JPWO2006095585A1 - 経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

Abstract

経路探索装置（１００）は、施設数情報取得部（１０１）、評価部（１０２）、探索部（１０３）、集客情報取得部（１０４）、ジャンル情報取得部（１０５）によって構成される。施設数情報取得部（１０１）は、リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する。評価部（１０２）は、施設数情報取得部（１０１）によって取得された施設の数に関する情報に基づいてリンクをそれぞれ評価する。探索部（１０３）は、評価部（１０２）による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する。評価部（１０２）による評価は、集客情報取得部（１０４）によって取得されるリンク周辺の施設の集客力に関する情報およびジャンル情報取得部（１０５）によって取得されるリンク周辺の施設のジャンルに関する情報を用いておこなってもよい。

Description

本発明は、目的地点までの経路を探索する経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、本発明の利用は、前述した経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体に限られない。

従来、カーナビゲーションなどにおいておこなわれる経路探索では、あらかじめ記憶されている各地点の情報などを用いて、出発地点から目的地点までの種々の経路を評価する。そして、これらの経路の中で最も評価の優れた経路を最適経路として選択し、選択した最適経路を進行経路として表示する（たとえば、下記特許文献１参照。）。

このように最適経路の選択のため経路を評価する場合、たとえば、道路の種別や幅員、ＶＩＣＳ情報に含まれるリンク旅行時間などの要素をパラメータとして各リンクの通りやすさを推量し、リンクのコストを算出する。そして、コストの累計値が最小の経路を最適経路として選択する。

特開平０６−３０９５９５号公報

しかしながら、上述した従来技術によれば、道路の種別（たとえば、高速道路、有料道路、一般道路など）や幅員などは考慮することができるものの、その道路の現実の利用状況を考慮することができなかった。たとえば、商店街などの商業地域と郊外の道路とでは利用のされ方が大きく異なり、混雑状況も異なる。このため、選択した経路が必ずしも現実の道路状況に即して最適ではない場合があるという問題が一例として挙げられる。

また、ＶＩＣＳ情報など逐次更新される情報を取得することによって、リアルタイムに道路の渋滞状況を知ることができるものの、情報の取得のためには専用の機器が必要であるという問題が一例として挙げられる。さらに、情報が供給されていない地域には対応することができないという問題が一例として挙げられる。

上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項１の発明にかかる経路探索装置は、リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する施設数情報取得手段と、前記施設数情報取得手段によって取得された施設の数に関する情報に基づいて前記リンクをそれぞれ評価する評価手段と、前記評価手段による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する探索手段と、を備えることを特徴とする。

また、請求項７の発明にかかる経路探索方法は、リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する施設数情報取得工程と、前記施設数情報取得工程によって取得された施設の数に関する情報に基づいて前記リンクをそれぞれ評価する評価工程と、前記評価工程による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する探索工程と、を含むことを特徴とする。

また、請求項８の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項７に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。

また、請求項９の発明にかかる記録媒体は、請求項８に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。

図１は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。 図２は、経路探索装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。 図３は、実施例にかかるナビゲーション装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 図４は、経路探索部がおこなう経路探索処理の一例を示すフローチャートである。 図５は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。 図６は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。 図７は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。 図８は、経路探索部によって探索される経路の一例を示す図である。

符号の説明

１００ 経路探索装置
１０１ 施設数情報取得部
１０２ 評価部
１０３ 探索部
１０４ 集客情報取得部
１０５ ジャンル情報取得部

以下に添付図面を参照して、この発明にかかる経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。

（実施の形態）
（経路探索装置１００の機能的構成）
図１は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかる経路探索装置１００は、施設数情報取得部１０１、評価部１０２、探索部１０３、集客情報取得部１０４、ジャンル情報取得部１０５によって構成される。

施設数情報取得部１０１は、リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する。リンクとは、地図情報上における道路の最小構成単位である。施設数情報取得部１０１は、たとえば、リンクの単位長さあたりの施設の数に関する情報を取得する。施設の数に関する情報の取得は、たとえば、地図情報からリンクに面した施設の数を抽出することによっておこなう。また、リンク周辺の番地情報からリンク周辺の施設の数に関する情報を取得するようにしてもよい。

評価部１０２は、施設数情報取得部１０１によって取得された施設の数に関する情報に基づいてリンクを評価する。施設の数に関する情報に基づいて、とは、たとえば、単位長さあたりの施設の数が少ないリンクに高い評価を与えることである。リンクの評価は、たとえば、リンクごとにコストと呼ばれる値を算出することによっておこなう。

探索部１０３は、評価部１０２による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する。評価部１０２による評価が高いリンクを選択することによって、たとえば、単位長さあたりの施設の数が少ないリンクを選択して目的地点までの経路を探索することができる。

集客情報取得部１０４は、リンク周辺の施設の集客力に関する情報を取得する。施設の集客力は、たとえば、施設の面積・ジャンル・駐車場の台数などによって評価される。また、集客情報取得部１０４は、施設の時間帯別の集客力に関する情報を取得するようにしてもよい。

集客情報取得部１０４によって、リンク周辺の施設の集客力に関する情報が取得されると、評価部１０２は、集客力が高い施設が周辺にあるリンクに低い評価を与える。また、施設の時間帯別の集客力に関する情報が取得された場合、評価部１０２は、集客力が高い時間帯にある施設が周辺にあるリンクに低い評価を与える。

