JP2008289525A - 玩具用毛髪 - Google Patents
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Abstract
【課題】 毛髪を水の適用により自在な形に変えることができ、乾燥により変形した状態を長期間固定でき、必要に応じて、前記変形させた毛髪を元の状態に復元させたり、別の形に変形できる繰り返しの遊戯性を備えた玩具用毛髪を提供する。
【解決手段】 樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪、或いは、芯部と鞘部とからなる複合樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記芯部及び/又は鞘部の樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪。
【選択図】 なし
【解決手段】 樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪、或いは、芯部と鞘部とからなる複合樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記芯部及び/又は鞘部の樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪。
【選択図】 なし
Description
本発明は玩具用毛髪に関する。詳細には、水の適用により任意形状に変形された状態が乾燥状態で固定される機能を備えた玩具用毛髪に関する。
従来、形状変化性を有する玩具の毛髪としては、形状記憶合金を用いたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記毛髪は任意形状に変形させた後、加熱すると合金が記憶した形状に戻るものの、金属製のため柔軟な風合いが得られない。
また、形状記憶樹脂を用いた毛髪が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、繊維形成性が困難であると共に、変形させた状態を保持する機能に乏しく、玩具性を満足させていなかった。
前記問題を解消するため、手触等の加温により自在な形に変形させ、冷却により変形した状態を固定でき、必要に応じて固定した形を元の状態に復元したり、別の形に変える機能を備えた玩具用毛髪が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
前記毛髪は利便性を考慮して体温付近の温度に加温して変形させる構成が好ましいものの、変形させた後も経時により元の形状に戻る性質があり、変形させた状態を長時間保持することは困難であった。
実開昭62−137086号公報
実開平2−141498号公報
特開平10−118341号公報
前記毛髪は任意形状に変形させた後、加熱すると合金が記憶した形状に戻るものの、金属製のため柔軟な風合いが得られない。
また、形状記憶樹脂を用いた毛髪が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、繊維形成性が困難であると共に、変形させた状態を保持する機能に乏しく、玩具性を満足させていなかった。
前記問題を解消するため、手触等の加温により自在な形に変形させ、冷却により変形した状態を固定でき、必要に応じて固定した形を元の状態に復元したり、別の形に変える機能を備えた玩具用毛髪が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
前記毛髪は利便性を考慮して体温付近の温度に加温して変形させる構成が好ましいものの、変形させた後も経時により元の形状に戻る性質があり、変形させた状態を長時間保持することは困難であった。
本発明は、水の適用により自在な形に変形させ、乾燥により変形した状態を長期間固定でき、必要に応じて固定した形を元の状態に復元したり、別の形に変える機能を備えた利便性に富む玩具用毛髪を提供しようとするものである。
本発明は、樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪、或いは、芯部と鞘部とからなる複合樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記芯部及び/又は鞘部の樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪を要件とする。
本発明は、毛髪を水の適用により自在な形に変えることができ、乾燥により変形した状態を長期間固定でき、必要に応じて、前記変形させた毛髪を元の状態に復元させたり、別の形に変形できる繰り返しの遊戯性を備えた玩具用毛髪を提供できる。
本発明の玩具用毛髪を構成する樹脂製フィラメントは、少なくともアルコール可溶性樹脂を含む樹脂により形成される。
