JP2004014042A - 光ディスク装置および光ディスク装置における収差補償方法 - Google Patents

光ディスク装置および光ディスク装置における収差補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスクに発生する球面収差を正確かつ安価に補償する。
【解決手段】光ディスク装置は、入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する半導体レーザ102と、半導体レーザ102から出射されたレーザ光を光ディスク112に集光する対物レンズ110と、対物レンズ110により集光された光が光ディスク112から反射した光を半導体レーザ102に戻す光路と、半導体レーザ102から出射されたレーザ光を受光するレーザ光出力検出用受光素子120と、光ディスク112に集光するレーザ光の球面収差量を変化させるコリメートレンズ104と、球面収差量の変化に対応させて半導体レーザ102の出力値をレーザ光出力検出用受光素子120を用いて検出して、最大の出力値に対応する球面収差量を発生させるようにコリメートレンズ104の位置を制御して球面収差を補償する制御回路312とを含む、
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクを再生および記録する光ディスク装置に関し、特に光ディスク装置において発生する収差を補償する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクに記憶されるデータの高密度化および大容量化に伴い、光ディスク上に集光する光スポットを小さくする必要がある。このために、半導体レーザの短波長化および対物レンズの高NA(開口数)化がより一層求められている。従来のCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)程度の記録密度の光ディスクにおいては、光ディスク表面の保護層となる透明基板の厚み誤差で生じる球面収差は無視できる程小さいため、従来の対物レンズのNAで光ディスクの再生記録層に十分小さく集光できていた。DVDではこの対物レンズのNAが約0.60であったのに対して、近年では、対物レンズのNAが約0.85も必要な高密度光ディスクが開発されている。このように対物レンズの高NA化が進むと、光ディスク表面の透明基板の厚み誤差により生じる球面収差を無視することができなくなる。
【0003】
現在、この透明基板の厚みのばらつきにより発生する球面収差を補償する技術が提案されている。特開平10−106012号公報は、温度変化によるレンズ球面収差を補正する光ディスク装置を開示する。この公報に開示された光ディスク装置は、レーザ光源と、レーザ光源よりの出射光を対物レンズに導くカップリングレンズと、光ディスクの透明基板を通して光ディスクの情報記録面上に光スポットとして集光させる対物レンズと、情報記録面からの反射光を受光して信号を出力する光検出器と、レーザ光源およびカップリングレンズのうちの少なくとも一方を光軸方向に駆動する駆動回路と、光検出器の出力信号から光ディスクの種類を判定して、判定結果に応じて予め設定された位置まで駆動回路を駆動させて、駆動後の光検出器の出力信号に基づいて対物レンズの球面収差を補正するように駆動回路を駆動する制御回路とを含む。制御回路は、光検出器の出力信号から得られるHF信号レベル、HF信号ジッタ、エラーレートのうち、HF信号レベルが最大となるように、またはHF信号ジッタもしくはエラーレートが最小となるように、レーザ光源およびカップリングレンズのうちの少なくとも一方を光軸方向に駆動する回路を含む。
【0004】
この公報に開示された光ディスク装置によると、光検出器の出力信号をモニタして得られた、HF信号レベル、HF信号ジッタ、エラーレートに基づいて、レーザ光源およびカップリングレンズのうちの少なくとも一方を光軸方向に駆動して、温度変化によって発生するレンズ球面収差が補正することができる。
【0005】
また、特開2000−182254公報は、記録/未記録ディスクに関わらず、その透過基板の厚さ誤差による球面収差を補正するピックアップ装置を開示する。この公報に開示されたピックアップ装置は、記録面上を透過基板で覆われた光ディスクに対して情報の書込みおよび読取りを行なう。このピックアップ装置は、光ビームを第1の所定開口数の対物レンズを介して記録面に照射し、記録面からの反射光を対物レンズを介して得る反射光抽出回路と、反射光抽出回路から得られた反射光のうち、第1の所定開口数より小なる第2の所定開口数以下の部分のみを介して照射された第1照射光による第1反射光を検出し、記録面における第1照射光の焦点ずれを示す第1エラー信号を生成する第1焦点誤差検出回路と、反射光抽出回路から得られた反射光のうち、第2の所定開口数より大なる所定開口数以下の部分を介して照射された第2照射光による第2反射光を検出し、記録面における第2照射光の焦点ずれを示す第2エラー信号を生成する第2焦点誤差検出回路と、第1エラー信号および第2エラー信号の少なくとも一方を用いて球面収差に対応する信号を算出する算出回路とを含む。
【0006】
この公報に開示されたピックアップ装置によると、光路中に球面収差を検出するホログラム素子を設けて、光ディスクの記録面からの反射光のうち、対物レンズ上で第1の所定開口数より小なる第2の所定開口数以下の部分を透過した第1反射光を検出して第1エラー信号を生成する。また、反射光のうち、対物レンズ上で第2の所定開口数より大なる所定開口数以下の部分を透過した第2反射光を検出して第2エラー信号を生成する。このため、第1エラー信号および第2エラー信号の少なくとも一方を用いて透過基板の厚さの誤差により生じる球面収差を示す信号を算出できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平10−106012号公報に開示された光ディスク装置では、記録済み光ディスクを再生することで、初めて球面収差を行うことができるが、データが記録されていない光ディスクではHF信号が再生されないため、球面収差補償を行うことはできない。さらに、記録済み光ディスクでも、光ディスクの傾きや、光ディスク表面上のゴミ、汚れ、および傷によりHF信号が劣化して、正常なジッター、エラーレートを得ることはできない場合があり、球面収差補償を正確に行うことができない場合がある。
【0008】
また、上述した特開2000−182254公報に開示されたピックアップ装置では、球面収差を検出するホログラム素子や受光素子を別途設ける必要があり、部品点数が多くなり、設備価格が高騰する。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、光ディスクの保護層となる透明基板の厚みのばらつきにより生じる球面収差を補償して光ディスクの再生および記録動作を良好に行なうことができる安価な光ディスク装置および光ディスク装置における収差補償方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る光ディスク装置は、入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する半導体レーザと、半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、光ディスクを回転するための回転手段と、対物レンズにより集光された光が光ディスクから反射した光を、半導体レーザに戻す光路を形成するための光学手段と、半導体レーザから出射されたレーザ光を受光するための受光手段と、光ディスクに対して、レーザ光に残存するデフォーカス成分を補正するための補正手段と、光ディスクに集光するレーザ光の球面収差量を変化させるための球面収差変化手段と、球面収差量の変化に対応させて、光ディスクからの反射光が半導体レーザに入射することで変動する半導体レーザの複数の出力値を、受光手段を用いて検出して、検出された出力値と球面収差量との関係に基づいて、最大の出力値に対応する球面収差量を発生させるように球面収差変化手段を制御することにより、球面収差を補償するための制御手段とを含む。
【0011】
