JPWO2006112489A1 - 配置施設、駐車場施設、取扱作業施設及び換気装置 - Google Patents

配置施設、駐車場施設、取扱作業施設及び換気装置 Download PDF

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Abstract

配置施設としての車両整備施設(10)は、配置空間としての車両整備ブース(20)と、強制的な給排機構を備える。車両整備ブースは、隔壁たる側壁24や天井壁(26)によって周囲を覆われており、車両整備ブースの内部には、エネルギ転換装置たる燃料電池を搭載した整備車両(110)が一時的に配置されている。また、給排機構は、車両整備ブースに空気を供給する吸気装置(30)や、車両整備ブースから空気の排出を行う排気装置(40)を備えており、整備車両から漏れだした水素ガスを希釈する。

Description

本発明は、可燃ガスを用いたエネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置を一時的に配置するための施設、例えばこれらの装置を取り扱う作業を行うための施設に関する。
燃料電池車をはじめとして、燃料電池を利用した装置の開発が盛んに進められている。燃料電池においては、一般に、水素等の燃焼容易なガスが燃料ガスとして使用されるため、燃料電池を利用した装置について、実験、製造、整備あるいは点検等を行う際には、装置外部へのガス漏れに十分注意を払う必要がある。
なお、特開平10−310033号公報には、一般的な車両を壁体で囲まれた検査室において検査する検査設備についての技術が開示されている。しかし、この文献には、ガス漏れ対策についての技術は開示されていない。
特開平5−180478号公報には、密閉式の車両用ターミナル(バスターミナル、トラックターミナル等)や密閉式の駐車場(地下駐車場など)において、天井に吸気口を設け、床面に排気口を設けて、排気ガスの捕集効率を上げる技術が開示されている。また、特開2005−98616号公報には、屋内駐車場の換気を効率的に行うため、2台の横流送風機を上下方向に並べて配置し、気流が合流するように、互いの送風方向を設定する構成が開示されている。しかし、これらの文献の技術は、排気ガスのみを対象として考えられたものであり、燃料電池車のガス漏れを想定したものではない。
特開2005−353346号公報には、燃料電池車が駐停車される地下駐車場等の閉じた施設において、車両の水素濃度または水素減少量と、施設の容積及び換気能力とに基づいて、施設内の水素濃度を判定し、換気を行う技術が開示されている。しかし、この文献においては、換気装置としては、単に施設の天井にファンを設ける構成が記載されているに過ぎない。
例えば燃料電池車には燃料ガスの配管など多数の構成部品が含まれており、その構造は複雑である。特に、点検整備作業において部品間の接続部分からのガス漏れを防止することは難しいため、作業者が細心の注意を払って点検整備作業を行っている。
しかし、近い将来において燃料電池車が普及するようになると、その車両整備が現在のガソリンエンジン車と同様に行われるようになると予想される。そこで、作業者が日常的に整備を行うような場合においても、十分な安全性を確保しうるガス漏れ対策を施した点検整備施設を整えることが望ましい。特に水素ガスのように無色無臭で作業者がガス漏れを自ら感知できないような場合には、ガス漏れ対策技術を導入する必要性が高い。また、導入のコストを考えれば、こうした点検整備施設は、従来の点検整備施設を発展的に拡張することで実現できることが好ましいと言える。
また、点検整備施設に導入するガス漏れ対策技術を、自宅のガレージ、地下駐車場、立体駐車場など、燃料電池車が駐車あるいは保管される閉空間施設に設けることも有効であろう。こうした施設においても、簡易な整備点検などが行われ、ガス漏れが発生する可能性があるからである。
なお、これらの点は燃料電池車だけでなく、燃料電池そのものや、燃料電池を搭載した他の装置においても直面する課題である。また、可燃ガス(例えば水素、プロパンガス、天然ガス)を利用した内燃機関を有する車両など、可燃ガスを利用した動力機構を含む装置においても、同様の対応が求められている。
本発明の目的は、エネルギ転換装置あるいはエネルギ転換装置を搭載した装置を一時的に配置する施設に対し、ガス漏れ対策技術を導入することにある。
本発明の別の目的は、エネルギ転換装置あるいはエネルギ転換装置を搭載した装置を一時的に配置して、これらの装置について実験、製造、点検あるいは整備の少なくとも一つを行う施設に対し、ガス漏れ対策機能についての技術を導入することにある。
本発明のさらに別の目的は、従来のガソリンエンジン車に対する点検整備施設を、可燃ガスを利用した車両の点検整備施設へと改良する簡易な態様を確立することにある。
本発明の配置施設は、周囲を隔壁に覆われ、可燃ガスを燃料とするエネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置が一時的に配置可能に設けられた配置空間と、配置空間に対し希釈ガスを供給するとともに、配置空間からガスを排出させて、エネルギ転換装置から配置空間に漏れだした可燃ガスを希釈する強制的な給排機構と、を備える。
