JPWO2006087911A1 - 人工毛髪及びそれを用いたかつら - Google Patents

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Abstract

天然毛髪に近い外観、触感、質感などの風合いと、天然毛髪に近似する好適な物性値とを有する人工毛髪及びそれを用いたかつらであって、人工毛髪(1)は、芯部(1B)と該芯部(1B)を覆う鞘部(1A)とからなる鞘/芯構造を有し、芯部(1B)をポリアミド樹脂、特に半芳香族ポリアミド樹脂とし、鞘部(1A)を芯部(1B)よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂、特に直鎖飽和脂肪族ポリアミドとすることで、例えば曲げ剛性値を天然毛髪に近い値とすることができ、しかも、その湿度による変化挙動を天然毛髪に極めて近く制御でき、これを素材とするかつらは、自然な風合いをもつので、見栄えに優れたかつらを提供することができる。

Description

本発明は、天然毛髪に近似する物性と風合いを有する人工毛髪とこの毛髪を用いたかつらに関する。
かつらは、天然毛髪を素材として古くから製造され愛用されてきたものであるが、近年天然毛髪素材の調達上の制約、その他の問題から合成繊維をかつら用毛髪素材として製造されることが多くなった。その場合、使用される合成繊維は、基本的に、感覚上も物性上も、天然毛髪に近いことを第一目標として選択される。
使用される人工毛髪素材としては、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系などの合成繊維が多いが、一般にアクリル系繊維は融点が低く、耐熱性が悪いために、パーマセット後の型保持性が悪く、例えば温水に曝すとカールなどの加工が崩れるなどの弱点がある。ポリエステル系繊維は、強度、耐熱性に優れた素材であるが、天然毛髪に比べて吸湿性が極めて低いことに加えて曲げ剛性値が高すぎるため、例えば高湿の環境下において天然毛髪と異なる外観、触感、物性を示して、かつらとして用いる場合に著しい違和感を呈する。
ここで、曲げ剛性値とは、繊維の触感や質感などの風合いに関連する物性値で、川端式測定法により数値化できるものとして繊維織物産業で広く認知されつつある物性値である(非特許文献1参照)。一本の繊維や毛髪の曲げ剛性値を測定できる装置も開発されている(非特許文献2参照)。この曲げ剛性値は曲げ剛さとも呼ばれ、人工毛髪に単位の大きさの曲げモーメントを加えたとき、それによって生じた曲率変化の逆数で定義される。人工毛髪の曲げ剛性値が大きいほど、曲げに強くたわみずらい、つまり、硬く曲げにくい人工毛髪である。逆にこの曲げ剛性値が小さい程、曲げ易く、柔らかい人工毛髪であるといえる。
ところで、ポリアミド系繊維は多くの点で天然毛髪に近い外観、物性のものを提供できるため、従来からかつら用毛髪として実用に供され、特に表面処理によって不自然な光沢などを消す本出願人による製造方法の発明によって優れたかつらが提供されている(特許文献1参照)。
ポリアミド繊維には、主鎖としてメチレン鎖のみがアミド結合でつながる直鎖飽和脂肪族ポリアミド、例えば、ナイロン6、ナイロン66などと、主鎖中にフェニレン単位が入る半芳香族系ポリアミド、例えば、東洋紡績(株)のナイロン6T、三菱ガス化学(株)のMXD6などがある。特許文献1には、ナイロン6繊維を素材として表面処理をした人工毛髪が開示されているが、ナイロン6繊維単独では触感や質感などの風合いなどに関連する物性としての曲げ剛性値が天然毛髪より低く、このため天然毛髪と同質の人工毛髪を製造するのは困難である。
一方、ナイロン6Tを用いた人工毛髪は、逆に曲げ剛性値が天然毛髪より高く、このナイロン6Tにより天然毛髪と同質の毛髪を製造するのは困難である。そこでナイロン6とナイロン6Tとの混練紡糸によって天然毛髪に近い曲げ剛性を示す繊維を製造することが考えられるが、これら2種の樹脂は融点差が大きく、高融点のナイロン6Tに合わせた溶融温度を設定すると、低融点で耐熱性も相対的に低いナイロン6が溶融中に熱酸化劣化するという製造工程面での制約があり過ぎる。そのため上記ナイロン6Tは、毛髪素材としては実用化されていない。
2種類の樹脂の特性をそれぞれ生かす方法として、鞘/芯構造の繊維が知られている。この繊維は芯になる繊維とそれを取り巻く鞘状の繊維から1本の繊維を構成し、異なる2種類の樹脂のそれぞれの特性を生かすことで、一般繊維として、また、かつら用人工毛髪素材とするものである。たとえば、特許文献2には、塩化ビニリデン、ポリプロピレンなどからなる鞘/芯構造の繊維が開示され、特許文献3には、ポリアミド系であるが、芯部に蛋白質架橋ゲルを配合することによって変性する繊維が開示されている。
さらに通常の合成繊維の持つ透明感が人工毛髪として使用された場合、不自然な光沢となることを防止するために、表面に凹凸を与えることによって不透明とし、天然毛髪に近い外観、風合いを与える試みが種々なされている。上記特許文献1では、表面に球晶を発生成長させることにより、また特許文献4では、繊維表面を化学薬品処理することによる表面への凹凸付与法が開示されている。この他には、人工毛髪の表面を砂、氷、ドライアイスなどの微粉でブラスト処理する方法も知られている。
特開昭64−6114号公報 特開2002−129432号公報 特開2005−9049号公報 特開2002−161423号公報 川端季雄、繊維機械学会誌(繊維工学)、26、10、pp.721−728、1973 カトーテック株式会社、KES−SHシングルヘアーベンディングテスター取扱説明書
かつらに使用する人工毛髪は、第一義的に天然毛髪に近い風合い(外観、触感、質感)及び物性値を有することが求められ、その上でさらに天然毛髪より優れた物性値を有することが理想である。上述したように各種合成繊維素材はそれぞれの特徴と弱点を有し、その中では特定のポリアミド繊維、特に、ナイロン6及びナイロン66がその特性が優れているため実用化されているが、曲げ剛性値が天然毛髪より低いという課題がある。
本発明は上記課題に鑑み、天然毛髪に近い風合い(外観、触感、質感)及び物性値を有する人工毛髪及びそれを用いたかつらを提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド系合成繊維の特質を生かし、芯部を曲げ剛性の高いポリアミド繊維とし、鞘部を芯部よりも曲げ剛性の低いポリアミド繊維とする、鞘/芯構造、すなわち、芯になる繊維とそれを取り巻く鞘状の繊維から成る構造、の繊維が両樹脂の特性を生かし、天然毛髪に極めて近い風合い(外観、触感、質感)と物性値を有する人工毛髪として最適であるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するため、本発明の人工毛髪は、芯部と芯部を覆う鞘部とからなる鞘/芯構造を有し、芯部がポリアミド樹脂からなり、鞘部が芯部よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂からなることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、人工毛髪の表面は、微細な凹凸部を有して艶消しがされている。微細な凹凸部は、球晶及び/又はブラスト処理からなっていてよい。好ましくは、芯部は半芳香族ポリアミド樹脂からなり、鞘部は直鎖飽和脂肪族ポリアミドからなる。半芳香族ポリアミドは、ヘキサメチレンジアミンとテレフタール酸との交互共重合体、又は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体であり、また、直鎖飽和脂肪族ポリアミドは、カプロラクタム開環重合体、及び/又は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体であることが好ましい。鞘部及び芯部の鞘/芯重量比は、好ましくは10/90〜35/65である。人工毛髪は、顔料及び/又は染料を含有していてもよい。