第1の発明によると、半導体レーザは、入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する。最も多く光ディスクからの反射光が半導体レーザに入射されたとき、半導体レーザから出力されるレーザ光は最大の出力になる。光ディスクからの反射光が最も多く半導体レーザに入射される条件は、たとえば光ディスクと集光レンズとの焦点距離が合っている時であって、光ディスクに集光されるレーザ光の球面収差がないときである。すなわち、球面収差があると、半導体レーザに入射する戻り光にも球面収差が残存し、半導体レーザの内部に入射する光量が減少する。このため、半導体レーザから出射されるレーザ光の出力は、球面収差のない時の方が球面収差がある時よりも大きい。このとき、予め、光ディスクに集光されるレーザ光に残存するデフォーカス成分が補正され、デフォーカスによる光ディスクから半導体レーザに入射される戻り光量の減少の影響が排除されている。そのため、球面収差変化手段により球面収差量を種々変化させて、レーザ光の出力値を検知する。デフォーカス成分が残存しないで、レーザ光の出力値が最大になるときは、球面収差が最小となり、且つ焦点距離が合っている状態である。このため、レーザ光の出力値が最大になるように球面収差変化手段を制御することにより球面収差を補償することができる。これにより、この光ディスク装置によると、HF信号のジッターおよびエラーレートを用いる従来の球面収差補償方法に比べて、光ディスクの傾きや、光ディスク表面のゴミ、傷および汚れがあっても、レーザ光の出力値が最大になる球面収差変化手段の設定は影響を受けないため正確に球面収差を補償できる。さらに出力値を検出するための回折格子や受光素子を別途追加する必要もないため、コストメリットも大きい。その結果、光ディスクの保護層となる透明基板の厚みのばらつきにより生じる球面収差を補償して光ディスクの再生および記録動作を良好に行なうことができる安価な光ディスク装置を提供できる。
【0012】
第2の発明に係る光ディスク装置は、第1の発明の構成に加えて、半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズをさらに含む。球面収差変化手段は、コリメートレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるための手段を含む。
【0013】
第2の発明によると、コリメートレンズの位置を移動させて球面収差を除去する場合に、コリメートレンズの位置とレーザ光の出力値とを対応させて検出して、出力値が最大になるコリメートレンズの位置を特定することで、球面収差の補償を行なうことができる。
【0014】
第3の発明に係る光ディスク装置は、第1の発明の構成に加えて、半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズと、コリメートレンズと対物レンズとの間に設けられた、球面収差を発生させる2以上のレンズから構成されるレンズ群とをさらに含む。球面収差変化手段は、レンズ群を構成する少なくとも1のレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるための手段を含む。
【0015】
第3の発明によると、レンズ群のうち少なくとも1のレンズの位置を移動させて球面収差を除去する場合に、移動するレンズの位置とレーザ光の出力値とを対応させて検出して、出力値が最大になるレンズの位置を特定することで球面収差の補償を行なうことができる。
【0016】
第4の発明に係る光ディスク装置は、第1〜第3のいずれかの発明の構成に加えて、予め定められた直流バイアス電流を印加することにより、半導体レーザを駆動するための駆動手段をさらに含む。
【0017】
第4の発明によると、半導体レーザに直流バイアス電流を印加させて半導体レーザを駆動させることにより半導体レーザから出射されるレーザ光を用いて、球面収差の補償を行なうことができる。
【0018】
第5の発明に係る光ディスク装置は、第1〜第3のいずれかの発明の構成に加えて、予め定められた直流バイアス電流に、予め定められた振幅および周期を有する高周波電流を加えた電流を印加することにより、半導体レーザを駆動するための駆動手段をさらに含む。
【0019】
第5の発明によると、半導体レーザに直流バイアス電流に高周波電流を加えた電流を印加させて半導体レーザを駆動させることにより半導体レーザから出射されるレーザ光を用いて、球面収差の補償を行なうことができる。このとき、高周波電流を重畳して印加することにより、半導体レーザのレーザノイズの影響を減少させることができ、より正確に球面収差を補償することができる。
【0020】
第6の発明に係る光ディスク装置は、第4または第5の発明の構成に加えて、駆動手段に接続され、直流バイアス電流が予め定められた電流値を維持するように、駆動手段を制御するための電流制御手段をさらに含む。
【0021】
第6の発明によると、直流バイアス電流が予め定められた電流値を維持するため、半導体レーザの発光による発熱および駆動手段による発熱に基づく半導体レーザに印加される駆動電流の変動がなくなり、より安定した球面収差の補償を行なうことができる。
【0022】
第7の発明に係る光ディスク装置は、第1〜第3のいずれかの発明の構成に加えて、光ディスクにデータを記録および再生するために、予め定められた条件を満足する電流を半導体レーザに印加することにより、半導体レーザを駆動するための第1の駆動手段と、第1の駆動手段とは異なる条件を満足する電流を半導体レーザに印加することにより、半導体レーザを駆動するための第2の駆動手段とをさらに含む。
【0023】
第7の発明によると、第1の駆動手段は、たとえばデータの再生時および記録時に、半導体レーザに高周波重畳電流を印加し、第2の駆動手段は、球面収差補償時に、半導体レーザに直流バイアス電流のみを印加する。これにより、データの再生時および記録時には、高周波重畳電流の影響によりレーザノイズが低減させることができるとともに、球面収差補償時には戻り光による影響が大きく検知できるためレーザ光の出力値の取得が容易となり、データの記録時および再生時にはレーザノイズを低減しつつ、球面収差補償時にはより容易に球面収差の補償を行なうことができる。
【0024】
第8の発明に係る光ディスク装置は、第1の発明の構成に加えて、受光手段は、半導体レーザから出射された光であって、光ディスクのエンボスピットが存在しない領域およびデータの未記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させて光ディスクから反射した光を、受光するための手段を含む。
【0025】
第8の発明によると、光ディスクのエンボスピットが存在しない領域およびデータの未記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させるため、光ディスクからは直流成分のみを含む光が反射される。このため、半導体レーザに入射する戻り光による影響も直流成分のみとなる。その結果、検出するレーザ光の出力値も直流成分のみとすることができる。
【0026】
第9の発明に係る光ディスク装置は、第8の発明の構成に加えて、受光手段は、回転手段による光ディスクの回転を停止させた状態で、光ディスクから反射した光を、受光するための手段を含む。
【0027】
第9の発明によると、光ディスクを回転させることなく、光ディスクの表面の一点のみにレーザ光を集光させる。これにより、光ディスクの表面上の反射率のムラ、表面のゴミ、汚れおよび傷等による反射光量の変動に起因する測定誤差を削除できるので、容易かつ正確に球面収差の補償を行なうことができる。
【0028】
第10の発明に係る光ディスク装置は、第1の発明の構成に加えて、受光手段は、半導体レーザから出射された光であって、光ディスクのエンボスピットが存在する領域およびデータの記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させて光ディスクから反射した光を、ピット信号として受光するための手段を含む。
【0029】
第10の発明によると、光ディスクのエンボスピットが存在する領域およびデータの記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させるため、光ディスクからは直流成分と交流成分とを含む光が反射される。このため、半導体レーザに入射する戻り光による影響も直流成分と交流成分とが含まれる。従って検出するレーザ光の出力値にも直流成分と交流成分とが含まれる。ピットによる反射光の変動量をレーザ光出力検出用受光素子により検出し、レーザ受光素子の応答速度に応じて、ピット信号の振幅の平均値や最大値を検出して、球面収差の補償を行なうことができる。
【0030】
第11の発明に係る光ディスク装置は、第8または第10の発明の構成に加えて、受光手段は、回転手段により光ディスクを回転させた状態で、光ディスクから反射した光を、受光するための手段を含む。
【0031】
第11の発明によると、光ディスクが回転することにより生じるレーザ光の出力値のばらつきを平均化して、より正確に球面収差の補償を行なうことができる。
【0032】
