JP4112331B2 - 光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法および光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法および光ピックアップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、追記型や書換え可能型等の書込み可能な光ディスクに高密度で記録再生を行う光学的記録再生装置において使用される光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法およびその補償機能を備える光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学式記録媒体としての光ディスクには、その記録面を保護すべく、所定の厚さの透過基板が前記記録面を覆うように形成されている。情報読取手段としての光ピックアップは、この透過基板を介して前記記録面に読取ビーム光を照射した際の反射光量によって、かかる光ディスクから記録情報の読取りを行う。
【0003】
しかしながら、製造上において、全ての光ディスクの透過基板の厚さを規定値以内に形成することは困難であり、通常、数μmの厚さ誤差が生じてしまう。そのため、かかる透過基板の厚さ誤差によって、球面収差が発生する。球面収差が生じると、情報読取信号および/またはトラッキングエラー信号の振幅レベルが著しく低下する場合があり、情報読取精度を低下させてしまうという問題がある。つまり、光ディスクが交換されると、前記透過基板の厚みが変わるので、前記球面収差が変化し、そのままでは情報読取精度を低下させてしまうという問題がある。
【0004】
この問題に対して、特開2000−11388号公報では、光ディスクに予め記録されているプリピットデータをリファレンス信号として、光学系に生じている球面収差量に応じた分だけ該球面収差の補正を行い、その補正量を変更しつつ、前記リファレンス信号の振幅レベルを検出し、その振幅レベルが最大となった時の前記補正量を最終的な球面収差補量とし、球面収差を補正する方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術では、プリピット信号がないディスクに対しては適用できないという問題がある。また、前記プリピット信号は、セクタマークなど、一般にデータ量としては少なく、その少ないデータ領域だけで正確に球面収差の補正量を検出できない可能性がある。さらにまた、前記追記型や書換え可能型等の書込み可能な光ディスクにおいて、前記プリピット領域ではピット部で光が回折して反射光量が減るか減らないかの違いで記録されるのに対して、記録領域では記録部の吸収が増えたかどうか(濃淡信号)で記録されるので、厳密には記録のメカニズムが異なり、前記プリピット信号から得られたデータを記録領域の補正に用いても、正しく補正を行えない可能性が高い。
【0006】
そこで、前記書込み可能な光ディスクに対するオフセット補正の代表として、特開昭64−27030号公報では、光ディスクに対する最適な記録パワー、フォーカスオフセットを補正する方法として、情報読取信号をリファレンス信号とし、セクタ毎に記録パワーを変えて記録し、その後一度に再生して最良に再生できたセクタを検出し、そのセクタの記録パワーを最適値としている。
【0007】
【特許文献】
特開2000−11388号公報(公開日:平成12年1月14日)
特開昭64−27030号公報 (公開日:平成 元年1月30日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、上述の従来技術では、複数の記録パワーで複数セクタに記録し、その総てのセクタを再生し、最適補正量を求めるので、時間がかかるという問題がある。
【0009】
一方、前記プリピット信号以外の信号として、光ピックアップがトラックを横切る際に得られるトラッククロス信号を、前記リファレンス信号として用いることが考えられる。しかしながら、そのような手法では、球面収差やフォーカスオフセットが残った状態でも、信号レベルが最大になることがあり、最適状態に収束させられないという問題がある。
【0010】
この点について、図11を用いて詳しく説明する。図11は、球面収差とフォーカスオフセットとの2種類のパラメータに対するリファレンス信号の信号レベルを、本件発明者が測定した結果を示すグラフである。光ディスクとしては、前記透過基板の厚さが0.1mm、材質がポリカーボネイトのものを用い、トラックピッチが0.32μm、ディスク溝深さが21nmであり、測定ピックアップとしては、レーザー波長が405nm、対物レンズのNAは0.85のものを用いた。
【0011】
この図11は、横軸を球面収差量とし、−80mλ〜+80mλの範囲で6点、縦軸をフォーカスオフセット量とし、−0.22〜+0.22μmの範囲で11点、合計66のデータポイントによる2次元マップで、トラッククロス信号の最大振幅値を表したものである。なお、mλは、一般に収差量を表す単位で、λは、レーザー発振波長を表し、1mλ=0.001λであり、たとえば代表的な青色レーザーの場合、前記405nmである。
【0012】
この図11から明らかなように、球面収差およびフォーカスオフセットともに、0以外のデータポイントでもリファレンス信号が最大レベルになっている。すなわち、0点を含む右下がりの領域である。すなわち、これは、レンズ間距離が最適でなく、かつピントが合っていなくても、リファレンス信号が最大レベルになってしまうことを表している。したがって、このようなトラッククロス信号を用いて、球面収差やフォーカスオフセットを正確に測定することはできない。
【0013】
本発明の目的は、書込み可能な光ディスクに対する球面収差およびフォーカスオフセットの補正を、短時間で、かつ正確に行うことができる光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法およびその補償機能を備える光ピックアップ装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、集光されたビーム光を光学記録媒体の記録面に照射し、該記録面からの反射光量によって記録情報の読取りを行う際に、光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する方法において、前記光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する情報が予め記録されていない前記記録媒体に予め定める一種類の記録パワーで信号を一回だけ記録するステップと、前記反射光から前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を再生するステップと、予め定めるフォーカスオフセットを有した状態で、球面収差を発生させ、該球面収差量を変化させるステップと、前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記球面収差が最小となるときの球面収差発生状態を検出する最適球面収差検出ステップと、前記最小の球面収差発生状態で、フォーカスオフセットを発生させ、該フォーカスオフセット量を変化させるステップと、前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記フォーカスオフセットが最小となるときのフォーカスオフセット発生状態を検出する最適フォーカスオフセット検出ステップと、一度の前記最適球面収差検出ステップおよび一度の最適フォーカスオフセット検出ステップを順次行うことによって得られた球面収差量およびフォーカスオフセット量を用いて球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行うことを特徴とする。