前記アルコール可溶性樹脂としては、繊維形成性に優れた熱可塑性のアルコール可溶性ナイロンが好適に用いられる。特にアルコール可溶性ナイロンのうち、6,6ナイロンを少なくとも含む共重合ナイロン、6ナイロンと6,6ナイロンを少なくとも含む多元共重合ナイロン、或いは、6ナイロンと6,6ナイロンと610ナイロンを少なくとも含む多元共重合ナイロンはホルマリン等の有害物質を用いることがないため、製造時や使用時の安全性を高めることができる。
前記フィラメントを構成する樹脂としては、アルコール可溶性樹脂のみを用いる他、アルコール可溶性樹脂と異なる樹脂をブレンドして用いることもできる。
前記アルコール可溶性樹脂と異なる樹脂としては、繊維形成性を有する樹脂が好ましく、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
前記ポリアミド樹脂としては、6ナイロン、6,6ナイロン、6,9ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6−12共重合ナイロン、6,9−12共重合ナイロン、ポリアミドエラストマー等が例示され、ポリエステル樹脂としては、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、飽和脂肪族ポリエステル、ポリエステルエラストマー等が例示され、前記ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−エチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンラバー等を例示できる。なお、これらの樹脂は単独又は併用して用いてもよい。
なお、前記別の樹脂とブレンドする場合、樹脂中にアルコール可溶性樹脂を10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有することにより、水の適用による変形性と乾燥により変形した状態の固定性を満足させることができる。
前記構成のフィラメントは、溶融紡糸装置の適用による溶融紡糸により、通例、マルチフィラメント形態として製造される。これは、人形や動物形象の玩具に植毛ミシン等により連続的に植毛し易い形態の繊維束が構成されるからである。
ここで、フィラメントの断面は、円形状に限らず、星型、Y型、その他の異形状のものが有効であり、触感、嵩高性、カール加工性等により適宜選択される。
フィラメントの外径は、30〜200μm、より好ましくは、40〜120μmの範囲であり、30μm未満の径のものは、細すぎて、変形後の形状保持性が劣り、一方、200μmを越えると太くなり過ぎて、毛髪の性状を示し難くなる。
前記アルコール可溶性樹脂としては、繊維形成性に優れた熱可塑性のアルコール可溶性ナイロンが好適に用いられる。特にアルコール可溶性ナイロンのうち、6,6ナイロンを少なくとも含む共重合ナイロン、6ナイロンと6,6ナイロンを少なくとも含む多元共重合ナイロン、或いは、6ナイロンと6,6ナイロンと610ナイロンを少なくとも含む多元共重合ナイロンはホルマリン等の有害物質を用いることがないため、製造時や使用時の安全性を高めることができる。
前記フィラメントを構成する樹脂としては、アルコール可溶性樹脂のみを用いる他、アルコール可溶性樹脂と異なる樹脂をブレンドして用いることもできる。
前記アルコール可溶性樹脂と異なる樹脂としては、繊維形成性を有する樹脂が好ましく、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
前記ポリアミド樹脂としては、6ナイロン、6,6ナイロン、6,9ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6−12共重合ナイロン、6,9−12共重合ナイロン、ポリアミドエラストマー等が例示され、ポリエステル樹脂としては、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、飽和脂肪族ポリエステル、ポリエステルエラストマー等が例示され、前記ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−エチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンラバー等を例示できる。なお、これらの樹脂は単独又は併用して用いてもよい。
なお、前記別の樹脂とブレンドする場合、樹脂中にアルコール可溶性樹脂を10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有することにより、水の適用による変形性と乾燥により変形した状態の固定性を満足させることができる。
前記構成のフィラメントは、溶融紡糸装置の適用による溶融紡糸により、通例、マルチフィラメント形態として製造される。これは、人形や動物形象の玩具に植毛ミシン等により連続的に植毛し易い形態の繊維束が構成されるからである。
