JPH11259906A - 光学ヘッド、記録及び/又は再生装置、記録及び/又は再生方法、並びに厚み検出方法 - Google Patents

光学ヘッド、記録及び/又は再生装置、記録及び/又は再生方法、並びに厚み検出方法

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JPH11259906A
JPH11259906A JP10345949A JP34594998A JPH11259906A JP H11259906 A JPH11259906 A JP H11259906A JP 10345949 A JP10345949 A JP 10345949A JP 34594998 A JP34594998 A JP 34594998A JP H11259906 A JPH11259906 A JP H11259906A
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light
optical
thickness
recording
objective lens
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JP10345949A
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English (en)
Inventor
Mitsunori Ueda
充紀 植田
Takeshi Kubo
毅 久保
Junichi Suzuki
潤一 鈴木
Satoshi Sakamoto
敏 坂本
Hiroshi Kawamura
洋 川村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ヘッドに搭載される対物レンズの開口数
NAを大きくしても、球面収差の発生量が少なくて済む
ようにし、これにより、光ディスクの高記録密度化及び
大容量化を図れるようにする。 【解決手段】 記録層上に光透過層4が形成されてなる
光ディスク2に対して記録再生を行う際に使用される光
学ヘッド1に、コリメータレンズ用アクチュエータ14
を設ける。そして、このコリメータレンズ用アクチュエ
ータ14によって、光透過層4の厚み誤差に起因する球
面収差を打ち消すように、光源10と対物レンズ16と
の間に配されたコリメータレンズ13を移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等のよ
うな情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う際
に使用される光学ヘッド、並びにそのような光学ヘッド
を備えた記録及び/又は再生装置に関する。また、本発
明は、光ディスク等のような情報記録媒体の記録及び/
又は再生方法に関する。さらに、本発明は、記録層上に
光透過層が形成されてなる情報記録媒体の光透過層の厚
み検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】再生専用光ディスク、相変化型光ディス
ク、光磁気ディスク又は光カード等の如き情報記録媒体
は、映像情報、音声情報又はコンピュータ用プログラム
等のデータを保存するために、広く使用されている。そ
して、これらの情報記録媒体に対する高記録密度化及び
大容量化の要求は、近年ますます強くなっている。
【0003】このような情報記録媒体の記録密度を上げ
るには、光学ヘッドに搭載される対物レンズの開口数N
Aを大きくするとともに、使用する光の波長λを短くし
て、対物レンズによって集光される光のスポット径を小
径化することが有効である。
【0004】そこで、例えば、デジタル光ディスクとし
て比較的に初期に実用化されたCD(コンパクトディス
ク)では、対物レンズの開口数NAが0.45、使用す
る光の波長が780nmとされているのに対して、コン
パクトディスクよりも高記録密度化及び大容量化がなさ
れたデジタル光ディスクであるDVDでは、対物レンズ
の開口数NAが0.6、使用する光の波長が650nm
とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、光デ
ィスク等のような情報記録媒体は、情報信号が記録され
る記録層上に光透過層を有しており、この光透過層を介
して記録層に光を照射することにより記録や再生が行わ
れる。このとき、光透過層の厚さに誤差があり、規定値
からずれていると、当該誤差に起因して球面収差が生じ
る。この球面収差のうち、例えば3次の球面収差W
40は、下記式(1)で表される。なお、下記式(1)に
おいて、Δtは光透過層の厚み誤差、nは光透過層の屈
折率、NAは対物レンズの開口数である。
【0006】 W40={Δt(n2−1)/(8n3)}NA4 ・・・(1) 上記式(1)に示すように、光透過層の厚み誤差に起因
する球面収差は、開口数NAの4乗に比例して増加す
る。したがって、特に開口数NAを大きくした場合、こ
の球面収差の発生を抑えることが非常に重要となる。
【0007】この球面収差を抑えるためには、上記式
(1)からも分かるように、光透過層の厚さの公差を厳
しくして、光透過層の厚み誤差を小さくすることが効果
的である。例えば、DVDにおいて光透過層の厚さの公
差は±0.03mmであり、光透過層の厚み誤差に起因
する球面収差をDVDの場合(すなわち開口数NAが
0.6の場合)と同程度に抑えるには、光透過層の厚み
誤差Δtを下記式(2)を満たす範囲内とすればよい。
【0008】 −0.00388/NA4≦Δt≦+0.00388/NA4 ・・・(2) 上記式(2)から、開口数NAを大きくしたときに、球
面収差の発生をDVDのときと同程度に抑えるために要
求される公差を求めることができる。すなわち、上記式
(2)から、例えば開口数NA=0.7のときには−
0.016mm≦Δt≦+0.016mmとすればよ
く、また、例えば開口数NA=0.85のときには−
0.0074mm≦Δt≦+0.0074mmとすれば
よいことが分かる。
【0009】しかしながら、光透過層の厚さの公差を厳
しくすることは非常に困難である。光透過層の厚さを一
定に変更することは量産システムにおいて大きな工程変
更ではないが、光透過層の厚み誤差の大きさは情報記録
媒体の製造方法に依存するため、その精度を上げること
は非常に困難であり、たとえ実現したとしても、大幅な
工程変更等が必要であり、製造コストの大幅な上昇を伴
ってしまう。したがって、球面収差を抑えるために光透
過層の厚さの公差を厳しくすることは、あまり有効な手
段とは言えない。
【0010】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、開口数NAを大きくしても球
面収差を抑えることが可能な光学ヘッド並びに記録及び
/又は再生装置を提供することを目的としている。ま
た、本発明は、開口数NAを大きくしても球面収差を抑
えることが可能な記録及び/又は再生方法を提供するこ
とも目的としている。また、本発明は、記録層上に光透
過層が形成されてなる情報記録媒体の光透過層の厚みを
簡便に検出することのできる厚み検出方法を提供するこ
とも目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学ヘッド
は、情報信号が記録される記録層上に光透過層を有する
情報記録媒体用の光学ヘッドである。そして、光を出射
する光源と、上記光源からの光を上記光透過層を介して
上記記録層上に集光させる対物レンズと、上記光源と上
記対物レンズとの間に配された所定の屈折力を有する光
学素子と、上記光透過層の厚さに応じて球面収差を打ち
消すように上記光学素子を移動させる移動手段とを備え
ることを特徴とする。
【0012】なお、上記光学ヘッドにおいて、上記光学
素子としては、例えば、コリメータレンズが好適であ
る。このコリメータレンズは、上記光透過層の厚さが規
定値通りの場合には、上記光源から出射され上記対物レ
ンズに入射する光を略平行光とするものである。
【0013】また、上記光学ヘッドにおいて、対物レン
ズの開口数NAを0.65以上とする場合、上記情報記
録媒体としては、光透過層の膜厚が0.47mm以下の
ものが好適である。
【0014】また、上記光学ヘッドにおいて、光学素子
を移動させる移動手段としては、光源から出射し光学素
子に入射する光の光軸に対して略平行に配された基準軸
と、光学素子を支持するととともに基準軸に沿って平行
移動可能とされた光学素子支持手段と、モータと、モー
タの回転を光軸方向に沿った平行移動に変換して光学素
子支持手段に伝達するギヤ機構とを備えたものが好適で
ある。この場合、移動手段は、モータの回転をギヤ機構
によって光軸方向に沿った平行移動へと変換して光学素
子支持手段を動かすことで、光透過層の厚さに応じて、
球面収差を打ち消すように光学素子を移動させる。
【0015】以上のような本発明に係る光学ヘッドで
は、光源と対物レンズとの間に配された所定の屈折力を
有する光学素子を、光透過層の厚さに応じて球面収差を
打ち消すように、移動手段により移動するようにしてい
る。したがって、光透過層に厚み誤差があったとして
も、当該厚み誤差に起因する球面収差の発生を抑えるこ
とができる。
【0016】また、本発明に係る記録及び/又は再生装
置は、情報信号が記録される記録層上に光透過層を有す
る情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録
及び/又は再生装置であって、上記光透過層の厚さを検
出する厚さ検出手段と、上記情報記録媒体に対して上記
光透過層を介して上記記録層に光を照射するとともにそ
の反射光を検出する光学ヘッドとを備える。そして、上
記光学ヘッドが、光を出射する光源と、上記光源からの
光を上記光透過層を介して上記記録層上に集光させる対
物レンズと、上記光源と上記対物レンズとの間に配され
た所定の屈折力を有する光学素子と、上記厚さ検出手段
によって検出された上記光透過層の厚さに応じて球面収
差を打ち消すように上記光学素子を移動させる移動手段
とを備えていることを特徴としている。
【0017】なお、上記記録及び/又は再生装置におい
て、上記光学素子としては、例えば、コリメータレンズ
が好適である。このコリメータレンズは、上記光透過層
の厚さが規定値通りの場合には、上記光源から出射され
上記対物レンズに入射する光を略平行光とするものであ
る。
【0018】また、上記記録及び/又は再生装置におい
て、上記対物レンズの開口数NAを0.65以上とする
場合、上記情報記録媒体としては、光透過層の膜厚が
0.47mm以下のものが好適である。
【0019】また、上記記録及び/又は再生装置におい
て、光学素子を移動させる移動手段としては、光源から