第12の発明に係る収差補償方法は、入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する半導体レーザと、半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、光ディスクを回転するための回転手段と、対物レンズにより集光された光が光ディスクから反射した光を、半導体レーザに戻す光路を形成するための光学手段とを含む光ディスク装置における収差補償方法である。この収差補償方法は、半導体レーザから出射されたレーザ光を受光する受光ステップと、光ディスクに対して、レーザ光に残存するデフォーカス成分を補正する補正ステップと、光ディスクに集光するレーザ光の球面収差量を変化させる球面収差変化ステップと、球面収差量の変化に対応させて、光ディスクからの反射光が半導体レーザに入射することで変動する半導体レーザの複数の出力値を、受光ステップにて検出して、検出された出力値と球面収差量との関係に基づいて、最大の出力値に対応する球面収差量を発生させるように球面収差変化ステップを制御することにより、球面収差を補償する制御ステップとを含む。
【0033】
第12の発明によると、半導体レーザは、入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する。最も多く光ディスクからの反射光が半導体レーザに入射されたとき、半導体レーザから出力されるレーザ光は最大の出力になる。光ディスクからの反射光が最も多く半導体レーザに入射される条件は、たとえば光ディスクと集光レンズとの焦点距離が合っている時であって、光ディスクに集光されるレーザ光の球面収差がないときである。すなわち、球面収差があると、半導体レーザに入射する戻り光にも球面収差が残存し、半導体レーザの内部に入射する光量が減少する。このため、半導体レーザから出射されるレーザ光の出力は、球面収差のない時の方が球面収差がある時よりも大きい。このとき、予め、光ディスクに集光されるレーザ光に残存するデフォーカス成分が補正され、デフォーカスによる光ディスクから半導体レーザに入射される戻り光量の減少の影響が排除されている。そのため、球面収差変化ステップにて球面収差量を種々変化させて、レーザ光の出力値を検知する。デフォーカス成分が残存しないで、レーザ光の出力値が最大になるときは、球面収差がなく、焦点距離が合っている状態である。このため、レーザ光の出力値が最大になるように球面収差変化ステップを制御することにより球面収差を補償することができる。これにより、この光ディスク装置を用いた収差補償方法によると、HF信号のジッターおよびエラーレートを用いる従来の球面収差補償方法に比べて、光ディスクの傾きや、光ディスク表面のゴミ、傷および汚れがあっても、レーザ光の出力値が最大になる球面収差変化ステップにおける設定は影響を受けないため正確に球面収差を補償できる。さらに出力値を検出するための回折格子や受光素子を別途追加する必要もないため、コストメリットも大きい。その結果、光ディスクの保護層となる透明基板の厚みのばらつきにより生じる球面収差を補償して光ディスクの再生および記録動作を良好に行なうことができる安価な収差補償方法を提供できる。
【0034】
第13の発明に係る収差補償方法は、第12の発明の構成に加えて、球面収差変化ステップは、コリメートレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるステップを含む。
【0035】
第13の発明によると、光ディスク装置は、半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズをさらに含む。コリメートレンズの位置を移動させて球面収差を除去する場合に、コリメートレンズの位置とレーザ光の出力値とを対応させて検出して、出力値が最大になるコリメートレンズの位置を特定することで、球面収差の補償を行なうことができる。
【0036】
第14の発明に係る収差補償方法は、第12の発明の構成に加えて、球面収差変化ステップは、レンズ群を構成する少なくとも1のレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるステップを含む。
【0037】
第14の発明によると、光ディスク装置は、半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズと、コリメートレンズと対物レンズとの間に設けられた、球面収差を発生させる2以上のレンズから構成されるレンズ群とをさらに含む。レンズ群のうち少なくとも1のレンズの位置を移動させて球面収差を除去する場合に、移動するレンズの位置とレーザ光の出力値とを対応させて検出して、出力値が最大になるレンズの位置を特定することで球面収差の補償を行なうことができる。
【0038】
第15の発明に係る収差補償方法は、第12〜第14のいずれかの発明の構成に加えて、予め定められた直流バイアス電流を印加することにより、半導体レーザを駆動する駆動ステップをさらに含む。
【0039】
第15の発明によると、半導体レーザに直流バイアス電流を印加させて半導体レーザを駆動させることにより半導体レーザから出射されるレーザ光を用いて、球面収差の補償を行なうことができる。
【0040】
第16の発明に係る収差補償方法は、第12〜第14のいずれかの発明の構成に加えて、予め定められた直流バイアス電流に、予め定められた振幅および周期を有する高周波電流を加えた電流を印加することにより、半導体レーザを駆動する駆動ステップをさらに含む。
【0041】
第16の発明によると、半導体レーザに直流バイアス電流に高周波電流を加えた電流を印加させて半導体レーザを駆動させることにより半導体レーザから出射されるレーザ光を用いて、球面収差の補償を行なうことができる。このとき、高周波電流を重畳して印加することにより、半導体レーザのレーザノイズの影響を減少させることができ、より正確に球面収差を補償することができる。
【0042】
第17の発明に係る収差補償方法は、第15または第16の発明の構成に加えて、直流バイアス電流が予め定められた電流値を維持するように、駆動ステップを制御する電流制御ステップをさらに含む。
【0043】
第17の発明によると、直流バイアス電流が予め定められた電流値を維持するため、半導体レーザの発光による発熱および駆動手段による発熱に基づく半導体レーザに印加される駆動電流の変動がなくなり、より安定した球面収差の補償を行なうことができる。
【0044】
第18の発明に係る収差補償方法は、第12の発明の構成に加えて、受光ステップは、半導体レーザから出射された光であって、光ディスクのエンボスピットが存在しない領域およびデータの未記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させて光ディスクから反射した光を、受光するステップを含む。
【0045】
第18の発明によると、光ディスクのエンボスピットが存在しない領域およびデータの未記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させるため、光ディスクからは直流成分のみを含む光が反射される。このため、半導体レーザに入射する戻り光による影響も直流成分のみとなる。その結果、検出するレーザ光の出力値も直流成分のみとすることができる。
【0046】
第19の発明に係る収差補償方法は、第18の発明の構成に加えて、受光ステップは、回転手段による光ディスクの回転を停止させた状態で、光ディスクから反射した光を、受光するステップを含む。
【0047】
第19の発明によると、光ディスクを回転させることなく、光ディスクの表面の一点のみにレーザ光を集光させる。これにより、光ディスクの表面上の反射率のムラ、表面のゴミ、汚れおよび傷等による反射光量の変動に起因する測定誤差を削除できるので、容易かつ正確に球面収差の補償を行なうことができる。
【0048】
第20の発明に係る収差補償方法は、第12の発明の構成に加えて、受光ステップは、半導体レーザから出射された光であって、光ディスクのエンボスピットが存在する領域およびデータの記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させて光ディスクから反射した光を、ピット信号として受光するステップを含む。
【0049】
第20の発明によると、光ディスクのエンボスピットが存在する領域およびデータの記憶領域のいずれかにレーザ光を集光させるため、光ディスクからは直流成分と交流成分とを含む光が反射される。このため、半導体レーザに入射する戻り光による影響も直流成分と交流成分とが含まれる。従って検出するレーザ光の出力値にも直流成分と交流成分とが含まれる。ピットによる反射光の変動量をレーザ光出力検出用受光素子により検出し、レーザ受光素子の応答速度に応じて、ピット信号の振幅の平均値や最大値を検出して、球面収差の補償を行なうことができる。
【0050】
第21の発明に係る収差補償方法は、第18または第20の発明の構成に加えて、受光ステップは、回転手段により光ディスクを回転させた状態で、光ディスクから反射した光を、受光するステップを含む。
【0051】