ジャンル情報取得部１０５は、リンク周辺の施設のジャンルに関する情報を取得する。施設のジャンルに関する情報とは、たとえば、その施設がどんなジャンルに属するかの情報である。ジャンル情報取得部１０５によって、リンク周辺の施設のジャンルに関する情報が取得されると、集客情報取得部１０４によって、施設のジャンルごとの集客力に関する情報が取得される。そして、評価部１０２は、集客力が高いジャンルの施設が周辺にあるリンクに低い評価を与える。

（経路探索装置１００による経路探索処理手順）
図２は、経路探索装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。まず、経路探索装置１００は、施設数情報取得部１０１によって、リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する（ステップＳ２０１）。なお、このとき周辺の施設の数に関する情報が取得されるリンクは、たとえば、探索する経路の出発地点もしくは現在地点に最も近いリンクである。

次に、集客情報取得部１０４によって、リンク周辺の施設の集客力に関する情報を取得する（ステップＳ２０２）。また、ジャンル情報取得部１０５によって、リンク周辺の施設のジャンルに関する情報を取得する（ステップＳ２０３）。そして、ステップＳ２０１〜Ｓ２０３において取得した情報から、評価部１０２によってリンクを評価する（ステップＳ２０４）。

探索部１０３は、ステップＳ２０４において評価部１０２がおこなった評価に基づいて、リンクを目的地点までの経路に含めるかを判断する（ステップＳ２０５）。具体的には、たとえば、評価部１０２による評価が高いリンクは目的地点までの経路に含め、評価が低いリンクは経路に含めない。

目的地点までの経路に含めない場合は（ステップＳ２０５：Ｎｏ）、ステップＳ２０７に移行する。一方、目的地点までの経路に含める場合は（ステップＳ２０５：Ｙｅｓ）、リンクを経路に追加して（ステップＳ２０６）、目的地点に到達したかを判断する（ステップＳ２０７）。目的地点に到達した場合は（ステップＳ２０７：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。一方、目的地点に到達していない場合は（ステップＳ２０７：Ｎｏ）、他のリンクを検索し（ステップＳ２０８）、ステップＳ２０１に戻り、以降の処理を繰り返す。

以上説明したように、経路探索装置１００によれば、リンク周辺にある施設の数や施設のジャンルを考慮して経路の探索をおこなう。リンクの周辺にある施設は、リンクの通行状態に大きく関係する。このため、より現実に即した経路を探索することができる。また、ＶＩＣＳ情報などを逐次取得する装置のように、専用の装置を必要とすることもない。

なお、上記実施の形態では、探索部１０３は、評価部１０２がおこなった評価に基づいて、評価が高いリンクを目的地までの経路に含め、評価が低いリンクは経路に含めないとした、基本的な概念を示しているが、例えば、同時に複数のルートを探索したり、ルート全体のコストを判断するなど、経路のステップをリンク複数分進行させてから評価することも考えられる。その場合、リンク単独での比較では評価が低い場合でも経路に含めることもある。

（ナビゲーション装置３００のハードウエア構成）
図３は、実施例にかかるナビゲーション装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。はじめに、実施例にかかるナビゲーション装置３００のハードウエア構成について説明する。ナビゲーション装置３００は、実施の形態にかかる経路探索装置１００を利用して出発地点から目的地点までの経路を探索し、探索された経路に沿ってユーザの車両を誘導する。

図３において、ナビゲーション装置３００は、車両に搭載されており、ナビゲーション制御部３０１と、ユーザ操作部３０２と、表示部３０３と、位置取得部３０４と、記録媒体３０５と、記録媒体デコード部３０６と、案内音出力部３０７と、通信部３０８と、経路探索部３０９と、経路誘導部３１０と、案内音生成部３１１と、スピーカ３１２と、によって構成される。

ナビゲーション制御部３０１は、ナビゲーション装置３００全体を制御する。ナビゲーション制御部３０１は、たとえば所定の演算処理を実行するＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）や、各種制御プログラムを格納するＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、および、ＣＰＵのワークエリアとして機能するＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）などによって構成されるマイクロコンピュータなどによって実現することができる。

ナビゲーション制御部３０１は、経路誘導に際し、位置取得部３０４によって取得された現在位置に関する情報と、記録媒体３０５から記録媒体デコード部３０６を経由して得られた地図情報とに基づいて、地図上のどの位置を走行しているかを算出し、算出結果を表示部３０３へ出力する。また、ナビゲーション制御部３０１は、経路誘導に際し、経路探索部３０９、経路誘導部３１０、案内音生成部３１１との間で経路誘導に関する情報の入出力をおこない、その結果得られる情報を表示部３０３および案内音出力部３０７へ出力する。

ユーザ操作部３０２は、文字、数値、各種指示など、ユーザによって入力操作された情報をナビゲーション制御部３０１に対して出力する。ユーザ操作部３０２の構成としては、物理的な押下／非押下を検出する押ボタンスイッチ、タッチパネル、キーボード、ジョイスティックなど公知の各種形態を採用することが可能である。ユーザ操作部３０２は、外部からの音声を入力するマイクを用いて、音声によって入力操作をおこなう形態としてもよい。

ユーザ操作部３０２は、ナビゲーション装置３００に対して一体に設けられていてもよいし、リモコンのようにナビゲーション装置３００から分離して操作可能な形態であってもよい。ユーザ操作部３０２は、上述した各種形態のうちいずれか単一の形態で構成されていてもよいし、複数の形態で構成されていてもよい。ユーザは、ユーザ操作部３０２の形態に応じて、適宜入力操作をおこなうことによって情報を入力する。ユーザ操作部３０２の操作によって入力される情報としては、たとえば、探索する経路の目的地点または出発地点が挙げられる。