【0015】
上記の構成によれば、光ピックアップの球面収差および合焦ずれを補償するにあたって、本件発明者は、球面収差とフォーカスオフセットとの2つをパラメータとして、それぞれを変化させ、何れか一方が最適値でなくても、それに影響なく、何れか他方の最適値を求めることができることに着目し、再生を行いつつ、先ず球面収差を掃引して最適球面収差量を検出し、続いて、その最適球面収差量を用いて、フォーカスオフセットを掃引して最適フォーカスオフセット量を検出する。
【0016】
こうして、書込み可能な光ディスクに対して、球面収差およびフォーカスオフセットの補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる。
【0017】
また、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、集光されたビーム光を光学記録媒体の記録面に照射し、該記録面からの反射光量によって記録情報の読取りを行う際に、光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する方法において、前記光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する情報が予め記録されていない前記記録媒体に予め定める一種類の記録パワーで信号を一回だけ記録するステップと、前記反射光から前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を再生するステップと、予め定める球面収差を有した状態で、フォーカスオフセット発生させ、該フォーカスオフセット量を変化させるステップと、前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記フォーカスオフセットが最小となるときのフォーカスオフセット発生状態を検出する最適フォーカスオフセット検出ステップと、前記最小のフォーカスオフセット発生状態で、球面収差を発生させ、該球面収差量を変化させるステップと、前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記球面収差が最小となるときの球面収差発生状態を検出する最適球面収差検出ステップと、一度の前記最適フォーカスオフセット検出ステップおよび一度の最適球面収差検出ステップを順次行うことによって得られた球面収差量およびフォーカスオフセット量を用いて球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行うことを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、光ピックアップの球面収差および合焦ずれを補償するにあたって、本件発明者は、球面収差とフォーカスオフセットとの2つをパラメータとして、それぞれを変化させ、何れか一方が最適値でなくても、それに影響なく、何れか他方の最適値を求めることができることに着目し、再生を行いつつ、先ずフォーカスオフセットを掃引して最適フォーカスオフセット量を検出し、続いて、その最適球面収差量を用いて、球面収差を掃引して最適球面収差量を検出する。
【0019】
こうして、書込み可能な光ディスクに対して、球面収差およびフォーカスオフセットの補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる。
【0020】
さらにまた、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、再生された信号の振幅が最大になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させることを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、光ピックアップ装置として品質を確保しなければならない記録情報の再生信号を直接リファレンス信号とするので、正確な補償を行うことができるとともに、複雑な信号処理を必要とせず、簡単な回路で実現することができる。
【0022】
また、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、再生された信号のジッターが最小になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、光ピックアップ装置として品質を確保しなければならない記録情報の品質と相関性の高いジッターをリファレンス信号とするので、信号処理が比較的シンプルで、かつより精度の高い補償を行うことができる。
【0024】
さらにまた、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、再生された信号のエラーレートが最小になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させることを特徴とする。
【0025】
上記の構成によれば、光ピックアップ装置として品質を確保しなければならない記録情報の品質と相関性の高いエラーレートをリファレンス信号とするので、最も精度が高く、感度が高い補償を行うことができる。
【0026】
また、本発明の光ピックアップ装置は、集光されたビーム光を光学記録媒体の記録面に照射し、該記録面からの反射光量によって記録情報の読取りを行う際に、光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを相殺する球面収差およびフォーカスオフセットを発生させて補償する補償装置を具備する光ピックアップ装置において、前記補償装置は、前記光学記録媒体に予め記録されている記録条件を検出する記録条件検出手段と、前記記録条件検出手段で検出した記録条件に従い、光学記録媒体のテストライト領域に予め定める信号をテストライトするテストライト手段と、前記テストライト領域からの再生信号を用いて、前記の何れか1つの光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法によって、前記球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行う補償手段とを含むことを特徴とする。