可燃ガスは、常温常圧下で気体として存在し、酸素と比較的容易に結合して燃焼しうるガスであり、具体的には、水素、メタン、プロパン、天然ガスなどを指す。エネルギ転換装置には、こうした可燃ガスを化学反応させて電気エネルギを取り出す燃料電池(燃料電池に可燃ガスを提供するための改質装置や、燃料電池のスタック単体・組立品なども含む)、水素エンジンや圧縮天然ガス(CNG)エンジンなど可燃ガスを燃焼させて運動エネルギを取り出す内燃機関、燃料電池や内燃機関等に用いられる燃料ガスの配管・弁装置などが含まれる。また、エネルギ転換装置を搭載した装置には、据え置き型の装置の他に、例えば、車両、船舶、航空機、移動型ロボット、携帯電子機器などの移動体も含まれるものとする。
一時的に配置するとは、恒久的に配置するのではなく、例えば、1時間、1日、1週間、1ヶ月などの限られた期間だけ配置することをいう。ただし、その終期は確定したものである必要はない。配置施設においては、エネルギ転換装置またはその搭載装置が配置空間に配置され撤去される過程が何度も繰り返されることになる。
本発明の駐車場施設は、上記配置施設において、配置空間を、エネルギ転換装置としての燃料電池を搭載した燃料電池車が一時的に保管あるいは駐車される空間としたものである。駐車場施設の例としては、燃料電池車を1台若しくは2,3台駐車させることが可能な個人用のガレージや、多数の燃料電池車(例えば10台以上、大規模な場合には100台以上)を駐車させることが可能な地下駐車場あるいは立体駐車場などを挙げることができる。
また、本発明の取扱作業施設は、上記配置施設において、配置空間を、エネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置についての取扱作業が行われる作業ブースとしたものである。なお、以下では、取扱作業施設を念頭において構成要素や変形態様の説明を行うが、これらの説明は、上記配置施設または上記駐車場施設に対しても、ほぼ同様に適用できるものである。
装置についての取扱作業とは、装置に関しての実験を行ったり、装置の製造、点検、整備等を行ったりする作業を指す。また、ブースとは隔壁により周囲から仕切られた空間を指す用語として用いている。したがって、作業ブースとは、取扱作業を行うために隔壁により外部空間から仕切られた作業空間、言い換えれば取扱作業のための作業室を指す。隔壁は、作業ブース内部の作業空間を外部空間と隔てるための境界を構成するものである。隔壁には、垂直若しくは斜めに配置された側面や、斜め若しくは水平に配置された天井面や床面も含まれる。隔壁は、必ずしも、作業空間を密閉するものでなくてもよく、エネルギ転換装置の出し入れ口や、自然換気を実現する換気口などの孔部が設けられていてもよい。
給排機構は、ファンなどの機械力を使用したり、ボンベに蓄えられた圧縮ガスを放出したりして、作業ブース内の強制的な換気を行う機構である。強制的に行われる工程は、供給のみであっても、排出のみであっても、供給及び排出の両者であってもよい。また、希釈ガスとしては、例えば、窒素やヘリウムなどの不燃ガス・不活性ガスや、空気を用いることができる。
この構成によれば、エネルギ転換装置から作業ブースに漏れだした可燃ガスを速やかに希釈し外部に排出する取扱作業施設(点検整備施設、製造施設、実験施設など)を実現することが可能となる。したがって、ガス漏れが生じたような場合にも、作業ブースにおける安全性が十分に確保される。また、この技術は、上記特許文献1に示されたような設備に対し、給排機構を導入することで実施可能であり、簡易かつ低コストに導入できる利点もある。
本発明の取扱作業施設の一態様において、可燃ガスは希釈ガスよりも軽い気体であり、給排機構は、作業ブースの下部(例えば、エネルギ転換装置の配置位置よりも下側)から供給を行い、作業ブースの上部から排出を行う。この場合、可燃ガスは希釈ガス中において、密度差に起因した対流により上昇する。したがって、この自然対流による流れの方向を反転させない方がより好ましいと考え、希釈ガスの流れを下側から上側へと設定した。作業ブースの上部からの排出とは、典型的には隔壁の天井面からの排出を指す。また、エネルギ転換装置の配置位置よりも下側からの供給は、例えば、床面から供給を行うことで実施される。この構成においては、希釈ガスが通常の作業時に作業ブースに満たされるガス(通常は空気)と異なる場合には、可燃ガスはこの作業ブースに満たされるガスに比べても軽いことが、可燃ガスを速やかに排出するために、特に望ましい。なお、希釈ガス(そして通常の作業時に作業ブースに満たされるガス)が可燃ガスよりも軽い場合には、給排機構は、エネルギ転換装置の配置位置よりも上側から供給を行い、作業ブースの下部(床面など)から排出を行うように設定すればよい。