目的地点または出発地点の入力は、それぞれの地点の緯度・経度や住所を入力する他、目的地点または出発地点となる施設の電話番号やジャンル、キーワードなどを指定することによって、該当する施設が探索され、その位置を特定することができる。より詳細には、これらの情報は、後述する記録媒体３０５に記録された地図情報に含まれる背景種別データに基づいて、地図上の一点として特定される。また、後述する表示部３０３に地図情報を表示させ、表示された地図上の一点を指定するようにしてもよい。

また、ユーザ操作部３０２の形態としてタッチパネルを採用することもできる。タッチパネルを採用する場合、このタッチパネルは表示部３０３の表示面側に積層して使用される。そして、表示部３０３における表示タイミングとタッチパネル（ユーザ操作部３０２）に対する操作タイミングおよびその位置座標とを管理することによって、入力情報を認識する。ユーザ操作部３０２の形態として表示部３０３に積層されたタッチパネルを採用することにより、ユーザ操作部３０２の形態を大型化することなく多くの情報入力をおこなうことができる。タッチパネルとしては、抵抗膜式、感圧式など公知の各種タッチパネルを用いることが可能である。

表示部３０３は、たとえば、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）、ＴＦＴ液晶ディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ、プラズマディスプレイなどを含む。表示部３０３は、具体的には、たとえば、映像Ｉ／Ｆや映像Ｉ／Ｆに接続された映像表示用のディスプレイ装置によって構成することができる。映像Ｉ／Ｆは、具体的には、たとえば、ディスプレイ装置全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ ＲＡＭ）などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御ＩＣなどによって構成される。表示部３０３には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種情報が表示される。また、表示部３０３には、ＨＤに記憶された地図情報や経路誘導に関する情報が表示される。

位置取得部３０４は、自装置の現在位置を取得する。ここで自装置の現在位置は、ＧＰＳ衛星からの電波を受信し、ＧＰＳ衛星との幾何学的位置を求めるものであり、地球上どこでも計測可能である。なお、ＧＰＳとは、Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍの略称であり、４つ以上の衛星からの電波を受信することによって地上での位置を正確に求めるシステムである。位置取得部３０４は、たとえば、ＧＰＳ衛星からの電波を受信するためのアンテナ、受信した電波を復調するチューナーおよび復調した情報に基づいて現在位置を算出する演算回路などによって構成することができる。

ＧＰＳ衛星からの電波としては、１．５７５４２ＧＨｚの搬送波で、Ｃ／Ａ（Ｃｏａｒｓｅ ａｎｄ Ａｃｃｅｓｓ）コードおよび航法メッセージが乗っているＬ１電波を用いておこなわれる。これによって、自装置の現在位置（緯度および経度）を検知する。なお、自装置の現在位置の検知に際しては、車速センサやジャイロセンサなどの各種センサによって収集された情報を加味してもよい。車速センサは、ナビゲーション装置３００を搭載する車両のトランスミッションの出力側シャフトから検出する。

その他、自装置の現在位置の取得に際しては、角速度センサ、走行距離センサ、傾斜センサなどの各種センサによって収集された情報を加味してもよい。角速度センサは、自車の回転時の角速度を検出し、角速度情報と相対方位情報とを出力する。走行距離センサは、車輪の回転に伴って出力される所定周期のパルス信号のパルス数をカウントすることによって車輪１回転あたりのパルス数を算出し、その１回転あたりのパルス数に基づく走行距離情報を出力する。傾斜センサは、路面の傾斜角度を検出し、傾斜角情報を出力する。

記録媒体３０５は、各種制御プログラムや各種情報をコンピュータに読み取り可能な状態で記録する。記録媒体３０５は、記録媒体デコード部３０６による情報の書き込みを受け付けるとともに、書き込まれた情報を不揮発に記録する。記録媒体３０５は、たとえば、ＨＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ）によって実現することができる。記録媒体３０５は、ＨＤに限るものではなく、ＨＤに代えて、あるいは、ＨＤに加えて、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）やＣＤ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ）など、記録媒体デコード部３０６に対して着脱可能であり可搬性を有するメディアを記録媒体３０５として用いてもよい。記録媒体３０５は、ＤＶＤおよびＣＤに限るものではなく、ＣＤ−ＲＯＭ（ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ−Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、メモリカードなどの記録媒体デコード部３０６に対して着脱可能であり可搬性を有するメディアを利用することもできる。

本実施例における記録媒体３０５には、本発明を実現するナビゲーションプログラム、地図情報などが記録されている。地図情報は、建物、河川、地表面などの地物（フィーチャ）をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、表示部３０３の表示画面において２次元または３次元に描画される。

背景データは、背景の形状をあらわす背景形状データと、背景の種類をあらわす背景種別データとを有する。背景形状データは、たとえば、地物の代表点・ポリライン・ポリゴン・地物の座標などを含んでいる。また、背景種別データは、たとえば、地物の名称や住所・電話番号をあらわすテキストデータ、建物・河川・地表面などの地物の種別データを含んでいる。

また、地図中の主要な施設（ＰＯＩ：Ｐｏｉｎｔ ｏｆ Ｉｎｔｅｒｅｓｔ）に関しては、営業時間、駐車場の有無などの情報を施設情報として有している。さらに、地物のうち、「ガソリンスタンド」や「コンビニエンスストア」など、所定の目的のために設けられている施設は、その種類によってジャンル分けされている。そして、地物の代表点および座標のデータと、施設情報・ジャンル情報とが関連付けられている。このとき施設が分類されるジャンルは、上記のガソリンスタンドやコンビニエンスストアの他、たとえば、駐車場、駅などがある。