第21の発明によると、光ディスクが回転することにより生じるレーザ光の出力値のばらつきを平均化して、より正確に球面収差の補償を行なうことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0053】
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る光ディスク装置について説明する。この光ディスク装置は、半導体レーザを含む。この半導体レーザの特性について説明する。
【0054】
半導体レーザは、光ディスクに向けて出射する主出射面と、それに相対する裏面とに反射膜が形成された共振器の構造を有する。このため、内部で発生した光は、主出射面と裏面とにより反射を繰り返して増幅し、ある閾値にて発振したレーザ光を出射する。その際に、主出射面の反射率を裏面の反射よりも低くすることで、裏面側からの出射光量に比べて主出射面側からの出射光量が多くすることができる。
【0055】
さらに、半導体レーザから出射される光出力は、閾値以上の範囲で動作電流に比例して大きくなり、光ディスクの再生および記録が可能となる光出力を得ることができる。逆に、主出射面の反射膜の反射率が低いことにより光ディスクからの戻り光の影響も受けやすい。このため、光ディスクにより反射された戻り光の一部が主出射面に入射した場合、主出射面の反射膜により一部は反射され、一部は透過されて半導体レーザ内部に光が侵入し、半導体レーザ内部の光が主出射面と裏面とによる反射が再び繰り返されて増幅し、その結果主出射面から出射されるレーザ光も増幅される。この戻り光による半導体レーザの光出力の変動現象は、半導体レーザの構造、共振器長、端面反射率、発振スペクトル、光学系の光路長、および温度等の様々な条件によって変わってくる。発生した半導体レーザの戻り光に対する光出力の変動はレーザノイズとなる。
【0056】
現在、このレーザノイズの対策として、シングルモードスペクトルの半導体レーザでは、高周波重畳電流を印加して、発振スペクトルをマルチモード化することでレーザノイズを低減させる方法が一般的に採用されている。但し、上記方法でも戻り光による半導体レーザの光出力の変動を完全に押さえることは難しい。
【0057】
ここで仮に、半導体レーザに入射する戻り光量を一定とすると、戻り光の有無による半導体レーザの動作電流Iop−光出力P特性は図1(A)に示すようになる。戻り光があるときの動作電流Iop−光出力P特性は、戻り光のないときに比べて、発振開始電流Ithが小さくなり、かつ発振後のP/(Iop−Ith)の傾き(微分効率)ηも小さくなる。つまり、それぞれの直線が交わらない動作電流の領域において、その動作電流を一定(I)にすれば戻り光の有無で光出力PがPとPに変わる。これは、上述した説明の通り、半導体レーザに入射する戻り光量に依存するもので、半導体レーザに入射する戻り光量が変動すると、動作電流Iop−光出力P特性も変動する。図1(A)の戻り光有りの動作電流Iop−光出力P特性は、戻り光量が多くなるほど、発振開始電流Ithと微分効率ηが小さくなり、逆に戻り光量が少なくなるほど、発振開始電流Ithと微分効率ηが大きくなる。
【0058】
但し、動作電流を一定(I)としたとき、図1(B)に示すように、戻り光がない場合の光出力は光出力Pとなり、一定の直流成分の戻り光量がある場合の光出力Pは光出力Pとなり、発振開始電流Ith及び微分効率ηは、それぞれ戻り光量が多くなるほど光出力Pに対する光出力Pが大きくなるような値となる。一定の直流成分の戻り光量を最大値とし、一定の周期と振幅をもつ交流成分の戻り光がある場合の光出力Pは、光出力Pから戻り光と同じ周期で一定の振幅ΔPだけ低くなるような交流成分を含む光出力となる。
【0059】
次に、集光レンズによる戻り光量の影響について説明する。一定の直線成分のみの戻り光が有る場合を想定すると、半導体レーザより出射されたレーザ光が集光レンズにて光ディスクに集光され、集光レンズと光ディスク間の距離を変動できる光学系を用いると、光ディスクから反射される光が最大となる条件は、集光レンズと光ディスクとの間の距離で、光ディスク反射面にレーザ光の焦点が結ばれる時である。ただし、その焦点は、デフォーカスおよび収差がない状態とする。その戻り光が最大となる点から集光レンズと光ディスク間距離がずれることで、光ディスクからの反射光は徐々に減少する。
【0060】
この現象を利用して、半導体レーザの動作電流を一定とし、光ディスクの距離を変化させたときの半導体レーザから出射される光出力は、図2のようになり、集光レンズと光ディスク間距離が集光レンズの焦点距離fにて光出力が最大になる。
【0061】
さらに、光ディスクに集光するレーザ光に収差が発生すると、光ディスクからの反射光にも収差成分が残り、半導体レーザに入射する戻り光にも収差成分が残る。半導体レーザに入射する光の収差成分が大きくなる程、半導体レーザの内部に侵入する光量が少なくなり、その結果主出射面から出射される光出力も変動することになる。これを利用して、半導体レーザの動作電流を一定とし、収差発生手段により与えられた収差を変化させたときの半導体レーザから出射される光出力は図3のようになり、収差量が最小つまり「0」となる収差発生手段「L」の設定にて光出力が最大となる。
【0062】
半導体レーザの動作電流を直流バイアス電流のみとした場合はもちろん、高周波重畳電流でも、条件によっては戻り光に対してレーザノイズの影響が減少した場合でも、現象としては、戻り光のないものに近くになり、同じような特性になる。ただし、半導体レーザの動作電流を、直流バイアス電流のみとした場合でも、高周波重畳電流とした場合でも、光の有無に関わらず光出力も動作電流も変動しない点が一点(Ia、Pa)だけ存在する。この一点(Ia、Pa)から離れるほど、戻り光の有無による光出力の変動量が大きくなる。
【0063】
本実施の形態における光ディスク装置は、このような半導体レーザの特性を利用したものである。半導体レーザの動作電流を一定とし、光ディスクに対して集光レンズによりレーザ光を合焦した後、収差を変動させる手段を用いて光ディスクに集光するレーザ光に収差を発生させる。その収差量を可変させることで、半導体レーザに入射するレーザ光の収差量を変動させ、その結果半導体レーザから出射される光出力が変動する。その光出力の変動量を、収差の変動量もしくは収差に対応する収差変動手段の設定値の変動量に対応してモニターし、光出力の変動量が最大となるように、収差の変動量もしくは収差に対応する収差変動手段を設定することで、光ディスクに集光するレーザ光の収差を最小にすることができる。
【0064】
図4に、本実施の形態に係る光ディスク装置内に搭載された光ピックアップ装置100の構成図を示す。この光ディスク装置は、コリメートレンズ104を光軸に平行な方向に移動させて、光ディスク112に集光されたレーザ光に発生する球面収差を補償する。
【0065】
図4に示した光ピックアップ装置100は、半導体レーザ102と、半導体レーザ102から出射されたレーザ光を平行な光にするためのコリメートレンズ104と、平行な光を光ディスク112に集光する対物レンズ110と、平行な光をP偏光とS偏光に分離する偏光ビームスプリッター106(以下、「PBS」と略す。)と、半導体レーザ102より出射された光をPBS106より分離された直線偏光を円偏光にする1/4波長板108と、往路においてPBS106より分離された偏光光を電気信号に変換するレーザ光出力検出用受光素子120と、光ディスク112の再生記録面112Aにより反射された光信号を検出する信号検出用受光素子118と、信号検出用受光素子118に光を集光させるための集光レンズ114と、集光レンズ114により集光される光に非点収差を発生させるシリンドリカルレンズ116とを含む。
【0066】
信号検出用受光素子118の形状は、サーボ信号の検出方法により様々な提案ができるが、ここでは説明を簡略化するために、たとえば1ビーム方式を使用できる4分割形状を採用すると想定する。この4分割受光素子の出力信号の演算で、非点収差法によりフォーカスエラー信号を、プッシュプル法によりトラッキングエラー信号を、総和でトータル信号を検出できる。
【0067】
従来は、PBS106により分離された直線偏光の偏光方向に対して、1/4波長板108の結晶軸を45°傾けることで円偏光にして、光ディスク112からの反射光を半導体レーザ102に戻さない構造であった。
【0068】
しかし、本実施の形態に係る光ディスク装置においては、光ディスク112からの反射光の一部を半導体レーザ102に入射させる必要がある。このため、PBS106より分離された直線偏光の偏光方向に対して、1/4波長板108の結晶軸の回転を45°からずらす。これにより、両偏光成分が等しくない大きさの偏光光を通すことで、光ディスク112からの反射光をPBS106で分離した復路光に偏光成分を残し、半導体レーザ102に光ディスク112からの反射光を入射させることができる。もしくは、1/4波長板108の結晶軸方向を1/4波長板108に入射する直線偏光の偏光方向に対して45°のままにして、PBS106の偏光の透過率および反射率の設定を、それぞれ100%から低く設定する。これにより、光ディスク112からの反射光をPBS106で分離した復路光に偏光成分を残し、半導体レーザ102に光ディスク112からの反射光を入射させることができる。本実施の形態に係る光ディスク装置は、このような光学系により、半導体レーザ102の戻り光による光出力の変動の現象を発生させ、球面収差を補償する。
