JP4588944B2 - 平面型音響変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面型スピーカ、平面型マイクロホン、マイクロホンとしても使用可能な平面型スピーカ等の平面型音響変換装置に係り、特に、ダイヤフラムの面積を大型化することを可能とする平面型音響変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の平面型スピーカの基本構成を示す断面図である。
【0003】
図11(B)に示すように、従来の平面型スピーカにおいて、磁性体からなる一方のヨーク132には、ヨーク132の一辺に沿った方向に、極性が交互に反転するように所定間隔隔てて隣り合うように配置れた複数の永久磁石Mから成る複数の磁石列が設けられている。
【0004】
この複数の永久磁石列は、列内における永久磁石Mを隔てた間隔の2倍の間隔を隔てて配置されており、隣り合う磁石列の対応する永久磁石Mは同じ極性になっている。
【0005】
また、磁性体からなる他方のヨーク122には、ヨーク132の磁石列の中間部分に対向する部位に、ヨーク132の磁石列と平行な方向に複数の永久磁石mを永久磁石Mの間隔と同一間隔隔てて構成した複数の磁石列が固定されている。
【0006】
この磁石列の永久磁石mの極性は、ヨーク132に設けられた磁石列と反対の順序に配列され、スピーカとして組み付けたときに永久磁石mに最も近い永久磁石Mの磁極面の極性と反対の極性になるように配列されている。
【0007】
図11(A)に示すように、ヨーク122とヨーク132との間には、ダイヤフラム126が配置されている。
【0008】
ダイヤフラム126には、永久磁石m、Mの各々に対応させて、渦巻き状に形成されかつ表裏両面に配置された1対のコイルからなるコイル対128が複数個配列して構成したコイル群が配置されている。
【0009】
この平面スピーカは、対面するヨーク同士を接続しなくても磁路を形成することができるので、製造コストを安くできる特徴を有している。
【0010】
なお、最も距離が近い永久磁石m、M間の領域の磁界Hは、ダイヤフラム面と略平行な方向を向いており、かつコイル対128に鎖交している。
【0011】
コイル対128に所定方向の電流Iを通電すると、隣り合うコイル対128の隣接した内周から外周にわたる部分同士には同じ方向の電流が流れ、全てのコイル対128が同じ方向でかつダイヤフラムの膜面に垂直な方向の力Fを受けるようになっており、ダイヤフラム126は膜面に垂直な方向に変位する。
【0012】
従って、発生させたい音響を表す電気信号をコイル対128に通電することにより、ダイヤフラム126は電気信号に応じて振動し、音響信号を発生する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の平面型スピーカでは、図11(B)または図11(C)に示すように、ヨーク132においては永久磁石MのN極の数とS極の数、ヨーク122においては永久磁石mのN極の数とS極の数とが各々アンバランスであるため磁束漏れが大きい、という問題がある。
【0014】
そこで、磁束漏れを少なくするために、図12に示すように、ヨーク122に、N極とS極と交互に設けられた第1の磁石列123と、第1の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第2の磁石列124と、から構成される第1の磁石群125を所定の間隔で設け、ヨーク132にはN極とS極と交互に設けられた第3の磁石列129と、第3の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第4の磁石列130と、から構成される第2の磁石群133を所定の間隔で設け、各ヨークにおいてN極の数とS極の数をバランスさせ、磁束漏れを小さくする構成が考えられている。
【0015】
他方、平面スピーカは、減衰の少ない平面波の音を出力するので、近い位置でうるさく感じることがなく、かつ離れた位置であっても近い位置とほぼ同様に鮮明な音を聞くことができる、という特徴を有している。
【0016】
このため、教室、ホール等で、遠くの位置まで音を伝達させたい場合に好適である。
【0017】
しかし、平面スピーカは、大きな音を遠方に伝達したい場合や、低音の再生限界を下げるためには、それなりに振動板の面積を大きくする必要があるが、振動板の面積を大きくするに伴ってヨークの面積も大きくなる。
【0018】
しかしながら、図12に示す構造の平面スピーカでは、ヨーク面積が大きくなると、以下のような問題が発生することが判明した。
【0019】