ここで、フィラメントの断面は、円形状に限らず、星型、Y型、その他の異形状のものが有効であり、触感、嵩高性、カール加工性等により適宜選択される。
フィラメントの外径は、30〜200μm、より好ましくは、40〜120μmの範囲であり、30μm未満の径のものは、細すぎて、変形後の形状保持性が劣り、一方、200μmを越えると太くなり過ぎて、毛髪の性状を示し難くなる。
なお、適用するアルコール可溶性樹脂、或いは、ブレンドする樹脂によってはフィラメントが相互を重ねた状態で放置した際、くっつき易くなることがあり、これを解消するために芯鞘型の複合フィラメント形態とすることもできる。
具体的には、アルコール可溶性樹脂を含む樹脂(A)が芯部を形成し、その周囲をフィラメント同士がくっつき難い組成の樹脂(B)が鞘状に取り巻き接合された芯鞘型の複合繊維である。
この場合、鞘部を形成する樹脂(B)は水透過性を備える必要がある。
更に、アルコール可溶性樹脂、或いは、ブレンドする樹脂によりフィラメントが相互を重ねた状態でくっつき難い場合は、樹脂(A)が芯部を形成し、その周囲をアルコール可溶性樹脂を含む樹脂(B)が鞘状に取り巻き接合された芯鞘型の複合繊維を得ることもできる。前記構成により単一相のフィラメントと比較してアルコール可溶性樹脂の含有量を低減することもできる。
また、アルコール可溶性樹脂を含む樹脂(A)が芯部を形成し、その周囲をアルコール可溶性樹脂を含む樹脂(B)が鞘状に取り巻き接合された芯鞘型の複合繊維であってもよい。
前記芯鞘型の複合フィラメントに含まれるアルコール可溶性樹脂は、10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有することにより、水の適用による変形性と乾燥により変形した状態の固定性を満足させることができる。
具体的には、アルコール可溶性樹脂を含む樹脂(A)が芯部を形成し、その周囲をフィラメント同士がくっつき難い組成の樹脂(B)が鞘状に取り巻き接合された芯鞘型の複合繊維である。
この場合、鞘部を形成する樹脂(B)は水透過性を備える必要がある。
更に、アルコール可溶性樹脂、或いは、ブレンドする樹脂によりフィラメントが相互を重ねた状態でくっつき難い場合は、樹脂(A)が芯部を形成し、その周囲をアルコール可溶性樹脂を含む樹脂(B)が鞘状に取り巻き接合された芯鞘型の複合繊維を得ることもできる。前記構成により単一相のフィラメントと比較してアルコール可溶性樹脂の含有量を低減することもできる。
また、アルコール可溶性樹脂を含む樹脂(A)が芯部を形成し、その周囲をアルコール可溶性樹脂を含む樹脂(B)が鞘状に取り巻き接合された芯鞘型の複合繊維であってもよい。
前記芯鞘型の複合フィラメントに含まれるアルコール可溶性樹脂は、10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有することにより、水の適用による変形性と乾燥により変形した状態の固定性を満足させることができる。
前記フィラメント中には一般顔料、蛍光顔料、熱変色性マイクロカプセル顔料、フォトクロミック材料等を添加して種々の色調のフィラメントを得ることもできる。
前記熱変色性マイクロカプセル顔料は、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたものが有効である。
前記マイクロカプセルは粒子径1〜30μm、好ましくは5〜15μmの範囲のものを適用でき、樹脂中に0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含有させる。
0.5重量%未満の配合量では鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、40重量%を越えると、過剰であり、消色状態にあって残色が生じることもある。
前記フォトクロミック材料は、スピロオキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジアリールエテン系化合物等のフォトクロミック化合物が有効である。
前記熱変色性マイクロカプセル顔料は、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたものが有効である。
前記マイクロカプセルは粒子径1〜30μm、好ましくは5〜15μmの範囲のものを適用でき、樹脂中に0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含有させる。
0.5重量%未満の配合量では鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、40重量%を越えると、過剰であり、消色状態にあって残色が生じることもある。