【0027】
上記の構成によれば、前記球面収差およびフォーカスオフセットの補正を行うにあたって、先ず記録条件検出手段が、リードイン情報などから光学記録媒体の記録条件を検出し、その記録条件に従い、テストライト手段がテストライト領域にデータをテストライトし、そのテストライト領域からの再生信号を用いて、補償手段が、上述のような方法によって、前記球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行う。
【0028】
したがって、書込み可能な光ディスクに対して、球面収差およびフォーカスオフセットのオフセット補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる光ピックアップ装置を実現することができる。
【0029】
さらにまた、本発明の光ピックアップ装置では、前記補償手段は、1組のレンズを含むビームエキスパンダであり、該1組のレンズのレンズ間隔を、前記最適球面収差検出ステップによって得られた球面収差量に対応させることを特徴とする。
【0030】
上記の構成によれば、組立て調整精度が比較的緩く容易に組立てることができるとともに、前記球面収差の補償中、常時電圧を加え続ける必要がなく、低消費電力化を図ることができる。
【0031】
また、本発明の光ピックアップ装置では、前記補償手段は、複屈折特性を有する液晶が充填された液晶層上に円環状の透明電極が形成されている液晶パネルと、前記透明電極に、前記最適球面収差検出ステップによって得られた球面収差量に対応する電位を印加する液晶駆動回路とを含むことを特徴とする。
【0032】
上記の構成によれば、可動部がないので、ピックアップに外乱が乗ることはない。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0034】
図1は、本発明の実施の一形態の光ピックアップ装置1の電気的構成を示ブロック図である。ピックアップ2は、スピンドルモータ3によって回転駆動される光学式記録媒体としての光ディスク4に読取ビーム光を照射し、その反射光を受光する。この際、スピンドルモータ3は、光ディスク4を1回転させる度に回転信号RTを発生し、これを制御回路5に供給する。ピックアップ2は、光ディスク4に読取ビーム光を照射した際の反射光を受光し、これを電気信号に変換したものを、フォーカスエラー生成回路11、トラッキングエラー生成回路12、およびRF信号生成回路13にそれぞれ供給する。
【0035】
ピックアップ2は、レーザ発生素子21、コリメートレンズ22、ビームスプリッタ23、λ/4板24、ビームエキスパンダ25、ビームエキスパンダ用アクチュエータ26、対物レンズ27、フォーカシングトラッキングアクチュエータ28、集光レンズ29、シリンドリカルレンズ30および光検出器31から構成されている。レーザ発生素子21は、所定の光パワーを有するレーザビーム光を発生する。かかるレーザビーム光は、光ディスク4の透過基板の厚さ誤差に伴う球面収差を補正すべく設けられるビームエキスパンダ25に入射する。
【0036】
ビームエキスパンダ25は、たとえば凹レンズ25aと凸レンズ25bとの対で構成されるビーム拡大型のリレーレンズであり、通常は、入射平行光に対してビーム径を拡大させた平行光を出射させるように構成されている。そして、前記凹レンズ25aと凸レンズ25bとのレンズ間隔を変化させることによって、対物レンズ27に入射する光を、発散光あるいは集束光に変換させ、該対物レンズ27により球面収差を発生させることができる。このような動作によって、ビームエキスパンダ25を、光ディスク4の透過基板厚のバラツキによる球面収差の補正を行う補正手段として機能させることができる。この場合、ビームエキスパンダ25と対物レンズ27とは、相対的な位置ずれによる球面収差発生性能への影響が小さいため、光ピックアップ装置1への組込み調整を比較的容易に行うことができる。
【0037】
対物レンズ27は、ビームエキスパンダ25から供給されるレーザビーム光を、読取ビーム光として光ディスク4の記録面に形成されている記録トラック上に集光する。フォーカシングについては、フォーカシングトラッキングアクチュエータ28が、サーボループスイッチ35を介して供給されるフォーカス駆動信号Fに応じた分だけ、前記対物レンズ27を、光ディスク4の記録面に対する垂直方向、いわゆるフォーカス調整軌道上において移動させることで実現される。また、トラッキングについては、前記フォーカシングトラッキングアクチュエータ28が、サーボループスイッチ36を介して供給されるトラッキング駆動信号Tに応じた分だけ、対物レンズ27の光軸を光ディスク4のディスク半径方向に変位することで実現される。
【0038】
一方、読取ビーム光を光ディスク4の記録トラック上に照射して得られた反射光は、前記対物レンズ27、ビームエキスパンダ25およびλ/4板24を透過し、ビームスプリッタ23で方向を変えて、集光レンズ29、シリンドリカルレンズ30を介して光検出器31の受光面に入射する。光検出器31は、たとえば図2に示すような受光面を有している。
【0039】
図2は、前記受光面の正面図である。この光検出器31は、トラック方向に対して図の如く配列された4つの独立した受光素子A〜Dを備えている。各受光素子A〜Dは、光ディスク4からの反射光を受光して電気信号に変換したものを光電変換信号RA〜RDとしてそれぞれ出力する。
【0040】
フォーカスエラー生成回路11は、前記光検出器31における各受光素子A〜Dの内で、互いに対角に配置されている受光素子同士の出力和をそれぞれ求め、両者の差分値をフォーカスエラー信号FEとして減算器37に供給する。すなわち、フォーカスエラー生成回路11は、
FE=(RA+RC)−(RB+RD)
なるフォーカスエラー信号FEを減算器37に供給するのである。
【0041】
減算器37は、かかるフォーカスエラー信号FEから、制御回路5から供給されたフォーカス調整軌道上位置信号FPを減算して得たフォーカスエラー信号FE’を、前記サーボループスイッチ35に供給する。このフォーカス調整軌道上位置信号FPは、現在のフォーカシングトラッキングアクチュエータ28を駆動している信号であり、前記フォーカスエラー信号FEから該フォーカス調整軌道上位置信号FPを減算することで、直前の状態からフォーカスエラー信号が0となるためにアクチュエータを動かす信号を得ることができる。この信号が0となった場合はフォーカスエラーがないと判断し、フォーカシングトラッキングアクチュエータ28は動かず、同じ状態を保持する。