出射し光学素子に入射する光の光軸に対して略平行に配
された基準軸と、光学素子を支持するととともに基準軸
に沿って平行移動可能とされた光学素子支持手段と、モ
ータと、モータの回転を光軸方向に沿った平行移動に変
換して光学素子支持手段に伝達するギヤ機構とを備えた
ものが好適である。この場合、移動手段は、モータの回
転をギヤ機構によって光軸方向に沿った平行移動へと変
換して光学素子支持手段を動かすことで、光透過層の厚
さに応じて、球面収差を打ち消すように光学素子を移動
させる。
【0020】以上のような本発明に係る記録及び/又は
再生装置では、光源と対物レンズとの間に配された所定
の屈折力を有する光学素子を、光透過層の厚さに応じて
球面収差を打ち消すように、移動手段により移動するよ
うにしている。したがって、光透過層に厚み誤差があっ
たとしても、当該厚み誤差に起因する球面収差の発生を
抑えることができる。
【0021】また、本発明に係る記録及び/又は再生方
法は、情報信号が記録される記録層上に光透過層を有す
る情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う方法
である。そして、上記情報記録媒体に対して記録及び/
又は再生を行う際に、光を出射する光源と、上記光源か
らの光を上記光透過層を介して上記記録層上に集光させ
る対物レンズと、上記光源と上記対物レンズとの間に配
された所定の屈折力を有する光学素子とを備えた光学ヘ
ッドを使用するとともに、上記光透過層の厚さを検出
し、その検出結果に応じて、球面収差を打ち消すように
上記光学素子を移動させることを特徴としている。
【0022】なお、上記記録及び/又は再生方法におい
て、上記光学素子としては、例えば、コリメータレンズ
を使用する。この場合、上記光透過層の厚さが規定値通
りならば、上記光源から出射された光を上記コリメータ
レンズによって略平行光として、上記対物レンズに入射
させるようにする。
【0023】また、上記記録及び/又は再生方法におい
て、上記対物レンズの開口数NAを0.65以上とする
場合、上記情報記録媒体としては、光透過層の膜厚が
0.47mm以下のものが好適である。
【0024】以上のような本発明に係る記録及び/又は
再生方法では、光源と対物レンズとの間に配された所定
の屈折力を有する光学素子を、光透過層の厚さに応じて
球面収差を打ち消すように移動するようにしている。し
たがって、光透過層に厚み誤差があったとしても、当該
厚み誤差に起因する球面収差の発生を抑えることができ
る。
【0025】また、本発明に係る厚み検出方法は、情報
信号が記録される記録層上に光透過層を有する情報記録
媒体の上記光透過層の厚みを検出する厚み検出方法であ
る。そして、本発明に係る厚み検出方法では、光源から
光を出射し、上記光源から出射された光を、対物レンズ
によって上記情報記録媒体上に集光させ、上記対物レン
ズによって上記情報記録媒体上に集光され当該情報記録
媒体で反射された戻り光を、光検出器によって受光して
フォーカスエラー信号を検出する。そして、このフォー
カスエラー信号のうち、上記記録層で反射された戻り光
による信号と、上記光透過層の表面で反射された戻り光
による信号とから、上記光透過層の厚さを検出する。
【0026】以上のような本発明に係る厚み検出方法で
は、フォーカスエラー信号から光透過層の厚さを検出し
ているので、特別な装置を必要とすることなく簡便に光
透過層の厚さを検出することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】<光学ヘッド>本発明を適用した光学ヘッ
ドの一例を図1に示す。この光学ヘッド1は、相変化型
の光ディスク2に対して記録再生を行う際に使用される
光学ヘッドである。なお、ここでは、相変化型の光ディ
スク2に対して記録再生を行う光学ヘッド1を例に挙げ
るが、本発明は、情報信号が記録される記録層上に光透
過層を有する情報記録媒体用の光学ヘッドに対して広く
適用可能であり、記録及び/又は再生の対象となる情報
記録媒体は、再生専用光ディスク、光磁気ディスク又は
光カード等であってもよい。
【0029】この光学ヘッド1によって記録再生がなさ
れる光ディスク2は、厚さdが例えば約1.2mm又は
約0.6mmとされた基板3の上に、相変化によって情
報信号を記録する記録層が形成されるとともに、この記
録層上に、厚さtが例えば約0.1mmとされた光透過
層4が形成されてなる。ここで、光透過層4は、記録層
を保護する保護層となるものである。そして、この光デ
ィスク2は、基板3の側からではなく、基板3よりも遥
かに膜厚が薄い光透過層4の側から光を入射させて、記
録再生を行うようになっている。
【0030】このように、記録層に至るまでの厚さが薄
い方の側から光を入射するようにすることで、収差の発
生を抑制することができ、従来のCDやDVD以上の高
記録密度化及び大容量化を図ることができる。ただし、
本発明は、基板側から光を入射させて記録及び/又は再
生を行う情報記録媒体を用いる場合にも適用可能であ
る。
【0031】そして、この光学ヘッド1は、図1に示す
ように、光源10と、回折格子11と、偏光ビームスプ
リッタ12と、コリメータレンズ13と、コリメータレ
ンズ用アクチュエータ14と、1/4波長板15と、対
物レンズ16と、対物レンズ用2軸アクチュエータ17
と、マルチレンズ18と、光検出器19とを備えてい
る。
【0032】上記光源10は、記録再生時に光ディスク
2に向けて光を出射するものであり、例えば、波長λが
650nmの直線偏光レーザ光を出射する半導体レーザ
からなる。この光源10は、光ディスク2から情報信号
を再生する際は、一定の出力のレーザ光を出射し、光デ
ィスク2に情報信号を記録する際は、記録する信号に応
じて、出射するレーザ光の強度を変調する。
【0033】なお、本発明において、光源10から出射
されるレーザ光の波長λは、特に限定されるものではな
い。例えば、650nmよりも短波長のレーザ光を出射
する半導体レーザが実用化された場合には、より短波長
のものを用いたほうが、更なる高記録密度化及び大容量
化を図る上で好適である。
【0034】そして、光源10から出射されたレーザ光
は、先ず、回折格子11に入射し、この回折格子11に
よって回折される。この回折格子11は、いわゆる3ス
ポット法によるトラッキングサーボを可能とするため
に、レーザ光を少なくとも3つに分割するためのもので
ある。
【0035】そして、回折格子11によって回折されて
なる0次光及び±1次光(以下、これらをまとめて「入
射レーザ光」と称する。)は、偏光ビームスプリッタ1
2を透過して、コリメータレンズ13に入射する。ここ
で、コリメータレンズ13は、例えば、2枚の球面レン
ズ13a,13bを貼り合わせてなる。
【0036】コリメータレンズ13に入射した入射レー
ザ光は、光ディスク2の光透過層4の厚さtが規定値通
りの場合には、コリメータレンズ13によって平行光と
される。換言すれば、コリメータレンズ13は、所定の
屈折力を有する光学素子であり、光ディスク2の光透過
層4の厚さtが規定値通りの場合には入射レーザ光を平
行光にするように配置されている。
【0037】なお、このコリメータレンズ13は、コリ
メータレンズ用アクチュエータ14に搭載されており、
このコリメータレンズ用アクチュエータ14によって、
入射レーザ光の光軸に沿って前後に移動可能とされてい
る。そして、このコリメータレンズ13は、光ディスク
2の光透過層4の厚さtが規定値から外れている場合に
は、当該光透過層4の厚み誤差に起因する球面収差を補
正するように、コリメータレンズ用アクチュエータ14
によって移動操作される。すなわち、光ディスク2の光
透過層4の厚さtが規定値から外れている場合、入射レ
ーザ光は、光透過層4の厚み誤差に起因する球面収差を
補正するように、コリメータレンズ13によって発散光
或いは収束光とされる。
【0038】そして、コリメータレンズ13から出射さ
れた入射レーザ光は、1/4波長板15を介して、対物
レンズ16に入射する。ここで、入射レーザ光は、1/
4波長板15を透過する際に円偏光状態となされ、この
円偏光光束が、対物レンズ16に入射する。
【0039】対物レンズ16は、入射レーザ光を、光デ
ィスク2の記録層上に集光するためのものである。すな
わち、1/4波長板15によって円偏光状態とされた入
射レーザ光は、対物レンズ16によって集光されて、光
ディスク2の光透過層4を介して、光ディスク2の記録
層に入射する。
【0040】なお、この対物レンズ16は、1枚のレン
ズからなるものであってもよいが、図1に示すように、
2枚のレンズ16a,16bを組み合わせて構成するこ
とが好ましい。対物レンズ16を2枚のレンズ16a,
16bによって構成した場合には、開口数NAを大きく
しても、各レンズ面の曲率をあまりきつくする必要がな
く作製が容易である。したがって、対物レンズ16を2
枚のレンズ16a,16bによって構成することによ
り、開口数NAをより大きくすることが容易に可能とな
り、更なる高記録密度化及び大容量化を実現できる。
【0041】なお、対物レンズ16は、3枚以上のレン
ズから構成するようにしてもよい。3枚以上のレンズか
ら構成することにより、各レンズ面の曲率をより緩やか
なものとすることができる。しかしながら、レンズの数
が多すぎると、各レンズを精度良く組み合わせることが
難しくなるので、実際には2枚のレンズで構成すること
が好ましい。
【0042】上述のように対物レンズ16によって集光
され光ディスク2の記録層に入射した入射レーザ光は、
記録層で反射されて戻り光となる。この戻り光は、元の
光路を辿って対物レンズ16を透過した後、1/4波長
板15に入射する。そして、この戻り光は、1/4波長
板15を透過することにより、往きの偏光方向に対して
90度回転された直線偏光となり、その後、この戻り光
は、コリメータレンズ13によって収束光とされた後、
偏光ビームスプリッタ12に入射し、この偏光ビームス
プリッタ12によって反射される。
【0043】偏光ビームスプリッタ12によって反射さ
れた戻り光は、マルチレンズ18を介して光検出器19
に入射し、当該光検出器19によって検出される。ここ
で、マルチレンズ18は、光入射面が円筒面となされ、
光出射面が凹面となされたレンズである。このマルチレ
ンズ18は、戻り光に対して、いわゆる非点収差法によ
るフォーカスサーボを可能とするための非点収差を与え
るためのものである。
【0044】マルチレンズ18によって非点収差が与え
られた戻り光を検出する光検出器19は、例えば6つの
フォトダイオードを備えてなる。そして、光検出器19
は、各フォトダイオードに入射した戻り光の光強度に応
じた電気信号をそれぞれ出力するとともに、それらの電