前記フォトクロミック材料は、スピロオキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジアリールエテン系化合物等のフォトクロミック化合物が有効である。
更に、汎用の各種可塑剤、例えば、フタル酸系、脂肪族二塩基酸エステル系、リン酸エステル系、エポキシ系、フェノール系、トリメリット酸系等を配合して柔軟性を付与したり、加工性、物性等を改善するために、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、タルク等を添加することもできる。
本発明は、前記したとおり、水の適用により柔軟性を示して変形が可能となり、所望の形状に固定した状態のまま乾燥させることにより形状を保持する機能を備え、変形と固定が水の適用という簡易な方法により達成でき、更に前記形状を保持した毛髪を再び水の適用により解除して、別の任意の形に変形、固定できるといった、繰り返しの実用性を備える玩具用毛髪を与える。
なお、水の適用により柔軟性を示して変形し、前記変形した形状を水が乾燥することにより固定されるのは、アルコール可溶性樹脂が親水性に富むため吸水により樹脂のガラス転移温度(Tg)が下がり、柔軟性を有して曲げ弾性率が低下し、乾燥によって再びガラス転移温度(Tg)が上昇して曲げ弾性率がアップし、硬化性を有して変形した状態が保持されるためと推察される。
更に、本発明の玩具用毛髪は所望の形状に変形させた後、水を付着させると、乾燥前に固定具を取り外しても形状を保持できる遊戯性を備えているが、これは応力による歪みがかかっている状態で吸水すると、分子が歪みを緩和する方向へずれて、その結果、変形後の形状を保持するようになるものと推察される。
なお、水の適用により柔軟性を示して変形し、前記変形した形状を水が乾燥することにより固定されるのは、アルコール可溶性樹脂が親水性に富むため吸水により樹脂のガラス転移温度(Tg)が下がり、柔軟性を有して曲げ弾性率が低下し、乾燥によって再びガラス転移温度(Tg)が上昇して曲げ弾性率がアップし、硬化性を有して変形した状態が保持されるためと推察される。
更に、本発明の玩具用毛髪は所望の形状に変形させた後、水を付着させると、乾燥前に固定具を取り外しても形状を保持できる遊戯性を備えているが、これは応力による歪みがかかっている状態で吸水すると、分子が歪みを緩和する方向へずれて、その結果、変形後の形状を保持するようになるものと推察される。
本発明の玩具用毛髪を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。尚、実施例中の配合は質量部を示す。
実施例1
玩具用毛髪の作製
アルコール可溶性樹脂として6−6,6−610三元共重合ナイロン99部、茶色の着色剤1部を混合し、汎用の溶融紡糸装置を使用して、24孔の吐出孔を有するダイスから180℃で紡出し、延伸処理することにより、外径約80μmのフィラメントが24本からなる茶色のマルチフィラメント(玩具用毛髪)を得た。
実施例1
玩具用毛髪の作製
アルコール可溶性樹脂として6−6,6−610三元共重合ナイロン99部、茶色の着色剤1部を混合し、汎用の溶融紡糸装置を使用して、24孔の吐出孔を有するダイスから180℃で紡出し、延伸処理することにより、外径約80μmのフィラメントが24本からなる茶色のマルチフィラメント(玩具用毛髪)を得た。
人形の作製
前記マルチフィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
前記マルチフィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
また、乾燥状態の人形の毛髪を直径9mmの円筒状のヘアーカーラーに巻き付けた後、噴霧器を用いて水を付着させ、未乾燥状態でカーラーを外してもカーラーと同一径でカールした状態となり、そのまま乾燥させると、水を付着させる前と同じ固さとなり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
実施例2
玩具用毛髪の作製
アルコール可溶性樹脂として6−6,6−610−12四元共重合ナイロン10部、アルコール可溶樹脂と異なる樹脂として6−12共重合ナイロン89部、茶色の着色剤1部を混合し、汎用の溶融紡糸装置を使用して、24孔の吐出孔を有するダイスから180℃で紡出し、延伸処理することにより、外径約80μmのフィラメントが24本からなる茶色のマルチフィラメント(玩具用毛髪)を得た。
玩具用毛髪の作製
アルコール可溶性樹脂として6−6,6−610−12四元共重合ナイロン10部、アルコール可溶樹脂と異なる樹脂として6−12共重合ナイロン89部、茶色の着色剤1部を混合し、汎用の溶融紡糸装置を使用して、24孔の吐出孔を有するダイスから180℃で紡出し、延伸処理することにより、外径約80μmのフィラメントが24本からなる茶色のマルチフィラメント(玩具用毛髪)を得た。
人形の作製