次に、道路形状データは、複数のノードと、ノード間を連結するリンクとを有する道路ネットワークである。ノードは、Ｔ字路などの三叉路、十字路、五叉路などの複数の道路が交差する交差点を示している。リンクは、道路を示している。リンクには形状補間点を有するものもあり、この形状補間点によって曲線道路を表現することができる。

各リンクには、リンクに面した、または周辺にある施設の施設情報が関連付けられており、そのリンクに面した施設の数やジャンルを知ることができる。なお、リンクと施設情報との関連付けを、あらかじめおこなっておくのではなく、リンクの位置（座標）から周辺にある施設を検索するようにしてもよい。

道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ（距離）、車幅、進行方向、道路種別（高速道路、有料道路、一般道路など）などの情報が含まれている。また、交通条件データには、過去の渋滞情報を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を記憶している。ナビゲーション装置３００は、通信部３０８によって受信される道路交通情報によって現在発生している渋滞の情報を得るが、過去渋滞情報により、指定した時刻における渋滞状況の予想をおこなうことが可能となる。

本実施例では地図情報を記録媒体３０５に記録するようにしたが、これに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置３００のハードウエアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置３００外部に設けられていてもよい。その場合、ナビゲーション装置３００は、たとえば、通信部３０８を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はＲＡＭなどに記憶される。

記録媒体デコード部３０６は、記録媒体３０５に対する情報の読み取り／書き込みの制御をおこなう。たとえば、記録媒体としてＨＤを用いた場合には、記録媒体デコード部３０６は、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）となる。同様に、記録媒体としてＤＶＤあるいはＣＤ（ＣＤ−Ｒ，ＣＤ−ＲＷを含む）を用いた場合には、記録媒体デコード部３０６は、ＤＶＤドライブあるいはＣＤドライブとなる。書き込み可能かつ着脱可能な記録媒体３０５として、ＣＤ−ＲＯＭ（ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ）、ＭＯ、メモリカードなどを利用する場合には、各種記録媒体への情報の書き込みおよび各種記録媒体に記憶された情報の読み出しが可能な専用のドライブ装置を、記録媒体デコード部３０６として適宜用いる。

案内音出力部３０７は、接続されたスピーカ３１２への出力を制御することによって、案内音を再生する。スピーカ３１２は、一つであってもよいし、複数であってもよい。具体的には、案内音出力部３０７は、音声出力用のスピーカ３１２に接続される音声Ｉ／Ｆによって実現することができる。より具体的には、音声Ｉ／Ｆは、たとえば、音声デジタル情報のＤ／Ａ変換をおこなうＤ／Ａコンバータと、Ｄ／Ａコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器と、音声アナログ情報のＡ／Ｄ変換をおこなうＡ／Ｄコンバータと、から構成することができる。

通信部３０８は、渋滞や交通規制などの道路交通情報を、定期的（不定期でも可）に取得する。また、通信部３０８は、ネットワークと接続され、ネットワークに接続された他の機器と情報の送受信をおこなう。

通信部３０８による道路交通情報の受信は、ＶＩＣＳ（Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センターから道路交通情報が配信されたタイミングで行ってもよいし、ＶＩＣＳセンターに対し定期的に道路交通情報を要求することで行ってもよい。また、サーバに集約された全国のＶＩＣＳ情報から、所望の地域の道路交通情報をネットワークを介して取得するようにしてもよい。通信部３０８は、たとえば、ＦＭチューナー、ＶＩＣＳ／ビーコンレシーバ、無線通信機器、およびその他の通信機器によって実現することが可能である。

公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、「ＶＩＣＳ」とは、ＶＩＣＳセンターで編集、処理された渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、カーナビゲーション装置などの車載機に文字・図形で表示する情報通信システムである。ＶＩＣＳセンターで編集、処理された道路交通情報（ＶＩＣＳ情報）をナビゲーション装置３００に伝達する方法としては、各道路上に設置された「ビーコン」と「ＦＭ多重放送」を利用する方法がある。「ビーコン」には、主に高速道路で使用される「電波ビーコン」と、主要な一般道路で使用される「光ビーコン」がある。「ＦＭ多重放送」を利用する場合には、広域エリアの道路交通情報を受信することが可能となる。「ビーコン」を利用する場合には、自車位置を元にした直近の道路の詳細な情報など、自車が位置する場所において必要な道路交通情報を受信することが可能となる。

経路探索部３０９は、記録媒体３０５に記憶されている地図情報や、通信部３０８を介して取得するＶＩＣＳ情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索する。ここで、最適な経路とは、ユーザが指定した条件に最も合致する経路である。一般に、出発地点から目的地点までの経路は無数存在する。このため、経路探索にあたって考慮される事項を設定し、条件に合致する経路を探索するようにしている。このとき考慮される事項（以下、探索条件という）としては、たとえば、目的地点までの所要時間、道路の種別（高速道路優先、一般道路優先など）、距離、料金などが挙げられる。

経路探索部３０９は、地図情報上における道路の最小構成単位であるリンクごとのコストを算出し、積算コストが最も小さい経路を推薦経路としてユーザに呈示する。ここで、コストとは、一般的に「最適な経路」と判断される経路に備わる要素を数値化して、各経路を評価する指標とするものである。たとえば、そのリンクの渋滞度や直進性、料金、右（左）折回数、幅員などの要素を数値によって評価する。そして、それぞれの要素を係数によって重み付けし、足し合わせることによって積算コストを算出する。