本発明の取扱作業施設の一態様において、作業ブースに漏れだした可燃ガスを検出する可燃ガスセンサと、可燃ガスセンサの検出結果に基づいて、給排機構における供給あるいは排出を制御する制御装置と、を備える。可燃ガスセンサは、可燃ガスの有無や濃度を検出するセンサである。可燃ガスセンサは、可燃ガスが流れ易い方向側に設置することが望ましく、また、ガスが凝縮されやすい(溜まりやすい)付近に設けることが望ましい。例えば、可燃ガスが周囲のガスよりも軽い場合には、給排機構による希釈ガスの流れが無かったり遅かったりする時は作業ブースの上部(作業ブース内であっても、作業ブースから引き出された排気路等であってもよい)に設けるなどすればよい。必要に応じて、可燃ガスセンサが設けられる付近において、ガスの流路を細くしたり、ガスをファン等で攪拌したりして、検知漏れを防ぐ工夫をすることも有効である。また、燃料ガスセンサを複数設けることも、検出可能性を高める上で有効である。
本発明の取扱作業施設の一態様において、制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、給排機構を始動させる。すなわち、通常は、給排機構を動作させないが、燃料ガスを(設定の値以上に)検知した場合に、給排機構を動作させて、速やかに排出を行うように設定する。この構成は、省エネルギの実現や静音環境の実現に有効である。また、可燃ガスを使用しない装置の取扱作業と可燃ガスを使用する装置の取扱作業とが混在するような場合にも、必要な時だけ給排機構を動作させる本構成は効果的に機能する。
本発明の取扱作業施設の一態様において、作業ブースの上部又は下部には、通常の作業時に作業ブースに満たされるガスとの密度差に起因して上昇または下降する可燃ガスを集積する傾斜面構造体が設けられ、可燃ガスセンサは、集積された可燃ガスを検出する。傾斜面構造体とは、対流する可燃ガスを誘導し集積するための傾斜面を備えた構造体を指す。傾斜面構造体は、隔壁や床面を利用して形成されても、これらとは別形成されてもよい。傾斜面の形状は特に限定されないが、漏斗のような二次元的な曲がりを持たせると、水平方向の運動を一点に向ける制御が可能となり、可燃ガスの凝縮の程度が増す。なお、こうして集中させた燃料ガスは、給排機構を利用して排出してもよいが、給排機構を利用することなく(例えば単に上部あるいは下部に放出口を設けることで)自然対流を利用して排出してもよい。
本発明の取扱作業施設の一態様において、制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、給排機構による供紿及び排出の量を増大させる。すなわち、燃料ガスが(設定の値以上に)検出された場合に換気量を増大させる。増大への切替は、一段階でもよいし、ガス量に応じて多段階や無限段階としてもよい。
本発明の取扱作業施設の一態様において、給排機構は、互いに異なる位置に設けられた複数の供給口、あるいは、互いに異なる位置に設けられた複数の排出口を備え、制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、これら複数の供給口あるいは排出口のうち動作させる供給口あるいは排出口の組み合わせを変化させる。典型的には、可燃ガスが(設定の値以上に)検出された場合に、供給口あるいは排出口の数を増大させる。これにより、ガスの流れ量を増大させたり、ガスの流れ方向を変化させたりすることが可能となり、換気を促進することができる。方向を変化させる例としては、通常、作業ブースの床面と天井面間で給排を行うことで垂直方向に設定された流れを、作業ブースの対向する側面間で給排を行うことで水平方向に変更する態様を挙げることができる。また、取扱作業施設が巨大である場合に、複数設置されたセンサのうち、設定条件を満たしたセンサの検知対象範囲において、換気効率を高めるように、動作させる供給口あるいは排出口のパターンを変化させる態様例も挙げられる。
本発明の取扱作業施設の一態様において、給排機構は、作業ブースから排出したガスの少なくとも一部を再度作業ブースに供給させる循環路を備え、制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、ガスの循環を抑制又は停止させる。つまり、可燃ガスが(設定の値以上に)検出されない場合には、(必要に応じて可燃ガスを取り除く処理を行った上で)ガスの少なくとも一部を循環させる。しかし、可燃ガスが(設定の値以上に)検出された場合には、循環量を減らしたり0に設定して、新たな希釈ガスを流入させることで、希釈効果を高めることとする。
本発明の取扱作業施設の一態様において、作業ブースにおいては、エネルギ転換装置を搭載した車両についての点検整備が行われる。
本発明の換気装置は、上記給排機構を備えた装置であって、上記配置施設、上記駐車場施設、又は、上記取扱作業施設に設けられる。換気装置は、複数の部品がこれら施設に別々に取り付けられてなるシステムとして形成されていてもよい。なお、給排機構が、上記制御装置によって制御される場合には、換気装置は、その制御装置を含むものとする。
図1は、本実施の形態にかかる車両整備施設の構成概略を示す模式図である。
図2は、図1の車両整備施設における制御態様例を示す図である。
図3Aは、変形例にかかる車両整備施設の送風態様を示す図である。
図3Bは、変形例にかかる車両整備施設の送風態様を示す図である。
図4は、別の変形例にかかる車両整備施設の構成概略を示す模式図である。