【0069】
半導体レーザ102より出射された往路光のうち、PBS106により反射された直線偏光光をレーザ光出力検出用受光素子120にて受光し、光ディスク112からの反射光の一部を半導体レーザ102に入射させることで、半導体レーザ102の光出力の変動を確認することができる。
【0070】
図5に、本実施の形態に係る光ディスク装置のブロック図を示す。このブロック図は、図4の光ピックアップ装置100と、光ピックアップ装置100に搭載され、対物レンズ110の位置をフォーカス方向およびトラッキング方向に動かす対物レンズ駆動アクチュエータ200と、対物レンズ駆動アクチュエータ200に電流を印加するアクチュエータ駆動回路302と、半導体レーザ102を駆動させるレーザ駆動回路300と、レーザ受光素子120から得られた光出力信号を増幅させる光出力信号処理回路314と、信号検出用受光素子118から得られた信号を増幅および演算してフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号のサーボ信号を生成するサーボ信号生成回路304と、サーボ信号生成回路304で生成されたフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路306Bと、トラッキングエラー信号に基づいてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路306Aと、フォーカスエラー信号に直流成分のフォーカスバイアスを印加し対物レンズ110の位置を光軸と平行な方向に移動させるフォーカスバイアス回路308と、コリメートレンズ104の位置を光軸に平行な方向に移動させるコリメートレンズ駆動アクチュエータ202と、コリメートレンズ駆動アクチュエータ202を電気信号にて駆動させるコリメートレンズ駆動回路316と、コリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号と光出力信号処理回路314から出力される光出力信号とをサンプル情報として対応させて記憶するメモリ回路310と、サンプル情報によりコリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号を制御する制御回路312と、デフォーカス検出回路(図示しない)とを含む。
【0071】
制御回路312は、取得したサンプルについての情報に基づいて、この光ディスク装置の全体を制御するとともに、光軸に平行な方向におけるコリメートレンズ104の位置を制御する。
【0072】
以下の説明においては、レーザ駆動回路300は、半導体レーザの発光による発熱による駆動電流の変化がなく、常に一定の直流バイアス電流を半導体レーザ102に印加するACC(Auto Current Control)回路について述べるが、本発明はこれに限定されない。発熱による影響が少ない領域であればACC方式にする必要はなく、例えば熱が伝わらない程極めて短時間で所定電流を印加する方式等でもよい。また、記録対応の光ディスク装置で一般的に使用されている所定の直流バイアス電流に所定の振幅と周期の交流成分をもつ高周波電流を印加した高周波重畳電流を半導体レーザ102に印加しても構わない。ただし、再生および記録時と球面収差補償時との半導体レーザの駆動方式を統一することで部品点数を低減させることができるが、戻り光の影響も同時に低減されることに注意する必要がある。
【0073】
図6を参照して、本実施の形態に係る光ディスク装置の制御回路312で実行される処理の制御構造をフローチャートを用いて説明する。
【0074】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、制御回路312は、半導体レーザ102を点灯させる。S102にて、制御回路312は、光ディスク112を予め定められた回転数で回転させる。S104にて、制御回路312は、対物レンズ110から出射されるレーザ光が、光ディスク112の予め定められたマーク長のエンボスピットからなるピット領域に集光する位置に、光ピックアップ装置100を移動させる。
【0075】
このエンボスピットには、様々なものがあるが、たとえばアドレス信号として2T信号および3T信号のような短いマーク長の信号を組み合わせたものを用いる。このように構成されたピット領域で、この2T信号もしくは3T信号の直流成分の信号をレーザ光出力検出用受光素子120を通って光出力信号処理回路314が抽出することで、サンプル情報の光出力信号とすることができる。このとき、レーザ光出力検出用受光素子120もしくは光出力信号処理回路314の応答周波数を、再生される2T信号および3T信号の周波数よりも極めて低くすることにより、平均化された光出力信号を検出して、サンプル情報の光出力信号を得る方法がある。
【0076】
S106にて、制御回路312は、光ディスク112のピット領域にレーザ光の焦点が追従するようにフォーカスサーボをかける。S108にて、制御回路312は、デフォーカスを検出する。S110にて、制御回路312は、フォーカスバイアス回路308を用いてフォーカスサーボ回路306Bにフォーカスバイアスを印加してデフォーカスを補正する。
【0077】
このS108のデフォーカスの検出とS110のデフォーカスの補正には、様々な方法がある。たとえば、サーボ信号生成回路304から生成されたトラッキングエラー信号の信号振幅をモニターし、トラッキングエラー信号振幅とフォーカスバイアスとを対応させ、トラッキングエラー信号振幅が最大となるフォーカスバイアスを求めることでデフォーカスを検出できる。フォーカスバイアス回路308を用いて、そのフォーカスバイアスをフォーカスサーボ回路306Bに印加することでデフォーカスを補正できる。
【0078】
S112にて、制御回路312は、変数Nを初期化(N=0)する。S114にて、制御回路312は、変数Mを初期化(M=0)する。S116にて、制御回路312は、レーザ光出力検出用受光素子120を用いて、光出力信号P(M)を検出する。S118にて、制御回路312は、コリメートレンズ104の位置に対応したコリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号C(N)を検知して、これらを対応させて、メモリ回路310に(C(N)、P(M))を記憶する。
【0079】
S120にて、制御回路312は、変数Mに1を加算する。S122にて、制御回路312は、変数Mと定数Jとが等しいか否かを判断する。変数Mと定数Jとが等しいと(S122にてYES)、処理はS124へ移される。もしそうでないと(S122にてNO)、処理はS116へ戻され、次のMについての処理が、M=Jを満足するまで実行される。その結果、メモリ回路310には、J組のデータ(C(0)、P(0))〜(C(0)、P(J−1))が記憶される。
【0080】
S124にて、制御回路312は、P(0)〜P(J−1)のJ個の光出力信号の平均値P(N)を算出する。S126にて、制御回路312は、メモリ回路310に、サンプル情報として(C(N)、P(N))を記憶する。S128にて、制御回路312は、コリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号をβだけ追加で印加してコリメートレンズ104の位置を移動させる。
【0081】
S130にて、制御回路312は、変数Nに1を加算する。S132にて、制御回路312は、変数Nが定数K以上であるか否かを判断する。変数Nが定数K以上であると(S132にてYES)、処理はS134へ移される。もしそうでないと(S132にてNO)、処理はS114へ戻され、次のNについての処理がN≧Kを満足するまで実行される。その結果、メモリ回路310には、少なくともK組のサンプル情報(C(0)、P(0))〜(C(K−1)、P(K−1))が記憶される。
【0082】
S134にて、制御回路312は、K組のサンプル情報(C(0)、P(0))〜(C(K−1)、P(K−1))に基づいて、最大の光出力信号Pmaxを特定する。S136にて、制御回路312は、最大の光出力信号Pmaxが特定できたか否かを判断する。最大の光出力信号Pmaxが特定できると(S136にてYES)、処理はS138へ移される。もしそうでないと(S136にてNO)、処理はS128へ戻され、コリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号をさらにβだけ追加で印加してコリメートレンズ104の位置を移動させて、最大の光出力信号Pmaxを特定する。