また、前述のように経路探索あたっては、道路種別や距離、料金などの探索条件をユーザによって設定することができる。経路探索部３０９は、ユーザが設定した探索条件によって各要素の重み付け係数の値を変化させて、同一の経路でも積算コストを異ならせ、探索条件の設定に応じた経路探索をおこなっている。

さらに、経路探索部３０９は、リンク周辺の施設数に基づいてリンクのコストを算出することによって、より実情に則した経路探索をおこなっている。一般的な経路探索においては、道路種別や幅員、ＶＩＣＳ情報に含まれるリンク旅行時間などを元に、リンクの通りやすさを推量し、経路計算時のリンクのコストとしている。経路探索部３０９は、これに加えて、リンクに関連付けられているＰＯＩ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ Ｉｎｔｅｒｅｓｔ）の数とリンク長との比から、単位長さあたりのリンク周辺の施設数を推定する。

これは、周辺に施設が多い道路ほど、歩行者や他の車両の利用が多く、走行に時間がかかると考えられるためである。また、ＰＯＩの種類が商店であるものが一定以上を占める場合、そのリンクは商店街であると推量でき、走行により時間がかかる可能性が高い。このように、道路種別や幅員、あるいはＶＩＣＳ情報に含まれるリンク旅行時間などの要素だけでは、必ずしもその道路の実情を知ることができない。特に、混雑する繁華街の道路と空いている郊外の道路を判別するのは難しい。このため、リンク周辺の施設数に基づいてリンクのコストを算出し、より現実に即した経路をユーザに呈示することができる。

経路探索部３０９が探索する経路の出発地点には、位置取得部３０４によって取得される現在位置、またはユーザ操作部３０２からユーザによって指定される出発地点が設定される。また、目的地点には、ユーザによって入力された目的地点の他、ジャンル検索などによって地図データから検索された施設を目的地点と設定してもよい。

図３の説明に戻り、経路誘導部３１０は、経路探索部３０９によって探索された誘導経路に関する情報、あるいは、通信部３０８によって受信した経路情報と、位置取得部３０４によって取得された現在位置に関する情報と、記録媒体３０５から記録媒体デコード部３０６を経由して得られた地図情報と、に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなう。経路誘導部３１０で生成された経路誘導情報は、ナビゲーション制御部３０１を介して表示部３０３へ出力される。

案内音生成部３１１は、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成する。すなわち、経路誘導部３１０で生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこない、これをナビゲーション制御部３０１を介して案内音出力部３０７へ出力する。

なお、実施の形態にかかる経路探索装置１００の機能的構成である、施設数情報取得部１０１、評価部１０２、探索部１０３、集客情報取得部１０４、ジャンル情報取得部１０５は、経路探索部３０９によってその機能を実現する。

（経路探索部３０９による経路探索処理）
図４は、経路探索部がおこなう経路探索処理の一例を示すフローチャートである。ここで、経路探索部３０９がおこなう経路探索処理の詳細について説明する。以下に示す処理は、一般にダイクストラ法と呼ばれる経路探索方法である。ユーザが出発地点および目的地点を指定するなどして経路探索を開始すると、図４に示す経路探索の処理が開始される。なお、以下の説明においては、表記の便宜上、出発地点からの経路探索のみを示しているが、並行して目的地点からも同様の処理をおこない、経路探索の処理にかかる時間の短縮を図っている。

まず、出発地点に一番近いリンク（道路）を候補に加える（ステップＳ４０１）。ここで、候補とは、最終的に探索される経路の一部となるリンクの候補を示す。また、一番近いとは、出発地点が面しているリンクの他、指定された出発地点を中心とする一定の範囲内に存在するリンクがある場合、そのリンクを候補に加えるということである。

次に、候補となっているリンクが１つ以上あるかどうかを判断する（ステップＳ４０２）。候補が１つ以上ある場合（ステップＳ４０２：Ｙｅｓ）、すなわち、出発地点の周辺にリンクが存在する場合は、候補の中で積算コストが一番小さいリンク（以下、リンクＬという）を選択する（ステップＳ４０３）。積算コストとは、後述するステップＳ４０８において算出した各リンクのコストの積算値である。

一方、ステップＳ４０２において、候補が１つもない場合（ステップＳ４０２：Ｎｏ）、すなわち、周辺に道路がない場合（たとえば、海洋上を出発地点として指定した場合など）は、探索失敗として（ステップＳ４０４）、本フローチャートによる処理を終了する。

次に、ステップＳ４０３において、リンクＬを選択し、リンクＬが目的地点に到達すると（ステップＳ４０５：Ｙｅｓ）、探索終了として（ステップＳ４０６）、本フローチャートによる処理を終了する。一方、リンクＬが目的地点に到達しなかった場合は（ステップＳ４０５：Ｎｏ）、リンクＬに接続する他のリンクのうちの１つ（以下、リンクＣｎ（ｎ＝１，２，３・・）という）を候補に加えるかを判断する（ステップＳ４０７）。リンクＣｎを候補に加えるか否かは、リンクＣｎが通行止めや時間規制などの道路交通状況や、道路種別や料金などの探索条件に適合しているかなどによって判断する。

そして、候補に加えない場合は（ステップＳ４０７：Ｎｏ）、ステップＳ４０９に移行する。一方、候補に加える場合は（ステップＳ４０７：Ｙｅｓ）、リンクＣｎのコストを算出し、候補に加える（ステップＳ４０８）。前述のように、本実施例にかかる経路探索装置では、リンクの渋滞度や直進性、料金、右（左）折回数、幅員などの要素に加えて、リンク長あたりの施設数に基づいてリンクのコストを算出している。このときおこなわれるコスト算出処理の詳細については、後述する。