【0042】
前記サーボループスイッチ35は、制御回路5から供給されたフォーカスサーボスイッチ信号FSに応じてオン状態またはオフ状態となる。たとえば、該サーボループスイッチ35は、フォーカスサーボ・オフを示す論理レベル”0”のフォーカスサーボスイッチ信号FSが供給された場合にはオフ状態となる。一方、フォーカスサーボ・オンを示す論理レベル”1”のフォーカスサーボスイッチ信号FSが供給されると、該サーボループスイッチ35はオン状態となり、前記フォーカスエラー信号FE’を前記フォーカス駆動信号Fとしてフォーカシングトラッキングアクチュエータ28に供給を開始する。すなわち、ピックアップ2、フォーカスエラー生成回路11、減算器37、およびサーボループスイッチ35を含む系によって、いわゆるフォーカスサーボループを形成している。かかるフォーカスサーボループによって、対物レンズ27は、フォーカス調整軌道上で、フォーカス調整軌道上位置信号FPに応じた位置を基準として、フォーカスエラー信号FEに応じた分だけ変位駆動される。
【0043】
また、トラッキングエラー生成回路12は、前記光検出器31の受光素子A〜Dの内で、トラック方向に隣接配置されている受光素子同士の出力和を求め、両者の差分値をトラッキングエラー信号TE’としてサーボループスイッチ36に供給する。すなわち、トラッキングエラー信号TE’は、
TE’=(RA+RD)−(RB+RC)
から求められる。
【0044】
サーボループスイッチ36は、制御回路5から供給されたトラッキングサーボスイッチ信号TSに応じてオン状態またはオフ状態となる。たとえば、サーボループスイッチ36は、トラッキングサーボ・オンを示す論理レベル”1”のトラッキングサーボスイッチ信号TSが供給された場合にはオン状態となり、前記トラッキングエラー信号TE’を前記トラッキング駆動信号Tとして前記フォーカシングトラッキングアクチュエータ28に供給を開始する。一方、トラッキングサーボ・オフを示す論理レベル”0”のトラッキングサーボスイッチ信号TSが供給された場合にはオフ状態となる。この際、フォーカシングトラッキングアクチュエータ28にはトラッキング駆動信号Tは供給されない。
【0045】
RF信号生成回路13は、前記光電変換信号RA〜RDを互いに加算して得る加算結果を、光ディスク4に記録されている情報データに対応した情報読取信号として求め、これをRF復調回路40および前記制御回路5にそれぞれ供給する。RF復調回路40は、かかる情報読取信号に対して所定の復調処理を施すことによって情報データを再生し、これを再生情報を示すRFデータとして出力する。
【0046】
以下、図3〜図5に、本件発明者による実験結果を示す。図3(a)(b)は、ピックアップの球面収差およびフォーカスオフセットが共にない状態で、最適記録パワーにてRF信号を記録(テストライト)し、同記録信号に対して、横軸を球面収差量、縦軸をフォーカスオフセット量とし、それぞれリファレンス信号として、RF信号のジッターと最大振幅値とを2次元マップで表した測定結果である。
【0047】
前記図11と同様に、光ディスク4としては、前記透過基板の厚さが0.1mm、材質がポリカーボネイトのものを用い、トラックピッチが0.32μm、ディスク溝深さが21nmであり、測定ピックアップとしては、レーザー波長が405nm、対物レンズ27のNAは0.85のものを用いた。また、球面収差量としては、−80mλ〜+80mλの範囲で6点、フォーカスオフセット量としては、−0.22〜+0.22μmの範囲で11点、合計66のデータポイントによる2次元マップである。
【0048】
これら図3(a)および図3(b)から、ジッターは原点で最も小さく、また最大振幅値は原点で最も大きく、共に原点を中心とした同心円の特性であることが理解される。なお、前記球面収差やフォーカスオフセットがあると、光ディスク4上でビームがぼけた状態にしか絞れなくなり、そのため解像度が下がり、隣接トラックや前後の記録データまで漏れこんでくるため、受光素子A〜Dにきれいに結像しなくなり、ジッターとして現れる。
【0049】
これに対して、図4(a)(b)に、ピックアップの球面収差としてCG厚+7μm相当がある状態で、かつフォーカスオフセットが0.1μmある状態で、最適記録パワーにてRF信号を記録し、同記録信号に対して、横軸を球面収差量、縦軸をフォーカスオフセット量とし、それぞれリファレンス信号として、RF信号のジッターと最大振幅値とを2次元マップで表した測定結果を示す。前記CG厚とは、ディスク記録面の上にある前記透過基板(カバーガラス)の厚みのことで、前記CG厚+7μmとは、設計カバーガラスの厚み+7μmのことで、設計カバーガラスの厚みが0.1mmの場合は、0.107mmとなる。
【0050】
この図4(a)および図4(b)でも、前記図3の結果と同様に、ジッターは原点で最も小さく、また最大振幅値は原点で最も大きく、共に原点を中心とした同心円の特性であることが理解される。したがって、球面収差およびフォーカスオフセットが共に最適状態でない場合であっても、原点に収束させることが可能であることが理解される。すなわち、フォーカスオフセット補償をするときの球面収差量および球面収差補償をするときのフォーカスオフセット量がいかなる値であっても、1度の補償ステップによって、それぞれの最適値を検出することができる。
【0051】
また、図5(a)(b)に、ピックアップの球面収差として前記CG厚+7μm相当がある状態で、かつフォーカスオフセットが0.1μmある状態で、記録パワーを最適パワーより+20%大きい状態にてRF信号を記録し、同記録信号に対して横軸を球面収差量、縦軸をフォーカスオフセット量とし、それぞれリファレンス信号として、RF信号のジッターと最大振幅値とを2次元マップで表した測定結果を示す。
【0052】
この図5(a)および図5(b)から、テストライトの記録パワーに変動があっても、球面収差とフォーカスオフセットとの関係に影響を与えないことが理解される。
【0053】
以上のことから、先ず図3から、最適状態で記録されたRF信号をリファレンス信号にした場合、ジッター最小およびRF信号振幅最大とも,球面収差が0、かつフォーカスオフセットが0の状態のみであることが理解される。次に、図4から、球面収差およびフォーカスオフセットが残留する状態で記録されたRF信号をリファレンス信号にした場合も、ジッター最小およびRF信号振幅最大とも、球面収差が0、かつフォーカスオフセットが0の状態のみであることが理解される。続いて、図5から、球面収差およびフォーカスオフセットが残留する状態でさらに記録パワーが最適でない状態で記録されたRF信号をリファレンス信号にした場合も、ジッター最小およびRF信号振幅最大とも、球面収差が0、かつフォーカスオフセットが0の状態のみであることが理解される。
【0054】