以下に本発明の代表的な実施の形態について説明する。説明においては、水素(及び空気中の酸素)を燃料とする燃料電池を搭載した車両を整備する施設を例に挙げる。ここで、水素は可燃ガスであり、燃料電池は水素の化学反応を通じて電気エネルギを取り出すエネルギ転換装置である。しかしながら、本発明が、他の可燃ガスの場合にも、また、内燃機関などのエネルギ転換装置にも同様にして適用できることは言うまでもなく明らかであろう。また、点検整備施設(設備)のみならず、実験施設(設備)や製造施設(設備)等に適用可能であることも明らかであろう。
図1は、本実施の形態にかかる車両整備施設10の構成概略を示す模式的な図である。車両整備施設10は、主たる構成として、車両整備ブース20、吸気装置30、排気装置40、ダクト50、水素センサ80、及び、制御装置90を備えている。
車両整備ブース20は、直方体状の形状をなす作業ブースであり、この中では、作業位置にセットされた整備車両110に対する整備点検作業が行われる。車両整備ブース20の内部たる作業空間22は、その周囲を隔壁としての側壁24及び天井壁26に取り囲まれている。また、床面28には、細かな通風口が多数開けられている。
吸気装置30は、車両整備ブース20の脇に設けられた装置であり、内蔵するファン32によって車両整備ブース20に空気を供給する。また、排気装置40は、車両整備ブース20の天井壁26の上側に取り付けられた排気部42,44,46からなる装置である。排気部42,44,46には、それぞれ排気口及びファンが設けられており、整備車両110から漏れだした水素を空気とともに排気する。
ダクト50は、車両整備ブース20の外部において、空気の流路を構成するものである。ダクト50には、排気ダクト52、排出口54、循環ダクト56、取り入れ口58及び供給ダクト60が含まれている。排気ダクト52は、一方の端を排気装置40と接続され、他方の端を排出口54に接続されており、車両整備ブース20から排気された空気を外部へと導くものである。また、循環ダクト56は、一方の端を排気ダクト52の途中部分に接続され、他方の端を吸気装置30に接続されており、排気された空気を再度供給するための経路をなしている。この循環ダクト56の途中部分には、取り入れ口58が設けられている。排気ダクト52からではなく取り入れ口58からの空気を吸気装置30に送った場合には、車両整備ブース20へは新たな空気が供給されることになる。供給ダクト60は、一方の端を吸気装置30に接続され、車両整備ブース20の床面28の下に空気を導いている。前述の通り、床面28には細かな通風口が多数開けられており、この通風口を通して供給ダクト60から車両整備ブース20へと空気が供給される。
ダクト50中には、空気の流れを制御する可動板としてのダンパ70,72,74が設けられている。ダンパ70は、排気ダクト52中において、循環ダクト56への分岐と排出口54との間に設けられており、循環量と外部への排出量を調整するものである。ダンパ72は、循環ダクト56中において、排気ダクト52からの分岐と取り入れ口58との間に設けられており、循環量を調整するものである。そして、ダンパ74は、取り入れ口58に設けられており、新たな空気の取り入れ量を調整するものである。このダンパ70,72,74は、吸気装置30、及び排気装置40、及びダクト50とともに、作業ブース20の換気を実現するための給排機構を構成している。
水素センサ80は、排気ダクト52中に設置されたガスセンサであり、水素の量を検出することができるセンサである。
制御装置90は、車両整備施設10の空調を制御するためのコンピュータ装置である。この装置は、PC(パーソナルコンピュータ)やマイコン等の演算記憶機能をもつハードウエアの動作をソフトウエア(プログラム)で規定することで形成することができる。制御装置90には、入出力部92、比較部94、及び、閾値テーブル96が含まれている。入出力部92は、水素センサ80の出力データを取得して比較部94に送出するとともに、比較部94の指示に従って、吸気装置30のファン32、排気装置40、及びダンパ70,72,74に対して動作指令信号を送信するものである。また、比較部94は、入出力部92から水素検出量を取得すると、閾値テーブル96を参照して最適な制御状態を判定する。そして、判定した制御状態を実現するように、入出力部92に対し、制御信号の送信を指示する。
続いて、この車両整備施設10の動作について、図1及び図2を用いて説明する。図2は、図1と同様にして車両整備施設10を示した図であり、同一の構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
図1に示すように、車両整備ブース20において、その内部の作業空間22に燃料電池を搭載した整備車両110が運び込まれ、作業位置にセットされる。作業者は、作業空間22に設けられた図示していない機器や工具類等を用いて、各種の整備点検作業を行う。
作業者は、少なくとも、燃料電池関連の作業を行う場合には、制御装置90を操作して、車両整備ブース20内の空調システムを起動させる。すなわち、吸気装置30と排気装置40とがONに設定され、作業空間22には、床面28から天井壁26の側に向けて微量の空気が流される。このとき、ダンパ70は若干開き気味に設定され、排気される空気のうちの1割程度が外部に排出される。また、ダンパ72は、完全に開いた状態に維持され、スムーズな循環の流れを保つ。また、ダンパ74は若干開き気味に設定され、ダンパ70によって排出する空気を補償するように、1割程度の量の外気を取り入れ口58から取り入れる。この結果、作業空間22に流される空気は9割程度が再送風された空気であり、1割程度が新たに取り込まれた空気となる。