即ち、図12に示すように、この平面スピーカでは、ヨーク122の永久磁石Mがヨーク132と対向しており、ヨーク132の永久磁石Mがヨーク122と対向しているため、ヨーク122及び132には対向する永久磁石Mの吸引力が作用する。
【0020】
このため、ヨーク122、132を大きくすると、永久磁石Mの数の増加に伴って吸引力が増大し、増大した吸引力によってヨーク122、132が湾曲してしまう。
【0021】
ヨーク122、132の湾曲を抑えるためには、ヨーク122、132を厚くする方法が考えられるが、平面スピーカの重量及び厚みが増加する問題がある。
【0022】
このため、ヨーク122、132の大型化には限界があった。
【0023】
なお、永久磁石Mの力を弱くする、永久磁石Mと対向するヨーク122、132との間隔を広げる等では、効率の悪化を招くだけである。
【0024】
本発明は上記従来の問題点を解消するために成されたもので、ヨークの湾曲を抑え、大型化が可能な平面型音響変換装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、平板状に形成された磁性体からなる第1のヨークと、 前記第1のヨークと間隔を開けて平行に配置され平板状に形成された磁性体からなる第2のヨークと、前記第1のヨークと前記第2のヨークとの間に平行に配置されるダイヤフラムと、前記第1のヨークのダイヤフラム側に配置され、磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが第1の方向に沿って交互に設けられた第1の磁石列と、前記第1の磁石列と平行に設けられ磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられ、かつ前記第1の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第2の磁石列と、から構成される第1の磁石群と、前記第2のヨークのダイヤフラム側に配置され、磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられた第3の磁石列と、前記第3の磁石列と平行に設けられ磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられ、かつ前記第3の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第4の磁石列と、から構成され、前記第1の磁石群の前記第1の方向とは直交する方向に接近して設けられる第2の磁石群と、前記ダイヤフラムに設けられ、前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群の互いに隣接するN極とS極との間の磁界の方向と交差する方向に延びる導体と、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの少なくとも一方に設けられ、前記ダイヤフラムが振動して発生する音を通過させる貫通孔と、を備えた平面型音響変換装置であって、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの少なくとも一方には、前記第1の磁石群、及び前記第2の磁石群の少なくとも一方と対向して配置され、前記第1の磁石群のN極とS極、及び前記第2の磁石群のN極とS極の少なくとも1つと対向して反発力を得る反発用磁石が設けられている、ことを特徴としている。
【0026】
次に、請求項1に記載の平面型音響変換装置の作用を説明する。
【0027】
第1のヨークの片面には、磁極をダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが第1の方向に沿って交互に設けられた第1の磁石列と、第1の磁石列と平行に設けられ磁極をダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられ、第1の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第2の磁石列と、から構成される第1の磁石群が設けられている。
【0028】
即ち、第1の磁石群は、所定の方向に長く形成され、かつ、N極とS極とが千鳥状に配列されている。
【0029】
同様に、第2のヨークの片面には、磁極をダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられた第3の磁石列と、第3の磁石列と平行に設けられ磁極をダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられ、第3の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第4の磁石列と、から構成される第2の磁石群が設けられている。