したがって、球面収差およびフォーカスオフセットを調整するリファレンス信号として、記録パワーが未調整の段階で記録したRF信号を使用することができ、記録状態によらず、球面収差とフォーカスオフセットとをそれぞれ独立に調整することができる。この結果に基づいて、以下に球面収差およびフォーカスオフセットの調整の手順を示す。
【0055】
図6は、前記球面収差を補正する手順を説明するためのフローチャートである。前記制御回路5は、ピックアップ2を使用した各種記録再生動作を実現すべく、図示を省略しているメインルーチンに従った制御を行う。この際、かかるメインルーチンの実行中に、光ディスク4が記録再生装置に装着されると、実際の記録再生を開始するまでに、この図6に示される手順から成る球面収差補正サブルーチンの実行に移る。
【0056】
先ず、ステップS1で、制御回路5はピックアップ2をディスク最内周位置に移動させ、フォーカスサーボをオン状態にすべく、論理レベル”1”のフォーカスサーボスイッチ信号FSをサーボループスイッチ35に供給し、かつトラッキングサーボをオン状態にすべく、論理レベル”1”のトラッキングサーボスイッチ信号TSをサーボループスイッチ36に供給する。
【0057】
ステップS2では、アドレス情報を再生し、再生したアドレス情報を使ってディスク情報の記録されているトラックに移動し、ディスクに対する記録の仕方の情報である記録パワー、記録パルス発生タイミング等を読出す。ここで、前記アドレス情報およびディスク情報は、ディスク作製段階でトラックをWOBBLEさせる周波数変調によって記録されており、その再生は、前記トラッキングエラー信号TE’と同様に、(RA+RD)と(RB+RC)との差信号から行うことができる。
【0058】
そして、ステップS3では、テストライト領域に移動し、読出した記録条件に合わせてデータをテストライトする。続いて、ステップS4では、球面収差補正ルーチンに移り、テストライトしたRF信号の信号振幅が最大になるように、ビームエキスパンダ25のレンズ25a,25bの間隔を補正する。ステップS5では、フォーカスオフセット補正ルーチンに移り、同じくテストライトしたRF信号の信号振幅が最大になるように、フォーカスオフセットを調整する。ステップS5の終了後、ステップS6にて制御回路5は、記録パワー補正サブルーチンの実行に移り、最適記録パワーを決定し、データの記録再生準備が完了する。
【0059】
上述のような補正のルーチンを図5で説明すると、ステップS3のテストライトにおいて、フォーカスオフセットが0.1μm、球面収差としてCG厚+7μm相当があり、さらに記録パワーが最適パワーより+20%大きい状態にてRF信号を記録した場合、ステップS4にて球面収差のみ0に補正され、ステップS5でフォーカスオフセットが0に補正され、図5の同心円中心に収束する。
【0060】
なお、前記ステップS4の球面収差補正ルーチンと、ステップS5のフォーカスオフセット補正ルーチンとは、相互に逆の順序で行われても、同様に図5の同心円中心に収束させることができる。
【0061】
次に、前記ステップS4における球面収差補正ルーチンの具体的な手順の例を説明する。図7は、図1に示す光ピックアップ装置1に球面収差が残っている状態で、ビームエキスパンダ25のレンズ間隔を変化させて球面収差を補正してゆく場合のRF信号のレベルの変化を示すグラフである。図において、横軸には装置の持つ球面収差量をP−V値で示し、縦軸にはRF信号のレベルを示す。前記P−V値とは、収差の最大値―最小値であり、±の符号が付く。
【0062】
参照符l1で示すように、前記球面収差が0の場合、RF信号レベルは最大となるが、その収差量が光学特性の評価基準値以下である領域では、RF信号レベルの変化量が極めて少なくなる。この評価基準値としてよく知られているのは、レイリーリミット(波面収差の最大値がλ/4以下(λは光源波長))、またはSD(シュトレールディフィニション)(波面収差の標準偏差がλ/14以下)であり、この場合集光ビームは、ほぼ理想ビームと判断することができる。
【0063】
これよる球面収差補正ルーチンの具体的な手順を、図8に示す。予め、図7の4点のサンプリング位置でのレンズ間隔SP1〜SP4に対応するレンズ間隔信号SP(1)〜SP(4)を内蔵レジスタに格納しておく。
【0064】
先ず、ステップS11で、制御回路5は、フォーカスサーボをオン状態にすべく、論理レベル”1”のフォーカスサーボスイッチ信号FSをサーボループスイッチ35に供給する。次のステップS12で、制御回路5は、トラッキングサーボをオフ状態にすべく、論理レベル”0”のトラッキングサーボスイッチ信号TSをサーボループスイッチ36に供給する。また、変数Nに1を格納して初期化する。
【0065】
ステップS13では、制御回路5は、内蔵レジスタに記憶されているレンズ間隔信号SP(N)を読出して、ビームエキスパンダ駆動アクチュエータ26に供給する。かかるステップS13の実行によって、ビームエキスパンダ駆動アクチュエータ26に、ビームエキスパンダ25を、レンズ25a,25bの間隔がレンズ間隔信号SP(N)の値に応じた間隔になるように駆動する。これによって、対物レンズ27に非平行光が入射し、レンズ間隔信号SP(N)に応じた球面収差が生じるので、球面収差の仮補正がなされることになる。
【0066】
次に、ステップS14で、制御回路5は、スピンドルモータ3から供給される回転信号RTに基づき、光ディスク4が1回転したか否かの判定を、この光ディスク4が1回転するまで繰返し行う。1回転すると、次のステップS15で、制御回路5は、RF信号のレベルをRF(N)として取込む。次のステップS16では、制御回路5は、Nの値が”4”になっているか否かを判定する。このステップにてNが4でないと判定されるとき、ステップS17に進み、制御回路5はN=N+1に更新してステップS13に戻り、こうして内蔵レジスタに記憶されているレンズ間隔信号SP(N)を順次読出して球面収差の仮補正を行う。
【0067】
以下、ステップS13〜S17までの動作を繰返し実行する。この間、一連の動作が実施される度にビームエキスパンダ25による球面収差補正が、そのレンズ間隔をたとえばレンズ間隔信号SP(1)からSP(4)までに対応させて、4回更新しつつ行われる。このとき補正量としてのレンズ間隔信号SP(1)、SP(2)、SP(3)、SP(4)の値は、そのときのRF信号レベルの変化が大きい領域の値が望ましい。たとえば最大レンズ間隔近傍値2点と最小レンズ間隔近傍値2点であり、最大レンズ間隔に対応する信号振幅を16段階に分割した場合、SP(1)は1段階分、SP(2)は2段階分、SP(3)は15段階分、SP(4)は16段階分のレンズ間隔に相当させる。
【0068】