本発明の人工毛髪は、芯部とこれを取り巻く鞘部の二重構造で成り、鞘部及び芯部が曲げ剛性の異なるポリアミド樹脂から形成されるので、湿度変化に対して天然毛髪の曲げ剛性値に極めて近い挙動を示す人工毛髪を提供することができる。このため、この人工毛髪はその曲げ剛性値が天然毛髪に近似しているので、特に、外観、触感、質感などの風合いが極めて天然毛髪に近い自然な人工毛髪を提供することができ、とくに温度や湿度に応じて曲げ剛性が変化し、人毛により近い挙動を示す人工毛髪が得られる。
本発明のかつらによれば、かつらベースとかつらベースに植設する人工毛髪とを含み、人工毛髪が、芯部と芯部を覆う鞘部とからなる鞘/芯構造を有し、芯部がポリアミド樹脂からなり、鞘部が芯部よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂からなる人工毛髪を用いたことを特徴とする。
本発明のかつらに上記構成の人工毛髪を用いることにより、湿度変化に対して天然毛髪の曲げ剛性値に極めて近い挙動を示すかつらを提供することができる。このためこのかつらによれば、人工毛髪の立ち上がりがよく、その曲げ剛性値が天然毛髪に近似しているので、特に、外観、触感、質感などの風合いに極めて優れ、見栄えが自然なかつらが得られる。従って、温度や湿度に応じて曲げ剛性が変化し、人毛により近い挙動を示す人工毛髪によって、恰も頭部から自然に生育した自髪であるかの如き外観を呈し、かつら使用者はかつら装着が露見され得ない。
本発明によれば、鞘/芯構造を有し、風合い(外観、触感、質感)、諸物性、特に曲げ剛性とその湿度による変化挙動が、天然毛髪に近い人工毛髪を提供することができる。さらに、この鞘/芯構造を有する人工毛髪を用いたかつらは、従来の単一の合成繊維材料からなる人工毛髪を用いたかつらよりも、装着者とその周囲の観察者に自然な感覚を与えることができる。
とくに、人工毛髪を芯部よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂を鞘部とした鞘/芯構造とすることにより、温度や湿度に応じて曲げ剛性が変化し、人毛により近い挙動を示す人工毛髪を得ることができる結果、本発明の人工毛髪によれば、カールを付けた状態であっても、水に濡らした時のカールの伸び及び自然放置下で湿気を取り除いた時のカールの戻り具合が、天然毛髪に類似の挙動を示すことができる。
従って、本発明のかつらによれば、雨で濡れたり、高湿度の環境でかつらを装着している場合には、人工毛髪の吸湿による曲げ剛性値が変化する特性、すなわち湿度の上昇に伴い曲げ剛性値が低下することによって、人工毛髪が柔らかくなって垂れ下がりボリューム感が無くなるが、吸収した水分が自然放置や乾燥により放湿されると人工毛髪は徐々に立ち上がり、再び元の状態に戻る。この結果、恰も、頭皮から自然の毛髪が生育している状態と同じ挙動のかつらが得られるので、かつらであることが露見し難い、外観上優れた見栄えを呈することができる。
本発明の第1の実施形態による人工毛髪の構成を模式的に示し、(A)は斜視図、(B)は人工毛髪の長手方向の垂直断面図である。 本発明の人工毛髪の変形例についての構成を模式的に示す長手方向の断面図である。 本発明の人工毛髪の製造に用いる紡糸機の概略図である。 紡糸機に用いる吐出口の概略断面図である。 本発明の第2の実施形態による人工毛髪を用いたかつら構成を模式的に示す斜視図である。 図5のかつらの湿度変化に対する挙動を模式的に示す拡大図であり、(A)は通常の湿度状態を示し、(B)は高湿度状態を示している。 実施例3の人工毛髪における曲げ剛性値の延伸倍率依存性を示す図である。 実施例2による人工毛髪の断面の電子顕微鏡像を示す図である。 実施例2による人工毛髪の表面の電子顕微鏡像を示す図である。 実施例3による人工毛髪の断面の電子顕微鏡像を示す図である。 比較例3の鞘/芯構造を有する人工毛髪の断面電子顕微鏡像を示す図である。 実施例1〜5及び比較例1、2における、人工毛髪の曲げ剛性値の湿度依存性を示すグラフである。 実施例6〜10及び比較例1、4、5における人工毛髪の曲げ剛性値の湿度依存性を示すグラフである。 (A)は本発明実施例の人工毛髪、(B)は天然毛髪、(C)は従来のポリエステルを用いた人工毛髪の、それぞれカールした最初の状態を示す図である。 (A)は本発明実施例の人工毛髪、(B)は天然毛髪、(C)は従来のポリエステルを用いた人工毛髪の、それぞれ水に浸漬した状態を示す図である。 (A)は本発明実施例の人工毛髪、(B)は天然毛髪、(C)は従来のポリエステルを用いた人工毛髪の、それぞれ水に浸漬した後の乾燥状態を示す図である。
符号の説明
1:人工毛髪
1A:鞘部
1B:芯部
1C:微細な凹凸部
10:表面に微細な凹凸部を有する人工毛髪
21:第1の溶融槽
22:第2の溶融槽
21A,22A:溶融樹脂組成
21B,22B:ギアポンプ
23:吐出部
23A:外環吐出口
23B:中心吐出口
23C:吐出口
24:温浴
25:第1延伸ロール
26:第1乾熱槽
27:第2延伸ロール
28:第2乾熱槽
29:第3延伸ロール
30:第3乾熱槽
31:オイリング装置
32:第4延伸ロール
33:ブラスト機
34:巻取機
40:人工毛髪を用いたかつら
41:かつらベース
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
最初に本発明の第1の実施形態に係る人工毛髪について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による人工毛髪の構成を模式的に示すもので、(A)は斜視図、(B)は人工毛髪の長手方向の垂直断面図である。図示するように、本発明の人工毛髪1は、その表面が鞘部1Aで、鞘部1Aの内部に芯部1Bを有する鞘/芯構造を有している。鞘/芯構造は図示の場合、略同心円状に配設される例を示しているが、芯部1B及び鞘1Aとも略同心円状以外の異形形状、例えば、完全に同心円になっておらず鞘に対して芯が偏心している場合も含む。また、芯がほぼ真円で鞘の厚さが異なるような鞘/芯形状であってもよい。また、人工毛髪1の断面形状は、円、楕円、まゆ型などでもよい。
上記芯部1Bの材料となるポリアミド樹脂としては、強度と曲げ剛性が高い半芳香族のポリアミド樹脂を好適に用いることができる。このような、半芳香族ポリアミドとしては、化学式1で表わされるヘキサメチレンジアミンとテレフタール酸との交互共重合体からなる高分子(例えば、ナイロン6T)、又は、化学式2で表わされるアジピン酸とメタキシリレンジアミンとをアミド結合で交互に結合した高分子(例えば、ナイロンMXD6)などが挙げられる。
上記鞘部1Aの材料となるポリアミド樹脂としては、芯部1Bの材料よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂を用いればよく、例えば、直鎖飽和脂肪族ポリアミドを好適に用いることができる。このような直鎖飽和脂肪族ポリアミドとしては、化学式3で表わされるカプロラクタムの開環重合体からなる高分子、例えばナイロン6、又は、化学式4で表わされるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体からなる高分子、例えばナイロン66、などが挙げられる。
本発明の人工毛髪1において、鞘部1Aの表面が平滑な面の場合には、光沢が生じる。この人工毛髪1の表面での不自然な光沢を消すためには、いわゆる艶消し処理を行なえばよい。
図2は、本発明の人工毛髪の変形例についての構成を模式的に示す、長手方向の断面図である。図示するように、人工毛髪10の鞘部1Aの表面には、微細な凹凸部1Cが形成されている。このような微細な凹凸部1Cを形成した場合には、人工毛髪10に光が当ったときに乱反射が生じる。このため、人工毛髪の表面において光照射による反射のために光沢が生じなくなり、所謂艶消し効果が生じる。
