JPWO2006098243A1 - スピーカ - Google Patents

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Abstract

本発明に係るスピーカは、磁気回路と、磁気回路において形成された磁気ギャップ中にその一部が配置された振動板と、振動板における第1の振動面に形成された環状の第1のボイスコイルと、振動板において第1の振動面と反対の面である第2の振動面に形成され、第1のボイスコイルと導通した環状の第2のボイスコイルと、第1の振動面の外縁部に固着され、振動板を振動可能に支持するエッジとを備える。第1のボイルコイルは、エッジの内周より内側であって磁気ギャップ中に位置するように形成される。第2のボイスコイルは、その最外周の少なくとも一部がエッジの内周より外側であって磁気ギャップ中に位置するように形成される。

Description

本発明は、スピーカに関し、より特定的には小型、薄型のスピーカに関する。
近年、所謂ハイビジョンやワイドビジョンテレビ等の普及により、テレビの画面は横長のものが一般的になりつつある。しかし一方では、我が国の住宅事情から、テレビセット全体として横幅が狭いもの、薄型のものが望まれている。このように、テレビの画面は横長化されつつも、テレビセット全体としては横幅が狭いもの、薄型のものが望まれているため、テレビに搭載されるスピーカユニット(以下、スピーカと呼ぶ)には、さらなる小型化、薄型化が求められている。そこで、振動板上に銅箔のパターンを形成したものをボイスコイルとしたスピーカが提案されている(例えば特許文献1参照)。
以下、図21を参照して、従来のスピーカについて説明する。図21は、従来のスピーカの構造断面図である。従来のスピーカは、ヨーク91、マグネット92、振動板93、ボイスコイル94を備える。マグネット92は、その下面がヨーク91の中央部に固着される。マグネット92およびヨーク91の間の空隙には、磁気ギャップ95が形成される。振動板93は平面状であり、その端部はヨーク91に固着される。振動板93の中央部はマグネット92の上面に固着される。ボイスコイル94は、振動板93の上面にパターン形成された銅箔で構成され、上記磁気ギャップ95中に存在する振動板93の一部(以下、振動部分と呼ぶ)の全面に配置される。
このとき、ボイスコイル94には、駆動電流と磁気ギャップ95中の磁束とによって上下方向に駆動力が発生する。この駆動力によって、振動板93の振動部分が上下方向に振動して、音が発生する。このように、従来のスピーカにおいては、振動板93の上面にパターン形成された銅箔をボイスコイル94として用いることによって、小型化を実現している。
特開2001−211497号公報
ここで、上述した従来のスピーカでは、振動板93の振動部分の上面のみにボイスコイル94が形成されている。したがって、この振動部分では、上面と下面とで伸び率が異なるものとなり、周囲環境の変化によって変形が生じてしまう。この変形によって、音質が劣化するという問題があった。また近年、テレビ画面の高画質化に伴い、スピーカの高音質化が求められている。これに対し、従来のスピーカでは、上述したように音質劣化を伴うものであるため、近年要求されている高音質化を実現することが困難であった。
それ故に、本発明の目的は、上記課題を解決し、高音質化を実現した小型、薄型スピーカを提供することである。
本発明の第1の局面は、スピーカであって、磁気回路と、磁気回路において形成された磁気ギャップ中にその一部が配置された振動板と、振動板における第1の振動面に形成された環状の第1のボイスコイルと、振動板において第1の振動面と反対の面である第2の振動面に形成され、第1のボイスコイルと導通した環状の第2のボイスコイルと、第1の振動面の外縁部に固着され、振動板を振動可能に支持するエッジとを備え、第1のボイルコイルは、エッジの内周より内側であって磁気ギャップ中に位置するように形成され、第2のボイスコイルは、その最外周の少なくとも一部がエッジの内周より外側であって磁気ギャップ中に位置するように形成されることを特徴とする。
本発明の第2の局面は、上記第1の局面において、振動板の第1次共振モードの節が、第1のボイスコイルの最内周と第2のボイスコイルの最外周との間に存在することを特徴とする。
本発明の第3の局面は、上記第2の局面において、第1次共振モードの節の位置から第1のボイスコイルの最内周までの距離と、当該第1次共振モードの節の位置から第2のボイスコイルの最外周までの距離とが同じ距離であることを特徴とする。
本発明の第4の局面は、上記第2の局面において、磁気回路は、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状のマグネットを含み、マグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部が第1次共振モードの節の位置と一致することを特徴とする。
本発明の第5の局面は、上記第2の局面において、磁気回路は、第1の振動面と対向する位置に配置された柱状の第1のマグネットと、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状の第2のマグネットとを含み、第1のマグネットにおける第1の振動面と対向する面の端部と、第2のマグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部とを最短で接続する直線上に第1次共振モードの節が存在することを特徴とする。
本発明の第6の局面は、上記第1の局面において、スピーカは、第1のボイスコイルに駆動電流を入力するための第1の引き出し線と、第2のボイスコイルに駆動電流を入力するための第2の引き出し線とをさらに備え、第1および第2の引き出し線は、振動板の中心に対して対称となる位置に配置され、第1および第2のボイスコイルの巻方向は、第1の振動面に対して同方向であり、第1および第2のボイスコイルの各重心の位置は、振動板の中心と一致することを特徴とする。
本発明の第7の局面は、上記第6の局面において、第1および第2のボイスコイルの各重心の位置が振動板の中心と一致するように振動板に付加された重りをさらに備える。
本発明の第8の局面は、上記第7の局面において、重りは、第1および第2のボイスコイルを構成する配線と同形状であって、第1および第2のボイスコイルのうちいずれか一方の配線に対して沿うように付加されることを特徴とする。
本発明の第9の局面は、上記第1の局面において、振動板は、細長形状であり、第1および第2のボイスコイルは、振動板に形成された形状が当該振動板の長手方向に沿った長手部分を含む細長形状であり、第2のボイスコイルは、少なくとも長手部分の最外周がエッジの内周より外側であって磁気ギャップ中に位置するように形成されることを特徴とする。
本発明の第10の局面は、上記第9の局面において、振動板の短手方向における第1次共振モードの節が、第1のボイスコイルの長手部分における最内周と第2のボイスコイルの長手部分における最外周との間に存在することを特徴とする。
本発明の第11の局面は、上記第10の局面において、短手方向における第1次共振モードの節の位置から第1のボイスコイルの長手部分における最内周までの距離と、当該第1次共振モードの節の位置から第2のボイスコイルの長手部分における最外周までの距離とが同じ距離であることを特徴とする。
本発明の第12の局面は、上記第10の局面において、磁気回路は、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状のマグネットを含み、振動板の短手方向において、第マグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部が短手方向における第1次共振モードの節の位置と一致することを特徴とする。
本発明の第13の局面は、上記第10の局面において、磁気回路は、第1の振動面と対向する位置に配置された柱状の第1のマグネットと、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状の第2のマグネットとを含み、振動板の短手方向において、第1のマグネットにおける第1の振動面と対向する面の端部と、第2のマグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部とを最短で接続する直線上に短手方向における第1次共振モードの節が存在することを特徴とする。
本発明の第14の局面は、上記第9の局面において、スピーカは、第1のボイスコイルに駆動電流を入力するための第1の引き出し線と、第2のボイスコイルに駆動電流を入力するための第2の引き出し線とをさらに備え、第1および第2の引き出し線は、振動板の中心に対して対称となる位置に配置され、第1および第2のボイスコイルの巻方向は、第1の振動面に対して同方向であり、第1および第2のボイスコイルの長手部分における各重心の位置は、振動板の中心と一致することを特徴とする。
本発明の第15の局面は、上記第14の局面において、第1および第2のボイスコイルの長手部分における各重心の位置が振動板の中心と一致するように振動板に付加された重りをさらに備える。
本発明の第16の局面は、上記第15の局面において、重りは、第1および第2のボイスコイルを構成する配線と同形状であって、第1および第2のボイスコイルのうちいずれか一方の長手部分に対して沿うように付加されることを特徴とする。
本発明の第17の局面は、上記第1の局面において、第1のボイスコイルの最外周が、第2のボイスコイルの最内周より外側に位置することを特徴とする。
本発明の第18の局面は、上記第1の局面において、第1のボイスコイルの最外周が、エッジの内周と近接することを特徴とする。
本発明の第19の局面は、上記第1の局面において、エッジの形状がロール形状であることを特徴とする。
本発明の第20の局面は、上記第1の局面に係るスピーカと、スピーカを搭載するための筐体とを備える。
上記第1の局面によれば、振動板の両面に第1および第2のボイスコイルが形成されるので、周囲環境の変化による振動板の変形を抑えることができる。その結果、高音質化を実現した、小型、薄型のスピーカを提供することができる。また本局面によれば、第1のボイスコイルがエッジと振動板との間に挟まれない構造となるので、第1のボイスコイルがエッジと振動板との間に挟まれることによって生じるエッジと振動板との接着不良を防ぐことができる。
上記第2の局面によれば、第1次共振モードの節の位置で駆動力を発生させることができ、当該第1次共振モードに起因する音圧周波数特性のピークディップを防ぎ、歪の少ない再生音を実現することができる。
上記第3の局面によれば、第1および第2のボイスコイルそれぞれに発生する駆動力の合力が第1次共振モードの節の位置で最大となり、より効果的に第1次共振モードを抑えることができる。
上記第4の局面によれば、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力を大きくすることができる。その結果、より高能率のスピーカを提供することができる。
上記第5の局面によれば、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、かつマグネットが2つあることで、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力をマグネットが1つの場合と比べて大きくすることができる。これにより、マグネットが1つの場合よりもさらに高能率のスピーカを提供することができる。
上記第6〜8の局面によれば、振動板の非対称振動を抑えることができ、当該非対称振動に起因する歪の発生を抑えることができる。
上記第9の局面によれば、振動板の形状が細長形状であっても、高音質化を実現した、小型、薄型のスピーカを提供することができる。また接着不良による異常音や歪の発生を抑えた、さらなる高音質化を図ることができる。
上記第10の局面によれば、振動板の短手方向における第1次共振モードの節が、第1のボイスコイルの長手部分における最内周と第2のボイスコイルの長手部分における最外周との間に存在する。ここで細長形状の振動板においては、振動板の短手方向における第1次共振モードが長手方向よりも音質劣化に与える影響が大きい。したがって本局面によれば、この短手方向における第1次共振モードの節の位置で駆動力を発生させることができ、当該第1次共振モードに起因する音質劣化を効率良く抑えることができる。
上記第11の局面によれば、第1および第2のボイスコイルの長手部分それぞれに発生する駆動力の合力が、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置で最大となり、より効果的に第1次共振モードを抑えることができる。
上記第12の局面によれば、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力を大きくすることができる。その結果、より効率的に高能率のスピーカを提供することができる。
上記第13の局面によれば、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、かつマグネットが2つあることで、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力をマグネットが1つの場合と比べて大きくすることができる。これにより、マグネットが1つの場合よりもさらに高能率のスピーカを提供することができる。
上記第14〜16の局面によれば、振動板の短手方向における非対称振動を抑えることができ、当該非対称振動に起因する歪の発生を効率良く抑えることができる。
上記第17の局面によれば、第1および第2のボイスコイルが振動板の振動方向に対して重なるように配置されるので、第1および第2のボイスコイルがより一体的に駆動することができる。
上記第18の局面によれば、第1および第2のボイスコイルが近接して配置されるので、第1および第2のボイスコイルがより一体的に駆動することができる。