ステップS16でNの値が”4”になっていると判定されるとき、ステップS18に進み、制御回路5は、レンズ間隔信号SP(1)〜SP(4)に対応する4種類のレンズ間隔SP1〜SP4と、各レンズ間隔で取込まれたRF信号のレベルRF1〜RF4のデータをサンプリングデータとして、図7の近似曲線L2を演算し、その近似曲線L2における最大RF信号レベルRFMAXに対応する最適レンズ間隔信号SPBESTを求める。
【0069】
ステップS19では、制御回路5は、この最適レンズ間隔信号SPBESTを最終的な球面収差補正を行うレンズ間隔信号として、ビームエキスパンダ駆動アクチュエータ26に供給する。すなわち、ステップS19の実行によって、最適レンズ間隔信号SPBESTに対応するレンズ間隔を最終的なレンズ間隔とし、このレンズ間隔に応じた分だけ対物レンズ27に球面収差を持たせ、光ディスク4の透過基板の厚さ誤差によって発生する球面収差を相殺させ、最終的に球面収差を補償するのである。ステップS19の終了後、制御回路5は、この球面収差補正サブルーチンを抜けて、メインルーチンの実行に戻る。
【0070】
以上のルーチンによって、最適な球面収差補正量を短い探索時間にて正確に検出し、補償を行うことが可能となる。なお、図8に示される動作では、レンズ間隔信号SP(N)を4回調整するようにしているが、その調整回数は4回に限定されるものではない。また、本実施形態においては、RF信号の振幅レベルを用いて各種処理を実施しているが、このRF信号の振幅レベルに代わり、前記ジッターやエラーレートを用いるようにしてもよい。
【0071】
また、図6においては、ビームエキスパンダ25の駆動レンズを凹レンズ25aとし、小さい側のレンズを可動させる構造であるので、ビームエキスパンダ駆動アクチュエータ26の推力やサイズを比較的小さく構成することができる効果を得ている。可動させるレンズは、凸レンズ25b側、あるいは両方でもかまわない。またビームエキスパンダ25は、凹レンズ25a、凸レンズ25bの順による拡大光学系としているが、凸レンズ25b、凹レンズ25aの順による縮小光学系でも構わない。
【0072】
なお、最適な球面収差を発生させるときの球面収差補償手段の位置情報、たとえば、ビームエキスパンダ25である場合には該ビームエキスパンダ25の位置をメモリ等の記憶手段に記憶しておき、次回の球面収差およびフォーカスオフセット補償ステップにおける球面収差状態として、該状態を用いることが可能である。これによれば、球面収差量として全く根拠のない値を用いる場合に比べて、最適値検出ステップにおける動作時間を短縮できる等のメリットがある。
【0073】
以上のようにして、書込み可能な光ディスク4に対して、球面収差およびフォーカスオフセットの補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる。すなわち、前記特開昭64−27030号では、複数の記録パワーで複数セクタに記録し、その総てのセクタを再生し、最適補正量を求めるのに対して、本発明では、1種類の記録パワーで、1回だけ書込みを行うだけでよく、短時間で補正を行うことができる。
【0074】
なお、上述の説明では、補正に用いるリファレンス信号として、光ピックアップ装置1として品質を確保しなければならないRF信号の信号振幅を用いており、正確な補償を行うことができるとともに、複雑な信号処理を必要とせず、簡単な回路で実現することができるれども、他にも、前記のように、RF信号のジッターやエラーレートを用いてもよい。
【0075】
前記RF信号の品質と相関性の高いジッターをリファレンス信号とし、該ジッターが最小になるような球面収差やフォーカスオフセットに補正することで、振幅検出程ではないが、信号処理が比較的シンプルで、かつより精度の高い補償を行うことができる。
【0076】
また、前記RF信号の品質と相関性の高いエラーレートをリファレンス信号とし、該エラーレートが最小になるような球面収差やフォーカスオフセットに補正することで、回路規模が大きく、ノイズの影響に弱いけれども、最も精度が高く、感度が高い補償を行うことができ、特にフォーカスオフセットの微妙な調整をする場合有効となる。
【0077】
さらにまた、前記リファレンス信号として、前記RF信号の信号振幅、ジッターおよびエラーレートを組合わせて用いてもよい。すなわち、たとえば球面収差の補正に前記RF信号の信号振幅を用い、フォーカスオフセットの補正に前記ジッターを用いてもよい。
【0078】
本発明の実施の他の形態について、図9および図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0079】
図9は、本発明の実施の他の形態の光ピックアップ装置51の電気的構成を示ブロック図である。この光ピックアップ装置51において、前述の光ピックアップ装置に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、この光ピックアップ装置51では、前記のビームエキスパンダ25に代えて、前記λ/4板24と対物レンズ27との間に、液晶パネル52が設けられていることである。前記フォーカシングトラッキングアクチュエータ28は、これらの対物レンズ27および液晶パネル52を一体で変位駆動する。
【0080】
前記液晶パネル52は、前記ビームエキスパンダ25と同様に、光ディスク4の透過基板の厚さ誤差に伴う球面収差を補正すべく設けられるものであり、制御回路55から液晶ドライバ53に与えられる球面収差補正信号SAに基づいて駆動される。
【0081】
図10は、前述のレーザビーム光の光軸方向から眺めた液晶パネル52の構造を示す正面図である。この図10に示されるように、液晶パネル52は、円形の透明電極E1、円環状の透明電極E2、および複屈折特性を有する液晶分子が充填された液晶層CLとから構成される。前記対物レンズ27のレンズ径が3000μmである場合に、たとえば、透明電極E1の直径は約1600μmであり、透明電極E2の外径は約2800μmである。なお、透明電極E1およびE2の中心軸は、ともにレーザビーム光の光軸中心上となるように配置される。
【0082】
透明電極E1には、所定の電位として、たとえば2Vが固定印加されており、透明電極E2には、前記液晶ドライバ53からの液晶駆動電位CVが印加される。この際、液晶層CL内に充填されている液晶分子のうち、透明電極E2に覆われた円環状の領域に存在する液晶分子のツイスト角が液晶駆動電位CVに応じた分だけ推移する。よって、図10に示されるように、レーザビーム光によるビームスポットSPTが液晶パネル52に照射されると、透明電極E2に覆われた領域を透過する光と、他の領域を透過する光とに液晶駆動電位CVに応じた分の位相差が生じる。つまり、液晶パネル52は、レーザ発生素子21から供給されるレーザビーム光の波面に、前述のような位相差をもたせて透過出力するのである。
【0083】