【0083】
S138にて、制御回路312は、最大の光出力信号Pmaxに対応するサンプル情報(Ca、Pa)を特定する。この特定されたCaを用いて、コリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号を決定して、コリメートレンズ104の位置を設定する。これにより、球面収差が最小になる。
【0084】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る光ディスク装置の動作について説明する。
【0085】
光ディスク112を光ディスク装置にセットして、半導体レーザ102を点灯させて(S100)、光ディスク112を回転させる(S102)。光ピックアップ装置100を移動させる(S104)。このとき、対物レンズ110から出射されるレーザ光が、光ディスク112の予め定められたマーク長のエンボスピットからなるピット領域に集光する。
【0086】
光ディスク112のピット領域にレーザ光の焦点が追従するようにフォーカスサーボがかけられ(S106)、デフォーカスが検出される(S108)。フォーカスバイアス回路308を用いてフォーカスサーボ回路306Bにフォーカスバイアスが印加されてデフォーカスが補正される(S110)。
【0087】
レーザ光出力検出用受光素子120を用いて、光出力信号P(0)が検出され(S116)、コリメートレンズ104の位置に対応したコリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号C(0)に対応させて、メモリ回路310に(C(0)、P(0))が記憶される(S118)。このような動作が、コリメートレンズ104を固定した状態で(J−1)回だけ繰返して行なわれる。この結果、メモリ回路310には、J組のデータ(C(0)、P(0))〜(C(0)、P(J−1))が記憶される。P(0)〜P(J−1)のJ個の光出力信号の平均値P(0)が算出され(S124)、メモリ回路310に、サンプル情報として(C(0)、P(0))が記憶される(S126)。
【0088】
なお、このS126においてメモリ回路310に記憶される(C(0)、P(0))と、S118においてメモリ回路310に記憶される(C(0)、P(0))とは、S126においてメモリ回路310に記憶されるP(0)が平均値である点で、異なるものである。
【0089】
コリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号をβだけ追加で印加してコリメートレンズ104の位置を移動させて(S128)、S114〜S126までの動作が行なわれる。このような動作が、コリメートレンズ104を電気信号βに対応する分だけ移動させながら(K−1)回だけ繰返して行なわれる。この結果、メモリ回路310には、K組のサンプル情報(C(0)、P(0))〜(C(K−1)、P(K−1))が記憶される。このとき、コリメートレンズ104の位置に対して、図7に示すような半導体レーザ102の光出力信号が得られる。
【0090】
K組のサンプル情報(C(0)、P(0))〜(C(K−1)、P(K−1))に基づいて、最大の光出力信号Pmaxが特定されると(S136にてYES)、最大の光出力信号Pmaxに対応するサンプル情報(Ca、Pa)が特定される(S138)。この特定されたCaを用いて、コリメートレンズ駆動回路316に印加する電気信号を決定して、コリメートレンズ104の位置を設定する。これにより、球面収差が最小になる。
【0091】
以上のようにして、本実施の形態に係る光ディスク装置によると、光ディスクからの反射光が最も多く半導体レーザに入射される条件は、光ディスクと集光レンズとの焦点距離が合っている時であって、光ディスクに集光されるレーザ光の球面収差が最小のときである。コリメートレンズを光軸に平行な方向に移動させて、レーザ光の出力値を検知する。レーザ光の出力値が最大になるように、コリメートレンズの位置を特定する。この位置にコリメートレンズを設定することにより、球面収差を補償することができる。その結果、光ディスクの保護層となる透明基板の厚みのばらつきにより生じる球面収差を補償して光ディスクの再生および記録動作を良好に行なうことができる安価な光ディスク装置およびその光ディスクを用いた収差補償方法を提供することができる。
【0092】
<第1の実施の形態 変形例>
上述したフローチャートにおいては、同じコリメートレンズ104の位置で何点かサンプル情報を測定して、その平均値をそのコリメートレンズ104の位置でのサンプル情報とすることで安定して球面収差を補償するが、本発明はこれに限定されない。サンプル取得数を減らすことにより、補償に要する時間の短縮を図ることも可能である。このとき、サンプル数を1としてもよい。
【0093】
また、上述したフローチャートにおいては、エンボスピットによる光出力信号の直流成分のみを抽出してサンプル情報の光出力信号としたが、本発明はこれに限定されない。エンボスピットによる光出力信号の振幅成分、さらには直流成分と振幅成分を加算した最大値をサンプル情報の光出力信号として、球面収差補償を行なうことも可能である。ただし、レーザ受光素子120および光出力信号処理回路314の応答周波数の値を検出したいピット信号の周波数に併せて考慮する必要がある。
【0094】
また、上述したフローチャートにおいては、光ディスク112のエンボスピット領域を用いたが、本発明はこれに限定されない。光ディスク112の再生および記録領域でのピット信号を用いても、球面収差を補償することができる。さらに、光ディスクのミラー領域や再生記録領域の未記録領域等のピットのない領域を用いても球面収差補償は可能である。この場合、球面収差補償信号となる光出力信号は直流成分のみとなる。特にミラー面であればディスクの回転の必要もなくなり、光ディスクの傾きや表面のゴミ、汚れ、傷等の影響もないため、データを複数とって平均化する必要もなく、容易に球面収差を補償することができる。
【0095】
このような変形例によっても、第1の実施の形態に係る光ディスク装置およびその装置を用いた収差補償方法と同様の効果を実現できる。
【0096】
<第2の実施の形態>
以下に、本発明の第2の実施の形態に係る光ディスク装置について説明する。本実施の形態に係る光ディスク装置は、前述の第1の実施の形態に係る光ディスク装置がコリメートレンズを光軸に平行な方向に移動させて球面収差を補償していたことに対して、対物レンズ110とコリメートレンズ104との間に少なくとも2枚のレンズからなる球面収差補償用レンズ群を設置して、そのレンズ群の中の1枚の補償レンズを光軸方向に移動させて球面収差を補償する。
【0097】
図8に、本実施の形態に係る光ディスク装置のブロック図を示す。この光ディスク装置は、光ディスク112に集光されたレーザ光に発生する球面収差を、2枚の球面収差補正用レンズ群400のレンズ間距離を変えることで、球面収差を発生させ、結果的に光ディスク112の再生記録面112Aにて発生した球面収差を補償する。なお、図8に示すブロック図の中で、前述の図5に示したブロック図と同じブロックについては同じ参照符号を付してある。それらのブロックの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0098】
図8に示した光ディスク装置のブロック図は、図5に示した光ディスク装置のブロック図に、球面収差補償レンズ群400と、この球面収差補償レンズ群400のうち1枚のレンズの位置を光軸に平行な方向に移動させる補償レンズ駆動アクチュエータ402と、補償レンズ駆動アクチュエータ402を電気信号にて駆動させる補償レンズ駆動回路500とを追加したものである。
【0099】
この光ディスク装置は、補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号と光出力信号処理回路314から出力される光出力信号とをサンプル情報として対応させてメモリ回路310に記憶して、記憶されたサンプル情報に基づいて補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号を制御回路312により制御して、球面収差補償レンズ群400の位置を制御する。
【0100】
図9を参照して、本実施の形態に係る光ディスク装置の制御回路312で実行される処理の制御構造をフローチャートを用いて説明する。なお、図9に示すフローチャートの中で前述の図6に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがってそれらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。
【0101】