上記第19の局面によれば、振動板の振幅が線形性の良い振幅となり、振幅が非線形になることによって発生する歪を抑えることができる。
図1は、第1の実施形態に係るスピーカの平面図である。 図2は、図1に示すスピーカの短辺方向における構造断面図である。 図3は、図1で示す振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の下面側の様子を示した図である。 図4は、短辺方向における振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の構造断面図である。 図5は、短辺方向における第1次共振モードの節の位置に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ配置した例を示す図である。 図6は、上面コイル12aおよび下面コイル12bが上下方向において配線の一部が重なるように配置された例を示す図である。 図7は、上面コイル12aの長辺部分と下面コイル12bの長辺部分とが同じずれ量Xだけずらした状態を示す図である。 図8は、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図7のずれ量Xと異なるずれ量で配置された例を示す図である。 図9は、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図7のずれ量Xと異なるずれ量で配置された例を示す図である。 図10は、本実施形態に係るスピーカの短辺方向における断面図と振動板10の下面に形成される磁気ギャップ16中の磁束密度分布とを示した図である。 図11は、マグネット15の上方であって振動板10を介した位置にマグネット25が配置された例を示す図である。 図12は、エッジ11が振動板10の下面に接着された例を示す図である。 図13は、本実施形態における振動板10の形状例を示した図である。 図14は、引き出し線102aおよび102bの形状違いの例を示した図である。 図15は、第2の実施形態に係るスピーカの平面図である。 図16は、図15に示すスピーカの短辺方向における構造断面図である。 図17は、振動板10の短辺方向における振動の様子を示した図である。 図18は、上面コイル12aの左右の配線数と回転振動の振幅量との関係を示す図である。 図19は、上面コイル12aおよび下面コイル12bを、それぞれの重心が中心軸O上に位置するように配置した例を示す図である。 図20は、スピーカ61をPDPの内部筐体に搭載した場合の構造例を示す図である。 図21は、従来のスピーカの構造断面図である。
符号の説明
10 振動板
11 エッジ
12 ボイスコイル
12a 上面コイル
12b 下面コイル
13 フレーム
14 ヨーク
15、25 マグネット
50 付加配線
60 表示画面
61 スピーカ
101 端子
102 引き出し線
121 リード線部
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して、本発明における第1の実施形態に係るスピーカについて説明する。図1は、第1の実施形態に係るスピーカの平面図である。図2は、図1に示すスピーカの短辺方向における構造断面図である。なお、以下の説明では、一例として図1に示すような細長構造のスピーカについて説明する。また、一例として振動板の形状が矩形の対向する2辺のみを半円に置換した、レーストラックのような形状(以下、トラック形状とする)とする。
図2に示すように、本実施形態に係るスピーカは、振動板10、エッジ11、ボイスコイル12、フレーム13、ヨーク14、およびマグネット15で構成される。
振動板10は、例えばポリイミドやエポキシ等の高分子材料(高分子フィルム)等で構成される。振動板10の形状はトラック形状である。また振動板10の断面形状は略平面状である。断面形状を略平面状にすることで、スピーカ全体の薄型化を図ることができる。
エッジ11は、振動板10を振動可能に支持する部材である。具体的には、エッジ11の内縁部が振動板10上面の外縁部に接着剤ADによって固着される。エッジ11の外縁部はフレーム13に固着される。これにより、エッジ11は振動板10を上下方向に振動可能に支持している。また、エッジ11の断面形状はロール形状である。エッジ11の断面形状がロール形状になることで、線形性の良い振動板10の振幅を確保することができる。なお、上記ロール形状は半円形状に限定されず、線形性の良い振幅を確保することが可能な形状であればよい。したがって、上記ロール形状は例えば楕円を半分にした半楕円形状であってもよい。
ボイスコイル12は、銅箔等の導体をパターン形成して得られる通称プリントコイルである。ボイスコイル12は、環状で形成され、振動板10の上下面それぞれに形成される。本実施形態では図1に示すように、ボイスコイル12は長方形で形成されている。ここで、振動板10の上面に形成されたボイスコイル12を上面コイル12aと称す。また、振動板10の下面に形成されたボイスコイル12を下面コイル12bと称す。上面コイル12aと下面コイル12bは、スルーホールSHで接続されており、電気的に導通している。なお、ボイスコイル12の形成方法および配置位置については、後述にて詳細に説明する。
フレーム13は、矩形の筐体である。フレーム13の上面には、図2に示すように開口部が形成される。ヨーク14は、フレーム13より外径の小さい矩形の筐体である。ヨーク14の上面には、図2に示すように開口部が形成される。ヨーク14は、その下部がフレーム13の内部底面に固設され、フレーム13の筐体内部に設置される。マグネット15は、柱状体(例えば直方体)のマグネットである。マグネット15は、その下面がヨーク14の内部底面に固着され、ヨーク14の筐体内部に設置される。ヨーク14およびマグネット15によって、ヨーク14およびマグネット15の上面と振動板10の下面との間に磁気ギャップ16が形成される。このように、ヨーク14はおよびマグネット15は、上面コイル12aおよび下面コイル12bの位置に磁気ギャップ16を形成する磁気回路を構成する。そして上面コイル12aおよび下面コイル12bには、磁気ギャップ16中の磁束と駆動電流とによって、上下方向の駆動力が発生する。この駆動力によって振動板10が上下方向に振動し、音が発生する。
ここで、上述したボイスコイル12の形成方法について具体的に説明する。形成方法については様々な方法が一般的に知られている。本実施形態では、その一般的な方法のいずれを用いてもよいが、セミアディティブ法と称される方法を用いるのが好適である。この方法では、まず振動板10に相当する高分子フィルム(厚み:12.5〜50ミクロン)を基材として、蒸着によって、その基材の上下面それぞれに対して薄い銅箔を形成する。
その後、蒸着した銅箔の厚みが2〜8ミクロンとなるまで電気めっきを行う。次に、スルーホールSHを形成すべき位置に、基材の上下面を貫通する穴を設ける。その後、上下面それぞれに対して光感光レジスト層を形成する。光感光レジスト層の形成後、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分を遮蔽するマスクをかけて露光処理を行う。露光処理後、未感光の光感光レジスト層を除去する。このとき、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分がむき出しになる。一方、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分以外の部分はレジスト層で覆われている。むき出しになった上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分が所定の厚み(通常は40ミクロン程度)になるまで、電気めっきを行う。このとき、上下面を貫通する穴にもめっきが進行し、上下面の各銅箔が接続される。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bを電気的に導通させるスルーホールが形成される。
その後、上下面それぞれに対して、残りのレジスト層を除去し、全体をエッチングする。このエッジングによって、基材に蒸着された厚みの薄い銅箔が上面コイル12aおよび下面コイル12bよりも先に除去される。そして、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分およびスルホールSH部分の銅箔のみが基材上に残ることとなる。このようにして、振動板10の上面には上面コイル12aが形成され、振動板10の下面には上面コイル12aとスルーホールSHで導通した下面コイル12bが形成される。以上でボイスコイル12の形成方法についての説明を終わる。
次に、図1および図3を参照して、上面コイル12aおよび下面コイル12bに流れる駆動電流について説明する。図3は、図1で示す振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の下面側の様子を示した図である。
図3において、フレーム13に設けられた2つの入力端子(図示なし)のうち、一方の入力端子から入力された駆動電流は、振動板10に形成された端子101aに入力される。端子101aは、フレーム13に設けられた入力端子に固設されるものであり、引き出し線102aによって上面コイル12aと導通する。上面コイル12aのリード線部121aは、振動板10の中心線H上に位置し、引き出し線102aと接続される。端子101aに入力された駆動電流は、図1に示す上面コイル12aを流れ、スルーホールSHに到達する。スルーホールSHは、振動板10の中心線H上に位置し、下面コイル12bと接続されている。したがって、上面コイル12aを流れた駆動電流は、スルーホールSHを介して下面コイル12bを流れる。下面コイル12bのリード線部121bは、振動板10の中心線H上に位置し、引き出し線102bと接続される。これより、図3に示すように下面コイル12bを流れた駆動電流は、引き出し線102bを介して振動板10に形成された端子101bに入力される。端子101bは、フレーム13に設けられた他方の入力端子に固設される。
このように、上面コイル12aおよび下面コイル12bを流れる駆動電流は、上面側または下面側のいずれか一方側から見ると同じ向きに流れる。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの巻方向は、振動板10の上面側または下面側のいずれか一方面側から見ると同方向となる。これにより、上面コイル12aおよび下面コイル12bには、駆動電流と磁気ギャップ16中の磁束とによって、同方向の駆動力が発生する。
次に、図4を参照して、上面コイル12aおよび下面コイル12bの配置位置について説明する。図4は、短辺方向における振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の構造断面図である。
図4に示すように、上面コイル12aの長辺部分は振動板10の上面に配置される。また上面コイル12aは、エッジ11の内周より内側に配置される。一方、下面コイル12bの長辺部分は振動板10の下面に配置される。下面コイル12bの長辺部分の最外周は、エッジ11の内周より外側に位置する。なお図4の場合では、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節が、上面コイル12aの長辺部分における最内周と下面コイル12bの長辺部分における最外周との間である巻幅内に存在している。第1次共振モードについては後述にて詳細に説明する。上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分は、図1および図3に示したようにエッジ11の内周より内側であって、振動板10の上下面に対して同じ位置に配置される。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分は、振動板10を間に挟んだ状態で、上下方向において重なるように配置される。
ここで、振動板10には振動時に分割共振が発生する。この分割共振によってスピーカの音圧周波数特性にピークディップが生じ、音質が劣化してしまうという問題がある。なお、この問題は略平面状の振動板10において特に生じやすい。またこの分割共振のうち、特に第1次共振モード(ここでは音圧周波数特性に寄与する節数が偶数個であるモードのみを考慮し、その次数を1、2、3とする)が音質に大きな影響を与えている。この第1次共振モードの節は、振動板10の長辺方向および短辺方向の端部付近に位置する場合が多い。
まず、振動板10の長辺方向における第1次共振モードについて考える。上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分は、図1および図3に示したように振動板10の長辺方向の全体に渡って配置されている。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分の長さが十分長いので、長辺方向では振動板10を全面駆動させることができる。そして、振動板10が全面駆動することで、振動板10の長辺方向における第1次共振モードを抑えることができる。
一方、振動板10の短辺方向においては、上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分の長さが短いので、短辺方向における第1次共振モードの周波数が非常に高くなる。このため、短辺方向における第1次共振モードを抑えることで、次に発生する第2次共振モードの周波数までの広帯域に渡って、当該第1次共振モードに起因する音質劣化を防止することができる。ここで、短辺方向における第1次共振モードを抑えてさらなる高音質化を図るためには、第1次共振モードの節または節の近傍の位置にボイスコイル12を配置する方法が考えられる。第1次共振モードの節または節の近傍の位置にボイスコイル12を配置することで、第1次共振モードの節または節の近傍の位置で駆動力が発生し、第1次共振モードに起因する音質劣化を抑えることができる。