かかる動作により、液晶パネル52は、光ディスク4の透過基板厚のバラツキによる球面収差の補正を行う。このように液晶パネル52による球面収差補正では、透過基板厚のバラツキによる球面収差を相殺しうる所望の球面収差量を機械的な動きなしに即座に発生することができるため、ピックアップに外乱が乗ることがなく、補正のための球面収差量を正確に管理することができる。しかしながら、ビームエキスパンダ25に比べて、組立て調整精度が必要になり、また収差補正中常に液晶に電圧をかけ続ける必要があり、消費電力が高くなる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、以上のように、光ピックアップの球面収差および合焦ずれを補償するにあたって、本件発明者は、球面収差とフォーカスオフセットとの2つをパラメータとして、それぞれを変化させ、何れか一方が最適値でなくても、それに影響なく、何れか他方の最適値を求めることができることに着目し、再生を行いつつ、先ず球面収差を掃引して最適球面収差量を検出し、続いて、その最適球面収差量を用いて、フォーカスオフセットを掃引して最適フォーカスオフセット量を検出する。
【0085】
それゆえ、書込み可能な光ディスクに対して、球面収差およびフォーカスオフセットの補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる。
【0086】
また、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、以上のように、光ピックアップの球面収差および合焦ずれを補償するにあたって、本件発明者は、球面収差とフォーカスオフセットとの2つをパラメータとして、それぞれを変化させ、何れか一方が最適値でなくても、それに影響なく、何れか他方の最適値を求めることができることに着目し、再生を行いつつ、先ずフォーカスオフセットを掃引して最適フォーカスオフセット量を検出し、続いて、その最適球面収差量を用いて、球面収差を掃引して最適球面収差量を検出する。
【0087】
それゆえ、書込み可能な光ディスクに対して、球面収差およびフォーカスオフセットの補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる。
【0088】
さらにまた、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、以上のように、再生された信号の振幅が最大になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させる。
【0089】
それゆえ、正確な補償を行うことができるとともに、複雑な信号処理を必要とせず、簡単な回路で実現することができる。
【0090】
また、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、以上のように、再生された信号のジッターが最小になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させる。
【0091】
それゆえ、信号処理が比較的シンプルで、かつより精度の高い補償を行うことができる。
【0092】
さらにまた、本発明の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法は、以上のように、再生された信号のエラーレートが最小になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させる。
【0093】
それゆえ、最も精度が高く、感度が高い補償を行うことができる。
【0094】
また、本発明の光ピックアップ装置は、以上のように、球面収差およびフォーカスオフセットの補正を行うにあたって、先ず記録条件検出手段が、リードイン情報などから光学記録媒体の記録条件を検出し、その記録条件に従い、テストライト手段がテストライト領域にデータをテストライトし、そのテストライト領域からの再生信号を用いて、補償手段が、上述のような方法によって、前記球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行う。
【0095】
それゆえ、書込み可能な光ディスクに対して、球面収差およびフォーカスオフセットのオフセット補償を、短時間で、かつ正確に行うことができる光ピックアップ装置を実現することができる。
【0096】
さらにまた、本発明の光ピックアップ装置は、以上のように、前記補償手段を、1組のレンズを含むビームエキスパンダで構成し、該1組のレンズのレンズ間隔を、最適球面収差検出ステップによって得られた球面収差量に対応させる。
【0097】
それゆえ、組立て調整精度が比較的緩く容易に組立てることができるとともに、前記球面収差の補償中、常時電圧を加え続ける必要がなく、低消費電力化を図ることができる。
【0098】
また、本発明の光ピックアップ装置は、以上のように、前記補償手段を、複屈折特性を有する液晶が充填された液晶層上に円環状の透明電極が形成されている液晶パネルと、前記透明電極に、前記最適球面収差検出ステップによって得られた球面収差量に対応する電位を印加する液晶駆動回路とで構成する。
【0099】
それゆえ、可動部がないので、ピックアップに外乱が乗ることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の光ピックアップ装置の電気的構成を示ブロック図である。
【図2】光検出器の受光面の正面図である。
【図3】球面収差とフォーカスオフセットとがない状態でテストライトを行い、再生した信号における両者の関係を測定した結果を示す図である。
【図4】前記球面収差とフォーカスオフセットとがある状態でテストライトを行い、再生した信号における両者の関係を測定した結果の一例を示した図である。
【図5】前記球面収差とフォーカスオフセットとがある状態でテストライトを行い、再生した信号における両者の関係を測定した結果の他の例を示した図である。
【図6】球面収差とフォーカスオフセットとを補正するフローチャートの一例を示した図である。
【図7】球面収差が残っている場合に、ビームエキスパンダのレンズ間隔を変化させて球面収差を補正してゆくときのRF信号のレベルの変化を示すグラフである。
【図8】ビームエキスパンダによる球面収差補正サブルーチンのフローチャートの一例を示した図である。
【図9】本発明の実施の他の形態の光ピックアップ装置の電気的構成を示ブロック図である。
【図10】図9で示す光ピックアップ装置における液晶パネルの構造を示す正面図である。
【図11】球面収差とフォーカスオフセットとの関係を測定したグラフである。
【符号の説明】
1,51 光ピックアップ装置
2 ピックアップ
3 スピンドルモータ
4 光ディスク
5,55 制御回路(記録条件検出手段、テストライト手段、補償手段)
11 フォーカスエラー生成回路
12 トラッキングエラー生成回路
13 RF信号生成回路(補償手段)
21 レーザ発生素子(テストライト手段)