気信号に対して所定の演算処理を施して、フォーカスサ
ーボ信号やトラッキングサーボ信号等の信号を生成し出
力する。
【0045】具体的には、光検出器19は、マルチレン
ズ18によって非点収差が与えられた戻り光を検出し
て、いわゆる非点収差法によってフォーカスサーボ信号
を生成し出力する。そして、この光学ヘッド1は、この
フォーカスサーボ信号に基づいて、対物レンズ16が搭
載された対物レンズ用2軸アクチュエータ17を駆動す
ることで、フォーカスサーボを行う。
【0046】また、光検出器19は、回折格子11によ
って回折されてなる0次光及び±1次光について、それ
らの戻り光をそれぞれ検出して、いわゆる3ビーム法に
よってトラッキングサーボ信号を生成し出力する。そし
て、この光学ヘッド1は、このトラッキングサーボ信号
に基づいて、対物レンズ16が搭載された対物レンズ用
2軸アクチュエータ17を駆動することで、トラッキン
グサーボを行う。
【0047】更に、光検出器19は、光ディスク2から
情報信号を再生する際に、各フォトダイオードに入射し
た戻り光の光強度に応じた電気信号に対して所定の演算
処理を施して、光ディスク2からの再生信号を生成し出
力する。
【0048】なお、この光学ヘッド1では、対物レンズ
16を対物レンズ用2軸アクチュエータ17に搭載し、
この対物レンズ用2軸アクチュエータ17により、フォ
ーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うようにして
いるが、本発明に係る光学ヘッドでは、例えば、対物レ
ンズをアクチュエータによって移動操作することにより
行うサーボをフォーカスサーボだけにして、トラッキン
グサーボについては、光学ヘッド全体を動かすことによ
り行うようにしてもよい。
【0049】上記光学ヘッド1を用いて光ディスク2の
記録層上に光を集光して記録再生を行うとき、光ディス
ク2の光透過層4の厚み誤差によって発生する主な収差
は、デフォーカスによるものと、球面収差によるものと
である。
【0050】デフォーカスについては、フォーカスサー
ボにより補正される。すなわち、光検出器19からのフ
ォーカスサーボ信号に基づいて、対物レンズ用2軸アク
チュエータ17により対物レンズ16を光軸方向に沿っ
て前後に動かすことで、デフォーカスが補正され、記録
層上に焦点が合わされる。なお、このようなデフォーカ
スについての補正は、従来の光学ヘッドにおいても行わ
れていることである。
【0051】一方、球面収差については、対物レンズ1
6を光軸方向に沿って前後に移動しても、補正すること
ができない。この球面収差は、例えば、光透過層4の厚
さtに応じて対物レンズ16を交換したり、或いは、光
透過層4の厚さtに応じて対物レンズ16を構成する光
学媒質の屈折率を変化させたりすれば、補正することが
できる。しかしながら、これらの手法は、あまり現実的
ではない。
【0052】そこで、本発明を適用した光学ヘッド1で
は、光透過層4の厚さtに応じて、コリメータレンズ用
アクチュエータ14により、コリメータレンズ13を光
軸方向に沿って前後に動かすことで、光透過層4の厚み
誤差に起因する球面収差を補正するようにしている。す
なわち、この光学ヘッド1において、コリメータレンズ
用アクチュエータ14は、光ディスク2の光透過層4の
厚さtに応じて、球面収差を打ち消すようにコリメータ
レンズ13を移動させる移動手段となっている。
【0053】つぎに、光透過層4の厚み誤差により発生
する球面収差、並びにその補正の方法について詳細に説
明する。
【0054】光透過層4に厚み誤差があると、上述した
ように、式(1)で表されるような3次の球面収差W40
が発生する。なお、以下に挙げる式において、Δtは光
透過層4の厚み誤差、nは光透過層4の屈折率、NAは
対物レンズ16の開口数である。
【0055】 W40={Δt(n2−1)/(8n3)}NA4 ・・・(1) この式(1)は、縦収差量を対物レンズの開口数NAで
テイラー展開し、波面収差に換算したものである。すな
わち、開口数NAを正弦関数で表し展開すると下記式
(3)で表され、この式(3)の右辺第2項より求めた
波面収差が、上記式(1)で表される3次の球面収差で
ある。
【0056】 sin(θ)=x−x3/6+x5/120−x7/5040+ο(x)8 ・・・(3) しかしながら、上記式(3)からも分かるように、実際
には更に高次の収差が存在する。そして、上記式(3)
の右辺第3項より求めた波面収差量は、5次の球面収差
60と呼ばれる量であり、下記式(4)で表される。
【0057】 W60={Δt(n2−1)(n2+3)/48n5}NA6 ・・・(4) そして、光透過層4の厚み誤差によって発生する3次の
球面収差W40と5次の球面収差W60との合計は、上記式
(1)と上記式(4)の合計であり、下記式(5)で表
される。
【0058】 W≒W40[1+{(n2+3)/6n2}NA2] ・・・(5) なお、縦収差量は、上記式(5)を開口数NAで微分す
ることにより求まり、下記式(6)で表される。
【0059】 δS={Δt(n2−1)/2n3}NA3[1+{(n2+3)/4n2}NA2] ・・・(6) 上記式(1)で表される3次の球面収差W40は、各光学
面で発生する収差の和で表すことができる。したがっ
て、3次の球面収差W40だけならば、光源10から光透
過層4までのどこかに反対符号の球面収差を発生する光
学素子を配置することで補正することが可能である。し
かしながら、上記式(5)から分かるように、光透過層
4の屈折率nが小さいほど、また対物レンズ16の開口
数NAが大きいほど、光透過層4の厚み誤差Δtによっ
て発生する球面収差において、5次の球面収差W60の寄
与が大きくなり、3次の球面収差W40を補正するだけで
は済まなくなってしまう。
【0060】ここで、3次の球面収差W40は、光透過層
4の屈折率nが31/2(≒1.732)のときに最大と
なり、光透過層4の屈折率nがこれよりも小さくなると
急激に減少する。そして、通常、光透過層4の屈折率n
は1.5程度である。したがって、光透過層4の屈折率
nが小さくなることにより、5次の球面収差W60の寄与
が大きくなったとしても、この5次の球面収差W60は、
全体の収差量の減少に隠れて、あまり問題とはならな
い。
【0061】一方、上述したように、対物レンズ16の
開口数NAが大きくなった場合にも、5次の球面収差W
60の寄与が大きくなるが、このときの5次の球面収差W
60の増大は無視できない。例えば、開口数NAが大きく
なり、球面収差全体における5次の球面収差W60の割合
が最大となった場合には、5次の球面収差W60が球面収
差全体の40%程度まで占めることがあり得る。したが
って、特に、開口数NAの大きな系では、5次の球面収
差W60の影響を十分に考慮する必要がある。
【0062】具体的には、例えば、開口数NA=0.
6、光透過層4の屈折率n=1.5のとき、光透過層4
の厚み誤差Δtが30μmであったとする。このとき、
当該厚み誤差Δtに起因する縦収差量を、5次の球面収
差W60を考慮した上記式(6)より求めると、約1.4
52μmとなる。一方、開口数NA=0.85、光透過
層4の屈折率n=1.5のとき、光透過層4の厚み誤差
Δtが30μmであったとする。このとき、当該厚み誤
差Δtに起因する縦収差量を、同様に上記式(6)より
求めると、約4.850μmとなる。すなわち、光透過
層4の厚み公差を±0.03mmとしたとき、開口数N
Aが0.6ならば、光透過層4の厚み誤差Δtに起因す
る縦収差量は1.452μm以下となるが、開口数NA
を0.85とすると、特に5次の球面収差W60が大きく
なり、当該縦収差量が最大で4.850μmにもなって
しまう。
【0063】さて、以上のような球面収差を補正する場
合には、上記式(6)で表される球面収差と同じ大きさ
で逆符号の収差を発生させればよい。一番単純な方法と
しては、光源10とコリメータレンズ13との間に、平
行平板を入れて補正する方法が考えられる。この場合
は、下記式(7)及び式(8)が成り立てば、5次の球
面収差W60までの補正が可能である。なお、下記式
(7)及び式(8)において、NA0はコリメータレン
ズ13の光入射側の開口数、n0は挿入する平行平板の
屈折率、n1は光透過層4の屈折率、NA1は対物レンズ
16の開口数である。
【0064】 {(n1 2+3)/n1 2}NA1 2={(n0 2+3)/n0 2}NA0 2 ・・・(7) {(n1 2−1)/n1 3}NA1 4={(n0 2−1)/n0 3}NA0 4 ・・・(8) 上記式(7)及び(8)が成立するようにするために
は、実際に実現可能な屈折率を考慮すると、対物レンズ
16の開口数NA1と、コリメータレンズ13の光入射
側の開口数NA0とを同じ程度の値にすることが必要で
あり、具体的には、少なくとNA1/NA0≦2を満たす
ようにする必要がある。しかしながら、対物レンズ16
の開口数NA1を大きくした場合に、それに合わせて、
コリメータレンズ13の光入射側の開口数NA0を大き
くすることは、あまり現実的ではない。したがって、光
源10とコリメータレンズ13との間に平行平板を入れ
る方法では、球面収差をある程度補正することは可能で
あっても、完全に補正することはできない。
【0065】更に、平行平板以外の光学素子を用いたと
しても、単に光学素子を光軸上に配するだけでは、全て
の球面収差を完全に補正することは困難である。なぜな
ら、上記式(1)及び式(4)からも分かるように、3
次の球面収差W40の発生量と、5次の球面収差W60の発
生量とが、開口数NAによって異なるからである。した
がって、現実的には、光透過層4の厚み公差等を考慮し
て、収差が許容範囲内に納まるように、バランス良く補
正を行うことが望まれる。
【0066】そこで、本発明を適用した上記光学ヘッド
1では、コリメータレンズ用アクチュエータ14によっ
てコリメータレンズ13を光軸方向に沿って移動操作す
ることで、バランスの良い補正を実現している。コリメ
ータレンズ13を前後に動かすことで、対物レンズ16
の光入射側の開口数NAが変化し、これにより、球面収
差を補正することができる。
【0067】なお、上記光学ヘッド1において、コリメ
ータレンズ13の射出瞳径は、対物レンズ16の入射瞳
径よりも十分に大きくしておくことが好ましい。これに
より、対物レンズ16の光入射側の開口数NAが変化し
たとしても、対物レンズ16の光出射側の開口数NAは
ほぼ一定に保持され、安定な記録再生が可能となる。
【0068】ところで、上記光学ヘッド1において、コ
リメータレンズ13の光入射側の開口数NAは、主に光
源10から出射された入射レーザ光とのカップリング効
率を上げるという観点から設定され、具体的には、0.