ここで、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節の位置は、例えば図4では振動板10の外周付近(端部より内側)に存在している。振動板10の短辺の長さを1と仮定して数値例を挙げて説明すると、第1次共振モードの節は例えば振動板10の短辺の端から0.224付近に相当する位置、および0.776付近に相当する位置に存在する場合が多い。したがって図4の場合に、単純に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ第1次共振モードの節の位置に配置すると、図5に示すようになる。しかしこの場合、問題がある。図5は、短辺方向における第1次共振モードの節の位置に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ同じ位置に配置した例を示す図である。
図5に示すように、短辺方向における第1次共振モードの節の位置に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ配置した場合、上面コイル12aがエッジ11および振動板10の接着部分に挟まる構造となる。ここで、上面コイル12aは駆動電流が流れることによって発熱する。したがって、上面コイル12aの発熱によって接着剤ADが炭化または軟化し、接着不良が発生するという問題がある。さらに、上面コイル12aは銅箔のパターンであるため、上面コイル12a上には段差が生じている。この段差によって、エッジ11および振動板10の間の接着強度は、段差がないときに比べて弱くなってしまうという問題もある。
このように、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ第1次共振モードの節の位置に単純に配置すれば、振動板10とエッジ11とが接着不良によって外れてしまい、動作時の異音や歪が発生するという問題がある。
しかしながら、本実施形態においては、図4に示したように、上面コイル12aをエッジ11の内周よりも内側に配置して、エッジ11および振動板10の間に上面コイル12aが挟まれない構造を採用している。つまり、上面コイル12aはエッジ11の内周よりも内側に配置され、下面コイル12bはその最外周がエッジ11の内周より外側に配置された構造である。これにより、エッジ11および振動板10の接着不良を生じさせることなく、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節の位置で駆動力を発生させることができる。
このように、上面コイル12aをエッジ11の内周よりも内側に配置し、下面コイル12bをその最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置することで、振動板10およびエッジ11の接着不良を防止しつつ、振動板10の短辺方向における第1次共振モードに起因する音質劣化を防止することができる。
なお、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分は、図6に示すように、上下方向に配線の一部が重なるように配置されてもよい。図6は、上面コイル12aおよび下面コイル12bが上下方向において配線の一部が重なるように配置された例を示す図である。図6では、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節が上面コイル12aおよび下面コイル12bの巻幅内に位置しており、当該節の位置で駆動力が発生する。ここで、図4と図6とで、上面コイル12aと下面コイル12bとのずれ量を参照すると、図6に示す方がずれ量が小さい。ここでずれ量が小さいほど、磁束密度が一定の場合には上面コイル12aおよび下面コイル12bがより一体的に駆動し易くなり、駆動力が節の位置に集中するため、音質面で好適である。なお、このずれ量を最小にするには、下面コイル12bの最外周がエッジ11の内周よりも外側に位置するので、上面コイル12aをエッジ11の内周に可能な限り近接した位置に配置すればよい。なお、節の位置そのものがエッジのずれや接着剤ADの重量のバラツキにより変化する。したがって、上述したようにずれ量は小さいほどよいが、ずれ量をゼロとはせずに上面コイル12aおよび下面コイル12bが配置されることで、節の位置が変化しても当該変化後の節の位置で駆動力を発生させることができる。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bのずれ量が最小であっても、上面コイル12aおよび下面コイル12bがずらして配置されることで、エッジのずれや接着剤ADの重量のバラツキによる節の位置の変化に対応することができる。
また、上述した図4および図6に示した配置位置以外に、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が、短辺方向における第1次共振モードの節の位置を中心として、当該中心から同じ量だけずれた位置で配置されてもよい。図7は、上面コイル12aの長辺部分と下面コイル12bの長辺部分とが同じずれ量Xだけずらした状態を示す図である。図7に示すような位置関係で上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分を配置した場合、上面コイル12aおよび下面コイル12bにそれぞれ発生する駆動力の合力は、短辺方向における第1次共振モードの節の位置で最大となる。これにより、図4および図6に示した場合に比べて、より効果的に短辺方向における第1次共振モードを抑えることができる。
また、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図8および図9に示すようなずれ量で配置されてもよい。図8および図9は、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図7のずれ量Xと異なるずれ量で配置された例を示す図である。図8では、ずれ量Xよりも小さいずれ量Y(Y<X)で上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分を配置した例を示している。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分は、上下方向でコイルの一部が重なるように配置されている。図9では、ずれ量Xよりも大きいずれ量Z(Z>X)で上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分を配置した例を示している。なお、ずれ量は上述したように、小さいほど好適である。
また、上述では、第1次共振モードの節が上面コイル12aの最内周と下面コイル12bの最外周との間の巻幅内に位置する例を述べた。これに対して、第1次共振モードの節が当該巻幅外に位置する場合であっても、当該巻幅の近傍に位置する場合には第1次共振モードの節の近傍で駆動力を発生させることができ、音質劣化を抑えることができる。
なお、上述では、ヨーク14およびマグネット15で構成される磁気回路とボイスコイル12との位置関係については特に言及していなかったが、以下に説明する位置関係で配置することにより、より高能率のスピーカを実現することができる。図10を参照して、より高能率のスピーカを実現するための位置関係について具体的に説明する。図10は、本実施形態に係るスピーカの短辺方向における断面図と振動板10の下面に形成される磁気ギャップ16中の磁束密度分布とを示した図である。図10に示す磁束密度分布において、水平軸はスピーカの断面における中心軸を0とし、当該中心軸から振動板10の端方向へ進んだ位置を表す。また、垂直軸はその水平軸上の位置において形成される水平方向の磁束の密度を示す。ここで、磁束密度を水平方向に限ったのは、水平方向の磁束密度がボイスコイル12に駆動力を発生させるからである。また図10に示す磁束密度分布では、磁束密度を絶対値で示している。これは、スピーカの断面における中心軸で磁束密度が0となり、その中心軸を境界として磁束密度の極性が反転するためである。ここで、図10に示す磁束密度分布から分かるように、スピーカの中心軸から端に進むにしたがって磁束密度が大きくなり、マグネット15の端部で最大となる。したがって、短辺方向における第1次共振モードの節の位置がマグネット15の端部の直上に位置するように設計する。ここで、第1共振モードの節の位置は、振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12によって変更可能である。また、第1次共振モードの節の位置にマグネット15の端部が配置されるように、マグネット15の大きさや配置位置を変更してもよい。このように、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となるように設定することで、第1次共振モードの節の位置には上述したようにボイスコイル12が配置されるので、当該ボイスコイル12に発生する駆動力が最大となる。その結果、第1次共振モードによる音質劣化を抑えつつ、より高能率のスピーカを実現することができる。
また、図11に示すように、マグネット15が複数ある場合についても、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となるように設定すれば、高能率のスピーカを実現することができる。図11は、マグネット15の上方であって振動板10を介した位置にマグネット25が配置された例を示す図である。図11において、マグネット25はマグネット15と同一形状である。そして、マグネット25は、マグネット15の上方に配置される。マグネット25の中心軸は、マグネット15の中心軸と一致している。マグネット15および25の間には空間が形成され、振動板10は当該空間内に配置される。マグネット15および25は、それぞれが対向する面が同一極性となるように着磁されている。つまり、マグネット15の上面の極性とマグネット25の下面の極性とが同一の極性となる。これにより、水平方向の磁束密度が大きくなり、マグネット15のみの場合と比べて駆動力が増加する。また、磁束密度の最大点はマグネット15および25の端部を接続する点線上となる。したがって、図11に示す例では、短辺方向における第1次共振モードの節の位置を点線上に配置することで、ボイスコイル12に発生する駆動力が最大となり、図10の場合よりも高能率なスピーカを実現することができる。
なお、マグネット25のサイズがマグネット15と異なるサイズであってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ボイスコイル12は、上面コイル12aと下面コイル12bとで構成され、振動板10の両面に形成される。これにより、振動板10の上面と下面とで伸び率を等しくすることができ、周囲環境の変化による変形を抑えることができる。その結果、高音質化を実現した、小型、薄型のスピーカを提供することができる。
また本実施形態によれば、上面コイル12aをエッジ11の内周より内側に配置し、下面コイル12bをその最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置することで、振動板10およびエッジ11の接着不良を防止しつつ、短辺方向の第1次共振モードに起因する音質劣化を防止することができる。その結果、さらなる高音質化を実現することができる。
また本実施形態によれば、短辺方向における第1次共振モードの節の位置を中心として、上面コイル12aの長辺部分と下面コイル12bの長辺部分とを同じずれ量だけずらして配置することで、上面コイル12aおよび下面コイル12bにそれぞれ発生する駆動力の合力が、短辺方向における第1次共振モードの節の位置で最大とすることができる。その結果、より効果的に短辺方向における第1次共振モードを抑えることができる。
また本実施形態によれば、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となるように振動板、エッジ、ボイスコイル、または磁気回路を設定することで、ボイスコイル12に発生する駆動力を最大にすることができる。その結果、第1次共振モードによる音質劣化を抑えつつ、より高能率のスピーカを実現することができる。
なお、上述ではエッジ11が振動板10の上面に接着された例を示したが、図12に示すように、エッジ11が振動板10の下面に接着される場合もある。図12は、エッジ11が振動板10の下面に接着された例を示す図である。この場合、エッジ11が振動板10の下面に接着されているので、下面コイル12bの長辺部分がエッジ11の内周より内側に配置される。上面コイル12aは、その最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置される。
また、上述ではエッジ11の内縁部が振動板10上面の外縁部に接着剤ADによって固着されるとした。ここで、接着剤AD以外の方法で固着した場合であっても、エッジ11と振動板10との接合部にボイスコイルが配置されることで接着不良が生じる。しかしながら、このような場合であっても、本実施形態に係るスピーカは接着不良を防ぐことができる。
また、上述では振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節の位置に、ボイスコイル12の長辺部分が配置されていた。これに対して、さらに振動板10の長辺方向における第1次共振モードの節の位置に、ボイスコイル12の短辺部分が配置されていてもよい。この場合、上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分を、上述した長辺部分と同様の方法でずらして配置すればよい。つまり、上面コイル12aは全周に渡ってエッジ11の内周より内側に配置され、下面コイル12bは全周に渡ってその最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置されてもよい。