22 コリメートレンズ
23 ビームスプリッタ
24 λ/4板
25 ビームエキスパンダ(補償手段)
25a 凹レンズ
25b 凸レンズ
26 ビームエキスパンダ用アクチュエータ(補償手段)
27 対物レンズ
28 フォーカシングトラッキングアクチュエータ
29 集光レンズ
30 シリンドリカルレンズ
31 光検出器
35 フォーカスサーボスイッチ
36 トラッキングサーボスイッチ
37 減算器
40 RF信号復調回路
52 液晶パネル(補償手段)
53 液晶ドライバ(補償手段、液晶駆動回路)
E1,E2 透明電極
CL 液晶層

Claims (8)

  1. 集光されたビーム光を光学記録媒体の記録面に照射し、該記録面からの反射光量によって記録情報の読取りを行う際に、光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する方法において、
    前記光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する情報が予め記録されていない前記記録媒体に予め定める一種類の記録パワーで信号を一回だけ記録するステップと、
    前記反射光から前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を再生するステップと、
    予め定めるフォーカスオフセットを有した状態で、球面収差を発生させ、該球面収差量を変化させるステップと、
    前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記球面収差が最小となるときの球面収差発生状態を検出する最適球面収差検出ステップと、
    前記最小の球面収差発生状態で、フォーカスオフセットを発生させ、該フォーカスオフセット量を変化させるステップと、
    前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記フォーカスオフセットが最小となるときのフォーカスオフセット発生状態を検出する最適フォーカスオフセット検出ステップと、
    一度の前記最適球面収差検出ステップおよび一度の最適フォーカスオフセット検出ステップを順次行うことによって得られた球面収差量およびフォーカスオフセット量を用いて球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行うことを特徴とする光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法。
  2. 集光されたビーム光を光学記録媒体の記録面に照射し、該記録面からの反射光量によって記録情報の読取りを行う際に、光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する方法において、
    前記光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを補償する情報が予め記録されていない前記記録媒体に予め定める一種類の記録パワーで信号を一回だけ記録するステップと、
    前記反射光から前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を再生するステップと、
    予め定める球面収差を有した状態で、フォーカスオフセット発生させ、該フォーカスオフセット量を変化させるステップと、
    前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記フォーカスオフセットが最小となるときのフォーカスオフセット発生状態を検出する最適フォーカスオフセット検出ステップと、
    前記最小のフォーカスオフセット発生状態で、球面収差を発生させ、該球面収差量を変化させるステップと、
    前記記録媒体に予め定める記録パワーで記録した情報を参照して前記球面収差が最小となるときの球面収差発生状態を検出する最適球面収差検出ステップと、
    一度の前記最適フォーカスオフセット検出ステップおよび一度の最適球面収差検出ステップを順次行うことによって得られた球面収差量およびフォーカスオフセット量を用いて球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行うことを特徴とする光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法。
  3. 再生された信号の振幅が最大になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法。
  4. 再生された信号のジッターが最小になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法。
  5. 再生された信号のエラーレートが最小になるような球面収差および/またはフォーカスオフセットを発生させることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法。
  6. 集光されたビーム光を光学記録媒体の記録面に照射し、該記録面からの反射光量によって記録情報の読取りを行う際に、光学系に生じる球面収差およびフォーカスオフセットを相殺する球面収差およびフォーカスオフセットを発生させて補償する補償装置を具備する光ピックアップ装置において、
    前記補償装置は、
    前記光学記録媒体に予め記録されている記録条件を検出する記録条件検出手段と、
    前記記録条件検出手段で検出した記録条件に従い、光学記録媒体のテストライト領域に予め定める信号をテストライトするテストライト手段と、
    前記テストライト領域からの再生信号を用いて、前記請求項1〜5の何れか1項に記載の光ピックアップの球面収差合焦ずれ補償方法によって、前記球面収差およびフォーカスオフセットの補償を行う補償手段とを含むことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 前記補償手段は、1組のレンズを含むビームエキスパンダであり、該1組のレンズのレンズ間隔を、前記最適球面収差検出ステップによって得られた球面収差量に対応させることを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記補償手段は、
    複屈折特性を有する液晶が充填された液晶層上に円環状の透明電極が形成されている液晶パネルと、
    前記透明電極に、前記最適球面収差検出ステップによって得られた球面収差量に対応する電位を印加する液晶駆動回路とを含むことを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。
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