ここで、微細な凹凸部1Cは、人工毛髪1の紡糸中、または紡糸後の繊維を砂、氷、ドライアイスなどの微小粉末によるブラスト処理によって付与することができる。人工毛髪1の紡糸中に形成する場合には、人工毛髪1の最外表面に球晶を形成すればよい。この際、球晶形成と、上記砂、氷、ドライアイスなどの微小粉末によるブラスト処理を組み合わせた処理でもよい。このような球晶、又はブラスト処理との組合せで形成した凹凸部は、光が乱反射されるように、可視光波長のオーダーよりも大きい凹凸部1Cとなるように形成すればよい。
本発明の人工毛髪1,10は、装着者の好みに応じた着色をすることができる。この着色は紡糸時の原料となるポリマーの混練中に顔料及び/又は染料を配合してもよく、また紡糸後に人工毛髪を染色してもよい。
本発明の人工毛髪1,10によれば、芯部1Bに曲げ剛性の高いポリアミドを用い、鞘部1Aには芯部1Bよりも曲げ剛性の低いポリアミドを用いた鞘/芯構造とすることにより、温度や湿度に応じて曲げ剛性が変化し、人毛により近い挙動を示す人工毛髪を得ることができる。また、鞘部1Aの表面に微細な凹凸部1Cを設けた人工毛髪10によれば、艶消し効果が生じ、人工毛髪の物性値と風合いに一層近似する。
次に、本発明の人工毛髪の製造方法について説明する。
図3は本発明の人工毛髪の製造に用いる紡糸機の概略図であり、図4は紡糸機に用いる吐出部の概略断面図である。図3に示すように、紡糸機20は、鞘部1Aとなるポリアミド樹脂の第1の溶融槽21と、芯部1Bとなるポリアミド樹脂の第2の溶融槽22と、これらの溶融槽21,22から供給される溶融液21A,22Aを吐出する吐出部23と、吐出部23の吐出口23Cから吐出する糸状溶融物を固化すると共に、表面に凹凸部を形成する温浴24と、その後、各段が延伸ロール25,27,29及び乾熱槽26,28,30からなる3段の延伸熱処理工程部を経て、糸表面にさらに凹凸部1Cをつけるためのブラスト機33と、ブラスト機33によって所望の程度に艶消しされた人工毛髪を巻き取る巻取機34と、を含み構成されている。
溶融槽21,22は、ポリアミド樹脂のペレットを溶融するための加熱装置と、混練及び吐出部23へ供給するためのスクリューなどを備え、溶融液21A,22Aを吐出部23へ送液するギアポンプ21B,22Bを備えている。
吐出部23の吐出口23Cから出た繊維は図示のとおり温浴、延伸、乾熱機構を経た後、静電防止用オイリング装置31と、寸法を安定させるために人工毛髪に掛けたテンションを緩和する延伸ロール32と、表面処理用のブラスト機33と、を通って巻取機34に巻き取られる。
図4に示すように、吐出部23は、同心円状に配設される二重の吐出口を有し、その中心円部23Bからは半芳香族ポリアミド樹脂溶融液22Aを、そして、中心円部23Bを囲む外環部23Aから直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂溶融液21Aを、それぞれ吐出させる構造を有している。
次に、上記紡織機20による人工毛髪の製造方法について説明する。
上記紡糸機20を用いて、溶融槽21,22において、各ポリアミド樹脂をそれぞれに適した温度で溶融して、吐出部23へ送液し、吐出口の中心円部23Bから半芳香族ポリアミド樹脂溶融液22Aと、外環部23Aから直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂溶融液21Aとを吐出口23Cから吐出させて、鞘/芯構造の糸とし、人工毛髪1,10を製造することができる。
この際、直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂溶融液21Aをギヤポンプ21Bで一定時間送液した容量と、半芳香族ポリアミド樹脂溶融液22Aをギヤポンプ22Bで送液した容量との比率を、本発明においては鞘/芯容量比と呼ぶことにする。後述するように、人工毛髪10の曲げ剛性値を天然毛髪の曲げ剛性値に近似させるためには、鞘と芯との重量比である鞘/芯重量比は10/90〜35/65が好適な範囲となる。この鞘と芯との重量比を得るための製造条件としては、鞘/芯容量比として1/2〜1/7が好ましい値となり、この範囲が後述する人工毛髪1,10の曲げ剛性値などの物性値に好適である。この鞘/芯容量比が1/2より大きくなると、すなわち鞘部1Aの比率が大きくなると、人工毛髪1,10の芯部1Bの曲げ剛性値の増加に寄与する効果が小さくなる。一方、この鞘/芯容量比が1/7より小さくなると、すなわち芯部1Bの比率が大きくなると、曲げ剛性値が大きくなり過ぎて天然毛髪に近似しなくなり、好ましくない。
人工毛髪1,10の紡糸時の延伸倍率は5〜6倍とすることができる。この延伸倍率は、従来のナイロン6単独の人工毛髪のそれよりも約2倍程度の値である。本発明の人工毛髪1,10においては、紡糸時の延伸倍率、糸径、曲げ剛性値などは、所望の設計に応じて適宜に設定することができる。この場合、人工毛髪1,10の鞘/芯の形状は、紡糸時の条件を適宜制御することにより、略同心円形状とすることができる。
本発明による人工毛髪用紡糸では、吐出口23Cから引き出した糸を温浴24中で80℃以上の水中に通すことによって鞘部1Aの直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂の表面に凹凸部1Cとなる球晶を発生成長させ、糸に天然毛髪と同じような外観を与え、不自然な光沢を消すための艶消しとして、人工毛髪10を製造することができる。
糸の表面に微細な凹凸部1Cを付与する方法としては、上記球晶の発生成長による他、紡糸後の糸表面を砂、氷、ドライアイスなどの微粒子でブラストする方法、あるいは、糸表面を薬品処理する方法の何れか1つ、又はこれらを適宜組み合わせた方法を用いてもよい。
人工毛髪1,10として好適な色、外観を与えるために、紡糸時に顔料及び/又は染料を配合してもよく、また紡糸終了後に人工毛髪1,10自体を染色してもよい。
以上のように、本発明の人工毛髪1,10は、曲げ剛性が異なるポリアミド樹脂による鞘/芯構造を有しているので、従来の直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂単体の人工毛髪よりも曲げ剛性の高い人工毛髪1,10を、再現性よく製造することができる。また、人工毛髪1の表面に微細な凹凸部1Cを形成することによって、天然毛髪に近似した自然な光沢を付与し、毛髪としての自然な外観を付与することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る人工毛髪を用いたかつらについて説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態による人工毛髪を用いたかつら構成を模式的に示す斜視図である。本発明の人工毛髪1,10を用いたかつら40は、かつらベース41に、人工毛髪1又は10が植設されて構成したかつらである。かつらベース41は、ネット状ベース或いは人工皮膚ベースから構成することができる。図示の場合には、かつらベース41がネット部材の網目に植設されている状態を示している。かつらベース41は、ネット状ベースと人工皮膚ベースを組み合わせて構成してもよく、かつらのデザインや用途に合わせたものであれば特に制限はない。
人工毛髪1,10の直径は、0.05〜0.1mm程度であればよい。また、その表面の鏡面光沢が抑えられ、天然毛髪に近似した光沢をもった人工毛髪10が好適に使用できる。人工毛髪1,10の色は、装着者の希望に応じて、黒色、茶色、ブロンドなど適宜に選択すればよい。使用者の脱毛部周辺の自毛に合わせた色の人工毛髪を選択すれば、自然感が増す。おしゃれ用のかつら又は付け毛とする場合は、本発明の人工毛髪に自毛と異なる着色でメッシュ状とするか、人工毛髪に基端部から先端部にかけて、例えば色調の濃淡を変化させるとか色彩を徐々に変化させてグラデーションを施すなどすればよい。
図6は、図5のかつらの湿度変化に対する挙動を模式的に示す拡大図であり、(A)は通常の湿度状態を示し、(B)は高湿度状態を示している。図においては、人工毛髪が真っ直ぐな直毛の場合を示している。