また、振動板10の形状は上述したトラック形状に限定されない。例えば、振動板10の形状が円形、楕円、または正方形であってもよい。円形の場合、第1次共振モードの節は同心円上であって振動板10の外縁部付近に存在する場合が多い。楕円の場合には、上述したトラック形状とほぼ同様の位置に存在する場合が多い。また、振動板10の形状は、図13に示すように、図1で示したトラック形状よりもさらに細長いトラック形状であってもよい。図13は、本実施形態における振動板10の形状例を示した図である。
また、引き出し線102aおよび102bの形状は、図3に示した形状には限定されない。引き出し線102aおよび102bの形状が例えば図14に示す形状であってもよい。図14は、引き出し線102aおよび102bの形状違いの例を示した図である。ここで、引き出し線102aおよび102bの形状は、振動板10から端子101aおよび101bまでの距離が長いほど望ましい。また引き出し線102aおよび102bの形状は、振動板10の中心に対して対称な形状であることが望ましい。また引き出し線102aおよび102bは、振動板10の中心に対して対称な位置に配置されることが望ましい。これらにより、引き出し線102aおよび102bに応力が集中することを防止することができる。
図3に示した引き出し線102aおよび102bの形状は、上記条件を満たした形状である。具体的に言えば、振動板10の中心線H上から一度振動板10側に反転して振動板10に接近する屈曲部を有する形状である。また、図14に示す引き出し線102bの形状も上記条件を満たした形状である。引き出し線102bは、下面コイル12bを振動板10の短辺方向の右端から引き出して、振動板10の中心線Hより左側に位置する端子101bへ接続する形状である。このとき、下面コイル12bのリード部121bは、振動板10の短辺方向の右端に位置している。一方、図14に示す引き出し線102aの形状は、上面コイル12aを振動板10の短辺方向の左端から引き出して、振動板10の中心線Hより右側に位置する端子101aへ接続する形状である。
このように、図14に示す引き出し線102aおよび102bの形状は、振動板10側から端子101aおよび101bまでの距離が長い形状である。また、振動板10の中心に対して対称な形状である。なお、引き出し線102aおよび102bの形状は、図3および図14に示した形状に限定されない。上記条件を満たす形状であればどのような形状であってもよい。
(第2の実施形態)
以下、図15および図16を参照して、本発明における第2の実施形態に係るスピーカについて説明する。図15は、第2の実施形態に係るスピーカの平面図である。図16は、図15に示すスピーカの短辺方向における構造断面図である。なお、第2の実施形態に係るスピーカは、上述した第1の実施形態に係るスピーカに対して振動板10に付加配線50を付加し、振動板10の重量バランスの向上を図ったスピーカである。また、付加配線50以外の本実施形態に係る各構成部は、上述した第1の実施形態における各構成部と同じ構成であり、同一符号を付して説明を省略する。
上述した第1の実施形態に係るスピーカでは、引き出し線102aおよび102bを振動板10の中心に対して対称の位置に配置していた。またスルーホールSH以外で上面コイル12aおよび下面コイル12bが交差しないようにパターン形成していた。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの巻方向が、振動板10の上面側(または下面側)から見て同方向となるようにパターン形成していた。これらの条件下では、上面コイル12aまたは下面コイル12bのいずれか一方が半ターン分不足する。図1では、上面コイル12aにおいて、振動板10の中心線Hに対して左側の配線数が4本であるのに対し、右側の配線数は3本となっている。このように振動板10の短辺方向において、1本の配線数の分だけ振動板10の重量バランスが崩れている。そこで本実施形態では、付加配線50を付加して振動板10の重量バランスの向上を図ることを考える。これにより、振動板10の重量バランスに起因して生じる非対称振動を抑えることができ、当該非対称振動に起因する歪の発生を抑えることができる。
図15および図16に示すように、付加配線50は、中心線Hよりも右側において上面コイル12aの最内周の長辺部分と並列接続されている。付加配線50は、上面コイル12aの長辺部分と同じ長さ、同じ厚み、および同じ幅の配線である。また付加配線50は、振動板10の中心線Hに対して、上面コイル12aの長辺部分が左右対称の形状となるように配置される。図16で言えば、上面コイル12aの長辺部分の断面形状が振動板10の中心に対して左右対称の形状となっている。これにより、上面コイル12aの長辺部分の重心は振動板10の中心と一致し、振動板10の重量バランスが向上する。
ここで、図17を参照して、振動板10が非対称振動をしているときの振動板10の様子を分析する。図17は、振動板10の短辺方向における振動の様子を示した図である。なお、図17に示す振動の様子は有限要素法を用いて計算したものである。図17(a)は振動板10そのものの振動の様子を示す。図17(a)に示した振動を回転振動と並進振動とに分解すると、図17(b)および(c)のようになる。図17(b)は回転振動を示す図である。図17(c)は並進振動を示す図である。図17(b)に示す回転振動が、歪の発生原因である。
さらに、上面コイル12aの重量バランスによって、図17(b)に示した回転振動がどのように変化するかについて、図18を参照して説明する。図18は、上面コイル12aの左右の配線数と回転振動の振幅量との関係を示す図である。図18では、横軸が周波数を示し、縦軸が振幅量の絶対値を示す。また図18に示すZ振幅は、並進振動の振幅量を示す。それ以外のカーブは、回転振動の振幅量を示す。なお、それ以外のカーブそれぞれに付された番号(4、3、2、1、0)は、上面コイル12aの欠落した配線数を示す。つまり、4のカーブは、上面コイル12aの長辺部分において左側の配線数が4本、右側の配線数が4本欠落した0本となる場合の回転振動の振幅量を示す。同様に、3のカーブは右側の配線数が3本欠落した場合の回転振動の振幅量を示す。2のカーブは右側の配線数が2本欠落した場合の回転振動の振幅量を示す。1のカーブは右側の配線数が1本欠落した場合の回転振動の振幅量を示す。0のカーブは左右の配線数が同じ本数となる場合の回転振動の振幅量を示す。また0〜4のカーブは、並進振動がZ振幅の振幅量となるときの回転振動をそれぞれ示している。つまり0〜4のカーブは、Z振幅を入力の基準とし、同じ入力のもとで回転振動の振幅量を比較したカーブである。また2〜4のカーブは、実際にコイル形成したもので計算した結果ではなく、重量バランスのみ考慮して計算した結果である。
図18の分析結果により、4のカーブの振幅量が他のカーブに比べて全体的に大きくなることがわかる。そして、4から0のカーブになるに従い、回転振動の振幅量が小さくなることがわかる。このように欠落本数が少ないほど、回転振動の振幅量が小さくなることがわかる。つまり欠落本数が少ないほど、上面コイル12aの長辺部分の重心は振動板10の中心に近づき、上面コイル12aの長辺部分の重量バランスは向上する。重量バランスが向上することで、回転振動の振幅量が小さくなり、回転振動に起因する歪の発生を抑えることができる。
以上のように、付加配線50のような重りを振動板10に付加することによって、ボイスコイル12を含む振動板10全体の重量バランスが向上する。これにより、短辺方向の非対称振動の発生が抑制され、異常音や歪の発生を防ぐことができる。その結果、上述した第1の実施形態に対して、さらなる高音質化を実現することができる。
なお、上述では、付加配線50が上面コイル12aの最内周の長辺部分と並列接続されているとしたが、切り離した状態であってもよい。また図19に示すように、上面コイル12aおよび下面コイル12bの各重心が振動板10の断面における中心軸O上に位置するように、上面コイル12aおよび下面コイル12b自体の配置を考慮してもよい。図19は、上面コイル12aおよび下面コイル12bを、それぞれの重心が中心軸O上に位置するように配置した例を示す図である。ここで、具体的な説明のために上面コイル12aの右側の長辺部分を長辺部分12aRとする。上面コイル12aの左側の長辺部分を長辺部分12aLとする。また、下面コイル12bの右側の長辺部分を長辺部分12bRとする。下面コイル12bの左側の長辺部分を長辺部分12bLとする。図19に示すように、長辺部分12aRは配線数が3本である。これに対し、長辺部分12aLは配線数が4本である。また、長辺部分12bRおよび12bLはともに配線数が4本である。したがって、下面コイル12bについては、各長辺部分12bRおよび12bLは重量が同じであり、中心軸0から同じ距離だけ離れた位置に配置されることで、その重心は中心軸O上に位置することとなる。
一方、上面コイル12aは、各長辺部分12aRおよび12aLの重量が異なる。この場合、各長辺部分12aRおよび12aLから中心軸Oまでの各距離を調整することで、上面コイル12aの重心を中心軸O上に位置させることができる。具体的には、以下の関係式を満たす位置に配置すればよい。
(長辺部分12aLの重量)*(中心軸Oまでの距離J)
=(長辺部分12aRの重量)*(中心軸Oまでの距離K)
このように、上面コイル12aおよび下面コイル12bの各重心が振動板10の断面における中心軸O上に位置するように配置することで、振動板10全体の重量バランスが向上し、異常音や歪の発生を防ぐことができる。
また、上述では振動板10の短辺方向における重量バランスについて説明したが、振動板10の長辺方向における重量バランスについても向上を図るようにしてもよい。また、付加配線50とは異なる位置に捨てパターンなどの重りを付加して重量バランスの向上を図るようにしてもよい。また、ゴムやエポキシを主体とする接着剤を塗布することで重りを付加し、重量バランスの向上を図るようにしてもよい。
また振動板10およびエッジ11は、本実施形態においては一体構造であってもよい。また振動板10の形状は、上述した第1の実施形態と同様に円形、楕円形状、または正方形であってもよい。
なお、上述した第1および第2の実施形態に係るスピーカは、高音質化を実現した小型、薄型のスピーカであり、PDPや液晶テレビなどの映像機器、携帯電話やPDAなどの情報通信機器、およびゲーム機器などの電子機器等に搭載されると有用である。さらには、自動車に備えられた電子機器に搭載されても有用である。
以下、図20を参照して、スピーカ61がPDPの内部筐体に搭載された場合について説明する。図20は、スピーカ61をPDPの内部筐体に搭載した場合の構造例を示す図である。スピーカ61は、上述した第1および第2の実施形態に係るスピーカのいずれかである。図20では、スピーカ61は表示画面60の左右両側に設置されている。このように、スピーカ61がPDPに搭載されることでPDP全体の横幅を狭くすることができ、かつ高音質なサウンドをユーザに提供することができる。なお、図20では、左右のスピーカ61が表示画面60の中心と同じ高さの位置に設置されている。これにより、左右のスピーカ61によって音像が表示画面60の中心に定位し、ユーザに対してより臨場感あふれるサウンドを提供することができる。
本発明に係るスピーカは、小型、薄型で高音質のスピーカを搭載することが可能な映像機器、情報通信機器、ゲーム機器などの電子機器、さらには自動車に備えられた電子機器などに有用である。
本発明は、スピーカに関し、より特定的には小型、薄型のスピーカに関する。
近年、所謂ハイビジョンやワイドビジョンテレビ等の普及により、テレビの画面は横長のものが一般的になりつつある。しかし一方では、我が国の住宅事情から、テレビセット全体として横幅が狭いもの、薄型のものが望まれている。このように、テレビの画面は横長化されつつも、テレビセット全体としては横幅が狭いもの、薄型のものが望まれているため、テレビに搭載されるスピーカユニット(以下、スピーカと呼ぶ)には、さらなる小型化、薄型化が求められている。そこで、振動板上に銅箔のパターンを形成したものをボイスコイルとしたスピーカが提案されている(例えば特許文献1参照)。
以下、図21を参照して、従来のスピーカについて説明する。図21は、従来のスピーカの構造断面図である。従来のスピーカは、ヨーク91、マグネット92、振動板93、ボイスコイル94を備える。マグネット92は、その下面がヨーク91の中央部に固着される。マグネット92およびヨーク91の間の空隙には、磁気ギャップ95が形成される。振動板93は平面状であり、その端部はヨーク91に固着される。振動板93の中央部はマグネット92の上面に固着される。ボイスコイル94は、振動板93の上面にパターン形成された銅箔で構成され、上記磁気ギャップ95中に存在する振動板93の一部(以下、振動部分と呼ぶ)の全面に配置される。
このとき、ボイスコイル94には、駆動電流と磁気ギャップ95中の磁束とによって上下方向に駆動力が発生する。この駆動力によって、振動板93の振動部分が上下方向に振動して、音が発生する。このように、従来のスピーカにおいては、振動板93の上面にパターン形成された銅箔をボイスコイル94として用いることによって、小型化を実現している。
特開2001−211497号公報
ここで、上述した従来のスピーカでは、振動板93の振動部分の上面のみにボイスコイル94が形成されている。したがって、この振動部分では、上面と下面とで伸び率が異なるものとなり、周囲環境の変化によって変形が生じてしまう。この変形によって、音質が劣化するという問題があった。また近年、テレビ画面の高画質化に伴い、スピーカの高音質化が求められている。これに対し、従来のスピーカでは、上述したように音質劣化を伴うものであるため、近年要求されている高音質化を実現することが困難であった。
それ故に、本発明の目的は、上記課題を解決し、高音質化を実現した小型、薄型スピーカを提供することである。