【0030】
即ち、第2の磁石群も、所定の方向に長く形成され、かつ、N極とS極とが千鳥状に配列されている。
【0031】
また、第2の磁石群は、第1の磁石群の所定方向とは直交する方向に接近して設けられており、第1の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なっている。
【0032】
このため、ダイヤフラムから第1のヨーク及び第2のヨークを見ると、第1のヨーク及び第2のヨークの全面に渡ってN極とS極とが千鳥状となり、互いに隣接するN極とS極の間の磁界は、ダイヤフラム面と略平行な方向を向く。
【0033】
この第1のヨークと第2のヨークとの間に配置されるダイヤフラムには、互いに隣接するN極とS極との間の磁力線と交差する方向に延びるコイルが設けられているため、コイルに通電すると、電流が磁界から受ける力の方向はダイヤフラム面に略直交する方向となり、これによりダイヤフラムをダイヤフラムの面に対して直交方向に振動させることができる。
【0034】
なお、ダイヤフラムが振動して発生した音は、第1のヨーク及び第2のヨークの少なくとも一方に設けられた貫通孔を通過して放射される。
【0035】
ここで、第1の磁石群は第2のヨークの第2の磁石群の配置されていない部位と対向しており、第2磁石群は第1のヨークの第1磁石群の配置されていない部位と対向しているため、第1の磁石群は第2のヨークを吸着し、第2磁石群は第1のヨークを吸着しようとするが、反発用磁石が第1の磁石群のN極とS極、及び前記第2の磁石群のN極とS極の少なくとも一方と対向して反発力を発生するので、第1の磁石群及び第2の磁石群の磁力による第1のヨーク及び第2のヨークの湾曲を抑えることができ、第1のヨーク、第2のヨーク及びダイヤフラムの面積を大きくすることが可能となる。
【0036】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の平面型音響変換装置において、 前記反発用磁石は、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの少なくとも一方の略中央部分に複数設けられている、ことを特徴としている。
【0037】
次に、請求項2に記載の平面型音響変換装置の作用を説明する。
【0038】
第1の磁石群及び第2の磁石群の磁力によって第1のヨーク及び第2のヨークは中央部分が最も接近するように湾曲するため、第1のヨーク及び第2のヨークを湾曲させないためには、外周付近よりも中央部分に反発用磁石を複数設けることが効果的となる。即ち、反発用磁石の数を最小限に抑えることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して平面型音響変換装置としての平面スピーカの一例を詳細に説明する。
【0040】
図1に示すように、本実施形態の平面スピーカ10は、第1のヨーク12、スペーサ14、ダイヤフラム16、スペーサ18、第2のヨーク20を順に備えている。
【0041】
図2に示すように、第1のヨーク12は磁性体からなり、図面のY方向に長い矩形の平板状に形成されている。
【0042】
図2及び図3に示すように、第1のヨーク12のダイヤフラム側の面には、S極をダイヤフラム側に向けた4角形の永久磁石Mと、N極をダイヤフラム側に向けた永久磁石MとがY方向と直交する方向であるX方向に一定の間隔で交互に配置された第1の磁石列22及び第2の磁石列24の2列の磁石列からなる第1の磁石群26が、Y方向に一定の間隔を開けて複数列(本実施形態では8列)設けられている。
【0043】
図2に示すように、第1の磁石列22の永久磁石Mのダイヤフラム側の磁極面と、これに隣接する第2の磁石列24の永久磁石Mのダイヤフラム側の磁極面とは、極性(図中S,N)が異なっている。
【0044】
図4に示すように、第2のヨーク20は磁性体からなり、図面のY方向に長い矩形の平板状に形成されている。
【0045】
図3及び図4に示すように、第2のヨーク20のダイヤフラム側の面には、S極をダイヤフラム側に向けた4角形の永久磁石MとN極をダイヤフラム側に向けた永久磁石MとがY方向と直交する方向であるX方向に一定の間隔で交互に配置された第3の磁石列28及び第4の磁石列30の2列の磁石列からなる第2の磁石群32が、Y方向に一定の間隔を開けて複数列(本実施形態では7列)設けられている。
【0046】
図4に示すように、第3の磁石列28の永久磁石Mのダイヤフラム側の磁極面と、これに隣接する第4の磁石列30の永久磁石Mのダイヤフラム側の磁極面とは、極性(図中S,N)が異なっている。