図6(A)に示すように、本発明のかつら40に植設される人工毛髪1,10は、天然毛髪に近似した曲げ剛性値をもっている。このため、湿度40〜60%前後の通常の環境下では、人工毛髪1,10の立ち上がりがよく、かつら40にボリューム感が生じる。
これに対して、本発明のかつら40が雨で濡れたり、高湿度の環境でかつらを装着している場合には、かつらに植設されている人工毛髪1,10の吸湿による曲げ剛性値が変化する特性、すなわち湿度の上昇に伴い曲げ剛性値が低下することによって、人工毛髪が柔らかくなり、図6(B)に示すように、垂れ下がり、ボリューム感が無くなる。さらに、吸収した水分が自然放置や乾燥により放湿されると、人工毛髪1,10は徐々に立ち上がり、再び元の状態に戻る。
また、人工毛髪1 ,10にカールが付いている場合には、天然毛髪と近似したカールの伸び方になり、直毛の場合と同様に、吸収した水分が自然放置や乾燥により放湿されると、カールが元に戻る。
本発明のかつら40によれば、芯部1Bに曲げ剛性の高いポリアミドを用い、鞘部1Aには芯部1Bよりも剛性の低いポリアミドを用いた鞘/芯構造とした人工毛髪1,10を用い、これをかつらベースに植設しているので、温度や湿度に応じて曲げ剛性が変化し、天然毛髪により近い触感や挙動を有し、見栄えのよいかつらを得ることができる。さらに人工毛髪としてその表面に微細な凹凸部1Cが形成されている場合には、艶消し効果により、より天然毛髪に近い外観を示す。
また、本発明のかつら40が雨に濡れたり、装着者の汗により水分が付与された場合には、人工毛髪1,10が水分の吸湿性のよいポリアミド樹脂を用いているので、水分を吸収し、その重量の増加により人工毛髪1,10が垂れ下がり、天然毛髪に近い挙動を示す。これに対して、例えばポリエステルによる従来の人工毛髪を用いたかつらの場合は曲げ剛性が天然毛髪より高いので、かつらを装着し整髪してブレンドしていた自毛とかつらの人工毛髪とが水分付着により、自毛は頭皮側に垂れ下がるのに対して、ポリエステルの人工毛は立ち上がったままとなり、ポリエステルで成るかつらの毛髪と自毛との分離が生じて、不自然な外観を呈してしまうことになる。しかし本発明では、水分が付着すると自毛の垂れ下がりと実質的に同様にかつらの毛髪も垂れ下がるので、毛髪の分離が生じず、従って自毛と人工毛とが良く馴染んだ状態を維持することができる。
次に本発明の実施例について詳細に説明する。
図3に示す紡糸機20を用いて、実施例1の人工毛髪10を製造した。芯部1Bのポリアミド樹脂としては、ナイロン6T(東洋紡績(株)製)を用い、鞘部1Aのポリアミド樹脂としてはナイロン6(東洋紡績(株)製)を用いた。温浴24は、80℃の温湯を用いた。鞘/芯容量比は、1/7として、吐出口温度を310℃に設定して、人工毛髪10を製造した。この実施例1の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、12/88となった。
着色剤としては、上記鞘部1A又は芯部1Bに用いるポリアミド樹脂と、顔料を所定割合で混合して加熱溶融し、混練後に冷却してチップ状にした樹脂チップを用いた。この着色剤として用いる樹脂チップをマスターバッチと呼ぶことにする。実施例で使用したマスターバッチとして、黒色の無機顔料を3重量%含有した樹脂チップ、黄色の有機顔料を3重量%含有した樹脂チップ、赤色の有機顔料を4重量%含有した樹脂チップを用いた。
具体的には、最初に、第1の溶融槽21には、鞘部1Aの原料としてナイロン6チップ84g、マスターバッチとして黒5g,黄色10g、赤1g、合計100gの溶融樹脂21Aを投入した。そして、第2の溶融槽22には、芯部1Bの原料としてナイロン6Tチップ84g、マスターバッチとして黒5g,黄色10g、赤1g、合計100gの溶融樹脂22Aを投入した。
ギアポンプ22Bでナイロン6Tを吐出部23の中心吐出口23Bに、ギアポンプ21Bでナイロン6を外環吐出口23Aにそれぞれ送出し、ギアポンプ21B,22Bの回転数を調整して、押出し容量比を鞘/芯比で1/7とした。紡糸機は15孔の口金を用いて15本の繊維を紡出する機械である。
吐出口23Cを出た鞘/芯構造の繊維は、長さが1.5mで80℃の温湯からなる温浴24中を通過させ表面に球晶を発生させた。
その後、第1延伸ロール25と、180℃の第1乾熱槽26と、を通過させ延伸を行ない、第2延伸ロール27及び180℃の第2乾熱槽28を通してヒートセットし、さらに第3延伸ロール29、185℃の第3乾熱槽30を通して糸径寸法を安定させるための熱処理(アニーリング)をした後、静電防止のためのオイリング装置31に通した。
最終工程として、第4延伸ロール32及びブラスト機33に通して表面に微細なアルミナ粉を吹きつけて繊維表面を粗面化した後、巻取機34に巻き取った。この工程で延伸倍率が5.5倍、巻取り速度が150m/分となるように第1から第4までの延伸ロール25,27,29,32の速度を調整した。
製造した人工毛髪10の直径はいずれも40〜80μmであった。実施例1においては延伸倍率を5.5倍としたが、後述する実施例3で示すように、人工毛髪10の曲げ剛性は延伸倍率により調整することができた。
各ギアポンプ21B,22Bを調整して鞘/芯容量比を1/5とした以外は、実施例1と同じ条件で鞘/芯構造からなる人工毛髪10を製造した。この実施例2の人工毛髪10鞘/芯重量比は、16.1/83.9であった。
各ギアポンプ21B,22Bを調整して鞘/芯容量比を1/3とした以外は、実施例1と同じ条件で鞘/芯構造からなる人工毛髪10を製造した。この実施例3の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、24.2/75.8であり、その直径が80μmである。
図7は実施例3の人工毛髪10における曲げ剛性値の延伸倍率依存性を示す図である。図において、横軸は延伸倍率を示し、縦軸は曲げ剛性値(10-5gfcm2 /本)を示している。測定条件は温度22℃、湿度40%である。図7から明らかなように、延伸倍率が3倍及び5.5倍の曲げ剛性値は、それぞれ、430×10-5gfcm2 /本、720×10-5gfcm2 /本であり、延伸倍率が増加することにより、曲げ剛性値が直線的に増加することが分かった。
各ギアポンプ21B、22Bを調整して鞘/芯容量比を1/2とした以外は、実施例1と同じ条件で鞘/芯構造からなる人工毛髪10を製造した。この実施例4の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、32.3/67.7であった。
鞘部1Aのポリアミド樹脂としてナイロン66(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用い、温浴24を92℃とし、吐出口温度を320℃に設定した以外は、実施例1と同じ条件で、実施例5の人工毛髪10を製造した。この実施例5の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、16.2/83.8であった。
上記実施例1〜5の人工毛髪の製造条件を表1に示す。ここで、製造した人工毛髪10の直径はいずれも40〜80μmであった。
芯部1Bのポリアミド樹脂をナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名MXナイロン)とし、鞘部1Aのポリアミド樹脂をナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)とし、吐出口温度を270℃に設定し、鞘/芯容量比を1/7とした以外は、実施例1と同じ条件で、実施例6の人工毛髪10を製造した。この実施例6の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、11.8/88.2であった。この実施例6の人工毛髪10において、実施例1〜5の芯部1Bに用いたナイロン6Tの代わりにナイロンMXD6を用いた。但し、実施例1の第1乾熱槽26の代わりに95℃の湿熱槽を用いて延伸し、第2乾熱槽28を150℃としてヒートセットを行い、その後第3延伸ロール29と、185℃の第3乾熱槽30とを通して糸径寸法を安定させるための熱処理(アニーリング)を行なった後、静電防止のためのオイリング装置31に通した。人工毛髪となる繊維表面を粗面化する最終工程は、実施例1と同様に行った。この工程で延伸倍率が5.6倍、第1から第4までの延伸ロール25、27、29、32の速度を巻き取り速度が150m/ 分となるように調整した。ここで、製造した人工毛髪10の直径はいずれも40〜80μmであった。