本発明の第1の発明は、スピーカであって、磁気回路と、磁気回路において形成された磁気ギャップ中にその一部が配置された振動板と、振動板における第1の振動面に形成された環状の第1のボイスコイルと、振動板において第1の振動面と反対の面である第2の振動面に形成され、第1のボイスコイルと導通した環状の第2のボイスコイルと、第1の振動面の外縁部に固着され、振動板を振動可能に支持するエッジとを備え、第1のボイルコイルは、エッジの内周より内側であって磁気ギャップ中に位置するように形成され、第2のボイスコイルは、その最外周の少なくとも一部がエッジの内周より外側であって磁気ギャップ中に位置するように形成されることを特徴とする。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、振動板の第1次共振モードの節が、第1のボイスコイルの最内周と第2のボイスコイルの最外周との間に存在することを特徴とする。
本発明の第3の発明は、上記第2の発明において、第1次共振モードの節の位置から第1のボイスコイルの最内周までの距離と、当該第1次共振モードの節の位置から第2のボイスコイルの最外周までの距離とが同じ距離であることを特徴とする。
本発明の第4の発明は、上記第2の発明において、磁気回路は、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状のマグネットを含み、マグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部が第1次共振モードの節の位置と一致することを特徴とする。
本発明の第5の発明は、上記第2の発明において、磁気回路は、第1の振動面と対向する位置に配置された柱状の第1のマグネットと、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状の第2のマグネットとを含み、第1のマグネットにおける第1の振動面と対向する面の端部と、第2のマグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部とを最短で接続する直線上に第1次共振モードの節が存在することを特徴とする。
本発明の第6の発明は、上記第1の発明において、スピーカは、第1のボイスコイルに駆動電流を入力するための第1の引き出し線と、第2のボイスコイルに駆動電流を入力するための第2の引き出し線とをさらに備え、第1および第2の引き出し線は、振動板の中心に対して対称となる位置に配置され、第1および第2のボイスコイルの巻方向は、第1の振動面に対して同方向であり、第1および第2のボイスコイルの各重心の位置は、振動板の中心と一致することを特徴とする。
本発明の第7の発明は、上記第6の発明において、第1および第2のボイスコイルの各重心の位置が振動板の中心と一致するように振動板に付加された重りをさらに備える。
本発明の第8の発明は、上記第7の発明において、重りは、第1および第2のボイスコイルを構成する配線と同形状であって、第1および第2のボイスコイルのうちいずれか一方の配線に対して沿うように付加されることを特徴とする。
本発明の第9の発明は、上記第1の発明において、振動板は、細長形状であり、第1および第2のボイスコイルは、振動板に形成された形状が当該振動板の長手方向に沿った長手部分を含む細長形状であり、第2のボイスコイルは、少なくとも長手部分の最外周がエッジの内周より外側であって磁気ギャップ中に位置するように形成されることを特徴とする。
本発明の第10の発明は、上記第9の発明において、振動板の短手方向における第1次共振モードの節が、第1のボイスコイルの長手部分における最内周と第2のボイスコイルの長手部分における最外周との間に存在することを特徴とする。
本発明の第11の発明は、上記第10の発明において、短手方向における第1次共振モードの節の位置から第1のボイスコイルの長手部分における最内周までの距離と、当該第1次共振モードの節の位置から第2のボイスコイルの長手部分における最外周までの距離とが同じ距離であることを特徴とする。
本発明の第12の発明は、上記第10の発明において、磁気回路は、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状のマグネットを含み、振動板の短手方向において、第マグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部が短手方向における第1次共振モードの節の位置と一致することを特徴とする。
本発明の第13の発明は、上記第10の発明において、磁気回路は、第1の振動面と対向する位置に配置された柱状の第1のマグネットと、第2の振動面と対向する位置に配置された柱状の第2のマグネットとを含み、振動板の短手方向において、第1のマグネットにおける第1の振動面と対向する面の端部と、第2のマグネットにおける第2の振動面と対向する面の端部とを最短で接続する直線上に短手方向における第1次共振モードの節が存在することを特徴とする。
本発明の第14の発明は、上記第9の発明において、スピーカは、第1のボイスコイルに駆動電流を入力するための第1の引き出し線と、第2のボイスコイルに駆動電流を入力するための第2の引き出し線とをさらに備え、第1および第2の引き出し線は、振動板の中心に対して対称となる位置に配置され、第1および第2のボイスコイルの巻方向は、第1の振動面に対して同方向であり、第1および第2のボイスコイルの長手部分における各重心の位置は、振動板の中心と一致することを特徴とする。
本発明の第15の発明は、上記第14の発明において、第1および第2のボイスコイルの長手部分における各重心の位置が振動板の中心と一致するように振動板に付加された重りをさらに備える。
本発明の第16の発明は、上記第15の発明において、重りは、第1および第2のボイスコイルを構成する配線と同形状であって、第1および第2のボイスコイルのうちいずれか一方の長手部分に対して沿うように付加されることを特徴とする。
本発明の第17の発明は、上記第1の発明において、第1のボイスコイルの最外周が、第2のボイスコイルの最内周より外側に位置することを特徴とする。
本発明の第18の発明は、上記第1の発明において、第1のボイスコイルの最外周が、エッジの内周と近接することを特徴とする。
本発明の第19の発明は、上記第1の発明において、エッジの形状がロール形状であることを特徴とする。
本発明の第20の発明は、上記第1の発明に係るスピーカと、スピーカを搭載するための筐体とを備える。
上記第1の発明によれば、振動板の両面に第1および第2のボイスコイルが形成されるので、周囲環境の変化による振動板の変形を抑えることができる。その結果、高音質化を実現した、小型、薄型のスピーカを提供することができる。また本発明によれば、第1のボイスコイルがエッジと振動板との間に挟まれない構造となるので、第1のボイスコイルがエッジと振動板との間に挟まれることによって生じるエッジと振動板との接着不良を防ぐことができる。
上記第2の発明によれば、第1次共振モードの節の位置で駆動力を発生させることができ、当該第1次共振モードに起因する音圧周波数特性のピークディップを防ぎ、歪の少ない再生音を実現することができる。
上記第3の発明によれば、第1および第2のボイスコイルそれぞれに発生する駆動力の合力が第1次共振モードの節の位置で最大となり、より効果的に第1次共振モードを抑えることができる。
上記第4の発明によれば、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力を大きくすることができる。その結果、より高能率のスピーカを提供することができる。
上記第5の発明によれば、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、かつマグネットが2つあることで、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力をマグネットが1つの場合と比べて大きくすることができる。これにより、マグネットが1つの場合よりもさらに高能率のスピーカを提供することができる。
上記第6〜8の発明によれば、振動板の非対称振動を抑えることができ、当該非対称振動に起因する歪の発生を抑えることができる。
上記第9の発明によれば、振動板の形状が細長形状であっても、高音質化を実現した、小型、薄型のスピーカを提供することができる。また接着不良による異常音や歪の発生を抑えた、さらなる高音質化を図ることができる。
上記第10の発明によれば、振動板の短手方向における第1次共振モードの節が、第1のボイスコイルの長手部分における最内周と第2のボイスコイルの長手部分における最外周との間に存在する。ここで細長形状の振動板においては、振動板の短手方向における第1次共振モードが長手方向よりも音質劣化に与える影響が大きい。したがって本発明によれば、この短手方向における第1次共振モードの節の位置で駆動力を発生させることができ、当該第1次共振モードに起因する音質劣化を効率良く抑えることができる。
上記第11の発明によれば、第1および第2のボイスコイルの長手部分それぞれに発生する駆動力の合力が、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置で最大となり、より効果的に第1次共振モードを抑えることができる。
上記第12の発明によれば、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力を大きくすることができる。その結果、より効率的に高能率のスピーカを提供することができる。
上記第13の発明によれば、振動板の短手方向における第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となり、かつマグネットが2つあることで、当該第1次共振モードの節の位置に配置された第1および第2のボイスコイルに発生する駆動力をマグネットが1つの場合と比べて大きくすることができる。これにより、マグネットが1つの場合よりもさらに高能率のスピーカを提供することができる。
上記第14〜16の発明によれば、振動板の短手方向における非対称振動を抑えることができ、当該非対称振動に起因する歪の発生を効率良く抑えることができる。
上記第17の発明によれば、第1および第2のボイスコイルが振動板の振動方向に対して重なるように配置されるので、第1および第2のボイスコイルがより一体的に駆動することができる。
上記第18の発明によれば、第1および第2のボイスコイルが近接して配置されるので、第1および第2のボイスコイルがより一体的に駆動することができる。
上記第19の発明によれば、振動板の振幅が線形性の良い振幅となり、振幅が非線形になることによって発生する歪を抑えることができる。
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して、本発明における第1の実施形態に係るスピーカについて説明する。図1は、第1の実施形態に係るスピーカの平面図である。図2は、図1に示すスピーカの短辺方向における構造断面図である。なお、以下の説明では、一例として図1に示すような細長構造のスピーカについて説明する。また、一例として振動板の形状が矩形の対向する2辺のみを半円に置換した、レーストラックのような形状(以下、トラック形状とする)とする。
図2に示すように、本実施形態に係るスピーカは、振動板10、エッジ11、ボイスコイル12、フレーム13、ヨーク14、およびマグネット15で構成される。
振動板10は、例えばポリイミドやエポキシ等の高分子材料(高分子フィルム)等で構成される。振動板10の形状はトラック形状である。また振動板10の断面形状は略平面状である。断面形状を略平面状にすることで、スピーカ全体の薄型化を図ることができる。
エッジ11は、振動板10を振動可能に支持する部材である。具体的には、エッジ11の内縁部が振動板10上面の外縁部に接着剤ADによって固着される。エッジ11の外縁部はフレーム13に固着される。これにより、エッジ11は振動板10を上下方向に振動可能に支持している。また、エッジ11の断面形状はロール形状である。エッジ11の断面形状がロール形状になることで、線形性の良い振動板10の振幅を確保することができる。なお、上記ロール形状は半円形状に限定されず、線形性の良い振幅を確保することが可能な形状であればよい。したがって、上記ロール形状は例えば楕円を半分にした半楕円形状であってもよい。
ボイスコイル12は、銅箔等の導体をパターン形成して得られる通称プリントコイルである。ボイスコイル12は、環状で形成され、振動板10の上下面それぞれに形成される。本実施形態では図1に示すように、ボイスコイル12は長方形で形成されている。ここで、振動板10の上面に形成されたボイスコイル12を上面コイル12aと称す。また、振動板10の下面に形成されたボイスコイル12を下面コイル12bと称す。上面コイル12aと下面コイル12bは、スルーホールSHで接続されており、電気的に導通している。なお、ボイスコイル12の形成方法および配置位置については、後述にて詳細に説明する。
フレーム13は、矩形の筐体である。フレーム13の上面には、図2に示すように開口部が形成される。ヨーク14は、フレーム13より外径の小さい矩形の筐体である。ヨーク14の上面には、図2に示すように開口部が形成される。ヨーク14は、その下部がフレーム13の内部底面に固設され、フレーム13の筐体内部に設置される。マグネット15は、柱状体(例えば直方体)のマグネットである。マグネット15は、その下面がヨーク14の内部底面に固着され、ヨーク14の筐体内部に設置される。ヨーク14およびマグネット15によって、ヨーク14およびマグネット15の上面と振動板10の下面との間に磁気ギャップ16が形成される。このように、ヨーク14はおよびマグネット15は、上面コイル12aおよび下面コイル12bの位置に磁気ギャップ16を形成する磁気回路を構成する。そして上面コイル12aおよび下面コイル12bには、磁気ギャップ16中の磁束と駆動電流とによって、上下方向の駆動力が発生する。この駆動力によって振動板10が上下方向に振動し、音が発生する。