【0047】
図3に示すように、第1の磁石群26と、第2の磁石群32とは、Y方向に一定の間隔をおいて配置されており、第1の磁石群26の永久磁石Mのダイヤフラム側の磁極面と、これに隣接する第2の磁石群32の永久磁石Mのダイヤフラム側の磁極面とは、極性が異なっている。
【0048】
また、第1の磁石群26の各永久磁石Mの各磁極面は、第2のヨーク20の永久磁石Mの配置されていない部分と対向しており、第2の磁石群32の各永久磁石Mの各磁極面は、第1のヨーク12の永久磁石Mの配置されていない部分と対向している。
【0049】
なお、第1の磁石群26の永久磁石Mと、第2の磁石群32の永久磁石Mとは、矢印Y方向及び矢印X方向に各々等間隔に配置されている。
【0050】
図2及び図5に示すように、第1のヨーク12のダイヤフラム側の面の中央付近には、第1の磁石群26の間に、磁極面をダイヤフラム側に向けた4角形の反発用永久磁石RMが各々4個づつ配置されている。
【0051】
これらの反発用永久磁石RMは、第2のヨーク20の永久磁石Mと対向する位置に配置され、かつ、ダイヤフラム側の極性が、これと対向する第2のヨーク20の永久磁石Mの磁極と同極に設定されており、反発用永久磁石RMとこれに対向する第2のヨーク20の永久磁石Mとが互いに反発し合うようになっている。
【0052】
なお、図2及び図4に示すように、第1のヨーク12及び第2のヨーク20には、各々マトリックス状に多数の孔33が形成されている。
【0053】
図1,3,5に示すように、第1のヨーク12と第2のヨーク20との間には、スペーサ14及びスペーサ18を介してダイヤフラム16が配置されている。
【0054】
スペーサ14及びスペーサ18は、各々矩形の枠形状であり、スペーサ14及びスペーサ18によってダイヤフラム16の外周付近が挟持されている。
【0055】
図1,2,4,6に示すように、第1のヨーク12には外周に沿って複数のネジ孔12A及び孔12Bが、スペーサ14には外周に沿って複数の孔14Aが、ダイヤフラム16には外周に沿って複数の孔16Aが、スペーサ18には外周に沿って複数の孔18Aが、第2のヨーク20には外周に沿って孔20Aが形成されている。
【0056】
図3及び図5に示すように、第2のヨーク20、スペーサ18、ダイヤフラム16、スペーサ14、及び第1のヨーク12は、孔20A、孔18A、孔16A、及び孔14A(図3及び図5では孔は図示せず)を挿通したネジ34がネジ孔12Aにねじ込まれることによって一体的に固定されている。
【0057】
なお、第1のヨーク12の孔12Bは、取り付け用として用いられる。
【0058】
ダイヤフラム16は、スペーサ14及びスペーサ18によって、永久磁石M、及び反発用永久磁石RMの各磁極面から一定寸法離間している。
【0059】
ダイヤフラム16は、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート等の高分子フィルム等で構成されている。
【0060】
本実施形態のダイヤフラム16の有効振動板面積は、約200mm×約300mmとなっている。
【0061】
図6に示すように、このダイヤフラム16の片面には、X方向の中央部を挟んで両側の領域に、各々第1の導体36、及び第2の導体38を備えている。
【0062】
図7には、第1の導体36、及び第2の導体38のパターンが模式的に示されている。
【0063】
図7,8に示すように、第1の導体36、及び第2の導体38は、互いに平行であり、図8に示すように、各々永久磁石Mの外周付近、及び永久磁石Mと永久磁石Mとの間に配置され、Y方向の一方側から他方側に向けて磁石列の長手方向(矢印Y方向)に沿ってジグザグ状に延びている。
【0064】
図7、9に示すように、この第1の導体36と第2の導体38とは、同じ方向に電流が流れるように(電流の向きは図7中に図示)接続されている。
【0065】
第1の導体36と第2の導体38とは、図7に示すように直列に接続しても良く、並列に接続しても良い。
【0066】
何れにしても、第1の導体36と第2の導体38とでは同じ方向に電流が流れるようにアンプ(図示せず)と接続する。
【0067】
このような第1の導体36及び第2の導体38は、ダイヤフラム16に、銅やアルミニュームの金属薄膜をラミネート、蒸着、接着等の方法で形成し、この金属薄膜をエッチングすることにより構成することができる。
【0068】
なお、図8に示すように、第1の導体36及び第2の導体38には、矢印X方向に直線状に延びる幅広部分と、矢印Y方向に直線状に延びる幅広部分の各々の幅方向中央部分には、導体の延び方向(磁界の向きと直交する方向)に沿って金属薄膜の設けられていない細長領域40が設けられて導体が並列に2分割されている。