鞘/芯容量比を1/5とした以外は、実施例6と同じ条件で、実施例7の人工毛髪10を製造した。この実施例7の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、15.8/84.2であった。
鞘/芯容量比を1/4とした以外は、実施例6と同じ条件で、実施例8の人工毛髪10を製造した。この実施例8の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、18.9/81.1であった。
鞘/芯容量比を1/3とした以外は、実施例6と同じ条件で、実施例9の人工毛髪10を製造した。この実施例9の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、23.8/76.2であった。
鞘/芯容量比を1/2とした以外は、実施例6と同じ条件で、実施例10の人工毛髪10を製造した。この実施例10の人工毛髪10の鞘/芯重量比は、31.8/68.2であった。上記実施例6〜10の製造条件を表2に示す。ここで製造した人工毛髪10の直径はいずれも40〜80μmであった。
次に、比較例の人工毛髪について説明する。
(比較例1)
実施例1と同じ紡糸機を用い、吐出口温度を270℃とし、ただし第1の溶融槽21は使わず、鞘のない構造でナイロン6の糸径80μm、延伸倍率3.3の糸を製造した。
(比較例2)
実施例1と同じ紡糸機を用い、吐出口温度を310℃とし、ただし第1溶融槽21は使わず、鞘のない構造でナイロン6Tの糸径80μm、延伸倍率5.5の糸を製造した。
(比較例3)
実施例1と同じ紡糸機を用い、芯部1Bをポリエステル(東レ(株)製)、鞘部1Aをナイロン6とし、吐出口温度を290℃とし、鞘/芯容量比が1/1、糸径が80μm、延伸倍率5.5の糸を製造した。
(比較例4)
実施例1と同じ紡糸機を用い、吐出口温度を270℃とし、ただし第1溶融槽21は使わず、鞘のない構造とした以外は、実施例6と同一の条件及び方法で、糸径80μm、延伸倍率5.6のナイロンMXD6からなる糸を製造した。
(比較例5)
実施例1と同じ紡糸機を用い、吐出口温度を270℃とし、ただし第1溶融槽21は使わず、鞘のない構造とした以外は、実施例6と同一の条件及び方法で、糸径80μm、延伸倍率5.6のナイロンMXD6とナイロン6との混合ポリアミドからなる糸を製造した。ナイロンMXD6とナイロン6との重量比は、90:10とした。上記比較例1〜5の顔料配合比は同じであり、黒、黄色、赤の配合比を、それぞれ、0.15%、0.30%、0.04%とした。製造条件を表3に示す。
次に、実施例1の人工毛髪10の芯部1Bにナイロン6T又はMXD6を、鞘部1Aにナイロン6を用いた理由について説明する。
表4は、比較例1のナイロン6、比較例2のナイロン6T、比較例4のナイロンMXD6の単体を使用して製造した人工毛髪の22℃における曲げ剛性値の湿度依存性を示す表である。曲げ剛性値は、後述するシングルヘアーベンディングテスター(カトーテック(株)製)を用いて測定した。
表4から明らかなように、比較例1のナイロン6を用いた人工毛髪の曲げ剛性値は、湿度40%、60%、80%において、それぞれ、510×10-5gfcm2 /本、340×10-5gfcm2 /本、250×10-5gfcm2 /本であった。表には示していないが、ナイロン66を用いた人工毛髪の曲げ剛性値及びその湿度依存性もナイロン6と同様の値であった。
比較例2のナイロン6Tを用いた人工毛髪の曲げ剛性値は、湿度40%、60%、80%において、それぞれ、980×10-5gfcm2 /本、920×10-5gfcm2 /本、860×10-5gfcm2 /本であった。
比較例4のナイロンMXD6を用いた人工毛髪の曲げ剛性値は、湿度40%、60%、80%において、それぞれ、940×10-5gfcm2 /本、870×10-5gfcm2 /本、780×10-5gfcm2 /本であった。これから、ナイロン6T及びナイロンMXD6を用いた人工毛髪が、ナイロン6又はナイロン66の人工毛髪に比べて高い曲げ剛性値を示していることが分かる。
従って、実施例1〜10の人工毛髪は、芯部1Bが曲げ剛性の高いナイロン6T又はナイロンMXD6からなるポリアミド樹脂で、鞘部1Aが芯部1Bよりも曲げ剛性値の低いナイロン6又はナイロン66からなるポリアミド樹脂であることが明らかとなった。
次に、上記実施例1〜10及び比較例1〜5で製造した人工毛髪の諸特性について説明する。
図8は、実施例2で作った人工毛髪の断面を示す電子顕微鏡像である。電子の加速電圧は15kVで、倍率は800倍である。この人工毛髪10の鞘/芯容量比は1/5であり、その直径は80μm、延伸倍率は、5.5倍である。図から明らかなように、芯部1Bとして半芳香族ポリアミド(ナイロン6T)、その周囲に鞘部1Aとして直鎖飽和脂肪族ポリアミド(ナイロン6)からなる鞘/芯構造が形成されていることが分かる。
図9は、実施例2の人工毛髪10の表面を示す電子顕微鏡像である。電子の加速電圧は15kVで、倍率は700倍である。図から明らかなように、表面の直鎖飽和脂肪族ポリアミド(ナイロン6)に球晶が発生して成長し、表面に微細な凹凸部1Cが付与されることが分かる。
図10は、実施例3の人工毛髪10の断面を示す電子顕微鏡像である。電子の加速電圧は15kVで、倍率は900倍である。この人工毛髪10の鞘/芯容量比は1/3であり、その直径は80μm、延伸倍率は、5.5倍である。図から明らかなように、芯部1Bとして半芳香族ポリアミド(ナイロン6T)、その周囲に鞘部1Aとして直鎖飽和脂肪族ポリアミド(ナイロン6)からなる鞘/芯構造が形成されていることが分かる。
図11は、比較例3の鞘/芯構造を有する人工毛髪の断面を示す電子顕微鏡像である。電子の加速電圧は15kVで、倍率は300倍である。
比較例3の人工毛髪は、芯部1Bがポリエステル、鞘部1Aが直鎖飽和脂肪族ポリアミド(ナイロン6)からなる鞘/芯構造を有している。鞘/芯容量比は1/1であり、糸径80μm、延伸倍率が5.5であった。図から明らかなように、芯部1Bと鞘部1Aの界面に剥離が認められ、繊維が白茶けて、着色した色が変色したように見えてしまい、このような鞘/芯構造が人工毛髪に適さないことが判明した。
次に、実施例及び比較例における人工毛髪の曲げ剛性値の測定結果について説明する。曲げ剛性値は、前記したように、一般に繊維などに適用される物性値であり、毛髪の場合にも風合い(外観、触感、質感)などの感覚的な性状に相関する物性として近年認知されている。繊維の曲げ剛性の測定は織物に関して川端式測定法とその原理が広く知られているが、これを改良したシングルヘアーベンディングテスター(カトーテック(株)製、モデルKES−FB2−SH)を用いて、人工毛髪の曲げ剛性を測定した。測定方法としては、試料となる本発明の実施例、比較例の人工毛髪及び天然毛髪の何れの場合にも、各1cmの1本について、毛髪全体を一定曲率まで円弧状に等速度で曲げ、それに伴う微小な曲げモーメントを検出し、曲げモーメントと曲率の関係を測定した。これから、曲げモーメント/曲率変化により曲げ剛性値を求めた。代表的な測定条件を以下に示す。
(測定条件)
チャック間距離:1cm
トルク検出器:トーションワイヤー(スチールワイヤー)のねじれ検出方式
トルク感度:1.0gf・cm(フルスケール10Vにおいて)
曲率:±2.5cm-1
曲げ変位速度:0.5cm-1/sec
測定サイクル:1往復