S116にて、制御回路312は、レーザ光出力検出用受光素子120を用いて、光出力信号P(M)を検出する。S200にて、制御回路312は、球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズの位置に対応した補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号B(N)を検知して、これらを対応させて、メモリ回路310に(B(N)、P(M))を記憶する。
【0102】
S124にて、制御回路312は、P(0)〜P(J−1)のJ個の光出力信号の平均値P(N)を算出する。S202にて、制御回路312は、メモリ回路310に、サンプル情報として(B(N)、P(N))を記憶する。S204にて、制御回路312は、補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号をγだけ追加で印加して球面収差補償レンズ群400の中の1のレンズの位置を光軸と平行な方向に移動させる。
【0103】
S206にて、制御回路312は、K組のサンプル情報(B(0)、P(0))〜(B(K−1)、P(K−1))に基づいて、最大の光出力信号Pmaxを特定する。
【0104】
S208にて、制御回路312は、最大の光出力信号Pmaxに対応するサンプル情報(Ba、Pa)を特定する。この特定されたBaを用いて、補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号を決定して、球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズの位置を設定する。これにより、球面収差が最小になる。
【0105】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る光ディスク装置の動作について説明する。
【0106】
光ディスク112を光ディスク装置にセットして、半導体レーザ102を点灯させて(S100)、光ディスク112を回転させる(S102)。光ピックアップ装置100を移動させる(S104)。このとき、対物レンズ110から出射されるレーザ光が、光ディスク112の予め定められたマーク長のエンボスピットからなるピット領域に集光する。
【0107】
光ディスク112のピット領域にレーザ光の焦点が追従するようにフォーカスサーボがかけられ(S106)、デフォーカスが検出される(S108)。フォーカスバイアス回路308を用いてフォーカスサーボ回路306Bにフォーカスバイアスが印加されてデフォーカスが補正される(S110)。
【0108】
レーザ光出力検出用受光素子120を用いて、光出力信号P(0)が検出され(S116)、球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズの位置に対応した補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号B(0)に対応させて、メモリ回路310に(B(0)、P(0))が記憶される(S200)。このような動作が、球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズを固定した状態で(J−1)回だけ繰返して行なわれる。この結果、メモリ回路310には、J組のデータ(B(0)、P(0))〜(B(0)、P(J−1))が記憶される。P(0)〜P(J−1)のJ個の光出力信号の平均値P(0)が算出され(S124)、メモリ回路310に、サンプル情報として(B(0)、P(0))が記憶される(S202)。
【0109】
なお、このS202においてメモリ回路310に記憶される(C(0)、P(0))と、S200においてメモリ回路310に記憶される(C(0)、P(0))とは、S202においてメモリ回路310に記憶されるP(0)が平均値である点で、異なるものである。
【0110】
補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号をγだけ追加で印加して球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズの位置を移動させて(S204)、S114〜S202までの動作が行なわれる。このような動作が、球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズを電気信号γに対応する分だけ移動させながら(K−1)回だけ繰返して行なわれる。この結果、メモリ回路310には、K組のサンプル情報(B(0)、P(0))〜(B(K−1)、P(K−1))が記憶される。このとき、補償レンズの位置に対して、図10に示すような半導体レーザ102の光出力信号が得られる。
【0111】
K組のサンプル情報(B(0)、P(0))〜(B(K−1)、P(K−1))に基づいて、最大の光出力信号Pmaxが特定されると(S136にてYES)、最大の光出力信号Pmaxに対応するサンプル情報(Ba、Pa)が特定される(S206)。この特定されたCaを用いて、補償レンズ駆動回路500に印加する電気信号を決定して、球面収差補償レンズ群400のうち移動させるレンズの位置を設定する。これにより、球面収差が最小になる。
【0112】
以上のようにして、本実施の形態に係る光ディスク装置によると、光ディスクからの反射光が最も多く半導体レーザに入射される条件は、光ディスクと集光レンズとの焦点距離が合っている時であって、光ディスクに集光されるレーザ光の球面収差が最小のときである。レーザ光の出力値が最大になるように、球面収差補償レンズ群のうち移動させるレンズの位置を特定する。この位置に球面収差補償レンズ群のうち移動させるレンズを設定することにより、球面収差を補償することができる。その結果、光ディスクの保護層となる透明基板の厚みのばらつきにより生じる球面収差を補償して光ディスクの再生および記録動作を良好に行なうことができる安価な光ディスク装置およびその光ディスクを用いた収差補償方法を提供することができる。
【0113】
<第2の実施の形態 変形例>
本実施の形態に係る光ディスク装置は、半導体レーザと信号検出用受光素子とを独立して配置して球面収差補償手段を構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、半導体レーザと信号検出用受光素子が一体型になった光集積ユニット等でも他構成の光学系であっても、光ディスクからの反射光の一部が半導体レーザに戻る光路さえ構成している光学系であれば、本発明を適用することは可能である。また、光ディスク表面の透明基板厚の異なる光ディスクを1台の光ディスク装置で再生および記録をする場合でも同様に適用可能となる。
【0114】
さらに、本実施の形態に係る光ディスク装置も、前述の第1の実施の形態の変形例と同様の変形例があり、このような変形例によっても、第2の実施の形態に係る光ディスク装置およびその装置を用いた収差補償方法と同様の効果を実現できる。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザの動作電流と光出力との関係を示す図である。
【図2】集光レンズおよび光ディスクの距離と半導体レーザの光出力との関係を示す図である。
【図3】収差発生部の設定値と半導体レーザの光出力との関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク装置に搭載されている光ピックアップ装置の光学系のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク装置において実行されるプログラムのフローチャートである。
【図7】コリメートレンズの位置を移動させたときの半導体レーザの光出力信号特性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る光ディスク装置において実行されるプログラムのフローチャートである。
【図10】球面収差補償レンズの位置を移動させたときの半導体レーザの光出力信号特性を示す図である。
【符号の説明】
100 光ピックアップ装置、102 半導体レーザ、104 コリメートレンズ、106 偏光ビームスプリッター、108 1/4波長板、110 対物レンズ、112 光ディスク、112A 再生記録面、112B 透明基板、114 集光レンズ、116 シリンドリカルレンズ、118 信号検出用受光素子、120 レーザ光出力検出用受光素子、200 対物レンズ駆動アクチュエータ、202 コリメートレンズ駆動アクチュエータ、300 レーザ駆動回路、302 アクチュエータ駆動回路、304 サーボ信号生成回路、306 サーボ信号処理回路、306A トラッキングサーボ回路、306B フォーカスサーボ回路、308 フォーカスバイアス回路、310 メモリ回路、312 制御回路、314 光出力信号処理回路、316 コリメートレンズ駆動回路、400 球面収差補償レンズ群、402 補償レンズ可動アクチュエータ、500 補償レンズ駆動回路。