次に、リンクＬに接続する他のリンクＣｎ＋１があるかを判断する（ステップＳ４０９）。他のリンクＣｎ＋１がある場合は（ステップＳ４０９：Ｙｅｓ）、リンクＣｎ＋１をリンクＣｎと読み替えて（ステップＳ４１０）、ステップＳ４０５に戻り、以降の処理を繰り返す。一方、他のリンクＣｎ＋１がない場合は（ステップＳ４０９：Ｎｏ）、候補となっているリンクＣｎをリンクＬと読み替えて（ステップＳ４１１）、ステップＳ４０２に戻り、以降の処理を繰り返す。

なお、上記実施例では、コストの一番小さいリンクを候補に加えるとした、基本的な概念を示しているが、例えば、リンク複数分の探索を進行させてから積算コストを評価することも考えられる。その場合、リンク単独での比較ではコストが大きい場合でも候補に加えることもある。

以上のような処理を繰り返し、出発地点から目的地点に至る経路が探索される。また、上記の処理は、出発地点および目的地点から並行しておこなわれており、候補となるリンクが際限なく広がることを防ぎ、経路探索にかかる時間の短縮を図っている。

（リンクのコスト算出処理の詳細）
次に、図４のステップＳ４０８においておこなうリンクのコスト算出処理の詳細について説明する。前述のように、経路探索部３０９は、経路の探索にあたってリンクのコストを算出し、無数に存在する出発地点から目的地点までの経路のうちユーザの希望に沿った経路を呈示する。このリンクのコスト算出にあたって一般的に考慮される要素としては、そのリンクの渋滞度や直進性、料金、右（左）折回数、幅員などがある。

経路探索部３０９では、これらに加えて、リンク周辺に存在する施設の数をコスト算出の要素とする。これにより、地図情報や平均旅行時間などでは知り得ない道路の実情を考慮して経路探索をおこなうことができる。さらに、施設の種類や営業時間に応じてコストを調整することによって、より高い精度で道路の実情を予測することができる。

図５は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。まず、経路探索部３０９は、リンクの渋滞度や直進性、料金、右（左）折回数、幅員などの要素に基づいて、通常のリンクコスト計算をおこなう（ステップＳ５０１）。次に、リンクのリンク長情報を取得する（ステップＳ５０２）。リンク長とは、そのリンクの長さ（距離）であり、リンク長情報の取得は、記録媒体３０５に記録されている地図情報から抽出することによっておこなう。

つづいて、経路探索部３０９は、リンク周辺にある施設の数を抽出する（ステップＳ５０３）。リンク周辺にある施設とは、そのリンクに面した施設の他、リンクから一定の距離以内にある施設であってもよい。経路探索部３０９は、あらかじめリンクにＰＯＩ情報が関連付けられている場合には、記録媒体３０５に記憶されている地図情報から、そのリンクと関連付けられている施設の数を抽出する。また、あらかじめリンクにＰＯＩ情報が関連付けられていない場合には、リンクの位置情報から周辺にある施設の数を抽出する。

さらに、ステップＳ５０３で取得した施設の数を、ステップＳ５０２で取得したリンク長で割り（施設数／リンク長）、リンクの単位長さあたりの施設数を算出する（ステップＳ５０４）。このとき算出される値は、施設が密集したリンクほど大きくなり、施設が少ないリンクは小さい値となる。

そして、ステップＳ５０１のコスト計算によって算出されたコストに、ステップＳ５０４において算出された値に応じたコストを加算する（ステップＳ５０５）。ここで加算するコストは、ステップＳ５０４において算出された値が大きいほど大きくする。これは、施設が密集した地域は、通行者や通行車両が多いことが予想され、通過に長い時間がかかると考えられるためである。ここまでが、リンク周辺に存在する施設の数をコスト算出の要素とした処理である。以下のステップでは、さらに施設の種類や営業時間に応じてコストを調整する。

まず、経路探索部３０９は、記録媒体３０５に記録されている地図情報を検索し、リンク周辺にある施設の施設情報があるかを判断する（ステップＳ５０６）。リンク周辺にある施設の施設情報がない場合（または、リンク周辺に施設がない場合）は（ステップＳ５０６：Ｎｏ）、コストを加算することなく本フローチャートによる処理を終了する。

一方、リンク周辺にある施設の施設情報がある場合は（ステップＳ５０６：Ｙｅｓ）、施設情報に含まれる営業時間情報から、現在時刻が施設の営業時間内かを判断する（ステップＳ５０７）。これは、現在時刻が営業時間外であれば、施設の周辺であってもリンクは混雑しないと考えられるからである。このとき、開店や閉店前後に混雑することが予想される場合には、営業時間前後の一定時間を営業時間内とみなして判断をおこなってもよい。また、所定の時間帯に混雑が予想される場合には、現在時刻がその時間帯に含まれるかを判断してもよい。

現在時刻が施設の営業時間内である場合は（ステップＳ５０７：Ｙｅｓ）、その施設は集客度が高いジャンルの施設かを判断する（ステップＳ５０８）。一般に、施設はジャンルによって集客度が異なる。たとえば、大型商業施設と比べて小規模商店は集客度が低いと考えられる。このように、施設のジャンルごとに集客度を設定し、周辺の混雑度を測る指標とする。