ここで、チャックは、上記1cmの各毛髪を挟み込む機構である。
図12は、実施例1〜5及び比較例1、2における、人工毛髪の曲げ剛性値の湿度依存性を示すグラフである。図において、横軸は湿度(%)を、縦軸は曲げ剛性値(10-5gfcm2 /本)を示している。測定温度は22℃である。図12では、実施例及び比較例の人工毛髪の曲げ剛性値の湿度依存性を、天然毛髪の特性と共に示している。天然毛髪は個体差が大きいので、年齢層20〜50歳代各層の男性25名、女性38名から頭髪を採取し、そのうち径80μmの試料についての曲げ剛性値を測定し、その平均値を標準値としたほか、図には最大値と最小値も示した。天然毛髪の曲げ剛性値の平均値は、湿度が40%及び80%では、それぞれ、720×10-5gfcm2 /本及び510×10-5gfcm2 /本であり、湿度の上昇と共に、ほぼ単調に減少する特性を示すことが分かる。
これに対して、天然毛髪の曲げ剛性値の最大値は、湿度40%及び80%で、それぞれ740×10-5gfcm2 /本、600×10-5gfcm2 /本であった。また、その最小値は、湿度40%及び80%で、それぞれ660×10-5gfcm2 /本と420×10-5gfcm2 /本であり、天然毛髪の曲げ剛性値は幅を有していることが判明した。
実施例1の人工毛髪10は、糸径が80μm、鞘/芯容量比が1/7であり、湿度40%の条件では、曲げ剛性値は、天然毛髪の最大値と等しい740×10-5gfcm2 /本であり、湿度の上昇につれて曲げ剛性値が徐々に減少し、湿度60%では約700×10-5gfcm2 /本まで低下し、湿度80%では約650×10-5gfcm2 /本まで低下した。
この結果から、実施例1の人工毛髪10の場合には、天然毛髪の曲げ剛性値よりも高い曲げ剛性値を示しているが、後述する比較例1のナイロン6からなる人工毛髪や、比較例2のナイロン6Tからなる人工毛髪の曲げ剛性値と比較すると、天然毛髪に類似した曲げ剛性値と湿度依存性を示すことが判明した。
実施例2の人工毛髪10は、糸径が80μm、鞘/芯容量比が1/5であり、湿度40%の条件では、曲げ剛性値は、天然毛髪と同じ720×10-5gfcm2 /本であり、湿度が45%までは曲げ剛性値が徐々に低下し、約650×10-5gfcm2 /本まで低下する。次に、湿度が45〜60%までは、曲げ剛性値は、約650×10-5gfcm2 /本で一定となる。そして、湿度が60〜80%までの間においては、曲げ剛性値は徐々に減少し、湿度が80%では、約600×10-5gfcm2 /本に低下した。
この結果から、実施例2の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値と一致し、湿度上昇と共に、曲げ剛性値が減少し、天然毛髪に類似の曲げ剛性値と湿度依存性を示すことが判明した。
実施例3の人工毛髪10が実施例1と異なるのは、鞘/芯容量比が1/3である点である。湿度40%の条件では、曲げ剛性値は、天然毛髪と同じ720×10-5gfcm2 /本であり、湿度が40〜60%まで曲げ剛性値が低下し、約520×10-5gfcm2 /本まで低下する。次に、湿度が60〜80%までは、曲げ剛性値は、徐々に低下し、湿度が80%では、約480×10-5gfcm2 /本となった。
この結果から、実施例3の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値と一致し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少し、湿度80%でも天然毛髪に極めて近い曲げ剛性値を示すことが判明した。
実施例4の人工毛髪10が実施例1と異なるのは、鞘/芯容量比が1/2である点である。湿度40%の条件では、曲げ剛性値は、天然毛髪と同じ720×10-5gfcm2 /本であり、湿度が40〜60%まで曲げ剛性値は低下し、約510×10-5gfcm2 /本まで低下する。次に、湿度が60〜80%までは、曲げ剛性値は徐々に低下し、湿度が80%では、約390×10-5gfcm2 /本となった。
この結果から、実施例4の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値と一致し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少し、湿度80%での曲げ剛性値は、天然毛髪の曲げ剛性値の最小値付近を示すことが判明した。
実施例2〜4の人工毛髪10の曲げ剛性値が湿度40%以上では、実施例1のそれよりも低い値を示すのは、鞘部1Aの容量が実施例1のそれよりも大きい、つまり、芯部1Bの容量が小さいことによる。このため、本発明の人工毛髪においては、鞘/芯容量比を変化させることにより曲げ剛性値の湿度依存性を変化させることができる。
これにより、実施例2〜4の人工毛髪10の場合、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値と一致し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少し、天然毛髪に類似の湿度依存性を示すことが判明した。
実施例5の人工毛髪10が実施例1と異なるのは、鞘部1Aがナイロン66から構成されている点であり、他は同一である。実施例5においては、湿度40%の条件では、曲げ剛性値は天然毛髪よりも大きい780×10-5gfcm2 /本であり、湿度が40〜50%まで曲げ剛性値がほぼ直線的に低下し、湿度50%では約650×10-5gfcm2 /本となる。そして、湿度が50〜80%までは、ほぼ実施例1と一致する傾きで曲げ剛性値が約600×10-5gfcm2 /本まで低下する。
この結果から、実施例5の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値よりも大きい値を示し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少することが判明した。実施例5の人工毛髪10の場合には、曲げ剛性値が湿度40%〜50%の範囲で、実施例1〜4のそれよりも大きい値を示した。
これにより、実施例5の人工毛髪10の場合も、天然毛髪の曲げ剛性値と近い曲げ剛性値を示し、湿度上昇と共に、曲げ剛性値が減少し、天然毛髪に類似の曲げ剛性値と湿度依存性を示すことが判明した。
比較例1の人工毛髪はナイロン6からなり、糸径が80μm、延伸倍率3.3である。この人工毛髪の場合には、湿度40%で曲げ剛性値が約510×10-5gfcm2 /本であり、天然毛髪の約70%の値となった。また、湿度上昇と共に曲げ剛性値はほぼ単調に減少し、湿度80%では、曲げ剛性値は約250×10-5gfcm2 /本となった。この値は天然毛髪の約50%の値である。比較例1の曲げ剛性値は、測定した全湿度範囲で、天然毛髪や実施例1〜5の人工毛髪よりも著しく小さいことが分かった。
比較例2の人工毛髪は、ナイロン6Tからなり、糸径が80μm、延伸倍率5.5である。この人工毛髪の場合には、湿度40%で曲げ剛性値が約980×10-5gfcm2 /本であり、天然毛髪の約136%の大きな値となった。また、湿度上昇と共に曲げ剛性値はほぼ単調に減少し、湿度80%では、曲げ剛性値は約860×10-5gfcm2 /本となった。この値は天然毛髪の約170%の値である。比較例2の曲げ剛性値は、測定した全湿度範囲で天然毛髪や実施例1〜5の人工毛髪よりも著しく大きいことが分かった。
なお、比較例3の場合には、上述したように、鞘部1Aと芯部1Bの剥離が生じ、人工毛髪としては使用できないので、曲げ剛性値の測定は行なわなかった。
次に、実施例6〜10の人工毛髪における曲げ剛性値の湿度依存性について説明する。図13は、実施例6〜10及び比較例1、4、5における人工毛髪の曲げ剛性値の湿度依存性を示すグラフである。図において、横軸は湿度(%)を示し、縦軸は曲げ剛性値(10-5gfcm2 /本)を示している。測定温度は22℃である。図13では、図12と同様に、天然毛髪の曲げ剛性値として、その平均値、最大値及び最小値も合わせて示している。実施例6の人工毛髪10が実施例1と異なるのは、芯部1BがナイロンMXD6から構成されている点であり、糸径が80μm、鞘/芯容量比が1/7である。