3程度以下に設定することが好ましい。一方、対物レン
ズ16の光出射側の開口数NAは、記録層上に集光され
る光の小径化を図るために大きい方が好ましく、具体的
には、DVDを越えるような高記録密度化及び大容量化
を図ろうとする場合、この開口数NAを0.65程度以
上に設定することが好ましい。
【0069】このように、上記光学ヘッド1では、コリ
メータレンズ13の光入射側の開口数NAを、対物レン
ズ16の光出射側の開口数NAに比較してかなり小さく
設定することが好ましく、このように設定した場合、コ
リメータレンズ13の光軸方向の移動により発生する球
面収差は、主に3次の球面収差W40である。したがっ
て、コリメータレンズ13の移動によって、光透過層4
の厚み誤差Δtに起因する球面収差の全てを完全に除去
することはできない。
【0070】そこで、コリメータレンズ13を移動操作
する際は、収差の二乗平均値が最小となるように、コリ
メータレンズ13の移動先の位置を設定する。具体的に
は、例えば、主光線と周辺光線の光路差を光線追跡法に
より計算し、それらのずれ(すなわち波面収差)の二乗
平均が最小となるようなコリメータレンズ位置を予め算
出しておく。そして、光ディスク2に対して記録再生を
行う際に、光透過層4の厚さtを検出し、その誤差Δt
に応じて、予め算出しておいた位置にコリメータレンズ
用アクチュエータ14によってコリメータレンズ13を
移動させる。
【0071】なお、上記光学ヘッド1では、コリメータ
レンズ13の焦点距離に比べて、コリメータレンズ13
の移動距離が十分に小さくなるようにし、コリメータレ
ンズ13の移動により発生する波面収差Wrmsが0.1
λ程度となるようにすることが好ましい。このようにし
た場合には、コリメータレンズ13の移動量と、当該コ
リメータレンズ13の移動によって生じる球面収差の発
生量とが、ほぼ線形比例するようになるので、コリメー
タレンズ用アクチュエータ14の構成並びにその駆動方
法等を簡略なものとすることができる。換言すれば、コ
リメータレンズ13の焦点距離に比べて、コリメータレ
ンズ13の移動距離が十分に小さくなるようにすること
は、サーボ機構を構成する上で非常に有利である。
【0072】なお、上記光学ヘッド1では、コリメータ
レンズ13を移動操作することで、光透過層4の厚み誤
差Δtに起因する球面収差を補正するようにしたが、光
透過層4の厚み誤差Δtに起因する球面収差の補正に用
いる光学素子は、コリメータレンズでなくてもよい。
【0073】すなわち、本発明において、光透過層4の
厚み誤差Δtに起因する球面収差の補正に用いる光学素
子は、光源10と対物レンズ16との間に配されていれ
ばよく、例えば、光源10とコリメータレンズ13との
間にレンズを配置して、このレンズを光軸に沿って前後
に移動操作するようにしても良いし、また、コリメータ
レンズ13と対物レンズ16との間にレンズを配置し
て、このレンズを光軸に沿って前後に移動操作するよう
にしても良い。或いは、コリメータレンズ13を用いず
に、光源10から出射された光が、発散光のまま対物レ
ンズ16に入射するようにしてもよく、この場合には、
対物レンズ16に入射する発散光の光路中にレンズを配
置して、このレンズを光軸に沿って前後に移動操作する
ようにすればよい。
【0074】ただし、上記光学ヘッド1のように、コリ
メータレンズ13によって球面収差を補正するようにし
た場合、上記光透過層4の厚さtが規定値通りであれ
ば、対物レンズ16に入射する入射レーザ光が平行光と
なるので、対物レンズ16を取り扱いが容易な無限系の
レンズとして扱うことができる。したがって、実際に
は、上記光学ヘッド1のように、コリメータレンズ13
を球面収差補正用の光学素子として用いることが好まし
い。
【0075】また、以上の説明では、光透過層4の厚み
誤差Δtに起因する球面収差を補正する場合を例に挙げ
たが、更に、温度変化等の環境の変化や、光ディスク2
の径方向における傾きや、光透過層4の屈折率nのばら
つきや、光学ヘッド1を構成する光学部材のアライメン
トミスなどを検出し、それらによって生じる収差を補正
するように、収差の補正のために配された光学素子を動
かすようにしてもよい。
【0076】ところで、上記光学ヘッド1において、対
物レンズ16の開口数NAは、更なる高記録密度化を図
るために、DVDの場合よりも更に大きくすることが望
まれており、上述したように、開口数NAを0.65以
上とすることが望ましい。
【0077】しかしながら、対物レンズ16の開口数N
Aを大きくすると、上述したような球面収差の問題ほか
に、コマ収差が大きくなるという問題も生じる。コマ収
差は、例えば、光ディスク2の径方向における傾き(以
下、ラジアルスキューと称する。)によって発生するも
のであり、対物レンズ16の開口数NAの3乗に比例し
て大きくなる。したがって、開口数NAが大きくなるに
従い、コマ収差を抑えることが、より重要となってく
る。
【0078】コマ収差を抑えるためには、光透過層4の
厚さtを薄くすることが効果的である。例えば、DVD
においてラジアルスキューの公差は±0.4°とされて
おり、それと同じ公差を維持するには、光透過層4の厚
さtを下記式(9)を満たすように設定すればよい。
【0079】 t≦0.1296/NA3 ・・・(9) そして、例えば、NA≧0.65のとき、上記式(9)
を満たすのは、t≦0.47mmのときである。したが
って、例えば、上記光学ヘッド1において、対物レンズ
16の開口数NAを0.65以上とする場合には、光透
過層4の厚さtを0.47mm以下とすることが望まし
い。これにより、対物レンズ16の開口数NAを0.6
5以上として高記録密度化を図ったとしても、光透過層
4の厚さtの公差を従来のDVDと同程度に確保するこ
とができる。
【0080】また、上記式(9)から分かるように、対
物レンズ16の開口数NAを更に大きくして、NA≧
0.7としたときには、t≦0.37mmとすることが
望ましく、また、対物レンズ16の開口数NAを更に大
きくして、NA≧0.85としたときには、t≦0.2
1mmとすることが望ましい。
【0081】一般に、ラジアルスキューの公差を厳しく
することは困難であり、たとえ実現したとしても、大幅
なコストアップを招いてしまう。しかしながら、上述の
ように、開口数NAの増大に合わせて光透過層4の厚さ
tを十分に薄くすることで、対物レンズ16の開口数N
Aを大きくして高記録密度化を図ったとしてもラジアル
スキューの公差をDVDと同程度に確保することができ
る。したがって、上述のように、開口数NAの増大に合
わせて光透過層4の厚さtを十分に薄くすることによ
り、ラジアルスキューの公差を厳しくすることなく(す
なわち大幅なコストアップを招くことなく)、更なる高
記録密度化を実現することができる。
【0082】<記録及び/又は再生装置>つぎに、本発
明を適用した記録及び/又は再生装置の実施の形態につ
いて、図2に示すように、上述した光学ヘッド1を備
え、上述した光ディスク2に対して記録再生を行う記録
再生装置30を例に挙げて説明する。
【0083】なお、ここでは、相変化型の光ディスク2
に対して記録再生を行う記録再生装置30を例に挙げる
が、本発明は、光学ヘッドを備えた記録及び/又は再生
装置に対して広く適用可能であり、記録及び/又は再生
の対象となる情報記録媒体は、再生専用光ディスク、光
磁気ディスク又は光カード等であってもよい。
【0084】この記録再生装置30は、光ディスク2を
回転駆動させるスピンドルモータ31と、情報信号の記
録再生を行う際に使用される上記光学ヘッド1と、光学
ヘッド1を動かすための送りモータ32と、所定の変復
調処理を行う変復調回路33と、光学ヘッド1のサーボ
制御等を行うサーボ制御回路34と、システム全体の制
御を行うシステムコントローラ35とを備えている。
【0085】スピンドルモータ31は、サーボ制御回路
34により駆動制御され、所定の回転数で回転駆動され
る。すなわち、記録再生の対象となる光ディスク2は、
スピンドルモータ31にチャッキングされ、サーボ制御
回路34により駆動制御されるスピンドルモータ31に
よって、所定の回転数で回転駆動される。
【0086】光学ヘッド1は、情報信号の記録再生を行
う際、上述したように、回転駆動される光ディスク2に
対してレーザ光を照射し、その戻り光を検出する。この
光学ヘッド1は、変復調回路33に接続されている。そ
して、情報信号の記録を行う際、外部回路36から入力
され変復調回路33によって所定の変調処理が施された
信号が光学ヘッド1に供給され、光学ヘッド1は、変復
調回路33から供給された信号に基づいて、光ディスク
2に対して、光強度変調が施されたレーザ光を照射す
る。また、情報信号の再生を行う際、光学ヘッド1は、
回転駆動される光ディスク2に対して、一定出力のレー
ザ光を照射し、その戻り光から再生信号を生成し、当該
再生信号を変復調回路33に供給する。
【0087】また、この光学ヘッド1は、サーボ制御回
路34にも接続されている。そして、情報信号の記録再
生時に、回転駆動される光ディスク2によって反射され
て戻ってきた戻り光から、上述したように、フォーカス
サーボ信号及びトラッキングサーボ信号を生成し、それ
らのサーボ信号をサーボ制御回路34に供給する。
【0088】変復調回路33は、システムコントローラ
35及び外部回路36に接続されている。そして、この
変復調回路33は、情報信号を光ディスク2に記録する
際は、システムコントローラ35による制御のもとで、
光ディスク2に記録する信号を外部回路36から受け取
り、当該信号に対して所定の変調処理を施す。そして、
変復調回路33によって変調された信号は、光学ヘッド
1に供給される。また、この変復調回路33は、情報信
号を光ディスク2から再生する際は、システムコントロ
ーラ35による制御のもとで、光ディスク2から再生さ
れた再生信号を光学ヘッド1から受け取り、当該再生信
号に対して所定の復調処理を施す。そして、変復調回路
33によって復調された信号は、変復調回路33から外
部回路36へ出力される。
【0089】送りモータ32は、情報信号の記録再生を
行う際、光学ヘッド1を光ディスク2の径方向の所定の
位置に送るためのものであり、サーボ制御回路34から
の制御信号に基づいて駆動される。すなわち、この送り
モータ32は、サーボ制御回路34に接続されており、
サーボ制御回路34により制御される。
【0090】サーボ制御回路34は、システムコントロ
ーラ35による制御のもとで、光学ヘッド1が光ディス
ク2に対向する所定の位置に送られるように、送りモー
タ32を制御する。また、サーボ制御回路34は、スピ
ンドルモータ31にも接続されており、システムコント
ローラ35による制御のもとで、スピンドルモータ31
の動作を制御する。すなわち、サーボ制御回路34は、
情報信号の記録再生時に、光ディスク2が所定の回転数
で回転駆動されるように、スピンドルモータ31を制御
する。また、サーボ制御回路34は、光学ヘッド1にも
接続されており、情報信号の記録再生時に、光学ヘッド
1からサーボ信号を受け取り、当該サーボ信号に基づい
て、光学ヘッド1に搭載された対物レンズ用2軸アクチ
ュエータ17によるフォーカスサーボ及びトラッキング
サーボの制御を行う。
【0091】更に、本発明を適用した記録再生装置30
において、サーボ制御回路34は、フォーカスサーボ信
号に基づいて光ディスク2の光透過層4の厚さtを検出
する厚さ検出手段としても機能する。以下、サーボ制御
回路34による光透過層4の厚さ検出方法について説明
する。
【0092】光学ヘッド1の光検出器19からサーボ制
御回路34に送られるフォーカスサーボ信号には、フォ
ーカス引き込み信号と、フォーカスエラー信号とがあ
る。フォーカス引き込み信号は、光ディスク2によって
反射された戻り光全体の光量を示す信号であり、対物レ
ンズ16をフォーカス位置近傍に移動させるために使用
される。一方、フォーカスエラー信号は、フォーカス引
き込み信号に基づいて対物レンズ16がフォーカス位置
近傍に移動された後、対物レンズ16をジャストフォー
カス位置に保持するための信号である。