作業者が整備車両110を整備する過程で水素ガスが漏れだす場合がある。漏れだした水素ガスは、その密度の軽さのために速やかに上昇する。場合によっては、水素ガスが車両の窪み部分等に溜まることもあり得るが、その多くは空気の流れによって速やかに押し出されることになる。そして、作業空間22の上部に達した水素ガスは、空気の全体的な流れにも乗って、排気装置40から排気ダクト52に侵入する。このようにして、車両整備ブース20においては、自然対流及び換気によって水素が希釈される。
排気ダクト52内においては、水素センサ80が、細かいサンプリング間隔(例えば1秒)で水素ガス量を検出している。一般に、排気ダクト52内では排気装置40のファンの影響により流れが乱流化されており、水素センサ80は、各排気部42,44,46から流れた空気を満遍なく検査対象とすることができる。そして、その中に混合した水素を漏れなく検出する。
制御装置90においては、比較部94が、水素センサ80によって検出された水素量と予め設定された閾値テーブル96とを比較して、行うべき空調運転の態様を決定する。例えば、水素の検出量が0または極めて微量な範囲においては、前に説明したように、9割方の空気を循環させる運転を行う。これにより、暖房や冷房を効かせている場合にも、その効率をさほど下げず、かつ、適度に新鮮な空気を導入することができる。
ここで、やや多めの水素ガスが漏れだしたことを想定する。この場合、水素センサ80はこの比較的大量の水素を検出して制御装置90に出力する。そして、比較部94は、閾値テーブル96を参照し、検出された量の水素に対しては、次の段階の空調を実施する必要があると判断する。
図2は、この場合の空調の例を示した図である。この運転においては、吸気装置30と排気装置40による送風量は変化させていないが、空気の循環を停止している点に特徴がある。すなわち、ダンパ70は、完全に開放されて、排気ダクト52からの空気をスムーズに排出口54に導いている。また、ダンパ72は、閉じられて、空気の循環を禁じている。そして、ダンパ74は完全に解放されて、取り入れ口からの空気の十分な取り込みを可能としている。
この結果、漏れだした水素は、速やかに排出口54から外部に排出されることとなる。したがって、車両整備ブース20における水素濃度は十分に低く保たれ、安全が確保される。なお、さらに大量の水素が検出された場合には、ダンパ70,72,74を図2の状態に保ったまま、吸気装置30と排気装置40の運転レベルを上昇させることができる。これにより、水素を素早く外部に追い出し、水素を希釈することが可能となる。
続いて、図3Aと図3Bを用いて、変形例を説明する。図3Aと図3Bは、図2に示した車両整備ブース20を整備車両110の側方から示した模式図である。図3Aには、通常の状態における空調の様子を示し、図3Bには、水素が設定条件を上回って検出された場合の空調の様子を示している。
図3Aにおける通風状態は、図1で説明した場合と同様である。すなわち、空気を床面に設けられた吸気口120,122,124から天井壁に設けられた排気口130,132,134に向けて流すことで、微量の水素ガスを排出している。
水素が大量に検出された場合には、その水素を速やかに外部に放出する必要がある。図3Bではこの放出を速やかに実施するために、車両整備ブース20の前方から後方に向けて、大量の送風を行っている。すなわち、通常状態で行っていた下から上への送風を停止する代わりに、車両整備ブース20の前方の壁面に設けられた吸気口140,142及び後方の壁面に設けられた排気口150,152を開き、大型のファンで一気に空気を外部に押し流している。上側の吸気口140及び排気口150は、天井壁付近に設けられており、水素が対流により天井壁付近に溜まる場合にも、十分にはき出せるように設定されている。このようにして、大量の水素が検出された場合に、送風量だけでなく、送風方向も変更し、効率のよい排出を実現することで、一層の安全確保を図ることが可能となる。
なお、車両整備ブース20に作業員が立ち入らないような場合には、空気の代わりに、窒素やヘリウム等の不活性ガス(不燃ガス)を流すことも有効である。つまり、希釈ガスとして、空気の代わりに不活性ガスを流したり、空気に不活性ガスを混入させる機能を設け、希釈ガスとして空気と不活性ガスとを少なくともその比率を変更して流す機能を備え、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、希釈ガスにおける不活性ガスの比率を増大させ、又は、希釈ガスを不活性ガスのみに変更させるようにしてもよい。この構成は、作業員が立ち入るような場合であっても、実施できる余地がある。例えば、作業員の身長よりも高い位置からヘリウムガスを流し込むことにより、作業員の呼吸の確保を図るとともに、最も軽く天井付近に溜まった水素を、次に軽いヘリウムガスで包んで空気から隔離することが可能となる。