図13から明らかなように、実施例6の人工毛髪10の場合には、湿度40%の条件では、曲げ剛性値は天然毛髪の平均値とほぼ同等の730×10-5gfcm2 /本であり、湿度が上昇するにつれて徐々に曲げ剛性値が低下する。湿度60%では約660×10-5gfcm2 /本まで低下し、湿度80%では約600×10-5gfcm2 /本まで低下した。
この結果から、実施例6の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値とほぼ同等の曲げ剛性値を示し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少し、天然毛髪に類似した挙動を示すことが分かった。即ち、実施例6の人工毛髪10は、天然毛髪に類似の曲げ剛性値と湿度依存性を示すことが判明した。
実施例7の人工毛髪10が実施例6と異なるのは、鞘芯容量比が1/5である点であり、他は同一である。
図13から明らかなように、実施例7の人工毛髪10の場合には、湿度40%の条件では、曲げ剛性値は天然毛髪の平均値とほぼ同等の730×10-5gfcm2 /本であり、そして、湿度が50%付近まで上昇するにつれて曲げ剛性値が低下し、620×10-5gfcm2 /本まで低下する。次に、湿度60%までは曲げ剛性値が徐々に低下し、湿度60%では、610×10-5gfcm2 /本となる。さらに、湿度が60〜80%においては、曲げ剛性値が徐々に低下し、湿度が80%では560×10-5gfcm2 /本となる。
この結果から、実施例7の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値とほぼ同等の曲げ剛性値を示し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少し、天然毛髪に類似した挙動を示すことが分かった。即ち、実施例7の人工毛髪10は、天然毛髪に類似の曲げ剛性値と湿度依存性を示すことが判明した。
実施例8の人工毛髪10が実施例6と異なるのは、鞘芯容量比が1/4である点であり、他は同一である。
図13から明らかなように、実施例8の人工毛髪10の場合には、湿度40%の条件で、天然毛髪の平均値とほぼ同等の730×10-5gfcm2 /本であり、湿度が40〜60%直前まで曲げ剛性値が低下し、湿度が約60%では、曲げ剛性値が560×10-5gfcm2 /本まで低下する。
次に、湿度が60〜80%においては、曲げ剛性値が徐々に低下し、湿度80%では490×10-5gfcm2 /本まで低下した。
この結果から、実施例8の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値とほぼ同等の曲げ剛性値を示し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少するという天然毛髪に類似した挙動を示すことが分かった。
実施例9の人工毛髪10が実施例6と異なるのは、鞘芯容量比が1/3である点であり、他は同一である。
図13から明らかなように、実施例9の人工毛髪10の場合には、湿度40%の条件で、天然毛髪の平均値とほぼ同等の730×10-5gfcm2 /本であり、湿度が40〜60%付近直前まで曲げ剛性値が低下し、湿度が約60%では、曲げ剛性値が530×10-5gfcm2 /本まで低下する。次に、湿度が60〜80%においては、曲げ剛性値が徐々に低下し、湿度80%では440×10-5gfcm2 /本まで低下した。
この結果から、実施例9の人工毛髪10の場合には、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値とほぼ同等の曲げ剛性値を示し、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少するという天然毛髪に類似した挙動を示すことが分かった。
実施例10の人工毛髪10が実施例6と異なるのは、鞘/芯容量比が1/2である点であり、他は同一である。
図13から明らかなように、実施例10の人工毛髪10の場合には、湿度40%の条件で、天然毛髪の平均値とほぼ同等の730×10-5gfcm2 /本であり、湿度が40〜60%付近直前まで曲げ剛性値が低下し、湿度が約60%では曲げ剛性値が490×10-5gfcm2 /本まで低下する。次に、湿度が60〜80%においては曲げ剛性値が徐々に低下し、曲げ剛性値が380×10-5gfcm2 /本まで低下した。
この結果から、実施例10の人工毛髪10は、湿度40%で天然毛髪の曲げ剛性値とほぼ同等の曲げ剛性値を有しており、湿度上昇と共に曲げ剛性値が減少していることを示している。湿度が60%付近を越えると、人工毛髪10の曲げ剛性値が天然毛髪の曲げ剛性値を下回っているが、上記比較例1のナイロン6からなる人工毛髪や、後述する比較例4のナイロンMXD6からなる人工毛髪の曲げ剛性値と比較すると、天然毛髪に類似した挙動を示すことが分かった。
比較例4の人工毛髪はナイロンMXD6からなり、糸径が80μmであり、湿度40%の条件で曲げ剛性値は940×10-5gfcm2 /本であり、湿度40〜60%付近まで曲げ剛性値が低下し、湿度60%では870×10-5gfcm2 /本までに低下する。さらに、湿度60〜80%までは曲げ剛性値が徐々に低下し、湿度80%では、780×10-5gfcm2 /本まで低下した。比較例4の曲げ剛性値は、測定した全湿度範囲で天然毛髪や実施例6〜10の人工毛髪よりも著しく大きいことが分かった。
比較例5の人工毛髪は、MXDナイロンにナイロン6を10%混合し、糸径が80μmである。湿度40%の条件では、曲げ剛性値は870×10-5gfcm2 /本であり、湿度60%付近まで曲げ剛性値が低下し、湿度60%では720×10-5gfcm2 /本まで低下する。さらに、湿度60〜80%までは曲げ剛性値が徐々に低下し、湿度80%では610×10-5gfcm2 /本まで低下した。比較例5の曲げ剛性値は、測定した全湿度範囲で天然毛髪や実施例6〜10の人工毛髪よりも著しく大きいことが分かった。
なお、図12と同様に比較例1の人工毛髪の曲げ剛性値も合わせて示しているが、測定した全湿度範囲で、天然毛髪や実施例6〜10の人工毛髪よりも著しく小さいことが分かった。
図12又は図13に示すように、天然毛髪の曲げ剛性値は人工的に作られたものと異なり、個体差が生じやすい。そして、天然毛髪の曲げ剛性値の湿度変化においても、湿度依存性に幅が生じる。天然毛髪の湿度変化による曲げ剛性値は、湿度40%では、最小値が660×10-5gfcm2 /本であり、最大値では740×10-5gfcm2 /本という範囲にあり、この変動幅は80×10-5gfcm2 /本である。湿度が60%の時には、最小値が520×10-5gfcm2 /本であり、最大値が660×10-5gfcm2 /本となり、変動幅は140×10-5gfcm2 /本となり、湿度が40%より大きい変動幅となる。さらに、湿度80%では、変動幅が広がり、最小値が420×10-5gfcm2 /本であり、最大値が600×10-5gfcm2 /本に達する。
実施例1〜10の人工毛髪10によれば、鞘をナイロン6又はナイロン66、芯をナイロン6T又はナイロンMXD6とし、その鞘芯容量比を変化させることにより、曲げ剛性値とその湿度依存性が天然毛髪に類似した人工毛髪10が得られる。図12及び図13から明らかなように、芯部1Bにナイロン6T又はナイロンMXD6を用いて、鞘/芯容量比を1/2に近い値で製造した人工毛髪10の曲げ剛性値は天然毛髪の曲げ剛性値の最小値付近になり、鞘/芯容量比を1/7付近で製造した人工毛髪10の曲げ剛性値は、天然毛髪の曲げ剛性値の最大値付近になる。