【0093】なお、上記記録再生装置30では、非点収
差法によりフォーカスエラー信号を得ている。非点収差
法は、戻り光の集束光路中に、ガラス材等からなる平行
平板や円筒レンズ等の光学素子を配し、意図的に大きな
非点収差を発生させ、最小錯乱円前後のビーム形状を検
出し、フォーカスエラー信号を得る方法である。
【0094】ここで、非点収差法について、図3に示す
ように、非点収差を発生させる光学素子として平行平板
20を用いた場合を例に挙げて説明する。なお、図1に
示した光学ヘッド1では、非点収差を発生させる光学素
子としてマルチレンズ18を用いているが、ここでは、
簡単のために、非点収差を発生させる光学素子として平
行平板20を用いた場合を例に挙げる。
【0095】図3に示すように、非点収差を発生させる
光学素子として平行平板20を用いた場合の非点収差量
δyは、光学戻りの開口の角度をθとし、有限光中に配
置された平行平板20の屈折率をn、その厚さをtとし
たとき、下記式(10)のように表される。
【0096】 δy={(n2−1)sin2θ×t}/(n2−sin2θ)3/2 ・・・(10) そして、非点収差法によりフォーカスエラー信号を検出
する際は、このように非点収差が与えられた光を、光検
出器によって検出する。図4乃至図6に、非点収差法に
よりフォーカスエラー信号を検出する光検出器の受光部
を示す。この受光部21は、矩形状とされ、互いに直交
する2本の分割線によって4分割されている。レーザ光
が光ディスクの記録層上にジャストフォーカスしている
場合に、受光部21上のビームスポット22が最小錯乱
円となるように光検出器をセットすると、非合焦状態で
は、受光部21上のビームスポット22が楕円形状に変
わる。したがって、受光部21の4分割された領域をそ
れぞれA,B,C,Dとすると、フォーカスエラー信号
FEは、受光部21が受けた光量を電流−電圧変換増幅
器によって増幅演算することにより、FE=(A+C)
−(B+D)の電圧信号として得られる。
【0097】例えば、レーザ光が光ディスクの記録層上
に合焦している場合、図4に示すように、受光部21上
のビームスポット22の形状は略円形状である。そし
て、受光部21の各領域における受光光量は(A+C)
=(B+D)となり、FE=0となる。
【0098】また、光ディスクの記録層がレーザ光の合
焦点よりも近い位置にある場合、図5に示すように、受
光部21上のビームスポット22の形状は楕円形とな
る。そして、受光部の各領域における受光光量は(A+
C)<(B+D)となり、FE<0となる。
【0099】また、光ディスクの記録層がレーザ光の合
焦点よりも遠い位置にある場合、図6に示すように、受
光部21上のビームスポット22の形状は楕円形とな
る。そして、受光部21の各領域における受光光量は
(A+C)>(B+D)となり、FE>0となる。
【0100】このようにして得られるフォーカスエラー
信号は、横軸にフォーカスずれ量をとり、縦軸に当該フ
ォーカスエラー信号の出力をとると、一般に図7に示す
ようなS字状の曲線となる。そして、このS字曲線の中
心に位置するゼロ点がジャストフォーカス点となる。な
お、このS字曲線の一方のピークPaから他方のピーク
Pbまでの範囲Waは、一般にフォーカス引き込み範囲
と称される。
【0101】そして、上記光学ヘッド1において、フォ
ーカスサーボを行うときには、先ず、フォーカス引き込
み信号を検出しながら、対物レンズ用2軸アクチュエー
タ17を駆動して、対物レンズ16を光軸に沿って前後
に移動させる。そして、フォーカス引き込み信号に基づ
いて、対物レンズ16の焦点が記録層の近傍に位置する
ようにする。そして、対物レンズ16の焦点が記録層の
近傍に位置し、対物レンズ16の位置がフォーカス引き
込み範囲に入ったら、その後は、フォーカスエラー信号
に基づいて、常にジャストフォーカス位置となるように
(すなわち、フォーカスエラー信号が常にゼロ点となる
ように)、対物レンズ用2軸アクチュエータ17によっ
て対物レンズ16を光軸に沿って前後に移動させる。こ
れにより、常に記録層に焦点が合った状態となる。
【0102】以上がフォーカスサーボの原理である。そ
して、従来の記録再生装置では、以上のようなフォーカ
スサーボを行うために、記録層によって反射された戻り
光によるフォーカスエラー信号を用いている。しかしな
がら、入射レーザ光は、記録層で反射されるだけでな
く、光ディスク2の表面、すなわち光透過層4の表面で
も、若干反射する。そして、フォーカスエラー信号に
は、光透過層4の表面で反射された戻り光によっても、
図7に示したようなS字曲線が現れる。なお、以下の説
明では、フォーカスエラー信号に現れるS字曲線のう
ち、光ディスク2の光透過層4の表面で反射された戻り
光によるものを第1のS字曲線と称し、光ディスク2の
記録層で反射された戻り光によるものを第2のS字曲線
と称する。
【0103】そして、本発明を適用した記録再生装置3
0では、このような第1のS字曲線と第2のS字曲線と
が現れるフォーカスエラー信号に基づいて、光透過層4
の厚さtを検出する。すなわち、本発明を適用した記録
再生装置30では、記録再生を行う前に、対物レンズ1
6の焦点位置が光透過層4の表面から記録層に至るま
で、対物レンズ用2軸アクチュエータ17によって対物
レンズ16を光軸に沿って前後に動かし、このときの対
物レンズ16の移動速度とフォーカスエラー信号に現れ
る第1及び第2のS字曲線とに基づいて、光透過層4の
厚さtを検出する。
【0104】具体例を図8を用いて説明する。なお、図
8は、対物レンズ16を光軸に沿って光ディスク2に近
づける方向に移動させたときのフォーカスエラー信号の
出力を示しており、横軸は時間、縦軸はフォーカスエラ
ー信号の出力を示している。
【0105】また、図8において、W1は、対物レンズ
16が第1のS字曲線におけるフォーカス引き込み範囲
を通過するのに要した時間である。すなわち、W1は、
対物レンズ16の移動によって、フォーカスエラー信号
が第1のS字曲線における最大値から最小値に至るまで
に要した時間である。また、P1は、光ディスク2の光
透過層4の表面に焦点が合っているポイント、すなわち
光透過層4の表面に対するジャストフォーカス点であ
る。
【0106】また、図8において、W2は、対物レンズ
16が第2のS字曲線におけるフォーカス引き込み範囲
を通過するのに要した時間である。すなわち、W2は、
対物レンズ16の移動によって、フォーカスエラー信号
が第2のS字曲線における最大値から最小値に至るまで
に要した時間である。また、P2は、光ディスク2の記
録層に焦点が合っているポイント、すなわち記録層に対
するジャストフォーカス点である。
【0107】また、図8において、W3は、光ディスク
2の光透過層4の表面に焦点が合っているポイントP1
から、光ディスク2の記録層に焦点が合っているポイン
トP2に至るまでに要した時間である。
【0108】このとき、フォーカス引き込み範囲の長さ
をAとすると、光透過層4の厚さtは、下記式(11)
で表される。なお、フォーカス引き込み範囲の長さA
は、現在の多くの光学ヘッドでは、20μm程度に設定
されている。
【0109】 t=W3×{(A/W12+(A/W221/2 ・・・(11) そして、本発明を適用した記録再生装置30において、
サーボ制御回路34は、上記式(11)に基づいて光透
過層4の厚さtを求める。これにより、上記記録再生装
置30において、サーボ制御回路34は、光ディスク2
の光透過層4の厚さtを検出する厚さ検出手段として機
能することとなる。
【0110】なお、このような光透過層4の厚さtの検
出は、1回だけ行うようにしてもよいが、複数回繰り返
し行い、それらの平均を求めるようにすることが好まし
い。すなわち、光透過層4の厚さtを検出する際は、対
物レンズ用2軸アクチュエータ17を所定の周波数(例
えば100〜200Hz程度)にて繰り返し前後に移動
させて、繰り返し光透過層4の厚さtを求め、それらの
平均を求めるようにすることが好ましい。これにより、
光透過層4の厚さtの検出をより精度良く行うことがで
きる。
【0111】そして、以上のように光透過層4の厚さt
を検出したサーボ制御回路34は、コリメータレンズ用
アクチュエータ14によってコリメータレンズ13を移
動させて光透過層4の厚み誤差に起因する球面収差を最
小とするように、光学ヘッド1に制御信号を送出する。
そして、光学ヘッド1は、この制御信号に基づいて、光
透過層4の厚み誤差に起因する球面収差が最小となるよ
うに、コリメータレンズ用アクチュエータ14によって
コリメータレンズ13を移動させる。そして、記録再生
装置30は、以上のように光透過層3の厚み誤差に起因
する球面収差を補正した上で、従来の記録再生装置と同
様に記録再生動作を行う。
【0112】以上のように、本発明を適用した記録再生
装置30では、記録再生を行う前に、光透過層4の厚さ
tを測定し、その厚み誤差に起因する球面収差を補正す
るようにしている。したがって、光ディスク2の光透過
層4に厚み誤差があったとしても、球面収差の発生が抑
えられ、良好な状態で記録再生を行うことができる。
【0113】<光学ヘッドの他の構成例>本発明を適用
した光学ヘッドは、光透過層の厚さに応じて、所定の屈
折力を有する光学素子を、球面収差を打ち消すように移
動させるようになされていれば良く、図1に示した構成
に限定されるものではない。以下、本発明を適用した光
学ヘッドの他の構成例を、図9乃至図11を参照して説
明する。
【0114】図9に示す光学ヘッド100は、相変化型
の光ディスク101に対して記録再生を行う際に使用さ
れる光学ヘッドである。この光学ヘッド100によって
記録再生がなされる光ディスク101は、基板102の
上に、相変化によって情報信号を記録する記録層が形成
されるとともに、この記録層上に、光透過層103が形
成されてなる。そして、この光ディスク101は、光透
過層103の側から光を入射させて、記録再生を行うよ
うになっている。
【0115】この光学ヘッド100は、光ディスク10
1の光透過層103の厚みを検出する第1の光学系10
4と、光ディスク101に情報の記録再生を行う第2の
光学系105とを備えている。そして、第2の光学系1
05は、光ディスク101に情報の記録再生を行う際
に、第1の光学系104で検出された光ディスク101
の光透過層103の厚みに基づいて、光ディスク101
の光透過層103の厚み誤差に起因する球面収差を補正
する。
【0116】第1の光学系104は、光源106と、偏
光ビームスプリッタ107と、コリメータレンズ108
と、対物レンズ109と、光検出器110とを備えてい
る。
【0117】光源106は、光ディスク101に向かっ
て光を出射する。この光源106には、波長が635n
m〜650nm程度の短波長レーザを発する半導体レー
ザが用いられる。光源106から出射されたレーザ光
は、偏光ビームスプリッタ107で反射され、コリメー
タレンズ108に入射する。
【0118】コリメータレンズ108に入射したレーザ
光は、当該コリメータレンズ108によって平行光とさ
れる。このコリメータレンズ108は、例えば、2枚の
球面レンズ108a,108bが貼り合わされてなる。
そして、コリメータレンズ108で平行光とされたレー
ザ光は、対物レンズ109に入射する。
【0119】対物レンズ109に入射したレーザ光は、
当該対物レンズ109によって集光され、光透過層10
3を介して光ディスク101の記録層上に入射する。ま
た、この対物レンズ109は、2軸アクチュエータ11
1に搭載されており、光軸方向及び光軸に垂直な方向に
沿って移動可能となされている。
【0120】上述のように対物レンズ109によって集
光され光ディスク101の記録層に入射したレーザ光
は、記録層で反射されて戻り光となる。この戻り光は、
元の光路を辿って対物レンズ109を透過した後、コリ
メータレンズ108によって収束光とされる。そして、
偏光ビームスプリッタ107を透過して光検出器110
に入射し、この光検出器110によって検出される。
【0121】このような第1の光学系104では、上述
したように、光ディスク101の光透過層103の表面