ここで、上述したボイスコイル12の形成方法について具体的に説明する。形成方法については様々な方法が一般的に知られている。本実施形態では、その一般的な方法のいずれを用いてもよいが、セミアディティブ法と称される方法を用いるのが好適である。この方法では、まず振動板10に相当する高分子フィルム(厚み:12.5〜50ミクロン)を基材として、蒸着によって、その基材の上下面それぞれに対して薄い銅箔を形成する。
その後、蒸着した銅箔の厚みが2〜8ミクロンとなるまで電気めっきを行う。次に、スルーホールSHを形成すべき位置に、基材の上下面を貫通する穴を設ける。その後、上下面それぞれに対して光感光レジスト層を形成する。光感光レジスト層の形成後、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分を遮蔽するマスクをかけて露光処理を行う。露光処理後、未感光の光感光レジスト層を除去する。このとき、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分がむき出しになる。一方、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分以外の部分はレジスト層で覆われている。むき出しになった上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分が所定の厚み(通常は40ミクロン程度)になるまで、電気めっきを行う。このとき、上下面を貫通する穴にもめっきが進行し、上下面の各銅箔が接続される。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bを電気的に導通させるスルーホールが形成される。
その後、上下面それぞれに対して、残りのレジスト層を除去し、全体をエッチングする。このエッジングによって、基材に蒸着された厚みの薄い銅箔が上面コイル12aおよび下面コイル12bよりも先に除去される。そして、上面コイル12aおよび下面コイル12bのパターン部分およびスルホールSH部分の銅箔のみが基材上に残ることとなる。このようにして、振動板10の上面には上面コイル12aが形成され、振動板10の下面には上面コイル12aとスルーホールSHで導通した下面コイル12bが形成される。以上でボイスコイル12の形成方法についての説明を終わる。
次に、図1および図3を参照して、上面コイル12aおよび下面コイル12bに流れる駆動電流について説明する。図3は、図1で示す振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の下面側の様子を示した図である。
図3において、フレーム13に設けられた2つの入力端子(図示なし)のうち、一方の入力端子から入力された駆動電流は、振動板10に形成された端子101aに入力される。端子101aは、フレーム13に設けられた入力端子に固設されるものであり、引き出し線102aによって上面コイル12aと導通する。上面コイル12aのリード線部121aは、振動板10の中心線H上に位置し、引き出し線102aと接続される。端子101aに入力された駆動電流は、図1に示す上面コイル12aを流れ、スルーホールSHに到達する。スルーホールSHは、振動板10の中心線H上に位置し、下面コイル12bと接続されている。したがって、上面コイル12aを流れた駆動電流は、スルーホールSHを介して下面コイル12bを流れる。下面コイル12bのリード線部121bは、振動板10の中心線H上に位置し、引き出し線102bと接続される。これより、図3に示すように下面コイル12bを流れた駆動電流は、引き出し線102bを介して振動板10に形成された端子101bに入力される。端子101bは、フレーム13に設けられた他方の入力端子に固設される。
このように、上面コイル12aおよび下面コイル12bを流れる駆動電流は、上面側または下面側のいずれか一方側から見ると同じ向きに流れる。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの巻方向は、振動板10の上面側または下面側のいずれか一方面側から見ると同方向となる。これにより、上面コイル12aおよび下面コイル12bには、駆動電流と磁気ギャップ16中の磁束とによって、同方向の駆動力が発生する。
次に、図4を参照して、上面コイル12aおよび下面コイル12bの配置位置について説明する。図4は、短辺方向における振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の構造断面図である。
図4に示すように、上面コイル12aの長辺部分は振動板10の上面に配置される。また上面コイル12aは、エッジ11の内周より内側に配置される。一方、下面コイル12bの長辺部分は振動板10の下面に配置される。下面コイル12bの長辺部分の最外周は、エッジ11の内周より外側に位置する。なお図4の場合では、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節が、上面コイル12aの長辺部分における最内周と下面コイル12bの長辺部分における最外周との間である巻幅内に存在している。第1次共振モードについては後述にて詳細に説明する。上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分は、図1および図3に示したようにエッジ11の内周より内側であって、振動板10の上下面に対して同じ位置に配置される。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分は、振動板10を間に挟んだ状態で、上下方向において重なるように配置される。
ここで、振動板10には振動時に分割共振が発生する。この分割共振によってスピーカの音圧周波数特性にピークディップが生じ、音質が劣化してしまうという問題がある。なお、この問題は略平面状の振動板10において特に生じやすい。またこの分割共振のうち、特に第1次共振モード(ここでは音圧周波数特性に寄与する節数が偶数個であるモードのみを考慮し、その次数を1、2、3とする)が音質に大きな影響を与えている。この第1次共振モードの節は、振動板10の長辺方向および短辺方向の端部付近に位置する場合が多い。
まず、振動板10の長辺方向における第1次共振モードについて考える。上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分は、図1および図3に示したように振動板10の長辺方向の全体に渡って配置されている。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分の長さが十分長いので、長辺方向では振動板10を全面駆動させることができる。そして、振動板10が全面駆動することで、振動板10の長辺方向における第1次共振モードを抑えることができる。
一方、振動板10の短辺方向においては、上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分の長さが短いので、短辺方向における第1次共振モードの周波数が非常に高くなる。このため、短辺方向における第1次共振モードを抑えることで、次に発生する第2次共振モードの周波数までの広帯域に渡って、当該第1次共振モードに起因する音質劣化を防止することができる。ここで、短辺方向における第1次共振モードを抑えてさらなる高音質化を図るためには、第1次共振モードの節または節の近傍の位置にボイスコイル12を配置する方法が考えられる。第1次共振モードの節または節の近傍の位置にボイスコイル12を配置することで、第1次共振モードの節または節の近傍の位置で駆動力が発生し、第1次共振モードに起因する音質劣化を抑えることができる。
ここで、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節の位置は、例えば図4では振動板10の外周付近(端部より内側)に存在している。振動板10の短辺の長さを1と仮定して数値例を挙げて説明すると、第1次共振モードの節は例えば振動板10の短辺の端から0.224付近に相当する位置、および0.776付近に相当する位置に存在する場合が多い。したがって図4の場合に、単純に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ第1次共振モードの節の位置に配置すると、図5に示すようになる。しかしこの場合、問題がある。図5は、短辺方向における第1次共振モードの節の位置に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ同じ位置に配置した例を示す図である。
図5に示すように、短辺方向における第1次共振モードの節の位置に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ配置した場合、上面コイル12aがエッジ11および振動板10の接着部分に挟まる構造となる。ここで、上面コイル12aは駆動電流が流れることによって発熱する。したがって、上面コイル12aの発熱によって接着剤ADが炭化または軟化し、接着不良が発生するという問題がある。さらに、上面コイル12aは銅箔のパターンであるため、上面コイル12a上には段差が生じている。この段差によって、エッジ11および振動板10の間の接着強度は、段差がないときに比べて弱くなってしまうという問題もある。
このように、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ第1次共振モードの節の位置に単純に配置すれば、振動板10とエッジ11とが接着不良によって外れてしまい、動作時の異音や歪が発生するという問題がある。
しかしながら、本実施形態においては、図4に示したように、上面コイル12aをエッジ11の内周よりも内側に配置して、エッジ11および振動板10の間に上面コイル12aが挟まれない構造を採用している。つまり、上面コイル12aはエッジ11の内周よりも内側に配置され、下面コイル12bはその最外周がエッジ11の内周より外側に配置された構造である。これにより、エッジ11および振動板10の接着不良を生じさせることなく、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節の位置で駆動力を発生させることができる。
このように、上面コイル12aをエッジ11の内周よりも内側に配置し、下面コイル12bをその最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置することで、振動板10およびエッジ11の接着不良を防止しつつ、振動板10の短辺方向における第1次共振モードに起因する音質劣化を防止することができる。
なお、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分は、図6に示すように、上下方向に配線の一部が重なるように配置されてもよい。図6は、上面コイル12aおよび下面コイル12bが上下方向において配線の一部が重なるように配置された例を示す図である。図6では、振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節が上面コイル12aおよび下面コイル12bの巻幅内に位置しており、当該節の位置で駆動力が発生する。ここで、図4と図6とで、上面コイル12aと下面コイル12bとのずれ量を参照すると、図6に示す方がずれ量が小さい。ここでずれ量が小さいほど、磁束密度が一定の場合には上面コイル12aおよび下面コイル12bがより一体的に駆動し易くなり、駆動力が節の位置に集中するため、音質面で好適である。なお、このずれ量を最小にするには、下面コイル12bの最外周がエッジ11の内周よりも外側に位置するので、上面コイル12aをエッジ11の内周に可能な限り近接した位置に配置すればよい。なお、節の位置そのものがエッジ11のずれや接着剤ADの重量のバラツキにより変化する。したがって、上述したようにずれ量は小さいほどよいが、ずれ量をゼロとはせずに上面コイル12aおよび下面コイル12bが配置されることで、節の位置が変化しても当該変化後の節の位置で駆動力を発生させることができる。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bのずれ量が最小であっても、上面コイル12aおよび下面コイル12bがずらして配置されることで、エッジのずれや接着剤ADの重量のバラツキによる節の位置の変化に対応することができる。
また、上述した図4および図6に示した配置位置以外に、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が、短辺方向における第1次共振モードの節の位置を中心として、当該中心から同じ量だけずれた位置で配置されてもよい。図7は、上面コイル12aの長辺部分と下面コイル12bの長辺部分とが同じずれ量Xだけずらした状態を示す図である。図7に示すような位置関係で上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分を配置した場合、上面コイル12aおよび下面コイル12bにそれぞれ発生する駆動力の合力は、短辺方向における第1次共振モードの節の位置で最大となる。これにより、図4および図6に示した場合に比べて、より効果的に短辺方向における第1次共振モードを抑えることができる。
また、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図8および図9に示すようなずれ量で配置されてもよい。図8および図9は、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図7のずれ量Xと異なるずれ量で配置された例を示す図である。図8では、ずれ量Xよりも小さいずれ量Y(Y<X)で上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分を配置した例を示している。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分は、上下方向でコイルの一部が重なるように配置されている。図9では、ずれ量Xよりも大きいずれ量Z(Z>X)で上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分を配置した例を示している。なお、ずれ量は上述したように、小さいほど好適である。