最後に図4を用いて、別の変形例について説明する。図4は、図1とほぼ同様の図であり、同一の構成には、同一の番号を付して説明を省略する。図4と図1との大きな違いは、天井壁160が傾いて形成された車両整備ブース158が導入されている点である。この天井壁160は、中心部に向かうほど天井の高さが高くなるように設定されている。そして、天井壁160の頂点位置からは、細管162が上方に向かって設置されている。また、細管162の内部には、水素センサ164が取り付けられている。
また、排気装置170が天井壁160の内側に取り付けられている。この排気装置170は、排気部172,174,176,178を含んでおり、これらはそれぞれ排気口及びファンを有している。
続いて、図4に示した構成にかかる動作を説明する。ここでは、水素の漏れ量が0または非常に小さい状態においては、通風は行われない。しかし、水素漏れが生じた場合には、水素は自然対流によって上昇し、さらに天井壁160の傾斜に沿って細管162に導かれて外部に抜け出ることができる。したがって、多少の水素漏れがあっても送風を行うことなく、車両整備ブース158を十分に安全に保つことができる。
一方、細管162の中では、水素センサ164が細かいサンプリング間隔で水素量を検出している。そして、検出結果は制御装置90に送信され、閾値テーブル96に基づく制御が実施される。すなわち、閾値を上回る水素量が検出された場合には、吸気装置30及び排気装置170を起動するとともに、ダンパ70,72,74を調整して、水素を速やかに外部に排出する。
【0001】
[技術分野]
本発明は、可燃ガスを用いた燃料電池を搭載した燃料電池車を一時的に配置し、取り扱う作業を行うための施設に関する。
[背景技術]
燃料電池車をはじめとして、燃料電池を利用した装置の開発が盛んに進められている。燃料電池においては、一般に、水素等の燃焼容易なガスが燃料ガスとして使用されるため、燃料電池を利用した装置について、実験、製造、整備あるいは点検等を行う際には、装置外部へのガス漏れに十分注意を払う必要がある。
なお、特開平10−310033号公報には、一般的な車両を壁体で囲まれた検査室において検査する検査設備についての技術が開示されている。しかし、この文献には、ガス漏れ対策についての技術は開示されていない。
特開平5−180478号公報には、密閉式の車両用ターミナル(バスターミナル、トラックターミナル等)や密閉式の駐車場(地下駐車場など)において、天井に吸気口を設け、床面に排気口を設けて、排気ガスの捕集効率を上げる技術が開示されている。また、特開2005−98616号公報には、屋内駐車場の換気を効率的に行うため、2台の横流送風機を上下方向に並べて配置し、気流が合流するように、互いの送風方向を設定する構成が開示されている。しかし、これらの文献の技術は、排気ガスのみを対象として考えられたものであり、燃料電池車のガス漏れを想定したものではない。
特開2005−353346号公報には、燃料電池車が駐停車される地下駐車場等の閉じた施設において、車両の水素濃度または水素減少量と、施設の容積及び換気能力とに基づいて、施設内の水素濃度を判定し、換気を行う技術が開示されている。しかし、この文献においては、換気装置としては、単に施設の天井に
【0002】
ファンを設ける構成が記載されているに過ぎない。
例えば燃料電池車には燃料ガスの配管など多数の構成部品が含まれており、その構造は複雑である。特に、点検整備作業において部品間の接続部分からのガス漏れを防止することは難しいため、作業者が細心の注意を払って点検整備作業を行っている。
しかし、近い将来において燃料電池車が普及するようになると、その車両整備が現在のガソリンエンジン車と同様に行われるようになると予想される。そこで、作業者が日常的に整備を行うような場合においても、十分な安全性を確保しうるガス漏れ対策を施した点検整備施設を整えることが望ましい。特に水素ガスのように無色無臭で作業者がガス漏れを自ら感知できないような場合には、ガス漏れ対策技術を導入する必要性が高い。また、導入のコストを考えれば、こうした点検整備施設は、従来の点検整備施設を発展的に拡張することで実現できることが好ましいと言える。
また、点検整備施設に導入するガス漏れ対策技術を、自宅のガレージ、地下駐車場、立体駐車場など、燃料電池車が駐車あるいは保管される閉空間施設に設けることも有効であろう。こうした施設においても、簡易な整備点検などが行われ、ガス漏れが発生する可能性があるからである。
なお、これらの点は燃料電池車だけでなく、燃料電池そのものや、燃料電池を搭載した他の装置においても直面する課題である。また、可燃ガス(例えば水素、プロパンガス、天然ガス)を利用した内燃機関を有する車両など、可燃ガスを利用した動力機構を含む装置においても、同様の対応が求められている。
[発明の開示]
本発明の目的は、燃料電池を搭載した燃料電池車を一時的に配置し、取扱作業をする施設に対し、ガス漏れ対策技術を導入することにある。
本発明の別の目的は、燃料電池を搭載した燃料電池車を一時的に配置して、燃料電池車について実験、製造、点検あるいは整備の少なくとも一つを行う施設に対し、ガス漏れ対策機能についての技術を導入することにある。
【0003】