集客度が高いジャンルの施設である場合は（ステップＳ５０８：Ｙｅｓ）、高いコストを加算する（ステップＳ５０９）。一方、集客度が高いジャンルの施設ではない場合（ステップＳ５０８：Ｎｏ）や、ステップＳ５０７において施設の営業時間内ではなかった場合は（ステップＳ５０７：Ｎｏ）、低いコストを加算する（ステップＳ５１０）。このとき加算するコストは、集客度や営業時間からのずれに応じて段階的に設定されていてもよい。

そして、リンク周辺のすべての施設について処理が終了したかを判断し（ステップＳ５１１）、終了している場合は（ステップＳ５１１：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。一方、終了していない場合は（ステップＳ５１１：Ｎｏ）、ステップＳ５０７に戻り、以降の処理を繰り返す。

以上説明したように、経路探索部３０９は、一般的なコスト算出の要素に加えて、リンク周辺に存在する施設の数をコスト算出の要素とする。これにより、地図情報や平均旅行時間などでは知り得ない道路の実情を考慮して経路探索をおこなうことができる。ナビゲーション装置３００では、通信部３０８によってＶＩＣＳ情報を取得しているが、ＶＩＣＳ情報が提供されている道路は限られている。このように、地図情報に含まれる施設情報を用いることによって、ＶＩＣＳ情報が提供されていない道路においても、道路の混雑状態を予想することができる。

さらに、地図情報に含まれる施設情報を用いて、リンク周辺に設けられている施設の種類や営業時間に応じてコストを調整し、より現実的な道路の実情を予測することができる。なお、この他にも、リンク周辺にある施設について、集客度を左右する事項に関する情報がある場合には、その事項を考慮してコストを算出してもよい。たとえば、劇場や映画館の公開スケジュールに合わせて、観客が帰宅する時間帯はコストを高く設定するなどである。

また、地図情報内に、リンク周辺の施設数をあらわす情報がある場合には、その情報を用いてリンクのコストを算出するようにしてもよい。これにより、リンク周辺の施設を検索することなく、そのリンクの通行状況の概要を知ることができる。たとえば、リンク周辺の施設数をあらわす情報の一例として、アドレスレンジ情報がある。

アドレスレンジ情報とは、そのリンクに面した建物の住所を示す情報（住所情報）である。欧米における住所表示は、通り（リンク）の名前および番地でおこなわれる。番地は、原則として通りの端から順に建物ごとに割り振られていく。このため、その通りの住所情報から、その通りにどれだけの建物が建っているかの概算を知ることができる。これを利用して、そのリンクの混雑度を推測し、リンクのコストに反映させることができる。

図６は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。まず、経路探索部３０９は、リンクの渋滞度や直進性、料金、右（左）折回数、幅員などの要素に基づいて、通常のリンクコスト計算をおこなう（ステップＳ６０１）。次に、リンクに関連付けられたアドレスレンジ情報があるかを判断する（ステップＳ６０２）。具体的には、たとえば、記録媒体３０５に記録されている地図情報に、アドレスレンジ情報が含まれているかを検索する。

リンクに関連付けられたアドレスレンジ情報がある場合は（ステップＳ６０２：Ｙｅｓ）、アドレスレンジ情報を取得する（ステップＳ６０３）。そして、ステップＳ６０１のコスト計算によって算出されたコストに、アドレスレンジ数と単位コストを掛け合わせた値（アドレスレンジ数×単位コスト）を加算して（ステップＳ６０４）、本フローチャートによる処理を終了する。ここで、単位コストとは、アドレスレンジ数をコストに変換する際の変換係数である。また、アドレスレンジ数をリンク長で除算して、単位長さあたりの施設数を算出し、単位コストを掛け合わせてもよい。一方、リンクに関連付けられたアドレスレンジ情報がない場合は（ステップＳ６０２：Ｎｏ）、コストを加算することなく本フローチャートによる処理を終了する。

以上説明したように、地図情報内にアドレスレンジ情報のようなリンク周辺の施設数の推測に利用できる情報がある場合には、この情報を用いてリンクの交通状況を考慮したコストを算出することができる。このとき、リンク周辺の施設のジャンルによって、加算するコストを異ならせてもよい。

さらに、リンク周辺に特定のジャンルの施設が一定以上ある場合に、そのリンクのコストを大きくするようにしてもよい。たとえば、リンク周辺に商業施設が一定以上の割合である場合、そのリンクは商店街である可能性が高い。このように、特定のジャンルの施設が一定以上あるかを判断することによって、リンクの通行のしやすさを判断し、リンクのコストに反映させるようにしてもよい。

図７は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。まず、経路探索部３０９は、リンクの渋滞度や直進性、料金、右（左）折回数、幅員などの要素に基づいて、通常のリンクコスト計算をおこなう（ステップＳ７０１）。次に、経路探索部３０９は、リンクのリンク長情報を取得する（ステップＳ７０２）。

つづいて、リンク周辺にある施設のジャンル情報を取得し（ステップＳ７０３）、取得したジャンル情報から、リンク周辺にある商業施設の数を抽出する（ステップＳ７０４）。そして、ステップＳ７０４で抽出した施設の数を、ステップＳ７０２で取得したリンク長で割った値（商業施設の数／リンク長）が一定値以上かを判断する（ステップＳ７０５）。このとき算出される値は、商業施設が密集したリンクほど大きくなる。

商業施設の数／リンク長が一定値以上の場合は（ステップＳ７０５：Ｙｅｓ）、リンクを商店街と判断し、ステップＳ７０１のコスト計算によって算出されたコストに所定の係数を掛け合わせて（ステップＳ７０６）、本フローチャートによる処理を終了する。なお、所定の係数を掛け合わせる他、所定のコストを足すなどしてもよい。また、このとき、リンクの幅員情報を加味してコストの調整をおこなってもよい。たとえば、幅員が狭いリンクほど、通行者などとの接触の可能性が高いため通行しにくい。このため、より高いコストを加算するようにする。一方、商業施設の数／リンク長が一定値以上でない場合は（ステップＳ７０５：Ｎｏ）、通常のリンクとして所定の係数を掛け合わせることなく本フローチャートによる処理を終了する。