及び記録層におけるフォーカスエラー信号から、光ディ
スク101の光透過層103の厚さを検出する。
【0122】また、第2の光学系105は、光源112
と、シリンドリカルレンズ113と、偏光ビームスプリ
ッタ114と、コリメータレンズ115と、回折格子1
16と、立ち上げミラー117と、1/4波長板118
と、2群対物レンズ119と、光検出器120とを備え
る。
【0123】光源112は、光ディスク101に向かっ
て光を出射する。この光源112には、波長が400n
m〜650nm程度の短波長レーザを発する半導体レー
ザが用いられる。光源112から出射されたレーザ光
は、シリンドリカルレンズ113に入射する。
【0124】シリンドリカルレンズ113に入射したレ
ーザ光は、当該シリンドリカルレンズ113によってビ
ーム整形される。そして、シリンドリカルレンズ113
によってビーム整形されたレーザ光は、偏光ビームスプ
リッタ114を透過してコリメータレンズ115に入射
する。
【0125】コリメータレンズ115に入射したレーザ
光は、光ディスク101の光透過層103の厚さが規定
値通りの場合には、当該コリメータレンズ115によっ
て平行光とされる。なお、このコリメータレンズ115
は、例えば、2枚の球面レンズ115a,115bが貼
り合わされてなる。また、このコリメータレンズ115
は、コリメータレンズ用アクチュエータ121に搭載さ
れており、このコリメータレンズ用アクチュエータ12
1によって、入射レーザ光の光軸に沿って前後に移動可
能とされている。
【0126】そして、このコリメータレンズ115は、
光ディスク101の光透過層103の厚さが規定値から
外れている場合には、当該光透過層103の厚み誤差に
起因する球面収差を補正するように、コリメータレンズ
用アクチュエータ121によって移動操作される。すな
わち、光ディスク101の光透過層103の厚さが規定
値から外れている場合、レーザ光は、光透過層103の
厚み誤差に起因する球面収差を補正するように、コリメ
ータレンズ115によって発散光或いは収束光とされ
る。そして、コリメータレンズ115から出射したレー
ザ光は、回折格子116に入射する。
【0127】回折格子116に入射したレーザ光は、当
該回折格子116によって回折されて3ビームとされ
る。この回折格子116は、いわゆる3スポット法によ
るトラッキングサーボを可能とするために、レーザ光を
少なくとも3つに分割するためのものである。そして、
回折格子116から出射したレーザ光は、立ち上げミラ
ー117によってその進行方向を折り曲げられて1/4
波長板118に入射する。
【0128】1/4波長板118に入射したレーザ光
は、当該1/4波長板118によって直線偏光から円偏
光とされる。そして、1/4波長板118から出射した
レーザ光は、2群対物レンズ119に入射する。
【0129】2群対物レンズ119に入射したレーザ光
は、当該2群対物レンズ119によって集光され、光透
過層103を介して光ディスク101の記録層上に入射
する。なお、この2群対物レンズ119は、例えば、2
枚のレンズ119a,119bからなる。また、この2
群対物レンズ119は、2軸アクチュエータ111に搭
載されており、光軸方向及び光軸に垂直な方向に沿って
移動可能となされている。
【0130】上述のように2群対物レンズ119によっ
て集光され光ディスク101の記録層に入射した入射レ
ーザ光は、記録層で反射されて戻り光となる。この戻り
光は、元の光路を辿って2群対物レンズ119を透過し
た後、コリメータレンズ115によって収束光とされた
後、偏光ビームスプリッタ114で反射して光検出器1
20に入射し、この光検出器120によって検出され
る。
【0131】また、この第2の光学系105は、図9に
示すように、偏光ビームスプリッタ114により反射さ
れたレーザ光を集光する集光レンズ122と、この集光
レンズ122により集光されたレーザ光を受光して、そ
の受光量に基づいて、光源112から出射されるレーザ
光の出力を自動調整する出力調整用光検出器123とを
備えている。
【0132】そして、この光学ヘッド100では、第1
の光学系104の対物レンズ109と、第2の光学系1
05の2群対物レンズ119とが、2軸アクチュエータ
111に搭載されて、2軸方向に駆動変位することによ
り、光ディスク101に対するトラッキング制御及びフ
ォーカス制御が行われる。
【0133】図10及び図11に、2軸アクチュエータ
111の一構成例を示す。この2軸アクチュエータ11
1は、対物レンズ109と2群対物レンズ119とが取
り付けられるボビン130と、このボビン130を互い
に直交する2軸方向に移動させる電磁駆動機構131と
を備えている。
【0134】ボビン130は、図10及び図11に示す
ように、天板を有する略円筒状に形成され、中心部を支
軸132によって支持されている。そして、ボビン13
0は、支軸132の軸線方向に摺動可能であって支軸1
32の軸回り方向に回動可能に支持されている。このボ
ビン130には、対物レンズ109と2群対物レンズ1
19とが、支軸132を挟んで点対称な位置に配され、
光軸が互いに平行となるように設けられている。
【0135】ボビン130を駆動変位させる電磁駆動機
構131は、図10及び図11に示すように、フォーカ
シング用マグネット133及びフォーカシング用ヨーク
134,135と、トラッキング用マグネット136及
びトラッキング用ヨーク137,138とを有する磁気
回路と、フォーカシング用コイル139及びトラッキン
グ用コイル140とを備えて構成されている。
【0136】また、この電磁駆動機構131のトラッキ
ング用コイル140の内方には、図11に示すように、
ボビン130の中立位置を位置決めするための金属片1
41が固定されて設けられている。ボビン130は、金
属片141が単面2極分割されたトラッキング用マグネ
ット136の2極の境界に引きつけられることによっ
て、第2の方向であるトラッキング方向の中立位置に位
置決めされるとともに、第1の方向であるフォーカス方
向の中立位置に位置決めされる。また、ボビン130
は、支軸132が立設された支持基台142上に、弾性
を有するゴム等によって構成された中立点支持機構によ
って中立位置に保持される。
【0137】このように中立位置に保持されたボビン1
30は、電磁駆動機構131によって駆動変位されるこ
とによって支軸132の軸線方向に摺動され、さらに支
軸132の軸回り方向に回動される。
【0138】すなわち、この電磁駆動機構131は、フ
ォーカシング用コイル139にフレキシブル基板143
を介してフォーカスエラー信号が供給されることによ
り、ボビン130を支軸132の軸線方向に駆動変位さ
せる。そして、ボビン130が支軸132の軸線方向に
摺動変位されることによって、2群対物レンズ119及
び2群対物レンズ119の光ディスク101に対するフ
ォーカス制御が行われる。
【0139】また、この電磁駆動機構131は、トラッ
キング用コイル140にフレキシブル基板143を介し
てトラッキングエラー信号が供給されることにより、ボ
ビン130を支軸132の軸回り方向に回動変位させ
る。そして、ボビン130が支軸132の軸回り方向に
回動変位されることによって、対物レンズ109及び2
群対物レンズ119の光ディスク101に対するトラッ
キング制御が行われる。
【0140】なお、この光学ヘッド100では、フォー
カスサーボ方法として、いわゆる非点収差法が用いられ
ており、トラッキングサーボ方法として、いわゆる3ス
ポット法が用いられている。非点収差法は、光ディスク
からの反射レーザ光を例えばシリンドリカルレンズを介
して検出領域が4分割された光検出器によって検出し、
各検出領域から得られる検出出力の和及び/又は差を求
めることによって、レーザ光の記録層に対する合焦ずれ
成分であるフォーカスエラー信号を得るようにしたもの
である。
【0141】また、3スポット法は、光源から出射され
る1本のレーザ光を回折格子等を用いて、1本の主レー
ザ光(0次光)と2本の副レーザ光(±1次光)に分割
し、記録トラックの中心に照射される主レーザ光の前後
に2本の副レーザ光を照射する。主レーザ光の前後に照
射された副レーザ光の反射レーザ光を、2つの受光部を
有する光検出器により検出し、各受光部から得られる検
出出力の差を求めることによって、主レーザ光の記録ト
ラックに対するずれ成分であるトラッキングエラー信号
を得るようにしたものである。
【0142】このような光学ヘッド100を用いて、光
ディスク101からの再生を行う場合には、まず、第1
の光学系104で、光ディスク101の光透過層103
の表面及び記録層におけるフォーカスエラー信号から、
光ディスク101の光透過層103の厚さを検出する。
すなわち、この第1の光学系104では、上述したよう
に、対物レンズ109の焦点位置が光透過層103の表
面から記録層に至るまで、2軸アクチュエータ111に
よって対物レンズ109を光軸に沿って前後に動かし、
このときの対物レンズ109の移動速度と、フォーカス
エラー信号に現れる第1のS字曲線及び第2のS字曲線
とに基づいて、上述した式(11)から光透過層103
の厚さを検出する。
【0143】そして、第1の光学系104で検出された
光ディスク101の光透過層103の厚みは、図示しな
い制御回路によって演算されて予め決められたテーブル
や関数に従って判定される。光透過層103の厚みを判
定した制御回路は、光ディスク101の厚み誤差に起因
する球面収差を補正するための動作を決定し、その動作
を指示する制御信号を第2の光学系105に送出する。
そして、第2の光学系105では、この制御信号に基づ
いて、光透過層103の厚み誤差に起因する球面収差が
最小となるように、コリメータレンズ用アクチュエータ
121によってコリメータレンズ115を関数的に若し
くは段階的に移動させる。
【0144】そして、第2の光学系105では、以上の
ように光透過層103の厚み誤差に起因する球面収差を
補正した上で、光ディスク101に対して記録再生動作
を行う。このように、コリメータレンズ用アクチュエー
タ121によってコリメータレンズ115を最適位置へ
動かすことにより、光透過層103の厚みの誤差によっ
て発生する球面収差を補正し、良好な信号を得ることが
できる。
【0145】また、第2の光学系105において光ディ
スク101を再生する場合、第1の光学系104は、第
2の光学系105におけるワーキングディスタンス、す
なわち、光ディスク101と2群対物レンズ119との
間隔を検出するための光学系として機能する。
【0146】第2の光学系105では、2群対物レンズ
119を光軸方向に沿って動かすことによりフォーカス
引き込み動作を行うが、2群対物レンズ119が高開口
数であるため、フォーカス引き込み範囲が狭く、光ディ
スク101と2群対物レンズ119との間の作動距離が
例えば0.5mm以下とされている。そのため、光ディ
スク101に面揺れが生じたり、光ディスク101の高
さが基準よりもずれていたりすると、フォーカス引き込
み動作時に、光ディスク101と2群対物レンズ119
とが衝突する恐れがある。
【0147】そのため、第2の光学系105でフォーカ
ス引き込み動作を行う際に、第1の光学系104を補助
的に用いることで、光ディスク101と2群対物レンズ
119との衝突を防止する。
【0148】すなわち、第2の光学系105でフォーカ
ス引き込み動作を行う際、第1の光学系104も、光源
106から出射したレーザ光を光ディスク101に照射
し、その反射光を光検出器110によって受光すること
で、フォーカスエラー信号を検出する。このフォーカス
エラー信号に基づいて、第1の光学系104の対物レン
ズ109と共通のボビン130に搭載されている2群対
物レンズ119のおよその位置を検出する。そして、上
記光学ヘッド100では、このように第1の光学系10
4で検出した2群対物レンズ119の位置情報に基づい
て、2軸アクチュエータ111を動作させることで、光
ディスク101と2群対物レンズ119との衝突を防止
する。
【0149】なお、第1の光学系104のフォーカス引