本発明のさらに別の目的は、従来のガソリンエンジン車に対する点検整備施設を、可燃ガスを利用した車両の点検整備施設へと改良する簡易な態様を確立することにある。
本発明の参考となる配置施設は、周囲を隔壁に覆われ、可燃ガスを燃料とするエネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置が一時的に配置可能に設けられた配置空間と、配置空間に対し希釈ガスを供給するとともに、配置空間からガスを排出させて、エネルギ転換装置から配置空間に漏れだした可燃ガスを希釈する強制的な給排機構と、を備える。
可燃ガスは、常温常圧下で気体として存在し、酸素と比較的容易に結合して燃焼しうるガスであり、具体的には、水素、メタン、プロパン、天然ガスなどを指す。エネルギ転換装置には、こうした可燃ガスを化学反応させて電気エネルギを取り出す燃料電池(燃料電池に可燃ガスを提供するための改質装置や、燃料電池のスタック単体・組立品なども含む)、水素エンジンや圧縮天然ガス(CNG)エンジンなど可燃ガスを燃焼させて運動エネルギを取り出す内燃機関、燃料電池や内燃機関等に用いられる燃料ガスの配管・弁装置などが含まれる。また、エネルギ転換装置を搭載した装置には、据え置き型の装置の他に、例えば、車両、船舶、航空機、移動型ロボット、携帯電子機器などの移動体も含まれるものとする。
一時的に配置するとは、恒久的に配置するのではなく、例えば、1時間、1日、1週間、1ヶ月などの限られた期間だけ配置することをいう。ただし、その終期は確定したものである必要はない。配置施設においては、エネルギ転換装置またはその搭載装置が配置空間に配置され撤去される過程が何度も繰り返されることになる。
本発明の参考となる駐車場施設は、上記配置施設において、配置空間を、エネルギ転換装置としての燃料電池を搭載した燃料電池車が一時的に保管あるいは駐車される空間としたものである。駐車場施設の例としては、燃料電池車を1台若しくは2,3台駐車させることが可能な個人用のガレージや、多数の燃料電池車(例えば10台以上、大規模な場合には100台以上)を駐車させることが可能な地下駐車場あるいは立体駐車場などを挙げることができる。
また、本発明の取扱作業施設は、上記配置施設において、配置空間を、エネル
【0004】
ギ転換装置としての燃料電池を搭載した装置である燃料電池車についての取扱作業が行われる作業ブースとしたものである。なお、以下では、取扱作業施設を念頭において構成要素や変形態様の説明を行うが、これらの説明は、上記配置施設または上記駐車場施設に対しても、ほぼ同様に適用できるものである。
装置についての取扱作業とは、装置に関しての実験を行ったり、装置の製造、点検、整備等を行ったりする作業を指す。また、ブースとは隔壁により周囲から仕切られた空間を指す用語として用いている。したがって、作業ブースとは、取扱作業を行うために隔壁により外部空間から仕切られた作業空間、言い換えれば取扱作業のための作業室を指す。隔壁は、作業ブース内部の作業空間を外部空間と隔てるための境界を構成するものである。隔壁には、垂直若しくは斜めに配置された側面や、斜め若しくは水平に配置された天井面や床面も含まれる。隔壁は、必ずしも、作業空間を密閉するものでなくてもよく、エネルギ転換装置の出し入れ口や、自然換気を実現する換気口などの孔部が設けられていてもよい。
給排機構は、ファンなどの機械力を使用したり、ボンベに蓄えられた圧縮ガスを放出したりして、作業ブース内の強制的な換気を行う機構である。強制的に行われる工程は、供給のみであっても、排出のみであっても、供給及び排出の両者であってもよい。また、希釈ガスとしては、例えば、窒素やヘリウムなどの不燃ガス・不活性ガスや、空気を用いることができる。
この構成によれば、エネルギ転換装置から作業ブースに漏れだした可燃ガスを速やかに希釈し外部に排出する取扱作業施設(点検整備施設、製造施設、実験施設など)を実現することが可能となる。したがって、ガス漏れが生じたような場合にも、作業ブースにおける安全性が十分に確保される。また、この技術は、上記特許文献1に示されたような設備に対し、給排機構を導入することで実施可能であり、簡易かつ低コストに導入できる利点もある。
本発明の取扱作業施設の一態様において、可燃ガスは希釈ガスよりも軽い気体であり、給排機構は、作業ブースの下部(例えば、エネルギ転換装置の配置位置よりも下側)から供給を行い、作業ブースの上部から排出を行う。この場合、可燃ガスは希釈ガス中において、密度差に起因した対流により上昇する。したがって、この自然対流による流れの方向を反転させない方がより好ましいと考え、希
【0007】
たガスの少なくとも一部を再度作業ブースに供給させる循環路を備え、制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、ガスの循環を抑制又は停止させる。つまり、可燃ガスが(設定の値以上に)検出されない場合には、(必要に応じて可燃ガスを取り除く処理を行った上で)ガスの少なくとも一部を循環させる。しかし、可燃ガスが(設定の値以上に)検出された場合には、循環量を減らしたり0に設定して、新たな希釈ガスを流入させることで、希釈効果を高めることとする。
本発明の取扱作業施設の一態様において、作業ブースにおいては、エネルギ転換装置を搭載した車両についての点検整備が行われる。