また、上述では、第1次共振モードの節が上面コイル12aの最内周と下面コイル12bの最外周との間の巻幅内に位置する例を述べた。これに対して、第1次共振モードの節が当該巻幅外に位置する場合であっても、当該巻幅の近傍に位置する場合には第1次共振モードの節の近傍で駆動力を発生させることができ、音質劣化を抑えることができる。
なお、上述では、ヨーク14およびマグネット15で構成される磁気回路とボイスコイル12との位置関係については特に言及していなかったが、以下に説明する位置関係で配置することにより、より高能率のスピーカを実現することができる。図10を参照して、より高能率のスピーカを実現するための位置関係について具体的に説明する。図10は、本実施形態に係るスピーカの短辺方向における断面図と振動板10の下面に形成される磁気ギャップ16中の磁束密度分布とを示した図である。図10に示す磁束密度分布において、水平軸はスピーカの断面における中心軸を0とし、当該中心軸から振動板10の端方向へ進んだ位置を表す。また、垂直軸はその水平軸上の位置において形成される水平方向の磁束の密度を示す。ここで、磁束密度を水平方向に限ったのは、水平方向の磁束密度がボイスコイル12に駆動力を発生させるからである。また図10に示す磁束密度分布では、磁束密度を絶対値で示している。これは、スピーカの断面における中心軸で磁束密度が0となり、その中心軸を境界として磁束密度の極性が反転するためである。ここで、図10に示す磁束密度分布から分かるように、スピーカの中心軸から端に進むにしたがって磁束密度が大きくなり、マグネット15の端部で最大となる。したがって、短辺方向における第1次共振モードの節の位置がマグネット15の端部の直上に位置するように設計する。ここで、第1共振モードの節の位置は、振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12によって変更可能である。また、第1次共振モードの節の位置にマグネット15の端部が配置されるように、マグネット15の大きさや配置位置を変更してもよい。このように、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となるように設定することで、第1次共振モードの節の位置には上述したようにボイスコイル12が配置されるので、当該ボイスコイル12に発生する駆動力が最大となる。その結果、第1次共振モードによる音質劣化を抑えつつ、より高能率のスピーカを実現することができる。
また、図11に示すように、マグネット15が複数ある場合についても、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となるように設定すれば、高能率のスピーカを実現することができる。図11は、マグネット15の上方であって振動板10を介した位置にマグネット25が配置された例を示す図である。図11において、マグネット25はマグネット15と同一形状である。そして、マグネット25は、マグネット15の上方に配置される。マグネット25の中心軸は、マグネット15の中心軸と一致している。マグネット15および25の間には空間が形成され、振動板10は当該空間内に配置される。マグネット15および25は、それぞれが対向する面が同一極性となるように着磁されている。つまり、マグネット15の上面の極性とマグネット25の下面の極性とが同一の極性となる。これにより、水平方向の磁束密度が大きくなり、マグネット15のみの場合と比べて駆動力が増加する。また、磁束密度の最大点はマグネット15および25の端部を接続する点線上となる。したがって、図11に示す例では、短辺方向における第1次共振モードの節の位置を点線上に配置することで、ボイスコイル12に発生する駆動力が最大となり、図10の場合よりも高能率なスピーカを実現することができる。
なお、マグネット25のサイズがマグネット15と異なるサイズであってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ボイスコイル12は、上面コイル12aと下面コイル12bとで構成され、振動板10の両面に形成される。これにより、振動板10の上面と下面とで伸び率を等しくすることができ、周囲環境の変化による変形を抑えることができる。その結果、高音質化を実現した、小型、薄型のスピーカを提供することができる。
また本実施形態によれば、上面コイル12aをエッジ11の内周より内側に配置し、下面コイル12bをその最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置することで、振動板10およびエッジ11の接着不良を防止しつつ、短辺方向の第1次共振モードに起因する音質劣化を防止することができる。その結果、さらなる高音質化を実現することができる。
また本実施形態によれば、短辺方向における第1次共振モードの節の位置を中心として、上面コイル12aの長辺部分と下面コイル12bの長辺部分とを同じずれ量だけずらして配置することで、上面コイル12aおよび下面コイル12bにそれぞれ発生する駆動力の合力が、短辺方向における第1次共振モードの節の位置で最大とすることができる。その結果、より効果的に短辺方向における第1次共振モードを抑えることができる。
また本実施形態によれば、第1次共振モードの節の位置で磁束密度が最大となるように振動板、エッジ、ボイスコイル、または磁気回路を設定することで、ボイスコイル12に発生する駆動力を最大にすることができる。その結果、第1次共振モードによる音質劣化を抑えつつ、より高能率のスピーカを実現することができる。
なお、上述ではエッジ11が振動板10の上面に接着された例を示したが、図12に示すように、エッジ11が振動板10の下面に接着される場合もある。図12は、エッジ11が振動板10の下面に接着された例を示す図である。この場合、エッジ11が振動板10の下面に接着されているので、下面コイル12bの長辺部分がエッジ11の内周より内側に配置される。上面コイル12aは、その最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置される。
また、上述ではエッジ11の内縁部が振動板10上面の外縁部に接着剤ADによって固着されるとした。ここで、接着剤AD以外の方法で固着した場合であっても、エッジ11と振動板10との接合部にボイスコイルが配置されることで接着不良が生じる。しかしながら、このような場合であっても、本実施形態に係るスピーカは接着不良を防ぐことができる。
また、上述では振動板10の短辺方向における第1次共振モードの節の位置に、ボイスコイル12の長辺部分が配置されていた。これに対して、さらに振動板10の長辺方向における第1次共振モードの節の位置に、ボイスコイル12の短辺部分が配置されていてもよい。この場合、上面コイル12aおよび下面コイル12bの短辺部分を、上述した長辺部分と同様の方法でずらして配置すればよい。つまり、上面コイル12aは全周に渡ってエッジ11の内周より内側に配置され、下面コイル12bは全周に渡ってその最外周がエッジ11の内周より外側に位置するように配置されてもよい。
また、振動板10の形状は上述したトラック形状に限定されない。例えば、振動板10の形状が円形、楕円、または正方形であってもよい。円形の場合、第1次共振モードの節は同心円上であって振動板10の外縁部付近に存在する場合が多い。楕円の場合には、上述したトラック形状とほぼ同様の位置に存在する場合が多い。また、振動板10の形状は、図13に示すように、図1で示したトラック形状よりもさらに細長いトラック形状であってもよい。図13は、本実施形態における振動板10の形状例を示した図である。
また、引き出し線102aおよび102bの形状は、図3に示した形状には限定されない。引き出し線102aおよび102bの形状が例えば図14に示す形状であってもよい。図14は、引き出し線102aおよび102bの形状違いの例を示した図である。ここで、引き出し線102aおよび102bの形状は、振動板10から端子101aおよび101bまでの距離が長いほど望ましい。また引き出し線102aおよび102bの形状は、振動板10の中心に対して対称な形状であることが望ましい。また引き出し線102aおよび102bは、振動板10の中心に対して対称な位置に配置されることが望ましい。これらにより、引き出し線102aおよび102bに応力が集中することを防止することができる。
図3に示した引き出し線102aおよび102bの形状は、上記条件を満たした形状である。具体的に言えば、振動板10の中心線H上から一度振動板10側に反転して振動板10に接近する屈曲部を有する形状である。また、図14に示す引き出し線102bの形状も上記条件を満たした形状である。引き出し線102bは、下面コイル12bを振動板10の短辺方向の右端から引き出して、振動板10の中心線Hより左側に位置する端子101bへ接続する形状である。このとき、下面コイル12bのリード部121bは、振動板10の短辺方向の右端に位置している。一方、図14に示す引き出し線102aの形状は、上面コイル12aを振動板10の短辺方向の左端から引き出して、振動板10の中心線Hより右側に位置する端子101aへ接続する形状である。
このように、図14に示す引き出し線102aおよび102bの形状は、振動板10側から端子101aおよび101bまでの距離が長い形状である。また、振動板10の中心に対して対称な形状である。なお、引き出し線102aおよび102bの形状は、図3および図14に示した形状に限定されない。上記条件を満たす形状であればどのような形状であってもよい。
(第2の実施形態)
以下、図15および図16を参照して、本発明における第2の実施形態に係るスピーカについて説明する。図15は、第2の実施形態に係るスピーカの平面図である。図16は、図15に示すスピーカの短辺方向における構造断面図である。なお、第2の実施形態に係るスピーカは、上述した第1の実施形態に係るスピーカに対して振動板10に付加配線50を付加し、振動板10の重量バランスの向上を図ったスピーカである。また、付加配線50以外の本実施形態に係る各構成部は、上述した第1の実施形態における各構成部と同じ構成であり、同一符号を付して説明を省略する。
上述した第1の実施形態に係るスピーカでは、引き出し線102aおよび102bを振動板10の中心に対して対称の位置に配置していた。またスルーホールSH以外で上面コイル12aおよび下面コイル12bが交差しないようにパターン形成していた。つまり、上面コイル12aおよび下面コイル12bの巻方向が、振動板10の上面側(または下面側)から見て同方向となるようにパターン形成していた。これらの条件下では、上面コイル12aまたは下面コイル12bのいずれか一方が半ターン分不足する。図1では、上面コイル12aにおいて、振動板10の中心線Hに対して左側の配線数が4本であるのに対し、右側の配線数は3本となっている。このように振動板10の短辺方向において、1本の配線数の分だけ振動板10の重量バランスが崩れている。そこで本実施形態では、付加配線50を付加して振動板10の重量バランスの向上を図ることを考える。これにより、振動板10の重量バランスに起因して生じる非対称振動を抑えることができ、当該非対称振動に起因する歪の発生を抑えることができる。
図15および図16に示すように、付加配線50は、中心線Hよりも右側において上面コイル12aの最内周の長辺部分と並列接続されている。付加配線50は、上面コイル12aの長辺部分と同じ長さ、同じ厚み、および同じ幅の配線である。また付加配線50は、振動板10の中心線Hに対して、上面コイル12aの長辺部分が左右対称の形状となるように配置される。図16で言えば、上面コイル12aの長辺部分の断面形状が振動板10の中心に対して左右対称の形状となっている。これにより、上面コイル12aの長辺部分の重心は振動板10の中心と一致し、振動板10の重量バランスが向上する。
ここで、図17を参照して、振動板10が非対称振動をしているときの振動板10の様子を分析する。図17は、振動板10の短辺方向における振動の様子を示した図である。なお、図17に示す振動の様子は有限要素法を用いて計算したものである。図17(a)は振動板10そのものの振動の様子を示す。図17(a)に示した振動を回転振動と並進振動とに分解すると、図17(b)および(c)のようになる。図17(b)は回転振動を示す図である。図17(c)は並進振動を示す図である。図17(b)に示す回転振動が、歪の発生原因である。
さらに、上面コイル12aの重量バランスによって、図17(b)に示した回転振動がどのように変化するかについて、図18を参照して説明する。図18は、上面コイル12aの左右の配線数と回転振動の振幅量との関係を示す図である。図18では、横軸が周波数を示し、縦軸が振幅量の絶対値を示す。また図18に示すZ振幅は、並進振動の振幅量を示す。それ以外のカーブは、回転振動の振幅量を示す。なお、それ以外のカーブそれぞれに付された番号(4、3、2、1、0)は、上面コイル12aの欠落した配線数を示す。つまり、4のカーブは、上面コイル12aの長辺部分において左側の配線数が4本、右側の配線数が4本欠落した0本となる場合の回転振動の振幅量を示す。同様に、3のカーブは右側の配線数が3本欠落した場合の回転振動の振幅量を示す。2のカーブは右側の配線数が2本欠落した場合の回転振動の振幅量を示す。1のカーブは右側の配線数が1本欠落した場合の回転振動の振幅量を示す。0のカーブは左右の配線数が同じ本数となる場合の回転振動の振幅量を示す。また0〜4のカーブは、並進振動がZ振幅の振幅量となるときの回転振動をそれぞれ示している。つまり0〜4のカーブは、Z振幅を入力の基準とし、同じ入力のもとで回転振動の振幅量を比較したカーブである。また2〜4のカーブは、実際にコイル形成したもので計算した結果ではなく、重量バランスのみ考慮して計算した結果である。
