで導かれるレーザー光の光路内に設けられている液晶収差補正素子を制御することによって前記対物レンズの吸湿特性に起因して発生する球面収差を補正するようにしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 対物レンズの材料としてポリメチルメタクリレートを使用したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 対物レンズの材料としてポリカーボネートを使用したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  5. レーザーダイオードとして青紫色の波長のレーザー光を生成するレーザーダイオードを使用したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  6. レーザーダイオードからのレーザー光が光ディスクの保護層を通して信号記録層に集光するように、前記レーザーダイオードと前記光ディスクとの間の前記レーザー光の光路に配置される対物レンズであって、
    屈折率が1.59以上となる樹脂材料を用いて構成され、
    前記レーザーダイオードと前記対物レンズとの間の前記レーザー光の光路に介在する収差補正素子が動作することにより、前記樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差が補正される
    ことを特徴とする対物レンズ。
  7. 前記収差補正素子は、コリメートレンズであり、前記樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差に応じて、前記球面収差を補正するように前記レーザー光の光軸方向に移動する
    ことを特徴とする請求項6に記載の対物レンズ。
  8. 前記収差補正素子は、液晶収差補正素子であり、前記樹脂材料の吸湿特性に起因して発生する球面収差に応じて、前記球面収差を補正するように制御される
    ことを特徴とする請求項6に記載の対物レンズ。
  9. 前記樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂である
    ことを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の対物レンズ。
  10. 前記樹脂材料は、ポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の対物レンズ。
  11. 前記レーザーダイオードは、青紫色のレーザー光を発光する
    ことを特徴とする請求項6乃至10の何れかに記載の対物レンズ。
  12. 前記光ディスクの信号記録層との間の焦点距離に対する中心肉厚は、1.1未満である
    ことを特徴とする請求項6乃至11の何れかに記載の対物レンズ。
  13. 開口数が0.4乃至0.77である
    ことを特徴とする請求項6乃至12の何れかに記載の対物レンズ。
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