き込み範囲を2群対物レンズ119が大きく外れてしま
ったときには、第1の光学系104でもフォーカスエラ
ー信号が得られなくなってしまう。その場合は、例え
ば、第1の光学系104により光ディスク101からの
反射光全体を検出し、そのレベルに基づいて2群対物レ
ンズ119を第1の光学系104のフォーカス引き込み
範囲に引き入れる。
【0150】このように、この光学ヘッド100では、
第2の光学系105で光ディスク101の再生を行う際
に、第1の光学系104をフォーカス引き込みの補助光
学系として使用することで、光ディスク101の面揺れ
や高さずれ等があっても、光ディスク101に2群対物
レンズ119が衝突することなく、確実にフォーカス引
き込みを行うことができる。
【0151】なお、第1の光学系104におけるフォー
カス引き込みの補助機能及びワーキングディスタンスの
検出方法は、非点収差法以外の方法、例えば差動同心円
法等によるものであってもよい。
【0152】<コリメータレンズの移動手段の構成例>
上記光学ヘッド1では、光ディスク2の光透過層4の厚
さに応じて球面収差を打ち消すようにコリメータレンズ
13を移動させる移動手段として、コリメータレンズ用
アクチュエータ14を用いていた。また、上記光学ヘッ
ド100では、光ディスク101の光透過層103の厚
さに応じて球面収差を打ち消すようにコリメータレンズ
115を移動させる移動手段として、コリメータレンズ
用アクチュエータ121を用いていた。以下、このよう
な移動手段(以下、レンズ駆動機構と称する。)の具体
的な構成例を図12及び図13を参照して説明する。
【0153】図12及び図13に示すレンズ駆動機構1
60は、情報記録媒体の光透過層の厚さに応じて球面収
差を打ち消すようにコリメータレンズを移動させるため
のものであり、光軸に対して平行に配置された基準軸1
61と、光軸に対して平行に配置された副基準軸162
と、これらの基準軸161,162によって支持された
コリメータレンズホルダ163とを備えている。
【0154】基準軸161及び副基準軸162は、光学
ヘッドの固定部に取り付けられて固定される。また、コ
リメータレンズホルダ163は、これらの基準軸16
1,162に対して光軸方向に摺動移動可能に支持され
る。そして、球面収差を打ち消すように移動操作される
コリメータレンズは、このコリメータレンズホルダ16
3に搭載される。すなわち、このレンズ駆動機構160
は、コリメータレンズホルダ163を基準軸161及び
副基準軸162に沿って前後に動かすことで、コリメー
タレンズホルダ163に搭載されたコリメータレンズを
光軸方向に対して平行に前後に動かす。
【0155】また、このレンズ駆動機構160は、コリ
メータレンズホルダ163を基準軸161及び副基準軸
162に沿って前後に動かす駆動機構として、コリメー
タレンズホルダ163を動かす駆動源となるDCモータ
164と、DCモータ164の回転を光軸方向に沿った
平行移動に変換してコリメータレンズホルダ163に伝
達するギヤ機構165とを備えている。そして、DCモ
ータ164の回転をギヤ機構165によって光軸方向に
沿った平行移動へと変換してコリメータレンズホルダ1
63を動かすことで、情報記録媒体の光透過層の厚さに
応じて、球面収差を打ち消すようにコリメータレンズを
移動させる。
【0156】上記ギヤ機構165は、コリメータレンズ
ホルダ163に取り付けられたラック166と、DCモ
ータ164の回転力を伝達するためにDCモータ164
の回転軸に取り付けられた第1のギヤ167と、DCモ
ータ164の回転を光軸方向に沿った平行移動に変換す
るための第2のギヤ168と、第2のギヤ168によっ
て光軸方向に沿った平行移動に変換された駆動力をラッ
ク166に伝達するための第3のギヤ169とを備え
る。
【0157】なお、このレンズ駆動機構160は、光学
ヘッドの固定部に取り付けられる台座170を備えてお
り、DCモータ164、第2のギヤ168及び第3のギ
ヤ169は、台座170に取り付けられている。また、
第3のギヤ169から駆動力が伝達されるラック166
は、ラック166と第3のギヤ169との間のバックラ
ッシを除去するために、2枚のラック166a,166
bが重ね合わされた2枚構造となっており、それらのラ
ック166a,166bがバネ171により連結されて
いる。
【0158】このレンズ駆動機構160で、コリメータ
レンズを移動操作する際は、DCモータ164を回転さ
せる。これにより、第1のギヤ167が回転する。この
第1のギヤ167の回転は、第2のギヤ168に伝達さ
れ、光軸方向に沿った平行移動に変換される。第2のギ
ヤ168によって光軸方向に沿った平行移動に変換され
た駆動力は、第3のギヤ169を介してラック166に
伝達される。
【0159】ここで、ラック166はコリメータレンズ
ホルダ163に取り付けられており、コリメータレンズ
ホルダ163は基準軸161,162に対して光軸方向
に摺動移動可能に支持されている。したがって、第3の
ギヤ169を介してラック166に伝達された駆動力に
より、コリメータレンズホルダ163は、光軸方向に移
動することとなる。これにより、コリメータレンズホル
ダ163に搭載されたコリメータレンズが、光軸方向に
移動操作されることとなる。
【0160】以上のようなレンズ駆動機構160では、
コリメータレンズの移動を精度良く行うことができる。
したがって、このようなレンズ駆動機構160を用いる
ことで、光透過層の厚さのばらつきに起因する球面収差
を非常に良く打ち消すことが可能となる。
【0161】例えば、上記レンズ駆動機構160におい
て、DCモータ164としてパルス駆動型ステッピング
モータを用い、1パルスでの回転でコリメータレンズの
移動距離が13.8μmとなるようにしたとする。これ
を後述する実施例1の光学系に採用した場合、DCモー
タの1パルスでの回転による球面収差補正量は、光透過
層の厚さムラに換算すると約0.2μm相当となる。こ
れは、光透過層の厚さのばらつきに起因する球面収差を
補正するには十分な値である。
【0162】しかも、以上のようなレンズ駆動機構16
0は、比較的に簡易な構成なので、小型化しやすく、し
かも製造コストで少なくてすむという利点もある。
【0163】
【実施例】以下、本発明を適用した光学ヘッドの光学系
の要部について、その具体的な実施例を説明する。
【0164】なお、以下の説明では、コリメータレンズ
を含む往路光学系の具体例を挙げ、当該コリメータレン
ズの移動によって成される球面収差の補正について説明
するが、コリメータレンズの移動距離やその精度は、通
常の設計においては、対物レンズの設計によらず、対物
レンズの光出射側の開口数NAと、光ディスクの記録層
上に形成された光透過層の厚さとにだけ依存する。した
がって、以下の説明において、対物レンズについては、
光出射側の開口数NAについてだけ具体的な数値を挙
げ、その他のレンズデータは省略する。
【0165】また、以下の説明では、コリメータレンズ
として球面貼り合わせレンズを使用した例(実施例1)
と、コリメータレンズとして表面位相型のホログラムレ
ンズを使用した例(実施例2)とを挙げるが、本発明に
おいて、コリメータレンズには任意のものが使用可能で
ある。すなわち、コリメータレンズとして、例えば、非
球面レンズやフレネルレンズ等も使用可能であるし、或
いは、いわゆる体積位相型のホログラムレンズ等も使用
可能である。
【0166】<実施例1>本実施例の光学系を図14に
示す。この光学系は、基板50aの表面に記録層が形成
され当該記録層上に光透過層50bが形成されてなる光
ディスク50に対して記録再生を行う際に使用される光
学ヘッドの光学系の要部であり、光源と対物レンズ51
との間に、回折格子52と、偏光ビームスプリッタ53
と、コリメータレンズ54と、開口絞り55とが配され
てなる。ここで、コリメータレンズ54は、色消しのた
めに、球面レンズからなる第1のレンズ54aと、球面
レンズからなる第2のレンズ54bとを貼り合わせた球
面貼り合わせレンズであり、その光入射側の開口数NA
は0.14とされている。
【0167】この光学系のレンズデータを表1に示す。
なお、表1では、この光学系のレンズデータについて、
物体面をOBJ、回折格子52の光入射面をs1、回折
格子52の光出射面をs2、偏光ビームスプリッタ53
の光入射面をs3、偏光ビームスプリッタ53の光出射
面をs4、コリメータレンズ54を構成する第1のレン
ズ54aの光入射面をs5、コリメータレンズ54を構
成する第1のレンズ54aと第2のレンズ54bとの貼
り合わせ面をs6、コリメータレンズ54を構成する第
2のレンズ54bの光出射面をs7として示している。
また、s8はダミー面であり、STOは、対物レンズ5
1に対応した開口絞り55である。
【0168】
【表1】
【0169】ここで、光ディスク50の光透過層50b
の厚さは0.1mm、対物レンズ51の開口数NAは
0.85、使用する光の波長λは635nmとする。そ
して、この光学系の物像間の倍率は0.1891であ
る。
【0170】以上のような光学系について、光透過層5
0bの厚み誤差と、波面収差との関係を図15に示す。
なお、図15において、波面収差については、射出瞳面
上での標準偏差WFErmsを、使用する光の波長をλと
して示している。また、図15において、点線A1は、
コリメータレンズ54を動かしていない場合(すなわ
ち、球面収差の補正を行っていない場合)について、光
透過層50bの厚み誤差と波面収差との関係を示してい
る。また、図15において、実線A2は、点線A3に示
すように光透過層50bの厚み誤差に応じてコリメータ
レンズ54を動かした場合(すなわち、球面収差の補正
を行った場合)について、光透過層50bの厚み誤差と
波面収差との関係を示している。
【0171】図15に示すように、光ディスク50の光
透過層50bに厚み誤差がない場合、この光学系におい
て、波面収差は約0.003λである。そして、図15
から分かるように、コリメータレンズ54を動かさない
場合には、光透過層50bの厚み誤差があると波面収差
が非常に大きくなってしまうが、光透過層50bの厚み
誤差に応じてコリメータレンズ54を動かすことによ
り、光透過層50bの厚み誤差によって発生する波面収
差を大幅に抑制することができる。
【0172】具体的には、図15から分かるように、光
透過層50bの厚さにばらつきがあったとしても、下記
式(12)に示すようにコリメータレンズ54を移動さ
せることで、波面収差を抑制することができ、これによ
り、例えば、光透過層50bの厚み誤差が±10μm程
度の範囲内であれば、波面収差を0.01λ以下に抑え
ることが可能となる。
【0173】ΔL≒21Δt ・・・(12) なお、上記式(12)において、ΔLは、コリメータレ
ンズ43の移動量であり、光ディスク50から遠ざかる
方向を正としている。また、Δtは、光ディスク50の
光透過層50bの厚み誤差である。
【0174】<実施例2>本実施例の光学系を図16に
示す。この光学系は、基板60aの表面に記録層が形成
され当該記録層上に光透過層60bが形成されてなる光
ディスク60に対して記録再生を行う際に使用される光
学ヘッドの光学系の要部であり、光源と対物レンズ61
との間に、ホログラムレンズからなるコリメータレンズ
62と、開口絞り63とが配されてなる。
【0175】この光学系のレンズデータを表2に示す。
なお、表2では、この光学系のレンズデータについて、
物体面をOBJ、コリメータレンズ62の光入射面をs
1、コリメータレンズ62の光出射面をs2として示し
ている。また、s3はダミー面であり、STOは、対物
レンズ61に対応した開口絞り63である。
【0176】
【表2】
【0177】ここで、光ディスク60の光透過層60b
の厚さは0.1mm、対物レンズ61の開口数NAは
0.85、使用する光の波長λは635nmとする。そ
して、この光学系の物像間の倍率は0.1891であ
る。
【0178】なお、上記コリメータレンズ62は、入射
光に位相差を生じさせて回折させる、いわゆる表面位相
型のホログラムレンズであり、その光入射側の開口数N