前記マルチフィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
前記マルチフィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
また、乾燥状態の人形の毛髪を直径9mmの円筒状のヘアーカーラーに巻き付けた後、噴霧器を用いて水を付着させ、未乾燥状態でカーラーを外してもカーラーと同一径でカールした状態となり、そのまま乾燥させると、水を付着させる前と同じ固さとなり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
実施例3
可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン2部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−オクタン6部、カプリン酸ステアリル50部からなる可逆性熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミンの界面重合法によってマイクロカプセル化して平均粒子径10〜20μmの可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記マイクロカプセル顔料は34℃以上で無色、28℃以下で桃色に可逆的に色変化した。
可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン2部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−オクタン6部、カプリン酸ステアリル50部からなる可逆性熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミンの界面重合法によってマイクロカプセル化して平均粒子径10〜20μmの可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記マイクロカプセル顔料は34℃以上で無色、28℃以下で桃色に可逆的に色変化した。
玩具用毛髪の作製
前記マイクロカプセル顔料3部、アルコール可溶性樹脂として6−6,6−610三元共重合ナイロン97部を混合し、180℃でエクストルーダーにて溶融混合し、可逆熱変色性樹脂組成物を得た。
前記樹脂組成物は34℃以上で無色、28℃以下で桃色に可逆的に色変化した。
次いで、前記樹脂組成物を汎用の溶融紡糸装置を使用して、24孔の吐出孔を有するダイスから180℃で紡出し、延伸処理することにより、外径約80μmのフィラメントが24本からなるマルチフィラメント(玩具用毛髪)を得た。
前記マイクロカプセル顔料3部、アルコール可溶性樹脂として6−6,6−610三元共重合ナイロン97部を混合し、180℃でエクストルーダーにて溶融混合し、可逆熱変色性樹脂組成物を得た。
前記樹脂組成物は34℃以上で無色、28℃以下で桃色に可逆的に色変化した。
次いで、前記樹脂組成物を汎用の溶融紡糸装置を使用して、24孔の吐出孔を有するダイスから180℃で紡出し、延伸処理することにより、外径約80μmのフィラメントが24本からなるマルチフィラメント(玩具用毛髪)を得た。
人形の作製
前記マルチフィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪は25℃の室温下で桃色を呈しており、噴霧器を用いて水を付着させ、頂点間の距離が10mm間隔の波形形状の板に挟み込んで乾燥させた後、板を取り外すと、毛髪は波形の板と同形状のウェーブした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、ウェーブした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
前記マルチフィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪は25℃の室温下で桃色を呈しており、噴霧器を用いて水を付着させ、頂点間の距離が10mm間隔の波形形状の板に挟み込んで乾燥させた後、板を取り外すと、毛髪は波形の板と同形状のウェーブした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、ウェーブした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
実施例4
玩具用毛髪の作製
芯材料として、アルコール可溶性樹脂である6−6,6−610−12四元共重合ナイロン、鞘材料として、ショアー硬度55のポリアミドエラストマー99部と茶色の着色剤1部との混合物を使用し、複合繊維紡糸装置を使用して18孔の吐出孔を有するダイスから、芯/鞘比が6/4となるように200℃で紡出することにより、直径70μmの芯/鞘構造の複合フィラメント(玩具用毛髪)を得た。