Claims (21)

  1. 入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する半導体レーザと、
    前記半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、
    前記光ディスクを回転するための回転手段と、
    前記対物レンズにより集光された光が前記光ディスクから反射した光を、前記半導体レーザに戻す光路を形成するための光学手段と、
    前記半導体レーザから出射されたレーザ光を受光するための受光手段と、
    前記光ディスクに対して、前記レーザ光に残存するデフォーカス成分を補正するための補正手段と、
    前記光ディスクに集光するレーザ光の球面収差量を変化させるための球面収差変化手段と、
    前記球面収差量の変化に対応させて、前記光ディスクからの反射光が前記半導体レーザに入射することで変動する半導体レーザの複数の出力値を、前記受光手段を用いて検出して、前記検出された出力値と前記球面収差量との関係に基づいて、最大の出力値に対応する球面収差量を発生させるように前記球面収差変化手段を制御することにより、球面収差を補償するための制御手段とを含む、光ディスク装置。
  2. 前記光ディスク装置は、前記半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズをさらに含み、
    前記球面収差変化手段は、前記コリメートレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるための手段を含む、請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記光ディスク装置は、前記半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズと、前記コリメートレンズと前記対物レンズとの間に設けられた、球面収差を発生させる2以上のレンズから構成されるレンズ群とをさらに含み、
    前記球面収差変化手段は、前記レンズ群を構成する少なくとも1のレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるための手段を含む、請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 前記光ディスク装置は、予め定められた直流バイアス電流を印加することにより、前記半導体レーザを駆動するための駆動手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  5. 前記光ディスク装置は、予め定められた直流バイアス電流に、予め定められた振幅および周期を有する高周波電流を加えた電流を印加することにより、前記半導体レーザを駆動するための駆動手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  6. 前記光ディスク装置は、前記駆動手段に接続され、前記直流バイアス電流が予め定められた電流値を維持するように、前記駆動手段を制御するための電流制御手段をさらに含む、請求項4または5に記載の光ディスク装置。
  7. 前記光ディスク装置は、
    前記光ディスクにデータを記録および再生するために、予め定められた条件を満足する電流を前記半導体レーザに印加することにより、前記半導体レーザを駆動するための第1の駆動手段と、
    前記第1の駆動手段とは異なる条件を満足する電流を前記半導体レーザに印加することにより、前記半導体レーザを駆動するための第2の駆動手段とをさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  8. 前記受光手段は、前記半導体レーザから出射された光であって、前記光ディスクのエンボスピットが存在しない領域およびデータの未記憶領域のいずれかに前記レーザ光を集光させて前記光ディスクから反射した光を、受光するための手段を含む、請求項1に記載の光ディスク装置。
  9. 前記受光手段は、前記回転手段による前記光ディスクの回転を停止させた状態で、前記光ディスクから反射した光を、受光するための手段を含む、請求項8に記載の光ディスク装置。
  10. 前記受光手段は、前記半導体レーザから出射された光であって、前記光ディスクのエンボスピットが存在する領域およびデータの記憶領域のいずれかに前記レーザ光を集光させて前記光ディスクから反射した光を、ピット信号として受光するための手段を含む、請求項1に記載の光ディスク装置。
  11. 前記受光手段は、前記回転手段により前記光ディスクを回転させた状態で、前記光ディスクから反射した光を、受光するための手段を含む、請求項8または10に記載の光ディスク装置。
  12. 入射された光により出射するレーザ光の出力が変動する半導体レーザと、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、前記光ディスクを回転するための回転手段と、前記対物レンズにより集光された光が前記光ディスクから反射した光を、前記半導体レーザに戻す光路を形成するための光学手段とを含む光ディスク装置における収差補償方法であって、
    前記半導体レーザから出射されたレーザ光を受光する受光ステップと、
    前記光ディスクに対して、前記レーザ光に残存するデフォーカス成分を補正する補正ステップと、
    前記光ディスクに集光するレーザ光の球面収差量を変化させる球面収差変化ステップと、
    前記球面収差量の変化に対応させて、前記光ディスクからの反射光が前記半導体レーザに入射することで変動する半導体レーザの複数の出力値を、前記受光ステップにて検出して、前記検出された出力値と前記球面収差量との関係に基づいて、最大の出力値に対応する球面収差量を発生させるように前記球面収差変化ステップを制御することにより、球面収差を補償する制御ステップとを含む、光ディスク装置における収差補償方法。
  13. 前記光ディスク装置は、前記半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズをさらに含み、
    前記球面収差変化ステップは、前記コリメートレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるステップを含む、請求項12に記載の収差補償方法。
  14. 前記光ディスク装置は、前記半導体レーザからの出射光を平行な光に変換するコリメートレンズと、前記コリメートレンズと前記対物レンズとの間に設けられた、球面収差を発生させる2以上のレンズから構成されるレンズ群とをさらに含み、
    前記球面収差変化ステップは、前記レンズ群を構成する少なくとも1のレンズを光軸と平行な方向に移動させることにより球面収差量を変化させるステップを含む、請求項12に記載の収差補償方法。
  15. 前記収差補償方法は、予め定められた直流バイアス電流を印加することにより、前記半導体レーザを駆動する駆動ステップをさらに含む、請求項12〜14のいずれかに記載の収差補償方法。
  16. 前記収差補償方法は、予め定められた直流バイアス電流に、予め定められた振幅および周期を有する高周波電流を加えた電流を印加することにより、前記半導体レーザを駆動する駆動ステップをさらに含む、請求項12〜14のいずれかに記載の収差補償方法。
  17. 前記収差補償方法は、前記直流バイアス電流が予め定められた電流値を維持するように、前記駆動ステップを制御する電流制御ステップをさらに含む、請求項15または16に記載の収差補償方法。
  18. 前記受光ステップは、前記半導体レーザから出射された光であって、前記光ディスクのエンボスピットが存在しない領域およびデータの未記憶領域のいずれかに前記レーザ光を集光させて前記光ディスクから反射した光を、受光するステップを含む、請求項12に記載の収差補償方法。
  19. 前記受光ステップは、前記回転手段による前記光ディスクの回転を停止させた状態で、前記光ディスクから反射した光を、受光するステップを含む、請求項18に記載の収差補償方法。
  20. 前記受光ステップは、前記半導体レーザから出射された光であって、前記光ディスクのエンボスピットが存在する領域およびデータの記憶領域のいずれかに前記レーザ光を集光させて前記光ディスクから反射した光を、ピット信号として受光するステップを含む、請求項12に記載の収差補償方法。
  21. 前記受光ステップは、前記回転手段により前記光ディスクを回転させた状態で、前記光ディスクから反射した光を、受光するステップを含む、請求項18または20に記載の収差補償方法。
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