図18の分析結果により、4のカーブの振幅量が他のカーブに比べて全体的に大きくなることがわかる。そして、4から0のカーブになるに従い、回転振動の振幅量が小さくなることがわかる。このように欠落本数が少ないほど、回転振動の振幅量が小さくなることがわかる。つまり欠落本数が少ないほど、上面コイル12aの長辺部分の重心は振動板10の中心に近づき、上面コイル12aの長辺部分の重量バランスは向上する。重量バランスが向上することで、回転振動の振幅量が小さくなり、回転振動に起因する歪の発生を抑えることができる。
以上のように、付加配線50のような重りを振動板10に付加することによって、ボイスコイル12を含む振動板10全体の重量バランスが向上する。これにより、短辺方向の非対称振動の発生が抑制され、異常音や歪の発生を防ぐことができる。その結果、上述した第1の実施形態に対して、さらなる高音質化を実現することができる。
なお、上述では、付加配線50が上面コイル12aの最内周の長辺部分と並列接続されているとしたが、切り離した状態であってもよい。また図19に示すように、上面コイル12aおよび下面コイル12bの各重心が振動板10の断面における中心軸O上に位置するように、上面コイル12aおよび下面コイル12b自体の配置を考慮してもよい。図19は、上面コイル12aおよび下面コイル12bを、それぞれの重心が中心軸O上に位置するように配置した例を示す図である。ここで、具体的な説明のために上面コイル12aの右側の長辺部分を長辺部分12aRとする。上面コイル12aの左側の長辺部分を長辺部分12aLとする。また、下面コイル12bの右側の長辺部分を長辺部分12bRとする。下面コイル12bの左側の長辺部分を長辺部分12bLとする。図19に示すように、長辺部分12aRは配線数が3本である。これに対し、長辺部分12aLは配線数が4本である。また、長辺部分12bRおよび12bLはともに配線数が4本である。したがって、下面コイル12bについては、各長辺部分12bRおよび12bLは重量が同じであり、中心軸0から同じ距離だけ離れた位置に配置されることで、その重心は中心軸O上に位置することとなる。
一方、上面コイル12aは、各長辺部分12aRおよび12aLの重量が異なる。この場合、各長辺部分12aRおよび12aLから中心軸Oまでの各距離を調整することで、上面コイル12aの重心を中心軸O上に位置させることができる。具体的には、以下の関係式を満たす位置に配置すればよい。
(長辺部分12aLの重量)*(中心軸Oまでの距離J)
=(長辺部分12aRの重量)*(中心軸Oまでの距離K)
このように、上面コイル12aおよび下面コイル12bの各重心が振動板10の断面における中心軸O上に位置するように配置することで、振動板10全体の重量バランスが向上し、異常音や歪の発生を防ぐことができる。
また、上述では振動板10の短辺方向における重量バランスについて説明したが、振動板10の長辺方向における重量バランスについても向上を図るようにしてもよい。また、付加配線50とは異なる位置に捨てパターンなどの重りを付加して重量バランスの向上を図るようにしてもよい。また、ゴムやエポキシを主体とする接着剤を塗布することで重りを付加し、重量バランスの向上を図るようにしてもよい。
また振動板10およびエッジ11は、本実施形態においては一体構造であってもよい。また振動板10の形状は、上述した第1の実施形態と同様に円形、楕円形状、または正方形であってもよい。
なお、上述した第1および第2の実施形態に係るスピーカは、高音質化を実現した小型、薄型のスピーカであり、PDPや液晶テレビなどの映像機器、携帯電話やPDAなどの情報通信機器、およびゲーム機器などの電子機器等に搭載されると有用である。さらには、自動車に備えられた電子機器に搭載されても有用である。
以下、図20を参照して、スピーカ61がPDPの内部筐体に搭載された場合について説明する。図20は、スピーカ61をPDPの内部筐体に搭載した場合の構造例を示す図である。スピーカ61は、上述した第1および第2の実施形態に係るスピーカのいずれかである。図20では、スピーカ61は表示画面60の左右両側に設置されている。このように、スピーカ61がPDPに搭載されることでPDP全体の横幅を狭くすることができ、かつ高音質なサウンドをユーザに提供することができる。なお、図20では、左右のスピーカ61が表示画面60の中心と同じ高さの位置に設置されている。これにより、左右のスピーカ61によって音像が表示画面60の中心に定位し、ユーザに対してより臨場感あふれるサウンドを提供することができる。
本発明に係るスピーカは、小型、薄型で高音質のスピーカを搭載することが可能な映像機器、情報通信機器、ゲーム機器などの電子機器、さらには自動車に備えられた電子機器などに有用である。
1の実施形態に係るスピーカの平面 1に示すスピーカの短辺方向における構造断面 1で示す振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の下面側の様子を示した 辺方向における振動板10、エッジ11、およびボイスコイル12の構造断面 辺方向における第1次共振モードの節の位置に上面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分をそれぞれ配置した例を示す 面コイル12aおよび下面コイル12bが上下方向において配線の一部が重なるように配置された例を示す 面コイル12aの長辺部分と下面コイル12bの長辺部分とが同じずれ量Xだけずらした状態を示す 面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図7のずれ量Xと異なるずれ量で配置された例を示す 面コイル12aおよび下面コイル12bの長辺部分が図7のずれ量Xと異なるずれ量で配置された例を示す 実施形態に係るスピーカの短辺方向における断面図と振動板10の下面に形成される磁気ギャップ16中の磁束密度分布とを示した グネット15の上方であって振動板10を介した位置にマグネット25が配置された例を示す ッジ11が振動板10の下面に接着された例を示す 実施形態における振動板10の形状例を示した き出し線102aおよび102bの形状違いの例を示した 2の実施形態に係るスピーカの平面 15に示すスピーカの短辺方向における構造断面 動板10の短辺方向における振動の様子を示した 面コイル12aの左右の配線数と回転振動の振幅量との関係を示す 面コイル12aおよび下面コイル12bを、それぞれの重心が中心軸O上に位置するように配置した例を示す ピーカ61をPDPの内部筐体に搭載した場合の構造例を示す 来のスピーカの構造断面
符号の説明
10 振動板
11 エッジ
12 ボイスコイル
12a 上面コイル
12b 下面コイル
13 フレーム
14 ヨーク
15、25 マグネット
50 付加配線
60 表示画面
61 スピーカ
101 端子
102 引き出し線
121 リード線部

Claims (20)

  1. 磁気回路と、
    前記磁気回路において形成された磁気ギャップ中にその一部が配置された振動板と、
    前記振動板における第1の振動面に形成された環状の第1のボイスコイルと、
    前記振動板において前記第1の振動面と反対の面である第2の振動面に形成され、前記第1のボイスコイルと導通した環状の第2のボイスコイルと、
    前記第1の振動面の外縁部に固着され、前記振動板を振動可能に支持するエッジとを備え、
    前記第1のボイルコイルは、前記エッジの内周より内側であって前記磁気ギャップ中に位置するように形成され、
    前記第2のボイスコイルは、その最外周の少なくとも一部が前記エッジの内周より外側であって前記磁気ギャップ中に位置するように形成されることを特徴とする、スピーカ。
  2. 前記振動板の第1次共振モードの節が、前記第1のボイスコイルの最内周と前記第2のボイスコイルの最外周との間に存在することを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記第1次共振モードの節の位置から前記第1のボイスコイルの最内周までの距離と、当該第1次共振モードの節の位置から前記第2のボイスコイルの最外周までの距離とが同じ距離であることを特徴とする、請求項2に記載のスピーカ。
  4. 前記磁気回路は、前記第2の振動面と対向する位置に配置された柱状のマグネットを含み、
    前記マグネットにおける前記第2の振動面と対向する面の端部が前記第1次共振モードの節の位置と一致することを特徴とする、請求項2に記載のスピーカ。
  5. 前記磁気回路は、
    前記第1の振動面と対向する位置に配置された柱状の第1のマグネットと、
    前記第2の振動面と対向する位置に配置された柱状の第2のマグネットとを含み、前記第1のマグネットにおける前記第1の振動面と対向する面の端部と、前記第2のマグネットにおける前記第2の振動面と対向する面の端部とを最短で接続する直線上に前記第1次共振モードの節が存在することを特徴とする、請求項2に記載のスピーカ。
  6. 前記スピーカは、
    前記第1のボイスコイルに駆動電流を入力するための第1の引き出し線と、
    前記第2のボイスコイルに駆動電流を入力するための第2の引き出し線とをさらに備え、
    前記第1および第2の引き出し線は、前記振動板の中心に対して対称となる位置に配置され、
    前記第1および第2のボイスコイルの巻方向は、前記第1の振動面に対して同方向であり、
    前記第1および第2のボイスコイルの各重心の位置は、前記振動板の中心と一致することを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  7. 前記第1および第2のボイスコイルの各重心の位置が前記振動板の中心と一致するように前記振動板に付加された重りをさらに備える、請求項6に記載のスピーカ。
  8. 前記重りは、前記第1および第2のボイスコイルを構成する配線と同形状であって、前記第1および第2のボイスコイルのうちいずれか一方の配線に対して沿うように付加されることを特徴とする、請求項7に記載のスピーカ。
  9. 前記振動板は、細長形状であり、
    前記第1および第2のボイスコイルは、前記振動板に形成された形状が当該振動板の長手方向に沿った長手部分を含む細長形状であり、
    前記第2のボイスコイルは、少なくとも前記長手部分の最外周が前記エッジの内周より外側であって前記磁気ギャップ中に位置するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  10. 前記振動板の短手方向における第1次共振モードの節が、前記第1のボイスコイルの長手部分における最内周と前記第2のボイスコイルの長手部分における最外周との間に存在することを特徴とする、請求項9に記載のスピーカ。
  11. 前記短手方向における第1次共振モードの節の位置から前記第1のボイスコイルの長手部分における最内周までの距離と、当該第1次共振モードの節の位置から前記第2のボイスコイルの長手部分における最外周までの距離とが同じ距離であることを特徴とする、請求項10に記載のスピーカ。
  12. 前記磁気回路は、前記第2の振動面と対向する位置に配置された柱状のマグネットを含み、
    前記振動板の短手方向において、前記第マグネットにおける前記第2の振動面と対向する面の端部が前記短手方向における第1次共振モードの節の位置と一致することを特徴とする、請求項10に記載のスピーカ。
  13. 前記磁気回路は、
    前記第1の振動面と対向する位置に配置された柱状の第1のマグネットと、
    前記第2の振動面と対向する位置に配置された柱状の第2のマグネットとを含み、
    前記振動板の短手方向において、前記第1のマグネットにおける前記第1の振動面と対向する面の端部と、前記第2のマグネットにおける前記第2の振動面と対向する面の端部とを最短で接続する直線上に前記短手方向における第1次共振モードの節が存在することを特徴とする、請求項10に記載のスピーカ。
  14. 前記スピーカは、
    前記第1のボイスコイルに駆動電流を入力するための第1の引き出し線と、
    前記第2のボイスコイルに駆動電流を入力するための第2の引き出し線とをさらに備え、
    前記第1および第2の引き出し線は、前記振動板の中心に対して対称となる位置に配置され、
    前記第1および第2のボイスコイルの巻方向は、前記第1の振動面に対して同方向であり、
    前記第1および第2のボイスコイルの長手部分における各重心の位置は、前記振動板の中心と一致することを特徴とする、請求項9に記載のスピーカ。
  15. 前記第1および第2のボイスコイルの長手部分における各重心の位置が前記振動板の中心と一致するように前記振動板に付加された重りをさらに備える、請求項14に記載のスピーカ。
  16. 前記重りは、前記第1および第2のボイスコイルを構成する配線と同形状であって、前記第1および第2のボイスコイルのうちいずれか一方の長手部分に対して沿うように付加されることを特徴とする、請求項15に記載のスピーカ。
  17. 前記第1のボイスコイルの最外周が、前記第2のボイスコイルの最内周より外側に位置することを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  18. 前記第1のボイスコイルの最外周が、前記エッジの内周と近接することを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  19. 前記エッジの形状がロール形状であることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  20. 請求項1に記載のスピーカと、
    前記スピーカを搭載するための筐体とを備える、電子機器。
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