Aは0.16とされている。
【0179】このコリメータレンズ62は、透過光に位
相差が生じるように、レンズ表面に機械加工が施されて
なる。すなわち、このコリメータレンズ62は、レンズ
表面に機械加工が施されることにより、透過光に位相差
が生じるようになされており、これにより、光の回折を
生じさせる。そして、本実施例の光学系では、このコリ
メータレンズ62によって回折されてなる1次回折光
が、開口絞り63を介して対物レンズ61に入射するよ
うになされている。
【0180】なお、このコリメータレンズ62は、表面
形状がブレーズド形状(すなわち鋸の歯のような形状)
とされていることが好ましい。表面形状をブレーズド形
状とした場合には、入射光のうちの100%近くが1次
回折光となるので、高い光利用効率が得られる。
【0181】そして、このコリメータレンズ62の特性
は、下記式(13)に示す位相差関数で表される。
【0182】 m=C12+C24+C36+C48 ・・・(13) 上記式(13)は、表面位相型のホログラムレンズであ
るコリメータレンズ62の製造時に2つの点光源が無限
遠にあるとしたときの各面での位相ずれを、基板上の極
座標多項式で表したものであり、mは回折基準波長での
光路差を示している。また、本実施例で用いるコリメー
タレンズ62は、位相差関数が軸対象となるホログラム
レンズであり、上記式(13)において、Rは光軸から
の距離を示している。そして、表2におけるC1,C2
3,C4は、このコリメータレンズ62について、回折
基準波長を635nmとしたときの位相差関数の各係数
を示している。
【0183】以上のような光学系について、光透過層6
0bの厚み誤差と、波面収差との関係を図17に示す。
なお、図17においても、図16と同様に、波面収差に
ついては、射出瞳面上での標準偏差WFErmsを、使用
する光の波長をλとして示している。また、図17にお
いて、実線A4は、点線A5に示すように光透過層60
bの厚み誤差に応じてコリメータレンズ62を動かした
場合(すなわち、球面収差の補正を行った場合)につい
て、光透過層60bの厚み誤差と波面収差との関係を示
している。
【0184】図17に示すように、光ディスク60の光
透過層60bに厚み誤差がない場合、この光学系におい
て、波面収差は約0.003λである。そして、図17
から分かるように、光透過層60bの厚み誤差に応じて
コリメータレンズ62を動かすことにより、光透過層6
0bの厚み誤差によって発生する波面収差が大幅に抑制
される。具体的には、図17から分かるように、光透過
層60bの厚さにばらつきがあったとしても、下記式
(14)に示すようにコリメータレンズ62を移動させ
ることで、波面収差を抑制することができる。
【0185】ΔL≒14Δt ・・・(14) なお、上記式(14)において、ΔLは、コリメータレ
ンズ62の移動量であり、光ディスク60から遠ざかる
方向を正としている。また、Δtは、光ディスク60の
光透過層60bの厚み誤差である。
【0186】ところで、実施例1及び実施例2のように
コリメータレンズを移動させると、レンズ間に偏心が生
じたり、レンズ面に傾きが生じたりする恐れがある。こ
のような偏心や傾きはコマ収差や非点収差の原因とな
り、これらのコマ収差や非点収差があまりに大きくなる
と、システムが破綻してしまう。しかし、実施例1及び
実施例2の光学系では、コリメータレンズの光入射側の
開口数NAが小さいので、レンズ間の偏心やレンズ面の
傾きの影響を受け難い。具体的には、これらの光学系で
は、30μm程度の偏心や0.1°程度の傾きまでなら
ば、コマ収差や非点収差の発生量は十分に少なく、実用
上問題はない。
【0187】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、対物レンズの開口数NAを大きくしても、光
透過層の厚み誤差に起因する球面収差を低く抑えること
が可能となる。したがって、本発明によれば、光透過層
の厚み誤差の公差を大きく許容したまま、情報記録媒体
の製造原価を上げることなく、情報記録媒体の高記録密
度化及び大容量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光学ヘッドの一例を示す図で
ある。
【図2】本発明を適用した記録及び/又は再生装置の一
例を示す図である。
【図3】非点収差を説明する図である。
【図4】非点収差法における光検出器の受光部の一例を
示す図である。
【図5】非点収差法における光検出器の受光部の一例を
示す図である。
【図6】非点収差法における光検出器の受光部の一例を
示す図である。
【図7】フォーカスエラー信号に現れるS字曲線を示す
図である。
【図8】対物レンズを光軸に沿って光ディスクに近づけ
る方向に移動させたときのフォーカスエラー信号の出力
を示す図である。
【図9】本発明を適用した光学ヘッドの他の一例を示す
図である。
【図10】図9の光学ヘッドで使用されている2軸アク
チュエータの一例を示す平面図である。
【図11】図9の光学ヘッドで使用されている2軸アク
チュエータの一例を示す側面図である。
【図12】レンズ駆動機構の一構成例を示す斜視図であ
る。
【図13】図12に示したレンズ駆動機構の平面図であ
る。
【図14】実施例1の光学系の概略を示す図である。
【図15】実施例1について、光透過層の厚み誤差と、
波面収差と、コリメータレンズの移動量との関係を示す
図である。
【図16】実施例2の光学系の概略を示す図である。
【図17】実施例2について、光透過層の厚み誤差と、
波面収差と、コリメータレンズの移動量との関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 光学ヘッド、 2 光ディスク、 3 基板、 4
光透過層、 10光源、 11 回折格子、 12
偏光ビームスプリッタ、 13 コリメータレンズ、
14 コリメータレンズ用アクチュエータ、 15 1
/4波長板、16 対物レンズ、 17 対物レンズ用
2軸アクチュエータ、 18 マルチレンズ、 19
光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 敏 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 川村 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報信号が記録される記録層上に光透過
    層を有する情報記録媒体用の光学ヘッドであって、 光を出射する光源と、 上記光源からの光を上記光透過層を介して上記記録層上
    に集光させる対物レンズと、 上記光源と上記対物レンズとの間に配され、所定の屈折
    力を有する光学素子と、 上記光透過層の厚さに応じて、球面収差を打ち消すよう
    に上記光学素子を移動させる移動手段とを備えることを
    特徴とする光学ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記光学素子は、コリメータレンズから
    なることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記光透過層の膜厚が0.47mm以下
    であり、 上記対物レンズの開口数NAが0.65以上であること
    を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記移動手段は、 上記光源から出射し上記光学素子に入射する光の光軸に
    対して略平行に配された基準軸と、 上記光学素子を支持するととともに、上記基準軸に沿っ
    て平行移動可能とされた光学素子支持手段と、 モータと、 上記モータの回転を光軸方向に沿った平行移動に変換し
    て上記光学素子支持手段に伝達するギヤ機構とを備え、 上記モータの回転を上記ギヤ機構によって光軸方向に沿
    った平行移動へと変換して上記光学素子支持手段を動か
    すことで、上記光透過層の厚さに応じて、球面収差を打
    ち消すように上記光学素子を移動させることを特徴とす
    る請求項1記載の光学ヘッド。
  5. 【請求項5】 情報信号が記録される記録層上に光透過
    層を有する情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を
    行う記録及び/又は再生装置であって、 上記光透過層の厚さを検出する厚さ検出手段と、 上記情報記録媒体に対して上記光透過層を介して上記記
    録層に光を照射するとともに、その反射光を検出する光
    学ヘッドとを備え、 上記光学ヘッドは、 光を出射する光源と、 上記光源からの光を上記光透過層を介して上記記録層上
    に集光させる対物レンズと、 上記光源と上記対物レンズとの間に配され、所定の屈折
    力を有する光学素子と、 上記厚さ検出手段によって検出された上記光透過層の厚
    さに応じて、球面収差を打ち消すように上記光学素子を
    移動させる移動手段とを備えることを特徴とする記録及
    び/又は再生装置。
  6. 【請求項6】 上記光学素子は、コリメータレンズから
    なることを特徴とする請求項5記載の記録及び/又は再
    生装置。
  7. 【請求項7】 上記光透過層の膜厚が0.47mm以下
    であり、 上記対物レンズの開口数NAが0.65以上であること
    を特徴とする請求項5記載の記録及び/又は再生装置。
  8. 【請求項8】 上記移動手段は、 上記光源から出射し上記光学素子に入射する光の光軸に
    対して略平行に配された基準軸と、 上記光学素子を支持するととともに、上記基準軸に沿っ
    て平行移動可能とされた光学素子支持手段と、 モータと、 上記モータの回転を光軸方向に沿った平行移動に変換し
    て上記光学素子支持手段に伝達するギヤ機構とを備え、 上記モータの回転を上記ギヤ機構によって光軸方向に沿
    った平行移動へと変換して上記光学素子支持手段を動か
    すことで、上記光透過層の厚さに応じて、球面収差を打
    ち消すように上記光学素子を移動させることを特徴とす
    る請求項5記載の記録及び/又は再生装置。
  9. 【請求項9】 情報信号が記録される記録層上に光透過
    層を有する情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を
    行う際に、 光を出射する光源と、上記光源からの光を上記光透過層
    を介して上記記録層上に集光させる対物レンズと、上記
    光源と上記対物レンズとの間に配された所定の屈折力を
    有する光学素子とを備えた光学ヘッドを使用するととも
    に、 上記光透過層の厚さを検出し、その検出結果に応じて、
    球面収差を打ち消すように上記光学素子を移動させるこ
    とを特徴とする記録及び/又は再生方法。
  10. 【請求項10】 上記光学素子として、コリメータレン
    ズを使用することを特徴とする請求項9記載の記録及び
    /又は再生方法。
  11. 【請求項11】 上記光透過層の膜厚が0.47mm以
    下であり、 上記対物レンズの開口数NAが0.65以上であること
    を特徴とする請求項9記載の記録及び/又は再生方法。
  12. 【請求項12】 情報信号が記録される記録層上に光透
    過層を有する情報記録媒体の上記光透過層の厚みを検出
    するに際し、 光源から光を出射し、 上記光源から出射された光を、対物レンズによって上記
    情報記録媒体上に集光させ、 上記対物レンズによって上記情報記録媒体上に集光され
    当該情報記録媒体で反射された戻り光を、光検出器によ
    って受光してフォーカスエラー信号を検出し、 上記フォーカスエラー信号のうち、上記記録層で反射さ
    れた戻り光による信号と、上記光透過層の表面で反射さ
    れた戻り光による信号とから、上記光透過層の厚さを検
    出することを特徴とする厚み検出方法。
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