以上説明したように、経路探索部３０９は、リンク周辺の施設の数やジャンルなどの情報に基づいてリンクのコストを算出する。このため、ナビゲーション装置３００は、現実の交通状況に即した経路をユーザに呈示し、経路案内をおこなうことができる。

図８は、経路探索部によって探索される経路の一例を示す図である。図８において三角形の旗Ｓで示した出発地点から、四角形の旗で示した目的地点Ｇに至るまでの経路には、リンクＬ１を通る経路Ａと、リンクＬ２を通る経路Ｂとがある。一般的なコスト計算によって経路を探索した場合、他の条件が同じであれば、距離がより短い経路Ａが最適経路としてユーザに呈示される。

一方、経路探索部３０９は、リンクＬ１およびＬ２の周辺の施設の数やジャンルをコスト算出の要素に加える。これにより、ナビゲーション装置３００では、リンクＬ１よりも周辺の施設の数が少ないリンクＬ２を通る経路Ｂが、最適経路としてユーザに呈示されることとなる。経路Ｂは、経路Ａに比べ距離が長くなっているが、周辺の施設数が少ないため、通過するのに要する時間は短いことが予想されるからである。

以上説明したように、本実施例にかかるナビゲーション装置によれば、一般的なコスト算出の要素に加えて、リンク周辺に存在する施設の数をコスト算出の要素とすることによって、リンクの交通状況の予想をより精度よくおこなって目的地までの経路を探索することができる。

また、地図情報に含まれる施設情報を用いて、リンク周辺に設けられている施設の種類や営業時間によってコストを調整することによって、より現実に則した道路の実情を予測することができる。さらに、リンク周辺にある施設について、集客度を左右する事項に関する情報がある場合には、その事項を考慮してリンクのコストを算出し、ユーザに最適な経路を呈示することができる。

なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、ＭＯ、ＤＶＤ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。

【０００２】
要であるという問題が一例として挙げられる。さらに、情報が供給されていない地域には対応することができないという問題が一例として挙げられる。
課題を解決するための手段
［０００７］
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項１の発明にかかる経路探索装置は、リンク周辺の番地情報から当該リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する施設数情報取得手段と、前記施設数情報取得手段によって取得された施設の数に関する情報に基づいて前記リンクをそれぞれ評価する評価手段と、前記評価手段による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する探索手段と、を備えることを特徴とする。
［０００８］
また、請求項７の発明にかかる経路探索方法は、リンク周辺の番地情報から当該リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する施設数情報取得工程と、前記施設数情報取得工程によって取得された施設の数に関する情報に基づいて前記リンクをそれぞれ評価する評価工程と、前記評価工程による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する探索工程と、を含むことを特徴とする。
［０００９］
また、請求項８の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項７に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
［００１０］
また、請求項９の発明にかかる記録媒体は、請求項８に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
図面の簡単な説明
［００１１］
［図１］図１は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。
［図２］図２は、経路探索装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
［図３］図３は、実施例にかかるナビゲーション装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
［図４］図４は、経路探索部がおこなう経路探索処理の一例を示すフローチャートである。
［図５］図５は、経路探索部がおこなうリンクのコスト算出処理の一例を示すフローチャートである。

Claims (9)

1. リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する施設数情報取得手段と、
   前記施設数情報取得手段によって取得された施設の数に関する情報に基づいて前記リンクをそれぞれ評価する評価手段と、
   前記評価手段による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する探索手段と、
   を備えることを特徴とする経路探索装置。
2. 前記施設数情報取得手段は、前記リンクの単位長さあたりの施設の数に関する情報を取得し、
   前記評価手段は、前記単位長さあたりの施設の数が少ないリンクに高い評価を与えることを特徴とする請求項１に記載の経路探索装置。
3. 前記リンク周辺の施設の集客力に関する情報を取得する集客情報取得手段を備え、
   前記評価手段は、集客力が高い施設が周辺にあるリンクに低い評価を与えることを特徴とする請求項１に記載の経路探索装置。
4. 前記リンク周辺の施設のジャンルに関する情報を取得するジャンル情報取得手段を備え、
   前記集客情報取得手段は、施設のジャンルごとの集客力に関する情報を取得し、
   前記評価手段は、集客力が高いジャンルの施設が周辺にあるリンクに低い評価を与えることを特徴とする請求項１に記載の経路探索装置。
5. 前記集客情報取得手段は、前記施設の時間帯別の集客力に関する情報を取得し、
   前記評価手段は、集客力が高い時間帯にある施設が周辺にあるリンクに低い評価を与えることを特徴とする請求項１に記載の経路探索装置。
6. 前記施設数情報取得手段は、前記リンク周辺の番地情報から前記リンク周辺の施設の数に関する情報を取得することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一つに記載の経路探索装置。
7. リンク周辺の施設の数に関する情報を取得する施設数情報取得工程と、
   前記施設数情報取得工程によって取得された施設の数に関する情報に基づいて前記リンクをそれぞれ評価する評価工程と、
   前記評価工程による評価が高いリンクを選択して目的地点までの経路を探索する探索工程と、
   を含むことを特徴とする経路探索方法。
8. 請求項７に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
9. 請求項８に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

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