玩具用毛髪の作製
芯材料として、アルコール可溶性樹脂である6−6,6−610−12四元共重合ナイロン、鞘材料として、ショアー硬度55のポリアミドエラストマー99部と茶色の着色剤1部との混合物を使用し、複合繊維紡糸装置を使用して18孔の吐出孔を有するダイスから、芯/鞘比が6/4となるように200℃で紡出することにより、直径70μmの芯/鞘構造の複合フィラメント(玩具用毛髪)を得た。
人形の作製
前記フィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
前記フィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
また、乾燥状態の人形の毛髪を直径9mmの円筒状のヘアーカーラーに巻き付けた後、噴霧器を用いて水を付着させ、未乾燥状態でカーラーを外してもカーラーと同一径でカールした状態となり、そのまま乾燥させると、水を付着させる前と同じ固さとなり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
実施例5
芯材料として、線状低密度ポリエチレン99部と茶色の着色剤1部との混合物、鞘材料としてアルコール可溶性樹脂である6−6,6−610三元共重合ナイロン10部、アルコール可溶樹脂とは別の樹脂として6−12共重合ナイロン90部との混合物を使用し、複合繊維紡糸装置を使用して18孔の吐出孔を有するダイスから、芯/鞘比が5/5となるように180℃で紡出することにより、直径90μmの芯/鞘構造の複合フィラメント(玩具用毛髪)を得た。
芯材料として、線状低密度ポリエチレン99部と茶色の着色剤1部との混合物、鞘材料としてアルコール可溶性樹脂である6−6,6−610三元共重合ナイロン10部、アルコール可溶樹脂とは別の樹脂として6−12共重合ナイロン90部との混合物を使用し、複合繊維紡糸装置を使用して18孔の吐出孔を有するダイスから、芯/鞘比が5/5となるように180℃で紡出することにより、直径90μmの芯/鞘構造の複合フィラメント(玩具用毛髪)を得た。
人形の作製
前記フィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
前記フィラメントをプラスチック材からなる人形の頭部に公知の手段により植毛し、胴体部と組み合わせて人形を得た。
前記人形の毛髪に噴霧器を用いて水を付着させ、直径9mmの円筒状ヘアーカーラーに巻き付けて乾燥させた後、カーラーを外すと、毛髪はカーラーと同一径でカールした状態となり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
次に、カールした状態の毛髪に再度噴霧器を用いて水を付着させ、直線状態に伸ばしながらブラッシングすると、毛髪は初期のストレート状態に戻った。
前記形状変化は、水の付与により変形し、乾燥させるとその形状を固定でき、繰り返しの遊戯性を備えていた。
また、乾燥状態の人形の毛髪を直径9mmの円筒状のヘアーカーラーに巻き付けた後、噴霧器を用いて水を付着させ、未乾燥状態でカーラーを外してもカーラーと同一径でカールした状態となり、そのまま乾燥させると、水を付着させる前と同じ固さとなり、パーマネントウェーブと同様に長期間その形状を保持できた。
Claims (8)
- 樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪。
- 樹脂中に前記アルコール可溶性樹脂を10質量%以上含有してなる請求項1記載の玩具用毛髪。
- 芯部と鞘部とからなる複合樹脂製フィラメントから構成される毛髪であって、前記芯部及び/又は鞘部の樹脂がアルコール可溶性樹脂を含んでなる玩具用毛髪。
- 鞘部の樹脂中に前記アルコール可溶性樹脂を10質量%以上含有してなる請求項3記載の玩具用毛髪。
- 前記アルコール可溶性樹脂がアルコール可溶性ナイロンである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の玩具用毛髪。
- 前記アルコール可溶性ナイロンが6,6ナイロンを少なくとも含む共重合ナイロンである請求項5記載の玩具用毛髪。
- 前記アルコール可溶性ナイロンが6ナイロンと6,6ナイロンを少なくとも含む多元共重合ナイロンである請求項5記載の玩具用毛髪。
- 前記アルコール可溶性ナイロンが6ナイロンと6,6ナイロンと610ナイロンを少なくとも含む多元共重合ナイロンである請求項5記載の玩具用毛髪。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2007-05-22 JP JP2007135108A patent/JP2008289525A/ja active Pending
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