【0069】
これにより、周波数の高い電流が流れた際に発生する渦電流を抑えることが出来る。なお、上記導体の分割数は3分割以上であっても良い。
【0070】
また、第1の導体36及び第2の導体38の矢印X方向に直線状に延びる幅広部分と、矢印Y方向に直線状に延びる幅広部分は、各々永久磁石Mの辺に対して平行である。
【0071】
また、矢印X方向に直線状に延びる幅広部分と、矢印Y方向に直線状に延びる幅広部分とは、最短距離で接続されている。
【0072】
ちなみに、本実施形態の第1の導体36のパターンの幅、及び第2の導体38のパターンの幅は、各々細い部分で約1mm、太い部分で約2mmである。
(作用)
次に、本実施形態の平面スピーカ10の作用を説明する。
【0073】
図7,9に示すように第1の導体36及び第2の導体38に電流I(向きは矢印で図示)を流すと、第1の導体36及び第2の導体38には、フレミングの左手の法則により磁界Hの方向及び電流Iと直交する方向の力(電磁力)F(この場合、力Fの方向は第2のヨーク20側)が作用する。
【0074】
また、第1の導体36及び第2の導体38に図7,9の場合とは反対向きに電流Iを流すと、第1の導体36及び第2の導体38には、第1のヨーク12側へ変位する力Fが作用する。
【0075】
したがって、第1の導体36及び第2の導体38に、発生させたい音響を表す電気信号を流すことにより、第1の導体36及び第2の導体38を設けたダイヤフラム16は、流された電気信号に応じて振動する。
【0076】
ダイヤフラム16の振動により生じた音は、第1のヨーク12及び第2のヨーク20に形成された孔33を通過してヨーク外側へ放射される。
【0077】
なお、ダイヤフラム16は、平面状であり、膜面に対して垂直方向に振動するので、ダイヤフラム16から放射される音は平面波である。
【0078】
また、本実施形態では、第1のヨーク12及び第2のヨーク20において、隣り合う永久磁石Mの極性を交互に設定し、ヨーク側のN極の数とS極の数とを同数としたので、磁束の漏れを少なくできる。このため、別途磁気シールドを設ける必要がない。
【0079】
ここで、第1のヨーク12の永久磁石Mは第2のヨーク20の永久磁石Mの配置されていない部位と対向しており、第2のヨーク20の永久磁石Mは第1のヨーク12の永久磁石Mの配置されていない部位と対向しているため、第1のヨーク12の永久磁石Mは第2のヨーク20を吸着し、第2のヨーク20の永久磁石Mは第1のヨーク12を吸着し、これにより第1のヨーク12及び第2のヨーク20を湾曲させようとするが、第1のヨーク12の中央付近に設けた反発用永久磁石RMが第2のヨーク20の永久磁石Mと対向して吸着力と反対向きの力である反発力を発生するので、第1のヨーク12及び第2のヨーク20の湾曲を抑えることができる。
【0080】
このため、本実施形態の平面スピーカ10は、第1のヨーク12、第2のヨーク20及びダイヤフラム16の各々の面積を従来品よりも大きくすることができ、これにより出力を大きくできる。
【0081】
また、ダイヤフラム16の面積を大きくして低域の再生限界を下げることができるので、例えば、マルチウェイスピーカシステムのウーファーとして使用することも出来る。
【0082】
なお、本実施形態では、第1の磁石群26及び第2の磁石群32が、複数の永久磁石Mを所定の間隔で配置して構成したものであったが、これら第1の磁石群26及び第2の磁石群32を、それぞれ図10に示すようなS極とN極とを千鳥状に着磁した一本の長い永久磁石42としても良い。
【0083】
また、本実施形態では、反発用永久磁石RMを第1のヨーク12に設けたが、第2のヨーク20に設けても良い。
【0084】
また、本実施形態のダイヤフラム16には、第1の導体36、及び第2の導体38が各々2つづつ設けられているため、これらを並列または直列に接続することで、平面スピーカ10のユニットとしてのインピーダンスを種々変更することが出来る。
【0085】
また、第1の導体36のパターンの幅、及び第2の導体38のパターンの幅は、1〜2mm程度であり、従来の平面スピーカの導体の幅(例えば、200μm)に対して極めて幅広に設定されている。
【0086】
このため、エッチングによるパターンの幅のバラツキ(例えば、±20μm)の影響を受ける割合が非常に少なく、抵抗のバラツキを少なくできる。
【0087】
また、本実施形態の平面スピーカ10は、マイクロフォンとしても使用可能である。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の平面型音響変換装置によれば、ヨークの湾曲を抑えつつ、大型化を図ることができる、という優れた効果を有する。