これから、芯部1Bを半芳香族ポリアミド樹脂とし、鞘部1Aを脂肪族ポリアミド樹脂とした鞘/鞘構造の人工毛髪10において、鞘/芯容量比が1/2〜1/7の範囲内にある場合には、天然毛髪の曲げ剛性値の挙動に近似する人工毛髪が得られた。表1及び表2に示すように、鞘/芯容量比が1/2〜1/7の範囲内で製造した人工毛髪10の鞘/芯重量比は10/90〜35/65の範囲となる。
特に、実施例6〜10の鞘をナイロン6、芯をナイロンMXD6とした人工毛髪10の場合には、温度22℃で、湿度が40〜50%における曲げ剛性値は天然毛髪の最大値と最小値の間に入って、その平均値に近い挙動を示す。さらに湿度が50%以上の湿度範囲では、実施例6、7の人工毛髪10の曲げ剛性値は、天然毛髪の曲げ剛性値の最大値における挙動に近い特性となり、実施例8の人工毛髪10の曲げ剛性値は、天然毛髪の曲げ剛性値の平均値における挙動に近い特性となり、実施例9、10の人工毛髪10の曲げ剛性値は、天然毛髪の曲げ剛性値の最小値における挙動に近い特性となる。
次に、実施例の人工毛髪の吸湿による変化について説明する。
図14〜図16は、(A)本発明による実施例の人工毛髪、(B)天然毛髪、(C)従来のポリエステルを用いた人工毛髪の、それぞれ、カールした最初の状態、水に浸漬した状態、及び水に浸漬した後の乾燥状態を示す図である。各毛髪はその上部で結束しており、乾燥は自然乾燥で行った。
図14に示すように、何れの毛髪も同じ長さで、同じカール径でカール付けを行った状態である。水に浸漬すると、実施例の人工毛髪1,10は、水分の吸収により伸び、かつ、その長さの変化も天然毛髪に近い変化を示すことが分かる (図15(A)及び(B)参照)。これに対して、ポリエステルを用いた人工毛髪の場合には、吸湿性に劣るので人工毛髪が伸びないために、カールが崩れず、天然毛髪の挙動とは異なることが分かる(図15(C)参照)。
水に浸漬した後の乾燥させた状態では、実施例の人工毛髪1,10は再びカールさせた最初の状態に戻り、天然毛髪に近い変化を示すことが分かる(図16(A)及び(B)参照)。なお、図示しないが、ポリエステル以外の材料からなる人工毛髪の場合には、例えば、水に濡れるとカールは殆ど伸びてしまう上に、自然放置下で湿気を取り除いても元のカールに戻り難いことが知られている。
これにより、本発明の人工毛髪1,10によれば、カールを付けた状態であっても、水に濡らした時のカールの伸び及び自然放置下で湿気を取り除いた時のカールの戻り具合が、天然毛髪に類似の挙動であることがわかった。
上記実施例1〜10の人工毛髪10によれば、22℃、湿度40%で曲げ剛性値が、天然毛髪の平均値720×10-5gfcm2 /本と一致するか、極めて近い値を示すことが分かった。さらに、湿度80%までの上昇に伴う曲げ剛性値の低下挙動も、天然毛髪に極めて近いことが分かった。さらに、実際に水に濡らした時の人工毛髪10において、カールの伸び及び自然放置下で湿気を取り除いた時のカールの戻り具合が、天然毛髪に類似の挙動であることがわかった。
実施例1〜10に示した人工毛髪10と同様にして、直径の異なる人工毛髪10を種々製作し、図5に示すかつらを製作した。直径の異なる人工毛髪を適切に配置し、毛髪の一部をカールさせたデザインで天然毛髪に近い外観を持ち、生え際やかつら装着の境界が不自然に見えないかつらとした。装着者や周囲の観察者の評価によれば、風合い(外観、触感、量感)が極めて自然であり、雨やシャワーに濡れた状態では、図6や図14〜図16に示すように毛髪の伏せ具合、カールの解け具合や外観、触感、量感などの風合いは、装着者自身の天然毛髪と変わらず、髪分かれも生じず極めて快適に装着できた。
上記実施例によれば、本発明によって製造される人工毛髪は、22℃、湿度40%における曲げ剛性値が天然毛髪の平均値720×10-5gfcm2 /本と一致するか、又は、極めて近い値が得られ、かつ、湿度上昇に伴う曲げ剛性値低下挙動も、天然毛髪に極めて近いことが分かった。
これにより、本発明の人工毛髪1又は10を用いて製造したかつら40は、風合い(外観、触感、質感)とも天然毛髪に近く、高湿下、あるいは水に濡れた場合のそれら特性の変化も天然毛髪に近いため、自然な感じで装着できることが判明した。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。例えば、ポリアミド樹脂は、所望の曲げ剛性値などが得られるように適宜選択すればよいことは勿論である。

Claims (16)

  1. 芯部と該芯部を覆う鞘部とからなる鞘/芯構造を有し、
    上記芯部がポリアミド樹脂からなり、上記鞘部が上記芯部よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂からなることを特徴とする、人工毛髪。
  2. 前記人工毛髪の表面が、微細な凹凸部を有して艶消しがされていることを特徴とする、請求項1に記載の人工毛髪。
  3. 前記微細な凹凸部が、球晶及び/又はブラスト処理により形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の人工毛髪。
  4. 前記芯部が半芳香族ポリアミド樹脂からなり、前記鞘部が直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の人工毛髪。
  5. 前記半芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンジアミンとテレフタール酸との交互共重合体、又は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体であることを特徴とする、請求項4に記載の人工毛髪。
  6. 前記直鎖飽和脂肪酸ポリアミド樹脂が、カプロラクタム開環重合体、及び/又は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体であることを特徴とする、請求項4に記載の人工毛髪。
  7. 前記鞘部及び芯部の鞘/芯重量比が、10/90〜35/65であることを特徴とする、請求項1に記載の人工毛髪。
  8. 前記人工毛髪が、顔料及び/又は染料を含有していることを特徴とする、請求項1に記載の人工毛髪。
  9. かつらベースと、該かつらベースに植設される人工毛髪とを、含むかつらであって、
    上記人工毛髪が、芯部と該芯部を覆う鞘部とからなる鞘/芯構造を有し、
    上記芯部がポリアミド樹脂からなり、上記鞘部が上記芯部よりも曲げ剛性の低いポリアミド樹脂からなる人工毛髪を用いたことを特徴とする、かつら。
  10. 前記人工毛髪の表面が、微細な凹凸部を有して艶消しがされていることを特徴とする、請求項9に記載のかつら。
  11. 前記微細な凹凸部が、球晶及び/又はブラスト処理からなることを特徴とする、請求項10に記載のかつら。
  12. 前記芯部が半芳香族ポリアミド樹脂からなり、前記鞘部が直鎖飽和脂肪族ポリアミド樹脂からなることを特徴とする、請求項9に記載のかつら。
  13. 前記半芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンジアミンとテレフタール酸との交互共重合体、又は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体であることを特徴とする、請求項12に記載のかつら。
  14. 前記直鎖飽和脂肪酸ポリアミド樹脂が、カプロラクタム開環重合体、及び/又は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体であることを特徴とする、請求項12に記載のかつら。
  15. 前記鞘部及び芯部の鞘/芯重量比が、10/90〜35/65であることを特徴とする、請求項9に記載のかつら。
  16. 前記人工毛髪が、顔料及び/又は染料を含有していることを特徴とする、請求項9に記載のかつら。
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