本発明の換気装置は、上記給排機構を備えた装置であって、上記取扱作業施設に設けられる。換気装置は、複数の部品がこれら施設に別々に取り付けられてなるシステムとして形成されていてもよい。なお、給排機構が、上記制御装置によって制御される場合には、換気装置は、その制御装置を含むものとする。
[図面の簡単な説明]
図1は、本実施の形態にかかる車両整備施設の構成概略を示す模式図である。
図2は、図1の車両整備施設における制御態様例を示す図である。
図3Aは、変形例にかかる車両整備施設の送風態様を示す図である。
図3Bは、変形例にかかる車両整備施設の送風態様を示す図である。
図4は、別の変形例にかかる車両整備施設の構成概略を示す模式図である。
[発明を実施するための最良の形態]
以下に本発明の代表的な実施の形態について説明する。説明においては、水素(及び空気中の酸素)を燃料とする燃料電池を搭載した車両を整備する施設を例に挙げる。ここで、水素は可燃ガスであり、燃料電池は水素の化学反応を通じて電気エネルギを取り出すエネルギ転換装置である。しかしながら、本発明が、他の可燃ガスの場合にも、また、内燃機関などのエネルギ転換装置にも同様にして適用できることは言うまでもなく明らかであろう。また、点検整備施設(設備)

Claims (12)

  1. 周囲を隔壁に覆われ、可燃ガスを燃料とするエネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置が一時的に配置可能に設けられた配置空間と、
    配置空間に対し希釈ガスを供給するとともに、配置空間からガスを排出させてエネルギ転換装置から配置空間に漏れだした可燃ガスを希釈する強制的な給排機構と、
    を備える、ことを特徴とする配置施設。
  2. 請求項1に記載の配置施設において、
    可燃ガスは希釈ガスよりも軽い気体であり、
    給排機構は、配置空間の下部から供給を行い、配置空間の上部から排出を行う、ことを特徴とする配置施設。
  3. 請求項1に記載の配置施設において、
    配置空間に漏れだした可燃ガスを検出する可燃ガスセンサと、
    可燃ガスセンサの検出結果に基づいて、給排機構における供給あるいは排出を制御する制御装置と、
    を備える、ことを特徴とする配置施設。
  4. 請求項3に記載の配置施設において、
    制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、給排機構を始動させる、ことを特徴とする配置施設。
  5. 請求項4に記載の配置施設において、
    配置空間の上部又は下部には、通常時に配置空間に満たされるガスとの密度差に起因して上昇または下降する可燃ガスを集積する傾斜面構造体が設けられ、
    可燃ガスセンサは、集積された可燃ガスを検出する、ことを特徴とする配置施設。
  6. 請求項3に記載の配置施設において、
    制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、給排機構による供給及び排出の量を増大させる、ことを特徴とする配置施設。
  7. 請求項3に記載の配置施設において、
    給排機構は、互いに異なる位置に設けられた複数の供給口、あるいは、互いに異なる位置に設けられた複数の排出口を備え、
    制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、これら複数の供給口あるいは排出口のうち動作させる供給口あるいは排出口の組み合わせを変化させる、ことを特徴とする配置施設。
  8. 請求項3に記載の配置施設において、
    給排機構は、配置空間から排出したガスの少なくとも一部を再度配置空間に供給させる循環路を備え、
    制御装置は、設定条件を満たす可燃ガスが検出された場合に、ガスの循環を抑制又は停止させる、ことを特徴とする配置施設。
  9. 請求項1に記載の配置施設において、
    配置空間においては、エネルギ転換装置を搭載した車両についての点検整備が行われる、ことを特徴とする配置施設。
  10. 請求項1に記載の配置施設において、
    配置空間は、エネルギ転換装置としての燃料電池を搭載した燃料電池車が、一時的に保管あるいは駐車される空間である、ことを特徴とする駐車場施設。
  11. 請求項1に記載の配置施設において、
    配置空間は、エネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置についての取扱作業が行われる作業ブースである、ことを特徴とする取扱作業施設。
  12. 周囲を隔壁に覆われ、可燃ガスを燃料とするエネルギ転換装置又はこのエネルギ転換装置を搭載した装置が一時的に配置可能に設けられた配置空間に対し、換気を行う装置であって、
    配置空間に対し希釈ガスを供給するとともに、配置空間からガスを排出させて、エネルギ転換装置から配置空間に漏れだした可燃ガスを希釈する強制的な給排機構を備える、ことを特徴とする換気装置。
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