【0089】
また、請求項2に記載の平面型音響変換装置によれば、反発用磁石の数を最小限に抑えることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面スピーカを示す分解斜視図である。
【図2】第1のヨークの平面図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】第2のヨークの断面図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【図6】ダイヤフラムの断面図である。
【図7】第1の導体及び第2の導体の模式図である。
【図8】第1の導体及び第2の導体の部分拡大図である。
【図9】平面スピーカの一部分を断面にした模式的図である。
【図10】他の実施形態に係る平面スピーカの永久磁石の平面図である。
【図11】(A)は従来の平面スピーカの断面図であり、(B)は従来の平面スピーカの一方のヨークの平面図であり、(C)は従来の平面スピーカの他方のヨークの平面図である。
【図12】(A)は従来の他の平面スピーカの断面図であり、(B)は従来の他の平面スピーカの一方のヨークの平面図であり、(C)は従来の他の平面スピーカの他方のヨークの平面図である。
【符号の説明】
10 平面スピーカ
12 第1のヨーク
16 ダイヤフラム
20 第2のヨーク
22 第1の磁石列
24 第2の磁石列
26 第1の磁石群
28 第3の磁石列
30 第4の磁石列
32 第2の磁石群
33 貫通孔
36 第1の導体
38 第2の導体
40 細長領域
M 永久磁石
RM 反発用永久磁石

Claims (2)

  1. 平板状に形成された磁性体からなる第1のヨークと、
    前記第1のヨークと間隔を開けて平行に配置され平板状に形成された磁性体からなる第2のヨークと、
    前記第1のヨークと前記第2のヨークとの間に平行に配置されるダイヤフラムと、
    前記第1のヨークのダイヤフラム側に配置され、磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが第1の方向に沿って交互に設けられた第1の磁石列と、前記第1の磁石列と平行に設けられ磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられ、かつ前記第1の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第2の磁石列と、から構成される第1の磁石群と、
    前記第2のヨークのダイヤフラム側に配置され、磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられた第3の磁石列と、前記第3の磁石列と平行に設けられ磁極を前記ダイヤフラム側に向けると共にN極とS極とが前記第1の方向に沿って交互に設けられ、かつ前記第3の磁石列とは互いに隣接する磁極が異なる第4の磁石列と、から構成され、前記第1の磁石群の前記第1の方向とは直交する方向に接近して設けられる第2の磁石群と、
    前記ダイヤフラムに設けられ、前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群の互いに隣接するN極とS極との間の磁界の方向と交差する方向に延びる導体と、
    前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの少なくとも一方に設けられ、前記ダイヤフラムが振動して発生する音を通過させる貫通孔と、
    を備えた平面型音響変換装置であって、
    前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの少なくとも一方には、前記第1の磁石群、及び前記第2の磁石群の少なくとも一方と対向して配置され、前記第1の磁石群のN極とS極、及び前記第2の磁石群のN極とS極の少なくとも1つと対向して反発力を得る反発用磁石が設けられている、ことを特徴とする平面型音響変換装置。
  2. 前記反発用磁石は、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの少なくとも一方の略中央部分に複数設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の平面型音響変換装置。
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